JP6374148B2 - 検体分析装置及び検体分析方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、精度管理が必要であるにもかかわらず精度管理が未完了の試薬を用いて測定が行われた場合に、測定後の精度管理を簡単かつ確実に行うことができる検体分析装置を提供することでもある。
本発明の第2の観点による検体分析方法によれば、第1の観点による検体分析装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第3の観点による検体分析装置によれば、試薬の自動切り替えにより精度管理が行われていない試薬組を用いて測定が行われたとしても、新たに精度管理を実行する場合には、精度管理せずに検体測定に用いられた試薬組が自動抽出される。したがって、精度管理が行われず、かつ測定に使用された試薬組をユーザが探す手間が省け、精度管理を簡単かつ確実に行うことができる。
まず、図1〜2を参照しつつ、検体分析装置1の全体構成を説明する。
検体分析装置1は、図1に示されるように、測定部としての測定装置2と、測定装置2の前面側に配置された搬送装置3とにより構成されている。測定装置2は、筐体4内に収容されている。
検体分注部11は、検体を吸引及び吐出するピペット11aを備えており、図示しない移動機構によって検体吸引位置P1と検体分注位置P2とを含む所定領域を移動可能に構成されている。検体分注部11は、搬送装置3の搬送路31上の検体吸引位置P1に搬送された検体容器Tから、当該検体容器T内に収容された検体を吸引する。そして、検体プレート設置部12に設置された検体プレートPのウェルに検体を分注するように構成されている。また、検体分注部11は、容器セット部13にセットされた洗浄液容器5及び容器セット部14にセットされた希釈液容器6から、それぞれ洗浄液及び希釈液を吸引して分注することが可能である。
この作業は、特に、複数の試薬を使用する測定項目において煩雑になる場合がある。例えば、R1、R2、R3という3種類の試薬を使用する測定項目があったとする。R1、R2、R3についてそれぞれ予備の試薬(R1´、R2´、R3´)がセットされている場合、考えられる試薬組は23=8通りになる。これらの組み合わせのうち、すでに検量線が作成されているR1、R2、R3の組み合わせを除く7通りの中から、オペレータは、再計算に使用するための、試薬自動切り替えによって検体測定に使用された試薬の組み合わせを指定する必要がある。この作業は、試薬自動切り替えに使用された試薬のロットを把握しておかなければならないため、オペレータにとっては不便である。
図3は、検体分析装置1における制御部20の構成を示す図である。
制御部20は、パーソナルコンピュータからなり、本体部400と表示入力部410から構成されている。本体部400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
つぎに前述した検体分析装置1を用いた検体分析フローの一例について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る検体分析装置1の状態遷移図である。図5は、本発明の一実施形態に係る検体分析装置の操作の流れを示したフローチャートである。
検体分析装置1は、前述したように、連続測定中に試薬切れが発生すると自動的に新しいロットの試薬を使用する測定に移行することで、連続測定を継続する機能を有している。以下、検体分析装置1のかかる機能を「試薬自動切り替え」という。また、試薬自動切り替えにより、検量線が作成されていない試薬組を用いて検体の測定を行うことを「オンホールド測定」といい、オンホールド測定により分析パラメータの算出が未完了の検体を「オンホールド検体」ともいう。これに対し、測定開始前に予め検量線を作成し、バリデートされた検量線を用いて検体の測定を行うことを「通常測定」ともいう。以下では、図5に示した作業フローの各工程における検体分析装置1の動作を、図4の状態遷移図を参照しながら説明する。
検体分析装置1を起動させると、検体分注部11などの各種駆動部および制御部20に内蔵されたプログラムの初期化が行われた後、図6に示すメニュー画面100が表示される。メニュー画面には、主な機能画面へのショートカットとして機能するアイコンが複数並んで表示されている。試薬情報アイコン110は、試薬管理画面40(図7参照)のショートカットである。検量線アイコン120は、検量線オーダ登録画面50(図11参照)のショートカットである。ジョブリストアイコン130は、ジョブリスト画面46(図10参照)のショートカットである。オーダアイコン140は、オーダ登録画面41(図8参照)のショートカットである。オペレータは、メニュー画面において所望する機能のアイコンを選択することで、所望の機能画面を表示させ、検体分析装置1を操作する。
メニュー画面100において試薬情報アイコン110が操作されると、図7に示す試薬管理画面40が表示部21に表示される。試薬管理画面40には、容器セット部15を含む試薬庫200の保持位置の配置が模式的に表示され、各保持位置に保持された試薬容器の情報(測定項目と試薬名と残テスト数)が、それぞれの保持位置に対応付けて表示される。たとえば、保持位置C05には、測定項目「AT3」に使用する「Thro」試薬が保持されており、残テスト数が120テストであることが表示される。オペレータは、表示部21に表示される試薬画面40(図7参照)を参照し、連続測定をするに際し試薬の補充が必要であるか否かを判断する。
補充が必要であれば、オペレータは予備の試薬を準備し、試薬に添付されているバーコードを読み取らせるなどして試薬の情報(測定項目、試薬ロット、残テスト数など)を検体分析装置1に登録し、試薬庫200の容器セット部15に試薬容器をセットする。試薬情報が登録され、試薬容器がセットされると、試薬管理画面40の情報が更新される。
なお、予備の試薬と使用中の試薬とがロットが同じである場合もあり得るが、ここでは説明を分かり易くするため、予備の試薬と使用中の試薬とが別ロットであることを前提として説明する。また、使用中の試薬については既に検量線が作成されており、且つバリデートされているものとする。
試薬管理画面40のツールバーから「メニュー」が選択されると、画面がメニュー画面100に遷移する。オペレータは、メニュー画面100においてオーダアイコン140を操作し、図8に示すオーダ登録画面41を表示部21に表示させる。オペレータは、表示部21に表示される画面を介して検体の測定オーダを入力する。オーダ登録画面41では、少なくとも検体番号と測定項目が入力される。OKボタンが操作されるとオーダが登録され、メニュー画面100に遷移する。
オペレータは、メニュー画面100の開始ボタン150を操作し、測定オーダを登録した検体についての測定・分析を装置に開始させる。
開始ボタン150が操作されると、制御部20に測定開始指示が入力される。制御部20が測定開始指示を受け付けると、検体の測定・分析が開始される。
ステップS601では、検体分注部11が、搬送装置3によって搬送された検体容器Tから検体を吸引し、検体プレートPのウェルに分注する(一次分注)。ついで、ステップS602において、検体分注部11が、ウェルに分注された検体の一部をキュベット9に分注する(二次分注)。
後述するように、制御部20は、検量線を作成すると、検量線の作成に使用した試薬組の情報(各試薬のロット番号)とともに、作成した検量線をハードディスク404に記憶させるようになっている。また、作成した検量線がバリデートされると、その検量線にバリデート済みであることを示す情報が付加される。
制御部20は、測定に使用した新ロットの試薬を含む試薬組に対応するバリデート済みの検量線がハードディスク404に記憶されているか否かを判断する。対応する検量線が記憶されており、かつ、その検量線がバリデートされていれば(S612でYes)、制御部20は、記憶されているバリデート済みの検量線に測定データを適用して分析パラメータを算出し(S613)、算出した分析パラメータをハードディスク404に記憶し(S614)、測定・分析の処理を終了する。
図5に戻って、オペレータは、分析結果を確認するために、ジョブリストアイコン120を操作して表示部21にジョブリスト画面46を表示させる。図10はジョブリスト画面の画面例を示している。ジョブリスト画面46には、測定のオーダが入力された検体が一覧表示される。図示された状態では、各行に個々の検体の検体情報が表示されている。オペレータは、画面左下のタブを切り替えることで表示内容を切り替え、各検体の測定・分析の結果を確認することができる。オペレータは検体の測定・分析の結果を確認し、問題がなければ、ジョブリスト画面の上部に設けられた「バリデート」ボタンを押すことで、結果をバリデートする。バリデートされた検体の行の左端の列には、バリデート済み(Validated)を示す「v」の表示が付加される。
ジョブリスト画面46において測定状態が「On Hold」の検体がある場合には、その検体の測定に使用された試薬組についてキャリブレーションを行う必要がある。オペレータは、オンホールド検体の測定に使用された新ロットの試薬を含む試薬組について検量線を作成するために、キャリブレータをセットしたラックRを搬送装置3にセットする。
ついで、オペレータは、オンホールド検体の測定に用いられた試薬組を検量線の作成対象として検量線作成オーダを入力する。メニュー画面100において検量線アイコン120が選択されると、図11の検量線オーダ登録画面が表示される。
検量線オーダ入力画面54は、検量線作成対象の試薬組を指定するための指定領域55を備えている。指定領域55には、検量線作成対象としてオペレータが指定した試薬組のロット番号の組み合わせと、当該試薬組のステータス情報が表示される。OKボタンが操作されると、指定領域55に表示された指定の試薬組が、キャリブレーションの実行対象として測定され、検量線が作成される。
図示例では、指定領域55にデフォルト表示された試薬組は、試薬「AT3Thro」としてロット番号「536331」のものと、試薬「AT3Sub」としてロット番号「520273」のものと、試薬OVB(ロット番号なし)を含んでいる。そして、指定領域55のステータス情報によれば、この試薬組は、オンホールド検体の測定に使用されており、かつ、検量線が作成されていない。
図示例では、プルダウンメニュー57の最上段の行から、ステータス情報が「新しい検量線あり」且つ「On Holdあり」、「検量線なし」、「新しい検量線あり」、「Validated検量線あり」の順に並んでいる。
検量線オーダ入力画面54において、チェックボックス58がチェックされ、OKボタンが押されると、指定領域55において指定されている試薬組を用いてキャリブレータが測定され、その試薬組について検量線が作成される。具体的には、キャリブレータを搭載したラックRが搬送装置3によって搬送され、搬送されたキャリブレータは、測定部2によって吸引される。測定部2は、吸引したキャリブレータを、指定領域55において指定されている試薬組を用いて、指定された測定項目について測定する。得られた測定データは制御部20に入力される。制御部20は、予め装置に入力されたキャリブレータの表示値にしたがって、表示値と測定データとの関係から検量線を作成する。作成した検量線は、検量線の作成に使用された試薬組の情報に対応付けてハードディスク404に格納される。
ついで、オンホールド検体について分析パラメータを再計算する。オペレータは、メニュー画面100に戻ってジョブリストアイコン130を操作することで、再びジョブリスト画面46を表示部21に表示させる。ジョブリスト画面46において「On Hold」と表示された検体のレコードを選択し、画面上部の「データ操作」の操作メニューを開くと、「手動計算」のコマンドが現れる。手動計算コマンドが選択されると、制御部20は、選択された検体について「On Hold」の状態にある測定項目の測定データをハードディスク404から読み出す。制御部20は、読み出した測定データとともに記憶されている試薬組のロット情報をキーにして、ハードディスク404に記憶されている検量線の中から、対応するバリデート済みの検量線を特定し、読み出した測定データ(dOD/min)をバリデート済みの検量線に適用することで、分析パラメータとして成分濃度(AT3%)を求める。分析パラメータはハードディスク404に格納される。これらの処理が行われると、図15に示すように、ジョブリスト画面46の測定状態の表示が「On Hold」から、測定および分析がすべて完了したことを示す「Complete」に変わる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点において単なる例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
たとえば、制御部20は、精度管理検体を測定すると、精度管理に使用された試薬ロット組の情報とともに、精度管理結果をハードディスク404に記憶する。制御部20は、試薬自動切り替えによって精度管理が行われていない試薬組を用いて検体を測定した場合に、検体の測定に用いた試薬組に対応する精度管理結果がハードディスク404に記憶されているか否かを判断する。対応する精度管理結果がない場合、制御部20は、その試薬組のステータス情報に、精度管理せずに測定に用いられたことを示す情報を付加してハードディスク404に記憶させる。制御部20は、精度管理検体のオーダ入力画面を表示する場合に、精度管理せずに測定に用いられたことを示すステータス情報が付加されている試薬組を自動抽出し、その試薬組を使用した精度管理測定オーダを自動生成して表示することもできる。この場合、オペレータによる精度管理の実行指示を受け付けると、制御部が、ステータス情報が付加されている試薬組を用いた精度管理を測定部に実行させるようにしてもよい。または、試薬組の表示を省略し、精度管理検体の測定が指示されると、自動的に、ステータス情報が付加されている試薬組を使用して精度管理検体の測定を実行することもできる。
2 測定装置
3 搬送装置
9 キュベット
10 キュベット供給部
11 検体分注部
17 試薬分注部
18 キュベット移送部
19 検出部
20 制御部
21 表示部
T 検体容器
R ラック
Claims (13)
- 複数の試薬を収納可能な試薬庫を含み、該試薬庫に収納された試薬を複数種類組み合わせて使用して検体を測定する測定部と、
検量線の作成に使用された試薬組に対応付けて検量線を記憶する記憶部と、
制御部と、を備えており、
前記制御部は、
検体の測定に用いた試薬組に対応する検量線が記憶されていない場合、該試薬組が測定に用いられたことを示す情報を記憶部に記憶させ、
検量線を作成する場合に、検量線が作成可能な複数の試薬組から、検量線が記憶されていない試薬組で且つ前記情報が記憶された試薬組を自動抽出する、検体分析装置。 - 表示部をさらに備え、
前記制御部は、検量線を作成するためのオーダを入力するための画面を前記表示部に表示させることが可能であり、前記画面を表示部に表示させる場合に、検量線が記憶されていない試薬組で且つ前記情報が記憶された試薬組を自動抽出し、抽出した試薬組を前記画面に表示させる、請求項1に記載の検体分析装置。 - 前記画面は、検量線が作成可能な試薬組を複数表示することが可能であり、
前記制御部は、検量線が記憶されていない試薬組で且つ前記情報が記憶された試薬組がある場合、当該試薬組を、他の試薬組より優先的に前記画面に表示させる、請求項2に記載の検体分析装置。 - 前記画面は、検量線が作成可能な試薬組を一覧表示することが可能であり、
前記制御部は、複数の試薬組を一覧表示させるとき、検量線が記憶されていない試薬組で且つ前記情報が記憶された試薬組がある場合、当該試薬組の表示順位が、他の試薬組の表示順位よりも高くなるように表示画面を生成する、請求項2または3に記載の検体分析装置。 - 前記画面は、
複数の試薬組の中からオペレータが指定した試薬組が表示される指定領域と、
検量線作成の実行の指示を受け付ける実行ボタンと、を含み、
前記制御部は、実行ボタンが操作されると、前記指定領域に表示された試薬組について検量線作成を実行する、請求項4に記載の検体分析装置。 - 前記制御部は、前記指定領域に、前記自動抽出した試薬組をデフォルト表示する、請求項5に記載の検体分析装置。
- 前記制御部は、検量線が記憶されていない試薬組で且つ前記情報が記憶された試薬組がある場合、当該試薬組が、検量線が記憶されていない試薬組で且つ前記情報が記憶された試薬組であることを示す情報を付加して、前記指定領域にデフォルト表示する、請求項6に記載の検体分析装置。
- 前記制御部は、検量線が記憶されていない試薬組を用いて測定された検体について、測定後に作成された検量線を用いて検体の測定データを再計算することが可能である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検体分析装置。
- 前記制御部は、キャリブレータの測定指示を受け付けると、検量線が記憶されていない試薬組で且つ前記情報が記憶された試薬組を自動抽出し、抽出された試薬組を用いてキャリブレータを測定する、請求項1に記載の検体分析装置。
- 前記制御部は、検量線が記憶されていない試薬組が複数ある場合、検量線が記憶されていない試薬組で且つ前記情報が記憶されている試薬組を、他の試薬組より優先して、キャリブレータの測定に使用する、請求項9に記載の検体分析装置。
- 前記制御部は、一の測定項目に使用する試薬として、検量線作成済みの試薬と、検量線が作成されていない試薬とが前記試薬庫に収納されている場合、検量線作成済みの試薬を優先して使用するよう測定部を制御し、検量線作成済みの試薬が不足すると、検量線が作成されていない試薬を使用するよう測定部を制御する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の検体分析装置。
- 複数種類の試薬を組み合わせて使用して検体を測定する検体分析装置を用いた検体分析方法であって、
検量線の作成が必要な試薬を含む複数の試薬からなる試薬組を用いて検体を測定する工程と、
試薬について、検量線が未作成であるか否かを判断する工程と、
検量線が未作成であると判断された試薬を含む複数の試薬からなる試薬組を記憶する工程と、
記憶した前記試薬組を用いて検量線を作成する工程と、
作成した検量線を用いて、検量線の作成が必要な試薬を用いて測定された検体の成分濃度を求める工程と
を含み、
検量線を作成する工程において、検量線が作成可能な複数の試薬組から、前記記憶した試薬組を自動抽出する、検体分析方法。 - 複数の試薬を収納可能な試薬庫を含み、該試薬庫に収納された試薬を複数種類組み合わせて使用して検体を測定する測定部と、
精度管理に使用された試薬組に対応付けて精度管理結果を記憶する記憶部と、
制御部と
を備えており、
前記制御部は、
検体の測定に用いた試薬組に対応する精度管理結果が記憶されていない場合、該試薬組が測定に用いられたことを示す情報を記憶部に記憶させ、
精度管理を実行する場合に、精度管理が実行可能な複数の試薬組から、精度管理結果が記憶されていない試薬組で且つ前記情報が記憶された試薬組を自動抽出する、検体分析装置。
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