以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態に適用されるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の前面には、チャンスボタン16が設けられている。チャンスボタン16は、可変表示装置9などの演出手段において所定の種類の演出が実行されているときに、遊技者がこれを操作し、その操作が所定の操作条件を満たしたか否かにより、演出の結果を変化させることができるボタンである。
打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、回転操作することにより遊技領域7に打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)により構成される可変表示装置9とを備えている。可変表示装置9の周囲を取り巻く円形状の枠の中に、演出手段としての装飾ランプ25a〜25cと、役物26とが設けられている。遊技領域7の可変表示装置9よりも下側には、2つの始動入賞口14a、14bが上下に並べて配置されている。下側にある始動入賞口14bには、開放状態となることで遊技球の入賞を容易にする可変入賞装置15が設けられている。可変入賞装置15が閉鎖状態となっているときには、始動入賞口14bへの遊技球の入賞が困難になるが、完全に不可能となってしまう訳ではない。
始動入賞口14a、14bの下方には、大入賞口21が開放状態とされる特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20が閉鎖状態となっているときには、大入賞口21に遊技球が全く入賞し得なくなる。特別可変入賞装置20が設けられている位置は、遊技者が可変表示装置9を見て遊技を進めている場合には、大入賞口21が開放状態となっているのかどうかが遊技者にほとんど分からないような位置となっている。特別可変入賞装置20の両側には、7セグメントLEDにより構成される特別図柄表示器10a、10bとが設けられている。特別図柄表示器10a、10bでは、7セグメントLEDによって表示される特別図柄の変動表示を行なっている。
特別図柄表示器10aは、始動入賞口14aへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行い、特別図柄表示器10bは、始動入賞口14bへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行う。特別図柄表示器10a、10bの両方で同時に特別図柄の変動表示が行われることはなく、特別図柄表示器10aまたは10bで特別図柄の変動表示が終了した後に、特別図柄表示器10a、10bの両方で変動表示を開始させるための条件が成立しているときには、いわゆる電チューサポートがされる方の特別図柄表示器10bで優先的に特別図柄の変動表示が行われることとなる。
特別図柄表示器10a、10bに表示される表示結果のうち特定表示結果(大当たり図柄)には、第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)と、第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)と、第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)と、第4特定表示結果(時短大当たり図柄)とが含まれる。第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果以外の表示結果は、ハズレ図柄となる。
特別図柄表示器10a、10bの表示結果の態様は、7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせにより、2^7−1=127通りある(^は、べき乗を表し、7セグメントの全てを非点灯する態様が特別図柄表示器10a、10bの表示結果として除かれるため、1だけマイナスされている)。第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果には、「0」〜「9」の数字などの遊技者にとって比較的分かり易い図柄を含んでいてよいが、意味のある文字とは認識できない7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせも採用しており、特別図柄表示器10a、10bの表示結果だけからは大当たりの種類を特定することが非常に困難なものとなっている。
特別図柄表示器10a、10bに第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、通常遊技状態(或いは、確率変動状態とならない時短状態)よりも大当たり確率が高くなる確率変動状態に遊技状態が制御される。
特別図柄表示器10a、10bに第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、前記した確率変動状態に遊技状態が制御される。
特別図柄表示器10a、10bに第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)を表示した後には、後述する第2大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第2大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、前記した確率変動状態に遊技状態が制御される。
特別図柄表示器10a、10bに第4特定表示結果(時短大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、特別図柄表示器10a、10bにおいて100回の変動表示が行われるまでの間は時短状態に遊技状態が制御されるものの、次の大当たり発生までの大当たり確率を通常とする(確率変動状態の大当たり確率よりも低くなる)通常遊技状態に制御される。通常遊技状態において何れかの種類の大当たりが発生することを、初当たりという。
また、可変表示装置9では、横方向に3つ並べられた飾り図柄表示領域9a〜9cにて飾り図柄(例えば、「0」〜「9」の10種類)を縦方向にスクロールさせる変動表示を行い、左、右、中の順で停止させる。飾り図柄の変動表示は、原則的に「0」〜「9」の図柄を順番にスクロール表示させていくものであるが、変動表示の途中において図柄を差し替えることも可能である。中の飾り図柄表示領域9bにおいては、通常のスクロール表示では現れない「☆」に差し替えて、これを停止させることもでき、この場合は、後述する疑似連が発生するものとなる。
また、右と左の飾り図柄表示領域9a、9cにおいては、中の飾り図柄表示領域9bにおいて飾り図柄の変動表示が停止していない間に一旦停止した飾り図柄を再度変動させるスベリ演出(この実施の形態では、スベリ演出における変動コマ数は1コマのみ)が実行される場合がある。可変表示装置9は、特別図柄表示器10a、10bで行われる変動表示の内容を、飾り図柄の変動表示によって演出効果を高めて遊技者に表示するための変動表示装置である。特別図柄表示器10a、10bで特別図柄の変動表示が継続されている限り、飾り図柄の変動表示が一旦停止(仮停止)していても、大当たり抽選及び大当たり種別抽選に対する確定的な表示結果が示されたことにはならない。
また、可変表示装置9においては、飾り図柄が変動表示されるのに合わせてキャラクタの表示などによる演出(後述する疑似連予告やリーチ予告などの各種演出)が行われる。さらに、可変表示装置9は、特別図柄の変動表示に合わせて飾り図柄の変動表示を行うため以外に、大当たりラウンド演出を行うためにも用いられる。
なお、第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)の表示によっても、第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)の表示によっても、第1大当たり状態から確率変動状態への制御(+時短)という遊技状態の制御には全く変わりがない。もっとも、特別図柄表示器10a、10bに第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)が表示されたときには、この時点で可変表示装置9に表示される飾り図柄を「1」または「7」で揃えるなどして確率変動状態に制御される旨が報知される。
これに対して、第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)が表示されたときには、この時点では可変表示装置9に表示される飾り図柄を第4特定表示結果(時短大当たり図柄)が表示されたときと同様に「1」または「7」以外の図柄で揃えるなどして確率変動状態に制御される旨が報知されない。第4特定表示結果(時短大当たり図柄)が表示されたときには、可変表示装置9に表示される飾り図柄を「1」または「7」以外の図柄とする。確率変動状態に制御される旨は、大当たりラウンド演出において行われる確変昇格演出によって報知される。
第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)が表示されたときには、可変表示装置9に表示される飾り図柄を特別図柄表示器10a、10bにハズレ図柄が表示されたときと同様の3つの飾り図柄が揃っていない態様にするものとなっている。なお、突然確率大当たりによって制御される第2大当たり遊技状態は、後述するように大入賞口21の開放が極短期間で終了し、大当たりラウンド演出も実行されずに次の変動表示の開始までハズレ図柄を表示したままとしておく。もっとも、第2大当たり遊技状態が終了して次の変動表示が開始されたときには、確率変動状態に制御されていることとなる。
また、特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示が行われ、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が行われているときに、装飾ランプ25a〜25cの点灯や役物26の駆動などによる演出が実行されることがある。なお、パチンコ遊技機1において実行される演出には、大きく分けて予告と告知とがあるが、予告とは、それによって示される内容が生じる可能性があることの報知であり、それによって示される内容が生じることを確定的に示す報知である告知と区別される。但し、一連の演出の終了間際までは可能性を示すだけであるが、当該一連の演出の最終部分で確定的な報知がなされる場合は、最終部分が告知、それよりも前の部分が予告としての意味を持つ演出となる。
可変表示装置9の表示領域のうちの下部の表示領域に、始動入賞口14a、14bに遊技球が入り始動条件が成立したが未だ特別図柄表示器10a、10bの開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数として後述する主基板31のRAM55(図2参照)に記憶された保留記憶数をそれぞれ表示する保留記憶数表示手段として特別図柄保留記憶表示部11a、11bが設定されている。
特別図柄保留記憶表示部11aは、4つのアイコンの表示部を備え、始動入賞口14aへの有効始動入賞(本実施形態では、保留記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示するアイコンをその時点で表示されているアイコンの右側に1つ追加し、特別図柄表示器10aにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、最も左側に表示されていたアイコン(今回開始した変動表示に対応していたもの)を消去するとともに、他に表示されていたアイコンを1つずつ左にずらして表示する。すなわち、表示するアイコンの数を1つ減らす。特別図柄保留記憶表示部11bについても、同様に、始動入賞口14bへの有効始動入賞がある毎に、アイコンを1つ増やし、特別図柄表示器10bにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、アイコンを1つ減らす。
RAM55(図2参照)には、特別図柄表示器10aにおける特別図柄の始動条件が成立(打球が始動入賞口14aへ入賞)したときに主基板31のCPU56(図2参照)により抽出された大当たり判定用乱数等の各種乱数の抽出順番を特定可能に記憶する4つの保留記憶バッファが設けられている。特別図柄保留記憶表示部11aは、保留記憶バッファのうちで各種乱数の記憶された保留記憶バッファの数(保留記憶数)を特定可能に表示する。保留記憶バッファには、抽出された各種乱数のうち未だ開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。特別図柄保留記憶表示部11bについても、同様の保留記憶バッファが設けられている。
上記した始動入賞口14a、14bに入った入賞球は、それぞれ遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62a、62b(図2参照)によって検出される。可変入賞装置15は、ソレノイド71(図2参照)によって開放状態とされる。後述する普通図柄の変動表示の結果に応じてソレノイド71により可変入賞装置15が開放状態となることにより、遊技球が始動入賞口14bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
また、特別可変入賞装置20は、ソレノイド72(図2参照)により可動して大入賞口21に遊技球が入賞可能な受入可能状態と、大入賞口21に遊技球が入賞不能な受入不能状態とに変化可能であり、受入可能状態において大入賞口21が開放状態とされるものとなる。また、特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ63(図2参照)で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73(図2参照)も設けられている。
特別可変入賞装置20は、第1大当たり遊技状態において、大入賞口21の開放から一定時間経過するまで、または所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するまで大入賞口21を開放状態とする。大入賞口21が開閉されてから一定期間(例えば、第1大当たり遊技状態においては30秒、第2大当たり遊技状態においては1秒)経過するまで、または所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口21に入賞するまでが1ラウンドである。大当たり遊技状態は、このような大入賞口21の開放が所定回数(例えば、15回)に亘って繰り返して提供される遊技状態である。
特別可変入賞装置20は、また、第2大当たり遊技状態において、大入賞口21を極めて短い時間(例えば、0.2〜0.5秒程度)で2回だけ開放状態とする。突然確変大当たりしたときに確率変動状態に制御される前の遊技状態が、この第2大当たり遊技状態である。第2大当たり遊技状態は、大入賞口21の開放が極めて短い期間しか行われないため、打球が1つも大入賞口21に入賞しないまま終了して、確率変動状態に制御されることとなる場合も多く、第2大当たり遊技状態に制御されたこと自体が遊技者に気づかれない場合も多い。
また、遊技領域7の右側には、「○」及び「×」と付された左右一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を変動表示可能なものである。
ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61(図2参照)で検出されると、普通図柄当たり判定用乱数が抽出されて主基板31(図2参照)に搭載されるRAM55(図2参照)の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55(図2参照)の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当たり判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態(前回の普通図柄表示器12における変動表示の終了)であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。
普通図柄表示器12の上方には、普通図柄バッファに格納される普通図柄当たり判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器13が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器13は、ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61で検出されて新たに普通図柄当たり判定用乱数が記憶されると、点灯するLEDを1つ増やす。普通図柄表示器12にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
普通図柄表示器12にて、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行われ、変動表示は所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当たりとなる。普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当たりである場合には、可変入賞装置15が所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ1.4秒)だけ開放状態になる。
普通図柄の変動表示の結果を当たりとするか否かは、ゲート28a、28bを遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された普通図柄当たり判定用乱数の値が所定の普通図柄当たり判定値と合致したか否かによって決定される。この当たり確率は、時短状態では非常に高い(例えば、35/36)が、時短状態でなければ低い(例えば、1/36)となっている。時短状態は、このように可変入賞装置15が開放状態にある割合が非常に多いので、遊技者の手持ちの遊技球を減少させずに(或いは、減少したとしても減少量はごく僅かで)、遊技を進められる状態となっている。
ゲート28aの左方及び下方、並びにゲート28bの下方及び右方には、それぞれ入賞口29a〜29dが設けられている。入賞口29a〜29dに遊技球が入賞したことが入賞口スイッチ64a(図2参照)で検出されると、所定数の遊技球が払い出される。遊技球の払い出しは、始動入賞口14a、14b、大入賞口21への遊技球の入賞によっても行われるが、ゲート28a、28bを遊技球が通過しても行われない。
遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口30が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。
また、図1には示していないが。パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45(図2参照)が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。始動入賞口14a、14b、大入賞口21、入賞口29a〜29dのいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口30から排出されるものとなっている。
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。
この実施の形態では、ROM54、RAM55、CPU56及びI/Oポート部57を含む基本回路53は、1チップマイクロコンピュータとして構成されているが、この基本回路53を構成する1チップマイクロコンピュータには、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間にもバックアップバッテリから電力が供給されている。すなわち、RAM55に記憶されているデータは、バックアップバッテリから電力が供給される限りにおいて、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間も保持される。
なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
また、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63、入賞口スイッチ64、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、可変入賞装置15を開閉するソレノイド71、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当たり遊技状態(第1大当たり遊技状態、第2大当たり遊技状態)の発生を示す大当たり情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
また、電源起動時において内部状態(RAM55)をリセットするリセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94も、主基板31に接続されており、これらのスイッチの検出信号を基本回路53へと送る。これらのスイッチ93、94は、パチンコ遊技機1の内部に設けられている。
また、主基板31に搭載されたCPU56は、特別図柄表示器10a、10bの表示制御、および、普通図柄表示器12の表示制御を行う。さらに、普通図柄保留記憶表示器13の発光制御を行う。
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56及びROM54、RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)は、可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用マイクロコンピュータにも、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間もバックアップバッテリから電力が供給され、そのRAMに記憶されたデータも、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間も保持される。
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って可変表示装置9の表示制御を行う。具体的には、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するVDP(図示しない)により可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、表示制御用CPUは、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP(図示しない)が表示制御基板80に搭載されている。また、VDPは、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM(図示しない)をマッピングしている。VDPは、キャラクタ画像データに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、VRAMに展開する。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、可変表示装置9に出力する。なお、可変表示装置9の表示制御には、飾り図柄の変動表示、大当たりラウンド演出、保留記憶のアイコン表示などが含まれる。
また、表示制御基板80には、スイッチ回路(図示しない)を介してチャンスボタン16が接続されており、チャンスボタン16の操作によって内容が変化される演出を可変表示装置9において実行しているときには、チャンスボタン16の操作を検出した検出信号に基づいて、可変表示装置9における画像の表示を制御するものとしている。
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータは、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することによりスピーカ27の音声出力制御を行うとともに、ランプドライバ基板35に役物、ランプ・LEDの駆動信号を出力することによりパチンコ遊技機1に設けられた役物、ランプ・LEDの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される可変表示装置9の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて可変表示装置9、スピーカ27、パチンコ遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示、及び可変表示装置9における飾り図柄の変動表示について説明する。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否か(大当たり抽選)、大当たりとする場合にはいずれの種類の大当たりとするか(大当たり種別抽選)、さらには特別図柄の変動パターンをいずれとするか(変動パターンの決定)は、始動入賞時に抽出される各種乱数に基づいて、特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示の開始条件が成立したときに決定される。
まず、大当たりの決定について説明する。図3(a)は、ROM54に記憶されている大当たり判定用テーブルを示す図である。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否かは、図3(a)の大当たり判定用テーブルと、始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり判定用乱数(ランダムR:0〜65535)の値とに基づいて決定される。通常時(非確率変動時)においては、大当たり判定用乱数の値が1000〜1059、13320〜13477であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。一方、確率変動時においては、大当たり判定用乱数の値が1020〜1519、13320〜15004であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。
次に、大当たり種別の決定について説明する。図3(b)及び図3(c)は、ROM54に記憶されている大当たり種別判定用テーブルを示す図である。ここで、図3(b)は、特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルであり、図3(c)は、特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルである。
特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が0、3、5または7であれば確率変動大当たりと決定し、1であれば確変昇格大当たりと決定し、9であれば突然確変大当たりと決定し、2、4、6または8であれば時短大当たりと決定する。
一方、特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が3、5または7であれば確率変動大当たりと決定し、1であれば確変昇格大当たりと決定し、0または9であれば突然確変大当たりと決定し、2、4、6または8であれば時短大当たりと決定する。
ところで、確率変動状態では、30分の1の確率で大当たりとなるが、新たな大当たりが発生するまで特別図柄の変動表示が実行される回数の制限なく、時短状態に制御される。時短状態では、可変入賞装置15が開放状態にある割合が非常に高く、特別図柄表示器10aよりも優先される特別図柄表示器10bにて特別図柄の変動表示を行わせるための始動入賞口14bの入賞による保留記憶が途切れることが少ない。また、第1大当たり遊技状態に制御されている間の時間は非常に長いので、ほとんど例外なく、第1大当たり遊技状態が終了するまでに始動入賞口14aの入賞による保留記憶も、始動入賞口14bの入賞による保留記憶を何れも一杯になる。
特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる確率は、大当たりとなった場合の2/5(=4/10)であるのに対して、特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる確率は、大当たりとなった場合の1/2(=5/10)もある。つまり、一旦確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりが発生すると、それに基づく第1大当たり遊技状態が終了してから、さらに遊技者が多くの遊技球を獲得することができる第1大当たり遊技状態を介して次も確率変動状態となる割合が高いものとなる。
次に、特別図柄の変動パターンの決定について説明する。図4(a)は、ハズレが決定された場合の変動パターンを選択するためのテーブルであり、図4(b)は、確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりが決定された場合の変動パターンを選択するためのテーブルである。ここでは、特別図柄の変動パターンとしているが、その違いによって変動表示の態様が大きく異なるのは、特別図柄表示器10a、10bで変動表示される特別図柄よりも、可変表示装置9で変動表示される飾り図柄となる。
特別図柄の変動パターンは、開始条件が成立したとき(すなわち、特別図柄及び飾り図柄の変動表示が開始するとき)に、特別図柄の変動表示の結果(大当たりとするか否か、大当たりとする場合は大当たりの種別)に応じて決定されるものとなる。また、変動パターンを決定する場合、まず始動入賞時に抽出された乱数のうちの変動種別判定用乱数の値に基づいて変動パターンの種別を決定し、さらに始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数の値に基づいて変動パターンを決定するものとなる。
変動パターンの種別には、ハズレとすることが決定された場合には、疑似連なしの非リーチハズレ、疑似連なしのノーマルリーチ、疑似連なしのスーパーリーチ、疑似連の4種類がある。確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとすることが決定された場合には、疑似連なしのノーマルリーチ、疑似連なしのスーパーリーチ、疑似連の3種類がある。突然確変大当たりとすることが決定された場合には、突然確変の1種類であるが、これは、飾り図柄の変動に関しては疑似連なしの非リーチハズレと基本的に同じものになる。
ここで、ノーマルリーチ、スーパーリーチは、何れも変動表示の過程において1番目、2番目にそれぞれ停止される左と右の飾り図柄が同一の種類の図柄で揃うリーチ表示態様が出現するパターンであり、両者を合わせて単に「リーチ変動パターン」ということもあるが、ノーマルリーチは、中の飾り図柄の変動表示の態様がハズレの場合と異ならない(最終的に停止される図柄は異なる)変動パターンであり、後述するスベリ演出も行われないものでは変動表示の開始から終了までに要する時間が非リーチハズレと比べて通常の場合には変わりがない。
一方、スーパーリーチは、リーチ表示態様が出現した後、最後に停止される中の飾り図柄の変動表示が通常とは異なる態様となる演出表示(ここで、例えばキャラクタのバトル演出などによるリーチ演出を行うものとしてもよい)が行われる変動パターンとなっており、変動表示に要する時間が非リーチハズレやノーマルリーチと比べると、かなり長くなっている。確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりでのスーパーリーチには、再抽選のある変動パターンと再抽選のない変動パターンとがあり、変動種別判定用乱数の値に基づいて変動パターンの種別がスーパーリーチと決定されたときに、変動パターン判定用乱数の値に基づいて具体的な変動パターンの種類として決定される。
また、疑似連とは、特別図柄の変動表示に応じて可変表示装置9で飾り図柄が変動表示されるが、1回分の特別図柄の変動表示(すなわち、1回の始動入賞)に対して、飾り図柄表示領域9a〜9cの全てにおいて飾り図柄の変動表示を仮停止(図柄の更新を停止しているが確定はしていない状態であって、揺り動かすなどの状態としていてもよい)させた後に、全ての飾り図柄を再度変動表示させる再変動表示を1回または複数回実行する飾り図柄の変動パターンを指す。
この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、疑似連における再変動表示が実行される場合には、中の飾り図柄表示領域9bで変動表示されている図柄配列の一部が「☆」に差し替えられて(或いは、当該配列に「☆」が挿入されて)、中の飾り図柄表示領域9bに「☆」の図柄が仮停止されてから、飾り図柄表示領域9a〜9cの全てにおいて飾り図柄が再度変動表示されるものとなっている。
疑似連には、再変動表示が1回だけ行われる(再変動表示の前後で合計2回の変動表示が行われる)疑似連1回、2回行われる疑似連2回、3回行われる疑似連3回、4回行われる疑似連4回があるが、何れも疑似連の種別が決定された場合に、さらに具体的な変動パターンとして決定されるものである。疑似連4回は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとすることが決定された場合にしか選択され得ない変動パターンである。つまり、5回目の変動表示が開始された段階で確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりの何れかに決定されていることが確定的に分かる。
また、具体的な変動パターンでは、何れの変動パターンの種別においても、スベリ演出が行われない変動パターン、スベリ演出として順スベリ演出が行われる変動パターン(ノーマルリーチハズレ及びノーマルリーチ当たりを除く)、逆スベリ演出が行われる変動パターン(非リーチハズレを除く)、両スベリ演出が行われる変動パターンがある。スベリ演出は、飾り図柄表示領域9a〜9cのうちの一部でのみ飾り図柄の変動表示を一旦停止させた後に再度変動表示させ、先に一旦停止されたのと同じ飾り図柄またはこれとは異なる飾り図柄を再度停止させる演出である。
この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1におけるスベリ演出は、左と右の飾り図柄表示領域9a、9cに飾り図柄が一旦停止し、中の飾り図柄表示領域9bで未だ飾り図柄が変動表示されている段階で行われ、リーチ表示態様が表示されるかどうかを煽る演出となっている。順スベリ演出と逆スベリ演出は、右の飾り図柄表示領域9cにおいてのみ行われるスベリ演出であり、両スベリ演出は、左と右の飾り図柄表示領域9a、9cにおいて同時に行われるスベリ演出である。
飾り図柄表示領域9a、9b、9cにおいては、通常、上から下方向に飾り図柄がスクロール表示されるが、順スベリ演出は、左の飾り図柄表示領域9aに停止された飾り図柄の1つ前の飾り図柄を右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させる(例えば、左に「7」が停止されている場合は右に「6」を停止させる)。その状態を一定期間維持した後、右の飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄をゆっくりと上から下方向に移動開始させる。そのまま左と同じ図柄まで移動するとリーチ表示態様が表示されることとなる。一方、右の飾り図柄表示領域9cにおいてゆっくりと移動し始めた飾り図柄が先に一旦停止されたのと同じ図柄に戻ってしまうこともあり、この場合はリーチ表示態様が表示されないこととなる。
逆スベリ演出は、左の飾り図柄表示領域9aに停止された飾り図柄の1つ後の飾り図柄を右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させる(例えば、左に「7」が停止されている場合は右に「8」を停止させる)。その状態を一定期間維持した後、右の飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄をゆっくりと下から上方向に移動開始させてスベリ演出を行う。左と同じ図柄まで移動してリーチ表示態様が表示される場合と、先に一旦停止されたのと同じ図柄に戻ってリーチ表示態様が表示されない場合があるのは、順スベリ演出と同じである。
両スベリ演出は、左の飾り図柄表示領域9aに停止された飾り図柄の2つ前の飾り図柄を右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させる(例えば、左に「8」が停止されている場合は右に「6」を停止させる)。その状態を一定期間維持した後、右の飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄をゆっくりと上から下方向に移動開始させるとともに、左の飾り図柄表示領域9aにおいて飾り図柄をゆっくりと下から上方向に移動開始させてスベリ演出を行う。左と右が同じ図柄となるまで移動してリーチ表示態様が表示される場合と、先に一旦停止されたのと同じ図柄に戻ってリーチ表示態様が表示されない場合があるのは、順スベリ演出、逆スベリ演出と同じである。
非リーチハズレ、ノーマルリーチハズレ、スーパーリーチハズレ、ノーマルリーチ当たり、スーパーリーチ当たりの種別に属する変動パターンでは、飾り図柄表示領域9a、9b、9cの全てにおいて飾り図柄が一旦停止してから全ての飾り図柄が再度変動表示されることはないので、スベリ演出は、中の飾り図柄表示領域9bに飾り図柄が停止される前に行われることとなる。
一方、疑似連の種別に属する変動パターンでは、仮停止を介して複数回の変動表示が行われることとなるが、飾り図柄表示領域9a〜9cに飾り図柄が最後に仮停止されることとなる回の変動表示においてスベリ演出が行われる。例えば、順スベリ演出を行う疑似連1回の変動パターンの場合、変動表示が開始されてから、まず、左の飾り図柄表示領域9aに飾り図柄が停止されるが、次に右の飾り図柄表示領域9cには左の飾り図柄表示領域9aに停止された飾り図柄の1つ前の飾り図柄を右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させる。その状態を一定期間維持した後、右の飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄をゆっくりと上から下方向に移動開始させてスベリ演出を行うものとなる。その後、中の飾り図柄表示領域9bにまで飾り図柄が停止した後、全ての飾り図柄表示領域9a〜9cに停止された飾り図柄を再度変動表示させるものとなる。
なお、スベリ演出を行わない疑似連の変動パターンとは、スベリ演出を行わない疑似連1回の変動パターン、スベリ演出を行わない疑似連2回の変動パターン、スベリ演出を行わない疑似連3回の変動パターン、及びスベリ演出を行わない疑似連4回の変動パターンを含むものである。順スベリ演出を行う疑似連の変動パターン、逆スベリ演出を行う疑似連の変動パターン、両スベリ演出を行う疑似連の変動パターンについても、同様である。
また、順スベリ演出を行う疑似連2回の変動パターンの場合、変動表示の開始から全ての飾り図柄が最初に仮停止されるまでの間にスベリ演出が行われることはない。1回目の仮停止の後に全ての飾り図柄が変動表示されてから、まず、左の飾り図柄表示領域9aに飾り図柄が停止されるが、次に右の飾り図柄表示領域9cには左の飾り図柄表示領域9aに停止された飾り図柄の1つ前の飾り図柄を右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させる。その状態を一定期間維持した後、右の飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄をゆっくりと上から下方向に移動開始させてスベリ演出を行うものとなる。
次に、各々の変動パターンの選択比率について、図4を参照して説明する。なお、図4における各変動パターンの選択比率は、変動種別までが決定された後において具体的な変動パターンを決定するための抽選の確率ではなく、特別図柄表示器10a、10にて行われる特別図柄の変動表示(可変表示装置9にて行われる飾り図柄の変動表示)の全てに対して、各々の変動パターンが選択される比率を示している。
例えば、図4において、スベリ演出を行わない非リーチハズレの選択比率A0は、大当たり抽選の当選確率をX、大当たり抽選にハズレとなった場合に非リーチハズレの種別を選択する確率をY、非リーチハズレの種別が選択された場合にスベリ演出を行わない非リーチハズレを選択する確率をZとすると、A0=(1−X)×Y×Zということとなる。また、スベリ演出を行わないノーマルリーチ当たりの選択比率E0は、大当たり抽選に当選した場合に確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりと決定する確率をL、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなった場合にノーマルリーチ当たりの種別を選択する確率をM、ノーマルリーチ当たりの種別が選択された場合にスベリ演出を行わないノーマルリーチ当たりを選択する確率をNとすると、E0=X×L×M×Nということとなる。
図4に示すように、スベリ演出を行わない非リーチハズレ、順スベリ演出を行う非リーチハズレ、両スベリ演出を行う非リーチハズレの変動パターンの選択比率は、それぞれA0、A1、A3となっている。変動パターンの種別として非リーチハズレが選択された場合に、逆スベリ演出を行う変動パターンは選択され得ない。スベリ演出を行わないノーマルリーチハズレ、逆スベリ演出を行うノーマルリーチハズレ、両スベリ演出を行うノーマルリーチハズレの変動パターンの選択比率は、それぞれB0、B2、B3となっている。変動パターンの種別としてノーマルリーチハズレが選択された場合に、順スベリ演出を行う変動パターンは選択され得ない。
スベリ演出を行わないスーパーリーチハズレ、順スベリ演出を行うスーパーリーチハズレ、逆スベリ演出を行うスーパーリーチハズレ、両スベリ演出を行うスーパーリーチハズレの変動パターンの選択比率は、それぞれC0、C1、C2、C3となっている。スベリ演出を行わない疑似連ハズレ、順スベリ演出を行う疑似連ハズレ、逆スベリ演出を行う疑似連ハズレ、両スベリ演出を行う疑似連ハズレの変動パターンの選択比率は、それぞれD0、D1、D2、D3となっている。
また、スベリ演出を行わないノーマルリーチ当たり、逆スベリ演出を行うノーマルリーチ当たり、両スベリ演出を行うノーマルリーチ当たりの変動パターンの選択比率は、それぞれE0、E2、E3となっている。変動パターンの種別としてノーマルリーチ当たりが選択された場合に、順スベリ演出を行う変動パターンは選択され得ない。スベリ演出を行わないスーパーリーチ当たり、順スベリ演出を行うスーパーリーチ当たり、逆スベリ演出を行うスーパーリーチ当たり、両スベリ演出を行うスーパーリーチ当たりの変動パターンの選択比率は、それぞれF0、F1、F2、F3となっている。スベリ演出を行わない疑似連当たり、順スベリ演出を行う疑似連当たり、逆スベリ演出を行う疑似連当たり、両スベリ演出を行う疑似連当たりの変動パターンの選択比率は、それぞれG0、G1、G2、G3となっている。
そして、各変動パターンの選択比率には、次のような関係がある。まず、(D1+D2+D3)/(A1+A3+D1+D2+D3)>D0/(A0+D0)となる関係があり、何れかのスベリ演出が実行されたもののリーチ表示態様が表示されなかった場合のうちで疑似連の再変動表示が実行される場合の割合は、何れかのスベリ演出も実行されずにリーチ表示態様が表示されなかった場合のうちで疑似連の再変動表示が実行される場合の割合よりも高いものとなっている。
また、D3/(A3+D3)<(D1+D2)/(A1+D1+D2)となる関係があり、両スベリ演出が実行されたもののリーチ表示態様が表示されなかった場合のうちで疑似連の再変動表示が実行される場合の割合は、順スベリ演出が実行されたもののリーチ表示態様が表示されなかった場合のうちで疑似連の再変動表示が実行される場合の割合よりも高いものとなっている。
また、A1+D1+G1>C1+F1となる関係があり、順スベリ演出が実行された場合には、リーチ表示態様が表示されない場合の方がリーチ表示態様が表示される場合よりも多くなっている。もっとも、変動パターンの種別としてノーマルリーチハズレまたはノーマルリーチ当たりが選択された場合には順スベリ演出を行う変動パターンが選択され得ないので、順スベリ演出が実行されてリーチ表示態様が表示された場合には、必ずスーパーリーチに発展するものとなっている。
さらに、B2+C2+E2+F2>D2+G2となる関係があり、逆スベリ演出が実行された場合には、リーチ表示態様が表示される場合の方がリーチ表示態様が表示されない場合よりも多くなっている。もっとも、変動パターンの種別として非リーチハズレが選択された場合には逆スベリ演出を行う変動パターンが選択され得ないので、逆スベリ演出が実行されてもリーチ表示態様が表示されなかった場合には、必ず疑似連の再変動表示が行われるものとなっている。
なお、非リーチハズレ、ノーマルリーチハズレ、スーパーリーチハズレ、疑似連ハズレ、ノーマルリーチ当たり、スーパーリーチ当たり、疑似連当たりの種別が選択される割合は、それぞれA、B、C、D、E、F、Gとなっているが、選択されることのあり得ない非リーチ当たりが選択される割合をH(=0)と仮定する。この場合、H/(A+H)<E/(B+E)<F/(C+F)という関係があり、リーチ表示態様が表示されたときの方が、また、リーチ表示態様が表示された場合もスーパーリーチに発展したときの方が、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる期待度(信頼度)が高いものとなる。
また、E/(B+E)<G/(D+G)という関係があり、疑似連の再変動表示が行われたときには、リーチ表示態様が表示されず、或いはリーチ表示態様が表示されてもスーパーリーチに発展しなかったときよりも、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる期待度が高いものとなる。さらに、同じ疑似連の中でも、再変動表示の回数が多くなるほど確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる期待度が高いものとなり、4回の再変動表示が行われる疑似連4回では、必ず確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる。
ところで、特別図柄表示器10aにおける特別図柄の変動表示と、特別図柄表示器10bにおける特別図柄の変動表示では、変動パターンの種別、種類に違いがなく、その変動表示の結果が同じもの同士を比較すれば、変動パターン種別の選択確率にも違いはない。もっとも、特別図柄表示器10aにおいて特別図柄の変動表示を行う場合は、特別図柄表示器10bの場合よりも、確変昇格大当たりの確率が高く、突然確変大当たりの確率が低くなっている。これを加味すると、特別図柄表示器10a、10bの何れにおいて特別図柄の変動表示を行うかによって、変動パターンの種別、種類の選択に違いが生じてくる。
例えば、特別図柄表示器10a、10bの何れで特別図柄の可変表示を行う場合でも、ハズレの比率は変わらないので、疑似連なし、疑似連1回、疑似連2回、疑似連3回の各々の種別(リーチなしもリーチありも含む)が選択される割合は変わらない。これに対して、特別図柄表示器10aで特別図柄の可変表示を行う場合、特別図柄表示器10bで特別図柄の可変表示を行う場合よりも、突然確変大当たりとなる確率が低いので、疑似連なしが選択される確率が相対的に低い。従って、特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う方が、特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行うときよりも、再変動表示が行われる回数が多くなりやすい。
また、特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示の開始条件は、当該変動表示を行わせることとなる始動入賞よりも先の始動入賞に基づく全ての変動表示が終了していることによって成立する(但し、第1、第2大当たり遊技状態に制御されたときには、その終了によって成立する)。従って、保留記憶が全くない状態で始動入賞した場合には、当該始動入賞によって直ちに特別図柄の変動表示の開始条件が成立することとなる。
これに対して、未だ先の始動入賞に基づく変動表示が終了していないときの始動入賞(特定始動入賞とする)によって保留記憶がされていた場合には、特定始動入賞よりも1つだけ先の始動入賞(先始動入賞とする)に基づく特別図柄の変動表示が終了したときに、特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の開始条件が成立する。このとき、先始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の終了後に、遅滞なく特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることとなる。
前述したとおり、特別図柄表示器10a、10bにおいて特別図柄が変動表示されるときにおいては、可変表示装置9において飾り図柄が変動表示される。特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるものとなるが、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるのではなく、開始条件の成立から一定の遅延時間を経過してから開始されるものとなっている。なお、特別図柄の変動表示は、開始条件が成立してから選択された変動パターンに応じて定められた変動表示時間を経過するまで実行されることとなる。
確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりの発生は、結局のところ最終的に停止される飾り図柄の種類によって決まるが、確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりの信頼度は、どの様な変動パターンで飾り図柄の変動表示が行われるかによって異なっている。疑似連の変動パターンでは、再変動表示の回数が多くなればなるほど信頼度が高くなり、遊技者は、疑似連の発生(再変動表示の実行)を期待することとなる。このため、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、変動パターンが疑似連(疑似連1回、疑似連2回、疑似連3回または疑似連4回)における再変動表示を実行させることを予告する疑似連予告を実行するものとなっている。
疑似連予告は、飾り図柄が仮停止した後に再度変動表示することを予告する演出であり、飾り図柄の変動表示が仮停止する前に実行される先疑似予告と、飾り図柄の変動表示が仮停止したときに実行される後疑似予告とがある。疑似連2回〜4回の場合には、1回目の仮停止だけではなく、各々の回の仮停止の後に飾り図柄が再度変動表示することが疑似連の変動パターンに含まれる変動表示毎に予告される。ここでは、疑似連予告の態様について先に説明し、実行すべき疑似連予告の決定については、その後に説明するものとする。
先疑似予告は、疑似連の変動パターンで飾り図柄が仮停止するよりも前の変動表示中において、装飾ランプ25a〜25cを点灯させたり、役物26を駆動することによって実行される疑似連予告である。先疑似予告には、その実行タイミングが早いものと遅いものとがある。実行タイミングが早い先疑似予告は、例えば、実行開始が飾り図柄の変動表示(或いは仮停止後の変動表示)が開始されるタイミング、或いは仮停止後の変動表示に関しては未だ飾り図柄が仮停止している間のタイミング(飾り図柄が仮停止している間に開始される先疑似予告は、さらに次の仮停止の後に変動表示が実行されることを予告する)で実行開始され、実行タイミングが遅い先疑似予告は、例えば、飾り図柄の(仮停止後の)変動表示が開始されてから一定期間が経過した後に実行開始される。
また、先疑似予告には、装飾ランプ25a〜25cの点灯に加えて役物26を駆動することによって実行されるものと、装飾ランプ25a〜25cを点灯することによってのみ実行されるものと、役物26を駆動することによってのみ実行されるものとがある。これらのそれぞれについて、実行タイミングの早いものと遅いものがあり、先疑似予告が実行される演出手段と実行タイミングの違いに応じて6種類の先疑似予告があることになる。さらに、演出態様の違いに応じて、より多くの種類の先疑似予告があることになる。
さらに、装飾ランプ25a〜25cの点灯によって実行される先疑似予告(役物26の駆動を併用するものを含む)では、疑似連における再変動表示の実行回数(次に実行される再変動表示も含めた実行回数であるが、ここから1回分を減算すればこれまでの再変動表示の実行回数と変わらなくなる)が報知される。この実行回数は、直接的に報知されるものではなく、装飾ランプ25a〜25cのうちで点灯されるものの違いに応じて回数が報知される。例えば、1回目の再変動表示を予告する場合は、装飾ランプ25aの点灯でのみ報知するが、2回目は2つの装飾ランプ25a、25bの点灯で報知し、3回目は2つの装飾ランプ25b、25cの点灯で報知し、4回目は全ての装飾ランプ25a〜25cの点灯で報知する。
もっとも、装飾ランプ25a〜25cの点灯によって実行される先疑似予告において、装飾ランプ25a〜25cのうちで点灯されるものが本来の再変動表示の実行回数とは異なるものとなることがある。本来の再変動表示の回数とは異なる回数となる先疑似予告は、詳細を後述するように、その先疑似予告で予告した再変動表示の後にさらに新たな再変動表示が行われる可能性が高くなることを示すものである。
一方、後疑似予告は、疑似連の変動パターンで飾り図柄が仮停止したときに、このような仮停止の場合以外には出現し得ない特定のキャラクタ(以下、特定キャラクタという)を可変表示装置9に表示することにより、仮停止している全ての図柄が再度変動表示した後に、さらに飾り図柄の仮停止及び変動表示を含む再変動表示が実行されることを予告するものである。4回目の仮停止から全ての図柄が再度変動表示した後に再び飾り図柄が仮停止されるということはないので、後疑似予告は、3回目の仮停止までの間で実行される。
後疑似予告は、飾り図柄の変動表示の過程に含められて実行されるものであるが、主基板31の側で決定するものではなく、疑似連の変動表示パターンに従って表示制御基板80の側で決定するものである。また、後疑似予告で表示される特定キャラクタには特定キャラクタAと特定キャラクタBの2種類があり、後疑似予告では、そのうちの何れかの特定キャラクタが表示される。
また、遊技者としては、飾り図柄の変動表示の結果により最終的には確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることを期待するのであるが、これは、実行されている変動表示のかなり最後の方にならないと分からないので、まずは、その前提としてリーチ表示態様が出現することを期待する。このため、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、飾り図柄の変動表示においてリーチ表示態様が出現することを予告するリーチ予告演出を実行するものともなっている。
リーチ予告演出は、飾り図柄の変動表示においてリーチ表示態様が出現する可能性があることを示す予告である。リーチ表示態様が出現する変動パターンでは、リーチ表示態様が出現する前の変動表示が行われている間にリーチ予告演出が行われ、リーチ表示態様が出現しない変動パターンでは、リーチ表示態様が出現する可能性が残されているうちの変動表示が行われている間にリーチ予告演出が行われる。疑似連の変動パターンでは、飾り図柄の変動開始から1回目の仮停止、仮停止から仮停止、仮停止から最終停止までの各変動表示の間で、それぞれリーチ予告演出が行われることがある。
リーチ予告演出は、リーチ表示態様が出現する可能性を示す予告ではあるが、リーチ表示態様が出現すれば確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることがあるのに対して、リーチ表示態様が出現しなければ確率変動大当たり、確変昇格大当たり及び時短大当たりとなることはない。従って、リーチ予告演出は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる可能性を示す演出であるとも言うことができる。
この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において実行されるリーチ予告演出には、様々な種類の演出があるが、その中には、第1段階から第3段階までのうちの何れかの段階まで演出が段階的に変化するステップアップ演出が含まれる。ステップアップ演出には、第1段階だけを実行して終了するもの(ステップアップ演出1)と、第1段階と第2段階を順に実行して終了するもの(ステップアップ演出2)と、第1段階から第3段階までを順次実行して終了するもの(ステップアップ演出3)とがある。ステップアップ演出3は、当該変動表示でリーチ表示態様が出現する場合にのみ実行される演出である。また、ステップアップ演出以外のリーチ予告演出として、演出Aと演出Bとがある。なお、実行すべきリーチ予告演出の決定については、後述する。
疑似連予告やリーチ予告演出といった飾り図柄の変動表示以外に可変表示装置9において実行される演出も、全て表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。さらに、飾り図柄の変動表示についても、具体的に表示される飾り図柄の種類は、主基板31のCPU56によって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、変動パターンの決定に従うことを条件として、表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。
これらの決定を表示制御基板80の表示制御用CPUが行えるようにするため、始動入賞口14aまたは14bに遊技球が入賞したときに、このときに抽出された大当たり判定用乱数、大当たり種別判定用乱数、及び変動種別判定用乱数の値(さらに、変動パターン判定用乱数の値を含んでいてよい)、並びに遊技球が入賞した始動入賞口の種類を始動入賞毎の識別情報と対応付けた始動入賞コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
また、特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示を開始させるときに、これを開始させた始動入賞の識別情報と、大当たりとするか否か及び大当たり種別と、決定された変動パターンとを示す開始時コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。また、遊技状態が変化したときに、変化した後の遊技状態を示す遊技状態コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
また、特別図柄表示器10aまたは10bに第1特定表示結果、第2特定表示結果または第4特定表示結果が導出されて、第1大当たり遊技状態に制御されたときには、各ラウンドが開始される度に当該ラウンド数を示す大当たりラウンドコマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。各ラウンドが終了したときにも、ラウンドの終了を示すラウンド終了コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
さらに、パチンコ遊技機1の電源を立ち上げたときには、前回の電源遮断時のデータがクリアされずにRAM55に記憶されていれば該電源遮断時の状態(始動入賞口14a、14bの保留記憶がある場合もあり)から、RAM55がクリアされていれば初期状態(始動入賞口14a、14bの何れの保留記憶の数も0)から、遊技の進行を開始させることとなるが、このときに、始動入賞口14a、14bの保留記憶に関する情報と遊技状態を示す情報とを含む起動時コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
表示制御基板80の表示制御用CPUは、この起動時コマンドで示される保留記憶に関する情報が示す始動入賞口14a、14bの保留記憶の数に対して、始動入賞コマンドを受信したときに保留記憶の数を増加カウントし、開始時コマンドを受信したときに保留記憶の数を減算カウントすることで、始動入賞口14a、14bの保留記憶の数をリアルタイムで把握できるものとなっている。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機において、表示制御基板80の表示制御用CPUにより実行される演出の制御について説明する。表示制御基板80の表示制御用CPUは、開始時コマンドを受信すると、次に説明するように飾り図柄の種類を選択し、開始時コマンドが示す変動パターンで飾り図柄を可変表示装置9において変動表示させた後、選択した種類の飾り図柄を可変表示装置9に表示して、変動表示の結果を示すものとしている。
まず、停止すべき飾り図柄の選択について説明する。前述したように、飾り図柄の変動表示において具体的に表示される飾り図柄の種類は、主基板31のCPU56によって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、変動パターンの決定に従うことを条件として、表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。例えば、確率変動大当たりが決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「1」または「7」の同じ図柄となり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりが決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「1」または「7」以外の同じ図柄となる。
確変昇格大当たりまたは時短大当たりでは、最終的に停止される図柄を「1」または「7」以外の同じ図柄としなければならないため、その前提で表示されるリーチ表示態様も「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様となる。スーパーリーチにおいて再抽選はあっても、そこでの降格はできないため、最終的に停止される図柄を「1」または「7」以外の同じ図柄とするには、リーチ表示態様も「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様としなければならないからである。
確率変動大当たりでは、最終的に停止される図柄を「1」または「7」の同じ図柄としなければならないので、再抽選のないノーマルリーチの変動パターンで確率変動大当たり図柄を表示させるためには、その前提で表示されるリーチ表示態様も「1」または「7」の同じ図柄が2つ停止した態様としなければならない。一方、再抽選のあるスーパーリーチでは、「1」または「7」以外の同じ図柄を一旦揃えてから、「1」または「7」の同じ図柄を揃えた態様に変更することができるため、リーチ表示態様は「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様とすることができる。
ノーマルリーチハズレ及びスーパーリーチハズレ(疑似連で最終仮停止後がノーマルリーチハズレ及びスーパーリーチハズレとなる場合を含む)では、最終的に停止される飾り図柄は、左と右については同じ図柄が選択される(何れかを均等に選択するものとしても、「1」と「7」などの特定の図柄の選択比率を変えるものとしてもよい)が、中については、選択された変動パターンにおけるすべりコマ数に従って、これと異なる図柄が選択される。非リーチハズレ及び突然確変大当たりでは、左、中、右について互いに異なる図柄が選択される。
また、疑似連の変動パターンの場合には、仮停止の際の飾り図柄も選択されるが、この場合は、左と右の飾り図柄については当該変動パターンにおけるスベリ演出に応じた図柄が、中の飾り図柄については通常の配列には含まれない「☆」の図柄が選択される。
次に、実行すべき疑似連予告(疑似連予告なしを含む)の決定について説明する。図5は、実行すべき疑似連予告を決定するための各種テーブルを示す図である。変動パターンの種別として疑似連が選択されている場合において実行すべき疑似連予告を決定する場合、第1の乱数を抽出し、抽出した第1の乱数に従って図5(a)に示すテーブルを参照して、まず、疑似連予告なし、先疑似予告を実行、後疑似予告を実行、または先疑似予告と後疑似予告の両方を実行の何れかを決定する。
この決定は、飾り図柄の変動表示を開始するときに決定され、例えば、疑似連2回で後疑似予告が決定されたときには飾り図柄が2回仮停止されることとなるが、その何れでも後疑似予告(特定キャラクタの表示)が行われる。また、説明を簡単にするため、ここでは疑似連1回、疑似連2回、疑似連3回、または疑似連4回の何れにおいても、疑似連予告なし、先疑似予告を実行、後疑似予告を実行、または先疑似予告と後疑似予告の両方を実行の選択確率は同じであるものとする(但し、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているか否かによっては異なる)が、疑似連1回、疑似連2回、疑似連3回、または疑似連4回において選択確率が異なっていてもよい。
疑似連予告なし、後疑似予告を実行、先疑似予告を実行、両方を実行の何れを選択するかの選択確率は、当該変動表示の変動パターンが何れかのスベリ演出が実行される変動パターンであるか、それとも何れのスベリ演出も実行されない変動パターンであるかに応じて異なっている。また、疑似連予告なし、後疑似予告を実行、先疑似予告を実行、両方を実行の何れを選択するかの選択確率は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているか否かに応じて異なっている。
つまり、当該変動表示の変動パターンが何れのスベリ演出も実行されない変動パターンであるときには、後疑似予告を実行、先疑似予告を実行、両方を実行の何れを選択するかの選択確率は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れも決定されていないときにはそれぞれα1、α2、α3、α4であるが、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているときにはそれぞれβ1、β2、β3、β4となっている。両方を実行の選択確率α4、β4は、疑似連予告なしの選択確率α1、β1、後疑似予告を実行の選択確率α2、β2、先疑似予告を実行の選択確率α3、β3に比べて、かなり低い数値になっている。
一方、当該変動表示の変動パターンが何れかのスベリ演出が実行される変動パターンであるときには、後疑似予告を実行、先疑似予告を実行、両方を実行の何れを選択するかの選択確率は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れも決定されていないときにはそれぞれα1、α2+α4、0、0であるが、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているときにはそれぞれβ1、β2+β4、0、0となっている。つまり、何れかのスベリ演出が実行される場合には、先疑似予告は実行されない。
ここで、何れのスベリ演出も実行されない変動パターンであるときにおいて確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているときの後疑似予告の選択確率β2は、α2よりも僅かに低くなっている。先疑似予告を実行の選択確率β3、両方を実行の選択確率β4は、何れも決定されていないときの選択確率α3、α4よりも高くなっており、特に両方を実行の選択確率β4は、α4よりも大幅に高くなっている。β4は、α4よりも僅かに高いだけである。その分だけ、疑似連予告なしの選択確率β1は、α1よりも大幅に低くなっている。α1≫β1、α2>β2、α3<β3、α4≪β4の大小関係があるが、このことから、β1/α1<β2/α2<β3/α3<β4/α4という関係が生じることとなる。
何れのスベリ演出も実行されない変動パターンである場合、大当たり確率やリーチ確率を考慮して算出したハズレの場合における疑似連予告なし、後疑似予告、先疑似予告、両方を実行の選択確率と、大当たりのうちで確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる確率をL(Yは、9/10または8/10)とした場合、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの場合における疑似連予告なし、後疑似予告、先疑似予告、両方を実行の選択確率とを考慮して算出した場合、疑似連予告の実行なし、後疑似予告が実行、先疑似予告が実行、両方が実行の違いによって、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる信頼度が異なる(後に記載した態様ほど、信頼度が高い)ものとなる。何れかのスベリ演出が実行される変動パターンである場合も、疑似連予告の実行なし、後疑似予告が実行の違いによって、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる信頼度が異なる(後に記載した態様ほど、信頼度が高い)ものとなる。
確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されていることでリーチ表示態様が出現する確率も高くなることから、疑似連予告の実行なし、先疑似予告が実行、後疑似予告が実行、両方が実行の違いによって、リーチ表示態様が出現する信頼度も異なるものとなる。また、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されていると回数の多い疑似連の変動パターンが選択されやすくなることから、疑似連予告の実行なし、先疑似予告が実行、後疑似予告が実行、両方が実行の違いによって、疑似連における再変動表示が継続する信頼度も異なるものとなる。
なお、後疑似予告の実行確率(先疑似予告とともに実行される場合を含む)、すなわち飾り図柄の仮停止時に特定キャラクタが表示される確率は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているか否かに応じて異なっているので、飾り図柄の変動表示において特定キャラクタが表示されずに表示結果がハズレ(ハズレまたは突確大当たり)となる確率に対する特定キャラクタが表示されずに大当たり(確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たり)となる確率の比は、特定キャラクタが表示されてハズレとなる確率に対する特定キャラクタが表示されて大当たりとなる確率の比とは異なるものとなっている。
もっとも、後疑似予告の実行確率を、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているか否かに応じて上記のような割合に定めたことで、飾り図柄の変動表示において特定キャラクタが表示されずリーチ表示態様も出現しない確率に対する特定キャラクタが表示されないがリーチ表示態様が出現する確率の比は、特定キャラクタが表示されるがリーチ表示態様が出現しない確率に対する特定キャラクタが表示されてリーチ表示態様が出現する確率の比とも異なるものともなっている。
さらに、飾り図柄の変動表示においてM回だけ再変動表示が実行されて特定キャラクタが表示されない確率に対するM回だけ再変動表示が実行されて特定キャラクタが表示される確率の比は、N回(N>M)だけ再変動表示が実行されて特定キャラクタが表示されない確率に対するN回だけ再変動表示が実行されて特定キャラクタが表示される確率の比とも異なるものともなっている。
また、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているときに、後疑似予告が実行される(すなわち、特定キャラクタが表示される)場合に先疑似予告も実行される割合は、α4/(α2+α4)となっており、後疑似予告が実行されない(すなわち、特定キャラクタが表示されない)場合に先疑似予告が実行される割合は、α3/(α1+α3)となっている。また、ハズレが決定されているときに、後疑似予告が実行される(すなわち、特定キャラクタが表示される)場合に先疑似予告も実行される割合は、β4/(β2+β4)となっており、後疑似予告が実行されない(すなわち、特定キャラクタが表示されない)場合に先疑似予告が実行される割合は、β3/(β1+β3)となっている。
ここで、α4、β4は、α1、α2、α3、β1、β2、β3に比べてかなり低い数値となっているため、α4/(α2+α4)<α3/(α1+α3)、β4/(β2+β4)<β3/(β1+β3)という関係が生じるものとなる。つまり、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなるか否かに関わらず、特定キャラクタが表示されることとなる場合において先疑似予告も実行される割合は、特定キャラクタが表示されない場合において先疑似予告が実行される割合よりも低いものとなっている。
後疑似予告を実行、先疑似予告を実行、両方を実行の何れかが決定された場合に、実行すべき疑似連予告(先疑似予告および/または後疑似予告)の態様は、飾り図柄の変動表示が開始してから1回目の仮停止まで、仮停止から次の仮停止まで、仮停止から最終停止までの各変動表示を単位として、各単位について変動表示が開始されるときに決定されるものとなっている。
先疑似予告を実行することが決定された場合(後疑似予告とともに実行することが決定された場合を含む)には、第2の乱数を抽出し、抽出した第2の乱数に従って図5(b)に示すテーブルを参照して、先疑似予告の態様を決定するものとしている。先疑似予告の態様の選択確率は、1回目の再変動表示の予告の場合と、2回目または3回目の再変動表示の予告の場合と、4回目の再変動表示の予告の場合とで異なっており、また、その後に再変動表示が実行されるか、それとも再変動表示が実行されることなく表示結果が導出されることになるかによって異なるものとなっている。
先疑似予告を実行することが決定された場合(後疑似予告とともに実行することが決定された場合を含む)には、また、第3の乱数を抽出し、先疑似予告の実行タイミングを決定するものとしている。先疑似予告の実行タイミングを決定するためのテーブルは特に図示しないが、2回目〜4回目の再変動表示についての先疑似予告の実行タイミングの選択確率は、その後に再変動表示が実行されるか、それとも再変動表示が実行されることなく表示結果が導出されることになるかによって異なるものとなっている。例えば、遅い実行タイミングを選択する比率は、その後に再変動表示が実行されるときの方が再度変動表示が実行されない場合に比べれば高くはなっているものの、何れの場合でも早いタイミングを選択する比率の方が遅いタイミングを選択する比率よりは高い。
1回目の再変動表示の予告(特別図柄の変動パターンが疑似連であることが前提なので、再変動表示が実行されない場合の先疑似予告はない)では、実行なし、役物のみ、装飾ランプのみ、役物+装飾ランプの何れかの態様が、それぞれa1、a2、a3、a4の割合で選択される。1回目の再変動表示の予告であるので、装飾ランプのみ、役物+装飾ランプの態様で点灯されるのは、装飾ランプ25a〜25cのうちで装飾ランプ25aのみである。
また、実行なし、すなわち先疑似予告の実行を制限することが選択されるのは、この1回目の再変動表示の予告の場合だけである。疑似連1回の場合に1回目の再変動表示の予告として実行なしが選択された場合には、最終的な結果が導出されるまでに先疑似予告が実行されることが全くなくなるが、疑似連2回〜4回の場合に1回目の再変動表示の予告として実行なしが選択されても、2回目から4回目の再変動表示の予告は行われる。
2回目または3回目の再変動表示の予告では、役物のみ、装飾ランプのみ(±0)、装飾ランプのみ(−1)、装飾ランプのみ(+1)、役物+装飾ランプ(±0)、役物+装飾ランプ(−1)、役物+装飾ランプ(+1)の何れかの態様が選択される。ここで、装飾ランプのみ、役物+装飾ランプにある“±0”、“−1”、“+1”とは、その後に再変動表示が行われると仮定した場合におけるそこまでの再変動表示の実行回数が、実際の実行回数通り、実際の実行回数よりも1少ない、実際の実行回数よりも1多いということを示す。例えば、2回目の再変動表示の予告として装飾ランプ(±0)が選択されたときには、装飾ランプ25a、25bが点灯されるが、装飾ランプ(+1)が選択されたときには、装飾ランプ25a、25cが点灯される。
また、各態様の選択確率は、その後に再変動表示が実行されることなく表示結果が導出される場合には、それぞれb1、b2、b3、b4、b5、b6、b7と、その後に再変動表示が実行される場合には、それぞれc1、c2、c3、c4、c5、c6、c7となっている。各選択確率を示す数値間には、b1>c1(=b1−(b5+b6+b7))、b2=c2、b3=c3、b4=c4、b5<c5、b6<c6、b7<c7となる関係がある。つまり、役物26の駆動のみで先疑似予告が実行されたときには、その後に再変動表示が実行される確率が相対的に低いのに対して、装飾ランプ25a〜25cの点灯と役物26の駆動で先疑似予告が実行されたときには、その後に再変動表示が実行される確率が相対的に高いものとなる。
また、各選択確率を示す数値間には、b2/(b2+b3+b4)>c2/(c2+c3+c4)、b3/(b2+b3+b4)<c3/(c2+c3+c4)、b4/(b2+b3+b4)<c4/(c2+c3+c4)、b5/(b5+b6+b7)>c5/(c5+c6+c7)、b6/(b5+b6+b7)<c6/(c5+c6+c7)、b7/(b5+b6+b7)<c7/(c5+c6+c7)という関係もある。つまり、先疑似予告において実際の変動表示の回数とは異なる回数が装飾ランプ25a〜25cの点灯で報知されたときには、その後に再変動表示が実行される確率が相対的に高いものとなる。
4回目の再変動表示の予告では、役物のみ、装飾ランプのみ(±0)、装飾ランプのみ(−1)、役物+装飾ランプ(±0)、役物+装飾ランプ(−1)の何れかの態様が選択される。装飾ランプのみ(±0)、役物+装飾ランプ(±0)では、装飾ランプ25a〜25cの全てが点灯されるが、装飾ランプのみ(−1)、役物+装飾ランプ(−1)では、実際よりも1回少ない回数を示すように、装飾ランプ25a、25cが点灯される。また、各態様の選択確率は、その後に再変動表示が実行されることなく表示結果が導出される場合には、それぞれd1、d2、d3、d4、d5と、その後に再変動表示が実行される場合には、それぞれe1、e2、e3、e4、e5となっている。
各選択確率を示す数値間には、d1>e1(=d1−(e4+e5))、d2=e2、d3=e3、d4<e4、d5<e5となる関係がある。つまり、役物26の駆動のみで先疑似予告が実行されたときには、その後に再変動表示が実行される確率が相対的に低いのに対して、装飾ランプ25a〜25cの点灯と役物26の駆動で先疑似予告が実行されたときには、その後に再変動表示が実行される確率が相対的に高いものとなる。
また、d2/(d2+d3)>e2/(e2+e3)、d3/(d2+d3)<e3/(e2+e3)、d4/(d4+d5)>e4/(e4+e5)、d5/(d4+d5)<e5/(e4+e5)という関係もあり、先疑似予告において実際の変動表示の回数とは異なる回数が装飾ランプ25a〜25cの点灯で報知されたときには、その後に再変動表示が実行される確率が相対的に高いものとなる。
なお、再変動表示が実行されるということは、疑似連の回数が多くなると言うことであり、それだけリーチ表示態様が出現する確率や、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる確率が高くなるということである。従って、装飾ランプ25a〜25cの点灯のみで先疑似予告が実行されたときには役物26の駆動のみで先疑似予告が実行されたときよりも、装飾ランプ25a〜25cの点灯と役物26の駆動で先疑似予告が実行されたときには装飾ランプ25a〜25cの点灯で先疑似予告が実行されたときよりも、再変動表示が実行される信頼度が高くなるだけではなく、リーチ表示態様が出現する信頼度も、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる信頼度も高くなる。
また、装飾ランプ25a〜25cの点灯で先疑似予告が実行された場合(役物26の駆動でも先疑似予告が実行された場合も含む)において、実際の再変動表示の回数とは異なる態様で装飾ランプ25a〜25cが点灯された場合には、実際の再変動表示の回数に応じた態様で装飾ランプ25a〜25cが点灯されたときよりも、再変動表示が実行される信頼度が高くなるだけではなく、リーチ表示態様が出現する信頼度も、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる信頼度も高くなる。
また、後疑似予告を実行することが決定された場合(先疑似予告とともに実行することが決定された場合を含む)には、第4の乱数を抽出し、抽出した第4の乱数に従って図5(c)に示すテーブルを参照して、後疑似予告の態様(特定キャラクタA、特定キャラクタB)を決定するものとしている。疑似予告の態様の選択確率は、飾り図柄が再度変動表示してからさらに新たな再変動表示が実行されるか、それとも再変動表示が実行されることなく表示結果が導出されることになるかによって異なるものとなっている。
ここで、さらに再変動表示が実行されるときの特定キャラクタBの選択確率g2は、さらに再変動表示が実行されないときの特定キャラクタBの選択確率f2よりも高くなっており、逆に、その分だけさらに再変動表示が実行されるときの特定キャラクタAの選択確率g1が、さらに再変動表示が実行されないときの特定キャラクタAの選択確率f1よりも低くなっている。つまり、飾り図柄が仮停止して特定キャラクタBが表示されたときには特定キャラクタAが表示されたときよりも、さらに再変動表示が実行される信頼度が高いということになる。
なお、再変動表示が実行されるということは、疑似連の回数が多くなると言うことであり、それだけリーチ表示態様が出現する確率や、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる確率が高くなるということである。つまり、飾り図柄が仮停止したときに特定キャラクタBが表示されると、再変動表示が実行される信頼度が高くなるだけではなく、リーチ表示態様が出現する信頼度も、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる信頼度も高くなる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における予告演出として、上記した先疑似予告と同じ態様の予告演出(疑似連予告ではない)が、突然確率大当たりとすることが決定されているときに飾り図柄の変動表示が停止される前において、所定の割合で実行されるものとなっている。つまり、遊技者が先疑似予告によって飾り図柄の再変動表示が実行されるものと考えていたところで、飾り図柄の再変動表示が実行されることなく変動表示の結果が表示されて、第2大当たり遊技状態(遊技者に気づかれないことも多い)を経て確率変動状態に制御されることがあるものとなっている。
なお、突確大当たりの場合に先疑似予告と同じ態様の予告演出が実行される場合の、該予告演出の態様(先疑似予告における1回目の再変動表示の予告と同じ)及び実行タイミングの選択確率は、先疑似予告で1回目の再変動表示の予告をする場合(再変動表示が実行される場合のみ)において態様及び実行タイミングを選択する比率とは異なるものとしている(例えば、実行なし、役物のみ、ランプのみ、役物+ランプの選択確率を、h1、h2、h3、h4とする)。
次に、リーチ予告演出の決定について説明する。図6は、疑似連の変動パターンにおける各変動表示において実行されるリーチ予告演出を決定するためのリーチ予告演出決定テーブルを示す図である。図は、疑似連K回(K=1,2,3,4)のもののL回目(L=1,2,3,4,5)の変動表示のそれぞれについて、飾り図柄が最終停止するまでにリーチ表示態様が出現する場合とリーチ表示態様が出現しない場合の、演出A、演出B、ステップアップ演出1、ステップアップ演出2、ステップアップ演出3のそれぞれの選択確率を示す。
なお、演出Aと演出Bは、先疑似予告が実行される場合、当該先疑似予告が実行されている間において実行される。ステップアップ演出は、飾り図柄が変動表示されている間において実行され、ステップアップ演出3が選択された場合でも、飾り図柄が(仮)停止するまでに第3段階までを実行できるものとなっている(ステップアップ演出1、ステップアップ演出2は、より早く終了する)。
図6から分かるように、リーチ予告演出として演出A、演出B、ステップアップ演出1、ステップアップ演出2、ステップアップ演出3のそれぞれを選択する比率は、疑似連K回のもののL回目の変動表示におけるKとLの違いに応じて、また、飾り図柄が最終停止するまでにリーチ表示態様が出現するか否かによって異なっている。
より詳細な場合について説明すると、演出Bが実行された後に再変動表示が行われる確率は、演出Aが実行された場合に再変動表示が行われる確率よりも高くなるように、リーチ予告演出の選択確率が定められている。例えば、疑似連1回の2回目の変動表示と疑似連2回の2回目の変動表示でリーチ表示態様とならない場合を比べると、bb1/(ba1+bb1)<db1/(da1+db1)となっており、さらに変動表示が実行される疑似連2回の2回目の方が、演出Bが選択される確率が高い。
また、演出Bが実行されてリーチ表示態様が出現する確率は、演出Aが実行されてリーチ表示態様が出現する確率よりも高くなるように、リーチ予告演出の選択確率が定められている。例えば、疑似連1回の2回目の変動表示では、ba2/(ba1+ba2)<bb2/(bb1+bb2)となっている。変動表示の回数が多くなるほど確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなりやすく、リーチ表示態様が出現しなければ確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとはならないことから、演出Bが実行されて確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる確率は、演出Aが実行されて確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる確率よりも高くなるということができる。
また、ステップアップ演出3の選択確率は、疑似連K回の(K+1)回目の変動表示においてリーチ表示態様が出現する場合の他は、0となっている。また、ステップアップ演出1の選択確率は、疑似連K回の(K+1)回目の変動表示では、リーチ表示態様が出現するか否かに関わらず、全て0となっている。つまり、ステップアップ演出が第1段階だけで終了してしまった変動表示では、リーチ表示態様が出現することはない(但し、さらに後の変動表示でリーチ表示態様が出現することはある)代わりに、飾り図柄が仮停止した後に再度変動表示が実行されることとなる。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において遊技の進行のために行われる処理について説明する。まず、電源起動時の処理について説明する。リセットスイッチ93をON状態とした状態でメインスイッチ94をON状態としてパチンコ遊技機1を起動すると、RAM55の格納領域のうち使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する。そして、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。
一方、リセットスイッチ93をOFF状態でメインスイッチ94をON状態としてパチンコ遊技機1を起動した場合は、RAM55のデータが壊れているかどうかを診断し、RAM55のデータが壊れていなかった場合、すなわち前回のパチンコ遊技機1の電源をOFFしたときのデータが正常なままで残っている場合には、RAM55に記憶されているデータはそのままとして、前回にパチンコ遊技機1の電源をOFFしたときの状態から、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。
パチンコ遊技機1において遊技を進行させるための処理は、2ms毎に実行されるタイマ割り込みに従って実行される。なお、打球操作ハンドル5の操作に基づく遊技領域7への遊技球の発射だけは、2ms毎のタイマ割り込み処理とは独立して行われるものとなっている。
図7は、CPU56が実行するメイン処理にて2ms毎に実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS21)を行った後、ステップS22〜S36の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63、クリアスイッチ65、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定するスイッチ処理を行う(ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当たり判定用の乱数、大当たり種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS24)及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS25)。
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器10a、10b、可変表示装置9、特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定され、可変表示装置9等において各種演出を行うためのコマンドを表示制御基板80に送出する特別図柄コマンド制御処理を行う(ステップS28)。また、普通図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定された普通図柄に関するコマンドを送出する普通図柄コマンド制御処理を行う(ステップS29)。
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当たり情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63等の何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。記憶処理においては、始動口スイッチ62a、62bの検出信号に基づいて大当たり判定用乱数等の各種乱数を抽出し、抽出した乱数の値を始動口スイッチ62a、62bの別に保留記憶させる。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行う(ステップS34)。可変入賞装置15、特別可変入賞装置20、を開放状態または閉鎖状態としたり、大入賞口21内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS35)、割込許可状態に設定する(ステップS36)。
次に、ステップS26の特別図柄プロセス処理について説明する。特別図柄プロセス処理では、CPU56は、まず、遊技盤6に設けられている始動入賞口14a、14bに遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ62がオンしているかどうか、すなわち遊技球が始動入賞口14a、14bに入賞する始動入賞が発生しているかどうかを判定し、始動入賞が発生していたら始動口スイッチ通過処理を行う。始動口スイッチ通過処理では、大当たり判定用乱数大当たり、種別判定用乱数、変動種別判定用乱数、及び変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した乱数の値と遊技球が入賞した始動入賞口の種類を始動入賞毎の識別情報と対応付けた開始時コマンドを表示制御基板80へと送信する。
その後、特別図柄プロセスフラグの状態に応じて、次に説明する特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、演出設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理、大当たり終了処理の何れかの処理を行う。
特別図柄通常処理:特別図柄の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の変動表示の結果、大当たり判定用乱数の値に基づいて大当たりとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定し、大当たりとする場合には、大当たり種別判定用乱数の値に基づいて大当たりの種別も決定する。始動入賞口14a、14bの何れについても保留記憶カウンタの値が0でないときには、始動入賞口14bの保留記憶から優先して大当たり等の決定が行われる。
変動パターン設定処理:特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動パターン種別を、始動入賞時に抽出した変動種別判定用乱数の値と保留記憶の数とに応じて選択する。そして、選択した変動パターンの種別と始動入賞発生時に抽出した変動パターン判定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。決定された変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間を特別図柄プロセスタイマ(ダウンタイマにより構成される)にセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、特別図柄表示器10aまたは10bに特別図柄の変動表示開始を指示する信号を出力するとともに、大当たりとするか否か及び大当たり種別を示すとともに選択した変動パターンを示す開始時コマンドとを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。
特別図柄変動処理:変動パターン設定処理で選択された変動パターンに応じて変動時間のセットされた特別図柄プロセスタイマの計時時間を監視し、当該変動時間が経過して特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、次に特別図柄停止処理に移行させるよう制御を行う。
特別図柄停止処理:特別図柄表示器10a、10bにて変動表示する特別図柄の変動表示を停止するとともに、特別図柄の停止を示す信号を特別図柄表示器10a、10bに出力される状態に設定するとともに、図柄の停止を示す図柄停止コマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
大入賞口開放前処理:大当たり後に最初にこの処理が行われるときには大入賞口21のラウンド数を設定した後、大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド72を駆動して大入賞口21を開放状態として特別可変入賞装置20を開放状態とする。また、大入賞口21の開放されたラウンド数をカウントすると共に、開放タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定する。
大入賞口開放中処理:第1大当たり遊技状態中および第2大当たり遊技状態中のラウンド表示のためのラウンドコマンド及びラウンド終了コマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する処理や、大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。
大当たり終了処理:第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態が終了して遊技状態が変化したことを示す遊技状態コマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
一方、表示制御基板80などのサブ側の各種基板においては、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて可変表示装置9において飾り図柄の変動表示を実行したり、或いは疑似連予告やリーチ予告演出などの各種演出を実行したり、第1大当たり遊技状態に制御されているときに大当たりラウンド演出を実行する処理を行う。図8は、表示制御基板80の表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
このメイン処理では、まず、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに含まれるRAMのうちで必要な領域を初期化する初期化処理を行う(ステップS701)。次に、所定時間(例えば、2ms)毎に実行されるタイマ割り込み処理によってセットされるタイマ割り込みフラグの状態が1となっているかどうかを判定し(ステップS702)、タイマ割り込みフラグの状態が1となるまでステップS702の処理を繰り返して行う。
タイマ割り込みフラグの状態が1となっている後、まず、このタイマ割り込みフラグを0にクリアし(ステップS703)、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドを受信したかどうかをチェックし、コマンドを受信している場合には、その内容を解析するコマンド解析処理を実行する(ステップS704)。
次に、コマンド解析処理におけるコマンドの解析結果に基づいて、可変表示装置9において飾り図柄を変動表示させたり、大当たりラウンド演出を実行させたりする演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。また、コマンドの解析結果に基づいて、疑似連予告やリーチ予告演出などの各種演出を実行させる予告制御プロセス処理を実行する(ステップS706)。さらに、予告態様判定用乱数などの乱数を更新する乱数更新処理を実行して(ステップS707)、ステップS702の処理に戻る。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1におけるスベリ演出を含む飾り図柄の変動表示の実行を、具体的な例に基づいて説明する。図9〜図12は、スベリ演出を含む飾り図柄の変動表示の具体的な実行例を示す図である。
まず、図9を参照して、順スベリ演出を行うものとした疑似連当たりの変動パターンが選択された場合の例を説明する。まず、図9(a)に示すように、変動表示の開始条件が成立すると、左、中、右の飾り図柄表示領域9a〜9cにて飾り図柄の変動表示が開始される。その後一定期間が経過すると、図9(b)に示すように、左の飾り図柄表示領域9aに飾り図柄(ここでは「7」)が停止され、さらに一定期間が経過すると、図9(c)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cにも飾り図柄(ここでは「7」の1つ前の「6」)が一旦停止される。
この状態が一定期間維持された後に、図9(d)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止された飾り図柄がゆっくりと上から下に移動開始して順スベリ演出が開始される。もっとも、疑似連の変動パターンにおける変動表示であるので、図9(e)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cの飾り図柄はリーチ表示態様を表示させる図柄(ここでは「7」)まで移動されることはなく、先に一旦停止された飾り図柄(ここでは「6」)まで戻って停止されるものとなる。少なくともこの間まで、中の飾り図柄表示領域9bにおける飾り図柄の変動表示は継続して行われている。
その後、図9(f)に示すように、中の飾り図柄表示領域9bに本来の図柄配列に含まれない「☆」が停止される。そこから一定期間が経過すると、図9(g)に示すように、左、中、右の飾り図柄表示領域9a〜9cの全てで飾り図柄の変動表示が再開される。その後、左の飾り図柄表示領域9a、右の飾り図柄表示領域9c、中の飾り図柄表示領域9bの順で飾り図柄の変動表示が停止され、図9(h)に示すように、左、中、右の飾り図柄表示領域9a〜9cの何れにも同じ種類の飾り図柄(ここでは「7」)が停止されて、大当たりとなる。
次に、図10を参照して、順スベリ演出を行うものとしたスーパーリーチ当たりの変動パターンが選択された場合の例を説明する。図10(a)〜図10(d)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止された飾り図柄がゆっくりと上から下に移動開始して順スベリ演出が開始されるまでは、図9(a)〜(d)に示した例と同じ態様で飾り図柄が変動表示される。
ここでは、スーパーリーチの変動パターンにおける変動表示であるので、図10(e)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cの飾り図柄は一旦停止された図柄の次の図柄(ここでは「7」)まで移動され、リーチ表示態様が表示される。順スベリ演出が実行されてリーチ表示態様が表示されるのは、スーパーリーチの変動パターンである場合だけであるので、その後一定期間が経過すると、図10(f)に示すように、スーパーリーチにおけるリーチ演出表示に発展する。このとき、可変表示装置9の演出表示領域9b’においてリーチ演出表示を遊技者に大きく見せるため、左の飾り図柄表示領域9aは左上に縮小移動されて飾り図柄表示領域9a’となり、右の飾り図柄表示領域9cは右上に縮小移動されて飾り図柄表示領域9c’となり、ここにリーチ表示態様が表示される。
その後、スーパーリーチにおけるリーチ演出表示を実行し、図10(g)に示すように、演出表示領域9b’にリーチ演出表示の演出結果が表示され、大当たりとなることが遊技者に示される。そして、図10(h)に示すように、左、中、右の飾り図柄表示領域9a〜9cがそれぞれ元に戻り、その何れにも同じ種類の飾り図柄(ここでは「7」)が停止されて、大当たりとなる。
次に、図11を参照して、逆スベリ演出を行うものとしたリーチ変動パターン、或いは、逆スベリ演出を行うものとした疑似連の変動パターンが選択された場合の例を説明する。図11(a)、(b)に示すように、左の飾り図柄表示領域9aに飾り図柄が停止されるまでは、図9(a)、(b)に示した例と同じ態様で飾り図柄が変動表示される。さらに一定期間が経過すると、図11(c)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cにも飾り図柄(ここでは「7」の1つ後の「8」)が一旦停止される。
この状態が一定期間維持された後に、図11(d)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止された飾り図柄がゆっくりと下から上に移動開始して逆スベリ演出が開始される。ここで、逆スベリ演出を行うものとしたリーチ変動パターンであった場合には、図11(e)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cの飾り図柄は一旦停止された図柄の前の図柄(ここでは「7」)まで移動され、リーチ表示態様が表示される。
一方、逆スベリ演出を行うものとした疑似連の変動パターンであった場合には、図11(e’)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cの飾り図柄はリーチ表示態様を表示させる図柄(ここでは「7」)まで移動されることはなく、先に一旦停止された飾り図柄(ここでは「8」)まで戻って停止されるものとなる。逆スベリ演出が実行されてリーチ表示態様が表示されないのは、疑似連の変動パターンである場合だけであるので、その後一定期間が経過すると、図11(f’)に示すように、中の飾り図柄表示領域9bに本来の図柄配列に含まれない「☆」が停止され、さらに、図11(g’)に示すように、左、中、右の飾り図柄表示領域9a〜9cの全てで飾り図柄の変動表示が再開される。
次に、図12を参照して、両スベリ演出を行うものとした変動パターンが選択された場合の例を説明する。まず、変動表示の開始条件が成立すると、左、中、右の飾り図柄表示領域9a〜9cにて飾り図柄の変動表示が開始される。その後一定期間が経過すると、図12(b)に示すように、左の飾り図柄表示領域9aに飾り図柄(ここでは「8」)が停止され、さらに一定期間が経過すると、図12(c)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cにも飾り図柄(ここでは「7」の2つ前の「6」)が一旦停止される。
この状態が一定期間維持された後に、図12(d)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止された飾り図柄がゆっくりと上から下に移動開始するとともに、左の飾り図柄表示領域9aに一旦停止された飾り図柄もゆっくりと下から上に移動開始して両スベリ演出が開始される。リーチ変動パターンであった場合には、図12(e)に示すように、右の飾り図柄表示領域9cの飾り図柄は一旦停止された図柄の次の図柄(ここでは「7」)まで移動されるとともに、左の飾り図柄表示領域9aの飾り図柄は一旦停止された図柄の前の図柄(ここでは「7」)まで移動されて、リーチ表示態様が表示される。
一方、リーチ変動パターンでなかった(即ち、非リーチハズレか疑似連の変動パターンであった)場合には、図12(e’)に示すように、左の飾り図柄表示領域9aの飾り図柄も右の飾り図柄表示領域9cの飾り図柄もリーチ表示態様を表示させる図柄(ここでは「7」)まで移動されることはなく、先に一旦停止された飾り図柄(それぞれ「8」、「6」)まで戻って停止されるものとなる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、大当たり抽選に当選し、大当たりの種別として確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとすることが決定されると、大入賞口21を比較的長い期間に亘って開放状態とする第1大当たり遊技状態に遊技状態が制御されるものとなっている。このような確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとすることが決定されているときには、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示の表示結果として、左、中、右の何れの飾り図柄表示領域9a〜9cにも同じ種類の飾り図柄が停止されることとなる。
ここで、飾り図柄表示領域9a〜9cの全てにおいて一斉に飾り図柄の変動表示が停止されるものではなく、左の飾り図柄表示領域9a、右の飾り図柄表示領域9c、中の飾り図柄表示領域9bの順番で飾り図柄の変動表示が停止されることとなる。左と右の飾り図柄表示領域9a、9cまで飾り図柄の変動表示が停止された段階で同じ種類の飾り図柄が揃わず、リーチ表示態様が表示されていなければ、中の飾り図柄表示領域9bに如何なる種類の飾り図柄が停止されようとも確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとはならない。
もっとも、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示パターンには、疑似連の変動パターンも含まれており、これが選択された場合は、左、中、右の何れの飾り図柄表示領域9a〜9cに一旦停止された飾り図柄の種類が全て同じとならなくても、左、中、右の何れの飾り図柄表示領域9a〜9cの全てにおいて飾り図柄の変動表示が再度行われることとなる。飾り図柄が再度変動表示された後に、左、中、右の何れの飾り図柄表示領域9a〜9cに同じ種類の飾り図柄が停止されて、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることもある。また、疑似連の変動パターンで飾り図柄の再変動表示が実行された場合には、非リーチの変動パターンや、さらにはノーマルリーチの変動パターンに比べても、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる期待度が高くなる。
また、上記パチンコ遊技機1では、非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、疑似連の何れの種別でも、中の飾り図柄表示領域9bで未だ飾り図柄が変動表示されている間に右の飾り図柄表示領域9cにおいて(或いは、さらに左の飾り図柄表示領域9aにおいて)、一旦停止された図柄を再度変動表示させるスベリ演出が実行される変動パターンを含んでいる。スベリ演出が実行された結果としてリーチ表示態様が表示されれば、さらに中の飾り図柄表示領域9bにもリーチ表示態様を構成する飾り図柄と同じ種類の飾り図柄が停止されて、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることがある。
しかし、スベリ演出が実行されてもリーチ表示態様が表示されないこともあり、この場合には、中の飾り図柄表示領域9bに如何なる種類の飾り図柄が停止されようとも、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることはない。もっとも、何れかのスベリ演出が実行されたもののリーチ表示態様が表示されなかった場合のうちで疑似連の再変動表示が実行される場合の割合は、何れかのスベリ演出も実行されずにリーチ表示態様が表示されなかった場合のうちで疑似連の再変動表示が実行される場合の割合よりも高いものとなっている。
これにより、右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止された飾り図柄(或いは、さらに左の飾り図柄表示領域9aに一旦停止された飾り図柄)に対してスベリ演出が実行された場合に、そのスベリ演出が実行された結果として、まずリーチ表示態様が表示されることを遊技者に期待させることができるとともに、スベリ演出が実行された結果としてリーチ表示態様が表示されなかったときでも、疑似連の再変動表示が実行されることを遊技者に期待させることができる。さらに、少なくともスベリ演出が実行されたことを以て、そのスベリ演出の実行前後でリーチ表示態様が表示されるか否かに関わらずに遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1におけるスベリ演出には、左の飾り図柄表示領域9aに停止された飾り図柄の1つ前の飾り図柄を右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させ、その状態を一定期間維持した後に右の飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄をゆっくりと上から下方向に移動開始させる順スベリ演出と、左の飾り図柄表示領域9aに停止された飾り図柄の1つ後の飾り図柄を右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させ、その状態を一定期間維持した後に右の飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄をゆっくりと下から上方向に移動開始させる逆スベリ演出とが含まれている。
ここで、順スベリ演出は、リーチ表示態様が表示されない場合の方がリーチ表示態様が表示される場合よりも多くなるスベリ演出であるのに対して、逆スベリ演出は、リーチ表示態様が表示される場合の方がリーチ表示態様が表示されない場合よりも多くなるスベリ演出である。つまり、順スベリ演出と逆スベリ演出とでは、リーチ表示態様が表示されることと、疑似連の再変動表示が実行されることの期待度が異なるものとなる。これにより、単に右の飾り図柄表示領域9cに停止された飾り図柄に対してスベリ演出が実行されるか否かだけではなく、実行されるスベリ演出の種類にも遊技者を注目させることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、逆スベリ演出は、これが実行された場合にリーチ表示態様が表示されることが多くなるスベリ演出であるが、非リーチハズレの種別では逆スベリ演出が行われる変動パターンが含まれないので、逆スベリ演出が実行されてリーチ表示態様が表示されなかったときには、必ず疑似連の再変動表示が実行されるものとなる。これにより、遊技者に意外性を与えることができるとともに、逆スベリ演出が実行されてリーチ表示態様が表示されなかった場合にプレミア性を付加することができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
一方、順スベリ演出は、これが実行された場合にリーチ表示態様が表示されることが少なくなるスベリ演出であるが、ノーマルリーチハズレ及びノーマルリーチ当たりの種別では順スベリ演出が行われる変動パターンが含まれないので、順スベリ演出が実行されてリーチ表示態様が表示されたときには、必ずスーパーリーチに発展することとなる。これにより、遊技者に意外性を与えることができるとともに、順スベリ演出が実行されてリーチ表示態様が表示された場合にプレミア性を付加することができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1におけるスベリ演出には、順スベリ演出と逆スベリ演出の他に、左の飾り図柄表示領域9aに停止された飾り図柄の2つ前の飾り図柄を右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させ、その状態を一定期間維持した後に右の飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄をゆっくりと上から下方向に移動開始させるとともに、左の飾り図柄表示領域9aにおいて飾り図柄をゆっくりと下から上方向に移動開始させる両スベリ演出も含まれている。
つまり、右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止された飾り図柄を、停止状態を一定期間維持した後にゆっくりと上から下方向に移動させるスベリ演出が実行される場合、この右の飾り図柄表示領域9cだけでスベリ演出が実行される場合と、右の飾り図柄表示領域9cに加えて左の飾り図柄表示領域9aにおいても同時にスベリ演出が実行される場合とがある。
ここで、両スベリ演出が実行されたもののリーチ表示態様が表示されなかった場合のうちで疑似連の再変動表示が実行される場合の割合は、順スベリ演出が実行されたもののリーチ表示態様が表示されなかった場合のうちで疑似連の再変動表示が実行される場合の割合よりも高いものとなっている。これにより、右の飾り図柄表示領域9cだけでスベリ演出が実行されるか、さらに左の飾り図柄表示領域9aでもスベリ演出が実行されるかにも遊技者を注目させることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における特別図柄及び飾り図柄(特に飾り図柄)の変動パターンには、1回分の特別図柄の変動表示(すなわち、1回の始動入賞)に対して、飾り図柄表示領域9a〜9cの全てにおいて飾り図柄の変動表示を仮停止させた後に、全ての飾り図柄を再度変動表示させる再変動表示を1回または複数回実行する疑似連の変動パターンが含まれている。疑似連には、再変動表示の回数に応じて、疑似連1回、疑似連2回、疑似連3回及び疑似連4回の変動パターンがある。
特別図柄及び飾り図柄の変動表示の結果がハズレとなるときも、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなるときも、変動パターンの種別として疑似連が選択され得るが、疑似連における再変動表示の回数が多いものほど、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなるときに選択されやすいものとなっている。さらに、疑似連4回の変動パターンは、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなるときにしか選択されない。
また、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなるときには、その前提として必ずリーチ表示態様が出現することになるため、疑似連における再変動表示の回数が多いものほど、リーチ表示態様が出現するときに選択されやすいものとなっている。疑似連の回数が多いものほど、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなるときに選択されやすいので、実行された再変動表示の回数が多くなるにつれて、遊技者の期待感も高まるものとなる。
特に疑似連4回は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることが決定されているときにしか選択されない。つまり、4回目の再変動表示(5回目の変動表示)が行われたなら、その時点で確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることが確定的に分かるので、このため、疑似連における再変動表示の回数が積み上がって4回目の再変動表示に近づけば近づくほど、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる期待感が高まることとなる。これにより、一連の変動表示の過程全体での遊技者の注目度が殊更に高まり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、変動パターンの種別として疑似連が選択されたときにおいて、当該変動パターンの中で全ての飾り図柄を仮停止した後に全ての飾り図柄を再度変動表示させる再変動表示を実行させることを報知する疑似連予告が行われる場合がある。疑似連予告が実行されることにより、遊技者は、飾り図柄の変動表示の過程で再変動表示が行われることを期待できるようになり、また、再変動表示が行われることを期待できることでリーチ表示態様が出現することも、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることを期待できるようになる。
また、疑似連予告には、疑似連の変動パターンで飾り図柄が仮停止するよりも前の変動表示中において、装飾ランプ25a〜25cを点灯させたり、役物26を駆動することによって実行される先疑似予告と、疑似連の変動パターンで飾り図柄が仮停止したときに特定キャラクタを表示することにより、仮停止している全ての図柄が再度変動表示した後に、さらに飾り図柄の仮停止及び変動表示を含む再変動表示が実行されることを予告する後疑似予告とがある。
変動パターンの種別として疑似連が選択されたときに実行すべき疑似連予告について、飾り図柄の最初の変動表示を開始するときにおいて、疑似連予告なし、先疑似予告を実行、後疑似予告を実行、または先疑似予告と後疑似予告の両方を実行の何れかを決定するものとしている。ここで、疑似連予告なし、後疑似予告を実行、先疑似予告を実行、両方を実行の何れを選択するかの選択確率は、当該変動表示の変動パターンが何れかのスベリ演出が実行される変動パターンであるか、それとも何れのスベリ演出も実行されない変動パターンであるかに応じて異なっており、前者の場合における。先疑似予告を実行、両方を実行の選択確率は、何れも0となっている。つまり、何れかのスベリ演出が実行される場合には先疑似予告が実行され得ないものとなっている。
上記したようにスベリ演出の実行からリーチ表示態様が表示されなかったことで疑似連の再変動表示が実行されることを遊技者に期待させることができるが、この場合には先疑似予告が実行されないことになっているため、スベリ演出の実行からリーチ表示態様が表示されないことにより生ずる興趣を先疑似予告の実行で減退させてしまうのを防ぐことができる。また、先疑似予告が実行されなかったときでも再変動表示が実行されることがあるので、遊技者に意外性を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、当該変動表示の変動パターンが何れのスベリ演出も実行されない変動パターンである場合には、先疑似予告を実行、両方を実行も選択され得るが、疑似連予告なし、後疑似予告を実行、先疑似予告を実行、両方を実行の何れを選択するかの選択確率は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているか否かに応じて異なるものとなっている。
このため、飾り図柄が仮停止するよりも前に先疑似予告が行われるか、飾り図柄が仮停止したときに後疑似予告が行われる(特定キャラクタが表示される)か、或いは先疑似予告と後疑似予告の両方が行われるか、さらには先疑似予告と後疑似予告の何れも行われないかに応じて、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることを期待できるものとなり、また、これから、リーチ表示態様が出現することも、再変動表示が実行されることも期待できるものとなる。
また、飾り図柄が仮停止するよりも前、飾り図柄が仮停止したときの何れで再変動表示が行われることが予告されるか、或いはその両方で再変動表示が行われることが予告されるか、さらにはその何れでも再変動表示が行われることが予告されないかということに遊技者の関心が向けられることとなり、飾り図柄の一連の変動表示の過程全体に遊技者の注目度を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、疑似連予告なし、先疑似予告を実行、後疑似予告を実行、または先疑似予告と後疑似予告の両方を実行の何れかの決定において、少なくとも後疑似予告を実行すること(後疑似予告を実行と、先疑似予告と後疑似予告の両方を実行)を決定する確率は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているか否かに応じて異なるものとなっている。つまり、仮停止時に特定キャラクタが表示されず大当たりともならない確率に対する特定キャラクタが表示されずに大当たりとなる確率の比と、仮停止時に特定キャラクタが表示されても大当たりとならない確率に対する特定キャラクタが表示されて大当たりとなる確率の比とは異なっている。
これにより、後疑似予告に注目し、飾り図柄が仮停止されたときにおいて特定キャラクタが導出されるか否かに応じて、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることを遊技者に期待させることができるものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることを遊技者に期待させることは、リーチ表示態様が出現することも、再変動表示が実行されることも期待させるものとなる。
また、飾り図柄が仮停止されたときにおいて特定キャラクタが表示されなかったからと言って必ずしも確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとならないというものではなく、飾り図柄が仮停止されたときにおいて特定キャラクタが表示されたからと言って必ずしも確率変動大当たり、可変昇格大当たりまたは時短大当たりになるというものでもない。これにより、飾り図柄が仮停止されたときに特定キャラクタが表示されることで遊技者に一定の期待感を与えるものの、一連の変動表示の過程全体に対する遊技者の注目度を薄れさせるものではなく、遊技の興趣を向上させることができる。
また、後疑似予告が実行される場合に停止され得る特定キャラクタには、特定キャラクタAと特定キャラクタBの2種類があり、その何れを停止させるかの選択比率は、次の仮停止の後に再度変動表示が行われるか否かに応じて異なっている。このため、飾り図柄が仮停止されたときに単に特定キャラクタが表示されるかどうかだけではなく、表示される特定キャラクタの種類にも遊技者を注目させることができる。また、仮停止されたときに表示される特定キャラクタの種類に応じて、再変動表示が実行されることの期待感を遊技者に与えることができ、これによりリーチ表示態様が出現することに対する期待感も、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることに対する期待感も、遊技者に与えることができるようになる。
また、疑似連予告なし、先疑似予告を実行、後疑似予告を実行、または先疑似予告と後疑似予告の両方を実行の何れかの決定において、少なくとも先疑似予告を実行すること(先疑似予告を実行と、先疑似予告と後疑似予告の両方を実行)を決定する確率も、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかが決定されているか否かに応じて異なるものとなっている。これにより、飾り図柄が仮停止される前に先疑似予告が実行されるか否かに応じて、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることを遊技者に期待させることができるものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることを遊技者に期待させることは、リーチ表示態様が出現することも、再変動表示が実行されることも期待させるものとなる。
また、先疑似予告は、装飾ランプ25a〜25cの点灯や役物26の駆動によって行われるものであるが、その実行態様は、疑似連の中で実行される変動表示毎に複数種類の態様のうちから選択されるものとなっている。そして、先疑似予告の態様の選択比率は、さらに再度変動表示が行われるか否かに応じて異なっている。このため、先疑似予告が実行された場合に、その態様にも遊技者を注目させることができる。また、実行された先疑似予告の態様の違いに応じて、再変動表示が実行されることの期待感を遊技者に与えることができ、これによりリーチ表示態様が出現することに対する期待感も、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることに対する期待感も、遊技者に与えることができるようになる。
また、先疑似予告の態様には、装飾ランプ25a〜25cの点灯のみによる態様と、役物26の駆動のみによる態様と、装飾ランプ25a〜25cの点灯と役物26の駆動の複合による態様とが含まれている。先疑似予告の態様の選択比率は、さらに再度変動表示が行われるか否かに応じて異なっているということは、先疑似予告の実行に用いる演出手段(装飾ランプ25a〜25c、役物26)を選択する比率も、さらに再変動表示が行われるか否かに応じて異なっているということである。このため、遊技者は、先疑似予告が実行される演出手段の違いに応じて、再変動表示が実行されることを期待できるようになり、再変動表示が実行されることを期待できることで、リーチ表示態様が出現することも、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることも、期待することができるようになる。
また、先疑似予告の態様のうちで少なくとも装飾ランプ25a〜25cの点灯が行われるものでは、点灯される装飾ランプ25a〜25cの種類によって、再変動表示の回数が遊技者に報知されるものとなる。もっとも、装飾ランプ25a〜25cの点灯によって報知される再変動表示の回数が実際の回数とは異なるものとなる態様もあるが、実際の回数とは異なるものとなる態様の選択比率は、さらに再変動表示が行われるか否かに応じて異なっている。このため、遊技者は、装飾ランプ25a〜25cの点灯で報知された再変動表示の回数が実際の回数と同じか否かに応じて、再変動表示が実行されることを期待できるようになり、再変動表示が実行されることを期待できることで、リーチ表示態様が出現することも、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることも、期待することができるようになる。
また、先疑似予告の態様は、疑似連の中で実行される変動表示毎に複数種類の態様のうちから選択されるものとなっているが、飾り図柄の変動開始から最初の仮停止までの変動表示においては、先疑似予告の態様として実行なしが選択される場合がある。もっとも、最初の仮停止までの変動表示で先疑似予告が行われなくても、疑似連の種別に含まれる変動パターンで飾り図柄が変動表示されているのであれば、飾り図柄が仮停止された後に再度変動表示が行われる再変動表示が行われるものとなる。この場合、後疑似予告のみを実行が選択されているなら、仮停止時に特定キャラクタも表示されない。
このため、先疑似予告が実行されずに(さらに後疑似予告も実行されずに)、疑似連の変動パターンではないと思っていた遊技者に対して、そこから飾り図柄の再変動表示が行われることで意外性を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、最初の仮停止までの先疑似予告が実行されないことがあることから、選択されていた変動パターンが疑似連なしの場合であっても、飾り図柄の変動表示の結果が確定するまで依然として再変動表示が行われることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、選択された変動パターンの種別が疑似連なしであるか疑似連であるかに関わらず、飾り図柄の変動表示が開始された後に初めて(仮)停止がされたときに再度飾り図柄の変動表示がされるかどうかにまで遊技者の関心が向けられることとなり、一連の変動表示の過程全体での遊技者の注目度が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、先疑似予告には、その実行タイミングが早いもの(例えば、飾り図柄の変動表示(或いは仮停止後の変動表示の開始)が開始された直後に開始されるもの)と、その実行タイミングが遅いもの(例えば、飾り図柄の変動表示が開始されてから一定期間が経過した後に開始されるもの)とがある。このため、遊技者が先疑似予告が実行されるかどうかに注目する期間の幅が広くなり、一連の変動表示の過程全体での遊技者の注目度が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、先疑似予告の実行タイミングの選択比率は、さらに再度変動表示が行われるか否かに応じて異なっている。このため、先疑似予告が実行開始されるタイミングにも遊技者を注目させることができる。また、先疑似予告の実行タイミングの違いに応じて、再変動表示が実行されることの期待感を遊技者に与えることができ、これによりリーチ表示態様が出現することに対する期待感も、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることに対する期待感も、遊技者に与えることができるようになる。
また、実行タイミングが遅い先疑似予告の選択比率は、実行タイミングが早い先疑似予告の選択比率よりも低くなっている。これにより、早いタイミングで先疑似予告が行われなかった場合、疑似連における再変動表示が継続することをあまり期待できなくなった遊技者に意外性を与えることができる。しかも、実行タイミングが遅い先疑似予告が選択される比率は、再変動表示が継続するときの方がいくらかでも高い。このため、一旦期待感を喪失しかけていた遊技者に、早いタイミングで先疑似予告を行ったときよりも大きな期待感を与えることができ、その期待感の落差によって遊技の興趣を向上させることができる。
また、始動入賞口14a、14bへの入賞に基づく大当たり抽選に当選したときには、その大当たりの種別を決定する大当たり種別抽選が行われるが、ここで決定され得る大当たりの種別としては、確率変動大当たり、確変昇格大当たり及び時短大当たりの他に、突確大当たりがある。突確大当たりは、遊技者に気づかれないこともあるくらい僅かに大入賞口21を開放するだけで確率変動状態に移行させる遊技状態であるが、このときに選択され得る突然確変の変動パターンは、飾り図柄の変動表示だけを考えると、ハズレのときに選択され得る非リーチハズレの変動パターンと変わりがない。
このように大当たり種別抽選の結果が突確大当たりとなったときにおいて突然確変の変動パターンで飾り図柄が変動表示されているときにおいて、先疑似予告と同じ態様の予告演出が実行されることがある。先疑似予告と同じ態様の予告演出であれば、遊技者は、これを先疑似予告と考えるのが普通であり、飾り図柄が仮停止した後に再度変動表示が行われるものとなることを期待することになる。もっとも、この予告演出は、先疑似予告と同じ態様と言うだけで先疑似予告ではなく、飾り図柄はそのまま停止して確率変動状態に移行されるものとなる。このように先疑似予告と同じ態様の予告演出で遊技者に再変動表示を期待させながら、再変動表示がされずに確率変動状態に制御されるという意外性を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、大当たり抽選は、始動入賞口14a、14bの入賞に基づいて行われるが、大当たり抽選の当選確率自体は、何れでも変わりがない。一方、大当たり抽選に当選したときの大当たり種別抽選における大当たりの種別の選択割合は、始動入賞口14aの入賞すなわち特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行うか、始動入賞口14bの入賞すなわち特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行うかによって異なっている。特に大当たりの種別として突確大当たりを選択する確率は、特別図柄表示器10aにおいて特別図柄の変動表示を行う場合には1/10であるのに対して、特別図柄表示器10bにおいて特別図柄の変動表示を行う場合には2/10である。
つまり、疑似連の変動パターンを選択し得るハズレと、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たり(この段落において単に「大当たり」)の比率は、特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合と、特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合とで異なっている。これにより、同じ回数の疑似連で飾り図柄が変動表示される場合でも、大当たりとなる確率は、特別図柄表示器10aで特別図柄が変動表示される場合と特別図柄表示器10bで特別図柄が変動表示される場合とで異なっている。
このため、可変表示装置9において実行される飾り図柄の変動表示だけではなく、特別図柄表示器10a、10bの何れで特別図柄の変動表示が行われているか、すなわち始動入賞口14a、14bの何れの入賞に基づいて変動表示が行われているかにまで遊技者の関心を集めることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。また、始動入賞口14a、14bの何れに遊技球が入賞し、特別図柄表示器10a、10bの何れで特別図柄の変動表示が行われるかにまで遊技者を注目させることができるものとなる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において実行される予告演出には、飾り図柄の再変動表示が行われることを予告する疑似連予告の他に、飾り図柄の変動表示が終了するまでにリーチ表示態様が出現することを予告するリーチ予告演出がある。疑似連の変動パターンでは、リーチ予告演出のうちで演出Aと演出Bは、その変動表示毎に先疑似予告が実行される期間(実際には先疑似予告が実行されていないこともある)において実行されることとなっている。
ここで、リーチ予告演出には、演出A、演出B、ステップアップ演出1、ステップアップ演出2、ステップアップ演出3という種類のものがあるが、疑似連で飾り図柄の変動表示が行われる際におけるリーチ予告演出の選択比率は、疑似連K回のもののL回目の変動表示におけるKとLの違いに応じて異なるだけでなく、飾り図柄が最終停止するまでにリーチ表示態様が出現するか否かに応じて異なっている。このため、遊技者は、先疑似予告が行われている間においてリーチ予告演出として実行される演出の種類に応じてリーチ表示態様が出現するかどうかを期待できるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。また、リーチ予告演出として実行される演出の種類に応じて、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなるか、或いは再変動表示が行われるかも遊技者が期待できるようになる。
さらに、リーチ予告演出に含まれているステップアップ予告演出は、実行される段階が大きくなるほどリーチ表示態様が出現する信頼度(確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる信頼度)が高くなる演出であるが、疑似連において飾り図柄が最後の仮停止から最終停止されるまでの変動表示では、ここでリーチ表示態様が出現するか否かに関わらず、第1段階の実行だけで終了してしまうステップアップ演出1が実行されることはない。
逆から言えば、ステップアップ演出が第1段階だけ実行されて終了してしまったという場合には、リーチ表示態様が出現する信頼度は小さいものの、疑似連における再変動表示が実行されることが確定するということである。これにより、リーチ表示態様が出現する信頼度が小さな第1段階までのステップアップ演出でも、再変動表示が実行されることに対する期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣のいっそうの向上を図ることができるものとなる。
また、疑似連なし、疑似連1回、疑似連2回、疑似連3回、疑似連4回の何れの種別でも最終の変動表示においてリーチ表示態様が出現することがあるが、疑似連についての種別毎にリーチ表示態様が異なる変動パターンの振り分け比率が異なっている。全回転のように特定回数の疑似連でしか振り分けられない変動パターンもある。このように疑似連の回数の振り分けとリーチ表示態様を出現させる変動パターンの振り分けによって、飾り図柄の変動表示による演出が多様なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、リーチ表示態様が出現するまでに実行された再変動表示の回数と出現したリーチ表示態様の種類に応じて遊技者に期待感を与えることができるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、変動パターンの決定までは主基板31のCPU56が行っているが、始動入賞時に始動入賞コマンドを、変動表示の開始時に開始時コマンドを表示制御基板80に送信することで、疑似連予告やリーチ予告演出の選択を表示制御基板80の表示制御用CPUが行い得るものとしている。これにより、主基板31のCPU56に必要以上の負荷がかかることがない。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、始動入賞口14aの始動入賞に基づく特別図柄の変動表示は特別図柄表示器10aで、始動入賞口14bの始動入賞に基づく特別図柄の変動表示は特別図柄表示器10bで実行されるものとなっている。始動入賞口14a、14bのそれぞれの入賞に対してRAM55に保留記憶バッファが別々に設けられ、特別図柄保留記憶表示部11a、11bも別々に設けられている。可変入賞装置15が設けられ、いわゆる電チューサポートが行われるのは始動入賞口14bだけであるが、始動入賞口14aの始動入賞による保留記憶と、始動入賞口14bの始動入賞による保留記憶の双方があるときには、始動入賞口14bに対応した保留記憶が優先して特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行わせるものとなっている。
ここで、いわゆる電チューサポートのない始動入賞口14aに遊技球が入賞しても、電チューサポートのある始動入賞口14bに遊技球が入賞しても、遊技状態とが同じであれば、大当たり確率に違いはない。電チューサポートのない始動入賞口14aへの始動入賞に基づいて大当たりしたときには、第1大当たり遊技状態(30秒、15ラウンド)を経て確率変動状態に制御される確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる確率は4/10、第2大当たり遊技状態(0.2〜0.5秒、2ラウンド)を経て確率変動状態に制御される突確大当たりとなる確率は2/10である。
これに対して、電チューサポートのある始動入賞口14bへの始動入賞に基づいて大当たりしたときに第1大当たり遊技状態(30秒、15ラウンド)を経て確率変動状態に制御される確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる確率は5/10であり、第2大当たり遊技状態(0.2〜0.5秒、2ラウンド)を経て確率変動状態に制御される突確大当たりとなる確率は1/10である。時短状態においては、電チューサポートにより始動入賞口14bに入賞しやすくなり、確率変動状態に制御されても第1大当たりに制御されずに遊技球が増えず、遊技者を落胆させてしまうという状態を低減させることができ、遊技者の利益を高めさせることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または突然確変大当たりの発生に基づいて確率変動状態に制御された場合、当該確率変動状態は、次に大当たりが発生するまで無制限で継続されるものとなっていた(但し、次の大当たりが確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または突然確変大当たりであれば、改めて確率変動状態に制御される)。もっとも、確率変動状態において実行される特別図柄の変動表示の回数を無制限とせずに、一定回数までとするものとしてもよい。
1回の確率変動状態において実行される特別図柄の変動表示の最大回数は、確率変動状態における大当たり確率の逆数よりも大きい回数(例えば、100回)とすることもできる。或いは、保留記憶の数程度(例えば、始動入賞口14bについての保留記憶数である4、或いは始動入賞口14a、14bについての保留記憶数の合計である8)とすることもできる。確率変動状態において実行される特別図柄の変動表示の回数を一定回数に限る場合、時短状態に制御する回数も、これに合わせることができる。
上記の実施の形態では、疑似連の変動パターンで全ての飾り図柄を再度変動表示する前に飾り図柄を一旦停止させるときには、中の飾り図柄表示領域9bに本来の図柄配列に含まれない「☆」を停止させるものとしていた。もっとも、全ての飾り図柄を再度変動表示する前に中の飾り図柄表示領域9bに一旦停止させる飾り図柄は、大当たり表示態様とならない本来の図柄配列に含まれる何れかの種類の飾り図柄としてもよい。「☆」のような本来の図柄配列に含まれない飾り図柄を停止させる場合と、本来の図柄配列に含まれる何れかの種類の飾り図柄を停止させる場合の両方があるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、スベリ演出には、右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させれた飾り図柄をゆっくりと上から下方向に移動開始させる順スベリ演出と、右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させれた飾り図柄をゆっくりと下から上方向に移動開始させる逆スベリ演出とがあり、スベリ演出の種類は、飾り図柄の移動方向で区別するのではなく、スベリコマ数で区別されるものとしてもよい。例えば、上記の実施の形態における逆スベリ演出に代えて、左の飾り図柄表示領域9aに停止された飾り図柄の2つ前の飾り図柄を右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させ、その状態を一定期間維持した後に右の飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄をゆっくりと上から下方向に移動開始させ、2コマ分のスベリがあればリーチ表示態様が表示され、1コマ分のスベリしかなければリーチ表示態様が表示されないものとなる2コマスベリ演出を適用してもよい。
また、スベリ演出には、左の飾り図柄表示領域9aに停止された飾り図柄の2つ前の飾り図柄を右の飾り図柄表示領域9cに一旦停止させ、その状態を一定期間維持した後に右の飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄をゆっくりと上から下方向に移動開始させるとともに、左の飾り図柄表示領域9aにおいて飾り図柄をゆっくりと下から上方向に移動開始させる両スベリ演出に変えて、左の飾り図柄表示領域9aにおいてのみ順スベリ演出または逆スベリ演出と同様の態様で行われるスベリ演出を適用してもよい。この場合は、右の飾り図柄表示領域9cでスベリ演出が実行されるか、それとも左の飾り図柄表示領域9aでスベリ演出が実行されるかに遊技者を注目させることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、何れかのスベリ演出が行われる変動パターンが選択された変動表示では、疑似連予告として先疑似予告を実行、先疑似予告と先疑似予告の両方を実行が選択されることはなく、先疑似予告が実行されることは全くなかった。もっとも、何れかのスベリ演出が行われる変動パターンが選択された変動表示において先疑似予告が実行される機会に一定の制限が加えられるのであれば、稀に先疑似予告が実行されることがあってもよい(先疑似予告を実行、両方を実行の選択確率を、0ではないがα3、β3、α4、β4よりも低い確率とする)。
或いは、特定の種類のスベリ演出(例えば、スベリ演出の結果によりリーチ表示態様が表示されやすい逆スベリ演出)が実行される変動パターンである場合には先疑似予告が実行されることがある(先疑似予告を実行、両方を実行の選択確率は0とはしない。β3、β4よりも低い確率としてもよい)が、他の種類のスベリ演出が実行される変動パターンである場合には先疑似予告を実行し得ない(先疑似予告を実行、両方を実行の選択確率は0とする)ものとしてもよい。
さらには、ハズレとなる場合は先疑似予告を実行し得ない(ハズレ時における先疑似予告を実行、両方を実行の選択確率は0とする)ものとするが、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる場合は先疑似予告が実行されることがある(これらの大当たり時におけるものとしてもよい、先疑似予告を実行、両方を実行の選択確率は0とはしない。β3、β4よりも低い確率としてもよい)ものとしてもよい。この場合、先疑似予告とスベリ演出の両方が行われた場合には、その時点で確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または大当たりの確定ということになる。これにより、先疑似予告が実行された場合においても、なおもスベリ演出が実行されるか否かに対して遊技者を注目させることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、飾り図柄の変動パターンは、主基板31のCPU56が、変動種別判定用乱数の値に基づいて種別を決定した後、決定した種別と変動パターン判定用乱数の値に基づいて詳細なパターンとして決定されるものとしていた。決定され得る変動パターンの種別としては、非リーチ(ハズレ)、ノーマルリーチ(ハズレ、当たり)、スーパーリーチ(ハズレ、当たり)、疑似連(ハズレ、当たり)であり、疑似連の再変動表示の回数の違い(疑似連1回、疑似連2回、疑似連3回、疑似連4回の何れであるか)は、具体的な変動パターンの選択で決定されるものとしていた。
もっとも、疑似連1回、疑似連2回、疑似連3回、疑似連4回の変動パターンとなるか否かは、変動種別判定用乱数の値に基づく変動パターンの種別の決定までで確定されるものとしてもよい。また、主基板31のCPU56が決定するのは変動パターンの種別までとし(但し、この場合は、種別毎に変動表示の時間が確定されるものとする)、詳細な変動パターンの決定(ノーマルリーチまたはスーパーリーチの何れとするかや、スベリ演出の種類の決定)は、表示制御基板80の表示制御用CPUが行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、大当たりの種別として確率変動大当たり、確変昇格大当たり、時短大当たり、及び突然確変大当たりの4種類があり、前三者が発生したときには第1大当たり遊技状態に制御されるものとなっていた。これに対して、突然確変大当たりが発生したときには大入賞口20の開放ラウンド数及び1回当たりの開放時間とも少ない第2大当たり遊技状態に制御されるが、その後に確率変動状態に制御されるものとなっていた。
これに対して、第2大当たり遊技状態の終了後に、それ以前と同じ遊技状態に制御されることとなる小当たりを設けるものとしてもよい。小当たりを発生させるか否かは、大当たり抽選とは別に(例えば、大当たり抽選でハズレとなったときに)実行される小当たり抽選の結果により、決定するものとすることができる。小当たりは、あくまでも大当たり抽選の結果としてはハズレであるので、小当たりが決定されたときの変動表示で選択される変動パターンは、ハズレのときに選択される変動パターンと同じになる。
上記の実施の形態では、確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりが発生したときには、第1大当たり遊技状態の終了後に次の大当たりが発生するまで、確率変動状態に制御されるとともに時短状態に制御され、時短大当たりが発生したときには、第1大当たりの終了後に特図ゲームが100回実行されるまで、時短状態に制御されるものとしていた。これに対して、第1、第2大当たり遊技状態以外の遊技状態として、確率変動状態には制御され得るが、時短状態に制御され得ないパチンコ遊技機(時短大当たりの代わりに、確率変動状態に制御されないだけの通常大当たりを設ける)にも、本発明を適用することができる。
上記の実施の形態では、可変表示装置9は、左、中、右の3つの飾り図柄表示領域9a〜9cにおいて飾り図柄を変動表示させるものとしていたが、これに限るものではない。例えば、3×3のマトリクス状に並べられた9つの飾り図柄表示領域の各々で飾り図柄をスクロールさせることにより飾り図柄の変動表示を行うものとしてもよい。ここでは、四隅の飾り図柄表示領域における変動表示が第一段階として停止され(これらの間では停止は同時でも順次でも可)、中央及び四隅を除く飾り図柄表示領域における変動表示が第一段階として停止され(これらの間では停止は同時でも順次でも可)、中央の飾り図柄表示領域9eにおける変動表示が最後に停止されるものとしてもよい。
ここで、可変表示装置9の大当たりラインが縦方向の3ライン、横方向の3ライン、及び対角線の2ラインの合計8ラインが設定されているものとした場合、第一段階で四隅の飾り図柄表示領域の変動表示が停止された時点でリーチ表示態様を表示させることもできる。そこで、この第一段階で停止される飾り図柄に対してスベリ演出を行うものとしてもよい。また、第2段階で中央及び四隅を除く飾り図柄表示領域で変動表示が停止された時点で初めてリーチ表示態様を表示させることもできる。そこで、この第二段階で停止される飾り図柄に対してもスベリ演出を行うものとしてもよい。