JP4099527B1 - アンダーカット処理機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトに構成することで省スペース化の要請に応じることができ、コストダウンを実現することができ、特に、成形品の全周方向に亘り放射状に位置するような複数のアンダーカット部がある複雑な形状の成形品にも対応することができるアンダーカット処理機構を提供する。
【解決手段】ホルダー40内に、3つ以上のスライド部材70がホルダー中心軸に対向する放射状に収納され、各スライド部材70は、それぞれの先端部同士がホルダー40内で互いに対接し合う成形位置と、先端部同士がホルダー外で互いに離隔する離型位置とに摺動可能にホルダー内に収納され、ホルダー内に、成形品Pの型抜き時に各スライド部材70を成形位置から離型位置に向けて、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向、およびホルダー中心軸の放射方向であるアンダーカット部P1からの逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に沿って案内するガイドである斜溝44を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンダーカット部のある成形品を、固定型および可動型によって成形する成形用金型装置において、成形品の型抜き時にアンダーカット部を取外し可能な状態とするアンダーカット処理機構に関する。
従来、この種の成形用金型装置としては、コアを貫通し、その表面に対して傾斜配置された移動可能なルーズコア支持ロッドが、可動側型板と台座プレートとに係止されたガイドロッドに相対的に摺動可能にエジェクタープレートの摺動路に配置されたスライドベースの移動に連動する、ルーズコアエジェクター装置において、ガイドロッドの一端は、可動側型板の下面に形成された凹部に緊密に嵌め込まれたホルダーに係止され、またルーズコア支持ロッドは、ガイドロッドとほぼ同じ傾斜角度でコアに形成された角度設定孔によってのみ傾斜角度が設定されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−326233号公報
しかしながら、前述したような従来の技術では、ルーズコア支持ロッドのみならず、ガイドロッドも傾斜配置されており、しかも各々ロッドを同じ傾斜角度で移動させるための機構が、エジェクタープレートと可動側型板とに分散するように構成されているから、成形品のアンダーカットの抜きのために必要なアンダーカット部分形状を施した駒の移動量に比べて大きな設置スペースを要し、全体的に構造も複雑となり組み立てに手間と時間がかかり、コストダウンが難しいという問題点があった。
また、アンダーカット部が成形品の外側ないし内側の一方向にある場合にしか対応することができず、例えば、成形品の全周方向に亘り放射状に位置するような複数のアンダーカット部がある場合には、このような成形品を型抜きすることは不可能であった。そのため、成形可能な成形品におけるアンダーカット部の数の他、その位置や形状が非常に狭い範囲に限定されるという問題点があった。
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易で、また構成が簡単であり組み立てに手間と時間がかからず、コストダウンを実現することができ、特に、成形品の全周方向に亘り放射状に位置するような複数のアンダーカット部がある複雑な形状の成形品にも容易に対応することができるアンダーカット処理機構を提供することを目的としている。
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]アンダーカット部(P1,P3)のある成形品(P,P2)を、固定型(11,11A)および可動型(12,12A)によって成形する成形用金型装置(20,20A)において、成形品(P,P2)の型抜き時にアンダーカット部(P1,P3)を取外し可能な状態とするアンダーカット処理機構(30,30A)において、
前記固定型(11,11A)または前記可動型(12,12A)内に配設されるホルダー(40,40A)と、該ホルダー(40,40A)内に3つ以上がホルダー中心軸に対向する放射状に収納されるスライド部材(70,70A)と、各スライド部材(70,70A)の先端部の互いに対向する部位に設けられたアンダーカット成形部(80,80A)と、を有し、
前記各スライド部材(70,70A)は、それぞれの先端部同士がホルダー(40,40A)内で互いに対接し合う成形位置と、前記先端部同士がホルダー(40,40A)外で互いに離隔する離型位置とに摺動可能にホルダー(40,40A)内に収納され、
前記ホルダー(40,40A)内に、前記成形品(P,P2)の型抜き時に前記各スライド部材(70,70A)を前記成形位置から前記離型位置に向けて、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向、およびホルダー中心軸の放射方向である前記アンダーカット部(P1,P3)からの逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に沿って案内するガイド(44)を設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構(30,30A)。
[2]アンダーカット部(P1)のある成形品(P)を、固定型(11)および可動型(12)によって成形する成形用金型装置(20)において、成形品(P)の型抜き時にアンダーカット部(P1)を取外し可能な状態とするアンダーカット処理機構(30)において、
型抜き方向に駆動されて突き出し動作するエジェクタピン(21)と、該エジェクタピン(21)の先端部(23)が摺動可能に案内される状態で前記可動型(12)内に配設されるホルダー(40)と、該ホルダー(40)内に3つ以上がホルダー中心軸に対向する放射状に収納されるスライド部材(70)と、各スライド部材(70)の先端部の互いに対向する部位に設けられたアンダーカット成形部(80)と、を有し、
前記各スライド部材(70)は、それぞれの先端部同士がホルダー(40)内で互いに対接し合う成形位置と、前記先端部同士がホルダー(40)外で互いに離隔する離型位置とに摺動可能にホルダー(40)内に収納され、前記各スライド部材(70)は、それぞれ基端部が前記エジェクタピン(21)の先端部(23)に対して、ホルダー中心軸の放射方向である前記アンダーカット部(P1)からの逃げ方向に摺動可能に連結され、
前記ホルダー(40)内に、型抜き時における前記エジェクタピン(21)の突き出し動作に伴い、前記各スライド部材(70)を前記成形位置から前記離型位置に向けて、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向、および前記逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に沿って案内するガイド(44)を設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構(30)。
[3]アンダーカット部(P3)のある成形品(P2)を、固定型(11A)および可動型(12A)によって成形する成形用金型装置(20A)において、成形品(P2)の型抜き時にアンダーカット部(P3)を取外し可能な状態とするアンダーカット処理機構(30A)において、
前記固定型(11A)内に配設されるホルダー(40A)と、該ホルダー(40A)内に3つ以上がホルダー中心軸に対向する放射状に収納されるスライド部材(70A)と、各スライド部材(70A)の先端部の互いに対向する部位に設けられたアンダーカット成形部(80A)と、前記ホルダー(40A)内でホルダー中心軸と並行に摺動可能に収納される保持部材(51)と、を有し、
前記各スライド部材(70A)は、それぞれの先端部同士がホルダー(40A)内で互いに対接し合う成形位置と、前記先端部同士がホルダー(40A)外で互いに離隔する離型位置とに摺動可能にホルダー(40A)内に収納され、前記各スライド部材(70A)は、それぞれ基端部が前記保持部材(51)の先端部に対して、ホルダー中心軸の放射方向である前記アンダーカット部(P3)からの逃げ方向に摺動可能に連結され、前記保持部材(51)は、前記各スライド部材(70A)を前記成形位置から前記離型位置に押し出す方向に付勢され、
前記ホルダー(40A)内に、型抜き時に可動型(12A)が固定型(11A)から離間するのに伴い前記保持部材(51)の付勢方向への移動に従って、前記各スライド部材(70A)を前記成形位置から前記離型位置に向けて、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向、および前記逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に沿って案内するガイド(44)を設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構(30A)。
[4]互いに摺接し合う前記ホルダー(40,40A)の内壁および前記スライド部材(70,70A)の外壁の何れか一方に、前記傾斜方向に延びる斜溝(44)を設け、何れか他方に、同じく前記傾斜方向に延びて前記斜溝(44)に摺動可能に嵌合する斜条(72)を設け、前記ホルダー(40,40A)内にある斜溝(44)または斜条(72)を前記ガイド(44)としたことを特徴とする[1],[2]または[3]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)。
[5]前記アンダーカット成形部(80,80A)を前記スライド部材(70,70A)の先端部に一体的に設けたことを特徴とする[1],[2],[3]または[4]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)。
[6]前記アンダーカット成形部(80,80A)を前記スライド部材(70,70A)の先端部に別体として着脱可能に組み付けることを特徴とする[1],[2],[3]または[4]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)。
[7]前記スライド部材(70,70A)を前記成形品(P,P2)の型抜きのストロークに応じた長さに設定することを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5]または[6]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)。
[8]前記アンダーカット成形部(80,80A)は、前記スライド部材(70,70A)ごとに少なくとも1つが他のものと異なり、それぞれ異なる形状のアンダーカット部(P1,P3)を成形可能であることを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6]または[7]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)。
[9]前記ホルダー(40,40A)自体を、該ホルダー(40,40A)を配設する前記可動型(12,12A)または前記固定型(11,11A)として構成したことを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7]または[8]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)。
前記本発明は次のように作用する。
前記[1]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)によれば、アンダーカット成形部(80,80A)を備えたスライド部材(70,70A)を、エジェクタ台板(13)や可動型(12,12A)に分散させることなく、ホルダー(40,40A)を介して固定型(11,11A)または可動型(12,12A)の何れか一方にのみに集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易となる。
スライド部材(70,70A)は3つ以上が、ホルダー(40,40A)内でその中心軸に対向する放射状に収納され、これらの各スライド部材(70,70A)は、それぞれの先端部同士がホルダー(40,40A)内で互いに対接し合う成形位置と、先端部同士がホルダー(40,40A)外で互いに離隔する離型位置とに摺動可能である。これにより、成形品(P,P2)の全周方向に亘り放射状に位置するような複数のアンダーカット部(P1,P3)があるような複雑な形状の成形品(P,P2)にも容易に対応することができる。
アンダーカット処理機構(30,30A)は、成形用金型装置(20,20A)による成形品(P,P2)の型抜き時に、該成形品(P,P2)のアンダーカット部(P1,P3)が取外し可能な状態となるように作動する。すなわち、成形品(P,P2)の型抜き動作に伴って、ホルダー(40,40A)内ではガイド(44)により各スライド部材(70,70A)が、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向とホルダー中心軸の放射方向である逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に案内される。これにより、各スライド部材(70,70A)は成形位置から離型位置に確実に移動するので、成形品(P,P2)のアンダーカット部(P1,P3)が取外し可能な状態となり、成形品(P,P2)を型抜きすることができる。
このように、各々がアンダーカット成形部(80,80A)を備えたスライド部材(70,70A)は、ホルダー(40,40A)内にあるガイド(44)に沿って型抜き可能な前記傾斜方向に移動するように案内される。かかる構成によって、全体的な構造の簡易化が可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。なお、成形品(P,P2)が抜き去られると、可動型(12,12A)が成形時の位置に戻るに従い、各スライド部材(70,70A)も離型位置から初期の成形位置に戻る。それにより、次の成形品(P,P2)が成形されることになる。
前記[2]に記載のアンダーカット処理機構(30)によれば、型抜き方向に駆動されて突き出し動作するエジェクタピン(21)に連結されるスライド部材(70)を、前記[1]と同様に、ホルダー(40)を介して可動型(12)のみに集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易となる。また、前記[1]と同様に、スライド部材(70)は3つ以上がホルダー(40)内に放射状に収納されており、成形品(P)の全周方向に亘り放射状に位置する複数のアンダーカット部(P1)がある複雑な形状の成形品(P)にも容易に対応することができる。
アンダーカット処理機構(30)は、成形用金型装置(20)による成形品(P)の型抜き時に、型抜き方向に駆動されるエジェクタピン(21)の突き出し動作に応じて作動する。成形が終わり可動型(12)から固定型(11)が離れると、成形品(P)の片側が現われる。次いでエジェクタピン(21)が型抜きのために、成形品(P)を可動型(12)から離間させるように突き出し動作し、該エジェクタピン(21)の先端部(23)は、ホルダー(40)内で摺動可能に案内される。
このときホルダー(40)内では、エジェクタピン(21)の先端部(23)に連結されているスライド部材(70)は、エジェクタピン(21)の突き出し動作に伴って、ガイド(44)によりホルダー中心軸と並行な型抜き方向とホルダー中心軸の放射方向である逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に案内される。これにより、各スライド部材(70)は成形位置から離型位置に確実に移動するので、成形品(P)のアンダーカット部(P1)が取外し可能な状態となり、成形品(P)を型抜きすることができる。
このように、各々がアンダーカット成形部(80)を備えたスライド部材(70)は、型抜き方向に駆動されるエジェクタピン(21)の突き出し動作に伴い、ホルダー(40)内にあるガイド(44)に沿って型抜き可能な前記傾斜方向に移動するように案内される。かかる構成によって、全体的な構造の簡易化が可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
前記[3]に記載のアンダーカット処理機構(30A)によれば、アンダーカット成形部(80A)を備えたスライド部材(70A)を、エジェクタ台板(13)や可動型(12A)に分散させることなく、可動型(12A)ではなく固定型(11A)のみにホルダー(40A)を介して集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易となる。また、前記[1],[2]と同様に、スライド部材(70A)は3つ以上がホルダー(40A)内に放射状に収納されており、成形品(P2)の全周方向に亘り放射状に位置する複数のアンダーカット部(P3)がある複雑な形状の成形品(P2)にも容易に対応することができる。
アンダーカット処理機構(30A)は、成形用金型装置(20A)による成形品(P2)の型抜き時に、該成形品(P2)のアンダーカット部(P3)が取外し可能な状態となるように作動する。すなわち、型抜き時に可動型(12A)が固定型(11A)から離間するのに伴い保持部材(51)の付勢方向への移動に従って、ホルダー(40A)内ではガイド(44)により各スライド部材(70A)が、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向とホルダー中心軸の放射方向である逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に案内される。これにより、各スライド部材(70A)は成形位置から離型位置に確実に移動するので、成形品(P2)のアンダーカット部(P3)が取外し可能な状態となり、成形品(P2)を型抜きすることができる。
このように、各々がアンダーカット成形部(80A)を備えたスライド部材(70A)が固定型(11A)に設けられたものでは、各スライド部材(70A)が、型抜き時に可動型(12A)が固定型(11A)から離間するのに伴い、付勢力も相俟ってホルダー(40A)内にあるガイド(44)に沿って型抜き可能な前記傾斜方向に移動するように案内される。かかる構成によって、全体的な構造の簡易化が可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
前記[4]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)によれば、互いに摺接し合うホルダー(40,40A)の内壁およびスライド部材(70,70A)の外壁の何れか一方に、前記傾斜方向に延びる斜溝(44)を設け、何れか他方に、同じく前記傾斜方向に延びて前記斜溝(44)に摺動可能に嵌合する斜条(72)を設け、ホルダー(40,40A)内にある斜溝(44)または斜条(72)を前記ガイド(44)とする。
これにより、各スライド部材(70,70A)の移動は、スライド部材(70,70A)自体とホルダー(40,40A)とに設けられた斜溝(44)および斜条(72)の嵌合関係によって確実かつ円滑に案内されると共に、型抜き時における負荷も一箇所に集中することがなく分散されるので、耐久性が高められる。また、設計時における高い精度出しも緩和されるため、さらなるコストダウンが可能となる。
前記[5]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)によれば、アンダーカット成形部(80,80A)をスライド部材(70,70A)の先端部に一体的に設けたことにより、いっそう構造が簡単となり、コストダウンが可能となる。
前記[6]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)によれば、アンダーカット成形部(80,80A)をスライド部材(70,70A)の先端部に別体として着脱可能に組み付けることにより、様々なアンダーカット成形部(80,80A)に後から付け替えることが可能となり汎用性が広がる。
前記[7]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)によれば、スライド部材(70,70A)を成形品(P,P2)の型抜きのストロークに応じた長さに設定することにより、成形品(P,P2)の型抜きにおける大きなストロークから小さなストロークまでに適宜対応することができる。
前記[8]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)によれば、アンダーカット成形部(80,80A)は、各スライド部材(70,70A)ごとに少なくとも1つが他のものと異なり、それぞれ異なる形状のアンダーカット部(P1,P3)を成形可能である。これにより、例えば、成形品(P,P2)の全周方向に亘り放射状に位置するような複数のアンダーカット部(P1,P3)が、それぞれ位置や形状が異なる場合であっても容易に対応することが可能となる。
前記[9]に記載のアンダーカット処理機構(30,30A)によれば、ホルダー(40,40A)自体を、該ホルダー(40,40A)を配設する可動型(12,12A)または固定型(11,11A)として構成する。すなわち、金型(10,10A)に直接ホルダー(40,40A)の内部空間の代わりとなる中空部を形成して、この中空部内に各スライド部材(70,70A)を、成形位置と離型位置とに摺動可能に収納すれば良い。これにより、ホルダー(40,40A)が不要となって部品点数が削減され、成形用金型装置(20,20A)全体の構成をよりいっそう簡易化することができ、コストを低減することが可能となる。
本発明に係るアンダーカット処理機構によれば、ホルダー内に各々のスライド部材が一体となって収まるので、従来のスライドコアに相当するスライド部材を、エジェクタ台板や可動型に分散させることなく、ホルダーを介して固定型または可動型の何れか一方にのみに集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型への加工および組み込みが容易となる。また、従来のアンダーカット抜き工法で使用されるアンギュラピンならびにルーズコア機構の不要化を実現し、金型製造コストを抑えることができる。
また、スライド部材は3つ以上が、ホルダー内でその中心軸に対向する放射状に収納され、各スライド部材は、それぞれ成形位置と離型位置とに摺動することにより、成形品の全周方向に亘り放射状に位置するような複数のアンダーカット部があるような複雑な形状の成形品も容易に成形できる。特に、アンダーカット成形部が、各スライド部材ごとに少なくとも1つが他のものと異なり、それぞれ異なる形状のアンダーカット部を成形可能であれば、例えば、成形品の全周方向に亘り放射状に位置するような複数のアンダーカット部が、それぞれ位置や形状が異なる場合であっても容易に対応することができる。
以下、図面に基づき本発明の好適な各種の実施の形態を説明する。
図1〜図5は、本発明の第1の実施の形態を示している。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る成形用金型装置20の動作を説明するための断面図である。図2は、成形用金型装置20に組み込まれるアンダーカット処理機構30を示す説明図である。図3は、アンダーカット処理機構30の組み立て工程を示す分解斜視図である。
図1に示すように、成形用金型装置20は、アンダーカット部P1のある成形品Pを金型10によって成形する装置である。金型10は、成形品Pの主に外観部分を成形する固定型11と、成形品Pの主に内面を成形する可動型12とを備える。本実施の形態に係る成形品Pは、一方が閉じた底有りの管状部材であり、アンダーカット部P1は、成形品Pの外周より4方向に突出する管状の突起である。成形品Pの素材はプラスチック等の合成樹脂のみならず鉄等の金属も該当する。
成形用金型装置20は、成形品Pの型抜き時にアンダーカット部P1を離型可能とするアンダーカット処理機構30を備えている。アンダーカット処理機構30は、型抜き方向となる上下方向に駆動されて突き出し動作するエジェクタピン21と、該エジェクタピン21の先端部23が摺動可能に案内される状態で可動型12内に配設されるホルダー40と、該ホルダー40内でその中心軸に対向する放射状に収納される4つのスライド部材70と、各スライド部材70の先端部の互いに対向する部位に設けられたアンダーカット成形部80と、を有している。
図2に示すように、各スライド部材70は、それぞれの先端部同士がホルダー40内で互いに対接し合う成形位置(図2(a)参照。)と、前記先端部同士がホルダー40外で互いに離隔する離型位置(図2(b)参照。)とに摺動可能にホルダー40内に収納されている。また、エジェクタピン21は、各スライド部材70ごとに対応して合計4本が配置されている。
図1に示すように、エジェクタピン21は丸棒部材から形成されている。エジェクタピン21はエジェクタ台板13に立設されるように、基端部22の底面が、台座ブラケット25とノックピン26を介してエジェクタ台板13に固定される。エジェクタピン21の先端部23は、可動型12ないしホルダー40内に摺動可能に挿通する。エジェクタピン21は、エジェクタ台板13の上下移動に伴って上下方向に駆動される。
図1〜図3に示すように、ホルダー40は、4つのスライド部材70がそれぞれ成形位置(図2(a)参照。)と離型位置(図2(b)参照。)とに摺動可能な内部空間を有する円柱形部材から成る。ホルダー40は、可動型12内に収納された状態で固定されており、可動型12には、ホルダー40を収納すべく上端面側が開口した円柱形断面の空間の他、可動型12の下端面側に貫通してエジェクタピン21が挿入する縦孔が形成されている。
図2(c)に示すように、ホルダー40の内部空間には、ホルダー中心軸に沿って成形品Pの内側を造形するための円柱形の入れ子41が配置されており、該入れ子41(ホルダー中心軸)を中心として4方向に等間隔に並び、前記各エジェクタピン21の先端部23が挿通する4つの縦孔部42と、各縦孔部42の途中より上方に連通し、前記各スライド部材70が挿通する4つの案内孔部43とが形成されている。
ホルダー40内の各縦孔部42と案内孔部43の内壁面には、成形品Pの型抜き時に各スライド部材70を前記成形位置から前記離型位置に向けて、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向、およびホルダー中心軸の放射方向であるアンダーカット部P1からの逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に沿って案内するガイドである斜溝44が一続きに凹設されている。
一方、次述するスライド部材70の両側縁には、前記斜溝44に摺動可能に嵌合する斜条72が凸設されている。ここで斜溝44は、ホルダー40とスライド部材70との何れに設けても良く、何れか他方に斜条72を設けることになる。要するに、スライド部材70が型抜き動作時に前述した傾斜方向に移動可能に構成されていれば良い。なお、ホルダー40の上端面に開口する案内孔部43の断面は、スライド部材70が貫通して傾斜した状態で前記傾斜方向に移動可能に案内される形状となっている。
図1〜図3に示すように、スライド部材70は図示した駒形部材から形成されており、前記エジェクタピン21の先端部23に対して、型抜き方向(図1中で上下方向)と交差するアンダーカット部P1からの逃げ方向(図1中で左右方向)に摺動可能に基端部が連結されている。エジェクタピン21の先端部23には、ホルダー40内で型抜き方向に摺動可能に配される保持駒部23aが設けられている。一方、スライド部材70の基端部には、保持駒部23aに対して、逃げ方向に摺動可能に連結される逃げ動作駒部71が設けられている。
図3に示すように、保持駒部23aは、エジェクタピン21の軸方向(図3中で上下方向)と直角に交わる左右方向に延びる凸条として、エジェクタピン21の先端部23の上端面に形成されている。一方、スライド部材70の逃げ動作駒部71は、保持駒部23aの凸条に対して左右に移動可能に嵌合する蟻溝として形成されている。保持駒部23aと逃げ動作駒部71とは、互いに押し引き可能に連結されており、エジェクタピン21の突き出し動作に伴って、スライド部材70が前記傾斜方向に移動するように設定されている。
また、スライド部材70の互いに外側を向く傾斜面部の両端縁には、それぞれ傾斜して上下端に亘って延び、前記ホルダー40内の斜溝44に摺動可能に嵌合する斜条72が凸設されている。ここで斜条72は、前記斜溝44と同一方向、すなわちスライド部材70が移動する前記傾斜方向と同一角度に傾斜している。なお、前述したように、ホルダー40に斜条72を凸設する一方、スライド部材70に斜溝44を凹設する逆の態様として構成してもかまわない。
図1〜図5に示すように、各スライド部材70の先端部の互いに対向する部位には、成形品Pのアンダーカット部P1を成形するためのアンダーカット成形部80が設けられている。本実施の形態に係るアンダーカット成形部80は、スライド部材70の先端部に別体として着脱可能に組み付けられているが、アンダーカット成形部80をスライド部材70の先端部に一体的に設けるように構成しても良い。
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態に係るアンダーカット処理機構30によれば、アンダーカット成形部80を備えたスライド部材70を、エジェクタ台板13や可動型12に分散させることなく、ホルダー40を介して可動型12のみに集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり、省スペース化の要請にも応じることができ、金型10への加工および組み込みが容易となる。
図2に示すように、アンダーカット処理機構30は、予めホルダー40に組み込んだ形でユニットとして構成することができ、図1に示すように、ホルダー40を介して可動型12内に容易に後付けすることができる。かかる構成は、可動型12が小型である場合のように、可動型12自体にホルダー40を収納する空間を穿設するような加工が容易な場合に適している。
ホルダー40内には4つのスライド部材70が、それぞれホルダー中心軸に対向する放射状に収納され、これらの各スライド部材70は、図2(a)に示すように、各先端部同士がホルダー40内で互いに対接し合う成形位置と、図2(b)に示すように、各先端部同士がホルダー40外で互いに離隔する離型位置とに摺動する。これにより、成形品Pの全周方向に亘り放射状に位置する複数のアンダーカット部P1がある複雑な形状の成形品Pも容易に成形することができる。
また、本実施の形態では、成形品Pにおける4面のアンダーカット部P1が全て同一であるが、各スライド部材70ごとに異なる形状のアンダーカット成形部80としたり、抜き方向を異ならせることが可能である。このため、例えば、成形品Pの全周方向に亘り放射状に位置する複数のアンダーカット部P1が、それぞれ位置や形状が異なる場合であっても、1つのアンダーカット処理機構30により同時に成形することができる。さらに、アンダーカット処理機構30のみならず金型10の小型化も容易となり、装置全体として大幅なコストダウンが可能となる。
図1(a)は、成形用金型装置20により成形品Pの成形が完了した状態を示している。成形が終わり可動型12から固定型11が離れた後、図1(b)に示すように、エジェクタ台板13が上方に駆動されると、エジェクタ台板13上に立設された各エジェクタピン21が型抜きのために、成形品Pを可動型12から離間させるように型抜き方向(上方)に真っ直ぐに突き出し動作する。
図1(b)で分かるように、可動型12に収容されているホルダー40内で、各エジェクタピン21の先端部23に連結されている各スライド部材70は、エジェクタピン21と一緒に型抜き方向に摺動すると共に、該エジェクタピン21の先端部23に対して、型抜き方向とは交差する逃げ方向にも同時に摺動して、エジェクタピン21とスライド部材70とは相対的に変位する。
本実施の形態では、エジェクタピン21の先端部23に、可動型12内で型抜き方向に摺動可能に配される凸条の保持駒部23aがあり、スライド部材70の基端部には、前記保持駒部23aに対して逃げ方向に摺動可能に連結される蟻溝状の逃げ動作駒部71があるので、エジェクタピン21の先端部23とスライド部材70の基端部とを、互いに押し引き可能な状態で相対的に変位するよう確実に連結することができる。
エジェクタピン21の突き出し動作に伴いスライド部材70は、その斜条72がホルダー40内のガイドである斜溝44に摺動可能に嵌合して案内されつつ、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向とホルダー中心軸の放射方向である逃げ方向に、それぞれ同時に傾斜方向に移動する。これにより、各スライド部材70は成形位置から離型位置に確実に移動するので、成形品Pのアンダーカット部P1が取外し可能な状態となり、成形品Pを型抜きすることができる。
ここで各スライド部材70の移動は、スライド部材70の斜条72と、ホルダー40にあるガイドとしての斜溝44との嵌合関係によって、確実かつ円滑に案内される。しかも、型抜き時における負荷も一箇所に集中することがなく分散されるので、耐久性が高められる。また、設計時における高い精度出しも緩和されるため、さらなるコストダウンが可能となる。
以上のように、各々がアンダーカット成形部80を備えたスライド部材70は、型抜き方向に駆動されるエジェクタピン21の突き出し動作に伴い、ホルダー40内にある斜溝44に沿って型抜き可能な前記傾斜方向に移動するから、全体的な構造の簡易化が可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。なお、成形品Pが抜き去られると、エジェクタピン21が成形時の位置に戻るに従い、エジェクタピン21に引かれてスライド部材70やアンダーカット成形部80も初期位置に戻る。また、固定型11も成形位置に戻って、次の成形品Pが成形されることになる。
ところで、スライド部材70を、成形品Pの型抜きのストロークに応じた長さに設定することにより、成形品Pの型抜きにおける大きなストロークから小さなストロークまでに適宜対応することができる。また、スライド部材70とホルダー40とが摺接し合う部位、特に斜条72と斜溝44等の表面を窒化処理することにより、摩擦係数を低減することが可能となり、さらに円滑に動作させることができる。
図6〜図11は、本発明の第2の実施の形態を示している。
本実施の形態に係る成形用金型装置20Aは、アンダーカット処理機構30Aを成すホルダー40Aが、金型10Aのうち可動型12Aではなく固定型11Aに収納された状態で固定されており、前記第1実施の形態とは上下姿勢が逆の態様となっている。本実施の形態に係る成形品P2は、両端が開口した管状部材であり、アンダーカット部P3は、成形品P2の外周より4方向に突出する管状の突起である。成形品P2の素材はプラスチック等の合成樹脂のみならず鉄等の金属も該当する。
図6に示すように、アンダーカット処理機構30Aは、固定型11A内に配設されるホルダー40Aと、該ホルダー40A内でその中心軸に対向する放射状に収納される4つのスライド部材70Aと、各スライド部材70Aの先端部の互いに対向する部位に設けられたアンダーカット成形部80Aと、前記ホルダー40A内でホルダー中心軸と並行に摺動可能に収納される保持部材51と、を有している。
図6に示すように、各スライド部材70Aは、それぞれの先端部同士がホルダー40A内で互いに対接し合う成形位置(図6(a)参照。)と、前記先端部同士がホルダー40A外で互いに離隔する離型位置(図6(c)参照。)とに摺動可能にホルダー40A内に収納されている。また、保持部材51は、それぞれ各スライド部材70Aごとに対応して合計4本が配置されている。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付して重複した説明を省略する。
図6〜図9に示すように、ホルダー40Aは、4つのスライド部材70Aと保持部材51がそれぞれ成形位置(図6(a)参照。)と離型位置(図6(c)参照。)とに摺動可能な内部空間を有する円柱形部材から成る。ホルダー40Aは、固定型11A内に収納された状態で固定されており、固定型11Aには、ホルダー40Aを収納すべく下端面側が開口した円柱形断面の空間の他、可動型12Aの上端面側に貫通して、保持部材51を型抜き方向(図中で下方)へ付勢するバネ部材50を挿入する縦孔が形成されている。
図6,図9に示すように、ホルダー40Aの内部空間には、ホルダー中心軸に沿って成形品P2の内側を造形するための円柱形の入れ子41Aが配置されており、該入れ子41A(ホルダー中心軸)を中心として4方向に等間隔に並び、前記各保持部材51が挿通する4つの縦孔部42(図9参照。)と、各縦孔部42の途中より下方に連通し、前記各スライド部材70Aが挿通する4つの案内孔部43(図8参照。)とが形成されている。
ホルダー40A内の縦孔部42と案内孔部43には、成形品P2の型抜き時に各スライド部材70Aを前記成形位置から前記離型位置に向けて、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向、およびホルダー中心軸の放射方向であるアンダーカット部P3からの逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に沿って案内するガイドである斜溝44が一続きに凹設されている。一方、次述するスライド部材70Aには、前記斜溝44に摺動可能に嵌合する斜条72が凸設されている。
図8〜図11に示すように、保持部材51は短い丸棒部材から形成されている。保持部材51は、ホルダー40A内の縦孔部42に、ホルダー中心軸と並行に所定範囲で摺動可能に収納される。また、保持部材51は、その内部に一部嵌入したバネ部材50によって、型抜き方向(図6中で下方)、すなわち各スライド部材70Aを前記成形位置から前記離型位置に押し出す方向に付勢されている。本実施の形態ではエジェクタピン21が存在せず、保持部材51の先端部に、前記エジェクタピン21の保持駒部23aと同様の保持駒部52が設けられている。
スライド部材70Aは、前記第1実施の形態のスライド部材70とほぼ同様に構成されており、その基端部には、前記保持駒部52に対して、逃げ方向に摺動可能に連結される逃げ動作駒部71が設けられている。また、スライド部材70Aの先端部端面には、前記可動型12A側に設けた係合爪60が相対的に逃げながら係合するテーパー溝73が設けられている。この係合爪60およびテーパー溝73は、前記バネ部材50の付勢力と相俟って型抜き時の初期動作を確実にするための構造である。なお、各スライド部材70Aの先端部の互いに対向する部位には、アンダーカット成形部80Aが別体として着脱可能に組み付けられている。
次に、第2の実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態に係るアンダーカット処理機構30Aによれば、エジェクタ台板13は不要となり、アンダーカット成形部80Aを備えたスライド部材70Aを、固定型11Aのみにホルダー40Aを介して集中して配設することができる。これにより、コンパクトに構成することが可能となり省スペース化の要請に応じることができ、金型10Aへの加工および組み込みが容易となる。
また、前記第1実施の形態の場合と同様に、4つのスライド部材70Aがホルダー40A内に放射状に収納されており、成形品P2の全周方向に亘り放射状に位置する複数のアンダーカット部P3がある複雑な形状の成形品P2にも容易に対応することができる。しかも、エジェクタピン21の突き出し動作とスライド部材70Aとの干渉がないため、スライド部材70Aの突き出し位置を任意に設定することができる。
アンダーカット処理機構30Aは、成形用金型装置20Aによる成形品P2の型抜き時に、該成形品P2のアンダーカット部P3が取外し可能な状態となるように作動する。すなわち、図6(a)〜(c)に示すように、型抜き時に可動型12Aが固定型11Aから離間し始めると、可動型12Aにある係合爪60から各スライド部材70Aのテーパー溝73が離れようとし、さらにバネ部材50の付勢力により、保持部材51は付勢方向へ移動する。
これに伴い、ホルダー40A内では、斜溝44によって各スライド部材70Aが、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向とホルダー中心軸の放射方向である逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に案内される。これにより、各スライド部材70Aは成形位置から離型位置に確実に移動するので、成形品P2のアンダーカット部P3が取外し可能な状態となり、成形品P2を型抜きすることができる。
このように、各々がアンダーカット成形部80Aを備えたスライド部材70Aが固定型11Aに設けられたものでは、各スライド部材70Aが、型抜き時に可動型12Aが固定型11Aから離間するのに伴い、付勢力も相俟ってホルダー40A内にある斜溝44に沿って型抜き可能な前記傾斜方向に移動するように案内される。かかる構成によって、全体的な構造の簡易化が可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、成形品P,P2やアンダーカット部P1,P3の形状は図示したものに限定されるものではない。
また、前記各実施の形態では、ホルダー40,40Aの外周形状を円柱形としたが、例えば、四角柱に設計してもかまわない。また、前記各実施の形態では、各スライド部材70,70Aを4つ設けたが、例えば3つ放射状に設けたり、あるいは5つ、6つ、7つ以上と、ホルダー内の配置スペースに応じて適当な数だけ設けることができる。
また、前記各実施の形態では、各スライド部材70,70Aにおけるアンダーカット成形部80,80Aは、全て同じ形状で抜き方向も同一方向に構成しているが、アンダーカット成形部80,80Aを、各スライド部材70,70Aごとに少なくとも1つが他のものと異なるようにして、それぞれ異なる形状のアンダーカット部P1,P2を成形できるように構成しても良い。例えば、全てのアンダーカット成形部80,80Aの形状および抜き方向が異なるようにすることも可能である。
また、前記各実施の形態では、アンダーカット成形部80,80Aを、スライド部材70,70Aの先端部に別体として着脱可能に組み付けたことにより、様々なアンダーカット成形部80,80Aに後から付け替えることが可能となり汎用性が広がる。一方、アンダーカット成形部80をスライド部材70の先端部に一体的に設けるように構成しても良い。これにより、いっそう構造が簡単となり、コストダウンが可能となる。
また、前記第1実施の形態では、エジェクタピン21は、各スライド部材70ごとに対応させて、3個以上のスライド部材70と同数用意したが、他の構成として例えば、エジェクタピン21は1本だけにして、このエジェクタピン21の先端部23に、各スライド部材70の基端部にある逃げ動作駒部71(または保持駒部23a)にそれぞれ対応した保持駒部23a(または逃げ動作駒部71)をまとめて設けるようにしても良い。前記第2実施の形態の保持部材51に関しても同様である。
また、前記各実施の形態では、ホルダー40,40A内に、スライド部材70,70Aの斜条72に嵌合する斜溝44を設けることで、スライド部材70,70Aを傾斜方向に案内するガイドとしたが、他に例えば、ホルダー40,40Aの端面部に、スライド部材70,70Aが貫通して傾斜した状態で移動可能に案内されるガイド孔を穿設してガイドとしたり、あるいは、ホルダー40,40Aの内部に、スライド部材70,70Aの外周全体を摺動可能に案内する溝を設けてガイドとしても良い。
また、ホルダー40,40A自体を、該ホルダー40,40Aを配設する可動型12,12Aまたは固定型11,11Aとして構成しても良い。すなわち、金型10,10Aに直接ホルダー40,40Aの内部空間の代わりとなる中空部を形成して、この中空部内に各スライド部材70,70Aを、成形位置と離型位置とに摺動可能に収納すれば良い。これにより、ホルダー40,40Aが不要となって部品点数が削減され、成形用金型装置20,20A全体の構成をよりいっそう簡易化することができ、コストを低減することが可能となる。
さらに、成形品のアンダーカット部に応じた別の構成例として、各スライド部材70,70Aの先端部の互いに外側を向く部位にアンダーカット成形部を設けて、各スライド部材70,70Aを、それぞれの先端部同士がホルダー40,40A外で互いに離隔する成形位置と、前記先端部同士がホルダー40,40A内で互いに対接し合う離型位置とに摺動可能にホルダー40,40A内(あるいは金型10自体)に収納するように構成しても良い。
本発明の第1の実施の形態に係る成形用金型装置とそのアンダーカット処理機構の動作((a)成形時、(b)離型後)を説明する断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るアンダーカット処理機構を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係るアンダーカット処理機構を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るアンダーカット処理機構のエジェクタピンおよびスライド部材を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係るアンダーカット処理機構のエジェクタピンおよびスライド部材を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る成形用金型装置とそのアンダーカット処理機構の動作((a)成形時、(b)離型途中、(c)離型後)を説明する断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るアンダーカット処理機構を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るアンダーカット処理機構を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るアンダーカット処理機構を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るアンダーカット処理機構のエジェクタピンおよびスライド部材を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るアンダーカット処理機構のエジェクタピンおよびスライド部材を示す説明図である。
符号の説明
P…成形品
P1…アンダーカット部
P2…成形品
P3…アンダーカット部
10…金型
10A…金型
11…固定型
11A…固定型
12…可動型
12A…可動型
13…エジェクタ台板
20…成形用金型装置
20A…成形用金型装置
21…エジェクタピン
23…先端部
23a…保持駒部
30…アンダーカット処理機構
30A…アンダーカット処理機構
40…ホルダー
40A…ホルダー
41…入れ子
41A…入れ子
42…縦孔部
43…案内孔部
44…斜溝
50…バネ部材
51…保持部材
52…保持駒部
60…係合爪
70…スライド部材
70A…スライド部材
71…逃げ動作駒部
72…斜条
73…テーパー溝
80…アンダーカット成形部
80A…アンダーカット成形部

Claims (9)

  1. アンダーカット部のある成形品を、固定型および可動型によって成形する成形用金型装置において、成形品の型抜き時にアンダーカット部を取外し可能な状態とするアンダーカット処理機構において、
    前記固定型または前記可動型内に配設されるホルダーと、該ホルダー内に3つ以上がホルダー中心軸に対向する放射状に収納されるスライド部材と、各スライド部材の先端部の互いに対向する部位に設けられたアンダーカット成形部と、を有し、
    前記各スライド部材は、それぞれの先端部同士がホルダー内で互いに対接し合う成形位置と、前記先端部同士がホルダー外で互いに離隔する離型位置とに摺動可能にホルダー内に収納され、
    前記ホルダー内に、前記成形品の型抜き時に前記各スライド部材を前記成形位置から前記離型位置に向けて、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向、およびホルダー中心軸の放射方向である前記アンダーカット部からの逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に沿って案内するガイドを設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構。
  2. アンダーカット部のある成形品を、固定型および可動型によって成形する成形用金型装置において、成形品の型抜き時にアンダーカット部を取外し可能な状態とするアンダーカット処理機構において、
    型抜き方向に駆動されて突き出し動作するエジェクタピンと、該エジェクタピンの先端部が摺動可能に案内される状態で前記可動型内に配設されるホルダーと、該ホルダー内に3つ以上がホルダー中心軸に対向する放射状に収納されるスライド部材と、各スライド部材の先端部の互いに対向する部位に設けられたアンダーカット成形部と、を有し、
    前記各スライド部材は、それぞれの先端部同士がホルダー内で互いに対接し合う成形位置と、前記先端部同士がホルダー外で互いに離隔する離型位置とに摺動可能にホルダー内に収納され、前記各スライド部材は、それぞれ基端部が前記エジェクタピンの先端部に対して、ホルダー中心軸の放射方向である前記アンダーカット部からの逃げ方向に摺動可能に連結され、
    前記ホルダー内に、型抜き時における前記エジェクタピンの突き出し動作に伴い、前記各スライド部材を前記成形位置から前記離型位置に向けて、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向、および前記逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に沿って案内するガイドを設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構。
  3. アンダーカット部のある成形品を、固定型および可動型によって成形する成形用金型装置において、成形品の型抜き時にアンダーカット部を取外し可能な状態とするアンダーカット処理機構において、
    前記固定型内に配設されるホルダーと、該ホルダー内に3つ以上がホルダー中心軸に対向する放射状に収納されるスライド部材と、各スライド部材の先端部の互いに対向する部位に設けられたアンダーカット成形部と、前記ホルダー内でホルダー中心軸と並行に摺動可能に収納される保持部材と、を有し、
    前記各スライド部材は、それぞれの先端部同士がホルダー内で互いに対接し合う成形位置と、前記先端部同士がホルダー外で互いに離隔する離型位置とに摺動可能にホルダー内に収納され、前記各スライド部材は、それぞれ基端部が前記保持部材の先端部に対して、ホルダー中心軸の放射方向である前記アンダーカット部からの逃げ方向に摺動可能に連結され、前記保持部材は、前記各スライド部材を前記成形位置から前記離型位置に押し出す方向に付勢され、
    前記ホルダー内に、型抜き時に可動型が固定型から離間するのに伴い前記保持部材の付勢方向への移動に従って、前記各スライド部材を前記成形位置から前記離型位置に向けて、ホルダー中心軸と並行な型抜き方向、および前記逃げ方向に、それぞれ同時に移動する傾斜方向に沿って案内するガイドを設けたことを特徴とするアンダーカット処理機構。
  4. 互いに摺接し合う前記ホルダーの内壁および前記スライド部材の外壁の何れか一方に、前記傾斜方向に延びる斜溝を設け、何れか他方に、同じく前記傾斜方向に延びて前記斜溝に摺動可能に嵌合する斜条を設け、前記ホルダー内にある斜溝または斜条を前記ガイドとしたことを特徴とする請求項1,2または3に記載のアンダーカット処理機構。
  5. 前記アンダーカット成形部を前記スライド部材の先端部に一体的に設けたことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載のアンダーカット処理機構。
  6. 前記アンダーカット成形部を前記スライド部材の先端部に別体として着脱可能に組み付けることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載のアンダーカット処理機構。
  7. 前記スライド部材を前記成形品の型抜きのストロークに応じた長さに設定することを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6に記載のアンダーカット処理機構。
  8. 前記アンダーカット成形部は、前記スライド部材ごとに少なくとも1つが他のものと異なり、それぞれ異なる形状のアンダーカット部を成形可能であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7に記載のアンダーカット処理機構。
  9. 前記ホルダー自体を、該ホルダーを配設する前記可動型または前記固定型として構成したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記載のアンダーカット処理機構。
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