次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機について)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて、遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11を備えている。また、パチンコ機10には、後述する遊技盤40(図4参照)が着脱可能に保持される本体枠としての中枠12が、外枠11の開口前面側に開閉および着脱可能に組み付けられている。更に、パチンコ機10は、遊技盤40の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13が着脱し得るよう配設されている(図2参照)。中枠12の前面側には、遊技盤40を透視保護するガラス板14aを備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、前枠14の下方にパチンコ球(遊技球)を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる(図1参照)。なお、実施例では、前枠14の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。図柄表示装置13としては、液晶表示装置やドラム式の表示装置、ベルト式の表示装置等の各種図柄を変動表示可能な従来公知の表示装置を用いることができる。
(中枠について)
図3に示すように、前記中枠12は、上縁をなす上枠部材17と、下縁をなし、スピーカ33や打球発射装置34、操作ハンドル35等が設置された下枠部材18と、左側縁をなす左枠部材19と、右側縁をなす右枠部材20とから構成されている。中枠12は、上下左右の枠部材17,18,19,20を組付けた際に、全体が外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材を組付けた際に前後に開口する開口部分が、遊技盤40を設置する遊技盤保持部22として機能する。ここで、中枠12は、外枠11の左上端部および左下端部に設けられた支軸(図示せず)を介して枢支され、左側端部を中心として中枠12を回転させることで、外枠11に対して中枠12を開閉し得るようになっている。
図3に示すように、左枠部材19の開口内側(遊技盤保持部22側)には、上下に離間する位置に、遊技盤40の左側端部を回転および着脱可能に保持する回転保持具23,23が複数設けられている。また、上下の枠部材における右端部(右枠部材20側)には、固定位置および固定解除位置に回転可能な固定具24,24が夫々設けられており、該固定具24,24により遊技盤40の右側上下端部を中枠12に固定し得るようになっている。パチンコ機10では、遊技盤40の左側端部を回転保持具23,23で保持した状態で、遊技盤40の右側端部を押し込んで遊技盤40の左側端部(回転保持具23,23)を中心に回動させて遊技盤40の全体を遊技盤保持部22に臨ませて、固定具24,24を固定位置に回転変位させて遊技盤40の右側上下端部が支持固定される。このように、遊技盤40は、その周縁部の裏面が前記上下および左の各枠部材17,18,19,20に当接支持された状態で、回転保持具23,23および固定具24,24で対応箇所の前面が当接支持されて、前後方向の移動が規制される。そして、この状態の遊技盤40の前面(後述する板部材42の前面)は、中枠12に組付けられている前枠14のガラス板14aに対して予め設定された距離だけ離間する位置に臨むよう構成されている。
図3に示すように、前記上枠部材17の裏側には、設置枠台等に設けられた外部球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク25が、上枠部材17の左右幅の略全幅に亘って設けられている。この球タンク25は、遊技盤保持部22に配設された遊技盤40の裏側上部に重なるよう形成されており、遊技盤40の上下寸法を最大限大きくし得るようになっている。また、下枠部材18の裏側には、上下の球受け皿15,16に連通する球供給路および設置枠台に設けた球回収樋に連通する球排出路(何れも図示せず)が夫々形成されたセット部材26が配設されている(図2参照)。なお、球タンク25とセット部材26とは、両部材間に架設された球通路ユニット27を介して連通接続されており、該球通路ユニット27に配設された球払出し装置27aの駆動により球タンク25に供給されたパチンコ球を上下の球受け皿15,16へ給出するよう構成されている。
前記セット部材26には、図2に示すように、パチンコ機10の電源制御を行なう電源装置28、球通路ユニット27に配設した球払出し装置27aを駆動制御する払出し制御装置29、前記打球発射装置34を駆動制御する発射制御装置30、外部端末に接続されるインターフェース基板31等が配設されている。なお、これらの各装置28,29,30,31は、遊技盤40の裏側に配設される主制御装置32に配線接続され、該主制御装置32からの制御信号に基づいて所定の制御を実行するようになっている。
(遊技盤)
図4〜図7に示すように、前記遊技盤40は、略矩形状に形成されたアクリルやポリカーボネート等の透明な合成樹脂材からなる板部材42と、この板部材42の後側に取り付けられる裏ユニット50とから構成される。また、遊技盤40には、裏ユニット50の後面に図柄表示装置13が着脱可能に配設されて、該遊技盤40の中央部に画成された表示部41に該図柄表示装置13の表示面が臨んでいる。そして、遊技盤40では、該遊技盤40の前面に画成される遊技領域40aに打ち出されて流下するパチンコ球による入賞に合わせてあるいは独立して、表示部41から前側に臨む図柄表示装置13の表示面において図柄変動ゲームや所定の表示演出が行われるようになっている。
(板部材)
図4または図5に示すように、板部材42は、平板状の部材であって、略矩形を基本として四隅が前述した中枠12への取り付け構造に合わせて切り欠き等されて適宜形状とされている。板部材42は、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール43と、この外レール43の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール44とが前面に配設されている。また、板部材42には、外レール43の右上部から内レール44の下部までの間に、右方に凹む湾曲形状の左側縁が延在する第1盤面飾り部材45aが前面右側に配設されている。 板部材42の前面には、外レール43、内レール44および第1盤面飾り部材45aによって略円形の遊技領域40aが画成されている。また、板部材42の前面には、外レール43の左方(遊技領域40aの外側)の上下位置に第2盤面飾り部材45bが夫々配設されている。遊技盤40では、中枠12に配設された打球発射装置34から発射されたパチンコ球が遊技領域40aに対して打ち出されて、該遊技領域40a内をパチンコ球が流下して遊技が行われるようになっている。なお、打球発射装置34から発射されたパチンコ球は、外レール43と内レール44との間を通って遊技領域40aの左上部に打ち出される。ここで、板部材42の前面には、遊技領域40aに位置して多数の遊技釘や風車等(図示せず)が配設されており、これらの部品によって遊技領域40aを流下するパチンコ球の流下方向が不規則に変更される。
図10に示すように、前記板部材42には、遊技領域40aに配設される枠状装飾体70、各種入賞装置60,62,64や飾りに合わせて前後に貫通する開口が複数開設されている。板部材42は、遊技領域40aの中央部に大きく開設された表示貫通口42aと、この表示貫通口42aの下側に開設され、後述する入賞装置60,62が配設される入賞装置貫通口42bと、この入賞装置貫通口42bの左右の夫々に開設された飾り貫通口(取付開口)42cとを備えている。また、板部材42には、表示貫通口42aと第1盤面飾り部材45aとの間に別の飾り貫通口42dが開設されると共に、表示貫通口42aと内レール44との間に、球通過ゲート68が配設されるゲート貫通口42eが開設されている。表示貫通口42aは、図柄表示装置13の表示面の前側に形成されており、この表示貫通口42aの内側に表示部41が設けられる。そして、板部材42では、表示貫通口42aに対して後述する枠状装飾体70が配設される。
前記板部材42には、表示貫通口42a(表示貫通口42aに嵌め合わせた枠状装飾体70)の下方位置に、遊技領域40aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置60が入賞装置貫通口42bの上部に嵌め合わせて配設されている(図4,図5または図10参照)。また、板部材42には、始動入賞装置60の下方に、遊技領域40aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞装置62が入賞装置貫通口42bの下部に嵌め合わせて配設されている。板部材42には、遊技領域40aの下縁に沿って左右に離間して形成された飾り貫通口42cの夫々に嵌め合わせて、下部飾り(飾り部材)66が配設されている。各下部飾り66には、普通入賞装置64の遊技領域40aに臨む普通入賞口64aが設けられている(図4または図5参照)。更に、板部材42には、別の飾り貫通口42dに嵌め合わせて、前部が遊技領域40aに突出する中間飾り67が配設されている。更にまた、板部材42は、ゲート貫通口42eに嵌め合わせて、球通過ゲート68がパチンコ球の通過を許容するゲート口68aを遊技領域40aに臨ませて配設されている。
(裏ユニット)
図11〜図17に示すように、前記裏ユニット50は、遊技盤40に配設される可動演出装置82,300や発光装置80,200や発光演出部100等が前側に配設されると共に、図柄表示装置13を後側に保持し得るよう構成される。実施例の裏ユニット50は、板部材42の後面に取り付けられる裏ユニットベース52と、この裏ユニットベース52の後側に取り付けられる裏ユニットボックス54とから構成されている。なお、アクリル等の樹脂板である板部材42は、従来から遊技盤に多く用いられているベニヤ板と比べて薄く、板部材42と裏ユニットベース52とを重ね合せた厚さがベニヤ板と同等になる。
(裏ユニットベース)
図13または図14に示すように、裏ユニットベース52は、透視不能な合成樹脂材(例えばABS樹脂等)で構成された板状の部材であって、外郭形状が板部材42と略整合する大きさおよび形状に形成されている。裏ユニットベース52には、板部材42の表示貫通口42aより大きく遊技領域40aより小さい前開口52aが開設されて、前開口52aの内側に設けられる表示部41を囲う枠状に形成されている。裏ユニットベース52の前面は、前開口52aの開口周縁を板部材42の後面に当接する外縁より後方に凹ませて設置凹部53が設けられている(図13または図16参照)。設置凹部53は、前開口52aの左右の側部および上側に設けられ、該設置凹部53における左右の側部に側部発光装置80が夫々配設されている(図13参照)。また、設置凹部53には、側部発光装置80の上側に発光演出部100の後述する第1後発光部102が設置されると共に、該設置凹部53における板部材42の飾り貫通口42cの後側となる側部下側部位に第2前発光部140の第2前発光基板144が設置されている。更に、設置凹部53の上側部位分には、左側に偏った位置に装飾部品84が配設されている。
前記側部発光装置80,80、第1後発光部102,102および装飾部品84は、設置凹部53に配設した状態で、各前面が裏ユニットベース52の前面と略面一となる厚み寸法に設定されている。すなわち、裏ユニットベース52を板部材42の後面に取付けた際に、設置凹部53に設置された各装置80,80,102,102および装飾部品84が板部材42の後面に当接または近接するよう構成されている。また、左右の側部発光装置80,80、第1後発光部102および装飾部品84は、板部材42に表示貫通口42aに嵌合して配設された枠状装飾体70に一部が前後で重なり、その他の部分は透明な板部材42を介して前面から視認し得る遊技領域40aの後方に臨むよう構成されている。なお、左右の側部発光装置80,80については、図4に示す如く、枠状装飾体70の窓口70aの内側に一部が臨むようになっている。このように、遊技盤40は、裏ユニットベース52の板厚に収まるように薄く構成されて透明な板部材42を介して前側に現れる側部発光装置80,80、第1後発光部102,102、装飾部品84によって、遊技領域40aを装飾および発光演出を行うことができる。
(裏ユニットボックス)
前記裏ユニットボックス54は、透明な合成樹脂材(例えばPC樹脂)からなり、略矩形状に形成された設置板部55の外縁から前方に向けて外壁片56を突設した前側が開口する箱状に形成されている(図17参照)。裏ユニットボックス54は、設置板部55の略中央位置に後開口54aが開設され、この後開口54aに表面面を合わせて図柄表示装置13が該裏ユニットボックス54の後面に取り付けられる。すなわち、遊技盤40は、板部材42の表示貫通口42a、裏ユニットベース52の前開口52aおよび裏ユニットボックス54の後開口54aが前後に重なって、表示貫通口42aに配設した枠状装飾体70の内側に図柄表示装置13の表示面が前側に臨む表示部41が画成される。各外壁56の前端所要位置には、設置板部55と平行に外方に向けて延在する複数のフランジ部56aが夫々形成されており、裏ユニットボックス54は、各フランジ部56aの前面を裏ユニットベース52の後面に当接させて該ベース52に取付けられる。すなわち、遊技盤40には、裏ユニットボックス54の設置板部55の前面と裏ユニットベース52の後面との間、および設置板部55の前面と板部材42の後面との間に装置や部材の設置空間が画成される。
図15に示すように、前記裏ユニットボックス54には、設置板部55の前面に可動演出装置82,82,300、発光装置80,80,200および発光演出部100が配設されており、これらの装置80,80,82,82,100,200,300が、後述する上部可動演出装置300の上部可動体340を除いて前記設置空間に収まるように構成されている。実施例の遊技盤40では、設置板部55における後開口54aの上側に延在する上辺部55aに上部可動演出装置300が配設され、設置板部55における後開口54aの側部に延在する側辺部55bの夫々に側部可動演出装置82が配設され、設置板部55における後開口54aの下側に延在する下辺部55cに下部発光装置200が配設されている。このように、遊技盤40には、表示部41を囲んで上部可動演出装置300、左右の側部可動演出装置82,82、左右の側部発光装置80,80、下部発光装置200および発光演出部100が設置され、これらの装置80,80,82,82,100,200,300によって所要の演出を行い得るように構成される。
図4または図5に示す如く、始動入賞装置60は、板部材42の前面にネジ固定される第1取付ベース板60aの前面側に、遊技領域40aを流下するパチンコ球が入賞可能な上下の始動入賞口(入賞口)60b,60cが設けられる。始動入賞装置60は、第1取付ベース板60aの後側に突出する装置本体部60dが入賞装置貫通口42bの上部を介して板部材42の後側に突出すると共に、第1取付ベース板60aによって入賞装置貫通口42bの上部を塞いでいる。パチンコ機10では、始動入賞装置60の始動入賞口60b,60cへ入賞したパチンコ球が始動入賞センサ61(図49参照)で検出されることで、図柄表示装置13の表示面で図柄変動が開始されると共に、所定数(例えば5個)のパチンコ球が賞球として上下の球受け皿15,16に払い出されるようになっている。なお、下側の始動入賞口60cを挟む左右位置には、相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の羽根部材(図示せず)が設けられている。始動入賞装置60は、第1取付ベース板60aの後面側に設けられた装置本体部60d(図10参照)に設けた図示しないソレノイドにより羽根部材を揺動することで、下側の始動入賞口60cが開閉される。
図4または図5に示す如く、前記特別入賞装置62は、板部材42の前面にネジ固定される第2取付ベース板62aに、前後に開口する横長の特別入賞口62bが開設されると共に、該第2取付ベース板62aの後面側に、該特別入賞口62bを介してパチンコ球が入賞可能な入賞空間が形成された装置本体部62d(図10参照)が設けられている。また、特別入賞装置62は、特別入賞口62bを開閉自在に閉成する開閉扉62cを備え、この開閉扉62cを装置本体部62dに設けた図示しないソレノイドにより開閉することで、特別入賞口62bが開閉されるようになっている。パチンコ機10では、図柄表示装置13で行なわれる図柄変動演出の結果、該図柄表示装置13に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生する。これにより、パチンコ機10では、特別入賞装置62の特別入賞口62bが開放され、特別入賞口62bに入賞したパチンコ球が特別入賞センサ63(図49参照)で検出されることで、多数の賞球が上下の球受け皿15,16に払い出されるよう構成される。なお、始動入賞装置60の装置本体部60dおよび特別入賞装置62の装置本体部62dは、板部材42に穿設された入賞装置貫通口42bを介して板部材42の後方に突出し、両装置本体部60d,62dが、下部発光装置200に該装置本体部60d,62dに対応して形成された入賞装置収容部201に収容されるようになっている(図15参照)。
前記板部材42の前面には、遊技領域40aにおける枠状装飾体70の左側に位置して、該遊技領域40aを流下するパチンコ球が通過可能なゲート口68aを有する球通過ゲート68が配設されている(図4または図5参照)。球通過ゲート68には、ゲート口68aを通過するパチンコ球を検出した際に、図示しない普通図柄表示装置における普通図柄の変動表示の契機となる入球検知信号を出力する普通図柄入球検出手段(図示せず)が配設されている。この普通図柄入球検出手段は、主制御装置32に電気的に接続され、該主制御装置32は、球通過ゲート21を通過するパチンコ球を普通図柄入球検出手段が検出したことを条件として、始動入賞装置60の羽根部材を開放するか否かの抽選を行なうよう設定されている。
(枠状装飾体)
図4または図5に示すように、前記板部材42には、センター役物とも称される大型の装飾部材である枠状装飾体70が表示貫通口42aに対して配設されている。枠状装飾体70は、表示貫通口42aの開口縁に合わせて形成された枠状の部材であって、前後に開口する窓口70aが内側に画成されている(図18参照)。遊技盤40は、枠状装飾体70の窓口70aの内側に表示部41が設けられて、表示部41を囲う枠状装飾体70により表示部41の周囲を装飾すると共に、枠状装飾体70によって遊技領域40aと表示部41とを区画している(図4参照)。
前記枠状装飾体70は、板部材42の前面に当接して該板部材42へのネジ止め部位となる設置片部71と、この設置片部71の後面に後方に突出形成されて、表示貫通口42aの開口縁に合わせて延在する嵌合片部72と、設置片部71の前面から前方に突出形成されて、該枠状装飾体70の上縁部から左右両側縁部に亘って延在する庇状部73とを備えている(図18〜図22参照)。そして、枠状装飾体70は、嵌合片部72を表示貫通口42aに挿入して設置片部71を介してネジ止めすることで取り付けられる。枠状装飾体70は、嵌合片部72が表示貫通口42aに嵌合することで、遊技盤面に沿う上下左右方向の移動が規制されており(図7参照)、庇状部73によって遊技領域40aに打ち出されたパチンコ球が窓口70aを横切って流下するのを規制している。
前記枠状装飾体70は、窓口70aの下縁をなす下縁部上面が遊技領域40aから取り込んだパチンコ球を左右の転動させるステージ74として構成されている(図18参照)。遊技盤40では、ステージ74の後側に下部発光装置200が配設されてステージ74の周りを発光演出し得るようになっている。枠状装飾体70は、庇状部73の左側部において遊技領域40aに開口し、遊技領域40aから取り込んだパチンコ球を下方に位置するステージ74の左側部に案内する球通入部75を備えている。また、枠状装飾体70には、窓口70aの下部領域を覆う後壁部76が設けられ、ステージ74の後側が後壁部76で塞がれている(図18または図21参照)。後壁部76は、光透過性を有する樹脂部材から形成されて、実施例では透明である。後壁部76は、上端に前方に突出する上庇片76aを備え、遊技領域40aから取り込んだパチンコ球が裏ユニット50側に落ちるのを上庇片76aにより防止している。ステージ74は、中央部が上向きの凸になる円弧状に形成されると共にこの中央部を挟んで左右が底になるように形成されている(図18参照)。ここで、ステージ74は、中央部の高さが球通入部75におけるパチンコ球の放出口より低く設定されており、パチンコ球が中央部の山を越えて左右に大きく転動するよう構成される。ステージ74は、光透過性を有する部材でパチンコ球の転動面が形成されており、更に光拡散処理も施されている。なお、ステージ74の下側を構成する枠状装飾体70の下縁部前面は、光を透過しないようになっている。
ここで、本願で云う光拡散処理とは、例えば光透過性を有する部材の表面に凹凸を形成するような表面加工や、光反射性を有する微粒子を含有する光拡散インクを種々の濃度分布で光透過性を有する部材の表面に印刷または塗布等する例えばドット加工や、部材を構成する樹脂自体に光反射性を有する微粒子を分散させる例えばラメ加工や、透過する光の屈折率を変える加工や、透過する光を乱反射させる加工等を指し、1つの加工だけであっても、複数の加工を組み合わせてもよい。なお、表面加工の具体例としては、溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工、ローレット加工などが挙げられ、光の屈折率を変える加工としては、部材の表面に該部材と屈折率が異なる微細な凹凸を設けたシートレンズの如きものが挙げられる。
前記枠状装飾体70は、後壁部76にステージ74の中央に臨ませて開設された通入口77aから取り込んだパチンコ球を、ステージ74の中央下側に位置して始動入賞口60bの上方に開口する通出口77bに案内する球通路77を備えている。球通路77は、後壁部76とこの後壁部76で後面を塞がれる枠状装飾体70の下縁部との間に、上端が通入口77aに連通してステージ74の後側を上下方向に延在する上下経路が形成されている(図7参照)。また、枠状装飾体70の下縁部には、前記上下経路の下端に連通してステージの下側を前後に延在し、通出口77bに連通する前後経路が前後に貫通形成されている(図18参照)。ここで、後壁部76では、球通路77の上下経路を画成する流下部78が後側に凸になるよう突出形成されている(図20参照)。流下部78は、平断面視で外形が円弧状に形成されており(図22参照)、枠状装飾体70の下縁部を覆う後壁部76の後面中央に該下縁部の上下に亘って形成されている(図19参照)。流下部78は、光透過性を有しており、実施例では透明になっている。
このように、パチンコ機10では、ステージ74を転動したパチンコ球が通入口77aに入れば球通路77を介して、図柄変動ゲームの契機になる始動入賞口60bへの入賞確率が高いルートとなる該始動入賞口60bの上方の通出口77bからパチンコ球が放出されるようになっている。すなわち、ステージ74で転動するパチンコ球の動きは、遊技者が注視するポイントの1つになっており、ステージ74の転動面および後壁部76が光を透過するので下部発光装置200の発光によりステージ74を転動するパチンコ球を光により演出できる。また、球通路77は、後面が透明な流下部78(後壁部76)で構成されると共に、上面が光透過性を有する転動面で構成されているので、球通路77を通過するパチンコ球についても下部発光装置200の発光により発光演出される。
(普通入賞装置)
前記板部材42には、枠状装飾体70の下方位置に、特別入賞装置62を挟む左右両側に普通入賞口64aが夫々設けられている(図5参照)。実施例では、図5に示す如く、特別入賞装置62を挟む左側および右側の夫々に飾り貫通口42cを塞いで設けられた下部飾り66に、遊技領域40aに臨む普通入賞口64aが設けられている。各下部飾り66には、2つの普通入賞口64a,64aが、階段状となるよう上下および左右に離間して設けられている。そして、パチンコ機10では、普通入賞口64aに入賞したパチンコ球を、裏ユニット50における裏ユニットボックス54の下部に設けた球流下路58で案内するようになっている(図15または図17参照)。そして、パチンコ機10では、球流下路58の下流側に設けた普通入賞センサ65(図49参照)でパチンコ球を検出することで、所定数(例えば10個)の賞球が上下の球受け皿15,16に払い出されるようになっている。
前記遊技盤40には、遊技領域40aの最下部、すなわち特別入賞装置62の下側には、始動入賞口60b,60c、特別入賞口62bおよび各普通入賞口64aに入賞することなく流下したパチンコ球を機裏側に排出するアウト口46が形成されている。
前記遊技盤40(裏ユニット50)の後面に着脱可能に配設される図柄表示装置13の裏面には、図2に示す如く、該図柄表示装置13の表示を制御する演出表示制御装置35が配設されている。また、図柄表示装置13の後面には、側部可動演出装置82,82、上部可動演出装置300を動作または発光制御したり、各種発光装置80,200および発光演出部100を発光制御したり、スピーカ33の効果音出力制御等を行なう統括制御装置36が、演出表示制御装置35に隣接して配設されている。パチンコ機10では、制御装置同士または制御装置と遊技部品である可動演出装置82,82,300、発光装置80,200、発光演出部100、図柄表示装置13、スピーカ33、始動入賞センサ61、特別入賞センサ63および普通入賞センサ65等が配線または中継基板86(図6参照)を介して電気的に接続される(図49参照)。
前記主制御装置32には、始動入賞口60b,60cに入賞したパチンコ球を検出した始動入賞センサ61からの検出信号や、特別入賞口60bに入賞したパチンコ球を検出した特別入賞センサ63からの検出信号や、普通入賞口64aに入賞したパチンコ球を検出した普通入賞センサ65からの検出信号が入力される。主制御装置32は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU、主制御用CPUの制御プログラムを格納する主制御用ROMおよび必要なデータの書き込みおよび読み出しができる主制御用RAM等の電子部品(何れも図示せず)を備えている。
前記主制御装置32は、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAMの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、主制御装置32では、始動入賞センサ61から検出信号が入力されると、主制御用CPUが主制御用ROMから大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数と主制御用RAMの大当り判定値とを比較し、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行なう。また主制御装置32では、前記大当り判定の結果が大当りの場合には、大当り演出のみが含まれる変動パターンテーブルから大当り演出を決定する。これに対して、前記大当り判定の結果がはずれの場合には、はずれ演出のみが含まれる変動パターンテーブルからはずれ演出を決定する。大当り演出およびはずれ演出の決定は、前記大当り判定と同様に、主制御用CPUが主制御用ROMから取得した乱数により行なう。なお、変動パターンテーブルから決定される大当り演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも図柄変動ゲームの変動時間および演出内容を特定するものである。そして、パチンコ機10では、主制御装置32の抽選結果に応じて出力された統括制御装置36の制御信号に基づいて、演出表示制御装置35が図柄表示装置13に所定の演出表示を行なわせると共に、主制御装置32の制御により出力された払出し制御装置29の制御信号に基づいて、球払出し装置27aによって所定数の賞球が払い出される。また、パチンコ機10では、統括制御装置36の制御信号に基づいて、可動演出装置82,82,300を作動させたり、各発光装置80,80,200および発光演出部100を発光させたり、スピーカ33から効果音を出力するようになっている。
(発光演出部)
図4に示すように、前記遊技盤40は、表示部41を挟んで線状に延在するように設けられた発光演出部100を有し、この発光演出部100による発光と表示部41での画面表示とを組み合わせて演出を行うよう構成されている。発光演出部100は、板部材42および裏ユニット50に配設された複数の発光部102,102,120,120,140,140から構成されている。ここで、発光演出部100は、表示部41を挟んで対をなす少なくとも2つの発光部102,102,120,120,140,140を有している。ここで、発光部102,102,120,120,140,140が「対をなす」とは、発光部102,102,120,120,140,140における長手の延在ライン(ライン用LED(発光体)の並び方向)および表示部41における画面表示との関係で、遊技領域40aを横切る1つの発光ラインを構成する関係をいう。実施例の発光演出部100は、表示部41の上側に設けられた第1発光部102,102と、表示部41の下側に設けられた第2発光部120,120,140,140とで構成される発光部組を2組備えている。また、発光演出部100は、第1発光部102,102と第2発光部120,120,140,140とからなる発光部組が、表示部41での画面表示を含めて遊技領域40aにおいて斜めに延在する発光ラインを形成するように配置されている。遊技盤40には、2組の発光部組の延在ラインが表示部41の前側で交差するように、各発光部組の第1発光部102,102および第2発光部120,120,140,140が配置され、遊技領域40aにおいて2つの発光ラインが「X」状になるよう構成される。
前記遊技盤40には、一方の発光部組を構成する第1発光部102が遊技領域40aの右上から該遊技領域40aの中央部に配置された表示部41の右上角部に向けて斜めに設けられ、この第1発光部102と対をなす第2発光部120,140が、遊技領域40aの左下から表示部41の左下角部に向けて斜め設けられている(図4および図5参照)。このように、一方の発光部組を構成する発光部102,120,140は、右から左に向かうにつれて下方傾斜するように延在している。これに対して、遊技盤40には、他方の発光部組を構成する第1発光部102が遊技領域40aの左上から表示部41の左上角部に向けて斜めに設けられ、この第1発光部102と対をなす第2発光部120,140が、遊技領域40aの右下から表示部41の右下角部に向けて斜めに設けられている。このように、他方の発光部組を構成する発光部102,120,140は、左から右に向かうにつれて下方傾斜するように延在している。そして、遊技盤40では、表示部41を挟んで対をなす発光部102,120,140の延在ラインに沿った画面表示を図柄表示装置13で行うと共に表示部41を発光することで、表示部41で分断された上下の発光部102,120,140の間を埋めて1つに連なった発光ラインが構成される。
前記第1発光部102,102および第2発光部120,120,140,140は、板部材42の後側に設けられる後発光部120および板部材42の前側に臨む前発光部140から構成されるものと、板部材42の後側に設けられる後発光部102だけから構成されるものとが組み合わせられている(図4参照)。なお、第1発光部のうち板部材42の後側に設けられるものを第1後発光部102といい、第1発光部のうち板部材42の前側に臨むものを第1前発光部(実施例の遊技盤40では設けられていないが、設置することも可能である。)という。同様に、第2発光部のうち板部材42の後側に設けられるものを第2後発光部120といい、第2発光部のうち板部材42の前側に臨むものを第2前発光部140という。
前記発光演出部100は、裏ユニット50の裏ユニットベース52に設けられる発光部102と、該裏ユニットベース52における前開口52aの内側に臨む裏ユニットボックス54の前側に設けられる発光部120とを備えている。実施例では、第1後発光部102が裏ユニットベース52の前面に設けられ(図13または図16参照)、第2後発光部120が裏ユニットボックス54の前面に設けられている(図15または図17参照)。また、第2前発光部140は、一部の構成部材が裏ユニットベース52の前面に設けられ(図13または図16参照)、残りの部材が板部材42に設けられている(図4または図5参照)。このように、発光演出部100は、複数の発光部102,120,140を裏ユニット50の裏ユニットベース52および裏ユニットボックス54にバランスよく配置することで、遊技盤40においてスペースを有効利用している。
図4〜図17に示すように、各発光部102,120,140は、単数または複数の発光基板104,124A,124B,144に亘り並べて配設された複数のライン用LED(発光体)106,126,146と、このライン用LED106,126,146の前側を覆って設けられた透光部材108,128,148とから基本的に構成される。発光部102,120,140を構成するライン用LED106,126,146は、発光基板104,124A,124B,144において前述した発光ラインをなす所定方向に一列(実施例)または複数列で並べられている。また、各発光部102,120,140は、透光部材108,128,148に光拡散処理が施されて、後側に位置するライン用LED106,126,146から照射される光を拡散して該透光部材108,128,148全体が光っているように発光演出される。実施例の透光部材108,128,148は、光拡散処理として後面に縦目ローレット加工を施した如き凹凸が設けられ、ライン用LED106,126,146の並び方向と交差する刻み目が該並び方向全体に亘って並設されている、
前記発光演出部100の各発光部102,120,140についてより具体的に説明する。
(第1発光部)
実施例の発光演出部100は、表示部41の上側に配置される各第1発光部が第1後発光部102だけから構成されている。第1後発光部102は、裏ユニットベース52の前面に配設されて、透明な板部材42を介して遊技領域40aの前側に現れるようになっている(図4または図5参照)。裏ユニットベース52には、一方の発光部組および他方の発光部組の夫々に対応して2つの第1後発光部102,102が、該裏ユニットベース52の設置凹部53の上部に左右に離間して配置されている(図13参照)。すなわち、右側(一方の発光部組)の第1後発光部102は、遊技領域40aにおける枠状装飾体70の右上側に現れ、左側(他方の発光部組)の第1後発光部102は、遊技領域40aにおける枠状装飾体70の右上側に現れるようになっている(図4または図5参照)。なお、実施例では、裏ユニットベース52の設置凹部53の各側部に夫々配設されて、遊技領域40aの側部を発光演出する側部発光装置80の上部に隣接して、各第1後発光部102が配設されている(図11または図12参照)。
前記第1後発光部102は、裏ユニットベース52の設置凹部53に配設された1つの第1後発光基板104と(図8,図9または図14参照)、この第1後発光基板104の前面に上側から下側に向かうにつれて中央側に偏倚する斜めに一列に並ぶ複数のライン用LED106と(図8または図9参照)、このライン用LED106の前側を覆う第1後透光部材108とを備えている(図16参照)。また、第1後発光部102は、この第1後透光部材108におけるライン用LED106の並び方向に沿う両側に設けられた一対の第1後隔壁部(隔壁部)110,110を備えている(図4参照)。
前記第1後発光部102は、第1後透光部材108および第1後隔壁部110の前面が、設置凹部53の外側を囲って板部材42の後面に当接する当接面と同一または僅かに後側に下がった略同一になるよう構成されている。すなわち、第1後発光部102は、裏ユニットベース52を板部材42に取り付けた際に、第1後透光部材108および第1後隔壁部110の前面が板部材42の後面に対して当接または近接して配置される(図8または図9参照)。第1後透光部材108は、後側に開口するトレイ状に形成されると共に、対応の第1後発光基板104を囲んで裏ユニットベース52の前面に取り付けられている。また、第1後透光部材108は、両脇に設置された第1後隔壁部110,110の間から前側に臨む部分が下から上に向かうにつれて幅広になるよう形成されている(図11または図12参照)。第1後発光部102は、第1後透光部材108の前面から光を照射するだけでなく、両第1後隔壁部110,110の下端間から表示部41に臨む第1後透光部材108の下端面からも光を照射し得るようになっている。
前記第1後隔壁部110は、めっき等の光を反射する処理または光を反射する素材から形成されており、光を透過しないようになっている。第1後隔壁部110は、第1後透光部材108の側面に沿って延在する片部を基本として構成され、この片部の前板が第1後透光部材108の側縁の縁取りを形成すると共に、第1後発光部102の周囲の飾りの一部となっている。また、第1後隔壁部110は、第1後発光基板104とこの第1後発光基板104の前側に離間配置された第1後透光部材108の前板との間を塞ぐように構成される。すなわち、第1後発光部102は、ライン用LED106の側方が第1後隔壁部110で囲われている。第1後隔壁部110は、ライン用LED106に臨む面およびこの面と反対側の面の両方(実施例)またはいずれか一方が光を反射するよう形成されている。
右側に位置する第1後発光部102の第1後隔壁部110は、第1後透光部材108の前面および側面に沿って延在する断面L字状の片部を上端間および下端間で接続した1つの部材として構成されている。また、右側の第1後隔壁部110は、第1後透光部材108の左側全体に亘って塞ぐ一方、第1後透光部材108の右側上部から中間部分に亘って塞ぐよう構成されている。これに対して、左側に位置する第1後発光部102は、第1後透光部材108を挟んで一対の第1後隔壁部110,110が配設されている。そして、第1後発光部102は、一対の第1後隔壁部110,110によって第1後透光部材108の両側を挟んでライン用LED106の設置部分と他の領域とを区画している。
このように、第1後発光部102は、ライン用LED106の並び方向に沿って延在する第1後隔壁部110によってライン用LED106の光が側方に漏れるのを防止でき、第1後発光部102による発光演出に際して、該第1後発光部102の側方領域が光ることを回避できる。すなわち、第1後発光部102は、発光ラインを構成する第1後透光部材108の露出面だけを明輝させることができ、発光演出をより強調することができる。また、第1後発光部102は、該第1後発光部102に隣接して設置された側部発光装置80等の他の発光装置から照射された光が第1後透光部材108に入射することを第1後隔壁部110によって阻むことができる。従って、遊技盤40は、第1後発光部102と他の発光装置との間で発光演出を明確に切り分けることができるから、夫々の部位で行われる発光演出が強調され、演出効果を向上することができる。
右側に位置する第1後発光部102は、第1後透光部材108の前側に別の透光部材112(以下、透光カバーという。)を備えている。遊技盤40は、裏ユニットベース52と板部材42とを組み付けた際に、板部材42の表示貫通口42aに嵌め込まれた枠状装飾体70の上縁右側部が右側の第1後透光部材108の下側部分に重なるように構成されている(図4または図5参照)。枠状装飾体70は、透明な板部材42を挟んで第1後透光部材108の下側部分の前側に重なる部分に発光用開口70bが開設されて(図10,図19または図22参照)、この発光用開口70bを塞ぐように透光カバー112が枠状装飾体70に配設されている。透光カバー112は、枠状装飾体70において板部材42の前面から表示部41の上および側部を囲うように前方へ突出して表示部41と遊技領域40aとを区画する庇状部73の前面を構成するよう取り付けられ、板部材42の前面と離間している。
前記透光カバー112は、光拡散処理が施されて、後側に位置するライン用LED106から照射される光を拡散して該透光カバー112全体が光っているように発光演出される。また、透光カバー112は、右から左に向かうつれて下方傾斜するように斜めに延在する左側の第1後透光部材108に合わせて斜めに延在するように形成されている(図18または図21参照)。すなわち、透光カバー112は、枠状装飾体70の上側に透明な板部材42を介して遊技領域40aに臨む第1後発光部102における第1後透光部材108の上側部分と一続きのラインを構成している(図4参照)。更に、透光カバー112は、板部材42の前面に対して略垂直に立ち上がった枠状装飾体70の庇状部73の上縁から下方(表示部41側)に向かうにつれて後方へ湾曲するように形成されている(図8参照)。なお、透光カバー112は、枠状装飾体70の庇状部73における表示部41に臨む下端面も構成しており、透光カバー112を介して第1後発光部102から照射した光を前側だけでなく、表示部41側にも照射し得るようになっている。
前記枠状装飾体70は、庇状部73の露出面全体がめっき等の反射処理を施すことで光を反射するよう構成されると共に、透光カバー112の後側において表示用開口70bを画成するように該透光カバー112の両側に沿って延在する枠状装飾体70の内壁部分についても光を反射するよう構成されている。すなわち、右側の第1後発光部102は、枠状装飾体70の内壁部分によってライン用LED106から照射した光を反射して透光カバー112を明輝させることができる。
このように、第1後発光部102に合わせて枠状装飾体70に透光カバー112を設けることで、右側の第1後発光部102と表示部41での画面表示との間を枠状装飾体70で分断することなく、遊技領域40aから表示部41での図柄表示が一続きになった発光ラインを形成することができる。すなわち、第1後発光部102による発光演出と表示部41での画面表示との一体感を向上し得るので、発光演出部100による演出効果をより強調できる。また、透光カバー112は、板部材42の前面から前方へ突出した庇状部73に配設しているので、板部材42と該板部材42の前側を覆うガラス板14aとの間のスペースで立体的な形状とすることができる。右側の第1後発光部102は、発光ラインが平面的ではなく、透光カバー112の前後方向への湾曲形状によって発光ラインに立体感を持たせることができ、発光ラインをより大きく見せることができる。
前記遊技盤40では、裏ユニット50の後側に図柄表示装置13が取り付けられる構成であるので、表示部41において画面表示を行う図柄表示装置13の表示面が遊技領域40aより後方(奥側)に位置している。右側の第1後発光部102は、上から表示部41側に向かうにつれて透光カバー112が後方へ偏倚するように形成してあるので、図柄表示装置13の表示面と第1後発光部102との間の段差を小さくすることができ、表示部41での発光ラインを構成する画面表示と第1後発光部102による発光ラインとの一体感を増すことができる。しかも、透光カバー112の立体形状によって、第1後発光部102がなす発光ラインが遊技領域40aの中央部に位置する表示部41に向けて収束するような印象を与えることができ、注目度の高い表示部41での画面表示を好適に発光装飾し得る。
(第2発光部)
実施例の発光演出部100は、表示部41の下側に配置される第2発光部が、板部材42の後側に設けられる第2後発光部120と、板部材42の前側に臨む第2前発光部140とを組み合わせて構成されている。発光演出部100は、2組の発光部組に対応して第2発光部120,140を左右に離間して2組備えている(図4参照)。各第2発光部は、第2後発光部120が表示部41の下縁から下方に向かうにつれて外側に偏倚するように斜めに設置され、第2前発光部140が対応の第2後発光部120の下端から下方に向かうにつれて外側に偏倚するように設置されている。すなわち、遊技盤40には、表示部41の下側に2組の第2発光部120,120,140,140によって「ハ」の字状に延在する発光ラインが形成されている。なお、発光演出部100は、右側の第1発光部102と左側の第2発光部120,140とが一方の発光部組を形成し、左側の第1発光部102と右側の第2発光部120,140とが他方の発光部組を形成している。実施例の発光演出部100では、2組の第2発光部120,120,140,140が左右対称な構成であるので、一方の発光部組を構成する左側の第2発光部120,140を例に挙げて以下に説明する。
(第2後発光部)
前記第2後発光部120は、裏ユニットボックス54の下辺部55c前面に配設されて、裏ユニットベース52の前開口52aを介して前側に現れる下部発光装置200の一部として設けられている(図11または図12参照)。第2後発光部120は、下部発光装置200における構成部材の設置基体となる下部ベース部材202の前面に配設されて、表示部41の下縁を構成する下部発光装置200の上端から下端にかけて斜めに設けられている。下部発光装置200は、板部材42の表示貫通口42aの内側下部に上側部分が位置すると共に、下側部分が板部材42の後側に位置するようになっている(図7参照)。ここで、下部発光装置200は、表示貫通口42aに嵌め合わせられた枠状装飾体70の内側下部を塞いでいる透明な後壁部76の後側に上側部分が位置し、第2後発光部120が後壁部76の後側から枠状装飾体70の下縁部に設けられたステージ74を横切って板部材42の後側に延在するよう構成される(図4参照)。すなわち、第2後発光部120は、ステージ74より上側に延在する上側部分が枠状装飾体70の透明な後壁部76を介して前側に現れると共に、ステージ74より下側に延在する下側部分が透明な板部材42を介して遊技領域40aに現れるようになっている。
前記第2後発光部120は、複数(実施例では2つ)の第2後発光基板124A,124Bに亘って並べて配設された複数のライン用LED(第1の発光体)126と、この複数のライン用LED126の前側を覆って設けられた第2後透光部材128とを備えている(図47または図48参照)。また、第2後発光部120は、第2後透光部材128におけるライン用LED126の並び方向に沿う両側に設けられた第2後隔壁部130,130を備えている(図11または図12参照)。複数のライン用LED126は、表示部41の下縁から下方に向かうにつれて外側に偏倚するように斜めに、かつ一列(実施例)または複数例で第2後発光基板124A,124Bの前面に並べて配設されている(図17参照)。ここで、第2後発光基板124A,124Bは、第2後発光部120とは別の領域を照らす下部発光装置200の装置用LED(第2の発光体)204が設置される発光基板として共用されている。なお、下部発光装置200では、ライン用LED126と装置用LED204とが独立して発光制御され、ライン用LED126は第1後発光部102や第2前発光部140のライン用LED106,146と連動して発光制御される。
前記下部発光装置200では、2つの第2後発光基板124A,124Bが上下の位置関係で並べて(図17参照)、下部ベース部材202に設置されている。上側に位置する上第2後発光基板(第1の発光基板)124Aの前面には、左右の第2後発光部120,120のライン用LED126,126が設置されると共に、左右のライン用LED126,126に挟まれた内側および各ライン用LEDより外側の夫々に装置用LED204が配設されている。これに対して、下側に位置する下第2後発光基板(第2の発光基板)124Bは、下部発光装置200の下部領域の左右に夫々設置され、対応する側部の第2後発光部120を構成するライン用LED126が外側に配設されると共に、このライン用LED126より内側に装置用LED204が配設されている。すなわち、下部発光装置200は、上部領域の略全体に対応する1枚の上第2後発光基板124Aと、下部領域の左右の側部の夫々に対応する2枚の下第2後発光基板124B,124Bとを備えている。
前記第2後発光部120は、上第2後発光基板124Aとこの上第2後発光基板124Aの下側に並ぶ下第2後発光基板124B,124Bとが前後方向に段差を設けて設置されている(図8または図9参照)。第2後発光部120では、表示部41側に位置する上第2後発光基板124Aに比べて下第2後発光基板124B,124Bが前側に設置されており、上第2後発光基板124Aのライン用LED126がステージ74より上側部分の発光演出を主に担い、下第2後発光基板124Bのライン用LED126がステージ74より下側部分の発光演出を主に担うよう構成される。
前記第2後発光部120の第2後透光部材128は、下部発光装置200の前面を構成する前板128aの長手辺両側に後側に向けて延出する側片128b,128bを備える後側に開口する透明な箱状部材であって(図47または図48参照)、長手辺がライン用LED126の並び方向に沿って延在している(図17参照)。第2後透光部材128は、上第2後発光基板124Aおよび下第2後発光基板124Bのライン用LED126を一体的に覆うように構成され、両側片128b,128bの後端が上下の第2後発光基板124A,124Bの段差に対応して段差形状になっている。また、第2後透光部材128は、上端部に側片128bの後端より後方に向けて突出形成された上端突片128cを有し、第2後発光基板124A,124Bに側片の後端を突き当てて下部発光装置200に取り付けた際に、上端突片128cが下部発光装置200の表示部41に臨む上端面を構成するようになっている。
前記第2後透光部材128は、ライン用LED126の前側を覆う前板に光拡散処理が施されて、後側に位置するライン用LED126から照射される光を拡散して該前板全体が光っているように発光演出される。また、第2後発光部120は、上端面が第2後透光部材128の上端突片128cで構成されているので、ライン用LED126からの光を前側だけでなく、表示部41側にも照射し得るようになっている。
前記第2後透光部材128は、前板128aが表示部41側に向かって後方へ下がるように形成されている(図8または図9参照)。具体的には、第2後透光部材128は、前板128aが表示部41側の上側部分に比べて下側部分が前側に位置するよう段状に形成され、該前板128aが上側部分から下側部分に向かうにつれて前方へなだらかに湾曲している。なお、第2後透光部材128の前板128aにおける湾曲部分が、ステージ74の後側に配置されている。このように、第2後発光部120は、後側に位置する第2後発光基板124A,124Bの前後位置に合わせて第2後透光部材128における前板128aの前後位置が異なるように形成されている。すなわち、第2後発光部120は、奥側(後側)に位置する上第2後発光基板124Aに合わせて第2後透光部材128の上側部分が後側に位置するよう形成され、手前側(前側)に位置する下第2後発光基板124Bに合わせて第2後透光部材128の下側部分が前側に位置するよう形成される。第2後発光部120は、第2後透光部材128における下側部分の前面が、裏ユニットベース52の前面と同一または僅かに後方に下がった略同一に設定され、裏ユニット50を板部材42に取り付けた際に、板部材42の後面に当接または僅かに離れるよう構成されている。
前記第2後発光部120は、裏ユニットボックス54の前面に取り付けられて板部材42の後側に配置されているので、第2後発光部120が遊技領域40aを流下するパチンコ球に影響を与えず、板部材42と裏ユニットボックス54の設置板部とのスペースで立体的な形状とすることができる。すなわち、第2後発光部120は、発光ラインが平面的ではなく、第2後透光部材128の前後方向への湾曲形状によって発光ラインに立体感を持たせることができ、発光ラインをより大きく見せることができる。
前記遊技盤40では、裏ユニット50の後側に図柄表示装置13が取り付けられる構成であるので、表示部41において画面表示を行う図柄表示装置13の表示面が遊技領域40aより後方(奥側)に位置している。第2後発光部120は、下から表示部41側に向かうにつれて第2後透光部材128の前板128aが後方へ偏倚するように形成してあるので、図柄表示装置13の表示面と第2後発光部120との間の段差を小さくすることができ、表示部41での発光ラインを構成する画面表示と第2後発光部120による発光ラインとの一体感を増すことができる。しかも、第2後透光部材128の立体形状によって、第2後発光部120がなす発光ラインが遊技領域40aの中央部に位置する表示部41に向けて収束するような印象を与えることができ、注目度の高い表示部41での画面表示を好適に発光装飾し得る。
前記第2後発光部120は、上下の第2後発光基板124A,124Bの前後位置に合わせて第2後透光部材128の前板128aの前後位置を形成しているので、夫々の第2後発光基板124A,124Bに設けられるライン用LED126と第2後透光部材128の前板128aとの間の位置関係を適切に保つことができる。すなわち、第2後透光部材128の前板128aに施された光拡散処理によって、ライン用LED126から照射した光を適切に拡散でき、第2後透光部材128の前板128a全体を面発光とし得ると共に、前側からライン用LED126を視認し難くできる。
前記第2後隔壁部130は、第2後発光部120を構成するライン用LED126と別の部位を発光演出する装置用LED204を備えた第2後発光基板124A,124Bにおいて、該装置用LED204と第2後透光部材128との間に少なくとも設けられる(図15参照)。第2後隔壁部130は、第2後発光部120におけるライン用LED126の並び方向に沿って延在してライン用LED126と装置用LED204との間を仕切るよう構成される。上第2後発光基板124Aには、ライン用LED126に対して内側および外側の両側に装置用LED204が設けられているので、第2後透光部材128の上側部分では、ライン用LED126の並び方向両側に第2後隔壁部130,130が設けられている。下第2前発光基板124Bには、ライン用LED126に対して内側だけに装置用LED204が設けられているので、第2後透光部材128の下側部分では、ライン用LED126の並び方向内側にだけ第2後隔壁部130を設ければ足りるが、実施例では第2後透光部材128の両側に第2後隔壁部130,130が設けられている。
前記第2後隔壁部130は、下部発光装置200の前面に臨む前端が第2後透光部材128の側部に沿って延在するよう形成され、該前端によって第2後透光部材128の前板128aの側部を縁取って、第2後発光部120とこの第2後発光部120に隣接する下部発光装置200の前面とを区分している(図11参照)。第2後隔壁部130は、前端が第2後透光部材128の前板128a前面に合わせて前後方向の位置が形成されて、下から上(表示部41側)に向かうにつれて後方へ下がるよう構成される(図47または図48参照)。第2後隔壁部130は、第2後発光基板124A,124Bとこの第2後発光基板124A,124Bの前側を間隔をあけて被覆している第2後透光部材128の前板128aとの間を仕切るように設けられている。
前記下部発光装置200は、第2後発光部120を挟む上側領域の内外部分が光透過性を有する上装飾カバー206で構成されているので、特に上側部分に延在する第2後隔壁部130の後端が上第2後発光基板124Aの前面に当接するよう構成され、該上側部分に延在する第2後隔壁部130によって第2後透光部材128の前板128aと上第2後発光基板124Aとの間を塞いでいる。下側部分の内側に延在する第2後隔壁部130の後端は、下第2後発光基板124Bの前面に一部当接するよう構成されて、該下側部分の内側に延在する第2後隔壁部130によって第2後透光部材128の前板128aと下第2後発光基板124Bとの間の大部分を塞ぐようになっている。また、下側部分の外側に延在する第2後隔壁部130の後端は、下第2後発光基板124Bの前面に当接するよう構成されて、該下側部分の外側に延在する第2後隔壁部130によって第2後透光部材128の前板128aと下第2後発光基板124Bとの間が塞がれるようになっている。ここで、下部発光装置200は、第2後発光部120の下側部分の内側にも装置用LED204が設けられているが、下部発光装置200の下部前面を構成する下装飾カバー220は、該装置用LED204の前側に対向する部分だけが光透過性を有するカバー片226で形成されて、第2後発光部120とこの第2後発光部120から離間するカバー片226との間が光を透過しないようになっている。よって、下側部分の内側に延在する第2後隔壁部130は、第2後透光部材128の前板128aと下第2後発光基板124Bとの間の大部分を塞ぐ構成であるが、第2後発光部120と下部発光装置200のカバー片226との間で互いの発光演出の影響を回避できる。
前記第2後隔壁部130は、めっき等の光を反射する処理または光を反射する素材から形成されており、光を透過しないようになっている。第2後隔壁部130は、ライン用LED126に臨む面が光を反射するよう形成されると共に、ライン用LED126に臨む面と反対側の面が光を反射するよう形成されている。また、第2後隔壁部130は、第2後透光部材128の側部に沿う前端についても光反射処理が施してある。このように、第2後発光部120は、第2後隔壁部130におけるライン用LED126に臨む面を光を反射するよう形成することで、ライン用LED126から照射した光を第2後隔壁部130に反射させてより強調し得る。また、第2後発光部120は、2つの第2後隔壁部130,130がライン用LED126を挟んで対向配置されているので、対向する反射面によってライン用LED126から照射した光を好適に拡散および強調し得る。しかも、第2後発光部120は、第2後隔壁部130における装置用LED204側の面も光を反射するよう形成することで、装置用LED204から照射した光を第2後隔壁部130に反射させてより強調し得る。
前記第2後透光部材128の上側部分内縁を仕切る第2後隔壁部130は、下部発光装置200の上部において左右の第2後発光部120,120の間に取り付けられる飾り枠部216の側部に設けられている(図47または図48参照)。また、第2後透光部材128の下側部分内縁を仕切る第2後隔壁部130は、下部発光装置200の下部において左右の第2後発光部120,120の間に取り付けられる下装飾カバー220における中装飾ブロック222の外側部に設けられている。更に、第2後透光部材128の上側および下側部分外縁を仕切る第2後隔壁部130は、下部発光装置200の上部において左右の第2後発光部120,120の外側に取り付けられる下装飾カバー220における脇装飾ブロック224の内側部に設けられている。ここで、第2後透光部材128の上側部分外縁を仕切る第2後隔壁部130は、脇装飾ブロック224の内側部から上方に突出形成されている。
このように、第2後発光部120は、ライン用LED126の並び方向に沿って延在する第2後隔壁部130によってライン用LED126の光が側方に漏れるのを防止でき、第2後発光部120による発光演出に際して、該第2後発光部120の側方領域が光ることを回避できる。すなわち、第2後発光部120は、発光ラインを構成する第2後透光部材128の露出面だけを明輝させることができ、発光演出をより強調することができる。また、第2後発光部120は、該第2後発光部120に隣接して設置された下部発光装置200の装置用LED204から照射された光が第2後透光部材128に入射することを第2後隔壁部130によって阻むことができる。従って、遊技盤40は、第2後発光部120と下部発光装置200との間で発光演出を明確に切り分けることができるから、夫々の部位で行われる発光演出が強調され、演出効果を向上することができる。
(第2前発光部)
前記第2前発光部140は、第2後発光部120と該第2後発光部120のライン用LED126の並び方向下側に隣り合って配設されている(図4または図5参照)。第2前発光部140は、裏ユニットベース52の前面に配設された第2前発光基板(発光基板)144と(図11,図13および図16参照)、この第2前発光基板144の前側に覆って板部材42に設けられ、遊技領域40aの前側に現れる第2前透光部材(透光部材)148(図4または図5参照)とを備えている。第2前発光基板144の前面には、上から下に向かうにつれて外側に偏倚する斜めに一列に並べて複数のライン用LED146が設けられている(図11参照)。裏ユニットベース52には、一方の発光部組および他方の発光部組の夫々に対応して2つの第2前発光基板144,144が、該裏ユニットベース52の設置凹部53の下部に左右に離間して配置されている(図16参照)。第2前発光部140は、第2前発光基板144の前側を囲って裏ユニットベース52に取り付けられた透明な保護カバー(図示せず)を備え、この保護カバーの前面が、設置凹部53の外側を囲って板部材42の後面に当接する当接面と同一または僅かに後側に下がった略同一になるよう構成されている。
前記第2前透光部材148は、板部材42において遊技領域40a下部の左右に夫々開設された飾り貫通口42cを塞ぐ下部飾り66に取り付けられ、光を透過しないよう形成された下部飾り66と共に遊技領域40a(板部材42の前面)を構成している。第2前透光部材148には、光拡散処理が施されており、後側に位置するライン用LED146から照射される光を拡散して該透光部材148全体が光っているように発光演出される。
このように、発光演出部100は、各発光部組の第1後発光部102の第1後透光部材108およびこの第1後透光部材108の挟んで対向配置された第1後隔壁部110,110と、第2後発光部120の第2後透光部材128およびこの第2後透光部材128の挟んで対向配置された第2後隔壁部130,130と、表示部41を挟んで遊技領域40aを斜めに横切る発光ラインを形成するように配置される。また、発光演出部100は、各第2後発光部120と並んで設けられた第2前発光部140によって発光ラインが延長されている。すなわち、発光演出部100は、遊技領域40aの略全体に亘って延在する発光ラインを形成することができるので、遊技領域40aの略全体を用いたダイナミックな発光演出を行って演出効果を向上し得る。
前記第2発光部は、同一の発光ラインを形成する第2後発光部120と第2前発光部140とが板部材42を挟んで前側と後側とに設けられているので、立体感が増し、発光演出の効果を向上することができる。また、第2発光部は、下側の第2前発光部140より表示部41側の第2後発光部120が後側に位置し、第2後発光部120の第2後透光部材128が表示部41に向かうにつれて後方へ下がる形状としてあるので、表示部41の下側の発光ラインが全体として立体感を増すことができる。しかも、発光演出部100は、左側の第1後発光部102を除く発光部102,120,120,140,140で構成される発光ラインが奥側で画面表示が行われる表示部41へ向けて下がるように形成されるので、遊技盤40の限られた前後方向のスペースにかかわらず、全体として奥行き感が醸し出すことができる。
(下部発光装置)
前記表示部41の下部を発光演出する下部発光装置200について説明する。下部発光装置200は、表示部41の下縁を構成する裏ユニットボックス54の下辺部55c前面に左右に亘って配設されている(図15参照)。また、下部発光装置200は、表示部41の下縁から特別入賞装置62の特別入賞口62bの上側に亘る範囲を占めて配設されている(図4参照)。下部発光装置200は、板部材42の表示貫通口42aの内側下部に上側部分が位置すると共に、下側部分が板部材42の後側に位置するようになっている(図7参照)。ここで、下部発光装置200は、表示貫通口42aに嵌め合わせられた枠状装飾体70の内側下部を塞いでいる透明な後壁部76の後側に上側部分が位置し、第2後発光部120,120が後壁部76の後側から枠状装飾体70の下縁部に設けられたステージ74を横切って板部材42の後側に延在するよう構成される。下部発光装置200は、始動入賞装置60における板部材42の後側に突出する装置本体部60dを収容する入賞装置収容部201が中央下部に開設されて(図15参照)、始動入賞装置60において遊技領域40aに臨む始動入賞口60b,60cの周りを板部材42の後側で囲んでいる。
図47または図48に示すように、下部発光装置200は、構成部材の設置基体となる下部ベース部材202と、この下部ベース部材202の前側に配設された第2後発光基板124A,124Bと、この第2後発光基板124A,124Bの前側を覆う装飾カバー206,220と、前述した第2後発光部120,120とから基本的に構成されている。下部発光装置200は、下部ベース部材202に第2後発光基板124A,124Bや装飾カバー206,220等の構成部材が取り付けられ、裏ユニットボックス54に対して着脱可能に固定される下部ベース部材202を介して1つのユニットとして取り扱い可能になっている。
前記下部ベース部材202は、上部分と下部分とが階段状に段差を設けて形成されて、表示部41側の上部分が下部分と比べて後方に配置されている(図47参照)。下部ベース部材202は、上部分と下部分との境界がステージの左右形状におおよそ沿わせて形成されている。また、下部ベース部材202は、上下部分の境界がステージの後側に位置するように配置される。
前記第2後発光基板124A,124Bは、前述の如く第2後発光部120,120を構成するライン用LED126および下部発光装置200において第2後発光部120,120と別の領域を照らす装置用LED204とが設けられ、第2後発光部120,120と下部発光装置200とで基板を区別することなく共用している(図17参照)。下部発光装置200は、下部ベース部材202の上部分に取り付けられる上第2後発光基板124Aと、下部ベース部材202における下部分の左右に取り付けられる一対の下第2発光基板124B,124Bとを備えている。上第2後発光基板124Aは、下部ベース部材202の上部分全体におおよそ整合する左右方向に長尺な形状であって、左右の側部の夫々に各発光部組の第2後発光部120を構成するライン用LED126が並べて配設され、一対のライン用LED126の内側および該ライン用LED126の外側に装置用LED204が配設されている。
各下第2後発光基板124Bは、下部ベース部材202における下部分の側部に配置され、第2後発光部120を構成するライン用LED126が上第2後発光基板124Aの対応する側部のライン用LED126に並べて外側縁部に配設されている。また、各下第2後発光基板124Bは、外側縁部に配置したライン用LED126から内方に離間して、装置用LED204が内側縁部に配設されている。下部発光装置200は、表示部41側の上第2後発光基板124Aと比べて下第2後発光基板124Bが前方に配置され、上第2後発光基板124AのLED126,204が下第2後発光基板124BのLED126,204より後方に位置している(図8または図9参照)。
前記装飾カバー206,220は、前面を構成する板部分が第2後発光基板124A,124BのLED126,204または下部ベース部材202から離間させて設けられており、ステージ74より下側の部分と比べてステージ74より上側の部分が後方に配置されている。すなわち、装飾カバー206,220により構成される下部発光装置200の前面は、表示部41側となる上部分が下部分と比べて後方に位置する段状に形成されている。装飾カバー206,220は、段の上側の部分と下側の部分との境界がステージ74の左右形状におおよそ沿わせて形成されている。装飾カバー206,220は、ステージ74より下側の部分前面が裏ユニットベース52の前面と同一または僅かに後方に下がった略同一になるよう設定され、裏ユニット50を板部材42に取り付けた際に、該装飾カバー220の下側部分が板部材42の後面に当接または僅かに離れるよう構成されている。そして、装飾カバー206,220は、ステージ74より上側の部分が枠状装飾体70の透明な後壁部76を介して前側に現れて表示部41とステージ74との間を装飾し、ステージ74より下側の部分が透明な板部材42を介して遊技領域40aの後側に現れて始動入賞口60b,60cに向けて流下するパチンコ球の流下通路を装飾している(図4参照)。
前記装飾カバーは、下部ベース部材202の上部分に対応した上装飾カバー206と、下部ベース部材202の下部分に対応した下装飾カバー220とから構成される(図47参照)。下部発光装置200は、上装飾カバー206および下装飾カバー220の左右の側部上側でステージ74より上側の部分を構成し、下装飾カバー220でステージ74より下側の部分を構成するようになっている。
図47または図48に示すように、前記上装飾カバー206は、上第2後発光基板124Aの中央部を覆う中央装飾ブロック(光透過部材)208と、上第2後発光基板124Aにおける中央装飾ブロック208および第2後発光部120の間を覆う一対の内装飾ブロック212,212と、上第2後発光基板124Aにおける第2後発光部120の外側を覆う一対の外装飾ブロック214,214と、中央装飾ブロック208および一対の内装飾ブロック212,212の前側に取り付けられた飾り枠部216とから構成される。上装飾カバー206は、光反射を反射するよう形成された飾り枠部216を除いて、遊技盤40の前側に現れる面を構成する中央装飾ブロック208、内装飾ブロック212,212および外装飾ブロック214,214が光を透過するよう形成されている。また、中央装飾ブロック208、内装飾ブロック212,212および外装飾ブロック214,214は、透過する光を拡散するよう形成されている。
前記中央装飾ブロック208は、枠状装飾体70の前述した流下部78の後側に配置されている。中央装飾ブロック208は、上第2後発光基板124Aから前方へ離間する面とこの面を左右に挟んで対向する面とを少なくとも備えた前側に凸となる形状に形成されて、実施例では半球状に形成されている(図47参照)。中央装飾ブロック208は、半球状の頂部が左右に延在する内装飾ブロック212,212の前面より前方へ突出する一方、下側部分を覆っている下装飾カバー220の前面より後方に位置するよう設定されている。中央装飾ブロック208は、前面が平滑に形成される一方、上第2後発光基板124Aに面する後面がダイヤモンドカット加工の如き凹凸に形成されて光を拡散し得るよう構成される(図7参照)。また、中央装飾ブロック208の後側には、後方に開口する凹形状に合わせて半球状に形成され、光拡散処理が施されたシート材209が嵌め合わせられている(図48参照)。シート材209は、中央装飾ブロック208と異なる光拡散処理が施され、実施例では、細かい光を反射するドット加工が施されている。
前記中央装飾ブロック208は、半球形状の頂部から下方に向けて凹溝210が形成されている(図11参照)。凹溝210は、中央装飾ブロック208の前面から後方に向けて凹み、前側に開口している。ここで、凹溝210は、中央装飾ブロックの前側に設置される枠状装飾体70の下部中央に設けられる流下部78に対向する部位に設けられ、後側へ凸状に形成された流下部78を収容し得る大きさに設定される(図7参照)。実施例の凹溝210は、流下部78の凸形状に整合するよう形成されて、流下部78が凹溝210に嵌り込んで流下部78(枠状装飾体70)と凹溝210(下部発光装置200)とが凹凸によって互いに係合するよう構成される。すなわち、遊技盤40では、流下部78と凹溝210との係合によって、枠状装飾体70と下部発光装置200とを位置決めできる。
前記凹溝210は、上側の面が中央装飾ブロック208における上側の面に相対し、左右の各面が中央装飾ブロック208における左右の外側に延在する面に相対するようになっている。すなわち、中央装飾ブロック208は、光拡散処理が施された面で凹溝210の左右および上側を囲うようになっている。 なお、中央装飾ブロック208の後側には、該中央装飾ブロック208の頂部に対向する上第2後発光基板124Aの前面部位に装置用LED204が配置されると共に、この装置用LED204を中心として複数の装置用LED204が所定ピッチで円形配列されている(図17参照)。
前記内装飾ブロック212および外装飾ブロック214は、後側に開口するトレイ形状に形成されて、前面がダイヤモンドカット加工の如き凹凸に形成されて光を拡散し得るよう構成される。内装飾ブロック212および外装飾ブロック214は、前面が間に挟んでいる第2後発光部の前面より後方に位置するよう構成されている。すなわち、第2後発光部120は、上側部分が内および外装飾ブロック212,214より前方に突出する一方、下側部分が下装飾カバー220の前面と略同一面を構成している。
前記内装飾ブロック212は、同じ側部に延在する第2後発光部120の発光ラインにおおよそ沿って並べて開設された上ブロック開口212a(図47または図48参照)に該内装飾ブロック212と異なる意匠および光拡散処理が施された上カバー片218が取り付けられ(図15参照)、この上カバー片218の後側に対応して装置用LED204が配設されている。なお、実施例では、上ブロック開口212aが上下に離間して2箇所設けられ、上カバー片218は、前側が凸とするレンズ形状に形成されている。下部発光装置200は、内装飾ブロック212の後側にカバー片218に対応する部位だけでなくカバー片218と第2後発光部120との間の領域にも上第2後発光基板124A前面に装置用LED204を配設して、当該装置用LED204によって内装飾ブロック212を発光し得るようになっている(図17参照)。
前記飾り枠部216は、左右の第2後発光部120,120の間に位置して内装飾ブロック212,212の前側に取り付けられている。飾り枠部216は、下部発光装置200における左右の第2後発光部120,120の間の上端面を構成すると共に、中央装飾ブロック208の根元部分およびカバー片218の周りを縁取って装飾するようになっている。また、飾り枠部216は、前述した如く、左右の側部に第2後発光部120,120の第2後隔壁部130の上側部分が設けられている。
前記下装飾カバー220は、左右の第2後発光部120,120の間を覆う中装飾ブロック222と、第2後発光部120の外側を覆う脇装飾ブロック224とから構成されている(図15参照)。中装飾ブロック222は、同一側部にある内装飾ブロック212の上カバー片218の並び方向の延長線上に並べて開設された下ブロック開口222aに該中装飾ブロック222と異なる意匠および光拡散処理が施された下カバー片226が取り付けられている。下第2後発光基板124Bには、この下カバー片226の後側に対応して装置用LED204が配設されている。なお、実施例では、下ブロック開口222aが上下に離間して2箇所設けられ、下カバー片226は、前側が凸とするレンズ形状に形成されると共に上カバー片218と同じ意匠および光拡散処理が施されている。また、中装飾ブロック222は、下カバー片226を除いて光を透過しないように構成されている。また、中装飾ブロック222は、左右の側部に第2後発光部120の第2後隔壁部130の下側部分を備えている。
前記脇装飾ブロック224は、光を透過しないように構成され、ステージ74に合わせた上側の部分と下側の部分との間で、上側の部分が後方に位置するように段差形状に形成されている。また、脇装飾ブロック224は、内側部に第2後発光部120の第2後隔壁部130を備えている。
前記下部発光装置200は、上第2後発光基板124Aの装置用LED204を発光することで、透明な後壁部76を介してステージ74を照らすことができる。すなわち、ステージ74を左右に転動するパチンコ球を発光演出することができ、遊技者の注意をより引き付けることができる。また、下部発光装置200は、上下のカバー片218,226に対応する装置用LED204を発光することで、第2後発光部120の内側に沿って並ぶカバー片218,226によって、第2後発光部120の発光ラインに沿った断続的な別の発光ラインを形成することができる。すなわち、下部発光装置200は、発光演出部100の発光演出と関連付けたカバー片218,226による発光演出も行うことが可能であり、第2後発光部120の発光ラインと相乗して発光演出態様を多彩にし得る。
前記下部発光装置200は、球通路77の流下部78を中央装飾ブロック208の凹溝210に収容する構成であるので、中央装飾ブロック208の後側に対応する装置用LED204を発光することで、流下部78を流下するパチンコ球を光で照らすことができる。すなわち、図柄変動ゲームの始動条件となる始動入賞口60b,60cへの入賞確率が高く、遊技者の注目度が高い球通路77について、下部発光装置200によって発光演出することで、遊技者の興趣を高めることができる。しかも、凹溝210は、中央装飾ブロック208の後面の光拡散処理やシート材209によって拡散された光が装置用LED204のある後側からだけでなく、凹溝210を構成する壁に相対する中央装飾ブロック208の側面および上面に反射された光が入射するので、上、左右および後から流下部78を照らすことができる。更に、中央装飾ブロック208の後側には、凹溝210(凹溝210に収容される流下部78)の後側に位置する装置用LED204だけでなく、凹溝210(凹溝210に収容される流下部78)の後側から外れた周囲に装置用LED204を配置しているので、流下部78を周りから好適に照らすことができる。
(可動演出装置)
実施例の遊技盤40には、3つの可動演出装置82,82,300が裏ユニット50に配設されている(図15参照)。各可動演出装置82,82,300は、可動体83,83,340を有しており、可動体83,83,340が表示部41の外側に位置する待機位置とこの待機位置から表示部41の前側に向けて移動した動作位置との間で駆動機構により往復移動可能に構成される(図4,図5,図11,図12参照)。なお、各可動演出装置82,82,300は、可動体83,83,340による演出動作を行わない停止時に可動体83,83,340が待機位置で保持されるようになっている(図4または図11参照)。ここで、遊技盤40には、表示部41の左右の側部に側部可動演出装置82が夫々設けられ、表示部41の上側に上部可動演出装置300が設けられている。
前記遊技盤40では、右側に配置された側部可動演出装置82の側部可動体83が表示部41の右側に位置する待機位置(図11参照)から左方に変位して、表示部41の前側の動作位置に至り(図12参照)、左側に配置された側部可動演出装置82の側部可動体83が表示部41の左側に位置する待機位置(図11参照)から右方に変位して、表示部41の前側の動作位置(図12参照)に至るようになっている。また遊技盤40では、上部可動演出装置300の上部可動体340が表示部41の上外側に位置する待機位置(図4参照)から下方に変位し、表示部41の前側の動作位置に至るようになっている(図5参照)。ここで、遊技盤40では、側部可動体83の往復動範囲と上部可動体340の往復動範囲とが重なっており、側部可動体83と上部可動体340とがずらして動作される。なお、2つの側部可動演出装置82は、左右対称な構成である(図15参照)。
前記側部可動演出装置82は、側部可動体83の上端部が裏ユニットボックス54における設置板部55の側辺部55b上側に軸支され、同じく側辺部上部に配設された図示しないモータによって側部可動体83が待機位置(図11参照)と動作位置(図12参照)の間で往復動されるよう構成される。側部可動体83は、羽根状に形成されており、待機位置において裏ユニットボックス54の設置板部55と裏ユニットベース52との間に、側部発光装置80の後側に位置して収容されている。また、側部可動体83は、図示しない発光装置を備えており、待機位置または動作位置で発光装置により自身を光らせることができるようになっている。
(上部可動演出装置)
図23〜図34に示すように、前記上部可動演出装置300は、裏ユニット50に着脱可能に取り付けられ、構成部材の設置基盤となる装置ベース(ベース)302と、アーム314で支持されて所定の演出動作を行う上部可動体(可動体)340と、アーム314を動かすことで上部可動体340を動作させる駆動機構と、装置ベース302の前側に取り付けられた装置カバー338とを備えている。 上部可動演出装置300は、駆動機構および装置カバー338が装置ベース302に取り付けられて、裏ユニット50に対して一体的に着脱可能なユニットとして構成されている。実施例の上部可動演出装置300は、1つの上部可動体340を2つのアーム314,314で左右から支持する構成であって、各アーム314を有する駆動機構が装置ベース302の左右に離間して2組設けられている(図23または図24参照)。
前記装置ベース302は、金属の板材で構成され、裏ユニット50における裏ユニットボックス54の上辺部55a前面に取り付けられる。装置ベース302は、左右に延在する部分の両端に下側に延出する部分を有する前面視で下側に開口する略「コ」字状に形成されている(図25または図26参照)。装置ベース302は、裏ユニットボックス54の上辺部55aの角隅部に上端を突き合わせてネジ止め固定され、表示部41の上側に左右に亘って延在すると共に、左右の端部が裏ユニットボックス54の上辺部55aにおいて表示部41の外側に外れた位置に配置されている。装置ベース302は、裏ユニットボックス54の上辺部55a後面に取り付けられる上部中継基板86の前側に、左右に延在する部分が配置されている。装置ベース302は、可動部材360,370や可動体発光装置(発光装置)356が設けられて比較的大型で重量が嵩む上部可動体340を支持し得る剛性を有するだけでなく、上部中継基板86と裏ユニットボックス54の上辺部55a前側に配置される電気部品との間に介在して静電気等を防ぐシールドとしても機能する。なお、電気部品としては、上部可動演出装置300が備える駆動機構の駆動モータ(駆動手段)306、上部可動体340の可動体発光装置356、上部可動体340における可動機構(駆動機構)の可動モータ(モータ)348、駆動側検知手段334、可動側検知手段382等が挙げられる。
前記左右の駆動機構は、駆動モータ306と、この駆動モータ306により回転される回転体308と、一端部が支持部320を介して装置ベース302に回転可能に設けられたアーム314と、回転体308およびアーム314を連結するリンク312とから基本的に構成されている(図33または図34参照)。駆動機構は、回転体308の回転運動をリンク312によってアーム314の揺動運動に変換するリンク構造になっている(図37〜図40参照)。駆動機構は、上部可動体340を支持するアーム314の一部を除いて表示部41の外側(裏ユニットボックス54の上辺部55a)に設置され、前側を裏ユニットベース52や装置カバー338等に覆われて隠されている(図11または図23参照)。
前記上部可動演出装置300は、左右の駆動機構のアーム314,314の他端部に前側に向けて突設された取付軸315を、上部可動体340の後面上部に左右に離間して設けられた取付溝343に夫々挿入して、上部可動体340を左右からアーム314,314で支持している(図26,図37または図38参照)。各取付溝343は、左右方向に長手が延在するよう形成され、取付軸315を長手に沿って変位可能で、かつ回転可能に収容している。
前記上部可動演出装置300は、2組の駆動機構を備えているが、両駆動機構は左右対称な構成であるので、一方の駆動機構についてのみ説明する。駆動モータ306は、装置ベース302の側端部上側に設けられた台座305に設置されて(図23または図27参照参照)、台座305と装置ベース302との間のスペースに突出する出力軸306aの先端にピニオン306bが取り付けられている(図39または図40参照)。駆動モータ306は、統括制御装置36の制御下に(図49参照)正逆駆動可能なステッピングモータが採用される。
前記回転体308は、ピニオンより大径の平歯車であって、駆動モータ306の内側に位置して装置ベース302に対して回転可能に軸支されている(図33参照)。回転体308は、外周の歯部がピニオン306bに噛み合って、駆動モータ306の正逆駆動に合わせて正逆回転するようになっている。アーム314は、駆動モータ306および回転体308の下側に配置された支持部320で一端部が回転可能に軸支され、この支持部320側から内方(右側の駆動機構であれば左方)に向けて延びる他端部に上部可動体340が取り付けられる(図37または図38参照)。
前記リンク312は、棒状の部材であって、円形の回転体308の偏心位置に上端(一端)が回転可能に連結されると共に、下端(他端)がアーム314に回転可能に連結されている(図37または図38参照)。具体的には、リンク312は、回転体308の前面において回転中心から半径方向外側に偏倚した部位に固定された軸棒に対して、上端に前後に貫通形成された軸孔を嵌め合わせて連結している。また、リンク312は、下端に前後に貫通形成された軸孔を、アーム314における支持部320(一端部)と上部可動体340(他端部)との間で支持部320側に偏倚した部位に設けられた軸棒に嵌め合わせて、アーム314に対して連結される。
前記駆動機構は、駆動モータ306の駆動による回転体308の回転に伴ってリンク312の上端(以下、リンク上端313という。)が円弧軌跡で回転変位するが、リンク312における回転体308およびアーム314への連結部分が回転可能になっているのでリンク上端313の左右方向成分の変位がアーム314に伝達されず、リンク上端313の上下方向成分の変位だけがアーム314に伝達されるようになっている(図37または図38参照)。すなわち、駆動機構は、リンク上端313が回転体308の上側から下側に変位するとアーム314の他端部が押し下げられ(図38参照)、リンク上端313が回転体308の下側から上側に変位するとアーム314の他端部が持ち上げられる(図37参照)。
前記上部可動演出装置300は、上部可動体340が待機位置で裏ユニットボックス54の上辺部55aの前側(表示部41の上側)に位置するように駆動機構が停止し(図37または図39参照)、駆動機構により上部可動体340が待機位置から下降して表示部41の前側に位置する動作位置(図38または図40参照)に変位して待機位置に戻る往復動作をするよう構成される。ここで、上部可動体340の待機位置(図23または図25参照)と動作位置(図24または図26参照)とは、待機位置が上側となる上下の関係で設定されているので、アーム314の他端部が上部可動体340の待機位置で裏ユニットボックス54の上辺部前側に位置する一方、上部可動体340の動作位置でアーム314の他端部が表示部41の前側に位置するように待機位置から下方変位する。すなわち、駆動機構では、リンク上端313が回転体308の上側から下側に向けて回転変位する際にアーム314が下降し、リンク上端313が下側から上側に向けて回転変位する際にアーム314が上昇するようになっている。このように、駆動機構は、回転体308の回転に伴うリンク上端313の下方変位成分が、上部可動体340の往復動方向における待機位置から動作位置へ向かう往動方向の動作に変換され、リンク上端313の上方変位成分が上部可動体340の往復動方向における動作位置から待機位置へ向かう復動方向の動作に変換される。
前記駆動機構は、リンク上端313が、上部可動体340の待機位置に対応する停止位置(以下、リンク停止位置という。)で、回転体308の回転中心を通る上部可動体340の往復動方向のラインを挟んで上部可動体340(表示部41)から離間する側の半円領域に配置される(図37参照)。具体的には、リンク停止位置は、前記条件に加えて、回転体308の回転中心を通る上部可動体340の往復動方向に直交するラインより上部可動体340の待機位置側の四半円領域に設定される。実施例の上部可動演出装置300は、上部可動体340が上下方向に動作して上部可動体340の待機位置が動作位置に対して上側に設定されているので、回転体308の前面において該回転体308の中心を通る上下ラインより表示部41から離間する外側で、回転体308の中心を通る左右ラインより上側の四半円領域に、リンク上端313が停止した回転体308の姿勢が上部可動体340の待機位置に相当するようになっている。また、リンク停止位置は、回転体308の回転中心を通る上部可動体340の往復動方向のラインとリンクの上端の回転軌跡とが交差する点のうちの復動方向側より45°外側に回転した範囲内に設定するのがよく、好適には5°程度の範囲でずらすのがよい。実施例の駆動機構では、リンク停止位置においてリンク上端313の中心が回転体308の上端(リンク上端313の回転軌跡における最上部)から僅かに外側にずらして配置されている。
前記駆動機構は、リンク上端313が、上部可動体340の動作位置に対応する位置(以下、リンク動作位置という。)で、回転体308の回転中心を通る上部可動体340の往復動方向のラインを挟んで上部可動体340(表示部41)側の半円領域に配置される(図38参照)。具体的には、リンク動作位置は、前記条件に加えて、回転体308の回転中心を通る上部可動体340の往復動方向に直交するラインより上部可動体340の動作位置側の四半円領域に設定される。実施例の上部可動演出装置300は、上部可動体340が上下方向に動作して上部可動体340の動作位置が待機位置に対して下側に設定されているので、回転体308の前面において回転体308の中心を通る上下ラインより表示部41側となる内側で、回転体308の中心を通る左右ラインより下側の四半円領域に、リンク上端313が停止した回転体308の姿勢が上部可動体340の動作位置に相当するようになっている。
前記駆動機構は、リンク停止位置にあるリンク上端313が上部可動体340の往復動方向における復動方向へ変位してから往動方向に変位する回転方向が、駆動モータ306の正駆動に伴う回転体308の正回転として設定される。すなわち、駆動機構は、リンク上端313がリンク停止位置から内側へ向けて回転する方向が回転体308の正回転となっている。右側の駆動機構は、正回転で回転体308が反時計回りに回転し、逆回転で回転体308が時計回りに回転する。これに対して、左側の駆動機構は、正回転で回転体308が時計回りに回転し、逆回転で回転体308が反時計回りに回転する。換言すると、駆動機構では、回転体308の正回転に伴ってリンク上端313が上部可動体340の復動方向に変位してから上部可動体340の往動方向に変位する円弧軌跡となるように、上部可動体340の待機位置に対応するリンク停止位置が設定されている。駆動機構は、リンク停止位置で回転体308の上部外側にあるリンク上端313が、回転体308を正回転することで、回転体308の回転中心を通る上部可動体340の往復動方向のラインを回転体308の上端側で越えて内側に向けて回転変位するようになっている。そして、駆動機構は、リンク上端313が回転体308の下部内側に至るリンク動作位置までを限界として回転体308が正回転され、回転体308を逆回転することで、リンク上端313が回転体308の上端側を越えてリンク停止位置に戻される。
前記上部可動演出装置300では、表示部41の側方に設置した回転体308の下側に一端部が軸支されて、該一端部から表示部41側となる内方に延出したアーム314の他端部で上部可動体340の側部が支持されている。また、上部可動体340は、回転体308の回転につれて変位するリンク312により上下動するアーム314の他端部に伴って、待機位置と動作位置との間で上下方向に往復動するようになっている。そして、この条件において、駆動機構は、リンク上端313が、上部可動体340の待機位置で回転体308の回転中心を挟んで表示部41から離間する外側領域上部に配置され、リンク上端313が回転体308の正回転に伴って該回転体308の回転中心を挟んで表示部41側の内側領域に向けて変位されるよう構成される。
前記上部可動演出装置300は、上部可動体340の待機位置において装置ベース302に設けた係止部303と回転体308に設けた被係止部309との係止により回転体308の逆回転を規制する規制手段とを備えており、規制手段によって上部可動体340を待機位置で保持し得るようになっている(図25または図26参照)。実施例の規制手段は、回転体308における装置ベース302に相対する面に突設された被係止部としての規制片309(図39または図40参照)と、装置ベース302に回転体308の回転に伴う該規制片309の変位軌跡に合わせて開設され、該規制片309を収容すると共に待機位置で規制片309の逆回転側に当接する前記係止部としての規制溝部(溝部)303とから構成される(図25または図26参照)。
前記規制片309は、回転体308の後面に円柱状に形成され、回転体308の回転につれて回転変位するようになっている(図39または図40参照)。規制片309は、リンク上端313における回転体308への取付中心を通る同心円上におおよそ位置して、リンク上端313の回転体308への取り付け位置より外側(回転体308の逆回転方向)にずらして配置されている。規制溝部303は、装置ベース302の側端部に円弧状に貫通形成され、短手方向の寸法が規制片309の直径より僅かに大きく設定されると共に、長手方向の端部が規制片309の外形に合わせて円弧状に形成されている。規制手段は、規制溝部303に規制片309を収容して構成され、上部可動体340を待機位置と動作位置との間で変位させる回転体308の回転を許容するよう設定される。
前記駆動機構は、リンク上端313がリンク停止位置にある際に、規制片309における回転体308の正回転に伴う回転変位方向に規制溝部303が延在しているので回転体308の正回転が許容される一方、規制片309における回転体308の逆回転方向に規制溝部303の端縁が臨んでいるので、規制片309が規制溝部303の端縁に係止されて回転体308の逆回転が規制される。また、駆動機構は、リンク上端313がリンク動作位置にある際に、規制片309における回転体308の逆回転に伴う回転変位方向に規制溝部303が延在しているので回転体308の逆回転が許容される一方、規制片309における回転体308の正回転方向に規制溝部303の端縁が臨んでいるので、規制片309が規制溝部303の端縁に係止されて回転体308の正回転が規制される。なお、裏ユニットボックス54の上辺部55aには、各規制溝部303に整合する規制開口54bが夫々貫通形成されて(図6または図17参照)、規制溝部303に挿入された規制片309と裏ユニットボックス54との干渉を回避している。
前記上部可動演出装置300では、上部可動体340の待機位置において上部可動体340からアーム314を介してリンク312に対して往動方向(下向き)に力が加わると、リンク上端313に対して往動方向(下向き)に力がかかる。このため、回転体308には、リンク上端313により下向きに回転始動しようと力が働き、リンク上端313がリンク停止位置で回転体308の外側領域上側に位置しているので、回転体308を逆回転させる方向に力が作用する。しかし、上部可動体340の待機位置において、回転体308の逆回転方向の回転は、規制手段の規制片309と規制溝部303との係合により規制されているので、リンク上端313が往動方向に変位することはなく、アーム314が往動方向に動かないので上部可動体340を待機位置で確実に保持できる。また、駆動機構は、回転体308を正回転して、リンク上端313をリンク停止位置から復動方向に一旦変位させなければリンク上端313を往動方向に変位できないので、上部可動体340、アーム314やリンク312に往動方向に力が加わっても、駆動モータ306の駆動によらず回転体308を正回転することはできない。すなわち、駆動機構は、駆動モータ306によって回転体308を正回転しなければ、上部可動体340に対して衝撃や荷重等により力が加わっても上部可動体340を待機位置から動作位置に動作させることができない。そして、上部可動体340は、可動部材360,370、可動部材360,370を動かす可動機構および可動体発光装置356等の各種部材が取り付けられると共に、表示部41の左右に亘る大型であって重量が嵩んでいるが、ソレノイド等の駆動源や動作機構を必要としない規制片309と規制溝部303との係止による簡単な構造の規制手段によって、上部可動体340を待機位置で確実に保持できる。
前記規制手段は、上部可動体340の待機位置(リンク上端313のリンク停止位置)においてだけ回転体308の逆回転を規制する構成であり、上部可動体340の待機位置と動作位置との間の動作に際して、回転体308およびリンク312の変位に邪魔にならないので、規制手段を動作させる必要がなく規制手段の構成を簡単にできる。しかも、待機位置から動作位置に下降させる上部可動体340にあっては、待機位置で常に上部可動体340の荷重が回転体308を逆回転させる方向に加わっているが、規制手段により回転体308の逆回転が規制されているので、上部可動体340を待機位置で確実に保持できる。
前記アーム314を回転可能に支持する支持部320の構造について説明する。支持部320は、アーム314の一端部の互いに反対に向けて突設された一対の軸部322,324と、装置ベース302に固定され、第1軸部(一方の軸部)322を回転可能に保持する第1受部(第1の受部)326と、この第1受部326との間にアーム314の一端部を挟んで装置ベース302に固定され、第2軸部(他方の軸部)324を回転可能に保持する第2受部(第2の受部)328とを備えている(図33または図34参照)。アーム314の一端部には、後側(装置ベース302側)に向けて突出形成された第1軸部322と、前側(遊技者側)に向けて突出形成された第2軸部324とが設けられる(図30または図31参照)。両軸部322,324は、環状に壁が連なる筒形であって、実施例ではアーム314と別体に形成しているが、アームと一体形成してもよい。
前記第1軸部322は、円筒状の本体部分の前端に突出形成された挿入凸部322aと、本体部分の外周面に半径方向外側に突出形成された取付受部322bとを備えている(図33参照)。第1軸部322の挿入凸部322aは、外径が本体部分の外径より小さく設定されており、第1軸部322の前部が本体部分から挿入凸部322aに向けて窄まる段状に形成されている。実施例の第1軸部322には、取付受部322bが本体部分を挟んで上下の2箇所に配置されている。取付受部322bは、本体部分の外周面前端から延出し、前面外縁に沿って壁片が立設されている。第1軸部322は、挿入凸部322aの外周面に突設されて前後方向に延在する位置決め片322cを備えており、実施例では、取付受部322bの形成位置に対応して位置決め片322cが設けられている。すなわち、第1軸部322は、本体部分を挟んで上下に設けられた取付受部322b,322bの夫々に対応して、挿入凸部322aの外周面における上および下部位に位置決め片322cが設けられている。
前記第2軸部324は、円筒状の本体部分の後端に突出形成された挿入凸部324aと、本体部分の外周面に半径方向外側に突出形成された片部から後側に向けて突き出た取付ボス部324bとを備えている(図34参照)。第2軸部324の挿入凸部324aは、外径が本体部分の外径より小さく設定されており、第2軸部324の後部が本体部分から挿入凸部324aに向けて窄まる段状に形成されている。第2軸部324では、取付ボス部324bが第1軸部322の取付受部322bに対応して設けられ、実施例では本体部分を挟んで上下の2箇所に取付ボス部324bが配置されている。取付ボス部324bは、円柱形状であって、本体部分の外周面後端から延出した片部後面から後側に向けて、第1軸部322との間に挟むアーム314の前後寸法分以上突出するよう形成されている。第2軸部324は、挿入凸部324aの外周面に突設されて前後方向に延在する位置決め片324cを備えており、実施例では、取付ボス部324bの形成位置に対応して位置決め片322cが設けられている。すなわち、第2軸部324は、本体部分を挟んで上下に設けられた取付ボス部324b,324bの夫々に対応して、挿入凸部324aの外周面における上および下部位に位置決め片324cが設けられている。なお、位置決め片324cは、挿入凸部324aの外周面から取付ボス部324bに亘って連設されている。
前記アーム314には、前記一端部をなす部分に前後に貫通する環状に形成された環状部316が設けられ(図33または図34参照)、この環状部316の内側に画成された円形の開口の内径に合わせて第1および第2軸部322,324の挿入凸部322a,324aの外径が設定されている。環状部316は、アーム314における一端部と他端部との間の中間部分より大径に形成されている。また、環状部316の前後の端縁には、位置決め切欠316aが第1および第2軸部322,324の各位置決め片322c,324cに対応して開設されており、実施例では前後の端縁の夫々に上下の2箇所配置されている。
前記第1軸部322の挿入凸部322aを環状部316の内側に後方から嵌め合わせると共に、第2軸部324の挿入凸部324aを環状部316の内側に前方から嵌め合わせて、取付受部322bに整合した取付ボス部324bに対して取付受部322bを介してネジ止め固定することで、環状部316を前後から挟持した状態で両軸部322,324が着脱可能に固定される(図30または図31参照)。また、第1および第2軸部322,324を環状部316に嵌め合わせる際に、各軸部322,324の位置決め片322c,324cを対応の位置決め切欠316aに挿入することで、取付受部322aと取付ボス部322dとが位置合わせされると共に、各軸部322,324の環状部316に対する周方向の回転が規制される。そして、アーム314の一端部には、第1軸部322、第2軸部324および環状部316の内側空間が連通して、前後方向に貫通する配線通口317が画成される。なお、各軸部322,324は、本体部分の外径がアーム314の環状部316の外径と略同一に形成されている(図30または図31参照)。
前記第1受部326は、第1軸部322に合わせて凹設された第1受溝(第1の受溝)327を有し、この第1受溝327に嵌合した第1軸部322を回転可能に保持するようになっている(図33または図50参照)。第1受部326は、外周面に半径方向外側に突出形成された片部を挟んで装置ベース302にネジ止め固定される。第1受部326は、前方に開放した第1受溝327を画成する壁が半径方向内外に設けられた二重環状に形成されて、内側の壁の内方が開口するドーナツ形状になっている。なお、第1受溝327の後側は塞がれており、第1受溝327に受け入れた第1軸部322の後部を保持するようになっている。ここで、第1受部326は、外側の壁の内径が円筒形の第1軸部322における後部の外径と同じか僅かに大きい略同一に設定されると共に、内側の壁の外径が第1軸部322における後部の内径と同じか僅かに小さい略同一に設定されている。すなわち、第1受部326の前側に環状に延在する第1受溝327は、半径方向の幅が第1軸部322の本体部分後部を構成する壁と略同一に設定されており、第1受溝327に嵌合した第1軸部322の後部が第1受溝327を画成する内外の壁で挟まれるようになっている(図30参照)。従って、支持部320は、第1軸部322の後部を第1受溝327に挿入することで、第1軸部322の外側を囲う第1受溝327の外側の壁で半径方向の移動を規制すると共に、第1軸部322の内側に嵌り込んだ第1受溝327の内側の壁で半径方向の移動規制するようになっている。
前記第1受部326の内側の開口が、アーム314の一端部に開設された配線通口317に連通して、該配線通口317の一部を構成している。第1受部326には、後端から第1受溝327の底部にかけて切欠が形成されており、該第1受部326を装置ベース302に取り付けた際に装置ベースとの間に切欠によって配線通口317と外部とを連通する後部開口326aが画成される。また、装置ベース302には、支持部320の配線通口317に合わせて開口すると共にこの開口に連通して配線の引き回し側に切り欠いた配線開口部(開口部)304が設けられている(図25または図26参照)。ここで、配線開口部304は、後部開口326aが設けられる外側上部に対応して装置ベース302の外側縁まで連通するよう切り欠きが形成されている。
前記第2受部328は、第2軸部324に合わせて凹設された第2受溝(第2の受溝)329を有し、この第2受溝329に嵌合した第2軸部324を回転可能に保持するようになっている。第2受部328は、遊技盤40の前面に現れる装飾前板328aの後面に第2受溝329が設けられると共に(図4または図23参照参照)、装飾前板328a後面における第2受溝329を挟む上下に後側に向けて突出形成された一対の固定脚部330,330を、装置ベース302にネジ止めすることで固定されている(図27または図28参照)。第2受部328は、後方に開放した第2受溝329を画成する壁が半径方向内外に設けられた二重環状に形成されてている(図34参照)。なお、第2受溝329の前側は、装飾前板328aで塞がれており、第2受溝329に受け入れた第2軸部324の前部を保持するようになっている。
前記第2受部328は、外側の壁の内径が円筒形状の第2軸部324における前部の外径と同じか僅かに大きい略同一に設定されると共に、内側の壁の外径が第2軸部324における前部の内径と同じか僅かに小さい略同一に設定されている。すなわち、第2受部328の後側に環状に延在する第2受溝329は、半径方向の幅が第2軸部324における本体部分前部の壁と略同一に設定されており、第2受溝329に嵌合した第2軸部324の前部が第2受溝329を画成する内外の壁で挟まれるようになっている。従って、支持部320は、第2軸部324の前部を第2受溝329に挿入することで、第2軸部324の外側を囲う第2受溝329の外側の壁で半径方向の移動を規制すると共に、第2軸部324の内側に嵌り込んだ第2受溝329の内側の壁で半径方向の移動規制するようになっている。
前記支持部320は、装置ベース302に固定された第1受部326の第1受溝327に第1軸部322を嵌め合わせると共に、第2受溝329に第2軸部324を嵌め合わせた第2受部328を装置ベース302に固定することで、アーム314の一端部を前後の受部326,328で前後から回転可能に挟持するよう構成される(図30または図50参照)。また、支持部320は、第2受部328の装飾前板328aでアーム314の一端部から第1受部326に連通する配線通口317の前側を塞ぐと共に、待機位置にある上部可動体を支持するアーム314を隠している(図23参照)。
このように、前記支持部320は、アーム314に設けられた円筒形状の軸部322,324を受部326,328における環状の受溝327,329で保持する構成であるので、アーム314の軸部322,324が受部326,328で前後から挟まれると共に各軸部322,324が受溝327,329の内側を画成する壁と外側を画成する壁とで内外から挟さまれて、アーム314の一端部が支持される。すなわち、支持部320は、アーム314の一端部を回転軸線方向の両側から挟むと共に半径方向内外から挟んで保持しているので、アーム314に加わる力をバランスよく受けて、上部可動体340を安定して支持することができる。上部可動体340は、可動部材360,370、可動部材360,370を動かす可動機構および可動体発光装置356等の各種部材が取り付けられると共に、表示部41の左右に亘る大型であって重量が嵩んでいるが、支持部320で上部可動体340の荷重を適切に受けて円滑にアーム314を揺動させることができる。また、上部可動体340は、遊技者の注意を惹くように表示部41の上側に退避した待機位置から表示部41の前側における略中央に下端が達する程度に大きく往復動作されるが、上部可動体340を支持する両アーム314,314が支持部320,320によってバランスよく支持されているので、上部可動体340の動作に際して動作演出に関係のないがたつきを抑えることができる。
しかも、支持部320の内側には、上部可動体340に設けられる電気部品に接続する配線の配設スペースとなる配線通口317を設けてあるが、軸部322,324が形状的に強度を担保するのに有利な円筒形に形成されると共に、各受部326,328の受溝327,329で対応の各軸部322,324を内外から挟んで保持しているので、支持部320としての支持強度が低下することはない。また、支持部320は、受部326,328の受溝327,329に嵌って摩耗し易い軸部322,324をアーム314の本体部分と別体に構成すると共に着脱可能になっているので、軸部322,324の交換が行い易くなっている。すなわち、支持部320は、軸部322,324および受溝327,329が摩耗した際に、軸部322,324および受部326,328を取り外して交換することができ、また交換が容易なので、常に上部可動体340(アーム314)を安定して保持した状態を維持し得る。
前記上部可動演出装置300では、装置ベース302の前面に各駆動機構に対応して設けられた駆動側検知手段(原位置検知手段)334によって、回転体308に設けられた検知片(検知部)310の有無の検知に基づいて上部可動体340の位置が判定されるようになっている(図37〜図40参照)。検知片310は、回転体308の前面における偏心位置に設けられ、回転体308の外周縁から半径方向外側に突出するよう形成されている(図37または図38参照)。また、検知片310は、リンク停止位置にあるリンク上端313に対して回転体308の回転中心を通る往復動方向のラインを挟んで内側(表示部41側)に配置されており、より具体的には回転体308の内側領域における復動方向側に、上部可動体340の待機位置で位置するようになっている(図37参照)。すなわち、右側の駆動機構の検知片310は、上部可動体340の待機位置で回転体308の左側上部領域に位置し、右側の駆動機構の検知片310は、回転体308の右側上部領域に位置している。
前記駆動側検知手段334は、回転体308に隣接して装置ベース302におけるリンク312およびアーム314の変位経路から外れた位置に設けられ(図37〜図40参照)、リンク312およびアーム314の変位に邪魔にならないようになっている。駆動側検知手段334は、回転体308より内側でかつ上部可動体340の復動方向側に配置されており、回転体308より外側でかつ上部可動体340の往動方向側に位置するアーム314の支持部320に対して回転体308を反対側に配置される。すなわち、右側の駆動機構に対応する駆動側検知手段334は、回転体308の左上側に配置され、左側の駆動機構に対応する駆動側検知手段334は、回転体308の右上側に配置されている。
前記駆動側検知手段334としては、装置ベース302に立てた姿勢で固定された基板の回転体308に臨む面に上下に離間するセンサ部334aを備えたフォトセンサが採用されている。駆動側検知手段334の基板は、上部可動体340の往動方向(下方)に向かうにつれて外側から内側へ向けて傾くように延在し、下方に指向する面に設けた上下のセンサ部334a,334aの間を回転体308から半径方向外側に突出した検知片310が通過するようになっている(図41参照)。駆動側検知手段334は、リンク上端313がリンク停止位置にある回転体308の姿勢で、検知片310が上下のセンサ部334a,334aの間に位置するよう構成され(図37参照)、上下のセンサ部334a,334aの間を検知片310で塞ぐことで検知片310の到来が検知される。ここで、上部可動演出装置300は、回転体308の逆回転時に検知片310を駆動側検知手段334で検知した際に、直ちにまたは所定のステップ数だけ駆動モータ306の逆駆動を継続してから停止するようになっている。
前記駆動機構は、回転体308の回転運動をリンク312を介してアーム314の揺動動作に変換するリンク構造を採用しているので、リンク上端313が回転体308の上部領域を変位している場合と回転体308の側部領域を変位している場合とでアーム314(上部可動体340)の往復動方向の変位量が異なっている。すなわち、駆動機構は、回転体308の回転変位量とアーム314(上部可動体340)の変位量とが対応する関係になっていない。上部可動演出装置300では、上部可動体340を停止する位置の判定を上部可動体340や該上部可動体340を支持するアーム314で行わずに、回転体308に設けた検知片310の駆動側検知手段334での検知に基づいて行っている。このため、回転体308に設けられたリンク上端313をリンク停止位置で確実に停止することができるので、駆動機構を正確な位置で停止することができる。
前述の如く、駆動機構は、リンク上端313のリンク停止位置で規制手段303,309が機能する構成であるので、上部可動体340やアーム314で位置検知を行う場合では、回転体308がリンク上端313がリンク停止位置まで戻っていないのにかかわらず、上部可動体340が一旦待機位置に到来するので、この位置で回転体308を停止するとリンク上端313が回転体308の内側領域で止まるおそれがある。リンク上端313が回転体308の内側領域にあると、上部可動体340やアーム314に対して下方に力が加わると、回転体308の逆回転方向の回転を規制する規制手段303,309が機能せず、リンク上端313を介して回転体308を正回転方向に回転してしまう。実施例の位置判定構造では、規制手段の規制片309が設けられる回転体308を基準として駆動機構を停止しているので、規制手段による上部可動体340の待機位置での保持を確実に行うことができる。
前記装置カバー338は、装置ベース302における側端部を除く左右に延在する部分と、該左右に延在する部分の下側に露出する裏ユニットボックス54の上辺部55aとを覆って、装置ベース302に取り付けられている(図23参照)。装置カバー338は、待機位置にある上部可動体340の後側に位置する一方、上部可動体340が動作位置に変位することで前側に現れて、表示部41の上側を装飾するようになっている(図5または図24参照)。
前記上部可動演出装置300は、左右の駆動機構が同期して動作するよう構成され、上部可動体340が水平姿勢を維持したまま往復動されるようになっている。上部可動演出装置300は、駆動モータ306が正駆動して回転体308が正回転すると、リンク312に押されてアーム314が支持部320を支点として下方へ揺動し、これに伴い上部可動体340が待機位置から動作位置へ向けて下方変位する。上部可動演出装置300は、駆動モータ306が逆駆動して回転体308が逆回転すると、リンク312に引き上げられてアーム314が支持部320を支点として上方へ揺動し、これに伴い上部可動体340が動作位置から待機位置へ向けて上方変位する。
次に、前記上部可動体340について説明する。図23〜図46に示すように、上部可動体340は、複数(実施例では3つ)の可動部材360,370,370および可動体発光装置(発光装置)356を備えており、2つの駆動機構によって支持されて自身が動作して演出するだけでなく、複数の可動部材360,370,370の動作演出と可動体発光装置356による発光演出とを単独または複合して行うことができる。上部可動体340は、後カバー(基体)342と前カバー376とからなるケース体341の前側に可動部材360,370,370が複数設けられると共に、複数の可動部材360,370,370を動かす可動機構(駆動機構)および上部可動体340の発光演出を担う可動体発光装置356がケース体341の内部に収容されている。ここで、実施例の上部可動体340には、左右横長のケース体341の前側中央に第1可動部材360が配置されると共に、この第1可動部材360を挟んで左右両側に一対の第2可動部材370,370が配置されている(図23参照)。
前記ケース体341は、上部可動体340の外郭の後側半分を構成する後カバー342と、上部可動体340の外郭の前側半分を構成する前カバー376とから構成される(図35または図36参照)。後カバー342および前カバー376は、該後カバー342および前カバー376の間に収容されて可動機構と可動体発光装置356との間を仕切る仕切板346に夫々ネジ止め固定される。
前記後カバー342は、前側に開放した透明な箱状部材であって、左右の両側部上側に前後に貫通形成された取付溝343,343を備えている。取付溝343は、全周に亘って後面から前方に延出する壁によって画成されており、この壁の前端が前カバー376の内方に臨んでいる(図32参照)。また、取付溝343は、上部可動体340の往復動方向に直交する方向に長手が延在すると共に、短手寸法がアーム314の一端部に設けられた取付軸315の外径と略同一に設定されている。ここで、取付軸315は、アーム314の一端部に前方に突出するよう設けられた軸棒315aに対して、取付溝343の短手寸法と略同一に設定された筒状本体とこの筒状本体の一端に取付溝343の短手寸法より大寸のフランジとを有する摺動片315bを嵌め合わせて構成されている(図32参照)。取付溝343に後側から挿入した取付軸315は、取付溝343の前後に位置する一対の摺動片315b,315bのフランジで取付溝343を前後から挟むことで抜け止めが図られ、取付溝343の長手辺に沿う取付軸315の変位が許容されると共に、取付軸315に対して上部可動体340が回転方向に変位可能に保持される。
前記後カバー342は、左右の側部上側に各取付溝343の外側に位置して集線口344,344が夫々設けられている(図26または図34参照)。各集線口344は、前後に貫通形成されている。また、各集線口344は、取付溝343で取付軸315が支持されたアーム314の前側に延在し、上部可動体340の往復動に伴う上部可動体340に対するアームの変位経路に対応して、集線口344が外側を凸とする略円弧状に湾曲した形状で画成されている。
前記前カバー376は、後側に開放する箱状に形成された前カバー本体377と、この前カバー本体377の前面に複数開設された窓開口377a,377b,377cを覆う窓部材378と、窓開口377a,377b,377cの開口縁を装飾する枠部材379とを備えている(図35または図36参照)。また、前カバー本体377の前面には、ケース体341の前面における左右の側部に設けられる第2可動部材370,370の前側に夫々位置して、該第2可動部材370を囲む装飾額片380,380が取り付けられている。前カバー本体377は、後方に延出する壁における左右の側部上側を除く上縁、側縁および下縁が、後カバー342の前方に延出する壁の前端に整合するよう形成されている(図34参照)。ケース体341は、後カバー342の前端と前カバー本体377の後端とを突き合わせて、後カバー342の板面と前カバー本体377の板面との間に、可動機構および可動体発光装置356の収容空間が画成される。
前記前カバー本体377は、光を透過しないように構成されている。前カバー本体377は、ケース体341の前面を構成する板面の中央に円形の第1窓開口377aが開設されると共に、この第1窓開口377aを挟んで左右に円形の第2窓開口377bが2箇所開設されている(図35参照)。また、前カバー本体377は、前記板面における第1窓開口377aと第2窓開口377bとの間の夫々に、円形の第3窓開口377cが複数開設されている。複数の第3窓開口377cは、第1窓開口377aの外側に位置して該第1窓開口377aの同心円上に並べて配置され、実施例では、第3窓開口377aが第1窓開口377aの左右に該第1窓開口377aを挟んで左右対称な位置関係で3箇所ずつ設けられている。
前記枠部材379は、第1窓開口377a、第2窓開口377bおよび第3窓開口377cの開口縁を縁取るように形成されて、前カバー本体377に対して前側から取り付けられている(図23または図35参照)。また、枠部材379は、各窓開口377a,377b,377cの開口縁を囲む縁取り部分の内側が該窓開口377a,377b,377cに整合して開口している。枠部材379は、ケース体341の表側に臨む部分にメッキ等の光反射処理が施されている。
前記窓部材378は、透明な板状部分を基本として、各窓開口377a,377b,377cの開口縁を縁取る枠部材379の縁取り部分の内側開口に夫々整合する光透過窓378a,378b,378cを備えている(図35参照)。窓部材378は、前カバー本体377の後側から取り付けられ、前カバー本体377の後側に延在する板状部分から夫々突出形成された光透過窓378a,378b,378cが、枠部材379の縁取り部分の内側開口に嵌り込んで前カバー本体377に対して位置決めされる。窓部材378は、第1窓開口377aに対応する第1光透過窓(第1の光透過窓)378aの前面および第2窓開口377bに対応する第2光透過窓378bの前面が平坦に形成され、第1光透過窓378aおよび第2光透過窓378bの前面が枠部材379の縁取り部分前端と略一致するようになっている。また、窓部材378は、第3窓開口377cに対応する第3光透過窓(第2の光透過窓)378cの全てが、周縁部から中央部に向かうにつれて前方へ凸になる凸レンズ状に形成されている。そして、第1光透過窓378aおよび第2光透過窓378bには、前側に設けられる可動部材360,370を支持する回転軸361,371が挿通する軸開口378dが中央部に開設されている。
前記仕切板346は、外形が前カバー376の前カバー本体377の内側に整合するよう形成された板状部材である(図35または図36参照)。仕切板346は、後カバー342および前カバー376を繋ぐ連結部材として機能すると共に、前カバー376の後面を塞いでケース体341の内部空間を仕切板346を挟んで後側に画成される可動機構の後述する歯車群を収容する空間と前側に画成される可動体発光装置356を収容する空間とに区分している。
前記可動部材360,370を動作させる可動機構は、上部可動体340の後面を構成する後カバー342の中央上部に配設された可動モータ(モータ)348と、後カバー342の前側に回転可能に設けられ、可動モータ348の回転駆動に連動して回転する歯車群とから構成される(図44〜図46参照)。可動モータ348は、出力軸348aを前方に臨ませて後カバー342の後面に取り付けられ、後カバー342の前側に突出する出力軸348aの前端にピニオン348bが固定されている。すなわち、ピニオン348bは、仕切板346と後カバー342との間の空間に収容される。
前記歯車群を構成する歯車349,350,351は、仕切板346に対して回転軸352,361,371を介して回転可能に配設されて、仕切板346と後カバー342との間に収容されている。上部可動体340では、各歯車349,350,351の後面から後方に突出する回転軸352,361,371の後端および各歯車349,350,351の後面中央に突設されて該回転軸352,361,371の後端を保持するボス部349a,350a,350aが、後カバー342に回転軸352,361,371に合わせて後方へ凹設された軸収容凹部342aに収容されるようになっている(図35または図36参照)。
前記歯車群は、可動モータ348を構成するピニオン348bに連結し、可動モータ348により回転される第1の主歯車349と、この第1の主歯車349を挟んで左右対称な位置関係で対をなすように配置された第2の主歯車350,350と、これらの主歯車349,350の間に位置して該主歯車349,350同士を連繋するように設けられた従歯車351とを備えている(図46参照)。実施例の歯車群は、1つの第1の主歯車349と、この第1の主歯車349を挟む2つの第2の主歯車350,350と、第1の主歯車349および第2の主歯車350の間に夫々配設された従歯車351とから構成される。可動機構は、可動モータ348の出力軸348aの直下に第1の主歯車349の回転軸361が配置され、2つの第2の主歯車350,350および2つの従歯車351,351の回転軸352,371が、第1の主歯車349の回転軸361より下方に位置して左右方向の同一ライン上に並んでいる(図46または図47参照)。
前記第1の主歯車349に接続された回転軸361の前端には、第1可動部材360が接続され、第2の主歯車350に接続された回転軸371の前端には、第2可動部材370が接続されている(図45参照)。第1の主歯車349と第2の主歯車350とは、外周に設けられた歯数や径が同じである同一規格の平歯車が採用されている。また、従歯車351は、主歯車349,350より大径に設定された平歯車が採用されている(図46参照)。
前記可動機構は、第1可動部材360が接続された回転軸361に連結する第1の主歯車349に可動モータ348が接続され、第1の主歯車349の回転に伴って従歯車351を介して第2可動部材370が接続された回転軸371に連結する第2の主歯車350を回転して、第1可動部材360と2つの第2可動部材370,370とを同一方向にかつ同期して回転するよう構成される。すなわち、可動機構では、第1の主歯車349および第2の主歯車350の間に介在する従歯車351が遊び歯車として機能し、1つの可動モータ348で1つの第1の主歯車349を回転することで、2つの第2の主歯車351,351を複雑な伝達機構を用いることなく簡単に同期して回転し得る。
前記上部可動体340の可動体発光装置356は、仕切板346の前面に配設され、前面に発光体としてのLED357を備えた発光基板からなり、LED357から光を前方に照射し得るようになっている(図35または図36参照)。可動体発光装置356は、仕切板346の外縁に沿って前方に延出する外壁346aの内側に整合する外形に形成されると共に、仕切板346の前面に突出する回転軸352,361,371を回転可能に保持する軸凸部346bに合わせて軸通過口356aが開設されている。可動体発光装置356は、仕切板346の外壁346aに内側に収容されると共に、中央および左右側部に突出する軸凸部346bに対応の軸通過口を収容して仕切板346に取り付けられる。なお、仕切板346および後カバー342の板面には、図示しない通気口が開設されて、ケース体341の内部から外部へ放熱し得るようになっている。
前記可動体発光装置356は、前側に設けられた光透過窓378a,378b,378cに合わせてLED357が配置されている(図42または図43参照)。可動体発光装置356の前面には、第1光透過窓378aに対応して該第1光透過窓378aの中心を挿通する回転軸361(軸通過口356a)を中心とする同心円上に複数(実施例では10個)のLED357が一定の角度で円形配列されている。また、可動体発光装置356の前面には、各第2光透過窓378bに対応して該第2光透過窓378bの中心を挿通する回転軸371(軸通過口356a)を中心とする同心円上に複数(実施例では5個)のLED357が一定の角度で円形配列されている。更に、可動体発光装置356の前面には、各第3光透過窓378cに対応して該光透過窓378cの中央部に位置して1個のLED357が夫々配置されている。すなわち、上部可動体340は、LED357を点灯することで該LED357の前側を覆う光透過窓378a,378b,378cを照明し得るようになっている。
実施例の上部可動体340では、複数の可動部材360,370,370が相似形状とされている。実施例の可動部材360,370,370は、桜花をモチーフにして形成され、略涙滴状の花弁部分(可動片)を円形状に複数(実施例では5枚)配列して構成されている(図23参照)。なお、各花弁部分は、外縁中央から半径方向内側に向けて略三角形状の切り込みが形成されている。ここで、各可動部材360,370,370は、隣り合う花弁部分の間が中央部から半径方向中間部分まで接するよう形成される一方、隣り合う花弁部分における外縁部の間が互いに離間するよう形成されている。また、各可動部材360,370は、花弁部分の外縁を縁取って光を透過しない装飾縁部(装飾部)362,372が設けられると共に、この装飾縁部362,372で囲われる花弁部分の内部領域が光を透過する光拡散部363,373で構成されている。なお、実施例の可動部材360,370では、装飾縁部362,372が花弁部分の外縁だけではなく、花弁部分の根元部分から花弁部分の中央部に向けて延在するめしべの如き装飾も構成している。装飾縁部362,372には、メッキ等の光を反射する処理が施されている。
各可動部材360,370には、複数の花弁部分が合わさる後面中央に回転軸361,371が連結されている。また、各可動部材360,370は、後側に位置する光透過窓378a,378bより外形が大きく形成されて、花弁部分の先端が対応の光透過窓378a,378bの外側に位置するようになっている(図23または図42参照)。更に、各可動部材360,370は、隣り合う花弁部分間の隙間から光透過窓378a,378bが前側に臨むように構成されている。上部可動体340の中央部に位置する第1可動部材360は、左右の第2可動部材370,370より大寸に形成されている(図23参照)。また、複数の可動部材の中で第1可動部材360と第2可動部材370とは、光拡散部363,373の光拡散態様が異なるよう構成される。
前記第1可動部材360は、前面をなす被覆部364と後面をなす後板部365との間に、内挿部366および光拡散シート367を挟んで構成されている(図35および図36参照)。被覆部364は、後側に開放する凹形状に形成され、花弁部分の外周縁前面を縁取る装飾縁部362およびこの装飾縁部362の内側に画成されて光拡散部363の前面を構成する透明部分を備えている。被覆部364は、光拡散部363の前面を構成する透明部分が装飾縁部362と比べて隆起するよう形成されており、実施例では、花弁形状の中央部を通る半径方向のラインを挟んで2条の隆起部分が設けられ、光拡散部363の前面が凹凸形状に形成されている。内挿部366は、被覆部364より一回り小さい相似形状に形成された透明な部材であって、被覆部364の後側から嵌め合わせられている。光拡散シート367は、第1可動部材360の外形に合わせて形成されたシート状部材であって、実施例の光拡散シート367は、所要のドットパターンによる光拡散処理が施されている。後板部365は、第1可動部材360の外形に合わせて形成された板状部材であって、透明な素材から形成されている。また、後板部365の中央には、第1の主歯車349に連結する回転軸361が固定されている。そして、第1可動部材360は、被覆部364の内側に収容した内挿部366と後板部365との間に、該第1可動部材360の外形形状より一回り小さく設定した外形形状の光拡散シート367を挟んで後板部365の後側からネジ止め固定される。
このように、第1可動部材360は、第1光透過窓378aの前側に位置する後板部365、光拡散シート367、内挿部366および被覆部364の透明部分とから光拡散部363が構成されている。第1可動部材360は、第1光透過窓378aの前側に位置する光拡散部363によって、第1光透過窓378aを介して前側に照射されるLED357の光を拡散するようになっている。上部可動体340では、第1可動部材360を回転することで、第1光透過窓378aの前側を光拡散部363および装飾縁部362が順に通過するように構成されている。より具体的には、第1可動部材360は、隣り合う花弁部分の間に隙間が形成されているので、第1光透過窓378aの前側に装飾縁部362が到来して第1光透過窓378aを介して照射されるLED357の光が装飾縁部362で隠される部位と、第1光透過窓378aの前側に光拡散部363が到来して第1光透過窓378aを介して照射されるLED357の光が光拡散部363で拡散される部位と、第1光透過窓378aの前側に隣り合う花弁部分の隙間が到来して第1光透過窓378aを介して照射されるLED357の光が直接漏れる部位とが、第1可動部材360の回転につれて順次移り変わるようになっている(図42参照)。
前記上部可動体340は、第1光透過窓378aを介して照射されるLED357の光が該第1可動部材360の回転に伴って光拡散部363を介して視認可能とする態様と装飾縁部362で遮って視認不能とする態様とに順に切り替わるので、第1可動部材360の回転動作と相まって発光による演出効果を向上することができる。また、上部可動体340は、前述した態様だけでなく、花弁部分間の隙間から第1光透過窓378aが前側に臨むので、光を光拡散部363で拡散発光する態様および光を装飾縁部362で隠す態様に加えて、LED357により照らされた第1光透過窓378aを見せる態様が、第1可動部材360の回転に伴って現れるので、更に発光による演出効果を向上することができる。
前記第1可動部材360は、第1光透過窓378aの外側に該第1可動部材360の回転中心を中心とする同心円上に並んだ複数の第3光透過窓378cの前側を先端部が通過するように構成されている(図23または図42参照)。上部可動体340は、第1可動部材360を回転することで、各第3光透過窓378cの前側を光拡散部363および装飾縁部362が順に通過するように構成されている。より具体的には、第1可動部材360は、隣り合う花弁部分の間に隙間が形成されているので、第3光透過窓378cの前側に装飾縁部362が到来して第3光透過窓378cを介して照射されるLED357の光が装飾縁部362で隠される部位と、第3光透過窓378cの前側に光拡散部363が到来して第3光透過窓378cを介して照射されるLED357の光が光拡散部363で拡散される部位と、第3光透過窓378cの前側に隣り合う花弁部分の隙間が到来して第3光透過窓378cを介して照射されるLED357の光が直接漏れる部位とが、第1可動部材360の回転につれて順次入れ替わるようになっている。また、第1可動部材360の花弁部分先端には、切り込みが設けられているので、この切り込みが第3光透過窓378cの前側に到来すると、装飾縁部362で第3光透過窓378cの一部が隠される一方、切り込みを介して第3光透過窓378cの残りの部分が前側に臨むので、第3光透過窓378cを介して照射されるLED357の光が漏れるようになっている。
前記上部可動体340は、第3光透過窓378cを介して照射されるLED357の光が該第1可動部材360の回転に伴って光拡散部363を介して視認可能とする態様と装飾縁部362で遮って視認不能とする態様とに順に切り替わるので、第1可動部材360の回転動作と相まって発光による演出効果を向上することができる。また、上部可動体340は、前述した態様だけでなく、花弁部分間の隙間および花弁部分先端の切り欠きから第3光透過窓378cが前側に臨むので、光を光拡散部363で拡散発光する態様および光を装飾縁部362で隠す態様に加えて、LED357により照らされた第3光透過窓378cを見せる態様が、第1可動部材360の回転に伴って現れるので、更に発光による演出効果を向上することができる。しかも、第3光透過窓378cは、平板状に形成された第1光透過窓378aと異なってレンズ状に形成されているので、第1光透過窓378aとは異なる光拡散態様になると共に第1可動部材360の隙間からの視認態様も異なっている。従って、上部可動体340は、第1光透過窓378aの部分での発光演出と第3光透過窓378cの部分での発光演出が相まって高い演出効果が得られる。
前記第2可動部材370は、複数の部材364,365,366,367を重ね合わせて構成した第1可動部材360と異なり、透明な部材の外縁および所要部分に装飾縁部372を形成した単一の部材から構成されている(図35または図36参照)。第2可動部材370は、装飾縁部372に囲まれた透明部分に形成された隆起形状がレンズの如く機能して、この透明部分が光拡散部373として光を拡散するよう構成されている。上部可動体340は、第2可動部材370を回転することで、第2光透過窓378bの前側を光拡散部373および装飾縁部372が順に通過するように構成されている。より具体的には、第2可動部材370は、隣り合う花弁部分の間に隙間が形成されているので、第2光透過窓378bの前側に装飾縁部372が到来して第2光透過窓378bを介して照射されるLED357の光が装飾縁部372で隠される部位と、第2光透過窓378bの前側に光拡散部373が到来して第2光透過窓378bを介して照射されるLED357の光が光拡散部373で拡散される部位と、第2光透過窓378bの前側に隣り合う花弁部分の隙間が到来して第2光透過窓378bを介して照射されるLED357の光が漏れる部位とが、第2可動部材370の回転につれて順次入れ替わるようになっている。
前記上部可動体340は、第2光透過窓378bを介して照射されるLED357の光が第2可動部材370の回転に伴って光拡散部373を介して視認可能とする態様と装飾縁部372で遮って視認不能とする態様とに順に切り替わるので、第2可動部材370の回転動作と相まって発光による演出効果を向上することができる。また、上部可動体340は、前述した態様だけでなく、花弁部分間の隙間から第2光透過窓378bが前側に臨むので、光を光拡散部373で拡散発光する態様および光を装飾縁部372で隠す態様に加えて、LED357により照らされた第2光透過窓378bを見せる態様が、第2可動部材370の回転に伴って現れるので、更に発光による演出効果を向上することができる。
前記上部可動体340は、複数の可動部材360,370,370がばらばらに動作するのではなく、複数の可動部材360,370,370が可動機構によって同一方向に同期して回転する構成であるので、可動部材360,370,370の動作と発光演出とが関連付けられて、上部可動体340全体として統一感のある演出を行うことができる。また、第1可動部材360の光拡散部363と第2可動部材370の光拡散部373とが異なる光拡散処理を施してあるので、全体として統一感のある発光演出の中で領域毎に若干異なる発光演出がなされ、発光演出の多様性を持たせることができる。
前記上部可動体340では、後カバー342の後側に設けられた可動側検知手段(原位置検知手段)382によって、歯車350に設けられた検知突片(検知部)353の有無の検知に基づいて複数の可動部材360,370,370の位置が判定されるようになっている(図45参照)。可動側検知手段382は、後カバー342に前側に開口するように凹設された取付凹部342bに配設されており(図35または図36参照)、実施例では、後カバー342の左側に取付凹部342bが形成されて左側に位置する第2の主歯車350の後側に可動側検知手段382が配置されている。可動側検知手段382としては、取付凹部342bに歯車群の後面と並行するよう配設された基板の前面に左右に離間するセンサ部382aを備えたフォトセンサが採用されている。なお、実施例の上部可動体340では、可動側検知手段382のセンサ部382aが第2の主歯車350の内側(右側)で、第2の主歯車350および従歯車351の回転軸371,352の並びライン上に配置されている(図46参照)。
前記検知突片353は、左側に位置する第2の主歯車350の後面に後方へ向けて突出形成されて、該主歯車350の回転中心から半径方向外側となる偏心位置に配置されている(図36参照)。また、検知突片353は、第2の主歯車350の回転に伴って可動側検知手段382のセンサ部382aの間を通過するように設置されており、可動側検知手段382よって左右のセンサ部382a,382aの間における検知突片353の有無を検知し得るようになっている。ここで、上部可動演出装置300は、検知突片353を可動側検知手段382のセンサ部382a,382aで検知した際に、直ちにまたは所定のステップ数だけ可動モータ348を駆動してから停止するようになっている。上部可動体340では、可動側検知手段382による検知突片353の検知によって可動モータ348を停止した際に、連動して回転している第1および第2可動部材360,370,370が1つの花弁部分の先端が鉛直方向上方を指向する同じ姿勢で停止される(図23参照)。
前記上部可動体340は、複数の可動部材360,370,370が同期して回転するので、1つの主歯車350に設けた検知突片353で位置検知を行えば全ての可動部材360,370,370を正確に位置検知できる。すなわち、複数の可動部材360,370,370を上部可動体340に設けても、1つの可動側検知手段382で足り、可動側検知手段382の配設スペースを大きく必要としない。しかも、可動モータ348に接続する第1の主歯車349ではなく、可動モータ348から離間した第2の主歯車350に設けた検知突片353を可動側検知手段382で検知する構成であるので、可動モータ348と可動側検知手段382との干渉を回避し得る。可動側検知手段382は、後カバー342の後側に突出して配設されているので、後カバー342の前側に設けられる歯車群や可動部材360,370,370や可動体発光装置356等の配設スペースを可動体用検知手段382が圧迫しない。また、従歯車351と比べて小径の主歯車350に検知突片353を設けることで、従歯車351と比べて角度のずれが少ないので、より正確に位置検知を行うことができる。
前記上部可動演出装置300は、上部可動体340に可動部材360,370,370を動かすための可動モータ348や、可動部材360,370,370の位置を判定するための可動側検知手段382や、上部可動体340を発光演出するための可動体発光装置356を備えているので、裏ユニット50側に設置された上部中継基板86と上部可動体340との間に配線が配設されている。上部可動演出装置300の配線配設構造は、上部可動体に設けられた電気部品(可動モータ348、可動側検知手段382および可動体発光装置356)に接続する配線が、後カバー342に沿って上部可動体340における左右のアーム314,314の取付け部分に振り分けて敷設される。配線は、上部可動体340からアーム314に設けられた配線通路318を通って支持部320に設けられた配線通口317を介して上部可動演出装置300から引き出されている。そして、配線は、裏ユニットボックス54の上辺部55a上端をまわして該裏ユニットボックス54の後側に引き出され、裏ユニットボックス54の後面上部に配設された上部中継基板86に接続されるようになっている。
前記上部可動体340には、前カバー376における左右の側縁部上側に後方に開口する配線集合部376aが夫々設けられており(図44参照)、各配線集合部376aの後側に、後カバー342の各側部上縁に設けられた集線口344が臨んでいる(図26参照)。上部可動体340では、前記電気部品に接続する配線が各配線集合部376aから対応する側のアーム314の配線通路318に受け渡されるようになっている。各配線集合部376aは、上部可動体340において同じ側の上部側縁に設けられた取付溝343の左右方向外側に設けられている。各配線集合部376aは、各取付溝343に対して上部可動体340の左右方向外側から取り付けられるアーム314の前面に集線口344を介して臨むように構成されている。ここで、配線は、配線集合部376aから集線口344を通してアーム314の配線通路318に受け渡され、アーム314の揺動に際して集線口344に沿って配線の変位が許容されるので、配線への負荷や傷つきを抑制できる。
前記可動モータ348に接続する配線は、ケース体341の後側に突出する可動モータのソケット348c(図26参照)にコネクタが接続されて、ケース体341の後面に沿って右方に引き回された後、右側の取付溝343の下側に開設された配線開口342cを介してケース体341の内部を通り、右側の配線集合部376aに到来するようになっている。なお、後カバー342の後面には、後方へ向けて突出形成された配線フック345が設けられ、後カバー342の後面を延在する配線を保持している。可動側検知手段382に接続する配線は、ケース体341の後側に突出する取付凹部342bの上部に開設された挿通口342d(図34参照)から外部に臨む基板のソケット382b(図44参照)にコネクタが接続されて、左側の取付溝343の下側に開設された配線開口342cを介してケース体341の内部を通り、左側の配線集合部376aに到来するようになっている。後カバー342に設けられる配線開口342c,342cは、歯車群より外れた上側位置に開設されて、該配線開口342cより外側にある配線集合部376aに向けて配線が配設されるので、ケース体341の内部において配線が歯車群の設置領域を通らない。すなわち、配線が回転する歯車群に干渉することを回避できる。
前記可動体発光装置356に接続する配線は、該可動発光装置356の前面における左右の側部上側に夫々設けられたソケット356b(図35参照)にコネクタが接続されて、右側のソケット356bに接続する配線が右側の配線集合部376aに到来し、左側のソケット356bに接続する配線が左側の配線集合部376aに到来するようになっている。このように、上部可動体340では、右側に位置する電気部品のソケット356bに接続する配線が右側の配線集合部376aから右側のアーム314に振り分けられ、左側に位置する電気部品のソケット356b,382bに接続する配線が左側の配線集合部376aから左側のアーム314に振り分けられると共に、左右のアーム314,314に振り分ける配線の数が同じになるよう振り分けられる。すなわち、上部可動体340には、複数の電気部品が設けられているが、上部可動体340の両側を支持する2つのアーム314,314に分散して配線しているので、配線の取り回しに無理をなくすことができ、またアーム314に設ける配線通路318に一方に配線が混み合うことを回避できる。
前記アーム314は、前述したように一端部に支持部320が設けられると共に他端部に取付軸315が設けられ、この支持部320と取付軸315との間の中間部分に配線通路318が設けられている(図31参照)。アーム314の中間部分は、前側に開口する半樋状に形成され、該アーム314の長手方向(一端部と他端部との離間方向)に延在して画成される溝が配線通路318として用いられる。配線通路318には、アーム314の他端部側に、前側が開放すると共に後側に向けて膨らむ膨出部318aが設けられると共に、アーム314の他端部側に一端部側と比較して上部可動体340の往復動方向(揺動方向)の幅が大きく設定した拡幅部318bが設けられている。膨張部318aは、アーム314の後板を後方へ凹ませて形成されて、配線通路318の他の部位より奥行き方向の寸法が大きく設定されている。拡幅部318bは、アーム314の後板に長手辺に沿って対向配置された一対の壁片間を広くして、配線通路318の他の部位より幅方向の寸法が大きく設定されている。ここで、アーム314では、膨張部318aと拡幅部318bとが同じ領域に設けられており、配線通路318の他端部側には、一端部側と比べて奥行きおよび幅が広く形成された余裕空間が画成されている。なお、実施例のアーム314は、配線通路318の余裕空間を除く部分前側に被覆片319が取り付けられ(図24参照)、配線通路318の一端部側の前側を被覆片319で隠している。また、実施例のアーム314は、被覆片319を除いて本体部分が透明な素材から形成されている。
前記上部可動演出装置300は、上部可動体340に設けた電気部品に接続する配線を、上部可動体340を支持するアーム314に設けた配線通路318に収容しているので、上部可動体340およびアーム314の動作に際して配線が干渉することを回避し得る。また、上部可動体340と裏ユニット50側との間に配線が露出しないので、見栄えを損なわない。上部可動演出装置300では、上部可動体340の揺動に伴って、上部可動体340とアーム314の他端部との接続部分で配線が揺動方向に変位するが、配線通路318の他端部側を揺動方向に幅広に設定してあるので、配線の揺動方向への変位が拡幅部318bで許容されて、配線への傷つきや負荷等を回避できる。また、上部可動体340の取付溝343に沿うスライド変位に伴って、上部可動体340とアーム314の他端部との接続部分で配線が前後方向に変位するが、配線通路318の他端部側を後側に膨らんだ膨出部318aが設けてあるので、配線の前後変位が許容されて、配線への傷つきや負荷等を回避できる。
前記上部可動演出装置300には、アーム314において前後に延在する空間を有する中空の筒状体からなる支持部320の内側に配線通口317が設けられ、この配線通口317を介してアーム314の配線通路318に配設された配線が、裏ユニットボックス54の前側(上部可動演出装置300の外側)に引き出されるようになっている。アーム314の一端部に設けられた環状部316には、該環状部316から半径方向外側に延出するよう形成された中間部分との接続部分前端を切り欠いて前部開口316bが設けられ、環状部316の内側に画成される配線通口317と配線通路318とが前部開口316bにより連通している(図31参照)。支持部320の後側には、配線通口317と外部とを連通する後部開口326aが設けられている。
前記装置ベース302には、支持部320の配線通口317に合わせて円形に開口すると共にこの開口に連通して配線の引き回し側に切り欠いた配線開口部304が設けられている。ここで、支持部320の後部開口326aは、上部可動体340と反対側となる支持部320の外側でかつ裏ユニットボックス54の端に近い側に開設され、右側の駆動機構の支持部320であれば上部右側に後部開口326aが配置され、左側の駆動機構の支持部320であれば上部左側に後部開口326aが配置される。配線開口部304は、後部開口326aの位置に対応して、右側の駆動機構に対応するものであれば開口から右縁に向けて上部右側に延在するよう切り欠きが形成され、左側の駆動機構に対応するものであれば開口から左縁に向けて上部左側に延在するよう切り欠きが形成されている(図25または図26参照)。
前記上部可動演出装置300は、配線がアーム314を装置ベース302に対して支持する支持部320の内側に設けた配線通口317を介してアーム314から後側に取り回されるので、配線がアーム314の装置ベース302への軸支部分と干渉することを回避し得る。また、配線は、配線通口317を通すことで、駆動機構を構成するリンク312や回転体308や駆動モータ306と干渉することはない。しかも、支持部320からの配線の取り出し口となる後部開口326aに対応して、装置ベース302に配線開口部304を形成してあるので、硬質な装置ベース302と配線との干渉を回避でき、配線にかかる負荷や傷つきを抑制できる。
前記支持部320から引き出された配線は、裏ユニットボックス54の上辺部55a前面を通って上方に引き回され、裏ユニットボックス54の上端から該裏ユニットボックス54の後側に配設され、上部中継基板86に接続される。より具体的には、配線は、裏ユニットボックス54の上辺部55a前面において、第2受部328を装置ベース302に固定する上側の固定脚部330および駆動モータ306を装置ベース302に固定する台座305の外側に配設され、装置ベース302において表示部41側に配置される回転体308、リンク312やアーム314等の動作する部材と干渉しないようになっている。
前記上部可動演出装置300は、上部可動体340を動作位置で支持しているアーム314が、発光演出部100の発光ラインに沿って延在するよう構成されている(図5参照)。右側のアーム314は、動作位置において表示部41の右角部から突出し、表示部41の前側を下に向かうにつれて左方へ偏倚するよう傾斜しており、これが一方の発光部組のなす発光ラインにおおよそ重なっている。また、左側のアーム314は、動作位置において表示部41の左角部から突出し、表示部41の前側を下に向かうにつれて右方へ偏倚するよう傾斜しており、これが他方の発光部組のなす発光ラインにおおよそ重なっている。そして、アーム314は、表示部41の前側を通る部分を光を透過するように形成することで、動作位置のアーム314に合わせて表示部41で行われる画面表示が該アーム314を介して前側に現れるよう構成してもよい。すなわち、動作位置にあるアーム314を発光演出部100と表示部41における画面表示との組み合わせによる演出の一部として用いる構成も採用できる。なお、アーム314を発光演出部100と組み合わせて用いる場合には、アーム314に配線を配設せずに他の手段により配線を取り回すのが好適である。更に、アーム314に拡散処理を施すことで、アーム314を介して視認可能な表示部41の画面表示の態様を変更できる。また、被覆片319を省略したり、該被覆片を光透過性を有するよう形成してもよい。
このように、上部可動体340の動作位置において該可動体340を支持するアーム314,314が表示部41の前側に重なるものの、アーム314における表示部41の前側に位置する部位を演出部分として積極的利用することで、発光演出部100による演出態様を多様にできる。しかも、表示部41における画面表示を、動作位置のアーム314に合わせて行うことで、アーム314を介して強調または異なる態様に変更された画面表示を見せることができる。また、動作位置のアーム314と表示部41を挟んで上下に延在する発光部組とが同一ライン上に位置して、表示部41での画面表示との組み合わせにより遊技盤40を大きく使ってダイナミックな演出を行うことができる。遊技盤40では、第1後発光部102の下端が動作位置にあるアーム314の上部に位置し、第1後発光部102が表示部41側を照らすことができるよう構成されているので、第1後発光部102にあるアーム314を照らすことができる。従って、アーム314と画面表示とが相乗する演出効果をより向上できる。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1)遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
(2)各可動演出装置の可動体の動作態様について実施例の態様に限られず、揺動や回転や直線動等を適宜採用することができる。
(3)可動演出装置の配置についても適宜変更可能である。
(4)実施例では、可動体の第3光透過窓の全てを凸レンズ状に形成したが、第3光透過窓の一部だけを凸レンズ状に形成してもよい。また、第1および第2光透過窓の両方または一方を凸レンズ状に形成してもよい。
(5)実施例の光透過窓は、透明に形成したが色を付けたり、半透明にしたり、または光拡散処理を施してもよい。
(6)可動体に設ける可動部材は、実施例の数に限定されない。例えば、第2の主歯車の外側に第3の主歯車を設けると共に、第2の主歯車と第3の主歯車との間に従歯車を設け、第1および第2の主歯車の回転軸に設けられた可動部材の回転と連動して、第3の主歯車の回転軸に設けられた可動部材を回転する構成であってもよい。
(7)実施例の遊技盤では、表示部を上下に挟んで遊技領域に斜めに延在する発光部および表示部の画面表示によってX状の発光ラインを形成する例を挙げたが、例えば表示部を上下に挟む表示部と左右に挟む表示部とを設けて十字状の発光ラインを形成したり、1本または3本以上の発光ラインを形成する構成も採用し得る。
(8)実施例の発光演出部は、表示部の上側に位置する第1発光部を、板部材の後側に設置した第1後発光部だけから構成する例を説明したが、実施例の第2発光部の如く、第1発光部を、板部材の後側に設置した第1後発光部と板部材の前側に臨む第1前発光部とから構成してもよい。また、第2発光部を、板部材の後側に設置した第2後発光部あるいは板部材の前側に臨む第2前発光部だけで構成してもよい。なお、発光演出部を構成する複数の発光部のうち、何れかは板部材の後側に配設されると共に、何れかは板部材の前側の発光部と板部材の前側に臨む発光部とが並ぶ関係で配置される。
(9)実施例の発光演出部は、1つまたは2つの発光基板に亘って発光部を構成する発光体としてのLEDを設ける例を挙げたが、3以上の発光基板に亘ってLEDを並設してもよい。
(10)隔壁部は、発光部を構成する第1の発光体と別の部位を発光演出する第2の発光体を備えた発光基板において該第2の発光基板と透光部材との間に少なくとも設けられ、発光部の第1の発光体の並び方向に沿って延在して第1の発光体と第2の発光体との間を仕切るよう構成される。すなわち、実施例では、透光部材の両側に隔壁部を設ける構成について説明したが、第1の発光体と別の領域を照らす第2の発光体が隣接していなければ、第2の発光体が隣接していない側の隔壁部を省略してもよい。
(11)隔壁部のライン用LEDに臨む面および当該面と反対側の面の両方について、光を反射するように形成したが、隔壁部の一方の面だけであっても、あるいは光反射処理を施さなくてもよい。
(12)枠状装飾体は、左側の第1後発光部の前側を横切る部分に、右側の第1後発光部と同様に透光カバーを設けてもよい。
(13)下部発光装置の中央装飾ブロックの形状は、前面に凹設された凹溝を周囲を囲う面を有する形状であれば半球状に限定されず、半筒状や中空の角柱状等その他の形状を採用し得る。