以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。正面からみたパチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、前面装飾体3と、前面装飾体3の下方に位置するベース部80(前扉)と、前面装飾体3とベース部80とを回動可能に支持する本体枠10と、から構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド181によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド181がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド181がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ222Aや第2始動口スイッチ222Bによってそれぞれ検出される。第1始動口スイッチ222Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ222Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ222Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ222Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置6Cが設けられている。特別可変入賞球装置6Cは、ソレノイド182によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置6Cでは、大入賞口扉用のソレノイド182がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置6Cでは、大入賞口扉用のソレノイド182がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えばカウントスイッチ223によって検出される。カウントスイッチ223によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置6Cにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置6Cにおいて大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置6Cにおいて大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート26を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口7が設けられている。
パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置6C等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。ベース部80の右側には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル30が設けられている。例えば、打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル30には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
また、パチンコ遊技機1のベース部80においては、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿81(打球供給皿)が設けられている。また、上皿81の下方には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿82が設けられている。
演出操作ボタン100は、ベース部80の略中央部に設けられている。演出操作ボタン100は、例えば、その遊技盤2特有の演出等に応じて、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能とする操作ボタン150(図2)を備えている。遊技者による押下操作が検出された場合、図2に示す演出制御基板12によって画像表示装置5における表示演出が変更されたり、スピーカ8(図2)からの音声出力や遊技効果用のランプ9(図2)などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)が行われる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ200や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ200に伝送するスイッチ回路210、遊技制御用マイクロコンピュータ200からのソレノイド駆動信号をソレノイド181、182に伝送するソレノイド回路211などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、LED132、駆動モータ114、及び振動モータ115といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8からの音声出力動作の全部又は一部、ランプ9及びLED132などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部、駆動モータ114及び振動モータ115の作動/非作動といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御
基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、ランプ9及びLED132などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ221、第1始動口スイッチ222A、第2始動口スイッチ222B、カウントスイッチ223からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ221、第1始動口スイッチ222A、第2始動口スイッチ222B、カウントスイッチ223は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、パチンコ遊技機1は、ゲートスイッチ221、第1始動口スイッチ222A、第2始動口スイッチ222B、カウントスイッチ223に加え、同様に主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、前面装飾体3(図3)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、ベース部80(図3)の開閉状態を検出するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えていてもよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ200は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)201と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)202と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)203と、CPU203とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路204と、I/O(Input/Output port)205とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ200では、CPU203がROM201から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU203がROM201から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU203がRAM202に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU203がRAM202に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU203がI/O205を介して遊技制御用マイクロコンピュータ200の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU203がI/O205を介して遊技制御用マイクロコンピュータ200の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ200を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU203の他にRAM202が内蔵されていればよく、ROM201や乱数回路204、I/O205などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ200では、例えば乱数回路204などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路204などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ200のCPU203が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ200におけるRAM202の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM202とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU203が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ200が備えるROM201には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM201には、CPU203が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM201には、CPU203が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ200が備えるRAM202には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU220と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM221と、演出制御用CPU220のワークエリアを提供するRAM222と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部223と、演出制御用CPU220とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路224と、I/O225とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU220がROM221から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU220がROM221から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU220がRAM222に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU220がRAM222に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU220がI/O225を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU220がI/O225を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU220、ROM221、RAM222は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、演出ボタン100に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ113から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路224などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM221には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM221には、演出制御用CPU220が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM222には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部223は、演出制御用CPU220からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部223は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部223には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O225は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O225の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
次に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の構造詳細について説明する。図3は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成するベース部の斜視図である。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1を正面からみた場合の上下左右方向をそのまま用いるとともに、パチンコ遊技機1に対して遊技者が位置する側を前方(その反対側を後方)として以下の説明をする。
ベース部80は、パチンコ遊技機1(図1)の前面下部を構成し、遊技者に対峙するように配置されている。上述したように、ベース部80の右側には、遊技者によって操作される打球操作ハンドル30(図1)が設けられている。しかしながら、図3においては打球操作ハンドル30(図1)の図示は省略している。ベース部80は、前面にパチンコ遊技機1特有の装飾が施された装飾体90と、ベース部80の中央に設けられ遊技者の押下操作を受け付ける演出操作ボタン100と、ベース部80の下方を構成する前面カバー体95とから概略構成されている。演出操作ボタン100は、半球体状の外面を有し、この半球体状の外面が突出した状態でベース部80に設けられている。この半球体状の外面は、後述する押下カバー143(図5、図6)の外面であり、遊技者が押下操作を実行する際に接触、押下する面である。
また、ベース部80には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿81(打球供給皿)が設けられている。また、上皿81の下方には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿82が設けられている。ベース部80は、前面装飾体3(図1)とともにパチンコ遊技機1の前面を形成する。そのため、ベース部80には、遊技者を魅了するパチンコ遊技機1特有の装飾が施されており、これにより遊技の興趣を高めることができる。
図4は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成するベース部の分解斜視図である。装飾体90には、左上端に上方に向いた軸ピン91が形成されているとともに、左下端に軸孔(不図示)が形成されている。装飾体90は、軸ピン91及び軸孔(不図示)を介して、パチンコ遊技機1の本体枠10(図1)に回動可能に支持されている。また、装飾体90の左上部には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を放出する遊技球放出口81aと、遊技球放出口81aから放出された遊技球を保持(貯留)する上皿81とが形成されている。また、上皿81の下方には、上皿81から溢れた遊技球を下皿に放出する遊技球放出口82aが形成されている。また、装飾体90の中央部には、演出操作ボタン100を収容するための凹部である演出操作ボタン収容部92が形成されている。演出操作ボタン収容部92に収容された演出操作ボタン100は、半球体状の外面を構成する押下カバー143が装飾体90から突出した状態で配置される。
演出操作ボタン100は、装飾体90及び前面カバー体95に固定されたベース体101と、遊技者の押下操作の際に接触、押下される押下カバー143とで、その外観が概略構成されている。
前面カバー体95は、装飾体90及び演出操作ボタン100の前方に配置されており、それぞれにねじ止め、固定されている。これにより、前面カバー体95は、ベース部80の前面下部を構成している。また、前面カバー体95には、遊技球放出口82aから放出された遊技球を貯留するための下皿82が形成されている。演出操作ボタン100及び前面カバー体95が、装飾体90に取り付けられることにより下皿82の四方が囲まれて、遊技球を貯留可能な空間が形成される。
次に、演出操作ボタン100の構造詳細について説明する。図5は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンを前方からみた分解斜視図である。また、図6は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンを後方からみた分解斜視図である。演出操作ボタン100は、上述したように、前方を向いた状態から、幾分上方を仰ぎ見る方向を向いており、以下の説明では、このような方向を斜め上方と記載することがあるものとする。また、演出操作ボタン100を説明するにあたり、便宜上、演出操作ボタン100が向けられた斜め上方のことを「前方」、その反対の方向のことを「後方」と記載することがあるものとする。なお、演出操作ボタン100の構成を説明するにあたり、後方に位置する部材から順に説明する。
図5、図6に示すように、ベース体101は、中央ベース体102と、中央ベース体102の両サイドに位置する右側ベース体103及び左側ベース体104とから構成されている。右側ベース体103及び左側ベース体104が、中央ベース体102を挟み込んでねじ止めされることでベース体101が構成されている。このようにして構成されたベース体101は、演出操作ボタン100の種々の構成部品を収容・保持すると共に、ベース部80に取り付けられて演出操作ボタン100を支持する。
中央ベース体102には、後述するガイド部106を取り付けるための突出した2つの円筒部105が形成されている。さらに、中央ベース体102の左上部には、遊技者が演出操作ボタン100を押下操作することによって、後述するプッシュセンサ113に検出される検出片102aが設けられている。
また、演出操作ボタン100は、中央ベース体102に形成された円筒部105に挿通されるガイド部106と、ガイド部106に挿通されるシャフト108と、シャフト108に挿通される圧縮コイルばね109と、圧縮コイルばね109の両端部に設けられる座金107及び座金110と、を有している。
図7は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンを前方からみた分解斜視図であり、シャフト等のガイド機構に着目した図である。また、図8は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンを後方からみた分解斜視図であり、シャフト等のガイド機構に着目した図である。図7、図8に示すように、ガイド部106は、略円筒状をなしており、その一端にはフランジ106aが形成されている。また、ガイド部106には、フランジ106aとガイド部106の外周面を接続するように、固定キー106b(図8)が形成されている。ガイド部106は、中央ベース体102に設けられた円筒部105に挿入される。なお、円筒部105の内径はガイド部106の外径とほぼ同じである。そのため、ガイド部106は、その外周が円筒部105の内周と密着した状態にあり、円筒部105に挿入されたガイド部106はがたつくことはない。また、ガイド部106に形成された固定キー106bは、円筒部105に形成された溝105aに係止される。これにより、図7に示すように、ガイド部106は、フランジ106aを円筒部105の端部に当接させた状態で回転することなく、円筒部105に装着される。
シャフト108は、断面が円形の棒状部材であり、ガイド部106に形成された挿通孔106cに挿通されている。シャフト108の外径は、ガイド部106に形成された挿通孔106cの径よりも小さく、挿通孔106cに挿通されたシャフト108との間には空隙が生じている。そのため、シャフト108はがたついた状態で挿通孔106cに挿通されている。また、座金107、圧縮コイルばね109、及び座金110が、この順序で挿通孔106cに挿通されたシャフト108に挿通されている。
また、シャフト108のガイド部106に挿通した端部とは反対側の端部は、操作ボタン150に形成されたシャフト嵌合孔151(図8)に挿入されている。ここで、操作ボタン150とは、遊技者が押下操作を行うことにより、押し下げられて後方に移動する部分をいう。具体的には、図5に示す座金110よりも前方に位置する各部材が組み合わされて構成された部分をいう。シャフト108の外径は、シャフト嵌合孔151の孔径とほぼ同じである。これにより、シャフト108は、密着した状態でシャフト嵌合孔151に嵌合している。
図9は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンの断面を示した模式図である。図9に示すように、シャフト108は、一端が操作ボタン150に形成されたシャフト嵌合孔151に嵌合、固定されている。一方、シャフト108の他端は、ガイド部106に形成された挿通孔106cに、空隙111が設けられた状態で挿通されている。そのため、挿通孔106cに挿通されたシャフト108の他端は、挿通孔106c内で変位することが可能であり、シャフト108の長さ分だけ離れたシャフト108の一端は、他端より大きく変位する。これにより、遊技者が手で押すことにより、操作ボタン150を変位させたり、向きを変更したりすることが可能である。
上述したように、演出操作ボタン100は、斜め上方を向いており、本実施形態におけるパチンコ遊技機1においては、前方に対しておおよそ45度上方に向けて設けられている。これは、演出操作ボタン100が、図1に示すようにパチンコ遊技機1の下部に設けられているため、遊技者が斜め上方(図中矢印で示すP1の方向)から演出操作ボタン100を押し下げることを想定しているためである。一方で、遊技者が演出操作ボタン100を押し下げる方向は、個人差や遊技の進行状況によって様々であると考えられ、上方(図中矢印で示すP2の方向)や、水平方向(図中矢印で示すP3の方向)から押し下げることも想定される。
そこで、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の演出操作ボタン100においては、上述したように、シャフト108と挿通孔106cとの間に空隙を設けることで、操作ボタン150を変位させたり、向きを変更したりすることができる。これにより、操作ボタン150が、上方(図中矢印で示すP2の方向)や、水平方向(図中矢印で示すP3の方向)から押し下げられたとしても、操作ボタン150は、押し下げられた方向に対応して変位したり向きを変更したりする。そのため、操作ボタン150は押下げられて、遊技者の押下操作が検知される。
また図5、6に示すように、演出操作ボタン100は、シャフト嵌合孔151が形成された移動基体112と、この移動基体112にねじ止めされ、種々の駆動手段が取り付けられた駆動手段取付体116とを有している。移動基体112には、中央ベース体102に設けられた検出片102aを検出するプッシュセンサ113が設けられている。また、駆動手段取付体116の後方の面には、後述する内部可動体138を開閉するための駆動源である駆動モータ114と、パチンコ遊技機1の演出効果を高めるために演出操作ボタン100を振動する振動モータ115とがねじ止めされている。
図10は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する移動基体と駆動手段取付体とを後方からみた分解斜視図である。また、図11は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する移動基体と駆動手段取付体とを前方からみた分解斜視図である。移動基体112は、中央に駆動モータ114及び振動モータ115を収容するための開口112cが設けられた基板部112aと、基板部112aの後面から後方に向けて突出した円筒部112bとから概略構成されている。移動基体112の基板部112aの後面には、シャフト108が嵌合されている。これにより、操作ボタン150が遊技者によって押圧されると、移動基体112は、シャフト108が延びる方向に沿って後方に移動する。この移動基体112の移動に伴って、圧縮コイルばね109は圧縮されて復元力を蓄積する。そして、押下操作がされなくなると、移動基体112は、圧縮コイルばね109に蓄積された復元力によって前方に移動して、元の状態に復帰する。
移動基体112に形成された円筒部112bは、中央ベース体102に形成された円筒部102b(図7)の内側に差し込まれている。これにより、操作ボタン150に、シャフト108が延びる方向に対して大きく外れた方向の力が作用したとしても、移動基体112の円筒部112bが、中央ベース体102の円筒部102bに当接することで、移動基体112と操作ボタン150の中央ベース体102との接続状況は保持される。また、移動基体112の円筒部112bと中央ベース体102の円筒部102bとは面接触とすることができため、局所的な力が作用することを防止することができる。これにより、演出操作ボタン100の破損を防止することができる。
また、移動基体112には、中央ベース体102に設けられた検出片102a(図7)を検出するプッシュセンサ113が設けられている。プッシュセンサ113は、例えば、フォトセンサであり、発光部からの光を検出片102aが遮るのを受光部で検出することによって、検出片102aの有無を判定する。遊技者が操作ボタン150を押し下げることによって移動基体112が後方へ移動すると、中央ベース体102に設けられた検出片102aは、検出片通過孔112dから突出してプッシュセンサ113により検出される。これにより、操作ボタン150の押下操作が検知される。
上述のように、演出操作ボタン100は、パチンコ遊技機1の下部に設けられている。そのため、遊技者が演出操作ボタン100を斜め上方から押下げることが多いと想定し、演出操作ボタン100は斜め上方を向くように設置されている。また、シャフト108も、斜め上方に沿って配置されている。一方で、演出操作ボタンの押下げる方向は、遊技者によって様々である。しかしながら、遊技者の顔よりも下方に位置する演出操作ボタン100をみた場合、遊技者は演出操作ボタン100の上部を視認することになる。そのため、遊技者は演出操作ボタン100の下方よりも上方を押下げる可能性が高いと想定し、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の演出操作ボタン100においては、演出ボタン150の押下操作を検出するための検出片102a及びプッシュセンサ113を演出操作ボタン100の上部に設けている。
図12は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンの断面を示した模式図であり、(a)は斜め上方から押下操作が行われて操作ボタンが押下げられた状態、(b)は上方から押下操作が行われて操作ボタンが押下げられた状態を示している。なお、図9に示す演出操作ボタン100は、遊技者によって押下げられる前の状態を示している。図12(a)に示すように、シャフト108が延びる方向に沿って(図中P1の方向から)押下操作が行われると、操作ボタン150は、圧縮コイルばね109を圧縮しながら後方に移動する。その際、中央ベース体102に形成された検出片102aは、移動基体112に形成された検出片通過孔112dから突出し、プッシュセンサ113により検出される。このように、シャフト108が延びる方向に沿って(図中P1の方向から)押下操作が行われると、操作ボタン150全体がシャフト108が延びる方向に沿って移動する。
一方、図9に示す演出操作ボタン100の状態から、上方(図中の矢印P2に示す方向)から押下操作が行われると、図12(b)に示すように、演出ボタン150は、若干の回転R1を伴いながら後方に押下げられる。このような操作ボタン150の回転R1は、挿通孔106cとシャフト108と間の空隙によって許容される。すなわち、シャフト108が、ガイド部106に形成された挿通孔106c内で向きを変えることで、シャフト108に取り付けられた操作ボタン150が回転する。このように操作ボタン150が回転R1を伴うために、移動基体112の上部側がより中央ベース体102に近づくようになる。そのため、中央ベース体102に形成された検出片102aは、検出片通過孔112dから突出しやすく、プッシュセンサ113で検知されやすい。このように、プッシュセンサ113及び検出片102aを演出操作ボタン100の上部に設けることにより、頻度が高いと想定される上方からの押下操作を、いち早く、確実に検知することができる。
なお、ガイド部106に形成された挿通孔106cとシャフト108との間の空隙111は、演出操作ボタン100が上方(図中の矢印P2に示す方向)から押下操作が行われた際に、検出片102aがプッシュセンサ113に検出される程度の大きさが確保されていることが望ましい。これにより、挿通孔106c内において、シャフト108の向きを適切に変更するための十分な移動領域が確保され、操作ボタン100の向きを、上方からの押下操作に対応させて変化させることができる。
なお、挿通孔106c内において、シャフト108がその向きを変更することのできる量は、挿通孔106cの内周面とシャフト108の外周面との離れ量に影響するだけでなく、挿通孔106の深さ(ガイド部106の高さ)にも影響する。すなわち、挿通孔106cの内周面とシャフト108の外周面との離れ量が大きくなればなるほど、あるいは、挿通孔106の深さが浅くなればなるほど、挿通孔106c内でシャフト108の向きを大きく変えることができる。また、シャフト108の向きを変更するために設ける空隙111の大きさは、演出操作ボタン100の各部寸法も考慮にいれる必要があるため、数値をもってその大きさを規定することは困難である。そのため、上述したように、空隙111は、検出片102aがプッシュセンサ113を検出することができる程度の大きさが確保されていることが望ましいとしている。
図10、図11に示すように、駆動手段取付体116は、略円形状をなし、その裏面には、内部可動体138を開閉するための駆動モータ114と、演出操作ボタン100を振動するための振動モータ115がねじ止めされている。駆動手段取付体116は、取付ねじ117により移動基体112に取り付けられている。駆動モータ114及び振動モータ115は、移動基体112に形成された開口112cから露出し、円筒部112b内に収容されている。また駆動手段取付手段116には、プッシュセンサ113を露出させる
ためのプッシュセンサ用開口116aが形成されている。
また、駆動手段取付体116の前面には、駆動モータ115の駆動によって回動する従動体118と、従動体118に形成された検出片118aを検出する回動センサ119と、それぞれが従動体118に係止され、挿通されたシャフト120を中心に回動する第1開閉体121及び第2開閉体122と、シャフト120を駆動手段取付体116に取り付けるための抑止カバー123とを有している。
図13は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の駆動手段取付体と、駆動手段取付体に取り付けられる各部材を前方からみた分解斜視図である。振動モータ115は、回転シャフト124と、回転シャフト124に取り付けられた半円柱状のおもり125とを有している。おもり125は、その重心が回転シャフト124の回転軸からずれた位置となるように、回転シャフト124に取り付けられている。これにより、回転シャフト124の回転R1によって、おもり125に偏った遠心力が作用して振動モータ115は振動する。振動モータ115は、振動モータ用カバー126に収容されている。この振動モータ用カバー126が、取付ねじ127によって駆動手段取付体116にねじ止めされることで、振動モータ115は、駆動手段取付体116と振動モータ用カバー126との間で狭持される。なお、取付ねじ127の締め付け方向は、押下操作によって操作ボタン150が押下げられる方向と一致している。そのため、振動モータ115は、操作ボタン150の押下げ方向に押圧されて固定されているといえる。そのため、振動モータ115のおもり125が回転することにより発生した偏った遠心力は、主に操作ボタン150の押下げ方向に伝達される。これにより、演出操作ボタン100を、操作ボタン150の押下げ方向に沿って(図中v方向に沿って)振動させることができる。
また、振動モータ115が取り付けられた駆動手段取付体116は、図8に示す操作ボタン150を構成する部材である。操作ボタン150は、ガイド部106に形成された挿通孔106cに空隙をもって挿通されたシャフト108を介して、中央ベース体102に設けられている。これにより、操作ボタン150は、中央ベース体102(パチンコ遊技機1(図1))に、がたついた状態(変位可能な状態)で取り付けられている。そのため、駆動手段取付体116に取り付けられた振動モータ115が振動すると、操作ボタン150には振動モータ115の振動よりも大きな振動が生じることになる。これにより、遊技者に操作ボタン150が振動していることを知らせることができ、操作ボタン150の振動を遊技者に体感させることができる。
なお、振動モータ115の振動により、中央ベース体102に形成された検出片102aがプッシュセンサ113に検知されないように、シャフト108に挿通された圧縮コイルばね109には、振動モータ115の遠心力で容易に縮まない程度の弾性率を有するばねが選定される。あるいは、圧縮コイルばね109を容易に縮ませない程度の遠心力を発生させるおもり125を(軽いおもり125を選定して)振動モータ115に取り付けることにより、押下操作の誤検出を防止するようにしてもよい。
また、図5、6に示すように、検出片102a及びプッシュセンサ113を、上下方向に向いた演出操作ボタン100の中心線に対して、幾分左にずれた位置に設けている。演出操作ボタン100に形成された2本のシャフト108は、左右方向に配列されているため、操作ボタン150(図8)の左右方向は比較的強固に支持されている。そのため、検出片102a及びプッシュセンサ113を、比較的強固に支持された演出操作ボタン100の左側に幾分ずらすことにより、振動モータ115の振動によって押下操作が誤検出されないようにしている。
駆動モータ114は、駆動手段取付体116の後面に取付ねじ128(図10)によりねじ止めされている。図13に示すように、駆動モータ114は、回転シャフト129と、回転シャフト129に取付けられた主動ギア130とを有している。主動ギア130は、駆動手段取付体116の前面側に設けられており、従動体118に形成されたギア118bと噛合している。
従動体118は、円形状部118cと扇形状部118dとが接続したような形状を有している。円形状部118cの略中央には、駆動手段取付体116に形成された回動ピン116bが挿通される軸孔118eが形成されている。このように、従動体118の軸孔118eに回動ピン116bが挿通されることにより、従動体118は回動ピン116bを中心に回動する。また、従動体118の裏面には、扇形状部118dの弧に沿ってギア118bが形成されている。ギア118bは、駆動ギア114(図10)に取り付けられた主動ギア130に噛合している。これにより、従動体118は、駆動ギア114(図10)の駆動により、回動ピン116bを中心にして回動する。
また、従動体118には、扇形状部118dの弧から突出した検出片118aが形成されている。この検出片118aは、駆動手段取付体116に設けられた回動センサ119により検出される。回動センサ119は、例えば、フォトセンサであり、発光部からの光を検出片118aが遮るのを受光部で検出することによって、検出片118aの有無を判定する。後述するように、従動体118の回動によって、内部可動体138の開閉が実現される。回動センサ119が検出片118aを検出するとき(図11に示す状態)は、内部可動体138が閉じた状態にある。また、従動体118の円形状部118cには、軸孔118eを挟んで第1係止孔118f及び第2係止孔118gが形成されている。
第1開閉体121及び第2開閉体122は、挿通されたシャフト120を中心として回動する。シャフト120、第1開閉体121、及び第2開閉体122は、取付ねじ131によりねじ止めされた抑止カバー123によって、駆動手段取付体116に取り付けられている。第1開閉体121は、2枚のフランジ121a、121b間を接続するジャーナル121cと、係止突起121dとを有している。ジャーナル121cは、駆動手段取付体116に形成された第1の軸受部116cに回動可能に支持されている。また、係止突起121dは、従動体118に形成された第1係止孔118fに挿通されている。また、第1開閉体121の端部には、内部可動体138に係止されて内部可動体138を開閉する開閉突起121eが形成されている。
また、第2開閉体122は、第1開閉体121と同様に、2枚のフランジ122a、122b間を接続するジャーナル122cと、係止突起122dとを有している。ジャーナル122cは、駆動手段取付体116に形成された第2の軸受部116dに回動可能に支持されている。また、係止突起122dは、従動体118に形成された第2係止孔118gに挿通されている。また、第2開閉体121の端部には、内部可動体138に係止されて内部可動体138を開閉する開閉突起122eが形成されている。
ここで、従動体118、第1開閉体121、及び第2開閉体122の動作について説明する。図14は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の駆動手段取付体と、駆動手段取付体に取り付けられる各部材を前方からみた斜視図であり、(a)は内部可動体が閉じたときの状態を表した図、(b)は内部可動体が開いたときの状態を表した図である。なお、図14においては、各部材の動作が理解できるように、抑止カバー123の図示を省略している。
図14(a)に示すように、内部可動体138(図5)が閉じた状態にあるときには、従動体118に形成された検出片118aは、回動センサ119に検出される位置にある。この時、第1開閉体121は、係止突起121d(図13)が第1係止孔118fに挿通された状態で、駆動手段取付体116に対して時計回りに幾分回転した状態にある。一方、第2開閉体122は、係止突起122dが第2係止孔118gに挿通された状態で、駆動手段取付体116に対して半時計回りに幾分回転した状態にある。すなわち、図14(a)に示す状態においては、第1開閉体121と第2開閉体122とは、ねじれたような状態で配置されている。
図14(a)に示す状態から、駆動モータ114が駆動して主動ギア130(図13)が回転することによって、従動体118は、図中の矢印で示す方向R1に回動ピン116bを中心にして回動する。この従動体118の回動に伴い、係止突起121dが第1係止孔118fに挿通された第1開閉体121は、図中の矢印で示す方向R2にシャフト120を中心にして回動する。また、係止突起122dが第2係止孔118gに挿通された第2開閉体122は、図中の矢印で示す方向R3にシャフト120を中心にして回動する。なお、第1係止孔118f及び第2係止孔118gが形成された位置は、回動ピン116bから同距離にある。そのため、従動体118の回動に従って、第1開閉体121及び第2開閉体122は同じ回動量で回動する。
このように、図14(a)に示す状態から従動体118が回動することによって、図14(b)に示すように、検出片118aは、回動センサ119に検出されない離れた位置まで移動する。また、第1開閉体121のR2方向の回動に伴い、開閉突起121eもR2方向に同様に回動する。また、第2開閉体122のR3方向の回動に伴い、開閉突起122eもR3方向に同様に回動する。このように回動する開閉突起121e、122eは、それぞれが内部可動体138に係止されており、これにより、内部可動体138の開閉が実現される。
また、図5、6に示すように、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機1を構成する演出操作ボタン100は、複数のLED132が形成されたLED基板133と、LED132からの光を透光するとともに透光した光に模様を付加する第1透光体134及び第2透光体135と、を有している。図15は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンに設けられた光出射機構に着目した分解斜視図であり、前方からみた図である。また、図16は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンに設けられた光出射機構に着目した分解斜視図であり、後方からみた図である。
図15に示すように、LED基板133の一方の面上には、LED132が複数配置されている。LED基板133は、取付ねじ136により第1透光体134にねじ止めされている。LED132から出射された光は、第1及び第2透光体134、135を透過して、演出操作ボタン100の外部へと出射される。
第1透光体134は、透光性を有する合成樹脂から構成されており、内部に空洞が形成された半球体状をなしている。第1透光体134の内面には、法線方向が互いに異なる複数の平面134a(図16)が形成されている。この平面134aは、例えば、三角形状や四角形状の平面であるが、平面134aの形状については限定されるものではない。LED132から出射された光が、第1透光体134に形成された平面134aを透過することにより、遊技者に平面134aの模様が付加された光を視認させることが可能となる。
第2透光体135は、透光性を有する合成樹脂から構成されており、内部に空洞が形成された半球体状をなしている。第2透光体135の内面には、法線方向が互いに異なる複数の平面135a(図16)が形成されている。この平面135aは、例えば、三角形状や四角形状の平面であるが、平面135aの形状については限定されるものではない。第2透光体135は、第1透光体134よりも大きく、第1透光体134を内部に収容するだけの大きさを有している。これにより、LED132から出射され第1透光体134を透過した光は、さらに第2透光体135を透過する。これにより、出射される光に平面134aの模様に加えて平面135aの模様も付加することができる。これにより、演出操作ボタン100から出射される光に、より複雑な模様を付加することができる。
また、第2透光体135は、取付ねじ137により駆動手段取付体116にねじ止めされている。なお、第1透光体134及び第2透光体135には、第1開閉体121及び第2開閉体122の回動を許容する切欠部134b、135bが形成されている。これにより、第1開閉体121及び第2開閉体122は、第1透光体134及び第2透光体135により覆われたとしても、回動することが可能である。
また、図5、6に示すように、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機1を構成する演出操作ボタン100は、駆動モータ114の駆動によって開閉動作を行う内部可動体138を有している。図17は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンに設けられた内部可動体に着目した分解斜視図である。また、図18は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンに設けられた内部可動体に着目した分解斜視図であり、図17に示した演出操作ボタンを奥側から手前側にみた図である。すなわち、図17においては手前に第2開閉体122が設けられており、図18においては手前に第1開閉体121が設けられている。また、図17、図18においては、内部可動体138が閉じた状態(第1可動体139と第2可動体140とが突き合された状態(図5))の時の第1開閉体121及び第2開閉体122を示している。
内部可動体138は、閉じた状態で内部に空洞が形成された半球体状をなしており、図17、図18に示すように、中央で第1可動体139と第2可動体140とに分割されている。第1可動体139はギザギザ状の分割端139aを有している。また、第2可動体140は、第1可動体139に形成された分割端139aに付き合わせたときに合致する、ギザギザ状の分割端140aを有している。第1可動体139及び第2可動体140は、透光性を有する合成樹脂から構成されている。第1可動体139及び第2可動体140は、第1透光体134及び第2透光体135とは異なる色に設定されており、例えば赤色の合成樹脂から構成されている。
図17に示すように、第1可動体139の手前側の角部には、第2開閉体122に形成された回動軸122f及び開閉突起122eを係止する係止孔139bが形成されている。これにより、図中矢印R1で示す方向に第2開閉体122が回動すると、図中矢印R2で示す方向(内部可動体138を開く方向)に第1可動体139が回動する。なお、第2開閉体122が図中矢印R1で示す方向とは反対の方向に回動すると、第1可動体139は図中矢印R2で示す方向とは反対の方向(内部可動体138を閉じる方向)に回動する。
また、図17においては第1可動体139の奥側の角部であり、図18で示す第1可動体139の手前側の角部には、第1開閉体121に形成された回動軸121f及び開閉突起121eが挿通される挿通孔139cが形成されている。この挿通孔139cには、図中矢印方向R1に回動する開閉突起121eが挿通孔139c内で移動できるだけの十分な大きさが確保されている。そのため、第1開閉体121が回動したとしても、第1可動体139に何ら力は作用しない。第1可動体139は、第2開閉体122が回動することによって力を受けて、回動軸122fを中心に回動する。
また、図17に示すように、第2可動体140の手前側の角部には、第2開閉体122に形成された回動軸122f及び開閉突起122eが挿通されるとともに、後述する摺動カバー141に覆われる挿通孔140bが形成されている。この挿通孔140bには、図中矢印R1に回動する開閉突起122eが挿通孔140b内で移動できるだけの十分な大きさが確保されている。そのため、第2開閉体122が回動したとしても、第2可動体140に何ら力は作用しない。
また、図17においては第2可動体140の奥側の角部であり、図18で示す第2可動体140の手前側の角部には、第1開閉体121に形成された開閉突起121eを係止する係止孔140cが形成されている。これにより、図中矢印方向R1に第1開閉体121が回動すると、図中矢印R2で示す方向(内部可動体138を開く方向)に第2可動体140が回動する。なお、第1開閉体121が図中矢印R1方向に示す方向とは反対の方向に回動すると、第2可動体140は図中矢印方向R2で示す方向とは反対の方向(内部可動体138を閉じる方向)に回動する。このように、第2可動体140は、第1開閉体121が回動することによって力を受けて、回動軸121fを中心に回動する。第1可動体139、及び第2可動体140は、摺動カバー141を介して取付ねじ142によって、回動軸121f、122fにねじ止めされている。
図19は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンの内部可動体が閉じた状態を示した斜視図である。また、図20は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンの内部可動体が開いた状態を示した斜視図である。図19に示すように、分割端139a、140aが突き合されて内部可動体138が閉じた状態にあるときは、後方にある第2透光体135(図20)は内部可動体138に覆われた状態にある。この時、内部可動体138の後方から出射された光は、内部可動体138を透過し、内部可動体138の色、例えば赤色に着色される。
図19に示す状態から、駆動モータ115(図10)が駆動すると、第1開閉体121及び第2開閉体122が回動し、これに伴い第1可動体139及び第2可動体140が回動する。そして、図20に示すように、内部可動体138が開いた状態となり、第1可動体139と第2可動体140との間から、第2透光体135が露出するようになる。これにより、第2透光体135から出射された光が直接、遊技者に視認される。このように、第1可動体139と第2可動体140との間から出射された光は、内部可動体138による着色が施されていないため、内部可動体138が閉じた状態から出射された光とは、色合いが異なっている。これにより、内部可動体138が、閉じた状態と開いた状態と間で変化することにより、内部可動体138の動きを遊技者に視認させることができるとともに、異なる色合いの光をその割合を変化させながら遊技者に視認させることが可能である。
図5、図6に示すように、演出操作ボタン100は、演出操作ボタン100の最前方に配置され、遊技者が押下操作をする際に接触する押下カバー143を有している。図21は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する演出操作ボタンの押下カバーの取り付け状況を示した分解斜視図である。図21に示すように、押下カバー143は、内部に演出操作ボタン100の各種部品を収容するための空洞が形成された、略半球状の形状をなしている。押下カバー143は、透光性の材料から形成された押下面143aを有しており、後方から出射された光を透過する。押下面143aは、演出操作ボタン100の最前方に配置され、遊技者が押下操作を行う際に押圧する部分である。押下面143aは、透明な材料から構成されており、遊技者は、押下面143aを介して内部可動体138を視認することができる。押下カバー143の側面には、ねじ挿通孔143bが形成されている。取付ねじ144が、ねじ挿通孔143bに挿通されて、移動基体112に形成された取付突起145に螺合している。これにより、押下カバー143は、移動基体122に直接取り付けられている。そのため、遊技者が押下面143aを押圧すると、移動基体112は押下カバー143とともに押下げられる。移動基体112が押下げられることで、中央ベース体102に設けられた検出片102a(図5)が、プッシュセンサ113(図5)に検出されて、遊技者の押下操作が検出される。
なお、押下カバー143は、内部可動体138を内部に収容した状態で、移動基体112に取り付けられている。そのため、押下方向に沿って移動する操作ボタン150の内部で内部可動体138の開閉動作が行われる。そのため、遊技者による操作ボタン150の押下操作と、内部可動体138の開閉動作は別個独立した動作として扱うことができる。そのため、遊技者は、内部可動体138が開閉動作中であっても操作ボタンの押下操作を行うことができ、この時の押下操作はプッシュセンサ113(図11)によって検出される。
演出操作ボタン100をこのような構成としていることにより、演出操作ボタン100の押下操作を検出したことに基づいて、内部可動体138を開閉するといった、2つの動作を連動させた演出を実行することができる。例えば、画像表示装置5(図1)に演出操作ボタン100を連打する旨の表示をし、遊技者が演出操作ボタン100の押下操作を複数回繰り返すと、押下操作を検出するたびに駆動モータ114(図10)を少しずつ駆動させて、内部可動体138を徐々に開かせるような演出を行ってもよい。そして、内部可動体138が全開となったときに大当たりを知らせ、閉じてしまったときにはハズレを知らせる演出であってもよい。また、演出操作ボタン100の一回の押下操作を検出することで、閉じていた内部可動体138を全開として大当たりを知らせる演出であってもよい。内部可動体138を全開とする態様としては、内部可動体138を一気に開くような態様であってもよいし、開閉を繰り返しながら最終的に内部可動体100を全開とするような態様であってもよい。
このような、演出操作ボタン100の演出は、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9(共に図2)と連動して行ってもよい。また、演出操作ボタン100内に収容されたLED132を点灯させたり、点滅させたりして、内部可動体138の動きとLED132による光の出射を連動する態様であってもよい。上述したように、内部可動体138が閉じた状態で内部可動体138を透過した光と、内部可動体138が開いた状態で内部可動体138を透過せず第2透光体135から出射された光とでは、色合いを異ならせている。そのため、内部可動体138の動きだけではなく、演出操作ボタン100から出射される光の色合いによっても、遊技者を魅了する演出を実行することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機1では、シャフト108と挿通孔106cとの間に空隙を設けることで、操作ボタン150を変位させたり、向きを変更したりすることができる。これにより、操作ボタン150が、押下方向(斜め上方)からずれた方向、例えば、上方向や水平方向から押し下げられたとしても、操作ボタン150は、押し下げられた方向に対応して変位したり向きを変更したりすることで押下げられ、遊技者の押下操作が検知される。このような演出操作ボタン100を用いることで、遊技者は、演出操作ボタンの押下操作を容易に実行することができる。
また、押下カバー143は、内部可動体138を内部に収容した状態で、移動基体112に取り付けられているため、内部可動体138が動作中であるか非動作中であるかに関わらず操作ボタン150の押下操作が可能である。そのため、操作ボタン150の押下操作中に内部可動体138の動きに着目させることができ、内部可動体138の動きにより遊技の興趣を高めることができるとともに、内部可動体138の動きに合わせて操作ボタン150を押下操作することができる。
また、振動モータ115は、押下げ方向に沿った方向に押圧されることで操作ボタン150に取り付けられている。そのため、振動モータ115による振動は、主に、操作ボタン150の押下げ方向に伝達される。これにより、内部可動体138の動きや、LED132等の光による演出に加えて、振動による触覚を刺激する演出を付加することができ、より遊技者を魅了する演出を実行することができる。
また、演出操作ボタン100をパチンコ遊技機1の下部に斜め上方を向いて設け、押下操作を検出するためのプッシュセンサ113を、演出操作ボタン100の上部に設けている。これにより、頻度が高いと想定される上方からの押下操作行われると、プッシュセンサ113はいち早く検出片102a検出することができ、押下操作検出の確実性を高めることができる。
また、LED132から出射された光を、法線方向が互いに異なる複数の平面が内部に形成された第1透光体134及び第2透光体135を透光させている。これにより、第1透光体134及び第2透光体135に形成されたそれぞれの模様を出射した光に付加することができるため、より複雑な模様を表現することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施形態においては、図9に示すように、シャフト108の一端は、中央ベース体102に装着されたガイド部106に形成された挿通孔106cに挿通されていると説明した。しかしながら、ガイド部106を用いずに、中央ベース体102に直接、シャフト108を挿通する挿通孔を形成してもよい。これにより、ガイド部106を省略することができる。
また、上記実施形態においては、シャフト108を挿通する挿通孔を中央ベース体102に設け、シャフト108を嵌合、固定する孔を操作ボタン150に設けた。すなわち、シャフト108を操作ボタン150に取り付けていたが、シャフト108を中央ベース体102に取り付ける構成を採用してもよい。この場合、中央ベース体102に、シャフト108の外径と同等の径を有する嵌合孔を形成し、この嵌合孔にシャフト108を嵌合させて中央ベース体102に取り付ければよい。さらに、操作ボタン150には、シャフト108の外径よりも大きい径を有する挿通孔を形成し、中央ベース体102に取り付けられたシャフト108の一端を挿通するようにすればよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば、複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば、複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えば、チェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態や変形例で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば、賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えば、スロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。