以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<機械的構成>
図1に示されるように、シート搬送装置及び画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1は、本体ケーシング2を備えている。
本体ケーシング2内には、画像形成部3及び搬送部4が設けられている。
また、本体ケーシング2内には、本体ケーシング2により、シートSが搬送される空間である搬送経路5が形成されている。以下では、搬送経路5に沿ってシートSが搬送される方向を「搬送方向」という。
画像形成部3は、感光ドラム11、帯電器12、現像器13、露光器14、転写ローラ15及び定着器16を備えている。
搬送部4は、給紙ローラ21、分離ローラ22、分離パッド23、1対の搬送ローラ24、1対のレジストローラ25、1対の搬送ローラ27及び1対の排紙ローラ28を備えている。
感光ドラム11は、図1の紙面に垂直な方向(以下、この方向を「幅方向」という。)に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。
帯電器12は、感光ドラム11の軸線に対する一方側(以下、この一方側を「後側」という。)に配置されている。帯電器12は、たとえば、ワイヤ及びグリッドを備えるスコロトロン型帯電器である。
現像器13は、感光ドラム11の上方であって、感光ドラム11の軸線に対する他方側(以下、この他方側を「前側」という。)に配置されている。現像器13は、トナーを収容する現像筐体17と、現像筐体17に保持される現像ローラ18とを備えている。現像ローラ18は、幅方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。現像ローラ18の周面は、感光ドラム11の周面に接触している。
露光器14は、本体ケーシング2内の最上部に配置されている。露光器14は、LED及びポリゴンミラーなどの光学系を備え、画像データに基づくレーザビームを出射する。
転写ローラ15は、感光ドラム11と対向する位置に配置されている。転写ローラ15は、幅方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。
定着器16は、感光ドラム11の後側に配置されている。定着器16は、熱ローラ161及び圧ローラ162を備えている。熱ローラ161及び圧ローラ162は、幅方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。熱ローラ161及び圧ローラ162の各周面は、互いに当接している。
給紙ローラ21は、幅方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。本体ケーシング2の底部には、シートSを積層状態で収容可能な給紙カセット6が設けられている。給紙ローラ21は、給紙カセット6の前端部の上方に配置されている。給紙ローラ21の周面は、給紙カセット6に収容されたシートSの前端部に接触している。
分離ローラ22及び分離パッド23は、給紙ローラ21の前側に配置されている。分離ローラ22は、幅方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。分離ローラ22の周面は、分離パッド23に対して後上側から当接している。
1対の搬送ローラ24は、分離ローラ22の上側に配置されている。搬送ローラ24は、幅方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。搬送ローラ24の各周面は、互いに当接している。
1対のレジストローラ25は、搬送ローラ24の後側に配置されている。レジストローラ25は、幅方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。レジストローラ25の各周面は、互いに当接している。
1対の搬送ローラ27は、定着器16の後上側に配置されている。搬送ローラ27は、幅方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。搬送ローラ27の各周面は、互いに当接している。
1対の排紙ローラ28は、搬送ローラ27の前上側に配置されている。排紙ローラ28は、幅方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。排紙ローラ28の各周面は、互いに当接している。
印刷時(画像形成時)には、画像形成部3による画像形成動作及び搬送部4によるシートSの搬送が行われる。
具体的には、感光ドラム11は、左側から見て時計回りに回転される。感光ドラム11の回転に伴って、感光ドラム11の表面は、帯電器12からの放電により一様に帯電された後、露光器14からのレーザビームにより選択的に露光される。この露光によって、感光ドラム11の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム11の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、現像器13の現像ローラ18からのトナーの供給により、トナー像に現像される。
一方、給紙ローラ21が左側から見て反時計回りに回転され、給紙カセット6からシートSが送り出される。給紙カセット6から送り出されたシートSは、分離ローラ22と分離パッド23との間を通過し、その際に1枚ずつに分離される。分離ローラ22と分離パッド23との間を通過したシートSは、搬送ローラ24により、レジストローラ25に向けて搬送される。その後、シートSは、画像形成部3におけるトナー像の形成とタイミングを合わせて、レジストローラ25により、転写ローラ15に向けて搬送される。
転写ローラ15には、転写バイアスが供給されている。シートSが感光ドラム11と転写ローラ15との間を通過する際に、転写バイアスの作用により、感光ドラム11の表面に形成されているトナー像がシートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、定着器16に搬送される。定着器16では、シートSが熱ローラ161と圧ローラ162との間を通過する。その際、加熱及び加圧により、トナー像がシートSに定着される。これにより、シートSへの画像の形成が達成される。
<電気的構成>
レーザプリンタ1は、図2に示されるように、通信インターフェース(I/F)31、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)32、ROM33及びRAM34を備えている。
通信インターフェース31は、LAN(Local Area Network)に接続されているPC(パーソナルコンピュータ)100などの外部装置との通信のためのインターフェースである。通信の方式は、無線通信方式であってもよいし、有線通信方式であってもよい。
制御部の一例としてのASIC32は、CPU35を内蔵している。ASIC32には、外部装置から送信される画像データが通信インターフェース31を介して入力される。CPU35は、ASIC32に入力される画像データをRAM34に記憶させる。また、CPU35は、ASIC32に入力される信号などに基づいて、各種の処理のためのプログラムを実行することにより、画像形成部3による画像形成動作及び搬送部4によるシートSの搬送を制御し、通信インターフェース31を介した通信を制御する。
ROM33には、CPU35によって実行されるプログラム及び各種のデータなどが記憶されている。
RAM34は、CPU35がプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
レーザプリンタ1は、後端シート幅検知部36、描画開始センサ37、排紙センサ38及び温度センサ39を備えている。
また、レーザプリンタ1は、表示部40を備えている。
表示部40は、例えば、液晶表示器からなる。表示部40には、各種の情報が表示される。
<後端シート幅検知部>
後端シート幅検知部36は、図1及び図3に示されるように、給紙ローラ21の下流側に位置している。
後端シート幅検知部36は、図4に示されるように、フォトセンサ41、第1アクチュエータ42及び第2アクチュエータ43を備えている。
フォトセンサ41は、1対の発光素子44及び受光素子45を有している。発光素子44及び受光素子45は、発光素子44から受光素子45に至る光路(以下、「センサ光路」という。)が幅方向と一致するように配置されている。後端シート幅検知部36は、例えば、発光素子44からの光が受光素子45に入射している状態において、ASIC32に向けてオフ信号を送信し、発光素子44からの光が受光素子45に入射していない状態において、ASIC32に向けてオン信号を送信する。
第1アクチュエータ42は、第1回動軸46、第1当接部47及び第1検知部48を有している。
第1回動軸46は、幅方向に延びる回動軸線(第1回動軸線の一例)を中心に回動可能に本体ケーシング2内に設けられている。
第1当接部47は、第1回動軸46の左端に接続されている。第1当接部47は、第1回動軸46の左端から第1回動軸46と直交する方向に延びている。第1アクチュエータ42は、シートSが当接することによる回動力が加えられていないときに、第1当接部47における第1回動軸46と反対側の端部が搬送経路5に突出する回動位置(以下、「第1アクチュエータ42の初期位置」という。)に位置するように、ばねなどの弾性部材によって付勢されている。
第1検知部48は、第1回動軸46の右端に接続されている。第1検知部48は、図5Aに示されるように、扇形状部51及び3つの第1遮蔽部52,53,54を備えている。扇形状部51は、略扇形状をなしている。第1回動軸46の軸線は、扇形状部51の中心角を2等分する直線上に位置している。第1遮蔽部52,53,54は、扇形状部51の周縁から扇形状部51の径方向に延出している。3つの第1遮蔽部52,53,54は、扇形状部51の周方向(扇形状部51の周縁に沿う方向)に間隔を空けて設けられている。第1遮蔽部52は、扇形状部51の中心55を中心とする角度C1で規定される幅を有している。第1遮蔽部53は、扇形状部51の中心55を中心とする角度C1よりも大きい角度C3で規定される幅を有している。第1遮蔽部54は、扇形状部51の中心55を中心とする角度C3よりも大きい角度C5で規定される幅を有している。
第1遮蔽部52と第1遮蔽部53との間に形成される第1溝部56は、扇形状部51の中心55を中心とする角度C3よりも大きく角度C5よりも小さい角度C2で規定される幅(第1遮蔽部間隔の一例)を有している。第1遮蔽部53と第1遮蔽部54との間に形成される第1溝部57は、扇形状部51の中心55を中心とする角度C2よりも大きく角度C5よりも小さい角度C4で規定される幅を有している。
第2アクチュエータ43は、第2回動軸58、第2当接部59及び第2検知部60を有している。
第2回動軸58は、第1回動軸46の右側に第1回動軸46と間隔を空けて、第1回動軸46と同一の回動軸線(第2回動軸線の一例)を中心に回動可能に本体ケーシング2内に設けられている。第2回動軸58は、第1回動軸46と同一の長さを有している。
第2当接部59は、第2回動軸58の右端に接続されている。第2当接部59は、第2回動軸58の右端から第2回動軸58と直交する方向に延びている。第2アクチュエータ43は、シートSが当接することによる回動力が加えられていないときに、第2当接部59における第2回動軸58と反対側の端部が搬送経路5に突出する回動位置(以下、「第2アクチュエータ43の初期位置」という。)に位置するように、ばねなどの弾性部材によって付勢されている。
第2検知部60は、第2回動軸58の左端に接続されている。
第2検知部60は、図5Bに示されるように、扇形状部61及び2つの第2遮蔽部62,63を備えている。扇形状部61は、略扇形状をなしている。第2回動軸58の軸線は、扇形状部61の中心角を2等分する直線上に位置している。第2遮蔽部62,63は、扇形状部61の周縁から扇形状部61の径方向に延出している。2つの第2遮蔽部62,63は、扇形状部61の周方向(扇形状部61の周縁に沿う方向)に間隔を空けて設けられている。第2遮蔽部62は、扇形状部61の中心64を中心とする角度が前述の角度C2で規定される幅(第2遮蔽部幅の一例)を有している。第2遮蔽部63は、扇形状部61の中心64を中心とする角度が前述の角度C5で規定される幅を有している。
第2遮蔽部62と第2遮蔽部63との間に形成される第2溝部65は、扇形状部61の中心64を中心とする角度が前述の角度C3及び角度C4を加算した角度で規定される幅を有している。
第1アクチュエータ42及び第2アクチュエータ43を共に第1アクチュエータ42の初期位置及び第2アクチュエータ43の初期位置に位置させた場合に、幅方向から見て、第1検知部48及び第2検知部60は、図5Cに示されるように、第1検知部48の第1溝部56と第2検知部60の第2遮蔽部62とが一致する。その結果、第1遮蔽部52、第2遮蔽部62及び第1遮蔽部53により、扇形状部51の中心55及び扇形状部61の中心64を中心とする角度が前述の角度C1、角度C2及び角度C3を加算した角度で規定される幅が形成される。
第1アクチュエータ42及び第2アクチュエータ43は、回動したときに、第1遮蔽部52,53,54及び第2遮蔽部62,63がセンサ光路を横切る位置に配置されている。
第1当接部47及び第2当接部59は、図3に示されるように、搬送方向における同じ位置において、幅方向に間隔を空けて配置されている。第1当接部47の幅方向の位置は、幅の狭い所定サイズのシート、例えば、JIS規格のB5サイズのシートが搬送経路5をセンタ基準で幅方向の中央を縦向きに搬送される場合のB5サイズのシートの左端縁より左側に位置している。第2当接部59の幅方向の位置は、所定の幅の狭いサイズのシート、例えば、JIS規格のB5サイズのシートが搬送経路5をセンタ基準で幅方向の中央を縦向きに搬送される場合のB5サイズのシートの右端縁より右側に位置している。第1当接部47の揺動又は第2当接部59の揺動により、後端シート幅検知部36は、シートSが第1当接部47又は第2当接部59に当接したことを示すオン信号をASIC32に送信する。
<描画開始センサ>
描画開始センサ37は、図1及び図3に示されるように、搬送経路5において後端シート幅検知部36の下流側に位置している。描画開始センサ37は、第3当接部71を備えている。第3当接部71は、搬送経路5の幅方向の中央に、搬送経路5に突出して配置されている。第3当接部71は、搬送経路5を搬送されるシートSが当接することにより、揺動可能に設けられている。描画開始センサ37は、例えば、遮蔽部及びフォトセンサを備えている。第3当接部71の揺動に伴って、遮蔽部がセンサ光路を横切る。これにより、描画開始センサ37は、シートSが第3当接部71に当接すると、オン信号をASIC32に送信する。また、描画開始センサ37は、遮蔽部がセンサ光路を遮蔽していないときは、オフ信号をASIC32に送信する。
<排紙センサ>
排紙センサ38は、図1及び図3に示されるように、搬送経路5において定着器16の下流側に位置している。排紙センサ38は、第4当接部72を備えている。第4当接部72は、搬送経路5の幅方向の中央に、搬送経路5に突出して配置されている。第4当接部72は、搬送経路5を搬送されるシートSが当接することにより、揺動可能に設けられている。排紙センサ38は、例えば、遮蔽部及びフォトセンサを備えている。第4当接部72の揺動に伴って、遮蔽部がセンサ光路を横切る。これにより、排紙センサ38は、シートSが第4当接部72に当接すると、オン信号をASIC32に送信する。また、排紙センサ38は、遮蔽部がセンサ光路を遮蔽していないときは、オフ信号をASIC32に送信する。
<熱ローラ及び温度センサ>
熱ローラ161は、図6に示されるように、内部に加熱部の一例としてのヒータ73を備えている。ヒータ73は、例えば、電熱線により構成されている。
温度センサ39は、熱ローラ161に備えられている。温度センサ39は、熱ローラ161の温度を検出する。温度センサ39は、第1サーミスタ74及び第2サーミスタ75を備えている。
第1サーミスタ74は、熱ローラ161の幅方向の中央の温度を検出するように配置されている。
温度検出部の一例としての第2サーミスタ75は、熱ローラ161の右側の所定位置の温度を検出するように配置されている。所定位置は、所定の幅の広いサイズのシート、例えば、JIS規格のA4サイズのシートが搬送経路5をセンタ基準で幅方向の中央を縦向きに搬送される場合のA4サイズのシートの幅方向の端部に位置している。
第1サーミスタ74及び第2サーミスタ75は、検出した温度をASIC32に送信する。
<後端シート幅検知部の動作と信号波形>
後端シート幅検知部36からASIC32に送信される信号の波形は、第1アクチュエータ42のみが回動した場合の信号の波形と第2アクチュエータ43のみが回動した場合の信号の波形とを重ね合わせた波形になる。
幅の広いシートSが幅方向の中央を斜行せずに搬送される場合、第1アクチュエータ42と第2アクチュエータ43とは同時に回動する。第1アクチュエータ42と第2アクチュエータ43とが同時に回動したとき、第1遮蔽部52、第1遮蔽部53及び第2遮蔽部62は、センサ光路を互いに補完するタイミングで通過する。すなわち、第1遮蔽部52がセンサ光路に差し掛かった後、第1遮蔽部52がセンサ光路を通り抜けるタイミングで第2遮蔽部62がセンサ光路に差し掛かる。そして、第2遮蔽部62がセンサ光路を通り抜けるタイミングで第1遮蔽部53がセンサ光路に差し掛かる。第1遮蔽部53がセンサ光路を通り抜けた後、間隔を空けて、第1遮蔽部54及び第2遮蔽部63が同じタイミングでセンサ光路に差し掛かる。
したがって、図7の(A)に示される第1アクチュエータ42のみの信号の波形に対し、第2アクチュエータ43のみの信号の波形は、図7の(B)に示されるように、第1遮蔽部52がセンサ光路を通過することにより変化する1つ目のパルス波形の立下りと同時に、第2遮蔽部62がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形が立ち上がり、第2遮蔽部62がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形の立下りと同時に第1遮蔽部53がセンサ光路を通過することにより変化する2つ目のパルス波形が立ち上がる。
これにより、幅の広いシートSが幅方向の中央を斜行せずに搬送された場合、後端シート幅検知部36から出力される信号の波形は、図7の(C)に示されるように、図7の(A)に示される波形と図7の(B)に示される波形とを重ね合わせた波形になる。この波形において、最初の立ち上がりからシートSが描画開始センサ37に到達するまでの期間(初期期間)におけるパルス波形の数は1である。そして、そのパルス波形の幅は、第1遮蔽部52によりセンサ光路が遮蔽される時間、第2遮蔽部62によりセンサ光路が遮蔽される時間及び第1遮蔽部53によりセンサ光路が遮蔽される時間の合計時間と一致する。
幅の狭いシートSが幅方向の中央を搬送される場合、第1アクチュエータ42及び第2アクチュエータ43は、回動されない。この場合、第1遮蔽部52,53、又は、第2遮蔽部62のいずれもセンサ光路を通過しない。
これにより、幅の狭いシートSが幅方向の中央を搬送された場合、後端シート幅検知部36から出力される信号の波形は、パルス波形を有さない。
幅の狭いシートSが幅方向の右側に片寄せされて搬送される場合、第2アクチュエータ43のみが回動する。第2アクチュエータ43のみが回動したとき、第1遮蔽部52,53は、センサ光路を通過しない。一方、第2遮蔽部62は、センサ光路を通過する。
したがって、図8の(A)に示される第1アクチュエータ42のみの信号の波形は、パルス波形を有さない。一方、図8の(B)に示される第2アクチュエータ43のみの信号の波形は、第2遮蔽部62によるパルス波形を有する。
これにより、幅の狭いシートSが幅方向の右側に片寄せされて搬送された場合、後端シート幅検知部36から出力される信号の波形は、図8の(C)に示されるように、図8の(A)に示される波形と図8の(B)に示される波形とを重ね合わせた波形になる。すなわち、第2アクチュエータ43のみがセンサ光路を通過することにより変化する信号のパルス波形のみを有する。
幅の狭いシートが幅方向の左側に片寄せされて搬送される場合、第1アクチュエータ42のみが回動する。第1アクチュエータ42のみが回動したとき、第1遮蔽部52がセンサ光路を通過し、その後、第1遮蔽部53がセンサ光路を通過する。一方、第2遮蔽部62は、センサ光路を通過しない。
したがって、図9の(A)に示される第1アクチュエータ42のみの信号の波形は、第1遮蔽部52がセンサ光路を通過することにより変化する1つ目のパルス波形と第1遮蔽部53がセンサ光路を通過することにより変化する2つ目のパルス波形とを有する。一方、図9の(B)に示される第2アクチュエータ43のみの信号の波形は、パルス波形を有さない。
これにより、幅の狭いシートが幅方向の左側に片寄せされて搬送された場合、後端シート幅検知部36から出力される信号の波形は、図9の(C)に示されるように、図9の(A)に示される波形と図9の(B)に示される波形とを重ね合わせた波形になる。すなわち、第1アクチュエータ42のみの信号のパルス波形のみを有する。
幅の広いシートSが幅方向の中央において右側が先行するように斜行して搬送される場合、第2アクチュエータ43が回動し、それに遅れて第1アクチュエータ42が回動する。第2アクチュエータ43が回動し、それに少し遅れて第1アクチュエータ42が回動したときは、第1遮蔽部52がまずセンサ光路に差し掛かり、第1遮蔽部52がセンサ光路を通り抜ける前に第2遮蔽部62がセンサ光路に差し掛かる。そして、第2遮蔽部62がセンサ光路を通り抜ける前に第1遮蔽部52がセンサ光路を通り抜ける。その後、第2遮蔽部62がセンサ光路を通り抜ける。そして、第1遮蔽部53がセンサ光路を通過する。
したがって、図10の(A)に示される第1アクチュエータ42のみの信号の波形に対し、第2アクチュエータ43のみの信号の波形は、図10の(B)に示されるように、第1遮蔽部52がセンサ光路を通過することにより変化する1つ目のパルス波形の途中で第2遮蔽部62がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形が立ち上がり、第1遮蔽部52がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形の立下りの後に第2遮蔽部62がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形が立ち下がる。その後、第1遮蔽部53がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形が発生する。
これにより、幅の広いシートSが幅方向の中央において右側が先行するように斜行して搬送された場合、後端シート幅検知部36から出力される信号の波形は、図10の(C)に示されるように、図10の(A)に示される波形と図10の(B)に示される波形とを重ね合わせた波形になる。すなわち、最初の立ち上がりからシートSが描画開始センサ37に到達するまでの期間におけるパルス波形の数は2である。そして、1つ目のパルス波形の幅は、第1遮蔽部52によりセンサ光路が遮蔽される時間又は第2遮蔽部62によりセンサ光路が遮蔽される時間のいずれか長い方より長く、第1遮蔽部52によりセンサ光路が遮蔽される時間及び第2遮蔽部62によりセンサ光路が遮蔽される時間の合計時間より短い。2つ目のパルス波形の幅は、第1遮蔽部53によりセンサ光路が遮蔽される時間と同じである。
幅の広いシートSが幅方向の中央において左側が先行するように斜行して搬送される場合、第1アクチュエータ42が回動し、それに遅れて第2アクチュエータ43が回動する。第1アクチュエータ42が回動し、それに少し遅れて第2アクチュエータ43が回動したときは、第1遮蔽部52がまずセンサ光路を通過する。その後、第2遮蔽部62がセンサ光路に差し掛かり、第2遮蔽部62がセンサ光路を通り抜ける前に第1遮蔽部53がセンサ光路に差し掛かる。そして、第1遮蔽部53がセンサ光路を通り抜ける前に第2遮蔽部62がセンサ光路を通り抜け、その後、第1遮蔽部53がセンサ光路を通り抜ける。
したがって、図11の(A)に示される第1アクチュエータ42のみの信号の波形に対し、第2検知部60のみの信号の波形は、図11の(B)に示されるように、第1遮蔽部52がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形が終了した後、第2遮蔽部62がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形が立ち上がる。その後、第1遮蔽部53がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形が立ち上がり、第2遮蔽部62がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形が立ち下がった後に、第1遮蔽部53がセンサ光路を通過することにより変化するパルス波形が立ち下がる。
これにより、幅の広いシートSが幅方向の中央において左側が先行するように斜行して搬送された、後端シート幅検知部36から出力される信号の波形は、図11の(C)に示されるように、図11の(A)に示される波形と図11の(B)に示される波形とを重ね合わせた波形になる。すなわち、最初の立ち上がりからシートSが描画開始センサ37に到達するまでの期間におけるパルス波形の数は2である。そして、1つ目のパルス波形の幅は、第1遮蔽部52によりセンサ光路が遮蔽される時間と同じである。2つ目のパルス波形の幅は、第1遮蔽部53によりセンサ光路が遮蔽される時間又は第2遮蔽部62によりセンサ光路が遮蔽される時間のいずれか長い方より長く、第1遮蔽部53によりセンサ光路が遮蔽される時間及び第2遮蔽部62によりセンサ光路が遮蔽される時間の合計時間より短い。
<印刷処理>
レーザプリンタ1が印刷ジョブを受信し、その印刷ジョブにおける1ページの印刷を実行するごとに、ASIC32のCPU35は、図12A及び図12Bに示される印刷処理を実行する。印刷処理では、幅方向におけるシートSの搬送位置及び斜行状態を取得して、熱ローラ161の温度及びシートSの搬送間隔の制御を行いながら、1ページのシートSに対する印刷を行う。
印刷処理では、CPU35は、熱ローラ161の定着目標温度Ttgtとして温度TをRAM34に記憶させる(S1)。CPU35は、第1サーミスタ74による検出温度と第2サーミスタ75による検出温度との平均温度が定着目標温度Ttgtになるように、印刷処理と並行して、熱ローラ161のヒータ73を制御する。温度Tは、シートが搬送されていない状態において設定される初期値としての定着器の温度である。
次に、CPU35は、給紙タイミングの遅延時間Tdelayとして0をRAM34に記憶させる(S2)。給紙タイミングの遅延時間Tdelayは、シート1枚毎の給紙間隔を調整するための時間である。シートSの給紙に際し、印刷処理の開始から、給紙タイミングの遅延時間Tdelay待機した後、シートSが給紙される。
そして、CPU35は、印刷処理の開始から計時を開始し、給紙タイミングの遅延時間Tdelayが経過するまで待つ(S3:NO)。
給紙タイミングの遅延時間Tdelayが経過すると(S3:YES)、CPU35は、搬送部4に1枚のシートSの給紙動作を開始させる(S4)。給紙タイミングの遅延時間Tdelayとして0がRAM34に記憶されている場合には、印刷処理の開始後、ただちにシートSが給紙される。
そして、CPU35は、初期化処理を実行する(S5)。初期化処理については、後述する。
次に、CPU35は、波形測定処理を実行する(S6)。波形測定処理は、後端シート幅検知部36から受信する信号をグラフ化したときの波形の1点を測定する処理である。波形測定処理については、後述する。
そして、CPU35は、計時を開始し、所定の待機時間tが経過するのを待つ(S7)。後端シート幅検知部36から受信する信号は、待機時間t毎に測定される。待機時間tは、そのための待機時間である。
次に、CPU35は、描画開始センサ37から受信した信号がオンであるか否かを判断する(S8)。
描画開始センサ37から受信した信号がオンである場合(S8:YES)、シートSの先端が描画開始センサ37の位置に達したことを示す。これにより、初期期間が終了する。次に、CPU35は、シート搬送状態判定処理を実行する(S9)。シート搬送状態判定処理は、搬送されているシートSの幅方向の大きさ、幅方向における搬送位置及び斜行状態を判定する処理を実行する。シート搬送状態判定処理については、後述する。
描画開始センサ37から受信した信号がオフである場合(S8:NO)、シートSの先端が描画開始センサ37の位置に達していないことを示す。この場合、初期期間の途中である。したがって、CPU35は、給紙動作を開始した時点から計時して所定のタイムアウト時間が経過したか否かを判断する(S10)。
タイムアウト時間が経過していない場合(S10:NO)、CPU35は、後端シート幅検知部36から送信される信号の次の測定点を測定するために、前述したステップS6の波形測定処理を実行し(S6)、ステップS7以降の処理を実行する。
一方、タイムアウト時間が経過している場合(S10:YES)、給紙に失敗した可能性が高い。そのため、CPU35は、給紙失敗エラーである旨を表示部40に表示させ(S11)、印刷処理を終了する。
シートSの先端が描画開始センサ37の位置に達し、シート搬送状態判定処理を実行した後、CPU35は、波形に異常が無い旨がRAM34に記憶されているか否かを判断する(S12)。
波形に異常が有る旨がRAM34に記憶されている場合(S12:NO)、シート搬送状態判定処理において、波形に異常があると判定されたということなので、CPU35は、波形異常エラーを表示部40に表示させ(S18)、印刷処理を終了する。
波形に異常が無い旨がRAM34に記憶されている場合(S12:YES)、CPU35は、シートの傾きθがθminより大きくθmaxより小さい値であるか否かを判断する。
シートの傾きθは、図17に示されるように、シートSの右前端と左前端とを結んだ線と幅方向に延びる線との間の角度によって表される。
右側が先行した状態で斜行して、シートSが搬送されている場合のシートの傾きθは、次式(1)によって算出される。シートの傾きθは、1つめのパルス波形と2つめのパルス波形との間の非パルス期間(T_OFF1)の関数として現される。
θ=f(T_OFF1)=tan−1((VΔT)/Lw) ・・・(1)
ただし、V:シート搬送速度
ΔT=T2−T1
T1:1つめのパルス波形の終了時刻
T2:2つめのパルス波形の開始時刻
Lw:第1当接部47と第2当接部59との間の距離
また、左側が先行した状態で斜行して、シートSが搬送されている場合のシートの傾きθは、次式(2)によって算出される。
θ=−f(T_OFF1)=−tan−1((VΔT)/Lw) ・・・(2)
ただし、V:シート搬送速度
ΔT=T2−T1
T1:1つめのパルス波形の終了時刻
T2:2つめのパルス波形の開始時刻
Lw:第1当接部47と第2当接部59との間の距離
θminは、幅方向の左側が先行した状態で斜行してシートSが搬送される場合における搬送可能な斜行の限界角度であり、マイナスの値で表される。θmaxは、幅方向の右側が先行した状態で斜行してシートSが搬送される場合における搬送可能な斜行の限界角度であり、プラスの値で表される。
シートの傾きθがθmin以下又はθmax以上である場合(S13:NO)、搬送可能な斜行の限界角度を超えて斜行してシートSが搬送されているので、CPU35は、シート傾き異常エラーを表示部40に表示させ(S17)、印刷処理を終了する。
シートの傾きθがθminより大きくθmaxより小さい場合(S13:YES)、CPU35は、搬送中のシートSに対する1ページ分の印刷を、画像形成部3に実行させる(S14)。
そして、CPU35は、次のページの印刷があるか否かを判断する(S15)。
次のページの印刷がない場合(S15:YES)、CPU35は、印刷処理を終了する。
次のページの印刷がある場合(S15:NO)、CPU35は、定着制御処理を実行する(S16)。定着制御処理は、シートSの搬送状態に従って熱ローラ161の温度を制御する処理である。定着制御処理については、後述する。
定着制御処理の実行が終了すると、CPU35は、次に搬送されるシートSについて、前述したステップS3からの処理を実行する。
<初期化処理>
図12Aに示されるステップS5で実行される処理の流れは、図13に示されている。
初期化処理では、CPU35は、波形検出数nの初期値として0をRAM34に記憶させる(S51)。波形検出数nは、搬送中のシートSについて、ASIC32が後端シート幅検知部36から受信した信号に従って描画された波形中におけるパルス波形の数である。
次に、CPU35は、センサ履歴情報の初期値としてOFFをRAM34に記憶させる(S52)。センサ履歴情報は、波形測定処理が実行されることにより更新される。センサ履歴情報は、前回、波形測定処理が実行されたときに、ASIC32が後端シート幅検知部36から受信した信号がオン又はオフのいずれであったかを示す情報であり、ON又はOFFが記憶される。ONは、前回、波形測定処理が実行されたときに受信された信号がオンであったことを示す。OFFは、前回、波形測定処理が実行されたときに受信された信号がオフであったことを示す。
次に、CPU35は、シートの傾きθの初期値として0をRAM34に記憶させる(S53)。シートの傾きθは、前述したように、斜行におけるシートSの傾斜角度である。
次に、CPU35は、シートの検出結果の初期値として幅の広いシートが搬送経路5を搬送されている旨をRAM34に記憶させる(S54)。
次に、CPU35は、波形がONである時間T_ONnの初期値として0をRAM34に記憶させる(S55)。波形がONである時間T_ONnとしては、n番目のパルスの継続時間(以下、「パルス期間」という。)が記憶される。具体的には、波形がONである時間T_ON1としては、1番目のパルスのパルス期間が記憶され、波形がONである時間T_ON2としては、2番目のパルスのパルス期間が記憶される。
次に、CPUは、波形がOFFである時間T_OFFnの初期値として0をRAM34に記憶させる(S56)。波形がOFFである時間T_OFFnとしては、n番目のパルスの後のパルスのない継続時間(以下、「非パルス期間」という。)が記憶される。具体的には、波形がOFFである時間T_OFF1としては、1番目のパルスの後の非パルス期間が記憶され、波形がOFFである時間T_OFF2としては、2番目のパルスの後の非パルス期間が記憶される。
CPU35は、波形に異常があるか否かの初期値として、波形に異常が無い旨をRAM34に記憶させる(S57)。波形に異常があるか否かは、シート搬送状態判定処理の実行により、後端シート幅検知部36から送信された信号をグラフ化したときの波形に異常があると判定されたか否かによって判断される。
<波形測定処理>
図12Aに示されるS6で実行される波形測定処理の流れは、図14に示されている。
波形測定処理では、CPU35は、後端シート幅検知部36から受信した信号がオンであるか否かを判断する(S601)。
後端シート幅検知部36から受信した信号がオンの場合(S601:YES)、受信した信号はパルス期間内の信号である。この場合、CPU35は、センサ履歴情報としてOFFがRAM34に記憶されている否かを判断する(S602)。
センサ履歴としてOFFが記憶されている場合(S602:YES)、後端シート幅検知部36から受信した信号は、新たなパルス波形の信号である。この場合、新たなパルス波形の信号の受信が開始されたことを示すために、CPU35は、センサ履歴情報としてONをRAM34に記憶し(S603)、波形検出数nを1繰り上げてRAM34に記憶し(S604)、波形測定処理をリターンする。例えば、搬送中の1枚のシートSについての最初のパルス波形の信号の受信であれば、波形検出数nは、初期値の0から1に繰り上げられて、RAM34に記憶される。
一方、センサ履歴情報としてONが記憶されている場合(S602:NO)、後端シート幅検知部36から受信した信号は、受信が既に開始されているパルス波形の2つ目以降の信号である。この場合、CPU35は、波形がONである時間T_ONnに待機時間tを加えた時間を、RAM34に記憶させる(S605)。具体的には、例えば、波形検出数nとしてRAM34に記憶されている値が1である場合、1番目のパルス波形がONである時間としてRAM34に記憶されている時間T_ON1に、待機時間tを加えた値を、1番目のパルス波形がONである時間の更新された値としてRAM34に記憶させる。
一方、後端シート幅検知部36から受信した信号がオフの場合(S601:NO)、受信した信号は非パルス期間の信号である。この場合、CPU35は、センサ履歴情報としてONがRAM34に記憶されている否かを判断する(S606)。
センサ履歴情報としてONが記憶されている場合(S606:YES)、後端シート幅検知部36から受信した信号は、パルス波形が終了した後の非パルス期間の1回目の測定の信号である。この場合、CPU35は、センサ履歴情報としてOFFをRAM34に記憶させて(S607)、波形測定処理をリターンする。
センサ履歴情報としてOFFが記憶されている場合(S606:NO)、後端シート幅検知部36から受信した信号は、非パルス期間の2つ目以降の信号である。この場合、CPU35は、波形検出数nとして1以上の値がRAM34に記憶されている否かを判断する(S608)。
波形検出数nとして1以上の値が記憶されていれば(S608:YES)、受信した信号は、パルス波形が出力された後における非パルス期間の信号である。この場合、波形がOFFである時間T_OFFnに待機時間tを加えた時間を、波形がOFFである時間T_OFFnの更新された時間としてRAM34に記憶させ(S609)、波形測定処理をリターンする。
波形検出数nとして0がRAM34に記憶されていれば(S608:NO)、最初のパルス波形がまだ測定されていないので、そのまま、波形測定処理をリターンする。
<シート搬送状態判定処理>
図12Aに示されるS9で実行されるシート搬送状態判定処理の流れは、図15A及び図15Bに示されている。
シート搬送状態判定処理では、CPU35は、波形検出数nとして0がRAM34に記憶されているか否かを判断する(S901)。
波形検出数nとして0がRAM34に記憶されている場合(S901:YES)、ASIC32は、描画開始センサ37からオン信号を受信したが、後端シート幅検知部36からはオン信号を受信しなかったことを示している。すなわち、第1アクチュエータ42及び第2アクチュエータ43は、いずれもセンサ光路を通過しなかったことを示している。したがって、シートSは、幅の狭いシートSであり、幅方向の中央を搬送されている。そのため、CPU35は、シートSが斜行していない旨をRAM34に記憶させると共に(S902)、幅の狭いシートSが搬送経路5の幅方向中央を搬送されている旨をRAM34に記憶させて(S903)、シート搬送状態判定処理をリターンする。
一方、波形検出数nとして0以外の数が記憶されている場合(S901:NO)、CPU35は、波形検出数nとして1が記憶されているか否かを判断する(S904)。
波形検出数nとして1が記憶されている場合(S904:YES)、CPU35は、波形がONである時間T_ON1としてRAM34に記憶されている時間が時間T_ON_thCより大きいか否かを判断する(S905)。時間T_ON_thCは、第2アクチュエータ43の第2遮蔽部62がセンサ光路を通過する時間である。
波形がONである時間T_ON1として記憶されている時間が時間T_ON_thCより大きい場合(S905:YES)、第1アクチュエータ42の第1溝部56と第2アクチュエータ43の第2遮蔽部62とが一致した状態で、センサ光路を通過したことを示している。したがって、シートSは、幅の広いシートSであり、幅方向の中央を搬送されている。そのため、CPU35は、シートSが斜行していない旨をRAM34に記憶させると共に(S906)、幅の広いシートSが搬送経路5の幅方向中央を搬送されている旨をRAM34に記憶させて(S907)、シート搬送状態判定処理をリターンする。
波形がONである時間T_ON1として記憶されている時間が時間T_ON_thC以下の場合(S905:NO)、第2アクチュエータ43の第2遮蔽部62が単独でセンサ光路を通過したことを示している。したがって、シートSは、幅の狭いシートであり、幅方向の右側に片寄せされて搬送されている。そのため、CPU35は、シートSが斜行していない旨をRAM34に記憶させると共に(S908)、幅の狭いシートSが搬送経路5の幅方向を右寄せで搬送されている旨をRAM34に記憶させて(S909)、シート搬送状態判定処理をリターンする。
波形検出数nとして1以外の値が記憶されている場合(S904:NO)、CPU35は、波形検出数nとして2が記憶されているか否かを判断する(S910)。
波形検出数nとして2が記憶されている場合(S910:YES)、CPU35は、波形がONである時間T_ON1としてRAM34に記憶されている時間が時間T_ON_thR1より大きいか否かを判断する(S911)。時間T_ON_thR1は、第1アクチュエータ42の第1遮蔽部52がセンサ光路を通過する時間である。
波形がONである時間T_ON1として記憶されている時間が時間T_ON_thR1より大きい場合(S911:YES)、第1アクチュエータ42の第1遮蔽部52と第2アクチュエータの第2遮蔽部62とが重ね合わさった状態で、センサ光路を通過したことを示している。したがって、シートSは、図17に示されるように、右側が先行した状態で斜行して幅方向の中央を搬送されている。そのため、CPU35は、シートSが式(1)で算出されるシートの傾きf(T_OFF1)で斜行している旨をRAM34に記憶させると共に(S912)、幅の広いシートSが搬送経路5を搬送されている旨をRAM34に記憶させて(S913)、シート搬送状態判定処理をリターンする。
波形がONである時間T_ON1として記憶されている時間が時間T_ON_thR1以下であり(S911:NO)、波形がONである時間T_ON2として記憶されている時間が時間T_ON_thR2より大きい場合(S914:YES)、第1アクチュエータ42の第1遮蔽部53と第2アクチュエータ43の第2遮蔽部62とが重ね合わさった状態で、センサ光路を通過したことを示している。したがって、シートSは、左側が先行した状態で斜行して幅方向の中央を搬送されている。そのため、CPU35は、シートSが式(2)で算出されるシートの傾き−f(T_OFF1)で斜行している旨をRAM34に記憶させると共に(S915)、幅の広いシートSが搬送経路5を搬送されている旨をRAM34に記憶させて(S916)、シート搬送状態判定処理をリターンする。
一方、波形がONである時間T_ON1として記憶されている時間が時間T_ON_thR1以下であり(S911:NO)、波形がONである時間T_ON2として記憶されている時間が時間T_ON_thR2以下である場合(S914:NO)、第1アクチュエータ42が単独でセンサ光路を通過したことを示している。したがって、シートSは、幅方向の左側に片寄せされた状態で搬送されている。そのため、CPU35は、シートSが斜行していない旨をRAM34に記憶させると共に(S917)、幅の狭いシートSが搬送経路5の幅方向を左寄せで搬送されている旨をRAM34に記憶させて(S918)、シート搬送状態判定処理をリターンする。
波形検出数nとして2より大きい値が記憶されている場合(S910:NO)、正常であれば測定されない波形が測定されている。そのため、CPU35は、波形に異常があることをRAM34に記憶させて(S919)、シート搬送状態判定処理をリターンする。
<定着制御処理>
図12Bに示されるS16で実行される定着制御処理の流れは、図16に示されている。
定着制御処理では、CPU35は、シート搬送状態判定処理によるシートの検出結果に従って、処理を行う。
シートの検出結果として、幅が狭いシートSが搬送経路5を右寄せで搬送されている旨がRAM34に記憶されている場合(S1601:YES)、CPU35は、熱ローラ161の定着目標温度Ttgtとして温度T_RをRAM34に記憶させる(S1602)。温度T_Rは、温度Tよりも低い。CPU35は、第1サーミスタ74による検出温度と第2サーミスタ75による検出温度との平均温度が温度T_Rになるようにヒータ73を制御する。
そして、CPU35は、給紙タイミングの遅延時間Tdelayとして時間Td_RをRAM34に記憶させて(S1603)、定着制御処理をリターンする。
シートの検出結果として、幅が狭いシートSが搬送経路5を左寄せで搬送されている旨がRAM34に記憶されている場合(S1601:NO及びS1604:YES)、CPU35は、熱ローラ161の定着目標温度Ttgtとして温度T_LをRAM34に記憶させる(S1605)。温度T_Lは、温度Tよりも高い。CPU35は、第1サーミスタ74による検出温度と第2サーミスタ75による検出温度との平均温度が温度T_Lになるようにヒータ73を制御する。
そして、CPU35は、給紙タイミングの遅延時間Tdelayとして0をRAM34に記憶させて(S1606)、定着制御処理をリターンする。
シートの検出結果として、幅の狭いシートSが搬送経路5の中央を搬送されている旨がRAM34に記憶されている場合(S1601:NO、S1604:NO及びS1607:YES)、CPU35は、熱ローラ161の定着目標温度Ttgtとして温度T_CをRAM34に記憶させる(S1608)。温度T_Cは、温度Tより高い。CPU35は、第1サーミスタ74による検出温度と第2サーミスタ75による検出温度との平均温度が温度T_Cなるようにヒータ73を制御する。
そして、CPU35は、給紙タイミングの遅延時間Tdelayとして0をRAM34に記憶させて(S1609)、定着制御処理をリターンする。
シートの検出結果として、幅の広いシートSが搬送経路5を搬送されている旨がRAM34に記憶されている場合(S1601:NO、S1604:NO及びS1607:NO)、CPU35は、熱ローラ161の定着目標温度Ttgtとして温度TをRAM34に記憶させる(S1610)。CPU35は、第1サーミスタ74による検出温度と第2サーミスタ75による検出温度との平均温度が温度Tになるようにヒータ73を制御する。
そして、CPU35は、給紙タイミングの遅延時間Tdelayとして0をRAM34に記憶させて(S1611)、定着制御処理をリターンする。
<作用効果>
以上のように、第1当接部47と第2当接部59とは、搬送方向において、同じ位置に位置しているので、搬送経路5に沿って斜行せずに搬送されるシートSは、第1当接部47と第2当接部59とに同時に当接する。そして、シートSが更に搬送されるにつれ、第1当接部47と第2当接部59とは、それぞれ第1回動軸46及び第2回動軸58を中心に回動する。これにより、第1アクチュエータ42及び第2アクチュエータ43は、それぞれ第1回動軸46及び第2回動軸58を中心に同時に回動する。このとき、第1検知部48及び第2検知部60は、センサ光路を、互いに補完するタイミングで遮蔽する。
したがって、シートSが斜行せずに搬送された場合、第1検知部48によりセンサ光路が遮蔽される時間と第2検知部60によりセンサ光路が遮蔽される時間との合計時間にわたり、受光素子45が光を受光しない期間が継続する。
第1当接部47及び第2当接部59は、幅方向の中心に対してそれぞれ異なる側に位置しているので、シートSが片寄されて搬送される場合、シートSは、第1当接部47及び第2当接部59のいずれか一方のみに当接し、第1検知部48又は第2検知部60の一方のみが回動される。これにより、第1当接部47にシートSが当接した場合は、第1検知部48によりセンサ光路が遮蔽される時間、第2当接部59にシートSが当接した場合は、第2検知部60によりセンサ光路が遮蔽される時間、受光素子45が光を受光しない期間が継続する。したがって、受光素子45が光を受光しない状態が継続する期間の長さから、シートSが幅方向のいずれの側に片寄せされているかを判断することができる。
レーザプリンタ1は、更に、ASIC32を備え、受光素子45は、発光素子44からの光の受光及び非受光に応じて変化する信号を出力し、ASIC32は、1枚のシートSの搬送時に受光素子45が出力する信号の波形において、初期期間におけるパルス波形のパルス幅の合計によって、シートSの斜行の有無を検知する検知処理を有している。
第1当接部47と第2当接部59とは、搬送方向において、同じ位置に位置しているので、斜行して搬送されるシートSは、幅方向において左側が先行する場合は、第1当接部47に先に当接し、右側が先行する場合は、第2当接部59に先に当接する。そのため、左側が先行する場合は、第1検知部48によりセンサ光路が遮蔽されている間に、第2検知部60がセンサ光路に進入するか、又は、第1検知部48がセンサ光路を抜けてから時間を空けて、第2検知部60がセンサ光路に進入する。左側が先行する場合は、第2検知部60によりセンサ光路が遮蔽されている間に、第1検知部48がセンサ光路に進入するか、又は、第2検知部60がセンサ光路を抜けてから時間を空けて、第1検知部48がセンサ光路に進入する。いずれの場合であっても、受光素子45が光を受光しない状態が継続する期間は、シートSが斜行せずに搬送された場合よりも短くなる。したがって、受光素子45が光を受光しない状態が継続する期間の長さから、シートSの斜行の有無を検知することができる。
第1回動軸46の回動軸線と第2回動軸58の回動軸線とは、同一の回動軸線であり、第1検知部48は、第1回動軸46に対して直交する面を有する少なくとも2つの第1遮蔽部52,53を備え、第2検知部60は、第2回動軸58に対して直交する面を有する少なくとも1つの第2遮蔽部62を備え、第2遮蔽部幅(C2)は、第1遮蔽部間隔(C2)に対応している。
これにより、第1当接部47と第2当接部59との間隔よりも大きいシート幅を有するシートSが斜行せずに搬送される場合は、2つの第1遮蔽部52,53によりセンサ光路が遮蔽される時間と1つの第2遮蔽部62によりセンサ光路が遮蔽される時間との合計時間にわたり、受光素子45が光を受光しない期間が継続する。
シートSが幅方向の左側に片寄されて、第1当接部47のみに当接するシート幅を有するシートSが搬送される場合は、第1遮蔽部間隔(C2)に対応した期間にわたり、発光素子44からの光を受光素子45が受光する。
シートSが幅方向の右側に片寄されて、第2当接部59のみに当接するシート幅を有するシートSが搬送される場合は、第2遮蔽部幅(C2)に対応してセンサ光路が遮蔽される時間、受光素子45が光を受光しない期間が継続する。
第1当接部47と第2当接部59との間隔よりも大きいシート幅を有するシートSが斜行して搬送される場合は、第1遮蔽部間隔(C2)に対応した期間よりも短い期間にわたり、発光素子44からの光を受光素子45が受光する。
また、シートSの斜行量が大きいほど、第1当接部47にシートSが当接するタイミングと第2当接部59にシートSが当接するタイミングとのずれ量(時間差)が大きくなる。そして、そのずれ量に応じて、受光素子45が光を受光しない状態が継続する期間が変動する。したがって、受光素子45が光を受光しない状態が継続する期間の長さから、シートSの斜行量を検出することができる。
よって、シートSの斜行量を検出することができる。また、シートSが幅方向に片寄せされて搬送されている場合には、幅方向の右側又は左側のどちらに片寄せされているかを検出することができる。
後端シート幅検知部36は、受光素子45の発光素子44からの光の受光及び非受光に応じて変化する信号を出力する。ASIC32は、1枚のシートSの搬送時に後端シート幅検知部36が出力する信号の波形において、初期期間におけるパルス波形の数が1であり、かつ、当該パルス波形のパルス幅が第2遮蔽部62の第2遮蔽部幅(C2)に対応する幅よりも大きければ、シートSが幅の広いシートであり、かつ、斜行せずに搬送されている旨を出力する。
ASIC32は、1枚のシートSの搬送時に後端シート幅検知部36が出力する信号の波形において、初期期間におけるパルス波形の数が1であり、かつ、当該パルス波形のパルス幅が第2遮蔽部62の第2遮蔽部幅(C2)に対応する幅と同じである場合、シートSが幅の狭いシートであり、かつ、幅方向の右側に片寄せされて搬送されている旨を出力する。
ASIC32は、1枚のシートSの搬送時に後端シート幅検知部36が出力する信号の波形において、初期期間におけるパルス波形の数が2であり、かつ、一方のパルス波形のパルス幅が第1遮蔽部52の第1遮蔽部幅(C1)と同じであり、他方のパルス波形のパルス幅が第1遮蔽部53の第1遮蔽部幅(C3)と同じであれば、シートSが幅の狭いシートであり、かつ、幅方向の左側に片寄せされて搬送されている旨を出力する。
ASIC32は、1枚のシートSの搬送時に後端シート幅検知部36が出力する信号の波形において、初期期間におけるパルス波形の数が2であり、かつ、1つ目のパルス波形のパルス幅が最初にセンサ光路を遮蔽する第1遮蔽部52の第1遮蔽部幅(C1)より大きければ、シートSが幅の広いシートであり、かつ、幅方向の右側が先行するように斜行して搬送されている旨を出力する。
ASIC32は、1枚のシートSの搬送時に後端シート幅検知部36が出力する信号の波形において、初期期間におけるパルス波形の数が2であり、かつ、2つ目のパルス波形のパルス幅が2番目にセンサ光路を遮蔽する第1遮蔽部53の第1遮蔽部幅(C3)より大きければ、シートSが幅の広いシートであり、かつ、幅方向の左側が先行するように斜行して搬送されている旨を出力する。
ヒータ73を有し、ヒータ73による加熱により、搬送部4により搬送されるシートSに画像を定着させる熱ローラ161と、熱ローラ161における幅方向の右側に設けられ、熱ローラ161の温度を検出する第2サーミスタ75とを備え、ASIC32は、シートSが右側に片寄せされて搬送される場合、ヒータ73による加熱温度を温度Tより低い温度(T_R)に変更し、かつ、シートSの搬送タイミングを通常より「Td_R」時間遅延させることで、搬送間隔を所定の間隔より広くするように搬送部4に対して指示する。
熱ローラ161におけるシートSが接触した部分は、シートSに熱を奪われるため、その他の部分よりも温度が低下する。この場合、熱ローラ161におけるシートSが接触しない部分は、第1サーミスタ74による検出温度より高い。そのため、シートSが右側に片寄せされて搬送される場合に、第1サーミスタ74による検出温度を用いて熱ローラ161の温度が制御されると、熱ローラ161におけるシートSと接触しない部分の温度が異常に上昇するおそれがある。
第1サーミスタ74により検出された検出温度がより高い場合に、シートSの搬送間隔をより広くするように制御されることにより、熱ローラ161におけるシートSと接触しない部分の温度が異常に上昇することを抑制できる。
ASIC32は、シートSが左側に片寄せされて搬送されている場合、ヒータ73による加熱温度を温度Tより高い温度(T_L)に変更する。
これにより、第1サーミスタ74が備えられる位置をシートSが搬送される場合は、熱ローラ161は、他方側における温度が第1サーミスタ74により検出される温度より低いので、これを考慮したヒータ73の温度制御、たとえば、ヒータ73の温度を高めにする制御を行う。これにより、より適切な温度で定着を行うことができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
例えば、本発明の実施形態では、第1回動軸46と第2回動軸58とは、同一の回動軸線を有しているが、第1回動軸46と第2回動軸58とが異なる回動軸線を有していてもよい。例えば、第1回動軸46の回動軸線と第2回動軸58の回動軸線とが搬送方向に同じ位置であって、第1回動軸46の回動軸線が第2回動軸58の回動軸線よりも上側に位置している場合、第1検知部が第2検知部より大きなサイズに形成され、第1アクチュエータと第2アクチュエータとが同時に回動したときに、第1検知部と第2検知部とが互いに補完するタイミングでセンサ光路を遮蔽するような形状に形成されていればよい。
また、第1遮蔽部の数及び第2遮蔽部の数は、限定されるものではなく、第1アクチュエータと第2アクチュエータとが同時に回動したとき、第1アクチュエータのみが回動したとき、第2アクチュエータのみが回動したとき、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータが異なるタイミングで回動したときのそれぞれにおいて、後端シート幅検知部36から異なる波形の信号が出力されるように、第1遮蔽部及び第2遮蔽部の形状が決定されていればよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。