JP6361409B2 - 抄紙方法 - Google Patents

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本発明は、第1の抄紙原料を主体とする第1の紙層と、第2の抄紙原料を主体とする第2の紙層との2層に抄き合わせる抄紙方法に関する。
ティシュペーパーなどの薄葉紙のパルプ原料としては、主に針葉樹パルプおよび広葉樹パルプが共に用いられる。通常、針葉樹パルプは剛直であって高い引張り強度を得られる反面、柔軟性や手触りが劣るという特性を有する。これに対し、広葉樹パルプは細くしなやかで柔軟性および手触りが良好である反面、繊維長が短く、充分な引張り強度が得られないという特性を有する。このため、針葉樹パルプおよび広葉樹パルプの相互の欠点を補完すべく、これらの特性を考慮に入れて針葉樹パルプを主に含む抄紙原料と広葉樹パルプを主に含む抄紙原料とを用いて2層に抄き合わせることが一般的に行われている。このような抄紙技術は特許文献1および特許文献2などで知られている。
また、ドライパートにおいてはヤンキードライヤーが用いられる。この場合、プレスパートからドライパートに導かれる湿紙の広葉樹パルプを主体とする紙層側をヤンキードライヤーの鏡面ロールに接するように移送することにより、広葉樹パルプを主体とする紙層の表面を滑らかにすることができる。このようにしてロール状に巻き取られた長尺の原紙を2本用意し、2本のロール状をなす原紙を引き出して針葉樹パルプを主体とする紙層側が相互に接するように重ね合わせることにより、表面側に広葉樹パルプを主体とする紙層を位置させて、薄葉紙を形成する。
ここで、この種の薄葉紙には充分な乾燥強度および湿潤強度が要求されるため、抄紙原料に乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤を添加することが行われている。また、薄葉紙、特にティシュペーパーの柔軟性を向上させるために柔軟剤を添加することも行われている。これらの技術は特許文献2および特許文献3などで知られている。
特許第3216557号公報 特許第4762846号公報 特許第3010904号公報
乾燥紙力剤や湿潤紙力増強剤は、抄造により得られる紙の強度を増大させる効果はあるものの、紙の柔軟性や平滑性を損なう特性を有している。一方で、上述したように、柔軟剤は、抄造により得られる紙の柔軟性や手触り感を向上させる効果があるものの、紙の強度を低下させる特性を有している。
ティシュペーパーは、箱や袋から引き出されるために、ある程度の引っ張り強度を必要とする一方、肌に直接触れるものであるため、滑らかでやわらかい風合いが要求される。滑らかでやわらかい風合いを向上させるべく、柔軟剤を抄紙原料に添加すると、紙の強度が低下するため、柔軟剤を入れない場合に比べて、より多くの乾燥紙力剤、湿潤紙力剤を添加して強度を確保する必要がある。しかしながら、紙に定着できる添加薬剤量には限界があるため、結果として、各薬剤の効果が不十分となる場合があった。
本発明の目的は、強度が強く、かつ風合いのより優れた薄葉紙、特にティシュペーパーの抄紙方法を提供することにある。
本発明による抄紙方法は、乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が添加され、柔軟剤が添加されない第1の抄紙原料をワイヤーパートのワイヤーに供給する第1のステップと、柔軟剤が添加され、乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が添加されない第2の抄紙原料をワイヤーパートのワイヤーに供給する第2のステップと、前記第1のステップにて形成される前記第1の抄紙原料を主体とする第1の紙層および前記第2のステップにて形成される前記第2の抄紙原料を主体とする第2の紙層を相互に抄き合わせる第3のステップと、この第3のステップにて形成された湿紙の前記第2の紙層側がドライパートのヤンキードライヤーロール表面に接するように前記湿紙を給送するステップとを具えたことを特徴とする。
本発明においては、柔軟剤が添加され、乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が添加されない第2の抄紙原料を主体とした第2の紙層の表面がヤンキードライヤーロールと接して平滑化し、抄造される紙料の一方の面を画成する。
第1の抄紙原料は、この第1の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、針葉樹パルプの量が20質量%未満だと強度が不足する。また、第2の抄紙原料は、この第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、広葉樹パルプの量が90質量%未満だと風合いが劣る。したがって、第1の抄紙原料は、この第1の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、針葉樹パルプを20〜100質量%含み、第2の抄紙原料は、この第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、広葉樹パルプを90〜100質量%含むことが有効である。
第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、柔軟剤の割合が0.01質量%未満の場合、柔軟剤を使用したことによる柔軟性の効果を紙に与えることができない。逆に、第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、柔軟剤の割合が0.5質量%を越える場合、得られる紙の紙力が低下してしまい、抄造中や紙製品の製造中に断紙などの事故が発生してしまう。従って、第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、柔軟剤を0.01〜0.5質量%の範囲で添加することが有効である。
また、第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、乾燥紙力剤の割合が0.02質量%未満の場合、乾燥紙力剤を使用したことによる紙力向上の効果を紙に与えることができない。逆に、第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、乾燥紙力剤の割合が0.5質量%を越えた場合、得られる紙の柔軟性および平滑性が大きく損なわれてしまう。従って、第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、乾燥紙力剤を0.02〜0.5質量%の範囲で添加することが有効である。
同様に、第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、湿潤紙力増強剤の割合が0.02質量%未満の場合、湿潤紙力増強剤を使用したことによる紙力向上の効果を紙に与えることができない。逆に、第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、湿潤紙力増強剤の割合が0.25質量%を越えた場合、得られる紙の柔軟性および平滑性が大きく損なわれてしまう。従って、第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、湿潤紙力増強剤を0.02〜0.25質量%の範囲で添加することが有効である。
第1の抄紙原料には、乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤を添加し、柔軟剤を添加せず、第2の抄紙原料には、柔軟剤を添加し、乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤を添加しなければよく、第1の抄紙原料および第2の抄紙原料のいずれか一方または双方に歩留向上剤や凝結剤等の他の薬剤を添加するようにしてもよい。
本発明の抄紙方法によると、第1の紙層には、乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が添加され、柔軟剤が添加されない構成とし、第2の紙層には、柔軟剤が添加され、乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が添加されないものとすることにより、各薬剤を両層に添加した場合に比べて、所望の強度を得るための乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤の量を少なくすることができる。乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤の量が少ないため、これらの薬剤添加により失われる柔軟性や平滑性が少なく、所望の強度を担保した上で紙の柔軟性や平滑性を向上させることができる。さらに、滑らかでやわらかい風合いを求める第2の紙層には、柔軟剤を添加することにより、より柔軟性や平滑性を向上させることができる。
すなわち、全ての層で各薬剤を添加するのではなく、異なる添加薬剤構成とすることにより、各層において各薬剤が十分に定着し、各効果を十分に発揮したものとなる。そして、この各紙層を重ね合わせることにより、強度を担保しつつ、柔軟性、平滑性を向上させることができる。すなわち、添加薬剤の量を抑制しつつ、各薬剤の効果を十分に引き出した紙を得ることができる。
また、柔軟剤が添加され、乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が添加されない第2の紙層の表面がヤンキードライヤーロールの表面と接するようにしたので、その柔軟性、平滑性をより向上させることができる。
第1の抄紙原料がこの第1の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対して針葉樹パルプを20〜100質量%含む場合、第1の紙層によって紙の強度を維持することかできる。また、第2の抄紙原料がこの第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対して広葉樹パルプを90〜100質量%含む場合、第2の紙層によって紙の柔軟性および平滑性をさらに向上させることができる。
第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対して柔軟剤を0.01〜0.5質量%添加し、乾燥紙力剤は0.02〜0.5質量%添加し、湿潤紙力増強剤を0.02〜0.25質量%添加した場合、紙に必要とされる強度と、望ましい柔軟性および平滑性とを持つ紙を抄造することができる。
本発明による衛生用紙の抄紙設備の一実施形態を模式的に表す概念図である。 図1に示した実施形態におけるワイヤーパートの一部を抽出拡大した概念図である。
本発明による衛生用紙を2枚一組のティシュペーパーに応用した実施形態について、図1および図2を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施形態のみに限らず、ティシュペーパー以外の薄葉紙などに応用することもできる。
2枚一組のティシュペーパーの原紙を製造するための抄紙設備を模式的に図1に示し、そのワイヤーパートの部分を抽出拡大して模式的に図2に示す。すなわち、この抄紙設備は、ワイヤーパートPWと、プレスパートPPと、ドライパートPDと、カレンダーパートPCと、リールパートPRとを具えている。
ワイヤーパートPWでは、水分を大量に含むあらかじめ成分が調製された抄紙原料を後述するフォーミングユニット11に供給し、ティシュペーパーの原型となる2層抄き合わせの紙層C1を形成する。抄紙原料に含まれる大量の水分がここで脱水され、湿紙C2がフォーミングユニット11の後述するワイヤー12,13にて形成され、ここで湿紙C2の地合いが整えられる。
プレスパートPPでは、ワイヤーパートPWにて形成された2層抄き合わせの湿紙C2に圧力を掛け、この湿紙C2に含まれる水分が搾り取られる。ここでは、湿紙C2の表面を平滑にすると同時に湿紙C2の主要部を構成するパルプ成分の密度を高め、強固な湿紙C2を形成する。
ドライパートPDでは、プレスパートPPを経て湿った状態にある湿紙C2の余分な水分をヤンキードライヤー14によって加熱することにより、強制的に蒸発させ、これによって湿紙C2を乾燥させる。ヤンキードライヤー14の鏡面ロール15に巻き付けられて乾燥した紙C3は、クレーピングドクター16によってクレーピング処理されつつ鏡面ロール15の表面から剥離され、カレンダーパートPCへと搬出される。
カレンダーパートPCでは、ほぼ完成された状態の紙C3を一対のカレンダーロール17の間を通すことにより、紙C3の表面を平滑に仕上げてその密度および強度を高める。
リールパートPRでは、できあがった紙C3、つまり一枚のティシュペーパーとなる原紙Cをロール状に巻き取る。この工程を経て得られたティシュペーパーの原紙ロールCRを2本用意し、別な工程にてこれらを重ね合わせて切断することにより、一般に見られるような2枚一組のティシュペーパーが得られる。
なお、このような抄紙設備の詳細に関しては特開2010−275646号公報などで周知である。
本実施形態におけるフォーミングユニット11は、フォーミングロール18と、無端の内側ワイヤー12および外側ワイヤー13と、ヘッドボックス19と、駆動ロール20と、複数の案内ロール21と、テンションロール22とを具えている。駆動ロール20に与えられた駆動力は、図示しない動力伝達機構を介してフォーミングロール18,案内ロール21,テンションロール22に伝達される。そして、これらが同期回転することにより、ワイヤー12,13を同速度にて走行させる。ワイヤー12,13は、フォーミングロール18の外周の一部を取り囲むようにそれぞれ巻き掛けられている。これにより、内側ワイヤー12と外側ワイヤー13とで挟まれ、後述する紙層C1の抄造およびその初期脱水のための湾曲した初期フォーミング領域Zが形成される。
湾曲した初期フォーミング領域Zに向けて2種類の抄紙原料を同時に供給する本実施形態におけるヘッドボックス19は、2つの原料チャンバー23a,23bをその内部に有する。第1の原料チャンバー23aには図示しない調成設備にて得られた第1の抄紙原料が供給され、第2の原料チャンバー23bには図示しない調成設備にて得られた第2の抄紙原料が供給される。ここで重要なのは、第2の抄紙原料に含まれるパルプの大部分が広葉樹パルプで占められていることである。また、第1の原料チャンバー23aに供給される第1の抄紙原料には乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が添加され、柔軟剤が添加されないのに対し、第2の原料チャンバー23bに供給される第2の抄紙原料には柔軟剤が添加され、乾燥紙力剤及び湿潤紙力増強剤が添加されないことである。
第1の抄紙原料は、この第1の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、針葉樹パルプを20〜100質量%含むと共に乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が添加されている。しかしながら、柔軟剤は添加されていない。
針葉樹パルプの量が、20質量%未満であると、紙の強度が不足することとなる。
また、乾燥紙力剤は乾燥した状態での紙の強度を上げるための薬剤であり、第1の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、0.02〜0.5質量%添加される。この乾燥紙力剤として、カチオン化澱粉,ポリアクリルアミド,カルボキシメチルセルロース(CMC)などの公知のものを単独または2種類以上混合して採用することができる。
一方、湿潤紙力増強剤は、紙が水に濡れたときに紙力の低下を抑えるための薬剤である。水に対してバラバラにほぐれやすいパルプ繊維に湿潤紙力増強剤が定着することで、水に濡れてもパルプ繊維間の結合を保持してほぐれにくくし、破れにくくするなど、ある程度の強度を高めるような効果が得られる。この湿潤紙力増強剤として、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,熱架橋性付与ポリアクリルアミド(PAM)などの公知のものを単独または2種類以上混合して採用することができる。これは第1の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、0.02〜0.25質量%添加される。
一方、第2の抄紙原料は、この第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、広葉樹パルプを90〜100質量%含むと共に、柔軟剤が添加されている。しかしながら、乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤は添加されていない。
広葉樹パルプの量が90質量%未満であると、風合いが劣ったものとなる。
柔軟剤は紙の柔軟性を向上させるための薬剤であって、第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、0.01〜0.5質量%添加される。この柔軟剤として、アニオン系界面活性剤,非イオン性界面活性剤,カチオン性界面活性剤,両性イオン界面活性剤などの公知のものを単独または2種類以上を混合して採用することができる。
これにより、ヘッドボックス19から2種類の抄紙原料が噴射されると、内側ワイヤー12側には第2の抄紙原料を主体とする第2の紙層Bが形成され、外側ワイヤー13側には第1の抄紙原料を主体とする第1の紙層Aが形成される。そして、これらが一体となって2層抄き合わせ状態の紙層C1が初期フォーミング領域Zから内側ワイヤー12を介してプレスパートPPへと搬送されることとなる。本実施形態においては紙層C1を画成する第2の紙層Bと第1の紙層Aとがその境界部分で混ざり合い、これらのより強い結合をもたらすことが可能となる。従って、第2の紙層Bと第1の紙層Aとの境界部分では、第1の紙層Aに含まれる乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が第2の紙層B側に浸透する可能性がある。しかしながら、ワイヤー12,13にそれぞれ接する側においては混ざり合いの影響をほとんど受けることがなく、第1および第2の紙層A,Bにそれぞれ含まれる針葉樹パルプおよび広葉樹パルプの割合がほぼ第1および第2の抄紙原料に含まれる針葉樹パルプおよび広葉樹パルプの割合のまま表れることとなる。
2つの紙料チャンバー23a,23bを仕切る仕切り壁24は、初期フォーミング領域Zに向けて延在し、この仕切り壁24の長さを長くするほど、第1の抄紙原料を主体とする第1の紙層Aと第2の抄紙原料を主体とする第2の紙層Bとの混ざり合いを少なくすることができる。例えば、ヘッドボックス19から仕切り壁24を外側に突出させることにより、第1の抄紙原料を主体とする第1の紙層Aと第2の抄紙原料を主体とする第2の紙層Bとの混ざり合いをほとんどなくすことも可能となる。なお、このような構造のワイヤーパートPWの詳細については、特公昭62−38480号公報などで周知である。
上述したフォーミングユニット11は、内側ワイヤー12の末端部がプレスパートPP
に接続し、2層抄き合わせ状態となって形成された湿紙C2がプレスパートPPへ向けて内側ワイヤー12上を搬送される。プレスパートPPを経て湿った状態にある湿紙C2は、第2の紙層B側がヤンキードライヤー14の鏡面ロール15の表面に当接するように巻き付けられる。このため、第2の紙層Bを手触りが良好な広葉樹パルプを主体とし、柔軟剤を添加して形成したことと相まって、第2の紙層Bの表面側をより平滑にすることができ、その手触りをさらに改善することが可能となる。
そして、上述したリールパートPRにおいて、第2の紙層Bが表面となるようにロール状に巻き取られる。この原紙ロールCRを2本用意し、それぞれの表面が外側、すなわち、ペーパー表面となるように重ね合わせてティシュペーパーは作られる。したがって、形成されたティシュペーパー表面には、第2の紙層Bがくるため、広葉樹パルプと柔軟剤との効果によって、滑らかで柔らかい手触りを得ることができる。一方、2枚の原紙が密着するティシュペーパー内側は、第1の紙層Aがくるため、針葉樹パルプと乾燥紙力剤及び湿潤紙力増強剤との効果により、箱や袋からの引き出し力に耐えうる十分な強度を得ることができる。
このように、2層の紙層のそれぞれが、最終完成品においてどの面となるかに応じて、強度、手触りといった役割を各紙層に分担し、その役割に応じて、紙層毎の添加薬剤を取捨選択する。これにより、各紙層は相反の特性の薬剤が混在しないため、添加薬剤の効果を抑制する作用が少なく、必要とする添加量が少なくて済む。したがって、薬剤は各紙層に十分に定着し、薬剤の効果を十分に発揮することとなる。
上述した実施形態では、1つのヘッドボックスから2種類の抄紙原料を同時にワイヤーパートPWに供給するようにしたが、2つのヘッドボックスから2種類の抄紙原料を別々にワイヤーパートPWに供給することも可能である。2つのヘッドボックスを用いる抄紙設備のより具体的な構成に関しては、特開2010−275646号公報などで周知である。
次に、本発明の効果を確認するため、図1,図2に示した抄紙設備を用い、抄紙条件を種々変更して薄葉紙を抄造した結果を以下の表1に示す。
この表1において、抄紙原料中のパルプの割合は、第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総量に対する割合である。従って、例えばサンプル3における第1の抄紙原料は針葉樹パルプ(Nパルプ)を約22質量%含み、サンプル5における第2の抄紙原料は広葉樹パルプ(Lパルプ)を約90質量%含むことを意味する。
また、抄紙原料中の添加剤の割合は、第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総量に対する柔軟剤および乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤の割合である。柔軟剤は星光PMC株式会社のFS8010を使用し、乾燥紙力剤は荒川化学工業株式会社のアラフィックス255を使用し、湿潤紙力剤は星光PMC株式会社のDD4282を使用した。
坪量はJIS P8124の規定に従ったものである。
乾燥引張強度はJIS P8113に準拠したものである。坪量が10〜20g/m2程度の薄葉紙を対象とした場合、縦方向では0.8N/15mm以上、横方向では0.4N/15mm以上であることが必要であり、この数値を下回ると、抄造中や紙製品の製造中に断紙などの事故が発生する。
湿潤引張強度はJIS P8135に準拠したものであり、坪量が10〜20g/m2程度の薄葉紙を対象とした場合、縦方向では0.4N/25mm以上、横方向では0.2N/25mm以上であることが必要であり、この数値を下回ると、抄造中や紙製品の製造中に断紙などの事故が発生する。
HF(ハンドフィール値)は、ティシュ−ソフトネス測定装置TSA(エムテック社(ドイツ)製)にて測定したものであり、柔軟性や平滑性といった風合い、特に手触り感の指標とする。この数値が80以上であることが必要であり、この数値を下回ると風合いが劣り、不適格とした。
サンプル1〜6の紙は、何れも必要とされる引張強度を有しつつ、柔軟性、平滑性といった風合いが良好であるという結果を示している。
これに対し、サンプル7においては第1の抄紙原料がNパルプを約18質量%しか含んでいないため、湿潤引張強度が不足しており、サンプル8においては第2の抄紙原料がLパルプを約82質量%しか含んでいないため、風合いに問題が生じている。また、サンプル9は従来技術に対応したものであり、第1及び第2の抄紙原料に柔軟剤および乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤の3種全てが添加されているため、風合いがサンプル1〜6よりも劣っていることを認められる。柔軟剤の添加量が少なすぎる場合と多すぎる場合とを示すサンプル10,11は、風合いの低下と引張強度の低下とが生じている。乾燥紙力剤の添加量が少なすぎる場合と多すぎる場合とを示すサンプル12,13は、乾燥引張強度の低下と風合いの低下とが生じている。同様に、湿潤紙力増強剤の添加量が少なすぎる場合と多すぎる場合とを示すサンプル14,15は、湿潤引張強度の低下と風合いの低下とが生じている。
なお、本発明はその特許請求の範囲に記載された事項のみから解釈されるべきものであり、上述した実施形態においても、本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が記載した事項以外に可能である。つまり、上述した実施形態におけるすべての事項は、本発明を限定するためのものではなく、本発明とは直接的に関係のないあらゆる構成を含め、その用途や目的などに応じて任意に変更し得るものである。
W ワイヤーパート
P プレスパート
D ドライパート
C カレンダーパート
R リールパート
11 フォーミングユニット
12 内側ワイヤー
13 外側ワイヤー
14 ヤンキードライヤー
15 鏡面ロール
16 クレーピングドクター
17 カレンダーロール
18 フォーミングロール
19 ヘッドボックス
20 駆動ロール
21 案内ロール
22 テンションロール
23a,23b 紙料チャンバー
24 仕切り壁
A 第2の紙層
B 第1の紙層
1 紙層
2 湿紙
3
C 原紙
R 原紙ロール
Z 初期フォーミング領域

Claims (2)

  1. 乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が添加され、柔軟剤が添加されない第1の抄紙原料をワイヤーパートのワイヤーに供給する第1のステップと、
    柔軟剤が添加され、乾燥紙力剤および湿潤紙力増強剤が添加されない第2の抄紙原料をワイヤーパートのワイヤーに供給する第2のステップと、
    前記第1のステップにて形成される前記第1の抄紙原料を主体とする第1の紙層および前記第2のステップにて形成される前記第2の抄紙原料を主体とする第2の紙層を相互に抄き合わせ、圧力をかけ脱水する第3のステップと、
    前記第3のステップにて形成された湿紙の前記第2の紙層側がドライパートのヤンキードライヤーロール表面に接するように前記湿紙を給送するステップと
    を具え
    前記第1の抄紙原料は、この第1の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、針葉樹パルプを20〜100質量%含み、前記第2の抄紙原料は、この第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、広葉樹パルプを90〜100質量%含み、
    前記第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、前記柔軟剤が0.05〜0.5質量%添加され、
    前記第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、前記乾燥紙力剤が0.02〜0.5質量%添加され、
    前記第1および第2の抄紙原料に含まれるパルプの総質量に対し、前記湿潤紙力増強剤が0.02〜0.25質量%添加されていることを特徴とする抄紙方法。
  2. 抄造される紙は、坪量が10〜20g/m2の範囲にある薄葉紙であることを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法。
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