JP6365233B2 - 障害予測装置、障害予測システム、及びプログラム - Google Patents

障害予測装置、障害予測システム、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、障害予測装置、障害予測システム、及びプログラムに関する。
用紙等の記録材に画像を形成して出力する画像形成装置において、画像形成装置の動作に支障をきたす障害(故障や不具合を含む)が発生すると、画像形成装置の利用者にとって不便である。そこで、画像形成装置などの被監視装置で生じる障害を予測し、障害の発生に先立って又は障害が発生した後に速やかに部品交換や修理などの必要な処理を施させるようにすることで、画像形成装置の利用が制限された状態となる時間を低減することが望まれている。
特許文献1には、被監視装置からデータを収集し、データから算出した特徴量を用いて、被監視装置の障害が発生する前の異常状態か障害が発生しない正常状態か識別する予測装置が開示されている。
特許文献2には、被監視装置から使用状態を収集し、使用状態から障害予測を用いるのに適した装置状態の項目を選択する障害関連項目設定装置が開示されている。
特許文献3には、受信した複数の状態データに基づいて、複数の画像形成ユニット毎の異常予兆を判定し、複数の画像形成ユニット毎の異常予兆の指標を示す予兆判別指標値を算出する推論部と、保守員の端末から診断依頼を受信した場合に、保守管理システムから、画像形成ユニットの交換日を含む交換部品情報を取得する交換情報取得部と、取得した交換部品情報に基づいて、予兆判別指標値に対する重み情報を算出する判定テーブル作成部と、予兆判別指標値及び重み情報から、画像形成ユニット毎の総合診断値情報を算出する総合診断情報作成部と、総合診断値情報を保守員の端末に送信する総合診断情報連絡部と、を含む管理装置が開示されている。
特許文献4には、画像形成装置の内部情報に基づき、複数種類の機器状態の異常を、機器状態の種類毎に設けられた各判別基準に従って各々判別する判別器を用いて、機器状態の異常を判別する状態判別方法であって、画像形成装置から出力される内部情報を収集し、内部情報に基づいて新たな種類の機器状態についての異常を判別し得る新たな判別基準を生成し、生成した新たな判別基準を判別器が使用可能となるように判別器に組み込んで、新たな種類の機器状態の異常を判別する状態判別方法が開示されている。なお、特許文献4に記載の状態判別方法は、判別結果を報知する報知工程であって、予め定められた条件を満たすまで報知しない報知工程を有していることを特徴としている。
特開2012−037991号公報 特開2011−237576号公報 特開2012−73923号公報 特開2010−002815号公報
特許文献1から特許文献4に記載の技術では、被監視装置の設置環境が変化した場合であっても、被監視装置の動作状態の特徴を示す状態特徴量が、設置環境の変化が反映されていない基準で選択され、選択された状態特徴量から障害の発生が予測される。
本発明の課題は、被監視装置の設置環境の変化が反映されていない基準で選択された状態特徴量から障害の発生を予測する場合に比べ、被監視装置の設置環境が変化した場合であっても、被監視装置での障害の発生を高精度に予測することができる障害予測装置、障害予測システム、及びプログラムを提供することである。
請求項1に記載の障害予測装置は、被監視装置の動作状態の特徴を示す複数の状態特徴量を取得する状態特徴量取得手段と、前記被監視装置の設置環境を示す環境物理量についての特定期間における統計値を取得する統計値取得手段と、前記複数の状態特徴量のうちの前記被監視装置で障害が発生する確率の導出に要する前記状態特徴量を各々選択する複数の選択条件であって、前記統計値の区分毎に各々予め定められた複数の選択条件のうちの、前記統計値取得手段により取得された統計値に対応する選択条件を満たす前記状態特徴量を用いて前記確率を導出する導出手段と、を含む。
請求項1に記載の障害予測装置で、請求項2に記載の発明のように、前記統計値取得手段は、前記統計値として第1統計値及び第2統計値を取得し、前記統計値の区分は、前記第1統計値及び前記第2統計値の各区分に分類されており、前記複数の選択条件の各々は、前記第1統計値の区分毎に、かつ、前記第2統計値の区分毎に予め定められており、前記導出手段は、前記複数の選択条件のうち、前記統計値取得手段により取得された前記第1統計値及び前記第2統計値に対応する選択条件を満たす前記状態特徴量を用いて前記確率を導出する。
請求項2に記載の障害予測装置で、請求項3に記載の発明のように、前記第1統計値の区分と前記選択条件とが対応付けられた対応付け情報が前記第2統計値の区分毎に分類されており、前記導出手段は、前記統計値取得手段により取得された前記第2統計値に対応する前記対応付け情報から、前記統計値取得手段により取得された前記第1統計値に対応する前記選択条件を取得し、取得した前記選択条件を満たす前記状態特徴量を用いて前記確率を導出する。
請求項2又は請求項3に記載の障害予測装置で、請求項4に記載の発明のように、前記第1統計値は、前記環境物理量についての前記特定期間における平均値であり、前記第2統計値は、前記環境物理量についての前記特定期間における標準偏差である。
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の障害予測装置で、請求項5に記載の発明のように、前記環境物理量は、温度及び湿度である。
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の障害予測装置で、請求項6に記載の発明のように、前記状態特徴量は、前記被監視装置の機能に特有の機能物理量についての予め定められた期間における統計値である。
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の障害予測装置で、請求項7に記載の発明のように、前記複数の選択条件は、複数の閾値であり、前記導出手段は、前記状態特徴量に関するp値を算出し、前記統計値取得手段により取得された前記統計値に対応する前記閾値未満の前記p値に対応する前記状態特徴量を用いて前記確率を算出する。
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の障害予測装置で、請求項8に記載の発明のように、前記複数の選択条件は、各々順位を特定する複数の順位特定情報であり、前記導出手段は、前記状態特徴量に関するp値を算出し、算出した前記p値が小さいほど前記状態特徴量に対して高順位を付与し、前記統計値取得手段により取得された前記統計値に対応する前記順位特定情報により特定される順位以上の高順位が付与された前記状態特徴量を用いて前記確率を算出する。
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の障害予測装置で、請求項9に記載の発明のように、前記導出手段は、前記被監視装置で障害が発生した場合の前記状態特徴量の発生頻度の分布を示す障害時分布、及び前記被監視装置で障害が発生しなかった場合の前記状態特徴量の発生頻度の分布を示す非障害時分布を用いて前記確率を導出する。
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の障害予測装置で、請求項10に記載の発明のように、前記導出手段は、前記統計値取得手段により取得された前記統計値が変化したことを条件に、前記複数の選択条件から、前記統計値取得手段により取得された前記統計値に対応する選択条件を選択し、選択した選択条件を満たす前記状態特徴量を用いて前記確率を導出する。
請求項11に記載の障害予測システムは、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の障害予測装置と、前記障害予測装置に含まれる状態特徴量取得手段により状態特徴量が取得される被監視装置と、を含む。
請求項11に記載の障害予測システムで、請求項12に記載の発明のように、前記被監視装置は、画像を形成する画像形成装置である。
請求項13に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の障害予測装置に含まれる状態特徴量取得手段、統計値取得手段、及び導出手段として機能させるためのプログラムである。
請求項1、請求項11、及び請求項13に係る発明によれば、被監視装置の設置環境の変化が反映されていない基準で選択された状態特徴量から障害の発生を予測する場合に比べ、被監視装置の設置環境が変化した場合であっても、被監視装置での障害の発生を高精度に予測することができる。
請求項2、請求項3、及び請求項4に係る発明によれば、1種類の統計値のみで複数の選択条件が区分されている場合に比べ、被監視装置での障害の発生を高精度に予測することができる。
請求項5に係る発明によれば、温度又は湿度のみを、環境物理量として採用する場合に比べ、被監視装置の設置環境が変化した場合であっても、被監視装置での障害の発生を高精度に予測することができる。
請求項6に係る発明によれば、被監視装置から取得された機能物理量そのものを状態特徴量として採用する場合に比べ、被監視装置の設置環境が変化した場合であっても、被監視装置での障害の発生を高精度に予測することができる。
請求項7及び請求項8に係る発明によれば、状態特徴量に関するp値を利用せずに状態特徴量を選択する場合に比べ、被監視装置の設置環境が変化した場合であっても、被監視装置での障害の発生を高精度に予測することができる。
請求項9に係る発明によれば、障害発生の予測対象とされる被監視装置で障害が発生する確率を障害時分布及び非障害時分布を利用せずに導出する場合に比べ、障害発生の予測対象とされる被監視装置で障害が発生する確率を高精度に導出することができる。
請求項10に係る発明によれば、被監視装置の設置環境が変化しても常に同一の選択条件下で確率を導出する場合に比べ、高精度な確率を導出することができる。
請求項12に係る発明によれば、画像形成装置の設置環境の変化が反映されていない基準で選択された状態特徴量から障害の発生を予測する場合に比べ、画像形成装置の設置環境が変化した場合であっても、画像形成装置での障害の発生を高精度に予測することができる。
第1から第4実施形態に係る障害予測システムの要部構成の一例を示す概略構成図である。 種類Aの状態特徴量についての正常期間の分布及び異常期間の分布の一例を示す分布図である。 種類Bの状態特徴量についての正常期間の分布及び異常期間の分布の一例を示す分布図である。 第1から第4実施形態に係る障害予測システムに含まれる管理装置の電気系のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図4に示す管理装置に含まれる二次記憶部の記憶内容の一例を示す概念図である。 第1から第4特徴量特定用テーブルの構成の一例を示す概念図である。 第1特徴量特定用テーブルが有する閾値の配置例を示す概念図である。 第1実施形態に係る障害予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。 状態特徴量の種類とp値との対応関係の一例を示す相関図である。 状態特徴量の種類とp値との対応関係の一例を示す相関図であって、閾値である0.0003未満のp値が特定された状態を示す相関図である。 状態特徴量の種類とp値との対応関係の一例を示す相関図であって、閾値である0.0001未満のp値が特定された状態を示す相関図である。 環境区分が温度M及び湿度Mから温度M及び湿度Lに遷移した場合の従来例の正常期間の分布の一例を示す分布図である。 環境区分が温度M及び湿度Mから温度M及び湿度Lに遷移した場合の従来例の異常期間の分布の一例を示す分布図である。 第2実施形態に係る障害予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る障害予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る障害予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1から第4実施形態に係る通知形態の一例を示す概念図である。 障害予測システムの変形例を示す概略構成図である。 順位付け部により状態特徴量の種類及びp値に対して順位が付与された状態の一例を示す概念図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、画像形成装置12が設置されている環境を「設置環境」と称する。また、以下では、説明の便宜上、画像形成装置12が設置されている場所を「設置場所」と称する。また、以下では、説明の便宜上、障害の種類を「障害種類」と称する。更に、以下では、説明の便宜上、障害の発生箇所を「障害発生箇所」と称する。
[第1実施形態]
一例として図1に示すように、障害予測システム10は、複数の画像形成装置12、複数の端末装置14、及び本発明に係る障害予測装置の一例である管理装置16を含み、これらは、通信網18を介して相互に接続されている。通信網18の一例としては、専用回線又はインターネット回線等が挙げられる。
本発明に係る被監視装置の一例である画像形成装置12は、用紙やOHPシート等の記録材に画像を形成して出力する装置である。画像形成装置12の一例としては、プリンタ、コピー機、ファクシミリ装置、又は、これらの装置を複合的に備えた複合機が挙げられる。なお、本第1実施形態では、説明の便宜上、画像形成装置12がゼログラフィ方式の画像形成装置であることを前提として説明する。また、本第1実施形態では、説明の便宜上、通信網18に接続されている複数の画像形成装置12は、何れも同機種の画像形成装置12であることを前提として説明する。
画像形成装置12は、画像形成プロセスに関わる監視パラメータ及び環境パラメータを画像形成中に随時検出する機能を有する。監視パラメータは、画像形成装置12の障害の発生の予測に寄与するパラメータとして予め定められたパラメータであり、画像形成装置12の機能に特有の機能物理量である。監視パラメータの一例としては、感光体の電位、感光体の帯電電流、半導体レーザ光の光量、現像器のトナー濃度、1次転写部の転写電流、2次転写部の転写電流、定着器に含まれるロールの温度、及びパッチの濃度等が挙げられる。また、環境パラメータの一例としては、画像形成装置12の設置環境の温度及び湿度が挙げられる。画像形成装置12の設置環境の温度及び湿度は、本発明に係る環境物理量の一例であり、例えば、画像形成装置12に搭載されている温度センサ及び湿度センサによって測定される。
画像形成装置12は、1ページ又は複数のページに係る画像を記録材に形成する一連の処理(ジョブ)の実行命令を受け付けると、ジョブの実行命令に従って画像を記録材に形成して出力する毎(例えば、1ページ毎)に監視パラメータ及び環境パラメータを検出する。そして、ジョブの実行命令に係る全ての画像形成処理の終了後に、監視パラメータ及び環境パラメータを格納したマシン情報を通信網18を介して管理装置16に送信する。
なお、マシン情報は、自装置を識別する装置ID、ジョブの実行命令を識別するジョブID、ジョブの実行命令に基づく画像形成処理毎の監視パラメータ、環境パラメータ、及び検出日時を示す検出日時情報等を格納した構造のデータである。
ここで、本第1実施形態では、説明の便宜上、ジョブの実行命令に基づく画像形成処理の終了毎にマシン情報が管理装置16に送信される場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、マシン情報を画像形成装置12のメモリに一時的に蓄積しておき、予め定められた送信条件を満たした場合に、メモリに蓄積しておいた未送信のマシン情報が管理装置16に送信されるようにしてもよい。例えば、予め定められた時間(例えば、1時間)が経過した場合に、マシン情報が管理装置16に送信されるようにしてもよいし、管理装置16からの要求に応じてマシン情報が管理装置16に送信されるようにしてもよい。
端末装置14は、画像形成装置12の管理者や保守の担当者等によって用いられる。端末装置14の一例としては、パーソナル・コンピュータ、スマートデバイス、又はウェアラブル端末装置が挙げられる。
端末装置14は、通信インタフェース、受付デバイス、及び表示デバイスを有する。通信インタフェースは、無線通信プロセッサ及びアンテナを備えており、端末装置14と通信網18に接続された外部装置との通信を司る。また、端末装置14は、画像形成装置12の設置場所に訪問して保守作業を実際に行った保守担当者やその報告を受けた者などから、保守作業に関する保守情報の入力を受付デバイスで受け付け、受け付けた保守情報を管理装置16に送信する。また、端末装置14は、画像形成装置12の障害の発生の予測結果が管理装置16から送信されると、予測結果を受信し、受信した予測結果を表示デバイスに表示する。
なお、保守情報は、保守作業の対象となった画像形成装置12を識別する装置ID、保守作業が実施された日時を示す保守日時情報、保守作業により除去された障害種類を示す障害種類情報、障害が発生した日時を示す障害日時情報、及び障害が発生した箇所を示す障害発生箇所情報等を格納した構造のデータである。すなわち、保守情報は、トラブル発生事例を示す情報とも言える。
管理装置16は、画像形成装置12の障害の発生を予測する装置であり、状態特徴量取得部20、統計値取得部22、導出部24、及び通知部26を含む。なお、通信網18に接続されている複数の画像形成装置12は何れも障害発生の予測対象になり得る。複数の画像形成装置12のうちの何れの画像形成装置12を障害発生の予測対象とするかは、管理装置16がユーザの指示を受け付けることによって定まる。
状態特徴量取得部20は、画像形成装置12の動作状態の特徴を示す複数の状態特徴量を取得する。なお、状態特徴量は、通信網18に接続されている複数の画像形成装置12の各々から状態特徴量取得部20によって取得される。状態特徴量とは、例えば、監視パラメータの統計値を指す。
統計値取得部22は、画像形成装置12の設置環境を示す環境物理量についての特定期間における統計値を取得する。
導出部24は、統計値の区分毎に各々予め定められた複数の選択条件のうちの、統計値取得部22によって取得された統計値に対応する選択条件を満たす状態特徴量を用いて、予測対象画像形成装置で障害が発生する確率を導出する。なお、ここで、予測対象画像形成装置とは、複数の画像形成装置12のうちの障害発生の予測対象とされる画像形成装置12を指す。また、ここで、複数の選択条件は、画像形成装置12が有する複数の状態特徴量のうちの画像形成装置12で障害が発生する確率の導出に要する状態特徴量を各々選択する条件である。
通知部26は、導出部24により導出された確率を通知する。例えば、導出部24により導出された確率を示す確率情報が端末装置14に送信され、確率情報により示される確率が端末装置14の表示デバイスに表示される。
状態特徴量取得部20は、保守・マシン情報収集部23、保守情報蓄積部25、マシン情報蓄積部28、及び状態特徴量算出部30を含む。
保守・マシン情報収集部23は、画像形成装置12から送信されたマシン情報を受信することでマシン情報を収集し、収集したマシン情報をマシン情報蓄積部28に時系列化して記憶させることでマシン情報蓄積部28にマシン情報を蓄積する。また、保守・マシン情報収集部23は、端末装置14から送信された保守情報を受信することで保守情報を収集し、収集した保守情報を保守情報蓄積部25に時系列化して記憶させることで保守情報蓄積部25に保守情報を蓄積する。
状態特徴量算出部30は、保守情報及びマシン情報に基づいて、監視パラメータの種類毎に状態特徴量を算出する。すなわち、状態特徴量算出部30は、時系列データ(時系列化された監視パラメータ)を統計処理することで監視パラメータの種類毎に状態特徴量を算出する。なお、本第1実施形態では、状態特徴量算出部30により算出される状態特徴量の一例として、監視パラメータについての期間ΔTにおける平均値を採用している。また、本第1実施形態では、期間ΔTの一例として、1日を採用しているが、これに限らず、1ジョブの期間、数ジョブの期間、又は数日単位の期間であってもよい。また、ここでは、平均値を採用しているが、これに限らず、分散値、2パラメータ間の相関値、又はデータトレンド値であってもよい。
統計値取得部22は、保守・マシン情報収集部23、保守情報蓄積部25、マシン情報蓄積部28、及び統計値算出部32を含む。
統計値算出部32は、マシン情報に含まれる環境パラメータから、期間ΔT及び期間ΔTの各々についての統計値を算出する。なお、ここで、期間ΔT及び期間ΔTの各々は、本発明に係る特定期間の一例である。また、期間ΔTとは、画像形成装置12で障害が発生した期間を指し、例えば、画像形成装置12の障害の発生日時以前の指定された期間(障害の発生日を起算日として遡って指定された期間)を指す。期間ΔTとは、画像形成装置12で障害が発生しなかった期間を指し、例えば、期間ΔT以外の指定された期間を指す。また、期間ΔT及び期間ΔTの各々で指定された期間は、期間ΔTよりも長い期間であり、本第1実施形態では、5日間を採用している。
本第1実施形態では、統計値算出部32により算出される統計値の一例として、期間ΔT及び期間ΔTの各々についての温度の統計値及び湿度の統計値を採用している。また、本第1実施形態では、温度の統計値の一例として、温度の平均値及び標準偏差を採用しており、湿度の統計値の一例として、湿度の平均値及び標準偏差を採用している。以下では、説明の便宜上、温度の平均値を「温度平均値」と称し、湿度の平均値を「湿度平均値」と称し、温度の標準偏差を「温度標準偏差」と称し、湿度の標準偏差を「湿度標準偏差」と称する。なお、温度平均値及び湿度平均値は、本発明に係る第1統計値の一例であり、温度標準偏差及び湿度標準偏差は、本発明に係る第2統計値の一例である。
導出部24は、特徴量分類部34、統計的検定部36、特徴量選択部38、特徴量選択条件特定部40、及び確率算出部42を含む。
特徴量分類部34は、状態特徴量算出部30により算出された状態特徴量を、期間ΔTの状態特徴量と期間ΔTの状態特徴量とに分類する。
統計的検定部36は、画像形成装置12毎に、特徴量分類部34により分類された期間ΔT及び期間ΔTの各々の状態特徴量の頻度分布を生成する。そして、統計的検定部36は、期間ΔT及び期間ΔTの各々の状態特徴量の頻度分布に対して統計的検定法を適用することで、状態特徴量の種類毎にp値を算出する。なお、状態特徴量の種類とは、状態特徴量の算出に要した監視パラメータの種類(例えば、帯電電圧、現像バイアス、及びレーザ光量等)を指す。また、統計的検定法の一例としては、平均値の検定、ウィルコクソンの順位和検定、又はコルモゴロフ−スミルノフ検定が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、以下では、説明の便宜上、期間Δの状態特徴量の頻度分布を「正常期間の分布」と称し、期間ΔTの状態特徴量の頻度分布を「異常期間の分布」と称する。
図2には、種類Aの状態特徴量についての正常期間の分布及び異常期間の分布の一例が示されており、図3には、種類Bの状態特徴量についての正常期間の分布及び異常期間の分布の一例が示されている。図2に示す正常期間の分布及び異常期間の分布に対して統計的検定部36によって統計的検定法が適用されると、p値として“0.207”が算出される。図3に示す正常期間の分布及び異常期間の分布に対して統計的検定部36によって統計的検定法が適用されると、p値として“4.69*10−25”が算出される。
特徴量選択部38は、複数種類の状態特徴量から、特徴量選択条件特定部により特定された選択条件を満たす状態特徴量を選択する。
特徴量選択条件特定部40は、複数の選択条件から、統計値算出部32によって算出された統計値に対応する1つの選択条件を特定する。
確率算出部42は、特徴量選択部38により選択された状態特徴量を用いて、画像形成装置12で障害が発生する確率をナイーブベイズ方式で算出する。
一例として図4に示すように、管理装置16は、CPU(Central Processing Unit)50、一次記憶部52、及び二次記憶部54を備えている。一次記憶部52は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリ(例えば、RAM(Random Access Memory))である。二次記憶部54は、管理装置16の作動を制御する制御プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリ(例えば、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)など)である。CPU50、一次記憶部52、及び二次記憶部54は、バス56を介して相互に接続されている。
一例として図5に示すように、二次記憶部54は、障害予測プログラム58を記憶している。CPU50は、二次記憶部54から障害予測プログラム58を読み出して一次記憶部52に展開し、障害予測プログラム58を実行することで、状態特徴量取得部20、統計値取得部22、導出部24、及び通知部26として動作する。また、状態特徴量取得部20及び統計値取得部22がCPU50によって実現されることで、二次記憶部54は保守情報蓄積部25及びマシン情報蓄積部28として用いられる。
なお、ここでは障害予測プログラム58を二次記憶部54から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から二次記憶部54に記憶させておく必要はない。例えば、管理装置16に接続されて使用されるSSD(Solid State Drive)、DVDディスク、ICカード、光磁気ディスク、CD−ROMなどの任意の可搬型の記憶媒体に先ずは障害予測プログラム58を記憶させておいてもよい。そして、CPU50が可搬型の記憶媒体から障害予測プログラム58を取得して実行するようにしてもよい。また、通信網18を介して管理装置16に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部に障害予測プログラム58を記憶させておき、CPU50が他のコンピュータ又はサーバ装置等から障害予測プログラム58を取得して実行してもよい。
二次記憶部54は、統計値記憶領域(図示省略)を有しており、統計値記憶領域には、CPU50によって統計値が上書き保存され、統計値が上書き保存されることで、統計値記憶領域の記憶内容は最新の統計値に更新される。
二次記憶部54は、状態特徴量記憶領域(図示省略)を有しており、状態特徴量記憶領域には、CPU50によって状態特徴量が上書き保存され、状態特徴量が上書き保存されることで、状態特徴量記憶領域の記憶内容は最新の状態特徴量に更新される。
一例として図5に示すように、二次記憶部54は、第1特徴量特定用テーブル60、第2特徴量特定用テーブル62、第3特徴量特定用テーブル64、及び第4特徴量特定用テーブル66を記憶している。以下では、説明の便宜上、第1特徴量特定用テーブル60、第2特徴量特定用テーブル62、第3特徴量特定用テーブル64、及び第4特徴量特定用テーブル66を区別して説明する必要がない場合は、符号を付さずに「特徴量特定用テーブル」と称する。なお、特徴量特定用テーブルは、本発明に係る対応付け情報の一例である。
特徴量特定用テーブルは、特徴量選択条件特定部40によって複数の選択条件から1つの選択条件が特定される際に参照されるテーブルである。一例として図6に示すように、第1特徴量特定用テーブル60、第2特徴量特定用テーブル62、第3特徴量特定用テーブル64、及び第4特徴量特定用テーブル66は、温度標準偏差の区分及び湿度標準偏差の区分の組み合わせ毎に定められている。
温度標準偏差は、高(H:High)及び低(L:Low)の2つの区分に分類され、湿度標準偏差も、高及び低の2つの区分に分類される。以下では、説明の便宜上、「高」に分類される温度標準偏差を温度標準偏差Hと称し、「低」に分類される温度標準偏差を温度標準偏差Lと称する。また、以下では、説明の便宜上、「高」に分類される湿度標準偏差を湿度標準偏差Hと称し、「低」に分類される湿度標準偏差を湿度標準偏差Lと称する。なお、温度標準偏差H,L及び湿度標準偏差H,Lは、本発明に係る第2統計値の区分の一例である。
温度標準偏差L及び湿度標準偏差Lには、第1特徴量特定用テーブル60が対応付けられている。温度標準偏差L及び湿度標準偏差Hには、第2特徴量特定用テーブル62が対応付けられている。温度標準偏差H及び湿度標準偏差Lには、第3特徴量特定用テーブル64が対応付けられている。温度標準偏差H及び湿度標準偏差Hには、第4特徴量特定用テーブル66が対応付けられている。
特徴量選択条件特定部40は、第1特徴量特定用テーブル60、第2特徴量特定用テーブル62、第3特徴量特定用テーブル64、及び第4特徴量特定用テーブル66から、統計値算出部32により統計値として算出された温度標準偏差及び湿度標準偏差に対応する特徴量特定用テーブルを取得する。
特徴量特定用テーブルは、p値と各々比較される複数の閾値を有しており、これらの閾値は、温度平均値の区分及び湿度平均値の区分の組み合わせ毎に定められている。なお、特徴量特定用テーブルが有する閾値は、本発明に係る選択条件の一例である。よって、特徴量選択部38では、複数種類の状態特徴量から、特徴量選択条件特定部40により選択条件として特定された閾値未満のp値に対応する状態特徴量が選択される。
温度平均値は、高、中(M:Middle)、及び低の3つの区分に分類され、湿度平均値も、高、中、及び低の3つの区分に分類される。以下では、説明の便宜上、「高」に分類される温度平均値を温度平均値Hと称し、「中」に分類される温度平均値を温度平均値Mと称し、「低」に分類される温度平均値を温度平均値Lと称する。また、以下では、説明の便宜上、「高」に分類される湿度平均値を湿度平均値Hと称し、「中」に分類される湿度平均値を湿度平均値Mと称し、「低」に分類される湿度平均値を湿度平均値Lと称する。なお、温度平均値H,M,L及び湿度平均値H,M,Lは、本発明に係る第1統計値の区分の一例である。
一例として図7に示すように、第1特徴量特定用テーブル60は、温度平均値及び湿度平均値の組み合わせ毎に異なる閾値を有する。特徴量選択条件特定部40は、第1特徴量特定用テーブル60に含まれる複数の閾値から、統計値算出部32により統計値として算出された温度平均値及び湿度平均値に対応する閾値を特定する。例えば、図7に示す第1特徴量特定用テーブル60によれば、統計値算出部32によって温度平均値M及び湿度平均値Mに属する統計値(温度平均値及び湿度平均値)が算出された場合、特徴量選択条件特定部40によって特定される閾値は、“0.0003”である。
一例として図4に示すように、管理装置16は、受付デバイス70及び表示デバイス72を含む。受付デバイス70は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネルであり、ユーザから与えられる各種情報を受け付ける。受付デバイス70は、バス56に接続されており、受付デバイス70によって受け付けられた各種情報はCPU50によって取得される。表示デバイス72は、例えば、液晶ディスプレイであり、液晶ディスプレイの表示面には受付デバイス70のタッチパネルが重ねられている。表示デバイス72は、バス56に接続されており、CPU50の制御下で各種情報を表示する。
管理装置16は、外部インタフェース(I/F)74を含む。外部I/F74はバス56に接続されている。外部I/F74は、USBメモリや外付けハードディスク装置などの外部装置に接続され、外部装置とCPU50との間の各種情報の送受信を司る。
管理装置16は、通信I/F76を含む。通信I/F76は、バス56に接続されている。通信I/F76は、通信網18に接続され、画像形成装置12及び端末装置14とCPU50との間の各種情報の送受信を司る。
次に、予測対象画像形成装置で発生する障害を予測する障害予測処理の開始条件を満たした場合にCPU50が障害予測プログラム58を実行することでCPU50によって実行される障害予測処理について図8を参照して説明する。なお、開始条件とは、端末装置14から障害予測処理の開始指示を示す開始指示信号が送信され、開始指示信号が管理装置16によって受信されたとの条件を指すが、これに限定されるものではない。例えば、開始条件は、障害予測処理の開始指示が受付デバイス70によって受け付けられたとの条件であってもよい。
図8に示す障害予測処理では、先ず、ステップ100で、状態特徴量算出部30は、保守情報蓄積部25から、トラブル発生事例として保守情報を抽出する。
次のステップ102で、状態特徴量算出部30は、ステップ100で抽出した保守情報に対応するマシン情報をマシン情報蓄積部28から抽出する。そして、状態特徴量算出部30は、抽出したマシン情報から、障害が発生した画像形成装置12についての障害種類との対応が予め設定された監視パラメータ種類毎に期間ΔTずつ監視パラメータを取得する。ここで、予め設定された監視パラメータ種類とは、障害発生の予測に寄与する監視パラメータの種類を指す。例えば、本ステップ102では、濃度変動に起因する画質の不具合の場合には、監視パラメータとして、帯電電圧、現像バイアス、レーザ光量等が取得される。
次のステップ104で、状態特徴量算出部30は、画像形成装置12毎に、ステップ102で期間ΔTずつ取得した監視パラメータに基づく状態特徴量を算出する。なお、本ステップ104で状態特徴量の算出に要する監視パラメータの種類は、障害種類毎に予め定められている。
次のステップ106で、統計値算出部32は、ステップ102で抽出したマシン情報から、障害が発生した画像形成装置12についての環境パラメータを期間ΔTずつ取得する。
次のステップ108で、統計値算出部32は、ステップ100で抽出した保守情報を参照して、ステップ106で取得した環境パラメータについての期間ΔT及び期間ΔTの各々における統計値を算出する。
次のステップ110で、統計値算出部32は、ステップ108で算出した統計値が二次記憶部54の統計値記憶領域に記憶されている統計値(前回の統計値)と一致しているか否かを判定する。ステップ110において、ステップ108で算出した統計値が前回の統計値と一致していない場合は、判定が否定されて、ステップ112へ移行する。ステップ110において、ステップ108で算出した統計値が前回の統計値と一致している場合は、判定が肯定されて、ステップ124へ移行する。
ステップ112で、統計値算出部32は、ステップ108で算出した統計値を、二次記憶部54の統計値記憶領域に上書き保存することで、統計値記憶領域の記憶内容を最新の統計値に更新する。
次のステップ114で、特徴量選択条件特定部40は、ステップ112で更新された最新の統計値である最新の温度標準偏差及び湿度標準偏差に対応する特徴量特定用テーブルを二次記憶部54から取得する。
次のステップ116で、特徴量選択条件特定部40は、ステップ114で取得した特徴量特定用テーブルから、ステップ112で更新された最新の統計値である最新の温度平均値及び湿度平均値に対応する閾値を特定する。
次のステップ118で、特徴量分類部34は、ステップ100で抽出した保守情報を参照して、ステップ104で算出された状態特徴量を、期間ΔTの状態特徴量と期間ΔTの状態特徴量とに分類する。そして、統計的検定部36は、予測対象画像形成装置の障害種類に対応する予め定められた複数種類の状態特徴量の各々について、特徴量分類部34により分類された期間ΔT及び期間ΔTの各々の状態特徴量の頻度分布を生成する。なお、ここでは、頻度分布の一例として、期間ΔT及び期間ΔTの各々の状態特徴量の頻度値が正規化されて得られた値の分布を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、統計的検定部36は、画像形成装置12間の状態特徴量のばらつきを補正するために、画像形成装置12毎に状態特徴量の平均値と標準偏差とを算出し、状態特徴量を規格化して頻度分布を生成してもよい。
次のステップ120で、統計的検定部36は、一例として図9に示すように、状態特徴量の種類毎に期間ΔT及び期間ΔTの各々の状態特徴量の頻度分布に対して統計的検定法を適用することで、状態特徴量の種類毎にp値を算出する。
ところで、一例として図12及び図13に示すように、環境区分(温度及び湿度)が変動すると、正常期間の分布及び異常期間の分布が共に変動する。この現象は、一例として下記の表1に示すように、誤検出率(障害発生の予測が外れる確率)及びトラブルカバー率(障害発生の予測が当たる確率)の低下を引き起こす。
そこで、ステップ122で、特徴量選択部38は、ステップ104で算出された複数種類の状態特徴量から、ステップ116で特定された閾値及びステップ120で算出されたp値に基づいて状態特徴量を選択する。そして、特徴量選択部38は、選択した状態特徴量を二次記憶部54の状態特徴量記憶領域に上書き保存することで状態特徴量記憶領域の記憶内容を最新の状態特徴量に更新する。
本ステップ122では、例えば、ステップ116で特徴量特定用テーブルから閾値として“0.0003”が特定された場合、一例として図10に示す破線枠内のp値が選択されることで状態特徴量が選択される。図10に示す破線枠内のp値とは、“0.0003”未満のp値である。従って、図10に示す例では、種類aから種類gまでの状態特徴量が選択される。
また、本ステップ122では、例えば、ステップ116で特徴量特定用テーブルから閾値として“0.0001”が特定された場合、一例として図11に示す破線枠内のp値が選択されることで状態特徴量が選択される。図11に示す破線枠内のp値とは、“0.0001” 未満のp値である。従って、図11に示す例では、種類aから種類kまでの状態特徴量が選択される。
次のステップ124で、確率算出部42は、二次記憶部54の状態特徴量記憶領域に記憶されている状態特徴量を取得する。
次のステップ126で、確率算出部42は、ステップ124で取得した状態特徴量の種類に基づいて、ステップ118で生成された頻度分布から障害種類判定用確率分布を取得する。すなわち、本ステップ126では、ステップ118で生成された頻度分布から、ステップ124で取得した状態特徴量の種類に対応する頻度分布が障害種類判定用確率分布として取得される。
次のステップ128で、確率算出部42は、ステップ124で取得した状態特徴量、及びステップ126で取得した障害種類判定用確率分布に基づいて、障害種類毎に、予測対象画像形成装置で近い将来障害が発生する確率をナイーブベイズ方式で算出する。
すなわち、本ステップ128では、下記の数式(1)により、予測対象画像形成装置に障害Tが発生する確率が算出される。なお、数式(1)は、各々の状態特徴量の間に相関がないことを前提としている。また、数式(1)において、Tは、障害が発生する確率の算出対象となる障害種類である。また、xは、障害Tの予測対象画像形成装置における最新のマシン情報に含まれるm種の監視パラメータP(1≦j≦m)に基づいて算出された障害Tに関するn種の状態特徴量X(1≦i≦n)の各値である。
数式1において、P(T=yes)は、障害Tが発生する確率(事前確率)であり、P(T=no)は、障害Tが発生しない確率(事前確率)であり、P(T=yes)+P(T=no)=1という関係を有する。
また、P(x|(T=yes))は、障害Tが発生した場合にi番目の状態特徴量Xの値がxであった確率であり、障害Tに対応する状態特徴量Xについての障害種類判定用確率分布(障害有り)におけるxの確率が用いられる。
また、P(x|(T=no))は、障害Tが発生しなかった場合にi番目の状態特徴量Xの値がxであった確率であり、障害Tに対応する状態特徴量Xについての障害種類判定用確率分布(障害無し)におけるxの確率が用いられる。
すなわち、確率算出部42では、数式(1)により、[P(T=yes)・ΠP(x|(T=yes))]、及び、[P(T=no)・ΠP(x|(T=no))]を用いて、予測対象画像形成装置に障害Tが発生する確率[P((T=yes)|x,x,・・・・,x)]が算出される。
なお、ここで、[P(T=yes)・ΠP(x|(T=yes))]とは、障害Tが発生する確率(事前確率)と、障害Tが発生した場合にn種の状態特徴量X(1≦i≦n)の各値として(x,x,・・・・,x)という組み合わせが得られた確率とを乗じて得た値を指す。
また、[P(T=no)・ΠP(x|(T=no))]とは、障害Tが発生しない確率(事前確率)と、障害Tが発生しなかった場合にn種の状態特徴量X(1≦i≦n)の各値として(x,x,・・・・,x)という組み合わせが得られた確率とを乗じて得た値を指す。
次のステップ130で、通知部26は、確率算出部42により障害種類毎に算出された確率を通知し、その後、本障害予測処理を終了する。なお、確率の通知は、確率が表示デバイス72及び端末装置14のディスプレイの少なくとも一方に表示されることで実現される。また、通知部26では、確率算出部42により算出された全ての確率が通知されるようにしてもよいが、これに限らず、予め定められた確率(例えば、80%)以上が通知されるようにしてもよい。また、確率が通知される場合、確率が高い順に通知されることが好ましい。また、本ステップ130の処理が実行されることで、一例として図17(a)に示すように、障害種類毎の確率がリスト形式で通知され、障害種類毎に確率が、確率の高い順に表示される。
このように、ステップ122で閾値及びp値に基づいて状態特徴量が選択され、選択された状態特徴量に基づいて確率が算出されるので、一例として下記の表2に示すように、従来例の表1に比べ、誤検出率及びトラブルカバー率の低下が抑制される。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、障害種類毎に確率が算出される場合を例示したが、本第2実施形態では、障害発生箇所毎に確率が算出される場合について説明する。上記第1実施形態で説明した構成要素と相違しない構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図1に示すように、本第2実施形態に係る障害予測システム200は、上記第1実施形態に係る障害予測システム10に比べ、管理装置16に代えて管理装置160を有する点が異なる。また、一例として図5に示すように、管理装置160は、管理装置16に比べ、二次記憶部54に障害予測プログラム58に代えて障害予測プログラム158が記憶されている点が異なる。
次に、本第2実施形態に係る障害予測処理の開始条件を満たした場合にCPU50が障害予測プログラム158を実行することでCPU50によって実行される障害予測処理について図14を参照して説明する。なお、本第2実施形態に係る障害予測処理は、上記第1実施形態に係る障害予測処理に比べ、ステップ118の処理に代えてステップ250の処理を有する点、ステップ126の処理に代えてステップ252の処理を有する点、ステップ128の処理に代えてステップ254の処理を有する点、ステップ130の処理に代えてステップ256の処理を有する点が異なる。また、以下では、図8に示すフローチャートに含まれるステップの処理と相違しない処理が行われるステップには、図8に示すステップ番号と相違しないステップ番号を付し、その説明を省略する。
図14に示す障害予測処理では、ステップ250で、特徴量分類部34は、ステップ100で抽出した保守情報を参照して、ステップ104で算出された状態特徴量を、期間ΔTの状態特徴量と期間ΔTの状態特徴量とに分類する。そして、統計的検定部36は、予測対象画像形成装置の障害発生箇所に対応する予め定められた複数種類の状態特徴量の各々について、特徴量分類部34により分類された期間ΔT及び期間ΔTの各々の状態特徴量の頻度分布を生成する。
ステップ252で、確率算出部42は、ステップ124で取得した状態特徴量の種類に基づいて、ステップ250で生成された頻度分布から障害発生箇所判定用確率分布を取得する。すなわち、本ステップ252では、ステップ250で生成された頻度分布から、ステップ124で取得した状態特徴量の種類に対応する頻度分布が障害発生箇所判定用確率分布として取得される。
次のステップ254で、確率算出部42は、ステップ124で取得した状態特徴量、及びステップ252で取得した障害発生箇所判定用確率分布に基づいて、障害発生箇所毎に、予測対象画像形成装置で近い将来障害が発生する確率をナイーブベイズ方式で算出する。
すなわち、本ステップ254では、数式(1)により、予測対象画像形成装置に障害Tが発生する確率が算出される。なお、数式(1)は、各々の状態特徴量の間に相関がないことを前提としている。また、数式(1)において、Tは、障害が発生する確率の算出対象となる障害発生箇所である。また、xは、障害Tの予測対象画像形成装置における最新のマシン情報に含まれるm種の監視パラメータP(1≦j≦m)に基づいて算出された障害Tに関するn種の状態特徴量X(1≦i≦n)の各値である。
次のステップ256で、通知部26は、確率算出部42により障害発生箇所毎に算出された確率を通知し、その後、本障害予測処理を終了する。なお、本ステップ256の処理が実行されることで、一例として図17(b)に示すように、障害種類毎の確率がリスト形式で通知され、障害発生箇所毎に確率が、確率の高い順に表示される。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、障害種類毎に確率が算出される場合について説明したが、本第3実施形態では、障害種類毎及び障害発生箇所毎に確率が算出される場合について説明する。上記第1及び第2実施形態で説明した構成要素と相違しない構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図1に示すように、本第3実施形態に係る障害予測システム300は、上記第1実施形態に係る障害予測システム10に比べ、管理装置16に代えて管理装置360を有する点が異なる。また、一例として図5に示すように、管理装置360は、管理装置16に比べ、二次記憶部54に障害予測プログラム58に代えて障害予測プログラム258が記憶されている点が異なる。
次に、本第3実施形態に係る障害予測処理の開始条件を満たした場合にCPU50が障害予測プログラム258を実行することでCPU50によって実行される障害予測処理について図15を参照して説明する。なお、本第3実施形態に係る障害予測処理は、上記第1実施形態に係る障害予測処理に比べ、ステップ118の処理に代えてステップ350の処理を有する点、及びステップ128,130の処理に代えてステップ352,354,356の処理を有する点が異なる。また、以下では、図8に示すフローチャートに含まれるステップの処理と相違しない処理が行われるステップには、図8に示すステップ番号と相違しないステップ番号を付し、その説明を省略する。
図15に示す障害予測処理では、ステップ350で、特徴量分類部34は、ステップ100で抽出した保守情報を参照して、ステップ104で算出された状態特徴量を、期間ΔTの状態特徴量と期間ΔTの状態特徴量とに分類する。そして、統計的検定部36は、予測対象画像形成装置に発生した障害種類に対応する予め定められた複数種類の状態特徴量の各々について、特徴量分類部34により分類された期間ΔT及び期間ΔTの各々の状態特徴量の頻度分布を生成する。また、統計的検定部36は、障害発生の予測対象とされる画像形成装置12に発生した障害発生箇所に対応する予め定められた複数種類の状態特徴量の各々について、特徴量分類部34により分類された期間ΔT及び期間ΔTの各々の状態特徴量の頻度分布を生成する。
ステップ352で、確率算出部42は、ステップ124で取得した状態特徴量の種類に基づいて、ステップ350で生成された頻度分布から障害発生箇所判定用確率分布を取得する。すなわち、本ステップ352では、ステップ350で生成された頻度分布から、ステップ124で取得した状態特徴量の種類に対応する頻度分布が障害発生箇所判定用確率分布として取得される。
次のステップ354で、確率算出部42は、ステップ124で取得した状態特徴量、及びステップ126で取得した障害種類判定用確率分布に基づいて、障害種類毎に、予測対象画像形成装置で近い将来障害が発生する確率をナイーブベイズ方式で算出する。また、確率算出部42は、ステップ124で取得した状態特徴量、及びステップ352で取得した障害発生箇所判定用確率分布に基づいて、障害発生箇所毎に、予測対象画像形成装置で近い将来障害が発生する確率をナイーブベイズ方式で算出する。
次のステップ356で、通知部26は、確率算出部42により障害種類毎に算出された確率と確率算出部42により障害発生箇所毎に算出された確率とを障害種類別に分類して通知し、その後、本障害予測処理を終了する。障害発生箇所ごとの確率を障害種類別に分類するには、例えば、障害種類と障害発生箇所とが予め対応付けられた対応テーブルを予め用意しておき、この対応テーブルに従って行われるようにすればよい。
なお、本ステップ356の処理が実行されることで、一例として図17(c)に示すように、障害種類毎の確率と障害発生箇所毎の確率とが障害種類別に分類されてリスト形式で通知される。また、障害種類毎の確率が、確率の高い順に表示されると共に、障害種類毎に対応する障害発生箇所の確率が、確率の高い順に表示される。
[第4実施形態]
上記第3実施形態では、障害種類毎の確率を補正しない場合を例示したが、本第4実施形態では、複数の障害種類のうちの特定の障害種類の確率を補正する場合について説明する。なお、上記第1実施形態から上記第3実施形態で説明した構成要素と相違しない構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図1に示すように、本第4実施形態に係る障害予測システム400は、上記第3実施形態に係る障害予測システム300に比べ、管理装置360に代えて管理装置460を有する点が異なる。また、一例として図5に示すように、管理装置460は、管理装置360に比べ、二次記憶部54に障害予測プログラム258に代えて障害予測プログラム358が記憶されている点が異なる。
次に、本第4実施形態に係る障害予測処理の開始条件を満たした場合にCPU50が障害予測プログラム358を実行することでCPU50によって実行される障害予測処理について図16を参照して説明する。なお、本第4実施形態に係る障害予測処理は、上記第3実施形態に係る障害予測処理に比べ、ステップ356の処理に代えてステップ456の処理を有する点、及びステップ354とステップ456との間にステップ450,452,454を有する点が異なる。また、以下では、図15に示すフローチャートに含まれるステップの処理と相違しない処理が行われるステップには、図15に示すステップ番号と相違しないステップ番号を付し、その説明を省略する。
図16に示す障害予測処理では、ステップ450で、確率算出部42は、障害発生箇所毎に算出した確率のうちの未だに本ステップ450の判定対象とされていない1つの確率が規定値以上か否かを判定する。ステップ450において、障害発生箇所毎に算出した確率のうちの未だに本ステップ450の判定対象とされていない1つの確率が規定値以上の場合は、判定が肯定されて、ステップ452へ移行する。ステップ450において、障害発生箇所毎に算出した確率のうちの未だに本ステップ450の判定対象とされていない1つの確率が規定値未満の場合は、判定が否定されて、ステップ454へ移行する。
ステップ452で、確率算出部42は、確率が規定値以上の障害発生箇所を障害の主原因とする障害種類を特定し、特定した障害種類の確率を予め定められた割合だけ増加させる補正を行う。なお、障害種類の特定は、例えば、障害種類と障害発生箇所とが予め対応付けられた対応テーブルに従って行われるようにすればよい。
ステップ454で、確率算出部42は、障害発生箇所毎に算出した全ての確率の各々を規定値と比較したか否かを判定する。ステップ454において、障害発生箇所毎に算出した全ての確率の各々を規定値と比較していない場合は、判定が否定されて、ステップ450へ移行する。ステップ454において、障害発生箇所毎に算出した全ての確率の各々を規定値と比較した場合は、判定が否定されて、ステップ456へ移行する。
ステップ456で、通知部26は、確率算出部42により障害種類毎に算出された補正前及び補正後の確率と確率算出部42により障害発生箇所毎に算出された確率とを障害種類別に分類して通知し、その後、本障害予測処理を終了する。障害発生箇所ごとの確率を障害種類別に分類するには、例えば、障害種類と障害発生箇所とが予め対応付けられた対応テーブルを予め用意しておき、この対応テーブルに従って行われるようにすればよい。
本ステップ456の処理が実行されることで、一例として図17(d)に示すように、障害種類毎の補正前及び補正後の確率と障害発生箇所毎の確率とが障害種類別に分類されてリスト形式で通知される。また、障害種類毎の確率が、補正後の確率の高い順に表示されると共に、障害種類毎に対応する障害発生箇所の確率が、確率の高い順に表示される。
なお、上記各実施形態で説明した障害予測処理(図8及び図14〜図16)は、あくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
また、上記各実施形態では、特徴量特定用テーブルが閾値を有する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特徴量特定用テーブルは、閾値に代えて、選択する状態特徴量の個数(本発明に係る順位特定情報の一例)を有するようにしてもよい。この場合、一例として図18に示すように、管理装置16は順位付け部37を有する。順位付け部37は、一例として図19に示すように、小さなp値ほど高順位となるようにp値に対応する状態特徴量の種類に対して順位を付与する。そして、特徴量選択部38は、特徴量選択条件特定部40によって特徴量特定用テーブルから特定された個数以下の順位(高順位)が付与されている状態特徴量を選択する。例えば、特徴量特定用テーブルから特定された個数が“4”の場合、順位として1位から4位が付与されている状態特徴量が選択される。
また、上記各実施形態では、特徴量特定用テーブルを例示したが、これに限らず、特徴量特定用テーブルに代えて、本発明に係る対応付け情報に相当する演算式を採用してもよい。
また、上記各実施形態では、状態特徴量算出部30が状態特徴量を算出する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、状態特徴量取得部20は、管理装置16以外の装置で算出された状態特徴量を取得するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、統計値算出部32が統計値を算出する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、統計値取得部22は、管理装置16以外の装置で算出された統計値を取得するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、管理装置16が状態特徴量取得部20、統計値取得部22、及び導出部24を有する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、状態特徴量取得部20、統計値取得部22、及び導出部24が複数の電子計算機によって分散されて実現されるようにしてもよい。また、通信網18に接続されている複数の画像形成装置12のうちの何れかが状態特徴量取得部20、統計値取得部22、及び導出部24の少なくとも1つを有していてもよい。
また、上記各実施形態では、状態特徴量、統計値、及び確率が、各々に対応する演算式に従って算出される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、演算式に代入される変数を入力とし、演算式によって得られる解を出力とするテーブルから、状態特徴量、統計値、及び確率が導出されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、特徴量選択条件特定部40によって、温度標準偏差及び湿度標準偏差に対応する特徴量特定用テーブルが選択される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、温度標準偏差L,H、湿度標準偏差L,H、及び気圧L,Hの各々の組み合わせ毎に特徴量特定用テーブルを予め用意しておき、統計値算出部32により算出された温度標準偏差及び湿度標準偏差に対応する特徴量特定用テーブルが選択されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、複数の特徴量特定用テーブルから温度標準偏差及び湿度標準偏差によって1つの特徴量特定用テーブルが選択される場合を例示したが、特徴量特定用テーブルは1つであってもよい。この場合、温度標準偏差及び湿度標準偏差による特徴量特定用テーブルの選択を不要となる。
また、上記各実施形態では、温度平均値及び湿度平均値により特徴量特定用テーブルから閾値が特定される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、温度標準偏差及び湿度標準偏差により特徴量特定用テーブルから閾値が特定されるようにしてもよい。また、特定期間における温度の分散値及び湿度の分散値、特定期間における温度の最頻値及び湿度の最頻値、又は、特定期間における温度の中央値及び湿度の中央値により特徴量特定用テーブルから閾値が特定されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、本発明に係る被監視装置として画像形成装置12を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、通信網18に接続されたサーバ装置やATM(現金自動預け払い機)等であってもよい。
また、上記各実施形態では、複数の画像形成装置12から監視パラメータ及び環境パラメータが収集される場合を例示したが、予測対象画像形成装置のみから監視パラメータ及び環境パラメータが収集されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、統計値取得部22により取得される統計値として平均値及び標準偏差を例示したが、これに限らず、各々特定期間における分散値、最頻値、中央値、最大値、及び最小値などの各種統計値であってもよい。また、状態特徴量として算出された統計値についても同様である。
10,200,300,400 障害予測システム
12 画像形成装置
16,160,360,460 管理装置
20 状態特徴量取得部
22 統計値取得部
24 導出部
58,158,258,358 障害予測プログラム

Claims (13)

  1. 被監視装置の動作状態の特徴を示す複数の状態特徴量を取得する状態特徴量取得手段と、
    前記被監視装置の設置環境を示す環境物理量についての特定期間における統計値を取得する統計値取得手段と、
    前記複数の状態特徴量のうちの前記被監視装置で障害が発生する確率の導出に要する前記状態特徴量を各々選択する複数の選択条件であって、前記統計値の区分毎に各々予め定められた複数の選択条件のうちの、前記統計値取得手段により取得された統計値に対応する選択条件を満たす前記状態特徴量を用いて前記確率を導出する導出手段と、
    を含む障害予測装置。
  2. 前記統計値取得手段は、前記統計値として第1統計値及び第2統計値を取得し、
    前記統計値の区分は、前記第1統計値及び前記第2統計値の各区分に分類されており、
    前記複数の選択条件の各々は、前記第1統計値の区分毎に、かつ、前記第2統計値の区分毎に予め定められており、
    前記導出手段は、前記複数の選択条件のうち、前記統計値取得手段により取得された前記第1統計値及び前記第2統計値に対応する選択条件を満たす前記状態特徴量を用いて前記確率を導出する請求項1に記載の障害予測装置。
  3. 前記第1統計値の区分と前記選択条件とが対応付けられた対応付け情報が前記第2統計値の区分毎に分類されており、
    前記導出手段は、前記統計値取得手段により取得された前記第2統計値に対応する前記対応付け情報から、前記統計値取得手段により取得された前記第1統計値に対応する前記選択条件を取得し、取得した前記選択条件を満たす前記状態特徴量を用いて前記確率を導出する請求項2に記載の障害予測装置。
  4. 前記第1統計値は、前記環境物理量についての前記特定期間における平均値であり、
    前記第2統計値は、前記環境物理量についての前記特定期間における標準偏差である請求項2又は請求項3に記載の障害予測装置。
  5. 前記環境物理量は、温度及び湿度である請求項1から請求項4の何れか1項に記載の障害予測装置。
  6. 前記状態特徴量は、前記被監視装置の機能に特有の機能物理量についての予め定められた期間における統計値である請求項1から請求項5の何れか1項に記載の障害予測装置。
  7. 前記複数の選択条件は、複数の閾値であり、
    前記導出手段は、前記状態特徴量に関するp値を算出し、前記統計値取得手段により取得された前記統計値に対応する前記閾値未満の前記p値に対応する前記状態特徴量を用いて前記確率を算出する請求項1から請求項6の何れか1項に記載の障害予測装置。
  8. 前記複数の選択条件は、各々順位を特定する複数の順位特定情報であり、
    前記導出手段は、前記状態特徴量に関するp値を算出し、算出した前記p値が小さいほど前記状態特徴量に対して高順位を付与し、前記統計値取得手段により取得された前記統計値に対応する前記順位特定情報により特定される順位以上の高順位が付与された前記状態特徴量を用いて前記確率を算出する請求項1から請求項6の何れか1項に記載の障害予測装置。
  9. 前記導出手段は、前記被監視装置で障害が発生した場合の前記状態特徴量の発生頻度の分布を示す障害時分布、及び前記被監視装置で障害が発生しなかった場合の前記状態特徴量の発生頻度の分布を示す非障害時分布を用いて前記確率を導出する請求項1から請求項8の何れか1項に記載の障害予測装置。
  10. 前記導出手段は、前記統計値取得手段により取得された前記統計値が変化したことを条件に、前記複数の選択条件から、前記統計値取得手段により取得された前記統計値に対応する選択条件を選択し、選択した選択条件を満たす前記状態特徴量を用いて前記確率を導出する請求項1から請求項9の何れか1項に記載の障害予測装置。
  11. 請求項1から請求項10の何れか1項に記載の障害予測装置と、
    前記障害予測装置に含まれる状態特徴量取得手段により状態特徴量が取得される被監視装置と、
    を含む障害予測システム。
  12. 前記被監視装置は、画像を形成する画像形成装置である請求項11に記載の障害予測システム。
  13. コンピュータを、
    請求項1から請求項10の何れか1項に記載の障害予測装置に含まれる状態特徴量取得手段、統計値取得手段、及び導出手段として機能させるためのプログラム。
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