以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態に適用されるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の前面には、チャンスボタン16が設けられている。チャンスボタン16は、可変表示装置9などの演出手段において所定の種類の演出が実行されているときに、遊技者がこれを操作し、その操作が所定の操作条件を満たしたか否かにより、演出の結果を変化させることができるボタンである。
打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、回転操作することにより遊技領域7に打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)により構成される可変表示装置9とを備えている。可変表示装置9の周囲を取り巻く円形状の枠の中に、演出手段としての装飾ランプ25a〜25cと、役物26とが設けられている。遊技領域7の可変表示装置9よりも下側には、2つの始動入賞口14a、14bが上下に並べて配置されている。下側にある始動入賞口14bには、開放状態となることで遊技球の入賞を容易にする可変入賞装置15が設けられている。可変入賞装置15が閉鎖状態となっているときには、始動入賞口14bへの遊技球の入賞が困難になるが、完全に不可能となってしまう訳ではない。
始動入賞口14a、14bの下方には、大入賞口21が開放状態とされる特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20が閉鎖状態となっているときには、大入賞口21に遊技球が全く入賞し得なくなる。特別可変入賞装置20が設けられている位置は、遊技者が可変表示装置9を見て遊技を進めている場合には、大入賞口21が開放状態となっているのかどうかが遊技者にほとんど分からないような位置となっている。特別可変入賞装置20の両側には、7セグメントLEDにより構成される特別図柄表示器10a、10bとが設けられている。特別図柄表示器10a、10bでは、7セグメントLEDによって表示される特別図柄の変動表示を行なっている。
特別図柄表示器10aは、始動入賞口14aへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行い、特別図柄表示器10bは、始動入賞口14bへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行う。特別図柄表示器10a、10bの両方で同時に特別図柄の変動表示が行われることはなく、特別図柄表示器10aまたは10bで特別図柄の変動表示が終了した後に、特別図柄表示器10a、10bの両方で変動表示を開始させるための条件が成立しているときには、いわゆる電チューサポートがされる方の特別図柄表示器10bで優先的に特別図柄の変動表示が行われることとなる。
特別図柄表示器10a、10bに表示される表示結果のうち特定表示結果(大当たり図柄)には、第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)と、第2特定表示結果(時短大当たり図柄)と、第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)と、第4特定表示結果(突然通常大当たり図柄)とが含まれる。第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果以外の表示結果は、ハズレ図柄となる。
特別図柄表示器10a、10bの表示結果の態様は、7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせにより、2^7−1=127通りある(^は、べき乗を表し、7セグメントの全てを非点灯する態様が特別図柄表示器10a、10bの表示結果として除かれるため、1だけマイナスされている)。第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果には、「0」〜「9」の数字などの遊技者にとって比較的分かり易い図柄を含んでいてよいが、意味のある文字とは認識できない7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせも採用しており、特別図柄表示器10a、10bの表示結果だけからは大当たりの種類を特定することが非常に困難なものとなっている。
特別図柄表示器10a、10bに第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、通常遊技状態(或いは、確率変動状態とならない時短状態)よりも大当たり確率が高くなる確率変動状態に遊技状態が制御される(いわゆる高確率高ベース状態となる)。
特別図柄表示器10a、10bに第2特定表示結果(時短大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、特別図柄表示器10a、10bにおいて100回の変動表示が行われるまでの間は時短状態に遊技状態が制御されるものの、次の大当たり発生までの大当たり確率を通常とする(確率変動状態の大当たり確率よりも低くなる)通常遊技状態に制御される(100回までは低確率高ベース状態となり、それ以降は低確率低ベース状態となる)。
特別図柄表示器10a、10bに第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)を表示した後には、後述する第2大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第2大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、前記した確率変動状態に遊技状態が制御されるが、時短状態には制御されない(いわゆる高確率低ベース状態となる)。
特別図柄表示器10a、10bに第4特定表示結果(突然通常大当たり図柄)を表示した後には、後述する第2大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第2大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、前記した通常遊技状態に遊技状態が制御されるが、時短状態には制御されない(いわゆる低確率低ベース状態となる)。
また、後述する小当たり抽選に当選したときには、特別図柄表示器10a、10bに特定表示結果以外の表示結果を表示した後に、第2大当たり遊技状態と同様の制御が行われる小当たり遊技状態(便宜上、これも第2大当たり遊技状態と呼ぶ)に遊技状態を制御する。小当たりの発生に基づく第2大当たり遊技状態の終了後は、第2大当たり遊技状態に制御される前に制御されていたのと同じ遊技状態に(確率変動状態に制御されていたのであれば確率変動状態に、通常遊技状態に制御されていたのであれば通常遊技状態に)制御される。
時短状態の制御については、小当たりが発生する前までの状態が維持されるが、後述するように小当たりのほとんどが時短状態に制御されていないときに発生するので、小当たりの発生後のほとんどの場合で時短状態には制御されない。従って、突然確変大当たり、突然通常大当たり、及び小当たりの何れもが大入賞口21を0.5秒2ラウンドで開放させる点で共通し、その後の可変入賞装置15の開放態様も同じように時短状態にない状態で制御されるので、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが発生したときに、その何れが発生したのか、すなわち大入賞口21の開放後に何れの遊技状態に制御されたのかが遊技者に分からないようになっている。
また、可変表示装置9では、横方向に3つ並べられた飾り図柄表示領域9a〜9cにて飾り図柄(例えば、「0」〜「9」の10種類)を縦方向にスクロールさせる変動表示を行っている。可変表示装置9は、特別図柄表示器10a、10bで行われる変動表示の内容を、飾り図柄の変動表示によって演出効果を高めて遊技者に表示するための変動表示装置である。特別図柄表示器10a、10bで特別図柄の変動表示が継続されている限り、飾り図柄の変動表示が一旦停止(仮停止)していても、大当たり抽選及び大当たり種別抽選に対する確定的な表示結果が示されたことにはならない。なお、後述する確変潜伏モードでは、他の演出モードとは異なり、3つの飾り図柄表示領域が縦方向に並べられ、各飾り図柄表示領域で飾り図柄を横方向にスクロールさせるものとなっている。
また、可変表示装置9においては、飾り図柄が変動表示されるのに合わせてキャラクタの表示などによる演出(後述するリーチ予告などの各種演出)が行われる。さらに、可変表示装置9は、特別図柄の変動表示に合わせて飾り図柄の変動表示を行うため以外に、大当たりラウンド演出を行うためにも用いられる。また、可変表示装置9には、各種演出の画像に対して背景画像が表示されるが、この背景画像の色は、後述する演出モードに応じて選択されるものとなっている。また、可変表示装置9において実行される演出の内容も、後述する演出モードに応じて異なるものとなっている。
なお、特別図柄表示器10a、10bに第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)または第2特定表示結果(時短大当たり図柄)の何れが表示されたときには、可変表示装置9に表示される飾り図柄を同じ種類の図柄で揃えて、大当たりが発生したことを遊技者に報知するものとなっている。例えば、前者の場合には、可変表示装置9に表示される飾り図柄を「1」または「7」で揃え、後者の場合には、「1」または「7」以外の図柄で揃えて、これらの大当たりの発生を遊技者に報知する。これらの後には、第1大当たり遊技状態に遊技状態が制御されて、大入賞口21が30秒15ラウンド開放状態にされる。
なお、特別図柄表示器10a、10bに第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)または第4特定表示結果(突然通常大当たり図柄)が表示されたときには、可変表示装置9に表示される飾り図柄を同じ種類の図柄で揃えずに、ハズレのときと同じ結果が表示される。小当たりが発生したゲームで特別図柄表示器10a、10bに表示結果が表示されたときも、大当たり抽選の結果としてはハズレであるので、可変表示装置9に表示される飾り図柄を同じ種類の図柄で揃えられない。但し、何れの場合も、選択された変動パターンに応じて左と右の飾り図柄が同じ種類の図柄で揃えられたリーチ表示態様が表示されることがある。
突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりの何れが発生した場合も、第2大当たり遊技状態に遊技状態が制御されて、大入賞口21が0.5秒2ラウンド開放状態にされる。突然確変大当たりの発生に基づく第2大当たり遊技状態では、小当たりの場合と異なってラウンド数表示器19が点灯されるが、その点灯時間が非常に短いため、大入賞口21の開放に遊技者が気付いてからラウンド数表示器19を見ても、既に点灯終了させられていることが多い。
また、特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示が行われ、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が行われているときに、装飾ランプ25a〜25cの点灯や役物26の駆動などによる演出が実行されることがある。なお、パチンコ遊技機1において実行される演出には、大きく分けて予告と告知とがあるが、予告とは、それによって示される内容が生じる可能性があることの報知であり、それによって示される内容が生じることを確定的に示す報知である告知と区別される。但し、一連の演出の終了間際までは可能性を示すだけであるが、当該一連の演出の最終部分で確定的な報知がなされる場合は、最終部分が告知、それよりも前の部分が予告としての意味を持つ演出となる。
可変表示装置9の表示領域のうちの下部の表示領域に、始動入賞口14a、14bに遊技球が入り始動条件が成立したが未だ特別図柄表示器10a、10bの開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数として後述する主基板31のRAM55(図2参照)に記憶された保留記憶数をそれぞれ表示する保留記憶数表示手段として特別図柄保留記憶表示部11a、11bが設定されている。
特別図柄保留記憶表示部11aは、4つのアイコンの表示部を備え、始動入賞口14aへの有効始動入賞(本実施形態では、保留記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示するアイコンをその時点で表示されているアイコンの右側に1つ追加し、特別図柄表示器10aにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、最も左側に表示されていたアイコン(今回開始した変動表示に対応していたもの)を消去するとともに、他に表示されていたアイコンを1つずつ左にずらして表示する。すなわち、表示するアイコンの数を1つ減らす。特別図柄保留記憶表示部11bについても、同様に、始動入賞口14bへの有効始動入賞がある毎に、アイコンを1つ増やし、特別図柄表示器10bにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、アイコンを1つ減らす。
RAM55(図2参照)には、特別図柄表示器10aにおける特別図柄の始動条件が成立(打球が始動入賞口14aへ入賞)したときに主基板31のCPU56(図2参照)により抽出された大当たり判定用乱数等の各種乱数の抽出順番を特定可能に記憶する4つの保留記憶バッファが設けられている。特別図柄保留記憶表示部11aは、保留記憶バッファのうちで各種乱数の記憶された保留記憶バッファの数(保留記憶数)を特定可能に表示する。保留記憶バッファには、抽出された各種乱数のうち未だ開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。特別図柄保留記憶表示部11bについても、同様の保留記憶バッファが設けられている。
上記した始動入賞口14a、14bに入った入賞球は、それぞれ遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62a、62b(図2参照)によって検出される。可変入賞装置15は、ソレノイド71(図2参照)によって開放状態とされる。後述する普通図柄の変動表示の結果に応じてソレノイド71により可変入賞装置15が開放状態となることにより、遊技球が始動入賞口14bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
また、特別可変入賞装置20は、ソレノイド72(図2参照)により可動して大入賞口21に遊技球が入賞可能な受入可能状態と、大入賞口21に遊技球が入賞不能な受入不能状態とに変化可能であり、受入可能状態において大入賞口21が開放状態とされるものとなる。また、特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ63(図2参照)で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73(図2参照)も設けられている。
特別可変入賞装置20は、第1大当たり遊技状態において、大入賞口21の開放から一定時間経過するまで、または所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するまで大入賞口21を開放状態とする。大入賞口21が開閉されてから一定期間(例えば、第1大当たり遊技状態においては30秒、第2大当たり遊技状態においては0.5秒)経過するまで、または所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口21に入賞するまでが1ラウンドである。大当たり遊技状態は、このような大入賞口21の開放が所定回数(例えば、15回)に亘って繰り返して提供される遊技状態である。
特別可変入賞装置20は、また、第2大当たり遊技状態において、大入賞口21を極めて短い時間(例えば、0.2〜0.5秒程度)で2回だけ開放状態とする。突然確変大当たりしたときに確率変動状態に制御される前の遊技状態、或いは突然通常大当たりしたときに通常遊技状態に制御される前の遊技状態が、この第2大当たり遊技状態である。小当たりにより制御される遊技状態も、第2大当たり遊技状態となる。第2大当たり遊技状態は、大入賞口21の開放が極めて短い期間しか行われないため、打球が1つも大入賞口21に入賞しないまま終了することも多い。
また、遊技領域7の左側には、「15」及び「2」と付された一対のLEDからなるラウンド数表示器19が設けられている。このラウンド数表示器19は、発生される大当たり遊技状態のラウンド数を表示するものである。小当たりの発生に基づく小当たり遊技状態は、便宜上第2大当たり遊技状態と呼んでいるものの、実際には大当たりの発生に基づく大当たり遊技状態ではないため、ラウンド数表示器19の点灯はない。一方、遊技領域7の右側には、「○」及び「×」と付された一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を変動表示可能なものである。
ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61(図2参照)で検出されると、普通図柄当たり判定用乱数が抽出されて主基板31(図2参照)に搭載されるRAM55(図2参照)の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55(図2参照)の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当たり判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態(前回の普通図柄表示器12における変動表示の終了)であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。
普通図柄表示器12の上方には、普通図柄バッファに格納される普通図柄当たり判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器13が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器13は、ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61で検出されて新たに普通図柄当たり判定用乱数が記憶されると、点灯するLEDを1つ増やす。普通図柄表示器12にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
普通図柄表示器12にて、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行われ、変動表示は所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当たりとなる。普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当たりである場合には、可変入賞装置15が所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ1.4秒)だけ開放状態になる。
普通図柄の変動表示の結果を当たりとするか否かは、ゲート28a、28bを遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された普通図柄当たり判定用乱数の値が所定の普通図柄当たり判定値と合致したか否かによって決定される。この当たり確率は、時短状態では非常に高い(例えば、35/36)が、時短状態でなければ低い(例えば、1/36)となっている。時短状態は、このように可変入賞装置15が開放状態にある割合が非常に多いので、遊技者の手持ちの遊技球を減少させずに(或いは、減少したとしても減少量はごく僅かで)、遊技を進められる状態となっている。
ゲート28aの左方及び下方、並びにゲート28bの下方及び右方には、それぞれ入賞口29a〜29dが設けられている。入賞口29a〜29dに遊技球が入賞したことが入賞口スイッチ64a(図2参照)で検出されると、所定数の遊技球が払い出される。遊技球の払い出しは、始動入賞口14a、14b、大入賞口21への遊技球の入賞によっても行われるが、ゲート28a、28bを遊技球が通過しても行われない。
遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口30が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。
また、図1には示していないが。パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45(図2参照)が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。始動入賞口14a、14b、大入賞口21、入賞口29a〜29dのいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口30から排出されるものとなっている。
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。
この実施の形態では、ROM54、RAM55、CPU56及びI/Oポート部57を含む基本回路53は、1チップマイクロコンピュータとして構成されているが、この基本回路53を構成する1チップマイクロコンピュータには、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間にもバックアップバッテリから電力が供給されている。すなわち、RAM55に記憶されているデータは、バックアップバッテリから電力が供給される限りにおいて、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間も保持される。
なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
また、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63、入賞口スイッチ64、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、可変入賞装置15を開閉するソレノイド71、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、第1、第2大当たり遊技状態の発生を示す大当たり情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
また、電源起動時において内部状態(RAM55)をリセットするリセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94も、主基板31に接続されており、これらのスイッチの検出信号を基本回路53へと送る。これらのスイッチ93、94は、パチンコ遊技機1の内部に設けられている。
また、主基板31に搭載されたCPU56は、特別図柄表示器10a、10bの表示制御、普通図柄表示器12、およびラウンド数表示器19の表示制御を行う。さらに、普通図柄保留記憶表示器13の発光制御を行う。
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56及びROM54、RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)は、可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用マイクロコンピュータにも、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間もバックアップバッテリから電力が供給され、そのRAMに記憶されたデータも、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間も保持される。
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って可変表示装置9の表示制御を行う。具体的には、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するVDP(図示しない)により可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、表示制御用CPUは、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP(図示しない)が表示制御基板80に搭載されている。また、VDPは、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM(図示しない)をマッピングしている。VDPは、キャラクタ画像データに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、VRAMに展開する。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、可変表示装置9に出力する。なお、可変表示装置9の表示制御には、特別図柄の変動表示、大当たりラウンド演出、保留記憶のアイコン表示などが含まれる。
また、表示制御基板80には、スイッチ回路(図示しない)を介してチャンスボタン16が接続されており、チャンスボタン16の操作によって内容が変化される演出を可変表示装置9において実行しているときには、チャンスボタン16の操作を検出した検出信号に基づいて、可変表示装置9における画像の表示を制御するものとしている。
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータは、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することによりスピーカ27の音声出力制御を行うとともに、ランプドライバ基板35に役物、ランプ・LEDの駆動信号を出力することによりパチンコ遊技機1に設けられた役物、ランプ・LEDの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される可変表示装置9の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて可変表示装置9、スピーカ27、パチンコ遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示、及び可変表示装置9における飾り図柄の変動表示について説明する。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否か(大当たり抽選)、大当たりとする場合にはいずれの種類の大当たりとするか(大当たり種別抽選)、さらには特別図柄の変動パターンをいずれとするか(変動パターンの決定)は、始動入賞時に抽出される各種乱数に基づいて、特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示の開始条件が成立したときに決定される。
まず、大当たりの決定について説明する。図3(a)は、ROM54に記憶されている大当たり判定用テーブルを示す図である。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否かは、図3(a)の大当たり判定用テーブルと、始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり判定用乱数(ランダムR:0〜65535)の値とに基づいて決定される。通常時(非確率変動時)においては、大当たり判定用乱数の値が1000〜1059、13320〜13477であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。一方、確率変動時においては、大当たり判定用乱数の値が1020〜1519、13320〜15004であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。
次に、大当たり種別の決定について説明する。図3(b)及び図3(c)は、ROM54に記憶されている大当たり種別判定用テーブルを示す図である。ここで、図3(b)は、特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルであり、図3(c)は、特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルである。
特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が0、3、5または7であれば確率変動大当たりと決定し、2、4、6または8であれば時短大当たりと決定し、9であれば突然確変大当たりと決定し、1であれば突然通常大当たりと決定する。
一方、特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が3、5または7であれば確率変動大当たりと決定し、2、4または6であれば時短大当たりと決定し、0または9であれば突然確変大当たりと決定し、1または8であれば突然通常大当たりと決定する。
ところで、確率変動状態では、30分の1の確率で大当たりとなるが、新たな大当たりが発生するまで特別図柄の変動表示が実行される回数の制限なく、時短状態に制御される。時短状態では、可変入賞装置15が開放状態にある割合が非常に高く、特別図柄表示器10aよりも優先される特別図柄表示器10bにて特別図柄の変動表示を行わせるための始動入賞口14bの入賞による保留記憶が途切れることが少ない。また、第1大当たり遊技状態に制御されている間の時間は非常に長いので、ほとんど例外なく、第1大当たり遊技状態が終了するまでに始動入賞口14aの入賞による保留記憶も、始動入賞口14bの入賞による保留記憶も何れも一杯になる。
特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合に確率変動大当たりとなる確率は、大当たりとなった場合の3/10であるのに対して、特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合に確率変動大当たりとなる確率は、大当たりとなった場合の4/10)もある。つまり、一旦確率変動大当たりが発生すると、それに基づく第1大当たり遊技状態が終了してから、さらに遊技者が多くの遊技球を獲得することができる第1大当たり遊技状態を介して次も確率変動状態となる割合が高いものとなる。
また、大当たり抽選に当選しなかったときには、小当たり抽選が行われる。小当たりとするか否かは、ROM54に記憶されている小当たり判定用テーブル(図示せず)と、始動入賞時に抽出された乱数のうちの小当たり判定用乱数(ランダムS:0〜65535)の値とに基づいて決定される。小当たり抽選の当選確率は、始動入賞口14a、14bの何れの始動入賞であるかに応じて異なっている。
より詳細には、始動入賞口14aへの入賞に基づく小当たり抽選の当選確率は比較的高くなっているが(例えば、突然確変大当たりまたは突然通常大当たりとなる確率と同等)が、いわゆる電チューサポートがされる始動入賞口14bへの入賞に基づく小当たり抽選の当選確率は極めて低くなっている(例えば、突然確変大当たりまたは突然通常大当たりとなる確率の10分の1以下)。時短状態にあるときは、始動入賞口14aの入賞に基づいて特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示が実行されることは少ないので、小当たりが発生する場合の多くが、時短状態に制御されていないときとなっている。
次に、特別図柄の変動パターンの決定について説明する。特別図柄の変動パターンは、開始条件が成立したとき(すなわち、特別図柄及び飾り図柄の変動表示が開始するとき)に、特別図柄の変動表示の結果(大当たりとするか否か、大当たりとする場合は大当たりの種別)に応じて決定されるものとなる。また、変動パターンを決定する場合、まず始動入賞時に抽出された乱数のうちの変動種別判定用乱数の値に基づいて変動パターンの種別を決定し、さらに始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数の値に基づいて変動パターンを決定するものとなる。
変動パターンの種別には、ハズレとすることが決定された場合には、疑似連なしの非リーチハズレ、疑似連なしのノーマルリーチ、疑似連なしのスーパーリーチA、疑似連なしのスーパーリーチB、疑似連なしのスーパーリーチC、疑似連A、疑似連B、疑似連Cの8種類がある。確率変動大当たりまたは時短大当たりとすることが決定された場合には、疑似連なしのノーマルリーチ、疑似連なしのスーパーリーチA、疑似連なしのスーパーリーチB、疑似連なしのスーパーリーチC、疑似連A、疑似連B、疑似連Cの7種類がある。
突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとすることが決定された場合には、疑似連なしの非リーチハズレ、疑似連なしのスーパーリーチA、疑似連なしのスーパーリーチB、疑似連なしのスーパーリーチC、疑似連A、疑似連B、疑似連Cの7種類がある。
ここで、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜Cは、何れも変動表示の過程において1番目、2番目にそれぞれ停止される左と右の飾り図柄が同一の種類の図柄で揃うリーチ表示態様が出現するパターンであるが、ノーマルリーチは、中の飾り図柄の変動表示の態様がハズレの場合と異ならない(最終的に停止される図柄は異なる)変動パターンであり、変動表示の開始から終了までに要する時間が非リーチハズレと比べて通常の場合には変わりがない。
一方、スーパーリーチA〜Cは、リーチ表示態様が出現した後、最後に停止される中の飾り図柄の変動表示が通常とは異なる態様となる演出表示(ここで、例えばキャラクタのバトル演出などによるリーチ演出を行うものとしてもよい)が行われる変動パターンとなっており、変動表示に要する時間が非リーチハズレやノーマルリーチと比べると、かなり長くなっている。スーパーリーチA〜Cは、リーチ表示態様が出現した後に実行されるリーチ演出が互いに異なっている。
また、疑似連A〜Cは、特別図柄の変動表示に応じて可変表示装置9で飾り図柄が変動表示されるが、1回分の特別図柄の変動表示(すなわち、1回の始動入賞)に対して、飾り図柄表示領域9a〜9cの全てにおいて飾り図柄の変動表示を仮停止(図柄の更新を停止しているが確定はしていない状態であって、揺り動かすなどの状態としていてもよい)させた後に、全ての飾り図柄を再度変動表示させる再変動表示を1回または複数回(この実施の形態では、1回のみ)実行する飾り図柄の変動パターンを指す。
また、疑似連A〜Cは、全ての飾り図柄が仮停止された後に、それぞれスーパーリーチA〜Cの変動パターンと同様の態様で変動表示が行われる(すなわち、飾り図柄が再度変動表示された後にはリーチ表示態様が出現し、リーチ演出が実行される)変動パターンとなる。例えば、疑似連Aは、1回分の特別図柄の変動表示に対して、この再変動表示が1回だけ行われ(再変動表示の前後で合計2回の変動表示が行われ)、仮停止後に飾り図柄が再度変動表示された後に、スーパーリーチAと同じ態様で変動表示が行われるパターンである。
もっとも、保留記憶の数が3以上となったときには、選択された変動パターンの本来の変動表示時間よりも特別図柄及び飾り図柄の変動表示が実行される時間が短縮される(4となったときには、3となったときよりも一層短縮される)。非リーチハズレとノーマルリーチでは、通常の場合に変動表示が実行される時間に変わりがないものの、ノーマルリーチでは一旦リーチ表示態様を出現させてから変動表示の結果を導出させるという過程を経ることになるため、短縮された変動時間については、このような過程を経ないでよい非リーチハズレよりもノーマルリーチハズレの方が長くなる。
また、スーパーリーチA〜Cの変動パターンでは、リーチ表示態様が表示された後のリーチ演出が一部省略されて、飾り図柄の変動表示の結果が表示されることがある。もっとも、スーパーリーチの変動パターンで短縮された変動時間は、ノーマルリーチハズレよりも短くなることはない。疑似連A〜Cの変動パターンでは、仮停止後に飾り図柄が再度変動表示された後の変動時間が短縮される。
次に、ハズレが決定されたときの変動パターンの種別の振り分けについて詳細に説明する。図4は、ROM54に記憶されている変動パターンの種別決定用テーブルのうちで、ハズレが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブルを示す図である。ハズレが決定されたときには、特図ゲームの開始時における保留記憶の数に応じて種別の振り分けが異なっている。図4の例では、変動種別判定用の乱数が0〜251の範囲の値を取るものとして説明する。
図示するように、保留記憶の数が2以下であるときには、変動種別判定用の乱数の値が0〜99だと非リーチハズレ、100〜230だとノーマルリーチハズレ、231〜235だとスーパーリーチAハズレ、236〜240だとスーパーリーチBハズレ、241〜245だとスーパーリーチCハズレ、246〜247だと疑似連Aハズレ、248〜249だと疑似連Bハズレ、250〜251だと疑似連Cハズレとなる。一方、保留記憶の数が3以上であるときには、変動種別判定用の乱数の値が0〜199だと非リーチハズレ、200〜230だとノーマルリーチハズレ、231〜235だとスーパーリーチAハズレ、236〜240だとスーパーリーチBハズレ、241〜245だとスーパーリーチCハズレ、246〜247だと疑似連Aハズレ、248〜249だと疑似連Bハズレ、250〜251だと疑似連Cハズレとなる。
つまり、スーパーリーチAハズレ、スーパーリーチBハズレ、スーパーリーチCハズレ、疑似連Aハズレ、疑似連Bハズレ、疑似連Cハズレに振り分けられることとなる乱数の範囲は、保留記憶の数に関わらずに同じであるのに対して、非リーチハズレとノーマルリーチハズレに振り分けられる乱数の範囲は、保留記憶の数に応じて異なっていることになる。もっとも、変動種別判定用乱数の値が0〜99だと保留記憶の数に関わらずにノーマルリーチハズレに振り分けられ、変動種別判定用乱数の値が200〜230だと保留記憶の数に関わらずにノーマルリーチハズレに振り分けられる。保留記憶の数に応じて振り分けられる変動パターンの種別が異なることとなる変動種別判定用乱数の値の範囲は、100〜199ということになる。
一方、図示を省略するが、確率変動大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブル、時短大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブル、突然確変大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブル、突然通常大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブルでは、特図ゲームの開始時における保留記憶の数に応じた種別の振り分けの違いはない。突然確変大当たりまたは突然通常大当たりが決定されたときにおける変動パターンの振り分けについては、さらに後述する。
つまり、確率変動大当たりまたは時短大当たりが決定されたときにおいて、疑似連なしのノーマルリーチ、疑似連なしのスーパーリーチA、疑似連なしのスーパーリーチB、疑似連なしのスーパーリーチC、疑似連A、疑似連B、疑似連Cの各々に振り分けられることとなる乱数の範囲は、特図ゲームの開始時における保留記憶の数に関わらずに同じである。なお、確率変動大当たりまたは時短大当たりが決定されたときにおいては、具体的な変動パターンの決定で再抽選のある変動パターン(「1」または「7」以外の飾り図柄を一旦揃えて大当たりを示した後に全ての飾り図柄を再度変動表示させ、最終的に揃えられる飾り図柄が「1」または「7」、或いはそれ以外であるかにより、確率変動大当たりか時短大当たりかを確定させる変動パターン)が決定されることがある。
また、確率変動大当たりまたは時短大当たりが決定されたときにおいてスーパーリーチA〜Cの何れかに振り分けられる比率は、ハズレが決定されたときよりも高くなっており、ハズレが決定されているときのうちでノーマルリーチに振り分けられる比率に対する確率変動大当たりまたは時短大当たりが決定されているときにノーマルリーチに振り分けられる比率の比よりも、ハズレが決定されているときのうちでスーパーリーチA〜Cの何れかに振り分けられる比率に対する確率変動大当たりまたは時短大当たりが決定されているときにスーパーリーチA〜Cの何れかに振り分けられる比率の比の方が高くなっている(この関係は、特図ゲームの開始時における保留記憶の数に応じて変わることはない)。
さらに、疑似連A〜Cの何れかに振り分けられる比率は、ハズレが決定されたときよりも高くなっており、ハズレが決定されているときのうちでスーパーリーチA〜Cの何れかに振り分けられる比率に対する確率変動大当たりまたは時短大当たりが決定されているときにスーパーリーチA〜Cの何れかに振り分けられる比率の比よりも、ハズレが決定されているときのうちで疑似連A〜Cの何れかに振り分けられる比率に対する確率変動大当たりまたは時短大当たりが決定されているときに疑似連A〜Cの何れかに振り分けられる比率の比の方が高くなっている(この関係も、特図ゲームの開始時における保留記憶の数に応じて変わることはない)。
上記のようにハズレとなるときの変動パターンの種別の振り分け比率と確率変動大当たりまたは時短大当たりとなるときの変動パターンの種別の振り分け比率とに違いが生じているため、後述する突然確変大当たり、突然通常大当たりまたは小当たりとなるときの変動パターンの種別の振り分けを考慮したとしても、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなる信頼度は、ノーマルリーチよりもスーパーリーチA〜Cの方が高く、さらに疑似連A〜Cの方が高い。
次に、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが決定されたときにおける変動パターンの種別の選択について説明する。図5は、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが決定されたときにおける変動パターンの振り分け比率を示す図である。突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが決定されたときも、ROM54に記憶されている変動パターンの種別決定用テーブルに従って変動パターンの種別が決定されるが、ここでは、振り分け比率を説明するものとする。
突然確変大当たり、突然通常大当たりが決定されたときの変動パターンの種別としては、非リーチハズレ、スーパーリーチAハズレ、スーパーリーチBハズレ、スーパーリーチCハズレ、疑似連Aハズレ、疑似連Bハズレ、疑似連Cハズレの何れかが選択されるものとなっているが、その選択比率は、突然確変大当たりであるか突然通常大当たりであるかに応じて異なっている。
突然確変大当たりでも突然通常大当たりでも、非リーチハズレ、スーパーリーチBハズレ、疑似連Bハズレは、それぞれ9%、20%、8%の確率で選択される。これに対して、突然確変大当たりとなるときには、スーパーリーチAハズレ及び疑似連Aハズレをそれぞれ40%、16%という比較的高い確率で選択するのに対して、スーパーリーチCハズレ及び疑似連Cハズレをそれぞれ5%、2%という低い確率でしか選択しない。一方、突然通常大当たりとなるときには、スーパーリーチCハズレ及び疑似連Cハズレをそれぞれ40%、16%という比較的高い確率で選択するのに対して、スーパーリーチAハズレ及び疑似連Aハズレをそれぞれ5%、2%という低い確率でしか選択しない。
また、小当たりが決定されたときの変動パターンの種別としては、非リーチハズレ、スーパーリーチBハズレ、スーパーリーチCハズレ、疑似連Bハズレ、疑似連Cハズレの何れかが選択されるものとなっている。スーパーリーチAハズレ、疑似連Aハズレは、選択されない。非リーチハズレを16%の確率で選択し、スーパーリーチBハズレ及びスーパーリーチCハズレを何れも30%の確率で、疑似連Bハズレ及び疑似連Cハズレを何れも12%の確率で選択するものとなっている。
変動パターンの種別が決定されると、そこからより細かく変動パターンが決定される。ここで、変動パターンの種別が非リーチハズレ、確率変動大当たりまたは時短大当たりでノーマルリーチ、スーパーリーチA〜C、疑似連A〜Cの場合に選択される変動パターンは、それぞれ1種類だけである。ノーマルリーチハズレの場合に選択される変動パターンには、飾り図柄のすべりコマ数が異なる複数の変動パターン(1コマ前、1コマ後、2コマ後)がある。スーパーリーチAハズレ、スーパーリーチBハズレ、スーパーリーチCハズレ、疑似連Aハズレ、疑似連Bハズレ、疑似連Cハズレの場合に選択される変動パターンには、飾り図柄のすべりコマ数が異なる複数の変動パターン(1コマ前、1コマ後、2コマ後)がある。
ところで、特別図柄表示器10aにおける特別図柄の変動表示と、特別図柄表示器10bにおける特別図柄の変動表示では、変動パターンの種別、種類に違いがなく、その変動表示の結果が同じもの同士を比較すれば、変動パターン種別の選択確率にも違いはない。もっとも、特別図柄表示器10aにおいて特別図柄の変動表示を行う場合は、特別図柄表示器10bの場合よりも、突然確変大当たりまたは突然通常大当たりの確率が高く、確率変動大当たりまたは時短大当たりの確率が低くなっている。これを加味すると、特別図柄表示器10a、10bの何れにおいて特別図柄の変動表示を行うかによって、変動パターンの種別、種類の選択に違いが生じてくる。
また、特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示の開始条件は、当該変動表示を行わせることとなる始動入賞よりも先の始動入賞に基づく全ての変動表示が終了していることによって成立する(但し、第1、第2大当たり遊技状態に制御されたときには、その終了によって成立する)。従って、保留記憶が全くない状態で始動入賞した場合には、当該始動入賞によって直ちに特別図柄の変動表示の開始条件が成立することとなる。
これに対して、未だ先の始動入賞に基づく変動表示が終了していないときの始動入賞(特定始動入賞とする)によって保留記憶がされていた場合には、特定始動入賞よりも1つだけ先の始動入賞(先始動入賞とする)に基づく特別図柄の変動表示が終了したときに、特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の開始条件が成立する。このとき、先始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の終了後に、遅滞なく特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることとなる。
前述したとおり、特別図柄表示器10a、10bにおいて特別図柄が変動表示されるときにおいては、可変表示装置9において飾り図柄が変動表示される。特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるものとなるが、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるのではなく、開始条件の成立から一定の遅延時間を経過してから開始されるものとなっている。なお、特別図柄の変動表示は、開始条件が成立してから選択された変動パターンに応じて定められた変動表示時間を経過するまで実行されることとなる。
また、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが発生したときには、それぞれで変動パターンの選択比率に違いは生じているものの、第2大当たり遊技状態(これに制御されたこと自体は、大入賞口21の開放で分かる)が終了した後の遊技状態が何れの遊技状態となっているかの区別がつかない。もっとも、確率変動状態に制御されていることを遊技者が期待しない訳ではないので、第2大当たり遊技状態が終了した後の演出モードを確変潜伏モードに制御するものとしている。確変潜伏モードへの制御を含む演出モードの制御の詳細については、後述する。
ところで、遊技者としては、飾り図柄の変動表示の結果により最終的には確率変動大当たりまたは時短大当たりとなることを期待するのであるが、これは、実行されている変動表示のかなり最後の方にならないと分からないので、まずは、その前提としてリーチ表示態様が出現することを期待する。少なくともリーチ表示態様が出現すれば、リーチ表示態様が出現しないときに比べると確変変動大当たりまたは時短大当たりとなる信頼度が高くなるからであり、また、確変変動大当たりまたは時短大当たりとならないにしても、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなる場合が多くなるからである。
ここで、可変表示装置9において変動表示される飾り図柄は、左、右、中の順番で停止するが、左と右の飾り図柄が停止した段階で同じ種類の飾り図柄が揃っていれば、リーチ表示態様が出現したということになる。もっとも、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなる信頼度が高いリーチ表示態様の出現は、左の飾り図柄と右の飾り図柄の両方の変動表示が実際に停止するまで遊技者が分かることはない。
左の飾り図柄と右の飾り図柄の両方の変動表示が実際に停止するまでリーチ表示態様が出現するか分からないからといって、それまでにおいて遊技者がリーチ表示態様の出現(究極には、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなること)を期待しない訳ではない。このため、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、飾り図柄の変動表示においてリーチ表示態様が出現することを予告するリーチ予告を実行するものともなっている。
リーチ予告は、リーチ表示態様が出現する可能性を示す予告ではあるが、リーチ表示態様が出現すれば確率変動大当たりまたは時短大当たりとなることがあるのに対して、リーチ表示態様が出現しなければ確率変動大当たり及び時短大当たりとなることはない。また、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが決定されているときには、上記したようにリーチ変動パターンが選択される場合が非常に多い。
従って、リーチ予告は、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなる可能性を示す演出であるとも言うことができ、リーチ予告は、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなる可能性を示す演出であるとも言うことができる。このようにリーチ予告によって確率変動大当たりまたは時短大当たり、若しくは突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが予告されることから、リーチ予告が実行されることで、遊技者は、第1大当たり遊技状態への制御を、そうでなくても確変潜伏モードへの制御を期待するものとなる。なお、リーチ予告の詳細については、後述する。
さらに、疑似連の変動パターンが選択されたときには、全ての飾り図柄が一旦仮停止された後に、再度変動表示を開始してから最終的な表示結果を導出する。疑似連の変動パターンは、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなることが決定されているとき、或いは突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなることが決定されているときには、ハズレとなることが決定されているときよりも高い比率で選択されるものとなっている。
従って、全ての飾り図柄が一旦仮停止された後に再度変動表示を開始する再変動表示が実行されたときには、遊技者は、第1大当たり遊技状態への制御を、そうでなくても確変潜伏モードへの制御を期待するものとなる。そして、このような遊技者の期待感を効果的に高めるため、疑似連の変動パターンが選択されているときに仮停止される飾り図柄の組み合わせとして所定のチャンス目を表示する場合があるものとなっている。なお、疑似連の変動パターンにおいて仮停止される飾り図柄の組み合わせの選択の詳細については、後述する。
リーチ予告や演出モードといった飾り図柄の変動表示以外に可変表示装置9において実行される演出も、全て表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。さらに、飾り図柄の変動表示についても、具体的に表示される飾り図柄の種類(疑似連では、仮停止される飾り図柄の種類も含む)は、主基板31のCPU56によって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、及び小当たりの決定、並びに変動パターンの決定に従うことを条件として、表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。
これらの決定を表示制御基板80の表示制御用CPUが行えるようにするため、始動入賞口14aまたは14bに遊技球が入賞したときに、このときに抽出された大当たり判定用乱数、大当たり種別判定用乱数、及び変動種別判定用乱数の値(さらに、変動パターン判定用乱数の値を含んでいてよい)、並びに遊技球が入賞した始動入賞口の種類を始動入賞毎の識別情報と対応付けた始動入賞コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
また、特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示を開始させるときに、これを開始させた始動入賞の識別情報と、大当たりとするか否か及び大当たり種別と、決定された変動パターンとを示す開始時コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。また、遊技状態が変化したときに、変化した後の遊技状態を示す遊技状態コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
また、特別図柄表示器10aまたは10bに第1特定表示結果または第2特定表示結果が導出されて、第1大当たり遊技状態に制御されたときには、各ラウンドが開始される度に当該ラウンド数を示す大当たりラウンドコマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。各ラウンドが終了したときにも、ラウンドの終了を示すラウンド終了コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
さらに、パチンコ遊技機1の電源を立ち上げたときには、前回の電源遮断時のデータがクリアされずにRAM55に記憶されていれば該電源遮断時の状態(始動入賞口14a、14bの保留記憶がある場合もあり)から、RAM55がクリアされていれば初期状態(始動入賞口14a、14bの何れの保留記憶の数も0)から、遊技の進行を開始させることとなるが、このときに、始動入賞口14a、14bの保留記憶に関する情報と遊技状態を示す情報とを含む起動時コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
表示制御基板80の表示制御用CPUは、この起動時コマンドで示される保留記憶に関する情報が示す始動入賞口14a、14bの保留記憶の数に対して、始動入賞コマンドを受信したときに保留記憶の数を増加カウントし、開始時コマンドを受信したときに保留記憶の数を減算カウントすることで、始動入賞口14a、14bの保留記憶の数をリアルタイムで把握できるものとなっている。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機において、表示制御基板80の表示制御用CPUにより実行される演出の制御について説明する。表示制御基板80の表示制御用CPUは、開始時コマンドを受信すると、次に説明するように飾り図柄の種類を選択し、開始時コマンドが示す変動パターンで飾り図柄を可変表示装置9において変動表示させた後、選択した種類の飾り図柄を可変表示装置9に表示して、変動表示の結果を示すものとしている。
なお、飾り図柄の変動表示の詳細な変動パターンは、当該変動表示が開始されるときになって初めて決定される。また、変動パターンの種別も、ハズレ時においては当該変動表示が開始されるときにおける保留記憶の数に応じて決定される。もっとも、変動パターンの種別としスーパーリーチA〜C、疑似連A〜Cが決定される変動種別判定用乱数の値の範囲は、変動表示の結果が確率変動大当たりまたは時短大当たりとなるときもならないときも、変動表示が開始される際の保留記憶の数がどの様になっていても変わりがない。
まず、停止すべき飾り図柄の組み合わせ選択について説明する。前述したように、飾り図柄の変動表示において具体的に停止されることとなる飾り図柄の組み合わせは、主基板31のCPU56によって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、及び小当たりの決定、並びに変動パターンの決定に従うことを条件として、各回の変動表示が開始される度に、表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。また、疑似連A〜Cの変動パターンが選択されたときには、仮停止される飾り図柄の組み合わせも表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。
例えば、確率変動大当たりが決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「1」または「7」の同じ図柄となり、時短大当たりが決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「1」または「7」以外の同じ図柄となる。時短大当たりでは、最終的に停止される図柄を「1」または「7」以外の同じ図柄としなければならないため、その前提で表示されるリーチ表示態様も「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様となる。再抽選のある変動パターンが選択されていたとしても、そこでの降格はできないため、最終的に停止される図柄を「1」または「7」以外の同じ図柄とするには、リーチ表示態様も「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様としなければならないからである。
確率変動大当たりでは、最終的に停止される図柄を「1」または「7」の同じ図柄としなければならないので、再抽選のない変動パターンが選択されていれば、確率変動大当たり図柄を表示させるためには、その前提で表示されるリーチ表示態様も「1」または「7」の同じ図柄が2つ停止した態様としなければならない。一方、再抽選のある変動パターンが選択されていれば、「1」または「7」以外の同じ図柄を一旦揃えてから、「1」または「7」の同じ図柄を揃えた態様に変更することができるため、リーチ表示態様は「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様とすることができる。
リーチハズレ(疑似連で最終仮停止後)では、最終的に停止される飾り図柄は、左と右については同じ図柄が選択される(何れかを均等に選択するものとしても、「1」と「7」などの特定の図柄の選択比率を変えるものとしてもよい)が、中については、選択された変動パターンにおけるすべりコマ数に従って、これと異なる図柄が選択される。非リーチハズレ及び突然確変大当たりでは、左、中、右について互いに異なる図柄が選択される。
次に、疑似連A〜Cの変動パターンが選択された場合において仮停止される飾り図柄の組み合わせの選択について説明する。疑似連A〜Cの変動パターンで仮停止される飾り図柄の組み合わせは、何れにしてもリーチ表示態様ともならないハズレの飾り図柄の組み合わせであるが、その様な飾り図柄の組み合わせとして予め定められたチャンス目(例えば、「1−3−5」の組み合わせ)が用意されている。
図6は、疑似連の変動パターンが選択されたときに適用される仮停止図柄決定用テーブルを示す図である。この図において、非チャンス目(チャンス目とならない飾り図柄の組み合わせ)は、実際には様々な飾り図柄の組み合わせを含んでいるが、その何れかが選択される比率の合計として示している。チャンス目として複数種類のものを用意している場合も、何れかの種類のチャンス目が選択される比率の合計として示している。
図示するように、確率変動大当たりまたは時短大当たりとすることが決定されているときに疑似連A〜Cの変動パターンが選択された場合には、チャンス目がA1の割合で、非チャンス目がA2の割合で選択される(A1+A2=1)。突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが決定されているときに疑似連A〜Cの変動パターンが選択された場合には、チャンス目がB1の割合で、非チャンス目がB2の割合で選択される(B1+B2=1)。
一方、ハズレとすることが決定されているときに疑似連A〜Cの変動パターンが選択された場合には、常に非チャンス目が選択され、チャンス目が選択されることはない。また、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなるときのチャンス目の選択比率A1は、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなるときのチャンス目の選択比率B1よりも高くなっている。このように、疑似連A〜Cの変動パターンでチャンス目が停止されたときには、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなることの期待度が高くなり、たとえ確率変動大当たりまたは時短大当たりとならなかったとしても、少なくとも突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなることが確定する。
次に、リーチ予告について説明する。リーチ予告は、当該変動表示の間でリーチ表示態様が出現するか否かを予告する演出である(確率変動大当たりまたは時短大当たりの場合は、ハズレよりもリーチ表示態様が出現する確率が高いので、確率変動大当たりまたは時短大当たりが発生するか否かの予告とも言え、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりの場合は、ハズレよりもリーチ表示態様が出現する確率が高いので、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが発生するか否かの予告とも言える)。
リーチ予告は、例えば、飾り図柄の変動表示が開始されてから何れの飾り図柄も停止していないまでの期間(或いは、最初に停止される左の飾り図柄までしか停止していないまでの期間)で、可変表示装置9において変動表示されている飾り図柄の前面側に所定のキャラクタを表示することによって行われる。リーチ予告には、予告A、予告B、予告Cの3種類が用意されているが、例えば、同じ予告Aであっても、制御されている演出モードにより演出の内容は異なる。リーチ予告を実行するか否か、及び実行するリーチ予告の種類は、変動パターンを示すコマンドを受信すると、このコマンドに基づいて表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなる。
図7は、リーチ予告の実行の有無、及び実行すべきリーチ予告の種類の決定するための予告演出決定用テーブルを示す図であり、(a)は、通常(昇格なし)モード以外の演出モードで適用されるものを、(b)は、通常(昇格なし)モードで適用されるものを示す。図示するように、リーチ予告の実行の振り分け比率は、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなるか、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなるか、リーチハズレとなるか、非リーチハズレとなるかに応じて異なっている。
図7(a)、図7(b)に示すように、制御されている演出モードに関わらず、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなるときには、予告なしがa1、予告Aがa2、予告Bがa3、予告Cがa4の割合で決定される(a1+a2+a3+a4=1)。突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなるときには、予告なしがb1、予告Aがb2、予告Bがb3、予告Cがb4の割合で決定される(b1+b2+b3+b4=1)。
一方、リーチハズレとなるときには、制御されている演出モードに関わらずに予告Aを実行することが決定されることはないが、通常(昇格なし)モード以外の演出モードでは予告なしがc1、予告Bがc3、予告Cがc4の割合で決定され(c1+c3+c4=1)、通常(昇格なし)モードでは予告なしがe1、予告Bがe3、予告Cがe4の割合で決定される(e1+e3+e4=1)。また、通常(昇格なし)モード以外の演出モードにおける各々の選択比率c1:c3:c4と、通常(昇格なし)モードにおける各々の選択比率e1:e3:e4は異なっている。
また、非リーチハズレとなるときにも、制御されている演出モードに関わらずに予告Aを実行することが決定されることはないが、通常(昇格なし)モード以外の演出モードでは予告なしがd1、予告Bがd3、予告Cがd4の割合で決定される(d1+d3+d4=1)。ここでの予告なしの選択比率d1は、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなるときにおける予告なしの選択比率a1、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなるときにおける予告なしの選択比率b1、リーチハズレとなるときにおける予告なしの選択比率c1よりも大きくなっている。
また、通常(昇格なし)モードでは予告なしがf1、予告Bがf3、予告Cがf4の割合で決定される(f1+f3+f4=1)。ここでの予告なしの選択比率f1も、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなるときにおける予告なしの選択比率a1、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなるときにおける予告なしの選択比率b1、リーチハズレとなるときにおける予告なしの選択比率e1よりも大きくなっている。さらに、通常(昇格なし)モード以外の演出モードにおける各々の選択比率d1:d3:d4と、通常(昇格なし)モードにおける各々の選択比率f1:f3:f4は異なっている。
図7(a)、図7(b)から分かるように、予告Aは、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなるか、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなるときにしか選択され得ず、予告Aのリーチ予告が実行されたときには、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなることの期待度が高くなり、たとえ確率変動大当たりまたは時短大当たりとならなかったとしても、少なくとも突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなることが確定する。
次に、演出モードの選択について説明する。「演出モード」は、第1大当たり遊技状態に制御されているとき以外で遊技状態に応じて決められる演出の実行状態(可変表示装置9に表示される背景画像の色及び飾り図柄のスクロール方向)を指すものであり、通常モードと、確変モードと、確変潜伏モードとがある。ここで、通常モードは、確率変動状態に制御されていないことを示すモード(但し、後述するように確変潜伏モードから転落した通常モードは、極僅かながら確率変動状態に制御されている可能性がある)である。確変モードは、確率変動状態に制御されていることを示すモードである。
一方、確変潜伏モードは、確率変動状態に制御されているか制御されていないかが分からないようにしたモードである。確変潜伏モードには、確率変動状態に制御されている期待度の高さに応じて、確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード及び確変潜伏B(中)モード、確変潜伏A(低)モード及び確変潜伏B(低)モードがある。また、通常モードには、確変潜伏モードへの昇格が可能な通常(昇格あり)モードと、確変潜伏モードへの昇格が不可能な通常(昇格なし)モードの2種類がある。
演出モードを詳細に区分すると、確変モード、確変潜伏(高)モード、確変潜伏(中)モード、確変潜伏A(中)モード、確変潜伏B(中)モード、確変潜伏A(低)モード、確変潜伏B(低)モード、通常(昇格あり)モード、通常(昇格なし)モードがあるが、通常(昇格あり)モードと通常(昇格なし)モードとでは同じ色の背景画像が可変表示装置9に表示される。確変モードでは、通常モードとは異なる色の背景画像が可変表示装置9に表示されるものとなる。
確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、確変潜伏A(低)モード、確変潜伏B(中)モード、確変潜伏B(低)モードでは、通常モードとも確変モードとも異なる色で演出モード毎に異なる色の背景画像が可変表示装置9に表示されるものとなる。確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、及び確変潜伏A(低)モードと、確変潜伏B(中)モード、及び確変潜伏B(低)モードとでは、演出に登場するキャラクタの種類等の演出の内容にも違いがある。また、確変モード及び通常モード(昇格あり、昇格なしの何れも含む)では、飾り図柄は縦方向にスクロールさせられるが、確変潜伏モード(A、Bの何れも含み、高、中、低の何れも含む)では、飾り図柄のスクロール方向が横方向に変化させられる。
演出モードの振り分けは、まず、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態が終了したことを契機として、表示制御基板80の表示制御用CPUにより行われる。図8は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶された第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態の終了時において演出モードの振り分けを行うためのテーブルである。演出モードの振り分けは、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態に制御させる原因となった大当たりまたは小当たりの種類と、第2大当たり遊技状態の終了後の振り分けでは直前に実行された変動表示における変動パターンと、表示制御用CPUが抽出するモード振り分け用乱数の値に従って決定される。なお、演出モードには通常(昇格あり)モードもあるが、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態の終了直後に、通常(昇格あり)モードに振り分けられることはない。
図示するように、確率変動大当たりに基づく第1大当たり遊技状態が終了した後には、100%の確率で確変モードに制御される。時短大当たりに基づく第1大当たり遊技状態が終了した後には、100%の確率で通常(昇格なし)モードに制御される。確率変動大当たりまたは時短大当たりの発生は、可変表示装置9に停止された飾り図柄の組み合わせによっても特定できるので、振り分けられる演出モードも、特定された大当たりの種類に応じて特定される遊技状態をそのまま示すものとなっている。
突然確変大当たりまたは突然通常大当たりに基づく第2大当たり遊技状態が終了した後には、直前の変動表示における変動パターンに応じた振り分け比率で、確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、確変潜伏A(低)モード、確変潜伏B(中)モード、確変潜伏B(低)モードの何れかに振り分けられる。それぞれの振り分け比率は、直前の変動パターンが非リーチであれば、0%、15%、35%、15%、35%となっている。直前の変動パターンがスーパーリーチAまたは疑似連Aであれば、80%、5%、5%、5%、5%となっている。直前の変動パターンがスーパーリーチBまたは疑似連Bであれば、10%、40%、5%、40%、5%となっている。直前の変動パターンがスーパーリーチCまたは疑似連Cであれば、10%、5%、40%、5%、40%となっている。
このように突然確変大当たりである場合に突然通常大当たりである場合よりも選択されやすいスーパーリーチAまたは疑似連Aで変動表示が実行されていたとき(すなわち、確率変動状態に制御されている可能性が高い)には、確変潜伏A(高)モードに制御されやすくなる。突然確変大当たりでも突然通常大当たりでも同等に選択されるスーパーリーチBまたは疑似連Bで変動表示が実行されていたとき(すなわち、確率変動状態に制御されている可能性と制御されていない可能性にほとんど差がない)には、確変潜伏A(中)モードまたは確変潜伏B(中)モードに制御されやすくなる。突然確変大当たりである場合よりも突然通常大当たりである場合に選択されやすいスーパーリーチAまたは疑似連Aで変動表示が実行されていたとき(すなわち、確率変動状態に制御されていない可能性が高い)には、確変潜伏A(低)モードまたは確変潜伏B(低)モードに制御されやすくなる。
また、小当たりに基づく第2大当たり遊技状態が終了した後には、直前の変動表示における変動パターンに応じた振り分け比率で、確変潜伏B(中)モード、確変潜伏B(低)モードの何れかに振り分けられる。確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、確変潜伏A(低)モードには、振り分けられない。それぞれの振り分け比率は、直前の変動パターンが非リーチであれば、50%、50%となっている。直前の変動パターンがスーパーリーチBまたは疑似連Bであれば、50%、50%となっている。直前の変動パターンがスーパーリーチCまたは疑似連Cであれば、20%、80%となっている。
小当たりの場合には、直前の変動パターンが何れであったとしても、第2大当たり遊技状態に制御される前の遊技状態がそのまま維持されるものであるが、突然確変大当たりである場合に突然通常大当たりであったならば変動パターンに応じて確率変動状態に制御されている確率に違いが生じるので、これに従って制御される確変潜伏モードの種類の振り分け比率に違いを生じさせるものである。
後述するように通常(昇格あり)モードに一旦転落し、その後に確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、或いは確変潜伏A(低)モードに昇格したときに確率変動状態に制御されていることの期待度は、転落前の各確変潜伏モードと微妙な違いが生じることがある。もっとも、何れにしても、確変潜伏A(高)モードは確変潜伏A(中)モード及び確変潜伏B(中)モードよりも、確変潜伏A(中)モードは確変潜伏A(低)モード及び確変潜伏B(低)モードよりも、確率変動状態に制御されていることの期待度が高いモードとなる。
通常モード(昇格あり、昇格なしとも)は、後述するように確変潜伏モードから転落して制御された場合には、依然として確率変動状態に制御されている可能性を残しているが、第1大当たり遊技状態が終了した直後から通常(昇格なし)モードに制御されたときには、時短大当たりに基づいて制御されたことになるので、確率変動状態に制御されているという可能性はない。但し、後述するようにパチンコ遊技機1の電源を立ち上げることで通常(昇格なし)モードに制御されたときには、確率変動状態に制御されている可能性がある。
上記したように、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりに基づく第2大当たり遊技状態が終了した後には、何れかの確変潜伏モードに制御されることとなるが、この確変潜伏モードは、必ずしも次の大当たりが発生するまで続くものとは限らない。すなわち、確変潜伏モードに制御されているときには、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が開始する度(特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示が開始する度)に、転落抽選が行われ、これに当選すると通常モードに演出モードが制御されることとなる。
図9(a)は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶された転落抽選において確変潜伏モードから通常モードに転落させるか否かを決定するためのテーブルである。図示するように、確変潜伏モードから通常モードに転落させることを決定する確率は、確変潜伏モードの種類と、制御されている遊技状態に応じて異なっている。
図9(a)から分かるように、確変潜伏A(低)モードまたは確変潜伏B(低)モードは確変潜伏A(中)モードまたは確変潜伏B(中)モードよりも、確変潜伏A(中)モードまたは確変潜伏B(中)モードは確変潜伏A(高)モードよりも通常モードへの転落確率が高くなっている。また、確率変動状態に制御されていないときには、確率変動状態に制御されているときに比べて通常モードへの転落確率が高くなっている。
なお、前述したように、通常モードには、確変潜伏モードへの昇格があり得る通常(昇格あり)モードと、昇格があり得ない通常(昇格なし)モードがあるが、何れに制御されるかは、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてから実行された飾り図柄(特別図柄)の変動表示の回数に応じて決まるものとなっている。すなわち、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてから実行された変動表示の回数が70回以下であるときには、通常(昇格あり)モードに制御され、70回を越えるときには、通常(昇格なし)モードに制御される。
通常(昇格あり)モードに制御されているときには、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が開始する度(特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示が開始する度)に、昇格抽選が行われ、これに当選すると確変潜伏モードに演出モードが制御されることとなる。昇格抽選によって確変潜伏モードに制御させるか、制御させる場合に何れの確変潜伏モードに制御されるかは、遊技状態と、通常モードに転落する前に制御されていた確変潜伏モードの種類に応じて決定されるものとなる。
図9(b)は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶された昇格抽選において通常(昇格あり)モードから確変潜伏モードに昇格させるか否か、さらには何れの種類の確変潜伏モードに昇格させるかを決定するためのテーブルである。図示するように、確変潜伏モードから通常(昇格あり)モードに転落した後、再び確変潜伏モードに昇格させることを決定する確率、及び昇格される確変潜伏モードの種類を選択する確率は、通常(昇格あり)モードに転落する直前に制御されていた確変潜伏モードの種類と、制御されている遊技状態に応じて異なっている。確率変動状態に制御されているときには、確率変動状態に制御されていないときに比べて確変潜伏モードへ再昇格される確率が高くなっている。
また、図9(b)から分かるように、通常(昇格あり)モードから確変潜伏モードに昇格させられる場合における確変昇格モードの種類は、通常(昇格あり)モードに転落する前に制御されていた確変潜伏モードと同じ種類の確変潜伏モード、或いは通常(昇格あり)モードに転落する前に制御されていた確変潜伏モードよりも確率変動状態に制御されていることの期待度が高い確変潜伏モードだけとなっている。但し、確変潜伏B(低)モード、確変潜伏B(中)モードに昇格することはなく、転落前の確変潜伏B(低)モード、確変潜伏B(中)モードは、昇格後の確変潜伏A(低)モード、確変潜伏A(中)モードに対応させている。
例えば、通常(昇格あり)モードに転落する前に確変潜伏A(低)モードまたは確変潜伏B(低)モードに制御されていたときには、確変潜伏A(低)モード、確変潜伏A(中)モード、確変潜伏A(高)モードの何れにも制御され得るが、通常(昇格あり)モードに転落する前に確変潜伏A(中)モードまたは確変潜伏B(中)モードに制御されていたときには、確変潜伏A(中)モード、確変潜伏A(高)モードの何れにも制御され得るものとなり、確変潜伏A(低)モードには制御され得ない。通常(昇格あり)モードに転落する前に確変潜伏A(高)モードに制御されていたときには、確変潜伏A(高)モードにのみ制御され得るものとなり、確変潜伏A(低)モード、確変潜伏A(中)モードには制御され得ない。
上記のように確変潜伏モードから通常モードへの転落が決定されたとき、或いは、通常モードから確変潜伏モードへの昇格が決定されたときには、演出モードが切り替えられる。演出モードの切り替えは、切り替え前の演出モードの画像に対して切り替え後の演出モードの画像をワイプインさせることにより行われる。
確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、確変潜伏B(中)モード、確変潜伏A(低)モード、または確変潜伏B(低)モードから通常(昇格あり)モードまたは通常(昇格なし)モードに切り替えられるときには、1)上下左右、2)上下、または、3)左右の何れかから通常モードの画像がワイプインしてくる。通常(昇格あり)モードから確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、または確変潜伏A(低)モードに切り替えられるときには、1)上下左右、2)上下、または、3)左右の何れかから確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、または確変潜伏A(低)モードの画像がワイプインしてくる。切り替え後の演出モードの画像をどの方向からワイプインさせるかについては、例えば、ランダムに選ばれる。
なお、確変潜伏モードから通常モードへの転落、及び通常モードから確変潜伏モードへの昇格は、第12当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてから実行された変動表示の回数が70回以下である限り、何度でも行われる可能性がある。このような場合でも、通常モードとして通常(昇格あり)モードに制御されることとなる変動表示の回数の起算点は、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されたときとなることに注意を要する。
また、パチンコ遊技機1において、主基板31のRAM55と表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータのRAMは、何れもバッテリバックアップされているので、電源をONしたときには、直前に電源をOFFしたときの状態から遊技が再開されることとなる(但し、新たな設定値を設定しなかった場合)。もっとも、演出モードについては、直前に電源をOFFしたときの演出モードに関わらず、また、遊技状態に関わらず、演出モードは、通常(昇格なし)モードにセットされるものとなっている。
上記のように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が開始する度に、確変潜伏モードにおいては転落抽選が行われ、これに当選すると通常モードに転落させられ、通常モード(昇格あり)においては昇格抽選が行われ、これに当選すると確変潜伏モードに再度昇格させられる。これにより、遊技者は、通常モード(昇格あり)に制御されているときには、確変潜伏モードに再昇格させられないかと期待しながら遊技を行うものとなる。一方、確変潜伏モードに制御されているときには、通常モードに転落させられないかと不安を感じながら遊技を行い、通常モードへの転落がなければ安堵する。
このような遊技者の期待感や不安感を煽るため、確変潜伏モードにおいて転落抽選に当選しなかったときに通常モードへの転落の不安感を煽る転落煽り演出を実行する場合があり、通常(昇格あり)モードにおいて昇格抽選に当選しなかったときに確変潜伏モードへの昇格の期待感を煽る昇格煽り演出を実行する場合がある。ここで、転落煽り演出は、確変潜伏モードの画像に対して通常モードの画像を中途までワイプインさせるが、結果的にワイプインさせずに終了させてしまうという態様で実行される。ワイプインの方向は、確変潜伏モードの画像から通常モードの画像への切り替えの場合と同様に、1)上下左右、2)上下、3)左右の3種類がある。
一方の昇格煽り演出も、通常モードの画像に対して確変潜伏モードの画像を中途までワイプインさせるが、結果的にワイプインさせずに終了させてしまうという態様で実行される。ワイプインの方向は、通常モードの画像から確変潜伏モードの画像への切り替えの場合と同様に、1)上下左右、2)上下、3)左右の3種類がある。なお、中途までワイプインしてくる確変潜伏モードの画像は、通常(昇格あり)モードに転落する前に制御されていた種類の確変潜伏モードに対応した画像となっている。また、転落煽り演出、昇格煽り演出の態様(上下左右、上下、左右からのワイプイン)の選択は、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数に応じて行われるものとなっている。
次に、転落煽り演出の態様の選択について説明する。図10(a)は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶された転落煽り演出の態様を選択するためのテーブルを示す図である。図示するように、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が10回以下であるときには、上下左右からのワイプインが2%の確率で選択され、上下からのワイプインが4%の確率で選択され、左右からのワイプインが8%の確率で選択され、残りの86%では何れの態様の転落煽り演出も実行しないことが選択される。
飾り図柄の変動表示の回数が11回以上30回以下であるときには、上下左右からのワイプインが5%の確率で選択され、上下からのワイプインが20%の確率で選択され、左右からのワイプインが5%の確率で選択され、残りの70%では何れの態様の転落煽り演出も実行しないことが選択される。飾り図柄の変動表示の回数が31回以上であるときには、上下左右からのワイプインが30%の確率で選択され、上下からのワイプインが20%の確率で選択され、左右からのワイプインが10%の確率で選択され、残りの40%では何れの態様の転落煽り演出も実行しないことが選択される。
図10(a)から分かるように、何らかの態様で転落煽り演出が実行されることとなる割合は、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が大きくなるほど高くなっている。これは、実際の遊技状態が確率変動状態に制御されているのであれば、1/30(所定の設定値の場合)という非常に高い確率で次の大当たりが発生するので、大当たりとならずに実行される変動表示の回数が大きくなればなるほど、確率変動状態に制御されていない可能性が高まることによるものである。
特に第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が31回以上となったときに転落煽り演出を実行させる確率を60%という高い割合にするのは、確率変動状態での大当たり発生までの期待ゲーム数が30ゲーム(所定の設定値の場合)となるので、これを越える回数の変動表示が行われて大当たりが発生していないときには、確率変動状態に制御されていない可能性の方が高いと考えられるからである。
次に、昇格煽り演出の態様の選択について説明する。図10(b)は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶された昇格煽り演出の態様を選択するためのテーブルを示す図である。図示するように、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が30回以下であるときには、上下左右からのワイプインが30%の確率で選択され、上下からのワイプインが20%の確率で選択され、左右からのワイプインが10%の確率で選択され、残りの40%では何れの態様の昇格煽り演出も実行しないことが選択される。
飾り図柄の変動表示の回数が31回以上50回以下であるときには、上下からのワイプインが20%の確率で選択され、左右からのワイプインが10%の確率で選択され、残りの70%では何れの態様の昇格煽り演出も実行しないことが選択される。上下左右からのワイプインが選択されることはない。飾り図柄の変動表示の回数が51回以上70回以下(70回を越えると、何れにしても通常(昇格なし)モードになる)であるときには上下からのワイプインが5%の確率で選択され、左右からのワイプインが10%の確率で選択され、残りの85%では何れの態様の昇格煽り演出も実行しないことが選択される。上下左右からのワイプインが選択されることはない。
図10(b)から分かるように、何らかの態様で昇格煽り演出が実行されることとなる割合は、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が大きくなるほど低くなっている。これも、実際の遊技状態が確率変動状態に制御されているのであれば、1/30(所定の設定値の場合)という非常に高い確率で次の大当たりが発生するので、大当たりとならずに実行される変動表示の回数が大きくなればなるほど、確率変動状態に制御されていない可能性が高まることによるものである。
特に第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が30回以下であるとき昇格煽り演出を実行させる確率を60%という高い割合にするのは、確率変動状態での大当たり発生までの期待ゲーム数が30ゲーム(所定の設定値の場合)となるので、これ以下の回数の変動表示で大当たりが発生していなくても、確率変動状態に制御されている可能性は十分に高いと考えられるからである。
また、昇格煽り演出の態様として上下左右からのワイプインは、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が30回以下であるときにしか実行されることがない。これは、変動表示の回数が30回以下であるときには、未だ大当たりが発生していなくても確率変動状態に制御されている可能性は十分に高いと考えられるので、上下左右からのワイプインによる昇格煽り演出を、確率変動状態に制御されている可能性が未だ十分に高いと考えられる昇格煽り演出としてプレミア性を持たせるためである。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において遊技の進行のために行われる処理について説明する。まず、電源起動時の処理について説明する。リセットスイッチ93をON状態とした状態でメインスイッチ94をON状態としてパチンコ遊技機1を起動すると、RAM55の格納領域のうち使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する。そして、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。
一方、リセットスイッチ93をOFF状態でメインスイッチ94をON状態としてパチンコ遊技機1を起動した場合は、RAM55のデータが壊れているかどうかを診断し、RAM55のデータが壊れていなかった場合、すなわち前回のパチンコ遊技機1の電源をOFFしたときのデータが正常なままで残っている場合には、RAM55に記憶されているデータはそのままとして、前回にパチンコ遊技機1の電源をOFFしたときの状態から、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。
パチンコ遊技機1において遊技を進行させるための処理は、2ms毎に実行されるタイマ割り込みに従って実行される。なお、打球操作ハンドル5の操作に基づく遊技領域7への遊技球の発射だけは、2ms毎のタイマ割り込み処理とは独立して行われるものとなっている。
図11は、CPU56が実行するメイン処理にて2ms毎に実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS21)を行った後、ステップS22〜S36の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63、クリアスイッチ65、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定するスイッチ処理を行う(ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当たり判定用の乱数、大当たり種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS24)及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS25)。
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器10a、10b、可変表示装置9、特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定され、可変表示装置9等において各種演出を行うためのコマンドを表示制御基板80に送出する特別図柄コマンド制御処理を行う(ステップS28)。また、普通図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定された普通図柄に関するコマンドを送出する普通図柄コマンド制御処理を行う(ステップS29)。
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当たり情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63等の何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。記憶処理においては、始動口スイッチ62a、62bの検出信号に基づいて大当たり判定用乱数等の各種乱数を抽出し、抽出した乱数の値を始動口スイッチ62a、62bの別に保留記憶させる。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行う(ステップS34)。可変入賞装置15、特別可変入賞装置20、を開放状態または閉鎖状態としたり、大入賞口21内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS35)、割込許可状態に設定する(ステップS36)。
次に、ステップS26の特別図柄プロセス処理について説明する。特別図柄プロセス処理では、CPU56は、まず、遊技盤6に設けられている始動入賞口14a、14bに遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ62がオンしているかどうか、すなわち遊技球が始動入賞口14a、14bに入賞する始動入賞が発生しているかどうかを判定し、始動入賞が発生していたら始動口スイッチ通過処理を行う。始動口スイッチ通過処理では、大当たり判定用乱数大当たり、種別判定用乱数、変動種別判定用乱数、及び変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した乱数の値と遊技球が入賞した始動入賞口の種類を始動入賞毎の識別情報と対応付けた開始時コマンドを表示制御基板80へと送信する。
その後、特別図柄プロセスフラグの状態に応じて、次に説明する特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、演出設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理、大当たり終了処理の何れかの処理を行う。
特別図柄通常処理:特別図柄の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の変動表示の結果、大当たり判定用乱数の値に基づいて大当たりとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定し、大当たりとする場合には、大当たり種別判定用乱数の値に基づいて大当たりの種別も決定する。また、大当たりとしない場合には、小当たり判定用乱数の値に基づいて小当たりとするか否かを決定する。始動入賞口14a、14bの何れについても保留記憶カウンタの値が0でないときには、始動入賞口14bの保留記憶から優先して大当たり等の決定が行われる。
変動パターン設定処理:特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動パターン種別を、始動入賞時に抽出した変動種別判定用乱数の値と保留記憶の数とに応じて選択する。そして、選択した変動パターンの種別と始動入賞発生時に抽出した変動パターン判定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。決定された変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間を特別図柄プロセスタイマ(ダウンタイマにより構成される)にセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、特別図柄表示器10aまたは10bに特別図柄の変動表示開始を指示する信号を出力するとともに、大当たりとするか否か及び大当たり種別並びに小当たりとするか否かを示すとともに選択した変動パターンを示す開始時コマンドとを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。
特別図柄変動処理:変動パターン設定処理で選択された変動パターンに応じて変動時間のセットされた特別図柄プロセスタイマの計時時間を監視し、当該変動時間が経過して特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、次に特別図柄停止処理に移行させるよう制御を行う。
特別図柄停止処理:特別図柄表示器10a、10bにて変動表示する特別図柄の変動表示を停止するとともに、特別図柄の停止を示す信号を特別図柄表示器10a、10bに出力される状態に設定するとともに、図柄の停止を示す図柄停止コマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
大入賞口開放前処理:大当たりまたは小当たり後に最初にこの処理が行われるときには大入賞口21のラウンド数を設定した後、大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド72を駆動して大入賞口21を開放状態として特別可変入賞装置20を開放状態とする。また、大入賞口21の開放されたラウンド数をカウントすると共に、開放タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定する。
大入賞口開放中処理:第1大当たり遊技状態中および第2大当たり遊技状態中のラウンド表示のためのラウンドコマンド及びラウンド終了コマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する処理や、大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。
大当たり終了処理:第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態が終了して遊技状態が変化したことを示す遊技状態コマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
一方、表示制御基板80などのサブ側の各種基板においては、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて可変表示装置9において飾り図柄の変動表示を実行したり、演出モードを変化させたり、リーチ予告や転落/昇格煽り演出などの各種演出を実行したり、第1大当たり遊技状態に制御されているときに大当たりラウンド演出を実行する処理を行う。図12は、表示制御基板80の表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
このメイン処理では、まず、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに含まれるRAMのうちで必要な領域を初期化する初期化処理を行う(ステップS701)。次に、所定時間(例えば、2ms)毎に実行されるタイマ割り込み処理によってセットされるタイマ割り込みフラグの状態が1となっているかどうかを判定し(ステップS702)、タイマ割り込みフラグの状態が1となるまでステップS702の処理を繰り返して行う。
タイマ割り込みフラグの状態が1となっている後、まず、このタイマ割り込みフラグを0にクリアし(ステップS703)、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドを受信したかどうかをチェックし、コマンドを受信している場合には、その内容を解析するコマンド解析処理を実行する(ステップS704)。
次に、コマンド解析処理におけるコマンドの解析結果に基づいて、可変表示装置9において飾り図柄を変動表示させたり、大当たりラウンド演出を実行させたりする演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。また、コマンドの解析結果に基づいて、演出モードを変化させたり、転落/再昇格煽り演出やリーチ予告などの各種演出を実行させる予告制御プロセス処理を実行する(ステップS706)。さらに、予告態様判定用乱数などの乱数を更新する乱数更新処理を実行して(ステップS707)、ステップS702の処理に戻る。
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、確率変動大当たりに制御されているときには、通常遊技状態に制御されているときよりも高い確率で大当たり抽選に当選するので、結果として確率変動大当たりまたは時短大当たりが発生する確率が高くなり、遊技者が多くの遊技球を獲得できるようになる第1大当たり遊技状態に制御されやすくなる。このような確率変動状態には、突然確変大当たりの発生に基づく大入賞口21が0.5秒2ラウンドという僅かに開放される第2大当たり遊技状態の制御が終了した後にも制御される。
もっとも、大入賞口21が0.5秒2ラウンドだけ開放される第2大当たり遊技状態に制御される契機としては、突然通常大当たりの発生や小当たりの発生もある。突然通常大当たりが発生したときには、第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されない。小当たりが発生したときには、第2大当たり遊技状態の終了後も第2大当たり遊技状態に制御される前の遊技状態が維持されるので、第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御される場合とされない場合とがある。
このような第2大当たり遊技状態への制御を伴う突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりの発生は、確率変動大当たりや時短大当たりの発生時のように可変表示装置9に導出された飾り図柄の組み合わせでは示されない。つまり、遊技者は、大入賞口21の開放態様から突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりの何れかが発生したことは特定できるが、その何れが発生したかまでは特定できず、確率変動状態に制御された可能性を期待できる。そして、第2大当たり遊技状態が終了した後の演出モードは、確率変動状態と通常遊技状態の何れに制御されているかが特定不能な確変潜伏モードに制御されることとなる。
確変潜伏モードへの制御の前提となる第2大当たり遊技状態の直前に実行される飾り図柄の変動表示では、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチC、疑似連A、疑似連B、疑似連Cの変動パターンが選択される割合が高くなっている(但し、スーパーリーチAと疑似連Aは、突然確変大当たりまたは突然通常大当たりの場合のみ選択され、小当たりの場合には選択され得ない)。これらの変動パターンが選択されたときには、選択された変動パターンに応じたリーチ演出が実行されてから飾り図柄の変動表示がハズレ(リーチハズレ)の組み合わせで停止され、第2大当たり遊技状態に制御される。
一方、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチC、疑似連A、疑似連B、疑似連Cの変動パターンは、確率変動大当たりまたは時短大当たりのときにはハズレのときよりも選択比率が高い変動パターンであり、リーチ演出が実行されてから飾り図柄の変動表示が同じ種類の組み合わせで停止され、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなる期待度を高めさせる変動パターンでもある。
この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、これらの変動パターンでのリーチ演出が実行された後に飾り図柄が同じ種類の組み合わせで停止されなかったときでも、第2大当たり遊技状態を経て確変潜伏モードに制御されることがあり、確変潜伏モードへの制御により確率変動状態に制御されたことを期待させることができるものとなるので、遊技者を落胆させずに済むものとなる。
また、第2大当たり遊技状態を経て確変潜伏モードに制御される前の変動表示で実行されるリーチ演出は、選択された変動パターンの違いに応じて複数種類存在するものとなっている。このため、確変潜伏モードに制御される直前の飾り図柄の変動表示における演出(特にリーチ演出)が一定せず、様々なリーチ演出から確変潜伏モードへと制御されるので、確変潜伏モードへの制御に対して遊技者に意外性を感じさせることができる。
さらに、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりの発生に基づく第2大当たり遊技状態が終了した後に制御される確変潜伏モードにも、確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、確変潜伏A(低)モード、確変潜伏B(中)モード、確変潜伏B(低)モードという複数種類のものがある。そして、何れの種類の確変潜伏モードに制御されるかによって、実行される演出の内容に違いがあり、また、確率変動状態に制御されていることの期待度にも違いがあるものとなっている。
このため、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチC、疑似連A、疑似連B、疑似連Cの変動パターンの選択によりリーチ表示態様が表示され、リーチ演出が実行された場合に、さらに中の飾り図柄まで左及び右の飾り図柄と同じ種類の飾り図柄で停止されて第1大当たり遊技状態に制御されることとなるかだけではなく、中の飾り図柄が左及び右の飾り図柄とは同じ種類の飾り図柄で停止されなくても、何れの種類の確変潜伏モードに制御されるかについても遊技者を注目させることができる。これにより、遊技の興趣を一層向上させるものとなる。
また、確変潜伏モードへの制御の前提となる第2大当たり遊技状態の直前に実行される飾り図柄の変動表示では、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチC、疑似連A、疑似連B、疑似連Cの変動パターンが選択される割合が高いものの、非リーチハズレの変動パターンが選択されることもある。突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなることが決定されて非リーチハズレの変動パターンが選択されたときには、リーチ演出が実行されないのはもちろん、リーチ表示態様も表示されないまま飾り図柄の変動表示が停止されるが、このような状態からも第2大当たり遊技状態に制御され、その後に確変潜伏モードに制御されることがある。
これにより、リーチ演出が実行されないだけでなく、リーチ表示態様も表示されないまま飾り図柄の変動表示が停止されたときでも、なおも確変潜伏モードへの制御(すなわち、確率変動状態への制御)に対しては期待感が持てるので、遊技者の期待感を維持させることができる。また、確変潜伏モードへの制御の前提となる第2大当たり遊技状態の直前に実行される飾り図柄の変動表示の種類がより多彩となるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、飾り図柄の変動表示が開始されてから未だ何れの飾り図柄も停止していないまでの期間(或いは、左の飾り図柄までしか停止していないまでの期間)では、遊技者は、まず第一にリーチ表示態様の出現を期待するが、この期間においてリーチ表示態様の出現を予告するリーチ予告が実行され得るものとなっている。リーチ予告には、予告A、予告B、予告Cの3種類があるが、予告Aは、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなることが決定されていて疑似連A〜Cの変動パターンが選択された場合の他は、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなることが決定されていて(すなわち、確変潜伏モードに制御されることが決定されていて)疑似連A〜Cの変動パターンが選択された場合にしか選択されない。
このため、未だ何れの飾り図柄も停止していないうちに(或いは、未だ右の飾り図柄までは停止していないうちに)リーチ予告として予告Aが実行されたときには、スーパーリーチA〜Cの変動パターンでリーチ表示態様が出現し、リーチ演出が実行された後に中の飾り図柄が左及び右の飾り図柄と同じ種類で停止されなかったとき(すなわち、確率変動大当たりまたは時短大当たりの発生とならなかったとき)でも、確率変動状態への制御を期待できる確変潜伏モードへの制御が担保されることとなっている。これにより、遊技者の期待感を喪失させずに済むものとなる。
また、疑似連A〜Cの変動パターンが選択された場合においては、最終的に停止される飾り図柄の組み合わせだけではなく、仮停止される飾り図柄の組み合わせも選択されるが、この仮停止される飾り図柄の組み合わせには、予め定められたチャンス目が用意されている。このチャンス目は、確率変動大当たりまたは時短大当たりとなることが決定されていて疑似連A〜Cの変動パターンが選択された場合の他は、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりとなることが決定されていて(すなわち、確変潜伏モードに制御されることが決定されていて)疑似連A〜Cの変動パターンが選択された場合にしか選択されない。
このため、疑似連A〜Cの変動パターンでチャンス目が仮停止されたときには、仮停止後の変動表示においてリーチ表示態様が出現し、リーチ演出が実行された後に中の飾り図柄が左及び右の飾り図柄と同じ種類で停止されなかったとき(すなわち、確率変動大当たりまたは時短大当たりの発生とならなかったとき)でも、確率変動状態への制御を期待できる確変潜伏モードへの制御が担保されることとなっている。これにより、遊技者の期待感を喪失させずに済むものとなる。
また、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1において確変潜伏モードへの制御の前提となる第2大当たり遊技状態に制御させる契機としては、突然確変大当たりと突然通常大当たりの他に、第2大当たり遊技状態の終了後も第2大当たり遊技状態に制御される前の遊技状態が維持される小当たりがある。確変潜伏モードには、確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、確変潜伏A(低)モード、確変潜伏B(中)モード、確変潜伏B(低)モードの5種類がある。
後二者の確変潜伏モードには、突然確変大当たりまたは突然通常大当たりの発生に基づいて第2大当たり遊技状態に制御された後だけではなく、小当たりの発生に基づいて第2大当たり遊技状態に制御された後にも制御されるが、前三者の確変潜伏モードには、突然確変大当たりまたは突然通常大当たりの発生に基づいて第2大当たり遊技状態に制御された後にしか制御されない。従って、前三者の確変潜伏モードに制御されたときの方が、後二者の確変潜伏モードに制御されたときよりも、第2大当たり遊技状態への制御の前後で遊技状態が変化している場合が多い。
これにより、確率変動状態に制御されているのであれば大当たりが発生しても可笑しくない程度の十分な回数の変動表示が実行されているのに未だ大当たりが発生していないとき(通常遊技状態に制御されている可能性が濃厚となる)は、前三者の確変潜伏モード、後二者の確変潜伏モードの何れに制御されても通常遊技状態(もっとも、実際には確率変動状態となっていたことも稀にある)を脱する可能性を期待できるものの、前三者の確変潜伏モードに制御されたときの方が、その期待感が大きくなる。このように前三者の確変潜伏モードと後二者の確変潜伏モードの何れに制御されるかで遊技者に与える期待感に違いを生じさせることで、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりの発生に基づく第2大当たりが終了した後に制御される確変潜伏モードは、確率変動状態に制御されているかどうかを特定することができない演出モードであるものの、通常モード(時短大当たりに基づく第1大当たり遊技状態が終了した後には確率変動状態に制御されている可能性はない)に制御されているときに比べて、確率変動状態に制御されている可能性が高いので、遊技者は、一定の期待感を得ることができる。が、第2大当たり遊技状態が終了して確変潜伏モードに制御されても、変動表示が開始される度に行われる転落抽選に当選すると、通常モードに転落してしまう。
もっとも、確変潜伏モードから通常モードに転落しても、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御された後の変動表示の回数が70回以下であれば、その通常モードは、昇格抽選に当選することで確変潜伏モードに再昇格し得る通常(昇格あり)モードとなる。このように確変潜伏モードから通常モードに転落しても、再び確変潜伏モードに制御されることの期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、確変潜伏モードから通常モードに一旦転落した後、昇格抽選により再び確変潜伏モードに昇格制御させられるときには、通常モードに転落する前に制御されていたのと同じ確変潜伏モードか、これよりも確率変動状態に制御されていることの期待度が高い確率潜伏モードに制御される(例えば、通常モードに転落する前に確変潜伏A(中)モードまたは確変潜伏B(中)モードに制御されていたのであれば、確変潜伏A(中)モードまたは確変潜伏A(高)モードのみに制御され、確変潜伏A(低)モードに制御されることはない)。これにより、確変潜伏モードと特別モードの間で一旦通常モードに転落させられていたということが、遊技者の期待感を削いでしまうことがない。
また、確変潜伏モードから通常モードに転落したときに、その通常モードが確変潜伏モードへの昇格可能性がある通常(昇格あり)モードとなるのは、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御された後の変動表示の回数が70回以下である場合に限られている。確率変動状態における大当たり確率は1/30(所定の設定値の場合)であるため、70回もの変動表示を繰り返しても大当たりしないということは確率変動状態に制御されている可能性がほぼ0に近いことになってしまう。確率変動状態に制御されている可能性がほぼ0であると遊技者も認識しているような場面で無駄な確変潜伏モードへの移行を行って遊技者を煩わせることがない。
また、確変潜伏モードに制御されているときには、ここから通常モードに転落する可能性が常にあるものの、実際には転落抽選に当選しないことの方が多い。もっとも、遊技者は、新たに飾り図柄の変動表示が開始される度に通常モードへ転落しないかという不安感を持って遊技を進めると考えられる。転落抽選に当選しなかったときには、通常モードへの切り替え時の態様と途中までの態様が同じな転落煽り演出を所定の割合で行うこととしているので、遊技者の不安感を適度に煽ることができ、これによって遊技の興趣を向上させることができる。
そして、この転落煽り演出には3種類の態様があるが、何れかの態様で転落煽り演出を行うこととなる頻度と、転落煽り演出の態様の選択割合の振り分けは、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御された後の変動表示の回数が10回以下、11〜30回、31回以上の何れであるかによって異なっている。同じ種類の確変潜伏モードに制御されているときでも、実行された変動表示の回数が多くなればなるほど確率変動状態に制御されていることの期待度は小さくなる。転落煽り演出は、この確率変動状態に制御されていることの期待度に応じた遊技者の感覚に即して実行することができるものとなる。
また、確変潜伏モードから転落して通常モードに制御されているときにおいて、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御された後の変動表示の回数が70回以下で通常(昇格あり)モードとなっていれば、ここから確変潜伏モードに昇格する可能性があるものの、実際には昇格抽選に当選しないことの方が多い。もっとも、遊技者は、新たに飾り図柄の変動表示が開始される度に確変潜伏モードに昇格しないかという期待感を持って遊技を進めていると考えられる。昇格抽選に当選しなかったときには、切り替え時の態様と途中までの態様が同じな昇格煽り演出を所定の割合で行うこととしているので、遊技者の期待感を煽ることができ、これによって遊技の興趣を向上させることができる。
そして、この昇格煽り演出にも3種類の態様があるが、何れかの態様で転落煽り演出を行うこととなる頻度と、昇格煽り演出の態様の選択割合の振り分けも、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御された後の変動表示の回数が30回以下、13〜50回、51回〜70回の何れであるかによって異なっている。通常モードに転落したときでも、未だ実行された変動表示の回数が少なければ確率変動状態に制御されていることの期待度も高くなる。昇格煽り演出は、この確率変動状態に制御されていることの期待度に応じた遊技者の感覚に即して実行することができるものとなる。
さらに、昇格煽り演出の3種類の態様のうちの上下左右からのワイプインは、第2大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が30回以下であるときにしか実行されることがない。変動表示の回数が30回以下であるときには、この変動表示の回数だけで考えれば未だ確率変動状態に制御されていることの可能性は十分に高くなっている(実際に1/2以上となる)と考えられる。これにより、上下左右からのワイプインによる昇格煽り演出に、確率変動状態に制御されている可能性が高いときのみの演出としてプレミア性を持たせることができる。
また、主基板31のRAM55及び表示制御基板80のRAMもバッテリバックアップされているので、パチンコ遊技機1の電源がONされたときには、直前に電源をOFFしたときの状態から遊技が再開されるものとなっている。もっとも、パチンコ遊技機1の電源がONされたときの演出モードは、新たに設定値を設定したか否かに関わらず、直前に電源をOFFしたときに制御されていた演出モードに関わらず、且つ確率変動状態に制御されているか否かに関わらず、確変潜伏モードへの昇格の可能性がない通常(昇格なし)モードに制御される。このため、新たに電源をONした直後(最も多くは、遊技店の開店時)の状態(特に設定値が変更されたか、確率変動状態に制御されているか)が遊技者に分かりにくくなり、射倖性を抑制することができる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、何れの種類の演出モードに制御されているときにおいても、リーチ予告が行われるものとなっている。リーチ予告には、複数種類の態様があり、そのうちの何れかの種類の態様で実行されるものとなっている(何れの態様のリーチ予告も実行されない場合もある)。ここで、リーチ予告の各態様は、通常(昇格なし)モードに制御されているときと、通常(昇格あり)モードを含む他の演出モードに制御されているときとで異なる割合で選択されるものとなっている。これにより、通常モードに転落してしまっても、このときには実行されるリーチ予告に遊技者を注目させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、始動入賞口14aの始動入賞に基づく特別図柄の変動表示は特別図柄表示器10aで、始動入賞口14bの始動入賞に基づく特別図柄の変動表示は特別図柄表示器10bで実行されるものとなっている。始動入賞口14a、14bのそれぞれの入賞に対してRAM55に保留記憶バッファが別々に設けられ、特別図柄保留記憶表示部11a、11bも別々に設けられている。可変入賞装置15が設けられ、いわゆる電チューサポートが行われるのは始動入賞口14bだけであるが、始動入賞口14aの始動入賞による保留記憶と、始動入賞口14bの始動入賞による保留記憶の双方があるときには、始動入賞口14bに対応した保留記憶が優先して特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行わせるものとなっている。
ここで、いわゆる電チューサポートのない始動入賞口14aに遊技球が入賞しても、電チューサポートのある始動入賞口14bに遊技球が入賞しても、遊技状態が同じであれば、大当たり確率に違いはない。電チューサポートのない始動入賞口14aへの始動入賞に基づいて大当たりしたときには、第1大当たり遊技状態(30秒、15ラウンド)を経て確率変動状態に制御される確率変動大当たりとなる確率は3/10、第2大当たり遊技状態(0.2〜0.5秒、2ラウンド)を経て確率変動状態に制御される突確大当たりとなる確率は2/10である。
これに対して、電チューサポートのある始動入賞口14bへの始動入賞に基づいて大当たりしたときに第1大当たり遊技状態(30秒、15ラウンド)を経て確率変動状態に制御される確率変動大当たりとなる確率は4/10であり、第2大当たり遊技状態(0.2〜0.5秒、2ラウンド)を経て確率変動状態に制御される突確大当たりとなる確率は1/10である。時短状態においては、電チューサポートにより始動入賞口14bに入賞しやすくなり、確率変動状態に制御されても第1大当たりに制御されずに遊技球が増えず、遊技者を落胆させてしまうという状態を低減させることができ、遊技者の利益を高めさせることができる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、大当たり抽選の結果がハズレである場合における変動パターンの種別の選択を、スーパーリーチA〜Cハズレ、疑似連A〜Cハズレは保留記憶の数に関わらずに共通のものとしているが、非リーチハズレとノーマルリーチハズレは保留記憶の数に応じて異ならせるものとしている。これにより、スーパーリーチA〜Cハズレ、疑似連A〜Cハズレの種別に属する変動パターンを常に一定の割合で選択しつつ、保留記憶の数に応じて非リーチハズレとノーマルリーチハズレを選択する割合を容易に変えることができる。
また、保留記憶の数の違いに応じて変動パターンの種別の選択に違いが生じても、スーパーリーチA〜C、疑似連A〜Cの変動パターンの判断に全く影響を与えずに済むものとなる。また、保留記憶の数が3以上となっている場合、変動時間が短縮されるが、短縮時にはより変動時間が短い非リーチハズレを選択する割合が大きくなる。このため、保留記憶の数が多いときには、特別図柄及び飾り図柄の変動表示が平均的に早く消化されるため、変動表示の表示結果が導出されるのを待っている間に保留記憶可能な数を越えて始動入賞することが少なくなり、せっかくの始動入賞を無駄にしなくて済むようになる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、大当たり抽選に当選しなかったときに、大当たり判定用テーブル及び大当たり判定用乱数とは異なる小当たり判定テーブル及び小当たり判定用乱数を用いて、小当たり抽選を行っていた。もっとも、小当たり抽選にも大当たり抽選と同じ判定用乱数(例えば、ランダムR)を用い、大当たりと決定される乱数の範囲と小当たりと決定される乱数の範囲とを同じテーブルに登録しておき、判定用乱数の値が大当たりと決定される乱数の範囲であれば大当たりと、小当たりと決定される乱数の範囲であれば小当たりと決定するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、突然確変大当たり、突然通常大当たりが発生したときには、それぞれ第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態、通常遊技状態に制御しつつ時短状態には制御しないものとする一方、小当たりがほぼ時短状態に制御されているときに発生し得る、すなわち小当たりが発生したときには、第2大当たり遊技状態(小当たり遊技状態)の終了後にほぼ時短状態に制御されるものとすることで、第2大当たり遊技状態が終了した後に確率変動状態を潜伏させる(確率変動状態に制御されているか否かを遊技者に分からなくする)ものとしていた。
もっとも、第2大当たり遊技状態が終了した後に確率変動状態を潜伏させる手法は、これに限るものではなく、他の手法により第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態を潜伏させることのできるパチンコ遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、上記の実施の形態における突然確変大当たりと突然通常大当たりとはあるが、小当たりはない(始動入賞口14a、14bの何れの始動入賞に対しても、小当たり抽選を行わない)パチンコ遊技機であってもよい。
また、確率変動大当たりまたは時短大当たりが発生した後に時短状態に制御する回数を非常に少ない回数(例えば、10回以内)に限る、或いはそもそも時短状態に制御しないものとし、(ほとんど)全ての変動表示が時短状態に制御されていない低ベース状態で実行されるものとしてもよい。この場合、始動入賞口14aへの始動入賞よりも優先して変動表示が行われる始動入賞口14bへの始動入賞に対しても、始動入賞口14aの始動入賞と同等の当選確率で小当たり抽選を行うものとすることができる。
また、突然確変大当たり、突然通常大当たりが発生した場合に、時短状態に制御するか否かを該大当たりの発生時において時短状態に制御されていたか否かに応じて決めるものとしてもよい。例えば、時短状態に制御されているときの突然確変大当たりでは、第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御するとともに所定回(例えば、100回)または次の大当たりまで時短状態に制御するが、時短状態に制御されていないときの突然確変大当たりでは、第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御するが時短状態には制御しないものとすることができる。突然通常大当たりについても同様である。
さらに、突然通常大当たりがなく(大当たり種別として含まれない)、突然確変大当たりと小当たりとによって、第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態を潜伏させるものとすることもできる。この場合、大当たり種別として、確率変動大当たり、時短大当たり、突然確変大当たりに加えて、確率変動大当たりと同様に第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるが、停止される飾り図柄の組み合わせが時短大当たりと同じになる確変潜伏大当たりを設けるものとすることができる。
そして、確変潜伏大当たりに基づく第1大当たり遊技状態が終了した後に演出モードを何れかの種類の確変潜伏モードに制御するとともに、時短大当たりに基づく第1大当たり遊技状態が終了した後にも所定の割合(100%であっても、これより低い割合でもよい)で何れかの種類の確変潜伏モードに制御することができる。このように確変潜伏モードに制御されている状態で突然確変大当たりまたは小当たりが発生しても、突然確変大当たりの発生または確率変動状態に制御されているときの小当たりの発生で第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されたのか、確率変動状態に制御されていないときの小当たりの発生で第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されなかったのかが遊技者に分からなくなる。
このように上記の実施の形態とは異なる手法で第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態を潜伏させることができるパチンコ遊技機においても、確率変動状態を潜伏させる突然確変大当たり、突然時短大当たり、または小当たりの発生する変動表示で上記の実施の形態と同様に飾り図柄の変動パターン(特にリーチ変動パターン)を選択し、選択したリーチ変動パターンの種類(すなわち、実行されたリーチ演出の種類)に応じて、第2大当たり遊技状態の終了後に制御する確変潜伏モードの種類を決定するものとすることができる。
上記の実施の形態では、大当たり遊技状態として、確率変動大当たりまたは時短大当たりの発生に基づいて大入賞口21が30秒15ラウンドで開放状態となる第1大当たり遊技状態と、突然確変大当たりまたは突然通常大当たりの発生に基づいて0.5秒2ラウンドで開放状態となる第2大当たり遊技状態とがあり、小当たりの発生に基づいて制御される小当たり遊技状態は、第2大当たり遊技状態と全く同じに制御されるものであった。
このような第1大当たり遊技状態と第2大当たり遊技状態(小当たり遊技状態)に代えて、大入賞口21が開放されるラウンド数が互いに同じ(例えば、8ラウンド)であるが、1ラウンド当たりの大入賞口21の開放時間をそれぞれ30秒、0.5秒とした長期大当たり遊技状態と短期大当たり遊技状態とを設けるものとしてもよい(1ラウンド当たりの大入賞口21の開放時間と大入賞口21が開放されるラウンド数は、あくまで一例)。
そして、上記の実施の形態における第1大当たり遊技状態を長期大当たり遊技状態に置き換え、第2大当たり遊技状態を短期大当たり遊技状態に置き換えるものとすることができる。小当たりが発生したときに制御される小当たり遊技状態は、短期大当たり遊技状態と同じに制御される遊技状態と置き換えることができる。
このように、長期大当たり遊技状態と短期大当たり遊技状態とでは、1ラウンド当たりでの大入賞口21の開放時間が互いに異なるものの、大入賞口21が開放状態となるラウンド数が異なることはない。このため、大当たり遊技状態のラウンド数を報知するラウンド数表示器19をパチンコ遊技機1に設けないでも済むようになる。そして、ラウンド表示器19をパチンコ遊技機1に設けないで済むようになることから、突然確変大当たりに基づいて短期大当たり遊技状態に制御されているときに、これを小当たりに基づいて小当たり遊技状態に制御されているのと区別することが完全に不可能になる。
上記の実施の形態では、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが決定されたときには、非リーチハズレ、スーパーリーチAハズレ、スーパーリーチBハズレ、スーパーリーチCハズレ、疑似連Aハズレ、疑似連Bハズレ、及び疑似連Cハズレの何れかの変動パターンを選択していた。突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが決定されたときの変動パターンの選択は、これに限るものではなく、上記した何れかの変動パターンを一定程度以上の割合で選択するのであれば、他の種類の変動パターン(確率変動大当たりまたは時短大当たりが決定されているときと、ハズレが決定されているときとで全く同じ割合で選択される変動パターンを含んでもよい)を選択することがあってもよい。少なくとも上記した何れかの変動パターンを選択したときには、上記の実施の形態と同じ効果を奏することができるからである。
上記の実施の形態では、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりに基づいて第2大当たり遊技状態に制御した後には、必ず何れかの種類の確変潜伏モードに制御するものとしていた。もっとも、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりに基づいて第2大当たり遊技状態に制御した後に、一定程度以上の割合で何れかの種類の確変潜伏モードに制御する(但し、確変潜伏モードに制御する場合において何れの種類に制御するかは、上記の実施の形態と同様に決定する)のであれば、第2大当たり遊技状態の終了後に実際に制御されている遊技状態に応じて、確変モードまたは通常モードに制御することがあっても構わない。少なくとも何れかの種類の確変潜伏モードに制御される(された)場合は、上記の実施の形態と同じ効果を奏することができるからである。
上記の実施の形態では、通常遊技状態に制御されているか確率変動状態に制御されているかが特定不能な確変潜伏モードには、確変潜伏A(高)モード、確変潜伏A(中)モード、確変潜伏A(低)モード、確変潜伏B(中)モード、確変潜伏B(低)モードの5種類があり、それぞれに確率変動状態に制御されているか否かの期待度が異なるとともに、演出の内容にも違いがあるものとなっていた。
これに対して、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりの発生に基づく第2大当たり遊技状態が終了した後に制御される確変潜伏モードは、1種類だけであってもよい。この場合、確変潜伏モードに制御される直前に実行された変動表示を考えず、確変潜伏モードに制御されているという観点だけで考えれば、確変潜伏モードに制御されたときの演出の内容だけではなく確率変動状態に制御されていることの期待度も同じということになる。
もっとも、ここで、突然確変大当たり、突然通常大当たり、小当たりの発生の何れが発生して第2大当たり遊技状態が終了した後にも同じ割合(100%でも、これよりも低くてもよい)で確変潜伏モードに制御される場合、第2大当たり遊技状態に制御される前に実行された変動表示における変動パターンの選択比率が突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりの何れであるかによって異なるため、第2大当たり遊技状態に制御される直前に何れの変動パターンで変動表示が実行されたかによって確率変動状態に制御されていることの信頼度が異なるものとなる。
一方、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりに基づいて第2大当たり遊技状態に制御した後に確変潜伏モードに制御しないときもある場合、突然確変大当たり、突然通常大当たり、小当たりの何れが発生したかにより(或いは、第2大当たり遊技状態の終了後に通常遊技状態に制御されるか確率変動状態に制御されるかにより)確変潜伏モードに制御する割合を変えることができる。この場合、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが決定されたときの変動パターンの選択割合と、各々の場合に確変潜伏モードに制御する割合との関係に応じて、確変潜伏モードに制御されたときにおいて確率変動状態に制御されていることの期待度を、該確変潜伏モードに制御される前に実行された変動表示での変動パターンの種類に応じて異ならせることができる。
例えば、突然確変大当たりとなるときも突然通常大当たりとなるときも、スーパーリーチBハズレ及び疑似連Bハズレは同じ確率で選択されるが、突然確変大当たりとなったとき(及び、確率変動状態で小当たりが発生したとき)の方が突然通常大当たりとなったとき(及び、通常遊技状態で小当たりが発生したとき)よりも確変潜伏モードに制御される割合が高くなっているものとする。この場合、スーパーリーチBハズレまたは疑似連Bハズレで変動表示が行われてから確変潜伏モードに制御されるときにおける確率変動状態に制御されていることの期待度は、50%よりも高くなる。このように、確変潜伏モードに制御されたときにおいて確率変動状態に制御されていることの期待度は、突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが決定されたときの変動パターンの選択割合と、各々の場合に確変潜伏モードに制御する割合との関係に応じて定まるものとなる。
これらのように、確変潜伏モードに制御される前に実行された変動パターンの種類に応じて同じ確変潜伏モードに制御されても確率変動状態に制御されていることの期待度を異ならせることにより、どの様な変動パターンで変動表示が実行されてから確変潜伏モードに制御されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、確変潜伏モードには、確率変動状態に制御されていることの期待度が異なる複数種類のものがあり、制御されている確変潜伏モードの種類に応じて転落抽選の当選確率や、通常モードへの転落前に制御されていた確変潜伏モードの種類に応じて昇格抽選の当選確率を異なるものとするが、実行される演出の内容自体は、何れの種類の確変潜伏モードに制御されているときも同じとしてもよい。
上記の実施の形態では、確変潜伏モードから通常モードへの転落は、何れの確変潜伏モードにおいても可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が開始するときに行われる転落抽選に当選することによって、行われるものとしていた。この転落抽選の当選確率は、確変潜伏モードの種類と遊技状態(確率変動状態か否か)とによって異なるものとなっていたが、さらに、第2大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数に応じても、転落抽選の当選確率を異ならせるものとしてもよい。
また、確変潜伏モードから通常モードへの転落を、転落抽選の結果に従って行うのではなく、第2大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数に従って行うものとしてもよい。通常モードに転落するまでの変動表示の回数は、確変潜伏モードの種類毎に異なっていてもよい。例えば、確率変動状態に制御されている期待度が低い確変潜伏A(低)モードまたは確変潜伏B(低)モードからは、確率変動大当たりのが逆数である30回の変動表示(所定の設定値の場合)を消化して31回目の変動が開始されたときに通常モードに転落させるものとするが、確変潜伏A(中)モードまたは確変潜伏B(中)モードからは46回目、確変潜伏A(高)モードからは61回目の変動表示が開始されたときに通常モードに転落させるものとしてもよい。変動表示の回数による通常モードへの転落と、転落抽選の当選による通常モードへの転落とを併用してもよい。
上記の実施の形態では、確率変動状態に制御されていることの期待度に応じて確変潜伏(高)モード、確変潜伏A(中)モードや確変潜伏B(中)モード、確変潜伏A(低)モードや確変潜伏B(低)モードがあったが、確率の違いはあるものの、何れの確変潜伏モードからも通常モードに転落することがあるものとなっていた。これに対して、確率変動状態に制御されているか否かを特定することはできない(すなわち、突然確変大当たり、突然通常大当たり、及び小当たりの何れに基づく第2大当たり遊技状態の終了後にも制御され得る)が、通常モードに転落することのない確変潜伏(固定)モードを設けるものとしてもよい。この確変潜伏(固定)モードは、通常モードへの転落可能性がある他の何れの確変潜伏モードよりも確率変動状態に制御されていることの期待度が高いものとすることができる。
上記の実施の形態では、通常モードとして、確変潜伏モードへの昇格の可能性がある通常(昇格あり)モードと、確変潜伏モードへの昇格の可能性がない通常(昇格なし)モードとが定められていた。この通常(昇格なし)モードに変えて、或いはこれに加えて、確変潜伏モードへの昇格の可能性が全くない訳ではないが、極めて低い確率(通常(昇格あり)モードの1割以下程度)でしか確変潜伏モードに昇格し得ない通常(昇格薄)モードを通常モードとして定めるものとしてもよい。また、通常(昇格なし)モードに変えて、或いはこれに加えて、直前に制御されていた種類の確変潜伏モードと同じ、或いはこれよりも確率変動状態の期待度が低い確変潜伏モードにしか昇格し得ない通常(昇格低)モードを通常モードとして定めるものとしてもよい。
ここで、例えば、通常モードとして通常(昇格あり)モード、通常(昇格薄)モード(或いは通常(昇格低)モード)、通常(昇格なし)モードの3種類がある場合は、第2大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数が50回以下であれば通常(昇格あり)モードに、51回以上70回以下であれば通常(昇格薄)モード(或いは通常(昇格低)モード)に、71回以上であれば通常(昇格なし)モードに制御するものとすることもできる。
上記の実施の形態では、確変潜伏モードにおける転落煽り演出の態様の振り分けは、第2大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数に応じて変化させられていたが、さらに、確変潜伏モードの種類に応じて変化させるものとしてもよい。例えば、確率変動状態に制御されていることの期待度が相対的に高い確変潜伏A(高)モードでは何らかの態様の転落煽り演出を選択する確率を低くし、確率変動状態に制御されていることの期待度が相対的に低い確変潜伏A(低)モードや確変潜伏B(低)モードでは何らかの態様の転落煽り演出を選択する確率を高くするものとしてもよい。
上記の実施の形態では、通常(昇格あり)モードにおいて選択される昇格煽り演出の態様として上下左右からのワイプは、当該通常(昇格あり)モードに制御される前に第2大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数が30回以下であるときに限って選択可能となっていた。これに対して、確変潜伏モードにおいて選択される転落煽り演出の態様としての上下左右からのワイプも、例えば、最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数が31回以上であることを条件として選択されるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、通常(昇格あり)モードにおける昇格煽り演出の態様の選択振り分けを、当該通常(昇格あり)モードに制御される前に第2大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数に応じて変化させるものとしていた。これに対して、通常(昇格あり)モードに転落してから実行された飾り図柄の変動表示の回数に応じて、昇格煽り演出の態様の選択振り分けを変化させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、何れかの確変潜伏モードから通常モード、或いは通常(昇格あり)モードから何れかの確変潜伏モードに演出モードを切り替えは、切り替え前のモードの画像に対して切り替え後のモードの画像が、1)上下左右、2)上下、または、3)左右の何れかからワイプインすることにより行われるものとなっていたが、何れの態様により演出モードの切り替えを行うかは、ランダムに選ばれるものとなっていた。
これに対して、ワイプインをせずに切り替え前のモードの画像から切り替え後のモードの画像に瞬時に切り替える態様を追加し、何れかの確変潜伏モードから通常モード、或いは通常(昇格あり)モードから何れかの確変潜伏モードに演出モードを切り替えるときに、図10(a)、(b)のテーブルに従って画像切り替えの態様を選択する(図10(a)、(b)のテーブルに従って上下左右、上下、左右の何れも選択されないときには、瞬時に切り替えを選択する)ものとしてもよい。
上記の実施の形態では、演出モードが確変潜伏モードに制御されても通常モードに転落させられる場合があるとともに、通常(昇格あり)モードに転落させられても、さらに確変潜伏モードに再昇格させられる場合があるものとしていた。そして、この確変潜伏モードから通常モードへの転落、通常(昇格あり)モードから確変潜伏モードへの再昇格を煽るために、転落煽り演出や再昇格煽り演出を行うものとしていた。
これに対して、同じ確変潜伏モードの中でも、確変潜伏A(高)モードから確変潜伏A(中)モードや確変潜伏A(低)モードに降格させられたり、確変潜伏A(中)モードから確変潜伏A(低)モードに降格させられたりする場合があるとともに、確変潜伏A(低)モードまたは確変潜伏B(低)モードから確変潜伏A(高)モードや確変潜伏A(中)モードや確変潜伏B(中)モードに昇格させられたり、確変潜伏A(中)モードや確変潜伏B(中)モードから確変潜伏A(高)モードに昇格させられたりする場合があるものとしてもよい。
このように確変潜伏モードの中での降格や昇格があるものとした場合も、確変潜伏モードの中での降格や昇格を煽るための演出(降格煽り演出及び昇格煽り演出)も、上記の実施の形態における転落煽り演出や再昇格煽り演出と同様に行うものとすることができる。降格煽り演出及び昇格煽り演出の態様も、上記の実施の形態における転落煽り演出や再昇格煽り演出と同様に、複数種類のものを設けることができる。
降格煽り演出の態様、降格煽り演出の実行頻度、および/または降格煽り演出の態様の選択割合についても、転落煽り演出と同様に、第2大当たり遊技状態が終了して確変潜伏モードに制御されたときからの変動表示の回数に応じて異ならせることができる。また、昇格煽り演出の態様、昇格煽り演出の実行頻度、および/または昇格煽り演出の態様の選択割合についても、再昇格煽り演出と同様に、第2大当たり遊技状態が終了して確変潜伏モードに制御されたときからの変動表示の回数、或いは期待度の低い確変潜伏モードに降格させられたときからの変動表示の回数に応じて異ならせることができる。
上記の実施の形態では、飾り図柄の変動パターンは、主基板31のCPU56が、変動種別判定用乱数の値に基づいて種別を決定した後、決定した種別と変動パターン判定用乱数の値に基づいて詳細なパターンとして決定されるものとしていた。もっとも、スーパーリーチA〜C、疑似連A〜Cの変動パターンとなるか否かは、変動種別判定用乱数の値に基づく変動パターンの種別の決定までで確定されるものとなる。主基板31のCPU56が決定するのは変動パターンの種別までとし(但し、この場合は、種別毎に変動表示の時間が確定されるものとする)、詳細な変動パターンの決定(例えば、スーパーリーチAが決定されたときのすべりコマ数の決定)は、表示制御基板80の表示制御用CPUが行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、確率変動大当たりが発生したときには、第1大当たり遊技状態の終了後に次の大当たりが発生するまで、確率変動状態に制御されるとともに時短状態に制御され、時短大当たりが発生したときには、第1大当たりの終了後に特図ゲームが100回実行されるまで、時短状態に制御されるものとしていた。これに対して、第1、第2大当たり遊技状態以外の遊技状態として、確率変動状態には制御され得るが、時短状態に制御され得ないパチンコ遊技機(時短大当たりの代わりに、確率変動状態に制御されないだけの通常大当たりを設ける)にも、本発明を適用することができる。
上記の実施の形態では、疑似連A〜Cの変動パターンで仮停止される飾り図柄の組み合わせは、リーチ表示態様ともならないハズレの飾り図柄の組み合わせだけであったが、リーチ表示態様が出現した後にハズレとなる飾り図柄の組み合わせとしてもよい。このようなリーチハズレの飾り図柄の組み合わせは、チャンス目として適用するものとすることもでき、確率変動大当たりまたは時短大当たりとすることが決定されているとき、若しくは突然確変大当たり、突然通常大当たり、または小当たりが決定されているときにのみ選択し得るものとすることができる。
もっとも、「1」または「7」の飾り図柄によるリーチ表示態様が出現したときには、遊技者は、時短大当たりよりも有利な確率変動大当たりの発生までを期待してしまう。このような遊技者の期待感を裏切らないようにするため、疑似連A〜Cの変動パターンで仮停止される飾り図柄の組み合わせとしてリーチハズレの飾り図柄の組み合わせを選択し得るものとする場合でも、確率変動大当たりとすることが決定されている場合以外は、「1」または「7」によるリーチハズレの飾り図柄の組み合わせを選択するのを制限すること(完全に禁止することと、極めて低い確率でしか選択し得ないものとすることの何れでもよい)が好ましい。
上記の実施の形態では、疑似連A〜Cを飾り図柄の変動パターンとして選択し得るものとなっていたが、その何れも飾り図柄の仮停止は1回だけであった。また、仮停止後に全ての飾り図柄が再度変動表示された後の変動態様は、スーパーリーチA〜Cと同様の変動態様となっていた。これに対して、飾り図柄表示領域9a〜9cの全てにおいて飾り図柄の変動表示を仮停止させた後に、全ての飾り図柄を再度変動表示させる再変動表示を複数回実行する疑似連の変動パターンが含まれていてもよい。また、最終の仮停止後の変動態様がスーパーリーチA〜Cと同様の変動態様とならず、非リーチハズレ(但し、ハズレとすることが決定されている場合のみ)と同様の変動態様や、ノーマルリーチと同様の変動態様となるものがあってもよい。