JP6364806B2 - 画像形成装置、記録媒体種別判定システム及び記録媒体種別判定方法 - Google Patents

画像形成装置、記録媒体種別判定システム及び記録媒体種別判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6364806B2
JP6364806B2 JP2014029396A JP2014029396A JP6364806B2 JP 6364806 B2 JP6364806 B2 JP 6364806B2 JP 2014029396 A JP2014029396 A JP 2014029396A JP 2014029396 A JP2014029396 A JP 2014029396A JP 6364806 B2 JP6364806 B2 JP 6364806B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
light
adjustment
output
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014029396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014193603A (ja
Inventor
大作 堀川
大作 堀川
頼本 衛
衛 頼本
岡田 達彦
達彦 岡田
裕一 桜田
裕一 桜田
誠 森脇
誠 森脇
鈴木 新
新 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2014029396A priority Critical patent/JP6364806B2/ja
Publication of JP2014193603A publication Critical patent/JP2014193603A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6364806B2 publication Critical patent/JP6364806B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、画像形成装置、記録媒体種別判定システム及び記録媒体種別判定方法に関する。
画像形成装置、例えば液体吐出方式の画像形成装置において、特に、液滴を吐出する記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させて、往路及び復路の双方向で印字を行うようにした場合、印字画像が罫線であるとき、往路と復路で罫線の位置ずれが発生し易いという問題がある。
そのため、一般的に、画像形成装置などでは、印字位置ずれ自動調整用のテストパターンを記録媒体上に印刷し、テストパターンを反射型センサで読み取り、その読み取り結果に基づいてインクの吐出タイミングの調整を行うようにしている。
しかし、従来の印字位置ずれ自動調整を行う装置では、記録媒体である紙種を手動で設定している。そのため、紙種別に印字位置ずれ検出及び自動調整動作が異なる場合、紙種に合った調整動作ができない場合が発生し、所定の調整精度や調整時間が得られないという問題がある。
例えば、特許文献1(特開2008−229915号公報)には、液滴で形成する着弾位置ずれ補正用調整パターンを高精度に検出可能で、高精度な着弾位置検出と着弾位置ずれ補正を行えるようにした画像形成装置が記載されている。
この画像形成装置は、液滴を吐出する記録ヘッドを備えて搬送される記録媒体に画像を形成するものであって、撥水性を有する撥水性部材上に、独立した複数の液滴で構成される基準パターンと、この基準パターンとは異なる吐出条件で吐出された独立した複数の液滴で構成される被測定パターンとを、記録ヘッドの走査方向に並べて形成させるパターン形成手段と、各パターンに光を照射する発光手段、及び各パターンからの正反射光を受光する受光手段で構成される読取手段と、この読取手段の読取り結果に基づいて各パターン間の距離を測定して、この測定結果に基づいて記録ヘッドの液滴吐出タイミングを補正する補正手段と、を備えている。
この画像形成装置は、本発明とは基準パターンと被測定パターンを印字し、受発光手段よりなる読取手段の読取り結果から印字ずれ検出を行う点では類似している。しかし、特許文献1には、センサ出力波形データが変動して安定しない場合の対応方法については記載されておらず、この問題を解消することはできない。
つまり、従来の画像形成装置では、紙種を手動で設定するため、紙種別に印字位置ずれ検出及び自動調整動作が異なる場合には、紙種にあった調整動作ができない場合が生じ、所定の調整精度や調整時間が得られないという問題がある。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、印字位置ずれ検出及び自動調整を行う画像形成装置において、紙種自動検知を実行することである。
本発明は、記録媒体上に光を照射する発光部と、前記発光部によって光を照射した際の、前記記録媒体からの反射光を受光し出力値を出力する受光部であって、拡散反射受光手段と正反射受光手段を有する受光部と、前記受光部から出力される出力値を所定の値にするために、前記発光部の光量を調整する調整値又は前記調整値に加えて受光部の出力倍率を調整する調整部と、前記出力値が所定の値になったときの前記調整値と、前記調整値に基づいて光を照射した際の前記拡散反射受光手段の出力値と、当該調整値に基づいて光を照射した際の前記正反射受光手段の出力値と、に基づき、記録媒体種別を判定する判定部と、を有する画像形成装置である。
本発明によれば、印字位置ずれ検出及び自動調整を行う画像形成装置において、紙種自動検知を実行することができ、紙種を自動判定することで、ユーザが手動設定した場合に起こり得る紙種設定ミスを無くすことができ、紙種に合った調整動作を確実に実行し、所定の調整精度や調整時間を得ることができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す斜視図である。 画像形成装置の記録装置及び副走査搬送部の平面図である。 画像形成装置の制御ブロック図である。 画像形成装置の液滴着弾位置ずれ補正制御に係わる部分について示すブロック図である。 画像形成装置の液滴着弾位置ずれ補正制御に係わる部分について示すブロック図である。 パターン読取センサ(発光素子)のセンサスポット光と調整パターンを示す図である。 図5のセンサスポット光で調整パターンを読み取るときの、両者の位置関係と、パターン読取センサの出力波形を示す図である。 図5のセンサスポット光で調整パターンを読み取るときの、両者の位置関係と、パターン読取センサの出力波形を示す図である。 トレーシングペーパー等の光透過率の高い用紙を読み取ったときのセンサ出力波形を示す図である。 スポット径とパターン線幅の関係を示す図で、出力電圧、吸収面積、増加率を説明する図である。 スポット径とパターン線幅の関係を示す図で、出力電圧、吸収面積、増加率を説明する図である。 トレーシングペーパーのような光透過率の高い用紙にて、調整パターンを印字した後のセンサ出力波形データであり、BG補正前のセンサ出力波形データを示すグラフである。 図9と同様のグラフであり、BG補正後のセンサ出力波形データを示すグラフである。 用紙に印字前の白紙状態での1回目のスキャンのときのセンサ出力の4V近辺の変動したデータを示す図である。 用紙に印字前の白紙状態での2回目のスキャンのときのセンサ出力の4V近辺の変動したデータを示す図である。 センサ出力(V)と位置(t)との関係を示すグラフである。 フィルタ処理前後におけるデータ(センサ出力値)の変化を示すグラフ(縦軸を電圧、横軸を位置(t)で表す)である。 調整パターンを用紙に印字した後、n回スキャンを行うときの調整パターン例(例えば、等間隔に並んだ複数の同じ調整パターン)を示す図である。 縦軸にセンサ出力(V)、横軸に位置(t)をとって図15の調整パターンのセンサ出力データの波形例を示したグラフである。 上段は、調整パターンを用紙に印字した後にn回取得したデータの同期化処理前のデータを、下段は上段のデータの同期化処理後のデータをそれぞれ示す図である。 調整パターン波形における背景放射レベル補正を説明する図である。 背景放射レベル補正前の補正パターン波形の補正イメージを示す図である。 背景放射レベル補正後の補正パターン波形の補正イメージを示す図である。 背景放射レベル補正前の白紙波形の補正イメージを示す図である。 背景放射レベル補正後の白紙波形の補正イメージを示す図である。 倍率変動補正前の補正パターン波形を示す図である。 倍率変動補正後の補正パターン波形を示す図である。 図25Aは、BG補正の処理の手順を示すフロー図であり、図25B〜Fは、図25Aのサブルーチンを示す図である。 第1の紙種判定方法の処理手順を示すフロー図である。 紙種とPWM値の標準偏差値とを対応付けた紙種テーブルを示す図である。 縦軸にPWM出力決定値の標準偏差値を、又横軸に紙種をとって示したグラフである。 PWM出力決定値の標準偏差値が相対的に高い紙(ここでは、トレーシングペーパー)を、縦軸にPWM値、横軸に紙の位置を取ってその波形を示したグラフである。 PWM出力決定値の標準偏差値が相対的に低い紙(マッドフィルム)を、縦軸にPWM値、横軸に紙の位置を取ってその波形を示したグラフである。 縦軸にPWM値を、横軸に普通紙の光量再調整回数(又は再調整時間)をとって示したグラフである。 縦軸にPWM値を、横軸にトレーシングペーパーの光量再調整回数(又は再調整時間)をとって示したグラフである。 紙種と光量調整(ループ)回数(回)を関連付けた情報を有する紙種テーブルを示す図である。 キャリブレーションの処理手順を示すフロー図である。 倍率レジスタの状態を通常とアップの状態に分け、各紙種と、通常状態におけるループ回数の最小値と最大値、アップ状態におけるループ回数の最小値と最大値とを対応付けて示したテーブルを示す図である。 第4の紙種判定方法の処理手順を示すフロー図である。 第5の紙種判定方法の処理手順を示すフロー図である。 任意の紙を検知しているときの拡散反射光の検知電圧値の変動を示す図である。 普通紙を検知しているときの拡散反射光の検知電圧値(実線)と正反射光の検知電圧値(太線)を示す図である。 コート紙を検知しているときの拡散反射光の検知電圧値(実線)と正反射光の検知電圧値(太線)を表す図である。 トレーシングペーパーの拡散反射−正反射検知時の出力値を、実線で拡散反射光の検知電圧値を、太線で正反射光の検知電圧値を示す図である。 マッドフィルムの拡散反射−正反射検知時の出力値を、実線で拡散反射光の検知電圧値を、太線で正反射光の検知電圧値を示す図である。 第6の紙種判定方法の処理手順を示すフロー図である。 別の記録媒体種別判定システムのハードウエア構成図である。 図44に示す記録媒体種別判定システムの機能ブロック図である。
本画像形成装置では、位置ずれ自動調整時に行うキャリブレーション動作が紙種によって異なることを利用して、紙種の自動判定を行うものである。
その際に、パターン印字前の白紙(無地)部のセンサ出力波形データと、パターン印字後のセンサ出力波形データに基づき、センサ出力波形データに補正処理(バックグラウンド補正)を行い、補正したセンサ出力波形データを用いる。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す斜視図である。
この画像形成装置100は、これに限定するものではないが、シリアル型インクジェット記録装置(以下単に記録装置という)を備えるものであり、図1に示すように、記録装置とそれを支持する本体フレーム70を備えている。
記録装置の内部にはガイドロッド1及び副ガイド2が掛け渡され、これらのガイドロッド1及び副ガイド2に、キャリッジ5が矢印A方向(主走査方向)に動作可能に保持されている。
キャリッジ5は、タイミングベルト9と接続されており、主走査モータ8と駆動プーリ7によってタイミングベルト9を駆動することで、矢印Aで表す主走査方向に移動する。タイミングベルト9には、従動プーリ12によって張力が付加されており、弛むことなくキャリッジ5を駆動させることができる。
本実施形態では記録媒体(ここでは用紙)31は、キャリッジ5が往復移動するその下側において矢印B方向(副走査方向)へ間欠的に搬送される。用紙31には、キャリッジ5に搭載された記録ヘッド21〜24(図2)からインクを吐出して所定の画像を形成する。また画像形成装置100には、インクを供給するカートリッジ60と記録ヘッドをクリーニングする維持機構26が備えられている。
キャリッジ5は、内蔵されたエンコーダセンサ42(図2)を有し、エンコーダセンサ42で主走査方向(矢印A)に掛け渡されたエンコーダシート41(図2)を連続的に読み取り、主走査方向位置を検知しながら移動する。
図2は、画像形成装置100の記録装置及び副走査搬送部の平面図である。
記録装置においては、ガイドロッド1及び副ガイド2が左右側板3、4間に掛け渡されている。キャリッジ5は、軸受(図示せず)、副ガイド受け部11によりガイドロッド1及び副ガイド2に保持されて、矢示X1、X2方向(主走査方向)に摺動可能にする。キャリッジ5には黒(K)のインク滴を吐出する記録ヘッド21、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド22、23、24、が搭載されている。
キャリッジ5を移動する主走査機構は、主走査方向の一方側に配置された主走査モータ8と、主走査モータ8によって回転駆動される駆動プーリ7と、主走査方向の他方側に配置された従動プーリ12と、駆動プーリ7と従動プーリ12との間に掛け回されたタイミングベルト9とを備えている。なお、従動プーリ12は、図示しないテンションスプリングによって駆動プーリ7から離間する方向にテンションが付加されている。また、タイミングベルト9は、キャリッジ5の背面側に設けたベルト保持部10に一部分が固定保持されている。タイミングベルト9は、これにより主走査方向にキャリッジ5を牽引する。
エンコーダシート41は、キャリッジ5の主走査方向に沿うように配置されている。キャリッジ5に設けたエンコーダセンサ42は、既に述べたように、当該エンコーダシート41を読み取り、キャリッジ5の主走査位置を検知する。
このキャリッジ5の主走査領域のうち、記録領域では、用紙31が図示しない紙送り機構によって、キャリッジ5の主走査方向と直交する矢示Y1、Y2方向(副走査方向)に間欠的に搬送される。
本画像形成装置100では、キャリッジ5を主走査方向に移動し、かつ用紙31を間欠的に送る。記録ヘッド21〜24を画像情報に応じて駆動して液滴を吐出させる。これによって、用紙31上に所要の画像が形成される。
キャリッジ5の一側面には、着弾(又は印字)位置ずれの検出(パターンの読取)を行うための読取手段(又は検出手段)である、パターン読取センサ30が備えられている。パターン読取センサ30は、発光部及び受光部を含む反射型フォトセンサで構成されている。このパターン読取センサ30によって、後述する図示しない紙送り機構によって搬送された用紙31に形成された位置ずれ補正用調整パターン(以下、単に調整パターンという)を読み取る。調整パターンは着弾位置ずれ検出用の基準パターンと、被測定パターンで構成されている。
図3は、画像形成装置100の制御ブロック図である。
図中、制御部300は、調整パターンの形成、調整パターンの検出、着弾位置ずれ調整(補正)などに関わる制御を司る主制御部310を備えている。
主制御部310は、CPU301と、CPU301が実行するプログラムその他の固定データを格納するROM302と、画像データ等を一時格納するRAM303と、画像形成装置100の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)304と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行なう画像処理用のASIC(Application Specific Integrated Circuit)305、及びその他装置全体を制御するための入出力信号を処理する論理演算手段であるFPGA(Field-Programmable Gate Array)306などで構成されている。
制御部300は、この主制御部310に加え、図示しないホスト側と主制御部310との間に介在して、データ、信号の送受を行なうための外部I/F311と、記録ヘッド21〜24を駆動制御するためのヘッドデータ生成配列変換用ASICなどで構成されるヘッドドライバ(実際には記録ヘッド21〜24側に設けられる。)を含むヘッド駆動制御部312と、キャリッジ5を移動走査する主走査モータ8を駆動するための主走査駆動部(モータドライバ)313と、副走査モータ131を駆動するための副走査駆動部(モータドライバ)314と、給紙モータ49を駆動するための給紙駆動部315と、排紙部の各ローラを駆動する排紙モータ79を駆動するための排紙駆動部316と、画像読取部135を制御するスキャナ制御部325と、その他図示しないが、維持機構26を駆動する維持回復モータを駆動するための回復系駆動部、各種のソレノイド(SOL)類を駆動するソレノイド類駆動部(ドライバ)と、電磁クラック類などを駆動するクラッチ駆動部と、を備えている。
なお、主制御部310には、その他の図示しない各種センサの検出信号も入力される。
主制御部310は、画像形成装置100に設けたテンキー、プリントスタートキーなどの各種キー及び各種表示器を含む操作/表示部327との間で必要なキー入力の取り込み、表示情報の出力を行なう。
また、この主制御部310には、前述したキャリッジ5の位置を検出するリニアエンコーダ129を構成するフォトセンサ(エンコーダセンサ)42から出力信号(パルス)が入力される。主制御部310は、この出力信号に基づいて主走査駆動部313を介して主走査モータ8を駆動制御して、キャリッジ5を主走査方向に往復移動させる。
主制御部310には、搬送ベルト140(図4)の移動量を検出するロータリエンコーダを構成するフォトセンサ(エンコーダセンサ42)からの出力信号(パルス)が入力される。主制御部310は、この出力信号に基づいて副走査駆動部314を介して副走査モータ131を駆動制御し、搬送ローラ(図示せず)を介して用紙31を移動させる。
主制御部310は、用紙31上に調整パターンを形成する処理を行う。また、主制御部310は、形成した調整パターンに対し、キャリッジ5に搭載したパターン読取センサ30の発光部を発光させる発光駆動制御を行う。主制御部310は、受光部の出力信号を入力して調整パターンを読み取り、この読取結果から着弾位置ずれ量を検出する。主制御部310は、更に着弾位置ずれ量に基づいて記録ヘッド21〜24の液滴吐出タイミングを着弾位置ずれがなくなるように補正する制御を行う。
次に、この画像形成装置100における液滴着弾位置ずれ補正制御に係わる部分について、それぞれのブロック図である図4A及び図4Bを参照して説明する。
キャリッジ5には、図4Aに示すように、用紙31上に形成される調整パターン(テストパターン、検出パターン等)400を検知するパターン読取センサ30が備えられている。
このパターン読取センサ30は、主走査方向と直交する方向に並ぶ発光素子402と、受光素子403、406とをホルダ404に保持してパッケージ化したものである。ここで、発光素子402は、用紙31上の調整パターン400に対して発光する発光部である。また、受光素子403、406は、調整パターン400からの反射光を受光する受光部である。
なお、ホルダ404の光の出射部及び入射部にはレンズ405が設けられている。また、パターン読取センサ30内での発光素子402及び受光素子403、406は、キャリッジ5の走査方向に対して直交する方向に配置されている。これにより、キャリッジ5の移動速度変動による検出結果への影響を低減することができる。
発光素子402としては、LED(Light Emitting Diode)により可視光など比較的単純かつ安価な光源を用いることができる。光源のスポット径(検出範囲又は検出領域)は、高精度のレンズを使用せずに安価なレンズを使用する場合は、mmオーダーの検出範囲となる。
図4Bにおいて、調整パターン形成/読取制御手段501(この「/」は、ここでは「及び」の意味である)は、着弾位置ずれ補正が指示されたときには、以下の(i)〜(iii)の処理を行う。
即ち、(i)用紙31に対して、キャリッジ5を主走査方向に往復移動走査する。(ii)吐出制御部502を介して液滴吐出手段である記録ヘッド21〜24から液滴を吐出させる。(iii)複数の独立した液滴で構成されるライン状の基準パターンと被測定パターンで構成される調整パターン400を形成する。
なお、この調整パターン形成/読取制御手段501は、主制御部310のCPU301などで構成される。また、調整パターン形成/読取制御手段501は、用紙31上に形成した調整パターン400をパターン読取センサ30(発光素子402及び受光素子403、406)で読取る制御を行う。この調整パターン読取制御は、キャリッジ5を主走査方向に移動させながらパターン読取センサ30の発光素子402を発光駆動して行う。
具体的には、図4Aに示すように、主制御部310のCPU301によって、発光制御手段511にパターン読取センサ30の発光素子402を駆動するための調整値であるPWM(Pulse Width Modulation)値が設定される。この発光制御手段511の出力が平滑回路512で平滑化されて、駆動回路513に与えられる。これにより、駆動回路513が発光素子402を発光駆動して、搬送ベルト140上の調整パターン400に対して発光素子402からの出射光を照射させる。
なお、発光制御手段511は、本発明の発光部の光量を調整する調整部、より具体的には発光制御部を構成する。
用紙31上の調整パターン400に発光素子402からの出射光が照射されると、調整パターン400で反射され、その反射光が受光素子403(406)に入射される。受光素子403(406)からは、調整パターン400からの反射光の受光量に応じた出力値である電圧値を有する検知信号が出力される。この検知信号は、図4Bに示す着弾位置補正手段505の着弾位置ずれ量演算手段503に入力される。なお、出力値は電流値であってもよい。
具体的には、図4Aに示すように、パターン読取センサ30の受光素子403、406からの出力信号を、主制御部310に含まれる光電変換回路521で光電変換する。次に、この光電変換信号(センサ出力電圧)をローパスフィルタ回路522でノイズ分を除去した後、A/D変換回路523でA/D変換する。A/D変換後、A/D変換したセンサ出力電圧データを、信号処理回路(FPGA)306によって共有メモリ525に格納する。
図4Bの着弾位置補正手段505の着弾位置ずれ量演算手段503は、パターン読取センサ30の受光素子403、406の出力結果に基づいて調整パターン400の位置を検出して、基準位置に対するずれ量(着弾位置ずれ量)を算出する。
この着弾位置ずれ量演算手段503で算出された液滴の着弾位置ずれ量は、吐出タイミング補正量演算手段504に与えられる。吐出タイミング補正量演算手段504は、着弾位置ずれ量がなくなるように吐出制御部502が記録ヘッド21〜24を駆動するときの吐出タイミングの補正量を算出する。吐出タイミング補正量演算手段504は、この算出した吐出タイミング補正量を吐出制御部502に設定する。これにより、(液滴)吐出制御部502は、記録ヘッド21〜24を駆動するときに、補正量に基づいて吐出タイミングを補正した上で記録ヘッド21〜24を駆動する。そのため、液滴の着弾位置のずれが低減される。
つまり、図4Aにおいて、CPU301によって実行される処理アルゴリズム526によって、共有メモリ525に格納されている、例えばセンサ出力電圧Soから、調整パターン400(1つのラインパターンを「400a」とする。)の中央位置(A点)を検出し、基準位置(基準ヘッド)に対する当該ヘッドによる実際の着弾位置のずれ量を算出し、ずれ量から印字吐出タイミングの補正量を算出し、この補正量を吐出制御部502に設定する。
ここで、PWMの発生は、発光制御手段511と平滑回路512の間で行われる。後述する倍率レジスタの切り替えは、光電変換回路521で行われる。キャリブレーション処理は、処理アルゴリズム526で行われる。
次に、パターン読取センサ30で調整パターンを読み取る過程を説明する。
図5は、パターン読取センサ30(発光素子402)のセンサスポット光SLと調整パターンを示す図である。
図5において、発光素子402から出射した左側のスポット径dのセンサスポット光SLを、矢印の方向に一定の速度で移動させながら、受光素子403、406で幅Lの調整パターンPPを読み取る。
図6Aは、図5のセンサスポット光SLで調整パターンを読み取るときの両者の位置関係を示す図である。図6B(グラフ1)は、調整パターンPPを読み取ったときのパターン読取センサ30の出力(電圧)波形を示すグラフである。即ち、縦軸は出力電圧、横軸はスポットの中心と調整パターン進行方向側エッジ間の距離(スポットの中心とエッジが一致した位置を基準とする)を示す。図6C(グラフ2)は線(調整パターン)と円(センサスポット光SL)の位置と、重なった面積(ここでは、吸収面積という)の関係を示すグラフ(縦軸は吸収面積、横軸は図6Bと同じ)である。図6D(グラフ3)は、図6Cの吸収面積のグラフを微分した値を示すグラフ(縦軸は吸収面積の増加率、横軸は図6Bと同じ)である。
図6Dにおいて、増加率が最大又は最小になる点が変曲点であり、線の図中左右のエッジとセンサスポット光SLのセンタが一致した状態を示す。ここでは、図6Dの(2)と(4)が変曲点である。
ここで、パターン読取センサ30の出力電圧に上限閾値と下限閾値を定め、上限閾値と下限閾値の間の検出電圧データを用いて調整パターンの線(エッジ)を検出する。この場合、上限閾値と下限閾値の間に少なくとも変曲点が含まれていなければ、調整パターンのエッジを検出することができない。他方、調整パターンのエッジを検出する際に、変曲点の位置がスレッシュ領域の中心付近に揃っていれば、エッジの検出精度が高くなる。そのため補正精度が増す。
なお、ここで、「スレッシュ領域」とは、上限閾値と下限閾値(2つのスレッシュホールド)が形成する幅をいう。スレッシュ領域は検出電圧を単位とするが、検出電圧に対応する吸収面積でも定義することができる。
図6E(グラフ4)は、線(調整パターン)のエッジと円(センサスポット光SL)の中心間の距離と、重なった面積(吸収面積)の関係を表したグラフである。このグラフは、吸収面積と吸収されて降下する反射光及び電位がほぼ比例関係にあることを示している。
スレッシュ領域Aは、振幅の中心付近(変曲点付近)の領域で、スレッシュ領域Bは変曲点からずれた領域を表す。
図6F(グラフ5)は、図6Eのグラフを微分した値を示すグラフである(縦軸は吸収面積の増加率、横軸は図6Eと同じ)。
図6Fを用いて、スレッシュ領域Aとスレッシュ領域Bの場合を比べると、スレッシュ領域Aの方が近似の精度が高く、調整パターンのエッジを検出する精度が向上し、補正精度が向上する。スレッシュ領域Bの場合は補正精度不十分となることがある。
図7は、トレーシングペーパー等の光透過率の高い用紙を読み取ったときのセンサ出力波形を示す図である。
図7Aに示すように、トレーシングペーパー等の光透過率の高い用紙を読み取ると、波形の振幅がバラつく。そのため変曲点がスレッシュ領域から外れることがある。つまり、前述のスレッシュ領域Bと同じ状況になり、簡単な近似で精度を出すことが出来ないため、補正精度が悪くなる。
この場合、後述するバックグラウンド(以下BGという)補正を行う。これにより、トレーシングペーパー等の光透過率の高い用紙を読み取っても、図7Bに示すように、振幅の上下を揃えることが出来る。つまり、図7Bは、BG補正を行った後のセンサ出力波形を示し、振幅の上下を揃えることで、変曲点がスレッシュ領域の中心付近に揃うことを示している。
BG補正後は、センサ出力波形の変曲点は、上述のスレッシュ領域Aと同じ状態になる。これにより、簡単な近似の精度が高く、線(調整パターン)のエッジを検出する精度も増し、補正精度が向上する。
次に、センサスポット光SLのスポット径dが調整パターンPPの線幅Lよりも大きい場合、と小さい場合、即ちd>L及びd<Lの場合のパターン読取センサ30の出力波形を参考までに示す。
図8Aは、d>Lの場合の、(1)スポット径と調整パターンの線幅との位置関係に応じた、それぞれ既に説明した(2)出力電圧、(3)吸収面積、(4)増加率を示す。
図8Bは、d<Lの場合の、(1)スポット径と調整パターンの線幅との位置関係に応じた、それぞれ(2)出力電圧、(3)吸収面積、(4)増加率を示す。
図8Aと図8Bから、パターン読取センサ30の出力電圧は、d<Lの場合の方がd>Lの場合よりもなだらかな曲線となることが分かる。また、吸収面積波形は、当然のことながら、d<Lの場合は、その波形の頂点は平らな形状となる。したがって、吸収面積の増加率をみると、d<Lの場合は、増加率が+側から−側に移る段階で、所定幅の0の領域(dがL内に完全に入る領域)が生まれることが分かる。
次に、本実施形態における調整パターンより読み取ったパターン読取センサ30の出力波形データの補正処理について説明する。
「データ補正処理」(BG補正)
図9は、例えば、トレーシングペーパーのような光透過率の高い用紙31にて、調整パターンを印字した後のセンサ出力波形データ、つまり、BG補正前のセンサ出力波形データを示すグラフである。
この場合は、用紙31の表面からの反射光量に変動があるため、図9のように波形の上側(地肌読み取り部分)及び下側(調整パターン読み取り部分)が不揃いで変動が大きい。
そこで、上記のセンサ出力波形データに対してBG補正処理を行う。これにより、図10(BG補正後のセンサ出力波形データを示すグラフである。)に示すように波形上側及び下側の不揃いがなくなり、安定したセンサ出力データとなる。そのため、その後の位置ずれ量を算出する演算に効果を発揮する。
ここで、BG補正について説明するが、その前に、まず、BG補正を行うことで得られる効果について説明する。
即ち、BG補正を行うことで、
(i)読み取り精度が向上する。これにより波形の変曲点をスレッシュ(閾値)の間に収めやすくなる。
(ii)エラー発生率が低減する。これにより、波形の変曲点がスレッシュの外側に来ないようにし、位置ずれ量の算出が出来ない状況を無くすことができる。
次に、BG補正について説明する。
BG補正を行う場合は、その手順として、まず前処理を行い、その後にBG処理を行う。
そこで、ここでは前処理をBG処理に含めて説明する。
(1)センサ出力波形データに対する前処理
前処理は、次のA及びBである。即ち、
A 用紙31に調整パターン印字前の白紙状態(バックグラウンド)のデータを測定し、前処理を行う。この場合の前処理は以下の通りである。
(i)n回スキャン、(ii)同期化処理、(iii)平均化処理、(iv)フィルタ処理。
B 用紙31に調整パターンを印字した後のデータを測定し、前処理を行う。前処理は以下の通りである。
(i)n回スキャン、(ii)同期化処理、(iii)平均化処理。
(2)BG補正処理
BG補正処理は以下の(i)、(ii)である。
(i)同期化処理、(ii)バックグラウンド補正本計算。
ここで、バックグラウンド補正本計算は、以下のa,bである。
a 背景放射レベル補正(Vpの減算処理(但し、Vpは用紙以外のプラテン面電位))
この補正は、調整パターン測定データ及び調整パターン印字前白紙測定データの各々からVpを取り除く補正である。
b 倍率補正処理
倍率補正処理では、白紙のセンサ出力データの変動と調整パターンのセンサ出力データの変動はほぼ比例するので、比例計算による補正を行いセンサ出力の振幅を一定値に揃える。この補正をここでは倍率補正処理という。
次に、改めてBG補正の処理内容を詳細に説明する。
(1)センサ出力波形データに対しての前処理
A パターン印字前の白紙状態(バックグラウンド)を測定して行う前処理。
この前処理では、以下の(i)〜(iv)の処理を順に実施する。
(i)n回スキャン
印字する用紙31(例えば、普通紙、トレーシングペーパー)によってセンサキャリブレーションを実施し、センサ出力がある一定値になるように発光部(ここでは、パターン読取センサ30の発光素子402)の光量を調整する。このセンサ出力の値をVsg(用紙表面電位)と呼ぶ(本実施形態では4Vに調整する)。
ここでは、バックグラウンド補正データとして、調整パターン印字前の白紙状態のセンサ出力データを複数回取得する。
図11は、用紙31に印字前の白紙状態での1回目のスキャンのときのセンサ出力の4V近辺の変動したデータを示す図である。
図12は、同様に、用紙31に印字前の白紙状態での2回目のスキャンのときのセンサ出力の4V近辺の変動したデータを示す図である。
以下同様な波形をn回取得して取り込む。これを、ここではn回スキャンという。
(ii)同期化処理
次に、同期化処理について説明する。
同期化処理は、n回の波形データの紙端(エッジ)を揃えるための処理である。同期化処理においては、センサ出力値がある電圧値(閾値)を最初に越えたところを、先頭1個目のデータとして扱い、紙端の検出を行う。
図13は、センサ出力値(V)と位置(t)との関係を示すグラフである。図示のように、センサ出力値がある電圧値(閾値)を最初に越えたところを線(調整パターン)の端部(エッジ)つまり先頭1個目のデータとすることを示している。
(iii)平均化処理
平均化処理は、同期化処理後の複数回取得したデータ(センサ出力値)を平均する処理である。
(iv)フィルタ処理
測定ノイズや、同期化処理の誤差要因を除去するため、前後m個のデータの平均を取る。
図14は、フィルタ処理前後におけるデータ(センサ出力値)の変化を示すグラフ(縦軸を電圧、横軸を位置(t)で表す)である。ここで、細線波形はフィルタ処理前のデータであり、A/D変換の分解能が低いためデータの変動がある。太線はフィルタ処理後の波形であり、図示のようになだらかになる。
B 調整パターンを印字した後のデータを測定して行う前処理
調整パターンを印字した後に行う前処理について説明する。
ここでは、以下の(i)〜(iii)の処理を順に実施する。
(i)n回スキャン
調整パターンを用紙31に印字し、パターン印字後のセンサ出力データを複数回取得する。
(調整パターン例)
図15は、調整パターンを用紙31に印字した後、n回スキャンを行うときの調整パターン例(例えば、等間隔に並んだ複数の同じ調整パターン)を示す図である。図16は、縦軸にセンサ出力(V)、横軸に位置(t)をとって図15の調整パターンのセンサ出力データの波形例を示したグラフである。
(ii)同期化処理
ここでは、n回取得したデータをずれが最小になるように互いに重ねる処理を行う。
図17の上段は、調整パターンを用紙31に印字した後にn回取得したデータの同期化処理前のデータを、下段は上段のデータの同期化処理後のデータをそれぞれ示す図である。このように、同期化処理前には、ずれていたデータ(図17上段)が同期化処理後には、ずれが解消されて一致している(図17下段)ことが分かる。
(iii)平均化処理
上記同期化処理後の複数回取得したデータを平均する処理を行う。
(2)BG補正処理
(i)同期化処理
前述の(1)A(段落「0049」)の前処理を施したパターン印字前の白紙状態(バックグラウンド)データと、(1)B(段落「0054」)の前処理を施したパターン印字した後のデータの紙端を揃える。
その処理方法は(1)A(ii)の同期化処理と同様に、ある電圧値(閾値)を最初に越えたところを先頭1個目のデータとして扱う。
(ii)バックグラウンド補正本計算
バックグラウンド補正を行う計算式を式1に示す。
Figure 0006364806
数1の計算式には、2つの内容、つまり背景放射レベル補正と倍率補正が含まれているため、以下、背景放射レベル補正及び倍率補正処理に分けて説明する。
(i)背景放射レベル補正(Vp減算処理、(Vp=用紙以外のプラテン面電位;背景放射レベルという)
背景放射レベル補正は、調整パターン測定データ及び印字前白紙測定データの各々からVpを取り除く処理をいう。
図18は、調整パターン波形における背景放射レベル補正を説明する図である。即ち、背景放射レベル補正では、図18に示す波形においてVsg(用紙表面電位)−Vp(用紙以外のプラテン面電位)の変化を検知する。
一般的に測定対象(ここでは、用紙)に関係無く抽出されるものが背景放射である。背景放射レベルは、用紙以外のプラテン面及びそれ以外の要因を含めて総称するものである。
BG補正では、用紙に関連する変化だけを補正するので、用紙以外の要因となるVpを取り除く必要がある。この補正処理がないと、補正パターンをパターン読取センサ30で読み取ったときの黒側の出力のばらつきが増加し、変曲点の位置が不安定になる。そのため、スレッシュ領域の中央付近に変曲点を集め難くなる。
ここでは、以下の2式によって、パターン波形データ及び印字前白紙測定データそれぞれから用紙以外のプラテン面電位;Vpを取り除く処理を行う。
χ’=χ−Vp(補正パターンの測定データをχ、Vp削除後のデータをχ’)
y’=y−Vp(印字前の白紙測定データをy、Vp削除後のデータをy’)
図19、図20は、補正パターン波形の背景放射レベル補正イメージを示したものであり、図19は背景放射レベル補正前、図20は背景放射レベル補正後のそれぞれパターン波形の補正イメージを示す図である。
図21、図22は、白紙(つまり、印刷前)波形の背景放射レベル補正イメージを示したものであり、図21は、背景放射レベル補正前、図22は背景放射レベル補正後のそれぞれパターン波形の補正イメージを示す図である。
(ii)倍率補正処理
用紙31に何も描画しなくても、透過性や結晶性といった反射する媒体の性質で反射率が変動することが知られている。また、指向性の高さにより程度に差はあるが、反射する用紙(記録媒体)の凹凸や用紙を支えるプラテン等の傾きが一定でないといった要因で、光軸がずれることによる反射率の変動もある。
更に、センサと反射する用紙(記録媒体)の距離が一定でなかったり、用紙31を支える物質や、様々な要因の振動、電源変動や制御的な相性等、位置に関係する反射率の変動要因は種々雑多である。
このように、反射率の変動要因は様々であるが、どのような要因であっても区別することなく、反射率の変動は、位置または時間の関数として表現することができる。この反射率の変動を、ここではバックグラウンド変動と呼ぶ。
以下の概念をイメージしやすい例を採って説明する。
位置または時間の関数を;時間の関数、
バックグラウンド変動(反射率の変動)を;時間の関数Kbg、
記録媒体、ここでは用紙31を;白紙の紙、
反射率が同等以上となる条件を;無地(白紙)、
センサで検知したい反射率の変化;紙に描画されるインクの位置で採る、
有効数字確保や演算上適当な係数を;最大電位Vmax、
センサで測定する値を;電圧値V、として説明する。
ここで、インクの色素が光を吸収するメカニズムを考える。
入射してくる光子は、色素固有のエネルギー状態を下回った時に吸収される。ここで、色素のエネルギー状態は外界からエネルギーを加えることで変化させることもできる。しかし、工業的には、特に意図的な制御を行わない限り、一定とみなせることが多い。
そこで、ここでは色素のエネルギー状態を一定とみなしうる場合を考え、この色素のエネルギー状態の一定値をKiとして、入射光を1とすると反射光として帰還するのを妨げる確率(反射率)は(1−Ki)と表される。
ところで、本来センサで検知したいのは、位置毎に量の異なる反射率(1−Ki)の変化である。つまり、位置の関数である反射率(1−Ki)と、測定電圧が比例関係にあることが望ましい。
これを、式で表せば、測定電圧をVとしたとき、
測定電圧V∝(1−Ki;反射率)となる。つまり、測定電圧は反射率に比例する。
しかし、実際にはBG変動(バックグラウンド変動;時間関数Kbg)があるため、測定電圧Vは、
V∝Kbg×(1−Ki)、となる。
つまり、測定電圧は、反射率にBG変動を掛け合わせた値に比例する。
ここで改めて、処理したい位置の関数である反射率(の変動)(1−Ki)をZとおくと、
V∝Kbg×Z、書き直すと、Z∝(1/Kbg)×Vとなる。
つまり、反射率(の変動)は、測定電圧に(1/Kbg)を掛けた値に比例する。
Vmaxを適当に定めることで、これは、Z=(Vmax/Kbg)×Vとなる。つまり、反射率(の変動)は、さらに、測定電圧にVmax/Kbg)の値を掛けた値に比例する、となる。
この式は、バックグラウンド変動の時間関数Kbgと測定電圧Vが同じ時間の関数であれば、BG変動込みの測定データを、あたかもBG変動が無いかのように扱えるよう補正できることを示している。
しかし、現実的にはバックグラウンド変動の時間関数Kbgの性質上、それを測定電圧Vと同時に測定することができないので、バックグラウンド変動の時間関数Kbgと測定電圧Vをそれぞれ測定し、時間軸を合わせる同期化処理が必須となる。
本実施形態では、この補正の概念と、同期化処理によりこの補正を実現させることが特徴である。
ここで、
Vmax=Vsg(用紙表面電位)
Kbg(バックグラウンド変動)=Y’
V(測定電圧)=X’
として、現在使用している式(つまり、処理(補正)したい反射率の変動の式;Z=(Vmax/Kbg)×V)に当てはめると下記の式が成り立つ。
Z’=V’sg×X’/Y’=(V’sg/Y’)×X’(測定電圧)
但しV’sg=Vsg−Vg
つまり、背景放射レベルの補正を行った用紙表面電位は、それに補正した倍率(V’sg/Y’)を、パターン部における同じ位置で読み取ったときのパターン出力X’(測定電圧)に乗じることで、出力の振幅をある一定値に揃えることができることが分かる。
即ち、倍率変動補正を行うことによって、図23に示すように白紙を読んだ際の出力と、パターンを読んだ際の出力波形のバラツキがない図24の様な出力波形にすることが出来る。
即ち、図23、図24は、補正パターン波形の倍率変動補正イメージを表したもので、図23は倍率変動補正前を、図24は倍率変動補正後の補正パターン波形を示す図である。即ち、倍率変動補正前の補正パターン波形は、その振幅が変動しており、用紙表面電位Vsgも変動している。これに対し、倍率変動補正後は、BG補正(倍率変動補正)後の補正パターン波形はその振幅は一定になっている。
つまり、これは、前処理(第1の補正)を行ったVsgデータ及びパターン出力データから用紙31領域以外(プラテン面など)での読取データ(Vp)を取り除く補正(第2の補正)を行ったVsgデータを、ある一定値にするために補正した倍率を、パターン部データにおける同じ位置で読み取ったときのパターン出力に乗じたことによるものである(出力の振幅を揃える第3補正)。
次に、BG補正の処理の手順を、図25Aのフロー図、及び図25Aのルーチンのサブルーチンを示す図25B〜図25Fのフロー図を参照して説明する。
まず、用紙31を印字可能位置まで紙送り機構によって搬送させる(S101)。次にキャリッジ5をインクが載っていない用紙31上に移動し、キャリッジ5に搭載されているパターン読取センサ30で、用紙31上の特定の箇所でキャリブレーションを実施する(S102)。即ち、センサ出力値が所定の出力電圧範囲内になるよう、LED等のセンサ光源(発光素子402)の光量を調整する。具体的には、PWM値を変更して出力電圧が例えば4V±0.2Vの範囲内になるように調整する。
図25Bは、ステップS102のパターン読取センサ30のキャリブレーションの具体的手順を示すサブルーチンである。即ち、キャリブレーションスタート後、LEDのセンサ光源(発光素子402)の発光を行い(S201)、次に、例えば、CPU301で構成される判定部は、センサ出力値の判定を行う(S202)。センサ出力値が所定の出力電圧範囲内(例えば4V±0.2V)であれば(S202、YES)、キャリブレーションを終了する。ステップS202において、センサ出力値が所定の出力電圧範囲内でなければ(S202、NO)、LED等のセンサ光源の光量を調整して(S203)、ステップS201以下の処理を繰り返し、キャリブレーションを行う。
図25Aのルーチンに戻り、次に、BGデータの読取り及び保存を行う(S103)。
図25Cは、ステップS103の処理のサブルーチンで、その処理の手順を示すフロー図である。
即ち、ステップS103のBGデータの読取り及び保存は、まず、キャリッジ5をホームポジションまで移動し、LED等のセンサ光源(発光素子402)を発光させ(S301)、センサ出力データの取り込みを開始する(S302)。それと共に、キャリッジ5を移動させ(S303)、用紙31の表面電位を読み取る。センサ出力データのサンプリングは、具体的には20KHz(50μs間隔)で行う。キャリッジ5が用紙31の端部に到達すると、センサ出力データの取り込みを終了し(S304)キャリッジ5を停止させ、センサ出力データを保存する(S305)。
図25Aのルーチンに戻り、所定の回数のBG(バックグラウンド)データの読み取りが完了したか確認する(S104)。ここで、完了していないときは(S104、NO)、再度ステップS103のBGデータ読取処理を行う。完了しているときは(S104、YES)、次のステップS105の処理に進む。ここで、所定の回数読み取ったBGデータに対して前処理を施し、そのデータを保存する(S105)。
図25Dは、ステップS105のBGデータの前処理のサブルーチンで、BGデータの前処理の手順を具体的に示すフロー図である。
即ち、BGデータの前処理に当たっては、まず、同期化処理を行う(S401)。次に平均化処理を行い(S402)、次にフィルタ処理を行い(S403)、BGデータを保存する(S404)。
ここで、以上のステップS103〜S105は、BGデータ処理である。
図25Aのルーチンに戻り、次に用紙31の位置をそのままにして搬送させずに、印字位置ずれ調整パターンを印字する(S106)。ここで、前にBGデータをパターン読取センサ30で読み取ったときと同じ位置の調整パターンデータを読み取る(S107)。処理内容は既に説明したステップS103と同じである。
所定の回数の調整パターンデータの読み取りを完了したか確認する(S108)。ここで、完了しているときは(S108、YES)、次のステップS109の処理に進み、完了していないときは(S108、NO)、ステップS107の調整パターンデータ読み取り処理を再度行う。所定の回数読み取った調整パターンデータに対して前処理を施し(S109)、そのデータを保存する。
図25Eは、ステップS109の調整パターンデータの前処理のサブルーチンで、調整パターンデータの前処理を示すフロー図である。
即ち、まず、調整パターンデータの同期化処理を行う(S501)。次に平均化処理を行い(S502)、当該調整パターンデータを保存する(S503)。
ここで、ステップS106〜S109は、パターンデータ処理である。
図25Aのルーチンに戻り、前処理を行ったBGデータと前処理を行った調整パターンデータを同期化処理によって位置合わせを行う(S110)。ステップS110の処理の詳細については既に説明したとおりである。
次に、BG補正の本計算処理(背景放射レベル補正と倍率補正処理)を行い(S111)、安定したセンサ出力データとして、以降の位置ずれ量を算出する演算処理に渡す。ここで、ステップS110〜S111は、BG補正処理である。
図25Fは、ステップS111のBG補正本計算のサブルーチンで、BG補正本計算処理を具体的に示すフロー図である。
即ち、背景放射レベル補正を行い(S601)、続いて既に説明した計算式に基づき倍率補正を行う(S602)。
本実施形態では、BG補正の処理のフローチャートのS102において、キャリッジ5を用紙31上で移動させ、キャリッジ5に搭載されているパターン読取センサ30で、用紙31上の特定の箇所でキャリブレーションを実施する。具体的には、受光素子であるフォトトランジスタ(Ptr)で検知する無地(白紙)表面の電位、つまりセンサ出力値が、目標値4V±0.2Vの出力電圧範囲内になるように、LED等のセンサ光源の光量をPWM値で調整することで行う。ここで、前記特定の箇所は、紙上の定点1箇所でも、用紙とセンサが相対移動して取得できる複数箇所でもよい。複数箇所の場合は、その平均値を基に光量調整を行う。
キャリブレーションにおける4Vの調整は、例えばPI制御を用いるなどしてPWM最適値を目指すのが好適である。
求められたPWM最適値でLEDを発光し、その反射光を受光する。ここでは、受光する反射光を仮に拡散反射光とする。この拡散反射光によるセンサ出力が目標値4V±0.2Vに収束しない場合は、目標値との差を縮めるように、PWM値を調整して再び最適値を目指す。これを繰り返す「ループ動作」を行うことにより、目標値へ収束させる。このようにして各紙種において出力が4Vになるように調整する。
しかし、このループ動作を繰り返しても目標値(PWM最適値)に収束しない場合がある。それは、普通紙や再生紙、光沢紙等とは表面性が大きく異なるトレーシングペーパーやマッドフィルム紙、OHP(Over Head Projector)シートなどの場合である。
これらの紙種は、拡散反射光量が大きく低下する。その理由としてトレーシングペーパーやマッドフィルム紙は光透過率が高いため、またOHPシートは鏡面反射率が高いためである。
したがって、これらの紙種でも拡散反射光で4Vに調整できるように、前記ループを所定回数、例えば10回繰り返しても目標値に収束しない場合は、センサ出力の倍率を上げる「倍率上昇動作」を行い、拡散反射光出力を増やすようにする。これによりトレーシングペーパーやマッドフィルム紙などの光透過率の高い用紙31でも4Vの出力を得ることができる。
しかし、OHPシートなどの鏡面反射率の高い用紙31の場合は、倍率上昇動作をしても拡散反射出力はほとんど増えない。そこで、これに対応するため、倍率上昇動作を実施後、目標値(PWM最適値)を目指すループ動作を所定回数、例えば10回繰り返しも収束しない場合は、キャリブレーション対象が鏡面反射率の高い用紙31と推定し、拡散反射受光手段による拡散反射受光から正反射受光手段による正反射光受光に切り替える「切替え動作」を実施する。切替え動作実施後ループ動作を繰返し、4Vに調整できるようにする。
鏡面反射率が高い用紙の場合は、正反射光量が多いので倍率上昇動作は不要である。しかし、正反射光受光への切替え前のときと同様に、切替え後に、ループ動作を所定回数、例えば10回繰返しても目標値に収束しない場合は、前記と同様に倍率上昇動作を行う構成にして、紙種対応力を保持するようにしてもよい。
ここで、もし、正反射光受光に切替え後に倍率上昇動作も行ってLEDが飽和している状態にして、それにも関わらず、出力が低い場合は、パターン読取センサ30の故障とみなして故障の通知をする。
本実施形態では、拡散反射光での調整を最初に行い、調整仕切れない場合に正反射光に切り替えている。しかし、この切替え順序は逆でもよく、まず、正反射光での調整を最初に行い、その後、拡散反射光に切り替える仕組みでもよい。また、以上で説明したように、印字位置ずれ検出自動調整動作の最初に、センサキャリブレーション動作を行う。
次に、本実施形態のセンサキャリブレーション動作を利用して紙種を判定する方法について説明する。
(i)PWM値のみで紙種判定する方法(第1の紙種判定方法)
この紙種判定方法では、まず前記キャリブレーションを行う。次に紙全体をスキャンして、そのセンサ出力値の平均値を求める。以上で求めた平均値を用いて、紙全体をスキャンしたセンサ出力値と比較して、同じ値もしくは平均値付近の値の位置を検出して、その検出した位置で再度キャリブレーションを行う。
ところで、紙には、普通紙と比べて反射光量の多い光沢紙や、反射光量の少ないトレーシングペーパーやマッドフィルム紙など、紙種別に表面性(光透過性)の差異がある。したがって、センサ出力を4Vにするためには、光透過性に応じて光沢紙は相対的にLED光量が少なくなり、トレーシングペーパーでは相対的にLED光量が多くなる。この差異を利用して、例えばLED光量を調整する電流値を調整値、ここではPWM値で制御する場合には、そのPWM値を用いて紙種を判定することができる。
そのためには、まずPWM値と紙種を対応付けた情報、例えば対応付けたテーブル(ここでは、紙種テーブルという)を持つことが必要である。これにより、決定したPWM出力決定値(指令値)から紙種を判定することができる。
図26は、紙種テーブルを用いて紙種を判定する処理手順の一例を示すフロー図である。
即ち、図25Bに関連して既に説明したように、キャリブレーションスタート後、LEDの光源発光を行う(S701)。次に、センサ出力値の判定を行い(S702)、センサ出力値が所定の出力電圧範囲内と判定すれば(S702、YES)、キャリブレーションを終了する。つまり、調整を完了する(S704)。ステップS702で、センサ出力値が所定の出力電圧範囲内でなければ(S702、NO)、光量の再調整を行う(S703)。具体的にはPWM値を変更して、ステップS701からの処理を出力値が所定の出力電圧範囲内と判定するまで繰り返す。
調整が完了すれば(S704)、調整が完了したときの、PWM出力決定値「1100」を抽出し(S705)、この決定値「1100」を基に、紙種テーブルを参照して紙種を判定する(S706、YES)、その判定結果から、ここでは、紙種を「普通紙」と判定し、紙種を自動設定する(S707)。
つまり、調整が完了してPWM出力の決定値が「1100」となった場合は、紙種テーブルから普通紙であることが判定され、紙種が自動的に「普通紙」に設定される。以上が第1の紙種判定方法である。
紙種は、基本的には第1の紙種判定方法の図26の処理手順にしたがって紙種テーブルに基づき設定することが出来る。
しかし、例えば、一般にはPWM値が1800〜2000とされているトレーシングペーパーにも様々な紙があり、PWM値が1700になってしまうものもある。その場合、前記紙種テーブルを用いると、紙種は、一般にPWM値が1800〜2000とされているマッドフィルムと判定することになる。
そこで、第2の紙種判定方法では、以下で説明するPWM値の標準偏差の値と紙種の対応付けた情報を有する紙種テーブルを用いて紙種を判定する。また、例えば、第1の紙種判定方法と併用することで、トレーシングペーパーについてより精度良く紙種を判定するようにしている。
(ii)PWM値の標準偏差を用いて紙種を判定する方法(第2の紙種判定方法)
以下、第2の紙種判定方法について説明する。
紙を1回スキャン(走査)した際に、紙全体のPWM出力決定値の変動量は紙によって相違する。そこで、本実施形態では、下記標準偏差の式(数2)を用いてPWM出力決定値(x,x・・・x)の標準偏差を求め、図27(紙種とPWM値の標準偏差値σとを対応付けた情報を有する紙種テーブルを示す図)に示す紙種テーブルを参照して紙種判定を行う。ここで、判定した紙種を自動的に設定する。
Figure 0006364806
標準偏差値は、図27に示すように紙種毎に相違している。
即ち、例えば、光沢紙では、標準偏差値は、最低0.5〜最高1.3の範囲であり、普通紙は、最低1.3〜最高1.6の範囲である。
図28は、縦軸にPWM出力決定値の標準偏差値を、又横軸に紙種をとって示したグラフである。
図29は、PWM出力決定値の標準偏差値が相対的に高い紙(ここでは、トレーシングペーパー)を、縦軸にPWM値、横軸に紙の位置を取ってその波形を示したグラフである。
図30は、PWM出力決定値の標準偏差値が相対的に低い紙(マッドフィルム)を、縦軸にPWM値、横軸に紙の位置を取ってその波形xdを示したグラフである。
このようにPWM出力決定値の標準偏差値は、紙種によって異なるため、これを紙種毎のPWM出力決定値に基づく前記紙種テーブルと併用することで、紙種をより精度高く判定することができる。
次に、紙種の第3の紙種判定方法について説明する。
(iii)光量の調整(再調整)を繰り返し、キャリブレーションが終了する、つまりセンサ出力の目標値を得るまでの、光量調整ループ回数(光量調整数)をカウントする方法(第3の紙種判定方法)
第3の紙種判定方法としては、図26におけるステップS703の「光量の再調整」を繰り返し、キャリブレーションが終了するまでの光量調整ループ回数をカウントする方法がある。
これは、光沢紙や普通紙は表面性が安定しており、反射光量のばらつきが小さいことから、ループ回数が相対的に少なく収束し易いこと(図31)、及び、これに対してトレーシングペーパーは、表面性として透きムラが多く、反射光量のばらつきが大きいことから、光量調整ループ回数を相対的に多くないと収束し難いこと(図32)、を利用している。
ここで、図31は、縦軸にPWM値を、横軸に普通紙の光量再調整回数(又は再調整時間)をとって示したグラフである。また、図32は、縦軸にPWM値を、横軸にトレーシングペーパーの光量再調整回数(又は再調整時間)をとって示したグラフである。また、図33は、紙種と光量調整(ループ)回数(回)を関連付けた情報を有する紙種テーブルを示す図である。
ここで、光量調整(ループ)回数と、図33の光量調整回数と紙種とを関連付けた情報を有する紙種テーブルの情報に基づき紙種を自動判定することができる。
また、図34は、キャリブレーションの実行フロー中にPWM値が飽和したときに、飽和状態を越えた受光出力倍率(又は感度)をアップ(調整)することが出来る「倍率レジスタ」を、光電変換回路521に組み入れた場合の、キャリブレーションの処理手順を示すフロー図である。
ここでは、まず、再調整回数を1にセットして(S801)、LED等の光源の発光を行う(S802)。この光源の発光に伴うセンサ出力値を取得すると(S803)、次に、センサ出力値が所定値(即ち4V±0.2V)か否か判定する(S804)。センサ出力値が所定値であれば(S804、YES)、その調整値(PWM値)を保存して(S805)、キャリブレーションを終了する。
センサ出力値が所定値でなければ(S804、NO)、次に、再調整回数が10回を超えているか否か判定する(S806)。ここで、再調整回数が10回を超えていなければ(S806、NO)、再調整回数を1回増やして(S807)、PWM値即ち発光光源の光量の再調整を行い(S808)、ステップS802からの処理を繰り返す。
再調整回数が10回を超えていれば(S806、YES)、PWM値が飽和しているか否か判定し(S809)、PWM値が飽和していなければ(S809、NO)、再調整回数が所定値、ここでは30回未満であれば(S810、NO)、再調整回数に1を加え(S807)、PWM値の再調整を行い(S808)、再びステップS802からの処理を繰り返す。
ステップS809でPWN値が飽和していれば(S809、YES)、倍率レジスタの倍率アップ、つまり受光出力倍率を既にアップしたか否か判定する(S811)。ここで、受光出力倍率アップ済みでなければ(S811、NO)、受光出力倍率をアップし(S812)、再調整回数を1に戻して(S813)、ステップS802からの処理を繰り返す。
ステップS810において、再調整回数が30回を超えたとき(S810、YES)、及びステップS811において、既に発光出力倍率がアップ済みであるときは(S811、YES)、キャリブレーションの失敗処理を行い(S814)、処理を終了する。
以上で説明した本実施形態のキャリブレーションにおいて、普通紙や光沢紙は、PWM値が飽和せずにキャリブレーションが完了する。しかし、トレーシングペーパーやマッドフィルムなど光透過性の大きい用紙は、収束し切れずにPWM値が飽和状態に達する。そのため、前記倍率レジスタをアップ(アップ)することでセンサ出力倍率をアップし、キャリブレーション収束が可能になるようにしている。このようにして、低い反射光量の増加に対応している。
この場合、倍率レジスタが倍率アップするかどうかで、光透過性の高い用紙か、低い用紙を示すことになるので、このことを利用して、プレ補正(ここではBG補正)が必要か否かを判定することができる。
また、各々の倍率レジスタアップ状態での光量調整回数をカウントすれば、この光量調整(ループ)回数と、図35に示すアップ回数カウント値と紙種を対応付けた紙種テーブルを比較して、即ち、紙種テーブルの情報に基づき紙種を自動判定することができる。なお、図35は、倍率レジスタの状態を「通常」と「倍率アップ;アップ」の状態に分け、各紙種(光沢紙、普通紙、再生紙、マッドフィルム紙、トレーシングペーパー等)と、通常状態におけるループ回数の最小値(min)と最大値(max)、アップ状態における光量再調整(ループ)回数の最小値(min)と最大値(max)とを対応付けて示したテーブルを示す図である。
なお、ここで、倍率レジスタ及びそのアップ(アップ)切替手段は、本発明の発光部の受光部の出力倍率を調整する調整部を構成する。
以上で説明した実施形態では、キャリブレーション機能を流用して、紙種を自動判定し、紙種設定をすることができる。位置ずれ検出自動調整制御は、普通紙や光沢紙など表面反射率の高い用紙で調整する場合と、トレーシングペーパーやマッドフィルム紙など表面反射率の低い用紙で調整する場合とで、補正制御が一部異なる。具体的にはトレーシングペーパーなどでは、プレ補正としてBG補正を実施している。
このように紙種を正しく確実に設定することができることで、トレーシングペーパーに対してはBG補正を実施して所定の調整精度を得ることができる。また普通紙では、BG補正を実施せずにダウンタイムを増やさずに所定の調整時間を得ることができる。
また、位置ずれ検出自動調整動作では、パターン印字やパターン検知(センシング)動作を行うため、ヘッドは維持ユニットに保護されていない状態にある。そのため、紙種を誤って、例えば、普通紙をトレーシングペーパーと設定すると、本来不要なプレ補正(BG補正)動作が行われる。そのため、ヘッドが乾燥しやすくなる。そこで、この誤設定を回避できれば、ヘッド乾燥保護の効果も得られる。
(iv)次に、正反射光を利用して紙種判定を行う方法(第4の紙種判定方法という)について説明する。
図36は、第4の紙種判定方法の処理手順を示すフロー図である。
第4の紙種判定方法の処理手順を、図36に示すフロー図を参照して説明する。
この紙種判定方法では、キャリブレーションスタート後、LEDの光源発光を行い(S901)、その拡散反射光でのセンサ出力値の判定を行う(S902)。センサ出力値が所定の出力電圧範囲内であれば(S902、YES)、キャリブレーションを完了する。センサ出力値が所定の出力電圧範囲内でなければ(S902、NO)、LED等のセンサ光源の光量の再調整を行う(S903)。その回数が所定回数、ここでは10回以下であれば(S903、NO)、光量の再調整を行い(S904)、ステップS901以下の処理を所定回数、例えば10回まで繰り返す。その間にセンサ出力値が所定の出力電圧範囲内にならず(S902、NO)、この光量再調整回数が所定回数、つまり10回を超えたときは(S903、YES)、PWM値飽和判定を行う(S905)。ここで、飽和と判定したときは(S905、YES)、倍率レジスタをアップに切り替える(S906)。
次に、拡散反射出力判定から正反射出力判定に切り替えて出力判定を行う(S907)。ここで、そのPWM値が400以上であれば(S907、PWM値400以上)、PWM飽和と判定し(S908)、続いて正反射収束結果を確認する(S909)。次に、紙種テーブルを参照して紙種を判定し(S910)、ここで収束OKであればOHPシートと判定して紙種を自動設定する(S911)。
ステップS911で収束NOであれば、キャリブレーション失敗と判定する(S912)。また、ステップS908でPWM値が400未満であれば(S908、PWM値400未満)、センサ故障と判定する(S913)。
即ち、図36に示すように、倍率アップしても拡散反射で収束しない場合は、正反射光のPWM値を確認して400未満であればセンサ故障と見なす。また、キャリブレーションが終了し、正反射光の収束の確認を行い、紙種テーブルを参照して、収束している場合はOHPシートを判定して、自動設定を行う。収束しなかった場合は、キャリブレーション失敗と判定する。
(v)光透過性が高いか低いかで紙種判定する方法(第5の紙種判定方法という)及び、BG補正の有無の判定について説明する。
図37は、キャリブレーションのフロー中に、PWM値が飽和したときに飽和状態を越えた受光出力倍率をアップさせることが出来る「倍率レジスタ」を組み入れた構成における、第5の紙種判定方法の処理手順を示すフロー図である。
第5の紙種判定方法の処理手順を図37に示すフロー図を参照して説明する。
即ち、第5の紙種判定方法では、キャリブレーションスタート後、LEDの光源発光を行い(S1001)、出力値の判定を行う(S1002)。センサ出力値が所定の出力電圧範囲内であれば(S1002、YES)、キャリブレーションを終了する。センサ出力値が所定の出力電圧範囲内でなければ(S1002、NO)、LED等のセンサ光源の光量を再調整する(S1003)。その再調整回数が所定回数、ここでは10以下であれば(S1003、YES)、ステップS1001以下の処理を10回まで繰り返す。光量再調整回数が10回を超えたときは(S1003、NO)、PWM値飽和判定を行う(S1005)。ここで、飽和と判定したときは(S1005、YES)、倍率レジスタをアップに切り替えて(S1005)、ステップS1001に戻る。
ステップS1005において、PWM値飽和(判定)していなければ(S1005、NO)、後に倍率レジスタ値を確認し(S1007)、紙種テーブル参照判定を行い(S1008)、ここで、倍率レジスタ値が1(倍率レジスタアップ有り)であれば、光透過性の大きい用紙でBG補正有りと判定する(S1009)。ステップS1009において、倍率レジスタ値が0(倍率レジスタアップなし)であれば、光透過性の小さい用紙でBG補正なしと判定する(S1011)。
即ち、普通紙や光沢紙はPWM値が飽和せずにキャリブレーションが完了する。しかし、トレーシングペーパーやマッドフィルム紙など光透過性の大きい用紙は、収束しきれずに飽和状態に達してしまう。そのため、前記倍率レジスタをアップすることで受光出力倍率をアップし、キャリブレーション収束が可能になるようにしている。このようにして、低い反射光量の増加に対応している。
この場合、倍率レジスタ値が1か0かを確認することで、光透過性の高い用紙(光沢紙、普通紙、再生紙)か、低い用紙(マッドフィルム紙、トレーシングペーパー)を判定することができる。
本実施形態では、この判定結果を利用してさらにBG補正が必要か否かを判定する。即ち、上述のように、倍率レジスタ値が1であれば、普通紙や再生紙、光沢紙などと判定して、BG補正無しで印字位置ずれ検出自動調整を行う。倍率レジスタ値が0であれば、トレーシングペーパーやマッドフィルム紙などと判定して、BG補正有りで印字位置ずれ検出自動調整を行う。
以上説明したように、本実施形態によれば、キャリブレーション機能を流用して、紙種を自動判定し、紙種設定をすることができる。
印字位置ずれ検出自動調整制御は、普通紙や光沢紙など表面反射率の高い用紙で調整する場合と、トレーシングペーパーやマッドフィルム紙など低い用紙で調整する場合とで、補正制御が一部異なっている。具体的にはトレーシングペーパーなどではプレ補正即ちBG補正を実施する。
したがって、本実施形態では紙種を正しく確実に設定し、例えば、トレーシングペーパーに対しては、BG補正を実施して所定の調整精度を得ることができる。また普通紙に対しては、BG補正を実施せずに、したがってダウンタイムを増やさずに所定の調整時間を得ることができる。
また、印字位置ずれ検出調整動作では、パターン印字やパターン検知動作をするため、記録ヘッドが維持ユニットに保護されていない状態にある。そのため、紙種を誤って、普通紙を例えばトレーシングペーパーとして設定すると、本来必要がなくてもプレ補正動作が必要と判定され、ヘッドが乾燥し易くなる。本実施形態では、この誤設定を回避できるため、ヘッド乾燥保護の効果も得られる。
次に、第6の紙種判定方法を説明する。
図36の第4の紙種判定方法の処理フローにおいては、倍率アップしても拡散反射で収束しない場合は、正反射光のPWM値を確認して400未満であればセンサ故障と見なす。
キャリブレーションが終了し、正反射光の収束を確認し、紙種テーブルを参照する。
収束している場合はOHPシートを判定して、自動設定を行う。収束しなかった場合は、キャリブレーション失敗と判定している。
しかし、前記拡散反射光のキャリブレーション後の出力値による紙種判定では単一の反射光を使用している。そのため、普通紙とコート紙やトレーシングペーパーとマッドフィルムといった出力値が近いと、読み取り時のばらつきにより出力値の逆転が起きる。
例えば図38に示すように、任意の紙をパターン読取センサ30と紙間が理想的な状態において検知したときの電圧値をV0とすると、実際の検知電圧はパターン読取センサ30−紙間の状態によりV0”からV0’まで変動すると考えられる。
この変動した場合の電圧値によりキャリブレーションを行うと、理想状態のV0の値でキャリブレーションを実施した場合と比較し、PWM値が異なってくるため上述の紙種テーブルの値が近い場合に異なった紙を選択してしまう場合がある。
そこで本実施形態は、上述の課題を解決するため、拡散反射と正反射光を組み合わせて使用することで、出力電圧値の近い紙種をより正確に判定するようにした。
即ち、本実施形態では、前記実施形態に加え、位置ずれ自動調整時に行うキャリブレーション機能を使って、紙種によってキャリブレーション後のPWM値が異なることを利用すると共に、拡散反射と正反射光の電圧差を利用することにより、高精度な紙種自動判定を行うことができる。
図39は、普通紙を検知しているときの拡散反射光の検知電圧値(実線)と正反射光の検知電圧値(太線)を示す図、図40は、コート紙を検知しているときの拡散反射光の検知電圧値(実線)と正反射光の検知電圧値(太線)を表す図である。
ここで正反射光をV1、拡散反射光をV2とすると図39に示すように普通紙検知時はV2>V1と拡散反射光の検知電圧値が正反射光より強く、またコート紙検知時はV1>V2と正反射光の検知電圧値が拡散反射光より強いことが分かる。
同様に、図41はトレーシングペーパー、図42はマッドフィルムの拡散反射−正反射検知時の出力値を、実線で拡散反射光の検知電圧値を、太線で正反射光の検知電圧値を示す。トレーシングペーパー検知時は、V1’>V2’であり、マッドフィルム検知時はV2’>V1’である。
この拡散反射−正反射検知時の出力値V1’、V2’の大小関係は、紙種により決まるため、拡散反射光のみのキャリブレーション時のPWM値で作成した前述の図36の紙種テーブルと組み合わせることにより、紙種テーブル上での設定値が近くばらつきにより検知電圧値が逆転が生じる可能性のある普通紙−コート紙、トレーシングペーパー−マッドフィルム等の紙種判定をより精度よく実施することができる。
図43は、第6の紙種判定方法の処理手順を示すフロー図である。
即ち、この紙種判定方法では、キャリブレーションスタート後、LEDの光源発光を行い(S1101)、その拡散反射光でのセンサ出力値の判定を行い、センサ出力値が所定の出力電圧範囲内か否か判定し(S1102)、センサ出力値が所定の出力電圧範囲内であれば(S1102、YES)、PWM値の判定を行う(S1103)。センサ出力値が所定の出力電圧範囲内でなければ(S1102、NO)、LED等のセンサ光源の光量を再調整するが、そこで再調整回数が所定回数、ここでは10回以下であれば(S1104、NO)、光量の再調整を行い(S1105)、ステップS1101に戻る。つまり、ステップS1101以下の処理を10回まで繰り返す。
ステップS1103において、PWM値が飽和していないと判定したときは(S1103、NO)、PWM値の出力値を決定する(S1106)。次に、決定したPWM値の出力値に基づき、拡散反射と正反射でのセンサ出力値(電圧)の大小を比較判定し(S1107)、紙種テーブル判定値及び出力差判定値の判定を行い(S1108)、その結果に基づき紙種判定を行い(S1109)、処理を終了する。
ステップS1103において、PWM値が飽和していると判定したときは(S1103、YES)、再調整回数が所定回数、ここでは10回を超えているか否か判定し(S1110)、ここで、再調整回数が10回を超えていれば、つまり再調整回数が10回を超えたことを条件に(S1110、YES)、倍率レジスタをアップに替えて(S1111)、ステップS1101に戻る。
ステップS1110で、再調整回数が10回以下であるときは(S1110、NO)、光量の再調整を行い(S1105)、ステップS1101に戻る。
また、ステップS1104において、再調整回数が10回を超えたときは(S1104、YES)、この処理を終了する。
次に、本発明の別の実施形態に係る記録媒体種別判定システムについて説明する。この記録媒体種別判定システムは、画像形成装置と、外付けサーバ(DFE、Digital Front End)からなり、紙種判定を行う紙種判定部は、画像形成装置ではなく、これと接続された外付けサーバ(DFE)に搭載されている。
つまり、この記録媒体種別判定システムでは、以上で説明した紙種判定処理を画像形成装置100aではなく外付けサーバで行う。
図44は、別の実施形態の記録媒体種別判定システムに係るハードウエア構成図、つまり、画像形成装置100aと外付けのサーバ(DFE)150から成る記録媒体種別判定システム200のハードウエア構成図である。
図44において、図1と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。
画像形成装置100aとDFE(サーバ)150は、例えばネットワーク201を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク201は、社内のLAN、LAN同士を接続したWAN、若しくは、インターネット、又は、これらを組み合わせたものである。
図45は、図44に示す記録媒体種別判定システムの機能ブロック図である。
図45に示す記録媒体種別判定システム200では、画像形成装置100aが補正パターンの形成及びパターン読取センサ30による補正パターンの走査を行い、外付けのサーバ(DFE)150がパターン読取センサ30の出力を取得して紙種判定のための処理を行う。したがって、画像形成装置100aの処理負荷を低減でき、サーバであるDFE150に紙種判定機能を集約することができる。
図45中、外付けサーバ150は、それぞれバスで相互に接続されているCPU51、ROM52、RAM53、記憶媒体装着部54、通信装置55、入力装置56、及び、記憶装置57を有する。CPU51は、OS(Operation System)、及び、プログラムを記憶装置57から読み出して、RAM53を作業メモリにして実行する。このプログラムは、液滴吐出タイミングの補正値を算出する処理を行う。
RAM53は、必要なデータを一時保管する作業メモリ(主記憶メモリ)である。ROM52には、BIOSや初期設定されたデータ、ブートストラップローダ等が記憶されている。記憶媒体装着部54は、可搬型の記憶媒体320を装着するインタフェースである。
通信装置55は、LANカードやイーサネット(登録商標)カードと呼ばれ、ネットワーク201に接続して、画像形成装置100aの外部I/F311と通信する。なお、画像形成装置100aには、少なくともサーバ150のIPアドレス又はドメイン名が登録されている。
入力装置56は、キーボード、マウスなど、ユーザの様々な操作指示を受け付けるユーザインタフェースである。タッチパネルや音声入力装置を入力装置とすることもできる。
記憶装置57は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発メモリを実体とし、OS、プログラム等を記憶している。プログラムは、記憶媒体に記録された状態又はネットワークなどを介して他のプログラム提供手段からダウンロードされる態様で配布される。
画像形成装置100a側の紙種判定処理機能は、印字前後のn回スキャン機能のみ有し、紙種判定機能、前記前処理機能及びBG補正処理機能は外付けサーバ150側が有する。外付けサーバ150側の紙種判定機能は、そのCPU51にプログラムを読み取らせて形成される紙種の判定部で実行する。
即ち、本記録媒体種別判定システム200では、画像形成装置100a側のn回スキャン部が印字前と印字後の補正パターンについてのn個のセンサ出力データをサーバ150に送信する。サーバ150は、送信された前記n個のセンサ出力データに基づき、既に説明した実施形態に係る画像形成装置100で行っていた、補正パターン印字前の同期化処理、平均化処理、フィルタ処理、補正パターン印字後の同期化処理、平均化処理、BG処理、及び紙種の判定処理を行う。
各処理内容は、既に説明したとおりであるのでその説明を援用する。
以上説明したように、本記録媒体種別判定システムは、画像形成装置100aとサーバ150により紙種判定を自動で行うことができる。
なお、以上の説明では用紙の紙種を判定するものとして説明したが、本発明はこれに限定されず、用紙を含め記録媒体一般の種別判定に適用することができる。
したがって、本発明は、記録媒体の種別判定が可能な画像形成装置、記録媒体種別判定システム及び記録媒体種別判定方法を包含する。
1・・・ガイドロッド、2・・・副ガイド、3・・・左側板、4・・・右側板、5・・・キャリッジ、7・・・駆動プーリ、8・・・主走査モータ、9・・・タイミングベルト、10・・・ベルト保持部、11・・・副ガイド受け部、12・・・従動プーリ、21、22、23、24・・・記録ヘッド、26・・・維持機構、30・・・パターン読取センサ、31・・・用紙、41・・・エンコーダシート、42・・・エンコーダセンサ、60・・・カートリッジ、70・・・本体フレーム、100、100a・・・画像形成装置、140・・・搬送ベルト、150・・・サーバ、200・・・記録媒体種別判定システム、301・・・CPU、310・・・主制御部、312・・ヘッド駆動制御部、313・・・主走査駆動部、400・・・調整パターン、501・・・調整パターン形成/読取制御手段。
特開2008−229915号公報

Claims (9)

  1. 記録媒体上に光を照射する発光部と、
    前記発光部によって光を照射した際の、前記記録媒体からの反射光を受光し出力値を出力する受光部であって、拡散反射受光手段と正反射受光手段を有する受光部と、
    記受光部から出力される出力値を所定の値にするために、前記発光部の光量を調整する調整値又は前記調整値に加えて受光部の出力倍率を調整する調整部と、
    前記出力値が所定の値になったときの前記調整値と、前記調整値に基づいて光を照射した際の前記拡散反射受光手段の出力値と、当該調整値に基づいて光を照射した際の前記正反射受光手段の出力値と、に基づき、記録媒体種別を判定する判定部と、
    を有する画像形成装置。
  2. 記録媒体上に光を照射する発光部と、
    前記発光部によって光を照射した際の、前記記録媒体からの反射光を受光し出力値を出力する受光部と、
    前記受光部から出力される出力値を所定の値にするために、前記発光部の光量を調整する調整値又は前記調整値に加えて受光部の出力倍率を調整する調整部と、
    前記受光部の出力値が所定の値であるときの調整値を複数回取得し、前記複数の調整値の標準偏差値を算出する手段と、
    記録媒体種別と前記標準偏差値とを対応付けた情報を用いて記録媒体種別を判定する判定部と、
    を有する画像形成装置。
  3. 記録媒体上に光を照射する発光部と、
    前記発光部によって光を照射した際の、前記記録媒体からの反射光を受光し出力値を出力する受光部と、
    前記受光部から出力される出力値を所定の値にするために、前記発光部の光量を調整する調整値又は前記調整値に加えて受光部の出力倍率を調整する調整部と、
    前記出力値が所定の値になるまでに前記調整値を変更して行った光量調整回数をカウントするカウント部と、
    前記カウント部によるカウント値と、当該カウント値と記録媒体種別とを対応付けた情報と、に基づいて記録媒体種別を判定する判定部と、
    を有する画像形成装置。
  4. 請求項3に記載された画像形成装置において、
    前記調整値を変更して光量の調整を所定回数行った後、前記出力値が所定の値にならないときに、前記調整部は、光量調整用の調整値が飽和したことを条件に前記受光部の出力倍率を調整する画像形成装置。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記受光部の受光手段を拡散反射受光手段から正反射受光手段に、又はその逆に切り替える手段を有する画像形成装置。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記発光部及び受光部は、印字の位置ずれ調整のため、前記記録媒体に作成された補正パターンを検出するためのセンサを構成する画像形成装置。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載された画像形成装置において、
    前記記録媒体に位置ずれ調整用の調整パターンを形成する調整パターン形成手段と、
    前記受光部の出力データを補正処理する補正処理手段を有し、
    前記受光部は、前記調整パターンを読み取り、出力データを出力し、
    前記補正処理手段は、前記出力データから前記記録媒体領域以外の出力データを取り除きかつ前記出力データの出力値の振幅を揃える補正を行い、
    前記判定部は、判定した記録媒体種別に基づき、前記補正処理手段による補正処理を行うか否かを判定する画像形成装置。
  8. 互いに通信可能に接続された画像形成装置とサーバからなる記録媒体種別判定システムであって、
    前記画像形成装置は、記録媒体上に光を照射する発光部と、前記発光部によって光を照射した際の、前記記録媒体からの反射光を受光し出力値を出力する受光部と、を有し、
    前記サーバは、前記受光部から出力される出力値を受信して前記出力値を所定の値にするために、前記発光部の光量を調整する調整値又は前記調整値に加えて受光部の出力倍率を調整する調整部と、
    前記出力値が所定の値になるまでに前記調整値を変更して行った光量調整回数をカウントするカウント部と、
    前記カウント部によるカウント値と、当該カウント値と記録媒体種別とを対応付けた情報と、に基づいて、記録媒体種別を判定する判定部と、
    を有する記録媒体種別判定システム
  9. 記録媒体上に発光部で光を照射する発光工程と、
    前記発光部によって光を照射した際の、前記記録媒体からの反射光を受光部で受光し出力値を出力する受光工程と、
    前記受光部から出力される出力値を所定の値にするために、前記発光部の光量を調整する調整値又は前記調整値に加えて受光部の出力倍率を調整する調整工程と、
    前記出力値が所定の値になるまでに前記調整値を変更して行った光量調整回数をカウントするカウント工程と、
    前記カウントされたカウント値と、当該カウント値と記録媒体種別とを対応付けた情報と、に基づいて、記録媒体種別を判定する判定工程と、
    を有する記録媒体種別判定方法
JP2014029396A 2013-02-27 2014-02-19 画像形成装置、記録媒体種別判定システム及び記録媒体種別判定方法 Active JP6364806B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014029396A JP6364806B2 (ja) 2013-02-27 2014-02-19 画像形成装置、記録媒体種別判定システム及び記録媒体種別判定方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013037448 2013-02-27
JP2013037448 2013-02-27
JP2014029396A JP6364806B2 (ja) 2013-02-27 2014-02-19 画像形成装置、記録媒体種別判定システム及び記録媒体種別判定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014193603A JP2014193603A (ja) 2014-10-09
JP6364806B2 true JP6364806B2 (ja) 2018-08-01

Family

ID=51839227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014029396A Active JP6364806B2 (ja) 2013-02-27 2014-02-19 画像形成装置、記録媒体種別判定システム及び記録媒体種別判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6364806B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6429395B2 (ja) * 2015-09-29 2018-11-28 富士フイルム株式会社 インクジェット印刷装置及びインクジェット印刷制御方法
JP6711129B2 (ja) * 2016-05-18 2020-06-17 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置、及び液体吐出方法
JP6803159B2 (ja) * 2016-06-29 2020-12-23 株式会社沖データ 画像形成装置
JP2019082433A (ja) 2017-10-31 2019-05-30 エイチピー プリンティング コリア カンパニー リミテッド 画像形成装置及び厚み判定方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4543371B2 (ja) * 2004-03-29 2010-09-15 セイコーエプソン株式会社 プリンタ制御装置及びプリンタ並びにプリンタ制御方法
JP4433853B2 (ja) * 2004-03-30 2010-03-17 セイコーエプソン株式会社 媒体判別装置、媒体判別方法、印刷装置、プログラム及び印刷システム
JP4290131B2 (ja) * 2004-03-31 2009-07-01 キヤノン株式会社 記録媒体識別装置および記録装置
JP2006044039A (ja) * 2004-08-04 2006-02-16 Seiko Epson Corp 印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷パターンの印刷方法
JP4590231B2 (ja) * 2004-08-30 2010-12-01 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP4345700B2 (ja) * 2005-03-29 2009-10-14 ブラザー工業株式会社 画像記録装置
JP2007069430A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Canon Inc プリンタ
JP2007245428A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Canon Inc 記録装置及び濃度検出方法
JP2010162909A (ja) * 2010-05-07 2010-07-29 Seiko Epson Corp 印刷動作状態判定用光学式センサ、印刷装置及び印刷動作状態判定方法
US20120139985A1 (en) * 2010-12-03 2012-06-07 Powers Thomas F Printer for determining paper type using transmittance
JP5998468B2 (ja) * 2011-02-24 2016-09-28 株式会社リコー 画像形成装置、パターン位置決定方法、画像形成システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014193603A (ja) 2014-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6119218B2 (ja) 画像形成装置、プログラム、画像形成システム
US7914096B2 (en) Image forming apparatus, landing position shift correction method, and landing position shift correction sheet member
JP5962000B2 (ja) 画像形成装置、パターン位置決定方法、画像形成システム
JP5091693B2 (ja) 画像形成装置
US7279695B2 (en) Edge position detecting apparatus and method, and program
US9290028B2 (en) Image forming apparatus, pattern position determining method, and image forming system
US9039118B2 (en) Method and apparatus for determining pattern position and image forming system including the same
US7712739B2 (en) Conveying apparatus, inkjet recording apparatus, and method for controlling conveyance
JP6364806B2 (ja) 画像形成装置、記録媒体種別判定システム及び記録媒体種別判定方法
JP2009166398A (ja) 画像形成装置、着弾位置ずれ補正方法
JP5982938B2 (ja) 画像形成装置及び媒体端部判定方法
JP2014028463A (ja) 画像形成装置、パターン位置検出方法、画像形成システム、印刷物の生産方法
US8840221B2 (en) Image forming apparatus, pattern position determining method, and image forming system
JP6326793B2 (ja) 画像形成装置、画像位置ずれ調整方法及び画像位置ずれ調整プログラム
JP2009196752A (ja) 画像形成装置
JP2014054772A (ja) 画像形成装置、パターン位置検出方法、プログラム、印刷物の製造方法
JP7354698B2 (ja) 液体吐出装置、液体吐出方法、及びプログラム
JP5164723B2 (ja) 画像記録装置
JP5720136B2 (ja) 画像形成装置及びプログラム
JP5919771B2 (ja) 画像形成装置、パターン位置検出方法、画像形成システム
JP6241307B2 (ja) 印刷装置
JP6575210B2 (ja) 画像形成装置、画像形成装置の制御方法及び制御プログラム
JP2009297968A (ja) 画像形成装置及び着弾位置ずれ補正方法
JP2023062855A (ja) 画像形成装置
JP4914793B2 (ja) 画像形成装置、着弾位置ずれ補正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180618

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6364806

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151