JP6370589B2 - 水中油乳化組成物 - Google Patents

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本発明は、4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物に関する。
4−アルキルレゾルシノールは、代表的な美白剤の一つであり、皮膚外用剤の有効成分として利用されている。4−アルキルレゾルシノールを含む組成物には様々な剤形が知られ、その一つとして水中油乳化組成物も知られている。
例えば、特許文献1には、4−アルキルレゾルシノールを含有することを特徴とする、水中油乳化剤形の皮膚外用剤が記載されている。
特開2010−30910号公報
特許文献1に記載されるような従来の4−アルキルレゾルシノールを含有する水中油乳化組成物は、経時的に黄変するという問題があった。
本発明は、上述した問題を解決しようとするものであり、4−アルキルレゾルシノールを含有する水中油乳化組成物の黄変を抑制する技術を提供することを課題とする。
本発明者は、4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物において、その油相の主成分を極性油からなる紫外線吸収剤とすることにより、水中油乳化組成物の黄変を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物であって、該水中油乳化組成物の油相は極性油からなる紫外線吸収剤を主成分として含む、水中油乳化組成物である。
好ましくは、前記油相全量に占める極性油の割合が、10質量%以上である。
また、好ましくは、乳化組成物中における極性油の含有質量が、非極性油の含有質量の0.3倍以上である。
乳化組成物の油相の主成分を紫外線吸収剤とすることにより、水中油乳化組成物の黄変を抑制することができる。
本発明の好ましい形態では、油相全量に占める前記紫外線吸収剤の割合が50質量%以上である。
当該構成とすることにより、水中油乳化組成物の黄変を効果的に抑制することができる。
本発明の好ましい形態では、前記極性油のIOB値が0.1〜0.4あることを特徴とする。
このようなIOB値の極性油からなる紫外線吸収剤を用いることにより、水中油乳化組成物の黄変を一層抑制することができる。
本発明の好ましい形態では、水中油乳化組成物全量に占める前記紫外線吸収剤の割合が50質量%以上である。
当該構成とすることにより、水中油乳化組成物の黄変を一層効果的に抑制することができる。
本発明の好ましい形態では、前記水中油乳化組成物は、さらにポリグリセリンの脂肪酸エステルを含む。
前記油相成分の主成分として極性油からなる紫外線吸収剤を使用する際に、ポリグリセリンの脂肪酸エステルを用いることにより、安定な乳化状態を得ることができる。その結果、水中油乳化組成物の黄変を抑制しながら、安定な乳化状態を維持することができる。
本発明の好ましい形態では、水中油乳化組成物は、さらに、アスコルビン酸若しくはその誘導体、トラネキサム酸若しくはその誘導体、及びアルブチン若しくはその誘導体から選ばれる化合物を含む。
4−アルキルレゾルシノールに加え、アスコルビン酸若しくはその誘導体、トラネキサム酸若しくはその誘導体、及びアルブチン若しくはその誘導体から選ばれる化合物を含む水中油乳化組成物は、経時的な黄変の問題が大きい。そのため、本発明は、このような形態において特に有用である。
本発明の好ましい形態では、水中油乳化組成物は、皮膚外用剤である。皮膚外用剤に関しては、経時的な黄変は、商品価値を低下させる主な要因の一つであるためである。
第2の本発明は、4−アルキルレゾルシノールを極性油からなる紫外線吸収剤に溶解し油相を調製し、得られた油相を水相と混合し乳化することを特徴とする、水中油乳化組成物の製造方法である。
また、第3の本発明は、4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物の黄変を抑制する方法であって、該乳化組成物の油相の主成分として、極性油からなる紫外線吸収剤を用いることを特徴とする。
本発明の4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物は、従来の4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物に対し、黄変が抑制されたものである。本発明の好ましい形態では、黄変が抑制され、安定な乳化状態を有するため、特に皮膚外用剤に用いた場合に高い商品価値を有する。
また、本発明の4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物の製造方法によれば、黄変が抑制された水中油乳化組成物を簡便に製造することができる。
また、本発明の4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物の黄変を抑制する方法によれば、4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物の黄変を有効に抑制することができる。
<1>本発明の水中油乳化組成物
本発明の水中油乳化組成物は、4−アルキルレゾルシノールを含み、その油相は極性油からなる紫外線吸収剤を主成分とする。
以下、本発明の水中油乳化組成物に含まれる各成分について説明する。
<4−アルキルレゾルシノール>
本発明の水中油乳化組成物は4−アルキルレゾルシノールを含む。
4−アルキルレゾルシノールにおけるアルキル基は、直鎖であっても、分岐構造を有していても、環状構造を有していても良く、その好ましい炭素鎖の長さは、2〜20であり、さらに好ましくは3〜18であり、より好ましくは3〜6である。具体的には、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、アミル基、イソアミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソオクチル基、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1,3−ジメチルブチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−ブチルペンチル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基、或いはイソステアリル基が好ましく例示できる。4−アルキルレゾルシノールは、レゾルシンと上記アルキル基に対応するカルボン酸を塩化亜鉛の存在下縮合し、亜鉛アマルガム/塩酸で還元する方法や、レゾルシンと上記アルキル基に対応するアルコールを200〜400℃の高温下で縮合させる方法等の公知の方法により製造できる(例えば、Lille. J. Bitter, LA. Peiner. V, Tr. Nauch−Iasled. Inst. slantsev (1969), No.18, 127、特開2006−124358号公報、特開2006−124357号公報)。4−アルキルレゾルシノールとして好ましいものは、4−n−ブチルレゾルシノールである。又、本発明において、4−アルキルレゾルシノールは、塩であっても良い。塩としては、特段の限定無く使用できる。例えば、皮膚外用剤に好ましく用いられる塩として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。本発明の水中油乳化組成物は、4−アルキルレゾルシノールの一種を単独で含有するものであってもよいし、二種以上を組み合わせて含有するものであってもよい。本発明の水中油乳化組成物における4−アルキルレゾルシノールの含有量は、組成物の用途により適宜設定することができるが、好ましくは総量で0.01〜1質量%である。
<紫外線吸収剤>
本発明の水中油乳化組成物の油相は、極性油からなる紫外線吸収剤、いいかえれば紫外線吸収能を有する極性油を主成分として含む。
紫外線吸収剤の含有量は、好ましくは油相の15質量%以上、より好ましくは30質量%以上、50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
油相に占める紫外線吸収剤の割合を大きくするほど、水中油乳化組成物の黄変を抑制する効果が増大する。本明細書において、「黄変を抑制する」とは、着色までの期間を延長すること、着色の度合いを低減すること、又はその両者を含む。
前記紫外線吸収剤は、極性油からなる。
極性油としては、IOB値(有機性無機性値)が、好ましくは0.1〜0.7の範囲にあるもの、さらに好ましくは0.1〜0.4の範囲にあるもの、さらに好ましくは0.15〜0.35の範囲にあるもの、より好ましくは0.2〜0.3の範囲にあるものを用いることができる。
このようなIOB値の範囲の極性油を紫外線吸収剤として用いることにより、水中油乳化組成物の黄変を抑制する効果をより顕著に得ることができる。
この様な極性油としては、具体的には、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のエステル油、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルが挙げられる。
本発明の水中油乳化組成物は、紫外線吸収剤の一種を単独で含有するものであってもよいし、二種以上を組み合わせて含有するものであってもよい。
本発明の水中油乳化組成物における紫外線吸収剤の含有量は、好ましくは総量で1〜15質量%、より好ましくは、2〜9質量%である。また、4−アルキルレゾルシノールと紫外線吸収剤の質量比は、好ましくは1:50〜1:1、さらに好ましくは1:30〜1:6である。
また、本発明の水中油乳化組成物においては、前記4−アルキルレゾルシノールは、前記紫外線吸収剤に溶解されていることが好ましい。
<界面活性剤>
本発明の好ましい形態では、水中油乳化組成物は、界面活性剤を含む。これにより、安定した乳化状態を得ることができる。
界面活性剤としては、好ましくは非イオン性界面活性剤を用いる。
非イオン性界面活性剤としては、特にポリグリセリンの脂肪酸エステルが好ましく用いられる。上記紫外線吸収剤を使用するにあたり、ポリグリセリンの脂肪酸エステルを用いることにより、安定な乳化状態とすることができる。
ポリグリセリンの脂肪酸エステルにおけるポリグリセリンの重合度は、好ましくは2〜20、さらに好ましくは4〜16、特に好ましくは6〜12である。また、ポリグリセリンの脂肪酸エステルにおける脂肪酸の炭素数は、好ましくは8〜24、さらに好ましくは12〜22、特に好ましくは16〜20である。
具体的には、ステアリン酸ポリグリセリル−10、トリステアリン酸ポリグリセリル−10、トリオレイン酸ポリグリセリル−5、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル−5、ラウリン酸ポリグリセリル−2を好ましく用いることができる。
本発明の水中油乳化組成物は、界面活性剤の一種を単独で含有するものであってもよいし、二種以上を組み合わせて含有するものであってもよい。
本発明の水中油乳化組成物における界面活性剤の含有量は、好ましくは総量で0.2〜10質量%、より好ましくは、0.5〜6質量%である。
また、本発明の水中油乳化組成物におけるポリグリセリンの脂肪酸エステルの含有量は、好ましくは総量で0.2〜10質量%、より好ましくは、0.5〜4質量%である。
<アスコルビン酸、トラネキサム酸、及びアルブチン>
本発明の水中油乳化組成物は、アスコルビン酸若しくはその誘導体、トラネキサム酸若しくはその誘導体、及びアルブチン若しくはその誘導体から選ばれる化合物を含むことができる。4−アルキルレゾルシノールに加え、アスコルビン酸若しくはその誘導体、トラネキサム酸若しくはその誘導体、及びアルブチン若しくはその誘導体から選ばれる化合物を含む水中油乳化組成物は、経時的な黄変が著しい。特に、4−アルキルレゾルシノールと、アスコルビン酸若しくはその誘導体、トラネキサム酸若しくはその誘導体、及びアルブチン若しくはその誘導体とを含む水中油乳化組成物は、経時的な黄変が著しい。そのため、本発明は、このような形態とした場合に有用である。
アスコルビン酸の誘導体としては、アスコルビン酸リン酸エステル等のアスコルビン酸の鉱酸エステル、アスコルビン酸−2−グルコシド等のアスコルビン酸の配糖体が好ましく例示でき、中でも、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸−2−グルコシド、及び3−O−エチルアスコルビン酸が特に好ましく例示できる。また、本発明において、アスコルビン酸若しくはその誘導体は、塩であっても良い。塩としては、特段の限定無く使用できる。例えば、皮膚外用剤に好ましく用いられる塩として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。
特に好ましいアスコルビン酸の誘導体の塩を例示すると、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2−グルコシドナトリウムなどが挙げられる。
本発明の水中油乳化組成物は、アスコルビン酸若しくはその誘導体の一種を単独で含有するものであってもよいし、二種以上を組み合わせて含有するものであってもよい。本発明の水中油乳化組成物におけるアスコルビン酸若しくはその誘導体の含有量は、組成物の用途により適宜設定することができるが、好ましくは総量で0.1〜5質量%である。
トラネキサム酸の誘導体としては、トラネキサム酸のアルキルアミド、エステル、多量体などが挙げられる。前記トラネキサム酸のアルキルアミドとしては、炭素数1〜4のアルキルアミドが例示できる。中でも、トラネキサム酸メチルアミド(トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミド)、トラネキサム酸エチルアミド(トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エチルアミド)が好適に例示できる。前記トラネキサム酸のエステルとしては、炭素数1〜30のアルキルエステル、炭素数1〜30のアルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基などで置換されていても良いフェニルエステルが例示できる。中でも、4−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸)−4’−ヒドロキシフェニルエステル、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸が好適に例示できる。前記トラネキサム酸の多量体としては、トラネキサム酸2量体(トランス−4−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸)が例示できる。また、本発明において、トラネキサム酸若しくはその誘導体は、塩であっても良い。塩としては、特段の限定無く使用できる。例えば、皮膚外用剤に好ましく用いられる塩として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。
本発明の水中油乳化組成物は、トラネキサム酸若しくはその誘導体の一種を単独で含有するものであってもよいし、二種以上を組み合わせて含有するものであってもよい。本発明の水中油乳化組成物におけるトラネキサム酸若しくはその誘導体の含有量は、組成物の用途により適宜設定することができるが、好ましくは総量で0.1〜5質量%である。
本発明の水中油乳化組成物は、アルブチンとしてβ−アルブチン、α−アルブチンの何れも含むことができる。アルブチンの誘導体としては、アルブチンのフェノール部分をエステル化した化合物等が好ましく挙げられる。
本発明の水中油乳化組成物は、アルブチン若しくはその誘導体の一種を単独で含有するものであってもよいし、二種以上を組み合わせて含有するものであってもよい。本発明の水中油乳化組成物におけるアルブチン若しくはその誘導体の含有量は、組成物の用途により適宜設定することができるが、好ましくは総量で0.1〜5質量%である。
本発明の水中油乳化組成物は、皮膚外用剤に好ましく利用することができる。皮膚外用剤としては、化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨が挙げられる。
上述した4−アルキルレゾルシノール、アスコルビン酸若しくはその誘導体、トラネキサム酸若しくはその誘導体及びアルブチン若しくはその誘導体は、いずれも美白剤の有効成分として有用である。従って、本発明の水中油乳化組成物は、美白用の皮膚外用剤とすることができる。
本発明の水中油乳化組成物は、その用途に応じて上述した成分以外の任意成分を含有することができる。
本発明の水中油乳化組成物は、油相の成分と水相の成分をそれぞれ混合し、乳化することにより製造することができる。
本発明は、4−アルキルレゾルシノールを極性油からなる紫外線吸収剤に溶解し油相を調製し、得られた油相を水相と混合し乳化することを特徴とする、水中油乳化組成物の製造方法にも関する。
また、本発明は、4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物の黄変を抑制する方法であって、該乳化組成物の油相の主成分として、極性油からなる紫外線吸収剤を用いることを特徴とする、方法にも関する。
<製造例>
表1に記載の処方にしたがってA、B、C及びDの中間溶液を作製した。
ここで、実施例1〜5の中間溶液B(油相)の調製にあたっては、まず、4−n−ブチルレゾルシノールを極性油からなる紫外線吸収剤(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)に十分溶解させ、必要に応じて他の成分と混合することで調製した。
まず中間溶液BとCを混合し、75℃に加熱した。75℃に加熱した中間溶液Aに中間溶液BとCの混合液を撹拌しながら加えた。撹拌を継続しながらこの混合液を冷却し、50℃まで温度が低下した時点で中間溶液Dを加えた。引き続き冷却を行い、30℃まで温度が低下した時点で冷却及び撹拌を停止し、実施例1〜5及び比較例1〜3の水中油乳化組成物を得た。
<試験例1>水中油乳化組成物の黄変抑制効果の測定
上記製造例で作製した実施例1〜5及び比較例1〜3の水中油乳化組成物を一定期間静置した際の黄変の程度を測定した。
黄変の程度の測定は、製造した水中油乳化組成物を60℃で2週間静置した際の色差ΔE*abを測定することによって評価した。色差ΔE*abの測定は、上記条件での静置前後の水中油乳化組成物をコニカミノルタ色彩色差計CR400で測定することによって行った。
それぞれの水中油乳化組成物の色差の測定結果を表2に示す。
表2に示した結果より、極性油からなる紫外線吸収剤(紫外線吸収能を有する極性油)であるメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、又はジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルを使用して作製した水中油乳化組成物(実施例1〜5)では、非極性油(ミネラルオイル、ポリシリコーン−15)、又は紫外線吸収能を有さない極性油(エチルヘキサン酸セチル)を使用して作製した水中油乳化組成物(比較例1〜3)と比較して色差ΔE*abの値が低いことがわかった。
この結果より本発明の水中油乳化組成物は黄変抑制効果に優れることがわかった。
また、極性油からなる紫外線吸収剤を含まない水中油乳化組成物であって、アスコルビン酸−2−グルコシド及びトラネキサム酸を含む水中油乳化組成物(比較例1及び2)は、アスコルビン酸−2−グルコシド及びトラネキサム酸を含まない水中油乳化組成物(比較例3)と比較して色差ΔE*abの値が高いことがわかる。つまり、アスコルビン酸−2−グルコシド及びトラネキサム酸を含む水中油乳化組成物は黄変の程度が大きいことがわかる。
しかし、アスコルビン酸−2−グルコシド及びトラネキサム酸並びに極性油からなる紫外線吸収剤を含む水中油乳化組成物(実施例1〜4)は、色差ΔE*abの値が比較例1及び2と比して顕著に低いことがわかる。
この結果より、本発明は、アスコルビン酸−2−グルコシド及びトラネキサム酸を含む形態において特に有用であることがわかった。
また、表2に示した結果より、極性油からなる紫外線吸収剤の含有量が比較的多い水中油乳化組成物(実施例2〜5)は、極性油からなる紫外線吸収剤の含有量が比較的低い水中油乳化組成物(実施例1)と比較して色差ΔE*abの値が低いことがわかった。
この結果より組成物中の極性油からなる紫外線吸収剤の割合が多いほど、水中油乳化組成物の黄変抑制効果は大きくなることがわかった。
また、表2に示した結果より、極性油からなる紫外線吸収剤としてIOB値が0.28のメトキシケイ皮酸エチルヘキシルを使用した水中油乳化組成物(実施例2、4及び5)は、IOB値が0.68であるジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルを使用した水中油乳化組成物(実施例3)と比較して色差ΔE*abの値が低いことがわかった。
この結果よりIOB値が0.1〜0.4に含まれる極性油からなる紫外線吸収剤を使用して作製した水中油乳化組成物は、より黄変抑制効果に優れることがわかった。
<試験例2>水中油乳化組成物の安定性の評価
次に上記製造例で作製した実施例1〜5及び比較例1〜3の水中油乳化組成物の安定性を評価した。
安定性の評価は、ジャー容器中で40℃の条件下で1及び3ヶ月静置した際の水中油乳化組成物の状態を以下の基準にしたがって三段階で評価することで行った。
○:水相と油相の分離が観察されない。
△:表面に小さな油滴が観察される。
×:水相と油相の分離が観察される。
結果を表3に示す。
表3に示した結果より、界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタステアリン酸ポリグリセリル−10及びトリステアリン酸ポリグリセリル−10を使用した水中油乳化組成物(実施例1〜3及び5)は、その他の界面活性剤(セスキオレイン酸ソルビタン)を使用した水中油乳化組成物(実施例4)に比して、安定性が高いことがわかった。
この結果より、界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを含む場合に、水中油乳化組成物の安定性が向上し、保存時の品質安定性が向上することがわかった。
本発明は、化粧料の製造に応用できる。

Claims (9)

  1. 4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物であって、
    該水中油乳化組成物の油相は極性油からなる紫外線吸収剤を含み、
    油相全量に占める前記紫外線吸収剤の割合が15質量%以上であることを特徴とする、水中油乳化組成物。
  2. 油相全量に占める前記紫外線吸収剤の割合が50質量%以上である、請求項1に記載の水中油乳化組成物。
  3. 前記極性油のIOB値が0.1〜0.4であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水中油乳化組成物。
  4. 水中油乳化組成物全量に占める前記紫外線吸収剤の割合が2質量%以上である、請求項1〜3の何れかに記載の水中油乳化組成物。
  5. さらにポリグリセリンの脂肪酸エステルを含む、請求項1〜4の何れかに記載の水中油乳化組成物。
  6. さらに、アスコルビン酸若しくはその誘導体、トラネキサム酸若しくはその誘導体、及びアルブチン若しくはその誘導体から選ばれる化合物を含む、請求項1〜5の何れかに記載の水中油乳化組成物。
  7. 皮膚外用剤である、請求項1〜6の何れかに記載の水中油乳化組成物。
  8. 4−アルキルレゾルシノールを極性油からなる紫外線吸収剤に溶解し油相を調製し、得られた油相を水相と混合し乳化することを特徴とする、水中油乳化組成物の製造方法であって、
    油相全量に占める前記紫外線吸収剤の割合が15質量%以上であることを特徴とする、水中油乳化組成物の製造方法
  9. 4−アルキルレゾルシノールを含む水中油乳化組成物の黄変を抑制する方法であって、
    該水中油乳化組成物の油相として、極性油からなる紫外線吸収剤を用い
    油相全量に占める前記紫外線吸収剤の割合が15質量%以上であることを特徴とする、方法。
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