JP6373161B2 - 巻回体収容体 - Google Patents

巻回体収容体 Download PDF

Info

Publication number
JP6373161B2
JP6373161B2 JP2014216285A JP2014216285A JP6373161B2 JP 6373161 B2 JP6373161 B2 JP 6373161B2 JP 2014216285 A JP2014216285 A JP 2014216285A JP 2014216285 A JP2014216285 A JP 2014216285A JP 6373161 B2 JP6373161 B2 JP 6373161B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wound body
wrap film
film
container
wrap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014216285A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016084140A (ja
Inventor
聡 坂元
聡 坂元
高橋 洋介
洋介 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2014216285A priority Critical patent/JP6373161B2/ja
Publication of JP2016084140A publication Critical patent/JP2016084140A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6373161B2 publication Critical patent/JP6373161B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cartons (AREA)

Description

本発明は、巻回体収容体に関する。
食品包装用フィルムは、磁器製又はガラス製容器などの包装対象、あるいは当該フィルム同士の密着性が高いことを要求されると共に、巻回体から円滑に引き出せること、また、引き出した際に意図せず破断しないこと、意図した方向に切断できることが要求される。
従来、塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、ポリオレフィン樹脂等の他素材からなるラップフィルムに比べて、密着性、カット性、ガスバリア性に優れており、これらの特長を活かして広く食品包装材料として多くの一般家庭で使用されてきた。
例えば、特許文献1には、縦裂けトラブルが抑制され、かつ、密着性及び透明性に優れるポリ塩化ビニリデン樹脂ラップフィルムを提供することを主な目的として、結晶の分子鎖方向の軸がフィルム表面に対して平行に配向し、EDGE方向からの透過法2次元広角X線散乱測定による(100)面の回折ピーク強度を方位角に対してプロットした際に現れるピークの半値全幅μから特定の計算式によって規定される結晶配向度Fが、72.0%〜89.3%であるポリ塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムが提案されている。また、特許文献2には、詰替用の巻回ラップフィルムをその商品価値を大きく損なうことなく市場に安定して供給することができ、しかも、省資源化、ゴミ削減、廃棄時に減容容易といった環境問題に対応しつつ現行の商品(非詰替品)と略同等の取り扱いが可能な、詰替ラップフィルム収納体及びこれに用いる刃なし収納箱を提供することを目的として、筒状芯体の外周にラップフィルムが巻回された巻回ラップフィルムと、前記巻回ラップフィルムを収納可能な刃なし収納箱とを備え、前記刃なし収納箱は、少なくとも1枚の原紙が複数の折り線に沿って折り曲げられて外形略柱状に成形され、前記原紙は、坪量が150〜480g/mの範囲にあり、前記刃なし収納箱の長手方向の側板間の内寸の最小値W(mm)が、前記筒状芯体の軸長さS(mm)に対し、S−1.0≦W≦Sの関係を満たし、前記筒状芯体が、その軸方向において実質的に隙間なく前記刃なし収納箱に収納されている、詰替ラップフィルム収納体が提案されている。
特開2011−168750号公報 特開2011−148540号公報
ラップフィルム、特に塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、高密着力、良好なカット性という性質を有するため、主に家庭用食品包装材として広く使用されている。しかしながら、これらの性質を有するが故に、ラップフィルム、特に塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、およそ10μmという薄さでは裂けトラブルが発生する可能性がある。ここでいう「裂けトラブル」とは、巻回体からフィルムを引き出す際、及び巻回体を収容する収容体(化粧箱)の中に巻き戻ったフィルム端部を摘み出す際に、意図しない方向にフィルムが裂け、正常な使用が困難になるトラブルである。裂けトラブルは、流通の際の振動により巻回体が傷つくため使用初期に特に発生しやすい傾向にある。また、端面が局所的に衝撃を受けやすく損傷の基点となるため、ラップフィルム巻回体が「いかり肩形状」である場合に発生しやすい傾向にある。ここで、「いかり肩形状」とは、ラップフィルム巻回体の、未使用時の巻き回し端から3周目の幅長X(3)と、未使用時の巻回し端から30周目の幅長X(30)との差が1.0mm未満であり、ラップフィルム巻回体の、未使用時の巻き回し端から5周目の幅長X(5)と、未使用時の巻回し端から30周目の幅長X(30)との差が0.5mm未満であるような形状をいう。この「裂けトラブル」の課題に対して、例えば、フィルムを厚くする等の手法によって、裂け難くすることは可能である。しかしながら、フィルムを厚くすることにより、カット性の低下、包装対象への追従性の低下に伴う密着性能の低下、引き出しやすさの低下など、使い勝手にさらに改善の余地が生じる。
また、従来、特許文献1のように、結晶配向度を制御することにより、フィルムの裂けトラブルを抑制することが知られている。しかしながら、この方法では、ラップフィルムの裂けトラブルは低減するものの、結晶の配向に起因してフィルム切断刃のラップフィルムへの入りが低下し、かつ応力が伝播しにくくなるため、ラップフィルムのカット性が必ずしも十分ではない。
さらに、特許文献2のように、筒状芯体の軸長さS(mm)と収容体の長手方向の側板間の内寸の最小値W(mm)との関係をW−S≦1.0とすることで、裂けを防止するという方法も知られている。このように収容体と巻回体の長手方向の隙間とをほぼゼロにすることで、収容体内部での巻回体の振動がほとんど発生しないため、傷付の発生が抑制され、使用初期の裂けトラブルを低減することが可能である。しかしながら、特許文献2に記載のものは詰替ラップフィルム収納体であるところ、通常の巻回体収容体は、収容体からラップフィルムを引き出す必要があるため、上記W−S≦1mmの関係下では、ラップフィルムの引き出し時に筒状芯体と収容体(容器)内壁面との接触、摩擦が増加し、引き出し性にさらに改善の余地があることが分かった。
したがって、引き出し性及びカット性を維持しつつ、ラップフィルムの裂けトラブルを抑制するという一見相反する課題のいずれをも解決することができれば、そのようなラップフィルムは極めて有用であるといえる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、引き出し性及びカット性に優れ、かつ巻回体からフィルムを引き出す際の裂けトラブルを抑制できる巻回体収容体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、裂けの原因は、流通や使用の際の振動により、巻回体の表層に発生した損傷であることを見出し、所定の巻回体と収容体の組み合わせであれば上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記のとおりである。
〔1〕
ラップフィルム巻回体と、該ラップフィルム巻回体が外周に巻回された筒状芯体と、前記ラップフィルム巻回体を収容する収容体と、を備える巻回体収容体であって、
前記ラップフィルム巻回体は、フィルム厚みが6〜12μmであり、製膜ラインのフィルムの幅方向の引裂強度が2.5〜4cNである、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むラップフィルムが巻回されたものであり、
前記ラップフィルム巻回体の、未使用時の巻き回し端から3周目の幅長X(3)と、未使用時の巻き回し端から5周目の幅長X(5)と、未使用時の巻回し端から30周目の幅長X(30)と、が下記式(A1)及び(B1)を満たし、
X(30)−1.0mm<X(3) ・・・(A1)
X(30)−0.5mm<X(5) ・・・(B1)
前記収容体の前板の内面と前記ラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.28未満であり、かつ前記収容体の底板、後板、及び蓋板の内面の少なくとも中央部25〜80%(面積比)と前記ラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.35以上であり、
前記筒状芯体の軸長さS(mm)と前記収容体の長手方向の側板間の内寸の最小値W(mm)とが、下記式(E1)を満たす、
1mm<W−S≦3mm ・・・(E1)
巻回体収容体。
〔2〕
ラップフィルム巻回体と、該ラップフィルム巻回体が外周に巻回された筒状芯体と、前記ラップフィルム巻回体を収容する収容体と、を備える巻回体収容体であって、
前記ラップフィルム巻回体は、フィルム厚みが6〜12μmであり、製膜ラインのフィルムの幅方向の引裂強度が2.5〜4cNである、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むラップフィルムが巻回されたものであり、
前記ラップフィルム巻回体の、未使用時の巻き回し端から3周目の幅長X(3)と、未使用時の巻き回し端から3周目の幅長X(5)と、未使用時の巻回し端から30周目の幅長X(30)と、が下記式(A1)及び(B1)を満たし、
X(30)−1.0mm<X(3) ・・・(A1)
X(30)−0.5mm<X(5) ・・・(B1)
前記収容体の前板の内面の中央部25〜80%(面積比)と前記ラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.35以上であり、
前記収容体の底板、後板、及び蓋板の内面の中央部25〜80%(面積比)と前記ラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.35以上であり、
前板、底板、後板、及び蓋板の中央部の外側と前記ラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.28未満であり、
前記筒状芯体の軸長さS(mm)と前記収容体の長手方向の側板間の内寸の最小値W(mm)とが、下記式(E1)を満たす、
1mm<W−S≦3mm ・・・(E1)
巻回体収容体。
本発明によれば、引き出し性及びカット性に優れ、かつ巻回体からフィルムを引き出す際の裂けトラブルを抑制できる巻回体収容体を提供することができる。
第1及び第2の実施形態で用いるラップフィルム巻回体における幅長を説明するための概略図である。 第1及び第2の実施形態で用いるラップフィルム巻回体における幅長を説明するための別の概略図である。 第1及び第2の実施形態で用いるラップフィルムを製造する際に用いられる装置の一例を示す概略図である。 第1及び第2の実施形態で用いるラップフィルム巻回体収容体の一例を示す概略図である。 第1及び第2の実施形態で用いる筒状芯体の軸長さSと収容体の側板間の内寸の最小値Wとの関係を説明するための概略図である。 第1の実施形態で用いる収容体の展開図である。 第1の実施形態で用いる収容体の他の態様を示す展開図である。 第2の実施形態で用いる収容体の展開図である。 第2の実施形態で用いる収容体の他の態様を示す展開図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための第1の実施形態及び第2の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、下記の第1の実施形態及び第2の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[巻回体収容体]
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態に係る巻回体収容体について説明する。第1の実施形態に係る巻回体収容体は、
ラップフィルム巻回体と、該ラップフィルム巻回体が外周に巻回した筒状芯体と、ラップフィルム巻回体を収容する収容体と、を備える巻回体収容体であって、
ラップフィルム巻回体は、フィルム厚みが6〜18μmであり、製膜ラインのフィルムの幅方向(以下、「TD」ともいう。)の引裂強度が2〜6cNである、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むラップフィルムが巻回されたものであり、
ラップフィルム巻回体の、未使用時の巻き回し端から3周目の幅長X(3)と、未使用時の巻き回し端から5周目の幅長X(5)と、未使用時の巻回し端から30周目の幅長X(30)と、が下記式を満たし、
X(30)−1.0mm<X(3) ・・・(A1)
X(30)−0.5mm<X(5) ・・・(B1)
収容体の前板の内面とラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.28未満であり、かつ収容体の底板、後板、及び蓋板の内面の少なくとも中央部25〜80%(面積比)とラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.35以上である。
このような巻回体収容体であれば、いかり肩形状のラップフィルム巻回体を用いた場合であっても、ラップフィルム巻回体と収容体の底板、後板、及び蓋板との動摩擦係数を調整することにより、流通や使用の際の振動を抑制することができ、これによりラップフィルム巻回体の表層に損傷が発生することを抑制することができる。また、ラップフィルム巻回体と収容体の前板との動摩擦係数を調整することにより、ラップフィルムの引出性を良くすることが可能となる。その結果、引き出し性、密着性及びカット性を維持しつつ、巻回体からフィルムを引き出す際の裂けトラブルを抑制することができる。
〔ラップフィルム巻回体〕
第1の実施形態に係る巻回体収容体は、ラップフィルム巻回体を備える。ラップフィルム巻回体は、フィルム厚みが6〜18μmであり、製膜ラインのフィルムの幅方向の引裂強度が2〜6cNである、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むラップフィルムが巻回されたものである。
図1及び図2は、ラップフィルム巻回体における幅長を説明するための概略図である。図1に、筒状芯体120の外周にラップフィルム110aが巻回されたラップフィルム巻回体110を示す。また、図2に、筒状芯体120の外周にラップフィルム110aが巻回されたラップフィルム巻回体110を、ラップフィルム110aにおけるフィルム幅方向に直交するように切断し2つに分割した巻回体を示す。第1の実施形態で用いるラップフィルム巻回体110は図1及び図2に示したものに限定されない。ラップフィルム巻回体110は、ラップフィルム110aが筒状芯体120を軸として巻回されてなるものであり、その最外周に巻回し端110bを有する。ラップフィルム110aの巻回し端110bの端面が図1の手前側に現れていることから明らかなように、図1及び図2中の矢印方向Dから見た際に、ラップフィルム110aは、筒状芯体120から最外周に向かって、時計方向とは反対方向に巻回してラップフィルム巻回体110を形成する。
ラップフィルム巻回体110の、未使用時の巻き回し端110bから3周目の幅長X(3)〔単位:mm〕と、未使用時の巻き回し端110bから5周目の幅長X(5)〔単位:mm〕と、未使用時の巻回し端110bから30周目の幅長X(30)〔単位:mm〕とは、下記式(A1)及び(B1)を満たす。
X(30)−1.0mm<X(3) ・・・(A1)
X(30)−0.5mm<X(5) ・・・(B1)
ラップフィルム巻回体110におけるTDに直交するように切断面MCで切断し2つに分割した巻回体を、それぞれ巻回体110d及び110eとしたとき、巻回体110d又は110eの、未使用時の巻回し端110bから3周目の幅長Xi(3)〔単位:mm〕と、未使用時の巻回し端110bから5周目の幅長Xi(5)〔単位:mm〕と、未使用時の巻回し端110bから30周目の幅長Xi(30)〔単位:mm〕とは、下記式(C1)及び(D1)を満たすことが好ましい。
Xi(30)−1.0mm<Xi(3) ・・・(C1)
Xi(30)−0.5mm<Xi(5) ・・・(D1)
なお、2つに分割したそれぞれの巻回体において、Xi(3)、Xi(5)、及びXi(30)は、互いに異なっていても同一であってもよい。
上記式(A1)及び(B1)を満たすように巻き回すことで、ラップフィルム巻回体110のTD端面110fの少なくとも一方がいかり肩状となる。これにより、流通時や使用時の振動により収容体でラップフィルム巻回体110が振動した際に、ラップフィルム巻回体110の最外周と収容体の内壁面との接触の際に、ラップフィルム巻回体110における衝撃を受ける箇所が分散されにくい傾向にある。しかしながら、ラップフィルム巻回体110と収容体との動摩擦係数を所定の範囲とすることにより、特にTD端面110fの微小な損傷の発生量を低減でき、微小な損傷を起点とする裂けトラブルを大幅に低減することが可能となる。
各幅長は、必要に応じてラップフィルム巻回体110をTDに直交するように切断した後、実際にラップフィルム110aをラップフィルム巻回体110(あるいは分割した巻回体)から引き出し、巻回し端110bから3周目、5周目、10周目、30周目に該当する部分のラップフィルム110aのTDにおける長さを測定することで、求めることができる。その際、ラップフィルム110aの測定する箇所にしわが入らないように、また過剰な力をかけてラップフィルム110aを伸ばすことがないようにして測定する。
このような形状のラップフィルム巻回体110を製造する方法としては、例えば、ラップフィルム巻回体110の中心から最外周に向けて幅長が一定となるように、巻き回す前のフィルムのTD方向の長さを一定にし、巻きつける方法などが挙げられる。ただし、ラップフィルム巻回体110を製造する方法は特に限定されない。
〔ラップフィルム〕
ラップフィルム110aの材料としては、塩化ビニリデン系樹脂を含む樹脂組成物であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(延伸ポリプロピレンを含む)、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ナイロンをさらに含んでもよい。
塩化ビニリデン系樹脂としては、塩化ビニリデン単位を含むものであれば特に制限されず、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体単位を含んでもよい。塩化ビニリデンと共重合可能な単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル、メチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;メチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート等のメタアクリル酸エステル;アクリロニトリル、酢酸ビニルが挙げられる。これら塩化ビニリデンと共重合可能な単量体単位は、1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
塩化ビニリデン系樹脂中の塩化ビニリデン単位の含有量は、72〜93質量%が好ましく、81〜90質量%がより好ましい。塩化ビニリデン系樹脂中の塩化ビニリデン単位の含有量が72質量%以上であることにより、塩化ビニリデン系樹脂のガラス転移温度が高くなることを抑制でき、その結果、冬場等の低温環境下での使用時にフィルムが脆くなったり、裂けやすくなったりするのを防ぐことができる。一方、塩化ビニリデン系樹脂中の塩化ビニリデン単位の含有量が93質量%以下であることにより、結晶性の大幅な上昇を抑制できる結果、フィルム延伸時の成形加工性をより高いレベルで維持することができる。
また、樹脂組成物は、必要に応じて、公知の食品包装材料に用いられる可塑剤、安定剤、耐候性向上剤、染料又は顔料などの着色剤、防曇剤、抗菌剤、滑剤、核剤などを添加した塩化ビニリデン系樹脂組成物を含んでもよい。これらは1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、具体的には、アセチルクエン酸トリブチルのようなクエン酸エステル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリセリンエステル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステル及びエポキシ化大豆油が挙げられる。
安定剤としては、特に限定されないが、具体的には、2,5−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブロピオネート、及び4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)等の酸化防止剤;エポキシ化植物油、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸塩、リシノール酸塩、2−エチル−ヘキシル酸塩、イソデカン酸塩、ネオデカン酸塩、及び安息香酸カルシウム等の熱安定剤が挙げられる。
耐候性向上剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾリトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、及び2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤が挙げられる。
染料又は顔料などの着色剤としては、特に限定されないが、具体的には、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、及びベンガラが挙げられる。
防曇剤としては、特に限定されないが、具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
抗菌剤としては、特に限定されないが、具体的には、銀系無機抗菌剤が挙げられる。
滑剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレンビスステロアミド、ブチルステアレート、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル等の脂肪酸炭化水素系滑剤、高級脂肪酸滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、及び脂肪酸エステル滑剤が挙げられる。
核剤としては、特に限定されないが、具体的には、リン酸エステル金属塩が挙げられる。
樹脂組成物中の塩化ビニリデン系樹脂の含有量は、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、92質量%以上が特に好ましい。
(フィルム厚み)
ラップフィルムの厚さは、6〜18μmであり、8〜15μmが好ましく、9〜12μmがより好ましい。ラップフィルムの厚さが上記範囲内であることにより、フィルム切れ、カット性、引き出し性、及び密着性がバランスよく優れる。ラップフィルムの厚さが18μm以下であることにより、フィルム切断刃でフィルムを切断するのに要する力を低減できるため、カット性の低下、及びフィルムの包装対象の形状への追従性の低下を抑制でき、包装対象への密着性をさらに高めることができる。また、ラップフィルムの厚さが18μm以下の場合、従来の巻回体においては、引裂強度がより小さくなるため、巻回体からフィルムを引き出す際、及び容器(化粧箱)の中に巻き戻ったフィルム端部を摘み出す際、化粧箱に付帯する切断刃で切断して現れる端部からフィルムが裂ける裂けトラブルが発生しやすい傾向にある。しかしながら、第1の実施形態においては、ラップフィルム巻回体と収容体との動摩擦係数を所定のものとすることによりフィルムの裂けトラブルを抑制することができる。一方、ラップフィルムの厚さが6μm以上であることにより、フィルムの引張応力の低下を抑制できるため、使用時のフィルム切れを防止することができる。なお、フィルム厚みは実施例に記載の方法により求めることができる。
(引裂強度)
ラップフィルムの製膜ラインのフィルムの幅方向の引裂強度(以下、「TD引裂強度」ともいう。)は、2.0〜6.0cNが好ましく、2.3〜5.0cNがより好ましく、2.5〜4.0cNがさらに好ましい。第1の実施形態において、TD引裂強度が6.0cN以下であることにより、フィルム切断刃でフィルムを切断するのに要する力を低減できるため、カット性がより良好となり、より優れた使用感を有する。また、ラップフィルムのTD引裂強度が6.0cN以下の場合、従来の巻回体では、振動によるフィルム端部の損傷を起点とし、フィルムを引き出す際に裂けトラブルが発生しやすくなる。しかしながら、第1の実施形態においては、ラップフィルム巻回体と収容体との動摩擦係数を所定のものとすることによりフィルムの裂けトラブルを抑制することができる。一方、TD引裂強度が2.0cN以上であることにより、振動により発生する損傷よりもより微小な損傷ではフィルムがさらに裂け難くなる。なお、ここで述べる引裂強度の測定方法はJIS−P−8116(2000年)に準拠する。
〔ラップフィルム巻回体の製造方法〕
第1の実施形態で用いるラップフィルムの製造方法は特に限定されず、従来知られている方法であってもよい。ラップフィルムは、例えば、押出機より樹脂を溶融押出した後、製膜し、延伸し、芯体への巻き回すことにより得られる。溶融押出された樹脂の製膜、延伸の方法としては、例えば、インフレーション法やテンター法を用いることができる。ラップフィルムは、適した厚さになるまで延伸される。ラップフィルムのカット性を良好にするためには、延伸時の特にTD方向の制御、及びそれにより得られるTD引裂強度が重要な因子となる。
以下、第1の実施形態に係るラップフィルムの製造方法の一例として、塩化ビニリデン系樹脂を用いたインフレーション法についてより具体的に説明する。図3は、第1の実施形態に係るラップフィルムの製造方法の一例を示す概略図である。
まず、溶融した塩化ビニリデン系樹脂又は塩化ビニリデン系樹脂を含む樹脂組成物を押出機1により、円形のダイ2のダイ口3から管状に押し出し、管状の樹脂組成物であるソック4が形成される。
次に、押出物であるソック4の外側を冷水槽6にて冷水に接触させ、ソック4の内部にはソック液5を常法により注入して貯留することにより、ソック4を内外から冷却して固化させる。この際、ソック4はその内側にソック液5が塗布された状態となる。固化されたソック4は、第1ピンチロール7にて折り畳まれ、ダブルプライシートであるパリソン8が成形される。ソック液5の塗布量は第1ピンチロール7のピンチ圧により制御される。
ソック液5としては、特に限定されないが、例えば、水、ミネラルオイル、アルコール類;プロピレングリコールやグリセリン等の多価アルコール類;セルロース系やポリビニルアルコール系の水溶液が挙げられる。ソック液は1種単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。また、ソック液には、必要に応じて、従来の食品包装材料に用いられる耐候性向上剤、防曇剤、抗菌剤等を添加してもよい。
ソック液5の塗布量は、特に限定されないが、パリソンの開口性、フィルムの密着性の観点から、好ましくは50〜20000ppm、より好ましくは100〜15000ppm、さらに好ましくは150〜10000ppmである。ここで、塗布量(ppm)とは、ソック4の合計質量に対して、ソック4に塗布されたソック液5の質量を、質量ppmで示したものである。
続いて、パリソン8の内側に空気を注入することにより、再度パリソン8は開口されて管状となる。パリソン8は、温水(図示せず)により延伸に適した温度まで再加熱される。パリソン8の外側に付着した温水は、第2ピンチロール9にて搾り取られる。次いで、インフレーション工程において、適温まで加熱された管状のパリソン8に空気を注入してインフレーション延伸によりバブル10を成形し、延伸フィルムが得られる。
フィルムの引裂強度は、延伸倍率によって一義的に決定されるわけではないが、延伸倍率によって主に制御することができる。カット性に優れ、かつ裂けトラブルを抑制するフィルムを得るためには、MD及びTD方向の延伸倍率は、延伸温度30〜45℃条件下において、共に4〜6倍が好ましい。
その後、延伸フィルムは、第3ピンチロール11で折り畳まれ、ダブルプライフィルム12となる。ダブルプライフィルム12は、巻取りロール13にて巻き取られる。さらに、このダブルプライフィルム12はスリットされて、1枚のフィルムになるように剥がされる(シングル剥ぎ)。最終的にこのフィルムは例えば芯体に巻き取られ、ラップフィルム巻回体が得られる。
上記の説明は、第1の実施形態のラップフィルムの製造方法の一例であり、上記以外の各種装置構成や条件等によってラップフィルムを製造してもよく、例えば、公知の他の方法を採用してもよい。
第1の実施形態のラップフィルム巻回体110は、上述のように筒状芯体120に巻かれた状態で存在する。このような態様は、大量に入手して、使用時には、必要な長さのフィルムのみを引き出して切断するのに有利であることから好ましい。芯体の種類は特に限定されるものではなく、従来知られているものであってもよい。芯体としては、例えば、紙製、プラスチック製、金属製、木製などのいずれであってもよく、また、これらの組み合わせによるものであってもよい。
〔筒状芯体〕
第1の実施形態に係る巻回体収容体は、筒状芯体を備える。筒状芯体はラップフィルム巻回体が外周に巻回されたものである。
〔収容体〕
次に、第1の実施形態の巻回体収容体について説明する。第1の実施形態に係る巻回体収容体は、ラップフィルム巻回体を収容する収容体を備える。第1の実施形態において、収容体の前板の内面とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は、0.28未満であり、かつ収容体の底板、後板、及び蓋板の内面とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は、0.35以上である。
図4は、第1の実施形態の巻回体収容体の一例を示す概略図である。第1の実施形態の巻回体収容体200は、ラップフィルム巻回体110と、ラップフィルム巻回体110が外周に巻回した筒状芯体120と、ラップフィルム巻回体110と筒状芯体120とを収容した収容体210とを備える。収容体210は、前板211、底板212、後板213、及び側板218の各壁面で形成される上部が開口した直方体の収容室223と、後板213の上端縁から収容室223を覆う方向に接続して設けられた蓋板214、蓋板214の前端縁から前板211を覆う方向に延出した掩蓋片215、掩蓋片215の両側に設けられた側掩蓋片221の各壁面で形成される蓋体224とを備える収容箱である。また、巻回体収容体200は、ラップフィルム110aを容易に切断できる位置にフィルム切断刃200Kを備える。フィルム切断刃200Kは、例えば、掩蓋片215の先端縁部に備えられてもよい。また、巻回体収容体200は、収容されたラップフィルム巻回体110からラップフィルム110aを引き出した時に、ラップフィルム巻回体110の本体が収容体210から飛び出さないように工夫されていることがより好ましい。さらに、収容体210の寸法は、片手で持ちやすくするために、高さ40〜54mm、奥行き40〜54mm、長さ153〜313mmであることがさらに好ましい。
収容体210の材質は、特に限定されず、例えば、プラスチック、金属、木材、ダンボール及び板紙、あるいはこれらの組み合わせであってもよく、使い勝手が良い点で、板紙がより好ましい。この板紙は、厚さ0.35〜1.50mmの厚紙で、一般に肉厚のものほど剛性、強度が高く丈夫な箱が得られる。しかし、折り曲げ加工が困難になるため、厚さは0.35〜0.80mmがより好ましい。
図5に、筒状芯体120の軸長さと収容体210の側板218との間の内寸の最小値との関係を説明するための概略図を示す。ラップフィルム巻回体110を巻き回した筒状芯体120の軸長さS〔単位:mm〕と収容体210の長手方向の側板218との間の内寸の最小値W〔単位:mm〕との差(W−S)〔単位:mm〕が、下記式(E1)を満たすことが好ましく、下記式(E2)を満たすことがより好ましく、下記式(E3)を満たすことがさらに好ましい。
1mm<W−S≦3mm (E1)
1mm<W−S≦2mm (E2)
1mm<W−S≦1.5mm (E3)
差(W−S)が3mm以下であることにより、収容体210内部のラップフィルム巻回体110と側板218との隙間が狭いため、流通時や使用時の振動が抑制され、ラップフィルム巻回体110におけるTD端面110fの損傷量が一層低減する。特に、従来の巻回体では、差(W−S)の値が1以下でないと、フィルムの損傷を十分に抑制するのが困難である一方、差(W−S)の値が1を超えないとフィルムの引き出し性をより良好にするのが困難であるため、フィルムの損傷を抑制すると共に引き出し性をより良好にするのが困難である。しかしながら、第1の実施形態においては、動摩擦係数を上述のようにすることにより、差(W−S)が1を超えるものであっても、フィルムの損傷を十分に抑制することができ、特に、上記式(E1)で表される条件を満たすものであれば、フィルムの損傷をより十分に抑制することが可能になる傾向にある。
差(W−S)が1mmより大きいことにより、収容体210内部のラップフィルム巻回体110と側板218との隙間をある程度確保できるので、ラップフィルム110aの収容体210内壁面との接触をさらに有効に防止でき、その結果、ラップフィルム110aの引き出し性がより良好となる。また、ラップフィルム110aを引き出す際の回転に伴い、筒状芯体120が収容体210内壁面との摩擦により収容体210の上部へ移動する結果、筒状芯体120が収容体210から飛び出す、ということもより十分に抑制できる傾向にある。
特に、フィルムの引き出し性向上と裂けトラブル防止という、相反する関係にあるものを、動摩擦係数を上述のようにすることにより、さらにバランスよく達成することが可能になった。
図6及び7に第1の実施形態で用いる収容体の展開図を示す。図6及び7においては、動摩擦係数が0.28未満の面を薄い網掛けで示し、動摩擦係数が0.35以上の面を濃い網掛けで示している。収容体の前板211の内面とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数は0.28未満であり、0.26以下が好ましく、0.25以下がより好ましい。収容体の前板211の内面とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数が、0.28未満であることにより、引き出し性、密着性及びカット性を維持しつつ、ラップフィルム巻回体からフィルムを引き出す際の裂けトラブルを抑制することができ、振動した際の傷付きをより抑制することができる。また、収容体の前板211の内面とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数の下限は、特に限定されないが、0.15以上が好ましい。なお、本明細書において動摩擦係数は、実施例に記載の方法により測定することができる(以下同様)。
動摩擦係数を0.28未満に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、所定の面にニス等による塗膜を形成する方法が挙げられる。塗膜としては、従来公知のものであれば使用することができ、目的とする動摩擦係数に応じて、適宜選択することができる。
図7に示すように、収容体200の底板212、後板213、及び蓋板214の内面の少なくとも中央部25〜80%(面積比)とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数が0.35以上であり、0.37以上が好ましく、0.40以上がより好ましい。図6に示すように、収容体200の底板212、後板213、及び蓋板214の内面の全面とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数が0.35以上であってもよい。収容体200の底板212、後板213、及び蓋板214の内面とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数が、0.35以上であることにより、流通や使用の際の振動を抑制することができ、これによりラップフィルム巻回体110の表層に損傷が発生することを抑制することができる。また、収容体200の底板212、後板213、及び蓋板214の内面とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数の上限は、特に限定されないが、0.50以下が好ましい。
収容体200の底板212、後板213、及び蓋板214の内面における、中央部は、これらの全面積中に対して、25〜80%であり、50〜80%が好ましく、70〜80%がより好ましい。
動摩擦係数を0.35以上に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、所定の面にニス等による塗膜を形成する方法が挙げられる。塗膜としては、従来公知のものであれば使用することができ、目的とする動摩擦係数に応じて、適宜選択することができる。
第1の実施形態の巻回体及び巻回体収容体は、巻回体からラップフィルムを引き出す際に、特に使用初期の裂けトラブルが低減され、使い勝手が改善されており、しかも、フィルムのカット性及び引き出し性に優れるものである。その用途としては、例えば、食品包装用途及び調理用途が挙げられるが、これらに限定されない。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態に係るラップフィルム巻回体について説明する。第2の実施形態に係る巻回体収容体は、
ラップフィルム巻回体と、該ラップフィルム巻回体が外周に巻回した筒状芯体と、ラップフィルム巻回体を収容する収容体と、を備える巻回体収容体であって、
ラップフィルム巻回体は、フィルム厚みが6〜18μmであり、製膜ラインのフィルムの幅方向の引裂強度が2〜6cNである、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むラップフィルムが巻回されたものであり、
ラップフィルム巻回体の、未使用時の巻き回し端から3周目の幅長X(3)と、未使用時の巻き回し端から3周目の幅長X(5)と、未使用時の巻回し端から30周目の幅長X(30)と、が下記式を満たし、
X(30)−1.0mm<X(3)
X(30)−0.5mm<X(5)
収容体の前板の内面の中央部25〜80%(面積比)とラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.35以上である。
このような巻回体収容体であれば、いかり肩形状のラップフィルム巻回体を用いた場合であっても、ラップフィルム巻回体と収容体の中央部との動摩擦係数を調整することにより、流通や使用の際の振動を抑制することができ、また巻回体端部が接触する収容体前板内面の端部の動摩擦係数が低くすることで、ラップフィルム巻回体の表層に損傷が発生することを抑制することができる。その結果、引き出し性、密着性及びカット性を維持しつつ、巻回体からフィルムを引き出す際の裂けトラブルを抑制することができる。
〔ラップフィルム巻回体及び筒状芯体〕
第2の実施形態で用いるラップフィルム巻回体及び筒状芯体については第1の実施形態と同様とすることができる。
〔収容体〕
図8及び9に第2の実施形態で用いる収容体の展開図を示す。図8及び9においては、動摩擦係数が0.28未満の面を薄い網掛けで示し、動摩擦係数が0.35以上の面を濃い網掛けで示している。第2の実施形態において、収容体200の前板211の内面の中央部25〜80%(面積比)とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数は、0.35以上であり、0.37以上が好ましく、0.40以上がより好ましい。収容体200の前板211の内面の中央部25〜80%(面積比)とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数が0.35以上であることにより、流通や使用の際の振動を抑制することができ、これによりラップフィルム巻回体110の表層に損傷が発生することをより抑制できる。なお、動摩擦係数の制御は上記同様の方法により行なうことができる。
収容体200の前板211の内面における、中央部は、前板211の全面積中に対して、25〜80%であり、50〜80%が好ましく、70〜80%がより好ましい。前板211の内面における中央部が前板211の全面積中に対して25%以上であることにより、収容体200内部でラップフィルム巻回体110体の端部(いかり肩部分)が接触する可能性ない、動摩擦係数の高い部分がより広くなるため、流通や使用の際の振動を抑制することができ、これによりラップフィルム巻回体110の表層に損傷が発生することを抑制することができる。また、前板211の内面における中央部が前板211の全面積中に対して80%以下であることにより、収容体200内部でラップフィルム巻回体110体の端部(いかり肩部分)が接触する可能性がある、動摩擦係数の低い部分がより広くなるため、引き出し性、密着性及びカット性を維持しつつ、ラップフィルム巻回体からフィルムを引き出す際の裂けトラブルを抑制し、振動した際の傷付きをより抑制することができる。
収容体200の、底板212、後板213、及び蓋板214の内面の中央部25〜80%(面積比)とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数は、0.35以上が好ましく、0.37以上がより好ましく、0.40以上がさらに好ましい。収容体200の底板212、後板213、及び蓋板214の内面の中央部25〜80%(面積比)とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数が0.35以上であることにより、流通や使用の際の振動を抑制することができ、これによりラップフィルム巻回体110の表層に損傷が発生することをより抑制できる傾向にある。なお、動摩擦係数の制御は上記同様の方法により行なうことができる。
収容体200の、底板212、後板213、及び蓋板214の内面における、中央部は、それぞれ、底板212、後板213、又は蓋板214の全面積中に対して、25〜80%が好ましく、50〜80%がより好ましく、70〜80%がさらに好ましい。底板212、後板213、又は蓋板214の内面における中央部が上記範囲内であることにより、ラップフィルム巻回体110からフィルムを引き出す際の裂けトラブルをより抑制できる傾向にある。
収容体200の、前板211、底板212、後板213、及び蓋板214の中央部の外側とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数は、0.28未満が好ましく、0.26以下がより好ましく、0.25以下がさらに好ましい。収容体200の、前板211、底板212、後板213、及び蓋板214の中央部の外側とラップフィルム巻回体110との動摩擦係数が0.28未満であることにより、収容体200の、前板211、底板212、後板213、及び蓋板214の中央部の外側におけるラップフィルム巻回体110の傷付を抑制することができる。その結果、引き出し性、密着性及びカット性を維持しつつ、巻回体からフィルムを引き出す際の裂けトラブルをより抑制できる傾向にある。なお、動摩擦係数の制御は上記同様の方法により行なうことができる。
第2の実施形態の巻回体及び巻回体収容体は、巻回体からラップフィルムを引き出す際に、特に使用初期の裂けトラブルが低減され、使い勝手が改善されており、しかも、フィルムのカット性及び引き出し性に優れるものである。その用途としては、例えば、食品包装用途及び調理用途が挙げられるが、これらに限定されない。
以下、実施例、比較例及び参考例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例、比較例及び参考例で用いた評価方法は、下記のとおりである。
(評価方法)
(1.裂けトラブル発生率)
ラップフィルムの出荷後の流通、及び家庭での保管を想定し、製造直後のラップフィルム巻回体を28℃に設定した恒温槽にて1ヶ月間保管した。その後、流通時の振動を再現するために、振動試験機(アイデックス株式会社製、品番「BF−50UC」)を用いて、収容体内に収容されたラップフィルム巻回体を振動させた。振動試験は下記のとおりに行った。
まず、1つの直方体状の収容体(化粧箱内寸;42mm×42mm×約233mm)内に巻回体を1本収容した巻回体収容体60個を、隙間ができないように段ボール箱(内寸28cm×46cm×24cm)に収容し、巻回体の長手方向が振動台に対し垂直になるように、振動台にベルトで固定した。23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中で、振動試験機を運転して振動試験を行った。振動試験はオートモードを使用し、30秒の間に5Hz、30Hz、5Hzの順に周波数を変化させたサイクルにて、20分間行った。
振動試験後、23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中で裂けトラブル評価を行った。評価者として、日常、食品包装用ラップフィルムを使用する100人を選出した。評価者は、収容体に収容された幅約23cmの巻回体からフィルムを50cm引き出した後、化粧箱に付帯するブリキ製のフィルム切断刃で切断する一連の作業を30回ずつ実施した。すなわち、100人が30回ずつで計3000回のうち、巻回体からフィルムを引き出す際に、裂けが発生し、円滑にフィルムが引き出せなかった回数から、フィルムの裂けトラブル発生率を導出した。
フィルムの裂けトラブル発生率は、以下の5段階で評価した。
◎:裂けトラブル発生率が5%未満。裂けトラブルがほとんどなく、使い勝手に非常に優れる。
○:裂けトラブル発生率が5%以上10%未満。裂けトラブルが少なく、使い勝手に優れる。
●:裂けトラブル発生率が10%以上15%未満。裂けトラブルがあまりなく、使い勝手が良い
△:裂けトラブル発生率が15%以上20%未満。裂けトラブルがやや多く、使い勝手が悪い。
×:裂けトラブル発生率が20%以上。裂けトラブルが非常に多く、使い勝手が非常に悪い。
(2.カット性)
ラップフィルムの出荷後の流通、及び家庭での保管を想定し、製造直後のラップフィルム巻回体を28℃に設定した恒温槽にて1ヶ月間保管した。その後、フィルムのカット性を評価した。
評価は23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中で行った。評価者として、日常、食品包装用ラップフィルムを使用する100人を選出した。評価者は、収容体に収容された幅約23cmの巻回体からフィルムを50cm引き出した後、化粧箱に付帯するブリキ製のフィルム切断刃でフィルムを切断する一連の作業を30回繰り返した。フィルムの切断(カット)のしやすさについて、下記評価基準に基づいて1人5点で採点した。
5点:フィルム切断時に抵抗を感じない。
4点:フィルム切断時にほとんど抵抗を感じない。
3点:フィルム切断時にわずかに抵抗を感じる。
2点:フィルム切断時に抵抗を感じる。
1点:フィルム切断時に大きな抵抗を感じる。
カット性は、100人の採点の合計点をもとに、以下の5段階で評価した。
◎:合計点が400点以上。非常に容易にフィルムを切断できる。
○:合計点が300点以上400点未満。容易にフィルムを切断できる
●:合計点が250点以上300点未満。フィルムの切断時にわずかに抵抗を感じる。
△:合計点が200点以上250点未満。フィルムの切断時に抵抗を感じ、カット性が悪い。
×:合計点が200点未満。フィルムの切断時に大きな抵抗を感じ、カット性が非常に悪い。
(3.引き出し性)
ラップフィルムの出荷後の流通、及び家庭での保管を想定し、製造直後のラップフィルム巻回体を28℃に設定した恒温槽にて1ヶ月間保管した。その後、フィルムの引き出し性を評価した。
評価は23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中で行った。評価者として、日常、食品包
装用ラップフィルムを使用する100人を選出した、評価者は、収容体に収容された幅2
2cmの巻回体からフィルムを50cm引き出した後、化粧箱に付帯するブリキ製のフィ
ルム切断刃でフィルムを切断する一連の作業を10回繰り返した。フィルムの引き出しの
しやすさについて、下記評価基準に基づいて1人5点で採点した。
5点:フィルム引出時に抵抗を感じない。
4点:フィルム引出時にほとんど抵抗を感じない。
3点:フィルム引出時にわずかに抵抗を感じる。
2点:フィルム引出時に抵抗を感じる。
1点:フィルム引出時に大きな抵抗を感じる。
引き出し性は、100人の採点の合計点をもとに、以下の5段階で評価した。
◎:400点以上。非常に容易に、かつ、円滑にフィルムを引き出せる。
○:300点以上400点未満。容易に、かつ、円滑にフィルムを引き出せる。
●:250点以上300点未満。容易にフィルムを引き出せる。
△:200点以上250点未満。フィルムの引き出し時に抵抗を感じ、引き出し性が悪い。
×:200点未満。フィルムの引き出し時に大きな抵抗を感じ、引き出し性が非常に悪い。
[実施例1]
(ラップフィルム巻回体)
塩化ビニリデン単位を90質量%含み、塩化ビニル単位を10質量%含む重量平均分子量90,000の塩化ビニリデン系樹脂(以下、「PVDC」とも表記する。)、ATBC(アセチルクエン酸トリブチル、田岡化学工業株式会社製)、エポキシ化大豆油(商品名「ニューサイザー510R」、日本油脂株式会社製)をそれぞれ93.4質量%、5.5質量%、及び1.1質量%の割合で混ぜたものの合計5kgを、ヘンシェルミキサーにて5分間混合し、24時間以上熟成して塩化ビニリデン系樹脂組成物を得た。
上記の塩化ビニリデン系樹脂組成物を溶融押出機に供給して溶融し、押出機の先端に取り付けられた環状ダイのスリット出口での溶融樹脂組成物温度が170℃になるように、押出機の加熱条件を調節しながら、環状に10kg/hrの押出速度で押し出した。これを過冷却した後、インフレーション延伸によって、MDに4.1倍に延伸し、TDに5.6倍に延伸して筒状フィルムとした。この筒状フィルムをニップして扁平に折り畳んだ後、ニップロールと巻き取りロールとの速度比の制御によって、MDにフィルムを10%緩和させ、折幅280mmの2枚重ねのフィルムを巻取速度18m/minにて巻き取った。このフィルムを、227mmの幅にスリットし、1枚のフィルムになるように剥がしながら、外径92mmの第1の紙管に巻き直した。その後、フィルムを第1の紙管から巻き戻しながら、筒状芯体である外径36mm、長さ230mmの第2の紙管に20m巻きつけることで、フィルム厚さが11μmであり、下記形状を有する巻回体を得た。なお、フィルム厚さはJIS−K−7130(1999年)に準拠して測定した。また、引裂強度は、JIS−P−8116(2000年)に準拠して測定した。
X(3) =−0.20mm
X(5) = 0.0 mm
X1(3) =−0.10mm
X1(5) = 0.0 mm
X2(3) =−0.10mm
X2(5) = 0.0 mm
なお、上記X1(3)、X1(5)、及びX1(30)は、巻回体をTDに直交するように巻回体の中央付近を切断し、2つに分割した一方の巻回体において、それぞれXi(3)、Xi(5)、及びXi(30)に相当するものであり、X2(3)、X2(5)、及びX2(30)は、2つに分割した他方の巻回体において、それぞれXi(3)、Xi(5)、及びXi(30)に相当するものであった(以下同様)。それぞれの評価結果を表1に示す。表中、X(3)及びX(5)の数値は、X(30)に対してどれだけ短いかを示す数値であり、X1(3)及びX1(5)の数値は、X1(30)に対してどれだけ短いかを示す数値であり、X2(3)及びX2(5)の数値は、X2(30)に対してどれだけ短いかを示す数値である(以下同様)。
(収容体)
図4に示す形状を有する紙製の収容体(化粧箱:内寸42mm×42mm×231.5mm)を用意した。図6に示すように、この収容体の前板の内面に対して、アクリル系剥離ニスの塗布を施し、収容体の底板、後板、及び蓋板の内面に対して、アクリル系不滑ニスの塗布を施した。収容体の前板の内面全体とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.26とし、収容体の底板、後板、及び蓋板の内面全体とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.37とし。なお、動摩擦係数は、JIS−K−7125に準拠して測定した(以下同様)。
(巻回体収容体)
上記のようにして得られたラップフィルム巻回体を収容体に収容して実施例1の巻回体収容体を得た。なお、筒状身体の軸長さS(mm)と収容体の長手方向の側板間の内寸の最小値W(mm)との差(W−S)は1.5mmであった。
参考例2〜5]
フィルム厚さ及び引裂強度を表1に示す通りに調整したこと以外は実施例1と同様にし
て巻回体を得た。この巻回体を(W−S)が表1に示す値となるよう下記収容体に収容し
て、参考例2〜5の巻回体収容体を得た。評価結果を表1に示す。
(収容体)
図4に示す形状を有する紙製の収容体(化粧箱:内寸42mm×42mm×231.5mm)を用意した。図6に示すように、収容体の前板の内面全体とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.26とし、収容体の底板、後板、及び蓋板の内面全体とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.37とした。
[実施例6、参考例7〜9]
フィルム厚さ及び引裂強度を表1に示す通りに調整したこと以外は実施例1と同様にし
て巻回体を得た。この巻回体を(W−S)が表1に示す値となるよう下記収容体に収容し
て、実施例6、参考例7〜9の巻回体収容体を得た。評価結果を表1に示す。
(収容体)
図4に示す形状を有する紙製の収容体(化粧箱:内寸42mm×42mm×231.5mm)を用意した。図7に示すように、収容体の前板の内面全体とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.26とし、収容体の底板、後板、及び蓋板の内面の中央部分とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.37とし、収容体の底板、後板、及び蓋板の内面の中央以外の部分とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.26とした。
[実施例10、参考例11〜12、実施例1315、参考例16]
フィルム厚さ及び引裂強度を表1に示す通りに調整したこと以外は実施例1と同様にし
て巻回体を得た。この巻回体を(W−S)が表1に示す値となるよう下記収容体に収容し
て、実施例10、参考例11〜12、実施例1315、参考例16の巻回体収容体を得た。評価結果を表1に示す。
(収容体)
図4に示す形状を有する紙製の収容体(化粧箱:内寸42mm×42mm×231.5mm)を用意した。図8に示すように、収容体の前板の内面の中央部分とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.37又は0.40とし、収容体の前板の内面の中央以外の部分とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.24又は0.26とし、収容体の底板、後板、及び蓋板の内面全体とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.37又は0.40とした。
参考例17、実施例18〜20、参考例21〜23]
フィルム厚さ及び引裂強度を表1に示す通りに調整したこと以外は実施例1と同様にし
て巻回体を得た。この巻回体を(W−S)が表1に示す値となるよう下記収容体に収容し
て、参考例17、実施例18〜20、参考例21〜23の巻回体収容体を得た。評価結果を表1に示す。
(収容体)
図4に示す形状を有する紙製の収容体(化粧箱:内寸42mm×42mm×231.5mm)を用意した。図9に示すように、収容体の前板の内面の中央部分とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.37又は0.40とし、収容体の前板の内面の中央以外の部分とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.24又は0.26とし、収容体の底板、後板、及び蓋板の内面の中央部分とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.37又は0.40とし、収容体の底板、後板、及び蓋板の内面の中央以外の部分とラップフィルム巻回体との動摩擦係数は0.24又は0.26とした。
[比較例1〜10]
フィルム厚さ及び引裂強度を表1に示す通りに調整したこと以外は実施例1と同様にして巻回体を得た。この巻回体を(W−S)が表1に示す値となるよう下記収容体に収容して、比較例1〜10の巻回体収容体を得た。評価結果を表1に示す。
(収容体)
図4に示す形状を有する紙製の収容体(化粧箱:内寸42mm×42mm×231.5mm)を用意した。表1に示すように、収容体の前板の内面全面とラップフィルム巻回体との動摩擦係数、収容体の底板、後板、及び蓋板の内面全面とラップフィルム巻回体との動摩擦係数を調整した。
本発明の巻回体及び巻回体収容体は、巻回体からフィルムを引き出す際に、特に使用初期の裂けトラブルが低減され、使い勝手が改善されており、しかも、フィルムのカット性及び引き出し性にも優れるものなので、食品包装用、及び調理用等の用途として広く且つ有効に利用可能である。
1…押出機、2…ダイ、3…ダイ口、4…ソック、5…ソック液、6…冷水槽、7…第1ピンチロール、8…パリソン、8…再度パリソン、9…第2ピンチロール、10…バブル、11…第3ピンチロール、12…ダブルプライフィルム、13…巻取りロール、110…ラップフィルム巻回体、110a…ラップフィルム、110b…巻き回し端、110d…巻回体、110e…巻回体、110f…端面、120…筒状芯体、200…巻回体収容体、200K…フィルム切断刃、210…収容体、211…前板、212…底板、213…後板、214…蓋板、215…掩蓋片、218…側板、221…側掩蓋片、223…収容室、224…蓋体、F…結晶配向度、MC…切断面、TD…製膜ラインのフィルムの幅方向。

Claims (2)

  1. ラップフィルム巻回体と、該ラップフィルム巻回体が外周に巻回された筒状芯体と、前記ラップフィルム巻回体を収容する収容体と、を備える巻回体収容体であって、
    前記ラップフィルム巻回体は、フィルム厚みが6〜12μmであり、製膜ラインのフィルムの幅方向の引裂強度が2.5〜4cNである、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むラップフィルムが巻回されたものであり、
    前記ラップフィルム巻回体の、未使用時の巻き回し端から3周目の幅長X(3)と、未使用時の巻き回し端から5周目の幅長X(5)と、未使用時の巻回し端から30周目の幅長X(30)と、が下記式(A1)及び(B1)を満たし、
    X(30)−1.0mm<X(3) ・・・(A1)
    X(30)−0.5mm<X(5) ・・・(B1)
    前記収容体の前板の内面と前記ラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.28未満であり、かつ前記収容体の底板、後板、及び蓋板の内面の少なくとも中央部25〜80%(面積比)と前記ラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.35以上であり、
    前記筒状芯体の軸長さS(mm)と前記収容体の長手方向の側板間の内寸の最小値W(mm)とが、下記式(E1)を満たす、
    1mm<W−S≦3mm ・・・(E1)
    巻回体収容体。
  2. ラップフィルム巻回体と、該ラップフィルム巻回体が外周に巻回された筒状芯体と、前記ラップフィルム巻回体を収容する収容体と、を備える巻回体収容体であって、
    前記ラップフィルム巻回体は、フィルム厚みが6〜12μmであり、製膜ラインのフィルムの幅方向の引裂強度が2.5〜4cNである、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むラップフィルムが巻回されたものであり、
    前記ラップフィルム巻回体の、未使用時の巻き回し端から3周目の幅長X(3)と、未使用時の巻き回し端から3周目の幅長X(5)と、未使用時の巻回し端から30周目の幅長X(30)と、が下記式(A1)及び(B1)を満たし、
    X(30)−1.0mm<X(3) ・・・(A1)
    X(30)−0.5mm<X(5) ・・・(B1)
    前記収容体の前板の内面の中央部25〜80%(面積比)と前記ラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.35以上であり、
    前記収容体の底板、後板、及び蓋板の内面の中央部25〜80%(面積比)と前記ラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.35以上であり、
    前板、底板、後板、及び蓋板の中央部の外側と前記ラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.28未満であり、
    前記筒状芯体の軸長さS(mm)と前記収容体の長手方向の側板間の内寸の最小値W(mm)とが、下記式(E1)を満たす、
    1mm<W−S≦3mm ・・・(E1)
    巻回体収容体。
JP2014216285A 2014-10-23 2014-10-23 巻回体収容体 Active JP6373161B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014216285A JP6373161B2 (ja) 2014-10-23 2014-10-23 巻回体収容体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014216285A JP6373161B2 (ja) 2014-10-23 2014-10-23 巻回体収容体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016084140A JP2016084140A (ja) 2016-05-19
JP6373161B2 true JP6373161B2 (ja) 2018-08-15

Family

ID=55971783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014216285A Active JP6373161B2 (ja) 2014-10-23 2014-10-23 巻回体収容体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6373161B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018229904A1 (ja) * 2017-06-14 2018-12-20 日立化成株式会社 ラップフィルム収容体及びその製造方法
JP7129131B2 (ja) 2017-09-15 2022-09-01 旭化成株式会社 粘着フィルム収納箱及び粘着フィルム収納装置
JP7253392B2 (ja) * 2019-01-22 2023-04-06 信越ポリマー株式会社 包装巻回体用化粧箱
JP7253393B2 (ja) * 2019-01-23 2023-04-06 信越ポリマー株式会社 包装巻回体用化粧箱

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU7213094A (en) * 1993-06-24 1995-01-17 International Paper Company Roll package
JP5514571B2 (ja) * 2010-02-09 2014-06-04 旭化成ケミカルズ株式会社 詰替ラップフィルム包装体
JP5501791B2 (ja) * 2010-02-22 2014-05-28 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリ塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム及びラップフィルム巻回体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016084140A (ja) 2016-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6373161B2 (ja) 巻回体収容体
JP7175138B2 (ja) ラップフィルム及びラップフィルム巻回体
JP5501791B2 (ja) ポリ塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム及びラップフィルム巻回体
CN112739630A (zh) 可堆肥或可回收包装包裹物
JP6100034B2 (ja) 塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム及びその製造方法
JP2014200968A (ja) 植物由来の樹脂を含有する層を備える熱収縮性多層フィルム及びその製造方法
JP2016199315A (ja) 塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム
JP6186181B2 (ja) ラップフィルム巻回体及び巻回体収容体
JP5154848B2 (ja) 包装用フィルム
JPWO2014103587A1 (ja) ラップフィルム
CN1322035C (zh) 包装膜
JP7173793B2 (ja) ラップフィルム及びラップフィルム巻回体
JP2008238805A (ja) 包装用フィルム
TWI707765B (zh) 保鮮膜及保鮮膜捲繞體
JPH06293335A (ja) カートン入り包装用フィルム
JP5074362B2 (ja) 包装用フィルム
JP5026332B2 (ja) 多層フィルム
JP2023179089A (ja) ラップフィルム
JP2021046254A (ja) 塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム
JP6320760B2 (ja) 食品包装用フィルム
JP2007253530A (ja) ラップフィルムの製造方法
JP3889631B2 (ja) 密着性ラップフィルム
JP2021046255A (ja) 塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム
JP2000290403A (ja) 密着性耐熱ラップフィルム
JP2021041949A (ja) 塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160523

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180717

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6373161

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350