JP6215759B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

この発明は、可動体の動作による演出を行う可動演出装置が、機体を構成する枠部材に配設された遊技機に関するものである。
代表的な遊技機であるパチンコ機は、遊技店に設けられた「島」とも称される設置枠台に固定される枠部材である外枠と、該外枠に対して着脱および開閉可能に支持され、遊技盤が交換可能に配設される枠部材である中枠と、中枠の前面側に該中枠に着脱および開閉可能に支持され、中枠に配設した遊技盤を透視保護する透明板が配設される枠部材としての前枠とを備えている。前枠には、透明板が配設される窓口の下方に、遊技球を貯留可能な上球皿や下球皿が配設されると共に、下球皿の右方に、上球皿から供給される遊技球を遊技盤に向けて発射させる打球発射装置を作動させる操作ハンドルが設けられている。このようなパチンコ機では、遊技盤の遊技領域へ打ち出された遊技球が該遊技領域内に配設された始動入賞装置に入賞することにより、該遊技盤に配設された図柄表示装置の表示部での図柄変動演出が開始され、該表示部に図柄が所定の組み合わせで停止することにより遊技者に有利な特別遊技状態(例えば「大当り」)が発生すると、遊技盤の遊技領域に設けられた特別入賞装置が開放して多数の賞球を獲得し得るよう構成される。
前記パチンコ機は、遊技者が操作可能な演出用操作ボタンを前枠に設け、この演出用操作ボタンの操作に応じて液晶ディスプレイや可動役物などの演出態様に変化を与え、遊技者の参加意識を高めて興趣を向上させることが行われている(例えば特許文献1参照)。
また、パチンコ機は、所要の動作を行う可動体を備えた可動演出装置が配設され、該可動体を前記図柄表示装置で行われる遊技演出に合わせて適宜タイミングで動作させることにより、視覚的な演出効果を向上させて遊技の興趣を高めるようになっている。従来では、可動演出装置が遊技盤に配設されたパチンコ機が多かったが、近年においては、機体の前側を構成する前枠に可動演出装置を配設して、遊技の興趣をより一層高めたパチンコ機も提案されている。
特開2007−37972号公報
しかしながら、前枠において演出用操作ボタンおよび可動演出装置を配設できるスペースは制約があることから、可動演出装置を優先して配置を決めると演出用操作ボタンを押圧操作し難くなったり、演出用操作ボタンを優先して配置を決めると可動演出装置が小さくなってインパクトに欠けるものになったりする等、様々な問題が生じる。このように、前枠の限られたスペースの中で、演出用操作ボタンおよび可動演出装置の配置を両立させるのは難しい。
すなわち本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、可動演出装置と遊技演出を実行させるための操作手段とを、機体を構成する枠部材に配設した遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の遊技機は、
可動体(200)の動作により演出を行う可動演出装置(100)が、機体を構成する枠部材(13)に配設された遊技機において、
前記可動体(200)を動作可能に支持する支持体(104)と、
前記可動体(200)を囲うと共に該可動体(200)に対する通常位置と操作位置との間を変位可能に配設され、該可動体(200)を外から視認可能に形成されたカバー(110)と、
前記カバー(110)の押圧操作に伴う該カバー(110)の前記通常位置から操作位置への変位を検知する検知手段(106)とを備え、
前記検知手段(106)による前記カバー(110)の押圧操作検知に伴って、遊技演出を実行可能に構成され、
前記可動体(200)は、前記支持体(104)に対して第1軸線(L1)周りに回転動作可能な第1可動部材(202)と、該第1可動部材(202)に対して第1軸線(L1)と交差する第2軸線(L2)周りに独立して回転動作可能な第2可動部材(204)とを備えることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、可動体を囲うカバーを、遊技演出を実行可能な操作手段として用いているので、操作手段と可動演出装置とを別々に配設するのと比べて省スペース化を図り得る。すなわち、機枠を構成する枠部材に配設する可動演出装置の可動体を大型化して、可動体の動作による演出のインパクトを高めることができる。また、可動体を囲うカバー自体も大型化することができるから、該カバーの押圧操作を行い易く、かつ該カバーを操作手段とする押圧操作への興味をよりかき立てることができ、遊技演出の操作による遊技の興趣を向上することができる。
また、交差する2つの軸線周りに回転動作する2つの可動部材によって複雑な動作を行うことができ、可動体による演出態様の多様化を図ることができる。
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記可動体(200)の周囲を囲う枠状に形成され、前記支持体(104)における可動体(200)の周囲を囲う周縁部に、該支持体(104)に対して離間する通常位置と該支持体(104)に対して近接する操作位置との間を変位可能に支持された受け体(134)を備え、
下方に開放した凹形状に形成された前記カバー(110)は、その開口縁を前記受け体(134)の上面に突き当てて該受け体(134)に配設され、
前記受け体(134)に、前記カバー(110)が変位する上下方向を軸とする周方向に離間して配設され、該受け体(134)から下方へ向けて突出する複数の案内軸(138)と、
前記支持体(104)の周縁部に前記案内軸(138)に対応して設けられ、該案内軸(138)を前記受け体(134)が該支持体(104)に対して通常位置と操作位置との間を変位するよう案内する軸通部(140)と、
前記支持体(104)と前記受け体(134)との間に設けられ、受け体(134)を支持体(104)から離間する通常位置側に向けて付勢する弾性部材(144)と、
前記案内軸(138)と前記軸通部(140)との係合位置近傍において前記支持体(104)と前記受け体(134)との間に配設され、前記カバー(110)の押圧操作に伴う受け体(134)の支持体(104)に対する操作位置側への変位を弾力的に受け止める緩衝体(150)とを備え、
前記緩衝体(150)は、前記支持体(104)に形成されて上方に開放する緩衝体凹部(129a)に、該緩衝体(150)の上面が緩衝体凹部(129a)の開放端に略揃う状態で収容されると共に、前記受け体(134)における緩衝体(150)と対向する下面には下方へ膨らむ当接凸部(134a)が形成され、
前記受け体(134)が支持体(104)に対して操作位置側へ変位した際に、前記当接凸部(134a)が緩衝体(150)に当接した後に、受け体(134)の下面全体を支持体(104)の上面全体で受けるよう構成したことを要旨とする。
この構成によれば、カバーは、可動体を動作可能に支持する支持体に近接・離間変位可能に支持された受け体に配設されているから、カバーの押圧操作によって可動体に影響を与えず、可動体の動作およびカバーの押圧操作を互いに独立して行い得る。
また、支持体と受け体との間に配設した緩衝体によって、カバーの押圧操作に伴う受け体と支持体との強干渉を防止することができる。従って、カバーの押圧操作によって生じる振動等により、可動体に悪影響を与えたり、干渉音が発生するなどの不具合を回避できる。更に、カバーが傾くように押圧操作されても、受け体の当接凸部を緩衝体で適切に受け止めることができると共に、カバーに非常に強い荷重がかかった場合は、受け体の当接凸部が緩衝体に没入して、受け体の下面全体を支持体の上面全体で受けて、当該荷重を受け止めることができる。
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記検知手段(106)は、前記可動体(200)の周囲を囲う前記カバー(110)の周縁部に対応して、該カバー(110)の変位方向を軸とする周方向に離間して複数配設され、
複数の検知手段(106)のうちの何れか1つの検知により、前記カバー(110)の押圧操作を判定するよう構成され、
前記カバー(110)は、該カバー(110)の押圧操作による変位方向が鉛直線に対して斜めに傾くと共に、該カバー(110)における前記可動体(200)の上方に重なる操作面部(112)が機前側に座る遊技者側を指向する姿勢で配設され、
前記検知手段(106)は、前記カバー(110)の周縁部における傾斜上側と傾斜下側との夫々に対応して配設されたことを要旨とする。
この構成によれば、可動体の周囲を囲うカバーの周縁部に対応して、周方向に離間して複数の検知手段を配設すると共に、複数の検知手段のうちの何れか1つの検知により、カバーの押圧操作を判定する構成であるから、例えば端が押されたカバーが傾くように変位したとしても、該カバーの押圧操作の検知不良を抑えることができる。
また、カバーの姿勢に対応して検知手段を配設してあるので、カバーにおける押圧操作の検知不良をより好適に防止し得る。更に、カバーの操作面部が、機前側に座る遊技者側を指向しているので、遊技者はカバーを操作し易い。
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記可動体(200)を動作可能に支持する支持体(104)は、前記枠部材(13)に設置されるベース体(102)に、防振体(132)を介して配設されたことを要旨とする。
この構成によれば、可動演出装置は、枠部材に設置されるベース体と可動体を支持する支持体との間に、防振体を配設してあるから、カバーの変位または可動体の動作に伴う振動を枠部材に伝わり難くすることができる。
本発明に係る遊技機によれば、可動演出装置と遊技演出を実行させる操作手段とを、互いの機能に悪影響を与えることなく枠部材において好適に配置することができる。
本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。 実施例のパチンコ機を、中枠に対して前枠を開放した状態で示す斜視図である。 実施例のパチンコ機を示す左側面図である。 実施例のパチンコ機を示す斜視図であって、遊技盤、透視保護板および可動演出装置を取り外してある。 実施例の前枠の要部を分解して示す斜視図である。 (a)は実施例の可動演出装置を示す平面図であり、(b)は(a)から可動体カバーを取り外した状態である。 (a)は実施例の可動演出装置を示す右側面図であり、(b)は(a)から可動体カバーを取り外した状態である。 図6(a)のA−A線断面図であり、(a)は可動体カバーが通常位置にあり、(b)は可動体カバーが操作位置にある。 図6(a)のB−B線断面図であり、(a)は可動体カバーが通常位置にあり、(b)は可動体カバーが操作位置にある。 図6(a)のC−C線断面図であり、(a)は可動体カバーが通常位置にあり、(b)は可動体カバーが操作位置にある。 (a)は図7(a)のD−D線断面図であり、(b)は図7(a)のE−E線断面図である。 実施例の支持体の平面図である。 実施例の可動体カバーの支持部分を示す分解斜視図である。 実施例の支持機構を斜め上方から示す分解斜視図である。 実施例の支持機構を斜め下方から示す分解斜視図である。 実施例のベース体、第1支持台部および第1駆動機構を斜め上方から示す分解斜視図である。 実施例のベース体、第1支持台部および第1駆動機構を斜め下方から示す分解斜視図である。 (a)は実施例の可動体カバーを表側から示す斜視図であり、(b)は実施例の可動体カバーを裏側から示す斜視図である。 (a)は図18(a)のF−F線断面図であり、(b)は図18(a)のG−G線断面図である。 実施例の可動体を示す要部説明図であり、(a)は第1可動部材が第1位置にある可動体の平面視であり、(b)は第1可動部材が第1位置にある可動体の正面視であり、(c)は第1可動部材が第2位置にある可動体の平面視であり、(d)は第1可動部材が第2位置にある可動体の正面視である。 実施例の可動体を斜め下方から示す分解斜視図である。 実施例の可動体を斜め上方から示す分解斜視図である。 実施例のパチンコ機のブロック図である。 実施例の装置制御手段のブロック図である。 実施例の制御部のブロック図である。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機Pを例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機)
図1〜図3に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(始動入賞装置30,35の始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が設けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。このように、パチンコ機10は、枠部材としての前枠13、中枠12および外枠11を組み合わせて機体が構成されており、機体を構成する枠部材のうちの1つで、遊技者に臨む機前面を構成する前枠13に、後述する可動演出装置100が配設されている。
前記前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の下部位置および上部左右位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、スピーカ19から適宜の音声を出力することで、図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前枠13に配設されたランプ装置18やスピーカ19も演出実行手段として機能している。
前記前枠13の右下方位置には、中枠12に配設された打球発射装置28(図2参照)を作動する操作ハンドル16(図1)が設けられている。操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置28が作動されて、上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、操作レバー16aの回動量に応じて打球発射装置28によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、上球受け皿14は、前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
(操作手段)
図1に示すように、上球受け皿14の上面には、操作手段としての可動体カバー(カバー)110および操作ボタン36が設けられている。操作ボタンとしての可動体カバー110および操作ボタン36は、遊技者の手が届く前枠13の前側に配置されており、遊技者により操作可能になっている。可動体カバー110は、後述する可動演出装置100の可動体200の前後左右および上側を覆って上球受け皿14の上面より突出する大型の意匠体であって、上球受け皿14における球貯留部14aの右側に配置されている。そして、この可動体カバー110を操作することで、パチンコ機10の遊技状態(演出種類選択用演出が行われる状態、操作変化系演出で演出を変化させる状態、デモ演出モード等)に応じて各種遊技演出(演出種類選択用演出、操作変化系演出、バトル演出など)を実行可能に構成される。操作ボタン36は、決定ボタン、左ボタンおよび右ボタンを左右方向に配列したボタンであって、上球受け皿14における球貯留部14a(図4参照)の前側に並べて配設されている。そして、操作ボタン36の操作によって、操作手段としての可動体カバー110と同様に、遊技盤20に配設された可動役物20bを移動したり、デモ演出中におけるモード切り替えなどを行い得るよう構成される。可動体カバー110および操作ボタン36は、押圧操作をしたときに、操作信号を統括制御基板65の統括制御CPU65aに向けて出力するように構成され(図23参照)、実施例では統括制御CPU65aが操作信号を受けて可動体カバー110および操作ボタン36の操作を判定する操作判定手段として機能している。なお、操作ボタン36の内部には、図示しないLED等の発光体を配設され、該発光体を発光することで、操作ボタン36の操作時期等を報知し得るよう構成されている。
(遊技盤)
前記遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。図2に示すように、遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、中枠12に配設された打球発射装置28から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には枠状装飾体25、始動入賞装置30,35、特別入賞装置40、球通過ゲート47、普通入賞口部材等:図1参照)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
図1に示すように、実施例の遊技盤20には、案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、遊技盤20には、遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口31を有する始動入賞装置(始動入賞手段)30が取り付けられ、枠状装飾体25の右側部に特別入賞口を有する特別入賞装置(入賞手段)40が設けられている。
(始動入賞装置)
図1に示すように、実施例の始動入賞装置30は、1つの始動入賞口31を有している。始動入賞口31は、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。実施例において前記始動入賞口31は、遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。また、遊技領域20aの右下部には、第2の始動入賞装置35を備えている。
始動入賞装置としては、始動入賞口を上下の位置関係で2つ設け、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)を、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口としてもよい。そして、下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段、可変式の始動入賞手段)を挟む左右両側に、該第2始動入賞口を開閉可能に構成された開閉部材を設け、駆動手段としての始動入賞ソレノイドの駆動に伴って一対の開閉部材が第2始動入賞口を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成してもよい。この際に、第2始動入賞口を開閉する一対の開閉部材が第2始動入賞口を挟む左右側部に配置されて、始動入賞ソレノイドの駆動に伴い一対の開閉部材が揺動して相互に近接および離間するよう構成すればよい。この場合の第2始動入賞口は、始動入賞ソレノイドを駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材が閉鎖位置に変位した状態では、第2始動入賞口へのパチンコ球の入賞が阻止されて、第1始動入賞口へパチンコ球が入賞する確率よりも第2始動入賞口へパチンコ球が入賞する確率が低確率となるよう設定される一方、開閉部材が開放位置に変位した状態では、開閉部材で受け止められたパチンコ球が第2始動入賞口に案内されて、第1始動入賞口へパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定される。
前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31に入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34(図23参照)が設けられている。始動入賞検出センサ34は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図23参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出(すなわち始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出に伴って各種情報(各種乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、特図表示器50A,50B(図23参照)において特図変動が実行されるようになっている。そして、図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の当り表示(大当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成される。
(特別入賞装置)
図1に示すように、前記特別入賞装置(入賞手段)40は、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材,開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図23参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、開閉扉43が右側方へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されている。また、特別入賞装置40には、特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図23参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、メイン制御基板60に配線接続されており、該特別入賞検出センサ44からメイン制御基板60への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、特別入賞ソレノイド42は、始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(中枠)
前記中枠12は、上縁をなす上枠部と、下縁をなして、打球発射装置28等が設置された下枠部と、左側縁をなす左枠部と、右側縁をなす右枠部とから構成され、全体が外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。図2に示すように、中枠12には、遊技盤20を前側から着脱可能に設置し得る遊技盤保持部26が設けられ、中枠12の下枠部前面に、打球発射装置28が配設されている。そして、中枠12は、外枠の左上および左下に設けられたヒンジ27,27を介して該外枠11に支持され、中枠12は外枠11に対して左側端部を中心として開閉し得るようになっている。なお、中枠12は、上下左右の各枠部が一体成形されたものであってもよい。
(前枠)
前記前枠13は、中枠12の外郭形状に略合致する板状に形成されると共に前後方向に開口する窓口13aが開設された枠本体86と、該枠本体86における該窓口13aの下方前側に固定される設置部材87とを備えている(図5参照)。図4に示すように、枠本体86における窓口13aの上側に延在する上枠部の前側には、前方に突出するよう形成された上装飾部材88が取り付けられ、枠本体86における窓口13aの左側に延在する左枠部の前側には、前方に突出するよう形成された左装飾部材89が取り付けられ、枠本体86における窓口13aの右側に延在する右枠部の前側には、前方に突出するよう形成された右装飾部材90が取り付けられている。すなわち、窓口13aは、装飾部材88,89,90によって囲われている。枠本体86の枠部と装飾部材88,89,90との間には、図示しないLED基板が配設されて、このLED基板から照射した光により装飾部材88,89,90の所定領域を発光させるランプ装置18が構成されている。
(設置部材)
図5に示すように、前記設置部材87は、枠本体86における窓口13aの下側に延在する下枠部86aと略同じ外郭形状に形成された板状部材であり、下枠部86aの後側から複数のネジを締結することで該下枠部86aの前側に固定される。設置部材87には、その前面の上部左側に上球受け皿14の球貯留部14aを画成する上皿本体91が取り付けられ、その前面の下部左側に上球受け皿14の球貯留部15aを画成する下皿本体92が取り付けられている。また、設置部材87の前面上方には、可動演出装置100を取り付けるための金属製のベース部材93が、左右に延在すると共に前方へ延出した状態に取り付けられている。そして、設置部材87には、上皿本体91、ベース部材93および下皿本体92の前側を覆うように、前装飾部材94が取り付けられる。
(可動演出装置)
次に、実施例の可動演出装置100について説明する。図7に示すように、可動演出装置100は、枠部材としての前枠13に取り付けられるベース体102と、このベース体102に配設された支持体104とにより基礎部分が構成され、可動体200が支持体104に動作可能に支持されている。実施例の可動演出装置100は、可動体200全体が左右方向に延在する第1軸線L1(図20(a)および(c))周りに回転する動作と、可動体200の一部が第1軸線L1と交差する第2軸線L2(図20(b)および(d))周りに回転する動作との夫々またはこれらを複合した動作演出を行い得るよう構成される。また、可動体200を囲うと共に可動体200に対して近接・離間変位可能に配設され、該可動体200を外から視認可能に形成された可動体カバー(カバー)110(図6(a)および図7(a)参照)が、前述のように操作手段として機能し、可動体カバー110の押圧操作に伴う該可動体カバー110の可動体200に対する近接変位を操作検知手段(検知手段)106(図9および図23参照)で検知することに基づいて、パチンコ機10において遊技演出を実行可能になっている。ここで、可動体カバー110の変位方向は、鉛直線に対して斜め左前方に若干傾いており(図3および図7(a)参照)、機前側に座る遊技者側に可動体カバー110の操作面部112を指向させることで遊技者が可動体カバー110を操作し易くしてある。なお、可動体カバー110の変位方向は、水平線よりも鉛直線に近い角度で傾いており、可動体カバー110の変位方向を便宜的に上下方向という場合もある。
(ベース体)
図7に示すように、前記ベース体102は、底面が水平であるのに対して、上面が前側から後側に向かうにつれて上方傾斜するように形成された台状部材である。ベース体102の中央部には、支持体104において下方へ突出して可動体220の下部を受け入れる可動体収容部125を収容可能な可動体収容凹部120が形成されると共に、該ベース体102の右側部には、支持体104の右側部に配設される機構設置体170を収容可能な機構収容凹部121が設けられている(図16および図17参照)。すなわち、ベース体102において可動体収容凹部120を囲うベース周縁部122(図16参照)は、機構収容凹部121に対応して右側部が切り欠かれた枠状に形成されている。なお、可動体収容凹部120の底は、上下に開口している。そして、ベース体102において斜めに形成されたベース周縁部122の上面に、支持体104および該支持体104に支持機構136および受け体134を介して支持される可動体カバー110を配設することで、可動体カバー110が前側(遊技者側)に傾いた姿勢となっている。ここで、前枠13の略水平な設置面を構成するベース部材93に対してベース体102のベース周縁部122を傾けるために、ベース周縁部122と該ベース部材93との間にスペースができてしまうが、このベース体102の内部スペースを可動体200の下部(可動体200における第1可動部材202の位置により視認不能とする演出体210,212)を収容する空間として有効利用している。
(ベース体の前枠への配設構造)
前記可動演出装置100は、前述したベース部材93に対して、前方へ所要角度に傾斜した状態で載置されている。ベース体102の後端面には、後方へ突出した複数(実施例では2つ)の設置ボス123,123が、左右に離間して設けられている(図6および図7参照)。これら設置ボス123,123を、設置部材87に開設された設置凹部87a,87a(図4および図5)に前方から差し込んでネジ止めすることで、ベース体102が設置部材87およびベース部材93に対して位置決め固定される。
(支持体)
図7に示すように、前記支持体104は、ベース体102の上側に重なるように配設されている。支持体104は、可動体200を支持または動作させるための部分や機構が設けられる第1支持台部124と、この第1支持台部124の上側に配設され、可動体200を覆う可動体カバー110を変位可能に支持するための支持機構136が設けられる第2支持台部128とから構成されている(図14および図15参照)。第1支持台部124には、中央部に可動体200の下部を収容可能な可動体収容部125が下方へ膨らむように形成されると共に、可動体収容部125の周囲を囲う枠状の第1支持周縁部126の右側部を切り欠いて機構設置体170が配設されている(図16および図17参照)。第1支持台部124は、可動体収容部125に可動体200の下部を収容すると共に第1支持周縁部126の上面よりも可動体200の上部が突出した状態で、可動体200を動作可能に支持しており、可動体200の荷重を第1支持周縁部126で受けるように構成されている。第1支持台部124は、可動体収容部125をベース体102の可動体収容凹部120に収容すると共に、可動体収容部125の下面から下方へ突出するベース取付ボス125a(図17参照)を、可動体収容凹部120に上下に貫通形成されたボス孔121aに嵌め合わせて位置決めされる。また、第1支持台部124は、ベース体102の可動体収容凹部120から可動体収容部125が離間した状態で、第1支持周縁部126をベース体のベース周縁部122に重ね合わせて配設される。すなわち、ベース体102は、ベース周縁部122によって、支持体104、該支持体104で支持する可動体200および可動体カバー110などの荷重に加えて、可動体カバー110の操作時の押圧力を受けるようになっている。第2支持台部128は、可動体200の周囲を囲う枠状の第2支持周縁部129と、この第2支持周縁部129の下面より下方へ延びるように形成された支持袴部130とから基本的に構成され(図14および図15参照)、支持袴部130の下端を第1支持周縁部126の上面に突き合わせて第1支持台部124と組み付けられている。
(防振体)
図7に示すように、前記ベース体102と前記支持体104との間には、防振体132が配設されており、ベース体102は、防振体132を介して支持体104から加わる荷重を受けるようになっている。防振体132は、反発弾性が低いゴムなどからなり、ベース周縁部122の傾斜下側部分とベース周縁部122の傾斜上側部分との前後に振り分けて、2枚の板状に形成された防振体132が配設されている(図16参照)。そして、ベース周縁部122の上面に配設された2枚の防振体132,132が、支持体104の第1支持周縁部126との間に介在して、ベース周縁部122と第1支持周縁部126とが当接しないように離間保持している。ここで、ベース体102におけるベース周縁部122の上面には、該ベース周縁部122の外縁およびベース周縁部122の半径方向に延在する壁122aが立設されており(図16参照)、防振体132よりも低く設定された壁122aにより防振体132が位置決めされている。また、ベース体102の機構収容凹部121には、支持体104に配設される機構設置体170の下端面に対応して円形状の防振体132が配設される(図16参照)。機構収容凹部121に配設された防振体132は、機構収容凹部121の底面よりも上方へ突出しており、該防振体132によって機構設置体170を受け止めている。このように、ベース体102と支持体104との間に配設された防振体132によって、ベース体102と支持体104との間で、緩衝、防振および吸音が図られている。
図14および図15に示すように、前記第1支持台部124の可動体収容部125には、中央部および周方向に離間して複数の台部開口125bが開設されており、この台部開口125bおよびベース部102における可動体収容凹部120の開口を介して、可動演出装置100に配設された駆動モータ206,208や発光手段156,162,228,230から発する熱を装置外方へ逃がすことができるようになっている。
(受け体)
図7に示すように、前記支持体104における第2支持台部128の上方には、支持機構136によって該第2支持台部128に対して近接・離間可能に支持された受け体134が配設され、この受け体134に可動体カバー110が配設されている。すなわち、受け体134の支持体104に対する往復変位により可動体カバー110の可動体200に対する近接・離間変位が許容される。受け体134は、可動体200の周囲を囲う枠状に形成されており(図14および図15参照)、第2支持台部128における可動体200を囲う第2支持周縁部129の上側に、支持機構136により支持されている。受け体134は、可動体カバー110の変位方向(略上下方向)に開口する略円環状に形成され、可動体200の前後左右を囲んで該可動体200の横側で略上下方向に移動するようになっている。
(支持機構)
図11,12,14および図15に示すように、前記支持機構136は、前記受け体134に、可動体カバー110の変位方向を軸とする周方向(単に周方向という)に離間して配設された複数の案内軸138と、支持体104の第2支持台部128における可動体200を囲う第2支持周縁部129に案内軸138に対応して設けられ、案内軸138を前記変位方向とする上下に案内する軸通部140とを備えている。また、支持機構136は、軸通部140を通って支持部104の裏側(下側)に突出する案内軸138のうちの少なくとも2つに配設され、支持体104の裏側に引っ掛かって案内軸138を抜け止めする係止部142と、支持体104と受け体134との間に設けられ、受け体134を支持体104から離間する方向へ付勢する弾性部材144とを備えている。そして、支持機構136は、弾性部材144により常に上方へ向けて付勢されている受け体134の上方変位を、案内軸138の下端に配設された係止部142の係合により規制し、外力が加わっていない自由状態において支持体104の第2支持台部128から受け体134を上方へ離間した位置で保持し、これにより可動体カバー110が通常位置に保たれている(図8(a),図9(a)および図10(a)参照)。支持機構136は、可動体カバー110を下方へ押圧操作した際に、軸通部140に案内軸138が案内されたもとで弾性部材144が縮んで受け体134の支持体104への近接移動を許容し、これにより可動体カバー110が可動体200に近づくように下方変位して操作位置になる(図8(b),図9(b)および図10(b)参照)。そして、可動体カバー110の押圧操作を解除することで、軸通部140に案内軸138が案内されたもとで弾性部材144が伸びて受け体134を支持体104から離間移動させ、これにより可動体カバー110が可動体200から遠ざかるように上方変位して通常位置に戻る。
(案内軸)
図11に示すように、前記複数(実施例では6本)の案内軸138は、受け体134の周方向に互いに離間して前後左右に分散配置され、図18(b)に示すように、受け体134の裏側から下方(支持体104側)へ延出している。実施例の案内軸138は、金属製の丸棒であり、受け体134に上下に貫通形成された軸保持孔に嵌め込まれている。また、受け体134には、6本の案内軸138が、可動体200の前後位置(受け体134の傾斜の下側および上側に対応)と、可動体200における左右の側縁において前後に離間した位置とに振り分けて配置されている。ここで、周方向に隣り合う案内軸138は、受け体の半径方向(内外方向)にずらして配置されており、例えば、可動体200の前側に位置する案内軸138(特に区別する場合は外周案内軸138Aという)が受け体134の外縁側に配置されるのに対して、この案内軸138に周方向に隣り合う案内軸138(特に区別する場合は内周案内軸138Bという)が受け体134の内縁側に配置されている(図12参照)。ここで、3本の外周案内軸138Aは、可動体200を中心とする円上におおよそ配置されており、3本の内周案内軸138Bは、可動体200を中心とする円上におおよそ配置されている。
(軸通部)
図11(b)および図12に示すように、前記軸通部140は、第2支持台部128の第2支持周縁部129に、周方向に互いに離間して配置され、実施例では6本の案内軸138に対応して6箇所の軸通部140が設けられている。各軸通部140は、可動体カバー110の変位方向に貫通するよう第2支持周縁部129に形成された通孔からなり、支持体104の上面を構成する第2支持周縁部129から、該第2支持周縁部129より下方に突出する筒状部分にかけて、軸通部140が設けられている(図8参照)。軸通部140は、丸棒形状の案内軸138の周形状に合わせて円形状で開口しており、実施例では、案内軸138を挿入した際に案内軸138との間に隙間があくように、軸通部140の開口が案内軸138よりも大寸に設定されている。そして、第2支持台部128には、外周案内軸138Aに対応して外縁側に偏倚した位置に配置された軸通部140(外周軸通部140A)と、内周案内軸138Bに対応して内縁側に偏倚した位置に配置された軸通部140(内周軸通部140B)とが周方向に交互に並んでいる(図12参照)。なお、軸通部140は、上側の開口径が下側の開口径よりも大きくなる段状に形成されて、この上側部分に案内スリーブ146が嵌め合わせてあり、この案内スリーブ146により案内軸138と軸通部140との間の隙間を埋めて、軸通部140により案内軸138を上下方向にガタツキなく案内し得るようになっている(図8参照)。
(係止部)
図8に示すように、前記係止部142は、案内軸138の下端部に配設され、受け体134の変位に伴って案内軸138と共に上下変位するようになっている。図18に示すように、係止部142は、案内軸138に合わせて開口する通孔を有する円筒本体142aの下端から半径方向外方へ延出する係止片部142bを備え、該通孔に案内軸138を挿通し、係止部142の下側へ突出する案内軸138の下端に配設した係止具148(図14および図15)により抜け止めされている。係止部142は、円筒本体142aの外形が軸通部140に整合する大きさに設定されると共に、係止片部142bの外寸が軸通部140の開口よりも大きく設定され、案内軸138の変位に際して円筒本体142aが軸通部140に摺接して、案内軸138を案内するように機能している(図8参照)。また、係止部142は、係止片部142bが軸通部140の開口縁(支持体104の下面)に当接することで、案内軸138の上方変位を規制するようになっている。前記係止具148としては、案内軸138の周面に嵌め合わせて装着するEリングやスナップリテーナー(ダルマピン)やOリングなどの止め輪、あるいは、案内軸138に半径方向に貫通形成された孔に嵌め込んで装着する割りピンやRピン(スナップピン)など、案内軸138の周面よりも半径方向外方へ突出すると共に該案内軸138から脱落し難い各種構成を用いることができる。なお、実施例では、係止具148としてEリングが採用されている。
(係止部の配置)
前記支持機構136では、全ての案内軸138に係止部142を配設するのではなく、6本の案内軸138の少なくとも2本に係止部142を配設するようにしている。図18(b)に示すように、実施例では、周方向に環状に並ぶ複数の案内軸138に対して、1本おきに係止部142を配設し、実施例では6本の案内軸138のうちの3本に係止部142が配設されている。また、実施例において、内周案内軸138Bには、係止部142を配設する一方で、外周案内軸138Aには、係止部142を配設していない。このように、支持機構136は、内周案内軸138Bと内周軸通部140Bとからなる案内組にだけに係止部142を設けて、受け体134の変位方向の案内だけでなく受け体134の変位方向離間側の位置規制を行い、外周案内軸138Aと外周軸通部140Bとからなる案内組が、受け体134の変位方向の案内だけを行うように構成してある。
図8および図14に示すように、前記支持体104は、第1支持台部124の第1支持周縁部126に、第2支持台部128に設けられる軸通部140に対応して、可動体カバー110の押圧操作により軸通部140より下方へ突出する案内軸138または係止部142を受け入れ可能な軸挿入部127が形成されている。軸挿入部127は、第1支持周縁部126に上下に貫通するように形成された開口であり、下端に係止部142が配設される内周案内軸138Bに対応する軸挿入部127は、係止部142の係止片部142bを受け入れ可能な開口寸法に設定されると共に、外周案内軸138Aに対応する軸挿入部127は、外周案内軸138Aを受け入れ可能な開口寸法に設定される。このように、軸挿入部127によって、第1支持台部124の第1支持周縁部126とベース体102のベース周縁部122との間のスペースを用いて、可動体カバー110の押圧操作に伴って下方へ変位する案内軸138および係止部142を逃がすことができる。従って、支持体104や支持機構136の上下寸法(可動体カバー110の変位方向の寸法)を大きくすることなく、受け体134(可動体カバー110)の変位範囲を広くとることができるから、可動体カバー110を押しごたえがあって操作感に優れた操作手段とすることができる。
(弾性部材)
前記弾性部材144は、コイルばねやトーションばね等のばねやその他の付勢力を付与可能な構成を用いることができ、実施例ではコイルばねが採用されている(図14および図15参照)。弾性部材144は、コイル部分の内側に案内軸138を挿通し、受け体134の下面に上端を当接させると共に、下端を軸通部140の開口内に挿入した状態で配設される(図8参照)。また、弾性部材144は、その下端が、軸通部140内に装着された案内スリーブ146の上端に載置されて、受け体134と支持体104との間に弾力的に介挿される。そして、弾性部材144は、受け体134を支持体104から離間する方向に向けて弾力的に付勢し、これにより受け体134は、係止部142で位置規制されたもとで支持体104の上面から所定間隔離間した通常位置に保持される。また、弾性部材144は、可動体カバー110の押圧操作により受け体134が下方へ押されると縮んで受け体134の下方変位を許容し、押圧操作が解除されると受け体134を押し上げる。
(緩衝体)
前記支持体104と前記受け体134との間には、可動体カバー110の押圧操作に伴う受け体134の支持体104に対する近接変位を弾力的に受け止める緩衝体150が配設されている(図11bおよび図12参照)。緩衝体150は、案内軸138と軸通部140との係合位置近傍に配置され、実施例では、支持体104における軸通部140の上部開口に隣り合わせて緩衝体150が第2支持周縁部129の上面に配設されている。すなわち、緩衝体150は、支持体104における周方向に隣り合う軸通部140の間において、どちらか一方の軸通部140側に偏った位置に配置されている。ここで、外周軸通部140Aに対応する緩衝体150は、該外周軸通部140Aの周方向に並べて配置され、内周軸通部140Bに対応する緩衝体150は、該内周軸通部140Bの周方向から外側へ外れた位置に配置されている。実施例の緩衝体150は、反発弾性が低いゴムからなる円柱状の部材であり、支持体104における第2支持台部128の第2支持周縁部129に、緩衝体150の外形に合わせて上方に開放するように形成された緩衝体凹部129a(図14参照)に、該緩衝体150の上面が第2支持周縁部129の上面と略揃うように収容配置される。また、受け体134の下面には、支持体104に配設した緩衝体150と対向する位置に、下方へ膨らむ当接凸部134aが形成され(図11(a)および図15参照)、受け体134を支持体104に向けて近接移動した際に、当接凸部134aが緩衝体150に当接するように構成される。そして、受け体134を支持体104に向けて近接移動した際に、当接凸部134aと緩衝体150とが先行して当接して、更に押圧された際に、受け体134の下面全体を支持体104の上面全体で受けるようになっている。なお、緩衝体150は、案内軸138と軸通部140との係合部位の夫々に対応して、1対1の関係で配置してもよいが、実施例のように、特定の案内軸138と軸通部140との係合部位近傍にだけ緩衝体150を設けてもよい。
(可動体カバー)
図18に示すように、前記可動体カバー110は、下方に開口した凹形状(器形状)に形成され、可動体200の周囲を該可動体200から離れて囲うと共に該可動体220を収容可能な大きさに設定されている。可動体カバー110は、無色または有色透明であることで内側に収容された可動体200を常時視認し得るようになっており、実施例の可動体カバー110は、全体が無色透明な板からなるプラスチックの成形品である。可動体カバー110は、可動体200の上方に重なるように延在する操作面部112と、可動体200の前後左右を囲ってほぼ上下方向(可動体カバー110の変位方向)に延在する周壁部114とから基本的に構成され、環状に連なる周壁部114の開放端を受け体134の上面に突き当てて配設される。すなわち、操作面部112は、可動体カバー110の変位方向と交差して該変位方向において可動体200に重なるように延在し、可動体カバー110を押圧操作すると、操作面部112が可動体200に近づくように変位し、可動体カバー110の押圧操作を解除すると、操作面部112が可動体200から遠ざかるように変位する(図8および図9参照)。前述したように、可動体カバー110の変位方向が鉛直線よりわずかに前方に傾くように設定されているので、周壁部114は鉛直線に対して斜めに傾き、操作面部112が前方から後方へ向かうにつれて上方傾斜するように傾いている(図7(a)参照)。なお、可動体カバー110は、可動体200や可動体カバー110の内側に配置した発光手段156,162,228,230が発光するなどの構成部材の状態変化により可動体200が外方から視認可能となる半透明やハーフミラー構造であってもよい。また、可動体カバー110には、可動体200の視認を完全に遮断しない範囲で模様などの装飾を施してもよい。
(操作面部)
図6(a)に示すように、前記操作面部112は、外縁形状が多角形(実施例では略正六角形)に形成されており、該操作面部112の表面(上面)に、可動体カバー110の変位方向離間側に突出して角張った意匠形状が形成されている。具体的には、操作面部112は、外縁形状に相似して該外縁形状よりも小さい多角形状で形成された中央凸部112aが形成されており、外周部よりも上方(可動体カバー110の変位方向離間側)へ突出する中央凸部112aの外縁が角張っている。また、操作面部112は、中央凸部112aの外縁辺同士がなす角部から該操作面部112の外縁辺同士がなす角部に向けて筋状に延在すると共に上方へ突出するように形成された凸条部112bを有し、操作面部112の内側から外側に向けて放射状に延在する凸条部112bの上縁が角張っている。更に、操作面部112における隣り合う凸条部112b,112bの間は、該凸条部112b側から離間するにつれて上方へ突出する山形に形成されており、隣り合う凸条部112b,112bの中間部に稜線が形成されている。中央凸部112aは、外縁から中央部に向かうにつれて下方へ凹むように形成されており、操作面部112を押圧操作する際に、中央凸部112aの凹みにより操作面部112のどの位置を操作するのがよいのか触覚的にガイドしている。このように、実施例の操作面部112には、中央凸部112aの外縁、凸条部112b、および凸条部112b,112b間の稜線によって角が設けられている。
(周壁部)
前記前枠13の意匠面(上球受け皿14の上面に配設された縁取り部材168の上面)から外方へ突出する周壁部114(図3)は、押圧操作に伴う可動体カバー110の変位前後に亘って該変位方向の半分以上の範囲が外方に露出するように配設されている。すなわち、可動体カバー110は、その大部分が上球受け皿14から上方に延出しており、該可動体カバー110の横側からの可動体200の視認が可能になっている(図3参照)。なお、実施例では、可動体カバー110の周壁部114は、手の平の厚みよりも大きく縁取り部材168より延出している。
図18に示すように、前記周壁部114は、多角形状の操作面部112に合わせた多角形状を基本として形成され、延在向きが交差する操作面部112と周壁部114とにより凸角が設けられる。周壁部114は、操作面部112の外縁辺から該操作面部112とほぼ直交するように延在する周面部分114aが操作面部112の外縁と同じ多角形状(実施例では略正六角形)に連なっており、隣り合う周面部分114aの交差する部位に、操作面部112の凸条部112bに連なる周面凸条部115が設けられている。また、周壁部114における各周面部分112aには、外方へ突出すると共に上下方向(可動体カバー110の変位方向)に延在する周面突出部(突出部)116が、操作面部112と周壁部114との連設部位にかからないように形成されている。周面突出部116は、その上端が操作面部112と周壁部114との角よりも低い位置にある。すなわち、周壁部114は、操作面部112に近接した周面部分112aの上端部が操作面部112の外縁辺に沿った面形状で形成される一方で、周面突出部116が設けられた周面部分112aの中間部位が操作面部112の外縁辺よりも辺が多くなっている(図19(a)参照)。実施例の周面突出部116は、各周面部分114aにおいて隣り合う周面凸条部115,115間の略中央部に設けられ、両側の周面凸条部115,115にかからないように配置されている。
前記周壁部114は、上球受け皿14(前枠13)側の根元部分114bが、操作面部112に連なる部分よりも変位方向と交差する外方(半径方向外側)へ延出した段状に形成されている。ここで、周壁部114の根元部分114bは、周面凸条部115に外接する円形状に形成されており(図19(b)参照)、この根元部分114bと周面部分112aとがなす周面段部117により前記周面突出部116が上方へ延びるように形成されている。実施例の周壁部114は、操作面部112に連なる上部を含む大部分が略角柱状に形成されると共に、上球受け皿14を構成する前装飾部材94に画成される設置開口を通る根元部分114bが、角柱状部分に略外接する円柱状に形成されている。このように、周壁部114には、隣り合う周面部分114a、周面凸条部115、周面突出部116および周面段部117によって角が設けられている。
なお、前記可動体カバー110は、凸条部112b,115などの一部を除いて基本的に板厚が一定になるように形成されている。また、可動体カバー110の説明でいう「角」とは、鋭く尖った角ではなく、遊技者が見た際に強くたたくことをためらわせるような凸角形状をいい、円弧状テーパなどにより安全な処理がなされている。
(可動体カバーの配設構造)
図8および図9に示すように、前記可動体カバー110は、周壁部114を受け体134の上面に立設された内周規制片134b(図13)の外側に嵌め合わせると共に、周壁部114の下端を受け体134の上面に突き当てて、受け体134に載置される。そして、可動体カバー110は、周壁部114の下端部に下方に突設されたボスを、受け体134に設けられたボス孔に嵌め合わせて該ボス孔を介してボスにネジ止めして、受け体134と可動体カバー110とが固定される。ここで、可動体カバー110における周壁部114の下端は、周方向略全周に亘って受け体134の上面に当接しており、可動体カバー110から加えた力が受け体134に適切に伝わるようになっている。
(発光装飾体)
図6(b)および図7(b)に示すように、前記可動体200の上側(可動体カバー110の変位方向離間側)には、発光演出可能な発光装飾体152が該可動体200と離間して該可動体200に重なるように配設されている。発光装飾体152は、可動体200と共に可動体カバー110で囲われて、該可動体カバー110の内側に収容され(図8および図9参照)、可動体200と発光装飾体152との重なり方向へ変位する可動体カバー110を介して発光装飾体152が外から視認可能になっている。なお、発光装飾体152は、可動体カバー110の操作面部112および周壁部114から離間して、操作面部112の下側に重なるように配置されている。発光装飾体152は、支持体104の第2支持台部128における可動体200の周囲を囲う第2支持周縁部129に周方向に離間して配設された複数(実施例では3本)の脚部154に支持されている。実施例の脚部154は、飾り部166から下方に延出して、第2支持台部128の第2支持周縁部129から立ち上がるように該第2支持周縁部129に配設された飾り脚部167に連なるように上方に立ち上がり、該飾り脚部167が脚部154の一部を構成している。すなわち、以下の説明では、飾り脚部167を含めて脚部154という。また、発光装飾体152は、該発光装飾体152における操作面部112に臨む発光面を発光させる装飾発光基板156を有している。
図8および図11(b)に示すように、前記脚部154は、第2支持台部128の内縁部から上方へ立ち上がり、受け体134の開口内側において可動体200の横側を通って該受け体134の上方に延出し、上部が可動体200の上側に延在するように内側に向けて折れ曲がっている。複数の脚部154は、支持体104の周方向に略同一間隔で離間しており、実施例では、支持体104における可動体200の前側に立ち上がる前脚部154と、支持体104における可動体200の左斜め後側に立ち上がる左後脚部154と、支持体104における可動体200の右斜め後側に立ち上がる右後脚部154とを有している(図13参照)。実施例の脚部154は、何れも透明な材料で形成され、前脚部154と比べて左右の後脚部154,154が幅広に設定されている。
前記発光装飾体152は、可動体カバー110の操作面部112に対向するように延在する板状に形成され、パチンコ機10のモチーフに合わせたロゴや意匠などの適宜形状になっている。発光装飾体152は、前記脚部154の上端に一体形成された透明な表装飾体部152aと、この表装飾体部152aの下側に重ねて配設され、光を透過可能で、凹凸形状などの光拡散処理が施された装飾体拡散部152bと有し、装飾体拡散部152bの下側に重ねて装飾発光基板156が配設されている(図13参照)。装飾発光基板156の上面には、LEDなどの発光装飾体157が複数配設されており、該発光装飾体157から上方へ照射した光が装飾体拡散部152bで拡散されて表装飾体部152aの表面を全体的に発光させるようになっている。ここで、装飾体拡散部152bは、表装飾体部152aと、該表装飾体部152aにネジ止めされる装飾発光基板156との挟まれて固定されており、表装飾体部152a、装飾体拡散部152bおよび装飾発光基板156の外形が揃っている。なお、発光装飾体152は、可動体200の上方を完全に覆うものではなく、発光装飾体152の周囲から上側より可動体200を視認可能であり、脚部154の間から前または横側より可動体200を視認可能である。
(発光装飾体の脚部と係止部との関係)
図11(b)に示すように、前記複数の脚部154は、下端部が支持体104の第2支持周縁部129に設けられた外周案内軸138Aと外周軸通部140Aとの係合部位近傍に何れも接続されており、外周軸通部140Aの略半径方向内側に下端部が配置されている。そして、支持機構136は、脚部154が近接して配設される外周軸通部140Aに挿通する外周案内軸138Aに係止部142を設けず、周方向に隣り合う脚部154,154の略中間位置に設けられた内周軸通部140Bに挿通する内周案内軸138Bに係止部142を設けてある。すなわち、操作位置にある可動体カバー110を押圧解除すると、弾性部材144の付勢により受け体134が押し上げられて係止部142が支持体104に引っ掛かって移動規制されるが、係止部142が配設された内周案内軸138Bが脚部154から離れているので、係止部142を支持体104で係止する際に生じる振動が脚部154に伝わり難くなっている。
(装飾発光基板の配線)
図7(b)に示すように、遊技者から最も遠い位置に配置された脚部154に沿って、装飾発光基板156に接続される装飾配線(ハーネス)158が配設されている。実施例では、右後脚部154が遊技者から最も遠くなるので、右後脚部154に沿って装飾配線158が配設される。右後脚部154は、受け体134(飾り部166)より上方へ延出する立ち上がり部分の中間に両側縁より内方へ凹んだ装飾配線受片154aが形成されると共に、装飾配線受片154aの上側と下側とに内外に貫通した装飾配線通口154b,154cが形成されている(図7(b)参照)。装飾発光基板156に右後脚部154に指向するように開口するソケットにコネクタを接続した装飾配線158は、右後脚部154における略水平方向に延在する上部の下側を通って上部装飾配線通口154bから外側に取り回され、装飾配線受片154aの外面に支持される。装飾配線158は、下部装飾配線通口154cから内側に取り回され、飾り部166、受け体134および第2支持台部128の内側を通り、第1支持台部124と第2支持台部128との間から外方へ取り回され、第1支持台部124の右側面に配設された装置中継基板160に接続される。なお、装飾配線は、支持体104における第2支持台部128の内縁に鉤状に形成された装飾配線係止片128a(図11(b)および図13)に保持されて、内外方向の移動が規制されている。
(飾り発光基板)
図11(b)および図12に示すように、前記第2支持台部128における第2支持周縁部129上面には、上方(可動体カバー110が可動体200から離間する方向)に向けて光を照射し得る飾り発光体163を備えた飾り発光基板162が配設されている。ここで、第2支持台部128の第2支持周縁部129の上面において、複数の飾り発光基板162が周方向に並べて配置されており、実施例では、可動体200の前側に位置する外周軸通部140Aの両側の夫々に飾り発光基板162,162が配置されると共に、可動体200の後側に位置する内周軸通部140の外縁を跨いで両側に延在する1基の飾り発光基板162が配置される。すなわち、第2支持台部128において、前方に向かうにつれて下方傾斜する第2支持周縁部129の傾斜下側と傾斜上側とに分けて、3基の飾り発光基板162が配設されている。飾り発光基板162は、該飾り発光基板162の上面に配設され、上方へ光を照射するLED等の飾り発光体163(図14参照)と、該飾り発光基板162の下面に配設され、装置中継基板160に繋がる配線(図示せず)が接続される飾りソケット164(図15参照)とを備えている。飾り発光基板162は、その内縁が支持体104および受け体134の内縁よりも内側に延出すると共に、その外縁が受け体134の外縁よりも外側に延出している。また、飾り発光体163は、飾り発光基板162における受け体134の内縁よりも内側に延出する部位に、周方向に並べて複数配置され、受け体134の開口内側を介して上方へ光を照射するようになっている。更に、飾りソケット164は、飾り発光基板162において外縁側に偏倚して設けられおり(図11(b)参照)、前左飾り発光基板162および後飾り発光基板162の飾りソケット164は、支持体104および受け体134の外縁より外側に配置され、前右飾り発光基板の飾りソケット164は、第2支持台部128の第2支持周縁部129の内縁から外方へ切り欠き形成された逃げ凹部に臨んでいる。
前記飾り発光基板162は、一部範囲が受け体134の下側に重なるように延在している。これに対応して、受け体134は、飾り発光基板162の配設箇所に合わせて基板逃げ凹部134cが形成されている(図14および図15参照)。基板逃げ凹部134cは、受け体134の下部を下側に開放する凹状に切り欠いた部分であり、受け体134が支持体104に近接移動した際に、飾り発光基板162が基板逃げ凹部134cに収容される。
(飾り部)
前記複数の脚部154(飾り脚部167)には、可動体200を囲うと共に可動体カバー110に収容され、飾り発光基板162の飾り発光体163から照射された光に照らされる飾り部166が配設されている(図8参照)。すなわち、飾り発光基板162と飾り部166とにより、可動体カバー110の内側において可動体200の周囲を発光演出する飾り発光手段が構成されている。飾り部166は、可動体カバー110の変位方向に開口する円環状に形成され(図13参照)、可動体200の前後左右全周を取り巻いている。飾り部166は、透明な樹脂成形品を用いるなどにより光透過可能に形成されると共に、凹凸形状などにより光拡散処理が施され、飾り発光体163から照射された光を受けて全体的に発光し得るにようになっている。飾り部166は、受け体134の上側に配置され、内縁部が受け体134の内周縁よりも内側に延在すると共に、受け体134の直上(可動体カバー110の変位方向離間側)に外縁部の一部が重なっている。ここで、支持機構136は、通常位置で受け体134が飾り部166よりわずかに離間するように、係止部142によって係止するように設定してあり、上下に変位する受け体134が上側に重なっている飾り部166と干渉しないようになっている。
(操作検知手段)
前記操作検知手段106は、可動体カバー110の操作により上下変位する受け体134に設けられた操作検知部107と、支持体104に配設され、操作検知部107をセンシングする操作検知センサ108とから構成される(図9および図10参照)。操作検知手段106は、可動体200の前後左右を囲う可動体カバー110の周壁部114の下側に対応して、周方向に離間して複数配設されている。すなわち、複数の操作検知手段106は、可動体200を囲む枠状に形成された受け体134および支持体104の支持周縁部126,129に周方向に互いに離間して配置され、比較的大きい可動体カバー110の周壁部114下端を受ける略円環状の受け体134に合わせて操作検知手段106がバランスよく振り分けて配置される。ここで、操作検知手段106は、押圧操作による変位方向が鉛直線に対して斜めになるように配設された可動体カバー110の周壁部114下端における傾斜上側と傾斜下側との夫々に対応して配設され、実施例では2つの操作検知手段106,106が可動体200を挟んで対称な位置関係で配置されている。そして、操作検知手段106は、押圧操作に伴う可動体カバー110の可動体200に対して近接する下方変位を検知し、実施例では複数の操作検知手段106のうちの何れか1つの検知により、可動体カバー110の押圧操作を判定するよう構成してある。なお、実施例において、複数の操作検知手段106は、操作検知部107、操作検知センサ108およびこれらの配設構造が何れも同じである。
(操作検知部)
図11(b)および図15に示すように、前記受け体134は、環状の本体部分から外方へ膨出して内方および下方に開放した箱状に形成された操作検知設置部135を有し、この操作検知設置部135の周方向に延在する周壁内面中央部に、内方へ延出する板状片からなる操作検知部107が形成されている。また、操作検知部107は、上下方向に延在し、操作検知設置部135における周壁下部に、受け体134の上面より下方へ一段下がった操作検知設置部135の上壁から離間するように形成されている。操作検知部107は、受け体134の上下変位に伴って上下に移動し、可動体カバー110の押圧操作により受け体134が下方変位すると下側に移動し(図9(b)および図10(b)参照)、弾性部材144の付勢により受け体134が上方変位すると上側に移動し、常には通常位置にある受け体134と共に上側位置で保持されている(図9(a)および図10(a)参照)。
(操作検知センサ)
前記操作検知センサ108は、検知範囲に入った操作検知部107を接触することなく検知し得る非接触型のセンサが用いられ、例えば光電センサや近接センサなどを採用することができる。図14および図15に示すように、実施例の操作検知センサ108は、センサ基板109に配設されており、投光部108aと受光部108bとの間に設けられた溝に、検知対象となる操作検知部107があるか否かをセンシングする透過型(溝型)のフォトインタラプタである。操作検知センサ108は、センサ基板109から外方に向けて投光部108aおよび受光部108bが延出すると共に、投光部108aおよび受光部108bが略周方向に向かう合う姿勢で配設されており(図11(b)参照)、投光部108aと受光部108bとの間の溝が上下方向および外方に開口している。また、操作検知センサ108は、操作検知部107の上下変位経路に投光部108aと受光部108bとの間の溝が重なるように配置される。なお、センサ基板109は、操作検知センサ108が設置される上部と比べて下部が幅狭に形成されている。
(操作検知手段の検知方式)
前記操作検知手段106は、可動体カバー110の通常位置において操作検知部107が操作検知センサ108の検知範囲に位置すると共に(図9(a)および図10(a))、可動体カバー110が通常位置から可動体200に近づく操作位置への変位により操作検知部107が操作検知センサ108の検知範囲から外れるように構成されている(図9(b)および図10(b))。操作検知部107は、通常位置において操作検知センサ108の投光部108aと受光部108bとの間に位置して、投光部108aから照射される光を遮り、これにより操作検知センサ108の回路が遮断される。また、操作検知部107は、通常位置から操作位置に変位すると投光部108aと受光部108bとの間から下側にずれて検知範囲から外れて、投光部108aから照射した光の受光部108bによる受容を許容し、これにより操作検知センサ108の回路が接続されて操作信号(信号)が出力される。このように、操作検知手段106は、操作検知部107と操作検知センサ108とにより、所謂ノーマルオープン(A接点方式)の回路が構成されている。
前記操作検知センサ108から出力される操作信号は、装置中継基板160に配設された装置制御手段270(図23および図24参照)を介して統括制御基板65(統括制御CPU65a)に入力され、統括制御CPU65aは、入力された操作信号により可動体カバー110の押圧操作を判定するようになっている。すなわち、実施例では、統括制御CPU65aが操作判定手段として機能している。ここで、統括制御CPU65aに設定された操作判定条件は、複数の操作検知手段106のうちの全部、または該全部より少ない設定数が操作信号を出力したときに、可動体カバー110が押圧操作されたと判定するように設定されている。換言すると、統括制御CPU65aは、複数の操作検知手段106のうちの設定数以上の操作信号が入力されたときに、可動体カバー110の押圧操作を判定するよう設定される。実施例では、2つの操作検知センサ108,108の何れか1つまたは両方からの操作信号の入力を条件として、可動体カバー110の押圧操作を判定し、これに基づいて統括制御CPU65aは、パチンコ機10の遊技状態(演出種類選択用演出が行われる状態、操作変化系演出で演出を変化させる状態、バトル演出などの特定の演出モードが行われる状態、デモ演出モード等)に応じて遊技演出(演出種類選択用演出、操作変化系演出、バトル演出などの特定の演出、デモ演出など)を実行するよう制御する。
(操作検知センサのセンサ設置部)
前記操作検知センサ108は、支持体104に設けられたセンサ設置部にセンサ基板109が保持されている。センサ設置部は、第1支持台部124に設けられ、周方向に離間して対向形成された下部センサ設置片124a,124aにより上方に開口すると共に互いに開口が向かい合うように画成される一対の下部溝124b,124b(図14参照)と、第2支持台部128に設けられ、周方向に離間して対向形成された上部センサ設置片128b,128bにより下方に開口すると共に互いに開口が向かい合うように画成される一対の上部溝128c,128c(図15参照)とを備えている。センサ基板109は、その下部を第1支持台部124における一対の下部溝124b,124bに挿入することで、周方向および内外方向に位置規制された状態で保持され、また、その上部を第2支持台部128における一対の上部溝128c,128cに挿入することで、周方向および内外方向に位置規制された状態で保持される。そして、第1支持台部124および第2支持台部128を組み合わせると、センサ基板109は、第1支持台部124と、第2支持台部128との間に挟まれて、上下方向に位置規制される(図9参照)。そして、上部溝128c,18cを画成する一対の上部センサ設置片128b,128bの間から操作検知センサ108の投光部108aおよび受光部108bが外方へ向けて延出し、投光部108aと受光部108bとの間を操作検知部107が通過するようになっている。
図11(b)および図15に示すように、前記上部センサ設置片128bにおける周方向に延在する外側の片部分先端には、外方へ延出するガイド片128dが夫々形成され、このガイド片128dが操作検知設置部135の内外方向に延在する横壁135aの内側に配置されている。すなわち、支持体104における第2支持台部128から外方へ延出する一対のガイド片128dが、受け体134における操作検知設置部135の横壁135a,135a間に挟まれて、ガイド片128dと当該横壁135aとの当接により受け体134における周方向の移動を規制し得るようになっている。このように、可動体カバー110の操作面部112が手の平よりも大きい大型ボタンとなっているので、操作面部112を操作する位置によっては可動体カバー110が傾くよう変位するおそれがあるが、操作検知部107が設けられた操作検知設置部135と操作検知センサ108が設置されたセンサ設置部とで互いにガイドしているので、可動体カバー110が傾くように押圧されたとしても、操作検知部107と操作検知センサ108との位置ズレを防止できる。従って、操作検知部107が操作検知センサ108に干渉することなく、操作検知センサ108による操作検知部107の検知に基づく押圧操作の判定をより確実に行うことができる。
(可動体カバーと操作検知手段との関係)
図9に示すように、前記可動体カバー110には、受け体134に設けられた複数箇所の操作検知設置部135に対応して、周壁部114の開口縁に押さえ片118が形成されている。押さえ片118は、周壁部114より半径方向外方へ延出する板状部分であり、その下面が操作検知設置部135の上壁上面に当接するようになっている。これにより、遊技者の押圧操作に伴う可動体カバー110の変位を、押さえ片118を介して操作検知設置部135に伝えることができ、操作検知部107の配設部位から外れた位置で可動体カバー110が傾くように押圧されたとしても、押さえ片118による検知設置部135の押圧により操作検知部107を適切に変位させることができる。従って、操作検知センサ108による操作検知部107の検知に基づく可動体カバー110の押圧操作の判定をより確実に行うことができる。
(縁取り部材)
前記可動体カバー110と前記受け体134との接続部分は、支持体104に配設された縁取り部材168によって覆われている(図6(a)および図7(a)参照)。縁取り部材168は、可動体カバー110における周壁部114の根元部分114bに合わせて円形に形成された開口を画成する枠状縁部168aと、この枠状縁部168aの外縁から下方へ延出し、受け体134の周囲を覆う周覆部168bとを備えている(図13参照)。縁取り部材168は、周覆部168bの内側に設けられたボスを支持体104における第2支持台部128の第2支持周縁部129に設けられたボス孔に嵌め合わせ、ボス孔を介してボスにネジ止めすることで、第2支持台部128に固定される。すなわち、可動体カバー110は、縁取り部材168における枠状縁部168aの開口を通って上方に突出しており、この枠状縁部168aが前枠13側の意匠面を構成している(図1および図3参照)。なお、可動演出装置100は、縁取り部材168によって前装飾部材94に可動体カバー110に合わせて開設された設置開口を覆い、ベース体102および支持体104がベース部材93とこのベース部材93を囲む前装飾部材94との間に収容されている。
(可動体)
図20〜図22に示すように、前記可動体200は、支持体104に設けられた第1回転支持部を介して該支持体104に対して第1軸線L1周りに回転可能に支持された第1可動部材202と、第2回転支持部を介して第1可動部材202に対し第1回転支持部と交差する方向に延在する第2軸線L2周りに回転可能に支持された第2可動部材204とを備えている。第1可動部材202は、支持体104の機構設置体170に配設された第1駆動手段としての第1駆動モータ206の駆動により該支持体104に対して回転すると共に、第2可動部材204は、第1可動部材202に配設された第2駆動手段としての第2駆動モータ208の駆動により第1可動部材202に対して回転するよう構成されている。第2可動部材204は、第1可動部材202を挟んで位置する第1演出体210および第2演出体212を備え、第1可動部材202に対して第2可動部材204の第1および第2演出体210,212を組み付けることで、可動体200が全体として略球体となるように構成されている(図20参照)。そして、可動体200は、可動体カバー110によって覆われて、手で触れることができないようになっている(図8および図9参照)。
図11(b),図12および図20に示すように、実施例の可動体200は、第1可動部材202が左右方向に延在する第1軸線L1を回転中心として回転するよう支持体104に対して支持され、第1可動部材202に対する第2可動部材204の回転中心となる第2軸線L2が第1軸線L1と直交するように延在している。そして、可動体200における第2可動部材204の第1演出体210が支持体104から露出して可動体カバー110を介して外方から視認可能となる状態を、可動演出装置100の初期状態とし、この初期状態において第2軸線L2が上下方向(可動体カバー110の変位方向)に延在し、このとき第2可動部材204の第2演出体212が、支持体104、第1可動部材202および第1演出体210によって隠されて視認不能になっている。また、初期状態にある第1可動部材202の回転停止位置を第1位置といい(図20(a)および(b))、このとき第2可動部材204の第1演出体210が第1可動部材202の上側に位置する一方で、第2可動部材204の第2演出体212が第1可動部材202の下側に位置している。第1位置における第1演出体210の停止位置に第2演出体212を位置させる第1可動部材202の回転停止位置を第2位置という(図20(c)および(d))。第1可動部材202の第2位置において、第2演出体212が第1可動部材202の上側に位置して支持体104から露出して可動体カバー110を介して外方から視認可能となり、第1演出体210が第1可動部材202の下側に位置して、支持体104、第1可動部材202および第2演出体212によって隠されて視認不能になっている。このように、第2軸線L2は、第1可動部材202の回転に伴って向きが変わり、上下方向に延在した状態から前後方向に延在した状態を介して上下反転して上下方向に延在し、第1可動部材202の第1位置と第2位置との回転により第1演出体210と第2演出体212とが上下反転するようになっている。
(第1駆動機構)
前記第1可動部材202を回転させる第1駆動機構について説明する。図16および図17に示すように、第1駆動機構は、支持体104における第1支持台部124に取り付けられる機構設置体170に設置された第1駆動モータ206と、機構設置体170に回転可能に配設され、第1駆動モータ206の出力軸に固定された駆動ギア214と噛み合う連係ギア215とを備え、連係ギア215が第1可動部材202に配設された従動ギア216に噛み合っている。第1駆動モータ206は、正逆回転および変速等の各種制御が可能なステッピングモータ等の電動モータであり、減速用のギアボックスが内蔵されている。なお、駆動ギア214、連係ギア215および従動ギア216は、何れも平歯車である。そして、第1駆動機構は、第1駆動モータ206が駆動制御されて、支持体104に対して第1回転支持部を介して回転可能に支持された第1可動部材202を、第1位置および第2位置に反転し得るようになっている。
(機構設置体)
図16および図17に示すように、前記機構設置体170は、第1支持台部124の右側部に配設された板状の第1機構設置部171と、この第1機構設置部171の下部左側に配設され、第1機構設置部171と離間して対面配置された板状の第2機構設置部172とを備えている。機構設置体170は、第1支持台部124の第1支持周縁部126を右方へ開放する凹状に切り欠くように形成された機構設置凹部124cに収容されて位置決めされ、第1機構設置部171を第1支持周縁部126にネジ止め固定している。第1機構設置部171は、その下部が第1支持台部124の第1支持周縁部126より下方へ延出して、ベース体102の機構収容凹部121に収容されて、その上部が第1支持周縁部126より上方に延出して、第2支持台部128の内側を通って該第2支持台部128の第2支持周縁部129の上方まで延在している。ここで、第1機構設置部171は、その上部が受け体134の内側に位置して、受け体134の上下変位に干渉しないよう配置されると共に、その上端が通常位置にある受け体134の下面より下方に位置して、受け体134が変位しても見えないようになっており、支持体104および受け体134の内側スペースを用いて部材の設置面を広く確保している。第1機構設置部171は、可動体200側となる左側面がギア214,215,216等の配置に用いられる一方で、外方に臨む右側面に、可動演出装置100に配設された電気機器108,206,156,162,228の配線が接続されると共に、統括制御基板65に電気的に繋がる配線が接続される装置中継基板160が配設されている。
前記第1機構設置部171の右側面外周縁には、右方へ延出する基板保持リブ171aが形成されている(図16参照)。第1機構設置部171の前部から上部にかけて延在する基板保持リブ171aが、装置中継基板160の周囲を囲って位置決めすると共に、該第1機構設置部171の下部から後部にかけて延在する基板保持リブ171aが、装置中継基板160の左側面に当接し該装置中継基板160を第1機構設置部171から所定間隔離間するよう保持している。また、第1機構設置部171の右側面に設置された装置中継基板160の右側には、該装置中継基板160を部分的に覆うガード部材173が、第1機構設置部171の右側面に突設されたボスにネジ止めして取り付けられている。ガード部材173は、第1機構設置部171に設置した装置中継基板160に実装されたICチップ等のデバイスを保護するためのものである。
前記第2機構設置部172は、第1機構設置部171にネジ止めされるボスによって部品設置面が第1機構設置部171から離間した状態とされ、第1機構設置部171の下部に取り付けられて、第1支持台部124の第1支持周縁部126の下方に配置されている。第2機構設置部172は、ベース体102の機構収容凹部121に収容されており、その下端が機構収容凹部121の底部に配設された防振体132に載置されている。第2機構設置部172の左側面後部には、第1駆動モータ206がその出力軸を第1機構設置部171と第2機構設置部172との間の設置スペースに向けて延出させた姿勢で配設されており、この設置スペースに突出する出力軸の端部に取り付けた駆動ギア214が該設置スペースに収容されている。ここで、第1駆動モータ206は、第1支持周縁部126より下方へ球形状で膨らむ可動体収容部125の後側に位置し、前側よりも後側が高くなっているベース体102により傾いた姿勢で支持体104が支持されることで、第1支持周縁部126における後側部分の下側に前側と比べて広くあくスペースに配置されている。また、第1機構設置部171と第2機構設置部172との間の設置スペースには、駆動ギア214の前斜め上側に位置して、第2機構設置部172から右方向へ突出するギア支軸172a(図16および図17参照)に、連係ギア215が回転可能に支持されており、連係ギア215の上部が第1支持周縁部126より上側に臨んでいる。
(第1回転支持部における右側の軸受構造)
前記第1機構設置部171の上部には、第1回転支持部における右側の軸受を構成する駆動側軸受部174が形成されている(図16および図17参照)。駆動側軸受部174は、左右方向に貫通する軸孔を画成する円筒体形状に形成されており、第1機構設置部171から右側方へ延出している。駆動側軸受部174は、第2支持台部128の第2支持周縁部129より上側に位置すると共に、該第2支持台部128の内側に位置しており、第1可動部材202の右側面に設けられた可動体支持軸218が軸孔に挿入されて、第1回転支持部における右側の軸をなす可動体支持軸218を回転可能に支持している。なお、実施例では、スリーブ219を装着した可動体支持軸218を駆動側軸受部174で支持している。ここで、駆動側軸受部174の上部には、第1機構設置部171の上縁に延在する前記基板保持リブ171aが連なっている。すなわち、駆動側軸受部174は、軸孔に挿入された可動体支持軸218を介して加わる可動体200の荷重を基板保持リブ171aに分散して受けることができ、可動体200の動作に伴って荷重が一時的に増大しても可動体200(可動体支持軸218)を適切な姿勢で支持することができる。
次に、第1可動部材202および第2可動部材204について説明する。なお、第1可動部材202および第2可動部材204の説明では、特に断りがない場合は、可動演出装置100が初期状態にあるときの各部材の位置関係を基準としている。すなわち、可動体200は、第1可動部材202が第1位置にあり、第2可動部材204の第1演出体210が第1可動部材202の上側(第2軸線方向一方)に位置すると共に、第2可動部材204の第2演出体212が第1可動部材202の下側(第2軸線方向他方)に位置している。
(第1可動部材)
図21および図22に示すように、前記第1可動部材202は、円形状に形成されて下方に開口する第1半体222と、該第1半体222の開口縁に合わせた円環状に形成された第2半体224とから構成されている。第1可動部材202は、第1半体222の下側に第2半体224が組み付けられ、全体として下方に開口した外形が円形の略器状に形成されている。第1可動部材202の内側には、第2可動部材204を回転可能に支持すると共に第2駆動機構が設置される演出設置体226が配設されている。また、第1可動部材202の内側には、演出設置体226を第2軸線方向に挟んで、第2可動部材204の第1演出体210を内側から照明する第1照明基板228と、第2可動部材204の第2演出体212を内側から照明する第2照明基板230とが配設されている。
(第1半体)
図21に示すように、前記第1半体222は、円形に形成された円板部232と、この円板部232の外周縁から下方へ向かうにつれて外方(水平方向)に僅かに広がるように延出し、該円板部232の外周縁全周に亘って環状に形成された外周板部233とを有し、円板部232と外周板部233とが一体形成されている。円板部232は、水平方向に略平坦に延在する外周縁よりも中央部が上方に僅かに突出して台部が形成された段状になっており、中央部に第2回転支持部の軸受を構成する第1軸支部234が、上方に延出するように形成されている。第1軸支部234は、円板部275の厚み方向(上下方向)へ貫通する軸孔が形成された円筒状であり、この軸孔には、第2回転支持部の軸を構成する回転軸236が挿通され、第1軸支部234で回転軸236を回転可能に支持している。円板部232には、複数(実施例では10個)の照射口232aが、第1軸支部234を中心とする円周上において周方向へ等間隔に形成されている。各照射口232aは、半径方向外側から内側に向かうにつれて幅狭になるように、円板部232の前記台部に形成されており、外側の開口縁が該台部と外周縁との境界にほぼ揃っている。各照射口232aには、円板部232の下側に配設される第1照明基板228の上面に配設されたLED等の第1照明発光体229が臨み、該照射口232aを介して第1照明発光体229から光が上方へ照射される。外周板部233は、基本的に球面の一部をなすように湾曲すると共に、第2半体224に臨む下側の開口端部が、周方向へ所要間隔毎に凹凸状に形成されている。
前記円板部232の下側には、該円板部232の下面における第1軸支部234の軸孔を挟む位置に突設された2つの位置決めピンを、第1照明基板228の位置決め孔に夫々嵌合すると共に、位置決めピンに隣接して設けられた基板ボス232bに第1照明基板228のネジ孔を介してネジ止めして、第1照明基板228が固定されている。複数の位置決めピンは、円板部275の中心(第1軸支部234の軸孔)からの距離が異なるように配置され、円板部232に対する向きが合わないと第1照明基板228を取り付けることができず、規定通りに第1照明基板228を取り付けるだけで該第1照明基板228の第1照明発光体229を照射口232aに合わせることができる。また、円板部232の下面には、外周板部233に近接した縁部に、複数の設置体ボス232cが下方へ延出形成されており、第1照明基板228の外縁の切欠228bを介して該第1照明基板228の下方へ突出する設置体ボス232cの下端に演出設置体226が取り付けられている。
(第2半体)
図21および図22に示すように、前記第2半体224は、第1半体222の外周板部233の開口端に整合する大きさで環状に形成されている。第2半体224は、第1半体222の外周板部233から離れるにつれて半径方向内方へ傾斜しており、外周板部233に当接する上側の開口端部の直径より、第2演出体212に臨む下側の開口端部の直径が僅かに小さくなっており、第2半体224は球面の一部をなすように形成されている。第1可動部材202は、第1半体222が例えば黒色の樹脂材などから光を透過不能に構成される一方で、第2半体224が、有色透明な樹脂材から光を透過可能に構成されている。また、第1半体222の外方に露出する意匠面が平滑に形成されているのに対して、第2半体224の外方に露出する意匠面は、凹凸状に形成されている。これにより、第2半体224は、第2照明基板230の第2照明発光体231から光を照射した際に、照射光を透過させ得ると共に凹凸形状に光を拡散して全体的に発光させ得るようになっている。
(第1可動部材の取付部)
図21および図22に示すように、前記第1可動部材202には、左右の側面に、上下および前後に延在する平面状に形成された取付部238,240が夫々形成されている。第1可動部材202の右側面に形成される第1取付部238と、第1可動部材202の左側面に形成される第2取付部240とは、第1可動部材202において第1軸線L1の延在方向(第1軸線方向)に対向するように設けられており、互いに平行に延在している。すなわち、第1半体222では、第1軸支部234を左右に挟む外周板部233の対面部位に、円板部232の上面に対して鉛直に延在するように平面部分が形成され、第2半体224では、外周板部233の平面部分に連なる平面部分が形成され、両半体222,224の平面部分が同一平面を形成して取付部138,140を構成している。また、各取付部138,140には、第1半体222の外周板部233の下端から半円状に切り欠いた凹部と、第2半体224の上縁から半円状に切り欠いた凹部とを、互いに開口端を突き合わせることで円形に開口する可動体開口部238a,240aが設けられている。可動体開口部238a,240aは、第1可動部材202を第1軸線方向に貫通するように開口して、第1可動部材202の内部空間に連通し、第1回転支持部で第1可動部材202が支持された際に、その開口中心を第1軸線L1が通るように設定される。また、各取付部238,240には、可動体開口部238a,240aの開口縁に沿って延在すると共に外側方(第1軸線方向)に突出する当接凸条238b,240bが形成されており、第1半体222側の半円弧状の当接凸条238b,240bと第2半体224側の半円弧状の当接凸条238b,240bとが繋がって環状に延在している。
図21および図22に示すように、前記取付部238,240の夫々には、当接凸条238b,240bよりも外側方(第1軸線方向)へ大きく突出する複数本(実施例では4本)の取付ボス239,241が形成されている。取付部238,240の夫々には、第1半体222側に、可動体開口部238a,240aを挟んで前後に離間して一対の取付ボス239,241が設けられると共に、第2半体224側に、可動体開口部238a,240aを挟んで前後に離間して一対の取付ボス239,241が設けられている。第1取付部238には、4本の第1取付ボス239が第1軸線L1を中心とした円上に並んでいる。これに対して、第2取付部240には、前後に長辺がある長方形の角に4本の第2取付ボス241が並ぶ関係に設定されている。すなわち、第1半体222に設けられる前後2本の第2取付ボス241,241の間隔と、第2半体224に設けられる前後2本の第2取付ボス241,241の間隔とが同じであるが、前後2本の第2取付ボス241,241の間隔と上下2本の第2取付ボス241,241の間隔とが異なっている。ここで、右側の第1取付部238の第1可動体開口部238aと比べて左側の第2取付部240の第2可動体開口部240aが大きく、かつ第1取付部238の第1当接凸条238bと比べて第2取付部240の第2当接凸条240bの径が大きく設定され、第1取付部238の第1取付ボス239と比べて第2取付部240の第2取付ボス241が第1軸線L1から遠くに配置されており、第1取付部238と第2取付部240との取り違いを防止している。なお、第1取付部238には、第1半体222側の2本の第1取付ボス239,239の間に、外側方へ突出する取付ピン238cが形成されている。
(第1半体と第2半体との組み付け)
前記第1取付部238には、第1半体222側の第1取付ボス239および第2半体224側の第1取付ボス239の夫々に対してネジ止めすることで、前記従動ギア216が取り付けられ、該従動ギア216が第1半体222と第2半体224との両方に跨るように固定される。同様に、第2取付部240には、第1半体222側の第2取付ボス241および第2半体224側の第2取付ボス241の夫々に対してネジ止めすることで、第1回転支持部の軸となる可動体支持部材242が取り付けられ、該可動体支持部材242が第1半体222と第2半体224との両方に跨るように固定される。このように、第1可動部材202は、右側面の第1取付部238に取り付けられる従動ギア216と、左側面の第2取付部240に取り付けられる可動体支持部材242とによって、第1半体222と第2半体224とが組み付けられている。また、第1可動部材202は、第1半体222における外周板部233の開口端縁における各凸部と、第2半体224の開口端縁において平坦な部分が当接し、外周板部233の開口端縁における凹部と第2半体224の開口端縁との間に該第1可動部材202の周回りに互いに離間して、複数の通口202aが形成される。ここで、第1可動部材202では、演出設置体226の上側に配設されて第1半体222の円板部232の下側に配置される第1照明基板228と、演出設置体226の下側に配置されて第2半体224に囲われて該第2半体224の下方開口に整合するように配置される第2照明基板230との間に、前記通口202aが該第1可動部材202の内部空間に連通するように開口し(図20(b)および(c)参照)、該内部空間に、照明基板228,230や演出設置体226に配設された第2駆動モータ208が発する熱がこもらないようにしてある。
(従動ギア)
前記従動ギア216は、平歯車であり、第1可動部材202における第1取付部238の第1取付ボス139に対応して、4箇所の第1取付凹部216aが形成されている。また、従動ギア216には、第1可動部材202側の内端面中央から第1可動部材202側に向けて突出する軸固定部216bが設けられ(図22参照)、この軸固定部216bに回転不能に保持されて、第1可動部材202と反対側の外端面中央から外方に向けて突出するように、前記可動体支持軸218が配設されている。なお、可動体支持軸218は、金属製の棒状部材である。従動ギア216の外端面には、装置中継基板160に配設された可動位置検知センサ182,183の検知対象となる可動位置検知部217が形成されている(図21参照)。すなわち、可動演出装置100では、第1可動部材202の位置を検知する可動位置検知手段が、可動位置検知センサ182,183と可動位置検知部217により構成されている。可動位置検知部217は、従動ギア216の外端面外縁部から右側方へ突出すると共に、該従動ギア216の回転中心を通る円の一部をなすように円弧状に延在する板状片である。そして、4本の第1取付ボス138を4箇所の第1取付凹部216aに夫々嵌め合わせて、第1取付凹部216aの底部に開設されたネジ孔を介して第1取付ボスにネジ止めすることで、第1可動部材202と従動ギア216とが固定される。このとき、従動ギア216は、軸固定部218bが第1可動体開口部238aに挿入されると共に、前記内端面が第1当接凸条238bに当接して第1軸線方向の位置決めがなされ、該従動ギア216の歯面が第1可動部材202の側面から僅かに離れた位置に配置される。また、従動ギア216は、第1可動部材202における第1取付部238の取付ピン238cを該従動ギア216の内端面に開設された取付ピン孔(図示せず)に嵌め合わせて、第1可動部材202と従動ギア216との第1軸線周りの相対的な向きを決定し、これにより従動ギア216に設けられた可動位置検知部217と第1可動部材202との関係が規定通りに合わせられている。なお、4箇所の第1取付凹部216aは、従動ギア216の端面中央(可動体支持軸218)を中心する円上に並んでおり、可動体支持軸218と第1可動部材202の第1可動体開口部238aの中心とが揃っている。
(可動体支持部材)
図21および図22に示すように、前記可動体支持部材242は、円盤状体の中央に貫通孔が形成された略ドーナツ状に形成された軸取付部246と、この軸取付部246の貫通孔を囲む円筒形状に形成された回転支持軸部247とが一体的に設けられ、回転支持軸部247から軸取付部246に亘って連通する配線通口242aが形成されている。可動体支持部材242は、軸取付部246における第1可動部材202と反対側の外端面に、回転支持軸部247が外側方(左側方)へ突出しており、軸取付部246における第1可動部材202に臨む内端面に開口して、第1可動部材202における第2取付部240の第2取付ボス241に対応して、4箇所の第2取付凹部246aが形成されている。そして、第2取付部240における4本の第2取付ボス241を4箇所の第2取付凹部246aに夫々嵌め合わせて、第2取付凹部246aの底部に開設されたネジ孔を介して第2取付ボス241にネジ止めすることで、第1可動部材202と可動体支持部材242とが固定される。ここで、可動体支持部材242を第2取付部240に取り付けた際に、第2当接凸条240bが軸取付部246の内端面に当接して第1軸線方向の位置決めがなされると共に、可動体支持部材242の配線通口242aが第2可動体開口部240aに整合し、第1可動部材202の内部に繋がる配線通路が形成される。このように、第1可動部材202の右側を支える軸となる可動体支持軸218が金属棒で構成されるのに対し、第1可動部材202の左側を支える軸となる可動体支持部材242の回転支持軸部247が樹脂からなる円筒体となっている。なお、可動体200の左側面に設けられた第2取付部240の第2可動体開口部240aおよび前記配線通口242aには、第1可動部材202の内部に配設される第1照明基板228に繋がる配線が通り、この配線がベース体102の可動体収容凹部120の下側を通って支持体104の右側に配置された装置中継基板160に接続されている。
(本体支持部)
図16に示すように、前記支持体104において第1支持台部124の第1支持周縁部126の左側部には、第1可動部材202を支持する第1回転支持部の軸受としての従動側軸受部250が配設される本体支持部176が形成されている。本体支持部176は、第1支持周縁部126の上面から上方へ立ち上がると共に前後に延在する壁状に形成されており、上方に開放した略半円状の軸受収容凹部177を備えている(図14参照)。軸受収容凹部177には、前および後側の壁に、互いに向き合う方向および上方に開口する一対の規制溝177a,177aが対向して形成されると共に、該軸受収容凹部177の底部に、位置決め溝177bが形成されている。また、軸受収容凹部177には、その外側縁に沿って規制凸条177cが立ち上がっている。本体支持部176は、機構設置体170に対して可動体収容部125を挟んで向かい合っており、第2支持台部128の内側を通って第2支持周縁部129の上面より上端が上方に位置している。
(従動側軸受部)
前記従動側軸受部250は、回転支持軸部247が挿通される軸孔を有する円環状の本体部分の両側部に周方向に180°の角度間隔をあけて、半径方向外側に延出形成された一対の軸受規制片250a,250aと、該本体部分の下部に半径方向外方に延出形成された軸受位置決め片250bと、該本体部分における外側の開口縁上部に、本体部分の開口方向に沿って延出形成された軸受固定片250cとを備えている(図21および図22参照)。軸受規制片250aは、本体部分周面における外縁(第1可動部材202から遠い側の縁)に上下方向に延在するように設けられている。軸受位置決め片250bは、本体部分の周面に該本体部分の開口方向に沿って延在している。軸受固定片250cは、左側方へ向けて略水平方向に延在している。そして、従動側軸受部250は、軸受位置決め片250bを位置決め溝177bに嵌め合わせると共に、2つの軸受規制片250a,250aを前後の規制溝177a,177aに対応的に挿入して、軸受収容凹部177に収容した状態で配設される。すなわち、従動側軸受部250は、軸受位置決め片250bを位置決め溝177bに嵌め合わせることで、軸受収容凹部177に対する周方向の配設向きを規定通りとすることができ、規制溝177aと軸受規制片250aとの係合、および本体部分と規制凸条177cとの係合により軸受収容凹部177に対する左右方向(第1軸線方向)の移動が規制される。ここで、規制凸条177cは、従動側軸受部250における本体部分の厚み程度の突出寸法に設定されており、軸受収容凹部177に収容された従動側軸受部250の軸孔に規制凸条177cが重ならないようになっている。本体支持部176の前部上面には、前側の第1台座部178の上面を覆う第1保持受部180の一部が重なっており(図12参照)、この第1保持受部180の一部により前側の規制溝177aの上方開口が塞がれて、前側の規制溝177aに挿入した軸受規制片250aの抜け止めが図られる。なお、軸受収容凹部177に配設された従動側軸受部250における軸受固定片250cの上方には、第2支持台部128における第2支持周縁部129の左側部に、軸受収容凹部177に配設された従動側軸受部250の周面上部に合わせて下方に開放したアーチ状に形成されたアーチ凹部126eが延在している(図11(a)参照)。
(第1回転支持部)
前記第1可動部材202の右側を支える軸となる可動体支持軸218は、機構設置体170の上部に設けられた駆動側軸受部174の軸孔に差し込まれ、該駆動側軸受部174に回転可能に支持される。また、可動体支持軸218を駆動側軸受部174で支持することで、従動ギア216の歯面下部が連係ギア215の歯面上部に噛み合い、第1駆動モータ206の回転駆動が駆動ギア214および連係ギア215を介して従動ギア216に伝達可能になる。第1可動部材202の左側を支える軸となる回転支持軸部247は、支持体104の本体支持部176に配設された従動側軸受部250の軸孔に差し込まれ、該従動側軸受部250に回転可能に支持される。このように実施例では、可動体支持軸218、駆動側軸受部174、回転支持軸部247および従動側軸受部250により第1回転支持部が構成されている。ここで、可動体支持軸218の軸中心および回転支持軸部247の軸中心を通る直線が、第1回転支持部の軸線である第1軸線L1となり、第1可動部材202(可動体200)が支持体104に対して第1軸線L1を中心とした回転が可能に支持される。そして、第1軸線L1は、支持体104の上面(第2支持台部128の第2支持周縁部129上面)に高さがおおよそ揃うように設定されており、第1可動部材202が第1位置にあるときに第1半体222が支持体104より上側に位置して第2半体224が下側に隠れ、第1可動部材202が第2位置にあるときに第2半体224が支持体104より上側に位置して第1半体222が下側に隠れる。すなわち、第1可動部材202は、第1駆動モータ206を正逆回転制御することで、第2半体224が可動体収容部125に相対すると共に第1半体222が外方から視認可能となる第1位置と、第1半体222が可動体収容部125に相対すると共に第2半体224が外方から視認可能となる第2位置とに、180°の角度範囲で回動変位し得るよう構成されている。
(可動位置検知手段)
前記可動演出装置100は、第1可動部材202の位置を検知するための可動位置検知手段を備えている(図20参照)。可動位置検知手段は、従動ギア216の外端面に形成された前記可動位置検知部217と、装置中継基板160における第1可動部材202に相対する面上部に、前後に離間して配設された一対の可動位置検知センサ182,183とから構成されている。可動位置検知センサ182,183は、検知範囲に入った可動位置検知部217を接触することなく検知し得る非接触型のセンサが用いられ、例えば光電センサや近接センサなどを採用することができる。実施例の可動位置検知センサ182,183は、透過型(溝型)のフォトインタラプタであり、装置中継基板160から第1可動部材202側に突出する投光部と受光部との間に設けられた溝に、検知対象となる可動位置検知部217が第1可動部材202の回転に伴って位置するように配置される。可動位置検知手段は、第1可動部材202の第1位置において可動位置検知部217が前側に配置された第1可動位置検知センサ182の検知範囲(投光部と受光部との間)に位置する一方で(図20(a)および(b))、可動位置検知部217が後側に配置された第2可動位置検知センサ183の検知範囲から外れる。また、可動位置検知手段は、第1可動部材202の第2位置において可動位置検知部217が第1可動位置検知センサ182の検知範囲から外れる一方で、可動位置検知部217が第2可動位置検知センサ183の検知範囲に位置するように構成される(図20(c)および(b))。可動位置検知手段は、可動位置検知部217が可動位置検知センサ182,183の投光部と受光部との間に位置した際に、可動位置検知センサ182,183の回路が接続されて可動位置信号(信号)が後述する装置制御手段270を介して統括制御基板65に向けて出力される(図24参照)。そして、統括制御基板65(統括制御CPU65a)は、第1可動位置検知センサ182からの可動位置信号に基づき第1可動部材202が第1位置にあることを判定し、第2可動位置センサ183からの可動位置信号に基づき第1可動部材202が第2位置にあることを判定し、この判定に応じて第1駆動モータ206を装置制御手段270を介して駆動制御している。
(台座部)
前記支持体104における第1支持台部124の第1支持周縁部126上面には、本体支持部176の前および後側に連ねて一対の台座部178,179が設けられている(図16参照)。ここで、台座部178,179は、第1可動部材202の動作方向に対応して配置され、実施例では左右方向に延在する第1軸線L1を中心に前側または後側に反転する第1可動部材202の動作方向に対応して、第1軸線を挟んで前後方向に振り分けて一対の台座部178,179を配置している。各台座部178,179は、本体支持部176の上端よりも上面が低く設定されると共に、その上面が本体支持部176よりも第1軸線方向内方(右側方)に延在しており、上面に板金からなる保持受部180,181が夫々配設されている。
(保持手段)
実施例の可動演出装置100は、第1可動部材202を第1位置および第2位置の各位置で保持する保持手段を備えている。保持手段は、第1可動部材202に設けられ、該第1可動部材202と共に移動する保持体252と、支持体104に設けられた前側の第1台座部178の上面に配設された第1保持受部180と、支持体104に設けられた後側の第2台座部179の上面に配設された第2保持受部181とを備えている(図12参照)。保持体252は、可動体支持部材242の軸取付部246に設けられた保持体固定部248に保持されて、第1可動部材202の動作につれて第1軸線L1を中心に回転変位するようになっている。なお、保持体252は、第1可動部材202の第1位置と第2位置との間を回転に伴い、第1軸線L1を中心とした上方へ凸となる円弧状軌跡で移動する。そして、保持体252は、第1可動部材202の第1位置で可動体支持部材242(第1軸線L1)の前側に位置し、第1可動部材202の第2位置で可動体支持部材242(第1軸線L1)の後側に位置する。保持体固定部248は、可動体支持部材242の軸取付部から半径方向外側に延出すると共に、右側方(第1可動部材202側)に開口する箱状に形成されて、矩形ブロック状の永久磁石からなる保持体252を収容保持するようになっている。保持体固定部248に保持された保持体252の右側縁は、第1半体222の外周板部233の下端および第2半体224の上端を凹設して第2可動体開口部240aから前側に延在するように形成された切欠を介して第1可動部材202に挿入されて位置決めされている。
前記保持受部180,181は、磁石からなる保持体252の磁力により引き付けられる鉄等の磁性体を材質とする板材である。第1保持受部180および第2保持受部181は、第1可動部材202の回転に伴う保持体252の回転軌跡に重なるように配置されている。本体支持部176と第1可動部材202との間で移動する保持体252に合わせて、第1保持受部180は、第1可動部材202の第1位置において保持体252と上下方向で対面するように配設され(図12参照)、第2保持受部181は、第1可動部材202の第2位置において保持体252と上下方向で対面するように配設されている。すなわち、第1可動部材202が第1位置にある場合には、保持体252が第1保持受部180に磁力により引っ付くことで該第1可動部材202が第1位置に保持され、第1可動部材202が第2位置にある場合には、保持体252が第2保持受部に磁力により引っ付くことで該第1可動部材202が第2位置に保持される。ここで、回転動作する第1可動部材202の回転停止は、保持体252と保持受部180,181との当接によるものではなく、第1駆動モータ206の駆動停止によって基本的に規定されるが、第1駆動モータ206のステップずれなどの不良が生じた際に、保持体252と保持受部180,181との当接によりストッパとして機能し、第1可動部材202が過度に回転することによる配線の断線などの不具合の発生を防止できる。しかも、保持受部180,181は、板金からなるので強度に優れている。
(第1照明基板)
前記第1照明基板228は、第1半体222の円板部232の内面と略同じ外形形状で略円形に形成されている(図21および図22参照)。第1照明基板228は、その中央に、前述した第1軸支部234の軸孔に挿通した回転軸236の挿通を許容する回転軸開口228aが形成されると共に、外周縁には、4つの設置体ボス232cに整合する切欠228bが形成されている。第1照明基板228は、円板部232に対向する上面に、回転軸開口228aを中心とする円周上に複数(実施例では10個)のLED等の第1照明発光体229が、円板部232に設けられた各照射口232aに臨むように、周方向へ等間隔に配設されている。
(演出設置体)
前記第1可動部材202の内部に配設される演出設置体226は、外周縁に壁が上方に立ち上がる略長方形のトレイ状に形成された本体部分と、この本体部分略中央から下方へ延出する第2軸支部254とが一体的に形成された合成樹脂の成形部材である(図21および図22参照)。演出設置体226には、第2可動部材204を回転するため第2駆動機構が配設されている。演出設置体226は、本体部分における4つの角隅部を設置体ボス232cにネジ止めして、円板部232との間に第1照明基板228および第2駆動機構のギア256,257の配設スペースをあけた状態で第1半体222に取り付けられている。第2軸支部254は、上下に貫通する軸孔を有し、この軸孔に挿通された回転軸236を回転可能に保持するようになっている。前記第1軸支部234と共に第2回転支持部の軸受を構成する第2軸支部254は、第1半体222に設けられた第1軸支部234と反対方向となる下方へ延出して形成され、該第2軸支部254の軸孔と第1軸支部234の軸孔とは同一直線上に位置し、第2可動部材204を支持する回転軸236が両軸孔に挿通される。すなわち、実施例では、第1軸支部234、第2軸支部254および回転軸236によって第2回転支持部が構成されている。そして、第2軸支部254の軸孔と第1軸支部234の軸孔を通る軸線が、第2回転支持部の軸線である第2軸線L2となっており、第2回転支持部の第2軸線L2は、第1回転支持部の第1軸線L1の中間において該第1軸線L1と直交するよう延在している。
(第2照明基板)
前記演出設置体226における4つの角隅部から下方へ延出する4本の配設ボス226aの下端には、該演出設置体226との間に第2駆動機構の第2駆動モータ208や配線の配設スペースあけた状態で第2照明基板230が配設される(図21および図22参照)。第2照明基板230は、第1可動部材202の第2半体224の下側開口形状に合わせて略円形に形成され、その中央に、第2軸支部254の挿通を許容する軸支部開口230aが形成されている。なお、第2照明基板230は、演出設置体226に形成された2つの位置決めピンを対応の位置決め孔に嵌め合わせることで、規定通りの配設向きにしている。そして、第2照明基板230の下面には、LED等の第2照明発光体231が複数配設されており、第1可動部材202における第2半体224の下方開口を介して第2照明発光体231が下方へ臨むようになっている。第2照明発光体231は、第2照明基板230の基板面全体に略均一に分布するように配設されており、第2可動部材204における第2演出体212の全体を内側から照らして、該第2演出体212全体を略均一に発光させ得るようになっている。なお、第2照明基板230は、第1照明基板228に配線接続されており、該第1照明基板228を中継して給電される。
(第2駆動機構)
前記第2駆動機構は、第1可動部材202の第1半体222に取り付けられる演出設置体226に設置された第2駆動モータ208と、回転軸236に配設され、第2駆動モータ208の出力軸に配設された出力ギア256に噛み合う作動ギア257とを備えている(図21および図22参照)。第2駆動モータ208は、正逆回転および変速等の各種制御が可能なステッピングモータ等の電動モータが用いられ、減速用のギアボックスが内蔵されている。また、第2駆動モータ208は、第1照明基板228に配線接続されている。第2駆動モータ208は、出力軸を上方に向けた姿勢で演出設置体226の下面に設置され、演出設置体226と第1照明基板228との間に臨む出力軸に平歯車からなる出力ギア256が配設されている。作動ギア257は、平歯車であり、演出設置体226の中央部を下方へ凹ませて形成された凹部に下部が収容された状態で、該演出設置体226と第1照明基板228との間に、出力ギア256に噛み合うように配設されている。第2駆動機構は、第2駆動モータ208の正逆回転駆動を出力ギア256および作動ギア257を介して回転軸236に伝達し、これにより回転軸236に配設された第2可動部材204を、第1可動部材202に対して回転させ得るようになっている。
(演出位置検知手段)
前記第2可動部材204の原点位置を検知する演出位置検知手段は、第1照明基板228の下面に配設された演出位置検知センサ258と、作動ギア257の上面に形成された演出位置検知部259とから構成されている(図21および図22参照)。なお、演出位置検知センサ258としては、投光部と受光部との間に設けられた溝における演出位置検知部259の有無をセンシングする透過型(溝型)のフォトインタラプタが用いられている。演出位置検知部259は、回転軸236を中心とする円弧状に延在し、作動ギア257の上面から上方に延出する板状片であり、作動ギア257の回転に伴い演出位置検知センサ258における投光部と受光部との間の溝を通過するようになっている。そして、演出位置検知センサ258が演出位置検知部259を検知する位置(演出位置検知センサ258の溝に演出位置検知部259が位置するとき)が、第2可動部材204の原点位置に設定されている。演出位置検知手段は、演出位置検知部259が演出位置検知センサ258の投光部と受光部との間に位置した際に、演出位置検知センサ258の回路が接続されて演出位置信号(信号)が装置制御手段270を介して統括制御基板65に向けて出力される(図24参照)。そして、統括制御基板65(統括制御CPU65a)は、演出位置検知センサ258からの演出位置信号に基づき第2可動部材204が原点位置にあることを判定し、この判定に応じて第2駆動モータ208を装置制御手段270を介して駆動制御している。
(第2可動部材)
前記第2可動部材204は、第1可動部材202を貫通する第2回転支持部としての回転軸236の上端部(一端部)に取り付けられた第1演出体210および該回転軸236の下端部(他端部)に取り付けられた第2演出体212を備えている(図21および図22)。すなわち、第1演出体210は、第1可動部材202の第1半体222から上方へ延出した回転軸236の上端部に取り付けられて該第1半体222の上側に隣接して設けられ、第2演出体212は、第1可動部材202の第2半体224から下方へ延出した該回転軸236の下端部に取り付けられて該第2半体224の下側に隣接して設けられている。そして、第1演出体210および第2演出体212は、球面の一部をなす略ボウル状に形成されて、その外面が第1可動部材202の外面と合わさって、略球形状の意匠形状からなる可動体200を構成している。また、第2可動部材204は、第2駆動モータ208の駆動により、第1可動部材202を挟んで第1演出体210および第2演出体212が同期して回転するよう構成されている。
(第1演出体)
前記第1演出体210は、光を透過不能(し難い)な材料からなる被覆部材260と、この被覆部材260の下側に嵌め合わされ、被覆部材260に開設された光透過口260aを塞ぐ光透過部材261とから構成されている(図21および図22参照)。下方に開口する略ボウル状に形成された第1演出体210は、下部開口側の外径寸法が、第1可動部材202の第1半体222における円板部232の外径寸法と略同じに設定されており、第1半体222の外周板部233に連なって連続的な球面を形成するようになっている。光透過部材261は、凹凸形状などの光拡散処理が施されており、第1可動部材202の第1半体222に設置された第1照明基板228の各第1照明発光体229から照射された光によって、光透過口260aを覆う部分が発光するようになっている。
(第2演出体)
前記第2演出体212は、上方に開口する略ボウル状に形成され(図21および図22参照)、光の透過が可能に構成されている。 第2演出体212は、上部開口側の外径寸法が、第1可動部材202の第2半体224の外径寸法と略同じに設定されており、第2半体224の周面に連なって連続的な球面を形成するようになっている。そして、第2演出体212は、凹凸形状などの光拡散処理が施されており、第1可動部材202の第1半体222に設置された第2照明基板230の第2照明発光体231から照射された光によって、全体的に発光するようになっている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図23に示すように、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70,72,73とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70,72,73に出力されるようになっている。
実施例のパチンコ機10は、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板(演出制御手段)としての統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出、発光演出、音声演出や可動物による動作演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。すなわち、統括制御基板65は、メイン制御基板60からの制御信号に応じて該統括制御基板65から出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、可動演出装置100における可動体200の動作、あるいは可動演出装置100における発光用の基板(発光手段)156,162,228,230の発光のタイミングや発光強度等、可動演出装置100での演出内容を制御するよう構成される。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備えるランプ装置18等の各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図23に示すように、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34、特別入賞検出センサ44、球通過ゲート47の通過球検出センサ48等の各種センサがメイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56等の各表示器が接続されて、各検出センサ34,44,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50A,50Bの表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、特別入賞装置40に設けられたソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて該ソレノイド42の駆動制御が行われるようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じて特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉扉43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
(統括制御基板)
前記統括制御基板65は、統括制御CPU65aを備えている。該統括制御CPU65aには、図23に示すように、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73および可動演出装置100を制御する装置制御手段270などを統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。統括制御基板65は、外部から入力される信号(情報)を受け付ける入力インターフェースと、可動演出装置100の装置制御手段270などに制御信号を主力する出力インターフェースとを有するIC I/Oエクスパンダからなる入出力インターフェース(本体通信手段)65dを備え、この入出力インターフェース65dにより制御信号をシリアル変換して装置制御手段270に向けてシリアル伝送し、装置制御手段270からシリアル伝送される操作検知手段106からの操作信号や位置検知手段182,183,258からの位置検知信号がパラレル変換される。
前記統括制御CPU65aは、装置制御手段270による制御対象となる駆動モータ206,208や基板156,162,228,230を制御する制御部272,274,276(図24参照)に個別に割り当てられたアドレスを指定して制御内容を出力する。実施例では、制御部272,274,276が備えるIC I/Oエクスパンダからなる通信回路(装置通信手段)280の個別アドレスが指定される。すなわち、統括制御CPU65aは、入出力インターフェース65dを介して、可動演出装置100において制御対象を制御する制御部272,274,276に個別に割り当てられたアドレスを指定して、指定した個別アドレスの制御部272,274,276に制御内容を送信する。
図23に示すように、前記表示制御基板70は、表示制御CPU70aを備えている。表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
前記パチンコ機10は、始動入賞装置30への入賞を契機として当りか否かを判定すると共に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。メイン制御CPU60aは、始動入賞装置30への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを判定する確変状態判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞装置30への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、第1始動入賞口31に入賞したパチンコ球を始動保留球として記憶する保留記憶手段として機能する。
(装置制御手段)
図24に示すように、前記統括制御基板65(統括制御CPU65a)から入力される制御信号(制御コマンド)に基づいて可動演出装置100を制御する装置制御手段270は、可動体200(第1可動部材202)を動作させる第1駆動モータ206の駆動制御を行う可動制御部272と、装飾発光基板156および飾り発光基板162の発光制御を行う発光制御部274と、第2可動部材204を動作させる第2駆動モータ208の駆動制御を行うと共に照明基板228,230の発光制御を行う演出制御部276とを備えている。なお、これらの制御部272,274,276としては、例えばCMOS型のIC等のICバス制御デバイスが用いられる。
(可動制御部)
図24に示すように、前記可動制御部272には、例えばMOS型ICからなるローサイドスイッチ273を介して第1駆動モータ206が接続されており、ハイサイドスイッチとして機能する可動制御部272と該ローサイドスイッチ273とにより第1駆動モータ206の回転方向や回転速度等を制御するモータドライバが構成される。また、可動制御部272には、第1可動部材202の位置を検知する可動位置検知手段の第1可動位置検知センサ182および第2可動位置検知センサ183が接続されて、該可動位置検知センサ182,183からの可動位置信号が夫々入力される。更に、可動制御部272には、可動体カバー110の押圧操作を検知する複数の操作検知手段106,106の操作検知センサ108,108の夫々が接続され、各操作検知センサ108からの操作信号が互いに独立して入力される。なお、可動制御部272およびこれに対応するローサイドスイッチ273は、装置中継基板160に実装されており、前述の如く2つの可動位置検知センサ182,183も装置中継基板160に実装されており、第1駆動モータ206および操作検知センサ108の夫々が装置中継基板160に配線接続されている。
(発光制御部)
図24に示すように、前記発光制御部274には、発光装飾体152を発光させる装飾発光基板156が接続されると共に、飾り部166を発光させる複数(3基)の飾り発光基板162が夫々接続されており、統括制御CPU65aからの制御信号に基づいて発光制御部274によりこれらの発光基板156,162に実装された発光体157,163の点灯・消灯や、発光色などの発光制御を行い得るようになっている。なお、発光制御部274は、装置中継基板160に実装されており、装飾発光基板156および飾り発光基板162の夫々が装置中継基板160に配線接続されている。
(演出制御部)
図24に示すように、前記演出制御部276には、例えばMOS型ICからなるローサイドスイッチ277を介して第2駆動モータ208が接続されており、ハイサイドスイッチとして機能する演出制御部276とローサイドスイッチ277とにより第2駆動モータ208の回転方向や回転速度等を制御するモータドライバが構成されている。また、演出制御部276には、第2可動部材204の位置を検知する演出位置検知手段の演出位置検知センサ258が接続されて、該演出位置検知センサ258からの演出位置信号が入力される。更に、演出制御部276には、第2可動部材204の第1演出体210を照明する第1照明基板228が接続されると共に、第2可動部材204の第2演出体212を照明する第2照明基板230が接続されており、これらの照明基板228,230に実装された照明発光体229,231の点灯・消灯や、発光色などの発光制御を行い得るようになっている。なお、演出制御部276およびこれに対応するローサイドスイッチ277は、第1照明基板228に実装されると共に、前述の如く演出位置検知センサ258も第1照明基板228に実装されており、第2駆動モータ208および第2照明基板230が第1照明基板228に配線接続されている。また、第1照明基板228は、装置中継基板160と配線接続されている。このように、統括制御基板65に電気的に繋がる配線が装置中継基板160に接続されて、装置中継基板160から可動演出装置100が備える電気機器に配線接続されている。
(制御部の具体的な構成)
前記可動制御部272、発光制御部274および演出制御部276について更に説明する。なお、可動制御部272、発光制御部274および演出制御部276は、基本的な構成が同じなのでまとめて説明する。図24に示すように、統括制御基板65における本体通信手段としての入出力インターフェース65dと制御部272,274,276(装置制御手段270)は、接続線SDAおよび接続線SCLを介して接続されている。接続線SDAは、統括制御基板65と制御部272,274,276との間でシリアルデータを通信するためのものであり、実施例においてデータ信号線として機能している。また、接続線SCLは、統括制御基板65と制御部272,274,276との間でクロック信号を通信するためのものであり、実施例においてタイミング信号線として機能している。このように、統括制御基板65および制御部272,274,276は、IC(アイ・スクエア・シー)からなるシリアルバスで接続され、統括制御基板65と制御部272,274,276との間でシリアル伝送により信号をやり取りし得るようになっている。統括制御基板65の入出力インターフェース65dは、統括制御CPU65aの制御信号に基づいて、所定の周期(タイマ割込毎)でシリアルデータおよびクロック信号をデータ信号線SDAとタイミング信号線SCLを介して出力するよう構成されている。そして、制御部272,274,276は、タイミング信号線SCLから入力されるクロック信号に同期してデータ信号線SDAからシリアルデータを取得し、複数系統の出力線にシリアルデータに応じたパルスを出力する。ここで、制御部272,274,276は、クロック信号線SCLのクロックの変化に同期して、データ信号線SDAからシリアルデータを受信し、シリアルデータに含まれる指令から制御対象の出力線を選択して所定のパルスを出力するようになっている。
図25に示すように、前記制御部272,274,276は、データ信号線SDAおよびクロック信号線SCLが接続されて、当該信号線SDA,SCLから統括制御CPU65aからの制御信号を受け取ると共に当該信号線SDA,SCLを介して統括制御CPU65abに向けて位置信号を発信する装置通信手段としての通信回路280を備えている。また、制御部272,274,276は、デバイスアドレスを設定する動作制御回路281と、デバイスアドレスを判定するレジスタ282と、制御モードを設定するパルス制御回路283と、制御対象に繋がる出力線が接続するパルス出力回路284と、検知センサ108,182,183,258等の信号発信手段からの信号を受け取る信号入力回路285とを備えている。
前記通信回路280は、クロック信号線SCLのクロック信号を受信し、クロック信号に同期してデータ信号線SDAからシリアルデータを取得し、シリアルデータからデバイス選択データ、制御データおよび動作データを抽出し、制御データと動作データをレジスタ282に出力し、デバイス選択データを動作制御回路281に出力する。なお、デバイス選択データは、デバイスIDとデバイスアドレスからなる。動作制御回路281は、予め設定された設定端子の信号レベルによって制御対象のデバイスアドレスを設定する。ここで、データ信号線SDAおよびクロック信号線SCLには複数の制御部272,274,276が接続されているので、動作制御回路281は、通信回路280から受信したデバイスアドレスと設定端子の値が一致したときには、レジスタ282にデバイスセレクト信号を出力する。レジスタ282は、デバイスセレクト信号が入力されると、通信回路280からの制御コマンドと制御データは当該制御部宛てであると判定して、制御コマンドと制御データに応じた所定のパルスを出力するようにパルス制御回路283に指令する。パルス制御回路283は、出力線毎に制御モードを設定し、レジスタ282に設定された値とクロック信号に基づいて、パルス出力回路284にパルスを出力し、パルス出力回路284から出力線毎に所定のパルスがそれぞれ出力される。そして、制御部272,274,276から制御モードに応じて出力されるパルス信号より、例えば制御対象が駆動モータ206,208であれば、制御モードで設定された回転向きに、設定された回転速度で設定されたステップ数分だけ回転するなどの駆動制御が行われる。信号入力回路285は、外部からの入力を受け付けてレジスタ282にセットし、このレジスタ282にセットされた信号が統括制御基板65に送信すべき信号であると判定した場合に、当該レジスタ282にセットされた信号が、通信回路280から統括制御基板65へ向けて送信される。
(操作信号の判定処理)
前記可動制御部272の信号入力回路285には、複数の操作検知センサ108から出力される操作信号が夫々入力され、この操作信号を受け付けてレジスタ282にセットする。ここで、可動制御部272は、レジスタ282にセットされた操作信号を統括制御基板65に送信すべき信号であると判定し、通信回路280から統括制御基板65へ向けて送信する。そして、統括制御CPU65aは、可動制御部272から操作信号が入力があった際に、複数の操作検知センサ108の全てから操作信号があるとき、または複数の操作検知センサ108の全てから操作信号の入力がなくても全部より少ない設定数の操作検知センサ108からの操作信号の入力があるときは、可動体カバー110が押圧操作されたと判定し、これに基づいてパチンコ機10の遊技状態(演出種類選択用演出が行われる状態、操作変化系演出で演出を変化させる状態、デモ演出モード等)に応じて遊技演出(演出種類選択用演出、操作変化系演出、バトル演出など)を実行または変更するように制御する。仮に、操作検知手段106を3基有し、操作検知センサ108の操作判定設定数が2基である場合は、1つの操作検知センサ108からしか操作信号の入力がないときは可動体カバー110の押圧操作が判定されず、2つまたは3つの操作検知センサ108から操作信号の入力があるときは可動体カバー110の押圧操作が判定される。なお、実施例の可動演出装置100は、操作検知手段106を2基有し、操作検知センサ108の操作判定設定数が1基であるので、少なくとも1基の操作検知センサ108から操作信号の入力があると可動体カバー110の操作を判定するよう処理される。このように、実施例では、統括制御CPU65aが操作判定手段として機能している。
(電源基板)
前記パチンコ機10の裏側には、パチンコ機10の電源制御を行う電源基板82、球払出装置75を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)76、打球発射装置28を駆動制御する発射制御基板等が配設されている(図23参照)。電源基板82には、パチンコ機10に供給する電源のON−OFFを切り替える電源スイッチ83aおよびメイン制御RAM60cを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ84aが設けられている。また、電源基板82には、電源スイッチ83aに接続し、該電源スイッチ83aのON−OFFの切り替えに応じてメイン制御基板60に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源監視回路83が設けられると共に、クリアスイッチ84aに接続するクリア回路84が設けられている。実施例では、クリアスイッチ84aをON操作した状態で電源スイッチ83aをON操作したときに限り、メイン制御基板60にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けたメイン制御基板60がメイン制御RAM60cを初期化するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例では、電源監視回路83、電源スイッチ83a、クリア回路84およびクリアスイッチ84aからクリア手段が構成される。なお、クリア回路84とクリアスイッチ84aとからクリア手段を構成し、クリアスイッチ84aをON操作したときにクリア回路84からメイン制御基板60にクリア信号を出力する構成も採用し得る。
(操作検知手段のチェック処理)
実施例のパチンコ機10では、前記電源監視回路83からの電源ON信号および前記クリア回路84からのクリア信号がメイン制御CPU60aに入力された場合に、該メイン制御CPU60aは、電源ONコマンドおよびクリアコマンドを統括制御CPU65aに出力するようになっている。そして、統括制御CPU65aでは、電源ONコマンドが入力された場合に、操作検知手段106(操作検知センサ108)のチェック処理を開始可能に構成されている。ここで、操作検知手段106のチェック処理の開始条件を電源ONコマンドの入力だけとしたが、これに加えて、前記クリア回路84からのクリア信号がメイン制御CPU60aに入力された場合に、該メイン制御CPU60aが出力するクリアコマンドも操作検知手段106のチェック処理の開始条件としてもよい。また、パチンコ機10において、当該パチンコ機10に関するエラーチェックの1つの項目として操作検知手段106の状態チェック設定を設け、統括制御CPU65aに電源ONコマンドおよび/またはクリアコマンドが入力されると、統括制御CPU65aは環境設定に移行する処理および環境設定が可能な項目を選択する処理を行うようにしてもよい。
(操作検知手段のチェック処理の具体的な流れについて)
前記統括制御基板65には、前述のように、操作手段としての可動体カバー110の押圧操作による操作検知センサ108からの操作信号が入力されるよう構成されている(図24参照)。メイン制御CPU60aから電源ONコマンドが統括制御CPU65aに入力されると、統括制御CPU65aには、可動体カバー110の操作を所定期間(操作確認可能期間)に亘って有効とする操作有効コマンドが設定される。このように、可動体カバー110の操作を有効とする操作確認可能期間を設定する統括制御CPU65aが、電源投入時点(電源ON信号がメイン制御CPU60aに入力された時点)から可動体カバー110の操作を有効とする操作確認可能期間を設定する操作確認可能期間設定手段として機能している。そして、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから電源ONコマンドが統括制御CPU65aに入力された後の所定タイミングで、統括制御CPUのクロック時間をカウントするタイマ手段または別途設けられたタイマ手段などによって操作確認可能期間の計時を開始する。なお、実施例では、電源ONコマンドが統括制御CPU65aに入力された時点でタイマ手段が操作確認可能期間の計時を開始する。この際に、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから電源ONコマンドが入力されたタイミングで、表示制御基板70(表示制御CPU70a)にも操作有効コマンドを出力し、図柄表示装置17に、可動体カバー110の操作確認が可能な時間や可動体カバー110の押圧を促す旨を表示させてもよい。
ここで、前記電源監視回路83からの電源ON信号がメイン制御CPU60aに入力された場合に、該メイン制御CPU60aは、電源ONコマンドを統括制御CPU65aに出力すると共に、所定のセキュリティチェック等の初期設定処理を行う。統括制御CPU65aは、電源ONコマンドの入力により初期設定処理を行うが、初期設定処理に要する時間が、メイン制御CPU60aが初期設定処理に要する時間よりも短く、統括制御CPU65aはメイン制御CPU60aよりも早い時期に立ち上がる。前記操作確認可能期間は、統括制御CPU65aの初期設定処理とメイン制御CPU60aの初期設定処理との時間差を用いるように設定され、メイン制御CPU60aが立ち上がるまでの時間を操作検知手段106のチェックに有効利用している。
前記操作確認可能期間において、可動体カバー110を押圧操作して、複数の操作検知センサ108のうちの何れか1つから操作信号が統括制御基板65に入力されると、操作判定手段としての統括制御CPU65aは、可動体カバー110が操作されたと判定し、ランプ制御基板72および/または装置制御手段270に操作判定コマンドを出力するよう構成される。ランプ制御基板72は、操作判定コマンドが入力されると、前枠13に配設された演出実行手段としてのランプ装置18や遊技盤20に設けられた盤面発光手段(図示せず)を発光させるよう制御する。また、装置制御手段270は、操作判定コマンドが入力されると、演出実行手段としての装飾発光基板156や飾り発光基板162や照明基板228,230を発光させるよう制御してもよい。すなわち、実施例では、ランプ制御基板72および装置制御手段270が、操作検知手段106が正常に操作検知していることを報知させる操作確認報知実行手段として機能している。なお、操作検知手段106が正常に操作検知していることの報知は、スピーカ19からの音声によるものであってもよく、この場合は音制御基板73が操作確認報知実行手段となり、図柄表示装置17での表示によって報知を行う場合は、表示制御CPU70aが操作確認報知実行手段となる。また、前枠13や遊技盤20の発光手段による報知、スピーカ19による報知および図柄表示装置17による報知を適宜組み合わせて行ってもよい。
前記タイマ手段が操作確認可能期間をカウントアップした際に統括制御CPU65aから出力されるデモ移行コマンドまたは統括制御CPUからの前記操作判定コマンドの出力により操作検知手段106のチェック処理を終了し、パチンコ機10において遊技が行われていること(遊技実施状態)を検出する遊技検出手段が遊技実施状態を検出していないことを条件として、パチンコ機10がデモ演出モードに移行するよう設定される。実施例の遊技検出手段としては、遊技盤20の盤面に設けられた始動入賞検出センサ34、普通入賞検出センサ、通過球検出センサ48が用いられ、これら検出センサ34,48による球検出の信号がメイン制御基板60に入力されることで、該メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが、遊技が行われていると判定するよう設定される。また、メイン制御CPU60aは、前記検出センサ34,48からの球検出信号が入力されると同時にメインタイマ手段により時間の計時を開始し、該メインタイマ手段が予め設定されたデモ設定時間を計時しても新たな球検出信号が入力しないことを条件(所定条件)として、パチンコ機10をデモ演出モードに移行するよう設定される。すなわち、メイン制御CPU60aが、デモ演出を図柄表示装置17で実行させるデモ演出実行制御手段の機能を有している。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
(可動体の演出態様)
前記可動演出装置100は、第1駆動モータ206を正逆駆動制御することにより、第1可動部材202が支持体104に対して第1回転支持部の第1軸線L1を中心として180度回転し、第1位置および第2位置に姿勢変位する。そして、第1駆動モータ206の駆動により、第1可動部材202が回転する際には、可動位置検知部217が可動位置検知センサ182,183で検知されると、該第1可動部材202の第1位置または第2位置への到来が判定され、第1駆動モータ206が駆動停止される。また、第1可動部材202が第1位置または第2位置に到来した際には、第1可動部材202に設けられた保持体252が、支持体104に設けられた対応の保持受部180,181に磁力により吸着するから、第1駆動モータ206の停止状態において当該第1可動部材202を適切に保持することができる。これにより、第2可動部材204を回転したり、可動体カバー110を押圧操作しても、第1可動部材202が意図せず動くことを防止できる。可動演出装置100は、第2駆動モータ208を駆動制御することにより、第2可動部材204が第1可動部材202に対して第2軸線L2を中心として回転する。そして、第1位置に第1可動部材202が停止している場合には、回転する第1演出体210が見えて、第2位置に第1可動部材202が停止している場合には、回転する第2演出体212が見えるようになり、第1可動部材202の回転に伴い、意匠が異なる2種類の演出体210,212に切り替えることができる。可動演出装置100は、第1駆動モータ206および第2駆動モータ208を同時または同期的に駆動制御させることも可能であり、これにより、第1位置と第2位置との間を回転する第1可動部材202に対して第2可動部材204が回転するようになる。そして、可動演出装置100は、第1照明基板228および/または第2照明基板230を発光制御することで、第1演出体210および/または第2演出体212を発光させることができる。従って、第1可動部材202および第2可動部材204の複雑な動作および発光演出の組み合わせにより、可動体200による演出態様の多様化を図ることができる。
前記パチンコ機10では、前枠13における上球受け皿14に配設される可動演出装置100の可動体200を囲って該可動体200を保護する可動体カバー110を、遊技演出を実行可能な操作手段として用いている。これにより、操作手段および可動演出装置100を、上球受け皿14の上面に別々に配設する場合と比べて省スペース化を図ることができ、遊技者から視認し易くかつアクセスし易い場所である上球受け皿14の上面スペースを有効利用して、より多くの部材や機器を配置したり、可動演出装置100を大型化することも可能となる。すなわち、可動演出装置100の可動体200を大型化することで、可動体200の動作による演出のインパクトを高めることができる。また、可動体200を囲う可動体カバー110自体も大型化することができるから、該可動体カバー110の押圧操作を行い易く、かつ該可動体カバー110を操作手段とする押圧操作への興味をよりかき立てることができ、遊技演出の操作による興趣を向上することができる。ここで、可動体カバー110は、可動体200を保護するために必須の部材であるから、部材を追加するものではなく、操作手段と可動演出装置100とを別々に配設する場合と比べて部品点数を減らすことも可能となる。
そして、可動演出装置100において、可動体200を大きくするにつれて該可動体200を覆う可動体カバー110も必然的に大きくなると共に、実施例のように操作面部112の対角幅が10cmを越えるような可動体カバー110の大型化も可能であり、可動体200のインパクトだけでなく前枠13に配設された構造物としての可動体カバー110のインパクトも高まり、遊技者の興味を惹き付けることができる。しかも、可動演出装置100を、操作手段としての可動体カバー110の操作を案内するナビゲーション手段としても機能させることができ、例えば可動体カバー110の操作タイミングに合わせて、可動体200を動作させたり、発光手段156,162,228,230を発光させるなどにより、遊技者に可動体カバー110の押圧操作を促すことができる。このように、可動体200を保護する可動体カバー110を、遊技演出を実行可能な操作手段として共用することで、可動演出装置100と遊技演出を実行させる操作手段とを、互いの機能に悪影響を与えることなく前枠13の上球受け皿14の上面において好適に配置することができる。
(支持機構について)
前記可動体カバー110は、可動体200を動作可能に支持する支持体104に近接・離間変位可能に支持された受け体134に配設されているから、可動体カバー110の押圧操作によって可動体200に影響を与えず、可動体200の動作および可動体カバー110の押圧操作を互いに独立して行い得る。また、可動体カバー110の操作面部112と可動体200との間には、該可動体カバー110に収容されて発光装飾体152が配設されているが、発光装飾体152が支持体104に支持される一方で、可動体カバー110は、支持体104に変位可能に支持された受け体134に配設されており、可動体カバー110の押圧操作によって発光装飾体152は変位しない。そして、略球形の可動体200は、第1軸線L1を中心に全体としてその場で回転すると共に、第2可動部材204が第1軸線L1と交差する第2軸線L2を中心として第1可動部材202に対して回転する構成であるから、動作により可動体200の外形位置が基本的に変化しない。可動体カバー110は、可動体200の前後左右を周壁部114で囲って可動体200の上方に延在する操作面部112が押圧操作に伴って可動体200に近接するように変位するが、周壁部114が可動体200の横側を平行移動すると共に操作面部112が操作位置でも可動体200から離れており、可動体200の動作範囲に重なることはない。すなわち、可動体200が動作しているときであっても、可動体カバー110を押圧操作することができ、可動体カバー110を押圧操作しているときであっても、可動体200を動作させることができる。
(緩衝体について)
前記可動体カバー110が配設された受け体134は、支持機構136を介して支持体104に上下変位可能に支持されており、支持体104において受け体134の下面に臨む第2支持周縁部129には、反発弾性が低いゴム等からなる緩衝体150が配設されている。可動体カバー110を通常位置から押圧操作した際に、下方変位する受け体134の下面に下方へ半球形状に突出形成された当接凸部134aが緩衝体150に弾力的に受け止められ、受け体134が移動規制される。このように、受け体134と支持体104とが硬い部分同士で当接するのではなく、可動体カバー110の押圧操作に伴う受け体134の下方変位を緩衝体150で受ける構成であるから、受け体134および支持体104の破損を回避することができる。可動体カバー110における操作面部112の外周縁などの一部が局所的に押された場合に、可動体カバー110が押された部分だけが下降して傾くような可動体カバー110の不均等な変位に際しても、支持体104の第2支持周縁部129に周方向に互いに離間して分散配置された複数の緩衝体150と、これら緩衝体150に対応配置された当接凸部134aとの組のうち、受け体134が下方傾斜した部位に対応する組が当接するので、支持体104と受け体134との強干渉を防止することができる。特に可動体カバー110が大きくなると、傾くように可動体カバー110が押圧操作される可能性が大きくなるが、可動体カバー110の傾斜下部に対応する位置に配置された緩衝体150によって受け体134の当接凸部134aを受け止めて緩衝することができる。従って、緩衝体150によって、可動体カバー110の押圧操作によって振動等に起因して可動体200や前枠13に配設された機器に悪影響を与えたり、支持体104と受け体134との当接により干渉音が発生するなどの不具合を回避できる。
更に、支持機構136における案内軸138と軸通部140との係合により変位経路が規定される受け体134において、案内軸138と軸通部140との係合部位近傍では、可動体カバー110の不均等な押圧操作に伴って受け体134が傾いても当接凸部134aの位置ズレが小さい。すなわち、案内軸138と軸通部140との係合部位近傍に緩衝体150を配設することで、可動体カバー110が傾くように押圧操作されても、受け体134の当接凸部134aを適切に受け止めることができる。そして、可動体カバー110に非常に強い荷重がかかった場合は、受け体134の当接凸部134aが緩衝体150に没入して、受け体134の下面と支持体104の上面をなす第2支持周縁部129とが面接触するから、当該荷重を受け止めることができる。
(防振体について)
前記可動演出装置100は、前枠13に設置されるベース体102と、可動体200を支持する支持体104との間に、反発弾性が低いゴムからなる防振体132が配設されている。支持体104は、ベース体102におけるベース周縁部122の上面に配設された防振体132に載置され、支持体104、支持体104が支持する可動体200および可動体カバー110からかかる荷重を防振体150で受け止めるようになっている。支持体104には、該支持体104に対して動作する可動体200や該可動体200を動作させる第1駆動モータ206などの振動発生源が配設されており、支持体104に対して支持機構136を介して近接・離間変位可能に支持された可動体カバー110を押圧操作することでも振動が発生し、該可動体カバー110も振動発生源となる。このように、支持体104は、多くの振動発生源を支持しているが、ベース体102との間に配設された防振体132によってベース体102への振動の伝達を防止することができ、可動演出装置100から上球受け皿14(前枠13)への振動伝達を遮断することができる。特に可動体カバー110を大型化することで、可動体カバー110に力を加え易くなり、可動体カバー110が強くたたかれた場合には、支持体104に大きな荷重がかかることになるが、この大きな荷重を防振体132によって受け止めて緩衝することができ、前枠13への振動の伝達を防止するだけでなく、可動体カバー110の操作に伴う衝撃が支持体104に支持された可動体200へ悪影響を与えることを回避できる。すなわち、防振体132によって、前枠13において可動演出装置100の周辺に配設されたスイッチ類やセンサ類や可動役物などの機器への影響を防ぐことができ、可動演出装置100の振動に起因するこれらの機器の誤作動を防止することができる。また、支持機構136は、案内軸138を囲繞して受け体134と支持体104との間に介挿された弾性部材144によって、受け体134を支持体104から上方に離間させた状態で保持しているので、可動体200の動作に伴って発生する振動を、支持体104から受け体134に伝わり難くすることができ、可動体200を動作した際に受け体134に配設された可動体カバー110に悪影響を与えない。
前記可動体200は、左右方向に延在する第1軸線L1を中心に回転するように動作し、第1位置の第1可動部材202が、第1演出体210が後側に向かうと共に第2演出体212が前側に向かうように半回転して第2位置で停止し、このときの可動体200の回転により支持体104に後側へ向けた慣性力が作用する。また、第2位置の第1可動部材202が、第2演出体212が前側に向かうと共に第1演出体210が後側に向かうように半回転して第1位置で停止し、このときの可動体200の回転により支持体104に前側へ向けた慣性力が作用する。ここで、ベース体102と支持体104との間には、第1軸線L1を前後に挟んだ前側の傾斜下部と後側の傾斜上部とに分けて防振体132,132が夫々配設されているから、可動体200の一方の回転に伴う後向きの慣性力を後側の防振体132で緩衝することができると共に、可動体200の他方の回転に伴う前向きの慣性力を前側の防振体132で緩衝することができる。このように、防振体132が、可動体200の動作に伴い発生する力を考慮して配設してあるから、可動体200の動作に伴う振動を前枠13または可動体カバー110により伝わり難くすることができる。
(可動演出装置の発光手段について)
前記可動演出装置100は、可動体200の上方に配置して可動体カバー110に収容された発光装飾体152を発光する装飾発光基板156と、可動体200の前後左右を囲うように配置して可動体カバー110に収容された飾り部166を発光する飾り発光基板162とを備えている。前述のように可動体カバー110の大型化が可能になることで、可動体カバー110内に可動体200だけでなく、発光基板156,162とこれに照らされる装飾部152,166からなる発光演出部を配置することができ、可動体カバー110を大きくし得ることで、このような発光演出部も大型化できる。このように、可動演出装置100では、大型の可動体200の動作と、大型の発光装飾体152の発光との相乗により、インパクトがあり、複雑な演出を行うことができる。しかも、装飾発光基板156および飾り発光基板162を、操作手段としての可動体カバー110の操作を案内するナビゲーション手段としても機能させることができ、例えば可動体カバー110の操作可能なタイミングに合わせて、装飾発光基板156および/または飾り発光基板162を発光させることで、遊技者に可動体カバー110の押圧操作を促すことができる。
(発光装飾体の支持構造)
前記発光装飾体152は、支持体104の第2支持台部128に周方向に離間して立設されて受け体134の内側を通って上方に延出する複数の脚部154の上端に配設されている。これに対して、受け体134に配設された可動体カバー110は、該受け体134を支持体104に対して近接・離間変位可能に支える支持機構136を介して支持体104に支持されている。このように、押圧操作に伴う可動体カバー110または受け体134の変位につれて、発光装飾体152が変位することなく、可動体カバー110の押圧操作を発光装飾体152に関わりなく行うことができる。そして、発光装飾体152は、支持体104に対する相対的な位置が変化しないので、支持体104に配設された装置中継基板160からの配線の取り回しを行い易い。しかも、遊技者から最も遠い位置に配置された脚部154に沿って装飾発光基板156に接続される装飾配線158を配設してあるから、発光装飾体152に配設された装飾発光基板156に繋がる装飾配線158を目立たなくすることができる。
前記支持機構136は、弾性部材144の付勢により可動体カバー110が操作位置から元の位置に復帰する際に、案内軸138に配設された係止部142が支持体104に引っ掛かることで可動体カバー110が位置規制される。ここで、発光装飾体152を支持する脚部154に近接して設けられた軸通部140に挿通する案内軸138に係止部142が設けられていないから、係止部142の係止に伴う振動が脚部154に伝わるのを抑えることができる。従って、可動体カバー110の押圧操作によって生じる振動等により、発光装飾体152が振動するなどの悪影響を回避できる。そして、案内軸138と軸通部140との係合位置近傍には、緩衝体150が配設されているから、可動体カバー110の押圧操作に伴い受け体134が支持体104に近接変位した際に緩衝体150で受け止めて緩衝しているので、脚部154に振動などの負荷をより与え難くすることができる。このように、脚部154に対して可動体カバー110の変位に伴う負荷を軽減して、脚部154の破損などを防止でき、可動体200の視認の邪魔になり難い細い幅で脚部154を設定し得る。
前記支持体104の第2支持周縁部129に配設された飾り発光基板162は、該飾り発光基板162における可動体カバー110の内側に延出して受け体134の内側に臨む部位に飾り発光体163が配設されるから、可動体カバー110の内側に配置した飾り部166を、該可動体カバー110を支持する受け体134に邪魔されずに適切に照明することができる。すなわち、可動体カバー110の内側に収容された可動体200の周りを、発光する飾り部166によって好適に装飾することができる。また、飾り発光基板162における支持体104の外側に偏倚した部位に配線が接続される飾りソケット164を配設するので、該飾り発光基板162が支持体104において受け体134に臨む第2支持周縁部129の内外方向に延在し、受け体134の変位方向に重なることになる。しかしながら、受け体134には、飾り発光基板162の配設箇所に合わせて基板逃げ凹部134cが形成されているから、飾り部166を照らす飾り発光基板162と受け体134との干渉を該基板逃げ凹部134cにより回避し得る。そして、飾り発光基板162は、可動体200より離れる外側位置に偏倚して配線を接続するので、該配線と可動体200との干渉を防止することができる。特に、左前側に配置した飾り発光基板162および後側に配置した飾り発光基板162は、第2支持台部128の支持袴部130より外側に飾りソケット164が位置しているので、支持袴部130が飾りソケット164に接続する配線と可動体200との区切る壁となり、配線の噛み込みをより適切に防止できる。
(可動体カバーの意匠形状について)
前記可動体カバー110は、該可動体カバー110の変位方向と交差するように延在する操作面部112で可動体200の上方を覆うと共に、受け体134の上方に延在する飾り部166の上面から上方に突出する可動体200の前後左右を周壁部114で覆うようになっている。このように、可動体200を動作可能に収容する可動体カバー110は、比較的大きくなるので、遊技者が操作し易くなるメリットがあるが、可動体カバー110が大きくなることで、遊技者に可動体カバー110が強くたたかれるおそれがある。ここで、可動体カバー110の操作面部112の上面には、中央凸部112aや凸条部112bなど、上方へ突出する角張った意匠形状が形成していあるから、当該意匠形状により遊技者の強い打撃をためらわすことができ、過度の衝撃の入力に伴う可動体カバー110などの構成部材の破損を予防できる。しかも、操作面部112に上下に凹凸するよう形成された意匠形状が、操作面部112の断面積を増加させるリブとしても機能し、操作面部112自体の剛性を向上させることができる。
前記可動体カバー110は、周壁部112が上球受け皿14の意匠面を構成する枠状の縁取り部材168の内側から上方へ延出しており、実施例では通常位置において周壁部112における5cmを越えた上下範囲が外方へ露出している。また、可動体カバー110は、通常位置から操作位置に向けて押圧操作し、縁取り部材168に対して下降した状態であっても、周壁部112の上下方向半分以上の範囲が外方に露出しており、周壁部112が縁取り部材168(上球受け皿14)の上面から上方へ比較的大きく突出して、遊技者が周壁部112にアクセス可能になっている。ここで、周壁部112は、横断面形状が多角形状になる略多角柱状に基本的に形成されており、周壁部112には、隣り合う周面部分114aがなす稜部が周方向に離間して上下に延在している。このように、周壁部114は、多角形状に由来する稜部で角張っているので、遊技者が周壁部114を横殴りすることをためらわせることができる。また、周壁部114の各周面には、外方へと突出して上下方向に延在する周面突出部116が設けられ、該周面突出部116により形成される角によって該周面に角を増やして、周壁部114をより角張らせることができ、遊技者が周壁部114をたたくことに対して心理的な規制を働かせることができる。更に、周壁部114は、縁取り部材168側の根元部分114b(下部)が、操作面部112に連なる部分よりも変位方向と交差する外方へ延出した段状に形成されているから、根元部分114bと該根元部分より上側の周面部分114aとがなす周面段部117により角ができ、遊技者が周壁部114を横殴りすることを一層ためらわせることができる。
このように、前記可動体カバー110は、周壁部114の角張った形状により該周壁部114がたたかれることを予防でき、可動体カバー110を上下方向に変位可能に支持する支持機構136などの構成部材に、該可動体カバー110の変位方向以外の方向に要求される強度を軽減することができる。従って、可動体カバー110の支持機構136の構成を簡単にすることができる。
(操作検知手段の配置)
実施例では、前記可動体200の周囲を囲う可動体カバー110における周壁部114の下側に対応して、周方向に離間して複数の操作検知手段106を配設すると共に、複数の操作検知手段106の全部よりも少ない個数(実施例では1個)の操作検知センサ108の検知により、可動体カバー110の押圧操作を判定する構成である。例えば、可動体カバー110における操作面部112の前端を押圧操作した際に、可動体カバー110が前側だけが下降して前側に傾くように変位するが、複数の操作検知手段106が可動体カバー110の周方向に離間して配置されているから、後側に配置された操作検知手段106において操作検知部107が操作検知センサ108の検知範囲より外れる程変位しないとしても、前側に配置された操作検知手段106において操作検知部107が操作検知センサ108の検知範囲より外れて、前側の操作検知手段106の操作検知センサ108から操作信号が少なくとも出力される。このように、可動体カバー110が傾くように押されたとしても、複数の操作検知手段106の何れかで可動体カバー110の押圧変位を検知することができる。特に可動体カバー110を大きくすると、可動体カバー110に力が不均等に加えられ易く、可動体カバー110が傾くように変位することになるが、このような可動体カバー110の傾いた変位に伴う、該可動体カバー110の押圧操作の検知不良を抑えることができる。すなわち、可動体カバー110を操作手段を適切に機能させることができる。
前記可動体カバー110は、該可動体カバー110の押圧操作による変位方向が鉛直線に対して上球受け皿14の上面から上方へ向かうにつれて前側に傾いた姿勢で配設されているのに対応して、操作検知手段106が、可動体カバー110の周壁部114における傾斜上側と傾斜下側との夫々に対応して配設されている。このように、予め傾いた姿勢で配設された可動体カバー110は、遊技者から押された際に前または後に傾き易いが、これに対応した位置に操作検知手段106が夫々配置されているので、可動体カバー110における押圧操作の検知不良をより好適に防止し得る。そして、複数の操作検知手段106の全ての検知が可動体カバー110の操作判定の条件ではなく、複数の操作検知手段106の全部よりも少ない設定数の操作検知センサ108による検知を操作判定の条件としているから、遊技者による可動体カバー110の操作を遊技演出の実行処理に適切に反映させることができる。特に、実施例のように、複数の操作検知手段106のうち、少なくとも1つの操作検知センサ108の検知を操作判定の条件とすることで、可動体カバー110の傾いた変位などの影響を受けず、遊技者による可動体カバー110の操作を遊技演出の実行処理により確実に反映させることができる。
(操作検知手段の検知方式)
前記操作検知手段106は、操作検知部107とこの操作検知部107を接触しないで検知し得る非接触型の操作検知センサ108とから構成されているので、可動体カバー110を大型化して遊技者に強く押圧操作されたとしても、マイクロスイッチなどの相手との当接により開閉動作する機構を有するものと異なり、操作検知手段106が壊れにくい。しかも、操作検知手段106は、操作検知部107が通常位置において操作検知センサ108の投光部108aと受光部108bとの間に位置して、可動体カバー110が通常位置から押圧操作されることで、操作検知部107が投光部108aと受光部108bとの間から外れる。これによれば、可動体カバー110の傾いた変位に伴って操作検知部107が規定の変位経路から位置ずれしたとしても、投光部108aと受光部108bとの間から外れるので、操作検知部107が操作検知センサ108に干渉することはない。そして、操作位置にある可動体カバー110を離した場合は、弾性部材144の付勢により支持機構136の案内軸138と軸通部140との係合下に変位経路が規定されたもとで操作検知部107が操作検知センサ108における投光部108aと受光部108bとの間に戻るから、操作検知部107が操作検知センサ108に干渉することが防止される。
前記操作検知手段106は、操作検知部107が操作検知センサ108の検知範囲にあるときに回路が遮断されると共に、該操作検知部107が操作検知センサ108の検知範囲外になることで回路が接続されて信号を出力する構成であるから、仮に操作検知センサ108が故障したとしても、エラー信号が出力され続けることはない。仮に、操作検知部107が操作検知センサ108の検知範囲にあるときに回路が接続されて信号を出力すると共に、該操作検知部107が操作検知センサ108の検知範囲外になることで回路が遮断される構成であると、操作検知センサ108が故障した場合に、可動体カバー110が通常位置にあるときに操作信号が出力され続けることになる。これに対して、実施例の操作検知手段106は、操作検知センサ108が故障しても、可動体カバー110が通常位置にあれば操作検知部107が投光部108aと受光部108bとの間に位置して操作検知センサ108の回路を遮断するので、操作信号の出力を阻むことができる。そして前述の如く、複数の操作検知手段106のうちの設定数の検知を条件として、可動体カバー110の押圧操作を判定しているので、仮に1基の操作検知センサ108が故障したとしても、残りの操作検知手段106によって可動体カバー110の押圧操作を検知し得る。このように、操作手段としての可動体カバー110の操作を判定するための操作検知手段106は、故障許容度が高く設定されているので、1つの操作検知手段106が故障してもパチンコ機10の連続した稼働を許容し、操作検知手段106の故障に起因するメンテナンスの手間を軽減することができる。
(操作検知手段のチェック処理について)
電源投入後に設定されて該電源投入後から計時される操作確認可能期間において、可動体カバー110を押圧操作することに伴い、ランプ装置18などの発光による報知があれば、操作検知手段106が適正に機能していることが判り、可動体カバー110を押圧操作しても、ランプ装置18などが発光しなければ、操作検知手段106の不良が判る。このように、電源投入後の遊技開始前に、操作検知手段106の良否を簡単に確認することができる。
(可動演出装置の信号伝送)
前記可動演出装置100における可動体200(第1可動部材202)を動作させる第1駆動モータ206を制御する可動制御部272は、互いの通信手段65d,280によって統括制御基板65とシリアル接続されているから、該可動制御部272に第1可動部材202の位置を検知するための可動位置検知センサ182,183および可動体カバー110の押圧操作を検知するための操作検知センサ108,108を接続しても、可動制御部272の大型化を回避できる。換言すると、可動制御部272と統括制御基板65とをシリアル接続することで、コンパクトな可動制御部272であっても該可動制御部272に対して、可動位置検知センサ182,183や操作検知センサ108,108などのセンサ類を接続することができる。同様に、可動演出装置100における第2可動部材204を動作させる第2駆動モータ208を制御する演出制御部276は、互いの通信手段65d,280によって統括制御基板65とシリアル接続されているから、該演出制御部276に第2可動部材204の位置を検知するための演出位置検知センサ258を接続しても、演出制御部276の大型化を回避できる。換言すると、演出制御部276と統括制御基板65とをシリアル接続することで、コンパクトな演出制御部276であっても該演出制御部276に対して、演出位置検知センサ258などのセンサ類を接続することができる。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1)可動体カバーの形状は、実施例に限られず、円柱状を基本として外面に突起が形成された形状等、適宜の形状とすることができる。
(2)可動体の動作は、実施例に限られず、例えば第2可動部材を設けず、1つの動作だけを行う構成であってもよい。また、可動体の動作態様としては、回転に限られず、水平移動や揺動その他であってもよい。
(3)緩衝体は、支持体に配設するのではなく、受け体における支持体に臨む部位に配設してもよい。
(4)可動体を動作する駆動手段としては、電動モータに限らず、シリンダやロータリーソレノイドなどのアクチュエータであってもよい。
(5)保持手段は、保持体が金属で、保持受部が磁石であってもよい。
(6)発光体としては、様々な色で発光可能なフルカラータイプのチップLEDや白色の単色発光が可能なチップLED、電球やその他の光を発する手段を用いることができる。
(7)駆動機構における動力伝達構造は、実施例の歯車構造に限定されず、ネジ軸やベルトなどその他の構造を採用し得る。
(8)可動制御部の信号入力回路に、複数の操作検知センサから出力される操作信号を夫々入力し、操作検知センサの全数または当該全数よりも少ない設定数の操作検知センサから操作信号が入力があったときに、レジスタにセットされた操作信号が通信回路から統括制御基板に出力する。これに対して、設定数に満たない数の操作検知センサからしか操作信号の入力がない場合は、レジスタにセットされた操作信号が通信回路に出力されないよう処理してもよい。すなわち、制御部を操作判定手段として機能させてもよい。このように、操作信号の判定処理を制御部側だけで行ってよく、また制御部側と統括制御基板(制御手段)側との両方で行ってもよい。
(9)位置検知手段の検知に基づく駆動モータの制御を制御部だけで行ってもよい。例えば制御部は、統括制御基板(統括制御CPU)からの制御信号に基づき駆動モータを駆動開始し、位置検知センサからの位置信号の入力により可動物の位置を判定して駆動モータを停止するなどの制御を行うように構成してもよい。
(10)実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部また一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(11)実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を統括制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御基板(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(12)遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
13 前枠(枠部材)
100 可動演出装置
104 支持体
106 操作検知手段(検知手段)
110 可動体カバー(カバー)
00 可動体
202 第1可動部材
204 第2可動部材
L1 第1軸線
L2 第2軸線

Claims (1)

  1. 可動体の動作により演出を行う可動演出装置が、機体を構成する枠部材に配設された遊技機において、
    前記可動体を動作可能に支持する支持体と、
    前記可動体を囲うと共に該可動体に対する通常位置と操作位置との間を変位可能に配設され、該可動体を外から視認可能に形成されたカバーと、
    前記カバーの押圧操作に伴う該カバーの前記通常位置から操作位置への変位を検知する検知手段とを備え、
    前記検知手段による前記カバーの押圧操作検知に伴って、遊技演出を実行可能に構成され、
    前記可動体は、前記支持体に対して第1軸線周りに回転動作可能な第1可動部材と、該第1可動部材に対して第1軸線と交差する第2軸線周りに独立して回転動作可能な第2可動部材とを備える
    ことを特徴とする遊技機。
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