JP5802371B2 - パンチ金型 - Google Patents
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Description
さらに、パンチガイドの筒状内周面に沿って内周溝が凹設されるとともに、内周溝の複数箇所に切欠き凹形状の連通路が凹設されるため、内周溝及び連通路の切削加工が困難でコスト高になるという問題があった。
また、リテーナの筒状外周面に複数の係合突起部を一体に突出形成するには、これら係合突起部を除いた筒状外周面の大部分を切削加工しなければならず、その加工作業に時間を要してコスト高になるという問題もあった。
その結果、リテーナの筒状外周面に複数の係合突起部が露出して配置される従来のものに比べ、パンチガイドとリテーナを分離した状態で他の物に打ち当てるなど乱暴に取り扱ったとしても、係合突起部の変形や破損を防止でき、パンチガイドとリテーナを長期に亘って確実に着脱することができる。
さらに、リテーナの筒状外周面に環状溝と連通路が露出して配置されるため、パンチガイドの筒状内周面に沿って内周溝と連通路が凹設される従来のものに比べ、内周溝及び連通路の切削加工が容易でコストの低減化が図れる。
本発明の実施形態に係るパンチ金型Aは、図1〜図6に示すように、円筒形状に形成されるパンチガイド1と、このパンチガイド1の内部に軸線方向へ往復動自在に支持されてその端部にパンチ刃部2aを有するパンチボディ2と、このパンチボディ2と一体的に設けられるパンチヘッド3と、パンチガイド1の端部に対して回転自在で且つ着脱自在に取り付けられるリテーナ4と、パンチヘッド3とリテーナ4との間に設けられるパンチボディ2を復帰動させるための例えばスプリングなどからなる弾性部材5を、主要な構成要素として備えている。
係合突起部1bは、パンチガイド1の筒状内周面1aにおいて、後述するリテーナ4が取り付けられる一端部(図面では上端部)に、一体形成されるか、又は別部材を挿着することで一体的に突出形成される。
リテーナ4の円筒部4aにおいて、パンチガイド1の筒状内周面1aと対向する筒状外周面4cには、図2,図5及び図6に示すように、パンチガイド1との連結部として、パンチガイド1の係合突起部1bがパンチガイド1の軸線方向へ挿通する連通路4dと、該連通路4dの端部に連通してパンチガイド1の係合突起部1bがパンチガイド1の軸線方向へ係合する円周溝4eをそれぞれ凹状形成している。
連通路4dは、リテーナ4の円筒部4aにおいてフランジ部4bと反対側の端面(図面では下端面)から、円筒部4aの軸線方向途中に向け形成され、パンチガイド1の係合突起部1bをパンチガイド1の軸線方向へ移動可能にしている。
円周溝4eは、円筒部4aの軸線方向途中において周方向へ環状に形成され、パンチガイド1の係合突起部1bが嵌入することで、パンチガイド1の軸線方向へ移動不能に係合するようにしている。
さらに、係合突起部1b及び連通路4dの形状を、パンチガイド1の軸線方向へ互いに嵌め合う形状にすることが好ましい。
先ず、パンチガイド1の筒状内周面1aにリテーナ4の筒状外周面4cを差し込み、パンチガイド1の筒状内周面1aに形成された係合突起部1bを、リテーナ4の筒状外周面4cに形成される連通路4dに挿入し、環状溝4eに連通させてから、パンチガイド1とリテーナ4を相対回転させることによって、係合突起部1bと環状溝4eが軸線方向へ移動不能に係合する。
さらに、パンチガイド1のリテーナ4側の筒状内周面1aに係合突起部1bが突出形成されるため、筒状内周面1aに係合突起部1bが露出することなく配置される。
それにより、パンチガイド1において係合突起部1bが内側に隠れるため、リテーナ4との分離状態でパンチガイド1を他の物に打ち当てるなど乱暴に取り扱ったとしても、係合突起部1bの変形や破損を防止できる。
また、リテーナ4の筒状外周面4cに連通路4dと円周溝4eが形成されるため、筒状外周面4cに連通路4d及び円周溝4eがそれぞれ露出して配置される。
それにより、連通路4d及び円周溝4eの切削加工が容易である。
回り止め手段6は、パンチガイド1に対して軸線方向へ移動自在に支持される係止部6aと、この係止部6aをリテーナ4へ向けて弾性的に押圧する付勢手段6bと、リテーナ4のフランジ部4bに設けられて係止部6aの先端が嵌入する係止孔6cと、外部から操作により付勢手段6bに抗して係止部6aを係止孔6cから外れる位置に移動させる操作部6dとで構成される。
図2,図5及び図6に示される例では、係止孔6cは、リテーナ4のフランジ部4bに周方向へ等間隔毎に複数開設され、これら係止孔6cのいずれか1つに係止部6aのピンを嵌入させることにより、パンチガイド1に対するリテーナ4の回転量を調整可能にしている。
したがって、パンチガイド1にリテーナ4とパンチボディ2を取り付けたまま、工具なしで摩耗したパンチ刃部2aのハイト調整を行うことができる。
図2〜図5及び図6に示される例では、パンチガイド1の外周縁とリテーナ4のフランジ部4bの外周縁に、位置合わせ用の表示部7として切欠部を一対ずつ凹状形成している。
また、その他の例として図示しないが、位置合わせ用の表示部7としてマークを貼り付けるなどすることも可能である。
それにより、パンチガイド1とリテーナ4の位置合わせが行い易い。
特に、係合突起部1b及び連通路4dが外から見えないパンチガイド1とリテーナ4の取り外し時には、リテーナ4は引き抜き力を加えながらパンチガイド1に対して相対回転させると、連通路4dが係合突起部1bと対応する位置に到達した時に外れるので、取り外し作業が行い易い。
次に、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
例えば切削加工によって係合突起部1bを一体形成する場合には、パンチガイド1の筒状内周面1aにおいて係合突起部1bを除く大部分を切削することで係合突起部1bが一体形成される。
また、その他の例として図示しないが、係合突起部1b及び連通路4dを周方向へ2個又は4個以上それぞれ等ピッチで配置したり、各係合突起部1bの突出形状及び連通路4dの凹み形状を略矩形や略三角形などの他の形状にすることも可能である。
また、その他の例として図示しないが、貫通孔1fとして矩形孔や他の形状の孔を開穿し、この貫通孔1fと嵌め合う断面形状の板状体などを挿着することも可能である。
その結果、係合突起部1bを突出形成するために、係合突起部1bを除くパンチガイド1の筒状内周面1aの大部分を切削加工する必要がある図1〜図5に示した実施例1に比べ、加工時間を大幅に減少できてコストの低減化が図れるという利点がある。
1b 係合突起部 1f 貫通孔
1g 別部材 2 パンチボディ
2a パンチ刃部 3 パンチヘッド
4 リテーナ 4c 筒状外周面
4d 連通路 4e 円周溝
5 弾性部材
Claims (3)
- 円筒形状のパンチガイドと、このパンチガイドの内部に軸線方向へ往復動自在に支持されてその端部にパンチ刃部を有するパンチボディと、このパンチボディと一体的に設けられるパンチヘッドと、前記パンチガイドの端部に対して回転自在で且つ着脱自在に取り付けられるリテーナと、前記パンチヘッドと前記リテーナとの間に設けられる弾性部材と、を備えたパンチ金型であって、
前記パンチガイドは、その前記リテーナ側の筒状内周面において周方向の一部に突出形成される係合突起部と、前記係合突起部よりも前記リテーナ側に形成される円筒状内面と、を有し、
前記リテーナは、前記パンチガイドの前記端部に対して軸線方向へ挿入される円筒部と、前記円筒部の端部に突出形成されるフランジ部と、前記パンチガイドの前記筒状内周面と対向する前記円筒部の筒状外周面で且つ前記フランジ部と軸線方向反対側に、前記パンチガイドとの取り付け時に前記係合突起部が前記パンチガイドの軸線方向へ挿通するように凹状形成される連通路と、前記筒状外周面の軸線方向途中に前記連通路の端部に連通して前記係合突起部が前記軸線方向へ係合するように凹状形成される円周溝と、前記筒状外周面において前記円周溝及び前記フランジ部の間に突出形成される環状凸部と、を有し、
前記パンチガイドの前記円筒状内面と前記リテーナの前記環状凸部が、前記パンチガイドと前記リテーナの取り付けに伴い摺動隙間を介して対向するように配置されることを特徴とするパンチ金型。 - 前記パンチガイドの前記筒状内周面に複数の前記係合突起部をそれぞれ周方向へ所定間隔毎に配置し、前記リテーナの前記筒状外周面に前記連通路を、前記係合突起部と同数で周方向へ同じ間隔となるように配置したことを特徴とする請求項1記載のパンチ金型。
- 前記パンチガイドの周壁に貫通孔を開穿し、前記貫通孔に別部材をその先端部が前記パンチガイドの前記筒状内周面から突出するように挿着することで、前記別部材の先端部を前記係合突起部としたことを特徴とする請求項1又は2記載のパンチ金型。
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