JP6369670B2 - 船舶 - Google Patents
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Description
特に貨物がレールのような長尺のものであれば、載置面に対する貨物の傾斜がそれほど大きくない場合であっても上記の問題が顕著になるおそれがある。
即ち、本発明に係る船舶は、鉛直方向に移動可能なフックによって同一の貨物を昇降させる複数のクレーン本体と、 前記クレーン本体に設けられて、前記フックを移動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御装置と、を備えるデッキクレーンシステムと、該デッキクレーンシステムが設けられる船舶本体と、を備え、前記制御装置は、同期操作指令に応じて、複数の前記フックが同期移動するように前記駆動部を駆動させる同期駆動制御部と、 補正操作指令に応じて、複数の前記フックの相対位置関係が、前記貨物を載置面に対して安定載置可能な相対位置関係となるように前記駆動部を駆動させる補正駆動制御部と、を備え、前記制御装置は、前記船舶本体の載置面に対して前記貨物を安定載置可能な第一の前記相対位置関係と、前記船舶本体の載置面とは異なる陸地の載置面に対して前記貨物を安定載置可能な第二の前記相対関係位置を記憶する相対位置関係記憶部をさらに有し、前記船舶本体の載置面と前記陸地の載置面とのうちの少なくとも一方は、水平面に対して傾斜しており、前記補正駆動制御部は、前記相対位置関係記憶部に記憶された前記第一の相対位置関係及び前記第二の相対位置関係記憶部のうち選択したいずれかの相対位置関係となるように前記駆動部を駆動させることを特徴とする。
また、複数のフックの相対位置関係を、貨物を安定載置可能な状態に確実に設定することができる。
さらに、複数のフックの相対位置関係を、例えば陸地の載置面や船舶本体の載置面に対して、貨物を安定載置可能な相対位置関係に設定することができる。
図1に示すように、船舶1は、船舶本体2と、該船舶本体2に搭載されて長尺状貨物3(貨物)を移送可能なデッキクレーンシステム4とを備えている。
クレーン本体5は、船舶本体2に対して固定されたベース部51と、その上端に旋回可能に装着された旋回塔52を備えている。この旋回塔52は、昇降可能に構成されたジブ53を有している。また、旋回塔52は、その頭頂部からジブ53の先端部を介して垂下可能とされるワイヤ54を備えている。また、ワイヤ54の先端にはフック55が装着されるとともに、フック55の先端には長尺状貨物3を保持するための吊りビーム56が装着されている。
同期駆動制御部71、補正駆動制御部72及び個別駆動制御部73には、操作部8から特定の操作指令が入力される。同期駆動制御部71、補正駆動制御部72及び個別駆動制御部73は、これら操作指令に基づいて駆動部6を駆動させる制御を行う。
相対位置関係記憶部74には、船舶本体2の操作部8から相対位置関係記憶指令が入力される。相対位置関係記憶部74は、この相対位置関係記憶指令に基づいて複数のフック55の相対位置関係を記憶する。
また、操作部8には、複数のフック55が特定の相対位置関係となるようにこれらフック55を補正操作するための補正操作用ボタン、複数のフック55の現状の相対位置関係を記憶するための相対位置関係記憶ボタンが設けられている。なお、補正操作用ボタンを設けずに、例えば後述する船体/メモリの基準切替スイッチが設けられていてもよい。
同期操作指令、補正操作指令、個別操作指令、相対位置関係記憶指令は、それぞれ対応するレバーやボタン等が操作されることにより出力される。
なお、本実施形態では、図3に示すように、船舶本体2に遠隔操作部64が設けられている。この遠隔操作部64は、上記操作部8同様の構成をなしており、スリップリング62を介して制御装置7に接続されている。この遠隔操作部64を操作することによって、操作部8同様の指令を制御装置7に入力することができる。
ここで、相対位置関係とは、複数のフック55が旋回塔52から繰り出されている距離それぞれの間の鉛直方向の相対的な差を一つの組として表したものである。例えば、この相対位置関係は、複数のフック55の内の一つを基準として、それぞれのフック55が旋回塔52から繰り出されている距離と、基準としたフック55が旋回塔52から繰り出されている距離との差の組で表すことができる。
ここで、安定載置可能な相対位置関係とは、長尺状貨物3を載置面から持ち上げ、又は載置面へ着地させる際に、長尺状貨物3の載置面に対する接触面全体が同時に載置面から離れ、又は接触するように調節された相対位置関係のことを示す。例えば、載置面を平坦なものとし、該載置面に対する長尺状貨物3の接触面を該載置面と同様平坦なものとした場合、載置面と長尺状貨物3の接触面とが平行な状態となる複数のフック55の相対位置関係、即ち、各フック55が載置面に平行な同一平面上にある相対位置関係を安定載置可能な相対位置関係とする。
本実施形態において、相対位置関係記憶部74は、予め船舶本体2上の載置面に対して平行な同一平面状に複数のフック55が位置する相対位置関係を記憶しているものとする。
まず、デッキクレーンシステム4が、長尺状貨物3の積荷を行う際の動作の流れを図4及び図5を参照して説明する。ここでは、長尺状貨物3は複数存在し、同様の積荷動作を繰り返し行う場合を想定する。
なお、ここで、例えば相対位置関係記憶部74に予め記憶した相対位置関係となるようにフック55の位置を切り替えてもよい。この切替は、例えば船体/メモリの基準切替スイッチを、メモリ基準に切り替えることによって行えるようにしてもよい。
載置面から十分距離を取った後、操作部8により補正操作指令を行い、相対位置関係をBからAに切り替える(ステップS105)。ステップS105の作業の様子が図5(d)である。
なお、ここではステップS104の同期操作の後に操作部8により補正操作指令を行うことで、相対位置関係がBからAに切り替えられたが、ステップS104の同期操作で持ち上げた後に、上記の船体/メモリ切替スイッチを船体基準に切り替えることで、徐々に相対位置関係がAに切り替えられるようにしてもよい。また、この相対位置関係Aは、予め相対位置関係記憶部74に記憶されていてもよいし、ステップS101の前に、操作部8により個別操作指令を行い各フック55の位置関係を相対位置関係Aにしてから当該相対位置関係Aを相対位置関係記憶部74に記憶させておいてもよい。
また、ステップ104の同期操作で持ち上げた後は、長尺状貨物3が空中にある限り、どのタイミングで相対位置関係をAに切り替えてもよい。
相対位置関係がAに切り替えられた後、同期操作指令により、長尺状貨物3を船舶本体2の載置面へ移動、着地させ、吊りビーム56を取り外す(ステップS106)。ステップS106の作業の様子が図5(e)である。
相対位置関係がBに切り替えられた後、操作部8により同期操作指令を行い、フック55を陸地10にある長尺状貨物3付近へ移動させ、吊りビーム56を長尺状貨物3に取り付ける(ステップS109)。ステップS109の作業の様子は、ステップS102、ステップS103と同様の図5(b)である。なお、ここでも、操作部8により同期操作指令を行った後に、例えば船体/メモリの基準切替スイッチをメモリ基準に切り替えることによって、徐々に相対位置関係がBに切り替えられるようにしてもよい。なお、この相対位置関係Bへの切換は、長尺状貨物3が空中にある限りどのタイミングで行ってもよい。
次に、操作部8により個別操作指令を行い、フック55の位置が、長尺状貨物3が陸地10の載置面に対して安定載置可能となるよう調節し、着地させ、吊りビーム56を取り外す(ステップS203)。また、このときの相対位置関係Cを、操作部8により相対位置関係記憶指令を出力することで、相対位置関係記憶部74に記憶させる(ステップS204)。ステップS203、ステップS204の作業の様子が図7(c)である。
相対位置関係がAに切り替えられたら、操作部8により同期操作指令を行い、フック55を船舶本体2の載置面にある長尺状貨物3付近へ移動させ、吊りビーム56を長尺状貨物3に取り付ける(ステップS207)。ステップS207の作業の様子は、ステップS201同様、図7(a)である。
載置面から十分距離を取った後、操作部8により補正操作指令を行い、相対位置関係をAからCに切り替える(ステップS209)。ステップS209の作業の様子は図7(f)である。
そしてその後、同期駆動制御部71によって駆動部6が駆動されることで、複数のフック55の相対位置関係を安定載置可能な状態に維持したまま、これらフック55を移動させることができる。このようにフック55を同期させて移動させることで、これらフック55を介して支持される長尺状貨物3を載置面に対して安定的に載置させることができ、また、長尺状貨物3を安定的に載置面から持ち上げることができる。
さらに、個別駆動制御部73によってフック55を個別に駆動させて複数のフック55の相対位置関係が任意の状態となった際に、相対関係記憶部が該相対位置関係を記憶することができるため、例えば従前とは異なる傾斜の載置面に対しての2回目以降の長尺状貨物3の載置及び持ち上げを容易に行うことができる。
第二実施形態の船舶1及びデッキクレーンシステム4は、傾斜センサ9をさらに備え、補正駆動制御部72が傾斜センサ9の出力に基づいて複数のフック55を駆動させる点で第一実施形態と相違する。
この傾斜センサ9は、船舶本体2の水平面に対する傾斜を検出し、検出した傾斜を補正駆動制御部72へ出力する。
さらに、載置面は平坦状をなすものに限定されることはなく、種々の形状の載置面としてもよい。この場合、貨物は当該載置面に対して安定的に載置される接触面を有していればよく、補正駆動制御部72は当該載置面に対して貨物の接触面が全面にわたって接触する複数のフック55の相対位置関係を安定載置可能な相対位置関係としてもよい。
2 船舶本体
3 長尺状貨物(貨物)
4 デッキクレーンシステム
5 クレーン本体
6 駆動部
7 制御装置
8 操作部
9 傾斜センサ
10 陸地
51 ベース部
52 旋回塔
53 ジブ
54 ワイヤ
55 フック
56 吊りビーム
61 中継装置
62 スリップリング
63 センサ
64 遠隔操作部
71 同期駆動制御部
72 補正駆動制御部
73 個別駆動制御部
74 相対位置関係記憶部
Claims (4)
- 鉛直方向に移動可能なフックによって同一の貨物を昇降させる複数のクレーン本体と、 前記クレーン本体に設けられて、前記フックを移動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御装置と、を備えるデッキクレーンシステムと、
該デッキクレーンシステムが設けられる船舶本体と、を備え、
前記制御装置は、
同期操作指令に応じて、複数の前記フックが同期移動するように前記駆動部を駆動させる同期駆動制御部と、
補正操作指令に応じて、複数の前記フックの相対位置関係が、前記貨物を載置面に対して安定載置可能な相対位置関係となるように前記駆動部を駆動させる補正駆動制御部と、を備え、
前記制御装置は、
前記船舶本体の載置面に対して前記貨物を安定載置可能な第一の前記相対位置関係と、前記船舶本体の載置面とは異なる陸地の載置面に対して前記貨物を安定載置可能な第二の前記相対関係位置を記憶する相対位置関係記憶部をさらに有し、
前記船舶本体の載置面と前記陸地の載置面とのうちの少なくとも一方は、水平面に対して傾斜しており、
前記補正駆動制御部は、前記相対位置関係記憶部に記憶された前記第一の相対位置関係及び前記第二の相対位置関係記憶部のうち選択したいずれかの相対位置関係となるように前記駆動部を駆動させることを特徴とする船舶。 - 前記制御装置は、
個別操作指令に応じて前記駆動部を個別に駆動させる個別駆動制御部をさらに備え、
前記相対関係記憶部は、
前記個別駆動制御部によって前記フックが移動されることにより設定される前記相対位置関係を記憶可能であることを特徴とする請求項1に記載の船舶。 - 前記載置面の傾斜を検出する傾斜センサをさらに備え、
前記補正駆動制御部は、前記傾斜センサが検出する傾斜に基づいて、前記貨物を載置面に対して安定載置可能な相対位置関係となるように前記駆動部を駆動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶。 - 前記相対位置関係は、前記載置面に対して平行な同一平面上に複数の前記フックが位置する相対位置関係であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の船舶。
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