(パチンコ機について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置17(図3参照)が着脱し得るよう構成される。また、中枠12の前面側には、装飾用の電飾装置等が設置された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられている。前枠13には、中枠12に保持された遊技盤20の前面に、ガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透明保護板13aが備えられており、該遊技盤20を透視保護するよう構成されている。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
(遊技盤について)
前記遊技盤20は、図3に示すように、略矩形状に形成されたアクリルやポリカーボネート等の透明な合成樹脂材からなる透明板22と、該透明板22の後側に外周装飾部28を介して組み付けられると共に図柄表示装置17が配設される裏ユニット30とから構成される。図2に示すように、前記透明板22の前面には、外レール23と内レール24とが半円弧状に配設されており、両レール23,24により画成される略円形の遊技領域20aに、中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されて、該遊技領域20a内をパチンコ球が流下して遊技が行われるようになっている。なお、打球発射装置から発射されたパチンコ球は、透明板22の下側から左側に両レール23,24で案内されて、遊技領域20aの左上部に打ち出される。
前記透明板22には、裏ユニット30に配設された図柄表示装置17の表示面17aに対応して前後に開口する図示しない装着口(表示部開口)が形成されており、該装着口に対して枠状装飾体70が配設される。透明板22の前面には、図2に示す如く、枠状装飾体70より下方位置に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置25や特別入賞装置26が配設されており、始動入賞装置25の始動入賞口25aにパチンコ球が入賞することで、図柄表示装置17の表示面17aで図柄変動が開始されるようになっている。また、特別入賞装置26は、入賞口が開閉扉26aで常には閉鎖されており、図柄表示装置17での図柄変動の結果、図柄表示装置17に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉26aが開放して入賞口への入賞により多数の賞球を獲得し得るようになっている。更に、透明板22の前面には、遊技領域20aの入賞口を臨ませて普通入賞装置27が枠状装飾体70の外側に配設されている。なお、透明板22の遊技領域20aには、枠状装飾体70の外側位置に多数の遊技釘が植設されて、遊技領域20aを流下するパチンコ球の流下方向が不規則に変更される。
図4〜図8に示すように、前記裏ユニット30は、透明板22の外郭形状と略整合する形状に形成されると共に前方に開口する箱枠状に形成されて、該裏ユニット30の開口前端部を外周装飾部28の後面に当接させた状態で外周装飾部28に連結固定される。そして、裏ユニット30は、外周装飾部28を透明板22の後面に取り付けることで、透明板22の後側に固定される(図3参照)。裏ユニット30には、透明板22との間に画成される空間に、可動体110,130,220,420,424,428を備えた演出装置100,200,400や内周装飾部40,50,60等の装飾部材が配設されており(図4参照)、透明板22を介して外周装飾部28、演出装置100,200,400の可動体110,130,220,420,424,428および各種の装飾部材を視認し得るようになっている(図2参照)。また、裏ユニット30には、略矩形状の裏ユニット開口部30aが前後に開口するよう中央部に開設されると共に(図5および図8参照)、該裏ユニット30の後側に図柄表示装置17が着脱自在に取り付けられており、該開口部30aを介して図柄表示装置17が透明板22の前側から視認し得るようになっている。なお、図柄表示装置17としては、液晶表示装置やドラム式の表示装置、ベルト式の表示装置等の各種図柄を変動表示可能な従来公知の表示装置を用いることができる。
前記外周装飾部28は、中央に前後に貫通する外周装着部開口(図示せず)が開設されると共に透明板22の外郭形状に略整合する大きさで形成された枠状の板部材であって(図4および図5参照)、透明板22の外周縁を覆うように該透明板22の後面に取り付けられる(図3参照)。また外周装飾部28には、パチンコ機のモチーフに合わせた意匠形状が施されており、遊技盤20の遊技領域20aの外周縁を装飾している。例えば実施例では、外周装飾部28の後側に網目状に設けた外周リブ28a(図5参照)の影が半透明の前面部分に写ることで、前面部分が透明板22の後面に合わせて平坦であるににかかわらず、立体感のある氷塊の如き意匠形状を備えている。なお、透明板22は、アクリル等の樹脂板であって、従来から遊技盤に多く用いられているベニヤ板と比べて薄く、透明板22と外周装飾部28とを重ね合せた厚さがベニヤ板と同一になる。
図4に示すように、前記裏ユニット30の前側には、略矩形状に開設された裏ユニット開口部30aの開口縁四辺に対応して複数の内周装飾部40,50,60,60が配設されている。また、複数の内周装飾部40,50,60,60は、遊技盤20における遊技領域20aの中央部において、図柄表示装置17の表示面17aにおける図柄変動ゲームが表示される領域(図柄変動領域)としての表示部20bを画成している。なお前述した透明板22の装着口は、表示部20bに重なる部位に設けられる。更に、各内周装飾部40,50,60,60は、外周装飾部28と共通するモチーフの意匠形状に形成され、例えば実施例では、光拡散処理を施した有色半透明の部材の表面がカット平面を組み合わせて氷塊の如き意匠形状とされる。各内周装飾部40,50,60,60は、同じ辺の外周装飾部28の内側(遊技盤20において外周装飾部28より中央側)に配置されると共に、外周装飾部28の内側に露出する部位前面が該外周装飾部28の前面より透明板22の後面から離間した後側に延在するよう基本的に構成されている(図7参照)。すなわち、内周装飾部40,50,60,60は、遊技盤20において表示部20bの四辺を画成している。各内周装飾部40,50,60,60は、後側に開口する器形状に形成され、前面部分と裏ユニット30の設置部分との間に、後述する演出装置100,200,400の駆動機構を収容し得るスペースが設けられる。なお、実施例の裏ユニット30は、遊技領域20aの下側に左右に長手が延在するよう設置されて、表示部20bの下辺を画成する下部内周装飾部40と、遊技領域20aの上側に左右に長手が延在するよう設置されて、表示部20bの上辺を画成する上部内周装飾部50と、遊技領域20aの両側部に上下に長手が延在するよう設置されて、表示部20bの側辺を画成する左右の側部内周装飾部60,60とを備えている。なお、内周装飾部40,50,60,60は、演出装置100,200,400の前面を構成するカバーとしても機能する。
(枠状装飾体について)
図1,図2,図9〜図11に示すように、枠状装飾体70は、前後に開口する枠状に形成されてた透明な部材であって、遊技盤20(透明板22)に開設した装着口(図示せず)に取り付けられており、裏ユニット30に配設された図柄表示装置17が枠状装飾体70の枠状開口部71に臨んで前側から視認し得るようになっている。また、枠状装飾体70の左右両側部には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球入口72や、該球入口72に通入したパチンコ球を枠状装飾体70の内周下縁部へ誘導する球通路73が形成されると共に(図10および図11参照)、該枠状装飾体70の内周下縁部には、球通路73を通過したパチンコ球が転動するステージ74が形成されている。そして、球通路73を通過したパチンコ球はステージ74上で転動して、パチンコ球が遊技領域20a内に排出されるようになっている。なお、ステージ74は、始動入賞装置25の入賞口25aの真上となる中央部が凹になるよう形成されて、ステージ74から落下したパチンコ球の始動入賞装置25への入賞確率を高めている。また、枠状装飾体70は、後述する前部演出装置300の取付部分としても機能する。
ここで、本願で云う光拡散処理とは、例えば光透過性を有する部材の表面に凹凸を形成するような表面加工や、光反射性を有する微粒子を含有する光拡散インクを種々の濃度分布で光透過性を有する部材の表面に印刷または塗布等する加工や、部材を構成する樹脂自体に光反射性を有する微粒子を分散させる例えばラメ加工や、透過する光の屈折率を変える加工等を指し、1つの加工だけであっても、複数の加工を組み合わせてもよい。なお、表面加工の具体例としては、溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工などが挙げられ、光の屈折率を変える加工としては、部材の表面に該部材と屈折率が異なる微細な凹凸を設けたシートレンズの如きものが挙げられる。
図2および図4に示すように、前記遊技盤20には、可動体110,130,220,330,420,424,428を有する演出装置100,200,300,400が表示部20bを囲んで複数設けられている。実施例の遊技盤20は、表示部20bの下側に位置して裏ユニット30に設置された下部演出装置100と、表示部20bの上側に位置して裏ユニット30に設置された上部演出装置200と、表示部20bの上側で、上部演出装置200の前側に位置して枠状装飾体70に設置された前部演出装置300と、表示部20bの両側部に位置して裏ユニット30に設置された左右の側部演出装置400,400とを備えている。
(下部演出装置)
前記下部演出装置100は、図3に示すように、裏ユニット30における裏ユニット開口部30a下側を画成する辺部に設置され、透明板22の後側に配置されている。また下部演出装置100は、図2に示すように、表示部20bとこの表示部20bの下側に配置された始動入賞装置25との間に位置し、該下部演出装置100の前面に設けられる後述する第2下部可動体(可動体)130がステージ74の後側に重なるように配置されている。
図12〜図33に示すように、前記下部演出装置100は、下部ベース部材102と、この下部ベース部材102の後側に設けられた第1下部可動体110と、下部ベース部材102の前側を覆う下部内周装飾部40の前側に設けられた第2下部可動体130と、下部ベース部材102に設けられ、第1下部可動体110を動作させる第1下部駆動機構と、下部ベース部材102に設けられ、第2下部可動体130を動作させる第2下部駆動機構とから基本的に構成される。下部演出装置100は、第1下部可動体110と第2下部可動体130とが前後の関係で重なるように配置され、下部内周装飾部40の前側で揺動する第2下部可動体130の後側から第1下部可動体110が表示部20bに対して出没するようになっている(図7および図8参照)。
(下部ベース部材)
前記下部ベース部材102は、第1下部可動体110、第1下部駆動機構および第2下部駆動機構の設置基盤となる透明な板状部材であって、透明板22と裏ユニット30との間に配置されている(図12参照)。下部ベース部材102は、本体部分である設置面部102a,102bの側縁および下縁に、後側に向けて突出形成された突壁103を有し(図16および図22参照)、この突壁103の後端を裏ユニット30の前面に突き合わせて、長手辺を左右方向に延在させると共に設置面部102a,102bを遊技盤面に平行に沿わせて該裏ユニット30に取り付けられる。なお、下部ベース部材102の上縁には突壁103が設けられず、設置面部102aと裏ユニット30との間の隙間を介して該下部ベース部材102の後側に設置される第1下部可動体110が突出するようになっている。下部ベース部材102は、後側に開口する箱形状の下部内周装飾部40の内側に整合する外形形状に形成されると共に(図16参照)、下部内周装飾部40の後面に突出形成された下部取付ボス42(図17参照)に対応して、該下部取付ボス42の後端に整合する凹溝を有する取付凸部106が設けられている(図25参照)。そして、下部ベース部材102は、下部内周装飾部40の内側に嵌め合わせて下部取付凸部106の凹溝に下部取付ボス42を収容して位置決めして、下部ベース部材102の後側からネジ固定することで、該下部ベース部材102と下部内周装飾部40の後面との間に空間をあけた状態で取り付けられる(図14参照)。なお、下部内周装飾部40の後面には、下部取付ボス42とは別に位置決めピン(図示せず)が突出形成されて、下部ベース部材102を取り付けた際に、下部ベース部材102に設置された後述する下部LED基板に当接して前後スペースを維持するようになっている。
図22または図26に示すように、前記下部ベース部材102は、該下部ベース部材102の中央部に設けられた設置面部(特に区別する場合は第1設置面部(機構設置部)という。)102aが、左右の側部の設置面部(特に区別する場合は第2設置面部(可動体支持部)という。)102bより前側に延在するよう段差状に形成されている。下部ベース部材102には、第1設置面部102aの左右両側で該第1設置面部102aより後側に延在する左右の第2設置面部102b,102bに、上下方向に長手が延在する長孔形状に形成された下部取付孔部(取付孔部)104が夫々開設されている(図16参照)。なお、左右一対の下部取付孔部104,104は、下部ベース部材102において平行に延在している。各下部取付孔部104は、下部ベース部材102を前後に貫通するよう形成され、各第2設置面部102bにおける第1設置面部102a側に偏倚した部位に配置されている。下部ベース部材102には、各第2設置面部102bの第1設置面部102a側の縁部に上下に延在して突出形成された下部当接リブ105が夫々設けられており(図22参照)、各下部当接リブは、第2設置面部102bからの突出寸法が突壁103より小さく設定される。下部ベース部材102において左右に離間配置された一対の下部当接リブ105,105は、一対の下部取付孔部104,104で後述する下部取付軸112がスライド可能に保持されて下部ベース部材102の後面に沿って上下に往復動する第1下部可動体110に前側への移動を規制すると共に、下部ベース部材102と第1下部可動体110とが面接触するのを防止している(図26参照)。
(第1下部可動体)
前記第1下部可動体110は、透明な樹脂に光を反射する模様を施した板状部材であって(図20参照)、下部ベース部材102の後側に突壁103により設置面部102a,102bと裏ユニット30との間に画成される空間に収容されるようになっている(図14参照)。第1下部可動体110の前面には、該第1下部可動体110の左右に対向する端縁側に夫々離間して対をなす下部取付軸(取付軸)112,112が設けられ、各下部取付軸112は、第1下部可動体110の下部に配置されている。なお、各下部取付軸112の外径は、下部取付孔部104の短手寸法と略同一寸法に設定される。また第1下部可動体110には、対をなす下部取付軸112,112の間に位置して該取付軸112,112の離間方向である左右に離間して、一対の下部連繋孔部114,114が開設されている。各連繋孔部114は、左右方向に長手が延在する長孔形状に形成されて、第1下部可動体110の下部に下縁に沿って設けられる。第1下部可動体110は、一対の下部取付軸112,112が対応する下部取付孔部104,104に保持されて、下部ベース部材102の長手辺に合わせて長手辺を左右方向に延在して、下部ベース部材102の後側に下部取付孔部104の長手に沿う方向である上下にスライド可能に取り付けられる。すなわち、各取付孔部104は、一対の下部取付軸112,112の離間方向(左右方向)と交差する上下方向に長手が延在する関係にある。
そして、第1下部可動体110は、下部ベース部材102の後側に大部分が重なって下部ベース部材102の後側に隠れる位置(以下、下位置という。)と(図23(a)、図24(a)、図25(a)、図30(a)、図31(a)参照)、この下位置から上方に変位して下部ベース部材102(下部内周装飾部40)の上縁から表示部20bに大部分が突出した位置(以下、上突出位置という。)との間で(図23(b)、図24(b)、図25(b)、図30(c)、図31(c)参照)、第1下部駆動機構により往復動される。なお、第1下部可動体110の下位置が、該第1下部可動体110の待機位置となる。また、第1下部可動体110は、左右両側の下部取付軸112,112が第2設置面部102b,102bの下部取付孔部104,104で保持されることで、第2設置面部102bより前側に延在している第1設置面部102aの後面と第1下部可動体110の間に、第1下部駆動機構の後述する下部駆動歯車118や下部従動歯車120が設置される下部機構収容空間102cが画成される。
前記下部内周装飾部40の右側には、前側に位置して普通入賞装置27が透明板22に取り付けられ(図2参照)、この普通入賞装置27の普通入賞口27aに入賞したパチンコ球を導く下部通路40aおよびこの通路40aを通過するパチンコ球を検出する検出スイッチ80が、下部内周装飾部40の右側後面に設けられている(図17または図19参照)。そして、第1下部可動体110は、下部内周装飾部40の右側に設けられる検出スイッチ80を避けるため、右側に位置する下部取付軸112の右側(外側)が切り欠かれている(図30参照)。
(第1下部駆動機構)
第1下部駆動機構は、駆動手段としての第1下部モータ116と、この第1下部モータ116の出力軸116aに固定された下部駆動歯車(駆動歯車)118と、この下部駆動歯車118の回転につれて回転する複数の下部従動歯車(従動歯車)120と、この下部従動歯車120に設けられ、第1下部可動体110の下部連繋孔部114に挿入される下部連繋軸122とから構成される(図22および図27参照)。第1下部モータ116は、下部ベース部材102の前面に出力軸116aを後側に向けて取り付けられ、第1設置面部102aの左右方向の中央部に配置されている。下部駆動歯車118は、板状の平歯車であって、第1設置面部102aの後面に突出する出力軸116aに固定されて、第1設置面部102aの後側に第1下部可動体110との間に画成される下部機構収容空間102cに配置される。
下部駆動歯車118の後面には、圧入される出力軸116aを安定して固定するために下部駆動ボス部(ボス部)118aが後側に向けて突出形成されており(図22参照)、第1下部可動体110の中央下縁には、該第1下部可動体110の下位置で下部駆動ボス部118aに整合する部位を切り欠いてボス切欠部110aが設けられている(図30参照)。第1下部可動体110は、下部駆動歯車118の下部駆動ボス部118aが下位置で重なる位置まで突出していても、ボス切欠部110aで下部駆動ボス部118aとの干渉を回避できるので、第1下部可動体110を下部駆動歯車118の後側に重なる下部ベース部材102の下側まで変位させることが可能となり、変位範囲を大きくとることができる。
前記下部従動歯車120は、板状の平歯車であって、前後方向に回転軸を延在させて下部ベース部材102の第1設置面部102aに対して回転自在に軸支されている(図21または図22参照)。また、複数(実施例では4つ)の下部従動歯車120は、外径が同一であって、下部駆動歯車118の外径より大きいもの(実施例)または同一径のものが採用される。4つの下部従動歯車120は、第1設置面部102aの中央部にある下部駆動歯車118を挟んで左右対称な関係で第1設置面部102aに配置されており、4つの下部従動歯車120の回転軸が左右方向に一直線上に並ぶようになっている(図21参照)。更に、4つの下部従動歯車120は、板面を遊技盤面に沿わせて左右に並設されて、第1設置面部102aと第1下部可動体110との間の下部機構収容空間102cに収容されている。そして、内側2つの下部従動歯車120は、下部駆動歯車118にかみ合って、下部駆動歯車118を基準として第1設置面部102aにおける同一の側部にある下部従動歯車120,120同士がかみ合うようになっている。すなわち、第1下部駆動機構は、下部駆動歯車118により内側の下部従動歯車120が回転されて、隣り合う下部従動歯車120のうち内側に位置する下部従動歯車120により外側の下部従動歯車120が順次回転されるよう構成される。なお、4つの下部従動歯車120の中で外側に位置する2つの下部従動歯車120の回転方向は同一になっている。
前記4つの下部従動歯車120のなかで下部駆動歯車118より最も遠くに位置して左右方向における外側にある2つの下部従動歯車120,120には、第1下部可動体110の連繋孔部114に挿入される下部連繋軸122が夫々設けられている(図21参照)。各下部連繋軸122は、下部従動歯車120の回転中心から半径方向外側に偏倚した位置に配置されて、該下部従動歯車120の後面から後側に突出するよう形成される。なお、各下部連繋軸122の外径は、下部連繋孔部114の短手寸法とが略同一寸法に設定される。第1下部駆動機構では、対をなす下部連繋軸122,122の位相が同じになるよう設定されており、対をなす下部連繋軸122,122が、下部駆動歯車118の回転につれて対応の下部従動歯車120の回転中心に対して互いに同じ位置を同期して変位するよう構成される(図30および図31参照)。すなわち、第1下部可動体110は、対をなす下部連繋軸122,122が対応の下部連繋孔部114,114の長手辺に当接しつつ同期して回転変位することで、左右の下部取付軸112,112の水平状態が維持されたまま直線的に往復動するようになっている。なお、実施例では、左右の下部連繋軸122,122の位相を合わせる構成であるが、左右の下部連繋軸122,122の位相をずらすように構成することで、第1下部可動体110を一方の側部と他方の側部とでずらして変位させることができ、第1下部可動体110の各側部が交互に上下するような動作態様とすることも可能である。
前記下部ベース部材102の第1設置面部102aにおいて、第1下部モータ116の出力軸116aと下部従動歯車120とは、出力軸116aが下部駆動歯車118にかみ合う下部従動歯車120の上下幅の範囲に対応する部位に少なくとも位置するよう配置される(図21参照)。ここで、実施例では、下部従動歯車120の回転中心から下側(第1下部可動体110の下位置から上突出位置に向かう方向の反対側)において、下部駆動歯車118にかみ合う下部従動歯車120における上下の半径範囲に対応して、第1下部モータ116の出力軸116aを位置させて、この出力軸116aに固定される下部駆動歯車118を下部従動歯車120より小径に設定している。これにより、第1下部駆動機構では、下部駆動歯車118を挟んで左右に並ぶ2つの下部従動歯車120,120において隣り合う四半円のなす隙間に、これら下部従動歯車120,120にかみ合う下部駆動歯車118の一部が収まって、下部ベース部材102において下部駆動歯車118および下部従動歯車120の設置に要する上下スペースを少なくでき、第1下部駆動機構の上下寸法をコンパクトにできる。
前記下部連繋孔部114は、短手寸法(短手に沿う方向の寸法)が下部連繋軸122の外径と一致すると共に、長手寸法(長手に沿う方向の寸法)が下部従動歯車120の回転に伴う下部連繋軸122の回転変位経路の直径以上に形成される(図24参照)。実施例では、下部連繋軸122の直径分以下の余裕寸法をとって下部連繋孔部114の長手寸法が設定されている。また、下部取付孔部104は、長手寸法が下部従動歯車120の回転に伴う下部連繋軸122の回転変位経路の直径以上に形成されている(図21参照)。すなわち、下部取付孔部104の長手寸法により規定される第1下部可動体110(下部取付軸112)の変位許容範囲は、下部連繋軸122の回転変位経路の直径以上になるよう設定される。実施例では、第1下部可動体110の変位許容範囲を下部連繋軸122の回転変位経路の直径と同一に設定して、下部連繋軸122の最下点で下部取付軸112が下部取付孔部104の開口縁下縁に当接し(図24(a)参照)、下部連繋軸122の最上点で下部取付軸112が下部取付孔部104の開口縁上縁に当接するようになっている(図24(b)参照)。
なお実施例では、下部従動歯車120を4つ組み合わせる構成であるが、2つ以上であれば例えば3つでも5つでもよい。また複数の下部従動歯車120を、下部駆動歯車118を挟んで対称な位置関係で配置するのが好ましいが、下部駆動歯車118を基準として何れかの側部のみに下部従動歯車120を配置しても、各側部の配置数を変えてもよい。この場合、下部連繋軸122は、左右方向に最も離間した外側に位置する下部従動歯車120,120に夫々設けるとよい。
前記第1下部駆動機構による第1下部可動体110の動作について説明する。第1下部可動体110が下位置で待機している場合に、左右の下部連繋軸122,122は、下部従動歯車120の最下点に位置すると共に、対応の下部連繋孔部114の中央部に位置している(図24(a)、図30(a)、図31(a)参照)。第1下部モータ116が駆動すると、下部駆動歯車118が回転し、これにつれて下部従動歯車120が回転し、左右外側の下部従動歯車120の下部連繋軸122,122が、同じ方向に同期して回転変位する。この際、下部連繋軸122は、左右方向に延在する下部連繋孔部114の長手辺に沿って左右方向の変位が許容される一方、下部連繋孔部114の上側開口縁に係合することで、左右の下部連繋軸122,122の上方変位につれて第1下部可動体110の左右方向の姿勢を維持したまま押し上げる。左右の下部連繋軸122,122が、下部従動歯車120において右端または左端にあって対応の下部連繋孔部114の何れか一方の側端部に位置した際に、第1下部可動体110が下位置と上突出位置との中間に位置している(図30(b)または図31(b)参照)。
左右の下部連繋軸122,122が下部従動歯車120の最上点に位置すると、第1下部可動体110が下部ベース部材102の上縁から最も突出した上突出位置に至る(図24(b)、図30(c)、図31(c)参照)。なお、下部連繋軸122の最上点において、該下部連繋軸122が下部連繋孔部114の中央部に位置している。そして、下部連繋軸122が最上点から更に回転すると、下部連繋軸122が左右方向に延在する下部連繋孔部114の長手辺に沿って左右方向の変位が許容される一方、下部連繋孔部114の下側開口縁に係合することで、左右の下部連繋軸122,122の下方変位につれて第1下部可動体110の左右方向の姿勢を維持したまま押し下げる。第1下部駆動機構は、第1下部可動体110を例えば所定回数だけ上下に往復動した後、後述する第1下部検出手段(原位置検出手段)124による第1下部検出片(検出片)115の検出によって、第1下部可動体110を下位置で停止する(例えば図26参照)。
このように、第1下部駆動機構は、第1下部モータ116を一方向に回転するだけで、第1下部可動体110を上下に往復動することができ、第1下部モータ116の制御を簡単にすることが可能となる。また、第1下部駆動機構は、下部駆動歯車118を基準として一側部に複数(実施例では2つ)の下部従動歯車120を設置することで、一側部に例えば1つの下部従動歯車120を設置する場合と比べて下部従動歯車120の外径を大きくすることなく、左右に長尺な第1下部可動体110を外側で支持することができ、左右長尺な第1下部可動体110をバランスよく支持して、適切に動作させることができる。換言すれば、下部駆動歯車118を基準として一側部に複数の下部従動歯車120を設置することで、一つ一つの下部従動歯車120を小さくできるから、下部従動歯車120の設置に要する上下スペースを削減できる。
実施例では、第1下部モータ116を一方向に回転する構成であるが、該第1下部モータ116の制御負荷の増大を考慮しなければ、第1下部モータ116を正逆回転制御してもよい。
(第2下部可動体)
図13および図15に示すように、前記第2下部可動体130は、下部内周装飾部40の前側に回転可能に設けられ、下部ベース部材102に設けられた第2下部駆動機構によって下部内周装飾部40への支持部位を中心として揺動するようになっている。図15、図28および図29に示すように、第2下部可動体130は、細長く薄型の箱状体であって、後面の中央部に下部支持軸(支持軸)132が設けられると共に、この下部支持軸132から該第2下部可動体130の長手に沿う方向に離間して下部連結軸(連結軸)134が後面に設けられている。また第2下部可動体130の後面には、下部支持軸132を挟んで下部連結軸134と反対側に下部補助軸(補助軸)136が設けられると共に、同様に下部支持軸132を挟んで下部連結軸134と反対側の後面に、後述する第2下部検出手段(原位置検出手段)126の検出対象となる第2下部検出片(検出片)138が突出形成されている。なお、実施例の第2下部可動体130では、左側に下部連結軸134が設けられ、右側に下部補助軸136が設けられている。そして、第2下部検出片138は、下部補助軸136の右側(外側)に並べて配置されている。
図28および図29に示すように、前記第2下部可動体130は、光を透過しない不透明な枠部140を本体として、光拡散部142,144、ロゴLED基板(発光体基板)146および後壁部148を順に枠部140に取り付けて構成される。なお、第2下部可動体130は、パチンコ機のモチーフに合わせた複雑な外形とされる。枠部140は、第2下部可動体130の前面を構成する前壁140aと、この前壁140aの外周縁から後側に延出形成されて、第2下部可動体130の側面を構成する周壁140bとを備え、前壁140aの後側に周壁140bで囲われて光拡散部142,144、ロゴLED基板146および後壁部148の収容空間が画成される。また枠部140には、前壁140に複数の前壁開口部(開口部)140cが設けられると共に、前壁140aの後面から後側へ向けて円柱形状の突片140dが複数突出形成され、実施例では、長手辺が延在する左右方向に離間して3つの突片140dが設けられている。すなわち、複数の突片140dは、前壁140aの後面に設けられるので、前壁140aに隠れて前壁開口部140cを介して第2下部可動体130の外側から視認不能である。なお、突片140dの前壁140aからの突出寸法は、周壁140bの前壁140aからの突出寸法より僅かに(後壁部148の板厚分)小さくなるよう設定される。更に枠部140は、突片140dより突出寸法を抑えて前壁140aの後面に形成され、第2下部可動体130の短手に沿う方向に延在する規制突部140eを備えている。なお、実施例の規制突部140eは、光拡散部の後述する前光拡散部142の板厚分程度の突出寸法にしてある。
図28および図29に示すように、前記光拡散部142,144は、枠部140の収容空間に嵌め合わせてロゴLED基板146の前側に配置され、前壁140aの複数の前壁開口部140cから露出する部位が第2下部可動体130の前面を構成している。光拡散部142,144は、光拡散処理が施された部材単体または光拡散処理が施された光透過性を有する部材を複数組み合わせて構成され、実施例では、前側から前光拡散部142、後光拡散部144および光拡散シート(図示せず)を順に重ね合せて構成される。
図28および図29に示すように、前記前光拡散部142は、光拡散処理が施された有色半透明の部材であって、枠部140の収容空間において最前に取り付けられる。また前光拡散部142は、枠部140の前壁140aに設けられた複数の前壁開口部140cに夫々整合する突出部142aを複数有すると共に、外形形状が枠部140の周壁140bの内側に整合する形状に形成されている。なお、各突出部142aは、前壁開口部140cの中央部に向けて凸となるよう傾斜面を組み合わせて形成される。更に前光拡散部142は、前壁140a後面に突出する複数の突片140dに対応して光拡散部通孔143が前後に貫通形成されると共に、前壁140a後面に突出する規制突部140eに対応する部位に規制切欠142bが切り欠き形成されている。そして、前光拡散部142は、周壁140bの内側に嵌め込んで光拡散部通孔143に対応の突片140dを挿通すると共に、前壁140aの後面に突出部142aを除く前面を突き合わせて規制突部140eに規制切欠142bを嵌め合わせることで、収容空間において上下左右方向に移動しないよう位置決めされる。この際、前光拡散部142は、突出部142aが対応の前壁開口部140cから前側に突出して、第2下部可動体130の前面を構成するので(図15参照)、第2下部可動体130の立体感が増し、突出部142aの形状によって後側から照射された光を適切に拡散し得る。
図28および図29に示すように、前記後光拡散部144は、光拡散処理が施された有色半透明の部材であって、枠部140の収容空間において前から2番目(前光拡散部142の後側)に取り付けられる。また後光拡散部144は、外形形状が枠部140の周壁140bの内側に整合する形状に形成されると共に、平坦な板状本体部分の後面外周縁に、後隔片(スペーサ部)144aが後側に向けて突出形成されている。更に後光拡散部144は、前壁140a後面に突出する複数の突片140dに対応して光拡散部通孔143が前後に貫通形成されると共に、前壁140a後面に突出する規制突部140eに対応する部位に規制切欠144bが切り欠き形成されている。そして、後光拡散部144は、周壁140bの内側に嵌め込んで光拡散部通孔143に対応の突片140dを挿通すると共に、前光拡散部142の後面に前面を突き合わせて規制突部140eに規制切欠144bを重ねて、収容空間において上下左右方向に移動しないよう位置決めされる。
前記光拡散シートは、所謂レンズシートの如き光拡散処理が施されたシートであって、枠部140の収容空間において前から3番目(後光拡散部144の後側でロゴLED基板146の前側)に取り付けられる。また光拡散シートは、外形形状が枠部140の周壁140bに内側に整合する形状に形成されている。更に光拡散シートは、前壁140a後面に突出する複数の突片140dに対応して光拡散部通孔が前後に貫通形成されると共に、前壁140a後面に突出する規制突部140eに対応する部位に規制切欠が切り欠き形成されている。そして、光拡散シートは、周壁140bの内側に嵌め込んで光拡散部通孔に対応の突片140dを挿通すると共に、後光拡散部144における後隔片144aの後端に外周縁前面を突き合わせて規制突部140eに規制切欠を重ねて、後隔片144aとロゴLED基板146とに挟まれて収容空間において位置決めされる。
図28および図29に示すように、前記ロゴLED基板146は、前面に複数のLED(発光体)146aを有し、枠部140の収容空間において光拡散部142,144の後側に配置されている。またロゴLED基板146は、外形形状が枠部140の周壁140bの内側に整合する形状に形成されている。更にロゴLED基板146は、前壁140a後面に突出する複数の突片140dに対応して基板通孔146bが前後に貫通形成されると共に、前壁140a後面に突出する規制突部140eに対応する部位に規制切欠146cが切り欠き形成されている。なお、基板通孔146bは、LED146aの配置に応じてロゴLED基板146の外周縁から切り欠いて形成したものがある。ロゴLED基板146の後面には、該ロゴLED基板146に電力を供給する配線が接続されるロゴLED基板ソケット(ソケット)147が後側に向けて突出形成され、このソケット147は後側に開口している。そして、ロゴLED基板146は、周壁140bの内側に嵌め込んで基板通孔146bに対応の突片140dを挿通すると共に、後光拡散部144における後隔片144aの後端に光拡散シートを介して外周縁前面を突き合わせて規制突部140eに規制切欠146cを重ねて、収容空間において上下左右方向に移動しないように位置決めされる。また、ロゴLED基板146は、後隔片144aによってLED146aと後光拡散部144におけるLED146aの前側に延在する光拡散面との間のスペースが一定間隔で保持される。
図28および図29に示すように、前記後壁部148は、ロゴLED基板146の後側に設けられて、第2下部可動体130の後面を構成する不透明の部材であって、後面に前記下部支持軸132、下部連結軸134、下部補助軸136および第2下部検出片138が設けられている。後壁部148は、周壁140bの内側に整合する外形形状に形成されている。また後壁部148は、圧入して固定される下部支持軸132を保持する前ボス部148aが前面中央部に設けられ、この前ボス部148aは、側部を面取りして外形が多角形状になるよう形成されている。そして、後壁部148は、周壁140bの内側に嵌め込んで前面外周縁に前側に突出形成した前隔片(スペーサ部)148bの前端をロゴLED基板146の後面に当接させると共に、複数の突片140dに対応して前面に凹状に設けられた受部148cに対応の突片140dを収容して収容空間の後側を塞ぐように組み付けられる。この際、後壁部148は、ロゴLED基板146の中央部に前ボス部148aに整合する形状で開設された前ボス孔146dに前ボス部148aを挿入し、この後壁部148にロゴLED基板ソケット147に対応して開設された後壁ソケット開口(ソケット開口)149を介してロゴLED基板ソケット147を後側に露出させるようになっている。すなわち、ロゴLED基板146と後壁部148とは、前ボス孔146dと前ボス部148aとの嵌合によっても互いに位置決めされる。
更に、後壁部148は、前壁140a後面に突出する規制突部140eに対応する部位に規制切欠148dが切り欠き形成されている。後壁部148は、前隔片148bによってロゴLED基板146との間に隙間を設け、ロゴLED基板146の後側に突出する抵抗が該後壁部148に干渉しないようになっている。ここで、第2下部可動体130では、ロゴLED基板ソケット147が下部支持軸132から該第2下部可動体130の長手に沿う方向に離間して配置され、実施例のロゴLED基板ソケット147は、第2下部可動体130の後面において下部支持軸132と下部連結軸134との間に位置している。
前記第2下部可動体130は、枠部140の周壁140bおよび突片140dによって光拡散部142,144、光拡散シート、ロゴLED基板146および後壁部148が上下左右方向に位置決めされて、突片140dに受部148cを介して後壁部148の後側からネジで固定される。ここで、光拡散部142,144、光拡散シートおよびロゴLED基板146は、枠部140の前壁140aと後壁部148の前隔片148bとの間に挟まれて互いに前後に位置決めされるので、光拡散部142,144、光拡散シートおよびロゴLED基板146の夫々をネジ等で別々に固定する必要はない。また、第2下部可動体130では、枠部140における前壁140aに設けた規制突部140eが前光拡散部142の規制切欠142bに嵌合するが、後光拡散部144、光拡散シート、ロゴLED基板146および後壁部148の規制切欠144b,146c,148dは、規制突部140eに重なって該第2下部可動体130の後側に開口している。すなわち、第2下部可動体130は、これらの規制切欠144b,146c,148dからなる開口を介して前光拡散部142から後壁部148までの収容空間に取り付けた部材を確認することができる。また、前光拡散部142は、枠部140の前壁開口部140cから突出部142aが露出するので、第2下部可動体130の揺動時にがたつきのないより確実な位置決め保持がなされている。
前記第2下部可動体130を支持する取付部としての下部内周装飾部40は、半透明の樹脂を基本とした部材であって、下部ベース部材102の前側を覆って該下部ベース部材102に取り付けられている(図14参照)。すなわち、下部内周装飾部40は、裏ユニット30の下辺に亘って左右に長手を延在させて下部ベース部材102を介して裏ユニット30に取り付けられ、遊技盤20において透明板22を介して前面から視認可能で、また表示部20bの下辺を構成している(図2参照)。また下部内周装飾部40は、透明板22の後面に沿って前面が延在する前突部43と、透明板22の後面から離間するよう前突部43より後側に凹んだ設置凹部44とを有している(図17または図19参照)。前突部43は、下部内周装飾部40における左右方向中央部の下側領域に設けられ、下縁を裾とする山形に形成されており、前突部43の下部は、表示部20bの下側に位置して透明板22の下部に取り付けられる始動入賞装置25の後側に重なっている。なお、下部演出装置100では、前突部43および下部ベース部材102の下部中央に、透明板22の後側に突出する始動入賞装置25の後部に合わせて、下縁から一部切り欠いて入賞装置凹部101が設けられ、この入賞装置凹部101に始動入賞装置25の後部を受け入れるようになっている。設置凹部44は、下部内周装飾部40における前突部43の上側領域に、前突部43より後側に下がって延在した段差状に設けられ、透明板22と設置凹部44との間のスペースに第2下部可動体130が設置される。すなわち、第2下部可動体130は、始動入賞装置25における遊技領域20aに開口する始動入賞口25aの直上に位置して、透明板22におけるステージ74の後側に配置される
図17、図18および図19に示すように、前記設置凹部44には、中央部に第2下部可動体130の下部支持軸132を回転可能に支持する下部支持孔部(支持孔部)45が設けられ、この下部支持孔部45に支持されて揺動する第2下部可動体130に伴う下部連結軸134および下部補助軸136の移動経路に対応して下部連結軸通孔(通孔)46および下部補助軸通孔(別の通孔)47が開設されている。また、設置凹部44には、下部支持孔部45に支持されて揺動する第2下部可動体130に伴うロゴLED基板ソケット147および第2下部検出片138の移動経路に対応して第2下部ソケット通孔(ソケット通孔)48および第2下部検出片通孔(検出片通孔)49が開設されている。ここで、設置凹部44には、下部支持孔部45の左側に下部連結軸134に対応した下部連結軸通孔46が前後に貫通形成され、下部支持孔部45の右側に下部補助軸136に対応した下部補助軸通孔47が前後に貫通形成されている。また設置凹部44には、下部支持孔部45と下部連結軸通孔46との間に第2下部ソケット通孔48が前後に貫通形成されて、第2下部可動体130の後面から突出するロゴLED基板ソケット147を受け入れるようになっている。更に、設置凹部44には、下部補助軸通孔47の右側(外側)に第2下部検出片通孔49が前後に貫通形成され、この第2下部検出片通孔49の上下の中間部位が左右方向に拡張して開設されて、当該拡張部位に第2下部検出手段126を受け入れるようになっている(図17または図19参照)。
図17に示すように、前記設置凹部44の前面には、下部支持孔部45を挟んで左右に支持突起44a,44aが設けられ、これら支持突起44a,44aが第2下部可動体130の対応する側部後面に当接し、下部支持軸132の外周に有するスリーブのフランジが下部支持孔部45の開口縁に当接して、設置凹部44と第2下部可動体130との摺接部位を最小限に抑えている。なお、下部連結軸134および下部補助軸136も外周にスリーブを有し、下部連結軸134のスリーブは、下部連結軸通孔46の後側に後述する下部ラックの上端が整合するので短尺であり、下部補助軸136のスリーブは、下部補助軸通孔47の開口縁が後側に向けて突出しているので(図22参照)、下部連結軸134のスリーブと比べて長尺に設定されている。
(第2下部駆動機構)
図25に示すように、前記第2下部可動体を揺動する第2下部駆動機構は、駆動手段としての第2下部モータ(モータ)160と、この第2下部モータ160の出力軸に固定された下部ピニオン(ピニオン)162と、第2下部可動体130の下部連結軸134に連結されると共に、下部ピニオン162の回転につれて往復動する下部ラック(ラック)164とから構成される。下部演出装置100では、第1下部可動体110を動作させる第1下部駆動機構の第1下部モータ116を下部ベース部材102の前側に設けると共に下部駆動歯車118や下部従動歯車120等の伝達手段および第1下部可動体110を下部ベース部材102の後側に設けている。下部演出装置100では、第2下部可動体130を動作させる第2下部駆動機構の第2下部モータ160を下部ベース部材102の後側に設けると共に下部ピニオン162や下部ラック164等の伝達手段および第2下部可動体130を下部ベース部材102の前側に設けている。すなわち、第1下部駆動機構と第2下部駆動機構とは、下部モータ116,160および下部モータ116,160の出力を下部可動体110,130に伝える伝達手段が下部ベース部材102を挟んで前後反対の関係で配置されている(図26参照)。
前記第2下部可動体130が第1下部可動体110の前側で下部演出装置100が有する下部可動体110,130の中で最前面に位置しているので、第2下部駆動機構は、下部ベース部材102の前側に伝達手段を設け、前後に設置スペースを要する第2下部モータ160を下部ベース部材102の後側に設けるのが、スペースの有効利用の観点から合理的である。一方、第1下部駆動機構は、第1下部可動体110が下部ベース部材102の後側に位置しているので、下部ベース部材102の後側に伝達手段を設け、前後に設置スペースを要する第1下部モータ116を下部ベース部材102の前側に設けるのが、スペースの有効利用の観点から合理的である。しかも、第1下部モータ116は、下部内周装飾部40の後側に設置凹部44と比較して空間を有する前突部43に収容されるので、設置凹部44の前側に設置される第2下部可動体130と干渉することはない。このように、下部演出装置100は、第1下部駆動機構と第2下部駆動機構とを動作させる下部可動体110,130の位置に応じて下部ベース部材102の前面と後面とに振り分けて設置することで、全体としてコンパクトにでき、透明板22と裏ユニット30との間の限られた前後スペースであっても、前後に並べて複数(2つ)の下部可動体110,130を設けることが可能となる(図3参照)。
前記第2下部駆動機構について具体的に説明する。図24に示すように、前記第2下部モータ160は、出力軸を前側に向けて下部ベース部材102における第1設置面部102aの後面に取り付けられる。第2下部モータ160は、第1下部可動体110の往復動の範囲外(実施例では、下位置の第1下部可動体110の下側)で、下部ベース部材102における何れか一方の側部(実施例では、左側)に偏倚させて配置される。第2下部モータ160は、ネジ固定のためのモータ取付片160aが突出形成されて、下部ベース部材102の後面にモータ取付片160aに対応して設けた下部保持片107に外周が保持されて位置決めされている。なお、裏ユニット30は、第2下部モータ160の後側に対応する位置に放熱用の開口32を備えている(図5および図8参照)。
図25または図27に示すように、前記下部ピニオン162は、板状の平歯車であって、下部ベース部材102における第1設置面部102aの前側に突出する出力軸に固定されて第1設置面部102aの前側に設けられる。下部ピニオン162は、下部ベース部材102の前側から取り付けられるピニオン保持片163と下部ベース部材102との間に回転可能に保持されている。
図25または図27に示すように、前記下部ラック164は、細長い板状部材であって、第1設置面部102aの前面に上下に離間して突出形成された2つの下部ラック軸108,108に対応して、下部ラック164には該下部ラックの長手に沿う方向に離間して2つの下部ラック孔部166,166が開設されている。下部ラック孔部166は、下部ラック164の長手辺に長手を沿わせた長孔形状に形成されて、該下部ラック孔部166の短手寸法が下部ラック軸108の外径と略同一に設定されている。下部ラック164は、上下の下部ラック軸108,108を対応する下部ラック孔部166,166に夫々収容して下部ベース部材102に対してスライド可能に保持され、第1設置面部102aの前側において下部ピニオン162の内側(第1設置面部102aの中央部に設けられた第1下部モータ116と下部ピニオン162との間)に配置される。すなわち、下部ラック164は、その長手辺が上下方向に延在すると共に、下部ラック孔部166の長手も上下方向に延在するようになっている。また下部ラック164には、下部ピニオン162に臨む側縁(左側縁)下部に、該下部ピニオン162にかみ合う歯部が設けられている。そして、下部ラック164は、第2下部モータ160の正逆回転に伴う下部ピニオン162の正逆回転により遊技盤面に沿う上下方向に直線的に往復動するよう構成される。なお、下部ラック164は、下部ベース部材102の前側を覆う下部内周装飾部40の内側の範囲で変位するようになっている。
図25または図27に示すように、前記下部ラック164は、下部ピニオン162がかみ合う下部と反対側の端部である上部に、第2下部可動体130の下部連結軸134を受け入れる下部連結孔部(連結孔部)168を備えている。下部連結孔部168は、下部ラック164の往復移動方向と交差する遊技盤面に沿う左右方向に長手が延在する長孔形状に形成されている。そして、下部ラック164は、下部連結軸通孔46を介して下部内周装飾部40の後側に突出した下部連結軸134を下部連結孔部168に受容して、上下への往復動につれて下部連結孔部168における上下の開口縁に当接する下部連結軸134を上下に押動するようになっている。すなわち、第2下部可動体130は、下部連結軸134が下部ラック164により上下に押動されることで、下部支持軸132を中心として揺動される。
図33に示すように、前記下部支持軸132、下部連結軸134および下部補助軸136は、下部支持孔部45、下部連結軸通孔46および下部補助軸通孔47を介して下部内周装飾部40の後側に夫々突出した後端が、下部リンク(リンク)170で互いに連結されてる。下部リンク170は、下部連結軸134および下部補助軸136の後端に夫々合わせて、該下部リンク170の両端に凹状に形成された2ヶ所の側部受容部と、下部内周装飾部40の後面から突出形成された下部支持孔部45の後部およびこの下部支持孔部45から突出する下部支持軸132の後部に合わせて、該下部リンク170の中央部に段状に凹ませて形成された中央受容部(何れも図示せず)とを備えている。下部リンク170は、前記受容部に対応の軸132,134,136を受け入れて組み付けた際に、下部補助軸通孔47の開口縁全周に突出形成された保持リブ(リブ)47aと、第2下部ソケット通孔48における下部連結軸通孔46側の開口縁に突出形成された保持リブ(リブ)48aとに前面が当接するよう構成されている。なお、保持リブ47a,48aは、第2下部可動体130の揺動に伴う下部補助軸136およびロゴLED基板ソケット147の移動経路に合わせて開設された通孔47,48の開口縁に沿わせて設けられているので、該保持リブ47a,48aは、第2下部可動体130の揺動に伴う下部リンク170の移動経路全体に亘って該下部リンク170を支持可能になっている。
このように、第2下部可動体130は、下部連結軸134が下部ラック164によって押動される構成であるが、下部連結軸134と下部補助軸136とを連結する下部リンク170によって下部支持軸132を挟んで下部連結軸134と反対側の下部補助軸136側からも、下部連結軸134側と同期して第2下部可動体130を押動することができる(図33参照)。第2下部可動体130は、左右方向に長手が延在する比較的大型の部材であるが、長手に離間する下部連結軸134と下部補助軸136とからバランスよく押動されるので、安定して動作させることができる。しかも、第2下部可動体130は、前側への移動が下部支持孔部45の後部に嵌合すると共に保持リブ47a,48aで前方変位を規制された下部リンク170によって阻まれるので、ロゴLED基板146等を内蔵して重くなっても前のめりになることはなく、適切な姿勢を維持し得る。
前記第2下部駆動機構による第2下部可動体130の動作について説明する。第2下部可動体130が待機姿勢にある場合に、第2下部検出片138は、第2下部検出手段126に位置している。第2下部モータ160の一方への回転駆動につれて下部ピニオン162が回転すると、下部ラック164が例えば上方に変位し、これに伴って下部連結孔部168に挿入された下部連結軸134が上方に変位されることで、第2下部可動体130の左側部が下部支持軸132を中心として押し上げられて右側部が下がる(図32(a)参照)。また、第2下部モータ160が他方へ回転駆動されて、下部ラック164が下方に変位し、これに伴って下部連結孔部168に挿入された下部連結軸134が下方に変位されることで、第2下部可動体130の左側部が下部支持軸132を中心として押し下げられて右側部が上がる(図32(b)参照)。すなわち、第2下部モータ160が所定の制御下に正逆回転することで、下部ラック164の上下往復動につれて第2下部可動体130が揺動する。そして、第2下部可動体130は、例えば所定回数揺動されると、第2下部検出片138が第2下部検出手段126で検出されることを条件として第2下部モータ160が停止される。
図24に示すように、前記第1下部可動体110は、左右の下部連繋孔部114,114の間に位置して左右に離間配置されて、前後に貫通する2つの下部挿脱孔110b,110bを有している。下部演出装置100では、第1下部可動体110の上突出位置において、左側の下部挿脱孔110bが待機位置にある第2下部可動体130の下部リンク170の左端部後側に位置し、右側の下部挿脱孔110bが待機位置にある第2下部可動体130の下部リンク170の右端部後側に位置するよう構成される。すなわち、下部演出装置100では、下部リンク170の左端部後側から下部ラック164の下部連結孔部168を挟んで下部連結軸134に螺合されるネジを、第1下部可動体110を取り外すことなく左側の下部挿脱孔110bを介して着脱し得ると共に、下部リンク170の右端部後側から下部補助軸136に螺合されるネジを、第1下部可動体110を取り外すことなく右側の下部挿脱孔110bを介して着脱し得る。
(発光手段)
前記下部演出装置100は、第2下部可動体130の内蔵されたロゴLED基板146だけでなく、他にもLED基板(発光体基板)172,174,176を備えている。図23または図25に示すように、下部ベース部材102には、中央部に設置した第1下部モータ116の前側に位置して該モータ116を隠すように取り付けられた第1下部LED基板(発光体基板)172と、第1設置面部102aの前側から第2設置面部102bの前側を延在するように下部ベース部材102の両側部に取り付けられた2つの第2下部LED基板(別の発光体基板)174,174とを備えている。第1下部LED基板172は、下部内周装飾部40の前突部43に第1下部モータ116と共に収容されて、前突部43の入賞装置凹部101に合わせて透明板22に設置される始動入賞装置25の上側に配置される。第1下部LED基板172の配線接続口(図示せず)は、該第1下部LED基板172と下部ベース部材102との間に設けられて前側から隠れている。すなわち、第1下部LED基板172は、始動入賞装置25の始動入賞口25aの上側で、ステージ74から始動入賞口25aへパチンコ球が流下する経路を照明することになり、遊技者が注目する始動入賞口25aの回りを適切に発光演出し得る。また、下部演出装置100は、下部内周装飾部40の前突部43に第1下部LED基板172および第1下部モータ116を収容する構成であるので、下部内周装飾部40の下部ベース部材102への取り付けに際して、位置合わせを行い易い。なお、枠状装飾体70には、第1下部LED基板172の前側に対応して重なる下部部位に、光拡散処理が施されており、この光拡散処理によって第1下部LED基板172から照射された光をより適切に拡散している。
前記第2下部LED基板174は、下部ベース部材102の前側に設置される下部ピニオン162および下部ラック164の略同一垂直平面上に前面が位置しており(図26参照)、下部ベース部材102の左側部に設置される第2下部LED基板174は、下部ピニオン162の上側で下部ラック164の左側(外側)に配置される(図23または図25参照)。また第2下部LED基板174は、下部ベース部材102において下部内周装飾部40の設置凹部44に前側が覆われて、下部連繋軸122が設けられた外側の下部従動歯車120の前側に位置している。第2下部LED基板174は、第1設置面部102aの前側から第2設置面部102bの前側を延在するように下部ベース部材102に取り付けてあるので、第1設置面部102aの後側に延在する第2設置面部102bと第2下部LED基板174との間に、第1下部可動体110の下部取付軸112の前端が変位するスペースや第1および第2下部検出手段124,126の設置スペースを確保できる。なお、左側の第2下部LED基板174は、下部ベース部材102の左下部に設けられる第2下部モータ160の取り付け部分を避けるように切り欠き形成されている。
図15に示すように、前記下部内周装飾部40における前突部43の後面には、第3下部LED基板(更に別の発光体基板)176が、第1下部LED基板172および第2LED基板174の前側から外れた位置に設けられている。第3下部LED基板176は、下部ベース部材102の中央に位置する第1下部モータ116の左右に位置すると共に、下部連繋軸122が設けられた下部従動歯車120の下部駆動歯車118側に連繋する内側の下部従動歯車120の前側に位置しており、前突部43の入賞装置凹部101に合わせて透明板22に設置される始動入賞装置25の左右に配置される。そして、第3下部LED基板176を前突部43に設置することで、第3下部LED基板176の後側に下部ピニオン162や下部ラック164を配置する前後スペースを確保できる。なお、下部ベース部材102の右側上部には、下部内周装飾部40の下部通路40aの後側に対応して第4下部LED基板178が設けられている(図23参照)。第4下部LED基板178は、下部通路40aを隠すと共に、普通入賞装置27の周辺を発光演出している。
前記下部内周装飾部40の前面には、所要部位に下部カバー開口40bが前後に貫通形成され、この下部カバー開口40bに下部光拡散カバー40cが取り付けられている(図13参照)。すなわち、下部内周装飾部40は、下部カバー開口40bを覆う下部光拡散カバー40cによって前面の一部が構成されている。なお、下部光拡散カバー40cは、下部カバー開口40bに整合する外形形状に形成された側縁に設けた図示しない爪を、下部カバー開口40bの開口縁に引っ掛けて取り付けられる。下部内周装飾部40は、ラメ入りの樹脂からなる有色半透明であるのに対して、下部光拡散カバー40cは、後面に筋状の凹凸を並べた無色問透明な樹脂部材であり、下部内周装飾部40と下部光拡散カバー40cとの光拡散処理が相違するよう構成される。ここで、下部内周装飾部40では、下部カバー開口40bが設置凹部44における第2下部可動体130の側方に位置して、第2下部可動体130の揺動によって一部が隠れるように配置される。また下部カバー開口40bは、前突部43の左右の側部にも設けられている。
前記第1〜第4下部LED基板172,174,176,178は、下部内周装飾40の本体部分で覆われる部位に配置されるLEDとしてフルカラーで発光可能なものが用いられ、前側が下部光拡散カバー40cで覆われる部位に配置されるLEDとして単色(実施例では白色)発光のものが用いられる。すなわち、下部LED基板172,174,176,178では、前側に位置する相違する光拡散処理の施された部材に合わせて、設置するLEDの発光態様を変える構成である。
前記下部演出装置100は、前面の大部分を構成する下部内周装飾部40の本体部分と下部光拡散カバー40cとで光拡散態様が異なり、夫々の部位に対応して設けられたLEDの発光態様も異なるので、下部内周装飾部40の部位によって異なる発光演出を行うことができる。しかも、第2下部可動体130の動作につれて該可動体130により覆われる下部内周装飾部40の本体部分および下部光拡散カバー40cの領域が変化するので、発光態様に変化を与えることができる。そして、下部演出装置100は、強く光を照射したい部分を無色透明な下部光拡散カバー40cで構成すると共に、下部光拡散カバー40cに対応して強い光を照射し得る白色のLEDを用い、これに対して下部内周装飾部40の大部分を有色半透明としてフルカラーのLEDを用いており、下部内周装飾部40と下部光拡散カバー40cとで夫々の光拡散処理に合わせ適切な種類のLEDを対応して配置してあるので、発光態様の変化を大きくすることができる。なお、下部内周装飾部40の下部光拡散カバー40cを用いた発光態様を変化させる構成は、他の演出装置200,300,400でも採用可能である。
図23に示すように、下部ベース部材102の前面には、中央部に設けた第1下部モータ116を挟んで両側に第2下部LED基板174,174が設置されており、該下部ベース部材102の前面に、第1下部モータ116と左側(一方)の第2下部LED基板174との間に第2下部駆動機構の下部ピニオン162および下部ラック164が設けられている。また下部ベース部材102には、第1下部モータ116と下部ラック164との間に下部配線開口(配線用の開口)109aが前後に貫通形成されており、この配線用開口109aを介して左側の第3下部LED基板176に接続する配線が下部ベース部材102の後側に取り出される。更に、下部ベース部材102には、第1下部モータ116と右側(他方)の第2下部LED基板174との間に下部配線開口(配線用の開口)109bが前後に貫通形成されており、この下部配線開口109bを介して第1下部モータ116、第1下部LED基板172および右側の第3下部LED基板176に接続する配線が下部ベース部材102の後側に取り出される。実施例の下部ベース部材102では、第1下部モータ116の下部から該第1下部モータ116の下側に位置する入賞装置凹部101の横側にかけて下部配線開口109a,109bが開設されている。このように、下部演出装置100では、下部駆動機構および配線の配設スペースを確保しつつ、下部LED基板174,176により光の演出を行える。
前記下部演出装置100では、第1下部可動体110および第2下部可動体130の位置検出のために、夫々の下部可動体110,130に対応した下部検出手段(原位置検出手段)124,126を備えており、これら下部検出手段124,126は、左右の第2下部LED基板174,174に振り分けて設置されている(図26参照)。
先ず、第1下部可動体110の原位置を検出するための構成について説明する。第1下部可動体110は、一方(実施例では左側)の下部取付軸112の左側(外側)に並べて前面から突出形成された第1下部検出片(検出片)115を有している(図27参照)。下部ベース部材102は、左側に位置する下部取付孔部104の左側(外側)に平行して、第1下部可動体110の往復動に伴う第1下部検出片115の移動経路に対応して開設された第1下部検出片通孔(検出片通孔)102dを左側の第2設置面部102bに有し(図16参照)、この第1下部検出片通孔102dを介して第1下部検出片115が下部ベース部材102の前側に臨むようになっている。第1下部可動体110に対応する第1下部検出手段124は、左側に位置する第2下部LED基板174の後面に設けられ、第2下部LED基板174と第2設置面部102bとの間のスペースに収容されている(図26参照)。また、第1下部検出手段124は、下部取付孔部104の下端部の横側に配置されており、下位置にある第1下部可動体110の第1下部検出片115を第1下部検出手段124で検出するようになっている。すなわち、第1下部検出手段124を第1下部可動体110を支持する下部取付軸112の一方の近くに配置することで、第1下部可動体110の原点位置を確実に検出できる。
前記下部ベース部材102には、第1下部可動体110の往復動の範囲より外側において第1下部検出片通孔102dの下部に繋げて、左側に位置する第2下部LED基板174の後面に設けた第2下部ソケット(ソケット)174aが臨むソケット通孔102eが開設されている(図24参照)。すなわち、第1下部可動体110や第2下部駆動機構の伝達手段との第2下部ソケット174aに接続される配線との干渉を回避し得る。なお、右側に位置する第2下部LED基板174の第2下部ソケット174aは、裏ユニット30の配線開口(図示せず)に向けて斜め下側に開口するよう遊技盤面に沿って後面に設けられる。
次に、第2下部可動体130の原位置を検出するための構成について説明する。第2下部可動体130に対応する第2下部検出手段126は、右側に位置する第2下部LED基板174の前面に設けられ(図26参照)、下部内周装飾部40の第2下部検出片通孔49の拡張部位に収容される(図19参照)。そして、実施例では、左右方向に長手辺が延在する第2下部可動体130が略水平となった際に、第2下部検出手段126が第2下部検出片138を検出するようになっている。第2下部検出手段126は、第2下部LED基板174から前側に突出するものの、下部内周装飾部40の第2下部検出片通孔49の拡張部位に収容される構成であるので、下部内周装飾部40の板厚分のスペースを有効利用して、第2下部検出手段126を設置するために要する前後のスペースを短縮することができる。第2下部可動体130では、下部連結軸134と反対側に第2下部検出手段126の検出対象となる第2下部検出片138を設けることで、下部ラック164による第2下部可動体130の揺動を該検出片138や第2下部検出手段126が邪魔することなく、第2下部検出手段126における誤検出を抑制することができる。
前記下部演出装置100では、下部内周装飾部40の後面から突出した下部支持孔部45の後部を基準として左側に第2下部ソケット通孔48を介してロゴLED基板ソケット147が下部内周装飾部40の後側に臨んでいる。また、下部内周装飾部40には、下部支持孔部45の後部を基準として左側で、かつ前記第2下部ソケット通孔48の下側に位置して、ロゴLED基板ソケット147に接続した配線の接続先となる第3下部ソケット(ソケット)176aを後面に備えた第3下部LED基板176が設けられている(図18参照)。更に下部内周装飾部40の後面には、下部支持孔部45の後部を基準として右側(下部支持孔部45を挟んで第2下部ソケット通孔48と反対側)に位置して、下部配線保持具41が設けられている。そして、ロゴLED基板ソケット147と第3下部ソケット176aとを接続する配線を、下部支持孔部45の後部の左側を迂回して取り回し、下部支持孔部45の後部左側に位置する下部配線保持具41で該配線の中間部位を保持するよう構成している。具体的には、ロゴLED基板ソケット147に接続した配線は、下部支持孔部45の左側から下部支持孔部45の上方を通り、下部支持孔部45の右側を回って下部支持孔部45の下方を通って第3下部ソケット176aに接続される。なお、下部内周装飾部40の後面には、下部支持孔部45の下側に該下部内周装飾部40を下部ベース部材102にネジ固定するための下部取付ボス42が突出形成されており、支持孔部45の下側を通る配線は、下部支持孔部45の後部と下部取付ボス42との間に保持される。
図18に示すように、前記下部演出装置100では、ロゴLED基板ソケット147と第3下部ソケット176aとが、同一の側部に上下の関係で配置されているが、配線を最短距離となる上下に通して両ソケット147,176aに接続すると、配線の取り回し長さを確保することができずに両ソケット147,176aに対する着脱作業を行い難い。また、上下方向に変位するロゴLED基板ソケット147のために配線の余裕寸法をとると、後側が凸となるように湾曲した配線が、ロゴLED基板ソケット147の上下変位につれて前後方向に変位するので、後側の下部ベース部材102に干渉して配線の断線や第2下部可動体130の揺動を妨げるおそれがある。実施例の下部演出装置100は、配線を第2下部可動体130の揺動方向と交差する左右方向に迂回させて取り回すことで、配線の取り回し寸法を長くすることができるから、両ソケット147,176aに対する着脱作業を行い易く、配線が邪魔をして第2下部可動体130の変位を妨げることもない。しかも、配線を、左右方向(実施例では右側)に凸になるよう湾曲することができ、ロゴLED基板ソケット147が上下に変位しても、配線が下部内周装飾部40の後面に沿って上下に変位するので、配線が下部ベース部材102に干渉することを回避できる。
前記下部演出装置100は、第1下部モータ116を一方向に回転することで、下部従動歯車120の下部連繋軸122の回転変位が第1下部可動体110の往復動に変換されるので、第1下部可動体を往復動させるために第1下部モータ116を正逆回転する必要がなく、第1下部モータ116への負荷および制御負荷を軽減することができる。また、第1下部可動体110は、左右に長手が延在しているが、左右に離間して設けられた対をなす下部連繋軸122,122で第1下部可動体110を支持すると共に、第1下部可動体110の左右に離間する下部取付軸112,112が下部ベース部材102で保持される構成であるから、第1下部可動体110をバランスよく支持でき、第1下部可動体110を大型化したり、第1下部可動体110の動作頻度や動作速度を増しても、第1下部可動体110をがたつきなく安定して動作することができる。下部演出装置100は、複数の下部LED基板172,174,176,178を備えているので、第1下部可動体110および第2下部可動体130の動作演出と併せて、光による発光演出も行うことができる。
前記下部演出装置100は、下部駆動歯車118および下部従動歯車120を下部ベース部材102の下部機構収容空間102cに配置すると共に、前後方向に重ねて配置せずに遊技盤面に沿って並べているので、第1下部可動体110に第1下部モータ116から動力を伝達する伝達手段が前後方向に大型化しない。また、第2LED基板174と下部ベース部材102における第2設置面部102aとの間の隙間を利用して第1下部検出手段124を設けてあるので、第1下部検出手段124が前または後に突出することを回避できる。すなわち、下部演出装置100は、全体として前後方向にコンパクトであって、透明板22と裏ユニット30との間の狭いスペースに設置可能である。
前記下部演出装置100は、第1下部可動体110の下部取付軸112,112を保持する下部取付孔部104,104、複数の下部従動歯車120および下部駆動歯車118を、第1下部可動体110の動作方向である上下方向と交差する左右方向に並べて配置してあるので、第1下部可動体110に第1下部モータ116から動力を伝達する伝達手段が第1下部可動体110の動作方向に大型化しない。すなわち、下部演出装置100は、全体として上下方向にコンパクトであって、透明板22と裏ユニット30との間の狭いスペースにおいて表示部20bを塞ぐことなく該表示部20bの下側に設置可能である。
前記第2下部可動体130は、左右に長手辺が延在しているが、中央部に設けた下部支持軸132と該第2下部可動体130の長手に沿う左右方向に離間した部位に設けた下部連結軸134を、第2下部モータ160に下部ピニオン162を介して接続する下部ラック164で動かす構成であるので、第2下部可動体130の長手を少なくとも2ヶ所で支持することができる。すなわち、第2下部可動体130が大型化すると共にロゴLED基板146を内蔵する等によって重量が嵩んだとしても、第2下部モータ160の正逆回転に適切に連動して該第2下部可動体130を安定して揺動させることができる。しかも、第2下部可動体130は、下部連結軸134と下部支持軸132を挟んで反対側に設けた下部補助軸136を、下部リンク170を介して連結しているので、合計3ヶ所でまた左右にバランスよく支持されている。従って、LED146aによる発光演出が可能な大型の第2下部可動体130を採用することができ、第2下部可動体130の動作による演出効果をより向上し得る。更に、第2下部可動体130は、透明板22の後側に配置されているので、遊技領域20aを流下するパチンコ球に第2下部可動体130が干渉することはなく、遊技者が注視する始動入賞口25aの近くに第2下部可動体130を配置することができ、演出効果をより向上し得る。
前記第2下部可動体130は、ロゴLED基板146に設けたLED146aの前側に設けられる光拡散部142,144がLED146aと間隔をあけて位置決めされると共に、前光拡散部142が枠部140における前壁140aの前壁開口部140cから突出する突出部142aを有する立体的な形状であるので、LED146aから照射された光が適切に拡散されて、第2下部可動体130の前側に臨む突出部142a全体が発光しているように視認される。しかも、光拡散部が光拡散シートを含めて前後に重なる複数の部材で構成されているので、各光拡散部の光拡散処理の組み合わせによってLED146aから照射される光を適切に拡散することができ、第2下部可動体130における光の演出効果を向上できる。また第2下部可動体130を構成する部材142,144,146,148が、枠部140の収容空間において周壁140bおよび突片140dで位置決めされた状態で配設されているので、第2下部可動体130を揺動しても第2下部可動体の構成部材142,144,146,148のがたつきを防止することができる。更に、第2下部可動体130の側面および後面が不透明な枠部140の周壁140bおよび後壁部148で構成されているので、前面以外の部分からLED146aの光が漏れることはない。
なお、下部演出装置は、下部ベース部材102に下部駆動機構、第1下部可動体110および下部内周装飾部40が取り付けられる構成であるので、下部ベース部材102を基準としてユニットとして取り扱い可能である。
(上部演出装置)
前記上部演出装置200は、図3に示すように、裏ユニット30における裏ユニット開口部30a上側を画成する辺部に設置され、装着口に臨んで透明板22の後側に配置されている。また上部演出装置200は、図2に示すように、表示部20bの上側に位置して、枠状装飾体70に装着口に延出するように設けられた前部演出装置300の後側に設置されている。
図34〜図47に示すように、前記上部演出装置200は、上部ベース部材(取付部材)202と、この上部ベース部材202の後側に設けられた上部可動体220と、上部ベース部材202に設けられ、上部可動体220を動作させる上部駆動機構とから基本的に構成される。なお、上部演出装置200は、表示部20bの上側の縁辺を構成する上部内周装飾部50が上部ベース部材202の前側を覆って該上部ベース部材202に取り付けられ、この上部内周装飾部50が上部演出装置200の前面を構成するカバーとして機能している(図35または図37参照)。上部演出装置200は、後述する前部演出装置300と前後の関係で重なるように配置され、前部演出装置300の後側から上部可動体220が表示部20bに対して出没するようになっている(例えば図34参照)。
前記上部ベース部材202の前側を覆うカバーとしての上部内周装飾部50は、半透明の樹脂を基本とした部材であって、上部ベース部材202の中央部の前側を覆って該上部ベース部材202に取り付けられている(図35または図37参照)。すなわち、上部内周装飾部50は、裏ユニット30の下辺に亘って左右に長手を延在させて上部ベース部材202を介して裏ユニット30に取り付けられ、遊技盤20において透明板22を介して前面から視認可能で、また表示部20bの上辺を構成している(図4参照)。
(上部ベース部材)
前記上部ベース部材202は、上部可動体220および上部駆動機構の設置基盤となる透明で細長い板状部材であって(図45または図46参照)、透明板22の後側に位置して裏ユニット30の前側に配置されている(図34参照)。また、上部ベース部材202は、長手辺を左右方向に延在させて板面を遊技盤面に平行に沿わせて該裏ユニット30に取り付けられる。上部ベース部材202は、左右方向の中央部分が後側に開口する箱形状の上部内周装飾部50の内側に整合する外形形状に形成されると共に、上部内周装飾部50の後面に突出形成された上部取付ボス(図示せず)に対応して、該上部取付ボスの後端に整合する凹溝を有する上部取付凹部204が設けられている(図40参照)。そして、上部ベース部材202は、中央部分を上部内周装飾部50の内側に嵌め合わせて上部取付凹部204に上部取付ボスを収容して位置決めして、上部ベース部材202の後側からネジ固定することで、該上部ベース部材202と上部内周装飾部50の後面との間に空間をあけた状態で取り付けられる(図34または図38参照)。ここで、上部ベース部材202の左右の側部は、上部内周装飾部50の側縁より突出しており、後述する側部内周装飾部60,60の上部で前側が覆われるようになっている(図4または図7参照)。
図45または図46に示すように、前記上部ベース部材202は、後面部202aおよびこの後面部202aの前側に段差をつけて延在する前面部202bを有しており、部材の設置部分となる板面(後面部202aと前面部202b)が前後にずらしてある。上部ベース部材202は、左右側部および上縁部を除く中央部分が前側に向けて突出するよう凹んだ段差形状に形成され、該上部ベース部材202の左右側部および上縁部が後面部202aとなり、左右側部および上縁部を除く中央部分が後面部より前側に板面が延在する前面部202bとなっている。すなわち、上部ベース部材202は、後面部202aを裏ユニット30に突き合わせて取り付けた際に、前面部202bと裏ユニット30との間に可動体収容空間を画成するよう構成される。
前記上部ベース部材202の前面部202bには、左右方向に離間して上下方向に長手が延在する長孔形状に形成された上部取付孔部206が複数開設されている(図36、図45または図46参照)。ここで、実施例の上部ベース部材202は、互いに平行な関係で延在する3つの上部取付孔部206を有しており、前面部202bの中央に位置する上部取付孔部206を挟んで対称な位置関係で前面部202bの側部に位置する上部取付孔部206,206が配置されている。各上部取付孔部206は、上部ベース部材202を前後に貫通するよう形成されている。上部ベース部材202には、前面部202bの後面に左右側部の上部取付孔部206の外側に上下に延在して突出形成された上部当接リブ205が夫々設けられている(図46参照)。上部ベース部材202において左右に離間配置された上部当接リブ205,205は、上部取付孔部206,206で後述する上部取付軸がスライド可能に保持されて前面部202bの後面に沿って上下に往復動する上部可動体220が前側へ移動するのを規制すると共に、上部ベース部材202と上部可動体220とが面接触するのを防止している(図44参照)。
図36または図46に示すように、前記上部ベース部材202の前面部202bは、左右の側部に位置する上部取付孔部206,206の間に、前後に貫通形成された歯車開口207を有している。歯車開口207は、上部駆動機構の後述する上部従動歯車(従動歯車)に合わせて開設される。なお、中央の上部取付孔部206は、歯車開口207の下側に配置されている。また上部ベース部材202の前面部202bには、左側の上部取付孔部206と左側部の後面部202aとの間に、上下に長手が延在する長孔形状で上部検出片通孔(検出片通孔)208が前後に貫通形成されている。なお、上部検出片通孔208は、上部取付孔部206と平行に形成されると共に、上下寸法が上部取付孔部206の上下寸法と略同一に設定される。
(上部可動体)
前記上部可動体220は、透明な樹脂に光を反射する模様を施した板状部材であって(図47参照)、上部ベース部材202の後側に前面部202bと裏ユニット30との間に画成される空間に収容されるようになっている(図34または図44参照)。上部可動体220の前面には、該上部可動体220の長手に沿う方向に離間して凹状の上部取付軸受部222が複数設けられている。上部取付軸受部222は、上部ベース部材202の3ヶ所の上部取付孔部206に対応して3ヶ所に設けられると共に、これら上部取付軸受部222は、3ヶ所の上部取付孔部206に対応する位置関係で上部可動体220に配置されている。なお、3ヶ所の上部取付軸受部222は、上部可動体220の上縁部に形成されている。また、上部可動体220は、上部左縁の前面に前側に突出形成された上部検出片(検出片)224を備え(図42(b)、図44または図47参照)、上部可動体220を上部ベース部材202に取り付けた際に、上部検出片224が上部検出片通孔208に挿入されて、上部検出片224の前端部が前面部202bの前側に臨むようになっている。
前記上部可動体220は、上部ベース部202の後側に大部分が重なって上部ベース部材202の後側に隠れる位置(以下、上位置という。)と(図39(a)、図40(a)、図41(a)、図42(a)参照)、この上位置から下方に変位して上部ベース部材202(上部内周装飾部50)の下縁から表示部20bに大部分が突出した位置(以下、下突出位置という。)との間で(図39(b)、図40(b)、図41(b)、図42(b)参照)、上部駆動機構により往復動される。なお、上部可動体220の上位置が、該上部可動体220の待機位置となる。また、上部可動体220は、前面部202bと裏ユニット30との間に画成される可動体収容空間に収容される(図34または図44参照)。
(上部駆動機構)
前記上部駆動機構は、駆動手段としての上部モータ(モータ)230と、この上部モータ230の出力軸に固定された上部駆動歯車(駆動歯車)232と、この上部駆動歯車232の回転につれて回転する複数の上部従動歯車(従動歯車)234と、この上部従動歯車234に設けられた上部連繋軸236と、上部可動体220に連結されると共に上部連繋軸236の回転変位につれて往復動するスライドベース238とから構成される(図39〜図46参照)。図42に示すように、上部モータ230は、上部ベース部材202における後面部202aの後面に出力軸を前側に向けて取り付けられ、上部ベース部材202の上縁部に延在する後面部202の左右方向中央部に配置されている。上部駆動歯車232は、板状の平歯車であって、後面部202aの前側に突出する出力軸に固定されて、上部ベース部材202の前側において後面部202aと前面部202bとの段差により画成される上部機構収容空間に配置される(図45参照)。
前記上部従動歯車234は、板状の平歯車であって、前後方向に回転軸を延在させて上部ベース部材202の後面部202aの前面に対して回転自在に軸支されている(図46参照)。なお、上部従動歯車234の回転軸は、上部ベース部材202に圧入して取り付けられている。ここで、上部従動歯車234は、前面部202bに開設された歯車開口207の後側に重なるように、上部ベース部材202の上縁部をなす後面部202aから下方に延出した部位に支持され、歯車開口207に整合して前記上部機構収容空間に収容されるようになっている(図45および図46参照)。すなわち、上部従動歯車234を歯車開口207に収容して、上部ベース部材202の板厚分のスペースを有効利用することで、前後方向にコンパクトになっている。また、複数(実施例では2つ)の上部従動歯車234は、外径が同一であって、上部駆動歯車232の外径より大きいもの(実施例)または同一径のものが採用される。2つの上部従動歯車234は、上部駆動歯車232を挟んで左右対称な関係で配置されており、板面を遊技盤面に沿わせて左右に並設して2つの上部従動歯車234の回転軸が左右方向に一直線上に並ぶようになっている(図41参照)。そして、2つの上部従動歯車234は、上部駆動歯車234にかみ合って、上部駆動歯車232により回転されるよう構成される(図45参照)。なお、2つの上部従動歯車234の回転方向は同一になっている。実施例では、左右外側の上部取付孔部206,206の間に2つの上部従動歯車234,234が配置されると共に、2つの上部従動歯車234,234の間であって上部駆動歯車232の下側に中央の上部取付孔部206が配置されている。
前記2つの上部従動歯車234には、スライドベース238の後述する上部連繋孔部240に挿入される上部連繋軸(連繋軸)236が夫々設けられている。各上部連繋軸236は、上部従動歯車234の回転中心から半径方向外側に偏倚した位置に配置されて、該上部従動歯車234の前面から前側に突出するよう形成される。上部駆動機構では、対をなす上部連繋軸236,236の位相が同じになるよう設定されており、対をなす上部連繋軸236,236が、上部駆動歯車232の回転につれて対応の上部従動歯車234の回転中心に対して互いに同じ位置を同期して変位するよう構成される。
前記上部ベース部材202において、上部モータ230の出力軸と上部従動歯車234とは、出力軸が上部駆動歯車232にかみ合う上部従動歯車234の上下幅の範囲に対応する部位に少なくとも位置するよう配置される(図39(b)参照)。実施例では、上部従動歯車234の回転中心から上側(上部可動体220の上位置から下突出位置に向かう方向の反対側)において、上部駆動歯車232にかみ合う上部従動歯車234における上下の半径範囲に対応して、上部モータ230の出力軸を位置させて、この出力軸に固定される上部駆動歯車232を上部従動歯車234より小径に設定している。これにより、上部駆動機構では、上部駆動歯車232を挟んで左右に並ぶ2つの上部従動歯車234,234において隣り合う四半円のなす隙間に上部駆動歯車232の一部が収まって、上部ベース部材202において上部駆動歯車232および上部従動歯車234の設置に要する上下スペースを少なくでき、上部駆動機構の上下寸法をコンパクトにできる。
図39または図40に示すように、前記スライドベース238は、上部ベース部材202の前側にスライド可能に設けられる細長い板状部材であって、長手に沿う方向に離間して3ヶ所の上部取付孔部206に対応する上部取付軸(取付軸)242が3つ設けられている。各上部取付軸242は、スライドベース238の後面に後側に向けて突出形成され、上部取付軸242は、スライドベース238の左右の側部に夫々配置されると共に、中央部下部に配置されている。なお、各上部取付軸242の外径は、上部取付孔部206の短手寸法と略同一寸法に設定される。また上部可動体220には、左右側部に離間配置した上部取付軸242,242の間に位置して該取付軸242,242の離間方向である左右に離間して、一対の上部連繋孔部240,240が開設されている。各上部連繋孔部240は、左右方向に長手が延在する長孔形状に形成されいる。スライドベース238は、上部取付軸242を上部ベース部材202の前側から対応する上部取付孔部206に挿入し、後端を上部可動体220の上部取付軸受部222に収容して位置決めして、上部取付軸242を介して上部可動体220に連結される。
スライドベース238は、各上部取付軸242が対応の上部取付孔部206に保持されて、上部ベース部材202の長手辺に合わせて長手辺を左右方向に延在して、上部ベース部材202の前側に上部取付孔部206の長手に沿う方向である上下にスライド可能に取り付けられる。また、スライドベース238は、左右の上部連繋孔部240,240に上部連繋軸236を夫々挿入した状態で取り付けられ、対をなす上部連繋軸236,236が対応の上部連繋孔部240,240の長手辺に当接しつつ同期して回転変位することで、水平状態が維持されたまま上下方向に直線的に往復動するようになっている(図39または図40参照)。そして、上部可動体220は、スライドベース238によって上部ベース部材202の後側で保持されて、スライドベース238のスライド変位につれて上下に往復動するようになっている。なお、各上部連繋軸236の外径は、上部連繋孔部240の短手寸法とが略同一寸法に設定される。なお、実施例では、左右の上部連繋軸236,236の位相を合わせる構成であるが、左右の上部連繋軸236,236の位相をずらすように構成することで、上部可動体220を一方の側部と他方の側部とでずらして変位させることができ、上部可動体220の各側部が交互に上下するような動作態様とすることも可能である。
前記上部連繋孔部240は、短手寸法(短手に沿う方向の寸法)が上部連繋軸236の外径と一致すると共に、長手寸法(長手に沿う方向の寸法)が上部従動歯車234の回転に伴う上部連繋軸236の回転変位経路の直径以上に形成される(図39参照)。実施例では、上部連繋軸236の直径分以下の余裕寸法をとって上部連繋孔部240の長手寸法が設定されている。また、上部取付孔部206は、長手寸法が上部従動歯車234の回転に伴う上部連繋軸236の回転変位経路の直径以上に形成されている(図39(b)参照)。すなわち、上部取付孔部206の長手寸法により規定される上部可動体220(上部取付軸242)の変位許容範囲は、上部連繋軸236の回転変位経路の直径以上になるよう設定される。実施例では、上部可動体220の変位許容範囲を上部連繋軸236の回転変位経路の直径と同一に設定して、上部連繋軸236の最上点で上部取付軸242が上部取付孔部206の開口縁上縁に当接し(図39(a)参照)、上部連繋軸236の最下点で上部取付軸242が上部取付孔部206の開口縁下縁に当接するようになっている(図39(b)参照)。
なお実施例では、上部従動歯車234を2つ組み合わせる構成であるが、2つ以上であれば例えば3つ以上でもよい。また複数の上部従動歯車234を、上部駆動歯車232を挟んで対称な位置関係で配置するのが好ましいが、上部駆動歯車232を基準として何れかの側部のみに上部従動歯車234を配置しても、各側部の配置数を変えてもよい。この場合、上部連繋軸236は、左右方向に最も離間した外側に位置する上部従動歯車234,234に夫々設けるとよい。
前記上部駆動機構による上部可動体220の動作について説明する。上部可動体220が上位置で待機している場合に、左右の上部連繋軸236,236は、上部従動歯車234の最上点に位置すると共に、対応の上部連繋孔部240の中央部に位置している(図39(a)、図40(a)参照)。前記上部モータ230が駆動すると、上部駆動歯車232が回転し、これにつれて上部従動歯車234が回転し、左右の上部連繋軸236,236が、同じ方向に同期して回転変位する。この際、上部連繋軸236は、左右方向に延在する上部連繋孔部240の長手辺に沿って左右方向の変位が許容される一方、上部連繋孔部240の下側開口縁に係合することで、左右の上部連繋軸236,236の下方変位につれてスライドベース238を介して上部可動体220の左右方向の姿勢を維持したまま押し下げる。左右の上部連繋軸236,236が、上部従動歯車234において右端または左端にあって対応の上部連繋孔部240の何れか一方の側端部に位置した際に、上部可動体220が上位置と下突出位置との中間に位置している。
左右の上部連繋軸236,236が上部従動歯車234の最下点に位置すると、上部可動体220が上部ベース部材202の下縁から最も突出した下突出位置に至る(図39(b)、図40(b)、図41(b)、図42(b)参照)。なお、上部連繋軸236の最下点において、該上部連繋軸236が上部連繋孔部240の中央部に位置している。そして、上部連繋軸236が最下点から更に回転すると、上部連繋軸236が左右方向に延在する上部連繋孔部240の長手辺に沿って左右方向の変位が許容される一方、上部連繋孔部240の上側開口縁に係合することで、左右の上部連繋軸236,236の下方変位につれてスライドベース238を介して上部可動体220の左右方向の姿勢を維持したまま押し上げる。上部駆動機構は、上部可動体220を例えば所定回数だけ上下に往復動した後、上部検出手段(原位置検出手段)226による上部検出片(検出片)227の検出によって、上部可動体220を上位置で停止する(図39(a)、図40(a)、図41(a)、図42(a)参照)。
実施例では、上部モータ230を一方向に回転する構成であるが、該上部モータ230の制御負荷の増大を考慮しなければ、上部モータ230を正逆回転制御してもよい。
(発光手段)
前記上部演出装置200は、発光演出を行う上部LED基板(発光体基板)244,244を備えている。図35または図37に示すように、上部ベース部材202には、前面における左右の両側に上部LED基板が設けられている。各上部LED基板244は、前面部202bの前面から上部ベース部材202の側部に設けられた後面部202aの前側を覆うように延在させて該後面部202aから離間して取り付けられ、前面部202bより後側に延在する後面部202aと該上部LED基板244との間に隙間が画成されるようになっている。左右の上部LED基板244,244は、上部内周装飾部50で覆われる領域の外側に配置され(図35または図37参照)、上部内周装飾部50の前面より後側に延在するよう配置されている(図38参照)。左右の上部LED基板244,244の前側には、上部光拡散部材245が該上部LED基板から夫々離間して設置され、この上部光拡散部材245と上部内周装飾部50の前面とが略同一平面上に延在している。なお、上部LED基板244および上部光拡散部材245は、上部内周装飾部50の前面側縁に設けられる別の上部LED基板246と共に、配置側の側部内周装飾部60によって前側が覆われるようになっている。上部LED基板244の後面には、該基板に電力を供給するための配線が接続される上部ソケット(ソケット)244aが、後側に開口するよう設けられている。
図36に示すように、上部ベース部材202の両側部に形成された後面部202aは、前側に位置する上部LED基板244の上部ソケット244aに対応して、前後に貫通形成された上部ソケット開口(ソケット開口)210を備えている。上部演出装置200では、上部ソケット開口210を介して後側に臨む上部ソケット244aに配線が接続される。ここで、上部ソケット244aは、上部ソケット開口210に収容されて後面部202aの後面より突出しないようになっており、他の部材との干渉が回避される。これにより、上部演出装置200は、上部LED基板244の後側に放熱スペースを確保でき、上部ソケット開口210を介して上部ソケット244aに配線を容易に挿脱できる。また上部演出装置200は、後側に突出する上部モータ230および上部ソケット244aが、裏ユニット30における図柄表示装置17の設置領域から外れた位置に対応して位置するよう設けられている。
そして、裏ユニット30には、上部モータ230および上部ソケット244aの後側に対応して、上部モータ230が挿通可能な上部モータ開口(開口)33と、上部ソケット244aにアクセス可能な上部ソケット開口(開口)34とが設けられている(図5または図8参照)。裏ユニット30には、上部モータ開口33の後側を覆って箱状の上部カバー部材(後面カバー)35が設けられ、上部カバー部材は、配線を保持可能な上部配線保持具(配線保持具)35aを備えている。なお、上部モータ開口33および上部ソケット開口34は、裏ユニット30の上面に形成された上部切欠部(切欠部)36と共に上部モータ230やLEDから発する熱を逃がす通路としても機能する。上部演出装置200は、後側に突出する上部モータ230が図柄表示装置17に干渉せず、裏ユニット30に上部ソケット開口210にアクセスするために開設された上部ソケット開口34を介して、図柄表示装置17に邪魔されずに配線を挿脱することができる。裏ユニット30の後面には、図柄表示装置17の設置領域の上外側で、上部モータ開口33の側方(右側)に中継基板82が設置されている(図8参照)。上部モータ230および上部ソケット244aに接続した配線は、上部配線保持具35aで図柄表示装置17に干渉しないように保持されて、中継基板82に接続されるようになっている。
前記上部演出装置200では、上部可動体220の位置検出のために上部検出手段(原位置検出手段)226を備えており、上部検出手段226は、左側の上部LED基板244の後面に設置されている(図44参照)。上部検出手段226は、上部LED基板244と後面部202aとの間を利用して設置され、上部ベース部材202に設けられた上部検出片通孔208の上部に形成された拡張部位に後端が収容されるよう構成される(図41(b)参照)。上部検出片通孔208は、上部可動体220の往復動に伴う上部検出片224の移動経路に対応して開設され、この上部検出片通孔208を介して上部検出片224が上部ベース部材202の前側に臨むようになっている。そして、実施例では、上部可動体220の上位置で、上部検出手段226が上部検出片224を検出するようになっている。上部検出手段226は、上部LED基板244から後側に突出するものの、上部ベース部材202における上部検出片通孔208の拡張部位に収容される構成であるので、上部ベース部材202の板厚分のスペースを有効利用して、上部検出手段226を設置するために要する前後のスペースを短縮することができる。
前記上部演出装置200は、上部モータ230を一方向に回転することで、上部従動歯車234の上部連繋軸236の回転変位がスライドベース238を介して上部可動体220の往復動に変換されるので、上部可動体220を往復動させるために上部モータ230を正逆回転する必要がなく、上部モータ230への負荷および制御負荷を軽減することができる。また、上部可動体220は、左右に長手が延在しているが、左右に離間して設けられた対をなす上部連繋軸236,236でスライドベース238を支持すると共に、スライドベース238が3ヶ所の上部取付軸242で上部可動体220を支持する構成であるから、上部可動体220をバランスよく支持でき1上部可動体220を大型化したり、上部可動体220の動作頻度や動作速度を増しても、上部可動体220をがたつきなく安定して動作することができる。また上部演出装置200は、上部LED基板244,246を備えているので、上部可動体220の動作演出と併せて、光による発光演出も行うことができる。そして上部演出装置200は、上部可動体220およびこれを動作させる機構が前後方向にコンパクトで、しかも上部可動体220および上部可動体220に上部モータ230から動力を伝達する伝達手段を上部ベース部材202に設けた空間に収容しているので、全体として前後方向に非常にコンパクトにできる。すなわち、上部演出装置200は、全体として前後方向にコンパクトであって、裏ユニット30の前側の狭いスペースに設置可能であり、上部可動体220を図柄表示装置17の表示面直前で動作することができるので、上部可動体220の動作演出と図柄表示装置17の表示演出との一体感を向上することができる。
前記上部演出装置200は、上部駆動歯車232および上部従動歯車234を上部ベース部材202の上部機構収容空間に配置すると共に、前後方向に重ねて配置せずに遊技盤面に沿って並べているので、上部可動体220に上部モータ230から動力を伝達する伝達手段が前後方向に大型化しない。また、上部LED基板244と上部ベース部材202における後面部202aとの間の隙間を利用して上部検出手段226を設けてあるので、上部検出手段226が前または後に突出することを回避できる。
なお、上部演出装置200は、上部ベース部材202に上部駆動機構、上部可動体220および上部内周装飾部50が取り付けられる構成であるので、上部ベース部材202を基準としてユニットとして取り扱い可能である。
(前部演出装置)
図9,図10,図34,図48〜図55に示すように、前記前部演出装置300は、枠状装飾体70に取り付けられる前部ベース部材(ベース部材)302と、この前部ベース部材302の前側に設けられ、複数の可動部340,342を有する前部可動体(可動体,第2の上部可動体)330と、前部ベース部材302の後側に設けられ、複数の可動部340,342を動作させる前部駆動機構(駆動機構)とから構成される。前部演出装置300は、上部演出装置200の前側に重ね合わせて設けられ、前部可動装置300の下縁後側から上部可動体220が表示部20bに対して出没するようになっている。
図9に示すように、前記前部ベース部材302は、透明板22の装着口に合わせて枠状に形成された枠状装飾体70の内周上部から装着口に向けた下方に突出形成された設置部75に取り付けられている。前部ベース部材302の設置部位となる設置部75について簡単に説明すると、設置部75は、装着口に重なると共に上部演出装置200の前側に設けられており、表示部20bの上縁を画成する上辺前側に配置されている。また設置部75は、上側から下側に向かうにつれて後側に変位するよう形成され、該設置部75に設けられる前部演出装置300の前面が斜め下方に指向するようになっている(図34または図50参照)。設置部75は、枠状装飾体70の内周上部から下に向かうにつれて先細りになる略三角形状に形成され、前後に貫通する設置開口75aを備えている。なお、設置開口75aは、両側部を除いて設置部75の外形におおよそ合わせて開口するよう形成されている。
(前部ベース部材)
図53または図54に示すように、前部べース部材302は、前部可動体330の後述する前部装飾不動部(装飾部)332が設置される板状部304と、この板状部304の後側に設けられ、前部駆動機構を収容する透明なケース体310とを備えている。板状部304は、設置部75の設置開口75aに整合するよう外形が形成された透明な部材であって、上部中央に前後に貫通形成されたレンズ開口305と、このレンズ開口305の下方における下部中央に位置して、前後に貫通形成された板状体軸開口306とを備えている(図53参照)。また板状部304の後面には、門形(下向きコ字状)の前部LED基板(発光体基板)308が、レンズ開口305の左右側部および上部に延在するよう取り付けられている。なお、板状体軸開口306は、上下に長手が延在する長孔形状である。
前記ケース体310は、後側に開口する箱状の前板部312と、この前板部312の周壁(壁)313に合わせて外形が形成され、前板部312の後側を塞ぐように該前板部312に取り付けられる後板部320とから構成される(図53または図54参照)。ケース体310は、板状部304の後面に取り付けられた前部LED基板308を挟んで板状体304の後面に前板部312を取り付けることで、全体として板状部304における左右方向の中央部分に固定される。
図49、図53または図54に示すように、前記前板部312は、前部駆動機構を構成する部材が設置される本体部分の後面外周縁に後側に延出するよう形成された周壁313と、本体部分の前面における上縁および左右側縁上部に前側に延出するよう形成された前出片314とを備えている。また前板部312の中央部には、長手が上下に延在する長孔形状の連結開口315が、上下に離間して2ヶ所に貫通形成されている。更に、前板部312の後面には、連結開口315を挟んで左右両側に前部保持片(保持片)316,316が後側に突出するよう形成されており、この左右平行に並設された2つの前部保持片316,316は、周壁313よりも延出寸法が小さく設定されている。
前板部312は、前出片314で本体部分と板状部304との間に画成される隙間に、前出片314の内側に上縁および左右側縁を沿わせて前部LED基板308を収容し、この際、前部LED基板308の上部が前板部312の上部に位置し、前部LED基板308の左右の側部が左右に対向する前部保持片316の外側領域の前側に位置するようになっている。前板部312の右上部には、前部LED基板308の後面に開口を後側に向けて設置された複数の前部ソケット(ソケット)309が挿通される前部ソケット開口(ソケット開口)317が開設されている。実施例では、複数の前部ソケット309が前部LED基板308の後面右上部にまとめて設けられ、前部駆動機構の後述する前部ソレノイド346に接続される配線を接続する第1の前部ソケット309が、長手を上下に沿わせて最上部に配置され、前部LED基板308と外部とを接続する配線を接続する2つの第2の前部ソケット309,309が、長手を左右に延在させて第1の前部ソケット309の下側に上下に並べて配置されている(図49参照)。
図49に示すように、前記前板部312は、前部ソケット開口317を囲うように該前板部312の後面に設けられた前区画壁(区画壁)318を備えている。前区画壁318は、前部ソケット開口317を介して複数の前部ソケット309が前板部312の後側に臨む領域と、前板部312の後側において前部駆動機構を構成する部材が設置される領域とを区分している。前区画壁318は、本体部分からの延出寸法が周壁313と同じに設定される。実施例の前区画壁318は、上側の周壁313から第1の前部ソケット309に沿って上下に延在した後、右側の前部保持片316に向けて左右方向に延在し、右側の前部保持片316上部から中間部に亘って本体部分からの延出寸法を周壁313と同一とすることで、右側の前部保持片316の一部を前区画壁318の一部として共用している。また、前区画壁318は、右側の周壁313の中間部から右側の前部保持片316の中間部に亘って左右方向に延在するよう設けられている。
図53に示すように、前記後板部320は、本体部分の外周縁から前側に延出する後周壁(壁)321と、前板部の前区画壁318に合わせて設けられた後区画壁(区画壁)322とを備えている。後板部320は、前板部312の周壁313後端に後周壁321の前端を突き合わせると共に、前区画壁318の後端に後区画壁322の前端を突き合わせて前板部312に取り付けられ、前板部312と後板部320との間の空間が前後の区画壁318,322によって前部駆動機構の構成部材が配置される前部機構収容空間(機構収容空間)310aと前部ソケット309が臨むソケット空間310bとに画成される(図49参照)。すなわち、ケース体310では、右上部の領域がソケット空間310bとなる。また後板部320は、前部機構収容空間310aの上部が他の部位と比べて後側に突出するよう形成されて、当該突出部位の上面および下面に前部機構収容空間310aに連通する放熱孔323が左右に離間して複数設けられる(図53および図54参照)。更に、後板部320は、ソケット空間310bに対応する部位に該ソケット空間310bに連通するよう開設された前部配線開口(配線開口)324を有し(図53および図54参照)、この前部配線開口(324)を介して第2の前部ソケット309に接続する配線が外部から挿通される。後板部320は、前板部312の内側に周壁313より延出寸法が大きく設定された前板ボス319に対して、後板部320に凹設された後板受部325を整合して突き合わせて位置決めし、該後板部320の後側からネジ止めすることで互いに固定される。
(前部可動体)
図48,図50,図51および図52に示すように、前部可動体330は、板状部304の前面に設けられた固定部分である装飾不動部(装飾部)332と、この装飾不動部332の前側を往復動する第1可動部340と、装飾不動部332から一部が突出するよう設けられて揺動する第2可動部342とから構成され、実施例では全体として仮面の如き意匠形状となっている。実施例の前部可動体330は、1基の第1可動部340と2基の第2可動部342,342とを備えている。
装飾不動部332は、板状部304の前側に該板状部304から間隔をあけて設けられ、前側に延在する前延部334と、この前延部334より後側に延在する後延部336とを備えており、装飾不動部332は前後に段形状になっている(図50参照)。前延部334は、板状部304の下部中央に設置され、板状部304の板状部軸開口306に整合する前延部軸開口335を中央部に備えている。また前延部334の両側部には、板状部304との間に左右方向に開口する間隙が画成され(図51参照)、前延部334の上部には、該前延部334の上側に位置する後延部336との間に上方に開口する間隙が画成されている(図50参照)。なお、実施例の前延部334は、下側が板状部304の前面に一体的に突出形成されて光拡散処理をした半透明な部分で構成されると共に、上側が半透明の有色部材で構成される。また前延部334の上下の中間部分は、所定部分が光拡散処理を施した光透過性の有色部材(特に区別する場合は前延部光透過片334aと云い、前部可動体のなすの仮面において目の部分に該当する。)で構成されるものの、大部分が光を透過しない有色部材で構成される(図48参照)。
図48に示すように、前記後延部336は、前板部312の上側に位置して板状部304のレンズ開口305を覆うよう板状部304に取り付けられたレンズ部分337と、前板部312の上部側縁から左右方向に延在するよう板状部304の前面に取り付けられた羽根状部分338とを有している。レンズ部分337は、複数の光拡散処理が施された半透明の有色部材を前後に重ね合せて構成され、レンズ部分337の上部および左右側部の後側に位置する前部LED基板308から照射された光を拡散するようになっている。また羽根状部分338は、有色不透明な部材と有色半透明な部材を組み合わせて構成される。このように、前部演出装置300では、透明な板状部304の後側に前部LED基板308が設けられ、またケース体310における透明な前板部312の後側に前部駆動機構が設けられるが、半透明または不透明な部材からなる装飾不動部332で前部LED基板308および前部駆動機構の前側が覆われているので、遊技者から前部LED基板308および前部駆動機構が見えてしまう不都合はない。
前記第1可動部340は、不透明な有色部材で形成された左右方向に長手が延在する部材であって、後面中央部に連結棒341が突出形成されている(図54参照)。第1可動部340は、板状部軸開口306および前延部軸開口335に挿通した連結棒341の後端が前部駆動機構に保持されて装飾不動部332における前延部334の前側に配置され、前部駆動機構によって板状部軸開口306および前延部軸開口335の長手辺に沿って下方位置と上方位置との間で上下に往復動するようになっている(図52参照)。ここで、第1可動部340は、待機位置となる下方位置において前延部334の中間部分を覆って前記前延部光透過片334aを隠し、上方位置において前延部334の上側にずれて前延部光透過片334aを露出させる(図48参照)。
前記2基の第2可動部342,342は、互いに左右対称な構成の部材であって、前延部軸開口335を挟んで左右対称に配置されている。各第2可動部342は、有色半透明の略L字状の部材であって、屈曲部分が前延部334の後側に配置されて、この屈曲部分から分岐して遊技盤面に沿って互いに異なる2方向に延出する延出片343が前延部334の上部および配置側の側部から延出するよう構成される(図52参照)。実施例では、右側の第2可動部342であれば、2本の延出片343,343が上方と右側方とに延在するよう配置され、左側の第2可動部342であれば、2本の延出片343,343が上方と左側方に延在するよう配置される。すなわち、右側の第2可動部342であれば、前延部334の上縁と後延部336との間の間隙から上延出片343がレンズ部分337の前側に突出し、前延部334の右縁と板状部304との間の間隙から横延出片343が右側の羽根状部分338の下側に位置して板状部304の前側に突出するようになっている。また左側の第2可動部342であれば、前延部334の上縁と後延部336との間の間隙から上延出片343がレンズ部分337の前側に突出し、前延部334の左縁と板状部304との間の間隙から横延出片343が左側の羽根状部分338の下側に位置して板状部304の前側に突出するようになっている。
各第2可動部342は、屈曲部分が前部駆動機構に接続されて、この屈曲部分を中心として正逆回転することで、2本の延出片343,343が同期して揺動するよう構成される。2基の第2可動部342,342は、第1可動部340が下方位置にあるときに、左右に隣り合う上延出片343,343が互いに近接して略平行な関係で延在すると共に、各横延出片343,343が前延部334の対応する側部に沿って延在している。また2基の第2可動部342,342は、第1可動部340が上方位置にあるときに、左右に隣り合う上延出片343,343が互いに離間して略V字となる関係で延在すると共に、各横延出片343が前延部334の対応する側部から離間して左右方向に延在するようになっている。なお、実施例では、第2可動部342の延出片343を2本とする場合であるが、1本または3本以上であってもよい。
(前部駆動機構)
図55に示すように、前記前部駆動機構は、駆動手段としての前部ソレノイド(ソレノイド)346と、この前部ソレノイド346の駆動を第1可動部340および第2可動部342に伝達する複数の連繋部からなる伝達手段とから構成される。伝達手段は、前部ソレノイド346の出力軸346aに前部連結片(連結片)348を介して連結した第1連繋部350と、この第1連繋部350に連繋すると共に第1可動部340に連結する第2連繋部352と、この第2連繋部352に連繋すると共に第2可動部342に連結された前部回転軸(回転軸)355に連繋する第3連繋部356とを備えている(図49参照)。また、伝達手段としては、第2連繋部352と第3連繋部356とを直接連結することも可能であるが、第2連繋部352と第3連繋部356との間に、別の連繋部として第4連繋部358および第5連繋部360を設けて、第2連繋部352に対して第4連繋部358および第5連繋部360を介して第3連繋部356が連動するよう構成される。なお、前部ソレノイド346および伝達手段は、ケース体310における前部機構収容空間310aに設置される。ここで、前部駆動機構では、左右対称な位置関係で配置される2つの第2可動部342,342の夫々に対応して、前部回転軸355、第3連繋部356、この第3連繋部356を第2連繋部352に連繋する第4および第5連繋部358,360の伝達組を2系統備えている。そして、前記伝達組を構成する部材は、前板部312の後面において左右対称な位置関係で配置される(図49参照)。
前記前部ソレノイド346は、直方体形状の自己保持型のものが採用され、出力軸346aを左右方向に延在させると共に長手辺を左右方向に延在させて、前板部312の後面上部に取り付けられる。前部ソレノイドは346、前板部312の周壁313より後側に突出する後部が、後板部320上部の突出部分に収容されて、ケース体310における前部機構収容空間310aの上部に配置されている。また前部ソレノイド346は、出力軸346aが本体部分の左右の側面から夫々突出しており、出力軸346aの右側に突出する部分と本体部分の右側面との間にばね(図示せず)が介挿されて、このばねによって出力軸346aが右方向へ向けて付勢されている。前部ソレノイド346は、出力軸346aの右側部分が本体部分から突出して左側部分が本体部分に引き込まれた状態が待機位置であり、該前部ソレノイド346の駆動により直線往復動を行う出力軸346aの左側部分が本体部分から接離することで、当該左側部分に前部連結片348を介して連結された伝達手段によって第1可動部340および第2可動部342が動作される。前部連結片348は、一端部に出力軸346aの左側部分先端に設けた円形板部に嵌合する凹部を有し、他端部に第1連繋部350の後述する第1上連結突起350aに嵌合する凹部を有しており、出力軸346aの左右方向の変位につれて左右方向に変位するようになっている。
図49に示すように、前記第1連繋部350は、前板部312において左側の周壁313と左側の前部保持片316との間における上部に位置して、出力軸346aの左側部分の下側に前板部312に立設された支軸351に回転自在に保持されている。第1連繋部350は、略L字状に形成された部材であって、屈曲部分が支軸351に回転自在に保持されている。また第1連繋部350は、上方に延在する一方の腕部分先端に後側に突出する第1上連結突起350aが設けられ、ケース体310の中央部に向けて左側の前部保持片316の後側を通って右方向に延在する他方の腕部分先端に、前側に突出する第1下連結突起350bが設けられている。そして、第1連繋部350は、一方の腕部分の第1上連結突起350aが前部連結片348の凹部に左右方向に位置規制された状態で収容されて、前部連結片348の左右方向の移動に伴って凹部と第1上連結突起350aの左右方向の係合下に一方の腕部分が支軸351を中心として左右に揺動されることで、他方の腕部分が支軸351を中心として上下に揺動するようになっている。なお、第1連繋部350は、出力軸346aの左側部分が本体部分側に引き込まれた前部ソレノイド346の待機状態において、一方の腕部分が右側に位置して、他方の腕部分が下側に位置している(図49(a)参照)。
図49に示すように、前記第2連繋部352は、前板部312にスライド可能に設けられ、第1連繋部350の揺動に伴って前板部312に沿って上下に往復動するよう構成されている。第2連繋部352は、前板部312の後側に配置された後半体353と、前板部312の前側に配置された前半体354と、前板部312に該第2連繋部352の往復動方向である上下方向に長手が延在する長孔状に開設された連結開口315を介して後半体353および前半体354を連結する複数(実施例では2つ)の連結部354aとを有している。後半体353は、平板状の部材であって、上部に前後に貫通形成された連結突起開口353aが設けられると共に、上下方向の中間部分の両側縁に左右対称な関係で切欠形成された2つの連結突起切欠353bが設けられている。連結突起開口353aは、左右方向に長手が延在する長孔形状に形成され、短手寸法が第1連繋部350の第1下連結突起350bの直径と略同一に設定されて、第1下連結突起350bの上下方向に変位に係合する一方、左右方向の変位を許容するようになっている。
前半体354は、後半体353と略同一外形の平板状部材であって、該前半体354の後面に上下に離間して2つの連結部354a,354aが設けられ、各連結部354aの外径は、連結開口315の短手寸法と略同一に設定されている。第2連繋部352は、左右の前部保持片316,316の間に配置した後半体353と、上下の連結部354a,354aを対応する連結開口315に挿通した前半体354とで前板部312を挟持して、連結部354aと後半体353とがネジ固定される。第2連繋部352は、上下の連結部354a,354aが連結開口315の長手辺両側に摺接することで左右方向の移動が規制される一方、上下の連結部354a,354aが連結開口315の長手辺に沿って移動が許容されるようになっている。そして、第2連繋部352は、連結突起開口353aに挿入された第1連繋部350の第1下連結突起350bの上下変位につれて上下方向(上側に位置する前部ソレノイド346に対する進退方向)に往復動される。なお、第2連繋部352は、前部ソレノイド346の待機状態において、下側に位置する第1下連結突起350bに連動して、連結部354aが連結開口315の下部に位置する下側に位置している(図49(a)参照)。
前記第2連繋部352には、前延部軸開口335および板状部軸開口306を介して板状部304の後側に臨む第1可動部340の連結棒341の後端が、前半体354の下部中央に連結される。前半体354の下部中央には、連結棒の外形形状に合わせて環状に延在させて突出形成した位置決め片354bが設けられ、この位置決め片354bの内側に連結棒341の後端を嵌め合わせて位置決めするようになっている(図54参照)。これにより、第1可動部340は、第2連繋部352の上下への往復動と共に上下に往復動し、前部ソレノイド346の待機状態において、下側に位置する第2連繋部352に伴って下方位置で待機する。
実施例では、上下の連結開口315,315のうち下側の連結開口315が、連結部354aの上下変位範囲の下限より下側に長く延在させて前板部312に開設されて、余剰部分を備えており、この余剰部分の前側に整合する位置で前半体354に連結棒341がネジ固定されている。そして、後半体353の下部中央における余剰部分に整合する位置にネジ開口353cが設けられ、後半体353の後側からネジ開口353cおよび下側の連結開口315の余剰部分を介して連結棒341を前半体354に固定するネジを挿脱することが可能になっている。
前記前板部312には、左右の前部保持片316,316を挟んで左右に離間して軸保持部312aが2ヶ所設けられ、各軸保持部312aに回転可能に保持された前部回転軸355の前板部312の後側に臨む後端に、第3連繋部356が固定される(図55参照)。すなわち、前板部312の後側には、第2連繋部352を該第2連繋部352の往復動方向と交差する左右方向に挟んで両側に、第3連繋部356が夫々設けられる。なお、軸保持部312aに保持された前部回転軸355は、前端が装飾不動部332の前延部334と板状部304との間に画成される空間に臨んで、当該空間において第2可動部342の屈曲部分に固定される。そして、第3連繋部356は、第2連繋部352の往復動に伴って回転することで前部回転軸355を回転するよう構成される。なお、2つの第3連繋部356,356は、左右対称な形状である。各第3連繋部356は、前部回転軸355の後端に固定される支持部位から半径方向外側に延出する延出部356aを備えたレバー状の部材であって、支持部位における延出部356aの延出側と反対側の周面に複数の第3回転歯(歯)356bが設けられると共に、延出部の延出端の周面に複数の連繋歯(歯)356cが設けられている。2つの第3連繋部356,356は、第3回転歯356bを外側に向けると共に延出部356aを前部保持片316の後側を通して左右方向に延在させて、第2連繋部352の後側において互いの連繋歯356c,356cをかみ合わせてある。すなわち、2つの第3連繋部356,356は、互いの連繋歯356c,356cの噛合下に連動して回転するよう構成され、これにより左右の第2可動部342,342が同期して揺動するようになっている。
図49に示すように、前記各第4連繋部358は、前板部312における前部保持片316外側の各側部において第3連繋部356を固定する前部回転軸355の上側に立設された支軸351に回転可能に保持され、2つの第4連繋部358,358が、前板部312の後側の上下方向中間部に第2連繋部352を挟んで左右に離間配置されている。各第4連繋部358は、支軸351に回転可能に保持された支持部位(一端部)から半径方向外側に延出するアーム部を有するレバー状の部材であって、アーム部の延出端前面に第4連結突起(連結突起)358aが設けられている。第4連結突起358aは、第2連繋部352の連結突起切欠353bの上下寸法と略同一寸法で形成され、第4連結突起358aを対応する側縁部の連結突起切欠353bに収容することで、第4連繋部358が第2連繋部352に連結される。また各第4連繋部358には、支持部位の周面(実施例では、主に周面における下側部分)に複数の第4回転歯(歯)358bが設けられている。そして、第4連繋部358は、第2連繋部352の上下への往復動につれて、第4連結突起358aと連結突起切欠353bとの上下方向の係合下にアーム部が支軸351を中心として上下方向に揺動し、これに伴って支持部位が回転するようになっている。前部駆動機構では、第2連繋部352の左右両側に設置された2つの第4連繋部358,358の第4連結突起358a,358aが対応の連結突起切欠353bに収容されて、左右の連結突起358a,358aが対応の連結突起切欠353bの側縁に係合するので、第2連繋部352の左右方向の移動が規制される。すなわち、第2連繋部352は、連結部354aと連結開口315との摺接関係だけでなく、左右の第4連繋部358,358によっても上下の往復動方向と交差する左右方向にぶれたりすることを抑制でき、第2連繋部352に連結された第1可動部340を安定して往復動させることができる。
図49に示すように、前記各第5連繋部360は、前板部312における前部保持片316外側の各側部において第3連繋軸356を固定する前部回転軸355と第4連繋部358の支軸351との間に立設された支軸351に回転可能に保持されている。すなわち、2つの第5連繋部360,360が、前板部312の後側の上下方向中間部であって第3連繋部356と第4連繋部358との間に位置して、第2連繋部352を挟んで左右に離間配置されている。なお、第5連繋部360の支軸351は、前部回転軸355と第4連繋部358の支軸351とを結んだラインより外側に配置されている。各第5連繋部360は、支軸351に回転可能に保持された歯車状の部材であって、第3連繋部356の第3回転歯356bに対応して周面側部に複数設けられた第5横回転歯(歯)と、第4連繋部358の第4回転歯358bに対応して周面上部に複数設けられた第5上回転歯(歯)360bとを備えている。
各第5連繋部360は、第3連繋部356の第3回転歯356bに第5横回転歯360aをかみ合わせると共に、第4連繋部358の第4回転歯358bに第5上回転歯360bをかみ合わせて設置され、第4連繋部358の支持部位の回転につれて回転して、第3連繋部356を回転するよう構成される。すなわち、前部駆動機構では、第2連繋部352の上下変位量が第4連繋部358および第5連繋部360を介して第3連繋部356に対して調節して伝達されるようになっている。これにより、前部駆動機構は、第2連繋部352と共に往復動する第1可動部340と、第3連繋部356と共に揺動する第2可動部342との間で変位態様をより変化を付けることができる。なお、第3連繋部356、第4連繋部358および第5連繋部360の歯には、対応する歯同士のかみ合わせに際して、互いのかみ合わせ位置が判る目印が付されている。また第1連繋部350、第4連繋部358および第5連繋部360の支軸351は、前板部312に設けた孔に対して圧入して固定されている。
前記ケース体310の後板部320には、前部回転軸355、第4連繋部358の支軸351および第5連繋部360の支軸351の後端に対応して軸開口326が開設されている(図55参照)。前部回転軸355に対応する軸開口326は、前部回転軸355の後端より大径に形成されて、前部回転軸355の後端と後板部320との干渉を回避している。これに対して、第4連繋部358の支軸351および第5連繋部360の支軸351に対応する軸開口326は、支軸351の後端と略同一寸法で形成されて、当該軸開口326によって支軸351の後端を保持するようになっている。このように、後板部320の軸開口326に前部回転軸355および支軸351を受け入れることで、前部回転軸355および支軸351を受け入れた分だけケース体310を前後方向にコンパクトにできる。
前記前部駆動機構による第1および第2可動部340,342の動作について説明する。前部演出装置300は、前部ソレノイド346が待機状態にある場合、第1可動部340が下方位置にあって装飾不動部332における中間部位に位置し、左右の第2可動部342,342の上延出片343,343が互いに近接すると共に横延出片343が装飾不動部332の側部に沿って延在している(図48(a)参照)。前部ソレノイド346が駆動されて、出力軸346aの左側部分が本体部分から離間するよう左方向に突出して前部連結片348が左側に変位するにつれて、第1連繋部350が揺動して第2連繋部352を押し上げる(図49(b)参照)。これにより、第2連繋部352に連結された第1可動部340が下方位置から上方位置に向けて上方変位して前延部334の上側にずれて、前延部光透過片334aを露出させる。この際、前部LED基板308から光を照射して前延部光透過片334aを発光させることで、第1可動部340の動作と相まって、遊技者の注意をより惹きつけるので演出効果を向上することができる。また第2連繋部352の上方変位と同時に、左右の第4連繋部358,358が揺動して第5連繋部360を介して対応の第3連繋部356が回転され、これに伴って第3連繋部356に固定された前部回転軸355が回転することで、左右の第2可動部342,342が上延出片343,343が互いに離間すると共に横延出片343が装飾不動部332の対応する側部から離間して左右方向に延在するように揺動する(図48(b)参照)。
前部ソレノイド346が逆駆動されて、出力軸346aの左側部分が本体部分に近接するよう右方向に引き込まれて前部連結片348が右側に変位するにつれて、第1連繋部350が揺動して第2連繋部352を押し下げる(図49(a)参照)。これにより、第2連繋部352に連結された第1可動部340が上方位置から下方位置に向けて下方変位して前延部334の上側から前延部光透過片334aを覆うように中間部分に位置する(図48(a)参照)。また第2連繋部352の下方変位と同時に、左右の第4連繋部358,358が揺動して第5連繋部360を介して対応の第3連繋部356が回転され、これに伴って第3連繋部356に固定された前部回転軸355が回転することで、左右の第2可動部342,342が上延出片343,343が互いに近接すると共に横延出片343が装飾不動部332の対応する側部に沿って延在するように揺動する。このように、前部演出装置300は、1つの前部ソレノイド346によって、第1可動部340および左右の第2可動部342,342が同期して動作される。すなわち、前部演出装置300は、複数の可動部340,342,342を一つの前部ソレノイド346で動作させることができるので、複数の可動部340,342,342を駆動するための機構全体をコンパクトにし得る。また、往復動する第1可動部340と揺動する第2可動部342とが設けられるので、異なる動作を同期して行う複数の可動部340,342,342によって、演出効果を向上することができる。
しかも、前部演出装置300は、装飾不動部332の前側に設けた第1可動部340および装飾不動部332から遊技盤面に沿う方向に延出する第2可動部342により前部可動体330を構成してあるので、全体として立体感があり、各可動部340,342の動作による演出効果を相乗して向上し得る。前部演出装置300は、装飾不動部332の後延部336における発光演出が行われるレンズ部分337と第2可動部342の上延出片343とが前後の関係で配置されるので、前部可動体330全体として立体感を増すことができ、またレンズ部分337の発光により上延出片の動作を強調することができる。更に、前部演出装置300は、第2可動部342の異なる方向に延在する延出片343,343が装飾不動部332の異なる縁辺から延出し、遊技者から異なる複数の可動部分があると見えるので、部材点数を増やすことなく演出効果を向上し得る。そして、前部LED基板308からの光の照射によって前部可動体330における可動部340,342の動作演出と相まって演出効果を更に向上することができる。
前記前部ソレノイド346は、配線が接続対象である第1の前部ソケット309と反対側となる本体部分の左側(第1連繋部350側)から延出しており、ケース体310の前板部312に設けられた配線通路310cを介して第1の前部ソケット309に接続される(図49および図53参照)。配線通路310cは、前板部312の前側に位置して前部ソレノイド346と第2連繋部352との間に設けられ、前部機構収容空間310aにおける第1連繋部350側に開口するように左側の前部保持片316に配線通路310cに連通する配線開口部が開設されると共に、ソケット空間310bに開口するよう右側の前部保持片316(区画壁318)に配線通路310cに連通する配線開口部が開設される。また、前板部312の前面には、第2連繋部352に位置して前半体354の上側に左右方向に延在させて配線通路壁354cが設けられ、前板部312の前側に位置して板状部304の後面に取り付けられる前部LED基板308の後面と前板部312の前面との間に画成される配線通路310cを通る配線が、配線通路壁354cによって後半体と干渉しないように区画している。
前部演出装置300は、前部ソケット309が臨むソケット空間310bと可動部340,342を動作させるための前部ソレノイド346や連繋部350,352,356,358,360等の伝達手段が配置される前部機構収容空間310aとが区画壁318,322で分けられているので、前部ソレノイド346や伝達手段との配線の干渉を確実に回避できる。また前部ソレノイド346においてソケット空間310bと離間する側から延出する配線を、配線通路310cを介して伝達手段と干渉させることなくソケット空間310bに導入することができる。また前部ソレノイド346の配線は、ソケット空間310bの前部ソケット309に接続するまでに長さを確保できるので、配線の取り回しを行い易く、前部ソケット309への挿脱作業が容易になる。しかも、ソケット空間310bと前部機構収容空間310aとが区画壁318,322で分けられて前部機構収容空間310aに放熱孔323が設けてあるので、ソケット空間310b側に前部ソレノイド346からの熱が侵入することを抑制できる。そして、裏ユニット30には、前部演出装置300のケース体310と上部演出装置200の上部内周装飾部50との間に連通して、上面に上部切欠部36が設けられ、前部演出装置300の放熱孔323から排出された熱は、上部切欠部36を介して遊技盤20の後側に逃がされる。
前部演出装置300は、枠状装飾体70の内側に設けられた設置部75に設置されて、枠状装飾体70で囲われているので、遊技盤20の前面に臨んでいるものの遊技領域20aを流下するパチンコ球に影響を与えることはない。また前部演出装置300の前部可動体330は、複数の可動部340,342を有しているが、前部ソレノイド346およびこの前部ソレノイド346の駆動を各可動部340,342に伝達する連繋部350,352,356,358,360が前後の関係でなく、前板部(遊技盤面)312後面に沿って並べて配置してあるので、前後方向にコンパクトにすることができる。このように、前部演出装置300および上部演出装置200は、何れも前後方向にコンパクトであるので、裏ユニット30の前側の狭いスペースに前後に重ね合わせて設置することが可能となる。また、前部演出装置300および上部演出装置200は、遊技盤20の前面で動作する可動部340,342を有する前部演出装置300の後側に前部駆動機構を設け、表示部20bの直前で出没する上部可動体220を有する上部演出装置200の前側に上部駆動機構を設け、前側と後側にバランスよく2つの可動体220,330の駆動機構を設けることで、前後の関係で2つの可動体220,330を設けても全体としてコンパクトにできる。更に、前部演出装置300および上部演出装置200は、前後の関係で設置しても間隔をあけることができるので、例えば前部演出装置300の後側に位置する上部内周装飾部50の意匠形状が前部演出装置300により制限されることを少なくし得る。しかも、前部演出装置300は、透明板22の装着口に重ねて設けられた設置部75に設置されて、透明板22の装着口に収容されているので、透明板22の板厚分を設置スペースとして有効利用している。なお、上部演出装置200の上部モータ230と前部演出装置300の前部ソレノイド346とは、前後の関係で並んでいる。
(側部演出装置)
図4に示すように、前記遊技盤20には、2基の側部演出装置400,400が表示部20bを挟んで裏ユニット30における左右の側部に設けられるが、これら側部演出装置400,400は左右対称な構成であるので、左側の側部演出装置400を例に挙げて説明する。
図56〜図68に示すように、側部演出装置400は、側部ベース部材(ベース部材)402と、この側部ベース部材402の前側を覆う側部内周装飾部(カバー部材)60の前側に設けられた側部可動体(可動体)420,424,428と、この側部可動体420,424,428を動作させる側部駆動機構(駆動機構)とから構成される。側部演出装置400は、単数または複数の側部可動体420,424,428を備えており、実施例では3つの側部可動体420,424,428を設ける場合である(図56参照)。実施例の側部演出装置400は、側部内周装飾部60の中央部に位置する第1側部可動体420と、この第1側部可動体420の上側に位置する第2側部可動体424とが上側部駆動機構で動作され、第1側部可動体420の下側に位置する第3側部可動体428が、上側部駆動機構とは別の下側部駆動機構で動作される。ここで、側部演出装置400では、透明板22の外周縁を装飾する外周装飾部28、および外周装飾部28の後側に組み付けられて、外周装飾部28の内側に臨む部位が該外周装飾部28より後側に段差を付けて延在すると共に外周装飾部28と共通する意匠形状で形成された側部内周装飾部60に対して、側部可動体420,424,428を共通する意匠形状で形成している(図4参照)。
(側部ベース部材)
図61および図64に示すように、前記側部ベース部材402は、遊技盤20において表示部20bの左側縁部を画成する裏ユニット30の左側辺に沿って設けられた長尺な透明部材であって、長手辺を上下に延在させて裏ユニット30の左側辺前側に取り付けられる。側部ベース部材402は、表示部20bから離間する左縁辺後側に突出形成され、該側部ベース部材402の長手辺に沿う上下方向(後述するスライド部材438,458の往復動方向)に延在する外壁403と、この外壁403より表示部20b側(右側)に離間して、該側部ベース部材402の後面に上下方向に延在するよう突出形成された内壁404とを備えている。また側部ベース部材402は、内壁404より表示部20b側(右側)に離間して、該側部ベース部材402の後面に上下方向に延在するよう突出形成された中壁405を備えており、中壁405と内壁404との間に側部駆動機構の構成部材が設置される(図61参照)。側部ベース部材402の後面には、上下に離間して丸棒状のスライド保持片406が複数(実施例では4つ)設けられ、4つのスライド保持片406は、内壁404と中壁405との間における中壁405側に偏倚した部位に、上下に一直線状に並べて設けられている(図64参照)。側部演出装置400では、側部ベース部材402の上側領域に配置された2つのスライド保持片406,406が組をなして上側部駆動機構の後述する上スライド部材(スライド部材)438を保持し、側部ベース部材402の下側領域に配置された2つのスライド保持片406,406が組をなして下側部駆動機構の後述する下スライド部材(スライド部材)458を保持するようになっている。側部ベース部材402の後面には、上下のスライド保持片406,406を挟んで左右両側に、筋状に突出形成されたラック保持リブ(保持リブ)407が設けられ、これら2条のラック保持リブ407,407は、平行な関係で上下に延在している。
図57に示すように、前記側部ベース部材402の後側には、該側部ベース部材402との間に側部駆動機構の構成部材の設置スペースをあけて透明な背面カバー410が組み付けられている。背面カバー410は、側部ベース部材402に対してネジ止めされて、側部内部装飾部60や側部駆動機構や側部可動体に関係なく、側部ベース部材402に対して着脱可能になっている。背面カバー410は、側部ベース部材402における内壁404より表示部20b側の後面を覆うよう形成されると共に、内壁404に対向する左側縁に亘って側部区画壁(区画壁)411が前側に向けて突出形成されている(図59参照)。背面カバー410は、該背面カバー410の側部区画壁411を内壁404に突き合わせて、背面カバー410の後側から側部ベース部材402のスライド保持片406にネジ止めして側部ベース部材402に取り付けられ、側部駆動機構の構成部材を収容する側部機構収容空間(機構収容空間)414を側部ベース部材402との間に画成している(図58参照)。すなわち、側部機構収容空間414の外壁403側の側面は、側部区画壁411と内壁404とにより塞がれている。
背面カバー410の前面には、側部ベース部材402における2条のラック保持リブ407,407に対向して筋状に突出形成されたラック保持リブ(保持リブ)412が設けられ、これら2条のラック保持リブ412,412は、平行な関係で上下に延在している(図58、図59、図60参照)。背面カバー410の表示部20b側の側縁には、側部装飾片416がネジ止めされており(図57参照)、この側部装飾片416のネジ固定部が側部ベース部材402の表示部側の側縁に設けられた凹所408に嵌り込んで位置決めされるようになっている(図61参照)。
前記側部可動体420,424,428は、前述の如く外周装飾部28および側部内周装飾部60に施された意匠形状と共通する意匠形状で形成され、実施例では、カットされた平面を凹凸に組み合わせた氷の如き立体的形状とされる。また、側部可動体420,424,428は、光拡散処理が施された有色半透明の部材から構成される。第1側部可動体420および第3側部可動体428は、後面に後側に向けて突出形成された複数(実施例では3ヶ所)の接続軸422,430を備え、これらの接続軸422,430を介して対応の側部駆動機構で動作されることで、側部内周装飾部60の前側に重なる位置(図56(a)および図66(a)参照)とこの重なる位置から表示部20b側に突出する位置(図56(b)および図66(b))との間で往復動するよう構成される。一方、第2側部可動体424は、後面に後側に向けて突出形成された側部回転軸(回転軸)425、側部連結軸(連結軸)426および側部補助軸(補助軸)427とを備え、側部連結軸426を介して上側部駆動機構で動作されることで、側部回転軸425を中心として揺動するよう構成される(図66参照)。第2側部可動体424は、側部回転軸425を挟んで左右に離間して側部連結軸426および側部補助軸427が配置され、側部回転軸425と側部連結軸426との距離が、側部回転軸425と側部補助軸427との距離よりも長く設定されており、第2側部可動体424における駆動側の寸法が長く従動側の寸法が短くなっているので、上側部駆動機構への駆動負荷を低減できる。
前記側部可動体420,424,428の保持部分となる側部内周装飾部60は、図65に示すように、全体として略L字状に形成されており、該略L字の短尺部分が表示部20bの上縁を画成する上辺の一部を構成すると共に、該略L字の長尺部分が表示部20bの側縁を画成する側辺を構成している。また側部内周装飾部60は、光拡散処理が施された有色半透明を基本とした後側に開口する箱状部材であって、左右の後縁部内側に側部ベース部材402を嵌め合わせて該側部ベース部材402の前側を覆うように取り付けられる。なお、側部内周装飾部60は、透明板22の後面に沿う前面部分が側部ベース部材402の前面から空間をあけて該側部ベース部材402を覆っている。側部内周装飾部60は、後面に複数の側部取付ボス(図示せず)が突出形成され、複数の側部取付ボスを後述する光拡散部材472および第1側部LED基板468の開口を介して、側部ベース部材402の前面に凹設されたボス受部(第1の通孔)402aに収容して位置決めされる(図63参照)。ボス受部402aは、側部ベース部材402における背面カバー410で覆われる部位(側部機構収容空間414に対応する部分)に設けられており、側部ベース部材402の後側からネジを螺合することで、側部内周装飾部60と側部ベース部材402が取り付けられる。また、側部ベース部材402は、背面カバー410の外縁部より突出した取付片409を有し(図64参照)、この取付片409に設けたネジ通孔(第2の通孔)409aを介して側部内周装飾部60に対して側部ベース部材402の後側からネジ止めされる。ここで、背面カバー410には、ボス受部402aに整合して、該ボス受部402aに対してネジを着脱可能な挿脱孔410cが設けられている(図57参照)。これにより、背面カバー410を取り外すことなく、側部内周装飾部60を側部ベース部材402に対して着脱することができる。
図65に示すように、前記側部内周装飾部60は、第1側部可動体420の3本の接続軸422に対応して3つの上スライド孔部(スライド孔部)61を、上下方向の中間部位に備えており、第3側部可動体428の3本の接続軸430に対応して3つの下スライド孔部(下スライド孔部)62を下部に備えている。各スライド孔部61,62は、長孔形状で前後に貫通形成されている。各スライド孔部61,62は、長手辺が斜め横方向(スライド部材の往復動方向と交差する方向)に延在するよう形成されている。各上スライド孔部61は、長手辺が上から下に向かうにつれて表示部20b側に傾くよう開設される。これに対し、各下スライド孔部62は、長手辺が上から下に向かうにつれて表示部20b側から離間する外側に傾くよう開設される。なお、3本の上スライド孔部61は、互いに平行な関係で延在し、3本の下スライド孔部62は、互いに平行な関係で延在している。
図65に示すように、前記側部内周装飾部60の上部には、第2側部可動体424の側部回転軸425を回転可能に保持する側部支持孔部63と、この側部支持孔部63の左側に位置して第2側部可動体424の側部連結軸426に対応して開口する側部連結軸通孔64と、側部支持孔部63を挟んで側部連結軸通孔64と反対側に位置して第2側部可動体424の側部補助軸427に対応して開口する側部補助軸通孔65とが設けられている。なお、側部連結軸通孔64は、側部内周装飾部60の左上角部に配置されている。側部支持孔部63は、側部回転軸425に整合する丸孔状に開設される一方、側部連結軸通孔64および側部補助軸通孔65は、第2側部可動体424の側部支持孔部63を中心とする揺動に伴う対応する軸426,427の移動経路に対応した長孔形状に開設されている。なお、側部連結軸通孔64および側部補助軸通孔65は、短手寸法が対応の軸426,427の外径と略同一寸法で設定されている。ここで、第2側部可動体424は、各軸425,426,427を対応の孔63,64,65に挿入して、側部内周装飾部60の後側に突出した側部回転軸425および側部補助軸427の間に架設された側部補助リンク(補助片)432によって抜けないように、また安定して保持される(図66参照)。そして、第2側部可動体424は、待機状態で右下部が表示部20bの上部を画成する側部内周装飾部60の短尺部分下縁から表示部20b側に突出するように位置し、この位置(図56(a)および図66(a)参照)と、側部内周装飾部60に重なるように表示部20b側から退避した位置(図56(b)および図66(b)参照)との間で揺動するよう構成される。
(上側部駆動機構)
先ず、第1側部可動体420と第2側部可動体424とを動作させる上側部駆動機構について説明する。図66に示すように、上部駆動機構は、駆動手段としての上側部モータ434と、この上側部モータ434の出力軸に固定された上側部ピニオン436と、この上側部ピンオン436にかみ合うラックとしての上スライド部材438と、この上スライド部材438の変位に連動するスライドベースとから基本的に構成される。上側部モータ434は、出力軸を後側に向けて側部ベース部材402の前面上部に設置されている。ここで、側部内周装飾部60は、上側部モータ434の前側に対応する部位が開口しており、この開口部位の前側が第2側部可動体424で該第2側部可動体424の揺動範囲全体に亘って覆われるようになっている。上側部ピニオン436は、側部ベース部材402の後側に突出する上側部モータ434の出力軸に固定された板状の平歯車であって、出力軸が圧入される中央部後面が突出形成されている。上側部ピニオン436の突出部位は、背面カバー410に該突出部位に合わせて形成されたボス開口410aに回転可能に収容される。また、上側部ピニオン436における表示部20bから離間する側である外側(左側)には、側部ベース部材402の内壁404が延在している。
図66に示すように、前記上スライド部材438は、略L字形に形成された細長い板状部材であって、側部ベース部材402の後側にスライド可能に設けられている。上スライド部材438は、略L字形状の長尺部分である第1片部438aが上下方向に延在すると共に、略L字形状の短尺部分である第2片部438bが第1片部438aの上端から左側(表示部から離間する方向)に向けて左右方向に延在するよう配置されている(図61参照)。また上スライド部材438には、第1片部438aの上下に離間して2つの保持孔部439,439が開設され、上スライド部材438は、側部ベース部材402の後面上側に立設された上下2つのスライド保持片406,406を上下の保持孔部439,439に夫々受け入れて設置される。各保持孔部439は、長手が上下方向に延在する長孔形状に形成され、短辺寸法が上スライド保持片406の外径と略同一寸法に設定される。
上スライド部材438は、第1片部438aの前面が側部ベース部材の左右のラック保持リブ407に当接すると共に、第1片部438aの後面が背面カバー410の左右のラック保持リブ412,412に当接して、側部ベース部材402と背面カバー410との間で挟持される(図59参照)。このように、上スライド部材438は、側部ベース部材402および背面カバー410に対して面で接触するのではなく、ラック保持リブ407,412と線接触する構成であるから摺接負荷を低減して円滑にスライド変位できる。更に、上スライド部材438は、上側部ピニオン436の右側(表示部20b側)に第1片部438aが配置されると共に、第1片部438aの左上部に上側部ピニオン436にかみ合う複数の歯が設けられており、上側部モータ434の正逆回転に伴う上側部ピニオン436の正逆回転につれて上下方向に往復動するよう構成される(図61参照)。
図61および図66に示すように、前記上スライド部材438は、第1片部438aの下部に左側(表示部20bと離間する外側)に突出形成された第3片部438cを有し、この第3片部438cに上スライド部材438全体の往復動方向と直交する左右方向(横方向)に長手が延在する長孔形状の接続孔部440が開設されている。また、上スライド部材438は、第1片部438aの上端前面に前側に向けて突出形成された上側部検出片(検出片)441を有している(図67参照)。上側部検出片441は、側部ベース部材402の上部に上スライド部材438の往復動に伴う上側部検出片441の移動経路に合わせて開設された上側部検出通孔を介して側部ベース部材の前側に臨むようになっている(図58および図64参照)。
前記上スライド部材438は、第2片部438bの左端前面に前側に向けて突出形成された連結突部442を有し、この連結突部442が側部ベース部材402の左上部と側部内周装飾部60の左側縁との間に位置して、側部内周装飾部60に開設された側部連結軸通孔64に後側に臨むようになっている(図58および図61参照)。連結突部442の前端には、側部連結軸通孔64を介して側部内周装飾部60の後側に突き出た第2側部可動体424の側部連結軸426に上下方向に係合可能な連結凹部442aが設けられている。なお連結凹部442aは、側部連結軸426の外径と上下寸法が略同一に設定される。すなわち、上スライド部材438は、連結凹部442aに側部連結軸426を収容することで側部連結軸426と接続される。そして、上側部駆動機構は、上スライド部材438の往復動につれて側部連結軸426を上下に往復動することで、側部回転軸425を中心として第2側部可動体424を揺動することができる。
図62および図66に示すように、前記上スライドベース444は、側部ベース部材402と側部内周装飾部60との間に設けられ、上スライド部材438と第1側部可動体420とを連結する部材である。上スライドベース444は、略三角形状の板状体をベース本体(本体)444aとし、このベース本体444aの後面に突出して1本の後軸部445が設けられると共に、ベース本体444aの前面に突出して第1側部可動体420の接続軸422に対応する数(実施例では3本)の前軸部446が設けられている(図62参照)。また、上スライドベース444では、略三角形状のベース本体444aにおける3つの頂部に前軸部446が夫々配置されると共に、略三角形状のベース本体444aの重心に後軸部445が配置される。このように、上スライドベース444の軸部445,446を配置することで、上スライド部材438から上スライドベース444に対して力を適切に伝達し得ると共に、第1側部可動体420を安定して保持し得る。上スライドベース444は、後軸部445が側部ベース部材402(および後述する側部LED基板および側部光拡散部材)に上スライド孔部61と同一方向に長手を沿わせて貫通形成された上後軸部通孔402cを介して側部ベース部材402の後側に突出し(図64参照)、後軸部445の後端が上後軸部通孔402cの後側に重なるように配置された上スライド部材438の接続孔部440に挿入される。なお、後軸部445の外径は、接続孔部440の短辺寸法と略同一に設定される。
前記上側部駆動機構の後軸部445は、接続孔部440において該接続孔部440の長手辺に沿って左右方向の変位が許容されるものの、接続孔部440の上下縁に係合するようになっている。また、上スライドベース444は、各前軸部446が上スライド孔部61を介して側部内周装飾部60の後側に臨んでいる第1側部可動体420の対応する接続軸422に夫々接続される。そして、上スライドベース444は、上スライド部材438の上下方向への往復動につれて後軸部445と接続孔部440とが上下に係合したもとに上下に変位するが、後軸部445が接続孔部440において左右方向の変位が許容されているので、上スライド孔部61の延在方向に沿って第1側部可動体420を斜め横方向に往復動するようになっている。
前記上スライドベース444は、第1側部可動体420の待機位置からの変位方向前側にベース本体444aの底辺が位置して2本の前軸部446が変位方向前側に配置され、第1側部可動体420の表示部20b側に突出した位置から待機位置に戻る側にベース本体444aの頂角が位置して1本の前軸部446が配置されている(図66参照)。ここで、上スライド孔部61の寸法は、上スライド部材438の往復動距離および接続孔部440における後軸部445の変位許容距離を辺とする仮想直角三角形を構成する斜辺の寸法以上に設定される。すなわち、上スライド部材438の往復動距離と第1側部可動体420の上下方向の変位幅とが同一になり、接続孔部440における後軸部445の変位許容距離と第1側部可動体420の左右方向の変位幅とが同一になっている。これにより、側部演出装置400では、上スライド部材438の上下方向への往復動が接続孔部440から後軸部445に伝達される過程で上スライド孔部61に沿う斜め横方向への変位に適切に変換され、第1側部可動体420が斜め横方向に往復動される。また、上スライドベース444を上下の何れの位置に取り付けても、上スライド部材438を上スライドベース444の後軸部445に合わせて取り付けることができ、取り付け作業性がよい。
(下側部駆動機構)
次に、第3側部可動体428を動作させる下側部駆動機構について説明する。なお、下側部駆動機構は、上側部駆動機構から第2側部可動体424を動作させるための構成を除いた構成とおおよそ同一構成となっている。図61および図66に示すように、下側部駆動機構は、駆動手段としての下側部モータ454と、この下側部モータ454の出力軸に固定された下側部ピニオン456と、この下側部ピンオン456にかみ合うラックとしての下スライド部材458と、この下スライド部材458の変位に連動する下スライドベース464とから基本的に構成される。下側部モータ454は、出力軸を後側に向けて側部ベース部材402の前面下部に設置されている。ここで、側部内周装飾部60は、下側部モータ454の前側に対応する部位が前側に膨出形成されており、下側部モータ454の前側を覆う膨出部位前面にスリット状の放熱孔66が開設されている(図56参照)。下側部ピニオン456は、側部ベース部材402の後側に突出する下側部モータ454の出力軸に固定された板状の平歯車であって、出力軸が圧入される中央部後面が突出形成されている。下側部ピニオン456の突出部位は、背面カバー410に該突出部位に合わせて形成されたボス開口410aに回転可能に収容される(図57参照)。また、下側部ピニオン456における表示部20bから離間する側である外側(左側)には、側部ベース部材402の内壁404が延在している(図61参照)。
図61および図66に示すように、前記下スライド部材458は、細長い板状部材であって、側部ベース部材402の後側に上スライド部材438の下側に位置してスライド可能に設けられている。下スライド部材458は、長手が上下方向に延在するよう配置されている。また下スライド部材458には、上下に離間して2つの保持孔部459が開設され、下スライド部材458は、側部ベース部材402の後面下側に立設された上下2つのスライド保持片406,406を上下の保持孔部459,459に夫々受け入れて設置される。各保持孔部459は、長手が上下方向に延在する長孔形状に形成され、短辺寸法がスライド保持片406の外径と略同一寸法に設定される。そして、下スライド部材458は、前面が側部ベース部材402の左右の側部保持リブ407,407に当接すると共に、後面が背面カバー410の左右の保持保持リブ412,412に当接して、側部ベース部材402と背面カバー410との間で挟持される(図60参照)。このように、下スライド部材458は、側部ベース部材402および背面カバー410に対して面で接触すするのではなく、側部保持リブ407,412と線接触する構成であるから摺接負荷を低減して円滑にスライド変位できる。更に、下スライド部材458は、下側部ピニオン456の右側(表示部側)に配置されると共に、下部左側面に下側部ピニオン456にかみ合う複数の歯が設けられており、下側部モータ454の正逆回転に伴う下側部ピニオン456の正逆回転につれて上下方向に往復動するよう構成される。
図61および図66に示すように、前記下スライド部材458は、下部に左側(表示部20bと離間する外側)に突出形成された接続片部458aを有し、この接続片部458aに下スライド部材458全体の往復動方向と直交する左右方向(横方向)に長手が延在する長孔形状の接続孔部460が開設されている。また、下スライド部材458は、下端前面に前側に向けて突出形成された下側部検出片(検出片)461を有している(図68参照)。下側部検出片461は、側部ベース部材402の下部に下スライド部材458の往復動に伴う下側部検出片461の移動経路に合わせて開設された下側部検出通孔402dを介して側部ベース部材402の前側に臨むようになっている(図60参照)。
図62および図66に示すように、前記下スライドベース464は、側部ベース部材402と側部内周装飾部60との間に設けられ、下スライド部材458と第3側部可動体428とを連結する部材である。下スライドベース464は、略三角形状の板状体をベース本体(本体)464aとし、このベース本体464aの後面に突出して1本の後軸部465が設けられると共に、ベース本体464aの前面に突出して第3側部可動体428の接続軸430に対応する数(実施例では3本)の前軸部466が設けられている。また、下スライドベース464では、略三角形状のベース本体464aにおける3つの頂部に前軸部466が夫々配置されると共に、略三角形状のベース本体464aの重心に後軸部465が配置される。このように、下スライドベース464の軸部465,466を配置することで、下スライド部材458から下スライドベース464に対して力を適切に伝達し得ると共に、第3側部可動体428を安定して保持し得る。下スライドベース464は、後軸部465が側部ベース部材(後述する側部LED基板および側部光拡散部材)402に下スライド孔部62と同一方向に長手を沿わせて貫通形成された下後軸部通孔402aを介して側部ベース部材402の後側に突出し、後軸部465の後端が下後軸部通孔402aの後側に重なるように配置された下スライド部材458の接続孔部460に挿入される(図61および図64参照)。なお、後軸部465の外径は、接続孔部460の短辺寸法と略同一に設定される。
前記下側部駆動機構の後軸部465は、接続孔部460において該接続孔部460の長手辺に沿って左右方向の変位が許容されるものの、接続孔部460の上下縁に係合するようになっている。また、下スライドベース464は、各前軸部466が下スライド孔部62を介して側部内周装飾部60の後側に臨んでいる第3側部可動体428の対応する接続軸430に夫々接続される。そして、下スライドベース464は、下スライド部材458の上下方向への往復動につれて後軸部465と接続孔部460とが上下に係合したもとで上下に変位するが、後軸部465が接続孔部460において左右方向の変位が許容されているので、下スライド孔部62の延在方向に沿って第3側部可動体428を斜め横方向に往復動するようになっている。
前記下スライドベース464は、第3側部可動体428の待機位置からの変位方向前側にベース本体464aの底辺が位置して2本の前軸部466が変位方向前側に配置され、第3側部可動体428の表示部20b側に突出した位置から待機位置に戻る側にベース本体464aの頂角が位置して1本の前軸部466が配置されている。ここで、下スライド孔部62の寸法は、下スライド部材458の往復動距離および接続孔部460における後軸部466の変位許容距離を辺とする仮想直角三角形を構成する斜辺の寸法以上に設定される。すなわち、下スライド部材458の往復動距離と第3側部可動体428の上下方向の変位幅とが同一になり、接続孔部460における後軸部466の変位許容距離と第3側部可動体428の左右方向の変位幅とが同一になっている。これにより、側部演出装置400では、第1側部可動体420と同様に、下スライド部材458の上下方向への往復動が接続孔部460から後軸部466に伝達される過程で下スライド孔部62に沿う斜め横方向への変位に適切に変換され、第3側部可動体428が斜め横方向に往復動される。また、下スライドベース464を上下の何れの位置に取り付けても、下スライド部材458を下スライドベース464の後軸部に合わせて取り付けることができ、取り付け作業性がよい。
(発光手段)
図62に示すように、前記側部演出装置400は、側部ベース部材402と側部内周装飾部60との間に配置された複数の側部LED基板(発光体基板)468,470を備え、側部可動体420,424,428の動作に合わせてまたは単独で発光演出を行うことができる。側部演出装置400は、図63に示すように、側部ベース部材402の前面に取り付けられた第1側部LED基板(第1の発光体基板)468と、この第1側部LED基板468より前側に配置して側部ベース部材402の前側に取り付けられた第2側部LED基板(第2の発光体基板)470とを備えている実施例の側部演出装置400では、側部ベース部材402の中間部分に第1側部LED基板468が設置され、側部ベース部材402の上端部および下端部に第2側部LED基板470が夫々設置される。なお、第1側部LED基板468は、側部ベース部材402において上下の側部モータ434,454に挟まれる中間部分前面を覆う形状に形成されている。
図62に示すように、前記側部演出装置400は、第1側部LED基板468の前面に設けたLED(発光体)468aおよび側部内周装飾部60の後面から離間させて側部光拡散部材(光拡散部材)472が、側部ベース部材402の前面に突出形成された突出ピンの前端に取り付けられている。ここで、実施例では、第1側部LED基板468、側部光拡散部材472および側部内周装飾部60が等間隔で配置されているので(図59参照)、側部光拡散部材472による光拡散効果を向上し得る。更に、側部演出装置400では、側部内周装飾部60と第1側部LED基板468との間に配置した側部光拡散部材472と、側部ベース部材402の前面に突出形成された突出ピンにより側部ベース部材402の前面から離間配置した第2側部LED基板470とが、同一垂直平面上に配置されており(図62参照)、側部ベース部材402と側部内周装飾部60との間のスペースを有効利用している。第1側部LED基板468および側部光拡散部材472には、上スライドベース444の後軸部445の変位経路および下スライドベース464の後軸部465の変位経路の夫々に合わせて後軸部開口474が開設され(図63参照)、この後軸部開口474および側部ベース部材402の後軸部通孔402c,402eを介して挿通された後軸部445,465が対応の接続孔部440,460に挿入される。なお、後軸部開口474は、挿通される後軸部445,465より一回り大きく形成される。
前記側部内周装飾部60の前面には、第1側部LED基板468の前側に対応する所要部位にカバー開口67が前後に貫通形成され、このカバー開口67に光拡散カバー68が取り付けられている(図65参照)。すなわち、側部内周装飾部60は、カバー開口67を覆う光拡散カバー68によって前面の一部が構成されている。なお、光拡散カバー68は、カバー開口67に整合する外形形状に形成された側縁に設けた図示しない爪を、カバー開口67の開口縁に引っ掛けて取り付けられる。側部内周装飾部60は、ラメ入りの樹脂からなる有色半透明であるのに対して、光拡散カバー68は、後面に筋状の凹凸を並べた無色問透明な樹脂部材であり、側部内周装飾部60と光拡散カバー68との光拡散処理が相違するよう構成される。ここで、側部内周装飾部60では、側部内周装飾部60に重なる待機位置にある側部可動体420,424,428で隠れる領域の外側にカバー開口67が設けられることによって、待機位置の側部可動体420,424,428から外れた部位光拡散カバー68が配置されている(図56(a)参照)。側部可動体420,424,428は、待機位置から表示部20bに向けて変位すると光拡散カバー68の少なくとも一部の前側を覆うようになっている(図56(b)参照)。すなわち、側部可動体420,424,428は、光拡散カバー68の前側から外れる位置と、光拡散カバー68の前側の少なくとも一部を覆う位置との間で変位される構成である。
側部内周装飾部60の後側に設置される側部光拡散部材472は、側部内周装飾部に重なる待機位置にある第1および第3側部可動体420,428の後側の領域に配置されている。換言すると、光拡散カバー68は、側部内周装飾部60における側部光拡散部材472の前側から外れた位置に設けられ、側部光拡散部材472は、カバー開口67の後側から外れた部位に設けられる。側部光拡散部材472は、無色透明な樹脂部材の後面に半円形の小突起を並べた光拡散処理が施されており、側部内周装飾部60に施された光拡散処理と相違している。第1側部LED基板468は、前側が側部光拡散部材472で覆われる部位に配置される第1LED(第1の発光体)468aとしてフルカラーで発光可能なものが用いられ、前側が光拡散カバー68で覆われる部位に配置される第2LED(第2の発光体)468bとして単色(実施例では白色)発光のものが用いられる(図63参照)。すなわち、第1側部LED基板468では、前側に位置する相違する光拡散処理の施された部材に合わせて、設置するLEDの発光態様を変える構成であって、第2LED468bでは、第1LED468aと相違する発光色で発光されるようになっている。
前記側部演出装置400は、前面の大部分を構成する側部内周装飾部60の本体部分と光拡散カバー68とで光拡散態様が異なり、夫々の部位に対応して設けられたLED468a,468bの発光態様も異なるので、側部内周装飾部60の部位によって異なる発光演出を行うことができる。しかも、側部可動体420,424,428の動作につれて該可動体420,424,428により覆われる側部内周装飾部60の本体部分および光拡散カバー68の領域が変化するので、発光態様に変化を与えることができる。そして、側部演出装置400は、強く光を照射したい部分を無色透明な光拡散カバー68で構成すると共に、光拡散カバー68に対応して強い光を照射し得る白色の第2LED468bを用い、これに対して側部内周装飾部60の大部分を有色半透明として側部光拡散部材472を後側に設置すると共に、側部光拡散部材472に対応してフルカラーの第1LED468aを用いており、側部内周装飾部60と光拡散カバー68とで夫々の光拡散処理に合わせ適切な種類のLED468a,468bを対応して配置してあるので、発光態様の変化を大きくすることができる。なお、側部内周装飾部60の光拡散カバー68を用いた発光態様を変化させる構成は、他の演出装置100,200,300でも採用可能である。
前記上側に位置する第2側部LED基板470の後面には、該第2側部LED基板470と側部ベース部材402との間に画成されたスペースに、上側部検出手段(原位置検出手段)417が設けられている(図67参照)。上側部検出手段417は、上側部駆動機構の上スライド部材438に設けられた上側部検出片441を検出するものであって、往復動作方向の何れか一方の動作限界位置にある上スライド部材438の上側部検出片441を検出するよう配置されている。実施例の上側部検出手段417は、上スライド部材438が最下限にある場合(第1側部可動体420の突出位置)に上側部検出片441を検出するよう構成され、上側部検出片通孔402bの下端部に対応する位置に配置される。すなわち、上側部検出片441が上側部検出手段417を通過して往復動することがないので、上側部検出手段417による上側部検出片441の誤検出を防止できる。
下側に位置する第2側部LED基板470の後面には、該第2側部LED基板470と側部ベース部材402との間に画成されたスペースに、下側部検出手段(原位置検出手段)418が設けられている(図68参照)。下側部検出手段418は、下側部駆動機構の下スライド部材458に設けられた下側部検出片461を検出するものであって、往復動作方向の何れか一方の動作限界位置にある下スライド部材458の下側部検出片461を検出するよう配置されている。すなわち、下側部検出片461が上側部検出手段418を通過して往復動することがないので、下側部検出手段418による下側部検出片461の誤検出を防止できる。実施例の下側部検出手段418は、下スライド部材458が最上限にある場合(第3側部可動体428の突出位置)に下側部検出片461を検出するよう構成され、下側部検出片通孔402dの上端部に対応する位置に配置される。
(配線通路)
前記側部演出装置400では、側部ベース部材402の後側に、該側部ベース部材402、背面カバー410、内壁404および側部区画壁411によって画成される側部機構収容空間414に、上側部駆動機構の上スライド部材438および上側部ピニオン436と下側部駆動機構の下スライド部材458および下側部ピニオン456とが収容されている。また側部ベース部材402には、該側部ベース部材402における外壁403と内壁404との間に、第1側部LED基板468の後面に設けられた側部ソケット469が臨む側部ソケット開口402fが開設されている(図64参照)。更に、側部ベース部材402は、上下の側部モータ434,454の外側部分が切り欠かれて、側部モータ434,454および第2側部LED基板470への配線の通路になっている。側部ベース部材402の後側には、外壁403と内壁404との間に側部配線通路(配線通路)415が設けられ、この側部配線通路415に側部ソケット469に接続される配線が収容されるようになっている。
第1側部LED基板468には、上側の第2側部LED基板470の配線が接続される側部ソケット469、上側部モータ434の配線が接続される側部ソケット469、第1側部LED基板468から外部に接続する配線の側部ソケット469、下側部モータ454の配線が接続される側部ソケット469および下側の第2側部LED基板470の配線が接続される側部ソケット469が上から順に並設されており(図61参照)、これらの配線が側部配線通路415に収容される。更に外壁403の後端には、内壁404に向けて突出して側部配線通路415の後側に延在する第1配線保持片(配線保持片)403aが設けられ、背面カバー410の側部配線通路415側の縁部には、外壁403に向けて突出して側部配線通路415の後側に延在する第2配線保持片(配線保持片)410bが設けられる(図57参照)。実施例では、外部に接続される配線が引き出される側部配線通路415の下部に、第1配線保持片403aを挟んで上下に2つの第2配線保持片410b,410bが設けられ、側部配線通路415の上部に第1配線保持片403aが1つ設けられている。なお、上側に位置する第1配線保持片403aの先端は、上から下に向かうにつれて表示部20b側に突出するように傾斜形成され、上側部ピニオン436の外形に合わせて延在する内壁404の延在形状に合わせてある。
このように、側部ソケット469が側部ソケット開口402fを介して臨む側部配線通路415と側部可動体420,424,428を動作させるための上下のスライド部材438,458および上下の側部ピニオン436,456が配置される側部機構収容空間414とが内壁404、側部区画壁411および背面カバー410で隔てられているので、スライド部材438,458等の駆動部材と配線との干渉を確実に回避できる。しかも、第1および第2配線保持片403a,410bによって配線が外側にはみ出ないように側部配線通路415に保持できる。従って、側部演出装置400(側部ベース部材402)を裏ユニット30に取り付ける際にも、側部演出装置400の配線が裏ユニット30との間に噛み込むことを回避でき、側部演出装置400の裏ユニット30に対する取り付け作業を容易にし得る。
ここで、上側および下側の第2側部LED基板470,470の後面には、前述した検出手段417,418と同様に第2側部LED基板470と側部ベース部材402との間のスペースに、該第2側部LED基板470用の側部ソケット(ソケット)471が設けられている。第2側部LED基板470用の側部ソケット471は、表示部20bと反対側に向けて側部配線通路415側に開口するように設けられている。すなわち、 第2側部LED基板470と側部ベース部材402との隙間を有効利用して側部ソケット471を設け、この側部ソケット471を側部配線通路415側に開口させることで、当該ソケット471に対する配線の挿脱が行い易く、また配線を迂回することなく側部配線通路415に取り出すことができ、配線の取り回しも容易になる。
前記側部演出装置400は、側部ベース部材402が遊技盤20における表示部20bの周縁部の一辺に長手を沿わせて設置されているので、当該周縁部の長手スペースを合理的に利用して、スライド部材438,458の大きさやこのスライド部材438,458の往復動の範囲を大きくとることができ、側部可動体420,424,428の動作を大きくすることが可能となる。また、スライド部材438,458が表示部20bの周縁部の一辺に沿って往復動するものの、第1側部可動体420および第3側部可動体428が該周縁部で囲われる表示部20bに対して進退するように変換されて動作するので、表示部20bでの図柄表示装置17の表示演出と第1側部可動体420および第3側部可動体428の動作との関連性が増して、第1側部可動体420および第3側部可動体428による演出効果を向上し得る。しかも、第1側部可動体420および第3側部可動体428は、表示部20bに突出した位置において、第1側部可動体420の下部に第3側部可動体428の上部が潜り込む構成であるから(図56(b)および図66(b)参照)、両側部可動体420,428の変位距離を確保し得ると共に、両側部可動体420,428の動作の関連性を増すことができる。また側部演出装置400は、表示部20bに向けて進退するよう往復動する第1側部可動体420と同期して揺動する第2側部可動体424を設け、また1つの上側部モータ434でこれらの側部可動体420,424を異なる動作をさせることができ、大型化を招くことなくこれらの側部可動体420,424によって演出効果を向上することができる。
前記側部演出装置400は、半透明で光拡散処理が施された側部内周装飾部60の後側に設けた側部LED基板468,470から光を照射することで、側部内周装飾部60および該側部内周装飾部60を介して光が照射された半透明の側部可動体420,424,428を発光させることができる。また、側部可動体420,424,428の動作につれて該可動体420,424,428により覆われる側部内周装飾部60の領域が変化するので、発光態様に変化を与えることができる。従って、側部演出装置400では、側部可動体420,424,428の動作と相まって効果的に発光演出することができる。更に、側部演出装置400では、外周装飾部28、側部可動体420,424,428および側部内周装飾部60が共通の意匠形状で形成されると共に、外側から内側に向かうにつれて段階的に下がるように段差を形成するよう配置してあるので、表示部20bに臨む図柄表示装置17に向けて奥行きがあって立体感を向上でき、側部可動体420,424,428の動作による演出効果も向上し得る。
このように、実施例に係るパチンコ機10の遊技盤20は、表示部20bの下辺を画成する下部内周装飾部40の後側に設けられて、該表示部20bに対して出没する第1下部可動体110と、第1下部可動体110の前側に位置して下部内周装飾部40の前側に設けられて揺動する第2下部可動体130と、表示部20bの上辺を画成する上部内周装飾部50の後側に設けられて、表示部20bに対して出没する上部可動体220と、枠状装飾体70で囲われる領域内側に、上部可動体220の前側に位置して設けられ、複数の可動部340,342を有する前部可動体330と、表示部20bの側辺を画成する側部内周装飾部60の前側に夫々設けられ、表示部20bへ向けて進退動する側部可動体420,424,428とを備えている。すなわち遊技盤20は、、注目度が高い図柄表示装置17が臨む表示部20bの四辺を画成する内周装飾部40,50,60,60の夫々の辺に対応して可動体110,130,220,330,420,424,428を配設したので、複数の可動体110,130,220,330,420,424,428が遊技者に注視され易く、複数の可動体110,130,220,330,420,424,428による演出効果が向上される。しかも、外周装飾部28と内周装飾部40,50,60,60との段差と、可動体110,130,220,330,420,424,428の立体形状と、前後に配置された可動体110,130,220,330の関係とが相まって全体として立体感も向上される。
実施例に係る演出装置100,200,300,400では、軸を孔に挿入して部材を変位可能に保持した軸と孔との係合構造について、部材に固定された芯に回転可能に嵌め合わされた自己潤滑性樹脂からなるスリーブを設ける構成を採用し得る。部材は、変位に際して軸のスリーブが孔の開口縁に摺接させて摺接負荷を低減するようになっており、またスリーブが摩耗した場合に部材体全体ではなく当該スリーブを交換するだけでよい。なお、実施例では、下部演出装置100の下部取付軸112、下部連繋軸122、下部支持軸132、下部連結軸134、下部補助軸136および下部ピニオン保持片163や、上部演出装置200の上部取付軸242および上部連繋軸236や、側部演出装置400における第1側部可動体420の接続軸422、 第3側部可動体428の接続軸430、側部回転軸425、側部連結軸426、側部補助軸427等にスリーブが採用されている。なお、軸に設けるスリーブは、自己潤滑性樹脂からなるものに限定されず、例えば金属製であってもよい。
実施例で説明した孔の長孔形状とは、挿通する軸等の部材の外形に合わせて端部を半円形に形成してもよい。
実施例では、可動体110,130,220,420,424,428の位置を確認する原位置検出手段124,126,226,417,418としては、対向配置した発光部と受光部との間で対応の検出片の有無を検出するフォトセンサが用いられ、前述した実施例の演出装置では、検出片が発光部と受光部との間に位置した際に、可動体の原位置(待機する位置)となるように構成される。
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。例えば、実施例では、遊技盤を透明板と裏ユニットとを積層して構成したが、所定厚のベニヤ板や合成樹脂板の単体から構成してもよく、また3つ以上の部材を積層して遊技盤20を構成するようにしてもよい。
遊技盤に設けた演出装置の配置は、入れ替えることが可能である。例えば下部演出装置を表示部の側部に設置することができる。この際、可動体が表示部に対して変位するように、演出装置の構成部材が配置される。
実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機等の従来公知の各種遊技機を採用し得る。