JP2009196752A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】用紙センサの発光手段の劣化、搬送手段の状態の変化などによって用紙を正確に検出することができなくなる。
【解決手段】液滴を吐出する記録ヘッド4と、用紙11を搬送する搬送ベルト12と、用紙11の有無を検知する発光手段22及び受光手段23で構成される用紙センサ21と、用紙センサ21で用紙11を読取ったときのセンサ出力の測定結果に基づいて、センサ出力が所要の値に達するように発光手段22の発光輝度を調整する輝度設定回路213と、輝度設定回路213で調整された輝度で発光手段22を発光させ、搬送ベルト12を読取ったときのセンサ出力と用紙11を読取ったときのセンサ出力とに基づいて用紙11の有無を判別する基準値を設定する基準値設定回路212とを備えている。
【選択図】図6
【解決手段】液滴を吐出する記録ヘッド4と、用紙11を搬送する搬送ベルト12と、用紙11の有無を検知する発光手段22及び受光手段23で構成される用紙センサ21と、用紙センサ21で用紙11を読取ったときのセンサ出力の測定結果に基づいて、センサ出力が所要の値に達するように発光手段22の発光輝度を調整する輝度設定回路213と、輝度設定回路213で調整された輝度で発光手段22を発光させ、搬送ベルト12を読取ったときのセンサ出力と用紙11を読取ったときのセンサ出力とに基づいて用紙11の有無を判別する基準値を設定する基準値設定回路212とを備えている。
【選択図】図6
Description
本発明は画像形成装置に関し、特に光学センサからなる用紙検知手段を備える画像形成装置に関する。
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置(画像記録装置)としては、例えば、インクの液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを備え、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、インク滴を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
このような画像形成装置において、用紙を検知する用紙検知手段として発光手段(発光素子)と受光手段(受光素子)とで構成される光学センサ(反射型フォトセンサ)が用いられ、受光手段の出力レベルの差異により、用紙と搬送手段(搬送ローラや搬送ベルトなど)との出力レベルの差異を測定し、印刷開始位置や用紙幅などを検出するようにしている。
このような反射型フォトセンサによる検出精度を向上させるため、例えば特許文献1には、センサの受光手段の出力を測定して、測定結果に応じて基準電圧を設定することが記載されている。
特開2007−15396号公報
また、特許文献2には、発光手段の出力を定電流制御し、受光手段の出力を測定して、基準電圧を設定することが記載されている。
特開2007−91467号公報
また、特許文献3、4には、反射型フォトセンサを使用して搬送部の状態を管理することが記載されている。
特開2006−187990号公報
特開2006−103155号公報
上述したように反射型フォトセンサを使用する場合、発光手段の経時劣化や個々の発光手段の固体ばらつきがあること、センサが搬送手段に対向するときの受光手段の出力レベルと検出する用紙に対向するときの受光手段の出力レベルから用紙有無判別基準となる基準レベル(基準値)を設定していることから、発光手段の状態、搬送ローラや搬送ベルトの状態、用紙の状態で、検出精度が低下することになり、その結果、印刷開始位置がずれたり、搬送手段に対して液滴を着弾させたり、搬送手段の異常による影響で印刷に支障を生じるなどの課題がある。
また、センサや搬送ベルトの状態を管理しないと、センサがミストによって汚れ、検出レベルが低下した状態で使用することによって用紙検出ができなくなったり、あるいは、搬送ベルトに付着した紙粉やミストによる汚れ、擦れ等で搬送ベルトに異常が生じた場合に用紙の誤検知が発生し、用紙外(搬送ベルト上)に印字を行ってしまうという問題がある。搬送ベルトが汚れると用紙を汚してしまうことになるという課題もある。
本発明は上記の光学センサの経時劣化という課題に鑑みてなされたものであり、経年劣化による発光手段や搬送手段の変化による検出精度の低下を抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する記録ヘッドと、
用紙を搬送する搬送手段と、
前記用紙の有無を検知する発光手段及び受光手段で構成される光学センサと、
前記光学センサで前記用紙を読取ったときのセンサ出力の測定結果に基づいて、前記センサ出力が所要の値に達するように前記発光手段の発光輝度を調整する輝度調整手段と、
前記調整手段で調整された輝度で前記発光手段を発光させ、用紙外を読取ったときのセンサ出力と前記用紙を読取ったときのセンサ出力とに基づいて前記用紙の有無を判別する基準値を設定する基準値設定手段と、
を備えている構成とした。
液滴を吐出する記録ヘッドと、
用紙を搬送する搬送手段と、
前記用紙の有無を検知する発光手段及び受光手段で構成される光学センサと、
前記光学センサで前記用紙を読取ったときのセンサ出力の測定結果に基づいて、前記センサ出力が所要の値に達するように前記発光手段の発光輝度を調整する輝度調整手段と、
前記調整手段で調整された輝度で前記発光手段を発光させ、用紙外を読取ったときのセンサ出力と前記用紙を読取ったときのセンサ出力とに基づいて前記用紙の有無を判別する基準値を設定する基準値設定手段と、
を備えている構成とした。
ここで、前記搬送手段は前記用紙を搬送する搬送ベルトを備え、前記基準値設定手段は前記搬送ベルト全体について前記光学センサによる読取りを行い、得られたセンサ出力の内の最大値と前記用紙を読取ったときのセンサ出力とに基づいて前記基準値を設定する構成とできる。
また、前記光学センサを予め定めた輝度基準値の輝度で発光させたときのセンサ出力が予め定めたセンサ出力異常検出基準値以下であるときにはセンサ異常と判別する手段を備えている構成とできる。
また、前記搬送手段は前記用紙を搬送する搬送ベルトを備え、前記搬送ベルト全体について前記光学センサによる読取りを行い、得られたセンサ出力が予め定めたベルト異常検出基準値を超えているときにはベルト異常と判別する手段を備えている構成とできる。
本発明に係る画像形成装置によれば、光学センサで用紙を読取ったときのセンサ出力の測定結果に基づいて、センサ出力が所要の値に達するように発光手段の発光輝度し、調整された輝度で発光手段を発光させ、用紙外を読取ったときのセンサ出力と用紙を読取ったときのセンサ出力とに基づいて用紙の有無を判別する基準値を設定する構成としたので、センサの劣化、搬送手段の変化による検出精度の低下を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明を適用する画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概要について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同インクジェット記録装置の概略構成を示す平面説明図、図2は同じく正面説明図である。
このインクジェット記録装置は、図示しない左右の側板に横架した主ガイドロッド1及び従ガイドロッド2でキャリッジ3を保持し、主走査モータ5によって、駆動プーリ6と従動プーリ7間に渡したタイミングベルト8を介して主走査方向に移動走査する。
このインクジェット記録装置は、図示しない左右の側板に横架した主ガイドロッド1及び従ガイドロッド2でキャリッジ3を保持し、主走査モータ5によって、駆動プーリ6と従動プーリ7間に渡したタイミングベルト8を介して主走査方向に移動走査する。
このキャリッジ3には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド4a、4b(区別しないときは「記録ヘッド4」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド4は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド4aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド4bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
記録ヘッド4を構成する液体吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
一方、用紙11を搬送するために、用紙11を静電吸着して記録ヘッド4に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト12を備えている。この搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成し、周回移動しながら図示しない帯電ローラによって帯電(電荷付与)される。
この搬送ベルト12としては、1層構造のベルトでも良く、又は複層(2層以上の)構造のベルトでもよい。1層構造の搬送ベルトの場合には、用紙や帯電ローラに接触するので、層全体を絶縁材料で形成している。また、複層構造の搬送ベルトの場合には、用紙や帯電ローラに接触する側は絶縁層で形成し、用紙や帯電ローラと接触しない側は導電層で形成することが好ましい。
また、搬送ベルト12は、副走査モータ16によってタイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
そして、キャリッジ3の一側部には搬送ベルト12で搬送される用紙11を検知する光学センサとしての反射型フォトセンサからなる用紙センサ21が設けられている。反射型フォトセンサ(用紙センサ)21は、図3に示すように、発光手段(発光部、投光部)22と受光手段(受光部)23で構成されており、発光部22からの射出光(照射光)24を検出対象物(用紙11、搬送ベルト12)に照射し、検出対象物からの反射光25を受光部23で受光し、光量に基づいたレベルを出力(これを「センサ出力」又は「受光出力」という。)する構成となっている。ここで、発光部22から同レベルで射出光を照射した場合、図2及び図3(b)に示すようにセンサ21が用紙11に対向しているとき(用紙11を読取るとき)には、白素材の用紙11から反射光25が強くセンサ出力は高くなり、図1及び図3(a)に示すようにセンサ21が搬送ベルト12に対向しているとき(搬送ベルト21を読取るとき)には、黒素材の搬送ベルト12からの反射光25が弱くセンサ出力は低くなるので、センサ出力のレベルの差異により用紙12の有無を検知することができる。
次に、このインクジェット記録装置の制御部の概要について図4の機能ブロック図を参照して説明する。
この制御部100は、輝度調整手段、基準値設定手段、異常判別手段などを兼ねた、装置全体の制御を司る、CPU、ROM、RAMなどで構成される主制御部101、RAM102、ROM103、印字制御部104、ホストI/F105、I/F106、107を含み、このインクジェット記録装置全体の制御を行うプリンタコントローラ100と、記録ヘッド4を駆動するヘッドドライバ111と、主走査モータ5及び搬送ローラ13を回転駆動する副走査モータ15を駆動するドライバ112と、給紙クラッチ16をON/OFFするドライバ113などを備え、主制御部101にはキャリッジ3の位置を検出するリニアエンコーダ及び搬送ベルト12の位置を検出するロータリエンコーダを含むエンコーダ115、前述した用紙を検知する用紙センサ21などの各種センサからの検知信号を入力する。
この制御部100は、輝度調整手段、基準値設定手段、異常判別手段などを兼ねた、装置全体の制御を司る、CPU、ROM、RAMなどで構成される主制御部101、RAM102、ROM103、印字制御部104、ホストI/F105、I/F106、107を含み、このインクジェット記録装置全体の制御を行うプリンタコントローラ100と、記録ヘッド4を駆動するヘッドドライバ111と、主走査モータ5及び搬送ローラ13を回転駆動する副走査モータ15を駆動するドライバ112と、給紙クラッチ16をON/OFFするドライバ113などを備え、主制御部101にはキャリッジ3の位置を検出するリニアエンコーダ及び搬送ベルト12の位置を検出するロータリエンコーダを含むエンコーダ115、前述した用紙を検知する用紙センサ21などの各種センサからの検知信号を入力する。
プリンタコントローラ100のI/F105を通じて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなのでの撮像装置などのホスト側からの印刷データ等がケーブルあるいはネットを介して受信される。RAM102は各種バッファ及びワークメモリ等として使用されて各種データが記憶される。ROM103には主制御部101によって実行する各種制御ルーチン、フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続きなどが記憶されている。印刷制御部104は記録ヘッド24への駆動波形を発生させる駆動信号発生回路を含み、ドットパターンデータ(ビットマップデータ)に展開された印字データ及び駆動波形等をI/F106を介してヘッドドライバ111に送出する。
主制御部101は用紙検出センサ117からの検出信号に基づいて給紙制御を行う。また、主制御部101はエンコーダ115の出力信号に基づいてキャリッジ3の主走査方向の位置を検出してキャリッジ3の停止位置制御を行い、また、用紙センサ31の検知信号に基づいて用紙の先端位置検知及び搬送ベルト12上での用紙の有無の検出を行う。
この主制御部101は、I/F105に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、この解析結果(中間コードデータ)をRAM102の所定のエリアに記憶し、記憶した解析結果からROM103に格納したフォントデータを用いて画像出力するためのドットパターンデータを生成し、RAM102の異なる所定のエリアに再び記憶する。なお、ホスト(データ処理装置)側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの記録装置に転送する場合には、単にRAM102に受信したビットマップの画像データを格納する。
そして、主制御部101は、記録ヘッド4の1行分に相当するドットパターンデータが得られると、この1行分のドットパターンデータを、発信回路からのクロック信号に同期してI/F106を介してヘッドドライバ111にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号をヘッドドライバ111に送出する。
次に、主制御部の輝度調整手段及び基準値設定手段を含むセンサ検出回路の一例について図5のブロック説明図を参照して説明する。
先ず、用紙センサ21は、LEDからなる発光部22とフォトトランジスタからなる受光部23で構成される。発光部22に対しては、OPアンプ26、ベース抵抗27、トランジスタ28及び接地抵抗29で構成される回路によって定電流制御を行い、また、受光部23を構成するフォトトランジスタは受光された輝度に対応したコレクト電流を発生する。
先ず、用紙センサ21は、LEDからなる発光部22とフォトトランジスタからなる受光部23で構成される。発光部22に対しては、OPアンプ26、ベース抵抗27、トランジスタ28及び接地抵抗29で構成される回路によって定電流制御を行い、また、受光部23を構成するフォトトランジスタは受光された輝度に対応したコレクト電流を発生する。
一方、主制御部101は、CPU201によって制御されるデジタル制御部203、デジタル制御部203で設定される用紙有無判別の基準値や輝度のデータを格納する不揮発性メモリ(NVRAM)202、用紙センサ21(反射型フォトセンサ)に対する入出力を行うアナログ制御部204を有している。
そして、用紙センサ21の受光部23からの出力(センサ出力)はアナログ制御部204のA/Dコンバータ221によってA/D変換されてデジタル制御部203のセンサ検出回路211、基準値設定手段としての基準値設定回路212、輝度調整手段を兼ねた輝度設定回路213に与えられる。センサ検出回路211は、入力されたセンサ出力と基準値設定回路212に設定された用紙有無判別用の基準値とを比較して用紙の有無を検出する。基準値設定回路212は、用紙有無判別の基準値を設定するとともに、センサ出力が基準値に達しているか否かを判別する。輝度設定回路213は、用紙センサ21の発光部22からの射出光の輝度を設定し、この輝度に応じた電圧がアナログ制御部204のD/Aコンバータ222でD/A変換されて上述した定電流制御回路のOPアンプ26に与えられる。
次に、この画像形成装置における主制御部による輝度調整及び基準値設定処理について図6に示すフロー図を参照して説明する。これらの処理は主制御部に格納されたプログラムによって実行される。
先ず、シーケンス(処理)を開始すると、輝度設定(調整)シーケンスを実行する。この輝度設定シーケンスでは、用紙センサ21が用紙11を検知可能な位置へキャリッジ3を移動し、搬送ベルト12を回転駆動して用紙センサ21による検出位置(検知位置)へ用紙11を搬送する。
先ず、シーケンス(処理)を開始すると、輝度設定(調整)シーケンスを実行する。この輝度設定シーケンスでは、用紙センサ21が用紙11を検知可能な位置へキャリッジ3を移動し、搬送ベルト12を回転駆動して用紙センサ21による検出位置(検知位置)へ用紙11を搬送する。
その後、輝度設定読取り回数を設定し、輝度を設定して、当該輝度で用紙センサ21の発光部22を発光させ、受光部23からのセンサ出力を測定する。このとき、測定したセンサ出力のレベルが用紙有無判別のレベルとして適切な出力レベルであるか否かを判別し、適切な出力レベルでなければ、適切な出力レベルとなるまで、輝度設定で輝度を調整(変更)しながら、各輝度について用紙センサ21のセンサ出力の測定を行う処理を繰り返す。
そして、センサ出力の出力レベルが適切な値になれば、そのとき設定している輝度の値を輝度設定値としてNVRAM202に記憶し、基準値設定シーケンスに移行する。
この基準値設定シーケンスでは、輝度設定シーケンスで設定された輝度設定値の輝度で用紙センサ21を発光させて用紙有無判別の基準値を設定する。まず、用紙センサ21が搬送ベルト12を読取り可能になるまで用紙12を搬送する。このときの状態を基準値設定シーケンスにおける搬送ローラ13(搬送ベルト12)の初期位置として内部に記憶する。
そして、キャリッジ3を移動させて、搬送ベルト12の一端に用紙センサ21を移動した後、キャリッジ3を搬送ベルト12の他端側へ移動走査しながら、用紙センサ21のセンサ出力を測定する。キャリッジ3の他端への移動完了後、搬送ベルト21を所定量移動させ、搬送ベルト12の上記記憶した初期位置になるまで、上述したキャリッジ3の走査と用紙センサ21のセンサ出力の測定を繰り返し実行する。これにより、搬送ベルト12全体について用紙センサ21からのセンサ出力が得られる。
次いで、搬送ベルト12全体についてのセンサ出力の測定結果のうちの最も出力の高いデータ(最大値のデータ)と用紙11を読取ったときのセンサ出力のデータから適切な基準値を算出し、算出した基準値を基準値設定値としてNVRAM202に記憶する。
これらの輝度調整及び基準値設定シーケンスは、再設定が必要になったときに適宜実行する。
このような処理を行うことによって、用紙センサ21が経時的に劣化して発光部22の輝度が低下したり、搬送ベルト12の表面状態が変化したりしていた場合でも、用紙センサ21の検出精度の低下を抑制することができる。
つまり、反射型フォトセンサからなる用紙センサ21を構成する発光部22の例えばLEDは、経年変化に伴って供給電流に対する発光特性の劣化による輝度の低下が生じ、輝度に対してセンサ出力が変化するために、輝度の低下によるセンサ出力の低下が生じる。
この場合、従前、発光手段の輝度の低下によって発生するセンサ出力低下による検出精度の低下に対して、基準値を低い値に設定することや受光側の出力をゲインアンプで増幅してセンサの精度を保つ制御を行っているが、出力の落ちた状態でスレッシュレベル(基準値)を下げる場合、GNDノイズによる影響で誤検出する可能性がある。また、ゲインアンプで出力を増幅する制御についても、GNDノイズを同時に増幅してしまうため、輝度低下前の精度を保つことは難しい。
例えば、図7(a)に示すように、LED(発光手段)劣化前の状態では、用紙を検出したときの受光部23の出力(センサ出力)のレベル(用紙検出レベル)、用紙外(搬送ベルト)を検出したときのセンサ出力のレベル(用紙否検出レベル)とは十分なレベル差があり、用紙有無判別の基準値のレベルは、GNDノイズの影響を受けないレベルに設定されている。
ここで、図7(b)に示すように、LED(発光手段)劣化によって輝度が低下し、用紙検出レベル、用紙否検出レベルが低下した場合、基準値レベルを下げると、基準値がGNDノイズレベルと近接することになり、誤検知の可能性が高くなる。また、ゲインアンプで出力を増幅した場合も、GNDノイズを同時に増幅してしまうことから、前記同様基準値がGNDノイズレベルと近接して誤検知の可能性が高まる。
そこで、本発明では光学センサのセンサ出力を測定し、出力測定結果が所定のレベル(例えば基準値)に達していないときには、発光手段から射出する射出光の輝度を調整するようにしているので、経年劣化による発光手段や搬送手段の変化による検出精度の低下を抑制できる。
この場合、従前からキャリッジを停止した状態で用紙外の測定を実施し、その時の受光出力の結果に応じて基準値を設定することが行われているが、用紙外の状態により、測定した箇所と測定していない箇所の出力が大きく異なる可能性があるため、基準値の精度に問題がある。例えば、図8に示すように、受光出力は用紙外(搬送ベルト)の状態に応じて変動するため、用紙外の一点の測定ポイントで測定を行って基準値を設定すると、用紙外の受光出力を下回る基準値が設定されるおそれがある。
そこで、本実施形態では、図9に示すように、用紙外の全体(搬送ベルトの全面)についてセンサ出力の読取り(測定)を行って、その内のセンサ出力の最大値に基づいて基準値を設定するようにしている。これによって、誤検知を防止できる。
また、従前から発光手段の定電流制御が行われているが、定電流制御を行わない場合には、図10(a)に示すように輝度のばらつきによるセンサ出力の変動が大きくなるのに対し、定電流制御を行うことで、図10(b)に示すように輝度のばらつきによるセンサ出力の変動を低減できる。
次に、本発明の他の実施形態における主制御部101の異常判別手段を含むセンサ検出回路について図11に示すブロック図を参照して説明する。
基準値設定回路301は、搬送ベルト12の異常検出に用いる用紙検出基準値302、センサ31の異常検出に用いる輝度基準値303、センサ31の異常検出に用いる受光部出力基準値304をそれぞれ設定する。
基準値設定回路301は、搬送ベルト12の異常検出に用いる用紙検出基準値302、センサ31の異常検出に用いる輝度基準値303、センサ31の異常検出に用いる受光部出力基準値304をそれぞれ設定する。
受光部出力測定回路305は、センサ21の受光部23の出力(センサ出力)を測定する。搬送ベルト異常検出回路306は受光部出力測定回路305の測定結果と用紙検出基準値302に基づいて搬送ベルト12の異常を検出する。センサ異常検出回路307は受光部出力測定回路305の測定結果と輝度基準値303、受光部出力基準値304に基づいてセンサ21の異常を検出する。輝度設定回路308はセンサ21の発光部22からの射出光の輝度を設定する。
異常処理回路310は、搬送ベルト異常検出回路306、センサ異常検出回路307が異常検出をしたときに、RAM102、操作/表示部(オペレーションパネル)118、主走査モータ5及び副走査モータ16に対する所定の処理、ホスト側への通知などの処理を行う。
このように構成したこの実施形態における搬送ベルト異常検出について説明する。
先ず、用紙11の検出は、前述したが、図12に示すようにセンサ出力と予め定めた用紙有無判別用の基準値(この実施形態では「用紙検出基準値」という。)とを比較して行うが、図13に示すように、搬送ベルト12にミストや紙粉の付着、傷等が発生したとき、搬送ベルト12の表面をセンサ21で読取ったときに、ミストや紙粉の付着、傷等の影響で、用紙非検出時のセンサ出力のレベルが用紙検出基準値を超えてしまうことがある。この結果、用紙の誤検出が発生し、用紙外での印字動作や、印刷開始位置のずれによる印刷精度の低下が発生する。
先ず、用紙11の検出は、前述したが、図12に示すようにセンサ出力と予め定めた用紙有無判別用の基準値(この実施形態では「用紙検出基準値」という。)とを比較して行うが、図13に示すように、搬送ベルト12にミストや紙粉の付着、傷等が発生したとき、搬送ベルト12の表面をセンサ21で読取ったときに、ミストや紙粉の付着、傷等の影響で、用紙非検出時のセンサ出力のレベルが用紙検出基準値を超えてしまうことがある。この結果、用紙の誤検出が発生し、用紙外での印字動作や、印刷開始位置のずれによる印刷精度の低下が発生する。
この場合、誤検出の回避として、図14に示すように、用紙非検出時の搬送ベルトの状態を測定し、そのときのセンサ出力よりも基準値を高く設定することが考えられるが、搬送ベルトの異常時の状態によっては、図15に示すように、用紙非検出レベルが用紙検出レベルを超えてしまうことがあるため、確実に誤検出を防止することができない。また、図16に示すように、搬送ベルト12の異常時の状態によっては、用紙非検出レベルは基準値より低いが、搬送ベルトがミストで汚れていることがあり、この場合、用紙の誤検出、用紙外での印字動作といった不具合は生じないものの、用紙の裏面側にインクが付着して用紙を汚してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、図17に示すように、用紙検出基準値より低いレベルに搬送ベルト異常基準値を設定する。搬送ベルト異常基準値は、用紙検出基準値より低いレベルで設定され、用紙無しにおいて測定された受光部23の値(搬送ベルトの状態)が搬送ベルト異常基準値を超えているときには搬送ベルト異常と判断する。この搬送ベルト異常基準値は、所望のタイミングで値の変更が可能なものであり、事前評価等で集積された、搬送ベルト異常時、正常時のセンサ出力データ(読取りデータ)を用いて、正常時の最大読み取り値と異常時の最小読み取り値の間に搬送ベルト異常基準値を設定し、NVRAM202への記憶や、主制御部101の内部レジスタへの設定で保存する。
そこで、搬送ベルトの異常検出処理について図18に示すフロー図を参照して説明する。
搬送ベルト異常検出シーケンスが開始されると、用紙11を搬送し、搬送ベルト12上に用紙12が無い状態とする。そして、図19にも示すように、キャリッジ3を搬送ベルト12の一端側に移動し、この時の副走査位置をシーケンス開始位置として内部に記憶する。次いで、図20にも示すように、センサ21の受光部23の出力を測定しながら、キャリッジ3を搬送ベルト12の他端側へ走査する。
搬送ベルト異常検出シーケンスが開始されると、用紙11を搬送し、搬送ベルト12上に用紙12が無い状態とする。そして、図19にも示すように、キャリッジ3を搬送ベルト12の一端側に移動し、この時の副走査位置をシーケンス開始位置として内部に記憶する。次いで、図20にも示すように、センサ21の受光部23の出力を測定しながら、キャリッジ3を搬送ベルト12の他端側へ走査する。
そして、キャリッジ3の一走査とセンサ21による読取りが終了すれば、搬送ベルト121を所定量移動させ、搬送ベルト12の位置が記憶した初期位置になるまで、キャリッジ3による走査とセンサ21による読取りを繰り返し実行して、搬送ベルト12の全面についてセンサ21による読取りを行う。
その後、搬送ベルト12の全面を読取った結果としてのセンサ21の受光部出力を搬送ベルト異常検出基準値と比較して、受光部出力が搬送ベルト異常検出基準値を超えていなければ正常処理とし、ユーザやサポートへ対して異常がない旨を通知する。これに対して、受光部出力が、搬送ベルト異常検出基準値を超えていれば、異常処理として、ユーザやサポートへ対して、異常内容を通知し、異常出力が検出されたときの主走査及び副走査の位置情報、測定した出力レベル等をNVRAM202に記憶し、搬送ベルト異常検出シーケンスを終了する。
次に、センサ異常検出について説明する。図21に示すように、用紙センサ21を構成する反射型フォトセンサの発光部22や受光部23にミスト400や紙粉が付着し、傷等が生じると、図22に示すように、センサ出力の出力レベル(感度)が落ちることになり、用紙を正確に検出することができなくなる。
そこで、ここでは、図23に示すように、輝度基準値及び受光部出力基準値を設定し、輝度基準値での受光部23の出力レベルを測定し、受光部出力が受光部出力基準値に達していない場合にはセンサ21の異常(センサ異常)と判別する。
ここで、輝度基準値及び受光部出力基準値は、所望のタイミングで値の変更が可能なものであり、設定する値は、事前評価等で集積された、センサ異常時、及び正常時の受光部の読み取りデータから決定する。例えば、事前評価等で集積された、センサ異常時及び正常時の受光部の各読み取りデータを用い、正常時の最小読み取り値と異常時の最大読み取り値の間に基準値を設定する。設定された基準値は、NVRAM202に記憶し、あるいは、主制御部101の内部レジスタに保存する。
そこで、センサ異常検出処理について図24に示すフロー図を参照して説明する。
このセンサ異常検出シーケンスを開始すると、図25に示すように、センサ21が用紙を読み取り可能な位置キャリッジ3を移動し、用紙11をセンサ21による読み取り位置に搬送する。そして、センサ21の輝度を輝度基準値に設定し、受光部23の出力を測定する。ここで、受光部23の出力(受光部出力)が、受光部出力基準値を超えているか否かを判別し、輝度基準値による輝度でセンサ21の発光部22を発光させたときにセンサ出力が受光部出力基準値を超えていなければ、正常処理としてユーザやサポートへ異常がないことを通知する。これに対して、受光部出力が受光部出力基準値を超えているときには、異常処理としてユーザやサポートへ異常内容を通知し、測定した出力レベル等をNVRAM202に記憶し、センサ異常検出シーケンスを終了とする。
このセンサ異常検出シーケンスを開始すると、図25に示すように、センサ21が用紙を読み取り可能な位置キャリッジ3を移動し、用紙11をセンサ21による読み取り位置に搬送する。そして、センサ21の輝度を輝度基準値に設定し、受光部23の出力を測定する。ここで、受光部23の出力(受光部出力)が、受光部出力基準値を超えているか否かを判別し、輝度基準値による輝度でセンサ21の発光部22を発光させたときにセンサ出力が受光部出力基準値を超えていなければ、正常処理としてユーザやサポートへ異常がないことを通知する。これに対して、受光部出力が受光部出力基準値を超えているときには、異常処理としてユーザやサポートへ異常内容を通知し、測定した出力レベル等をNVRAM202に記憶し、センサ異常検出シーケンスを終了とする。
上述した搬送ベルト異常検出処理やセンサ異常検出処理で検出した結果、すなわち、搬送ベルト12、センサ21の正常、異常情報は、オペレーションパネル(操作/表示部118)、ホスト側の例えばパーソナルコンピュータに送信して表示し、ユーザに通知することで、搬送ベルト12の清掃、サポートへの連絡等を促すことができるようになる。
また、NVRAM202などの不揮発性メモリに格納しておくことで、異常が検出された位置情報が記憶されているため、ユーザ及びサポートの指示で、搬送ベルト上の異常が発生した位置を、目視が容易な位置へ自動で移動させることもでき、サポート性、メンテナンス性の向上を図れ、工場出荷時の検査にも役立てることができる。また、異常検出処理は、ユーザ及びサポートの指示で任意に実行可能である構成とし、あるいは、印刷枚数管理や時間管理等を行って自動で実施する構成とすることもできる。
なお、上記各実施形態における輝度調整(輝度設定)処理や基準値設定処理、搬送ベルトやセンサの異常判別処理はコンピュータに行わせるプログラムは、記憶媒体に格納して、あるいはダウンロードによって提供することができる。また、用紙センサの輝度調整(輝度設定)処理や基準値設定処理、搬送ベルトやセンサの異常判別処理は、画像形成方法として構築することもできる。
3…キャリッジ
4…記録ヘッド
11…被記録媒体(用紙)
12…搬送ベルト
21…用紙センサ
4…記録ヘッド
11…被記録媒体(用紙)
12…搬送ベルト
21…用紙センサ
Claims (4)
- 液滴を吐出する記録ヘッドと、
用紙を搬送する搬送手段と、
前記用紙の有無を検知する発光手段及び受光手段で構成される光学センサと、
前記光学センサで前記用紙を読取ったときのセンサ出力の測定結果に基づいて、前記センサ出力が所要の値に達するように前記発光手段の発光輝度を調整する輝度調整手段と、
前記調整手段で調整された輝度で前記発光手段を発光させ、用紙外を読取ったときのセンサ出力と前記用紙を読取ったときのセンサ出力とに基づいて前記用紙の有無を判別する基準値を設定する基準値設定手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、前記搬送手段は前記用紙を搬送する搬送ベルトを備え、前記基準値設定手段は前記搬送ベルト全体について前記光学センサによる読取りを行い、得られたセンサ出力の内の最大値と前記用紙を読取ったときのセンサ出力とに基づいて前記基準値を設定することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記光学センサを予め定めた輝度基準値の輝度で発光させたときのセンサ出力が予め定めたセンサ出力異常検出基準値以下であるときにはセンサ異常と判別する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記搬送手段は前記用紙を搬送する搬送ベルトを備え、前記搬送ベルト全体について前記光学センサによる読取りを行い、得られたセンサ出力が予め定めたベルト異常検出基準値を超えているときにはベルト異常と判別する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008039406A JP2009196752A (ja) | 2008-02-20 | 2008-02-20 | 画像形成装置 |
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JP2008039406A JP2009196752A (ja) | 2008-02-20 | 2008-02-20 | 画像形成装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2008
- 2008-02-20 JP JP2008039406A patent/JP2009196752A/ja active Pending
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