JP6364400B2 - 個包装用離型フィルム、それを用いたカイロ製品の包装品及びその製造方法 - Google Patents

個包装用離型フィルム、それを用いたカイロ製品の包装品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粘着性表面が露出している商品の粘着性表面に着色シリコーン剥離剤層が密着するように包装するために用いる個包装用離型フィルム、それを用いた被加熱物に添付して長時間にわたり物体を加熱することができる発熱体に関する技術に属するものであり、特に、粘着剤層による貼り付けがなされるカイロ製品の包装品およびその製造方法に関し、剥離紙を用いない形式であることを特徴とする。
従来、空気の存在下で発熱する発熱体を非通気性袋に密封して保存することにより使用されるまでの期間中、発熱特性を維持し、開封後に発熱するカイロなどの温熱用具が提供されてきた。この発熱体は、金属粉、反応助剤、水および保水剤などを含有する発熱性組成物が通気性袋に収納されてなるものである。発熱体は、通気性袋の通気部を介して取り込まれた空気中の酸素と金属粉が酸化反応により発生する熱を利用して、身体や機械などの加熱や保温に使用されている。特に、身体の加熱、保温に使用される発熱体として大量に生産され、寒さの緩和あるいは患部の保温など多くの人々に利用されている。こうした発熱体は、通常、使用されるまでの期間中、外部空気と遮断するために、発熱体が非通気性である外袋に密封して保存され、使用に際しては、外袋を破り袋から取り出すと空気中の酸素との酸化反応により発熱する。このように包装された発熱体は、使い捨てカイロとしての使用が最も身近なものとして知られている。
このような使い捨てカイロは、少なくとも一方の面に複数の通気用小孔を備えた扁平袋体内に発熱体を封入し、他方の面は非通気性となすとともに粘着剤層が設けられその上面には使用時に剥離される剥離シートを有している。この袋体を個包装用袋内に収容、密封した構造を有している。この種の使い捨てカイロには、例えば、芳香剤を封入した香りつきカイロ(特許文献1)、通気性部材に特徴を有する温度の立ち上がり時間が短く、短時間で温まるカイロ(特許文献2)など様々な改善がなされてきた。
また、上記のカイロでは、外装袋や剥離シートを必要としたが、これらの部材を不要にして、構造を簡単にしてごみの発生や製造に必要とする材料の減量や製造工程の簡略化を図ることが行われてきた。例えば、カイロ本体の片面にシート状の貼着用テープを折り畳んで粘着面を内側に密着させた状態で付設すると共に、該貼着用テープの密着を剥離して展開した状態において、この貼着用テープの展開部分がカイロ本体の外周から外側へ突出した状態で展開して、該展開部分の粘着面が露出するように構成したカイロ(特許文献3)や、発熱材が封入された二つの袋体を、非通気性シートが外側に、通気性シートが内側になるよう重ね合わせ、通気性シートにおける互いに対向する周縁部同士を熱圧着したので、通気性シートが空気に触れることのない密封状の包装構造となり、外装袋や外装シートなどの外装材を別途用いることなく使用時まで発熱材が空気に触れない二個一組の使い捨てカイロ(特許文献4)が提案されている。
カイロを所定の場所に貼着するための粘着剤層を剥離紙により被覆すると、発熱内袋は厚みが増し、剥離紙用の材料を必要とするとともに、製造工程が複雑とならざるを得ない。そこで、剥離紙を使用しない技術が提案され、例えば、通気性内袋の外面には適宜の部分に粘着剤層が設けられており、かつ、気密性の外袋の内面に剥離層を設けた発熱体(特許文献5)や、一方の面に被着体に貼付するための粘着剤層が形成されたカイロが外袋に内包されており、外袋の内面側にはオレフィン系樹脂層が形成されており、且つ該オレフィン系樹脂層の表面に、カイロの粘着剤層を重ね合わせた、剥離可能な形態で外袋の内面に貼付された状態で外袋に内包されているカイロ製品(特許文献6)が提案されている。
特開2010−22405号公報 特開2012−16531号公報 特開2008−188356号公報 特開2007−296061号公報 実公平5−46443号公報 特開2006−288691号公報
現在市販されている多くの使い捨て貼るカイロは、発熱本体に設けられた粘着剤層と剥離層からなり、発熱本体に収納されている発熱本体中の酸化鉄が酸素による酸化作用による発熱に拠っている。したがって、使い捨て貼るカイロは、1体ずつ酸素の流出入防止のために個別に酸素バリアフィルムによって包装されているが次のような課題が未解決のまま残されている。
本発明はこれらの課題を解決することを目的とするものである。
1.使用前に製品から剥離紙を取り除くことが手間であり、作業がしにくい。
カイロの使用時には、個別包装の外袋を切り裂き、発熱本体を取り出して、発熱本体に設けられている粘着剤層上に添付された剥離フィルムまたは剥離紙などの剥離層を取り除かねばならない。
2.発熱本体、粘着剤層および剥離層からなる三層部材の使用では破棄する材料が多く、また製造工程が煩雑となる。
多くの場合、発熱本体を構成するポリエチレンフィルム上に、粘着剤を塗布して粘着剤層を形成し、その上に剥離フィルムまたは剥離紙を貼り合わせて三層構造で製造される。そのため、厚みが増して多量に巻き取ることができないので、製造上部材の切り替え頻度が多くなり、そのために、切り替え時点でのロスが多く発生することになる。すなわち、実際の使い捨てカイロの製造は、上記のポリエチレンフィルムに粘着成分と剥離紙をあてがった三層構造の構成物を、納入他社から仕入れて、発熱紛体を不織布構成物とで閉じ込めている。よって、片側の三層部材の厚みが多くなり、連続生産上で、切り替え頻度が多くなる欠点があった。
3.使用後の取り外しが難しい
従来の発熱本体の構造では、発熱本体の端まで粘着剤が塗布されており発熱本体の長辺、ないしは短辺まで粘着剤が塗布されたままになる。このことは、発熱本体フィルム−粘着剤−剥離フィルムまたは剥離紙という部材の製造上、コンベアベルトの流れ方向での粘着剤の塗布は、製品の長さに合わせることができにくい。また、仮に製品ピッチに合わせるとしても、これらの部材を使用して製品化するときに、部材ごとにピッチ合わせが難しくなるとの制約がある。そのため、衣類の上から貼られた貼るカイロを使用したのちに取り去る時点で、カイロの全面が衣類に接着しているため取り去りが難しく、厄介であり、安易に取り去ることができにくい難点があった。
上記三層部材の製造上、少なくとも、流方向では連続的に粘着成分を塗布するしかなく、ピッチ塗布を行うと、カイロ本体製造時点で粘着成分塗布部分を検知しなければならず、実生産ができなくなる、というのが実情である。
本発明は、使い捨てカイロ、生理用ナプキン、パップ(湿布薬)、医療用絆創膏、医療用テープのような粘着性表面が露出している商品の粘着性表面に着色シリコーン剥離剤層が密着するように包装するために用いる個包装用離型フィルム、それを用いた被加熱物に添付して長時間にわたり物体を加熱することができる発熱体、特に、粘着剤層による貼り付けがなされるカイロ製品の包装品、およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明は、次に記載の()から()のカイロ製品の包装品の製造方法を要旨とする。
通気性を有する内袋に空気との接触により発熱する発熱性組成物を収納した発熱本体が個別に気密性のフィルムの外袋に収納されているカイロ製品の包装品であって、発熱本体は、通気性面と非通気性面を有する内袋の中に発熱性組成物を収納したものであり、非通気性フィルムまたは通気性フィルムの外袋の内面には白色をはじめとする色彩を有する着色シリコーン塗布面の紫外線照射硬化層である着色剥離層とその外周にピール剤層が設けられ、外袋の表面には、内面の着色剥離層の反対面に該当する箇所に印刷層を有し、その印刷層上に透明ラミネートフィルムまたは酸素バリア性フィルムが張り合わされており、前記着色剥離層に粘着剤層を乗せ、その粘着剤層に対向して発熱本体の非通気性面を密着させて発熱本体を外袋中に収納し、外袋はピール剤層で熱シールされて密封されていることを特徴とする粘着性表面が露出しているカイロ製品の包装品を製造する方法において、
下記の工程Aおよび工程Bを具備することを特徴とする製造方法。
A.印刷設備により着色剥離層の形成、ピール剤層の形成、印刷を一連の連続工程により行われる外袋用の非通気性フィルムの製造工程
1)外袋用の非通気性フィルムまたは通気性フィルムの内面に白色をはじめとする色彩を有する着色シリコーンを塗布し、紫外線照射硬化させることにより紫外線照射硬化層である着色剥離層を、個々の発熱本体の位置、形状に対応して非通気性フィルム面に複数形成する、
2)着色剥離層を検知し、検出した着色剥離層にピッチを合わせて各着色剥離層の周囲にピール剤層を形成し、着色剥離層およびピール剤層を組み合わせた個包装を形成するための単位を多数形成する、
3)次いで、検出した着色剥離層に基づいて、非通気性フィルムまたは通気性フィルムを反転して外袋の外面となる面に着色剥離層に同期させた印刷を施す、
4)外袋用の非通気性フィルムまたは通気性フィルムの印刷面上に透明ラミネートフィルムまたは酸素バリア性フィルムを張り合わせ、ロール状に巻き取る。
B.発熱本体を外袋に収納する工程
1)発熱本体を製造工程Aで製造されたフィルムとの間に挟持してピール剤層で熱シールすることにより発熱本体を外袋内に密封する。
)上記のB.1)において、着色剥離層上に発熱本体の表面よりも小さい表面となる粘着剤層を塗布する上記(1)に記載のカイロ製品の包装品の製造方法。
)着色剥離層の形成がフレキソ塗布あるいはグラビア印刷で行なわれる、上記(1)または(2)に記載のカイロ製品の包装品の製造方法。
)粘着剤の塗布がインライン方式で行われる上記(1)、(2)または(3)に記載のカイロ製品の包装品の製造方法。
(5)外袋にはピール剤層が形成されていない領域を有し該領域で開封が可能となっている、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のカイロ製品の包装品の製造方法。
(6)粘着剤層が、剥離層からは容易に剥離される接着強度を有し、発熱本体の非通気性面からは容易に剥離されない接着強度を有する、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のカイロ製品の包装品の製造方法。
(7)白色をはじめとする色彩を有する着色シリコーン剥離層が、発熱本体の通気性面に対向する外袋の内面にも設けられている、上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のカイロ製品の包装品の製造方法。
本発明は、使い捨てカイロ、生理用ナプキン、パップ(湿布薬)、医療用絆創膏、医療用テープのような粘着性表面が露出している商品の粘着性表面に着色剥離剤層が密着するように包装するために用いる個包装用離型フィルム、それを用いた被加熱物に添付して長時間にわたり物体を加熱することができる発熱体、特に、粘着剤層による貼り付けがなされるカイロ製品の包装品およびその製造方法を提供することができる。
本発明により、非通気性フィルムまたは通気性フィルムの少なくとも一面に複数の着色シリコーン層とその周縁部にピール剤層をゾーンで設け、その反対面の着色シリコーン層が該当する箇所に印刷層を設け、その上に透明ラミネートフィルムまたは酸素バリア性フィルムを貼り合わせた個包装用フィルムを提供することができる。
着色シリコーンの塗布、紫外線による硬化、着色シリコーン層にピッチを合わせてピール剤をその外周に塗布、次いでフィルムを反転し、フィルムの外面に着色シリコーン層にピッチを合わせて多色の印刷を施し、その上に透明ラミネートフィルムまたは酸素バリア性フィルムを貼り合わせることにより、外袋フィルムとして使用されるフィルムが製造され、ロール状に巻き取られる。連続したフィルム上には着色シリコーン層、ピール層、印刷層を組み合わせた個別包装を形成するための単位が多数形成される。例えば連続したフィルムの横方向には個別包装用の単位が間隔を置いて8個(製品表裏で、実質4個)形成され、長手方向には個別包装用の単位が間隔を置いて多数形成されている個包装用フィルムを提供することができる。
本発明は粘着性表面が露出している商品、特にカイロ製品の包装品に関し以下に記載の効果を奏するものである。
1.消費者=使用者の便宜性:使用する消費者への便宜性を向上し、個包装フィルムから、発熱本体が取り出しやすく、捨てる材料が少なく、また、使用後の貼られたカイロの取り外しが容易である。
2.製造ロスの低減:(発熱本体)−(粘着剤層)−(剥離フィルムまたは剥離紙)という三層の発熱体を製造するための部材購入が必要なく、製造時の切り替えロスも下がり、生産スピードも、ロス発生が少なくなるに比例して利益増大につながる。
3.生産時ノウハウの提供:着色剥離剤を塗布硬化した周囲にはピール剤を塗布硬化し、反転した反対面へのグラビア方式での1−6色を印刷する設備については、着色剥離剤の塗布面と、印刷面のピッチ合わせによって、同一機械設備で、個包装フィルムの生産が可能になる。さらに、ドライラミネートでのフィルム強度増加と合わせて、新しい包装資材を完成させることができる。剥離剤が着色剥離剤であることにより、着色剥離剤の塗布面と印刷面のピッチ合わせが容易であり、かつ、着色剥離剤の塗布面が隠蔽層を形成し印刷面を美しい仕上がりとすることができる。
剥離剤を塗布後巻き取り、印刷工程を別機械設備でこなす従来の方式では、別工程でのテンション合わせ、剥離剤の位置と印刷時に位置合わせは難しく、コスト面でやはり高くなる可能性は高いが、本発明ではこれらの難点が解消される。
本発明のカイロ製品の断面構造の模式図を示す。 本発明の外袋フィルムの平面図を示す。 従来のカイロ製品の断面構造を示す。 本発明の粘着剤層が端部にまで形成されていない例を示す。 従来の粘着剤層は端部にまで形成されている例を示す。 本発明の外袋用フィルムの印刷装置を示す。
[本発明]
本発明の上記の個包装用フィルムは、非通気性フィルムまたは通気性フィルムの少なくとも一面に着色シリコーン層を有することを特徴としており、また、着色シリコーン層の周縁部非塗布面にピール剤層を設けたことを特徴としており、粘着性表面が露出しているカイロはもちろんのこと、粘着性表面が露出していない、いわゆる貼らないカイロのピールオープンに使用可能である。酸素バリアフィルムの熱シールは、従来のカイロの製法では、個包装フィルムを破袋して、中身を取り出すが、本発明の上記の個包装用フィルムは、このような取り出しも、ピール剤塗布を利用して、ピールオープンが可能である。
個包装時の非通気性フィルムまたは通気性フィルムの製品側に、ピール剤を塗布して、反対面に、印刷をし、印刷面に透明フィルムをラミネートする。非通気性フィルム(酸素バリアフィルム)の場合は、印刷面に透明なOPP(二軸延伸ポリプロピレン)、ポリオレフィンフィルムないし、ポリエステルフィルムなどを、ドライラミネートする。すなわち、外袋フィルムの強度保持と、印刷面のすれ防止が目的である。
通気性フィルムの場合は、通常のポリオレフィンフィルム、俗に、OPPとか、PETフィルムなどに、着色シリコーンを部分塗布して、UV=紫外線で瞬時に硬化させ、その周辺に、ピール剤を塗布し、反転した反対面に印刷を施し、印刷面側に、酸素バリアフィルム=KOP、YOP、AOP、PET蒸着等々の酸素バリア性のあるフィルムを張り合わせる。
すなわち、通気性を有する内袋に空気との接触により発熱する発熱性組成物を収納した発熱本体が個別に気密性の非通気性フィルムの外袋に収納されているカイロ製品であって、発熱本体は、通気性面と非通気性面を有する内袋の中に発熱性組成物を収納したもの、または通気性面を有する内袋の中に発熱性組成物を収納したものであり、非通気性フィルムまたは通気性フィルムの外袋の内面には着色シリコーン層が設けられ、発熱本体の非通気性面または通気性面が外袋内面の着色シリコーン層に対向して外袋中に収納されて密封されていること、ならびに、着色シリコーン層がその外周をピール剤層により囲まれ、外袋がピール剤層で熱シールされていること、非通気性フィルムまたは通気性フィルムの外袋の表面には、内面の着色シリコーン層の反対面に該当する箇所に印刷層を有し、その印刷層上に透明ラミネートフィルムまたは酸素バリア性フィルムが張り合わされていることを特徴とするカイロ製品を提供することができる。
さらにまた、上記カイロの製品の製造方法を提供することができる。
また、本発明は、非通気性フィルムまたは、通気性フィルムの少なくとも一面に離型処理が施されてなる、使い捨てカイロ、生理用ナプキン、パップ(湿布薬)、医療用絆創膏、医療用テープのような粘着性表面が露出している商品の個包装用離型フィルムであって、前記離型処理が、着色剥離剤を前記粘着性表面に当接する位置に塗布し、該着色剥離剤塗布面を紫外線照射で硬化させ着色剥離層とすることであり、粘着性表面が露出している商品の粘着性表面に着色剥離層が密着するように包装するために用いる個包装用離型フィルムに関する。粘着性表面が露出している商品がカイロ製品である場合について、説明する。
通気性を有する内袋に空気との接触により発熱する発熱性組成物を収納した発熱本体を気密性の外袋内に封入したカイロ製品であって、発熱本体は通気性面と非通気性面を有する内袋の中に発熱性組成物を収納したものであり、外袋の内面には着色剥離層と粘着剤層が順次設けられ、発熱本体の非通気性面が外袋内面の粘着剤層に対向して外袋中に収納され密封されているカイロ製品、および、上記のカイロ製品の製造方法であって、下記の工程AおよびBよりなるカイロ製品の製造方法に関する。
A.外袋用の非通気性フィルムの製造工程
(1)外袋用の非通気性フィルムまたは、通気性フィルムの内面に着色シリコーン剥離剤を所定のゾーンで塗布して硬化させることにより着色剥離層を形成する、
(2)着色剥離層の周囲にピール剤層を形成する、
(3)フィルムを反転して外袋の外面となる面に着色剥離層に同期させた印刷を施す、
(4)印刷面に、透明なOPPなどのフィルムまたは、非通気性フィルムをラミネートする。着色剥離層を形成した上記(1)のフィルムが通気性フィルムである場合は、透明な酸素バリアフィルムをラミネートすることが好ましい。
すなわち、酸素バリアフィルムを、通気性フィルム加工後に印刷面に張り合わせる。
B.発熱本体を外袋に収納する工程
(1)A工程で製造したフィルムの着色剥離層上に発熱本体の表面よりも小さい表面となる粘着剤層を塗布する、
(2)発熱本体を粘着剤層上に載置する、
(3)発熱本体を製造工程Aで製造されたフィルムとの間に挟持してピール剤層で熱シールすることにより発熱本体を外袋内に密封する、
本発明は、発熱本体を収納する外袋の内面に着色剥離層、粘着剤層を設けることを第一の特徴とするものであり、それによって粘着剤層をインライン方式により形成することが可能となり、また、発熱本体に粘着剤層および剥離層(剥離紙)を設けることが不要となった。さらに、粘着剤層を発熱本体よりも小さく形成することができるようになり、使用後に、粘着剤層が形成されていない発熱本体部分を持って発熱本体を被加熱体から容易に取り外すことができた。
また、着色剥離層を形成したことにより、ピール剤層の形成、外袋外面への印刷などが着色剥離層に同期して連続して行うことが可能となった。また、着色剥離層が隠蔽層を兼ねることにより印刷面を美しい仕上がりとすることができた。
本発明のカイロ製品について説明する。図1は本発明のカイロ製品の一例を模式的に示すものであり、実際には、発熱本体は外袋に収納されている際には外袋の内面に接触しているが、図面では説明の便宜上離れた状態に作図してある。
本発明のカイロ製品は気密性の外袋内に発熱本体が個別に密封された状態にあり、外袋から発熱本体を取り出して粘着剤層を利用して所望の箇所に張り付けることができる、例えば、使い捨てカイロと称される加熱製品類に包含されるものである。
発熱本体10が外袋20に個別収納された状態のカイロ製品の断面構造の一例を図1に示す。本発明のカイロ製品の発熱本体10は、通気性面11と非通気性面13を有する内袋内に発熱組成物12が収納されシール14で封緘されたものであり、これが気密性を有するフィルム20a、20bからなる外袋20に収納されている。外袋20の一方のフィルム2bの内面には剥離層21と粘着剤層22が順次積層され、他方のフィルム2aには、好ましくは剥離層21が設けられている。フィルム2aと2bの間に発熱本体1が配置されていて、発熱本体1の気密性面13がフィルム2bの粘着剤層22に面し接触している。両フィルム2a、2bの周囲端部はピール剤層23により熱シール部24で密封されて、発熱本体1を気密的に外袋20内に収納している。
このような構造を有する本発明のカイロ製品では、外袋20内から発熱本体1を取り出すと、粘着剤層22は外袋20の剥離層21から分離されて発熱本体1の非通気性面13に移行していることから、粘着剤層22を有する発熱本体1が外袋20から取り出されることになる。ここで、剥離層21の表面は粘着剤層22のすべての面を覆っていることが好ましい。すなわち、剥離層21が剥離可能に覆う粘着層22とすることが好ましい。また、粘着剤層22の表面は発熱本体1の非通気面13よりも小さく形成されていることが好ましく、粘着剤層22がない発熱本体1の部分が取り外しに利用される。
図2には本発明の外袋を形成するためのフィルム上に形成された剥離層21、粘着剤層22と発熱本体1の配置を示すものであり、1個の発熱本体を包装するために必要な部分を示す。図2(1)(2)はそれぞれ外袋の内面2b,2aを示し、外袋の外面には商品名あるいは使用方法、原材料などが印刷により表示されている(図示なし)。また、剥離層21が着色剥離層であり隠蔽層を兼ねることにより、反対面への印刷が検知でき、かつ、個包装時点でのピッチ合わせも有効である。また,印刷面上への透明フィルムのラミネートで、印刷面を美しい仕上がりとすることができる。
図2(1)は、外袋フィルム2bの剥離層21、粘着剤層22、ピール剤層23が形成された内面の一例を示すものであり、フィルム面には剥離層22が形成され、その周囲には外袋20を密封するためのピール剤層23が形成されている。ピール剤層23による熱シールが完全に行われるように剥離層21とピール剤層23は重複しないように形成されていることが好ましい。剥離層21の表面には、粘着剤層22が剥離層21と同等あるいはより小さく形成されていて、粘着剤層22の周囲には少なくとも剥離層21が露出していることが好ましい。さらに、粘着剤層22は、発熱本体10よりも小さくして、発熱本体10の少なくとも一部分には粘着剤層22が接触していない状態となすこと(すなわち、粘着剤層が転写されない領域を発熱本体が有すること)が好ましい。これにより、発熱本体10には粘着剤層22がない表面を有することとなり、粘着剤層22により発熱体10を被加熱体に貼着して使用した後には、発熱本体10の粘着剤層22がない部分を把持して発熱本体を被加熱体から引きはがすことが容易になされる。
発熱本体10を外袋に収納する際に発熱本体10と粘着剤層22が押圧されることにより、あるいはカイロ製品の輸送あるいは保管時に押圧が自然に付与されることにより、両者は接触し、開封して発熱本体を取り出す際には粘着剤層22は剥離層21から分離されて粘着剤層22が付着した発熱本体が形成される。粘着剤層は、剥離層からは容易に剥離される接着強度を有するとともに発熱本体の非通気性面からは容易に剥離されない接着強度を有することが好ましい。
図2(1)は外袋フィルム2b、(2)は外袋フィルム2aを示し、両フィルムを重ね合わせてピール剤層23を熱シールすることにより発熱本体10は外袋20に密封される。このとき、両フィルムの密封には直接関与しない領域、例えば、角部の一部領域にはピール剤層が形成されていない部分23bが密封時に対応する位置に形成されている。この部分は熱シールされることはないため、ピール剤層23を熱シールして密封された外袋を開封して収納されている加熱本体を取り出す際には、23bを起点にしてシール部分を引きはがすことにより周囲のシール部分を容易に引きはがすことができる。熱シールする際には折線aで折り返して図2(1)を(2)で覆い熱シールすることで個別包装することができる。
本発明のカイロ製品の外袋の外面には、製品の商品名、製造元、使用原材料、使用方法などを表示した印刷が行われてもよい。このような印刷、剥離層、ピール剤層、粘着剤層は、フィルム上の所定の場所に正確に形成されることが必要であるが、着色剥離層は印刷およびこれらの層形成のための位置決めの指標として有用であり、正確な位置決めに着色剥離層が利用される。また、着色剥離層は隠蔽層を兼ねており、着色種類によっては、印刷色数を一色分兼用でき、印刷面へのフィルム強度アップのためのラミネートは、製品の仕上がりを美しい仕上がりとする。
[従来の剥離紙を用いたカイロ製品]
従来の粘着剤層を有するカイロ製品の例についての図3に基づいて説明する。発熱本体30、粘着剤層35、剥離層36からなるカイロ本体は外袋37内に収納されている。
従来のカイロ製品は、通気面31と非通気性面33からなる内袋30内には発熱粉体32がシール34により封入されている。その非通気性面33には粘着剤層35と剥離層(剥離紙)36が設けられて非気密性を有する外袋37内にシール39で密封されて収納されている。このような構造のカイロ製品は、外袋から発熱本体を取り出し、剥離層(剥離紙)36を除去することにより粘着剤層35を露出させて所定の箇所に添付することにより使用される。通常、粘着剤層35は発熱本体3の一端から他端にまで連続して形成され、使用後に被加熱体から取り外す際に手掛かりとなる部分がほとんどなく、取り外しが面倒であることが多い。
本発明のカイロ製品はこうした従来製品の問題を解決したものである。次に、本発明の各構成材料について説明する。
[剥離層]
本発明における剥離層は、粘着剤層が外袋フィルム2aから容易に剥離されて発熱本体1の非通気性面13に転写されるべく粘着剤層22との結合力を弱くなすものであるが、その役割を担う剥離剤は特に限定されず、例えば、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤などが好ましくは例示される。中でも特に好ましいのは、シリコーン系剥離剤である。
上記シリコーン系剥離剤としては、無溶剤系のシリコーン系剥離剤が好ましい。このような無溶剤系シリコーン系剥離処理剤としては、例えば、熱硬化型シリコーン系剥離処理剤や、活性エネルギー線硬化型シリコーン系剥離処理剤などが挙げられる。中でも、樹脂フィルムに熱ダメージを与えない観点から、特に好ましいのは、活性エネルギー線硬化型シリコーン系剥離剤である。これらの無溶剤系シリコーン系剥離処理剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
剥離剤としてはシリコーンが最適であるが、これらの多くが透明で、塗布部分あるいは塗布位置を識別しにくい。そのため、従来は剥離剤のシリコーンなどを、塗布対象である紙類や、フィルムなどへ全面的に塗布せざるを得なかった。そうするとシリコーン剥離剤などが多量に必要となるためコスト高となり、また、無駄が多く出ることが欠点であった。また、全面シリコーン塗布では、熱シールができにくく、酸素バリア性の保持が不可能に近い欠点があった。剥離剤であるシリコーンそのものに、着色し、必要部分にのみ塗布、硬化させれば、不必要な剥離成分であるシリコーンの使用を抑えることができること、また、剥離成分を部分的に塗布しても塗布されていないところを明確に判別することができ、熱シール剤などを必要な場所を的確に形成し密閉性を付与できる。加えて、フィルムの反対面への印刷も、検知できることで可能になった。
部分塗布硬化された着色シリコーン部分と、粘着成分や熱シール部分などの界面での相性などは事例ごとに検証する必要があるが、多くの場合、約1年間の剥離性能に変化はなく、また、包装材料などの酸化防止剤塗布硬化フィルムについても1年間の変化はないことが確かめられている。
[着色剥離剤の製造]
本発明で剥離層として好ましく使用されるポリオルガノシロキサンを主剤とするシリコーン組成物は、粘着性物質に対する剥離性を有している。このようなシリコーン組成物としては、硬化方法の違いにより、熱硬化型と紫外線硬化型が知られている。紫外線硬化型は、紫外線の照射により速やかに、化学変化によって硬化してシリコーン皮膜を形成するため、熱硬化型と比較して、耐熱性が乏しい基材への加工が容易にできること、設備投資が安価なこと、省エネルギーであること、設置スペースが狭くても対応可能なこと、さらには環境に優しい硬化システムであり本発明において好ましく使用することができる。本発明での着色シリコーンの部分塗布硬化には、設備の能力からみて,紫外線硬化が望ましい。
シリコーン組成物としては、市販の剥離剤であるシリコーン組成物が使用できる。シリコーン組成物の着色剤としては、無機、有機顔料や各種の染料が使用されるが、例えば、無機顔料としては、酸化物:亜鉛華、二酸化チタン、べんがら、酸化クロム、コバルトブルー、鉄黒、水酸化物:アルミナホワイト、黄色酸化鉄、硫化物:セレン化物:硫化亜鉛、朱、カドミウムエロー、カドミウムレッド、フェロシアン化物:紺青、クロム酸塩:黄鉛、ジンククロメート、モリブデンレッド、硫酸塩:沈降性硫酸バリウム、炭酸塩:沈降性炭酸カルシウム、硅酸塩:含水硅酸塩、群青、燐酸塩:マンガンバイオレット、炭素:カーボンブラック、金属粉:アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末が挙げられる。
有機顔料としては、ニトロソ顔料:ナフトールグリーンBニトロ顔料:ナフトールエローSアゾ顔料:アゾレーキ顔料;リソールレッド、レーキレッドCを挙げることができる。
シリコーン組成物と着色剤である顔料などとの混合は、羽のついた混練機器、スターラーという微細な隙間に圧力をかけて通す方式、ジェットミル、ホモジナイザー、超音波混合、ロール間での加圧混合によることができるが、混合後の長期間安定性を考慮するとロール間での加圧混合が最適である。
塗布方式には、従来の多くの方式が採用されるが、そのスピードから見て、フレキソないしはグラビア塗工が望ましい。通常、グラビア印刷では,#3ザーンカップで、15秒程度といわれ、フレキソ印刷方式では、2−10分ともいわれるが、塗布スピードに関連して極力粘度は低いほうが好ましい。本発明では、#3で、15秒から25秒という着色シリコーンを製造して使用される。
[剥離層の形成]
剥離層の形成には、市販のシリコーン製の剥離剤を使用することができるが、例えば、信越化学製X−62−7660、X−62−7622、7655や荒川化学社製POLY201、POLY200(カチオン硬化型高粘性、粘度4000〜6000)などの紫外線硬化型シリコーンを挙げることができる。フィルムに塗布したシリコーン剥離剤は熱硬化、紫外線子硬化などを利用して被膜とすることができるが、紫外線により硬化させてただちに次の印刷などの工程にフィルムを送ることが好ましい。上述のごとく、従来のシリコーン組成物は無色透明であるため、シリコーン組成物による基材の表面処理後の状態観察が困難なため、品質管理が困難であることがあった。例えば、シリコーン剥離層の形成の確認、あるいは剥離層の位置に同期させて他の工程を設けることの利便性を考慮すると、白色をはじめとする色彩を有する着色シリコーンを用いることが好ましい。着色シリコーンの塗布硬化は、例えば、HERAEUS社製の紫外線硬化装置が有効で、同社Hバルブの使用が好ましく、波長域は254nmで、385nm近辺での波長域のものでも硬化が可能である。また、硬化開始剤としては、例えば、信越化学製のCAT−7606(組成メルカプトカチオン)が使用できる。これにX−62−7660(組成メルカプトカチオン)を1:100で混合して、紫外線を照射し、化学反応で瞬時に硬化させる。着色顔料には、堺化学製で、R−7E(二酸化チタン85.0% 以上、表面処理剤SiO・Al、一次粒子径 0.23μm)を使用することができる。
本発明者らにより開発された着色シリコーンは、粘性で、15−25秒であり、無溶剤での塗工テストで、グラビア方式での塗布硬化にも十分活用できる。また、フレキソ方式でのテストでも無溶剤での塗布に問題はなかった。着色シリコーンの塗布量は、m当り0.1−2g程度であるが、グラビア方式では版深度が5μ―40μ程度で塗布することができる。例えば、5μの版深度の場合では、0.1−5.0gのシリコーン固形分をリガク製理学製蛍光X線検査装置で確認された。また、フレキソ方式、凸版輪転方式での印刷コートによって剥離層を形成することができる。
[粘着剤層]
本発明における粘着剤層は、使用時にはカイロを被着体に貼付する役割を担うが、剥離層からは容易に剥離される接着強度を有し、発熱本体の非通気性面からは容易に剥離されない接着強度を有するとともに被加熱体に対する十分な接着強度を有することが必要である。粘着剤層は、外袋用フィルムの剥離層の上面に設けられ、外袋から発熱本体を取り出した際には発熱本体の非通気面に剥離層から転写されて発熱本体と一体化している。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限されず、例えば、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤(アクリルウレタン系粘着剤)、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤を用いることができるが、従来、使い捨てカイロに使用されていた粘着剤であればいずれのものでもよい。
上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤が挙げられる。合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系接着剤としては、例えば、スチレン・ブタジエン(SB)ゴム、スチレン・イソプレン(SI)ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)ゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)ゴム、スチレン・エチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIPS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)ゴムなどのスチレン系ゴム(スチレン系エラストマーともいう)、ポリイソプレンゴム、再生ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンや、これらの変性体などが挙げられる。中でも、スチレン系エラストマーの粘着剤が好ましく、さらに好ましくは、SIS、SBSである。これらの1種又は2種以上の混合物を適宜選択して用いることができる。
上記ウレタン系粘着剤としては、公知慣用のウレタン系粘着剤を用いることが可能で、特に限定されないが、例えば、ウレタン系粘着剤、中でも、イソシアネート/ポリエステルポリオールから構成されるアクリルウレタン系粘着剤が好ましい。
粘着剤の塗布については、塗布パターン、塗布面積、塗布粘着剤、粘着強度、塗布量、厚み、塗布色素などは任意に定められるが、多くは、インライン(製品を製造するコンベヤの流れに組み込まれて)塗布することで、従来にはない、独自性を製品に付与することが可能になる。
例えば、インラインでの粘着剤塗布により、カイロ製品を使用後に取り外す時点で、つまめるエッジ部分の設計が容易となり、製品の設計に独自性と製品の使用感において十分満足できる選択範囲を提供することができる。従来は、ポリエチレンフィルムへの粘着剤塗布加工と、剥離フィルムないしは剥離紙のエンドレスな被覆がほとんどであり、貼るカイロ製造メーカ各社間の製品差異が認めにくい状況であったが、本発明により自由度が格段に増加する。
従来の貼るカイロの製品では、ポリエチレンなどのフィルム上に粘着剤層を設け、その上に剥離紙を合わせた多層の部材を使用して発熱体を製造していたが、そうすると、発熱体は厚みが増して多量に巻き取ることができなくなり製造工程上での部材の切り替え頻度が多くなり時間的ロスが多くなることがあった。また、流れ方向に粘着剤をエンドレス状態で塗布して製造されることになり、発熱本体の長辺部分には端部にまで粘着剤層が存在しているため使用後に発熱体取り外すための手掛かりとなる部分がなく、取り外しに難点が生じていた。
本発明では、粘着剤層の形成をインライン方式となすことで製造工程上の問題を解消し、個包装フィルム上に粘着剤を発熱本体の長辺から1−10mm程度短く塗布することにより使用後の取り外しが非常に楽になることを見出した。すなわち、粘着剤層が発熱本体の非通気面の全面を覆わないように形成されていることが好ましい。また、粘着剤層の全面が硬化した剥離層上に形成された状態となすことにより粘着剤層全面を剥離することができる。
粘着剤の塗布については、発熱本体を外袋で密封する製造工程でインライン方式により行われ、粘着剤の個包装フィルム面への塗布によることが、フィルムの平滑性、直線性を利用することとなり好ましい。従来の発熱本体への直接的な粘着剤塗布方式では、流れてくる発熱体との位置がずれる可能性が多分にあり、また塗布する表面が均一に平滑ではないために粘着剤の位置ずれや、塗布ムラの発生がしやすいことになり、製品の品質上課題が残る手法であった。本発明にあっては、着色剥離剤を目標とすることにより位置決めが容易となり、平滑なフィルム面に粘着剤を塗布することが可能となり、製造工程が精密かつ簡便となった。
個別包装後に、発熱本体と粘着剤層の密着性増強のために、スポンジロールなどで発熱本体と個包装フィルムを圧縮接触させることが好ましい。
[ピール剤層]
ピール剤層は、発熱本体を収納した外袋内により密封すること、および製品を容易に外袋時から取り出すことができるように外袋の開封が容易となるように接着強度を調整した熱シール剤からなる。ピール剤層は、好ましくは剥離層の外周に剥離層とは重ならないように設けられ、その熱溶融接着作用により外袋中に発熱本体を気密的に収納する。ピール剤層において密封には直接関連しない領域、例えば、個別外袋の角部にピール剤を塗布しない領域を設けることにより外袋のフィルム20a、20bが接着していない領域部分23bを形成して開封を容易とすることができる(図2)。
ピール剤層により開封する形式のピール剤にはいくつかの方式があるが、いずれの方式のものであってもよい。例えば、凝集剥離タイプでは、シール層自身が破壊されてシール材は両フィルムに残る。ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)とポリエチレン(PE)など、異種のプラスチック同士は熱シールできない性質を利用して、例えば、ランダムPP、PE、PSなどをある比率でブレンド(混合)したフィルム上のピール剤によりシールした場合、ミクロの部分で、同種の樹脂部分はシールされ、異種部分はシールされないようになり手で剥離できる程度の強度に設計することができる。
また、層間剥離方式では、共押出しで2層または三層からなるフィルムをつくり、サポート層とシール層の接着強度を低くしておき、フィルムのサポート層とシール層から剥離するようになっている。界面剥離方式では、EVAなどの易接着性樹脂もイージーピール材として利用されている。EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)の酢酸ビニルの混合比率を上げていくと、熱で溶融しやすく、何にでも接着しやすくなる。このように、異種の樹脂を工夫して接着させ、フィルムと容器の剥離強度を調節させたものである。
ピール剤の塗布は、m当り0.10−10g程度であるが、版深度は、希釈溶剤の関連もあるが、塗布されたピール表面を観察するとイソプロピルアルコールでの希釈がよく、比率としては原液対比10−50%程度が好ましい。版深度は、ピール強度にもよるが、20−40μ程度である。
ピール剤は、例えば、ジャパンコーティングレジン株式会社のピール剤EC−1700によると、m当り2−6g程度が塗布されるが、酸素バリア性維持の圧着強度と、ピール時のピール強度に関連して決定される。ピール時の剥離強度は、シール温度と圧着強度、圧着時間に関連する。ピール剤の供給は多種多社からされているが、いかなるピール剤を使用しようとも、酸素バリア性と熱圧着性、ピール時のピール強度が保持できればよい。
[本発明のカイロ製品の製造方法]
カイロ製品は、下記の工程AおよびBよりなる。
A.外袋用の非通気性フィルムまたは通気性フィルムの製造工程
(1)外袋用の非通気性フィルムまたは通気性フィルムの内面に着色シリコーン剥離剤を塗布して硬化させることにより着色剥離層を形成する、
(2)着色剥離層の周囲にピール剤層を形成する、
(3)フィルムを反転して外袋の外面となる面に着色剥離層に同期させた印刷を施す、
B.発熱本体を外袋に収納する工程
(1)A工程で製造したフィルムの着色剥離層上に発熱本体の表面よりも小さい表面となる粘着剤層を塗布する、
(2)発熱本体を粘着剤層上に載置する、
(3)発熱本体を製造工程Aで製造されたフィルムとの間に挟持してピール剤層で熱シールすることにより発熱本体を外袋内に密封する。
上記A.において、フィルムへの塗布は、OPP=通気性のあるフィルムへの着色シリコーン塗布硬化、ピール剤塗布、反転して印刷後、KOP、YOP等々の酸素バリアフィルム=非通気性フィルムを張り合わせてもよい。
実生産上では、 OPPフィルムなどの透明フィルムに着色シリコーンを塗布UVで熱による硬化ではなく化学変化によって瞬時に硬化させ、ピール剤を塗布し、反転して、印刷を剥離剤面の反対側にしたうえで, KOP、SOP、YOP、PET蒸着等の酸素バリア性フィルム(ほとんど透明である)とラミネートする。反対に、KOP、YOP、PET蒸着等々の酸素バリア性フィルムに、着色剥離剤を塗布することもある。ともに、使い捨てカイロの酸素バリア性については、許容範囲である。
すなわち、外袋用のフィルムは、非通気性フィルムとは限らず通気性のあるフィルムでもよく、通常OPPフィルム上に着色シリコーン剥離層を設けてもよく、印刷面へは、酸素バリア性フィルムをラミネートすることでも、個包装フィルム作成は可能である。通気性フィルム=ポリオレフィン=OPPフィルムへの着色剥離剤塗布硬化、ピール剤塗布、反転して反対面への印刷の場合を含む。その印刷面上に、非通気性フィルムをラミネートする場合も含む。また、OPPフィルムへの上記、剥離剤とピール剤塗布後に、反転して、酸素バリア剤を塗布し、その上に印刷をすることも含む。
[従来の製造方法による問題点とその解決]
個包装フィルムの作成に当たって、片面にシリコーン剥離剤とピール剤を塗布して巻き取り、反対面への印刷を試みたが、剥離剤の塗布時の巻取りテンションと、印刷時のテンションの合致が難しく、剥離剤であるシリコーンは、原則透明な液状物であり、塗布後の状態も塗布部との境界がわかりにくい物質であるために、ピール剤層、表裏の印刷とシリコーン塗布部分の合致は難しかった。
したがって、従前のごとく個包装フィルム全体への剥離剤を塗布するとカイロの個包装の際の熱シールできない(シール部分にも剥離層が形成されてしまうため)などの問題が生じる。そこで、剥離剤を所定の場所、すなわち、反対面への印刷位置、粘着剤層が形成される場所やピール剤層が形成される場所に一致させた(同期させた)塗布が必要となることが明らかとなった。
そこで、個包装フィルム作成には、剥離剤を個包装フィルムの内側で粘着成分のみが当たるところに塗布しなくてはならないため剥離剤の着色が好ましいことを見出し、剥離剤を生成するためのシリコーンに着色することを試みた。
着色した剥離層をフィルム内面の所定の場所に形成し、この剥離層の着色領域を指標として次の工程を遂行する。例えば、着色した剥離剤を粘着剤層が形成される領域に塗布し、瞬間的に紫外線で化学反応による硬化をなし、その硬化して形成された着色剥離層の周囲にピール剤を塗布する。ピール剤層の形成は剥離剤の硬化に続いてホットメルト、溶液の塗布などにより形成することができる。フィルム外面への印刷は、剥離層、ピール剤層を形成したフィルムを反転してカラー印刷などを施し、さらに印刷面上に透明フィルム、多くは、二軸延伸ポリプロピレンフィルムないし無延伸ポリプロピレンフィルムなどをドライラミネートすれば、カイロ製品用の個包装フィルムが出来上がることになる。
[剥離層、ピール剤層の形成および印刷]
個包装用フィルム表面に剥離層、ピール剤層、印刷を施すには印刷設備により一連の工程により行われることが好ましい。
本発明の個包装用のフィルムを連続して作成するには、剥離剤を内面に塗布し硬化させねばならず、そのため剥離剤は塗布と瞬時の硬化には紫外線発光装置が好ましい。必要部位に部分的に着色された剥離剤であるシリコーンが塗布され、紫外線で瞬時に硬化された周辺には、発熱体の密封と開封時に容易に取り出すためのピール剤を塗布し、その反対面に、製品仕様や製品名などを印刷することのできるUV紫外線硬化装置、ピール剤塗布装置、反転装置、印刷装置を併せ持った印刷設備による装置が好ましい。
印刷スピードとシリコーン硬化スピードが合わなければならず、かつ、各ゾーンで塗布された着色シリコーンとピール剤のピッチが合い、反対側への1−6色程度の印刷が必要なことから、剥離剤塗布後は紫外線での硬化の後、周囲にピール剤を塗布し、反転して、逆面に1−10色の個包装フィルム所定の印刷をするのが好ましい。ピール剤の種類によっては、ピール剤塗布、剥離剤塗布硬化の順序では、剥離剤であるシリコーン成分の硬化が阻害されることがある。
本発明の外袋フィルムを製造するための印刷設備としては、例えば、図6に示すごとき印刷装置50が使用される。この装置は、ロールフィルム5aの表面に剥離剤塗布、紫外線による剥離剤の硬化により着色剥離硬化層の形成51、着色剥離層にピッチを合わせてピール剤をその外周に塗布52、次いでフィルムを反転し5b、フィルムの外面に着色剥離層にピッチを合わせて多色の印刷53,54,55,56を施すことにより外袋フィルム2aまたは2bとして使用されるフィルムが製造され、ロール状に巻き取られる5d。連続したフィルム上には着色剥離層、ピール層、印刷層を組み合わせた個別包装を形成するための単位が多数形成されている。例えば、連続したフィルムの横方向には個別包装用の単位が間隔を置いて8個形成され、長手方向には個別包装用の単位が間隔を置いて多数形成されている。
次に、着色剥離層、ピール層、印刷層が形成されたフィルムをカイロ製品の製造工程に使用する。まず、上記の連続フィルム面に形成された個別包装部分に粘着剤の塗布が行われる。粘着剤は着色剥離層に同調させて塗布される。このとき、着色剥離層にピッチを合わせることにより、例えば、図4(1)(2)に個別包装の単位を示すごとく、剥離層上に粘着剤層22を発熱本体10よりも短く形成することができる。粘着剤層の形成は正確にできるから、発熱本体10の周囲には粘着剤層が形成されていない領域を残すことを簡単に行うことができる。粘着剤層の形成は、フィルムの流れ方向に適宜間隔をあけて形成されている。
本発明のカイロ製品を連続製造するには、粘着剤層が形成された外袋フィルムの粘着剤層22の上面には発熱本体10が載置され、粘着剤層22に接しない発熱本体10の領域を残しておく。次いで、上記工程で製造した粘着剤層が形成されていない外袋フィルム20aで発熱本体の上部から覆い両フィルムのピール剤層どうしを熱シールすることにより個別包装がなされる。
個別包装の間を切断することにより単離されたカイロ製品が完成する。通常、カイロの製造には横に4列が同時に生産されるので、約500mm幅の個包装フィルムが上下にセットされ、熱シールと合わせて、個別にカットされる。
個包装フィルムの供給は、およそ1060mmの原紙を、約505mm幅にスリットして納入される。より具体的に説明すると、現在のカイロメーカーは、1060mm幅のフィルムに、印刷をしたものを、505mm幅でスリットして使用している。したがって、カイロ製造時には、製品幅約120mm幅のものを、流れ方向の横幅で、4丁を一時に熱シールして、ついでにカットスリットして生産している。発熱本体を連続して個別包装する工程では、例えば、フィルムの横方向に作製した8個の個別包装のうち連続した4個には粘着剤層を形成して発熱本体を載置し、長手方向の折曲線aで折り曲げて、対応する他の4個の粘着剤層を形成していないフィルムで発熱本体を覆った後、ピール剤層を熱接着することによりコンベア上で連続し密封した個別包装体を得ることができる。図2では、折曲線aに対象に配置された状態の個別包装を示している。
基本的に、1060mm幅のフィルム原紙に、従来、個包装の表面と裏面各4丁の印刷をして、表面部分の4丁と、裏面部分の4丁を、2個(505mm幅)にスリットして印刷加工メーカーからカイロ製造メーカーへ搬入される。カイロ製造メーカーでは、納入された横4丁のフィルムを使用して、使い捨てカイロを製造するが、それぞれスリットされた表裏のフィルムを、発熱本体成形後に、上下で包み込むという工程である。
このように、上下のスリットされた横4丁の表面および裏面のフィルムは、505mm幅で納入され、その場合は、上記のように、折り返してという工程では使用されていない。
なお、カイロ製造メーカーでは、表面フィルムと裏面フィルムの仕様を元の個包装フィルム生産時のロット番号で、表面と裏面をAとBなどの記号、番号で表示しており、同一ロットのフィルムを使用してカイロ製造時の個包装フィルムのピッチずれを防止することになっている。
[従来の粘着剤層の形成]
従来の粘着剤層の形成には、連続して搬送されるフィルムの表面に途切れることなく連続した塗布に拠った。そうすると、個別包装用に使用される粘着剤層は図5に示すように発熱本体30の端から端まで粘着剤層35が形成されることとなり、発熱本体の端部に粘着剤層が形成されていない領域を設けることができなかったため、使用後の取り外しには手間がかかることとなっていた。
以上、カイロ製品について説明したが、生理用ナプキン、パップ(湿布薬)、医療用絆創膏、医療用テープのような粘着性表面が露出している商品についてもカイロ製品と同様に本発明の粘着性表面に着色シリコーン剥離剤層が密着するように包装するために用いる個包装用離型フィルムを用いることができる。
以下に本発明の実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
本発明のカイロ製品の製造の一例を説明する。
[材料]
フィルム:ユニチカ製 YOP−20(基材フィルム:ナイロン6、コート層:PVA系+層状珪酸塩、20μm厚のバリアポリプロピレンフィルム)
ピール剤:ジャパンコーティングレジン社製のEC−1700(組成:塩化ビニリデン他)
着色シリコーン:透明な信越化学製X−62−7622に堺化学製R−7E顔料を30%重量比で加え、ディスパーで混練した。同品は相当に粘度が高くなるが、さらに3本ロールで約2時間5−10回通して混練した。開始剤は、信越化学製のCAT−7606を使用した。
粘着剤:モレスコメルト製 SBSおよび同社SIS
印刷面へのドライラミネート用フィルム:25μm厚のOPPフィルム
印刷機:紫外線硬化装置と反転機構を備えた多色グラビア印刷機(オリエント総業製オリジナル)(図6)
[製造工程A]
ロール状に巻かれた外袋用のフィルム5aに着色シリコーン剥離剤を発熱本体該当部分にのみグラビア方式により版深度を15μmとし、m当たり0.5gのシリコーン固形分を塗布し51、紫外線照射で瞬間的に化学反応によって硬化させて5b、カイロ製品ごとの着色剥離層を形成した。硬化した着色剥離層の周辺に、引き剥がして開封できるピール剤をm当り0.5-2.5gとなるようにイソプロピルアルコールで希釈して版深度が30μmにより塗布した52。
次ぎに、フィルムを反転して5c、反対側に4色の印刷をグラビア方式で印刷53,54,55,56した後、ロール状に巻き取った5d。巻き取った剥離層およびピール剤層が形成されその反対面に印刷が施された酸素バリアフィルムの印刷面上側に、25μm厚の二軸延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネートした。次いで、エージング後に所定幅(約505mm)幅にスリットして再度ロール状に巻き取った。
[製造工程B]
製造工程Aで作製し巻き取った所定幅のフィルムを連続して、カイロ製造時点で移送する間に、着色剥離領域を指標として個々の着色剥離層上に粘着剤を塗布した。粘着剤層が発熱本体よりも周囲で5mm短くなるように塗布した。粘着剤としてはモレスコメルト製SbSを使用した。次いで、個々の粘着剤層上に別途作成した発熱本体を非通気面が接するように載置するとともに、その上方より、製造工程Aで作製されたフィルムをピール剤層が重なりあうようにして覆い、ピール剤層どうしを加熱シールすることにより上下フィルムを接合させて発熱本体を密封した。外袋に押圧をかけて発熱本体と粘着剤層が充分接触するようにした。最後に、外袋に収納された外袋間のフィルムを切断して個別に包装されたカイロ製品を得た。
[品質検査]
酸素バリア性保持については、本発明品は従来品と比較して遜色はなく、発熱本体の粘着成分の剥離強度も従来品と比較して±1−2g程度であった。また、使用後の剥離強度も問題なく、開封時の開封量は5−12ニュートンであった。仕上がった試作カイロを恒温炉中に60℃、60%湿度の条件で90日間の保管後にも品質変化は見られなかった。
実施例1の粘着性表面が露出しているカイロ製品を市場に出すべく開発研究をする中で、粘着性表面が露出していない、いわゆる貼らないカイロのピールオープンに使用可能であることを見出した。いわゆる貼らないカイロとは、通気性を有する内袋に空気との接触により発熱する発熱性組成物を収納した発熱本体が個別に気密性の非通気性フィルムの外袋に収納されているカイロ製品であって、発熱本体は、通気性面と非通気性面を有する内袋の中に発熱性組成物を収納したもの、または通気性面を有する内袋の中に発熱性組成物を収納したものを意味する。
本発明の上記の個包装用フィルムは、非通気性フィルムまたは通気性フィルムの少なくとも一面に着色シリコーン層を有することを特徴としており、また、着色シリコーン層の周縁部非塗布面にピール剤層を設けたことを特徴としており、粘着性表面が露出していない、いわゆる貼らないカイロのピールオープンに使用可能であるのである。酸素バリアフィルムの熱シールは、従来のカイロの製法では、個包装フィルムに切り口を表示しているが、同箇所での破袋は、切り口からの破袋がうまく破袋できず、中身発熱本体の取り出しうまくできない場合があるが、本発明の上記の個包装用フィルムは、このような取り出しも、ピール剤塗布を利用して、ピールオープンで表裏フィルムが全体に開封でき発熱本体カイロを安易に取り外しが可能である。さらにまた、上記カイロの製品の製造方法を提供することができる。
酸素バリアフィルムの熱シール=通常、カイロの製法では、個包装フィルムを破袋して、中身を取り出すが、ここでの取り出しも、ピール剤塗布をしてあれば、ピールオープンが可能で、発熱本体の取り出しが容易になる。
個包装時の酸素バリアフィルムの製品側に、ピール剤を塗布して、反対面に、印刷をし、印刷面に透明フィルムをラミネートする。印刷面に透明なOPP(二軸延伸ポリプロピレン)、ポリオレフィンフィルムないし、ポリエステルフィルムなどを、ドライラミネートする。すなわち、外袋フィルムの強度保持と、印刷面のすれ防止が目的である。通常のポリオレフィンフィルム、俗に, OPPとか、PETフィルムなどに、着色シリコーンを部分塗布して、UV=紫外線で瞬時に硬化させ、その周辺に、ピール剤を塗布し、反転した反対面に印刷を施し、印刷面側に、酸素バリアフィルム=KOP,VOP,AOP、PET蒸着等々の酸素バリア性のあるフィルムを張り合わせる。この方法でのテストでも、4か月後の酸素バリア性、カイロ本体の発熱は発生せず、開封後の、通常の発熱温度、35−40度程度、持続時間(通常の6−8時間)に、差は発生していない状況が確認できた。
個包装フィルム作成時、酸素バリア性フィルムへの着色シリコーン剥離剤塗布でも、透明なOPP他のフィルムでも、品質には差がなかった。すなわち、酸素バリアフィルムに直接着色シリコーン塗布後UV硬化、ピール剤塗布、反転して印刷、ラミネートをしても、透明なフィルムに着色シリコーン塗布、ピール剤塗布、反転して印刷後、酸素バリアフィルムとラミネートをしても、発熱本体の性能には、変化が見られなかった。つまり、着色シリコーン塗布、ピール剤塗布、反転反対面への印刷をするフィルムは、酸素バリア性のあるフィルムでも、通常のOPPフィルムなどでも、個包装フィルムとしては、使用が可能であることがわかった。
貼らないカイロでのピールオープンについて、ピール開封に重点を置いた個包装ということを意味し、通気性を有する内袋に空気との接触により発熱する発熱性組成物を収納した発熱本体が個別に気密性のフィルムの外袋に収納されているカイロ製品であって、発熱本体は、通気性面と非通気性面を有する内袋の中に発熱性組成物を収納したもの、または通気性面を有する内袋の中に発熱性組成物を収納したものであり、気密性のフィルムの外袋の内面には着色シリコーン層が設けられ、発熱本体の非通気性面または通気性面が外袋内面の着色シリコーン層に対向して外袋中に収納されて密封されていること、ならびに、着色シリコーン層がその外周をピール剤層により囲まれ、外袋がピール剤層で熱シールされていること、気密性のフィルムの外袋の表面には、内面の着色シリコーン層の反対面に該当する箇所に印刷層を有し、その印刷層上に透明ラミネートフィルム層が張り合わされていること、前記気密性のフィルムおよび透明ラミネートフィルムのいずれか一方が非通気性フィルムであることを特徴とするカイロ製品を提供することができる。
1:本発明のカイロ製品
10:発熱本体
11:通気性面
12:発熱組成物
13:非通気性面
14:内袋熱シール部
20:外袋
20a、20b:外袋用フィルム
21:着色剥離層
22:粘着剤
23:ピール剤層
23b:ピール剤層がない部分
24:外袋熱シール部
a:折線
3:従来のカイロ製品
30:発熱本体
31:通気性面
32:発熱組成物
33:非通気性面
34:内袋熱シール部
35:粘着剤層
36:剥離層(剥離紙)
37:外袋
37a、37b:外袋フィルム
38:外袋熱シール剤
39:外袋熱シール部
50:本発明の外袋印刷装置
5a:フィルムロール
5b:紫外線照射装置
5c:フィルム反転装置
5d:巻き取りロール
51:着色剥離剤層形成部
52:ピール剤層形成部
53,54,55,56:印刷部

Claims (7)

  1. 通気性を有する内袋に空気との接触により発熱する発熱性組成物を収納した発熱本体が個別に気密性のフィルムの外袋に収納されているカイロ製品の包装品であって、発熱本体は、通気性面と非通気性面を有する内袋の中に発熱性組成物を収納したものであり、非通気性フィルムまたは通気性フィルムの外袋の内面には白色をはじめとする色彩を有する着色シリコーン塗布面の紫外線照射硬化層である着色剥離層とその外周にピール剤層が設けられ、外袋の表面には、内面の着色剥離層の反対面に該当する箇所に印刷層を有し、その印刷層上に透明ラミネートフィルムまたは酸素バリア性フィルムが張り合わされており、前記着色剥離層に粘着剤層を乗せ、その粘着剤層に対向して発熱本体の非通気性面を密着させて発熱本体を外袋中に収納し、外袋はピール剤層で熱シールされて密封されていることを特徴とする粘着性表面が露出しているカイロ製品の包装品を製造する方法において、
    下記の工程Aおよび工程Bを具備することを特徴とする製造方法。
    A.印刷設備により着色剥離層の形成、ピール剤層の形成、印刷を一連の連続工程により行われる外袋用の非通気性フィルムの製造工程
    (1)外袋用の非通気性フィルムまたは通気性フィルムの内面に白色をはじめとする色彩を有する着色シリコーンを塗布し、紫外線照射硬化させることにより紫外線照射硬化層である着色剥離層を、個々の発熱本体の位置、形状に対応して非通気性フィルム面に複数形成する、
    (2)着色剥離層を検知し、検知した着色剥離層にピッチを合わせて各着色剥離層の周囲にピール剤層を形成し、着色剥離層およびピール剤層を組み合わせた個包装を形成するための単位を多数形成する、
    (3)次いで、検知した着色剥離層に基づいて、非通気性フィルムまたは通気性フィルムを反転して外袋の外面となる面に着色剥離層に同期させた印刷を施す、
    (4)外袋用の非通気性フィルムまたは通気性フィルムの印刷面上に透明ラミネートフィルムまたは酸素バリア性フィルムを張り合わせ、ロール状に巻き取る。

    B.発熱本体を外袋に収納する工程
    (1)発熱本体を製造工程Aで製造されたフィルムとの間に挟持してピール剤層で熱シールすることにより発熱本体を外袋内に密封する。
  2. 上記のB.(1)において、着色剥離層上に発熱本体の表面よりも小さい表面となる粘着剤層を塗布する請求項1に記載のカイロ製品の包装品の製造方法。
  3. 着色剥離層の形成がフレキソ塗布あるいはグラビア印刷で行なわれる、請求項1または2に記載のカイロ製品の包装品の製造方法。
  4. 粘着剤の塗布がインライン方式で行われる請求項1,2または3に記載のカイロ製品の包装品の製造方法。
  5. 外袋にはピール剤層が形成されていない領域を有し該領域で開封が可能となっている、請求項1ないし4のいずれかに記載のカイロ製品の包装品の製造方法
  6. 粘着剤層が、剥離層からは容易に剥離される接着強度を有し、発熱本体の非通気性面からは容易に剥離されない接着強度を有する、請求項1ないし5のいずれかに記載のカイロ製品の包装品の製造方法。
  7. 白色をはじめとする色彩を有する着色シリコーン剥離層が、発熱本体の通気性面に対向する外袋の内面にも設けられている、請求項1ないし6のいずれかに記載のカイロ製品の包装品の製造方法
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