JP6358651B2 - 建築物の軒先構造 - Google Patents
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Description
前記特許文献1に記載の唐草は、横葺屋根板の成形部等と係合する係合部と建築物の軒先に取り付けられる取付部と建築物の軒先を覆う垂下部を主構成としている。さらに詳細には、固定部は、躯体あるいは下地材にビス止めするフラット状やL字状、あるいは下地材に嵌める略コ字状等で構成され、垂下部は躯体の形状に沿う階段状に形成されている。
一方、前記特許文献2に記載の唐草では、水切りや幕板をビス等の固着具で固定したものが提案されている。さらに、化粧を目的として、壁から支持材を持ち出し、軒天井等を設けることも行われている。
一方、前記特許文献2に記載の唐草は、部品点数の増加が避けられず、施工に手間がかかるという問題があった。さらに壁から支持材等を持ち出すため、屋根工事とは別に行なわなければならないという問題もあった。
そして、かかる特許文献1、2に共通していえることとして、軒先における意匠性および汎用性の向上について未だ不十分であった。
なお、「最も水下側に位置する外装材」とは、流れ方向に複数の外装材を配設する横葺きや瓦等をイメージし易いが、流れ方向に連続する縦葺き外装材でもよく、その場合には該縦葺き外装材の水下端よりも更に水下側に軒先外装材を配設することを意味している。
このように本発明では、取付施工が容易であって、意匠性に富んだ、デザイン性に優れた軒先構造とすることができ、また該軒先にて形成される空間を有効に利用することもできる。
そのため、けらば等の端部を含む軒先における意匠性及びデザイン性が著しく向上し、また施工作業を迅速に容易に行うことができる。また、軒先端部に取り付けられる部品を共通化して汎用性を高めることが可能もある。
また、外装材を例えば前記下地や該下地へ取り付けるための構造等としては、木材製の躯体、鉄骨製の躯体、コンクリート製の躯体などの各種材料で構築される躯体、躯体上に配された垂木等の支持部材又は野地材等の下地材等でもよい。
例えば外装材が水上側から水下側に向かって一定勾配(角度)で傾斜している構造は一般的であって、広く知られているから、最も水下側に位置する外装材の更に水下側に配する軒先外装材にて形成される軒先部分は、一般屋根に比べて先端がシャープな先鋭な印象を受ける屋根となりやすい。更に、このような軒先部分により、所定領域の雨避けや日光避けの庇(ひさし)として有効利用する空間を形成することも可能である。
また、一般の外装材の傾斜勾配と敢えて相違するように例えば異なる傾斜面の面板部、或いは湾曲した面板部を有するように形成してもよく、この場合の軒先外装材は、軒端が跳ね上がったような印象を与える屋根とすることもできるし、逆に軒端が深く垂れ下がったような印象を与える屋根とすることもでき、意匠性を高くすることができる。
一般的に広義の軒天部材とは、軒先裏面を化粧する化粧材の全てを指すものである。即ち本発明における軒天部材は、単一部材であっても、複数部材によって構成されるものでもよく、最も先端(外側)の化粧材が、軒先外装材と一体的に取り付けられていればよいものである。
特に限定するものではないが、前記軒先外装材に形成した留付部と前記軒天部材に形成した留付受部を重合させ、それらに貫通させて締め付け固定して一体化することが好ましい。
このように前記軒先外装材も前記軒天部材も、軒先外装材以外の外装材が構築する外装構造に少なくともその一部が取付されていることが望ましいが、この場合の取付とは、他の部材を介しての取付でもよく、それ自体は一体的である必要はなく、例えば係止や重合などをも含むものである。軒先外装材と軒天部材を直接的に締着することにより、両部材が高い強度の連結状態を得ることができる。
そして、この連絡部材は、軒先外装材の留付部と軒天部材の留付受部との重合部分に介在すればよく、重合部分のみに介在するものであっても、躯体側から持ち出した部材に固定されるものであってもよい。
この第1実施例における軒先外装材1は、図1(c)に拡大して示しており、略平坦状の面板部11の水上部分が前記支持材6gz及び下地材6fz上に沿い、この面板部11の水上端12が立ち上げられ、連絡材2wを介して外装材2Zと接続されている。また、前記面板部11の水下部分13が締着具4が取り付けられる留付部であり、その水下端14が折り下げられ、その下端を折り返して係合部141を形成している。
この第1実施例における軒天部材3は、図1(c)に拡大して示しており、前記軒先天井材6mの裏面側を覆う略L字状の化粧面部31と、その水上側に位置して前記軒先天井材6mの取付部分に共に固定される固定横片32と、前記化粧面部31の水下側に位置して前記軒先外装材1の留付部13の裏面側に沿わせる留付受部33と、を備える構成であり、前記留付受部33の水下端34を前記軒先外装材1の水下端14の裏面側に沿わせ、その先端(下端)を水下端14に設けた係合部141に係合させた状態に配置している。
そして、この締着具4は、前記軒先外装材に形成した留付部13と前記軒天部材3に形成した留付受部33を重合させ、それらに上方から締着具を貫通させて締め付け固定して一体化するものである。
このように、取付施工が容易であって、意匠性に富んだ、デザイン性に優れた軒先構造とすることができ、また該軒先にて形成される空間を有効に利用することもできる。
この連絡部材15は、桁行き方向に連続するプレート状であって、この連絡部材15にて締着具4の締め付けがより安定に保持でき、軒先外装材1と軒天部材3との一体化もより安定に維持されるものとなる。
また、この第2実施例の締着具4IIは、頭部が平坦状でなく丸まった形状である。
そして、図4(b)に示す極めて意匠性に富んだ美麗な軒先構造(外装構造)を構築することができる。
この外装材9Aを下地材6fに取り付けるための保持部材9bは、左右に起立部を有してその内側にビス9cを打ち込んで下地材6fを貫通して躯体6eに固定する固定部が設けられ、略中央に外装材9Aの各成形部92,92'の裏面を支持する支持部分が形成された左右対称の部材であって、長さ方向に間隔を隔てて長さが異なるピース状の保持部材9b'も併用している。
なお、これらの外装材9Aや保持部材9bから構成される外装構造の水下端には、図中に符号9dで示される端部納め材が配設されている。また、前記下地材(野地材)6fの母屋や躯体等については、前記第1実施例等と同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この第5実施例における軒天部材3Vは、図5(c)に拡大して示すように前記軒先外装材1V及び前記支持材6gz'及び下地材6fz'の水下端の裏面側を覆う略L字状の化粧面部31vと、その水上側に位置して前記軒先天井材6m'の取付部分に共に固定される固定横片32vと、前記化粧面部31vの水下側に位置して前記軒先外装材1Vの留付部13vの裏面側に沿わせる留付受部33vと、を備える構成であり、前記留付受部33vの水下端34vを前記軒先外装材1Vの水下端14vの裏面側に沿わせる構成など前記第1実施例と同様である。
そして、図4(b)に示す極めて意匠性に富んだ美麗な軒先構造(外装構造)を構築することができる。
13 留付部
2,2II,9 外装材
2Z,2IIZ 最も水下側に位置する外装材
3,3II,3III,3IV,3V 軒天部材
31,31ii,31iii,31iv,31v 化粧面部
33 留付受部
4 締着具
Claims (3)
- 最も水下側に位置する外装材の更に水下側に軒先外装材を配すると共に、該軒先外装材の裏面と軒先裏面とのうち何れか一方又は両方を被覆する軒天部材を配し、
前記軒先外装材と前記軒天部材とが締着具で一体的に取り付けられて表面側の軒先外装材と裏面側の軒天部材とで先端が軒先側へ突出状に重合する軒先化粧が施されることを特徴とする建築物の軒先構造。 - 軒先外装材と軒天部材は、流れ方向に交わる方向に介在する連絡部材を介して締着していることを特徴とする請求項1に記載の建築物の軒先構造。
- 軒先外装材と軒天部材は、離間状に配置されると共にこの離間空間内には補強材が配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建築物の軒先構造。
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