JPH1039757A - シースルー・ウインドウディスプレイ用シートの製造方法とそのインクリボン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意のデザインのシースルー・ウインドウデ
ィスプレイ用シートを簡単且つ安価に製造することが出
来、しかも両面用シートの製造をも出来る製造方法を提
供する。 【解決手段】 剥離シート１２を貼付した透明シート１
１にシルクスクリーン印刷やコンピュータ制御の熱転写
カラープリンタで、遮光パターン１３と表示パターン１
４を印刷する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は広告、宣伝、装飾の
ために店舗やビルのガラス窓、あるいは車のサイドウイ
ンドウやリヤウインドウ等に貼り付けて使用するシート
の製造方法に関し、詳しくは、ガラス窓に本発明による
シートを貼付しても室内からは室外を透視出来ることを
特長とするシースルー・ウインドウディスプレイ用シー
トの製造方法と、その方法を熱転写プリンタを用いて実
施する場合に用いられるインクリボンに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】現在、図１の（ａ）図に示すような網目
状に透孔８を設けたシートＳの表面に文字、図形、絵画
等を印刷し、それを店舗やビルのガラス窓等に貼り付け
て広告、宣伝又は装飾に供することが行なわれている。

【０００３】この図１に示すシートＳの構造は、図１の
（ｂ）図のように、７層より構成されており、１は広告
文字、絵画等を印刷する場合の印刷面となる白色層、３
は室内側から見える面となる黒色層（光非透過、光非反
射層）であり、この白色層１と黒色層３は強固に接着層
２で接着されている。そして、黒色層３の他の面は基体
５と再剥離接着層４で接着されており、この５層の段階
で光を透過させるための小さな無数の透孔８が網目状に
開けられる。その後、薄いフィルム７を接着層６で貼り
合わせられる。

【０００４】この従来シートＳの印刷表面は孔部が凹ん
でいるため、インクジェット方式やシルクスクリーン印
刷方式で印刷されることが多く、前記フィルム７は印刷
時に透孔８からインクが漏れ出ないようにするためにつ
けられている。

【０００５】次にその使用法について説明すると、先ず
白色層１の表面に適宜の印刷方法によって広告文字や絵
画等を印刷した後、基体５から再剥離接着層４以上を剥
離して、ガラス窓１０に貼り付ける。

【０００６】図２は、ガラス窓１０の室外側に貼り付け
た状態のモデル図で、室外側からは文字「Ａ」９が見え
ると共に透孔８を通して室内が見える。しかし、室内が
室外よりも暗いと見えにくくなり、殆んど文字「Ａ」し
か見えない。

【０００７】逆に室内からは文字「Ａ」９は見えず、黒
色層３と透孔８を通して室外の景色が見える。黒色層３
からの反射光は少ないため、殆ど室外の景色が透視され
る事になる。

【０００８】図２は、説明のため透孔８を実際よりも大
きく誇張して図示したが、実際例では孔径約１．５ｍ
ｍ、孔中心間距離約２ｍｍ、シート全体厚約０．４ｍ
ｍ，白色層１から再剥離接着層４までの厚さ約０．２ｍ
ｍ程度である。

【０００９】

【本発明が解決しようとする課題】以上説明したシート
Ｓを使用して広告、宣伝等を行う方法は、窓ガラスとし
て室内からの透視機能をあまり損わずに窓ガラスのスペ
ースを有効に利用する手段として優れており、評価され
ているが、下記のような問題があった。すなわち、

【００１０】 ７層の複雑な構造のため、製造コスト
が高価である。

【００１１】 遮光パターンの形状とその寸法、シー
トの材質及び厚さ、色が一定の物しか市販されていない
ため、用途が限定され、用途に応じた対応が出来ない。
例えば遮光パターンの形状と寸法により、認識できる文
字やデザインの大きさが制約される。（従来実施例の透
孔パターンで孔径１．５ｍｍ、孔中心距離２ｍｍの場
合、概略２０ｍｍ角以下の文字やデザインの認識が難し
くなる。）。

【００１２】 印刷面が一面（白色層１の表面のみ）
に限定される為、両面印刷が出来ない。

【００１３】そこで、本発明は、以上のような従来技術
の問題点を一挙に解決した簡単且つ安価なシースルー・
ウインドウディスプレイ用シートの製造方法とその実施
に適するインクリボンを提供することを課題とするもの
である。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたもので、第１の発明は従来のよう
に特殊構造の多孔シートを用い、それに広告、宣伝文字
や図形、絵画等を印刷したものを窓ガラスに貼付すると
云うものではなく、光透過性シートに光非透過材による
遮光パターンと、前記遮光パターンの透孔部に対応する
部分を欠いた広告、宣伝文字や図形、絵画等の表示パタ
ーンを重ね印刷又は熱転写することによって、従来のシ
ートと同等の機能を持つシートを得ることを特徴とする
シースルー・ウインドウディスプレイ用シートの製造方
法である。尚、光非透過性インクの光遮蔽性は厳密なも
のではなく８０％以上の遮蔽性があれば実用上問題はな
い。

【００１５】また、第２の発明は、熱転写プリンタで印
刷（印字）する時に用いられるインクリボンに関するも
のであって、熱転写用インクリボンの熱転写部をインク
層、光非透過層、インク層で積層したものである。尚、
光非透過層の光遮蔽性は厳密なものではなく８０％以上
の遮蔽性があれば実用上問題はない。

【００１６】第３の発明は遮光性の勝れた遮光パターン
を印刷するためになされたもので、第２の発明において
金属蒸着膜により光非透過層を形成するようにしたもの
である。

【００１７】

【作用】第１の発明によると、従来のシートＳの製造の
場合のような、面倒な７層の積層及び穿孔工程を必要と
せず、印刷だけで、直ちにガラス窓に貼付出来るシート
を製造することができる。印刷は所謂シルクスクリーン
印刷でもよいが、コンピュータ制御の熱転写プリンタを
用いることにより、あらゆる用途、デザインに対応した
シートを安価に提供し得ると共に、両面表示のシートを
も製造することができる。

【００１８】第２の発明によると、インク層の層厚が薄
いインクリボンでも表示パターンを透視させない遮光性
のある遮光パターンを熱転写プリンタで印刷することが
できるインクリボンを提供することができる。

【００１９】第３の発明によると遮光性の勝れた遮光パ
ターンを印刷できる熱転写用インクリボンが得られる。

【００２０】

【発明の実施の形態】図３は本発明により製造されたシ
ートの一実施例の拡大断面図で、１１は剥離シート１２
を貼着した透明シート、１３は透明シート１１にシルク
スクリーン印刷またはコンピュータ制御による熱転写プ
リンタで印刷した図４の（ａ）図に示す白色の網状の遮
光パターン、１４は同じく遮光パターン１３の外側に印
刷した遮光パターン１４の透光部（網目）と対応する部
分１４ａを欠いた表示パターンである。尚、遮光パター
ンの形状や透光部の大きさは限定されるものではなく文
字やデザインの大きさ等に応じて簡単に変更する事がで
きる。

【００２１】この実施例は、片面表示用のシートの実施
例で、剥離シート１２を剥離してガラス窓の外面に貼付
して使用するもので、屋外が明るい場合は屋外からは表
示パターン１４は肉視出来るが、屋内は透視出来ない。

【００２２】一方屋内からは屋外の景色を網目（透光
部）を通して透視することができ、ガラス窓の透視機能
を損うことがない。

【００２３】図５は、異なる実施例で、前記実施例と同
じ剥離シート１２を貼付した透明シート１１に、前記の
網状の遮光パターン１３と表示パターン１４を印刷する
前に、透光部（網目）と対応する部分１５ａを欠いた
（ａ）図のようなネガ表示の表示パターン１５を印刷し
たものである。

【００２４】この実施例は、両面表示用のシートの実施
例で、これをガラス窓に貼付した時は、屋外からは表示
パターン１４が、また屋内からは表示パターン１５と屋
外の景色が透視することが出来る。なお屋内の方が屋外
より明るい場合は逆になる。

【００２５】以上説明した実施例のシートを製造する場
合、一般に市販されている剥離シート１２を貼付した透
明シート１１を用意し、あとは印刷だけで、直ちにガラ
ス窓に貼付すればよいというものが得られるので、従来
の製作が面倒な高価なシートＳを製造しなければならな
いという手間がなくなり、しかも、コンピュータ制御の
熱転写カラープリンタを用いれば、遮光パターンやその
寸法を選択することにより、任意のデザインの広告、宣
伝文字や意匠を施したシートが自由自在に簡単に提供す
ることが出来る。また従来のシートＳでは出来なかった
両面表示シートの製造も、印刷回数を１回増すだけで簡
単に得られるという実益がある。

【００２６】ところで、本発明の製造方法を実施する場
合、シルクスクリーン印刷によれば、付着インクの厚さ
を厚くできるので遮光性のよい遮光パターン１３の印刷
を行うことができるが、コンピュータ制御の熱転写カラ
ープリンタを用いる場合、通常のインクリボンではイン
ク層の厚さは薄いので、充分遮光性のある遮光パターン
１３の印刷には問題がある。

【００２７】第２及び第３の発明はこの問題を解決する
ためになされたもので、アルミ蒸着膜などの連続薄膜に
より光非透過層を形成し、その両面にインク層を配した
熱転写インクリボンである。インク層の色としては後か
ら絵や文字が転写される面には白等の背景色として適し
たものを、透視倒の面には黒等の暗い色を用途に応じて
選択すれば良い。

【００２８】図７はその実施例の構成を示すもので、Ｘ
がインクリボン、Ｓ１は前記実施例の場合と同じ構成の
印刷を施すシート、Ｈは印字ヘッドである。

【００２９】実施例のインクリボンＸは、印字ヘッドＨ
と対向する面に、通常の熱転写インクリボンの場合と同
様に耐熱潤滑層１６を設けたベースフィルム１７に、順
次インク層（白、黄、赤、等）１８、光非透過層（実施
例ではアルミ蒸着層）１９、インク層（黒、白等）２０
を順次積層して設けたものである。

【００３０】このインクリボンＸは遮光パターン１３を
印刷する場合に好適なもので、熱転写プリンタでシート
Ｓ１に印刷した場合、インク層１８以下がベースフィル
ム１７から剥離し、シートＳ１上に貼着（印刷）され
る。

【００３１】印刷された遮光パターンは、光非透過層１
９があるため、インク層１８，２０が薄い層であって
も、インク層１８の上面又は透光性シート１１上に印刷
した表示パターン１４，１５の像は光非透過層１９によ
り遮断され、反対側からそれを見えないようにする効果
がある。

【００３２】インク層１８，２０の一方を設けない場合
があるが、これらインク層は表示パターンの色とのコン
トラストを良くする効果があるので、設けておくことが
好ましい。

【００３３】

【発明の効果】第１の発明は印刷手法によるという全く
斬新な製造方法であって、従来のような特殊シートを用
いないで直ちに使用し得るシースルー・ウインドウディ
スプレイ用シートを簡単且つ安価に提供し得る効果があ
る。また、従来のシートを用いたのでは得られなかった
両面表示タイプのシースルー・ウインドウディスプレイ
用シートを提供することが出来る。

【００３４】第２及び第３の発明によれば、コンピュー
タ制御による熱転写カラープリンタによって、遮光性の
よいシースルー・ウインドウディスプレイ用シートの製
造が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のシースルー・ウインドウディスプレイ用
シートを示すもので、（ａ）図はその拡大平面図、
（ｂ）図はＡ−Ａ線断面図である。

【図２】図１のシートの使用態様を示すもので、（ａ）
図は平面図、（ｂ）図はＢ−Ｂ線断面図である。

【図３】本発明の実施例の拡大縦断側面図である。

【図４】図３に示す実施例で用いた印刷パターンを示す
もので、（ａ）図は遮光パターン、（ｂ）図は表示パタ
ーンを示すものである。

【図５】本発明の異なる実施例の拡大縦断面側面図であ
る。

【図６】図５に示す実施例で用いた印刷パターンを示す
もので、（ａ）図と（Ｃ）図は表示パターン、（ｂ）図
は遮光パターンを示すものである。

【図７】本発明にかゝる熱転写カラープリンタ用インク
リボンの一実施例の構成を示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１１ 透明シート １２ 剥離シート １３ 遮光パターン １４ 表示パターン

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光透過性シートに光非透過材による遮光
   パターンと、前記遮光パターンの透光部に対応する部分
   を欠いた広告、宣伝文字や図形、絵画等の表示パターン
   を重ね印刷又は熱転写することを特徴とするシースルー
   ・ウインドウディスプレイ用シートの製造方法。
2. 【請求項２】 熱転写インクリボンであって、インク
   層、光非透過層、インク層を積層して設けたことを特徴
   とするインクリボン。
3. 【請求項３】 光非透過層がアルミ蒸着膜などの金属蒸
   着膜により形成されることを特徴とする請求項２記載の
   インクリボン。