JP6365057B2 - 意匠付太陽電池および太陽電池用意匠シート - Google Patents
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Description
例えば時計用の太陽電池においては、太陽電池を文字盤の下に配置することで、意匠性を高めている。例えば特許文献1には、時計用文字板において、高い透過率を得つつ、太陽電池を目視上認識できなくするために、太陽電池基板と、第1の拡散層と、透明な下板と、干渉フィルター層と、第2の拡散層と、透明な上板と、装飾部材とが順に積層されている太陽電池時計が開示されている。
本発明の意匠付太陽電池は、太陽電池と、上記太陽電池の受光面側に配置された意匠シートとを有するものであって、上記意匠シートが、基材と、上記基材上に設けられた遮光層と、上記遮光層上にのみ設けられた意匠層とを有し、上記遮光層が設けられている遮光領域と、上記遮光層が設けられていない透過領域とを有し、上記透過領域が均一に配置されていることを特徴とするものである。
図1(a)、(b)は本発明の意匠付太陽電池の一例を示す概略平面図および断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)、(b)に例示するように、意匠付太陽電池1は、複数の太陽電池セル2aが接続された太陽電池モジュールである太陽電池2と、太陽電池2の受光面側に配置された意匠シート3とを有している。意匠シート3は、基材4と、基材4上に設けられた遮光層5と、遮光層5上にのみ設けられた意匠層6とを有し、遮光層5が設けられている遮光領域11と、遮光層5が設けられていない透過領域12とを有している。また、意匠シート3は複数の円形状の孔10を有しており、透過領域12が孔10が設けられている領域となっている。複数の孔10は規則的に配置されており、透過領域12が均一に配置されている。
本発明における意匠シートは、太陽電池の受光面側に配置されるものであり、基材と、上記基材上に設けられた遮光層と、上記遮光層上にのみ設けられた意匠層とを有し、上記遮光層が設けられている遮光領域と、上記遮光層が設けられていない透過領域とを有し、上記透過領域が均一に配置されているものである。
本態様の意匠シートは、基材と、上記基材上に設けられた遮光層と、上記遮光層上にのみ設けられた意匠層とを有し、上記遮光層が設けられている遮光領域と、上記遮光層が設けられていない透過領域とを有し、上記透過領域が均一に配置されているものであって、複数の孔を有し、上記透過領域が上記孔が設けられている領域であるものである。
本態様の意匠シートは、複数の孔を有するものであり、透過領域が孔が設けられている領域となっている。透過領域は均一に配置されており、すなわち複数の孔は均一に配置されている。
特に、太陽電池が太陽電池モジュールである場合には、複数の孔は各太陽電池セル上に均等に配置されていることが好ましい。
なお、孔が設けられている領域、すなわち透過領域の面積比率は、例えば意匠シートを顕微鏡にて観察し、所定の領域における孔の面積を求め、算出することができる。
本態様における遮光層は、基材上に設けられるものである。
ここで、遮光層の透過率は、可視光線透過率を意味する。遮光層の可視光線透過率は、島津製作所社製の紫外可視近赤外分光光度計UV−3100にて測定し、可視光領域380nm〜780nmの平均透過率を算出した。
また、遮光層は基材を兼ねていてもよく、例えば金属基材、着色樹脂基材等を用いることができる。
本発明における意匠層は、遮光層上にのみ設けられるものであり、所望の意匠を付与するための層である。
また、意匠層として、支持基材上に意匠層が形成された意匠基材を用いてもよい。
本発明における基材は、遮光層および意匠層を支持するものである。
本発明の意匠付太陽電池は屋外で使用される場合もあることから、基材は耐候性を有することが好ましい。
基材は、太陽電池の受光面側に配置されるが、本態様においては透過領域が孔が設けられている領域であるため、透明性を有していてもよく有さなくてもよい。
基材は、耐候性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばガラス基材、樹脂基材、金属基材等を挙げることができる。
また基材は可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。
基材の厚みは、遮光層および意匠層を支持することができれば特に限定されるものではなく、基材の種類等に応じて適宜調整される。
本発明においては、図4に例示するように、遮光層5と意匠層6との間に拡散層7が設けられていることが好ましい。拡散層によって意匠層の見栄えを良くすることができる。また、拡散層で拡散された入射光の一部が透過領域を介して太陽電池に入射することで性能を向上させることもできる。
ここで、ヘイズは、JIS K 7136に準拠した方法により測定した値である。
また、拡散層として、支持基材上に拡散層が形成された拡散基材を用いてもよい。
表面に凹凸を有する拡散層に用いられる材料としては、例えばポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、表面に凹凸を有する拡散層に用いられる粒子としては、例えばアクリル、ポリスチレン、シリコーン、ポリウレタン等の有機粒子や、シリカ等の無機粒子が挙げられる。粒子の形状としては、例えば球状、真球状、針状等が挙げられる。粒子の平均粒径は、拡散層の種類等に応じて適宜選択される。
また、粒子を含有する拡散層は、通常、粒子および樹脂を含有するものである。粒子および樹脂としては、上記と同様とすることができる。
表面に凹凸を有する拡散層および粒子を含有する拡散層としては、市販の拡散フィルムを用いることもできる。
多孔質シートとしては、入射光を拡散することができ、光透過性を有するものであればよく、例えば市販の多孔質フィルム、不織布を用いることができる。
本発明においては、意匠層上に保護層が形成されていてもよい。保護層によって、意匠層の劣化や剥離を防止することができ、意匠層を保護することができる。
保護層としては、意匠層を保護することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば樹脂層やガラス基材等を用いることができる。また、保護層は紫外線吸収剤や酸化防止剤等を含有していてもよい。
本態様の意匠シートは、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に設けられた遮光層と、上記遮光層上にのみ設けられた意匠層とを有し、上記遮光層が設けられている遮光領域と、上記遮光層が設けられていない透過領域とを有し、上記透過領域が均一に配置されているものである。
本態様において、透過領域は透明基材上に遮光層が設けられていない領域であり、均一に配置されている。
特に、太陽電池が太陽電池モジュールである場合には、透過領域は各太陽電池セル上に均等に配置されていることが好ましい。
なお、図5(a)、(b)および図6(a)、(b)は本発明の意匠付太陽電池の他の例を示す概略平面図および断面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A線断面図、図6(b)は図6(a)のA−A線断面図である。
本態様において、遮光層は透明基材上にパターン状に設けられるものであり、遮光領域は遮光層が設けられている領域である。
本発明における意匠層は、遮光層上にのみ設けられるものであり、所望の意匠を付与するための層である。
また、意匠層として、透明な支持基材上に意匠層がパターン状に形成された意匠基材を用いてもよい。この場合、意匠層のパターン形状は上記遮光層のパターン形状と同様となる。さらに、意匠層として、支持基材上の全面に意匠層が形成された意匠基材であって、複数の孔を有するものを用いることもできる。この場合、孔が設けられている領域の形状は透過領域の形状と同様となる。
本発明における透明基材は、遮光層および意匠層を支持するものであり、透明性を有するものである。
本発明の意匠付太陽電池は屋外で使用される場合もあることから、透明基材は耐候性を有することが好ましい。
透明基材は、透明性および耐候性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばガラス基材、樹脂基材等を挙げることができる。
また透明基材は可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。
透明基材の厚みは、遮光層および意匠層を支持することができれば特に限定されるものではなく、基材の種類等に応じて適宜調整される。
本発明においては、遮光層と意匠層との間に拡散層が設けられていることが好ましい。拡散層によって意匠層の見栄えを良くすることができる。また、拡散層で拡散された入射光の一部が透過領域を介して太陽電池に入射することで性能を向上させることもできる。
本発明においては、意匠層上に保護層が形成されていてもよい。保護層によって、意匠層の劣化や剥離を防止することができ、意匠層を保護することができる。
なお、保護層については、上記第1態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明における意匠シートは、太陽電池の受光面側に配置される。
意匠シートの配置方法としては、例えば意匠シートを接着層を介して貼り合わせる方法が挙げられる。この際、意匠シートの全面を接着層で貼り合わせてもよく、意匠シートの周囲のみを接着層で貼り合わせてもよい。
また、意匠シートは着脱可能に配置してもよい。この場合、意匠シートを交換することができ、例えば広告等に好適に利用することができる。
意匠シートは可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。
本発明に用いられる太陽電池としては、特に限定されるものではなく、一般的な太陽電池を適宜選択して用いることができる。例えば、単結晶シリコーン型太陽電池、多結晶シリコーン型太陽電池、アモルファスシリコン型太陽電池、化合物半導体型太陽電池、色素増感型太陽電池、量子ドット型太陽電池、有機薄膜型太陽電池等を挙げることができる。
また、太陽電池を構成する各部材としては、一般的なものを適宜用いることができる。
太陽電池の大きさとしては、特に限定されるものではなく、例えば屋内で使用する小型のものからメガソーラーまで、任意の大きさとすることができる。
本発明の意匠付太陽電池は、屋外、屋内ともに使用することができ、種々の用途に適用可能である。また、本発明の意匠付太陽電池では、意匠シートを交換可能であることから、例えば広告、POP広告、標識等のサイン、壁紙等に用いることもできる。
本発明の太陽電池用意匠シートは、太陽電池の受光面側に配置されるものであって、基材と、上記基材上に設けられた遮光層と、上記遮光層上にのみ設けられた意匠層とを有し、上記遮光層が設けられている遮光領域と、上記遮光層が設けられていない透過領域とを有し、上記透過領域が均一に配置されていることを特徴とするものである。
図7は本発明の太陽電池用意匠シートの一例を示す概略平面図および断面図であり、図7(b)は図7(a)のB−B線断面図である。図7(a)、(b)に例示するように、意匠シート3は、基材4と、基材4上に設けられた遮光層5と、遮光層5上にのみ設けられた意匠層6とを有し、遮光層5が設けられている遮光領域11と、遮光層5が設けられていない透過領域12とを有している。また、意匠シート3は複数の円形状の孔10を有しており、透過領域12が孔10が設けられている領域となっている。複数の孔10は規則的に配置されており、透過領域12が均一に配置されている。
また、透過領域が均一に配置されているため、本発明の太陽電池用意匠シートを太陽電池の受光面側に配置した場合、意匠層の意匠によらず、太陽電池に均一に光を照射することができる。そのため、太陽電池モジュールの場合には、ホットスポット現象および太陽電池モジュール全体の発電量の低下を抑制することができる。
このように本発明の太陽電池用意匠シートは、任意の意匠を太陽電池に付与することが可能である。
なお、各態様の太陽電池用意匠シートについては、上記「A.意匠付太陽電池 1.意匠シート」に詳しく説明したので、ここでの説明は省略する。
大きさ2cm×20cmの太陽電池セルを10個直列に接続した太陽電池モジュールを準備した。
また、透明基材上に絶縁性黒色顔料を含むインキを印刷して、1mm間隔で1mm幅のストライプ状の遮光層を形成し、続いて遮光層上のみに、TiO2微粒子を含む白色インキを印刷して、厚み2μmで表面に凹凸形状を有するストライプ状の拡散層を形成した。次いで、厚み100μmのPET基材上に、印刷法により木目調の意匠層を1mm間隔で1mm幅のストライプ状に形成し、意匠基材を作製した。次に、遮光層上のみに意匠層が配置されるように、拡散層上に意匠基材を積層した。これにより、意匠シートを得た。
次に、太陽電池モジュールの受光面側に意匠シートを配置した。
実施例1と同様の太陽電池モジュールを準備した。
また、基材を兼ねる遮光層として、1mm間隔で1mmφの孔が形成された、厚み50μmのSUS基板を準備した。SUS基板上に、TiO2微粒子を含む白色インキを印刷して、厚み2μmで表面に凹凸形状を有する拡散層を形成した。次いで、拡散層上に印刷法により木目調の意匠層を形成した。このとき、拡散層および意匠層はいずれもSUS基板上の孔以外の領域に形成された。これにより、意匠シートを得た。
次に、太陽電池モジュールの受光面側に意匠シートを配置した。
実施例1、2の意匠付太陽電池では、想定通りの出力が得られた。また、意匠付太陽電池の受光面の意匠はきれいな木目調であった。
2 … 太陽電池
2a… 太陽電池セル
3 … 意匠シート
4 … 基材
5 … 遮光層
6 … 意匠層
7 … 拡散層
10… 孔
11… 遮光領域
12… 透過領域
Claims (10)
- 太陽電池と、前記太陽電池の受光面側に配置された意匠シートとを有する意匠付太陽電池であって、
前記意匠シートが、基材と、前記基材上に設けられた遮光層と、前記遮光層上にのみ設けられた意匠層とを有し、前記遮光層が設けられている遮光領域と、前記遮光層が設けられていない透過領域とを有し、前記透過領域が均一に配置されていることを特徴とする意匠付太陽電池。 - 前記意匠シートが複数の孔を有し、前記透過領域が前記孔が設けられている領域であることを特徴とする請求項1に記載の意匠付太陽電池。
- 前記基材が透明基材であり、前記透明基材上に前記遮光層および前記意匠層がパターン状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の意匠付太陽電池。
- 前記透過領域が規則的に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の意匠付太陽電池。
- 前記遮光層および前記意匠層の間に拡散層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の意匠付太陽電池。
- 太陽電池の受光面側に配置される太陽電池用意匠シートであって、
基材と、前記基材上に設けられた遮光層と、前記遮光層上にのみ設けられた意匠層とを有し、
前記遮光層が設けられている遮光領域と、前記遮光層が設けられていない透過領域とを有し、前記透過領域が均一に配置されていることを特徴とする太陽電池用意匠シート。 - 複数の孔を有し、前記透過領域が前記孔が設けられている領域であることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用意匠シート。
- 前記基材が透明基材であり、前記透明基材上に前記遮光層および前記意匠層がパターン状に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用意匠シート。
- 前記透過領域が規則的に配置されていることを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれかに記載の太陽電池用意匠シート。
- 前記遮光層および前記意匠層の間に拡散層が設けられていることを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれかに記載の太陽電池用意匠シート。
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