JP6401448B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技領域に遊技媒体を発射することで遊技を行う遊技機に関する。
遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、例えば、遊技領域を流下する遊技球(遊技媒体)が通過領域を通過し易い第1状態と該第1状態よりも通過し難い第2状態とに変化可能な可変入賞装置(可動手段)が設けられたものがある。
この種の可変入賞装置(可動手段)として、例えば、入賞口(通過領域)を開閉する開閉部材(誘導板)が、第1状態において遊技領域から退避し、第2状態において遊技領域側に突出するようにスライド移動可能に設けられ、第2状態において開閉部材(誘導板)上を遊技球(遊技媒体)が流下可能となるもの等があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−92262号公報
上記特許文献1に記載の遊技機では、開閉部材は、第1状態において遊技領域から退避してしまうことで、可動手段の変化が分かり難く地味なので、興趣を向上させることができなかった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、可動手段の変化により興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技領域(例えば、遊技領域10)に遊技媒体(例えば、遊技球P)を発射することで遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技領域を流下する遊技媒体が通過領域(例えば、大入賞口7A)を通過し易い第1状態(図3(B)参照)と該第1状態よりも通過し難い第2状態(図3(A)参照)とに変化可能な可動手段(例えば、特別可変入賞球装置7)を備え、
前記可動手段は、
前記遊技領域を流下する遊技媒体を誘導可能な誘導板(例えば、第1誘導板300)と、
前記第1状態において前記遊技領域を流下する遊技媒体を前記通過領域へ誘導可能な通過領域誘導板と、
を備え、
前記誘導板及び前記通過領域誘導板を回転させることで前記第1状態と前記第2状態とに変化し(図7及び図8参照)、
前記第1状態において、前記第2状態よりも遊技媒体が前記誘導板上を流下し難く(図8参照)、かつ、前記通過領域誘導板上を流下し易くなり、
前記第2状態において、前記第1状態よりも遊技媒体が前記誘導板上を流下し易く(図7参照)、かつ、前記通過領域誘導板上を流下し難くなり、
前記第1状態において、前記通過領域誘導板上を流下する遊技媒体の流下速度が前記第2状態において前記誘導板上を流下する遊技媒体の流下速度よりも速くなるように前記通過領域誘導板を傾斜させる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導板が上下方向または左右方向の少なくともいずれかに移動することで可動手段が第1状態または第2状態に変化するので、可動手段の変化による興趣が向上する。
本発明の手段1の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記可動手段(例えば、特別可変入賞球装置7/特別可変入賞球装置700)は、前記誘導板(例えば、第1誘導板300/誘導板710)を回転させることにより前記第1状態(図3(B)参照/図13(B)参照)と前記第2状態(図3(A)参照/図13(A)参照)とに変化する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導板が回転することで可動手段が第1状態または第2状態に変化するので、可動手段の変化による興趣が向上する。
本発明の手段2の遊技機は、請求項1または手段1に記載の遊技機であって、
前記可動手段(例えば、特別可変入賞球装置7)は、
遊技媒体(例えば、遊技球P)を誘導可能な通過領域誘導板(例えば、第2誘導板301)を備え、
前記第1状態において、遊技媒体が前記誘導板(例えば、第1誘導板300/誘導板710)上を流下し難くし、遊技媒体が前記通過領域誘導板上を流下し易くする(例えば、図8参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動手段の変化による興趣が向上する。
本発明の手段3の遊技機は、手段2に記載の遊技機であって、
前記可動手段(例えば、特別可変入賞球装置7)が前記第2状態(例えば、図7参照)であるときに遊技媒体(例えば、遊技球P)が前記誘導板(例えば、第1誘導板300)上を流下するときの速度よりも、前記可動手段が前記第1状態(例えば、図8参照)であるときに遊技媒体が前記通過領域誘導板(例えば、第2誘導板301)上を流下するときの速度の方が速い(図7及び図8参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体が通過領域を通過するときにスピード感が高まるので興趣が向上する。
本発明の手段4の遊技機は、請求項1、手段1〜3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動手段(例えば、特別可変入賞球装置7)は、
前記通過領域(例えば、大入賞口7A)を通過した遊技媒体を吸着する吸着手段(例えば、マグネットリング302)と、
前記吸着手段を移動させる移動手段(例えば、モータ83、駆動ギヤ341、従動ギヤ342)と、
を備え、
前記吸着手段に吸着され移動される遊技媒体が遊技者に視認可能とされている(マグネットリング302により遊技球Pが時計回りに移動する様子は、透光性を有する回動盤308を通して視認することができる。図9及び図10参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、通過領域を通過した遊技媒体の動きにより興趣を向上させることができる。
本発明の手段5の遊技機は、手段4に記載の遊技機であって、
前記移動手段(例えば、モータ83、駆動ギヤ341、従動ギヤ342)は、前記吸着手段(例えば、マグネットリング302)に吸着され移動される遊技媒体(例えば、遊技球P)が遊技者に視認不能とされる位置まで、該吸着手段を一定の速度で移動させる(例えば、マグネットリング302は、遊技状態が大当り遊技状態に移行し、特別可変入賞球装置7が第2状態から第1状態へ変化する際にモータ83により駆動され、正面視時計回りに一定の速度で回転するようになっている。図9及び図10参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、視認可能な遊技媒体の数により単位時間当りの通過遊技媒体数を認識できるので興趣が向上する。
本発明の手段6の遊技機は、手段4または手段5に記載の遊技機であって、
前記移動手段(例えば、モータ83、駆動ギヤ341、従動ギヤ342)は、前記吸着手段(例えば、マグネットリング302)を前記通過領域(例えば、大入賞口7A)の近傍で移動させる(例えば、マグネットリング302は、内周面302aが大入賞口7Aの周縁左側に沿うように配置されている。図3、図9及び図10参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、通過領域の近傍に遊技媒体が集まって見えるため、通過領域の近傍に遊技媒体が寄らないことにより遊技者に嫌悪感を与えてしまうことを抑制できる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。 (A)は特別可変入賞球装置が第2状態であるときの状態を示す正面図、(B)は第1状態であるときの状態を示す正面図である。 特別可変入賞球装置の内部構造を示す分解斜視図である。 (A)は図3(A)のA−A断面図、(B)はB−B断面図である。 図5(A)のC−C断面図、(B)はD−D断面図である。 (A)は特別可変入賞球装置が第2状態であるときの遊技球の流下状況を示す正面図、(B)は(A)のE−E断面図である。 (A)は特別可変入賞球装置が第1状態であるときの遊技球の流下状況を示す正面図、(B)は(A)のF−F断面図である。 大入賞口を通過した遊技球の移動態様を示す図、(B)は(A)のG−G断面図である。 大入賞口を通過した遊技球の移動態様を示す図、(B)は(A)のH−H断面図である。 (A)は本発明の変形例としての特別可変入賞球装置を示す正面図、(B)は背面図である。 (A)は本発明の変形例としての特別可変入賞球装置を斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。 本発明の変形例としての特別可変入賞球装置が第2状態であるとき、(B)は第1状態であるときを示す縦断面図である。 図13のI−I断面図である。 (A)(B)は誘導板の駆動機構を示す図である。
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面2aを構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域10が形成されている。遊技領域10は、遊技盤2の遊技盤面2aと、遊技盤面2aの前面を開閉可能とするガラス扉枠(図示略)に設けられた透視窓90と、の間に形成され、この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成され、前面である遊技盤面2aに障害釘(図示略)等が植設される盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成される。盤面板の板厚は約1cm程度であり、全体が無色透明に形成されている。尚、本実施例では、遊技盤2は透光性部材にて構成されているが、ベニヤ板等の非透光性部材にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明において、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
保留記憶表示エリア5D,5Uにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。尚、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1に示す例では、保留記憶表示エリア5D,5Uとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの右側方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、後述するように、図2に示すモータ82によって回動する第1誘導板300及び第2誘導板301と、第2誘導板301により誘導された遊技球が通過する通過領域としての大入賞口7Aと、を備える。
一例として、特別可変入賞球装置7は、第1誘導板300及び第2誘導板301が第2位置(図3(A)参照)に保持されると遊技球が大入賞口7Aを通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7は、第1誘導板300及び第2誘導板301が第1位置(図3(B)参照)に保持されると遊技球が大入賞口7Aを通過(進入)しやすくする。このように、通過領域としての大入賞口7Aは、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な第1状態(開放状態とも言う)と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態とも言う)とに変化する。尚、遊技球が大入賞口7Aを通過(進入)できない第2状態に代えて、あるいは第2状態の他に、遊技球が大入賞口7Aを通過(進入)しにくい一部第2状態を設けてもよい。
大入賞口7Aを通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において第1状態となった大入賞口7Aを遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において第1誘導板300及び第2誘導板301が第1位置に位置すれば、その大入賞口7Aに遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において第1誘導板300及び第2誘導板301が第2位置に位置すれば、大入賞口7Aに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口7Aとは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の第1誘導板300及び第2誘導板301が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口7Aを第1状態(開放状態)とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口7Aを第1状態とした第1誘導板300及び第2誘導板301は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口7Aの開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口7Aに遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の第1誘導板300及び第2誘導板301が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にわたり第1位置に位置して大入賞口7Aを第1状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の第1誘導板300及び第2誘導板301が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にわたり第1位置に位置して大入賞口7Aを第1状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(第1誘導板300により大入賞口7Aを第1状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とするが、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(第1誘導板300により大入賞口7Aを第1状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出球(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。尚、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口7Aの開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出球(賞球)が得られない大当り遊技状態としても良い。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口7Aを遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出球(賞球)が少ないものであればよい。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口7Aを遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていてもよい。先読み予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」である演出図柄は、上記した「7」である演出図柄と同様に確変図柄と称される。尚、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81やモータ82,83に伝送する出力回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト球スイッチ24からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト球スイッチ24は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば遊技制御用データ保持エリア(図示略)が設けられている。遊技制御用データ保持エリア(図示略)は、第1特図保留記憶部と、第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
こうした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から演出表示装置5や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた演出表示装置5では、例えば指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。尚、図柄変動制御パターン、各種予告の予告演出制御パターン、各種演出制御パターン等、各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
次に、図3〜図12に基づいて、特別可変入賞球装置7の詳細について説明する。図3は、(A)は特別可変入賞球装置が第2状態であるときの状態を示す正面図、(B)は第1状態であるときの状態を示す正面図である。図4は、特別可変入賞球装置の内部構造を示す分解斜視図である。図5は、(A)は図3(A)のA−A断面図、(B)はB−B断面図である。図6は、図5(A)のC−C断面図、(B)はD−D断面図である。図7は、(A)は特別可変入賞球装置が第2状態であるときの遊技球の流下状況を示す正面図、(B)は(A)のE−E断面図である。図8は、(A)は特別可変入賞球装置が第1状態であるときの遊技球の流下状況を示す正面図、(B)は(A)のF−F断面図である。図9は、大入賞口を通過した遊技球の移動態様を示す図、(B)は(A)のG−G断面図である。図10は、大入賞口を通過した遊技球の移動態様を示す図、(B)は(A)のH−H断面図である。
図3〜図6に示すように、特別可変入賞球装置7は、遊技領域10(本実施例では、演出表示装置5よりも右側の右遊技領域)を流下する遊技球を誘導可能な第1誘導板300及び第2誘導板301と、第2誘導板301により誘導された遊技球が通過する通過領域としての大入賞口7Aと、を備え、これら第1誘導板300及び第2誘導板301及び大入賞口7Aは、モータ82により前後方向を向く回動中心周りに回動可能に設けられている。
具体的に説明すると、特に図4に示すように、特別可変入賞球装置7は、モータ82により前後方向を向く軸心周りに回動可能に設けられた回動盤308と、回動盤308の背面側に配置され、モータ83により前後方向を向く軸心周りに回動可能に設けられたマグネットリング302と、マグネットリング302の背面側に配置される正面視円形の装飾円盤303と、マグネットリング302の背面側に配置され装飾円盤303を固定する固定円盤304と、固定円盤304に嵌合可能に形成されマグネットリング302を回動可能に保持する保持リング305と、マグネットリング302、装飾円盤303、固定円盤304を収容するベース体306と、ベース体306に嵌合可能に形成され回動盤308を回動可能に保持するカバー体307と、から主に構成されている。
回動盤308は、透光性を有する合成樹脂材により正面視略円形状に形成され、該回動盤308を通して背面側を視認可能に形成されており、外周縁にはギヤ310が形成されている。モータ82は、駆動軸82aが前後方向を向くように所定箇所(図示略)に配設されており、該モータ82の駆動軸82aに固着された駆動ギヤ311は、前後方向を向く回動軸312aを中心に回動可能に設けられた従動ギヤ312に噛合されている。そして従動ギヤ312はギヤ310の右側に噛合されており、モータ82により駆動ギヤ311及び従動ギヤ312を介して回動盤308が回動するようになっている。
回動盤308の前面には、長板状の第1誘導板300が該回動盤308の前面に立設されているとともに、その下方位置には、長板状の第2誘導板301が該回動盤308の前面に立設されている。また、第1誘導板300の上方位置には、長板状の上板320とギヤ310に沿う円弧状に形成された円弧状板321とが該回動盤308の前面に立設されている。上板320と円弧状板321とは一体に形成されている。
第1誘導板300は、遊技球Pの直径よりも長寸の前後幅寸法を有する長板からなり、回動盤308の回動中心Cよりもやや上方位置において該回動盤308の左右方向に延設され、左右端部はそれぞれ回動盤308の周縁まで延びている。つまり、回動中心Cを通過しない位置であり、上方の上板320に対し遊技球Pの直径よりも長寸の離間幅を隔てて略平行に設けられており、該第1誘導板300の上面300a上を遊技球Pが流下可能とされている。よって、第1誘導板300と上板320との間には、左右端部に開口を有し、右側から流入した遊技球Pが左側へ通過可能な第1誘導通路が形成されている。
第2誘導板301は、遊技球Pの直径よりも長寸の前後幅寸法を有する長板からなり、回動盤308の回動中心Cよりもやや下方位置において該回動盤308の左右方向に延設され、左右端部はそれぞれ回動盤308の周縁まで延びている。つまり、回動中心Cを通過しない位置であり、上方の第1誘導板300に対し遊技球Pの直径よりも長寸の離間幅を隔てて略平行に設けられており、該第2誘導板301の上面301a上を遊技球Pが流下可能とされている。よって、第2誘導板301と第1誘導板300との間には、右端部のみが開放され右側から流入した遊技球Pが左側へ通過不能とされ大入賞口7Aへ進入可能とされる第2誘導通路が形成されている。
また、第1誘導板300及び第2誘導板301の左端部は連結板322を介して連結されているとともに、該連結板322よりも回動中心C側には、正面視略円弧状の円弧状板323が第1誘導板300と第2誘導板301とを連結するように設けられている。回動盤308における円弧状板323の回動中心C側には、正面視略円形をなす大入賞口7Aが前後に貫通して形成されている。
また、回動盤308の背面における大入賞口7Aに対応する位置にはカウントスイッチ23が該回動盤308とともに回動可能に取り付けられている。尚、本実施例では、カウントスイッチ23は該回動盤308とともに回動可能に取り付けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図3(B)に示す第1位置において遊技球Pが通過する通過穴が大入賞口7Aと合致する位置に固定しておいてもよい。
このように構成された回動盤308は、ギヤ310の外周端がカバー体307の内周面に摺接するとともに、ギヤ310の前後面がカバー体307とベース体306とにより前後から挟持されることで、回動中心Cを中心に回動可能に支持されている。
カバー体307は、円筒状部325と、該円筒状部325の前端面に周縁に沿うように立設される円弧状のガイド板326a,326bと、から構成されている。ガイド板326aの右端部とガイド板326bの右端部とは離間されており、遊技球Pが流入可能な流入部327を構成している。また、ガイド板326aの左端部とガイド板326bの左端部とは離間されており、遊技球Pが流出可能な流出部328を構成している。尚、これら流入部327と流出部328とは、回動盤308が第1位置にあるときに第1誘導通路の左右端開口に対応する位置に形成されている。また、円筒状部325の周面右側には、従動ギヤ312を挿通してギヤ310に噛合させるためのスリット329と、従動ギヤ342を挿通してギヤ340に噛合させるためのスリット330と、が形成されている。
マグネットリング302は、永久磁石等の磁性体からなり、遊技球Pの直径よりもやや長寸の前後幅寸法を有する円筒状に形成され、内周面302aが遊技球Pを吸着可能な吸着面とされており、外周縁にはギヤ340が形成されている。また、マグネットリング302は、内周面302aが大入賞口7Aの周縁左側に沿うように配置され、回動盤308よりも直径が小寸に形成されている。
モータ83は、駆動軸83aが前後方向を向くように所定箇所(図示略)に配設されており、該モータ83の駆動軸83aに固着された駆動ギヤ341は、前後方向を向く回動軸342aを中心に回動可能に設けられた従動ギヤ342に噛合されている。そして従動ギヤ342はギヤ340の右側に噛合されており、モータ83により駆動ギヤ341及び従動ギヤ342を介してマグネットリング302が回動するようになっている。また、保持リング305の周面右側には、従動ギヤ342を挿通してギヤ340に噛合させるためのスリット343が形成されている。
装飾円盤303は、透光性を有する合成樹脂材により正面視略円形状に形成され、マグネットリング302とほぼ同じ直径を有してなる。また、透光性を有することで、例えば、固定円盤304の前面に配置される装飾用発光ダイオード(図示略)等の光を前面側に透過可能とされているとともに、所定の装飾が施されている。
装飾円盤303の下部には、遊技球Pが通過可能な流出口350が貫通して形成されているとともに、装飾円盤303の前面における流出口350の左縁部には、後述するようにマグネットリング302の内周面302aに吸着され移動してきた遊技球Pを流出口350に誘導する誘導片351が立設されている。また、図4には図示していないが、図5に示すように、装飾円盤303の背面における流出口350に対応する位置からは、遊技球Pを遊技盤2の背面側に誘導する排出球誘導通路354が延設されており、該排出球誘導通路354は、固定円盤304に形成された貫通口352及びベース体306に形成された貫通口353を通して背面側に挿通されている。
ベース体306は、円筒状部355と該円筒状部355の背面を閉鎖する背板356とから構成され、円筒状部355をカバー体307の円筒状部325内に嵌合することでカバー体307を取り付けることができるようになっており、これらベース体306とカバー体307とにより、回動盤308、マグネットリング302、装飾円盤303、固定円盤304、保持リング305が収容される。また、背板356の下部には、貫通口353が形成され、円筒状部355の周面右側には、従動ギヤ342を挿通してギヤ340に噛合させるためのスリット357が形成されている。
図5に示すように、このように構成された特別可変入賞球装置7は、ベース体306とカバー体307とにより、回動盤308、マグネットリング302、装飾円盤303、固定円盤304、保持リング305を収容して一体化した状態で、遊技盤2に形成された取付孔2bに背面側から取り付けると、第1誘導板300、第2誘導板301、上板320、円弧状板321と、これらの外周を覆うガイド板326a,326bと、が遊技領域10側に突出する。また、ガイド板326a,326bが回動盤308を覆うように配置されることで、遊技球Pは、流入部327及び流出部328以外からは回動盤308の前面側に進入できないようになる。
また、図3に示すように、本実施例では、特別可変入賞球装置7は、遊技領域10の右側下部位置に、流出部328より流入部327がやや上方に位置するように配置される。そして、流入部327の下縁からは、ガイドレール360が右側方に向けて上側に傾斜するように延設され、該ガイドレール360の右端部は、遊技領域10を形成する外レール361の所定箇所に接続されている。よって、遊技領域10の右側を流下してきた遊技球は、外レール361やガイドレール360により流入部327に誘導されるようになっている。尚、特に図示しないが、遊技領域10におけるガイドレール360の上方には複数の障害釘(図示略)が配設されており、これら障害釘により遊技球Pがガイドレール360だけでなく、流入部327に直接誘導されることもある。
特別可変入賞球装置7は、図3(A)に示すように、第2状態において第1誘導板300及び第2誘導板301は第2位置に位置し、図3(B)に示すように、第1状態において第1誘導板300及び第2誘導板301は第1位置に位置する。つまり、回動盤308は、第2状態において第1誘導板300及び第2誘導板301が第2位置に位置する第2回動位置(図3(A)参照)と、第1状態において第1誘導板300及び第2誘導板301が第1位置に位置する第1回動位置(図3(B)参照)と、の間で回動可能とされている。
図7に示すように、第1誘導板300は、第2位置において、右端部が流入部327の下縁に位置し、左端部が流出部328の下縁に位置した状態で、流出部328に向けて下方に傾斜するように配置される。よって、第1誘導通路により流入部327と流出部328とが連通状態となるため、後述する第1位置にあるときよりも、ガイドレール360により誘導された遊技球Pが上面300aを流下し易くなる。また、上面300aを流下した遊技球Pは、大入賞口7Aに誘導されることなく通過して、流出部328から第1誘導通路外へ流出される。
一方、第2誘導板301は、第2位置において、右端部は流入部327の下縁よりも下方に位置し、左端部が流出部328の下縁よりも下方に位置した状態で、左側に向けて下方に傾斜するように配置される。よって、第2誘導通路は流入部327と連通せず、ガイド板326bにより左右端開口が閉鎖されるため、第1位置にあるときよりも、ガイドレール360により誘導された遊技球Pが上面301aを流下し難くなる。
また、図8に示すように、第1誘導板300は、第1位置において、右端部が流入部327の上縁に位置し、左端部が流出部328の下縁よりも下方に位置した状態で、流出部328に向けて下方に傾斜するように配置される。よって、第1誘導通路により流入部327と流出部328とが連通せず、ガイド板326a,326bにより左右端開口が閉鎖されるため、第2位置にあるときよりも、ガイドレール360により誘導された遊技球Pが上面300aを流下し難くなる。
一方、第2誘導板301は、第1位置において、右端部は流入部327の下縁に位置し、左端部が流出部328の下縁よりも下方に位置した状態で、左側に向けて下方に傾斜するように配置される。よって、第2誘導通路は流入部327と連通するため、第2位置にあるときよりも、ガイドレール360により誘導された遊技球Pが上面301aを流下し易くなる。また、上面301aを流下した遊技球Pは、大入賞口7Aに誘導され、該大入賞口7Aに進入して、背面側のマグネットリング302の内周面302aに吸着される。
このように、第1誘導板300及び第2誘導板301は、回動盤308が第1回動位置と第2回動位置との間で回動することにより、回動中心Cを中心として、第1位置と第2位置との間で回動、つまり、上下方向及び左右方向に移動する。
また、第2誘導板301は、第1位置にあるとき、第2位置にあるときよりも水平面に対する傾斜角度が大きくなるため、第2状態であるときに遊技球Pが第1誘導板300の上面300aを流下するときの速度よりも、第1状態であるときに遊技球が第2誘導板301の上面301aを流下するときの速度の方が速くなるようになっている。
尚、本実施例では、第1誘導板300は、第1状態(第1位置)において遊技球Pが上面300aを流下しないようになっているため、第2状態(第2位置)において第1状態(第1位置)よりも遊技球Pが上面300aを流下し易くなっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2状態(第2位置)において第1状態(第1位置)よりも遊技球Pが上面300aを流下し易くなれば、第1状態(第1位置)において遊技球Pが上面300aを流下するようになっていてもよい。
尚、本実施例では、第2誘導板301は、第2状態(第2位置)において遊技球Pが上面301aを流下しないようになっているため、第1状態(第1位置)において第2状態(第2位置)よりも遊技球Pが上面301aを流下し易くなっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1状態(第1位置)において第2状態(第2位置)よりも遊技球Pが上面300aを流下し易くなれば、第2状態(第2位置)において遊技球Pが上面301aを流下するようになっていてもよい。
図9に示すように、本実施例では、マグネットリング302は、遊技状態が大当り遊技状態に移行し、特別可変入賞球装置7が第2状態から第1状態へ変化する際にモータ83により駆動され、正面視時計回りに一定の速度で回転するようになっている。よって、図8に示すように、大入賞口7Aを介して回動盤308の背面側に誘導された遊技球Pは、図9に示すように、マグネットリング302の内周面302aの所定箇所に吸着されると同時に、回転するマグネットリング302により時計回り方向に次々と移動(搬送)される。
尚、図9(B)に示すように、内周面302aは、前縁から後縁に向けて下方に傾斜するように傾斜状に形成されていることで、内周面302aの所定箇所に吸着された遊技球Pは、装飾円盤303の前面により背面側から支持された状態で内周面302aに吸着されるため、遊技球Pが安定して円方向に搬送することができる。
また、このようにマグネットリング302により遊技球Pが時計回りに移動する様子は、透光性を有する回動盤308を通して視認することができるため、大入賞口7Aを通過した遊技球の動きにより興趣を向上させることができる。
そして、図10に示すように、大入賞口7Aに対応する位置から時計回りに移動され、回動中心Cの直下付近にある流出口350まで移動された遊技球Pは、誘導片351により時計回りの移動が規制されるとともに背面側の流出口350側に誘導される。よって、流出口350に進入し、排出球誘導通路354を流下した後、パチンコ遊技機1から排出される。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技領域10を流下する遊技球が通過領域としての大入賞口7Aを通過し易い第1状態と該第1状態よりも通過し難い第2状態とに変化可能な可動手段としての特別可変入賞球装置7を備え、該特別可変入賞球装置7は、遊技領域10を流下する遊技球を誘導可能な誘導板としての第1誘導板300を備え、第1状態において第2状態よりも遊技球が第1誘導板300の上面300a上を流下し難くし、第2状態において第1状態よりも遊技球が第1誘導板300の上面300a上を流下し易くし、第1誘導板300を遊技領域10の上下方向及び左右方向に移動させることで第1状態と第2状態とに変化する。このようにすることで、第1誘導板300が上下方向及び左右方向に移動することで特別可変入賞球装置7が第1状態または第2状態に変化するので、特別可変入賞球装置7の変化による興趣が向上する。
つまり、第1誘導板300は、第1位置と第2位置との間で、遊技盤2の遊技盤面2aに沿って回動可能に設けられており、第1位置と第2位置との間で移動する際も遊技者から視認可能とされているため、従来のように第2状態において遊技領域10から退避するものに比べて変化がわかりやすいので、興趣が向上する。
また、本実施例では、第1状態においては遊技球が第1誘導板300の上面300a上を流下不能であり、第2状態においてのみ遊技球が第1誘導板300の上面300a上を流下可能とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1状態において第2状態よりも遊技球が第1誘導板300の上面300a上を流下し難くなれば、必ずしも第1状態において遊技球が第1誘導板300の上面300a上を流下不能としなくてもよい。
また、特別可変入賞球装置7は、第1誘導板300を回転させることにより第1状態と第2状態とに変化することで、特別可変入賞球装置7の変化による興趣が向上する。つまり、第1誘導板300は、第1位置と第2位置との間で回動可能に設けられていることで、第1位置と第2位置とで姿勢が変化するので、例えば、第1誘導板300が回動して第2位置から第1位置へ回動する際に、第1誘導板300が傾く(姿勢が変わる)ことにより上面300a上を通過中の遊技球Pの流下速度も増加するので興趣が向上する。
尚、本実施例では、第1誘導板300が回転することで特別可変入賞球装置7が第1状態または第2状態に変化するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1誘導板300を遊技領域10の上下方向または左右方向の少なくともいずれかに移動させることで第1状態と第2状態とに変化するようになっていれば、例えば、第1誘導板300が姿勢を変えることなく遊技盤面2aに沿って上下方向にスライド移動することで特別可変入賞球装置7が第1状態または第2状態に変化するようにしてもよいし、第1誘導板300が姿勢を変えることなく左右方向に移動することで特別可変入賞球装置7が第1状態または第2状態に変化するようにしてもよい。さらに、上下方向及び左右方向に対し斜めの方向にスライド移動するようにしてもよい。また、後述する変形例としての誘導板710のように、一端を中心として揺動可能に設けられていてもよい。
また、本実施例では、第1誘導板300は、回動盤308の前面における回動中心Cを通過しない位置に配設されていることで、回動盤308を回転させることで回動中心Cの周りを周回するように移動することになるため、第1誘導板300の長手方向の中央位置を回動中心として回転させる場合よりも動きに面白みを持たせることができる。
また、特別可変入賞球装置7は、遊技球を誘導可能な通過領域誘導板としての第2誘導板301を備え、第1状態において、遊技球が第1誘導板300の上面300a上を流下し難くし、遊技球が第2誘導板301の上面301a上を流下し易くすることで、特別可変入賞球装置7の変化による興趣が向上する。このように、第1状態と第2状態とで遊技球が流下する通路が切り替わるため、動きに面白みを持たせることができる。
また、本実施例では、特別可変入賞球装置7が第2状態であるときの第1誘導板300の水平面に対する傾斜角度よりも、第1状態であるときの第2誘導板301の水平面に対する傾斜角度の方が大きいことで、特別可変入賞球装置7が第2状態であるときに遊技球が第1誘導板300の上面300a上を流下するときの速度よりも、第1状態であるときに遊技球が第2誘導板301の上面301a上を流下するときの速度の方が速くなる。このようにすることで、遊技球が大入賞口7Aを通過するときにスピード感が高まるので興趣が向上する。
また、本実施例では、大入賞口7A及びカウントスイッチ23は、第2誘導板301の左端部に設けられていることで、流入部327から第2誘導通路に進入した遊技球が大入賞口7A及びカウントスイッチ23を通過するまでに時間を要するが、上記のように第2状態であるときに遊技球が第1誘導板300の上面300a上を流下するときの速度よりも、第1状態であるときに遊技球が第2誘導板301の上面301a上を流下するときの速度の方が速くなることで、例えば、ラウンド遊技中に大入賞口7Aの閉鎖条件が成立して第1状態から第2状態へ変化する際に第2誘導通路内に残存する遊技球Pを極力少なくすることができるため、大入賞口7Aの閉鎖直前に第2誘導通路内に進入した遊技球Pにより所謂オーバー入賞が発生しやすくなることを防止できる。よって、実際の入賞率が製造時に設定した入賞率から大幅に変わってしまうことを防止できる。
また、特別可変入賞球装置7は、大入賞口7Aを通過した遊技球を吸着する吸着手段としてのマグネットリング302と、マグネットリング302を移動させる移動手段としてのモータ83、駆動ギヤ341、従動ギヤ342と、を備え、マグネットリング302に吸着され移動される遊技球が遊技者に視認可能とされていることで、大入賞口7Aを通過した遊技球の動きにより興趣を向上させることができる。
尚、本実施例では、回動盤308が透光性を有する合成樹脂材により形成されることで、大入賞口7Aを通過した遊技球の動きが遊技者に視認可能とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口7Aを通過した遊技球の動きが遊技者に視認不能であってもよい。
また、本実施例では、大入賞口7Aを通過した遊技球がマグネットリング302により回転移動されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口7Aを通過した遊技球が直線移動されるようにしてもよいし、所定領域に貯留される(例えば、一のラウンド遊技中に大入賞口7Aを通過した遊技球が貯留されるなど)ようにしてもよい。
また、本実施例では、カウントスイッチ23は大入賞口7Aの背面側に取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2誘導通路の右端開口近傍位置に配設し、該第2誘導通路の右端開口を大入賞口としてもよい。
尚、本実施例では、吸着手段の一例として永久磁石が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球Pを吸着可能な手段であれば、例えば、電磁石であってもよい。
また、モータ83、駆動ギヤ341、従動ギヤ342は、マグネットリング302に吸着され移動される遊技球Pが遊技者に視認不能とされる位置まで、該マグネットリング302を一定の速度で移動させることで、視認可能な遊技球の数により単位時間当りの通過遊技球数を認識できるので興趣が向上する。
また、モータ83、駆動ギヤ341、従動ギヤ342は、マグネットリング302を大入賞口7Aの近傍で移動させることができるように、マグネットリング302は、内周面302aが大入賞口7Aの周縁左側に沿うように配置されていることで、大入賞口7Aの近傍に遊技球が集まって見えるため、例えば、特別可変入賞球装置7の近傍の障害釘(図示略)等によって大入賞口7Aの近傍に遊技球が寄らないことにより、遊技者に嫌悪感を与えてしまうことを抑制できる。
次に、本発明の変形例としての特別可変入賞球装置700について、図11〜図15に基づいて説明する。図11は、(A)は本発明の変形例としての特別可変入賞球装置を示す正面図、(B)は背面図である。図12は、(A)は本発明の変形例としての特別可変入賞球装置を斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図13は、本発明の変形例としての特別可変入賞球装置が第2状態であるとき、(B)は第1状態であるときを示す縦断面図である。図14は、図13のI−I断面図である。図15は、(A)(B)は誘導板の駆動機構を示す図である。尚、本変形例において、前記実施例と同様の部位に関しては、同様の符号を付すことにより詳細な説明は省略するものとする。
図11〜図15に示すように、本発明の変形例としての特別可変入賞球装置700は、遊技領域10(本変形例では、演出表示装置5よりも右側の右遊技領域)を流下する遊技球を誘導可能な誘導板710と、特別可変入賞球装置700が第1状態であるときに遊技球が通過する通過領域としての大入賞口7Aと、を備え、これら誘導板710は、ソレノイド703により前後方向を向く回動中心周りに回動可能に設けられている。
特別可変入賞球装置7は、遊技盤2の前面である遊技盤面2aに配置されるベース板701と、ベース板701の前面側に組付けられるカバー部材702と、ベース板701の前面側に回動可能に設けられる誘導板710と、誘導板710を回動させるソレノイド703と、を主に備えている。
カバー部材702は、ベース板701の前面側に該ベース板701に対し離間して配置される装飾板704と、装飾板704の背面側に設けられる通路形成部材705と、からなり、この通路形成部材705により、装飾板704とベース板701との間に遊技球の誘導通路が形成されている。
詳しくは、図13に示すように、通路形成部材705は、ベース板701の右端から左側に向けて下方に傾斜する第1傾斜板705aと、第1傾斜板705aの右端から左側に離れた位置からベース板701の左端に向けて下方に傾斜する第2傾斜板705bと、を有している。また、第1傾斜板705aと第2傾斜板705bとの間は、通過領域としての大入賞口7Aとされており、該大入賞口7Aは、誘導板710により開閉可能とされている。よって、誘導板710が大入賞口7Aを閉鎖する第2状態となることで、第1傾斜板705a、誘導板710、第2傾斜板705bとにより左側に向けて下方に傾斜する遊技球Pの第1誘導通路720が形成される。
また、第1誘導通路720における大入賞口7Aからは第2誘導通路721が分岐されている。第2誘導通路721は、下方に延設された後に左側に向けて屈曲してベース板701の左側まで延設されており、左端部には、遊技球Pをベース板701の背面側に誘導する流出口722が形成されている。また、第2誘導通路721における大入賞口7Aの近傍位置にはカウントスイッチ23が配設されている。
図13〜図15に示すように、誘導板710は、遊技球Pの直径よりも長寸の前後幅寸法を有する長板710Aと、長板710Aのやや下方位置において該長板710Aに対し略平行をなして配置される長板710Bと、長板710Aと長板710Bとを連結する連結板710Cと、により第1誘導通路720の底面の一部に段差が形成されるように構成されている。長板710Aの右端からは、下方に向けて左側に傾斜する誘導傾斜面710bが形成されており、第1状態において遊技球Pを第2誘導通路721側に誘導するようになっている。
誘導板710における左右方向の略中央位置、つまり、連結板710C付近の下方位置からは回動軸730が背面側に向けて突設されており、この回動軸730は、ベース板701に形成された軸受孔(図示略)に挿通されている。よって、誘導板710は、ベース板701に回動可能に支持された前後方向を向く回動軸730を中心として回動可能に設けられている。尚、誘導板710は、回動軸730よりもやや上方にずれた位置に設けられているため、回動軸730を中心として周回するように回動するようになっている。
ベース板701に形成された軸受孔(図示略)を挿通して背面側に突出された回動軸730の後端には、駆動円盤731が固着されている。つまり、誘導板710は駆動円盤731と一体化されており、駆動円盤731の回動により誘導板710も回動するようになっている。
駆動円盤731は、連結部材732を介してソレノイド703のプランジャ703aの先端に連結されている。具体的には、連結部材732は、ベース板701の背面に軸支された前後方向を向く回動軸733と、回動軸733から延設されプランジャ703aの先端に枢支される第1連結片734と、回動軸733から延設され駆動円盤731の先端に枢支される第2連結片735と、を有してなる。
そして、ソレノイド703が非励磁状態であるときは、プランジャ703aが圧縮バネ703bの付勢力により付勢されて本体から突出するため、連結部材732は、第2連結片735が左側に向けて下方に傾斜する第1姿勢となり(図15(A)参照)、ソレノイド703が励磁状態であるときは、プランジャ703aが圧縮バネ703bの付勢力に抗して本体内に退避するため、連結部材732は、第2連結片735が左側に向けて上方に傾斜する第2姿勢となる(図15(B)参照)。
よって、ソレノイド703により駆動円盤731を駆動させることで、誘導板710を、長板710Aにより大入賞口7Aを閉鎖する第2位置(図13(A)参照、第2状態)と、長板710Aを閉鎖位置から上方に退避させて大入賞口7Aを開放する第1位置(図13(B)参照、第1状態)と、の間で回動させることができるようになっている。
このように構成された特別可変入賞球装置700にあっては、図13(A)に示すように、誘導板710は、第2位置において大入賞口7Aを閉鎖し、左側に向けてやや下方に傾斜する略平行姿勢で配置される。よって、誘導板710により、第1傾斜板705aと第2傾斜板705bとが連通して連続する第1誘導通路720が形成されるため、後述する第1位置にあるときよりも、遊技領域10から第1傾斜板705aにより誘導された遊技球Pが、長板700A,700Bの上面、つまり、誘導板710の上面710aを流下し易くなる。また、上面710aを流下した遊技球Pは、大入賞口7Aに誘導されることなく通過して、第1誘導通路720外へ流出される。
また、図13(B)に示すように、誘導板710は、第1位置において大入賞口7Aを開放し、第1位置よりも左側に向けて下方に傾斜する傾斜姿勢で配置される。よって、誘導板710により、第1誘導通路720における第1傾斜板705aと第2傾斜板705bとの間が分断されるため、第2位置にあるときよりも、遊技領域10から第1傾斜板705aにより誘導された遊技球Pが、長板700Aの上面、つまり、誘導板710の上面710aを流下し難くなる。尚、この場合、遊技領域10から遊技球Pが直接、誘導板710の上面710aに進入してくることもあるが、第2位置にあるときよりは上面710aを流下する遊技球Pは少なくなる。
また、第1傾斜板705a上を流下する遊技球Pは、大入賞口7A内に落下した後、第2誘導通路721へ誘導され、流出口722からベース板701の背面側に排出される。また、第1位置において、誘導傾斜面710bは大入賞口7Aの上方に配置されるので、第1傾斜板705a上を流下する遊技球Pに勢いがあっても、誘導傾斜面710bにより大入賞口7Aに誘導されるので、勢いで大入賞口7Aを通過することが防止される。
以上説明したように、本発明の変形例としての特別可変入賞球装置700にあっては、遊技領域10を流下する遊技球を誘導可能な誘導板710を備え、第1状態(第1位置)において第2状態よりも遊技球が誘導板710の上面710a上を流下し難くし、第2状態(第2位置)において第1状態よりも遊技球が誘導板710の上面710a上を流下し易くし、誘導板710を遊技領域10の上下方向及び左右方向に移動させることで第1状態と第2状態とに変化することで、特別可変入賞球装置700の変化による興趣が向上する。
また、前記実施例及び変形例では、遊技領域10を流下する遊技球を誘導する誘導板としての第1誘導板300、誘導板710を備える可動手段を、大入賞口7Aを有する特別可変入賞球装置7に適用した例を記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、普通可変入賞球装置6Bや他の入賞口に適用してもよい。
また、本実施例では、「確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となった場合、該大当り遊技状態の終了後に確率変動制御が実行されるようになっていたが、例えば、大当り遊技状態中に大入賞口7A内に設けた通過領域を通過したことに基づいて、該大当り遊技状態の終了後に確率変動制御が実行されるようにしてもよく、このようなパチンコ遊技機における特別可変入賞球装置7に前記可動手段を適用してもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
1 パチンコ遊技機
7 特別可変入賞球装置
7A 大入賞口
82、83 モータ
300 第1誘導板
300a 上面
301 第2誘導板
301a 上面
302 マグネットリング
308 回動盤
700 特別可変入賞球装置
710 誘導板
710b 誘導傾斜面

Claims (1)

  1. 遊技領域に遊技媒体を発射することで遊技を行う遊技機であって、
    前記遊技領域を流下する遊技媒体が通過領域を通過し易い第1状態と該第1状態よりも通過し難い第2状態とに変化可能な可動手段を備え、
    前記可動手段は、
    前記遊技領域を流下する遊技媒体を誘導可能な誘導板と、
    前記第1状態において前記遊技領域を流下する遊技媒体を前記通過領域へ誘導可能な通過領域誘導板と、
    を備え、
    前記誘導板及び前記通過領域誘導板を回転させることで前記第1状態と前記第2状態とに変化し、
    前記第1状態において、前記第2状態よりも遊技媒体が前記誘導板上を流下し難く、かつ、前記通過領域誘導板上を流下し易くなり、
    前記第2状態において、前記第1状態よりも遊技媒体が前記誘導板上を流下し易く、かつ、前記通過領域誘導板上を流下し難くなり、
    前記第1状態において、前記通過領域誘導板上を流下する遊技媒体の流下速度が前記第2状態において前記誘導板上を流下する遊技媒体の流下速度よりも速くなるように前記通過領域誘導板を傾斜させる
    ことを特徴とする遊技機。
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