JP6360957B1 - コネクター型接着補助器具用金型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、コネクター及び環状体の2部品を別々の金型で成形するようにしたコネクター型接着補助器具用金型装置を提供する。【解決手段】コネクター成形用金型Pは、マニホールド250を内蔵する固定側本体と、ホットランナーHRとを備える固定型200と、可動側本体を備える可動型300とを備えて、可動側本体がその成形面にて固定側本体の成形面に当接したとき可動側本体及び固定側本体の双方に亘りホットランナーHRの複数のランナーノズル260からの溶融樹脂に基づきコネクターを成形するためのキャビティをコネクターに対応する中空形状を有するように形成する。また、環状体成形用金型は、固定型と、可動側本体を有する可動型とを備えて、当該可動側本体がその成形面にて固定側本体の成形面に当接したとき可動側本体及び固定側本体の双方に亘りスプールブッシュからの溶融樹脂に基づき環状体を成形するためのキャビティを環状体に対応する中空形状を有するように形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、コネクター型接着補助器具用金型装置に関する。
従来、この種の成形用金型装置により成形される接着補助器具としては、下記特許文献1に記載されたコネクター兼用モルタル接着補助具が提案されている。
当該コネクター兼用モルタル接着補助具は、円錐台状のコネクター部と、当該コネクター部の小径側端面上に形成してなる多数のループ状係止部と、コネクター部の大径側端面側の外周部に突設してなる複数の凸部と、多数のループ状係止部を包囲するようにコネクター部の小径側端面から延出する環状支持突起とにより構成されている。
特許第3976427号公報
ところで、上述のような構成を有するコネクター兼用モルタル接着補助具を成形するにあたっては、当該コネクター兼用モルタル接着補助具を成形するに適した成形用金型装置が必要とされる。
また、成形用金型装置を形成するにしても、コネクター兼用モルタル接着補助具の成形作業の単純化や成形コストの低減化のためには、当該成形用金型装置は、できる限り簡単な構成にすることが望ましい。
ここで、当該コネクター兼用モルタル接着補助具においては、多数のループ状係止部及び環状支持壁が、コネクター部の小径側端面に形成されるとともに、複数の凸部が、コネクター部の大径側端面側の外周部に突設されている。
換言すれば、コネクター部は、多数のループ状係止部及び環状支持壁を形成してなる小径側端面から複数の凸部を突設してなる大径側端面にかけて末広がり状となる円錐台形状に形成されている。
従って、コネクター部を多数のループ状係止部及び環状支持壁と共に一体成形する金型を構成するにあたっては、金型のパーティングラインをコネクター部の小径側端面にせざるを得ず、コネクター部の小径側端面から大径側端面にかけて末広がり状となる円錐台形状やコネクター部の大径側端面側の外周部に対する複数の凸部の凸設形状が、金型の複雑な分割を招き、その構成の簡単化を阻害する。
また、多数のループ状係止部をコネクター部の小径側端面に形成するには、コネクター部と一体成形してなる環状支持壁に対し、多数のループ状係止部をコネクター部の小径側端面に沿いその径方向に中子を抜くための抜き穴部を形成しなければならず、多数のループ状係止部を包囲するという環状支持壁の役割を確保できない。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、コネクター及び環状体の2部品を別々の金型で成形するとともに、当該別々の金型をできる限り簡単な構成とするようにしたコネクター型接着補助器具用金型装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係るコネクター型接着補助器具用金型装置は、請求項1の記載によれば、
コネクター(110)及び環状体(120)を備えるコネクター型接着補助器具(100)のコネクターを成形するための金型を第1金型(P)として備えるとともに、環状体を成形するための金型を第2金型(Q)として備える。
当該コネクター型接着補助器具用金型装置において、
ネクターは、大径側端部から小径側端部にかけて末すぼまり状に形成してなる胴部(110a)と、当該胴部の上記大径側端部から同軸的に延出する頭部(110b)と、上記胴部及び上記頭部の両対向端部の少なくとも一方から環状に外方へ径方向に沿い延出する環状フランジ部(110c)と、上記頭部の延出端面から分散状に突出する複数の面側係合片部(110d)とでもって、所定の樹脂材料により一体的に形成されている。
環状体は、複数の面側係合片部(110d)をその外周側から包囲するように上記頭部に同軸的に圧入される環状基壁部(121、122、123)と、当該環状基壁部から環状フランジ部(110c)とは反対方に同軸的に突出する環状突起部(126)とを、前記所定の樹脂材料でもって一体的に形成してなる環状壁部(120a)を有してなる。
ここで、第1金型(P)は、
成形面を固定側成形面として有してなる固定側本体(210、220、230、240)を備える固定型(200)と、
固定側本体の上記固定側成型面(PSa)に当接する成形面(PSb)を可動側成形面として有するように形成してなる可動側本体(310、320、330)を備える可動型(300)と、
可動側本体が上記可動側成形面にて固定側本体の上記固定側成形面に当接するに伴い可動側本体及び固定側本体の双方に亘りコネクターに対応する中空形状を有するようにキャビティ(C)を形成するキャビティ形成手段(280a、280b、340b、360a、360b、370a、370b、380、380b、380c、Sa、Sb)とを具備してなり、
固定型における固定側本体は、その上記固定側成形面側から形成してなる収容穴部(240a)内に収容してなる固定側入れ子(280a)と、当該固定側入れ子に形成してなる貫通穴部(283)に可動側本体側へ延出するように嵌装される固定側コアピンであってその延出端部にてその径方向に列状に形成してなる複数条の凹部(284a)を有するとともに、当該複数条の凹部にその内周面に沿い凹状にその幅方向には溝状となるように形成してなる複数の溝部(284b)を有する固定側コアピン(280b)とを有する固定側入れ子部材(280)を備えており、
可動型の可動側本体は、
可動側取り付け板部材(310、312)と、
互いに間隔をおいて配置される両スペーサ(320)を介し可動側取り付け板部材に対向するように積層される可動側型板であって上記可動側成形面を成形面として有する可動側型板(330)と、
当該可動側型板にその成形面側から固定側本体の上記収容穴部に対応するように形成してなる収容穴部(330a)内に収容される可動側入れ子(N)と、左右両側スライド(Sa、Sb)を有して、可動側入れ子に組み付けられるスライド部材(S)とを具備する可動側入れ子部材(340)と、
両スペーサ、可動側型板及び可動側取り付け板部材の間に形成してなる空所(W)内にて当該可動側取り付け板部材上に着座するように収容されて当該可動側取り付け板部材から可動側型板への方向或いはその逆方向へ変位可能となっている押し上げ板部材(380a)と、固定側コアピンに同軸的に対向するように可動側入れ子に形成してなる貫通穴部(344)内に向け押し上げ板部材から延出する筒状スリーブピン(380b)と、可動側取り付け板部材から筒状スリーブピンの内部を相対移動可能に通り可動側入れ子(N)の上記貫通穴部(344)内に向け延出するセンターピン(380c)とを備えるエジェクタ機構(380)とを備えており、
スライド部材における左右両側スライド(Sa、Sb)は、
可動側型板(330)の上記収容穴部(330a)内に可動側入れ子(N)の左右両側にて互いに対向して近づく方向或いは離れる方向に移動可能に収容される左右両側スライド部(350a、350b)と、
当該左右両側スライド部の互いに対向する左右両側対向部位(352)にそれぞれ形成してなる収容部(352b、352a)内に収容される左右両側スライドコア部(360a、360b)と、
当該左右両側スライドコア部を介し左右両側スライド部の上記左右両側対向部位(352)の上記各収容部内に収容される左右両側スライドロックプレート部(370a、370b)とを具備しており、
左右両側スライド部の上記左右両側対向部位は、その各収容部(352b、352a)の底壁部(352a)の対向端部にて、互いに対向するように切り欠き部(352c)を凹状に形成してなり、
左右両側スライドコア部(360a、360b)は、それぞれ、複数のロッド部(361a〜367a、361b〜367b)でもって構成されており、
左右両側スライドロックプレート部(370a、370b)の各裏面には各複数の長手状凹部(372)が左右方向には長手状に前後方向には間隔をおくように凹状に並んで形成されるとともに、当該左右両側スライドロックプレート部の各対向端部には各切り欠き部(371)が互いに対向するように左右両側スライド部(350a、350b)の上記左右両側対向部位(352)の前記各凹状切り欠き部(352b、352a)に対応して形成されており、
左右両側スライドコア部(360a、360b)の各上記複数のロッド部は、左右両側スライドロックプレート部の各複数の長手状凹部(372)内に収容されており、
キャビティ形成手段において、上記キャビティが、その中空部にて、可動側入れ子(N)の上記貫通穴部(344)の内周面部、並びに固定側コアピン(280b)、筒状スリーブピン(380b)及びセンターピン(380c)のうち可動側入れ子(N)の上記貫通穴部(344)の上記内周面部側の各端部により形成されており、
脂射出成型機から上記所定の樹脂材料を溶融樹脂として射出されるに伴い当該溶融樹脂を、固定側本体を通して上記キャビティ内にコネクターを成形するために流入させるようになっている。
第2金型(Q)は、
固定型を第1固定型(200)とし、固定側本体を第1固定側本体(210、220、230、240)として、固定側本体(410、420)を第2固定側本体として備える第2固定型(400)と、
可動型を第1可動型(300)とし、可動側本体及びその可動側成形面を第1可動側本体(310、320、330)及び第1可動側成形面として、第2固定側本体の成型面(PSc)に当接する成形面(PSd)を第2可動側成形面として有するように形成してなる可動側本体(510、520、570、530、540)を第2可動側本体として備える第2可動型(500)と、
上記キャビティ(C)を第1キャビティとし、キャビティ形成手段を第1キャビティ形成手段として、第2可動側本体(510、520、570、530、540)がの第2可動側成形面にて第2固定側本体の成形面に当接するに伴い第2可動側本体及び第2固定側本体の双方に亘り環状体に対応する中空形状を有するように第2キャビティ(C1)を形成する第2キャビティ形成手段(450、450a、460、464、460c、550、560)とを備えて、
上記溶融樹脂が樹脂射出成型機から射出されるに伴い、当該溶融樹脂を、第2固定側本体を通して第2キャビティ内に環状体を成形するために流入させるようになっている。
以上のように構成することにより、コネクター型接着補助器具は、次のようにして、コネクターを第1金型により成形するとともに、環状体を第2金型により成形することで、製造される。
コネクターの成形にあたり、第1金型においては、第1可動型及び第1固定型が閉じた状態にある。また、スライド部材は、左右両側スライドにて相互に閉じた状態にある。
このような状態においては、第1可動型及び第1固定型の間において、第1キャビティが、第1キャビティ形成手段により、可動側入れ子の貫通穴部の内周面部、並びに固定側コアピン、筒状スリーブピン及びセンターピンのうち可動側入れ子の貫通穴部の内周面部側の各端部により形成されている。
このような状態にて、所定の樹脂材料が樹脂射出機による射出のもと溶融樹脂として第1固定側本体を通して第1キャビティ内に充填されると、当該溶融樹脂は、第1金型の冷却のもと、第1キャビティ内にてコネクターとして成形される。
然る後、第1可動型を第1固定型から開くとともに、左右両側スライドを相互に開く。これに伴い、左右両側スライド部が、左右両側スライドコア部及び左右両側スライドロックプレート部と共に、相互に開く。このとき、第1キャビティ内で成形済みのコネクターは、可動側入れ子部材の可動側入れ子の貫通穴部内に保持されている。
ついで、第1エジェクタ機構において押し上げ板部材が可動側取り付け板から可動側型板への方向に変位してスリーブピンをセンターピンに沿い可動側型板側へ摺動させると、コネクターが、スリーブピンにより、可動側入れ子の貫通穴部の内部から押し出される。これにより、コネクターの第1金型による成形が完了する。
一方、環状体の成形にあたり、第2金型においては、第2可動型及び第2固定型が閉じた状態にある。このとき、第2可動型及び第2固定型の間において、第2キャビティが、第2キャビティ形成手段により、形成されている。
このような状態にて、所定の樹脂材料が樹脂射出機による射出のもと溶融樹脂として第2固定側本体を通して第2キャビティ内に充填されると、当該溶融樹脂は、第2金型の冷却のもと、第2キャビティ内にて環状体として成形される。
然る後、第2可動型を第2固定型から開いて、可動側外入れ子部材から環状体を取り出す。これにより、環状体の成形が第2金型による成形が完了する。
このようにコネクター及び環状体の成形が完了した後、環状体をその環状基壁部にてコネクターの頭部に圧入することで、コネクター型接着補助器具が製造され得る。
これにより、上述のような構成を有するコネクター及び環状体の2部品からなるコネクター型接着補助器具を良好に成形し得る金型装置が、コネクター用第1金型及び環状体用第2金型という別々の金型でもって、できる限り簡単な構成で提供され得る。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置において、
第1金型において、
第1固定側本体(210、220、230、240)は、その収容穴部(240a)内に固定側入れ子(280a)の左右両側にて支持する左右両側ロック部材本体(290a)と、当該左右両側ロック部材本体に上方から下方にかけて左右方向へ互いに離れる方向に傾斜するように嵌装されて延出する左右両側アンギュラーピン(290b)とを有する左右両側ブロック部材(290)を備えている。
また、スライド部材における左右スライ(Sa、Sb)において、
左右両側スライド部(350a、350b)は、可動側型板(330)の上記収容穴部(330a)内に可動側入れ子(N)の左右両側にて互いに対向して近づく方向或いは離れる方向に移動可能に収容される左右両側スライド基部(351)と、当該左右両側スライド基部の各対向部の上面部から可動側入れ子(N)の上面に沿い互いに近づく方向へ上記左右両側対向部位(352)として延出する左右両側係合部であって上記左右両側対向部位の上記収容部に対応する収容部を左右両側スライドコア部を介し左右両側スライドロックプレート部を収容するように形成してなる左右両側係合部(352)とを備えてなる。
ここで、左右両側ブロック部材(290)において、
左右両側アンギュラーピン(290b)は、左右両側ロック部材本体(290a)から延出して左右両側スライド部(350a、350b)の左右両側スライド基部(351)に傾斜状にかつ相対移動可能に挿通されることで、第1可動型の前記第1固定型からの分離に伴い左右両側スライド(Sa、Sb)を、左右両側スライドコア部(360a、360b)及び左右両側スライドロックプレート部(370a、370b)と共に、それぞれ、互いに離れる方向に移動させ、一方、第1可動型の第1固定型への移動に伴い左右両側スライドを、左右両側スライドコア部及び左右両側スライドロックプレート部と共に、互いに近づく方向に移動させるようになっている。
このように構成することにより、第1金型において、コネクターの成形後、第1可動型を第1固定型から開くと、左右両側ブロック部材が、その各アンギュラーピンにより、左右両側スライド部をその左右両側スライド基部にて互いに逆方向へ離れるように変位させる。これに伴い、左右両側スライドコア部及び左右両側スライドロックプレート部が、それぞれ、成形済みのコネクターから離れるように、互いに逆方向に変位する。このことは、成形済みのコネクターは、左右両側スライドコア部及び左右両側スライドロックプレート部から離れた状態で、可動側入れ子部材の可動側入れ子の貫通穴部内に保持されていることを意味する。
然る後は、請求項1の発明と同様に、成形済みのコネクターが、エジュクタ機構によるスリーブピンにより可動側入れ子の貫通穴部の内部から押し出される。
このように左右両側ブロック部材を設けることで、左右両側スライド部を容易に互いに逆方向へ変位させつつ、請求項1に記載の発明の作用効果をより一層向上させ得る。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1または2に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置において、
第2金型(Q)において、
第2固定型(400)における第2固定側本体(410、420)は、当該第2固定側本体の上記成形面を成形面として有する固定側型板(420)と、
当該固定側型板にその成形面側から形成してなる収容穴部(420a)内に収容される固定側外入れ子部材(450)と、
当該固定側外入れ子部材(450)に形成してなる貫通穴部(450a)内に収容される固定側内入れ子部材(460)とを備えている。
第2可動型(500)における第2可動側本体(510、520、570、530、540)
動側取り付け板(510)と
スペーサ(320)を第1スペーサとして、第2スペーサ(520)を介し第2可動側取り付け板(510)に対向するように支持されて上記第2可動側成形面に相当する成形面を有する可動側型板部材(530、540)と、
該可動側型板部材にその成形面側から第2固定側本体(410、420)の固定側型板(420)の上記収容穴部(420a)に対応するように形成してなる収容穴部(540a)内に収容される可動側外入れ子部材(550)と、
当該可動側外入れ子部材に第2固定側本体(410、420)の固定側型板(420)の上記収容穴部(420a)に対向するように形成してなる貫通穴部(450a)内に当該貫通穴部と同軸的に第2可動側型板部材に形成してなる貫通穴部(541)を通して前記固定側内入れ子部材(460)に当接するように挿通される可動側内入れ子部材(550)と、
エジェクタ機構、押し上げ板部材及び上記空所を、それぞれ、第1エジェクタ機構、第1押し上げ板部材及び第1空所として、第2スペーサ(520)を介し対向する可動側型板部材(530、540)及び可動側取り付け板(510)の間に形成される第2空所(W1)内に可動側取り付け板(510)側から可動側型板部材(530、540)側に向かう方向或いはその逆方向へ変位可能に可動側取り付け板上に着座する第2押し上げ板部材(570a)と、当該第2押し上げ板部材から上記第2空所及び第2可動側型板部材を通り延出して可動側外入れ子部材(550)に連結される内側押し上げピン(574)と、第2押し上げ板部材(570a)から上記第2空所及び可動側型板部材をり第2固定側本体(410、420)の固定側型板(420)の上記成形面に当接可能に延出する外側押し上げピン(574)と備える第2エジェクタ機構(570)とを備えている。
ここで、固定側内入れ子部材(460)は、円柱部(460a)及び当該円柱部の外周部から可動側内入れ子部材(560)に向けて延出する環状壁部(460c)を有しており、
動側内入れ子部材は、その挿通先端部(560c)にて、固定側内入れ子部材の上記円柱部(460a)のうちの上記環状壁部(460c)の内周側端部に当接している。
また、第2キャビティ形成手段において、上記第2キャビティの中空部は、固定側外入れ子部材(450)の上記貫通穴部(450a)内において、固定側外入れ子部材への固定側内入れ子部材(460)の挿入先端部、固定側内入れ子部材の上記環状壁部(460c)、可動側外入れ子部材(550)及び可動側内入れ子部材(560)により形成されている
これによれば、環状体の成形にあたり、第2金型においては、第1可動型及び第1固定型が閉じた状態にある。
このような状態においては、第2可動型及び第2固定型の間において、第2キャビティが、固定側外入れ子部材の貫通穴部内において、固定側外入れ子部材への固定側内入れ子部材の挿入先端部、固定側入れ子部材の環状壁部、可動側外入れ子部材及び可動側内入れ子部材により形成されている。
このような状態にて、所定の樹脂材料が樹脂射出機による射出のもと溶融樹脂として第2固定側本体を通して第2キャビティ内に充填されると、当該溶融樹脂は、第2金型の冷却のもと、第2キャビティ内にて環状体として成形される。
然る後、第2エジェクタ機構において、押し上げ板部材が可動側型板部材に向けて変位すると、外側押し上げピンが第2可動型を第2固定型から開くように変位させ、内側押し上げピンが可動側外側入れ子部材を可動側型板部材の収容穴部から押し出す。
これに伴い、可動側内側入れ子部材が、可動側外側入れ子部材の貫通穴部から第2固定側本体の固定側型板とは反対方向に脱出するとともに、成形済みの環状体が、可動側内側入れ子部材からの可動側外入れ子部材からの脱出に伴い、可動側内側入れ子部材から解離する。これにより、成形済みの環状体が、可動側外側入れ子部材状に保持される。その後、当該成形済みの環状体を取り出して上述のようにコネクターに圧入すれば、コネクター型接着補助器具が製造され得る。その結果、請求項1または2に記載の発明の作用効果がより一層具体的に向上され得る。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項1〜3のいずれか1つに記載のコネクター型接着補助器具用金型装置において、
コネクター型接着補助器具において、
コネクターは、環状フランジ部に沿い上記胴部の外周面の少なくとも一部から外方へ突出するように形成してなる回り止め部(116)を具備しており、
第1金型において、
可動側入れ子(N)の上記貫通穴部(344)は、当該可動側入れ子から上方へ開口する大径穴部(344a)と、当該大径穴部から下方へ末すぼまり状に延出する末すぼまり状穴部(344b)とを有するように形成されており、
上記大径穴部と上記末すぼまり状穴部との境界部には、回り止め部に対応する開口部(346)が、その外部から可動側入れ子の上記貫通穴部(344)の内部に上記溶融樹脂を流入させるように形成されていることを特徴とする。
これによれば、可動側入れ子の貫通穴部において、回り止め部に対応する開口部が大径穴部と末すぼまり状穴部との境界部に形成されているから、第1金型の構成がより一層簡単になる。従って、コネクター型接着補助器具用金型装置の構成がより一層簡単になる。
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項2に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置において、
コネクター型接着補助器具において、
上記所定の樹脂材料は、所定の耐光性顔料含有樹脂材料であり、
コネクター(110)の上記胴部(110a)及び上記頭部(110b)は、それぞれ、円錐台状胴部(110a)及び円柱状頭部(110b)であり、
当該円柱状頭部にはその上記延出端面から当該円柱状頭部の内部に向け凹状となるように複数条の凹部(113)が互いに並行に形成されており、
複数の面側係合片部(110d)は、上記円柱状頭部の上記延出端面から外方へ凸な湾曲状に突出するように形成されて、その両端部にて、上記円柱状頭部の上記複数条の凹部の各々ごとに当該凹部を跨ぐようにその長手方向に間隔をおいて上記円柱状頭部の上記延出端面に形成されており、
環状体(120)の環状基壁部(121、122、123)は、上記圧入にて、環状フランジ部(110c)に着座するようになされており、
第1金型における第1可動型(300)の第1可動型本体(310、320、330)において、
スライド部材(S)の左右両側スライド部(350a、350b)の左右両側係合部(352)は、上記互いに対向する切り欠き部(352c)を、上記円柱状頭部(110b)に対応するように、互いに逆方向へ凹な半円状に形成してなるとともに、上記底壁部の内面にて、複数の長手状凹部を左右方向には横断面半円状となるように前後方向には間隔をおくように並んで形成してなり、
左右両側スライドコア部(360a、360b)の各複数のロッド部は、それぞれ、横断面長楕円状に形成されて、左右両側スライドロックプレート部(370a、370b)の上記複数の長手状凹部(372)と左右両側スライド部の左右両側係合部の各上記複数の長手状凹部との間に収容されるようになっており、
可動側入れ子(N)の上記貫通穴部(344)は、上記末すぼまり状穴部(344b)を、上記円錐台状胴部(110a)に対応するように、上記大径穴部(344a)から下方へ末すぼまり状に延出する円錐台状穴部(344b)として形成してなることを特徴とする。
これによれば、請求項2に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項3に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置において、
コネクター型接着補助器具の前記環状体(120)において、
環状基壁部(121、122、123)は、上記圧入に伴い環状フランジ部(110c)の環状上面に着座する環状着座部(121)と、当該環状着座部(121)の内周側上端部から上方へ延出する環状厚肉部(122)と、当該環状厚肉部(122)の外周側上端部から同軸的に上方へ延出する環状薄肉部(123)とを備えており、
複数の周側係合片部(120b)は、それぞれ、上記環状厚肉部(122)の延出端内周部からその周方向には間隔をおいて軸心に向け斜め上方へ延出するロッド部(124)と、当該ロッド部の延出端部に支持される球部(125)とにより形成されており、
第2金型(Q)の第2固定側本体(410、420)において、
定側内入れ子部材(460)の上記環状壁部(460c)の内周面部は、当該環状壁部の先端部から固定側内入れ子部材の上記円柱部(460a)の上記内周側端部の外周部位にかけて、固定側内入れ子部材の上記環状壁部の内部側へ凹な湾曲形状にて、傾斜するように形成されるとともに、複数の長手状凹部(466a)を、固定側内入れ子部材の上記環状壁部の延出基端部から延出先端部にかけて長手状となるように固定側内入れ子部材の上記環状壁部の周方向に間隔をおいて形成してなり、
可動側内入れ子部材(560)の上記挿通先端部(565)の外周面部には、複数の凹部(566a)が、固定側内入れ子部材(460)の上記複数の長手状凹部(466a)にその固定側内入れ子部材の上記環状壁部の上記延出基端部側にて形成してなる各横断面部分球状凹部(460c)とともに球を構成するように、形成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、コネクター型接着補助器具の環状体の環状基壁部には、複数の周側係合片部が、それぞれ、環状厚肉部(122)の延出端内周部からその周方向には間隔をおいて軸心に向け斜め上方へ延出するロッド部(124)と、当該ロッド部の延出端部に支持される球部(125)とでもって構成されるように、良好に形成され得る。
また、本発明は、請求項7の記載によれば、請求項6に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置において
コネクター型接着補助器具において、
環状体の環状突起部(126)は、環状基壁部の上記環状薄肉部(123)の幅方向中間部位から環状フランジ部(110c)とは反対方向に環状可変部として突出してなり、
第2金型(Q)の第2固定側本体(410、420)において、
定側内入れ子部材(460)の上記環状壁部(460c)は、その外周側部位を縦断面L字状に切り欠くことで環状切り欠き部(465)を形成してなり、
当該環状切り欠き部は、その環状底壁部をその幅方向中間部位から縦断面山形状に切り欠くことで、環状溝部(465a)を形成してなることを特徴とする。
これによれば、コネクター型接着補助器具の環状体の環状突起部が、縦断面山形状にて、環状基壁部の延出端面の幅方向中間部位から一体的に環状可変部として延出するように形成され得る。従って、請求項6に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
また、本発明は、請求項8の記載によれば、請求項6に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置において
コネクター型接着補助器具において、
環状体の環状突起部(126)は、環状基壁部の上記環状薄肉部(123)の外周部から環状フランジ部(110c)とは反対方向に縦断面楔状に突出してなり、
第2金型(Q)の第2固定側本体(410、420)において、
定側内入れ子部材(460)の上記環状壁部(460c)は、その外周縁部を、縦断面楔状に切除することで、環状切除部(465c)を形成してなることを特徴とする。
これによれば、コネクター型接着補助器具の環状体の環状突起部が、縦断面楔状にて、環状基壁部の外周部から一体的に延出するように形成され得る。従って、請求項6に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
また、本発明は、請求項9の記載によれば、請求項5〜8のいずれか1つに記載のコネクター型接着補助器具用金型装置において、
第1固定型(200)において、
1固定側本体(210、220、230、240)は、
マニホールド本体(250a)を有するマニホールド(250)と、
マニホールド本体内に設けられて樹脂射出成型機から上記所定の耐光性顔料含有樹脂材料を溶融樹脂として射出されるランナー流路(250c)と、当該ランナー流路に形成してなる流出路部に接続されるランナーノズル(260)とを具備して、ランナー流路のマニホールド本体を介する加熱のもと、ランナー流路を流動してその流出路部から流出する上記溶融樹脂をランナーノズルに流動させるホットランナー(HR)とを備えて、
ランナーノズルからの上記溶融樹脂を上記第1キャビティ(C)内に流入させるようにしたことを特徴とする。
これによれば、ランナー流路内の溶融樹脂は、マニホールド本体による加熱のもと、良好な流動状態にて、ランナーノズルを通り第1キャビティ内に流入し得る。これに伴い、コネクターが第1キャビティ内にて良好に成形され得る。その結果、請求項5〜8のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層良好に向上され得る。
また、本発明は、請求項10の記載によれば、請求項5〜8のいずれか1つに記載のコネクター型接着補助器具用金型装置において
第1固定型(200)において、
第1固定側本体(210、220、230、240)は、
固定側取り付け板(210)と、
第2金型(Q)の固定側型板(420)を第2固定側型板(420)として、第1固定側本体(210、220、230、240)の上記固定側成形面に相当する成形面を有する第1固定側型板(240)と、
定側取り付け板と第1固定側型板との間に積層されてマニホールド本体(250a)を有するマニホールド(250)を内蔵するように形成してなるマニホールド保持板部材(220、230)と、
マニホールド本体内に設けられて樹脂射出成型機から上記所定の耐光性顔料含有樹脂材料を溶融樹脂として射出されるランナー流路(250c)と、当該ランナー流路に形成してなる流出路部に接続されるように第1固定側型板内に設けられるランナーノズル(260)とを備えて、ランナー流路のマニホールド本体を介する加熱のもと、ランナー流路を流動してその流出路部から流出する上記溶融樹脂をランナーノズルに流動させるホットランナー(HR)とを備えて、
ランナーノズルからの上記溶融樹脂を上記第1キャビティ(C)内に流入するようにしたことを特徴とする。
これによれば、ランナー流路内の溶融樹脂は、マニホールド本体による加熱のもと、良好な流動状態にて、ランナーノズルを通り第1キャビティ内に流入し得る。これに伴い、コネクターが第1キャビティ内にて良好に成形され得る。その結果、請求項5〜8のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層良好に達成され得る。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
本発明に係る金型装置の第1実施形態におけるコネクター型接着補助器具のコネクター用金型の図16にて1−1線に沿う断面図である。 上記第1実施形態におけるコネクター型接着補助器具の環状体用金型の断面図である。 上記第1実施形態におけるコネクター型接着補助器具の側面図である。 図3のコネクター型接着補助器具の分解側面図である。 図6の5−5線に沿うコネクター型接着補助器具の縦断面図である。 図3のコネクター型接着補助器具の平面図である。 図4のコネクターの側面図である。 図7のコネクターの平面図である。 図8の9−9線に沿うコネクターの断面図である。 図4の環状体の側面図である。 図10の環状体の平面図である。 図11の12−12線に沿う環状体の断面図である。 図12の円Aにより囲われる領域の拡大断面図である。 図13の円Bにより囲われる領域の拡大断面図である。 図16の15−15線に沿うコネクター用金型の断面図である。 上記第1実施形態におけるコネクター用金型の固定型をパーティング面側から見た平面図である。 コネクター用金型の固定側型板の平面図である。 図17の18−18線に沿う固定側型板の断面図である。 上記第1実施形態におけるコネクター用金型の可動型をパーティング面側から見た平面図である。 上記第1実施形態におけるコネクター用金型の可動型の可動側型板を示す平面図である。 図20の21−21線に沿う可動側型板の断面図である。 上記第1実施形態における固定側左入れ子部材と入れ子との係合及び当該入れ子、左側前後スライド部材、可動側左入れ子部材、前後両側コアピン、前後両側センターピン及び前後両側スリーブピンの組み付け構造を示す斜視図である。 図22の固定側入れ子部材を前後両側コアピンと共に示す斜視図である。 図22の固定側入れ子部材を前後両側コアピンと共に示す斜視図である。 図24の固定側入れ子部材の背面図である。 図25の26−26線に沿う入れ子の断面図である。 図23のコアピンの側面図である。 図27のコアピンを図示下方から見た平面図である。 図28にて29−29線に沿うコアピンの断面図である。 図1のスライドロック部材のロック部材本体を示す平面図である。 図30にて31−31線に沿うロック部材本体の断面図である。 図22にて固定側入れ子部材を除いた構成を示す斜視図である。 図32にて前後スライド部材を除いた構成を示す斜視図である。 図33の入れ子のうちの本体部を示す斜視図である。 図34の本体部の平面図である。 図33の入れ子のうちの前後両側入れ子部を示す斜視図である。 図36の前側入れ子部の平面図である。 図36の前側入れ子部の縦断面図である。 図36の後側入れ子部の平面図である。 図39の後側入れ子部縦断面図である。 図32のスライド部材の左右両側スライドを示す斜視図である。 図41の左右両側スライド部を示す斜視図である。 図42の左側スライド部の平面図である。 図43にて44−44線に沿う左側スライド部の断面図である。 図43の左側スライド部の右側面図である。 図41の左右両側スライドコア部を示す斜視図である。 図41の左右両側スライドロックプレート部を示す斜視図である。 図47の左側スライドロックプレート部の平面図である。 図47の左側スライドロックプレート部の左側面図である。 図47の左側スライドロックプレート部の後側面図である。 図1のスリーブピンを示す縦断面図である。 図1のセンターピンを示す縦断面図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の固定型をそのパーティング面から見た平面図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の固定型の固定側型板の平面図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の固定型の固定側外入れ子部材を示す平面図である。 図55の固定側外入れ子部材を示す斜視図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の固定型の固定側内入れ子部材を示す平面図である。 図57の58−58線に沿う固定側内入れ子部材の断面図及びその部分拡大断面図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の固定型の固定側内入れ子部材を示す斜視図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の固定型の固定側外入れ子部材に固定側内入れ子部材を組み付けた状態を示す斜視図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の可動型をそのパーティング面から見た平面図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の可動型の可動側外入れ子部材を示す平面図である。 図62の可動側外入れ子部材を示す斜視図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の可動型の可動側内入れ子部材を示す平面図である。 図64にて65−65線に沿う可動側内入れ子部材の断面図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の可動型の可動側内入れ子部材を示す斜視図である。 上記第1実施形態における環状体用金型の可動型の可動側外入れ子部材に各可動側内入れ子部材を組み付けた状態を示す斜視図である。 固定側外入れ子及び固定側内入れ子部材と可動側外入れ子及び可動側内入れ子部材との係合状態を示す拡大部分破断断面図である。 図68の固定側外入れ子及び固定側内入れ子部材と可動側外入れ子及び可動側内入れ子部材との係合状態の部分拡大断面図である。 本発明に係る金型装置の第2実施形態における環状体用金型の部分拡大断面図である。
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2は、本発明に係る金型装置の第1実施形態を示している。この金型装置は、コネクター用金型P(図1参照)及び環状体用金型Q(図2参照)により構成されており、当該金型装置は、樹脂射出成形機(図示しない)において射出される溶融樹脂に基づき、コネクター用金型P及び環状体用金型Qでもって、コネクター型接着補助器具100(図3参照)のコネクター110(後述する)及びタコ足環状体120(後述する)を成形するものである。
本第1実施形態において、当該金型装置の説明に先立ち、コネクター型接着補助器具100の構成について説明する。当該コネクター型接着補助器具100は、図3〜図6のいずれかにて示すごとく、コネクター110及びタコ足環状体120(以下、環状体120ともいう)及びセパジョイント130(セパボルト130ともいう)を備えている。また、当該コネクター型接着補助器具100は、コネクター110、環状体120及びセパジョイント130の他に、補助部品として、型締めボルト140を備えている。
ここで、型締めボルト140は、コンクリート壁(図示しない)の施工にあたり採用される型枠(図示しない)の型締めの際に要するのみで、当該型枠を取り外す際にはこの型枠と共に除去されるものである。従って、上記コンクリート壁への埋設後のコネクター型接着補助器具100は、コネクター110、タコ足環状体120及びセパボルト130のみにより構成される。
このようなことから、コネクター型接着補助器具100は、コネクター110、タコ足環状体120及びセパボルト130からなる構成として把握してもよく、コネクター110、タコ足環状体120及びセパボルト130に、型締めボルト140を補助部品として、加えた構成として把握してもよい。
コネクター型接着補助器具100において、コネクター110は、図4にて例示するごとく、円錐台状胴部110a、円柱状頭部110b、環状フランジ部110c及び複数の係合片部110dを備えており、これら円錐台状胴部110a、円柱状頭部110b、環状フランジ部110c及び複数の係合片部110dは、所定の耐光性顔料含有樹脂材料でもって、射出成形により、一体的に形成されている。
本第1実施形態において、上記所定の耐光性顔料含有樹脂材料としては、例えば、合成樹脂材料の一種であるエンジニアリング・プラスチックのうちのナイロンの一種、株式会社東レ製射出成形用非強化ナイロン6に、カーボンブラック等の黒色顔料を均一に含有させたものが採用されている。当該射出成形用非強化ナイロン6を採用したのは、ナイロン6は、コンクリートがアルカリ性であることを考慮すれば、耐アルカリ性に優れ、また、以下のような引っ張り力に対する伸長性等に優れるためである。
当該射出成形用非強化ナイロン6は、例えば、次のような特性を有する。

せん断強さ:23(℃)及び絶乾状態で76(MPa)
引張り強さ:23(℃)及び絶乾状態で87(MPa)
曲げ強さ:23(℃)及び絶乾状態で120(MPa)
曲げ弾性率:23(℃)及び絶乾状態で3.1(GPa)

また、上述のように黒色顔料を非強化ナイロン6に含有させた理由は、コネクター110及びタコ足環状体120の紫外線等による劣化を未然に防止するためである。このことは、コネクター110及びタコ足環状体120が紫外線等の光に対する良好な耐光性を有することを意味する。
なお、上述の所定の耐光性顔料含有樹脂材料として選定したナイロン6は、東芝製射出成形用非強化ナイロン6に限ることなく、当該非強化ナイロン6と同様の特性を有するナイロンであってもよい。
円錐台状胴部110aは、図5、図7及び図9のいずれかに示すごとく、円柱状頭部110bと同軸的にかつ一体的に形成されており、当該円錐台状胴部110aは、その下端面111から上端面112にかけて、縦断面台形状にて末広がり状に形成されている(図7参照)。なお、円錐台状胴部110aの下端面111の外径は、25(mm)であって、当該円錐台状胴部110aの上端面112の外径30(mm)(円柱状頭部110bの外径に相当)よりも小さい。
円柱状頭部110bは、円錐台状胴部110aの上端面112から同軸的にかつ円柱状に延出するように形成されており、当該円柱状頭部110bの上端面(表面)には、複数条の凹部113が、図9にて図示上下方向には長手状に、図5にて図示左右方向には列状となるように、横断面半長楕円状にて凹状に形成されている。
また、円柱状頭部110bは、図4、図5、図7、図8及び図9のいずれにて示すごとく、中空状受け板部114を有しており、当該中空状受け板部114は、コネクター110の軸穴部115(図5参照)に対し同軸的に対応するように、円柱状頭部110bの中央部にて円柱状頭部110bの左内側凹部113、中央側凹部113及び右内側凹部113の各中央部(図8参照)に亘るように形成されている。
ここで、軸穴部115は、コネクター110の中心穴部として貫通状に形成されており、当該軸穴部115は、図5及び図9のいずれかに示すごとく、小径穴部115a及び大径穴部115bでもって構成されている。小径穴部115aは、コネクター110に中空状受け板部114から円錐台状胴部110aにかけて同軸的に形成されている。大径穴部115bは、小径穴部115aよりも大きな内径にて、当該小径穴部115aから円錐台状胴部110aの底部側へ同軸的に延出形成されている。
環状フランジ部110cは、コネクター110の上記コンクリート壁からの抜け止めの役割を果たすもので、当該環状フランジ部110cは、図5、図7及び図9のいずれかにて示すごとく、円柱状頭部110bの下端部から径方向に沿い外方へ環状に突出するように形成されている。従って、当該環状フランジ部110cの外径は、円柱状頭部110bの外径よりも大きい。
また、円錐台状胴部110aと環状フランジ部110cとの境界部には、回り止め部116が設けられている(図7参照)。当該回り止め部116は、円錐台状胴部110aの上端部から直方体形状にて環状フランジ部110cの下面に沿い径方向へ外方に向け突出するように、円錐台状胴部110a及び環状フランジ部110cと一体的に上記所定の耐光性顔料含有樹脂材料により形成されており、当該回り止め部116は、上記コンクリート壁の内部におけるコネクター110の回り止めの役割を果たす。
複数の係合片部110dは、図6及び図7のいずれかにて示すごとく、円柱状頭部110bの表面に列状に形成されている。当該複数の係合片部110dは、それぞれ、ロッド状係合片部として、円柱状頭部110bの表面から上方に向け凸な半ループ形状にて湾曲するとともに、円柱状頭部110bの表面に形成してなる複数条の凹部113の各々に対向するように、円柱状頭部110bと一体的に形成されている。
ここで、複数の係合片部110dは、複数条の凹部113のうちの対応凹部113ごとに、上下方向に間隔をおいて当該対応凹部113を跨ぐようにして、円柱状頭部110bの表面から上方に向け凸な半ループ形状にて湾曲状に形成されている。なお、複数の係合片部110d及び複数条の凹部113は、円柱状頭部110bの表面においてその全体に亘りモルタルとの係合力をバランスよく均一にするように形成されている。
本第1実施形態において、複数の係合片部110dの各々は、生モルタル内に深く浸入可能な剛性を有し、かつ、上記コンクリート壁の表面に塗布される生モルタルの硬化後のモルタル壁(図示しない)を支持するに必要な破断強度を有するように形成されている。なお、本第1実施形態において、係合片部110dは、以下、面側係合片部110dともいう。
環状体120は、図3及び図5のいずれかにて示すごとく、コネクター110の円柱状頭部110bに圧入により同軸的に嵌装されて環状フランジ部110c上に着座する。当該環状体120は、図3、図4及び図5のいずれかにて示すごとく、環状壁部120aと、複数の係合片部120bとを備えており、これら環状壁部120a及び複数の係合片部120bは、上述した所定の耐光性顔料含有樹脂材料でもって、射出成形でもって一体的に形成されている。
環状壁部120aは、図12にて示すごとく、環状着座部121、環状厚肉部122及び環状薄肉部123を備えている。ここで、環状着座部121は、環状フランジ部110cの環状上面に同軸的に着座する。
環状厚肉部122は、環状着座部121の内周側上端部から上方へ同軸的に延出するように形成されており、当該環状厚肉部122の内径は、環状着座部121の内径に等しい。
ここで、環状着座部121及び環状厚肉部122は、その各内径にて、円柱状頭部110bの外径に対し、後述する圧入可能な構成のもと、当該円柱状頭部110bに同軸的に圧入可能なように形成されている。当該圧入可能な構成は、図12にて示すように、2条の環状凸部122a及び複数の浅い矩形くぼみ部122bからなるもので、2条の環状凸部122aは、環状厚肉部122の内周面の軸方向中間部位から内方へ突出するように形成されている。また、複数の矩形くぼみ部122bは、環状着座部121及び環状厚肉部122の双方の内周面に亘り、浅く形成されている。
環状薄肉部123は、環状厚肉部122の外周側上端部から同軸的に上方へ延出するように形成されている。
複数の係合片部120bは、図11〜図13のいずれかにて示すごとく、それぞれ、ロッド部124及び球部125でもって一体的に形成されている。各ロッド部124は、厚肉部122の上端内周部にその周方向には所定間隔をおくように配設されて、当該厚肉部122の上端内周部から軸心に向け外方へ凸な湾曲形状にて所定の角度でもって斜め上方へ一体的に延出されている。
ここで、各ロッド部124は、横断面半円板状にて長手状に形成されることで、その外周面にて、長手状矩形平面部と長手状半円周面部でもって構成されている。これに伴い、当該各ロッド部124は、その長手状矩形平面部にて厚肉部122の軸心側に向くように、当該厚肉部122の上端内周部から延出されている。
また、各球部125は、所定の球径を有して、各対応のロッド部124の延出端部に支持されている。ここで、球部125は、その中心部にて、対応のロッド部124の長手状矩形平面部の中心部(ロッド部124の中心部に相当)に位置するように、対応ロッド部124に支持されている。
これにより、複数の係合片部120bの各々において、球部125は、ロッド部124の外径よりも大きな外径を有することで、ロッド部124のモルタルからの抜け防止の役割を果たすべく、モルタルと強固に係合する機能を果たす。
ここで、複数の係合片部120bの数は16であり、これに伴い、上述の所定の角度は、22.5度となっている。また、上述の所定の角度は、薄肉部123の軸心に対し約45度である。なお、本第1実施形態において、以下、複数の係合片部120bは、それぞれ、周側係合片部120bともいう。
また、環状壁120の環状壁部120aは、図10〜図13のいずれかにて示すように、環状突起部126を備えている。当該環状突起部126は、環状薄肉部123の延出端面の幅方向中間部位から所定の高さだけ上方へ延出するように、縦断面山形状にて、上記所定の耐光性顔料含有樹脂材料でもって、当該環状薄肉部123と一体的に形成されている。なお、環状突起部126は、上述のごとく、縦断面山形状に形成されていることから、以下、山形状突起部126ともいう。
当該山形状突起部126は、その基部126aにて、図14に示すごとく、環状薄肉部123の延出端面の幅方向中間部位に一体的に形成されており、当該環状突起部126は、基部126aから縦断面山形状に上方へ延出している。
また、当該山形状突起部126の頂部126bは、その縦断面内にて、丸みをおびるように、0.1(mm)の曲率半径を有する。本第1実施形態において、山形状突起部126の基部126aの幅(環状薄肉部123の幅方向に沿う幅)は、0.5(mm)となっている。また、上記所定の高さは、0.1(mm)〜2.0(mm)の範囲以内の値となっている。
これにより、環状壁部120aにおいて、山形状突起部126は、環状薄肉部123に向けて所定の押圧力で押圧されると、当該山形状突起部126は、当該山形状突起部126以外の環状壁部120aの構成部位の変形を伴うことなく、容易に変形し得る構成となっている。従って、当該山形状突起部126が、環状可変部であるともいえる。
ここで、上述の所定の押圧力とは、コネクター型接着補助器具100を、コンクリート壁の形成の際に用いられる両型枠の間にて環状体120の山形状突起部126を一方の型枠に当接させた状態で挟持し、当該一方の型枠をコネクター型接着補助器具100に向けて押圧する場合に生ずる押圧力をいい、例えば、約200(kgf/cm)、即ち、19.6(MPa)をいう。
本第1実施形態では、環状壁部120aのうち、環状着座部121、環状厚肉部122及び環状薄肉部123は、まとめて、環状基壁部ともいう。また、環状着座部121、環状厚肉部122及び環状薄肉部123は、それぞれ、上述の所定の押圧力によっては変形し得ない構成となっている。従って、環状壁部120aにおいて、環状着座部121、環状厚肉部122及び環状薄肉部123は、それぞれ、環状非可変着座部、環状非可変厚肉部及び環状非可変薄肉部であるともいえる。なお、上記環状基壁部は、環状非可変壁部であるともいえる。
セパジョイント130は、ステンレス鋼等の金属からなるもので、当該セパジョイント130は、図5にて示すごとく、コネクター110の軸穴部115内に嵌装されている。セパジョイント130は円筒状のもので、当該セパジョイント130の中空部は、雌ネジ穴部130aとして形成されており、当該雌ネジ穴部130aには、スペーサボルト(図示しない)が螺合するようになっている。
当該セパジョイント130は、図4及び図5のいずれかにて示すごとく、円筒部131及び環状鍔部132でもって構成されており、円筒部131は、図5にて例示するごとく、コネクター110の軸穴部115の小径穴部115a内にコネクター110の円錐台状胴部110a側にかけて同軸的に圧入により嵌装されている。環状鍔部132は、円筒部131と同軸的に一体的に形成されて、コネクター110の軸穴部115の大径穴部115b内に嵌装されている。
型締めボルト140は、ステンレス鋼等の金属からなるもので、当該型締めボルト140は、図3〜図5のいずれかにて示すごとく、円柱状頭部110bの外方から中空状受け板部114の中空部を通してセパジョイント130の雌ネジ穴部130aに螺合されるものである。当該型締めボルト140は、図5にて示すごとく、雄ネジ部141、環状鍔部142、工具把持部143及び雄ネジ部144を備えており、これら雄ネジ部141、環状鍔部142、工具把持部143及び雄ネジ部144は、その順序にて、雄ネジ部141から雄ネジ部144にかけて同軸的に一体的に形成されている。
ここで、雄ネジ部141は、中空状受け板部114を介しセパジョイント130の雌ネジ穴部130aに螺合されるものである。環状鍔部142は、雄ネジ部142をセパジョイント130の雌ネジ穴部130aに螺合させた状態で中空状受け板部114に着座するようになっている。工具把持部143は、雄ネジ部144をセパジョイント130の雌ネジ穴部130aに螺合させるにあたり、工具(図示しない)により把持されるものである。雄ネジ部144は、型締め用ナット(図示しない)により螺合されるものである。
以上のように構成したコネクター型接着補助器具100をコンクリート壁(図示しない)に埋設するにあたっては、コネクター型接着補助器具100を、両型枠の間にて、山形状突起部126でもって一方の型枠に当接させた状態にて挟持し、当該一方の型枠をコネクター型接着補助器具100に向けて上記所定の押圧力により押圧することで、両型枠の間にコネクター型接着補助器具100を型締めする。
然る後、両型枠の間にコネクター型接着補助器具100を介し生コンクリートを打ち込みコンクリート壁として硬化させることで、コネクター型接着補助器具100がコンクリート壁に埋設され得る。
ここで、上述のように一方の型枠がコネクター型接着補助器具100に向けて上記所定の押圧力により押圧されるにあたり、山形状突起部126が、上述のような変形し易い構成となっていることから、当該山形状突起部126は、一方の型枠が例えば木製であっても当該一方の型枠の山形状突起部126に対する対向面の変形を招くことなく、環状壁部120aの環状薄肉部123に向けて容易に変形する。このため、環状壁部120aが、変形した山形状突起部126にて一方の型枠の対向面に一様に密着する。従って、生コンクリートが上述のように打ち込まれても、当該生コンクリートが、環状壁部120aの山形状突起部126と一方の型枠との間から当該環状壁部120aの内側へ浸入して複数の係合片部110dに付着することが防止され得る。これにより、その後のコネクター型接着補助器具100を介する生モルタルのコンクリート壁に対する塗布が、複数の係合片部110dをも含めて良好になされ得る。
次に、当該金型装置に関し、まず、コネクター用金型Pの構成について説明する。当該コネクター用金型Pは、コネクター型接着補助器具100のうちのコネクター110を成形するためのもので、当該コネクター用金型Pは、図1にて示すごとく、固定型200及び可動型300でもって構成されている。なお、図1において、紙面の前側、奥側、左側、右側、上側及び下側は、それぞれ、当該金型Pの前側(正面側)、後側、左側、右側、上側及び下側に対応する。
固定型200は、図1にて示すごとく、固定側取り付け板210、マニホールド保持板220、固定側受け板230及び固定側型板240を備えており、これら固定側取り付け板210、マニホールド保持板220、固定側受け板230及び固定側型板240は、複数のネジ211(図1では、1つのネジ211のみを示す)による締着でもって、積層状に組み付けられている。
また、当該固定側取り付け板210、マニホールド保持板220、固定側受け板230及び固定側型板240のうち、固定側取り付け板210、マニホールド保持板220及び固定側受け板230は、複数のネジ212(図1では、1つのネジ212のみを示す)でもって、積層状に組み付けられている。
固定側取り付け板210は、金属材料でもって形成されており、当該固定側取り付け板210は、位置決め用ロケートリング213を有している。この位置決め用ロケートリング213は、固定側取り付け板210の中央部に形成した凹部214a内にその外方から嵌装されており、当該位置決め用ロケートリング213は、上記樹脂射出成形機の射出ノズル(図示しない)に対向するようになっている。
マニホールド保持板220は、その上面にて、固定側取り付け板210にその下面側から装着されている。固定側受け板230は、その上面にて、マニホールド保持板220にその下面側から装着されている。
また、固定側型板240は、図1、図15、図16及び図17のいずれから分かるように、矩形板状のもので、当該固定側型板240は、その上面にて、固定側受け板230にその下面側から装着されている。当該固定側型板240は、その下面であるパーティング面PSaにて、可動型300の可動側型板330(後述する)の上面であるパーティング面PSbとの当接に伴い、当該コネクター用金型PのパーティングラインPL(図1参照)を構成する。なお、マニホールド保持板220は、固定側型板240及びマニホールド250(後述する)とともに、所定の金属材料(例えば、クロムモリブデン鋼)でもって、形成されている。また、図1及び図17において符号244は、固定側型板240を冷媒(例えば、80(℃)の水)により冷却する冷却回路を示す。
また、固定型200は、図1或いは図15にて示すごとく、マニホールド250を備えている。当該マニホールド250は、マニホールド本体250aと、導入ノズル250bとを備えており、マニホールド本体250aは、マニホールド保持板220内に形成してなる中空部221内に保持されている。
導入ノズル250bは、マニホールド本体250aの上面の中央部から固定側取り付け板210の中央貫通穴部214bを通り延出されて位置決め用ロケートリング213内に連通している。これに伴い、マニホールド250は、その導入ノズル250bにて、上記樹脂射出成形機の射出ノズル(図示しない)に同軸的に対向するようになっている。これにより、上記樹脂射出成形機の射出ノズルから射出される溶融樹脂は、導入ノズル250bによりマニホールド本体250a内に導入される。
また、マニホールド250は、図1或いは図15にて示すごとく、さらに、マニホールド本体250a内に形成してなるランナー流路250cを備えており、このランナー流路250cは、左右両側ランナーノズル260(後述する)とともにホットランナーHRを構成する。
ランナー流路250cは、左右両側流路部251でもって構成されており、当該左右両側流路部251は、マニホールド本体250a内にて、導入ノズル250bを中心として左右対称的に形成されている。
当該左右両側流路部251は、それぞれ、基端側流路部251a及び先端側流路部251b(図1では、一方の先端側流路部251bのみを示す)を備えている。
左右両側流路部251のうち、右側流路部251において、基端側流路部251aは、その基端開口部にて、導入ノズル250bの基端開口部に連結されており、当該基端側流路部251aは、その基端開口部からマニホールド本体250aの右方向に延出されている。これにより、溶融樹脂は、導入ノズル250bから当該基端側流路部251a内にこれに沿うように流入する。
また、右側流路部251において、先端側流路部251bは、マニホールド本体250aの右側部位内に位置して、基端側流路部251aの延出端開口部から下方に向けて延出している。このため、溶融樹脂が基端側流路部251aから当該先端側流路部251b内にこれに沿うように流入する。
一方、左側流路部251において、基端側流路部251aは、その基端開口部にて、導入ノズル250bの基端開口部に連結されており、当該基端側流路部251aは、その基端開口部からマニホールド本体250aの左方向に延出されている。これにより、溶融樹脂が導入ノズル250bから当該基端側流路部251a内にこれに沿い流動するように流入する。
また、左側流路部251において、先端側流路部251bは、マニホールド本体250aの左側部位内に位置して、基端側流路部251aの延出端開口部から下方に向けて延出している。このため、溶融樹脂が基端側流路部251aから当該先端側流路部251b内にこれに沿うように流入する。なお、マニホールド本体250aは、加熱回路(図示しない)を内蔵してなり、当該加熱回路は、マニホールド本体250aを、ランナー流路250cを含む部位を中心に、所定の加熱温度に加熱して、ランナー流路250c内の溶融樹脂の流動状態を良好に維持する。
左右両側ランナーノズル260は、図1にて例示するごとく、マニホールド保持板220の中空部221内にてマニホールド本体250aの左右方向両側部位から下方に向け固定側受け板230を通り、固定側型板240内に設けられる固定側左右入れ子部材280(後述する)内に延出しており、当該左右両側ランナーノズル260は、その各基端開口部にて、左右両側流路部251の各先端側流路部251bの延出端開口部内に連通している。
これにより、ランナー流路250cにおいて上記加熱回路により加熱された状態で両先端側流路部251b内に流動した溶融樹脂は、良好な流動状態にて、左右両側ランナーノズル260内に流入する。なお、図1にて、符号260aは、ランナーノズル260をコールドランナー270の基端側流路部271(後述する)と共に収容する筒状ケーシングを示す。
また、固定型200は、図1及び図15のいずれかにて示すごとく、左右両側コールドランナー270を備えている。当該左右両側コールドランナー270は、それぞれ、左右両側ランナーノズル260に対応するように、固定側左右入れ子部材280(後述する)及び可動側左右入れ子部材340(後述する)に亘り形成されている。ここで、左側コールドランナー270は、左側ランナーノズル260を左前後両側キャビティC(後述する)に連通させるように形成されており、一方、右側コールドランナー270は、右側ランナーノズル260を右前後両側キャビティC(後述する)に連通させるように形成されている(図19参照)。
左右両側コールドランナー270は、図1、図15及び図19のいずれかにて例示するごとく、それぞれ、基端側流路部271及び前後両側流路部272を備えている。
右側コールドランナー270は、その基端側流路部271の基端開口部にて、図1或いは図15にて示すごとく、右側ランナーノズル260の先端開口部に連結されており、当該基端側流路部271は、その基端開口部から、固定側右入れ子部材280を通りパーティングラインPLに向けて延出している。
また、当該右側コールドランナー270において、前後両側流路部272は、その各基端開口部にて、基端側流路部271の先端開口部に連結されている。前側流路部272は、その基端開口部から右前側キャビティC(後述する)に向けて延出するように、固定側型板240のパーティング面PSaと可動側型板330のパーティング面PSbとの間にて、可動側右入れ子部材340をパーティング面PSbのうちの可動側右入れ子部材340に対する対応面部から縦断面凹状に切り欠くことで形成されている(図15及び図19参照)。
一方、後側流路部272は、その基端開口部から右後側キャビティC(後述する)に向けて延出するように、固定側型板240のパーティング面PSaと可動側型板330のパーティング面PSbとの間にて、可動側右入れ子部材340をパーティング面PSbのうちの可動側右入れ子部材340に対する対応面部から縦断面凹状に切り欠くことで形成されている(図15及び図19参照)。
このように構成した右側コールドランナー270によれば、右側ランナーノズル260内に流入した溶融樹脂は、当該右側ランナーノズル260から基端側流路部271及び前後両側流路部272内に順次流入した後、右前後両側キャビティC(後述する)内に流入する。
一方、左側コールドランナー270は、その基端側流路部271の基端開口部にて、左側ランナーノズル260の先端開口部に連結されており、当該基端側流路部271は、その基端開口部から、固定側左入れ子部材280を通りパーティングラインPLに向けて延出している。
また、当該左側コールドランナー270において、前後両側流路部272は、その各基端開口部にて、基端側流路部271の先端開口部に連結されており、前側流路部272は、その基端開口部から左前側キャビティC(後述する)に向けて延出するように、固定側型板240のパーティング面PSaと可動側型板330のパーティング面PSbとの間にて、可動側左入れ子部材340をパーティング面PSbのうち可動側左入れ子部材340に対する対応面部から縦断面凹状に切り欠くことで形成されている。
一方、後側流路部272は、その基端開口部から左後側キャビティC(後述する)に向けて延出するように、固定側型板240のパーティング面PSaと可動側左入れ子部材340のパーティング面PSbとの間にて、可動側左入れ子部材340をパーティング面PSbのうち可動側左入れ子部材340に対する対応面部から縦断面凹状に切り欠くことで形成されている。
このように構成した左側コールドランナー270によれば、左側ランナーノズル260内に流入した溶融樹脂は、当該左側ランナーノズル260から基端側流路部271及び前後両側流路部272内に順次流入した後、それぞれ、左前後両側キャビティC(後述する)内に流入する。
固定型200は、図1、図15及び図16のいずれかにて例示するごとく、固定側左右入れ子部材280を備えており、当該固定側左右入れ子部材280は、固定側左入れ子部材280及び固定側右入れ子部材280でもって構成されている。
ここで、当該固定側左右入れ子部材280は、固定側型板240と可動側型板330との間において、可動側左右入れ子部材340と解離可能に係合して左右両側前後キャビティCを形成するように、左右両側ランナーノズル260及び左右両側コールドランナー270に対応して設けられている。
固定側左右入れ子部材280は、固定側型板240内にパーティング面PSa側から形成してなる左右両側収容穴部240a(図1、図15、図17及び図18のいずれか参照)内に、左右両側前後スライドロック部材290及び可動側左右入れ子部材340の前後両側スライド部材S(後述する)と共に収容されている。
ここで、左右両側収容穴部240aの構成について説明する。当該左右両側収容穴部240aは、互いに同様の構成を有するので、左側収容穴部240aを例にとり説明する。
左側収容穴部240aは、固定側型板240の左側中間部位内にパーティング面Psa側から凹状に形成されており、当該左側収容穴部240aは、図1、図15、図16及び図17のいずれかにて示すごとく、中央収容穴部241及び左右両側前後収容穴部242、243を備えている。
中央収容穴部241は、固定側左入れ子部材280を収容可能とするように、図16及び図17のいずれかにて示すごとく、前後方向に長手矩形凹状に形成されている。
また、左右両側前後収容穴部242、243は、左右両側前収容穴部242、243及び左右両側後収容穴部242、243でもって構成されており、左右両側前収容穴部242、243は、左右両側前スライドロック部材290を収容し得るように、中央収容穴部241の長手方向前側中間部位の左右両側に形成されている(図1参照)。
ここで、左右両側前収容穴部242、243のうち、左側前収容穴部242の中央収容穴部241に対する隔壁242aは、その先端部にて、固定側型板240のパーティング面PSaよりも左側前収容穴部242の底面側へ所定の距離だけ低く位置するように形成されている(図18参照)。なお、上記所定の距離は、可動側左入れ子部材340の左右両側スライドSa、Sbの各係合部352(後述する)の厚さに対応する(図41参照)。一方、右側前収容穴部243の中央収容穴部241に対する隔壁243aは、その先端部にて、固定側型板240のパーティング面PSaよりも右側前収容穴部243の底面側へ上記所定の距離だけ低く位置するように形成されている。
固定側左右入れ子部材280は、互いに同様の構成を有する。そこで、固定側左入れ子部材280を例に挙げてその構成につき説明する。
固定側左入れ子部材280は、固定側型板240と可動側型板330との間において、前後方向に沿い、左側ランナーノズル260及び左側コールドランナー270に対応するように設けられている(図1及び図15のいずれか参照)。
当該固定側左入れ子部材280は、図22〜図24のいずれかにて示すごとく、入れ子280a及び前後両側コアピン280bを備えている。
入れ子280aは、図22〜図26のいずれかにて示すごとく、長手直方体形状に形成されている。当該入れ子280aは、前後両側凹部281を設けてなり、これら前後両側凹部281は,入れ子280aの長手方向に沿うように、互いに間隔をおいて、入れ子280aの裏面側から表面側に向けて凹状に形成されている。
ここで、当該前後両側凹部281は、入れ子280aの長手方向中央部を基準にその前後両側の対称的な位置にて断面U字状に形成されている。これに伴い、入れ子280aには、前後両側凹部281の各底壁部が前後両側薄肉部281aとして形成されるとともに、中央側厚肉部282a、前側厚肉部282b及び後側厚肉部282cが形成されている。なお、入れ子280aの長手方向がコネクター用金型Pの前後方向に対応する。
前後両側コアピン280bは、それぞれ、図23、図24及び図32のいずれかにて示すごとく、入れ子280aの前後両側薄肉部281aに形成してなる前後両側貫通穴部283(後述する)内にその表面側から嵌装されている。
前後両側貫通穴部283は、それぞれ、図25及び図26のいずれかにて示すごとく、小径穴部283a及び大径穴部283bを有している。前後両側貫通穴部283は、その小径穴部283aの内端開口部にて、それぞれ、図26にて示すごとく、前後両側凹部281内に開口している。また、前後両側貫通穴部283の各大径穴部283bは、前後両側貫通穴部283の各小径穴部283aの外端開口部側にて当該各小径穴部283aと同軸的に形成されている。当該各大径穴部283bの内周面は、それぞれ、図25及び図26のいずれかにて示すごとく、両位置決め面部283cを有しており、当該両位置決め面部283cは、入れ子280aの長手方向中心線に平行となるように互いに対向して形成されている。
次に、上述した前後両側コアピン280bの構成について説明する。当該前後両側コアピン280bは、共に、同様の構成を有することから、前側コアピン280bを例にとりその構成について説明する。
当該前側コアピン280bは、図27〜図29のいずれかにて示すごとく、円柱部284及び環状フランジ部285を備えている。円柱部284は、複数条の凹部284aを有しており、当該複数条の凹部284aは、図28にて例示するごとく、円柱部284の軸方向一側端面(環状フランジ部285側の端面とは反対側の端面)のうちその所定の中央端面部位を除く環状端面部位に沿いその径方向一側から他側にかけて列状に形成されている。
ここで、当該複数条の凹部284aは、それぞれ、横断面半円状にて、円柱部284にその軸方向一側端面から軸方向他側端面に向け凹状に形成されている。
また、当該複数条の凹部284aの各々は、図27〜図29のいずれかにて示すごとく、複数の溝部284bを有する。
当該複数の溝部284bは、複数条の凹部284aの各々の長手方向に所定の間隔をおいて形成されている。また、当該複数の溝部284bは、複数条の凹部284aの各々の内周面に沿いその幅方向には溝状に形成されるとともに、円柱部284内に向けては対応の凹部284aの内周面から半円凹状に形成されている。なお、図29にて符号284cは、円柱部284に形成したぬすみ穴部を示す。
環状フランジ部285は、円柱部284の外径よりも大きな外径を有して、当該円柱部284の軸方向他側端面(フランジ部285側の端面)から同軸的にかつ一体的に延出するように形成されている。当該環状フランジ部285は、図27及び図28のいずれかにて例示するごとく、両位置決め面部285aを有しており、当該両位置決め面部285aは、環状フランジ部285の外周部を、複数条の凹部284aの長手方向に対し直交する位置にて環状フランジ部285の中心を介し互いに対向する両対向部位にて、平面状に切除することで、形成されている。
このように構成してなる前側コアピン280bは、入れ子280aの表面側から、円柱部284を前側貫通穴部283の小径穴部283a内に挿入するとともに環状フランジ部284を前側貫通穴部283の大径穴部283b内に挿入することで、入れ子280aの前側貫通穴部283内に同軸的に嵌装されている(図23、図24及び図26参照)。ここで、環状フランジ部284は、その両位置決め面部285aにて、入れ子280aの前側貫通穴部283の大径穴部283bに形成してなる両位置決め面部283cにその内側から沿うように、前側貫通穴部283の大径穴部283b内に嵌装されている。
また、後側コアピン280bは、前側コアピン280bと同様の構成を有しており、当該後側コアピン280bは、前側コアピン280bの前側貫通穴部283内への嵌装と同様に、後側貫通穴部283内に同軸的に嵌装されている。
左右両側前後スライドロック部材290は、図1にて例示するごとく、固定側型板240内に形成してなる左右両側収容穴部240a(図16参照)の左右両側前後収容穴部242、243内に収容されている。
左右両側前後スライドロック部材290は、それぞれ、互いに同様の構成を有するので、左側前スライドロック部材290を例にとりその構成について説明する。
左側前スライドロック部材290は、図1、図16、図30及び図31のいずれかにて示すごとく、ロック部材本体290a及びアンギュラーピン290bを備えている。
ロック部材本体290aは、直方体形状のもので、当該ロック部材本体290aは、ロック面部291及び貫通穴部292を有する。ロック面部291は、図1、図30及び図31のいずれかにて示すごとく、ロック部材本体290aの右側部を、当該右側部の上下方向略中央部から左側下方に向け所定の傾斜角度にて傾斜状に切除することで、形成されている。
本第1実施形態において、左側前スライドロック部材290のロック部材本体290aは、そのロック面部291にて、左前スライド部材Sの左側スライドSaの左側への移動を規制する役割を果たす。上記所定の傾斜角度は、左側スライドSaにおける左側スライド部350aの係合部352のスライド基部351に設けてなる貫通穴部351c(図41参照)側へ傾斜面の傾斜角度に相当する。なお、当該ロック部材本体290aは、図1にて例示するごとく、その上部にて、ネジ293により、固定側型板240内の左側収容穴部240aの左右両側前収容穴部242の上壁部に締着されている。
貫通穴部292は、図30及び図31のいずれかにて示すごとく、ロック部材本体290aの上面右側前後方向中央部から下面左側前後方向中央部にかけて傾斜状に貫通形成されている。当該貫通穴部292は、大径穴部292aと、当該大径穴部292aから同軸的に延出形成してなる小径部292bでもって構成されている。
アンギュラーピン290bは、図1にて示すごとく、頭部294と、当該頭部294から同軸的に延出する首下部295とでもって、構成されており、当該アンギュラーピン290bは、その首下部295から貫通穴部292の大径穴部292aを通り小径穴部292bに相対的に摺動可能に挿通されるとともに、頭部294にて、貫通穴部292の大径穴部292a内に着座するようになっている(図1及び図31参照)。本第1実施形態において、アンギュラーピン290bは、左側前スライダー部材Sを開閉する役割を果たす。
可動型300は、図1及び図15のいずれかにて示すごとく、金属材料からなる可動側取り付け板310、金属材料からなる左右両側スペーサ320及び可動側型板330を備えており、これら可動側取り付け板310、左右両側スペーサ320及び可動側型板330は、複数のネジ311による締着でもって、積層状に組み付けられている。なお、可動側型板330は、上述した所定の金属材料(例えば、クロムモリブデン鋼)でもって形成されている。
左右両側スペーサ320は、それぞれ、角柱状に形成されており、当該左右両側スペーサ320は、それぞれ、可動側取り付け板310の左右両側部に沿い前後方向に装着されている。
可動側型板330は、図1、図15、図19、図20及び図21のいずれかから分かるように、矩形板状に形成されており、当該可動側型板330は、左右両側スペーサ320を介して可動側取り付け板310に装着されている。
当該可動側型板330は、図1及び図15のいずれかにて例示するごとく、可動側左右入れ子部材340を備えており、当該可動側左右入れ子部材340は、可動側型板330内にそのパーティング面PSb側から形成してなる左右両側収容穴部330a(図1、図15、図20及び図21参照)内に、収容されている。
ここで、左右両側収容穴部330aの構成について説明する。当該左右両側収容穴部330aは、互いに同様の構成を有するので、左側収容穴部330aを例にとり説明する。
左側収容穴部330aは、可動側型板330の左側中間部位内にパーティング面Psb側から凹状に形成されており、当該左側収容穴部330aは、図20及び図21から分かるように、中央収容穴部331及び左右両側前後収容穴部332、333を備えている。ここで、中央収容穴部331は、固定側型板240の中央収容穴部241に対応し、左右両側前後収容穴部332、333は、固定側型板240の左右両側前後収容穴部242、243に対応する。
中央収容穴部331は、入れ子N(図22或いは図32参照)を収容可能とすべく、図19及び図20から分かるように、可動側型板330の左側中間部位内に前後方向に長手矩形凹状に形成されている。
また、左右両側前収容穴部332、333は、左側前スライド部材Sの左右両側スライドSa、Sb(図32参照)を収容可能とするように、中央収容穴部331の左右両側にて当該中央収容穴部331よりも浅く形成されている。
ここで、左右両側前収容穴部332、333は、それぞれ、図20及び図21から分かるように、左右両側前深溝部332a、333aを設けてなり、当該左右両側前深溝部332a、333aは、アンギュラーピン290bの挿入及び左右方向移動を可能とするように、かつ、中央収容穴部331の長手方向に対し直交するように、中央収容穴部331の左右両側にて、当該中央収容穴部331のうち前側コアピン280bの中央部に対する対応部位にて、左右方向に長手状に形成されている。なお、左側前深溝部332aは、その上側開口部及び左側開口部にて、可動側型板330の上側及び左側へ開放されている(図21参照)。一方、右側前深溝部333aは、その上側開口部にて上方へ開放されており、当該右側前深溝部333aの右側開口部は、右側収容穴部330aの左側前深溝部332a内に開口している。
また、左右後側収容穴部332、333は、それぞれ、深溝部332a、333aを設けてなり、当該深溝部332a、333aは、アンギュラーピン290bの挿入及び左右方向移動を可能とするように、中央収容穴部331の長手方向に対し直交するように、中央収容穴部331の左右両側にて、当該中央収容穴部331のうち後側コアピン280bの中央部に対する対応部位に左右方向に長手状に形成されている。ここで、深溝部332aは、その上側開口部及び左側開口部にて、可動側型板330の上側及び左側へ開放されている。一方、深溝部333aは、その上側開口部にて上方へ開放されており、当該深溝部333aの右側開口部は、右側収容穴部330aの左側後深溝部332a内に開口している。なお、図1及び図20において、符号335は、可動側型板330を冷媒(例えば、80(℃)の水)により冷却する冷却回路を示す。
可動側左右入れ子部材340は、図1、図22及び図32のいずれかにて示すごとく、可動側左入れ子部材340及び可動側右入れ子部材340により構成されている。これら可動側左入れ子部材340及び可動側右入れ子部材340は、互いに同様の構成を有するから、可動側左入れ子部材340を例に挙げてその構成につき説明する。
可動側左入れ子部材340は、図1及び図15のいずれかにて示すごとく、固定側左入れ子部材280と解離可能に係合するもので、当該可動側左入れ子部材340は、図32にて示すごとく、入れ子Nと、左側前後スライド部材Sとにより構成されている。なお、左側前後スライド部材Sは、左側前スライド部材S及び左側後スライド部材Sでもって構成されている。
入れ子Nは、その溝部342(図33参照)にて、可動側型板330のパーティングラインPSb側に向け開口するように、可動側型板330の左側収容穴部330aの中央収容穴部331(図19〜図21参照)内に収容されている。
当該入れ子Nは、図1及び図32〜図40のいずれかにて示すごとく、中央入子部340aと、前後両側入れ子部340bとを備えている。ここで、中央入れ子部340aは、固定側入れ子280aの中央側厚肉部282aに対応し、また、前後両側入れ子部340bは、固定側入れ子280aの前後両側薄肉部281aに対応する(図22或いは図32参照)。本実施形態では、前後両側入れ子部340bの形成材料として、モールドマックス社製ベリリュウム胴が採用されている。当該ベリリウム銅は、前後両側入れ子部340bの熱伝導を良好にする役割を果たす。また、当該ベリリウム銅は、前後両側入れ子部340bの冷却促進や変形防止の役割も果たす。なお、中央入子部340aの形成材料としては、スターバックス社製ステンレス系金型用鋼材が採用されている。
中央入れ子部340aは、図33〜図35のいずれかにて示すごとく、直方体形状の本体部341と、溝部342と、前後両側吐出部343とを備えている。溝部342は、左側コールドランナー270の前後両側流路部272を固定側型板240のパーティング面PSaとの係合により構成するように可動側型板340にそのパーティング面PSa側から溝状に形成されている。当該溝部342の長手方向中央部内には、左側コールドランナー270の基端側流路部271が、その延出開口端部にて、連通している(図1参照)。これにより、溶融樹脂が左側コールドランナー270の基端側流路部271を通り前後両側流路部272(溝部342)内に流動する。
前後両側吐出部343は、その通路部にて、溝部342の前後両端開口部内に連通するように、本体部341の前後両側上端部に突出形成されている(図34及び図35参照)。これにより、前後両側流路部272内に流入した溶融樹脂は、前後両側吐出部343の通路部内に流入する。
前後両側入れ子部340bのうち、前側入れ子部340bは、図1、図15、図36〜図38のいずれかにて示すように、固定側左入れ子部材280の前側薄肉部281aとエジェクタ機構380の左側前後スリーブピン380b(後述する)及び当該左側前後スリーブピン380bにそれぞれ同軸的にかつ相対移動可能に嵌装される左側前後センターピン380c(後述する)との間に介装されている。
前側入れ子部340bは、直方体形状のもので、当該前側入れ子部340bは、図33及び図36から分かるように、その後部にて、中央入れ子部340aの前部にその前側から連結されるようになっている。
当該前側入れ子部340bは、図36〜図38のいずれかにて示すごとく、貫通穴部344及び凹部345を備えており、貫通穴部344は、大径穴部344a、円錐台状穴部344b及び円筒状小径穴部344cを有している(図38参照)。これら大径穴部344a、円錐台状穴部344b及び円筒状小径穴部344cは、前側入れ子340b内にその上端面から下端面にかけて、順次、同軸的に一体的に形成されている。
ここで、大径穴部344aは、コネクター型接着補助器具のコネクター110の環状フランジ部10cの外周面に対応する内周面を有しており、当該大径穴部344aは、前側入れ子340bの上端面から上方へ開口するように、前側入れ子340bの上部内に形成されている。
円錐台状穴部344bは、コネクター110の円錐台状胴部110の外周面に対応する円錐台状内周面を有するように、環状フランジ部344aから前側入れ子340bの下端面側へ同軸的に延出形成されている。なお、円錐台状穴部344bの上端開口部の内径は、環状フランジ部344aの内径よりも小さい。
円筒状小径穴部344cは、円錐台状穴部344bの下端開口部の内径よりも幾分小さな内径を有するように、円錐台状穴部344bから前側入れ子340bの下端面に向け同軸的に延出形成されている。
凹部345は、図36及び図37のいずれかにて示すように、前側入れ子340bの上部の後側中央部位に前側入れ子340bの上方へ開口するように横断面U字状に形成されており、当該凹部345は、左側コールドランナー270の前側流路部272(中側入れ子340aの溝部342)内に連通する(図33参照)。なお、凹部345は、その開口部にて、スライダー部材Sにより閉塞されるようになっている。
また、当該前側入れ子部340bは、図37及び図38のいずれかにて示すごとく、コネクター110の回り止め部116に対応する縦断面U字状開口部346を有しており、当該縦断面U字状開口部346は、大径穴部344aと円錐台状穴部344bとの境界部の凹部345に対応する対応部位にて、前側入れ子部340b内に形成されている。これに伴い、縦断面U字状開口部346は、凹部345を大径穴部344a及び円錐台状穴部344b内に連通させる役割を果たす。
後側入れ子部340bは、図36、図39及び逗40のいずれかにて示すごとく、前側入れ子部340bとは対称的な構成を有するように形成されている。当該後側入子部340bは、前側入れ子部340bの貫通穴部344及び凹部345にそれぞれ対応する貫通穴部344及び凹部345を有する。
ここで、後側入れ子部340bの貫通穴部344は、前側入れ子部340bの貫通穴部344と同様の構成を有するように形成されている。また、後側入れ子部340bの凹部345は、前側入れ子部340bの凹部345に対し中央入れ子部340aを介し、図36にて示すごとく、対称的な構成でもって、形成されており、当該凹部345は、左側コールドランナー270の後側流路部272(中側入れ子340aの溝部342)内に連通する(図33参照)。なお、凹部345は、その開口部にて、スライダー部材Sにより閉塞されるようになっている。
また、当該後側入れ子部340bは、図39及び図40にて示すごとく、前側入れ子部340bの縦断面U字状開口部346に対応する縦断面U字状開口部346を有しており、当該開口部346は、前側入れ子部340bの縦断面U字状開口部346と同様の構成を有するように、大径穴部344aと円錐台状穴部344bとの境界部の凹部345に対応する対応部位にて、後側入れ子部340b内に形成されている。これに伴い、縦断面U字状開口部346は、凹部345を大径穴部344a及び円錐台状穴部344b内に連通させる役割を果たす。
可動側左入れ子部材340において、左側前後スライド部材Sは、図32にて例示するごとく、入れ子Nの前後両側入れ子部340bに組み付けられており、当該左側前後スライド部材Sは、図32及び図41のいずれかにて示すごとく、それぞれ、左右両側スライドSa、Sbでもって構成されている。なお、左側前後スライド部材Sは、左側前スライド部材S及び左側後スライド部材Sでもって構成されている。
左右両側スライドSa、Sbのうち、左側スライドSaは、図41及び図42〜図50のいずれかにて示すごとく、左側スライド部350a、左側スライドコア部360a及び左側スライドロックプレート部370aを備えている。
当該左側スライドSaにおいて、左側スライド部350aは、図41〜図45のいずれかにて示すごとく、スライド基部351及び係合部352を備えている。 スライド基部351は、可動側型板330の左側前収容穴部332(図21参照)内にて深溝部332aに対応するように収容されており、当該スライド基部351は、矩形板状の基部本体351aと、両側突出部351bとにより構成されている(図41参照)。
基部本体351aには、アンギュラーピン290b(図1参照)を挿入するための貫通穴部351cが形成されており、当該貫通穴部351cは、図44にて示すごとく、基部本体351aの上面中央部から下面中央左側部(図44にて図示下面中央上側部)にかけて傾斜状に形成されている。これにより、固定型200及び可動型300がパーティングラインPLにて当接したとき、アンギュラーピン290bは、左側前スライドロック部材290におけるロック部材本体290aの貫通穴部292及びスライド基部351の貫通穴部351cを通り深溝部332a内に延出しさらに当該深溝部332aの左側開口部から可動側型板330の左側へ延出するようになっている。
両側突出部351bは、基部本体351aの幅方向両側下部に沿い帯板状に形成されており、当該両側突出部351bは、基部本体351aの幅方向前後両側下部から前後側へ突出するように形成されている(図41及び図43参照)。
ここで、スライド基部351は、両側突出部351bにて、左側収容穴部330aの左側前後収容穴部332の底壁部上に横断面横U字状に形成してなる両側スライドレール部333b(図1参照)内に沿いスライド可能となっている。
左側スライドSaにおいて、係合部352は、図41〜図45のいずれかにて例示するごとく、基部本体351aと一体的に形成されており、当該係合部352は、その左側部位にて、基部本体351aの右側部位上に当該右側部位と一体的に形成されて右側へ延出している。
当該係合部352は、図41〜図45のいずれかにて示すごとく、底壁部352aと、コの字状周壁部352bとを有しており、底壁部352aは、その左側部位にて、基部本体351aの右側部位上に一体的に形成されて、右側へ延出している。ここで、底壁部352a及びコの字状周壁部352bは、左側スライドコア部360a及び左側スライドロックプレート部370aを収容する係合部352の収容部を構成する。
当該底壁部352aは、略矩形板状に形成されており、当該底壁部352aは、その右側部位にて、図42にて例示するごとく、半円状に切り欠かれて、半円状切り欠き部352cを形成する。当該底壁部352aには、複数の長手状凹部352dが、左右方向には長手状となるように前後方向には間隔をおいて並んで配列されており、当該複数の長手状凹部352dは、それぞれ、底壁部352aにその上面側から下方に向けて横断面半円凹状に形成されている。
コの字状周壁部352bは、図42にて例示するごとく、左壁部、前壁部及び後壁部にて、底壁部352aの左縁部、前縁部及び後縁部から立ち上がるように形成されている。
左側スライドコア部360aは、図41にて示すごとく、係合部352内に収容されており、当該左側スライドコア部360aは、図46にて示すごとく、複数のロッド部361a、362a、・・・、366a、367aでもって一体的に構成されている。
複数のロッド部361a、362a、・・・、366a、367aは、横断面長楕円状に形成されており、当該複数のロッド部361a、362a、・・・、366a、367aは、左右方向には長手状に延出するように、前後方向に並んで配列されている。
ここで、左側スライドコア部360aは、縦断面U字状凹部368を有しており、当該縦断面U字状凹部368は、複数のロッド部361a、362a、・・・、366a、367aの各左側中間部位を、図46にて示すごとく、共に、上方から縦断面U字状に切り欠くことで、形成されている。
また、複数のロッド部361a、362a、・・・、366a、367aにおいて、前側の両ロッド部361a、362a及び後側の両ロッド部366a、367aは、共に、同一の長さを有しており、これらロッド部361a、362a、366a及び367aの各延出端部には、挿入穴部h1、h2、h6及びh7が形成されている。
残りのロッド部363a、364a及び365aのうち、両ロッド部363a、365aの各長さは、共に、前側の両ロッド部361a、362a及び後側の両ロッド部366a、367aよりも短く、かつ同一長さとなっている。また、ロッド部364aは、複数のロッド部361a、362a、・・・、366a、367aのうちの前後方向中央に位置し、両ロッド部363a、365aよりもさらに短い長さを有する。
なお、複数のロッド部361a、362a、・・・、366a、367aは、その各延出端部にて、それぞれ、図43にて示すごとく、左側スライドロックプレート部370aの半円状切り欠き部371(後述する)の内周面に沿い半円周状に位置するような長さを有するように設定されている。
このように構成してなる左側スライドコア部360aは、ロッド部361aからロッド部367aにかけてこの順序にて係合部352の底壁部352aの複数の凹部352d内に順次収納されている。
左側スライドロックプレート部370aは、図41及び図47〜図50のいずれかにて示すごとく、略矩形板状のもので、当該左側スライドロックプレート部370aは、その右側部位にて、図41及び図47のいずれかにて示すごとく、係合部352の底壁部352aの右側部位に対応するように、半円状に切り欠かれて、半円状切り欠き部371として形成されている。しかして、当該左側スライドロックプレート部370aは、左側スライドコア部360aを介し左側スライド部350aの係合部352内に収容されている(図41参照)。
左側スライドロックプレート部370aは、図48及び図49のいずれかにて示すごとく、複数の凹部372及び細幅状突出部373を備えている。複数の凹部372は、左側スライドロックプレート部370aの裏面においてその左右方向略中央部から半円状切り欠き部371にかけて延出するように形成されている。ここで、当該複数の凹部372は、左右方向には長手状に延出するように前後方向に並んで配列されており、当該複数の凹部372は、それぞれ、左側スライドロックプレート部370aの裏面から上面に向けて横断面半円凹状に形成されている。
細幅状突出部373は、左側スライドロックプレート部370aの左端部と複数の凹部372の各延出基端部との間にて、左側スライドロックプレート部370aの裏面側へ横断面矩形状にて突出するように形成されている(図50参照)。
しかして、左側スライドロックプレート部370aを、上述のように、左側スライドコア部360aを介し左側スライド部350aの係合部352内に収容するにあたっては、左側スライドロックプレート部370aの細幅状突出部373を、左側スライドコア部360aの横断面U字状凹部368内に嵌装する。
一方、右側スライドSbは、図32にて示すごとく、左側スライドSaに対向して位置するもので、当該右側スライドSbは、図41及び図42のいずれかにて示すごとく、左側スライドSaの左側スライド部350a、左側スライドコア部360a及び左側スライドロックプレート部370aにそれぞれ対応する右側スライド部350b、右側スライドコア部360b及び右側スライドロックプレート部370bを備えている。
当該右側スライドSbにおいて、右側スライド部350bは、図41及び図42から分かるように、左側スライド部350aに対向して位置するもので、当該右側スライド部350bは、左側スライド部350aと同様に構成されている。
右側スライドコア部360bは、図41から分かるように、右側スライド部350bの係合部352内に収容されており、当該右側スライドコア部360bは、図46にて示すごとく、複数のロッド部361b、362b、・・・、366b、367bでもって一体的に構成されている。
複数のロッド部361b、362b、・・・、366b、367bは、横断面長楕円状に形成されており、当該複数のロッド部361b、362b、・・・、366b、367bは、左右方向には長手状に延出するように前後方向に並んで配列されている。
ここで、左側スライドコア部360bは、縦断面U字状凹部369を有しており、当該縦断面U字状凹部369は、複数のロッド部361b、362b、・・・、366b、367bの各左側中間部位を、図46にて示すごとく、共に、上方から縦断面U字状に切り欠くことで、形成されている。
また、複数のロッド部361b、362b、・・・、366b、367bにおいて、前側の両ロッド部361b、362b及び後側の両ロッド部366b、367bは、それぞれ、左側スライドコア部360aの前側の両ロッド部361a、362a及び後側の両ロッド部366a、367aと同一の長さを有している。これらロッド部361b、362b、366b及び367bの各延出端部には、挿入部j1、j2、j6及びj7が、ロッド部361a、362a、366a及び367aの各挿入穴部h1、h2、h6及びh7に挿入可能に突出形成されている。
残りのロッド部363b、364b及び365bは、それぞれ、左側スライドコア部360aのロッド部363a、364a及び365aと同一の長さを有している。
なお、複数のロッド部361b、362b、・・・、366b、367bは、当該複数のロッド部361b、362b、・・・、366b、367bの各延出端部にて、図41から分かるように、右側スライドロックプレート部370bの半円状凹部352bの内周面に沿い、半円周状に位置するような長さを有するように、設定されている。
このように構成してなる右側スライドコア部360bは、ロッド部361bからロッド部367bにかけてこの順序にて右側スライド部350bの係合部352の底壁部352aの複数の凹部352d内に順次収納されている。
右側スライドロックプレート部370bは、左側スライドロックプレート部370aに対向して位置するもので、当該右側スライドロックプレート部370bは、図46から分かるように、左側スライドロックプレート部370aとは対称的ではあるものの、当該左側スライドロックプレート部370と同様の構成を有する。しかして、当該右側スライドロックプレート部370bは、右側スライドコア部360bを介し右側スライド部350bの係合部352内に収容されている。
可動型300は、図1及び図15にて示すごとく、エジェクタ機構380を備えている。当該エジェクタ機構380は、押し上げ板部材380aを備えており。 この押し上げ板部材380aは、上下両側押し上げ板381、382をネジ383による締着でもって互いに積層固定して構成されている。
当該押し上げ板部材380aは、図1にて示すごとく、上側押し上げ板381を下側押し上げ板382の上側に位置させた状態で、可動側型板330と可動側取り付け板310との間にて両スペーサ320の間に形成される空所W内に可動型300の前後方向に沿うように介装されている。
ここで、押し上げ板部材380aは、空所W内にて、可動側型板330と可動側取り付け板310との間にて、両スペーサ320の高さ方向に沿い上下動可能となっており、当該押し上げ板部材380aの上下方向ストローク長(換言すれば、エジェクタ機構180のストローク長)は、空所W内における固定板312の上面と可動型330の下面との間の間隔に等しい。なお、固定板312は、空所W内において、可動側取り付け板310にその上方からネジ312aにより締着することで固定されている。
また、エジェクタ機構380は、4本のスリーブピン380bと、4本のセンターピン380cとを備えている。4本のスリーブピン380bは、それぞれ、図1及び図15のいずれかにて例示するごとく、左右前後側スリーブピン380bとして、左右前後側キャビティCに対応するように、可動型300内にて配設されている。
ここで、左右前後側スリーブピン380bの構成について説明する。当該左右前後側スリーブピン380bは、ともに、同一の構成を有するので、左前側スリーブピン380bを例にとり説明する。
左前側スリーブピン380bは、図1及び図51のいずれかにて示すごとく、環状鍔部384及び長手状円筒部385を有している。環状鍔部384は、長手状円筒部385の下端部から半径方向へ外方に向け環状に突出形成されている。長手状円筒部385は、環状鍔部384から同軸的に延出しており、当該長手状円筒部385は、その中空部にて、環状鍔部384の中空部内に同軸的に連通している。
しかして、当該スリーブピン380bは、その長手状円筒部385を、上側押し上げ板381の下側からその段付き貫通穴部381a及び可動側型板330に形成してなる貫通穴部334を通り入れ子Nの前側入れ子部340bの貫通穴部344内に延出させており、当該スリーブピン380bは、その延出端開口部(長手状円筒部385の延出端開口部385a)にて、前側入れ子部340bの貫通穴部344の円錐台状穴部344bと円筒状小径穴部344cとの境界344d(図1及び図38参照)に達している。
ここで、スリーブピン380bの環状鍔部384は、上側押し上げ板381の段付き貫通穴部381aの大径穴部内に着座することで、スリーブピン380bの上方への抜け止めを防止している。なお、環状鍔部384は、その下面部にて、下側押し上げ板382の上面により下方への抜け止めをされている。また、段付き貫通穴部381aは、その大径穴部と、当該大径穴部から上方へ同軸的に延出する小径穴部とでもって構成されている(図1参照)。
4本のセンターピン380cは、それぞれ、図1及び図15のいずれかにて例示するごとく、左右前後側センターピン380cとして、左右前後側スリーブピン380bとともに左右前後側キャビティCに対応するように、可動型300内にて配設されている。
左右前後側センターピン380cは、共に、同一の構成を有するので、左前側センターピン380cを例にとりその構成について説明する。
当該左前側センターピン380cは、図1及び図52のいずれかにて示すごとく、環状鍔部386、長手状円筒部387及び縦断面略逆U字状部388を当該環状鍔部386、長手状円筒部387及び縦断面略逆U字状部388の順序にて同軸的に一体的に連結形成することで構成されている。
ここで、環状鍔部386は、長手状円筒部387の下端部から外方へ半径方向に沿い環状に突出するように形成されている。長手状円筒部387は、長手筒状にて、環状鍔部386から同軸的に延出されており、当該長手状円筒部387の中空部は環状鍔部386の中空部内に連通している。
縦断面略逆U字状部388は、その外径にて、長手状円筒部387の外径よりも小さな外径を有するように形成されており、当該縦断面略逆U字状部388は、長手状円筒部387の延出端部から同軸的に延出している。当該縦断面略逆U字状部388は、中央穴部388aを有しており、当該中央穴部388aは、長手状円筒部385の中空部内に同軸的に連通している。なお、段付き貫通穴部312b、貫通穴部382a及び段付き貫通穴部381aは同軸的に形成されている。
このように構成してなる左前側センターピン380cは、その縦断面略逆U字状部388から固定板312の段付き貫通穴部312b及び下側押し上げ板382の貫通穴部382a及び左前側スリーブピン380bを相対移動可能に通り左前側キャビティC内に延出されており、縦断面略逆U字状部388は当該左前側キャビティC内にて左前側コアピン280bに対向している(図1参照)。なお、段付き穴部312bにおいて、小径穴部312dは、大径穴部312cから同軸的に延出するように形成されている。
ここで、環状鍔部386は、固定板312の段付き貫通穴部312bのうちの大径穴部312c内に収容されて、左前側センターピン380cの上方への抜け止めを防止する役割を果たす。
次に、環状体用金型Qの構成について説明する。環状体用金型Qは、コネクター型接着補助器具100のうちのタコ足環状体120を成形するためのもので、当該環状体用金型Qは、図2にて示すごとく、固定型400及び可動型500でもって構成されている。なお、図2において、紙面の前側、奥側、左側、右側、上側及び下側は、それぞれ、当該金型Qの前側(正面側)、後側、左側、右側、上側及び下側に対応する。
固定型400は、金属材料からなる固定側取り付け板410及び金属材料からなる固定側型板420を備えており、これら固定側取り付け板410及び固定側型板420は、複数のネジ411(図2では、1つのネジ411のみを示す)による締着でもって、図2にて示すごとく、積層状に組み付けられている。
固定側取り付け板410は、金属材料でもって形成されており、当該固定側取り付け板410は、位置決め用ロケートリング412を有している。この位置決め用ロケートリング412は、固定側取り付け板410の中央部に形成した凹部413内にその外方から嵌装されており、当該位置決め用ロケートリング412は、上記樹脂射出成形機の射出ノズル(図示しない)に、金型Pの位置決め用ロケートリング213(図1参照)に代えて、対向するようになっている。
固定側型板420は、その下面であるパーティング面PSc(固定型400のパーティング面PSc)にて、可動側型板540のパーティング面PSd(可動型500のパーティング面)との当接に伴い、環状体用金型QのパーティングラインPL1(図2参照)を構成する。なお、図2において、符号421は、固定側型板420を冷媒(例えば、80(℃)の水)により冷却する冷却回路を示す。
固定型400は、図2にて示すごとく、スプールブッシュ430を備えており、当該スプールブッシュ430は、固定側取り付け板410の中央部(ロケートリング412の中央部に対する対応部位)から固定側型板420の中央部にかけて延出するように形成してなるスプールブッシュ用中央穴部431内に、上記樹脂射出成形機の上記射出ノズルに対向して可動側型板540に向けて延出するように、挿入されている。これにより、上記樹脂射出成形機の射出ノズルから射出される溶融樹脂は、スプールブッシュ430により左右両側コールドランナー440(後述する)の主流路部441の長手方向中央部(左右方向中央部)内に導入される。
また、固定型400は、図2にて示すごとく、左右両側コールドランナー440を備えている。当該左右両側コールドランナー440は、図2、図53及び図54のいずれかにて示すごとく、左右両側前後キャビティC1に連通するように、固定側外入れ子部材450(後述する)及び可動側外入れ子部材550(後述する)に亘りパーティングラインPL1に沿って形成されている。なお、左右両側前後キャビティC1は、左側前キャビティC1、左側後キャビティC1、右側前キャビティC1及び右側後キャビティC1でもって構成されている。
当該左右両側コールドランナー440は、図53及び図55のいずれかにて例示するごとく、スプールブッシュ430の延出端部を基準に左右に対称な構成にて形成されている。当該左右両側コールドランナー440のうち、左側コールドランナー440は、主流路部441(以下、左側主流路部441ともいう)及び前後流路部442、443(以下、左側前後流路部442,443ともいう)でもって構成されている。なお、左側前後流路部442、443は、左側前流路部442、左側後流路部443でもって構成されている。
左側主流路部441は、図2、図53及び図55のいずれかにて示すごとく、固定側外入れ子部材450(後述する)及び可動側外入れ子部材550(後述する)の各対応部位を、パーティングラインPL1に沿い左側前後キャビティC1間の中央位置から右側前後キャビティC1間の中央位置(スプールブッシュ430の延出端部)にかけて、パーティング面PScの前後方向中央から互いに逆方向に横断面凹状に切り欠き形成することで形成されている。
左側前後流路部442、443は、左側前後キャビティC1の中心を結ぶ直線に沿うように、左側主流路部441の中間部位から前後方向に延出するように形成されている。ここで、左側前後流路部442、443は、固定側外入れ子部材450及び可動側外入れ子部材550の各対応部位をパーティング面Pcから互いに逆方向に縦断面凹状に切り欠くことで、形成されている。
一方、右側コールドランナー440は、主流路部441(以下、右側主流路部441ともいう)及び前後流路部442、443(以下、右側前後流路部442,443ともいう)でもって構成されている。なお、右側前後流路部442、443は、右側前流路部442、右側後流路部443でもって構成されている。
左側主流路部441は、図2、図53及び図55のいずれかにて示すごとく、固定側外入れ子部材450(後述する)及び可動側外入れ子部材550(後述する)の各対応部位を、パーティングラインPL1に沿い左側前後キャビティC1間の中央位置から右側前後キャビティC1間の中央位置(スプールブッシュ430の延出端部)にかけて、パーティング面PScの前後方向中央から互いに逆方向に横断面凹状に切り欠き形成することで形成されている。
右側前後流路部442、443は、右側前後キャビティC1の中心を結ぶ直線に沿うように、右側主流路部441の中間部位から前後方向に延出するように形成されている。ここで、右側前後流路部442、443は、固定側外入れ子部材450及び可動側外入れ子部材550の各対応部位をパーティング面Pcから互いに逆方向に縦断面凹状に切り欠くことで、形成されている。
以上のように構成したコールドランナー440によれば、スプールブッシュ430内に上記樹脂成形機の射出ノズルから射出される溶融樹脂は、コールドランナー440の主流路部441内にその左右方向中央部から流入して左右方向に分流して左右両側前後流路部442、443内に流動し、然る後、当該左右両側前後流路部442、443から左右両側前後キャビティC1内に流入する。
また、固定型400は、図2及び図53にて示すごとく、固定側外入れ子部材450及び4個の固定側内入れ子部材460を備えている。これら固定側外入れ子部材450及び4個の固定側内入れ子部材460は、固定側型板420と可動側型板540との間において、可動側外入れ子部材550及び4個の可動側内入れ子部材560(後述する)と解離可能に係合して左右両側前後キャビティC1を形成するように、設けられている。
固定側外入れ子部材450は矩形板状に形成されており、当該固定側外入れ子部材450は、固定型400のパーティング面PSc側から固定側型板420の中央部内に矩形凹状に形成してなる収容穴部420a(図2及び図53参照)内に収容されている。
当該固定側外入れ子部材450は、図2及び図53〜図56のいずれかにて示すごとく、4個の段付き貫通穴部450aを有している。これら段付き貫通穴部450aは、左右両側前後段付き貫通穴部450aとして、固定側外入れ子部材450に形成されている。当該左右両側前後段付き貫通穴部450aのうち、左側前段付き貫通穴部450a及び左側後段付き貫通穴部450aは、図54にて示す中心線U−Uを基準に対称的に位置するように固定側外入れ子部材450に形成されている。
また、右側前段付き貫通穴部450a及び右側後段付き貫通穴部450aは、中心線U−U(図54参照)を基準に対称的に位置するように、かつ中心線V−V(図54参照)を基準に左側前段付き貫通穴部450a及び左側後段付き貫通穴部450aとは対称的に位置するように、固定側外入れ子部材450に形成されている。なお、中心線U−Uは、固定側外入れ子部材450の図54にて図示左右方向中心線をいい、中心線V−Vは、固定側外入れ子部材450の図54にて図示上下方向中心線(中心線U−Uに直交する中心線)をいう。
4個の段付き貫通穴部450aは、それぞれ、図2及び図53〜図56のいずれかにて示すごとく、小径穴部451及び大径穴部452を同軸的に有するように、固定側外入れ子部材450に貫通状に形成されている。ここで、各段付き貫通穴部450aにおいて、小径穴部451は、固定側外入れ子部材450の裏面(固定型400のパーティング面PSc側面)から表面側に向けて当該固定側外入れ子部材450に長手状に形成されており、当該小径穴部451の裏面側開口部451aは、その内径側から外径側に向けて縦断面L字状に切り欠き形成されている。
また、各段付き貫通穴部450aにおいて、大径穴部452は、対応の小径穴部451から同軸的に固定側外入れ子部材450の表面側へ延出するように当該固定側外入れ子部材450に形成されている。ここで、大径穴部452は、図53及び図54にて示すごとく、位置決め面部452aを有しており、当該位置決め面部452aは、大径穴部452の内周面の一部を周方向に直線状に形成することで、形成されている。
4個の固定側内入れ子部材460は、図2及び図60のいずれかにて示すごとく、固定側外入れ子部材450の4個の段付き貫通穴部450a内に収容されている。4個の固定側内入れ子部材460は、共に同一の構成を有する。そこで、当該4個の固定側内入れ子部材460のうちの左側前固定側内入れ子部材460(図60において左上側に位置する固定側内入れ子部材460)を例にとりその構成について説明する。
当該左側前固定側内入れ子部材460は、図57〜図59のいずれかにて示すごとく、円柱部460a、フランジ部460b、環状壁部460cによって、構成されている。円柱部460aは、図58にて示すごとく、盗み穴部461を有しており、当該盗み穴部461は、円柱部460aにその軸方向一側端部462の中央部から(図58にて図示右側端部)から同軸的にくり抜き形成されている。
フランジ部460bは、円柱部460aの一側端部462からその径方向へ外方に向け環状に突出するように形成されている。当該フランジ部460bは、位置決め面部463を有しており、この位置決め面部463は、固定側外入れ子部材450の位置決め面部452aに対応するように、フランジ部460bの外周面の一部を周方向に直線状に形成することで、形成されている。
環状壁部460cは、円柱部460aの他側端部464の外周部から同軸的に外方へ延出するように形成されている。当該環状壁部460cは、図58にて示すごとく、環状切り欠き部465を有しており、当該環状切り欠き部465は、環状壁部460cの外周側部位を縦断面L字状に切り欠くことで形成されている。当該環状切り欠き部465は、環状壁120の環状突起部126(図12参照)に対応するように、環状溝部465aを設けてなり、この環状溝部465aは、環状切り欠き部465の環状底壁部をその幅方向中間部位から横断面V字状に切り欠くことで、形成されている。なお、環状溝部465aの底部は、その内面部にて、環状突起部126の頂部126bの丸み形状に対応するように、丸み形状に形成されている。
また、環状壁部460cは、図58にて示すごとく、環状突出部466を設けてなり、当該環状突出部466は、環状壁部460cの外周側部位を上述のごとく縦断面L字状に切り欠くことで環状切り欠き部465を形成するに伴い、当該環状切り欠き部465よりも環状壁部460cの中心側にて環状切り欠き部465の環状内周壁部に沿い円柱部460aの他側端部464から延出するように形成されている。
ここで、当該環状突出部466は、複数の係合片部120b(図11参照)に対応するように、複数の長手状凹部466aを有しており、当該複数の長手状凹部466aは、環状突出部466の延出基端部から延出端部にかけて、環状突出部466内にその内周面部から横断面半円凹状に形成されるとともに、環状突出部466の内周面部の周方向には間隔をおくように形成されている。
当該複数の長手状凹部466aは同一の構成を有するので、その一長手状凹部466aを例にとり説明すると、当該一長手状凹部466aは、係合片部120bのロッド部124及び球部125の半球部位に対応するように、横断面半円状凹部466b及び横断面部分球状凹部466cでもって構成されている(図68及び図69参照)。
このように構成された固定側内入れ子部材460は、固定側外入れ子部材450の段付き貫通穴部450a内に嵌装される(図60及び図61参照)。詳細には、固定側内入れ子部材460は、その環状壁部460cにて、固定側外入れ子部材450の段付き貫通穴部450aの小径穴部451内に大径穴部452から挿入される。然る後、固定側内入れ子部材460は、フランジ部460bにて、段付き貫通穴部450aの大径穴部452内に嵌装される。このとき、フランジ部460bは、その位置決め面部463にて、固定側外入れ子部材450の位置決め面部452aに当接して位置決めされる。
これにより、固定側内入れ子部材460は、図60にて示すごとく、環状壁部460c及び円柱部460aにて、固定側外入れ子部材450の段付き貫通穴部450aの小径穴部451内に収容されるとともに、フランジ部460bにて、段付き貫通穴部450aの大径穴部452内に収容される。
可動型500は、図2にて示すごとく、それぞれ金属材料からなる可動側取り付け板510、スペーサ520、可動側受け板530及び可動側型板540を備えており、これら可動側取り付け板510、スペーサ520、可動側受け板530及び可動側型板540は、複数のネジ511による締着でもって、積層状に組み付けられている。なお、可動側型板540を形成する金属材料としては、例えば、クロムモリブデン鋼が採用されている。
スペーサ520は、角柱状に形成されており、当該スペーサ520は、可動側取り付け板510及び可動側受け板530の各左端部の間に上述したネジ511の締着により挟持されている。これにより、可動側受け板530は、スペーサ520を介し可動側取り付け板510に平行に支持されている。
可動側型板540は、図2及び図61〜図63のいずれかにて示すごとく、矩形板状に形成されており、当該可動側型板540は、可動側受け板530に積層されている。なお、図2にて、符号542aは、可動側受け板530及び可動側型板540を冷媒(例えば、80(℃)の水)により冷却する冷却回路を示す。
当該可動側型板540は、図2及び図61〜図63のいずれかにて示すごとく、可動側外入れ子部材550及び4個の可動側内入れ子部材560を備えている。
可動側外入れ子部材550は、矩形板状に形成されており、当該可動側外入れ子部材550は、可動型500のパーティング面PSd側から可動側型板540の中央部内に矩形凹状に形成してなる収容穴部540a(図2及び図61のいずれか参照)内に収容されている。
当該可動側外入れ子部材550は、図2及び図61〜図63のいずれかにて示すごとく、4個の貫通穴部550aを有している。これら貫通穴部550aは、左右両側前後貫通穴部550aとして、可動側外入れ子部材550に形成されている。当該左右両側前後貫通穴部550aは、その内周面部にて、可動側外入れ子部材550の表面(可動型500のパーティング面PSd側の面)から当該可動側外入れ子部材550の裏面にかけて緩やかな末広がり状に形成されている(図2及び図63参照)。
当該左右両側前後貫通穴部550aのうち、左側前貫通穴部550a及び左側後貫通穴部550aは、図61にて示す中心線X−Xを基準に対称的に位置するように、可動側外入れ子部材550に形成されている。また、右側前貫通穴部550a及び右側後貫通穴部550aは、中心線X−X(図61参照)を基準に対称的に位置するように、かつ中心線Y−Y(図61参照)を基準に左側前貫通穴部550a及び左側後貫通穴部550aとは対称的に位置するように、可動側外入れ子部材550に形成されている。なお、中心線X−Xは、可動側外入れ子部材550の図61にて図示左右方向中心線をいい、中心線Y−Yは、可動側外入れ子部材550の図61にて図示上下方向中心線(中心線X−Xに直交する中心線)をいう。
4個の可動側内入れ子部材560は、図2、図61、図67及び図68のいずれかから分かるように、可動側型板540の左右両側前後段付き貫通穴部541(図2、図61及び図68参照)及び可動側外入れ子部材550の左右両側前後貫通穴部550a内に貫通状に嵌装されている。
本第1実施形態では、可動側型板540において、左右両側前後段付き貫通穴部541は、それぞれ、可動側外入れ子部材550の左右両側前後貫通穴部550aの各々に同軸的に対応するように、可動側型板540のうちの収容穴部540aの底壁側壁部(図2及び図68参照)に形成されている。
左右両側前後段付き貫通穴部541は、共に同一の構成を有するので、左側前段付き貫通穴部541を例にとりその構成について説明する。左側前段付き貫通穴部541は、図2及び図68のいずれかにて示すごとく、小径穴部541a及び大径穴部541bを有する。小径穴部541aは、可動側型板540の収容穴部540aに収容してなる可動側外入れ子部材550の対応の左側前貫通穴部550aと同軸的に位置して当該左側前貫通穴部550a内に開口するように、可動側型板540のうちの収容穴部540aの底壁側壁部内に形成されている。
大径穴部541bは、小径穴部541aよりも大きな外径を有しており、当該大径穴部541bは、小径穴部541aよりも可動側受け板530側にて、可動側型板540の上記底壁側壁部内に小径穴部541aと同軸的に位置するように形成されている。なお、当該大径穴部541bは、可動側受け板530の上面(可動側型板540側の面)に向け開口している。
4個の可動側内入れ子部材560は、共に同一の構成を有する。そこで、当該4個の可動側内入れ子部材560のうちの左側前可動側内入れ子部材560(図61にて左上側に位置する可動側内入れ子部材560)を例にとりその構成について説明する。
当該左側前可動側内入れ子部材560は、図2、図61及び図64〜図69のいずれかに示すごとく、胴部560a、フランジ部560b及び頭部560cでもって一体的に構成されている。胴部560aは、図65及び図66のいずれかにて示すごとく、円柱部561及び円錐台部562を有しており、円錐台部562は、円柱部561の上端部561aから同軸的にかつ緩やかな末すぼまり状に延出している。
ここで、円錐台部562は、その外周面部にて、左側前貫通穴部550aの内周面部と同様の緩やかな末すぼまり状に形成されている。このことは、左側前可動側内入れ子部材560は、その胴部560aの円錐台部562にて、可動側外入れ子部材550の左側前貫通穴部550a内に嵌装されるとともに、フランジ560bにて、上方へは脱出不能に左側前貫通穴部550aの大径穴部541b内に嵌装されていることを意味する(図68参照)。なお、左側前可動側内入れ子部材560には、胴部560aから頭部560cに亘り、盗み穴部563が同軸的に形成されている(図65参照)。
フランジ部560bは、胴部560aの下端部(円柱部561の下端部)に同軸的に形成されており、当該フランジ部560bは、胴部560aの下端部から径方向に沿い外方へ環状に突出するように形成されている。
頭部560cは、胴部560aの上端部(円錐台部562の上端部)から同軸的にかつ円柱状に延出するように形成されている。当該頭部560cは、環状体120の環状壁部120aに形成してなる複数の浅い矩形くぼみ部122b(図12参照)に対応するように、図64及び図66のいずれかにて示すように、複数の隆起部563を有しており、これら複数の隆起部563は、頭部560cの外周面部564の周方向には間隔をおくとともに、当該外周面部564から外方へ半径方向に矩形扁平状に隆起するように頭部560cに形成されている。
また、頭部560cは、その延出端面部565にて、左側前可動側内入れ子部材560の軸に直交するように平面状に形成されている。ここで、頭部560cは、外周面部564と延出端面部565との境界面部566にて、環状体120の複数の係合片部120bの長手状矩形平面部に対応するように、外方へ凸な湾曲形状に形成されている。
ここで、上述した境界面部566の外周縁部(頭部560cの延出端面部565側の外周縁部)には、複数の凹部566aが境界面部566の外周縁部に沿い等間隔にて形成されている(図64、図66、図68及び図69のいずれか参照)。本第1実施形態において、複数の凹部566aは、それぞれ、複数の係合片部120bの各球部125のうち、頭部460c側に位置する縦断面扇状部位(図69参照)に対応する。
しかして、上述のように構成してなる各可動側内入れ子部材560は、その胴部560aの円錐台部562にて、図67〜図69のいずれかにて示すごとく、可動側外入れ子部材550の各対応の貫通穴部550a内に嵌装されるとともに、フランジ560bにて、上方へは脱出不能に左側前貫通穴部550aの大径穴部541b内に嵌装されている。
また、可動型500は、図2にて示すごとく、エジェクタ機構570を備えている。このエジェクタ機構570は、押し上げ板部材570aを有しており、当該押し上げ板部材570aは、上側押し上げ板571を下側押し上げ板572の上側に位置させた状態で、スペーサ520を挟持する可動側受け板530及び可動側取り付け板510の間に形成される空所W1内に可動型500の前後方向に沿うように介装されている。なお、下側押し上げ板572は、複数のネジ572a(図2では、単一のネジ572aのみを示す)により上側押し上げ板571に下方から積層固着されている。
ここで、押し上げ板部材570aは、空所W1内にて、可動側受け板530と可動側取り付け板510との間で、スペーサ520の高さ方向に沿い上下動可能となっており、当該押し上げ板部材570aの上下方向ストローク長(換言すれば、エジェクタ機構570のストローク長)は、空所W1内における可動側受け板530の下面と可動側取り付け板510の上面との間の間隔に等しい。
また、エジェクタ機構570は、図2にて示すごとく、複数の内側押し上げピン573(図2では単一の内側押し上げピン573のみを示す)及び複数の外側押し上げピン574(図2では単一の外側押し上げピン574のみを示す)を備えている。複数の内側押し上げピン573は、複数のネジ575(図2では単一のネジ575のみを示す)と共に、上側押し上げ板571を、可動側受け板530及び可動側型板540を介し可動側外入れ子部材550に支持するようになっている。
ここで、複数の内側押し上げピン573は、共に、同一の構成を有することから、図2にて示す内側押し上げピン573を例にとりその構成について説明する。当該内側押し上げピン573は、環状鍔部573aと、この環状鍔部573aから同軸的にかつ一体的に延出する円柱部573bとにより構成されている。
しかして、当該内側押し上げピン573は、円柱部573bにて、上側押し上げ板571の段付き貫通穴部571bにその下方から挿通されるとともに、空所W1,可動側受け板530の貫通穴部531及び可動側型板540の貫通穴部542を通り可動側外入れ子部材550の段付き貫通穴部551の大径穴部a内に挿入されて、当該段付き貫通穴部551の中径穴部b及び小径穴部cを通り挿入されるネジ575により同軸的に締着されている(図2参照)。なお、当該内側押し上げピン573は、環状鍔部573aにて、上側押し上げ板571の段付き貫通穴部571aの大径穴部571b(後述する)内にその下方から着座して、上方へは抜け止めされている。
本第1実施形態では、段付き貫通穴部571aは、可動側外入れ子部材550の外周部に対応するように、上側押し上げ板571に形成されている。当該段付き貫通穴部571aは、大径穴部571bを有しており、この大径穴部571bは、下側押し上げ板572の上面に開口するように上側押し上げ板571の板厚方向下側部位に形成されている。また、当該段付き貫通穴部571aは、大径穴部571bよりも小さな径を有する小径穴部571cを備えており、この小径穴部571cは、大径穴部571bから同軸的に延出するように上側押し上げ板571の大径穴部571bの上側部位に形成されている。
貫通穴部531は、可動側受け板530のうち段付き貫通穴部571bに同軸的に対応する部位に、貫通状に形成されている。貫通穴部542は、可動側型板540のうち収容穴部540aの底壁側壁部に、貫通穴部531に対応するように形成されている。
また、段付き貫通穴部551は、可動側受け板530の貫通穴部531に対応するように、可動側外入れ子部材550に形成されている。ここで、当該段付き貫通穴部551は、大径穴部a、中径穴部b及び小径穴部cを一体的に有しており、大径穴部aは、可動側型板540の収容穴部540aの底面部に向け開口するように、可動側外入れ子部材550の下側部位に形成されている。中径穴部bは、大径穴部aと小径穴部cを介し同軸的に位置するように、大径穴部aよりも小さな内径にて、可動側外入れ子部材550の上側部位に形成されており、当該中径穴部bは、パーティン面PSdから上方へ開口している。また、小径穴部cは、大径穴部aと中径穴部bとの間にて同軸的に位置するように、可動側外入れ子部材550の上下方向中間部位に形成されている。
複数の外側押し上げピン574は、共に同一の構成を有することから、図2にて示す外側押し上げピン574を例にとりその構成につき説明する。当該外側押し上げピン574は、環状鍔部574aと、この環状鍔部574aから同軸的にかつ一体的に延出する円柱部574bとにより構成されている。
しかして、当該外側押し上げピン574は,円柱部574bにて、上側押し上げ板571の段付き貫通穴部571dにその下方から挿通されるとともに、空所W1及び可動側受け板530の貫通穴部532を通り可動側型板540の貫通穴部543に挿通されている。ここで、当該外側押し上げピン574は,円柱部574bの延出端部にて、可動型500のパーティング面PSdと同一面内に位置するように可動側型板540の貫通穴部543に挿通されている。また、当該外側押し上げピン574は、環状鍔部574aにて、上側押し上げ板571の段付き貫通穴部571dの大径穴部571e(後述する)内にその下方から着座して、上方へは抜け止めされている。
本第1実施形態では、段付き貫通穴部571dは、段付き穴部571bの図2にて図示右側にて、上側押し上げ板571に形成されている。当該段付き貫通穴部571dは、大径穴部571eを有しており、この大径穴部571eは、下側押し上げ板572の上面に開口するように上側押し上げ板571の板厚方向下側部位に形成されている。また、当該段付き貫通穴部571dは、大径穴部よりも小さな径を有する小径穴部571fを備えており、この小径穴部571fは、大径穴部571eから同軸的に延出するように上側押し上げ板571の大径穴部571eの上側部位に形成されている。
貫通穴部532は、可動側受け板530のうち上側押し上げ板571の段付き貫通穴部571dに同軸的に対応する部位に、貫通状に形成されている。貫通穴部543は、可動側型板540のうち可動側受け板530のうち貫通穴部532に対応する部位に形成されている。
以上のように構成してなる本第1実施形態において、コネクター型接着補助器具100の製造は、樹脂射出成形機からの溶融樹脂に基づく当該金型装置のコネクター用金型P及び環状体用金型Qによる成形のもとに行われる。
1.コネクター用金型Pによるコネクター110の成形
現段階において、コネクター用金型Pは、図1及び図15にて示す状態にあるものとする。このような状態では、当該コネクター用金型Pは、その可動側型板330にて、パーティングラインPLを介し固定型200の固定側型板240に係合して、閉じている。また、エジェクタ機構380においては、押し上げ板部材380aが、その下側押し上げ板382でもって、空所W内において、固定板312上に位置している。
このような状態において、上記樹脂射出成形機が、その射出ノズルから溶融樹脂を固定型200の位置決め用ロケートリング213内に射出すると、当該溶融樹脂は、マニホールド250内にその導入ノズル250bから流入する。本第1実施形態では、当該溶融樹脂は、上記樹脂射出成形機内で溶融された上記所定の耐光性顔料含有樹脂材料である。
しかして、上述のように導入ノズル250b内に流入した溶融樹脂は、ランナー流路250c内に流入する。ここで、上記加熱回路が、上述のごとく、マニホールド本体250aを、ランナー流路250cを含む部位を中心に、所定の温度(例えば、200(℃)〜290(℃)の範囲以内の温度)に加熱して、ランナー流路250c内の溶融樹脂の流動状態を良好に維持する。なお、上記所定の温度は、200(℃)〜290(℃)の範囲以内の温度に限ることなく、ランナー流路250c内の溶融樹脂を良好な流動状態を維持し得る温度であれば、よい。
従って、上述のようにランナー流路250c内に流入した溶融樹脂は、良好な流動状態にて、ランナー流路250cの左右両側流路251内に分流していく。然る後、左側流路251内に分流した溶融樹脂は、左側流路251の先端側流路部251bから左側ランナーノズル260内に良好な流動状態にて流入するとともに、右側流路251内に分流した溶融樹脂は、当該右側流路251の先端側流路部251bから右側ランナーノズル260内に良好な流動状態にて流入する。
ついで、左側ランナー流路260に流入した溶融樹脂は、左側コールドランナー270の基端側流路部271を通り前後両側流路部272内に流入した後、可動側左入れ子部材340の前後両側入れ子部340b(図37参照)の各縦断面U字状開口部346(コネクター110の回り止め部116に対応)から左前後両側キャビティC内に流入する。一方、右側ランナー流路260に流入した溶融樹脂は、右側コールドランナー270の基端側流路部271を通り前後両側流路部272内に流入した後、可動側右入れ子部材340の前後両側入れ子部340b(図37参照)の各縦断面U字状開口部346から右前後両側キャビティC内に流入する。
このように溶融樹脂が流入することで、当該溶融樹脂が左前後両側キャビティC及び右前後両側キャビティCの各内部のうちセンターピン380cの縦断面略逆U字状部388を除く領域(図1及び図52参照)にその充填された後、金型Pが、固定側型板240及び可動側型板330を中心に、冷却回路244、335により冷却された状態で、4個のコネクター110が、左前後両側キャビティC内及び右前後両側キャビティC内にて良好に成形され得る。
然る後、可動型300を固定型200から開く。このとき、左右両側前後スライドロック部材290が、それぞれ、次のように作動する。
ここで、左右両側前後スライドロック部材290のうち、まず、左側前スライドロック部材290の作動について説明する。
可動型300を固定型200から開く前においては、左右両側前スライドロック部材290は、各ロック部材本体290aにより、左右両側スライドSa、Sbの各係合部352を左右両側から挟持することで、各係合部352を相互に係合させている(図1、図32及び図41等参照)。
このような状態においては、左右両側前スライドロック部材290は、その各アンギュラーピン290bにて、上述したごとく、左右両側スライドSa、Sbの各スライド基部351の貫通穴部351cに相対的に摺動可能に挿通されている(図1及び図44参照)。また、各貫通穴部351cは、各スライド基部351に対し、図44にて例示するごとく、傾斜状に形成されている。そこで、上述のごとく、可動型300を固定型200から開くと、左右両側スライドSa、Sbは、可動側型板330と共に、固定側型板240から解離する。
このため、上述のように、左右両側スライドSa、Sbが、可動側型板330と共に、固定側型板240から解離すると、左右両側前スライドロック部材290は、その各アンギュラーピン290bにより、左右両側スライドSa、Sbの各スライド基部351を互い逆方向へ離れるように変位させる。このことは、左右両側スライドSa、Sbにおいて、各スライドロックプレート部370a、370bが互いに逆方向へ変位するとともに各スライドコア部360a、360bが互いに逆方向へ変位することを意味する。換言すれば、左右両側スライドSa、Sbが、左前キャビティC内に成形済みのコネクター110から互い逆方向へ解離する。
これにより、上述の成形済みのコネクター110を可動側左入れ子部材340の入れ子Nに保持した状態で、可動型300を固定型200から良好に開くことができる。なお、残りの左後キャビティC及び右側前後キャビティCの各内部に成形済みのコネクター110も、左前キャビティC内に成形済みのコネクター110とともに、可動側左入れ子部材340の入れ子Nに保持した状態で、可動型300を固定型200から良好に開くことができる。
このように可動型300を固定型200から開いた後、エジェクタ機構380の押し上げ板部材380aが、空所W内にて可動側型板330に向けて変位されると、各スリーブピン380bが各センターピン380cに沿い可動側型板330側へ摺動する。これに伴い、各キャビティC内のコネクター110が、各スリーブピン380により、入れ子N、換言すれば、各キャビティCから押し出される。このとき、上述のごとく、左右両側スライドSa、Sbが、可動側型板330と共に、固定側型板240から解離しているため、各コネクター110の各キャビティCの内部からの押し出しが良好になされ得る。
ここで、各コネクター110は各コールドランナー270の流路部272内の樹脂部分と共に押し出される。従って、各コネクター110の外周部等にバリ取り等を施すことで、各コネクター110の成形が完了する。
2.環状体用金型Qによる環状体120の成形
現段階において、環状体用金型Qは、図2にて示す状態にあるものとする。このような状態では、当該環状体用金型Qは、その可動型500の可動側型板540にて、パーティングラインPL1を介し固定型400の固定側型板420に当接して、閉じている。また、エジェクタ機構570においては、押し上げ板部材570aが、その下側押し上げ板572でもって、空所W1内において、可動側取り付け板510上に位置している。
このような状態において、上記樹脂射出成形機が、その射出ノズルから溶融樹脂を固定型400の位置決め用ロケートリング412内に射出すると、当該溶融樹脂は、固定型400のスプールブッシュ430を通りコールドランナー440の主流路部441にその長手方向中央部(左右方向中央部)から流入する。なお、当該溶融樹脂は、上述と同様に、上記樹脂射出成形機内で溶融された上記所定の耐光性顔料含有樹脂材料である。
このようにコールドランナー440の主流路部441に流入した溶融樹脂は、当該主流路部の左右方向中央部から左右方向に分流して左右両側前後流路部442、443内に流動し、然る後、当該左右両側前後流路部442、443から左右両側前後キャビティC1内に流入する。
このように溶融樹脂が流入することで、当該溶融樹脂が左右前後両側キャビティC1の各内部に充填された後、金型Qが、固定側型板420並びに可動側型板540及び可動側受け板530を中心に、冷却回路421、542aにより冷却されることで、4個の環状体120が、左右前後両側キャビティC1内にて成形される。
然る後、エジェクタ機構570の押し上げ板部材570aが、空所W1内にて可動側受け板530に向けて変位されると、複数の外側押し上げピン574が、固定型400を、固定側外入れ子部材450及び固定側内入れ子部材460と共に、可動型500から解離する方向に、可動型500を変位させ、かつ、複数の内側押し上げピン573が、可動側外側入れ子部材550を可動側型板540の各収容穴部540aの内部から脱出させる方向に相対的に押し出す。
これに伴い、各可動側内側入れ子部材560が、可動側外側入れ子部材550の各貫通穴部550aから固定側型板420とは反対方向へ脱出するとともに、各成形済みの環状体120が、上述した各可動側内側入れ子部材560の可動側外入れ子部材550の内部からの脱出に伴い、各可動側内側入れ子部材560の頭部560cから解離する。これにより、各成形済みの環状体120は、可動側型板540の各収容穴部540aから脱出した可動側外側入れ子部材550上に位置する。なお、可動側内側入れ子部材560及び可動側外側入れ子部材550は、それぞれ、可動側内入れ子部材560及び可動側外入れ子部材550ともいう。
ここで、成形済みの各環状体120は、その環状着座部121にて、可動側外入れ子部材550上に着座している(図68参照)。従って、成形済みの各環状体120は、各可動側内側入れ子部材560の可動側外側入れ子部材550の各貫通穴部550aからの脱出に合わせて、可動側外入れ子部材550と共に可動側型板540から解離する。
また、上述の成形済みの各環状体120はその外周部にて可動型500をその開き方向に開き易いように構成されている。従って、各環状体120を可動側外入れ子部材550上に位置させる状態で、可動型500を固定型400から適性に開くことができる。なお、成形済みの各環状体120は、可動側外入れ子部材550から回収すればよい。
3.成形環状体120の成形コネクター110への圧入
上述のように4個のコネクター100及び4個の環状体120を成形した後は、環状体120及びコネクター110の組み合わせごとに、環状体120が、その環状壁部120aにて環状着座部121からコネクター110の円柱状頭部110bに同軸的に圧入されることで、環状着座部121を環状フランジ部120cに着座させる。さらに、セパボルト130が、円筒部131にて、コネクター110の軸穴部115の小径穴部115a内にコネクター110の円錐台状胴部110a側にかけて同軸的に圧入により嵌装されるとともに、環状鍔部132にて、コネクター110の軸穴部115の大径穴部115b内に嵌装される。また、型締めボルト140が、円柱状頭部110bの外方から中空状受け板部114の中空部を通してセパジョイント130の雌ネジ穴部130aに螺合される。これにより、4個のコネクター型接着補助器具100が、上述のようなコネクター用金型P及び環状体用金型Qによる成形を経て良好に製造される。
以上説明したように、本第1実施形態においては、コネクター型接着補助器具用金型装置が、上述のように構成してなるコネクター110及び環状体120を備えるコネクター型接着補助器具100のコネクター110を成形するコネクター用金型P及び環状体120を成形する環状体用金型Qでもって構成されている。
ここで、コネクター用金型Pは、上述のように構成してなる固定側取り付け板210、固定側型板240、固定側入れ子280a及び固定側コアピン280bからなる固定側入れ子部材280及び左右両側ブロック部材(290)を備える固定型200と、上述のように構成してなる可動側取り付け板310、可動側型板330、及び可動側入れ子N及びスライド部材Sからなる可動側入れ子部材340及びエジェクタ機構380を備える可動型300とを備える。
また、樹脂射出成型機からの溶融樹脂が流入するキャビティCが、その中空部にて、可動側入れ子Nの貫通穴部344の内周面部、コアピン280b、スリーブピン380b、センターピン380cのうち可動側入れ子N貫通穴部344の内周面部側の各端部により構成されている。
また、環状体用金型Qは、上述のように構成した固定側取り付け板410、固定側型板420、固定側外入れ子部材450及び固定側内入れ子部材460を備える固定型400と、上述のように構成してなる可動側取り付け板510、可動側型板540、可動側外入れ子部材550、可動側内入れ子部材560及びエジェクタ機構570を可動型500とを備える。
また、樹脂射出成型機からの溶融樹脂が流入するキャビティC1が、その中空部にて、固定側入れ子部材450の貫通穴部450a内において固定側内入れ子部材460の挿入先端部464及び環状壁部460c、可動側外入れ子部材550及び可動側内入れ子部材560により構成されている。
これにより、上述のような構成を有するコネクター及び環状体の2部品からなるコネクター型接着補助器具を良好に成形し得る金型装置が、コネクター用金型P及び環状体用金型Qという別々の金型でもって、できる限り簡単な構成で提供され得る。
換言すれば、コネクター用金型P及び環状体用金型Qによる成形のもと、コネクター及び環状体の2部品からなるコネクター型接着補助器具が良好に製造され得る。
また、可動側入れ子Nの貫通穴部344は、当該可動側入れ子Nから上方へ開口する大径穴部344aと、当該大径穴部344aから下方へ末すぼまり状に延出する円錐台状穴部344bとを有するように形成されている。しかも、大径穴部344aと円錐台状穴部344bとの境界部には、回り止め部116に対応する開口部346が、貫通穴部344の内部を、コールドランナー270を介し、ホットランナーHRの複数のノズル260のいずれかのノズルに連通させるように形成されている。これにより、回り止め部116がコネクター型接着補助器具のコネクターに良好に形成され得る。
また、固定側内入れ子部材460の環状壁部460cの内周面部は、当該環状壁部460cの先端部から円柱部460aの内側端部の外周部にかけて、固定側内入れ子部材460の環状壁部460cの内部側へ凹な湾曲形状にて、傾斜するように形成されると共に、複数の長手状凹部466aを、固定側内入れ子部材460の環状壁部460cの延出基端部から延出先端部にかけて長手状となるように固定側内入れ子部材460の環状壁部460cの周方向には間隔をおいて形成してなり、可動側内入れ子部材560の挿通先端部の外周面部には、複数の長手状凹部566aが、その環状壁部460cの延出基端部側にて形成してなる各横断面部分球状凹部466cとともに球を構成するように、複数の凹部566aが形成されていることでもって、コネクター型接着補助器具100の環状体120の環状基壁部には、複数の周側係合片部120bが、環状基壁部の内周方向に間隔をおいて位置するように当該環状基壁部からその内方に向けて突出するように良好に形成され得る。
また、固定側内入れ子部材460の環状壁部460cは、その外周側部位を縦断面L字状に切り欠くことで環状切り欠き部465を形成してなり、当該環状切り欠き部465は、その環状底壁部をその幅方向中間部位から縦断面山形状に切り欠くことで、環状溝部465aを形成してなることで、コネクター型接着補助器具100の環状体120の環状突起部126が、縦断面山形状にて、環状基壁部の延出端面の幅方向中間部位から一体的に延出するように形成され得る。
また、コネクター用金型Pにおいて、固定型200が、
固定側取り付け板210と固定側型板240との間に積層されてマニホールド本体250aを有するマニホールド250を内蔵するように形成してなるマニホールド保持板部材220と、
マニホールド本体250a内に設けられて樹脂射出成型機から溶融樹脂を射出されるランナー流路250cと、当該ランナー流路に形成してなる流出路部に接続されるように固定側型板240内に設けられるランナーノズル260とを備えて、
ランナー流路250cのマニホールド本体250aを介する加熱のもと、ランナー流路250cを流動してその流出路部から流出する上記溶融樹脂をランナーノズル260に流動させるホットランナーHRとを備える。
ここで、ランナーノズル260からの溶融樹脂がキャビティ内C1に流入するようになっている。
これによれば、ランナー流路250c内の溶融樹脂は、マニホールド本体250bによる加熱のもと、良好な流動状態にて、ランナーノズル260を通りキャビティC内に流入し得る。これに伴い、コネクター110がキャビティC内にて良好に成形され得る。
(第2実施形態)
図70は、本発明の第2実施形態の要部を示している。当該第2実施形態においては、上記第1実施形態の図69にて示す左側前固定側内入れ子部材460の環状切り欠き部465が、環状溝部465aに代えて、図70にて示すごとく、環状切除部465cを有しており、当該環状切除部465cは、左側前固定側内入れ子部材460の外周縁部を、縦断面楔状に切除して形成されている。
詳細には、当該環状切除部465cは、環状切り欠き部465の環状底壁部の外周縁部を、図70にて示すごとく垂直に切除した後上記環状底壁部の外周側へ傾斜状に切除することで形成されている。ここで、環状切除部465cは、その傾斜状切除端部にて、図70にて示すごとく、尖った形状に形成されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態においては、環状体用金型Qにより、上記第1実施形態にて述べたコネクター型接着補助器具100の環状体120は、環状切除部465cにて、環状薄肉部123の延出端面の幅方向中間部位に形成してなる山形状突起部126に代えて、環状薄肉部123の延出端面の外周縁部から上方へ縦断面楔状に突出するように形成されている。
換言すれば、環状体用金型Qによれば、環状壁部460cは、その外周縁部を、縦断面楔状に切除して、環状切除部465cを形成してなることで、環状切除部465cが、縦断面楔状にて、環状基壁部の環状薄肉部123の外周部から一体的に延出するように形成され得る。このことは、環状突起部が、上記第1実施形態にて述べた山形突起部126に代えて、基壁部の環状薄肉部123の外周部から楔状突起部として突出するように形成されることを意味する。なお、当該楔状突起部は、山形突起部126と同様に変形し易い構成となっておれば、上記第1実施形態にて述べた一方の型板の上記対向面の変形を実質的に招くことがない。また、当該楔状突起部が山形突起部126とは異なり変形しにくい構成となっている場合には、当該楔状突起部の環状先端部が、楔状に尖っていることから、上記第1実施形態にて述べた一方の型板の上記対向面の変形を招き易い。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べたコネクター成形用金型Pにおいては、マニホールド保持板220、マニホールド250及びホットランナーHRに代えて、例えば、スプールブッシュを採用し、当該スプールブッシュを、固定側取り付け板210の中央部(ロケートリング213の中央部に対する対応部位)から固定側受け板230及び固定側型板240の中央部にかけて形成してなるスプールブッシュ用中央穴部内に、上記樹脂射出成形機の上記射出ノズルに対向するように、挿入するようにしてもよい。これにより、上記樹脂射出成形機の射出ノズルから射出される溶融樹脂が、上記スプールブッシュによりコールドランナー270の基端側流路部271を通り前後両側流路部272内に流入した後、左前後両側キャビティC内に流入する。
(2)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べたコネクター用金型Pにおいて、溶融樹脂がマニホールド250の導入ノズル250bから左側前キャビティCに流入する流動経路は、導入ノズル250b、ランナー流路250cの左側流路部251、左側ランナーノズル260及び左側コールドランナー270の前側流路部272でもって構成される。また、溶融樹脂がマニホールド250の導入ノズル250bから左側後キャビティCに流入する流動経路は、導入ノズル250b、ランナー流路250cの左側流路部251、左側ランナーノズル260及び左側コールドランナー270の後側流路部272でもって構成される。
一方、溶融樹脂がマニホールド250の導入ノズル250bから右側前キャビティCに流入する流動経路は、導入ノズル250b、ランナー流路250cの右側流路部251、右側ランナーノズル260及び右側コールドランナー270の前側流路部272でもって構成される。また、溶融樹脂がマニホールド250の導入ノズル250bから右側後キャビティCに流入する流動経路は、導入ノズル250b、ランナー流路250cの右側流路部251、右側ランナーノズル260及び右側コールドランナー270の後側流路部272でもって構成される。
ここで、マニホールド250、ランナー流路250c及びランナーノズル260は、必要に応じて廃止してもよい。コールドランナー270も同様である。
(3)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べた環状体用金型Qにおいて、溶融樹脂がスプールブッシュ431から左側前キャビティC1に流入する流動経路は、スプールブッシュ431、左側コールドランナー440の主流路部441及び左側前流路部442でもって構成される。また、溶融樹脂がスプールブッシュ431から左側後キャビティC1に流入する流動経路は、スプールブッシュ431、左側コールドランナー440の主流路部441及び左側後前流路部442でもって構成される。
一方、溶融樹脂がスプールブッシュ431から右側前キャビティC1に流入する流動経路は、スプールブッシュ431、右側コールドランナー440の主流路部441及び右側前流路部442でもって構成される。また、溶融樹脂がスプールブッシュ431から右側後キャビティC1に流入する流動経路は、スプールブッシュ431、右側コールドランナー440の主流路部441及び右側後前流路部442でもって構成される。なお、コールドランナー440は、必要に応じて廃止してもよい。
(4)本発明の実施にあたり、環状フランジ部110cは、上記第1実施形態とは異なり、円錐台状胴部110a及び円柱状頭部110bの各対向端部の少なくとも一方から径方向に沿い外方へ環状に突出するように形成されていてもよい。
(5)本発明の実施にあたり、金型装置は、コネクター用金型P及び環状体用金型Qを、上記第1実施形態とは異なり、単一のコネクター型接着補助器具100を成形するように構成してもよい。
(6)また、本発明の実施にあたり、コールドランナー270は、その前後両側流路部272にて、上記第1実施形態とは異なり、互いに対向する固定側入れ子部材280及び可動側入れ子部材340の両対向部位の双方に亘り縦断面凹状に切り欠くことで形成するようにしてもよい。
C、C1…キャビティ、HR…ホットランナー、N…固定側入れ子、
P…コネクター用金型、PSa、PSb、PSc、PSd…パーティング面、
Q…環状体用金型、S…スライド部材、Sa、Sb…スライド、W、W1…空所、
100…コネクター型接着補助器具、110…コネクター、
110a…円錐台状胴部、110b…円柱状頭部、110c…環状フランジ部、
110d…面側係合片部、120…環状体、120a、460c…環状壁部、
120b…周側係合片部、121…環状着座部、122…環状厚肉部、
123…環状薄肉部、126…環状突起部、200、400…固定型、
210、410…固定側取り付け板、220…マニホールド保持板、
230…固定側受け板、240、420…固定側型板、
240a、330a、420a、540a…収容穴部、250…マニホールド、
250a…マニホールド本体、250c…ランナー流路、
260…ランナーノズル、280…固定側入れ子部材、280a…固定側入れ子、
280b…コアピン、283、344、450a、550a…貫通穴部、
290…ブロック部材、290a…ロック部材本体、
290b…アンギュラーピン、300、500…可動型、
310、510…可動側取り付け板、312…固定板、
320、520…スペーサ、330、540…可動側型板、
340…可動側入れ子部材、344a…大径穴部、344b…円錐台状穴部、
346…開孔部、351…スライド基部、352…係合部、
380、570…エジェクタ機構、380a、570a…押し上げ板部材、
380b…スリーブピン、380c…センターピン、
450…固定側外入れ子部材、450a…段付き貫通穴部、
460…固定側内入れ子部材、460a…円柱部、465…切り欠き部、
465a…環状溝部、465c…環状切除部、466a…長手状凹部、
550…可動側外入れ子部材、560…可動側内入れ子部材、
560c…可動側内入れ子部材の頭部、566a…凹部、574…押し上げピン。

Claims (10)

  1. コネクター及び環状体を備えるコネクター型接着補助器具の前記コネクターを成形するための金型を第1金型として備えるとともに、前記環状体を成形するための金型を第2金型として備えるコネクター型接着補助器具用金型装置であって、
    前記コネクターは、大径側端部から小径側端部にかけて末すぼまり状に形成してなる胴部と、当該胴部の前記大径側端部から同軸的に延出する頭部と、前記胴部及び前記頭部の両対向端部の少なくとも一方から環状に外方へ径方向に沿い延出する環状フランジ部と、前記頭部の延出端面から分散状に突出する複数の面側係合片部とでもって、所定の樹脂材料により一体的に形成されており、
    前記環状体は、前記複数の面側係合片部をその外周側から包囲するように前記頭部に同軸的に圧入される環状基壁部と、当該環状基壁部から前記環状フランジ部とは反対方向に同軸的に突出する環状突起部とを、前記所定の樹脂材料でもって一体的に形成してなる環状壁部を有してなり、
    前記第1金型は
    成形面を固定側成形面として有してなる固定側本体を備える固定型と、
    前記固定側本体の前記固定側成型面に当接する成形面を可動側成形面として有するように形成してなる可動側本体を備える可動型と、
    前記可動側本体が前記可動側成形面にて前記固定側本体の前記固定側成形面に当接するに伴い前記可動側本体及び前記固定側本体の双方に亘り前記コネクターに対応する中空形状を有するようにキャビティを形成するキャビティ形成手段とを具備してなり、
    前記固定型における前記固定側本体は、その前記固定側成形面側から形成してなる収容穴部内に収容してなる固定側入れ子と、当該固定側入れ子に形成してなる貫通穴部に前記可動側本体側へ延出するように嵌装される固定側コアピンであってその延出端部にてその径方向に列状に形成してなる複数条の凹部を有するとともに、当該複数条の凹部にその内周面に沿い凹状にその幅方向には溝状となるように形成してなる複数の溝部を有する固定側コアピンとを有する固定側入れ子部材を備えており、
    前記可動型の前記可動側本体は、
    可動側取り付け板部材と、
    互いに間隔をおいて配置される両スペーサを介し前記可動側取り付け板部材に対向するように積層される可動側型板であって前記可動側成形面を成形面として有する可動側型板と、
    当該可動側型板にその成形面側から前記固定側本体の前記収容穴部に対応するように形成してなる収容穴部内に収容される可動側入れ子と、左右両側スライドを有して、前記可動側入れ子に組み付けられるスライド部材とを具備する可動側入れ子部材と、
    前記両スペーサ、前記可動側型板及び前記可動側取り付け板部材の間に形成してなる空所内にて当該可動側取り付け板部材上に着座するように収容されて当該可動側取り付け板部材から前記可動側型板への方向或いはその逆方向へ変位可能となっている押し上げ板部材と、前記固定側コアピンに同軸的に対向するように前記可動側入れ子に形成してなる貫通穴部内に向け前記押し上げ板部材から延出する筒状スリーブピンと、前記可動側取り付け板部材から前記筒状スリーブピンの内部を相対移動可能に通り前記可動側入れ子の前記貫通穴部内に向け延出するセンターピンとを備えるエジェクタ機構とを備えており、
    前記スライド部材における前記左右両側スライドは、
    前記可動側型板の前記収容穴部内に前記可動側入れ子の左右両側にて互いに対向して近づく方向或いは離れる方向に移動可能に収容される左右両側スライド部と、
    当該左右両側スライド部の互いに対向する左右両側対向部位にそれぞれ形成してなる収容部内に収容される左右両側スライドコア部と、
    当該左右両側スライドコア部を介し前記左右両側スライド部の前記左右両側対向部位の前記各収容部内に収容される左右両側スライドロックプレート部とを具備しており、
    前記左右両側スライド部の前記左右両側対向部位は、その各収容部の底壁部の対向端部にて、互いに対向するように切り欠き部を凹状に形成してなり、
    前記左右両側スライドコア部は、それぞれ、複数のロッド部でもって構成されており、
    前記左右両側スライドロックプレート部の各裏面には各複数の長手状凹部が左右方向には長手状に前後方向には間隔をおくように凹状に並んで形成されるとともに、当該左右両側スライドロックプレート部の各対向端部には各切り欠き部が互いに対向するように前記左右両側スライド部の前記左右両側対向部位の前記各凹状切り欠き部に対応して形成されており、
    前記左右両側スライドコア部の各前記複数のロッド部は、前記左右両側スライドロックプレート部の前記各複数の長手状凹部内に収容されており、
    前記キャビティ形成手段において、前記キャビティが、その中空部にて、前記可動側入れ子の前記貫通穴部の内周面部、並びに前記固定側コアピン、前記筒状スリーブピン及び前記センターピンのうち前記可動側入れ子の前記貫通穴部の前記内周面部側の各端部により形成されており、
    脂射出成型機から前記所定の樹脂材料を溶融樹脂として射出されるに伴い当該溶融樹脂を、前記固定側本体を通して前記キャビティ内に前記コネクターを成形するために流入させるようになっており、
    前記第2金型は、
    前記固定型を第1固定型とし、前記固定側本体を第1固定側本体として、固定側本体を第2固定側本体として備える第2固定型と、
    前記可動型を第1可動型とし、前記可動側本体及びその可動側成形面を第1可動側本体及び第1可動側成形面として、前記第2固定側本体の成型面に当接する成形面を第2可動側成形面として有するように形成してなる可動側本体を第2可動側本体として備える第2可動型と、
    前記キャビティを第1キャビティとし、前記キャビティ形成手段を第1キャビティ形成手段として、前記第2可動側本体がその第2可動側成形面にて前記第2固定側本体の成形面に当接するに伴い前記第2可動側本体及び前記第2固定側本体の双方に亘り前記環状体に対応する中空形状を有するように第2キャビティを形成する第2キャビティ形成手段とを備えて、
    前記溶融樹脂が前記樹脂射出成型機から射出されるに伴い、当該溶融樹脂を、前記第2固定側本体を通して前記第2キャビティ内に前記環状体を成形するために流入させるようになっているコネクター型接着補助器具用金型装置。
  2. 前記第1金型において、
    前記第1固定側本体は、その収容穴部内に前記固定側入れ子の左右両側にて支持する左右両側ロック部材本体と当該左右両側ロック部材本体に上方から下方にかけて左右方向へ互いに離れる方向に傾斜するように嵌装されて延出する左右両側アンギュラーピンとを有する左右両側ブロック部材を備えており
    記スライド部材における前記左右スライドにおいて、
    前記左右両側スライド部は、前記可動側型板の前記収容穴部内に前記可動側入れ子の左右両側にて互いに対向して近づく方向或いは離れる方向に移動可能に収容される左右両側スライド基部と、当該左右両側スライド基部の各対向部の上面部から前記可動側入れ子の上面に沿い互いに近づく方向へ前記左右両側対向部位として延出する左右両側係合部であって前記左右両側対向部位の前記収容部に対応する収容部を前記左右両側スライドコア部を介し前記左右両側スライドロックプレート部を収容するように形成してなる左右両側係合部とを備えてなり、
    記左右両側ブロック部材において、前記左右両側アンギュラーピンは、前記左右両側ロック部材本体から延出して前記左右両側スライド部の前記左右両側スライド基部に傾斜状にかつ相対移動可能に挿通されることで、前記第1可動型の前記第1固定型からの分離に伴い前記左右両側スライドを、前記左右両側スライドコア部及び前記左右両側スライドロックプレート部と共に、それぞれ、互いに離れる方向に移動させ、一方、前記第1可動型の前記第1固定型への移動に伴い前記左右両側スライドを、前記左右両側スライドコア部及び前記左右両側スライドロックプレート部と共に、互いに近づく方向に移動させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置。
  3. 前記第2金型において
    前記第2固定型における前記第2固定側本体は、当該第2固定側本体の前記成形面を成形面として有する固定側型板と、
    該固定側型板にその成形面側から形成してなる収容穴部内に収容される固定側外入れ子部材と、
    当該固定側外入れ子部材に形成してなる貫通穴部内に収容される固定側内入れ子部材とを備えており
    前記第2可動型における前記第2可動側本体は
    動側取り付け板と、
    前記両スペーサを第1スペーサとして、第2スペーサを介し前記可動側取り付け板に対向するように支持されて前記第2可動側成形面に相当する成形面を有する可動側型板部材と、
    該可動側型板部材にその成形面側から前記第2固定側本体の前記固定側型板の前記収容穴部に対応するように形成してなる収容穴部内に収容される可動側外入れ子部材と、
    当該可動側外入れ子部材に前記第2固定側本体の前記固定側型板の前記収容穴部に対向するように形成してなる貫通穴部内に当該貫通穴部と同軸的に前記可動側型板部材に形成してなる貫通穴部を通して前記固定側内入れ子部材に当接するように挿通される可動側内入れ子部材と
    前記エジェクタ機構、前記押し上げ板部材及び空所を、それぞれ、第1エジェクタ機構、第1押し上げ板部材及び第1空所として、前記第2スペーサを介し対向する前記可動側型板部材及び前記可動側取り付け板の間に形成される第2空所内に前記可動側取り付け板側から前記可動側型板部材側に向かう方向或いはその逆方向へ変位可能に前記可動側取り付け板上に着座する第2押し上げ板部材と、当該第2押し上げ板部材から前記第2空所及び前記可動側型板部材を通り延出して前記可動側外入れ子部材に連結される内側押し上げピンと、前記第2押し上げ板部材から前記第2空所及び前記可動側型板部材を通り前記第2固定側本体の前記固定側型板の前記成形面に当接可能に延出する外側押し上げピンと備える第2エジェクタ機構とを備えており、
    前記固定側内入れ子部材は、円柱部及び当該円柱部の外周部から前記可動側内入れ子部材に向けて延出する環状壁部を有しており、
    前記可動側内入れ子部材は、その挿通先端部にて、前記固定側内入れ子部材の前記円柱部のうちの前記環状壁部の内周側端部に当接しており、
    前記第2キャビティ形成手段において、前記第2キャビティの中空部は、前記固定側外入れ子部材の前記貫通穴部内において、当該貫通穴部への前記固定側内入れ子部材の挿入先端部、前記固定側入れ子部材の前記環状壁部、前記可動側外入れ子部材及び前記可動側内入れ子部材により形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置。
  4. 前記コネクター型接着補助器具において、
    前記コネクターは、前記環状フランジ部に沿い前記胴部の外周面の少なくとも一部から外方へ突出するように形成してなる回り止め部を具備しており、
    前記第1金型において、
    前記可動側入れ子の前記貫通穴部は、当該可動側入れ子から上方へ開口する大径穴部と、当該大径穴部から下方へ末すぼまり状に延出する末すぼまり状穴部とを有するように形成されており、
    前記大径穴部と前記末すぼまり状穴部との境界部には、前記回り止め部に対応する開口部が、その外部から前記可動側入れ子の前記貫通穴部の内部に前記溶融樹脂を流入させるように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のコネクター型接着補助器具用金型装置。
  5. 前記コネクター型接着補助器具において、
    前記所定の樹脂材料は、所定の耐光性顔料含有樹脂材料であり、
    前記コネクターの前記胴部及び前記頭部は、それぞれ、円錐台状胴部及び円柱状頭部であり、
    当該円柱状頭部にはその前記延出端面から当該円柱状頭部の内部に向け凹状となるように複数条の凹部が互いに並行に形成されており、
    前記複数の面側係合片部は、前記円柱状頭部の前記延出端面から外方へ凸な湾曲状に突出するように形成されて、その両端部にて、前記円柱状頭部の前記複数条の凹部の各々ごとに当該凹部を跨ぐようにその長手方向に間隔をおいて前記円柱状頭部の前記延出端面に形成されており、
    前記環状体の前記環状基壁部は、前記圧入にて、前記環状フランジ部に着座するようになされており、
    前記第1金型における前記第1可動型の前記第1可動型本体において、
    前記スライド部材の前記左右両側スライド部の前記左右両側係合部は、前記互いに対向する切り欠き部を、前記円柱状頭部に対応するように、互いに逆方向へ凹な半円状に形成してなるとともに、前記底壁部の内面にて、複数の長手状凹部を左右方向には横断面半円状となるように前後方向には間隔をおくように並んで形成してなり、
    前記左右両側スライドコア部の各前記複数のロッド部は、それぞれ、横断面長楕円状に形成されて、前記左右両側スライドロックプレート部の前記複数の長手状凹部と前記左右両側スライド部の前記左右両側係合部の各前記複数の長手状凹部との間に収容されるようになっており、
    前記可動側入れ子の前記貫通穴部は、前記末すぼまり状穴部を、前記円錐台状胴部に対応するように、前記大径穴部から下方へ末すぼまり状に延出する円錐台状穴部として形成してなることを特徴とする請求項2に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置。
  6. 前記コネクター型接着補助器具の前記環状体において、
    前記環状基壁部は、前記圧入に伴い前記環状フランジ部の環状上面に着座する環状着座部と、当該環状着座部の内周側上端部から上方へ延出する環状厚肉部と、当該環状厚肉部の外周側上端部から同軸的に上方へ延出する環状薄肉部とを備えており、
    複数の周側係合片部は、それぞれ、前記環状厚肉部の延出端内周部からその周方向には間隔をおいて軸心に向け斜め上方へ延出するロッド部と、当該ロッド部の延出端部に支持される球部とにより形成されており、
    前記第2金型の前記第2固定側本体において、
    前記固定側内入れ子部材の前記環状壁部の内周面部は、当該環状壁部の先端部から前記固定側内入れ子部材の前記円柱部の前記内周側端部の外周部位にかけて、前記固定側内入れ子部材の前記環状壁部の内部側へ凹な湾曲形状にて、傾斜するように形成されるとともに、複数の長手状凹部を、前記固定側内入れ子部材の前記環状壁部の延出基端部から延出先端部にかけて長手状となるように前記固定側内入れ子部材の前記環状壁部の周方向に間隔をおいて形成してなり、
    前記可動側内入れ子部材の前記挿通先端部の外周面部には、複数の凹部が、前記固定側入れ子部材の前記複数の長手状凹部にその前記固定側内入れ子部材の前記環状壁部の前記延出基端部側にて形成してなる各横断面部分球状凹部とともに球を構成するように、形成されていることを特徴とする請求項3に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置。
  7. 前記コネクター型接着補助器具において、
    前記環状体の前記環状突起部は、前記環状基壁部の前記環状薄肉部の幅方向中間部位から前記環状フランジ部とは反対方向に環状可変部として突出してなり、
    前記第2金型の前記第2固定側本体において、
    前記固定側内入れ子部材の前記環状壁部は、その外周側部位を縦断面L字状に切り欠くことで環状切り欠き部を形成してなり、
    当該環状切り欠き部は、その環状底壁部をその幅方向中間部位から縦断面山形状に切り欠くことで、環状溝部を形成してなることを特徴とする請求項6に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置。
  8. 前記コネクター型接着補助器具において、
    前記環状体の前記環状突起部は、前記環状基壁部の前記環状薄肉部の外周部から前記環状フランジ部とは反対方向に縦断面楔状に突出してなり、
    前記第2金型の前記第2固定側本体において、
    前記固定側内入れ子部材の前記環状壁部は、その外周縁部を、縦断面楔状に切除することで、環状切除部を形成してなることを特徴とする請求項6に記載のコネクター型接着補助器具用金型装置。
  9. 前記第1固定型において、
    前記第1固定側本体は、
    マニホールド本体を有するマニホールドと、
    記マニホールド本体内に設けられて樹脂射出成型機から前記所定の耐光性顔料含有樹脂材料を溶融樹脂として射出されるランナー流路と、当該ランナー流路に形成してなる流出路部に接続されるランナーノズルとを具備して、前記ランナー流路の前記マニホールド本体を介する加熱のもと、前記ランナー流路を流動してその流出路部から流出する前記溶融樹脂を前記ランナーノズルに流動させるホットランナーとを備えて、
    前記ランナーノズルからの前記溶融樹脂を前記第1キャビティ内に流入させるようにしたことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1つに記載のコネクター型接着補助器具用金型装置。
  10. 前記第1固定型において、
    前記第1固定側本体は、
    固定側取り付け板と、
    前記第2金型の前記固定側型板を第2固定側型板として、前記第1固定側本体の前記固定側成形面に相当する成形面を有する第1固定側型板と、
    前記固定側取り付け板と前記第1固定側型板との間に積層されてマニホールド本体を有するマニホールドを内蔵するように形成してなるマニホールド保持板部材と、
    前記マニホールド本体内に設けられて樹脂射出成型機から前記所定の耐光性顔料含有樹脂材料を溶融樹脂として射出されるランナー流路と、当該ランナー流路に形成してなる流出路部に接続されるように前記第1固定側型板内に設けられるランナーノズルとを備えて、前記ランナー流路の前記マニホールド本体を介する加熱のもと、前記ランナー流路を流動してその流出路部から流出する前記溶融樹脂を前記ランナーノズルに流動させるホットランナーとを備えて、
    前記ランナーノズルからの前記溶融樹脂を前記第1キャビティ内に流入するようにしたことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1つに記載のコネクター型接着補助器具用金型装置。
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