以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1〜図12は、本発明の一実施の形態およびその一変形例を説明するための図である。このうち、図1は、袋詰め包装機の全体構成を模式的に示す図であり、図2は、グリッパー装置を示す斜視図であり、図3〜図9は、グリッパー装置の中央グリッパーを示す図である。
図1に示すように、袋詰め包装機10は、袋Cに対して内容物を充填して当該袋Cを密閉することにより、内容物が充填された袋詰め製品Pを作製する装置である。この袋詰め包装機10では、内容物の充填および袋Cの密閉だけでなく、内容物を充填される袋Cの供給および内容物が充填された袋詰め製品Pの放出をも自動で行うようになっている。図1に示された袋詰め包装機10は、回転テーブルとして形成された保持部材30と、保持部材30に保持されたグリッパー装置40と、を有している。グリッパー装置40は、袋Cを保持する装置であり、図示された例において、グリッパー装置40は二つの袋C(第1の袋C1及び第2の袋C2)を保持することができる。
グリッパー装置40は、円板状の保持部材30の周縁部に保持されている。保持部材30がその中心軸線Arを中心として回転することにより、グリッパー装置40は、円周状の移動経路mrを移動する。グリッパー装置40の移動経路mrに沿って、複数の処理ステーションが設けられている。図示された例においては、第1〜第10ステーションS1〜S10の合計10個のステーションが設けられている。袋詰め包装機10の第1ステーションS1には、給袋装置11が設置され、二つの袋Cが給袋装置11からグリッパー装置40に供給される。第2ステーションS2には、印刷装置12が設けられ、グリッパー装置40に保持された袋Cに文字情報やマーク等が印刷される。第3ステーションS3には、袋開口装置13が設けられ、袋Cの開口Coが広げられる。第4ステーションS4には、固体充填装置14が設けられ、広げられた開口Coを介して固体内容物が袋Cに充填される。第5ステーションS5には、液体充填装置15が設けられ、液体内容物が袋Cに充填される。第6ステーションS6は、空きステーションとなっている。第7ステーションS7には、第1シール装置17が設けられ、袋Cの開口Coが加熱溶着される。第8ステーションS8には、第2シール装置18が設けられ、袋Cの開口Coが十分に加熱溶着される。冷却装置19には、冷却装置19が設けられ、第7及び第8ステーションS7,S8で加熱された袋Cの開口Coを冷却する。第10ステーションS10では、内容物が密封された袋詰め製品Pが、グリッパー装置40から放出されて袋詰め包装放出装置20に回収される。
図1に示された袋詰め包装機10では、円板状の保持部材30の周縁部に十のグリッパー装置40が、設けられている。十のグリッパー装置40の各々に保持された袋Cに対し、十の異なるステーションS1〜S10での処理が並行して実施される。この袋詰め包装機10では、回転テーブルとして形成された保持部材30が、間欠駆動される。すなわち、保持部材30は、回転および停止を繰り返す。これにともなって、グリッパー装置40及びグリッパー装置40に保持された袋Cは、移動経路mrに沿って、間欠移動する。グリッパー装置40及びグリッパー装置40に保持された袋Cは、移動及び停止を繰り返し、各ステーションS1〜S10での処理は、グリッパー装置40の停止中に実施される。
袋詰め包装機10で処理対象となる袋は、一対の主面を有した袋Cである。典型的には、樹脂フィルム等の可撓性を有した材料により形成された袋であり、一対の主面が互いに重なり合うように畳むことができる袋である。図示された例では、一対の樹脂フィルムの三辺をヒートシールすることにより形成された袋Cが、袋詰め包装機10に供給される。一対の樹脂フィルムの下辺の間には、ガゼットが形成されている。袋詰め包装機10では、この袋Cの上辺の開口Coを介して当該袋Cに内容物を充填する。その後、開口Coを密閉して、内容物を密封した袋詰め製品Pが得られる。したがって、図1に示すように、グリッパー装置40は、開口Coが上方を向くようにして、袋Cを保持する。
次に、グリッパー装置40について説明する。図2に示すように、グリッパー装置40は、第1グリッパー41、中央グリッパー50及び第2グリッパー42を、配列方向(一方向)drに沿ってこの順番で有している。すなわち、中央グリッパー50は、配列方向drに沿って第1グリッパー41及び第2グリッパー42の間に位置している。ここで配列方向drは、グリッパー装置40の移動経路mrと平行または概ね平行である。グリッパー装置40は、第1グリッパー41と中央グリッパー50とで第1の袋C1を保持し、中央グリッパー50と第2グリッパー42とで第2の袋C2を保持する。配列方向drにおける一側に位置する第1グリッパー41は、一側に位置する第1の袋C1の一側側縁部を把持する。配列方向drにおける他側に位置する第2グリッパー42は、他側に位置する第2の袋C2の他側側縁部を把持する。また、中央グリッパー50は、第1の袋C1の他側側縁部および第2の袋C2の一側側縁部を把持する。
図1に示すように、グリッパー装置40は、開口Coが上方を向くようにして、袋Cを保持する。また、第1ステーションS1に設置された給袋装置11は、グリッパー装置40に正対する方向から、開口Coが上方を向くようにして袋Cをグリッパー装置40に供給する。本実施の形態で説明するグリッパー装置40では、詳しくは後述するように、正対方向dfから供給される袋Cを、損傷させることなく正しい状態で安定して挟持することを可能とする工夫が、中央グリッパー50に施されている。なお、正対方向dfとは、袋Cを保持するグリッパーに対して向かい合う方向である。例えば、配列方向drに直交する又は概ね直交する方向や、或いは、後述する中央グリッパー50の軸線Amと平行又は概ね平行な方向から、袋Cがグリッパー装置40に供給されるようにしてもよい。
図2に示す例において、回転テーブルをなす保持部材30の周縁に、第1保持アーム31、中央保持アーム33及び第2保持アーム32が、この順番で設けられている。第1グリッパー41は、第1保持アーム31に固定されている。中央グリッパー50は、中央保持アーム33に固定されている。第2グリッパー42は、第2保持アーム32に固定されている。第2保持アーム32は、保持部材30に固定されている。第1保持アーム31及び中央保持アーム33は、揺動可能に保持部材30に取り付けられている。また、第1保持アーム31及び第2保持アーム32は、互いに接続されている。中央保持アーム33は、第1保持アーム31の揺動位置に依存することなく、配列方向drに沿って第1グリッパー41及び第2グリッパー42の略中央に位置するようになっている。
図1に示された袋詰め包装機10では、第3〜第6ステーションS3〜S6に位置するグリッパー装置40について、第1保持アーム31が、保持部材30に対して揺動して、第2保持アーム32に接近している。この状態において、第1保持アーム31及び中央グリッパー50によってそれぞれ挟持された第1の袋C1の一対の側縁部が互いに接近し、第1の袋C1の開口Coを広げることができる。同様に、中央グリッパー50及び第2保持アーム32によってそれぞれ挟持された第2の袋C2の一対の側縁部が互いに接近し、第2の袋C2の開口Coを広げることができる。
一方、図1に示された第1、第2、第7〜第10ステーションS1,S2,S7〜S10に位置するグリッパー装置40について、第1保持アーム31は、第2保持アーム32から離間している。この状態において、第1保持アーム31及び中央グリッパー50によってそれぞれ挟持された第1の袋C1の一対の側縁部が互いから離間し、第1の袋C1の開口Coを閉じることができる。同様に、中央グリッパー50及び第2保持アーム32によってそれぞれ挟持された第2の袋C2の一対の側縁部が互いから離間し、第2の袋C2の開口Coを閉じることができる。
図2に示された例において、第1保持アーム31及び第2保持アーム32の間に、保持アーム付勢部材38が設けられている。保持アーム付勢部材38は、例えば圧縮バネからなり、第1保持アーム31及び第2保持アーム32が近接するよう付勢している。また、袋詰め包装機10は、図示しない保持アーム駆動装置を有しており、この保持アーム駆動装置が、保持アーム付勢部材38の付勢力に抗し、第1、第2、第7〜第10ステーションS1,S2,S7〜S10に位置するグリッパー装置40の第1保持アーム31及び第2保持アーム32を揺動させる。
次に、第1グリッパー41及び第2グリッパー42について説明する。第1及び第2グリッパー41,42は、対称的に構成され、互いに同一の構成要素を有している。第1及び第2グリッパー41,42は、対応する保持アーム31,32に固定されたグリッパーアーム43と、グリッパーアーム43の先端(保持部材30から離間する側の端)に固定された固定側挟持部材44と、固定側挟持部材44との間で袋Cを挟持する可動側挟持部材45と、を有している。
図2に示すように、配列方向drにおける一側に配置された第1グリッパー41において、可動側挟持部材45は、配列方向drにおける一側の端部となる領域において固定側挟持部材44と接続されている。一方、配列方向drにおける他側に配置された第2グリッパー42において、可動側挟持部材45は、配列方向drにおける他側の端部となる領域において固定側挟持部材44と接続されている。可動側挟持部材45の固定側挟持部材44に対する揺動軸線Asは、保持部材30の中心軸線Arと平行であり、配列方向drと直交する。第1グリッパー41の固定側挟持部材44は、可動側挟持部材45との揺動軸線Asよりも配列方向drにおける他側となる位置に、被覆材44aを有している。第2グリッパー42の固定側挟持部材44は、可動側挟持部材45との揺動軸線Asよりも配列方向drにおける一側となる位置に、被覆材44aを有している。第1及び第2グリッパー41,42の可動側挟持部材45は、固定側挟持部材44の被覆材44aと対面する位置に、被覆材45aを有している。
可動側挟持部材45は、揺動することにより、正対方向dfにおいて固定側挟持部材44から離間する。この際、可動側挟持部材45は、配列方向drにおける外側にずれる。したがって、可動側挟持部材45が揺動することにより、固定側挟持部材44の被覆材44aが、一対の可動側挟持部材45の間において、正対方向dfに露出する。この図2に示された状態において、給袋装置11から供給される袋Cは、可動側挟持部材45と干渉することなく、固定側挟持部材44へ接触する位置に配置され得る。そして、図2に示された状態から、可動側挟持部材45が、揺動して固定側挟持部材44に接近すると、被覆材44a及び被覆材45aとの間で袋Cを挟持することができる。被覆材44a及び被覆材45aは、袋Cを安定して挟持することができるよう、袋Cに対して適度な摩擦抵抗を有し且つ袋Cの形状に追従して変形可能な材料、例えばゴムから形成される。
図2に示された例において、第1及び第2グリッパー41,42は、可動側挟持部材45に枢着された連結リンク材46と、連結リンク材46に接続され且つグリッパーアーム43に保持された作用部材47と、を有している。連結リンク材46は、可動側挟持部材45及び作用部材47に枢着されている。連結リンク材46は、固定側挟持部材44を貫通して、グリッパーアーム43の中空内部に入り込んでいる。作用部材47は、グリッパーアーム43の中空内部で連結リンク材46と接続されている。作用部材47は、グリッパーアーム43の長手方向に沿ってグリッパーアーム43に対し相対移動可能となっている。作用部材47は、グリッパーアーム43から下方に露出し、この露出した部分にローラ部47aが回転可能に設けられている。
グリッパーアーム43内には図示しない付勢部材が内蔵されている。この図示しない付勢部材は、作用部材47をグリッパーアーム43の先端(保持部材30から離間する側の端)の側から基端(保持部材30に近接する側の端)の側へと付勢している。また、図2に示すように、袋詰め包装機10は、保持部材30の下方に設けられた挟持操作装置35をさらに有している。挟持操作装置35は、ローラ部47aに当接して押圧し、グリッパーアーム43の基端の側から先端の側へ作用部材47を駆動することができる。挟持操作装置35の操作部材36が、図示しない付勢部材の付勢力に抗し、作用部材47を押圧すると、連結リンク材46を介して可動側挟持部材45を固定側挟持部材44から離間した図2の状態へ動作させることができる。一方、挟持操作装置35の操作部材36が中心軸線Arの側へ後退すると、図示しない付勢部材の付勢力により、作用部材47が連結リンク材46とともに、グリッパーアーム43の基端の側へと移動する。この動作にともなって、可動側挟持部材45が、揺動して固定側挟持部材44に接近し、固定側挟持部材44と可動側挟持部材45との間で袋Cを挟持することが可能となる。
次に、中央グリッパー50について説明する。図2に示すように、中央グリッパー50は、中央保持アーム33に固定された中央グリッパーアーム51と、中央グリッパーアーム51に相対移動可能に保持された軸部材53と、中央グリッパーアーム51に保持された第1挟持部材61と、軸部材53に保持された第2挟持部材65と、を有している。図5及び図6によく示されているように、中央グリッパーアーム51は、中空の細長い筒状に形成されている。図2に示すように、中央グリッパーアーム51は、中央グリッパー50の長手方向を画成している。軸部材53は、中央グリッパーアーム51に対して、中央グリッパーアーム51の長手方向と平行な軸線Amに沿って相対移動可能となっている。図示された例において、軸線Amは、グリッパー41,42,50の配列方向drに直交し又は概ね直交し、且つ、保持部材30の中心軸線Arに直交し又は概ね直交している。
図5及び図6に示すように、第1挟持部材61は、中央グリッパーアーム51の先端(保持部材30から離間する端)に固定されている。軸部材53は、筒状に形成された中央グリッパーアーム51の内部空間52に配置されている。第2挟持部材65は、軸部材53の先端に固定されている。軸部材53が中央グリッパーアーム51に対して相対移動することにより、第1部分62は、第2部分63に対して相対移動する。
軸部材53は、中央グリッパーアーム51の内部空間52内において、軸線Amに沿って中央グリッパーアーム51に対して相対移動可能となっている。軸部材53は、第1挟持部材61の先端に固定された第1挟持部材61を貫通して延びている。また、中央グリッパーアーム51は、内部空間52に向けて張り出した縮径部51aを有している。軸部材53は、中央グリッパーアーム51の基端(保持部材30から近接する端)に向けて、縮径部51aを通過している。軸部材53は、縮径部51aと第1挟持部材61との間となる位置に、拡径部53aを有している。拡径部53aは、当該拡径部53aに隣接する軸部材53の他の部位と比較して太くなっている。拡径部53aと、縮径部51aおよび第1挟持部材61との干渉により、軸部材53は、中央グリッパーアーム51から抜けることを防止されている。
また、軸部材53は、中央グリッパーアーム51に対して軸線Amを中心として回転可能となっている。図示された例において、中央グリッパーアーム51の内部空間52が、軸線Amに直交する断面において円形形状となり、軸部材53も、軸線Amに直交する断面において円形形状となっている。この構成により、軸部材53が、軸線Amを中心として中央グリッパーアーム51に対して回転可能となっている。
また本実施の形態では、軸線Amに沿った中央グリッパーアーム51に対する軸部材53の移動に連動して、軸部材53は、軸線Amを中心として中央グリッパーアーム51に対して回転する。例えば、中央グリッパーアーム51及び軸部材53の一方に、ガイド溝が形成され、中央グリッパーアーム51及び軸部材53の他方に、ガイド溝内に延び入る係合軸部が設けられる。そして、ガイド溝が、少なくともその長手方向の一部分において軸線Amに対して傾斜する。このガイド溝と係合軸部との係合により、軸部材53の中央グリッパーアーム51に対する軸線Amに沿った移動に連動して、軸部材53が中央グリッパーアーム51に対して軸線Amを中心として回転することができる。
図示された例においては、図5及び図6に示すように、軸部材53にガイド溝68が形成され、中央グリッパーアーム51に係合軸部69が設けられている。図9に示すように、ガイド溝68は、軸部材53を貫通している。ガイド溝68は、軸部材53の拡径部53aに形成されている。一方、図5及び図6に示すように、係合軸部69は、ガイド溝68を通過して軸部材53を貫通している。係合軸部69は、その両端部において中央グリッパーアーム51に固定されている。このような構成によれば、ガイド溝68及び係合軸部69の係合をより安定して確保することができる。結果として、軸部材53の軸線Amに沿った移動と、軸部材53の軸線Amを中心とした回転との連動を安定して確保することができる。
また、図9の(b)でよく示されているように、ガイド溝68は、その長手方向に沿った両端において軸線Amと平行に延びている。ガイド溝68は、軸部材53の先端(保持部材30から離間する端)の側に位置する第1直線部68aと、軸部材53の基端(保持部材30から近接する端)の側に位置する第2直線部68bと、第1直線部68a及び第2直線部68bの間に位置するねじれ部68cと、を含んでいる。ガイド溝68は、第1直線部68a及び第2直線部68bにおいて、軸線Amと平行に延びている。係合軸部69がガイド溝68の第1直線部68a又は第2直線部68bと係合している場合、軸部材53は、軸線Amを中心として回転することなく、軸線Amに沿って移動する。一方、ガイド溝68は、ねじれ部68cにおいて、螺旋状に延び、したがって軸線Amに対して傾斜している。係合軸部69がガイド溝68のねじれ部68cと係合している場合、軸部材53は、軸線Amを中心として回転しながら、軸線Amに沿って移動する。
ガイド溝68及び係合軸部69の係合により、中央グリッパーアーム51に対する軸部材53の移動可能範囲、すなわち第1挟持部材61に対する第2挟持部材65の移動可能な範囲が画定される。第2挟持部材65は、第1挟持部材61に対し、図3、図5、及び図9(c)に示された挟持位置と、図4、図6及び図9(a)に示された解放位置と、の間で、第1挟持部材61に対して移動する。挟持位置において、第2挟持部材65は、第1挟持部材61に接近し、第1挟持部材61との間で袋Cを挟持することができる。一方、解放位置において、第2挟持部材65は、第1挟持部材61から離間し、第1挟持部材61との間で挟持した袋Cを解放する。
図3及び図4に示すように、第2挟持部材65は、挟持位置と解放位置との間で、第1挟持部材61に対して軸線Amを中心として回転する。そして、図5及び図6に示されているように、軸線Amを中心とした第2挟持部材65の回転により、グリッパー41,42,50の配列方向drに沿った第2挟持部材65の幅は、挟持位置と解放位置との間で変化する。具体的には、挟持位置における第2挟持部材65の配列方向drに沿った幅Wa(図5参照)は、解放位置における第2挟持部材65の配列方向drに沿った幅Wb(図6参照)よりも広くなる。
したがって、図4及び図6に示された解放位置において、第1挟持部材61の一部分が、第2挟持部材65に覆われることなく、正対方向dfに露出する。より具体的には、第1挟持部材61は、軸部材53によって貫通されている部位よりも配列方向drにおける一側となる第1部分62と、軸部材53によって貫通されている部位よりも配列方向drにおける他側となる第2部分63と、を露出させる。したがって、図2に示すように、給袋装置11から供給される第1の袋C1は、第2挟持部材65と干渉することなく、第1挟持部材61の第1部分62へ接触する位置へ配置され得る。また、給袋装置11から供給される第2の袋C2は、第2挟持部材65と干渉することなく、第1挟持部材61の第2部分63へ接触する位置へ配置され得る。
一方、図5に示された挟持位置において、第2挟持部材65は、グリッパー41,42,50の配列方向drに沿った全域において、第1挟持部材61を正対方向dfから覆っている。したがって、第1挟持部材61の第1部分62上に配置された第1の袋C1および第2部分63上に配置された第2の袋C2の両方を、第1挟持部材61及び第2挟持部材65の間で挟持することができる。
なお、図2に示すように、第1挟持部材61は、第1部分62の表面をなす第1被覆材62aを有し、第2部分63の表面をなす第2被覆材63aを有している。第2挟持部材65は、挟持位置において、第1挟持部材61の第1部分62と対面する第1部分66と、第1挟持部材61の第2部分63と対面する第2部分67と、を含んでいる。図2に示すように、第2挟持部材65は、第1部分66の表面をなす第1被覆材66aを有し、第2部分67の表面をなす第2被覆材67aを有している。第1被覆材62a及び第1被覆材66aの間で、第1の袋C1が挟持され、第2被覆材63a及び第2被覆材67aの間で、第2の袋C2が挟持される。被覆材62a,63a,66a,67aは、袋Cを安定して挟持することができるよう、袋Cに対して適度な摩擦抵抗を有し且つ袋Cの形状に追従して変形可能な材料、例えばゴムから形成される。
図示された例において、第2挟持部材65は、軸線Amと平行な方向からの観察において、長方形形状となっている。第2挟持部材65は、図3の挟持位置において、長方形の長辺がグリッパー41,42,50の配列方向drと平行となるよう、配置される。第2挟持部材65は、図4の解放位置において、長方形の長辺がグリッパー41,42,50の配列方向drと直交するよう、配置される。すなわち、第2挟持部材65は、解放位置と挟持位置との間で、軸線Amを中心として90°だけ第1挟持部材61に対して回転する。このような構成によれば、第2挟持部材65を解放位置とすることで、第1挟持部材61の第1部分62及び第2部分63を正対方向dfに大きく露出することと、第2挟持部材65を挟持位置とすることで、第1挟持部材61の第1部分62及び第2部分63との間で袋Cを安定して保持することとを両立することができる。
なお、図示された例において、第1挟持部材61は、軸線Amと平行な方向からの観察において、第2挟持部材65と同一の長方形形状となっている。第1挟持部材61は、長方形の長辺がグリッパー41,42,50の配列方向drと平行となるよう、中央グリッパーアーム51に固定されている。
次に、第2挟持部材65及び軸部材53を第1挟持部材61及び中央グリッパーアーム51に対して動作させるための構成について説明する。図5及び図6、並びに、中央グリッパーアーム51を省略した図7及び図8に示すように、中央グリッパー50は、軸部材53に接続した中央作用部材55と、中央作用部材55に保持されたローラ部55aと、をさらに有している。図5及び図6に示すように、中央作用部材55は、軸部材53の基端に接続している。
中央作用部材55は、軸線Amに沿って中央グリッパーアーム51に対して移動可能となるよう、中央グリッパーアーム51に保持されている。ただし、中央作用部材55は、軸線Amを中心として中央グリッパーアーム51に対して回動することを規制されている。また、中央作用部材55は、軸線Amに沿った軸部材53に対する移動を規制されている。ただし、中央作用部材55は、軸線Amを中心として軸部材53に対して回転可能に当該軸部材53に接続している。図5及び図6に示された例において、中央作用部材55と軸部材53との間に、軸受部材57が設けられている。軸受部材57として、例えば玉軸受を用いることができる。図3及び図4に示すように、中央作用部材55は、中央グリッパーアーム51から下方に露出し、この露出した部分にローラ部55aが回転可能となっている。ローラ部55aの回転軸線は、軸線Amと直交し又は概ね直交する。
さらに、図5及び図6に示すように、中央グリッパー50は、中央グリッパーアーム51内に設けられた付勢部材59を、さらに有している。付勢部材59は、第2挟持部材65、軸部材53及び中央作用部材55を、軸線Amに沿って付勢している。図示された例において、付勢部材59は、中央グリッパーアーム51の縮径部51aと中央作用部材55に作用している。付勢部材59は、例えば圧縮バネからなり、軸線Amに沿って保持部材30の側へ向け、中央作用部材55を押圧している。すなわち、第2挟持部材65は、付勢部材59によって、解放位置の側から挟持位置へ向けて付勢されている。図示された例では、付勢部材59と中央作用部材55との間に、受け部材58が設けられている。受け部材58は、軸受部材57を付勢部材59から保護することにより、付勢部材59によって軸受部材57の機能が阻害されることを防止する。
次にグリッパー装置40の動作について説明する。
以上の構成を有した中央グリッパー50は、上述した第1グリッパー41及び第2グリッパー42とともに、挟持操作装置35によって、操作される。図2に示すように、挟持操作装置35の操作部材36は、第1及び第2グリッパー41,42の作用部材47とともに、中央グリッパー50の中央作用部材55にも当接することができる。そして、操作部材36が保持部材30から離間する側へ前進するよう駆動されると、第1及び第2グリッパー41,42の作用部材47が、連結リンク材46とともに、グリッパーアーム43の基端の側から先端の側へ向けて移動する。第1及び第2グリッパー41,42の可動側挟持部材45は、揺動して固定側挟持部材44から離間する。この結果、固定側挟持部材44が、正対方向dfに露出する。
第1及び第2グリッパー41,42の作用部材47の移動と並行して、中央グリッパー50の中央作用部材55も、付勢部材59の付勢力に抗し、中央グリッパーアーム51の基端の側から先端の側へ向けて移動する。このとき、軸部材53及び第2挟持部材65も、中央作用部材55とともに、軸線Amに沿って中央グリッパーアーム51に対して移動する。さらに、中央グリッパーアーム51内では、ガイド溝68と係合軸部69とが係合している。係合軸部69がガイド溝68のねじれ部68cを通過している間、第2挟持部材65及び軸部材53は、軸線Amに沿って第1挟持部材61に対して移動するとともに、軸線Amを中心として第1挟持部材61及び中央作用部材55に対して回転する。最終的に、第2挟持部材65が、解放位置まで到達すると、第2挟持部材65は、第1挟持部材61から軸線Amに沿って十分に離間し且つ第1挟持部材61に対して90°回転している。この結果、中央グリッパー50の第1挟持部材61の第1部分62及び第2部分63が、正対方向dfに露出する。
なお、操作部材は、第1及び第2グリッパー41,42については、作用部材47の回転可能なローラ部47aに当接し、中央グリッパー50については、中央作用部材55の回転可能なローラ部55aに当接する。したがって、保持アーム31,32,33の位置に依らず、操作部材36からの押圧力が円滑にグリッパー41,42,50の作用部材47,55に伝達される。
一方、挟持操作装置35の操作部材36が保持部材30に接近するよう後退すると、第1及び第2グリッパー41,42では、図示しない付勢部材の付勢力により、作用部材47が連結リンク材46とともに、グリッパーアーム43の基端の側へと移動する。また、第1及び第2グリッパー41,42の作用部材47の移動と並行して、中央グリッパー50の中央作用部材55も、付勢部材59からの付勢力によって、中央グリッパーアーム51の基端の側へと移動する。これらの動作にともなって、第1及び第2グリッパー41,42では、可動側挟持部材45が、揺動して固定側挟持部材44に当接し、中央グリッパー50では、第2挟持部材65が、回転および移動して第1挟持部材61に当接する。
図1に示された袋詰め包装機10では、袋詰め包装機10の第1ステーションS1にて、挟持操作装置35の操作部材36が、グリッパー装置40の作用部材47及び中央作用部材55を押し込む。このとき、第1及び第2グリッパー41,42の固定側挟持部材44が、正対方向dfに露出し、中央グリッパー50の第1挟持部材61の第1部分62及び第2部分63が、正対方向dfに露出する。
この状態で、第1ステーションS1に設置された給袋装置11を用いて、第1グリッパー41及び中央グリッパー50に第1の袋C1を供給し、同時に、中央グリッパー50及び第2グリッパー42に第2の袋C2を供給する。第1の袋C1は、第1グリッパー41の可動側挟持部材45や中央グリッパー50の第2挟持部材65に接触することなく、第1グリッパー41の固定側挟持部材44の露出した部分及び中央グリッパー50の第1挟持部材61の露出した第1部分62に接触する位置まで運び込まれる。同時に、第2の袋C2は、中央グリッパー50の第2挟持部材65や第2グリッパー42の可動側挟持部材45に接触することなく、中央グリッパー50の第1挟持部材61の露出した第2部分63及び第2グリッパー41の固定側挟持部材44の露出した部分に接触する位置まで運び込まれる。
次に、袋C1,C2が持ち込まれた状態で、挟持操作装置35の操作部材36を保持部材30の側に後退させる。第1及び第2グリッパー41,42では、グリッパーアーム43に内蔵された付勢部材(図示せず)からの付勢力によって、可動側挟持部材45が、揺動して固定側挟持部材44に接近する。第1グリッパー41では、固定側挟持部材44と可動側挟持部材45との間で、第1の袋C1の一側側縁部を挟持する。第2グリッパー42では、固定側挟持部材44と可動側挟持部材45との間で、第2の袋C2の他側側縁部を挟持する。一方、中央グリッパー50では、中央グリッパーアーム51に内蔵された付勢部材59からの付勢力によって、第2挟持部材65が、軸線Amに沿って移動および軸線Amを中心として回転して第1挟持部材61に接近する。この動作の結果、第1挟持部材61の第1部分62と第2挟持部材65の第1部分66との間で、第1の袋C1の他側側縁部を挟持し、第1挟持部材61の第2部分63と第2挟持部材65の第2部分67との間で、第2の袋C2の一側側縁部を挟持する。以上のようにして、第1ステーションS1での給袋が実施される。
また、図1に示された袋詰め包装機10では、第10ステーションS10において、挟持操作装置35によってグリッパー装置40が操作され、第1及び第2グリッパー41,42では、可動側挟持部材45が固定側挟持部材44から離間し、中央グリッパー50では、第2挟持部材65が第1挟持部材61から離間する。この結果、袋詰め製品Pが、グリッパー装置40から解放される。
以上のような本実施の形態によれば、中央グリッパー50は、第1挟持部材61と、配列方向(一方向)drと非平行な軸線Amに沿って第1挟持部材61に対して相対移動可能かつ軸線Amを中心として第1挟持部材61に対して回転可能な第2挟持部材65と、を有している。第2挟持部材65は、軸線Amに沿って第1挟持部材61から離間した解放位置と、軸線Amに沿って第1挟持部材61に接近し第1挟持部材61との間で第1の袋C1および第2の袋C2を挟持する挟持位置と、の間を第1挟持部材61に対して相対移動可能となっている。そして、軸線Amを中心とした第2挟持部材65の回転により、第2挟持部材65の一方向に沿った幅は、挟持位置よりも解放位置において狭くなる。したがって、第1挟持部材61の配列方向drに沿った両端部分62,63が、軸線Amと平行な方向において、第2挟持部材65に重なることなく露出する。ここで、正対方向dfからグリッパー装置40に対して袋Cを供給した場合、当該袋Cは、第2挟持部材65に接触することなく、第1挟持部材61まで到達することができる。
これにより、第1及び第2の袋C1,C2と中央グリッパー50との干渉に起因した損傷を回避しながら、中央グリッパー50によって、第1及び第2の袋C1,C2を安定して挟持することができる。また、グリッパー装置40が安定して正しい姿勢で袋C1,C2を保持することができる。すなわち、袋C1,C2の挟持されている部分が折れ曲がることや皺が発生することを効果的に防止することができる。これにより、二つの袋C1,C2を正しい姿勢で保持することができる。この結果、所定量の内容物を袋C1,C2に安定して充填すること、袋C1,C2を安定して確実に密閉することが可能となる。さらに、袋詰め包装において最上流となる給袋工程を安定して実施することができるため、損傷した袋や不適切な姿勢で保持された袋に対してその後の工程を実施してしまうことを効果的に回避することができる。
本実施の形態において、中央グリッパー50は、第1挟持部材61を先端に保持する中央グリッパーアーム51と、第2挟持部材63を先端に保持する軸部材53と、を有している。軸部材53は、軸線Amに沿って中央グリッパーアーム51に対して相対移動可能かつ軸線Amを中心として中央グリッパーアーム51に対して回転可能に、グリッパーアーム51に保持されている。中央グリッパーアーム51及び軸部材53の一方に、その長手方向に沿った少なくとも一部分において軸線Amに対して傾斜して延びるガイド溝68が形成されている。中央グリッパーアーム51及び軸部材53の他方に、少なくとも一部分がガイド溝68内に位置する係合軸部69が設けられている。中央グリッパーアーム51及び軸部材53の軸線Amに沿った相対移動時に、ガイド溝68及び係合軸部69の係合により、第2挟持部材65を保持した軸部材53が、中央グリッパーアーム51に対して自動的に回転するようになる。すなわち、中央グリッパーアーム51に対して軸部材53を軸線Amに沿って移動させるといった極めて簡単な操作により、第2挟持部材65から第1挟持部材61を引き離すだけでなく、第2挟持部材65を保持した軸部材53を回転させて第1挟持部材61を軸線Amと平行な方向に露出させることが可能となる。
本実施の形態において、軸部材53は、第1挟持部材61を貫通して中空状の中央グリッパーアーム51内に延び入っている。ガイド溝68は、軸部材53を貫通するようにして当該軸部材53に形成されている。係合軸部69は、軸部材53を貫通し、その両端において中央グリッパーアーム51に接続している。このような実施の形態によれば、係合軸部69を中央グリッパーアーム51に対して安定して固定することができる。また、係合軸部69とガイド溝68とを係合した状態に安定して維持することができる。結果として、第1挟持部材61と第2挟持部材65との軸線Amへの相対移動にともなった第2挟持部材65の第1挟持部材61に対する回転を安定して確保することができる。
本実施の形態において、ガイド溝68は、その長手方向に沿った端部(第1直線部68a及び第2直線部68b)において軸線Amと平行に延びている。したがって、第2挟持部材65が解放位置から挟持位置へ向けて移動を開始する際および第2挟持部材65が挟持位置から解放位置へ向けて移動を開始する際に、第2挟持部材65は、第1挟持部材61に対して回転することなく、第1挟持部材61に対して軸線Amに沿って直線的に相対移動する。したがって、第2挟持部材65は、軸線Amに沿った比較的に小さな押圧力により、第1挟持部材61に対して滑らかに相対移動を開始することができる。これにより、第2挟持部材65の第1挟持部材61に対する所定の相対移動を安定して確保することができる。
とりわけ本実施の形態において、第2挟持部材65は、挟持位置から第1挟持部材61に対する相対移動を開始する際、及び、第1挟持部材61に対して相対移動して挟持位置へ到達する際、軸線Amを中心とした回転を停止して軸線Amに沿って第1挟持部材61に対して直線状に相対移動する。このような本実施の形態によれば、第1挟持部材61と第2挟持部材65との間に袋Cを挟持する際、或いは、第1挟持部材61と第2挟持部材65との間に挟持した袋Cを解放する際、第1挟持部材61及び第2挟持部材65は、袋Cに対して直線的に接近または直線的に離間する。つまり、第1挟持部材61及び第2挟持部材62は、袋Cに接触する際及び袋Cから離間する際、より具体的には、図9の(b)と(c)との間、袋Cを捩ることはなく、これにより、袋Cに皺を作ってしまうことを効果的に防止することができる。
とりわけ本実施の形態において、第2挟持部材65は、軸線Amと平行な方向からの観察において、長方形形状となっている。したがって、第2挟持部材65を解放位置に配置することで、第1挟持部材61の両端部を軸線Amと平行な方向に大きく露出させることができる。これにより、給袋工程をより安定して実施することができる。
とりわけ本実施の形態において、第2挟持部材65は、解放位置と挟持位置との間で、第1挟持部材61に対して90°回転するようになっている。このような本実施の形態によれば、第2挟持部材65を解放位置に配置することで、第1挟持部材61の両端部を軸線Amと平行な方向に大きく露出させることができるとともに、第2挟持部材65を挟持位置に配置することで、第1挟持部材61及び第2挟持部材65の間の十分な面積で袋Cを安定して挟持することができる。
また、本実施の形態の袋詰め包装機10において、回転テーブルとして形成された保持部材30の周囲に、複数のグリッパー装置40が配列さけられている。グリッパー装置40は、二つの袋C1,C2を三つのグリッパー41,42,50で保持するため、十分に小型化されている。したがって、回転テーブルとしての保持部材30を十分に小径とすることができる。グリッパー装置40の移動速度は、回転テーブルの角速度が同一の場合、径に比例する。したがって、保持部材30を小径化することにより、グリッパー装置40に保持された袋C1,C2への遠心力を小さくすることができる。とりわけ、保持部材30が間欠移動する袋詰め包装機10では、グリッパー装置40が移動経路に沿って移動および停止を繰り返すように駆動され、グリッパー装置40が停止している際に、当該グリッパー装置40に保持された二つの袋C1,C2に対して袋詰めの処理がなされる。このような袋詰め包装機10では、グリッパー装置40に保持された袋C1,C2の揺れがより顕著となる。したがって、本実施の形態におけるグリッパー装置40は、このような保持部材30が間欠移動する袋詰め包装機10に対してとりわけ好適である。
以上、本発明を図示する一実施の形態に基づいて説明したが、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を適宜参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で参照する図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
上述した実施の形態において、中央グリッパー50の軸部材53にガイド溝68が形成され、中央グリッパーアーム51に係合軸部69が設けられている例を示したが、この例に限られず、軸部材53に係合軸部69が設けられ、中央グリッパーアーム51の内周面にガイド溝68が形成されていてもよい。
また、上述した実施の形態において、中央グリッパー50のガイド溝68が貫通穴として形成されている例を示したが、この例に限られず、ガイド溝68が有底の溝として形成されていてもよい。さらに、上述した実施の形態において、係合軸部69が一つだけ設けられている例を示したが、この例に限られず、複数の係合軸部69が一つのガイド溝68内に延び入っていてもよい。さらに、複数のガイド溝68が形成され、各ガイド溝68に異なる係合軸部69が延び入るようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、中央グリッパー50のガイド溝68が、ねじれ部68cに隣接する位置に第1直線部68a及び第2直線部68bを有する例を示したが、この例に限れず、第1直線部68a及び第2直線部68bの一方または両方を省いてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、中央グリッパー50の第1挟持部材61が、本体部と、本体部とは別途に第1被覆材62a及び第2被覆材63aと、を有し、同様に、第2挟持部材65が、本体部と、本体部とは別途に第1被覆材66a及び第2被覆材67aと、を有する例を示したが、この例に限られない。第1挟持部材61および第2挟持部材65の一方または両方が、単一の材料からなる部材として形成されていてもよい。同様に、第1及び第2グリッパー41,42の固定側挟持部材44が、本体部と、本体部とは別途に被覆材44aと、を有し、第1及び第2グリッパー41,42の可動側挟持部材45が、本体部と、本体部とは別途に被覆材45aと、を有する例を示したが、この例に限られない。固定側挟持部材44及び可動側挟持部材45の一方または両方が、単一の材料からなる部材として形成されていてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、挟持位置と解放位置との間で、第2挟持部材65が軸線Amを中心として90°回転する例を示したが、この例に限られない。図10に示す一例では、第2挟持部材65の第1部分66及び第2部分67が、それぞれ、軸線Amと平行な方向からの観察において直角二等辺三角形形状となっている。そして、二点鎖線で示した挟持位置と実線で示した解放位置との間で45°回転する。
さらに、上述した実施の形態において、第1グリッパー41及び第2グリッパー42が、中央グリッパー50と異なる構成を有している例を示したが、この例に限られない。グリッパー41,42,50の配列方向drにおける最も一側に位置する第1グリッパーとして、上述した中央グリッパー50の構成を採用することができる。第1グリッパーとして上述した中央グリッパー50の構成を採用する場合には、配列方向drに沿った寸法の小型化を図る観点から、第1挟持部材61の第1部分62を除去してもよいし、また、第2挟持部材65の第1部分66を除去してもよい。同様に、グリッパー41,42,50の配列方向drにおける最も他側に位置する第2グリッパーとして、上述した中央グリッパー50の構成を採用することができる。第2グリッパーとして上述した中央グリッパー50の構成を採用する場合には、配列方向drに沿った寸法の小型化を図る観点から、第1挟持部材61の第2部分63を除去してもよいし、また、第2挟持部材65の第2部分67を除去してもよい。このような構成によっても、上述した実施の形態と同様に、三つのグリッパーで二つの袋C1,C2を保持することができるグリッパー装置40が、供給される二つの袋Cを安定して受け取ることができる。
さらに、上述した実施の形態において、グリッパー装置40が、三つのグリッパーを用いて同時に二つの袋C1,C2を保持する例を示したが、この例に限られない。図11及び図12に示す一変形例のように、グリッパー装置140が、一方向(配列方向)に配列された第1及び第2の二つのグリッパー141,142を有し、この二つの第1及び第2の二つのグリッパー141,142によって一つの袋Cを保持するようにしてもよい。この変形例において、第1及び第2のグリッパー141,142のうちの一方が、上述した実施の形態の中央グリッパー50と同一に構成されてもよい。すなわち、少なくとも一方のグリッパーが、第1挟持部材61と、一方向(配列方向dr)と非平行な軸線Amに沿って第1挟持部材61に対して相対移動可能かつ軸線Amを中心として第1挟持部材61に対して回転可能な第2挟持部材65と、を有する。第2挟持部材65は、軸線Amに沿って第1挟持部材61から離間した解放位置と、軸線Amに沿って第1挟持部材61に接近し第1挟持部材61との間で袋Cを挟持する挟持位置と、の間を第1挟持部材61に対して相対移動可能である。軸線Amを中心とした第2挟持部材65の回転により、第2挟持部材65の一方向(配列方向dr)に沿った幅は、挟持位置よりも解放位置において狭い。図11及び図12に示された例において、第1グリッパー141は、第1挟持部材61の第1部分62を除去し且つ第2挟持部材65の第1部分66を除去したことを除き、上述した中央グリッパー50と同一の構成を有している。また、第2グリッパー141は、第1挟持部材61の第2部分63を除去し且つ第2挟持部材65の第2部分67を除去したことを除き、上述した中央グリッパー50と同一の構成を有している。このような変形例においても、簡易な構成のグリッパー装置140によって、供給される袋Cを安定して受け取り保持することができる。
さらに、上述した実施の形態において、保持部材30が、グリッパー装置40が環状の経路に沿って移動および停止を繰り返すようにグリッパー装置を駆動し、グリッパー装置40が停止している際に、当該グリッパー装置40に保持された袋Cに対して処理がなされる例を示したが、これに限られない。グリッパー装置40が環状の経路を連続的に移動し、移動中のグリッパー装置40に保持されている袋Cに対して処理がなされるようにしてもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。