JP5440731B1 - 太陽電池モジュールおよび太陽電池パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】地球温暖化防止の対策として期待されている太陽電池モジュールであって、その受光面に高度な意匠が付与された太陽電池モジュールを提供すること。
【解決手段】間隔をもって配置される二以上の太陽電池素子を有する太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子と太陽電池素子の間に、前記太陽電池素子と同色の第1着色層が設け、前記太陽電池モジュールの受光面側に、前記太陽電池素子側から、拡散層と第2着色層とをこの順で直接または他の層を介して設ける。
【選択図】図1
【解決手段】間隔をもって配置される二以上の太陽電池素子を有する太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子と太陽電池素子の間に、前記太陽電池素子と同色の第1着色層が設け、前記太陽電池モジュールの受光面側に、前記太陽電池素子側から、拡散層と第2着色層とをこの順で直接または他の層を介して設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池モジュールおよび太陽電池パネルに関する。
現在、地球温暖化防止の対策として、世界規模でCO2排出抑制の取り組みが行われて
おり、火力発電などに代わるクリーンな発電装置として太陽電池を複数、電気的に接続した太陽電池モジュール、およびこの太陽電池モジュールを複数電気的に接続した太陽電池パネルが注目されており、研究開発が盛んである。
おり、火力発電などに代わるクリーンな発電装置として太陽電池を複数、電気的に接続した太陽電池モジュール、およびこの太陽電池モジュールを複数電気的に接続した太陽電池パネルが注目されており、研究開発が盛んである。
また、近年においては、太陽電池モジュールや太陽電池パネルを屋外のみならず屋内の種々の物品に搭載して利用することが行われており、その意匠性が問題となることがあり、太陽電池モジュールや太陽電池パネルの受光面の全体に所望の意匠性を付与したいという要望もある。
太陽電池モジュールの受光面に意匠性を付与する技術として、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている技術がある。
特許文献1には、太陽電池モジュールの受光面側に拡散層を設けることにより、当該拡散層で光を拡散せしめ、受光面全体を白色とすることにより意匠性を付与する技術が開示されている。
また、特許文献2には、太陽電池モジュールを構成する非受光面側充填材を着色することによって太陽電池素子と太陽電池素子の間を着色し、これにより太陽電池モジュールの受光面に意匠性を付与する技術が開示されている。
しかしながら、これらの技術にあっては、太陽電池モジュールや太陽電池パネルの受光面を一様に白色とする、もしくは太陽電池素子と太陽電池素子の間を目立たなくする、さらには、太陽電池モジュール受光面を縞模様にする、といった程度の意匠性しか付与できず、所望の絵柄や文字などといった高度な意匠を付与することは難しかった。
本発明は、このような現状認識の下でなされた発明であり、地球温暖化防止の対策として期待されている太陽電池モジュールおよび太陽電池パネルであって、その受光面に高度な意匠が付与された太陽電池モジュールおよび太陽電池パネルを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための発明は、間隔をもって配置される二以上の太陽電池素子を有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池素子と太陽電池素子の間には、前記太陽電池素子と同色の第1着色層が設けられており、前記太陽電池モジュールの受光面側には、前記太陽電池素子側から、拡散層と第2着色層とがこの順で直接または他の層を介して設けられていることを特徴とする。
上記の発明にあっては、前記第2着色層がドット状であってもよい。
上記の発明にあっては、前記拡散層と第2着色層との間に透明層が設けられていてもよい。
上記の発明にあっては、前記第2着色層が染料を含んでもよい。
上記の発明にあっては、前記第2着色層の上に保護層が設けられていてもよい。
また、上記課題を解決するための別の発明は、間隔をもって配置される二以上の太陽電池モジュールを有する太陽電池パネルであって、前記太陽電池モジュールは二以上の太陽電池素子を有し、前記太陽電池モジュールにおける太陽電池素子と太陽電池素子の間、および前記太陽電池モジュールと太陽電池モジュールとの間には、前記少なくとも一の太陽電池素子と同色の第1着色層が設けられており、前記太陽電池パネルの受光面側には、前記太陽電池素子側から、拡散層と第2着色層とがこの順で直接または他の層を介して設けられていることを特徴とする。
さらに、上記課題を解決するための別の発明は、間隔をもって配置される二以上の太陽電池モジュールを有する太陽電池パネルであって、前記太陽電池モジュールは二以上の太陽電池素子を有し、前記太陽電池モジュールと太陽電池モジュールとの間には、前記少なくとも一の太陽電池素子と同色の第1着色層が設けられており、前記太陽電池パネルの受光面側には、前記太陽電池素子側から、拡散層と第2着色層とがこの順で直接または他の層を介して設けられていることを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールによれば、太陽電池素子と太陽電池素子の間には、前記太陽電池素子と同色の第1着色層を設けつつ、受光面側に拡散層を設けているので、この第1着色層と拡散層とにより、第2着色層が形成される前段階のいわば下地を、色むらのないきれいな白色または明灰色とすることができ、このような下地の上に第2着色層が形成されるため、当該第2着色層の発色が向上され、高度な意匠を付与することができる。また、第2着色層自体にあっては、上記の通り、色むらのないきれいな下地に形成することができることから、必ずしも受光面の全体に形成する必要はなく、絵柄や文字などにすることも可能であり、意匠の選択の幅も広げることができる。
また、本発明の太陽電池パネルによれば、太陽電池モジュールと太陽電池モジュールとの間に第1着色層が設けられているため、太陽電池モジュールと太陽電池モジュールとの間に起因する色むらを解消することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する形態に限定されることはなく、技術思想を逸脱しない範囲において種々変形を行なって実施することが可能である。また、添付の図面においては、説明のために上下、左右の縮尺を誇張して図示することがあり、実際のものとは縮尺が異なる場合がある。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる太陽電池モジュールの概略断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる太陽電池モジュールの概略断面図である。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール100は、間隔をもって配置される二以上の太陽電池素子11,11・・・と、これら太陽電池素子11,11・・・を挟持する受光面側熱可塑性樹脂層30および裏面側熱可塑性樹脂層31と、受光面側熱可塑性樹脂層30の上に配置されるポリエチレンテレフタレート樹脂層33と、太陽電池モジュール100の裏面に配置されるバックシート34と、太陽電池モジュール100の受光面の端部に配置される封止材35と、を有しているとともに、バックシート34と裏面側熱可塑性樹脂層31との間に太陽電池素子11と同色の第1着色層20が設けられており、さらに受光面側には、前記太陽電池素子11側から、拡散層13と第2着色層21とがこの順で設けられている。そして、前記バックシート34と封止材35とが熱融着されることにより、全体が一体化されている。
このような太陽電池モジュール100によれば、受光面側から観察した場合に、太陽電池素子11と太陽電池素子11の間から、太陽電池素子11と同色の第1着色層20が視認できるので、太陽電池素子11の間を目立たなくすることができるとともに、受光面側には拡散層13が設けられているので、当該拡散層13によって光を適度に拡散することができ、前記第1着色層20との相乗効果によって、拡散層13表面の全体を色むらなく白色または明灰色とすることができる。そして、このような均一な下地上に第2着色層21が設けられているので、当該第2着色層21は、太陽電池素子11やその間の色の影響を受けることなく、所望の色を発現することができるので、全体として高度な意匠を再現することができる。
以下に、太陽電池モジュール100の各構成について説明する。
(太陽電池素子)
本実施形態の太陽電池モジュール100における太陽電池素子11としては、特に限定されることはなく、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。このような太陽電池素子11としては、例えば、単結晶シリコーン型太陽電池素子、多結晶シリコーン型太陽電池素子、アモルファスシリコン型太陽電池素子、化合物半導体型太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、量子ドット型太陽電池素子、および有機薄膜型太陽電池素子等を挙げることができる。
本実施形態の太陽電池モジュール100における太陽電池素子11としては、特に限定されることはなく、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。このような太陽電池素子11としては、例えば、単結晶シリコーン型太陽電池素子、多結晶シリコーン型太陽電池素子、アモルファスシリコン型太陽電池素子、化合物半導体型太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、量子ドット型太陽電池素子、および有機薄膜型太陽電池素子等を挙げることができる。
これらの太陽電池素子の中でも、色素増感型太陽電池素子は、蛍光灯などの室内光や、窓際など、低照度での発電効率が高いといった利点や、製造工程に真空条件を必要とせず製造コストが低いといった利点から、特に好適に使用することができる。また、色素増感型太陽電池素子は、前記のごとく室内において用いられることから、意匠性が要求される場合も多く、本願発明の効果を発揮できる点でも好ましい。
(第1着色層)
本実施形態にかかる太陽電池モジュール100における第1着色層20は、太陽電池素子11と同色であることを特徴とするが、その着色方法については特に限定されることはなく、従来公知の種々の着色材などを用いて、適宜着色すればよい。具体的には、各種染料や各種顔料、さらにはこれらを適宜組み合わせて用いることができる。また、着色材の形状についても特に限定されることはなく、球状、針状、鱗片状などの粒子を用いればよく、また大きさについても1nm〜100μm程度の大きさの粒子を用いればよい。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール100における第1着色層20は、太陽電池素子11と同色であることを特徴とするが、その着色方法については特に限定されることはなく、従来公知の種々の着色材などを用いて、適宜着色すればよい。具体的には、各種染料や各種顔料、さらにはこれらを適宜組み合わせて用いることができる。また、着色材の形状についても特に限定されることはなく、球状、針状、鱗片状などの粒子を用いればよく、また大きさについても1nm〜100μm程度の大きさの粒子を用いればよい。
また、第1着色層20は、前記着色材の他、任意の成分が含まれていてもよい。例えば、バインダーとしての樹脂、溶媒、分散剤など、第1着色層20を形成する上で必要な成分を任意に配合することができる。
第1着色層20の厚さについても特に限定されることはなく、第1着色層20が形成される部分や太陽電池モジュール100全体の構成、さらには第1着色層20に期待する色味などを考慮して適宜設計することができる。例えば、本実施形態のごとくバックシート34上にベタ層として形成する場合には、100nm〜10μm程度とすることができる。
第1着色層20の形成方法についても特に限定することはない。例えば着色材を含むインキを準備し、各種塗布方法によってバックシート34上に塗布することで形成してもよく、各種印刷方法によってバックシート34上に印刷することで形成してもよい。また、バックシート34と裏面側熱可塑性樹脂層31との間に着色されたフィルムや紙を設置することにより、これらを第1着色層20としてもよい。
第1着色層20の色は、太陽電池素子11と同色である。ここで、太陽電池素子11の色とは、当該太陽電池11を構成する光電変換層の色を意味する。また、同じ色とは、太陽電池モジュール100を受光面側から観察した場合に、太陽電池素子11と、当該太陽電池素子11と太陽電池素子11との間とを識別することが困難である程度を意味し、より具体的には、下記式により算出される色差ΔEが3未満であることを意味する。なお、下記L*、a*、およびb*は、色彩色差計CR−5(コニカミノルタ社製)により測定し
た値である。また、太陽電池モジュール100を構成する太陽電池素子11の色が複数ある場合には、そのうちのいずれか一の太陽電池素子11の色と同色とすればよい。
ΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2
ΔE:色差
ΔL*:太陽電池の光電変換層のL*と着色層のL*との差
Δa*:太陽電池の光電変換層のa*と着色層のa*との差
Δb*:太陽電池の光電変換層のb*と着色層のb*との差
L*、a*、およびb*:1976年に国際照明委員会(CIE)により勧告され、JIS Z8729に規定されたL*a*b*表色系の値
た値である。また、太陽電池モジュール100を構成する太陽電池素子11の色が複数ある場合には、そのうちのいずれか一の太陽電池素子11の色と同色とすればよい。
ΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2
ΔE:色差
ΔL*:太陽電池の光電変換層のL*と着色層のL*との差
Δa*:太陽電池の光電変換層のa*と着色層のa*との差
Δb*:太陽電池の光電変換層のb*と着色層のb*との差
L*、a*、およびb*:1976年に国際照明委員会(CIE)により勧告され、JIS Z8729に規定されたL*a*b*表色系の値
本実施形態にかかる太陽電池モジュール100においては、バックシート34と裏面側熱可塑性樹脂層31との間に第1着色層20をベタ層で形成したが、これに限定されることはなく、例えば、(1)バックシート34と裏面側熱可塑性樹脂層31との間であって、太陽電池素子11と太陽電池素子11の間の部分が含まれるパターン層に第1着色層20を形成してもよく、また、(2)裏面側熱可塑性樹脂層31に着色材を含ませることにより、当該裏面側熱可塑性樹脂層31を第1着色層として機能させてもよく、さらには、(3)受光面側熱可塑性樹脂層30とポリエチレンテレフタレート樹脂層33との間であって、太陽電池素子11と太陽電池素子11の間の部分が含まれるパターン層に第1着色層20を形成してもよい。
(拡散層)
本実施形態の太陽電池モジュール100における拡散層13としては、入射される光を拡散し、白味を発現することができるものであれば特に限定されることはなく、たとえば従来公知の各種拡散層を適宜選択して用いることができる。
本実施形態の太陽電池モジュール100における拡散層13としては、入射される光を拡散し、白味を発現することができるものであれば特に限定されることはなく、たとえば従来公知の各種拡散層を適宜選択して用いることができる。
ここで、拡散層13はそれ単独で用いてもよいが、図1に示すように、拡散層の下に空隙12を設けた状態で用いることが特に好ましい。このように、拡散層13の下に空隙12を設けることで、太陽電池モジュール100に入射された光は拡散層13で拡散されるのみならず、空隙12とその下に存在する層、図1においてはポリエチレンテレフタレート樹脂層33との界面においても屈折および反射されることとなり、拡散層13と空隙12との相乗効果によって、太陽電池モジュール100の受光面側の白味を向上することができる。なお、空隙12を設けることなく、拡散層13のみを用いることで空隙12を用いた場合と同程度の白味を再現する場合、拡散層による光の拡散の程度をより多くしなければならず、その結果、太陽電池素子11へ到達する光の量が低減してしまい発電効率が犠牲になる場合がある。
ここで、空隙12を形成する場合にあっては、当該空隙12内には特別な気体が充填されている必要はなく、空気が存在していればよい。空隙12は、太陽電池モジュール100の受光面全体にわたって連続した層である必要はなく、したがって、図1に示すように、拡散層13とその下の層であるポリエチレンテレフタレート樹脂層33との間にスペーサーSとして機能する物質を介在させることにより形成してもよい。また、空隙12の厚さについても特に限定されることはなく、上記作用効果を奏する範囲において自由に設計可能である。たとえば1nm〜1000μm程度とすることが好ましく、10nm〜100μm程度とすることが特に好ましい。
拡散層13の具体例としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂やポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを用い、当該フィルムの表面に凹凸を形成することにより拡散層13とすることができる。このようにフィルムの表面に凹凸を形成することで、凸部分が拡散層13の下に位置する層、図1においてはポリエチレンテレフタレート樹脂層33と直接接触してスペーサーSとして機能し、凹部分によって空隙を形成することができる。
このようにフィルムを用いる場合、当該フィルムの厚さはその使用目的に合わせて適宜選択されるが、30μm〜300μm程度とすることができる。また、表面の凹凸については、例えば、アクリル粒子、ポリスチレン粒子、シリカ粒子等の高分子又は無機の粒子を含有することにより形成することができ、球形状、真球形状、針状の粒子を好適に用いることができる。例えば、これらの粒子をバインダー樹脂と共に溶剤中で混合し、その溶液を前記フィルム表面に塗布してもよい。これらの粒子の平均粒子径は30μm以下であることが好ましい。平均粒子径が30μmを超えると、粗大樹脂粒子が脱落しやすくなるため樹脂粒子の欠損を生ずる原因となり易く、塗膜外観上も異物感のある均一性を欠いたものとなりやすい傾向にある。これらの粒子が含まれている部分の厚さについては特に限定されないが、例えば1μm〜15μm程度が好ましい。また、前記フィルムの背面は、主として球状又は真球状のアクリル粒子、スチレン粒子、シリコーン、架橋ポリアクリル酸エステル、ポリウレタンのうち少なくとも一種の粒子からなる背面とすることが好ましい。この場合に用いられる粒子の直径は、1μm〜60μmの範囲にあることが好ましく、5μm〜20μmの範囲であることが更に好ましい。フィルム背面において当該粒子が含まれている部分の厚さは、例えば1μm〜50μmの範囲であることが好ましい。また、フィルムの背面の粒子を固定するバインダーとしては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコーンアクリル樹脂、フッ素樹脂若しくはフッ素−アクリル樹脂又はこれらの樹脂に硬化機能を有する架橋性樹脂を添加したものやポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の硬化性樹脂等のなかから選択される少なくとも1種以上の樹脂を使用することができる。
上記のような拡散層13を用いることにより、その裏面側に粒子が適度に配置されているため、当該粒子を拡散層13とその下に存在する層との間においてスペーサーSとして機能させることができ、特別なスペーサーSを設置することなく、空隙12を形成することができる。
(第2着色層)
本実施形態の太陽電池モジュール100における第2着色層21は、太陽電池モジュール100に所望の意匠性を付与するための層であり、その着色方法や形成方法等については特に限定されることはなく、自由に設計可能である。むしろ、本実施形態の太陽電池モジュール100にあっては、第2着色層21の下地となる部分は、上記のとおり、太陽電池素子11と同色の第一着色層20と拡散層13、さらには空隙12との相乗効果により、その全体において色むらのない白色または明灰色となっているため、所望の意匠を自由に設計可能である。
本実施形態の太陽電池モジュール100における第2着色層21は、太陽電池モジュール100に所望の意匠性を付与するための層であり、その着色方法や形成方法等については特に限定されることはなく、自由に設計可能である。むしろ、本実施形態の太陽電池モジュール100にあっては、第2着色層21の下地となる部分は、上記のとおり、太陽電池素子11と同色の第一着色層20と拡散層13、さらには空隙12との相乗効果により、その全体において色むらのない白色または明灰色となっているため、所望の意匠を自由に設計可能である。
このような第2着色層21の成分としては特に限定することはなく、上記第1着色層20と同様、着色材として各種染料や各種顔料を適宜組み合わせて用いることができる。また、第2着色層21にあっては、前記着色材の他、任意の成分として、バインダーとしての樹脂、溶媒、分散剤など、第2着色層21を形成する上で必要な成分を任意に配合することができる。
ここで、第2着色層の着色材として顔料を用いることにより、耐候性の向上を図ることができる点で好ましい。一方で第2着色層として染料を用いることにより、鮮やかな色を再現することができ、意匠性の向上を図ることができる点で好ましく、さらに染料は塗布量が少なくても発色良く意匠を再現することができるため、第2着色層をベタ層として形成しても高い光透過率を維持することができる点でも好ましい。
なお、第2着色層21は、太陽電池モジュール100の受光面側に位置するため、太陽電池素子11の発電効率の観点から、可能な限り透明性を有していることが好ましい。透明性に関しては、所望する意匠と所望する発電効率のバランスを考慮して適宜設計すればよい。第2着色層21の平均透過率としては、所望する意匠によって様々であるが、たとえ20%以上とすることが好ましく、50%以上、さら好ましくは70%以上とすることが好ましい。ここで、本明細書における平均透過率は、第2着色層21の面内平均における可視光線透過率を意味する。可視光線透過率は、例えば、SMカラーコンピュータSM−C(スガ試験機株式会社製)を用いて、380nmから750nmの可視光波長領域を測定することができ、任意に採取したサンプル12点の測定値を平均した値を採用することが精度向上の観点で好ましい。なお、第2着色層に絵柄や文字が形成されている場合など、第2着色層の面内に可視光線透過率が大きく異なる箇所がある場合には、占有面積が比較的広い箇所を選んでそれらの平均を採用すれば足りる。
(太陽電池モジュールのその他の構成)
図1に示す第1実施形態にかかる太陽電池モジュール100にあっては、太陽電池素子11、第1着色層20、拡散層13、空隙12、第2着色層21、受光面側熱可塑性樹脂層30、裏面側熱可塑性樹脂層31、ポリエチレンテレフタレート樹脂層33、バックシート34、および封止材35、により構成されているが、これらの構成はあくまでも例示であり、本願発明の太陽電池モジュールは、当該構成に限定されることはなく、種々の構成を採用することができる。また、これらの材質もこれに限定されることはなく、種々の材料から選択することができる。
図1に示す第1実施形態にかかる太陽電池モジュール100にあっては、太陽電池素子11、第1着色層20、拡散層13、空隙12、第2着色層21、受光面側熱可塑性樹脂層30、裏面側熱可塑性樹脂層31、ポリエチレンテレフタレート樹脂層33、バックシート34、および封止材35、により構成されているが、これらの構成はあくまでも例示であり、本願発明の太陽電池モジュールは、当該構成に限定されることはなく、種々の構成を採用することができる。また、これらの材質もこれに限定されることはなく、種々の材料から選択することができる。
したがって、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂層33に代えてガラス基板を用いることも可能であるが空隙12を設ける場合には、本実施形態におけるポリエチレンテレフタレート樹脂層33の位置に設けられる層、つまり、拡散層13と空隙12を介して対向する層には、ある程度の硬度を有する層を配置することが好ましい。太陽電池モジュール100を形成するにあたり、前述の通り、バックシート34と封止材35とが熱融着されこれにより全体が一体となるが、この際、拡散層13には図面の下向き方向に圧力がかかるため、ポリエチレンテレフタレート樹脂層33の位置に設けられる層が柔らかい材質の層だと、空隙12を形成するためのスペーサーSが当該柔らかい材質の層に埋まってしまい、結果として空隙12がなくなってしまう虞があるからである。
このような観点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂層33に代えて他の材質の層を形成する場合には、ポリエチレンテレフタレート樹脂と同等またはそれ以上の硬度を有する材質の層を形成することが好ましい。
<第2実施形態>
図2は、本発明の第2実施形態にかかる太陽電池モジュールの概略断面図である。
図2は、本発明の第2実施形態にかかる太陽電池モジュールの概略断面図である。
なお、図2において、上記図1に示した本発明の第1実施形態にかかる太陽電池モジュール100と同じ構成については同じ符号を付ける。また、第1実施形態にかかる太陽電池モジュール100と同じ構成についての説明は省略する。
(第2着色層)
図2に示すように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール200における第2着色層21は、いわゆるベタ層ではなく、部分的なパターン層として設けられており、かつさらにパターン層がドット状となっていることを特徴としている。
図2に示すように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール200における第2着色層21は、いわゆるベタ層ではなく、部分的なパターン層として設けられており、かつさらにパターン層がドット状となっていることを特徴としている。
このように第2着色層21をドット状とすることにより、太陽電池素子11に入射する光の量を増やすことができる点で好ましい。
また、第2着色層21をドット状とすることにより、特に平均照度が低い場合に生じる急激な電圧の低下を抑制することができる点でも好ましい。つまり、本発明の太陽電池は、高度な意匠性が要求される室内で用いられることが想定されるが、室内は比較的低照度であることが想定される。このような低照度の場所においては、太陽電池素子11として色素増感太陽電池素子やアモルファスシリコン太陽電池素子を用いることが好ましい。ここで、これらの太陽電池素子11を用いた場合、光電変換により生じる電流値は光の強さに比例するため、太陽電池素子11の受光面の平均の全光線透過率のみでその数値をコントロールすることが可能であるが、一方でその電圧値は非線形であるため、所定の照度を下回ると、例えば100lx以下になると急激に電圧が落ちるという現象が生じる場合があることが知られている。このような状況下において、着色層21をドット状とすることにより、太陽電池素子11の受光面の照度を全体的に低下させるのではなく、部分的に照度の高い部分をつくることができ、これにより急激な電圧の低下を抑制することが可能である。
ここで、本実施形態における第2着色層21はドット状を呈していることにより、当該第2着色層21の見掛けの濃度が薄くなっていると考えることもできる。
そして、ドット状の第2着色層21を形成する方法については特に限定することはないが、例えば、AM(Amplitude modulation)スクリーニング法、FM(Frequency Modulation)スクリーニング法、さらには濃度諧調法、などを挙げることができる。
AMスクリーニング法は、ドットのサイズの大小を制御することにより見掛けの濃度を調整する方法であり、グラビア印刷法やAMスクリーン印刷法や固定ヘッド型インクジェット印刷法などにより実現が可能である。一般的に、ドットのサイズの制御は、ドットの数の制御よりも容易なので、このAMスクリーニング法によれば、太陽電池モジュールの製品ロット間の発電特性のバラツキを抑制することができる。
FMスクリーニング法は、ドットの数の多少を制御することにより見掛けの濃度を調整する方法であり、FMスクリーン印刷法や可動ヘッド型インクジェット印刷法などにより実現が可能である。一般的に、FMスクリーニング法はAMスクリーニング法に比べ、1つ1つのドットのサイズを小さくすることができるので、このFMスクリーニング法によれば、第2着色層21の濃度を細かく調整することができる。
濃度諧調法は、ドットの濃度の高低を制御することにより見掛けの濃度を調整する方法であり、昇華型熱転写方式の印刷法や重ね打ち方式のインクジェット印刷法などにより実現が可能である。例えば、予め第2着色層21を形成する部分に、下地となる着色層をベタで形成しておき、その上にドット状の第2着色層21を形成することにより、前記ベタの着色層と前記第2着色層21とによってドットの濃度の高低を作ることができる。また、この方法によれば、第2着色層21の層厚を薄くできるので、第2着色層21表面で光が拡散してしまうことを抑制することもできる。
また、図2に示すように、第2着色層21は、太陽電池モジュール200の受光面全体にわたって形成されている必要はなく、所望する意匠に応じて、たとえば絵柄や文字などのように、部分的に設けられていてもよい。
(透明層)
図2に示すように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール200にあっては、拡散層13と第2着色層21との間に透明層22が設けられていることを特徴としている。本発明においては、拡散層13と第2着色層とは、必ずしも直接的に積層されている必要はなく、本実施形態の如く、その間に透明層22のような他の層が存在していてもよい。
図2に示すように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール200にあっては、拡散層13と第2着色層21との間に透明層22が設けられていることを特徴としている。本発明においては、拡散層13と第2着色層とは、必ずしも直接的に積層されている必要はなく、本実施形態の如く、その間に透明層22のような他の層が存在していてもよい。
このように透明層22を設けることにより、第2着色層21の形成方法の自由度が増し、所望する意匠に合わせて種々の第2着色層21を形成することが可能となる。
透明層22の材質については特に限定することはなく、各種透明樹脂やガラスなどを適宜選択して採用することができる。
(保護層)
図2に示すように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール200にあっては、第2着色層21の上に保護層23が設けられていることも特徴としている。
図2に示すように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール200にあっては、第2着色層21の上に保護層23が設けられていることも特徴としている。
このように保護層23を設けることにより、第2着色層21が劣化したり剥離したりすることを防止することができ、第2着色層21を保護することができる。また、第2着色層21に含まれる色素が熱拡散によって第2着色層21表面に浮き上がってくる現象、いわゆるブリードアウトが生じた場合であっても、保護層23が設けられていればブリードアウトした色素を閉じ込めておくことができ、太陽電池モジュール200の表面が色素により汚れることを防止することもできる。
このような保護層23の材質については特に限定することなく、各種透明樹脂やガラスなどを適宜選択して採用することができる。また、第2着色層21に染料が含まれている場合にあっては、保護層23に紫外線吸収剤や酸化防止剤などの耐候性向上剤を添加しておくことにより、太陽光から染料を保護することができる。
<第3実施形態>
図3は、本発明の第3実施形態にかかる太陽電池モジュールの概略断面図である。
図3は、本発明の第3実施形態にかかる太陽電池モジュールの概略断面図である。
なお、図3において、上記図2に示した本発明の第1および第2実施形態にかかる太陽電池モジュール100、200と同じ構成については同じ符号を付ける。また、第1および第2実施形態にかかる太陽電池モジュール100、200と同じ構成についての説明は省略する。
(第2透明層)
図3に示すように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール300は、パターン層として設けられている第2着色層21、21の間に第2透明層24が形成されていることに特徴を有している。
図3に示すように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール300は、パターン層として設けられている第2着色層21、21の間に第2透明層24が形成されていることに特徴を有している。
透明層は必ずしも一の層である必要はなく、必要な部分に適宜設けることができる。このように第2着色層21の間に第2透明層24を設けることにより、これら2つの層を一体として形成することができる。つまり、一の層内において、着色剤により着色されている部分を第2着色層21とし、着色剤により着色されていない部分を第2透明層24とすることができる。
<第4実施形態>
図4は、本発明の第4実施形態にかかる太陽電池パネルの概略断面図である。
図4は、本発明の第4実施形態にかかる太陽電池パネルの概略断面図である。
なお、図4において、上記図1〜図3に示した本発明の第1〜第3実施形態にかかる太陽電池モジュール100、200、300と同じ構成については同じ符号を付ける。また、第1〜第3実施形態にかかる太陽電池モジュール100、200、300と同じ構成についての説明は省略する。
本実施形態にかかる太陽電池パネル400は、複数の太陽電池太陽電池モジュールによって構成されている。より具体的には、太陽電池モジュールは、間隔をもって配置される二以上の太陽電池素子11,11・・・、これら太陽電池素子11,11・・・を挟持する受光面側熱可塑性樹脂層30および裏面側熱可塑性樹脂層31、受光面側熱可塑性樹脂層30の上に配置されるポリエチレンテレフタレート樹脂層33、太陽電池モジュールの裏面に配置されるバックシート34、太陽電池モジュールの受光面の端部に配置される封止材35、および、バックシート34と裏面側熱可塑性樹脂層31との間に設けられた第1着色層20、さらには受光面側に配置される拡散層13のそれぞれが、前記バックシート34と封止材35とが熱融着されることにより一体化されており、さらに、当該一体化された太陽電池モジュール同士が並列に並べられた状態において、当該太陽電池モジュールと太陽電池モジュールの間にも前記第1着色層20'が設けられており、かつ複数の太陽電池モジュールの受光面側の全面に透明層22および第2着色層21が配置されていることに特徴を有している。
このように、前記本願発明の太陽電池モジュールの技術思想は、複数の太陽電池モジュールによって構成される太陽電池パネル400にも応用可能である。つまり、本実施形態の如く、1つの太陽電池モジュールと一つの第2着色層21とが必ずしも1対1で対応している必要はなく、複数の太陽電池モジュールに対して、1つの透明層および1つの第2着色層が対応するようにしてもよい。このような態様とすることにより、複数の太陽電池モジュールを、1枚のパネルとして扱うことができ、大面積への設置において有利である。
さらに、太陽電池パネルを構成する太陽電池モジュールの間にも第1着色層20'を設けておくことにより、太陽電池モジュールの間に起因する色むらをも防止することができ、より高度な意匠性を付与することが可能となる。ここで、図4においては、第1着色層20'を封止材35と透明層22との間に設けているが、この位置に限定されることはなく、受光面側から視認した場合において太陽電池モジュールの間であれば、いずれの位置に設けてもよい。例えば、太陽電池モジュールの裏面側であって、太陽電池モジュールの間の位置に設けてもよい。
また、本実施形態にあっては、透明層22および第2着色層21を一体として、封止材35から剥離可能としてもよい。これにより、第2着色層21によって形成される意匠を交換可能とすることができ、例えばポスターなどように、時間経過と共に意匠の変更をすることが可能となる。
<第5実施形態>
図5は、本発明の第5実施形態にかかる太陽電池パネルの概略断面図である。
図5は、本発明の第5実施形態にかかる太陽電池パネルの概略断面図である。
なお、図5においても、上記第4実施形態にかかる太陽電池パネル400と同様、図1〜図3に示した実施形態と同じ構成については同じ符号を付け、その説明は省略する。
本実施形態にかかる太陽電池パネル500は、これを構成する太陽電池モジュールが第1着色層を有していない点において、上記図4に示した第4実施形態にかかる太陽電池パネル400と異なっている。
太陽電池パネル500を構成する太陽電池素子11の間がさほど目立たず、太陽電池モジュールの間が目立つ場合には、太陽電池モジュールの間にのみ第1着色層20'を設けてもよく、これにより太陽電池パネル500全体の意匠性を向上することができる。
また、本実施形態にかかる太陽電池パネル500は、これを構成する複数の太陽電池モジュールの受光面側の全面に第2着色層21および保護層23が配置されており、透明層22は配置されていない点において、上記図4に示した第4実施形態にかかる太陽電池パネル400と異なっている。
前述の通り、透明層22は任意の層であるため必ずしも設ける必要はなく、また、保護層23を設けることにより第2着色層21を保護することができる。
<他の実施形態1>
第4実施形態において、「透明層22および第2着色層21を一体として、封止材35から剥離可能としてもよい」としたが、前記第1〜第5実施形態何れの場合であっても、これに限定されることはなく、透明層22および第2着色層21に加え、拡散層13を含めて剥離可能としてもよい。第4実施形態と同様、意匠を交換可能することができ、また第2着色層が劣化した際に交換をすることができる。
第4実施形態において、「透明層22および第2着色層21を一体として、封止材35から剥離可能としてもよい」としたが、前記第1〜第5実施形態何れの場合であっても、これに限定されることはなく、透明層22および第2着色層21に加え、拡散層13を含めて剥離可能としてもよい。第4実施形態と同様、意匠を交換可能することができ、また第2着色層が劣化した際に交換をすることができる。
<他の実施形態2>
また、図示はしないが、第2着色層21を太陽電池素子11と重なる位置に設けつつ、当該第2着色層21の着色にあっては染料を用い、かつ太陽電池素子11と同じ色としてもよい。これにより同色の太陽電池素子11と第2着色層21とが重なるため、当該色を鮮明にすることができる。また、第2着色層21の着色には染料が用いられているため、同色以外の光は透過することから、発電効率への影響は低い。
また、図示はしないが、第2着色層21を太陽電池素子11と重なる位置に設けつつ、当該第2着色層21の着色にあっては染料を用い、かつ太陽電池素子11と同じ色としてもよい。これにより同色の太陽電池素子11と第2着色層21とが重なるため、当該色を鮮明にすることができる。また、第2着色層21の着色には染料が用いられているため、同色以外の光は透過することから、発電効率への影響は低い。
(実施例1)
以下の要領で、本発明の実施例1の太陽電池モジュールを作製した。
以下の要領で、本発明の実施例1の太陽電池モジュールを作製した。
(太陽電池素子および太陽電池モジュールの作成)
電極基材として厚み50μmのTi箔(竹内金属箔工業株式会社)上に、エタノール中で酸化チタン粒子(P25:日本エアロジル株式会社)に0.5%エチルセルロース(STD−100:日新化成工業株式会社)を混合させたペーストを塗布、乾燥させた。次いで、ロール小型プレス機を用いて0.5t/cmの圧力で速度1m/minでロールプレスし、その後、500℃で30分焼成し、膜厚が5μmの多孔質層形成用層を得た。
電極基材として厚み50μmのTi箔(竹内金属箔工業株式会社)上に、エタノール中で酸化チタン粒子(P25:日本エアロジル株式会社)に0.5%エチルセルロース(STD−100:日新化成工業株式会社)を混合させたペーストを塗布、乾燥させた。次いで、ロール小型プレス機を用いて0.5t/cmの圧力で速度1m/minでロールプレスし、その後、500℃で30分焼成し、膜厚が5μmの多孔質層形成用層を得た。
次いで、アセトニトリル/t−ブタノール=1/1溶液中にN719色素(Dyesol)を0.3mM溶解させた色素増感剤溶液を調製し、この色素増感剤溶液中に前記多孔質層形成用層を20時間浸漬させたのち、乾燥させることにより、10cm×4cm(成膜箇所9.5cm×4cm)の酸化物半導体電極基板を作製した。
次いで、6mol/lのhexyl metyl imidazolum iodide(富山薬品)、0.6mol/lのI2(メルク株式会社)、0.45mol/lのn
−metyl benzoimidazol(Aldrich)をhexyl metyl imidazolum tetracyano borat(メルク株式会社)に溶解した電解液を調製した。次いで、0.5%エチルセルロース(STD−100:日新化成)をエタノールに10wt%溶解させた樹脂溶液を調製し、上記電解液:樹脂溶液=1:6(重量比)で混合した樹脂電解質溶液を作製した。これをミヤバーで前記酸化物半導体電極基板に塗布し、120℃で10分間加熱した。
−metyl benzoimidazol(Aldrich)をhexyl metyl imidazolum tetracyano borat(メルク株式会社)に溶解した電解液を調製した。次いで、0.5%エチルセルロース(STD−100:日新化成)をエタノールに10wt%溶解させた樹脂溶液を調製し、上記電解液:樹脂溶液=1:6(重量比)で混合した樹脂電解質溶液を作製した。これをミヤバーで前記酸化物半導体電極基板に塗布し、120℃で10分間加熱した。
次いで、30Ω/sqの酸化インジウムスズを成膜したポリエチレンナフタレート基板の酸化インジウムスズ膜上にptを透過率80%になるように成膜することにより、10cm×4cmの対極を作製した。
その後、上記で作製した電解質つき酸化物半導体電極基板と対極を上下5mmずつずらした状態で貼り合わせ、一方の素子の電極ともう一方の素子の対極を金属テープにて接続した。
次に、この受光面側に受光面側熱可塑性樹脂層(11cm×10cm(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂フィルム400μm:タマポリ製)、ポリエチレンテレフタレート樹脂層(10cm×9cm(ルミラーT60:東レ製))および拡散層(10cm×9cm(D123:ツジデン製))、および第2着色層としての平均透過率が77%の木目調壁紙シート(10cm×9cm)を積層し、一方で、裏面側に、受光面側熱可塑性樹脂層(11cm×10cm(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂フィルム400μm:タマポリ製)、および素子の外周部(非発電部)を熱ラミネート可能なバリア性を有する封止材(アルミラミジップ:アズワン)で覆うように設置し、裏面側には第1着色層として黒色樹脂(11cm×10cm)を積層したバックシート(12cm×11cm(アルミラミジップ:アズワン))を設置し、120度で熱ラミネートすることで実施例1の太陽電池モジュールを作製した。なお、拡散層のポリエチレンテレフタレート樹脂と接する面側には凸部があり、拡散層を素子の外周部のみで熱ラミネートしているため、拡散層とポリエチレンテレフタレート樹脂層との間には空隙があった。
(実施例1の測定)
実施例1の太陽電池モジュールの電池性能、および受光面の意匠を測定したところ以下の通りであった。
・光電変換効率:1.7%
・出力特性 :開放電圧1.5V
・受光面の意匠:きれいな木目調であった。
実施例1の太陽電池モジュールの電池性能、および受光面の意匠を測定したところ以下の通りであった。
・光電変換効率:1.7%
・出力特性 :開放電圧1.5V
・受光面の意匠:きれいな木目調であった。
(比較例1)
前記実施例1における第1着色層を設けなかったことを除き、すべて同一条件にて比較例1の太陽電池モジュールを作製した。
前記実施例1における第1着色層を設けなかったことを除き、すべて同一条件にて比較例1の太陽電池モジュールを作製した。
(比較例1の測定)
比較例1の太陽電池モジュールの電池性能、および受光面の意匠を測定したところ以下の通りであった。
・光電変換効率:1.7%
・出力特性 :開放電圧1.5V
・受光面の意匠:木目調とともにうっすらと白いストライプ形状が確認され、きれいな木目調の意匠を確認することはできなかった。
比較例1の太陽電池モジュールの電池性能、および受光面の意匠を測定したところ以下の通りであった。
・光電変換効率:1.7%
・出力特性 :開放電圧1.5V
・受光面の意匠:木目調とともにうっすらと白いストライプ形状が確認され、きれいな木目調の意匠を確認することはできなかった。
(評価)
上記実施例1および比較例1の太陽電池モジュールの測定結果から、本発明の太陽電池モジュールによれば、光電変換効率を落とすことなく、従来よりも優れた意匠性を付与することができることが分かった。
上記実施例1および比較例1の太陽電池モジュールの測定結果から、本発明の太陽電池モジュールによれば、光電変換効率を落とすことなく、従来よりも優れた意匠性を付与することができることが分かった。
100,200,300…太陽電池モジュール
400,500…太陽電池パネル
11…太陽電池素子
12…空隙
13…拡散層
20,20'…第1着色層
21…第2着色層
22…透明層
30…受光面側熱可塑性樹脂層
31…裏面側熱可塑性樹脂層
33…ポリエチレンテレフタレート樹脂層
34…バックシート
35…封止材
400,500…太陽電池パネル
11…太陽電池素子
12…空隙
13…拡散層
20,20'…第1着色層
21…第2着色層
22…透明層
30…受光面側熱可塑性樹脂層
31…裏面側熱可塑性樹脂層
33…ポリエチレンテレフタレート樹脂層
34…バックシート
35…封止材
Claims (7)
- 間隔をもって配置される二以上の太陽電池素子を有する太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池素子と太陽電池素子の間には、前記太陽電池素子と同色の第1着色層が設けられており、
前記太陽電池モジュールの受光面側には、前記太陽電池素子側から、拡散層と第2着色層とがこの順で直接または他の層を介して設けられていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 前記第2着色層がドット状であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記拡散層と第2着色層との間に透明層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
- 前記第2着色層が染料を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記第2着色層の上に保護層が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
- 間隔をもって配置される二以上の太陽電池モジュールを有する太陽電池パネルであって、
前記太陽電池モジュールは二以上の太陽電池素子を有し、
前記太陽電池モジュールにおける太陽電池素子と太陽電池素子の間、および前記太陽電池モジュールと太陽電池モジュールとの間には、前記少なくとも一の太陽電池素子と同色の第1着色層が設けられており、
前記太陽電池パネルの受光面側には、前記太陽電池素子側から、拡散層と第2着色層とがこの順で直接または他の層を介して設けられていることを特徴とする太陽電池パネル。 - 間隔をもって配置される二以上の太陽電池モジュールを有する太陽電池パネルであって、
前記太陽電池モジュールは二以上の太陽電池素子を有し、
前記太陽電池モジュールと太陽電池モジュールとの間には、前記少なくとも一の太陽電池素子と同色の第1着色層が設けられており、
前記太陽電池パネルの受光面側には、前記太陽電池素子側から、拡散層と第2着色層とがこの順で直接または他の層を介して設けられていることを特徴とする太陽電池パネル。
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