JP6036435B2 - 抄紙方法およびこれにより得られる衛生用紙 - Google Patents

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本発明は、針葉樹パルプを含む紙料と広葉樹パルプを含む紙料とを二層に抄き合わせる抄紙方法およびこれにより得られる衛生用紙に関する。
ティシュペーパーなどの衛生用紙のパルプ原料としては、主に針葉樹パルプおよび広葉樹パルプが共に用いられている。通常、針葉樹パルプは剛直であって高い引張り強度を得られる反面、柔軟性や手触りが劣るという特性を有する。これに対し、広葉樹パルプは細くしなやかで柔軟性および手触りが良好である反面、繊維長が短く、充分な引張り強度が得られないという特性を有する。このため、針葉樹パルプおよび広葉樹パルプの相互の欠点を補完すべく、これらの特性を考慮に入れて針葉樹パルプを含む紙料と広葉樹パルプを含む紙料とを二層に抄き合わせることが一般的に行われている。このような抄紙技術は特許文献1および特許文献2などで知られている。
これに加え、良好な手触り感の衛生用紙が得られるようにドライパートにおいてはヤンキードライヤーが用いられる。この場合、プレスパートからドライパートに導かれる湿紙の広葉樹パルプ層側がヤンキードライヤーの鏡面ロールに接するように移送されることにより、広葉樹パルプ層の表面を滑らかにすることができる。このようにしてロール状に巻き取られる長尺の原紙を2本用意し、2本のロール状をなす原紙を引き出してこれらの針葉樹パルプ層側が相互に対向するように重ね合わせることにより、表面側に広葉樹パルプ層を位置させて良好な手触り感が得られるように配慮している。
また、この種のティシュペーパーには充分な湿潤強度が要求されるため、湿潤紙力増強剤を添加した紙料が用いられる。同様に、ティシュペーパーの柔軟性を向上させるために柔軟剤を必要に応じてさらに添加した紙料も用いられている。
特許第3216557号公報 特許第4762846号公報
抄紙工程に供給される紙料が湿潤紙力増強剤を含んでいる場合、針葉樹パルプ層の部分の強度が余りにも強くなりすぎてしまい、得られる衛生用紙の柔軟性が阻害されてしまう問題がある。これは外添方式で湿潤紙力増強剤を衛生用紙に含ませる場合であってもほぼ同様である。逆に、抄紙工程に供給される紙料が柔軟剤を含んでいる場合、広葉樹パルプ層の部分の強度が余りにも低くなりすぎてしまい、得られる衛生用紙の強度が低下してしまう問題がある。
本発明の目的は、必要にして充分な湿潤強度を得ることができる衛生用紙、特にティシュペーパーの抄紙方法およびこれにより得られる衛生用紙を提供することにある。
本発明は、ワイヤーパートのワイヤーに広葉樹パルプを含む第1の紙料を供給するステップと、ワイヤーパートのワイヤーに針葉樹パルプを含む第2の紙料を供給するステップとを具えた抄紙方法であって、湿潤紙力増強剤を前記第1の紙料にのみ添加するステップと、柔軟剤を前記針葉樹パルプに対して0.1重量%添加するステップとを具えたことを特徴とするものである。
本発明によると、第2の紙料から形成される針葉樹パルプ層に湿潤紙力増強剤がほとんど含まれず、第1の紙料から形成される広葉樹パルプ層に湿潤紙力増強剤が含まれる結果、広葉樹パルプ層の部分の強度が高められる。
なお、本発明において第1の紙料が広葉樹パルプを含むとは、その原料パルプが広葉樹パルプのみか、あるいは広葉樹パルプを主に含むことを意味し、広葉樹パルプ以外のパルプ成分を含むことを排除するものではない。同様に、第2の紙料が針葉樹パルプを含むとは、その原料パルプが針葉樹パルプのみか、あるいは針葉樹パルプを主に含むことを意味し、針葉樹パルプ以外のパルプ成分を含むことを排除するものではない。
本発明の第1の形態による抄紙方法において、広葉樹パルプを含む第1の紙料を供給するステップが針葉樹パルプを含む第2の紙料を供給するステップよりも先に行われることが好ましい。この場合、柔軟剤を第2の紙料にのみ添加するステップをさらに具えることができる。
あるいは、広葉樹パルプを含む第1の紙料を供給するステップと、針葉樹パルプを含む第2の紙料を供給するステップとを同時に行うようにしてもよい。この場合においても、柔軟剤を第2の紙料にのみ添加するステップをさらに具えることができる。
湿潤紙力増強剤を広葉樹パルプに対して0.05〜0.1重量%添加することが好ましい
本発明の抄紙方法によると、広葉樹パルプを含む第1の紙料にのみ湿潤紙力増強剤を添加するようにしたので、湿潤紙力増強剤によって針葉樹パルプ層の柔軟性が阻害されることなく、広葉樹パルプ層の湿潤強度を高めることができる。
広葉樹パルプを含む第1の紙料を供給するステップが針葉樹パルプを含む第2の紙料を供給するステップよりも先に行われる場合、第1の紙料に含まれる湿潤紙力増強剤が第2の紙料側に流動するのを抑制することができる。結果として、第2の紙料から形成される針葉樹パルプ層の柔軟性が湿潤紙力増強剤によって低下してしまう不具合を抑制することができる。
柔軟剤を第2の紙料にのみ添加するようにした場合、第2の紙料から形成される針葉樹パルプ層の柔軟性をより高めることができる。
広葉樹パルプを含む第1の紙料を供給するステップと、針葉樹パルプを含む第2の紙料を供給するステップとを同時に行う場合、第1の紙料から形成される広葉樹パルプ層と、第2の紙料から形成される針葉樹パルプ層との密着性をより高めることができる。
湿潤紙力増強剤を広葉樹パルプに対して0.05〜0.1重量%添加した場合、広葉樹パルプ層に適正な強度を与えることができる。換言すると、湿潤紙力増強剤の添加量が0.05重量%よりも少ない場合、広葉樹パルプ層の強度を改善する効果が認められず、逆に0.1重量%よりも多い場合、衛生用紙に要求される柔軟性が損なわれてしまう。
柔軟剤を針葉樹パルプに対して0.1重量%添加した場合、適正な柔軟性を針葉樹パルプ層に与えることができる。換言すると、柔軟剤の添加量が0.1重量%よりも少ない場合、針葉樹パルプ層の柔軟性を改善する効果が得られず、逆に0.1重量%よりも多い場合には、衛生用紙に要求される強度よりも損なわれてしまう。
本発明による衛生用紙の抄紙設備の一実施形態を模式的に表す概念図である。 図1に示した実施形態におけるワイヤーパートの部分の抽出拡大概念図である。 本発明による衛生用紙の抄紙設備の他の一実施形態を模式的に表す概念図である。 図3に示した実施形態におけるワイヤーパートの主要部の抽出拡大断面図である。
本発明による衛生用紙を2枚一組のティシュペーパーに応用した実施形態について、図1〜図4を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施形態のみに限らず、ティシュペーパー以外の衛生用紙、例えばタオル用紙などにも応用することができる。
2枚一組のティシュペーパーの原紙を製造するための抄紙設備を模式的に図1に示し、そのワイヤーパートの部分を抽出拡大して模式的に図2に示す。すなわち、この抄紙設備は、ワイヤーパートPと、プレスパートPと、ドライパートPと、カレンダーパートPと、リールパートPとを具えている。
ワイヤーパートPでは、水分を大量に含むあらかじめ成分が調製された紙料を後述するフォーミングユニット11a,11bに供給し、ティシュペーパーの原型となる二層抄き合わせの紙層Cを形成させる。紙料に含まれる大量の水分がここで脱水され、後述する広葉樹パルプ層A,針葉樹パルプ層Bならびに紙層Cがフォーミングユニット11a,11bの後述するワイヤー12a,12b,13a,13bにて形成され、紙層A〜Cの地合いが整えられる。
プレスパートPでは、ワイヤーパートPにて形成された二層抄き合わせの紙層Cに圧力を掛け、この紙層Cに含まれる水分が搾り取られる。ここでは、紙層Cの表面を平滑にすると同時に紙層Cの主要部を構成するパルプ成分の密度を高め、強固な紙層Cを形成する。
ドライパートPでは、プレスパートPを経て湿った状態にある紙層Cの余分な水分をヤンキードライヤー14によって加熱することにより、強制的に蒸発させ、これによって紙層Cを乾燥させる。ヤンキードライヤー14のシリンダー15に巻き付けられて乾燥した紙層Cは、ドクターブレード16によってシリンダー15の表面から剥離され、カレンダーパートPへと搬出される。
カレンダーパートPでは、ほぼ完成された状態の紙を一対のカレンダーロール17の間を通すことにより、紙Cの表面を平滑に仕上げてその密度および強度を高める。
リールパートPでは、できあがった紙C、つまり一枚のティシュペーパーとなる原紙Cをロール状に巻き取る。この工程を経て得られたティシュペーパーの原紙ロールCRを2本用意し、別な工程にてこれらを重ね合わせて切断することにより、一般にみられるような2枚一組のティシュペーパーが得られる。
なお、このような抄紙設備の詳細に関しては特開2010−275646号公報などで周知であり、本発明と直接関係のあるワイヤーパートP以外の詳細については説明を省略する。
本実施形態におけるワイヤーパートPの詳細に関しては、例えば特表2003−528990号公報などで周知であるが、以下に簡単に説明する。このワイヤーパートPには、それぞれツインワイヤー式の第1フォーミングユニット11aと、第2フォーミングユニット11bとが配されている。
フォーミングユニット11a,11bは、フォーミングロール18a,18bと、無端の内側ワイヤー12a,12bおよび外側ワイヤー13a,13bと、ヘッドボックス19a,19bと、駆動ロール20a,20bと、複数の案内ロール21a,21bと、テンションロール22a,22bとを具えている。駆動ロール20a,20bに与えられた駆動力は、図示しない動力伝達機構を介してフォーミングロール18a,18b,案内ロール21a,21b,テンションロール22a,22bに伝達される。そして、これらが同期回転することにより、ワイヤー12a〜13bを同速度にて走行させる。ワイヤー12a〜13bは、フォーミングロール18a,18bの外周の一部を取り囲むようにそれぞれ巻き掛けられている。これにより、内側ワイヤー12a,12bと外側ワイヤー13a,13bとで挟まれる広葉樹パルプ層Aおよび針葉樹パルプ層Bの初期脱水および抄造のための湾曲した初期フォーミング領域Z,Zがそれぞれ形成される。第1フォーミングユニット11aの外側ワイヤー13aは、第2フォーミングユニット11bを介してプレスパートPに接続している。
ヘッドボックス19a,19bは、この初期フォーミング領域Z,Zに向けて紙料を噴射する。ヘッドボックス19aには図示しない調成設備にて得られた広葉樹パルプおよび湿潤紙力増強剤を含む紙料が供給され、ヘッドボックス19bには図示しない調成設備にて得られた針葉樹パルプおよび柔軟剤を含む紙料が供給される。つまり、湿潤紙力増強剤は、広葉樹パルプを含む紙料にのみ添加され、従って広葉樹パルプ層となる部分に湿潤紙力増強剤が含まれることとなる。同様に、柔軟剤は、針葉樹パルプを含む紙料にのみ添加され、従って針葉樹パルプ層となる部分に柔軟剤が含まれることとなる。ここで重要なのは、ヘッドボックス19aに供給される広葉樹パルプを含む紙料には柔軟剤が全く含まれず、ヘッドボックス19aに供給される針葉樹パルプを含む紙料には湿潤紙力増強剤が全く含まれないことである。このように構成することにより、第1フォーミングユニット11aでは湿潤紙力増強剤を含む広葉樹パルプ層Aが形成され、第2フォーミングユニット11bでは柔軟剤を含む針葉樹パルプ層Bが形成される。
湿潤紙力増強剤は、紙が水に濡れたときに紙力の低下を抑えるための薬剤である。水に対してバラバラにほぐれやすいパルプ繊維に湿潤紙力増強剤が定着することで、水に濡れてもパルプ繊維間の結合を保持してほぐれにくくし、破れにくくするなど、ある程度の強度を高めるような効果が得られる。この湿潤紙力増強剤として、ポリアミド・ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂,ポリエチレンイミン樹脂,ポリアクリルアミド樹脂などの熱硬化性樹脂が一般に用いられる。これは広葉樹パルプに対してほぼ0.05〜0.1重量%の割合で添加され、広葉樹パルプと共に紙料の一部を構成する。
一方、柔軟剤は紙の柔軟性を向上させるための薬剤であって、針葉樹パルプに対してほぼ0.1重量%となるような割合で添加され、針葉樹パルプと共に第2の紙料の一部を構成する。この柔軟剤として、ラノリンおよびラノリン誘導体,ウレタンアルコールまたはその4級化物,ピロリドンカルボン酸もしくはその塩,脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとからなるアミドアミンにエピハロヒドリンを反応させて得られる化合物,ジ長鎖アルキルアミノアンモニウム塩,多価アルコールと高級不飽和脂肪酸とのエステル化物,多価アルコールと飽和脂肪酸とのエステル化物の混合物などを一般に採用することができる。
このワイヤーパートPには、第1真空移送装置23aと、第2真空移送装置23bと、第3真空移送装置24とがさらに組み込まれている。第1真空移送装置23aは、広葉樹パルプ層Aを第1フォーミングユニット11aの内側ワイヤー12aから外側ワイヤー13aへと移すように配されている。第2真空移送装置23bは、針葉樹パルプ層Bを第2フォーミングユニット11bの内側ワイヤー12bから外側ワイヤー13bへと移すように配されている。第3真空移送装置24は、広葉樹パルプ層Aと針葉樹パルプ層Bとの二層を抄き合わせてティシュ原紙層Cを形成するため、針葉樹パルプ層Bを第2フォーミングユニット11bの外側ワイヤー13bから広葉樹パルプ層A上に移載するように配されている。本実施形態の場合、これらの真空移送装置23a,23b,24は、パルプ層A,Bを一方のワイヤー12a,12b,13bから他方のワイヤー13a,13b,13aへと移載する役割を有するだけである。
従って、ワイヤーパートPの第1フォーミングユニット11aのヘッドボックス19aから初期フォーミング領域Zに向けて広葉樹パルプおよび湿潤紙力増強剤を含む第1の紙料が噴射される。そして、ワイヤー12a,13aの間に広葉樹パルプ層Aとなる部分を形成した後、この広葉樹パルプ層Aが第1真空移送装置23aによって外側ワイヤー13aへと引き寄せる。外側ワイヤー13aへと引き寄せられた広葉樹パルプ層Aは、第2フォーミングユニット11bとの合流部Zへ向けて外側ワイヤー13a上を搬送される。
一方、ワイヤーパートPの第2フォーミングユニット11bのヘッドボックス19bから初期フォーミング領域Zに向けて針葉樹パルプおよび柔軟剤を含む第2の紙料が噴射され、ワイヤー12b,13bの間に針葉樹パルプ層Bとなる部分が形成される。次いでこの針葉樹パルプ層Bが第2真空移送装置23bによって外側ワイヤー13bに引き寄せられ、第1フォーミングユニット11bの外側ワイヤー13aとの合流部Zに向けて搬送される。
この合流部Zでは、第1フォーミングユニット11aの外側ワイヤー13a上を搬送される広葉樹パルプ層Aに第2フォーミングユニット11bにて形成された針葉樹パルプ層Bが重ね合わされる。すなわち、第2フォーミングユニット11bの外側ワイヤー13bに保持された針葉樹パルプ層Bが真空移送装置24によって第1フォーミングユニット11aの外側ワイヤー13a上に移され、ここで二層抄き合わせ状態となった紙層Cが形成される。この紙層Cは、プレスパートPへ向けて外側ワイヤー13a上を搬送される。
このような構成のため、広葉樹パルプ層Aに含まれる湿潤紙力増強剤は、針葉樹パルプ層Bへと浸透しにくくなることが理解し得よう。また、針葉樹パルプ層Bに含まれる柔軟剤が広葉樹パルプ層A側へと比較的浸透しやすくなる。しかしながら、広葉樹パルプ層A自体は、その紙料を構成する広葉樹パルプおよび湿潤紙力増強剤などで飽和状態となっているため、広葉樹パルプ層A側への柔軟剤の浸透割合はほとんど無視できる程度となる。従って、得られるティシュペーパーの原紙Cは、針葉樹パルプと広葉樹パルプとの割合が原紙Cの一方の表面では針葉樹パルプが100%となるのに対し、他方の表面では広葉樹パルプが100%となる。しかも、原紙Cの一方の表面における湿潤紙力増強剤の割合が0%となる。
本実施形態では、紙層Cを構成する広葉樹パルプ層A側が先のドライパートPに配されたヤンキードライヤー14のシリンダー15の表面に巻き付けられるため、この広葉樹パルプ層Aの表面側をより滑らかにして肌触りを良好に保つことが可能となる。
上述した実施形態では、2つのヘッドボックス19a,19bから2種類の紙料を別々にワイヤーパートPに供給するようにしたが、1つのヘッドボックスから2種類の紙料を同時に供給することも可能である。このような本発明の他の実施形態による抄紙設備の概略を図3に示し、そのワイヤーパートにおけるヘッドボックスの部分を抽出拡大して図4に示すが、先の実施形態と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明を省略する。
すなわち、本実施形態におけるフォーミングユニット11は、内側ワイヤー12の末端部がプレスパートPに接続する。湾曲した初期フォーミング領域Zに向けて2種類の紙料を同時に供給する本実施形態における統合ヘッドボックス19は、2つの紙料チャンバー25a,25bをその内部に有する。第1の紙料チャンバー25aには図示しない調成設備にて得られた広葉樹パルプおよび湿潤紙力増強剤を含む紙料が供給され、第2の紙料チャンバー25bには図示しない調成設備にて得られた針葉樹パルプおよび柔軟剤を含む紙料が供給される。これにより、統合ヘッドボックス19から2種類の紙料が噴射されると、内側ワイヤー12側には広葉樹パルプ層Aが形成され、外側ワイヤー13には針葉樹パルプ層Bが形成される。そして、これらが一体となって二層抄き合わせ状態の紙層Cが初期フォーミング領域Zから内側ワイヤー12を介してプレスパートPへと搬送されることとなる。このため、本実施形態においては先の実施形態よりも広葉樹パルプ層Aと針葉樹パルプ層Bとがその境界部分で混ざり合い、これらのより強い結合をもたらすことが可能となる。従って、広葉樹パルプ層Aと針葉樹パルプ層Bとがその境界部分では、湿潤紙力増強剤および柔軟剤の混ざり合いも起こる可能性がある。しかしながら、ワイヤー12,13にそれぞれ接する側においては混ざり合いの影響をほとんど受けことがない。結果として、得られるティシュペーパーの原紙Cは、針葉樹パルプと広葉樹パルプとの割合が原紙Cの一方の表面では針葉樹パルプが100%であると共に他方の表面では広葉樹パルプが100%となる。また、原紙Cの一方の表面における湿潤紙力増強剤の割合は0%となる。
2つの紙料チャンバー25a,25bを仕切る仕切り壁26は、初期フォーミング領域Zに向けて延在し、この仕切り壁26の長さを長くするほど、広葉樹パルプ層Aと針葉樹パルプ層Bとの混ざり合いを少なくすることができる。例えば、統合ヘッドボックス19から仕切り壁26を突出させることにより、広葉樹パルプ層Aと針葉樹パルプ層Bとの混ざり合いをほとんどなくすことができる。
なお、このような構造のワイヤーパートPの詳細については、特公昭62−38480号公報などで周知である。
なお、本発明はその特許請求の範囲に記載された事項のみから解釈されるべきものであり、上述した実施形態においても、本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が記載した事項以外に可能である。つまり、上述した実施形態におけるすべての事項は、本発明を限定するためのものではなく、本発明とは直接的に関係のないあらゆる構成を含め、その用途や目的などに応じて任意に変更し得るものである。
ワイヤーパート
プレスパート
ドライパート
カレンダーパート
リールパート
11a,11b,11 フォーミングユニット
12a,12b,12 内側ワイヤー
13a,13b,13 外側ワイヤー
14 ヤンキードライヤー
15 シリンダー
16 ドクターブレード
17 カレンダーロール
18a,18b,18 フォーミングロール
19a,19b ヘッドボックス
19 統合ヘッドボックス
20a,20b 駆動ロール
21a,21b 案内ロール
22a,22b テンションロール
23a 第1真空移送装置
23b 第2真空移送装置
24 第3真空移送装置
25a,25b 紙料チャンバー
26 仕切り壁
A 広葉樹パルプ層
B 針葉樹パルプ層
C 紙層(原紙)
原紙ロール
,Z,Z 初期フォーミング領域
合流部

Claims (5)

  1. ワイヤーパートのワイヤーに広葉樹パルプを含む第1の紙料を供給するステップと、
    ワイヤーパートのワイヤーに針葉樹パルプを含む第2の紙料を供給するステップと
    を具えた抄紙方法であって、
    湿潤紙力増強剤を前記第1の紙料にのみ添加するステップと、
    柔軟剤を針葉樹パルプに対して0.1重量%添加するステップと、
    を具えたことを特徴とする抄紙方法。
  2. 広葉樹パルプを含む第1の紙料を供給する前記ステップが針葉樹パルプを含む第2の紙料を供給する前記ステップよりも先に行われることを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法。
  3. 広葉樹パルプを含む第1の紙料を供給する前記ステップと、針葉樹パルプを含む第2の紙料を供給する前記ステップとが同時に行われることを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法。
  4. 柔軟剤を前記針葉樹パルプに対して0.1重量%添加するステップは、柔軟剤を前記第2の紙料にのみ添加するステップとして行われることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の抄紙方法。
  5. 湿潤紙力増強剤は、広葉樹パルプに対して0.05〜0.1重量%添加されることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の抄紙方法。
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