JP6361729B2 - 非球面の偏心量測定方法及び形状解析方法 - Google Patents

非球面の偏心量測定方法及び形状解析方法 Download PDF

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Description

本発明は非球面の偏心量測定方法及び形状解析方法に関するものであり、例えば、レンズ面,ミラー面等の光学面で構成される非球面について、その傾き量及び軸ずれ量からなる偏心量の測定方法と、非球面形状が設計値通りであるかどうかを評価するための解析方法と、に関するものである。
レンズ,ミラー等の光学素子の3次元的な表面形状を高精度に測定するための技術として、ワークに触針を接触させて、その変位量を測定する接触式測定法が知られている。この種の接触式測定法おいては、光学素子の表面形状を測定するばかりでなく、光学素子の外形基準に対する光学面の位置ずれ、すなわち偏心を測定することが必要となる場合がある。このような偏心の測定を可能にするものとして、例えば、治具上に位置決め球を配置してレンズの位置決めを行なうことにより、外形を基準とする偏心量(傾き量及び軸ずれ量)を測定する形状測定装置が特許文献1で提案されている。特許文献1に記載の形状測定装置では、測定された面形状データと既知形状データ(設計式)との差の二乗平均値が最小となるように、測定された面形状データを基準となる座標系に座標変換することにより、レンズ表裏面の相対位置関係を算出している。
特開2002−71344号公報
各種光学機器用の非球面レンズでは、高画素化や小型化・低背化に伴い、非球面偏心量の低減による光学性能の向上が求められている。しかし、特許文献1に記載されているように、測定された面形状データと既知形状データとの差の二乗平均値が最小となるように座標変換を行う際に、非球面の基準となる球面からの偏差(非球面偏差)が非常に小さい非球面形状(つまり、球面形状に近く非球面偏差が10μm以下の非球面形状)に限っては、既知形状データに対する測定面形状データの傾き成分の算出が困難になって正確な値が算出できなくなる。正確な傾き量が算出できないと正確な軸ずれ量も算出できないので、偏心量が算出できないのと同時に、既知形状データに対する正確な非球面形状誤差量を算出すること(非球面形状解析)も困難になる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、参照球面からの偏差が10μm以下の非球面であっても、高精度の非球面偏心量の測定を可能とする偏心量測定方法、及び高精度の非球面形状の解析を可能とする形状解析方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の非球面の偏心量測定方法は、参照球面からの偏差が10μm以下の非球面の偏心量測定方法であって、
前記非球面を有する光学素子において、前記非球面からなる非球面部の周囲に平面からなる平面部を形成しておき、
前記平面部の平面形状を測定し、その測定により得られた平面形状情報と、前記平面部を形成する際に用いた既知の平面形状情報と、から前記平面の傾き量を算出し、
前記平面の傾き量を前記非球面の傾き量として、前記非球面の軸ずれ量を算出することを特徴とする。
第2の発明の非球面の偏心量測定方法は、上記第1の発明において、前記平面部の平面形状の測定位置が前記非球面の最外周から0.5mm以内にあることを特徴とする。
第3の発明の非球面の偏心量測定方法は、上記第1又は第2の発明において、前記非球面部と前記平面部とが同一部材で形成され、かつ、同軸加工又は一体成形されていることを特徴とする。
第4の発明の非球面の偏心量測定方法は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記平面部の平面が鏡面からなっていることを特徴とする。
第5の発明の非球面の偏心量測定方法は、上記第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記平面部の平面形状の測定位置が円周上に等間隔で8点以上あることを特徴とする。
第6の発明の非球面の形状解析方法は、参照球面からの偏差が10μm以下の非球面の形状解析方法であって、
前記非球面を有する光学素子において、前記非球面からなる非球面部の周囲に平面からなる平面部を形成しておき、
前記平面部の平面形状を測定し、その測定により得られた平面形状情報と、前記平面部を形成する際に用いた既知の平面形状情報と、から前記平面の傾き量を算出し、
前記平面の傾き量を前記非球面の傾き量として、前記非球面の軸ずれ量を算出することを特徴とする。
第7の発明の非球面の形状解析方法は、上記第6の発明において、前記平面部の平面形状の測定位置が前記非球面の最外周から0.5mm以内にあることを特徴とする。
第8の発明の非球面の形状解析方法は、上記第6又は第7の発明において、前記非球面部と前記平面部とが同一部材で形成され、かつ、同軸加工又は一体成形されていることを特徴とする。
第9の発明の非球面の形状解析方法は、上記第6〜第8のいずれか1つの発明において、前記平面部の平面が鏡面からなっていることを特徴とする。
第10の発明の非球面の偏心量測定方法は、上記第6〜第9のいずれか1つの発明において、前記平面部の平面形状の測定位置が円周上に等間隔で8点以上あることを特徴とする。
参照球面からの偏差が10μm以下の非球面であっても、本発明の偏心量測定方法によれば高精度の非球面偏心量の測定が可能となり、また、本発明の形状解析方法によれば高精度の非球面形状の解析が可能となる。
非球面の偏心量測定方法及び形状解析方法の一実施の形態を示すフローチャート。 非球面偏差を説明するための模式図。 非球面の傾き量の算出が正確な場合と不正確な場合の非球面形状の解析結果を示す図。 図1の実施の形態の測定対象例である非球面レンズを示す断面図。 非球面の傾き量及び軸ずれ量を算出するための平面計測及び非球面計測を示す模式図。 測定中心座標の設定を説明するための平面図。 非球面レンズがゲート部を有する場合の平面計測を説明するための平面図。 図1の実施の形態に用いる非球面測定用治具の外観及び断面構造を示す図。 図8の要部を示す拡大図。 図1の実施の形態に用いる面形状測定装置の構造を示す概略図。
以下、本発明に係る非球面の偏心量測定方法及び形状解析方法等を説明する。本発明に係る非球面の偏心量測定方法及び形状解析方法は、例えば、レンズ面,ミラー面等の光学面で構成される非球面のうち、参照球面からの偏差が10μm以下のものについて、その傾き量及び軸ずれ量からなる偏心量の測定方法と、非球面形状が設計値通りであるかどうかを評価するための解析方法と、に関するものである。
光学素子が球面レンズの場合、図2(A)に示すように、球面S0のレンズ面形状は一様であるため軸の方向(矢印)に依存しない。それに対し、図2(B)に示すように、光学素子が軸対称な非球面レンズの場合、非球面S1のレンズ面形状は軸の方向(矢印)に依存して異なったものとなる。つまり、軸の方向(つまり、非球面の傾き量)が正確に分からないと、非球面形状が設計値通りであるかどうかを評価することができなくなる。
図2(C)に、非球面S1の基準となる球面S0(参照球面)からの偏差(非球面偏差)Δを示す。非球面偏差Δが面形状測定装置の測定誤差に対して相対的に十分大きい場合には、非球面の傾き量を正確に算出することが可能である。それに対して、非球面偏差Δが面形状測定装置の測定誤差に対して相対的に小さい場合には、球面S0の測定と区別できなくなるため、非球面の傾き量を正確に算出することは不可能である。ここで、非球面偏差Δが面形状測定装置の測定誤差に対して相対的に小さい非球面形状とは、具体的には非球面偏差Δが10μm以下の非球面形状であり、また、その参照球面は球面に限らず平面でもよい。
非球面の傾き量を正確に算出できないと正確な軸ずれ量も算出できないので、偏心量が算出できないのと同時に、既知形状データに対する正確な非球面形状誤差量を算出すること(非球面形状解析)も困難になる。図3(A)に、非球面A1の傾き量が正確に算出された場合の非球面形状A1とその既知形状(設計式)A0との位置関係を示し、図3(B)に、非球面A1の傾き量が正確に算出されなかった場合の非球面形状A1とその既知形状(設計式)A0との位置関係を示す。また、図3(C)に、非球面A1の傾き量が正確に算出された場合(図3(A))の非球面形状誤差量δを示し、図3(D)に、非球面A1の傾き量が正確に算出されなかった場合(図3(B))の非球面形状誤差量δを示す。非球面A1の傾き量が正確に算出されないと、図3(D)に示すように正確な非球面形状誤差量δが算出されないため、非球面形状が設計値通りであるかどうかを評価することはできない。
図4に、同一部材からなる軸対称な非球面レンズの一例を断面で示す。この非球面レンズLNは、非球面部Pa,平面部Ph,外縁部Pe等で構成されている。非球面部Paには、表面側に非球面偏差Δの小さい軸対称な面形状の非球面Saが形成されており、裏面側に非球面偏差Δの大きい軸対称な面形状の非球面Sbが形成されている。つまり、非球面レンズLNは、非球面偏差Δが10μm以下の非球面Saを表面側に有しており、非球面偏差Δが10μmを上回る非球面Sbを裏面側に有している。平面部Phの表面側には、非球面Saを環状に取り囲むように平面Shが形成されており、その平面部Phを環状に取り囲むように外縁部Peが形成されている。なお、環状の平面Shを形成する代わりに、円周状に不連続な平面Shを後述する複数の測定点(例えば、円周上に等間隔で位置する8点以上の測定点)に対応するように形成してもよい。
非球面Saは非球面偏差Δが10μm以下であるため、前述したように、非球面の傾き量を正確に算出することは不可能である。そこで、本発明に係る非球面の偏心量測定方法及び形状解析方法では、図4に示すように非球面レンズLNにおいて、非球面Saからなる非球面部Paの周囲に平面Shからなる平面部Phを形成している。そして、平面部Phの平面Shの形状を測定し、その測定により得られた平面形状情報と、平面部Phを形成する際に用いた既知の平面形状情報と、から平面Shの傾き量を算出し、平面Shの傾き量を非球面Saの傾き量として、非球面Saの軸ずれ量を算出する構成としている。
図5(A)に非球面Saの傾き量d1を算出するための平面Shの計測作業を示し、図5(B)に非球面Saの軸ずれ量d2を算出するための非球面Saの計測作業を示す。図5(A)に示すように、触針PRで平面Shを円周状に走査することにより、平面Shの形状を測定する。非球面Saと平面Shとの位置関係は固定であるため、測定により得られた平面形状情報から非球面軸AX1の方向が算出され、平面部Phを形成する際に用いた既知の平面形状情報(設計式)から基準軸AX0の方向が算出される。したがって、基準軸AX0に対する非球面軸AX1の傾き量d1は、平面Shの傾き量であるとともに非球面Saの傾き量でもある。次に、図5(B)に示すように、触針PRで非球面Saを基準軸AX0に対して垂直方向に走査することにより、非球面Saの形状を測定する。非球面軸AX1の傾き量d1が非球面Saの傾き量に相当するので、この傾き量d1と非球面Sa形状の測定値を用いて軸ずれ量d2を算出し、非球面形状誤差量δ(図3)を算出することができる。
上記のように、平面部Phの平面Shの形状を測定し、その測定により得られた平面形状情報と、平面部Phを形成する際に用いた既知の平面形状情報と、から平面Shの傾き量を算出し、平面Shの傾き量d1を非球面Saの傾き量として、非球面Saの軸ずれ量d2を算出する構成とすることにより、基準となる球面S0からの非球面偏差Δが10μm以下の非球面S1であっても(図2)、高精度の非球面Saの偏心量(つまり、傾き量d1及び軸ずれ量d2)の測定が可能となり(図5)、また、高精度の非球面形状A1の解析(例えば、非球面形状誤差量δの算出)が可能となる(図3)。なお、平面部Shが高精度に形成されている場合、平面部Shの基準軸方向の高さを数か所測定し、その測定点を含む平面の傾き量を非球面Saの傾き量としてもよい。
非球面Saの傾き量d1を算出するうえで、平面Shは最も優位な面である。したがって、平面Shで傾き量d1を算出することにより、傾き量d1の算出精度を向上させることが可能である。また、測定された面形状データと既知形状データ(設計式)との差の二乗平均値が最小となるように、測定された面形状データを基準となる座標系に座標変換するためには、通常、傾き成分(α,β,γ)と軸ずれ成分(X,Y,Z)との合計6種類のパラメータで解析を実施する必要がある。つまり、X,Y,Zの各軸方向のシフト量(単位は例えばμm)であるパラメータ3種類と、X,Y,Zの各軸まわりのチルト量(単位は例えばmin)であるパラメータ3種類と、の合計6種類が解析に必要となる。しかし、傾き成分(α,β,γ)を固定値:傾き量d1として解析すると、パラメータが3種類になるため、軸ずれ成分(X,Y,Z)の解析精度も向上する。結果として、傾き量d1及び軸ずれ量d2が向上するとともに、面形状解析精度(測定精度)も向上することになる。
平面部Phの平面Shの形状の測定位置は、非球面Saの最外周から0.5mm以内にすることが好ましい。つまり、平面Shの径方向の幅w(図4)は0.5mm以内が好ましい。平面Shの幅w:0.5mm以内は、円周方向に走査する際に必要な幅と、走査の基準となる中心座標(X1,Y1)の算出誤差と、に基づくものであり、広すぎると変形を招いて非球面Saとは異なる挙動を示すおそれがある。平面Shの形状の測定位置を非球面Saの最外周から0.5mm以内に設定すれば、非球面レンズLNを成形する際、金型からの離型における変形の影響を最小限に抑えることが可能である。このような観点から、平面部Phの平面Shの形状の測定位置は、非球面Saの最外周から0.1mm以内にすることが更に好ましい。
非球面部Paと平面部Phとは、同一部材で形成され、かつ、同軸加工又は一体成形されていることが好ましい。つまり、非球面Saと平面Shとが同一部材で形成され、かつ、同軸加工又は一体成形されていることが好ましい。このように構成すれば、金型組み付け誤差低減、加工誤差低減等を効果的に行うことが可能となる。
平面部Phの平面Shが鏡面からなっていることが好ましい。平面Shを鏡面で構成することにより、測定誤差低減等を効果的に行うことが可能となる。
平面部Phの平面Shの形状の測定位置が円周上に等間隔で8点以上あることが好ましい。このように構成すれば、局所変形部の平均化やゲート付近の影響を考慮した構成にすることができる。
次に、図1のフローチャートを用いて、非球面の偏心量測定方法及び形状解析方法の一実施の形態を更に具体的に説明する。この測定フローでは、非球面レンズLN(図4)を非球面測定用の治具にセットし(#10)、表面側の非球面Saの偏心量測定・形状解析(#20〜#80)と裏面側の非球面Sbの偏心量測定・形状解析(#90〜#120)とを行った後、非球面Sa,Sbの表裏面間での偏心量算出を行う。前述したように、表面側の非球面Saは非球面偏差Δが小さいので、平面Shから非球面Saの傾き量d1を算出し、触針PRでの非球面Sa走査により得られた非球面Saの形状から軸ずれ量d2を算出しているが、裏面側の非球面Sbは非球面偏差Δが大きいので、触針PRでの非球面Sa走査により得られた非球面Saの形状から傾き量d1と軸ずれ量d2を算出している。なお、測定対象となる光学素子はレンズに限らずミラーでもよく、測定対象となる非球面はレンズ面に限らずミラー面でもよい。
非球面レンズLN(図4)は、前述したように、非球面Saの非球面偏差Δ:10μm以下、平面Shの径方向の幅w:0.1mmを想定している。非球面レンズLNがプラスチックレンズの場合、成形時や金型からの離型時に変形が生じやすいため、平面Shは非球面Saの外周から0.1mm以内までの近い範囲に形成されていることがより一層好ましい。また、プラスチックレンズ用金型は、一般的に複数の金型部品で形成されるが、非球面部Paと平面部Phとの傾きを一致させるために、一体的な同一部品にて同時加工(同軸加工)されていることが望ましい。
非球面レンズLN(図4)の表裏面を測定するためには、表裏面測定時に共通の基準を持つ専用の治具が必要である。そこで、非球面レンズLNが設置される非球面測定用治具10(#10)を、具体例を挙げて説明する。図8(a)は、非球面測定用治具10の平面図であり、図8(b)は、図8(a)の非球面測定用治具10のAA矢視断面図である。また、図9(a)は、図8(a)に示す治具10の中央部の部分拡大平面図であり、図9(b)は、図9(a)に対応する部分拡大断面図である。
非球面測定用治具10は、測定対象である非球面レンズLNを保持して、後述する面形状測定装置100(図10)の保持部にセットするためのものである。そして、面形状測定装置100において、非球面レンズLNのレンズ面形状を表面側と裏面側から計測できるようにするとともに、非球面レンズLNの偏心を計測することができるようにしている。非球面測定用治具10は、以上の目的で、以下に詳述する、基板20と、球面部30を有する外形基準検知装置40と、挟持装置50と、球状被計測部材60と、回転制限部材70とを備えている。
基板20は、四角形の厚板上の外観を有し、第1面とその裏面に第2面を有している。中央には非球面レンズLNを載置するための円形ステージ21を有している。円形ステージ21は、中央に開口22を有しており、開口22の縁部分で非球面レンズLNの外縁部Peを支持する。これにより、円形ステージ21上に支持された非球面レンズLNを表面側(図8(a))と裏面側の両側から観察することができ、面形状測定装置100の計測用の触針PR(図10)を、非球面レンズLNの両レンズ面Sa,Sb(図9)に下ろすことができる。なお、基板20は、外形基準検知装置40、挟持装置50、及び球状被計測部材60を、非球面レンズLNの保持位置の周囲の適所に支持する際の支持体としても機能する。
球面部30は、基板20上に3つ配置された略同一形状の球体であり、後述する外形基準検知装置40の一部として、先端にそれぞれ固定されている。各球面部30は、既知の球面形状を有しており、図9に示すように、非球面レンズLNの外縁部Peの側面に当接する。各球面部30が非球面レンズLNの側面に当接する位置は、外縁部Peを3等分した均等な位置に対応しており、非球面レンズLNの中心から120°異なる3方向(光軸AXのまわりに等分割された方向)に配置されている。なお、ここでの等分した位置には、厳密に等分された位置だけでなく、ほぼ等分となる位置も含まれる。
各球面部30は、付勢されて非球面レンズLNの外縁部Peの側面に当接するとともに、外縁部Peの側面を、これに対して垂直な方向から適当な大きさの押圧力で押圧する。各球面部30に付与する押圧力は、非球面レンズLNの材料やサイズにも依存するが、非球面レンズLNの形状に歪みを与えない程度とするものとし、かつ、球面部30と外縁部Pe側面との密着度が十分に確保できる程度とする。具体的には、この押圧力をF’(N)とするとき、0.01<F’<1程度となるようにする。このようにして、既知の球面形状を有する3つの球面部30を外縁部Peの適所に適度の密着させることにより、外縁部Peの中心を求めることができ、非球面レンズLNの光軸AXとの位置ずれ量である偏心を算出することもできる。
なお、ここで複数の外形基準検知装置40における各球面部30は、全て付勢力をもって非球面レンズ側面に押圧するよう当接するように構成されている必要はなく、いずれか少なくとも1つが、そのように当接するものであればよい。この場合、他の外形基準検知装置40は基板20に対して固定的に配置されているものであってもよい。
外形基準検知装置40は、先端に球面部30を固定したロッド41と、ロッド41を軸方向に滑らかに移動させる摺動機構42と、ロッド41を先端側に付勢するバネ43aを内蔵するとともにばねの根元位置を調節する付勢部材43と、を備える。ロッド41は、図9(a)に示すように、円形ステージ21に刻設された溝21aに案内された状態で溝21aに沿って往復移動する。摺動機構42は、基板20上面に固設されたガイドであり、ロッド41の根元側が嵌合しており、ロッド41の軸方向に沿った滑らかな移動を可能にしている。
付勢部材43は、基板20上面に着脱可能に取り付けられた機構であり、弾性部材であるバネ43aに付勢されて突出しようとするピン43bによって、ロッド41を先端方向に付勢することができるとともに、非球面レンズLNの外縁部Pe側面に球面部30を所定の力で押し付けることができる。ここで、付勢部材43は、バネ43aやピン43bを収納し外周にネジを形成したアジャスタ部43cを調整装置として備えており、アジャスタ部43cのねじ込み量の調整によって、バネ43aの根元位置を微調整することができる。このアジャスタ部43cにより、ロッド41の標準的な位置やロッド41に対する付勢力を適宜調整することができる。また、アジャスタ部43cの調節により、被測定対象である非球面レンズLNのサイズを変更した場合にも一定範囲で対応することができる。
挟持装置50は、3つの板バネ状の挟持部材51と、各挟持部材51を支持する支持枠52とを備える。各挟持部材51の先端部の裏面には、図9(b)等に示すように、非球面レンズLNの外縁部Peの上面に当接する接触部51aが形成されている。各接触部51aは、外形が半球状で、外縁部Peに当接して非球面レンズLNを基板20の板面に垂直な光軸AX方向に付勢しつつ、外縁部Peを基板20との間に挟持する。各接触部51aに付与する押圧力は、非球面レンズLNの材料やサイズにも依存するが、非球面レンズLNの形状に歪みを与えない程度とするものとし、かつ、接触部51aの付勢力に起因する摩擦力によって非球面レンズLNの移動が妨げられる程度とする。具体的には、この押圧力をF(N)とするとき、0.1<F<10程度となるようにする。
接触部51aは、支持枠52の先端部を半球状に加工したり、円弧状の先端を有する板状にしたり、支持枠52の先端部に鋼球を取り付けたりすることによって形成できる。一方、支持枠52は、非球面レンズLNの周囲から挟持部材51の根元側を支持しており、各挟持部材51は、非球面レンズLNの中心に向けて120°異なる方向から延びている。つまり、3つの挟持部材51の先端に設けた3つの接触部51aの位置は、外縁部Peを3等分した均等な位置に対応している。このように、3つの接触部51aによって外縁部Peを点接触で均等に支持することにより、非球面レンズLNを高精度で安定して支持することができる。
なお、各挟持部材51は、支持枠52に対して着脱可能になっており、非球面レンズLNの形状のサイズや形状に合わせて交換できる。挟持部材51を交換する際には、非球面レンズLNの形状に合わせて反り具合等を調節することにより、各接触部51aに付与する付勢力を調整できる。また、挟持部材51を形成するバネ材料としては、ベリリウム合金,リン青銅,ステンレス等を用いることができる。
球状被計測部材60は、基板20上に3つ配置された略同一形状の球体であり、基板20上に設けた固定部材25によって基板20に位置ずれしないようにしっかりと固定されている。なお、基板20上において球状被計測部材60を固定した位置には、開口23が形成されており、固定部材25に固定された球状被計測部材60を図8(a)に示す表面側と反対の裏面側との両側から観察することができ、面形状測定装置100の触針PRを球状被計測部材60の上下面に接触させて当該上下面をなぞるように移動させることができる。
回転制限部材70は、全体として扇状の外形を有し、基板20中央に取り付けられた円形ステージ21の一部であって、1つの挟持部材51の下方に固定されている。回転制限部材70は、非球面レンズLN側に凹部71(図9(a))を有しており、この凹部71と非球面レンズLNに形成された主に平坦部FPとが係合することによって、非球面レンズLNの光軸AXのまわりの回転位置が調節される。以上の平坦部FP(図9(a))及び突起部PP(図9(b))は、外縁部Peの輪郭に関して隣接部と異なる不規則部であり、非球面レンズLNの射出成形時によって不可避的に形成され、このうち突起部PPの先端は、ゲートカット部と呼ばれる。
凹部71の位置は、1つの挟持部材51の下側となっており、平坦部FPや突起部PPが3つの球面部30と接することを回避している。このように、球面部30が平坦部FPや突起部PPに接することを防止することによって、外縁部Peの検出精度が低下することを防止できる。なお、以上において、不規則部とは、非球面レンズのゲートカット部のように曲面の一部に存在する凹凸状の部分や、円形の一部をカットしたDカット形状の非球面レンズにおける当該直線状の外形部分などを含み、輪郭形状の大部分とは異なる外形形状部分をいう。
以上説明した非球面測定用治具10において、3つの球面部30と、3つの接触部51aとは、非球面レンズLNの外縁部Peに沿って等間隔で互い違いに配置されている。この結果、球面部30と接触部51aとの干渉を防止しつつ両者を効率的に配置でき、球面部30や非球面レンズLNの非球面Saの計測を確実にすることができ、その作業性を高めることができる。
図10に、非球面測定用治具10(図8)を用いた面形状測定装置100の概略構造を示す。図10において、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。この面形状測定装置100は、定盤81上に、XYステージ装置82と、Z駆動装置84とを固定した構造を有する。XYステージ装置82やZ駆動装置84の動作は、制御装置99によって制御されている。
XYステージ装置82は、説明を省略する駆動機構に駆動されて動作し、XYステージ装置82の上部に設けた載置台82a上に着脱可能に固定された非球面測定用治具10を、XY面内で2次元的に任意の位置に滑らかに移動させることができる。非球面測定用治具10の位置は、載置台82aに設けたXミラー83aとYミラー83bとを利用して検出される。すなわち、Xミラー83aに対向して定盤81上に取り付けたレーザ干渉計83dを利用して載置台82aのX軸方向の位置が分かる。また、Yミラー83bに対向して定盤81上に取り付けたレーザ干渉計83eを利用して載置台82aのY軸方向の位置が分かる。
Z駆動装置84は、フレーム85上に昇降機構86を固定したものであり、昇降機構86は、フレーム85上部に固定されZ方向に伸びる支持軸86aと、支持軸86aに支持されてZ軸方向に移動する昇降部材86bと、昇降部材86bを昇降させる昇降駆動装置(不図示)と、昇降部材86bに支持された触針保持部86dと、触針保持部86dに昇降可能に支持された触針PRとを備える。
昇降機構86は、昇降部材86bが支持軸86aに非接触に支持されて滑らかに昇降運動する。昇降保持部86dは触針PRを保持しており、これに伴って滑らかに昇降運動する。なお触針PRは、先端に一定の負荷を掛けた状態で高精度で滑らかに昇降することができるようにフィードバックをかけて不図示の昇降駆動装置を動作させている。結果的に、触針PRを低応力で昇降させつつ、XYステージ装置82を適宜動作させて非球面測定用治具載置した非球面レンズLNを2次元的に走査するように移動させるならば、触針PRの先端を非球面測定用治具10に固定した非球面レンズLNのレンズ面等に沿って2次元的に移動させることができる。この際、触針PRの先端位置は、触針PRとともに昇降する部材の上端に設けたZミラー91aを利用して検出される。すなわち、Zミラー91aに対向してフレーム85上に取り付けたレーザ干渉計91bを利用して触針PR下端のZ軸方向の位置が分かる。
ここで、測定フロー(図1)の説明に戻る。非球面レンズLN(図4)を非球面測定用治具10にセットした後(#10)、非球面測定用治具10(#10)を面形状測定装置100(図10)にセットする(#20)。この工程(#10〜#20)は、ロボットに行わせることもできるが通常オペレータが行う。内容を具体的に説明すると、非球面レンズLNの表面側の非球面Saを上側にして、非球面測定用治具10上に取り付ける(図8参照)。つまり、3つの板バネ状の挟持部材51を取り除いた状態で、3つの外形基準検知装置40を解除状態として、非球面レンズLNを円形ステージ21上に載置する。その後、3つの外形基準検知装置40を係止状態となるように取り付けて、非球面レンズLNの周囲から3つの球面部30保持を付勢するとともに、3つの板バネ状の挟持部材51を固定位置に取り付ける。これにより、非球面レンズLNの固定が完了する。この場合も、非球面レンズLNの外縁部Peが、3つの球面部30によって周囲から保持され、3つの板バネ状の挟持部材51によって基板20との間に挟持されて固定される。この際、非球面レンズLNの外縁部Peが、3つの球面部30によって周囲から適当な力で付勢され、3つの板バネ状の挟持部材51によって基板20の表面側に付勢されて固定される。その後、このように非球面レンズLNを固定した非球面測定用治具10をXYステージ装置82上の載置台82aに固定する。
面形状測定装置100で表面側の測定を開始する(#20)。まず、基板20の周辺部に配置された3つの球状被計測部材60の表面形状を計測することによって、表面側の基準座標系を設定する。具体的には、各球状被計測部材60の頂点近傍に触針PRを配置した状態で、XYステージ装置82を動作させて球状被計測部材60の表面に対して触針PRを例えば十字に移動させつつ、駆動装置84を動作させて触針PR先端を球状被計測部材60の表面から離れないように移動させる。これにより、各球状被計測部材60の頂点及び球心が算出される。この球心3点を含むXY平面が傾きの基準平面となる。
次に、非球面レンズLNの周囲に配置された3つの球面部30の表面形状を計測することによって、基準座標を設定する。具体的には、各球面部30の頂点近傍に触針PRを配置した状態で、XYステージ装置82を動作させて球面部30の表面に対して触針PRを十字移動を行わせつつ、駆動装置84を動作させて触針PR先端を球面部30の表面から離れないように移動させる。これにより、各球面部30の頂点及び球心が算出される。この球心3点の中心(重心)が軸ずれの基準となる。
上記のようにして、非球面測定用治具10で基準座標系(Xtilt,Ytilt,Ztilt),(Xshift,Yshift,Zshift)を決定する。なお、(Xtilt,Ytilt,Ztilt)は傾き量d1(図5(A))の基準座標系に相当し、(Xshift,Yshift,Zshift)は軸ずれ量d2(図5(B))の基準座標系に相当する。
次に、測定中心座標(X1,Y1)を算出する(#30)。非球面レンズLNの外縁部Peと非球面Saが高精度に位置決めされる金型構成とし、図6に示すように、外縁部Peの外周に球面部30を3箇所又はそれ以上外接させ、それらの球心が描く円(破線)の中心を測定中心座標(X1,Y1)として算出する。つまり、外縁部Peの側面が真円であると仮定して、3つの球面部30の中心が通る円の中心を算出して得られた座標が測定中心座標(X1,Y1)である。なお、測定中心座標(X1,Y1)の算出方法は、3つの球面部30の中心が通る円を求めるものに限らない。例えば、非球面中心付近を触針PRを接触させて走査させ、球面形状とフィッティングさせることにより、XY平面上の中心座標(X1,Y1)としてもよい。
次に、測定中心座標(X1,Y1)を基準として、触針PRで平面Shを円周方向に走査させ、平面形状情報(つまり、Z座標)を取得する(#40)。このときの走査は平面Shに対する触針PRの相対的な移動により行われる。したがって、触針PRの移動により行ってもよく、非球面レンズLNの移動により行ってもよい。
非球面レンズLNが射出成形で形成されたプラスチックレンズ等である場合、図7に示すゲート部Pgの近傍に局所的な変形が生じたりすること等を考慮して、XY軸上の4点とその中間点の合計8点以上、平面Shの座標を取得することが望ましい。測定点数が少ないほどその点での影響が大きくなるので、ある程度以上の複数の測定点数が必要になる。また、測定精度が良くなるように、平面Shは非球面Saと同様に鏡面で形成されていることが望ましい。
次に、平面Shの測定(#40)により得られた平面形状情報と、平面部Phを形成する際に用いた既知の平面形状情報(設計式)と、から基準座標系(Xtilt,Ytilt,Ztilt)に対する平面Shの傾き量(Xtilta,Ytilta,Ztilta)を算出し(#50)、その平面Shの傾き量を非球面Saの傾き量(図5(A)中の非球面軸AX1の傾き量d1に相当する。)とする。
非球面中心座標(X1,Y1)を基準として、触針PRで非球面Saを走査させ、非球面形状情報(つまり、Z座標)を取得する(#60)。このときの走査は、非球面Sa内部全域について行うことが望ましい。具体的には、非球面レンズLNの非球面Sa上方に触針PRを配置した状態で、XYステージ装置82を動作させて非球面レンズLNに対して触針PRを2次元的に走査移動させつつ、駆動装置84を動作させて触針PR先端を非球面Saから離れないように移動させる。これにより、2次元的な表面形状データが得られる。
次に、非球面Saの測定(#60)により得られた非球面形状情報と、非球面部Paを形成する際に用いた既知の非球面形状情報(設計式)と、から基準座標系(Xshift,Yshift,Zshift)に対する非球面Saの軸ずれ量(Xshifta,Yshifta,Zshifta)を算出する(#70)。このとき、平面Shの傾き量算出(#50)で得られた非球面Saの傾き量(Xtilta,Ytilta,Ztilta)を固定値とすることにより、軸ずれ量のみ(図5(B)中の非球面軸AX1の軸ずれ量d2に相当する。)で解析可能となる。
上記のようにして算出された傾き量(Xtilta,Ytilta,Ztilta)と軸ずれ量(Xshifta,Yshifta,Zshifta)を用いて、非球面Saの形状解析(非球面形状誤差量δ(図3)の算出)を行う(#80)。具体的には、非球面形状情報をZとし、設計値をZ0とし、上記算出された傾き量(Xtilta,Ytilta,Ztilta)と軸ずれ量(Xshifta,Yshifta,Zshifta)をもとに座標変換を行い、Zd=Z0−Zを算出する。この際、座標変換に必要なデータが座標変換データとして保管される。
次に、非球面測定用治具10を裏返して面形状測定装置100(図10)の保持部にセットし、表面側の測定(#20,#60〜#80)と同様に、面形状測定装置100で裏面側の測定を行う(#90〜#120)。裏面側の非球面Sbの非球面偏差Δは大きいため、平面形状の測定(#40)は不要となるが、非球面Sbも非球面偏差Δが小さい場合には、表面側の非球面Saと同様に平面部を形成した対応が必要となる。
内容を更に具体的に説明する。非球面レンズLNを固定した非球面測定用治具10をXYステージ装置82上の載置台82aから取り外し、非球面測定用治具10をそのままにして上下反転させて再度載置台82aに固定する。基板20の周辺部に配置された3つの球状被計測部材60の表面形状を計測することによって、裏面側の基準座標系を設定する。具体的には、各球状被計測部材60の頂点近傍に触針PRを配置した状態で、XYステージ装置82を動作させて球状被計測部材60の裏面に対して触針PRを例えば十字に移動させつつ、駆動装置84を動作させて触針PR先端を球状被計測部材60の表面から離れないように移動させる。これにより、各球状被計測部材60の頂点及び球心が算出される。球状被計測部材60の計測結果を利用すると、基板20の表面側基準座標系と裏面側基準座標系との関係が得られる。非球面レンズLNの外縁部Peの中心に対応する測定中心座標(X1,Y1)を算出する。ここで、裏面側の測定中心座標(X1,Y1)は、表面側の測定中心座標(X1,Y1)を表面側基準座標系と裏面側基準座標系との関係を利用して座標変換することによって得られる。
次に、非球面レンズLNの裏面側の非球面Sbの形状を測定する(#100)。具体的には、非球面レンズLNの非球面Sb上方に触針PRを配置した状態で、XYステージ装置82を動作させて非球面レンズLNに対して触針PRを2次元的に走査移動させつつ、駆動装置84を動作させて触針PR先端を非球面Sbから離れないように移動させる。これにより、2次元的な裏面形状データが得られる。
非球面Sbの測定(#100)により得られた非球面形状情報と、非球面部Pbを形成する際に用いた既知の非球面形状情報(設計式)と、から基準座標系(Xshift,Yshift,Zshift)に対する非球面Sbの傾き量(Xtiltb,Ytiltb,Ztiltb)と軸ずれ量(Xshiftb,Yshiftb,Zshiftb)を算出する(#110)。
上記のようにして算出された傾き量(Xtiltb,Ytiltb,Ztiltb)と軸ずれ量(Xshiftb,Yshiftb,Zshiftb)を用いて、非球面Sbの形状解析(非球面形状誤差量δ(図3)の算出)を行う(#120)。具体的には、非球面形状情報をZとし、設計値をZ0とし、これらの差分であるZd=Z0−Zの最小2乗平均値(RMS)が最小になるように座標変換を行う。この際、座標変換に必要なデータが座標変換データとして保管される。
上記同一基準にて算出された(Xtilta,Ytilta,Ztilta),(Xshifta,Yshifta,Zshifta),(Xtiltb,Ytiltb,Ztiltb),(Xshiftb,Yshiftb,Zshiftb)から、非球面レンズLNの表裏面の相対的な偏心量を算出する(#130)。つまり、非球面Sa,Sbの形状解析(#80,#120)により得られた座標変換データを、表面側基準座標系と裏面側基準座標系との関係(#90)を利用して比較することにより、非球面レンズLNの両非球面Sa,Sbの相対的偏心量(表裏面偏心,外形基準偏心)を算出する。非球面レンズLNの外縁部Pe外周に球面部30を外接させて測定中心座標(X1,Y1)を算出することにより(図6)、非球面レンズLNの外径を基準とした偏心量の算出が可能となる。
なお、実施例では非球面レンズ周囲の平坦部が非球面軸に対して垂直になっているが、平坦部の非球面軸に対する角度(平面形状情報)がわかっていれば、平坦部が非球面軸に対して傾いていても非球面レンズの基準軸に対する傾き量を算出することができる。
LN 非球面レンズ(光学素子)
S0 球面(参照球面)
S1 非球面
AX0 基準軸
AX1 非球面軸
A0 既知形状(設計式)
A1 非球面形状
Sa 表面側の非球面(レンズ面)
Sb 裏面側の非球面(レンズ面)
Sh 平面
Pa 非球面部
Ph 平面部
Pe 外縁部
PR 触針
AX 光軸
10 非球面測定用治具
20 基板
30 球面部
40 外形基準検知装置
50 挟持装置
60 球状被計測部材
70 回転制限部材
82 XYステージ装置
84 Z駆動装置
99 制御装置
100 面形状測定装置

Claims (10)

  1. 参照球面からの偏差が10μm以下の非球面の偏心量測定方法であって、
    前記非球面を有する光学素子において、前記非球面からなる非球面部の周囲に平面からなる平面部を形成しておき、
    前記平面部の平面形状を測定し、その測定により得られた平面形状情報と、前記平面部を形成する際に用いた既知の平面形状情報と、から前記平面の傾き量を算出し、
    前記平面の傾き量を前記非球面の傾き量として、前記非球面の軸ずれ量を算出することを特徴とする偏心量測定方法。
  2. 前記平面部の平面形状の測定位置が前記非球面の最外周から0.5mm以内にあることを特徴とする請求項1記載の偏心量測定方法。
  3. 前記非球面部と前記平面部とが同一部材で形成され、かつ、同軸加工又は一体成形されていることを特徴とする請求項1又は2記載の偏心量測定方法。
  4. 前記平面部の平面が鏡面からなっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏心量測定方法。
  5. 前記平面部の平面形状の測定位置が円周上に等間隔で8点以上あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏心量測定方法。
  6. 参照球面からの偏差が10μm以下の非球面の形状解析方法であって、
    前記非球面を有する光学素子において、前記非球面からなる非球面部の周囲に平面からなる平面部を形成しておき、
    前記平面部の平面形状を測定し、その測定により得られた平面形状情報と、前記平面部を形成する際に用いた既知の平面形状情報と、から前記平面の傾き量を算出し、
    前記平面の傾き量を前記非球面の傾き量として、前記非球面の軸ずれ量を算出することを特徴とする形状解析方法。
  7. 前記平面部の平面形状の測定位置が前記非球面の最外周から0.5mm以内にあることを特徴とする請求項6記載の形状解析方法。
  8. 前記非球面部と前記平面部とが同一部材で形成され、かつ、同軸加工又は一体成形されていることを特徴とする請求項6又は7記載の形状解析方法。
  9. 前記平面部の平面が鏡面からなっていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の形状解析方法。
  10. 前記平面部の平面形状の測定位置が円周上に等間隔で8点以上あることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の形状解析方法。
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