JP2014150142A - 光起電力装置および光起電力装置を備える装飾構造体 - Google Patents

光起電力装置および光起電力装置を備える装飾構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】デザイン性を高めた光起電力装置および光起電力装置を備えた装飾構造体を提供する。
【解決手段】光起電力装置100は、受光面20aを有し、光起電力素子を含む光電変換部20と、受光面20a上に設けられる装飾層30と、装飾層30上に設けられ、受光面20aに向けて入射する光の方向を制御する光制御層40と、を備える。装飾層30は、装飾が施される装飾領域32と、装飾が施されない透明領域34とを有する。光制御層40は、装飾領域32に対応する位置に凸曲面が形成されるレンズ部42を有する。装飾構造体120は、光起電力装置100を備え、光起電力装置100が取り付けられる支持面11を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光起電力装置および光起電力装置を備えた装飾構造体に関する。
無尽蔵の太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池とも称される光起電力装置の開発が各方面で精力的に行われている。例えば、単結晶シリコンや多結晶シリコン等の結晶質系シリコンを用いた光起電力装置の研究および実用化が盛んに行われている。
近年、光起電力装置をビルや住宅用の電源として用いるため、屋根や壁面に光起電力装置を設置するようになっているが、この場合、単に発電設備としての機能が求められるだけでなく、建物の美的外観の見地からデザイン面での機能を求められることがある。例えば、光起電力装置の表面に着色部材を設けることで、光起電力装置表面を綺麗に着色する試みがなされている(特許文献1参照)。
特開平8−51231号公報
光起電力装置の受光面に着色部材を設けた場合、一般にその領域に入射する光が着色部材により遮られてしまうため発電効率が低下してしまうこととなる。したがって、発電効率の低下を抑えつつ、光起電力装置の表面を綺麗に着色できることが望ましい。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、デザイン性を高めた光起電力装置および光起電力装置を備えた装飾構造体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の光起電力装置は、受光面を有し、光起電力素子を含む光電変換部と、受光面上に設けられる装飾層と、装飾層上に設けられ、受光面に向けて入射する光の方向を制御する光制御層と、を備える。装飾層は、装飾が施される装飾領域と、装飾が施されない透明領域とを有する。光制御層は、装飾領域に対応する位置に凸曲面が形成されるレンズ部を有する。
本発明の別の態様は、装飾構造体である。この装飾構造体は、光起電力装置を備え、光起電力装置が取り付けられる支持面を有する。
本発明によれば、デザイン性を高めた光起電力装置および光起電力装置を備えた装飾構造体を提供することができる。
第1の実施形態における光起電力装置および装飾構造体の構造を示す断面図である。 光起電力装置を示す斜視図である。 光電変換部を示す断面図である。 受光面から見た光電変換部を模式的に示す図である。 正面から見た装飾層を模式的に示す図である。 装飾層として印刷される装飾画像を示す図である。 正面から見た光制御層を模式的に示す図である。 光制御層により発電効率の低下を抑制する効果を模式的に示す図である。 光制御層により着色を綺麗に見せる効果を模式的に示す図である。 変形例1における光起電力装置の構造を示す断面図である。 変形例2における光起電力装置の構造を示す断面図である。 変形例3における光起電力装置の構造を示す断面図である。 第2の実施形態における光起電力装置の構造を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る光起電力装置100および装飾構造体120の構造を示す断面図であり、図2は、光起電力装置100の斜視図である。装飾構造体120は、構造物10と、光起電力装置100と、を備える。光起電力装置100は、取付部12と、光電変換部20と、装飾層30と、光制御層40と、を備える。光起電力装置100は、取付部12により構造物10の外壁や屋上、鉄道沿いの壁面などの支持面11に取り付けられ、光電変換部20の受光面20aが地面に対して垂直となる向きで設置されることで、店舗の名称などを示す看板や、屋外広告用の看板として用いられる。また、建物自体の外壁材としても用いられる。
光電変換部20の受光面20aの上には装飾層30が設けられており、装飾層30は、その一部領域は装飾が施される装飾領域32となっている一方、その他の領域は装飾が施されない透明領域34となっている。光制御層40は、光起電力装置100の上方から入射する太陽光を透明領域34に導くことで発電効率の低下を抑え、下方から見上げる視線方向に対して装飾領域32を反射する光を導くことで装飾領域32を選択的に見せる。このように、本実施形態における光起電力装置100および装飾構造体120は、装飾層30と光制御層40を組み合わせることで、装飾層30を設けることによる発電効率の低下を抑えつつ、装飾層30に施される装飾を綺麗に見せることできる。
取付部12は、上部取付部14と下部取付部16とを備え、光電変換部20の受光面20aが地面に対して垂直となる向きで光電変換部20を構造物10の支持面11に固定する。このとき、上部取付部14により取り付けられる側が天地方向の上側となり、下部取付部16が取り付けられる側が天地方向の下側となる。なお、取付部12は、光電変換部20の発電効率を高めるために受光面20aが天地方向の上側を向くように光電変換部20を斜めに固定してもよい。
図3は、光電変換部20を示す断面図であり、図4は、受光面20aから見た光電変換部20を模式的に示す図である。光電変換部20は、複数の光起電力素子22と、保護基板25と、バックシート26と、封止層27と、接続部材28とを備える。光起電力素子22は、発電層23と、電極層24とを備える。複数の光起電力素子22は、光電変換部20が一つの受光面20aを形成するように同一平面上に配列される。ここで、受光面とは、光電変換部20において主に太陽光が入射される主面を意味し、具体的には、光起電力素子22に入射される光の大部分が入射される面である。
発電層23は、受光面から入射する光を吸収して光起電力を発生させる層であり、例えば、結晶系シリコン、ガリウム砒素(GaAs)又はインジウム燐(InP)等の半導体材料からなる基板を有する。発電層23の構造は、特に限定されないが、本実施形態では、n型単結晶シリコン基板と非晶質シリコンのヘテロ接合を有する。発電層23は、例えば、n型単結晶シリコン基板の受光面側に、i型非晶質シリコン層、ボロン(B)等がドープされたp型非晶質シリコン層、酸化インジウム等の透光性導電酸化物からなる透明導電層の順番で積層されている。また、基板の裏面側に、i型非晶質シリコン層、リン(P)等がドープされたn型非晶質シリコン層、透明導電層の順番で積層されている。
電極層24は、発電層23が発生した光起電力を外部に取り出すための電極であり、例えば、発電層の両面にそれぞれ櫛状に設けられたフィンガー電極及びそれを接続するバスバー電極を備える集電極である。接続部材28は、隣接する光起電力素子22の一方の電極層24と他方の電極層24を接続する。
保護基板25は、光起電力素子22を外部環境から保護するとともに、光起電力素子22が発電のために吸収する波長帯域の光を透過する。また、保護基板25は、装飾層30及び光制御層40が順に設けられる受光面20aを形成する。保護基板25は、例えば、ガラス基板である。
バックシート26及び封止層27は、EVA、ポリイミド等の樹脂材料である。これにより、光電変換部20の発電層23への水分の浸入等を防ぐとともに、光電変換部20全体の強度を向上させる。なお、バックシート26は、保護基板25と同じガラスや、プラスチック等の透明基板としてもよい。
図1に戻り、装飾層30は、受光面20aの上に設けられる透明のシート状部材であり、シート状部材に着色が施されることで、光起電力装置100の表面を装飾する。着色が施されるシート状部材は、光透過性の高い部材で厚さが薄いものとすることが望ましく、例えば、その厚さは1mm以下とすればよい。また、装飾層30は、光制御層40に入射した光を効率的に光電変換部20に導くため、光電変換部20の受光面20aを構成する保護基板25の材料と、後述する光制御層40の材料の中間、もしくは同等の屈折率であることが好適である。例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)などを用いればよい。なお、装飾層30は、光電変換部20に対して着脱可能に設けられることが望ましい。
装飾層30は、装飾が施される装飾領域32と、装飾が施されず透明のままとなる透明領域34とを有する。図5は、正面から見た装飾層30を模式的に示す図であり、水平方向に延びる短冊状の装飾領域32と透明領域34とが周期的に天地方向に配置されることで縞模様となる。このとき、装飾領域32と透明領域34が配置される周期の幅wは、用いる光制御層40の構造や、光起電力装置100を下から見上げたときに装飾領域32を綺麗に見ることのできる視覚可能範囲によって決めることが望ましい。例えば、その周期wは、1mm〜100mm程度すればよい。
また、装飾領域32の幅w1と透明領域34の幅w2の関係や、光起電力装置100に必要とされる発電特性に応じて決めることが望ましい。なお、発電効率の低下を抑えるためには、装飾領域32の幅w1を透明領域34の幅w2よりも狭くすることが望ましい。
図6は、装飾層30に印刷される装飾画像を模式的に示す図である。図6(a)は、光起電力装置100を見上げたときに見せる元画像36を示し、図6(b)は、装飾層30に印刷される印刷画像38を示す。印刷画像38は、装飾領域32の周期に応じて元画像36を短冊状に分割し、それらを透明領域34となる幅w2の間隔を開けて配置することで作成される。本図は、画像を4分割にした場合を示しており、元画像36の第1領域36a〜第4領域36dの分割画像が、印刷画像38の第1領域38a〜第4領域38dに対応付けされる。このような印刷画像38を透明のシート状部材に印刷することで、装飾層30を形成することができる。
図1に戻り、光制御層40は、天地方向上側から入射する太陽光を透明領域34に導くとともに、下方から見上げる視線方向に対して装飾領域32を反射する光を導くように光の方向を制御する部材である。光制御層40は、太陽光を効率的に光電変換部20に導くことができるよう、空気と光電変換部20の保護基板25を構成する材料の間の屈折率を持つ部材とすることが好適である。例えば、保護基板25の材料がガラスであれば、アクリル樹脂などの光透過性の高い樹脂を用いればよい。また、光制御層40は、厚さが薄いものとすることが望ましく、例えば、その厚さは4mm以下とすればよい。
図7は、正面から見た光制御層40を模式的に示す図である。図7に示すように、光制御層40は、長手方向である水平方向に延びる複数のレンズ部42を有し、複数のレンズ部42は、天地方向に周期的に配列される。また、レンズ部42は、図1に示すように長手方向に垂直な断面形状が頂点46を有する突起形状となっており、断面形状が長手方向に対して均一となる柱状形状を有する。
レンズ部42は、第1レンズ部43と、第2レンズ部44を備える。第1レンズ部43は、頂点46から天地方向上側に凹状の円弧が延びる断面形状を有しており、例えば、平凹シリンドリカルレンズを曲率を有する方向に垂直な面で半分に切断した形状となる。第2レンズ部44は、頂点46から天地方向下側に凸状の円弧が延びる断面形状を有しており、例えば、平凸シリンドリカルレンズを曲率を有する方向に垂直な面で半分に切断した形状となる。
レンズ部42は、天地方向の幅wが、図6に示した装飾層30の縞模様の周期の幅wと同じとなる幅に設けられ、装飾層30の縞模様に対応して天地方向に周期的に配列される。また、レンズ部42は、図1に示すように装飾領域32の上に第2レンズ部44が配置され、透明領域34の上に第1レンズ部43が配置される位置に設けられる。したがって、レンズ部42に対して天地方向下側の位置に装飾領域32が設けられる。
以上の構成による光起電力装置100の作用について説明する。
図8は、光制御層40により発電効率の低下を抑制する効果を模式的に示す図であり、高い位置から太陽光が受光面20aに向けて斜入射する日中の太陽Aを示している。太陽光は、受光面20aに向けて天地方向上側から斜入射することとなるため、大部分の太陽光は第1レンズ部43の凹曲面に入射し、一部の太陽光が第2レンズ部44の凸曲面に入射することとなる。第1レンズ部43の凹曲面に入射した太陽光は、第1レンズ部43により拡散されて装飾層30に到達する。第1レンズ部43の位置には、装飾領域32が設けられず透明領域34となっているため、太陽光の大部分は、光電変換部20に到達することとなる。このため、入射する太陽光の大部分は装飾領域32に遮られることがないため、装飾層30を設けることによる発電効率の低下を抑制することができる。また、第2レンズ部44に入射する一部の光は、装飾領域32に向かうととともに、着色された装飾領域32により反射され、装飾層30を明るく見せる。
図9は、光制御層40により着色を綺麗に見せる効果を模式的に示す図であり、高い位置に設けられた光起電力装置100を見上げるように視線方向を斜め上方向に向けた状態を示している。目Eに達する光の大部分は、第2レンズ部44の凸曲面を通る光であり、それらの光は、第2レンズ部44の位置にある装飾領域32により反射された光となる。そのため、透明領域34を通して光電変換部20が見える領域が狭くなることで光電変換部20が実質的に見えなくなり、装飾領域32だけが見えることとなる。その結果、図6(a)に示す元画像36のように、所定の間隔をあけて配置される装飾領域32が連続してつながった画像が見えることとなる。したがって、光制御層40を設けることにより、綺麗に着色されたデザイン性の高い光起電力装置100とすることができる。
また、本実施形態に係る光制御層40は、天地方向上側の第1レンズ部43が凹曲面を有するため、光制御層40の表面に付着した塵などが凹曲面を伝って雨に流されることとなり、複数のレンズ部42の間の隙間に溜まりにくい構造となっている。そのため、光起電力装置100を屋外に設置した場合においても、長期間にわたって装飾層30を綺麗に見せることができる。
また、本実施形態に係る装飾層30および光制御層40は、光電変換部20の受光面20aに着脱容易に設置することができるため、支持面11に取り付けられた光電変換部20に対して装飾層30および光制御層40を交換するだけで、そのデザインを変更することができる。したがって、看板として表記すべき内容や、屋外広告の広告内容を変更する場合においても、光起電力装置100全体を交換することなく、装飾層30および光制御層40のみを交換することにより装飾を容易に変更することができる。
図10は、変形例1における光起電力装置100の構造を示す断面図である。上述した第1の実施形態とは、第1レンズ部43の形状が異なり、長手方向に垂直な断面が凹状の円弧を有する凹曲面ではなく、断面が凸状の円弧を有する凸曲面となっている。そのため、レンズ部42は、第1レンズ部43と第2レンズ部44で連続した凸曲面を有することとなる。例えば、レンズ部42が平凸シリンドリカルレンズの形状となる場合、光制御層40は、いわゆるレンチキュラーレンズ構造を有する。変形例1においても、目Eに達する光の大部分は、第2レンズ部44の凸曲面を通る光であるため、第2レンズ部44の位置にある装飾領域32だけが綺麗に見えることとなる。
一方、日中の太陽Aからの光の大部分は、凸曲面を有する第1レンズ部43に入射することとなるが、変形例1においては、装飾領域32が設けられていない透明領域34にその光が集光することとなる。そのため、太陽光は装飾領域32に遮られることなく光電変換部20に到達し、その大部分を発電に寄与させることができる。
図11は、変形例2における光起電力装置の構造を示す断面図である。変形例1と同様、第1レンズ部43の形状が異なり、曲面を有するシリンドリカルレンズ形状ではなく、平坦な斜面を有する三角柱に対応する形状を有する。そのため、太陽光の大部分は、平坦な斜面を有する第1レンズ部43に入射することとなるが、第1レンズ部43に対応する位置は、装飾領域32が設けられていない透明領域34であることから、太陽光は装飾領域32に遮られることなく光電変換部20に到達し、発電に寄与することとなる。なお、第1レンズ部43の平坦な斜面に微細な凹凸であるテクスチャ構造を設けることで、第1レンズ部43の表面での太陽光の反射を抑え、光電変換部20に入射する光の量が高まるようにしてもよい。
図12は、変形例3における光起電力装置の構造を示す断面図である。変形例3においては、レンズ部42を構成する第1レンズ部43と第2レンズ部44の天地方向の幅がそれぞれ異なっており、天地方向上側の第1レンズ部43の幅w3が天地方向下側の第2レンズ部44の幅w4と比べて広くなっている。このように第1レンズ部43側を広くとることで、より多くの太陽光を光電変換部20に導くことができ、発電効率の低下を抑えることができる。また、下から見上げる視線方向に向かう光の大部分は、第2レンズ部44の凸曲面を通ることとなるため、装飾領域32を綺麗に見せることができる。このとき、装飾領域32の幅w1は、第1レンズ部43の幅w3に対応させて狭くすることができ、光電変換部20に向かって入射する太陽光が装飾領域32により遮られにくくすることができる。そのため、発電効率の低下をさらに抑えることができる。
<第2の実施形態>
図13は、第2の実施形態における光起電力装置200の構造を示す断面図である。光起電力装置200は、光電変換部としての光起電力素子22と、装飾層30と、光制御層40と、取付部12とを備える。本実施形態においては、光起電力素子22が封止される保護基板25の上に装飾層30および光制御層40が設けられるのではなく、光起電力素子22の受光面22a上に装飾層30および光制御層40が設けられる点が第1の実施形態とは異なる。以下、第1の実施形態における光起電力装置100との相違点を中心に説明する。
光起電力素子22は、発電層23と、表面電極層24aと、裏面電極層24bとを備える。なお、本実施形態においては、表面電極層24aの上面が受光面22aとなる。
装飾層30は、受光面22aの上に直接設けられる。装飾層30は、装飾層30は、光制御層40に入射した光を効率的に光電変換部20に導くため、光電変換部20の受光面20aを構成する保護基板25の材料と、後述する光制御層40の材料の中間、もしくは同等の屈折率であることが好適である。
光制御層40は、装飾層30の上に設けられる。光制御層40は、封止層27と光起電力素子22の間の屈折率を持つものが好適であり、例えば光起電力素子22として結晶質シリコンを用いた場合、酸化チタン(TiO)や、窒化シリコン(SiN)とすればよい。光制御層40は、受光面22aの上に配置された装飾層30にナノインプリントなどにより形成される。
光起電力装置200は、さらに、保護基板25と、バックシート26と、封止層27を備える。保護基板25は、例えば、ガラス基板でり、バックシート26及び封止層27は、EVA、ポリイミド等の樹脂材料とすればよい。これにらより、装飾層30および光制御層40が形成された光起電力素子22への水分の浸入等を防ぐとともに、光起電力素子22全体の強度を向上させる。
本実施形態における光起電力装置200においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
上述した実施形態および変形例においては、光電変換部20の受光面と光制御層の間に装飾層を設ける構成としたが、装飾層を設けずに、光制御層の受光面とは反対側の面に画像などを直接印刷することによって装飾領域を形成してもよい。この場合、装飾層30を別途設ける場合と比較して部材を減らすことができ、コスト低減につなげることができる。
上述した実施形態および変形例においては、光起電力装置100が一つの光電変換部20を備えることとしたが、光起電力装置は、複数の光電変換部20を備えてもよい。この場合、複数の光電変換部20の受光面20aが同一平面上に設けられるように光電変換部20を配列し、複数の受光面20aで形成される平面上に1枚の装飾層30および光制御層40を設けることで、1枚の大きなデザインパネルとすることができる。
上述した実施形態および変形例においては、装飾領域32と透明領域34とが天地方向に交互に配列されるように光起電力装置100を設置する場合を示したが、装飾領域32と透明領域34とが配列される向きを変えて光起電力装置100を設置してもよい。例えば、高層ビルやタワーなどから構造物10の屋上に設置された光起電力装置100を見下ろす場合に光起電力装置100の装飾が綺麗にみえるよう、高層ビルから構造物10に向かう方向に装飾領域32と透明領域34とが交互に配列されるようにしてもよい。この場合、高層ビルから光起電力装置100を見下ろした場合に、構造物10の屋上の装飾を綺麗に見せることができ、高層ビルが建てられていない側からの太陽光を光電変換部20に入射させて発電に寄与させることができる。
なお、以下の組合せによる光起電力装置についても本発明の範囲に含まれうる。
(1)光起電力装置は、受光面を有し、光起電力素子を含む光電変換部と、受光面上に設けられる装飾層と、装飾層上に設けられ、受光面に向けて入射する光の方向を制御する光制御層と、を備える。装飾層は、装飾が施される装飾領域と、装飾が施されない透明領域とを有し、光制御層は、装飾領域に対応する位置に凸曲面が形成されるレンズ部を有する。
この態様によれば、光制御層として装飾領域に対応する位置に凸曲面が形成されるレンズ部が設けられるため、装飾領域はレンズ部を介して拡大されて見えることとなり、光制御層を設けない場合と比べ、装飾が施されて見える範囲を広げることができる。そのため、装飾層に付される着色を綺麗に見せることができ、光起電力装置のデザイン性を高めることができる。
(2)装飾層は、装飾領域と透明領域とが一方向に交互に配列される(1)に記載の光起電力装置であってもよい。装飾領域を一方向に配列することによって、所定の方向から光起電力装置を見た場合に、レンズ部により拡大される装飾領域が連続してつながったようにみせることができる。これにより、装飾層に付される着色をより綺麗に見せることができる。
(3)レンズ部は、透明領域に対応する位置に設けられる第1レンズ部と、装飾領域に対応する位置に設けられる第2レンズ部とを含み、第2レンズ部は、一方向と交差する方向の断面が凸状の円弧となる凸曲面を有する(2)に記載の光起電力装置であってもよい。第2レンズ部を、一方向と交差する方向の断面が凸状の円弧となる凸曲面を有するようにすることで、所定の方向から光起電力装置を見た場合に、第2レンズ部により拡大される装飾領域が歪みなく連続的につながったように見せることができる。これにより、装飾層に付される着色をより綺麗に見せることができる。
(4)第1レンズ部は、一方向と交差する方向が凹状の円弧となる凹曲面を有する(3)に記載の光起電力装置であってもよい。透明領域に対応する位置に設けられる第1レンズ部を凹レンズとすることで、透明領域に向かって入射する太陽光を拡散させて光電変換部に導くことができる。その結果、より多くの太陽光を発電に寄与させることができるため、着色層を設けることによる発電効率の低下を抑えることができる。さらに、太陽光の入射角依存性を低減させることができる。
(5)第1レンズ部は、第2レンズ部よりも一方向の幅が広い(3)または(4)に記載の光起電力装置であってもよい。第1レンズ部の幅を広げることで、より多くの太陽光を光電変換部20に導くことができるため、発電効率の低下を抑えることができる。
(6)透明領域は、装飾領域よりも一方向の幅が広い(2)から(5)のいずれかに記載の光起電力装置であってもよい。透明領域を広くし、装飾領域を狭くすることで、装飾領域により遮られる入射光の割合を下げることができ、発電効率の低下を抑えることができる。
(7)一方向は天地方向である(2)から(6)のいずれかに記載の光起電力装置であってもよい。装飾領域と透明領域とが交互に配列される方向を天地方向とすることで、レンズ部により拡大される装飾領域が天地方向に連続してつながったようにみせることができる。これにより、下から光起電力装置を見上げる場合において、装飾層に付される着色をより綺麗に見せることができ、光起電力装置のデザイン性を高めることができる。
(8)装飾構造体は、(1)から(7)のいずれかに記載の光起電力装置を備え、光起電力装置が取り付けられる支持面を有する。この態様によれば、装飾構造体の支持面に光起電力装置を取り付けることで、支持面を装飾するとともに、支持面において太陽光発電をすることができる。
(9)光起電力装置は、受光面が地面に対して垂直または垂直に近い傾きとなる向きで支持面に取り付けられる(8)に記載の装飾構造体であってもよい。光起電力装置の受光面を地面に垂直または垂直に近い傾きとなる向きで取り付けることにより、光起電力装置を店舗の名称を示す看板や屋外広告用の看板として、または、建造物の外壁材として好適に用いることができる。
10…構造物、11…支持面、12…取付部、20…光電変換部、20a…受光面、22…光起電力素子、22a…受光面、30…装飾層、32…装飾領域、34…透明領域、40…光制御層、42…レンズ部、43…第1レンズ部、44…第2レンズ部、46…頂点、100、200…光起電力装置、120…装飾構造体。

Claims (9)

  1. 受光面を有し、光起電力素子を含む光電変換部と、
    前記受光面上に設けられる装飾層と、
    前記装飾層上に設けられ、前記受光面に向けて入射する光の方向を制御する光制御層と、
    を備え、
    前記装飾層は、装飾が施される装飾領域と、装飾が施されない透明領域とを有し、
    前記光制御層は、前記装飾領域に対応する位置に凸曲面が形成されるレンズ部を有することを特徴とする光起電力装置。
  2. 前記装飾層は、前記装飾領域と前記透明領域とが一方向に交互に配列されることを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  3. 前記レンズ部は、前記透明領域に対応する位置に設けられる第1レンズ部と、前記装飾領域に対応する位置に設けられる第2レンズ部とを含み、
    前記第2レンズ部は、前記一方向と交差する方向の断面が凸状の円弧となる凸曲面を有することを特徴とする請求項2に記載の光起電力装置。
  4. 前記第1レンズ部は、前記一方向と交差する方向の断面が凹状の円弧となる凹曲面を有することを特徴とする請求項3に記載の光起電力装置。
  5. 前記第2レンズ部は、前記第1レンズ部よりも前記一方向の幅が広いことを特徴とする請求項3または4に記載の光起電力装置。
  6. 前記透明領域は、前記装飾領域よりも前記一方向の幅が狭いことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の光起電力装置。
  7. 前記一方向は天地方向であることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の光起電力装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の光起電力装置を備え、
    前記光起電力装置が取り付けられる支持面を有することを特徴とする装飾構造体。
  9. 前記光起電力装置は、前記受光面が地面に対して垂直または垂直に近い傾きとなる向きで前記支持面に取り付けられることを特徴とする請求項8に記載の装飾構造体。
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