JP6360463B2 - 縁石体付き溝蓋 - Google Patents
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Description
ところで、阪神大震災や東北大震災では車道が渋滞し、緊急車両が立ち往生するケースがあったという。斯かるケースで、仮に縁石を除去できれば、車道幅が歩道の部分にまで広がり、車両の円滑走行が可能になる。こうしたなか、縁石を着脱自在に取付けできる側溝蓋なる発明が提案されている(例えば特許文献1)。
請求項2の発明たる縁石体付き溝蓋は、請求項1で、縁石体が、側面視逆U字状にして両側縁沿いに櫛歯状の切欠きを設けた外形板と、外周縁を該外形板の両端部内壁に固着して起立配設される端板と、を備える一方、該切欠きに対応する溝蓋側の部位に前記保持部材の第一保持部材を配し、該第一保持部材が該切欠きの上辺部に下から当接して、該縁石体の上面が前記溝蓋の上面と面一になることを特徴とする。
請求項3の発明たる縁石体付き溝蓋は、請求項2で、両端板の下端部位に一体化され、水平部が開口部の中央へ向けて夫々張り出し、両端板に一番近い前記切欠きの下方領域に入り込む内向き片と、前記支軸に遊嵌され、前記受片に前記支持部材側へ傾倒する付勢力を常時与えるコイルばねとを、さらに具備することを特徴とする。
(1)実施形態1
図1〜図10は本発明の縁石体付き溝蓋の一形態で、図1はその概略平面図、図2は図1のII-II線矢視図、図3は図2のIII-III矢視図、図4は図1の破断線よりも下方側にある端部周りの説明斜視図、図5が図2の縁石体を持ち上げ、隆起セット状態にした横断面図、図6は図5の説明斜視図、図7は突片と受部材との関係を示す説明斜視図、図8は図2の突片周りの拡大平面図、図9は図1の破断線よりも上側にある突片周りの拡大平面図、図10は図1〜図9に代わる他態様図で、図6に対応する縁石体付き溝蓋の説明斜視図である。尚、図1で破断線よりも下方側は突片が受片よりも下方に在る平面図で、破断線よりも上方側は突片が受片に載った平面図として描く。各図は図面を判り易くするため、各構成部材を簡略化図示する。
開口部110は、側溝9の流路90方向に長い縦長矩形孔にし、さらに、その両端部で開口部110幅を狭めて流路90方向に凸状の開口突出し部分110aを延在する。開口部110には縁石体8が遊挿されるが、該縁石体8を縁石の役割を果たす図5の隆起使用状態から図2の沈ませる状態へと切り替える時、縁石体8の上面8Sが溝蓋上面1Sよりも沈み込まないようにするため、保持部材5が設けられる。
本実施形態は、保持部材5に係る第一保持部材51を帯板とし、複数準備された該第一保持部材51は、それぞれ帯幅方向を起立させて、四角筒の前記係合部12に両端が固着される(図2)。第一保持部材51が流路90方向に所定ピッチで配設される。各第一保持部材51を、溝蓋1の溝幅方向に配置し、且つ第一保持部材51間にスリットが形成されるよう流路90方向に所定ピッチで複数設けて(図1)、重量車両でも溝蓋1上を走行可能にする。また、保持部材5に係る第二保持部材52を図2のごとく側面視L形材で形成する。一片側を第一保持部材51上に載せ、他片側の起立部上縁を、開口部110の際で該開口部110沿いの上蓋下面11Bに固着一体化させて、該第二保持部材52を流路90方向(開口部110の長手方向)に水平に走らせる。
符号820は車道側の側板部82の上縁沿いに設けられる開孔を示す。図6の円内拡大図のごとく、縁石体8の内部側から開孔820を塞いで固着した当て部材8fに、縁石体8の外側から蛍光板や反射テープからなる反射鏡8eを貼着して、夜間でも縁石体8を視認し易くしている。
そして、該縁石体8は、両端部8Eに在る端板8bの下半域に外方へ張り出す突片8cを夫々有し、且つ前記開口部110よりも平面視で一回り小さくし、該開口部110に遊挿されて、溝蓋1に対し上下方向に出没自在に配される。突片8cが、起立配設される端板8bに対し、流路90方向外方に水平突出するよう配設される。突片8cは縁石体8が溝蓋1に遊挿状態にある図8,図9で、溝幅方向略中央の前記開口突出し部分110aに露出する支持部材2近くまで張り出すよう設けられる。
支軸41が軸受部3の窪み310に収まり、縁石体8を受片42で受け支える一方、支軸41を中心に受片42を図7の矢印のごとく回動させて、受片42による縁石体8の受け支えを解除できるようにする。ここでの受片42は、矩形板にし、さらに先端部42aに凹み421を設けて、これを利用して受片42を図7の矢印のごとく回動させ易くする。支軸41よりも支持部材2側に配される受片42の部分は、回動可能なように、図7,図8のごとく平面視で開口部110内、詳しくは開口突出し部分110a内に露出する。
そうして、開口部110に遊挿された縁石体8は、支持部材2に載った受片42の先端部42aに突片8cが載ることにより、図5のように縁石体8の少なくとも上半部が前記溝蓋1よりも上方へ突出する。両端部の下半部域に外方へ張り出す突片8cを有しているので、該突片8cを受片42に乗せると、図5,図6のごとく縁石体8の大半(少なくとも上半部)が溝蓋上面1Sよりも上方に露出して、縁石体8が縁石の役割を担う。支軸41の両端部分は開口突出し部分110a近くの上蓋11の下でこれに覆われており、受片42に突片8cが乗って縁石体8の荷重を受けても、支軸41が軸受部3から外れることはない。
一方、該受片42を回動起立させることにより、突片8cが支持部材2脇を通過下降し、縁石体8が保持部材5に受け支えられて、該縁石体8の上面8Sが溝蓋1の上面1Sレベルになる。縁石体8の上面8Sが溝蓋1の上面1Sレベルになることで、車両走行可能範囲が、それまでの車道幅から車道幅に縁石体付き溝蓋の幅と歩道幅とを加えた幅にまで広がる。
一方、受片42を回動起立させることにより、突片8cが支持部材2脇を通過下降し、縁石体8が保持部材5に受け支えられて、縁石体8の上面8Sが溝蓋1の上面1Sレベルになる構成であるので、車道から縁石体付き溝蓋の部分、さらに歩道にまで、車両を走行できるようになる。道路幅を、縁石体付き溝蓋を越え、歩道の領域まで使えるようになって、震災発生等で、往来車両の渋滞を解消する。被災者に支援物資を速やかに届けることができる。
ところで、縁石体8は沈めた状態にあるので、震災復旧支援が落ち着いたところで、該縁石体8を持ち上げれば、突片8cが受片42を回動させながら押し上げて上動し、突片8cが受片42を通過後、該受片42に載って、普段の通常状態へ簡単に戻すことができる。手間取らずに、縁石体8に、車道と歩道との境界仕切りとしてのいわゆる縁石の役割をスムーズに担わせることができる。特許文献1のように、縁石保管に要する労苦はない。縁石を紛失する虞もない。
このように本縁石体付き溝蓋は上述した数々の優れた効果を発揮し、極めて有益である。
1S 上面(溝蓋上面)
11 上蓋
110 開口部
12 係合部
2 支持部材
3 軸受部
4 受部材
5 保持部材
51 第一保持部材
7 コイルばね
8 縁石体
8S 上面(縁石体の上面)
821 切欠き
8g 内向き片
88 水平部
9 側溝
Claims (3)
- 側溝に蓋をする上蓋の中央長手方向に開口部を形成すると共に、該上蓋の長手方向両側縁沿いに側溝との係合部を形成した溝蓋と、
両端部の下半部域に外方へ張り出す突片を有し、前記開口部に遊挿されて、前記溝蓋に対し上下方向に出没自在に配された縁石体と、
前記開口部の両端域に在る前記溝蓋の部位で且つその上面よりも下方で、少なくとも中央部位が該開口部に覗くように、溝幅方向に夫々配して、該溝蓋に一体化された一対の支持部材と、
一対の該支持部材に対し、流路方向外方に夫々配して前記溝蓋に一体化される軸受部と、
該軸受部に回動自在に支持される支軸を溝幅方向に配し、該支軸に取付けた受片を前記支持部材側へ倒すことにより、該受片が前記支持部材に載り、さらにその先端部が開口部中央側へ突き出すようにした受部材と、
前記溝蓋の上面よりも下方地点で、水平に配して、該溝蓋に一体化された保持部材と、を具備し、
該支持部材に載った前記受片の先端部に前記突片が載ることにより、該縁石体の少なくとも上半部が前記溝蓋よりも上方へ突出する一方、該受片を回動起立させることにより、前記突片が該支持部材脇を通過下降し、前記縁石体が前記保持部材に受け支えられて、該縁石体の上面が溝蓋の上面レベルになるようにしたことを特徴とする縁石体付き溝蓋。 - 前記縁石体が、側面視逆U字状にして両側縁沿いに櫛歯状の切欠きを設けた外形板と、外周縁を該外形板の両端部内壁に固着して起立配設される端板と、を備える一方、該切欠きに対応する溝蓋側の部位に前記保持部材の第一保持部材を配し、該第一保持部材が該切欠きの上辺部に下から当接して、該縁石体の上面が前記溝蓋の上面と面一になる請求項1記載の縁石体付き溝蓋。
- 前記両端板の下端部位に一体化され、水平部が開口部の中央へ向けて夫々張り出し、両端板に一番近い前記切欠きの下方領域に入り込む内向き片と、前記支軸に遊嵌され、前記受片に前記支持部材側へ傾倒する付勢力を常時与えるコイルばねとを、さらに具備する請求項2記載の縁石体付き溝蓋。
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