JP6355322B2 - フレキシブルデバイスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、フレキシブルディスプレイやウェアラブルセンサー等の薄層フレキシブル基板上に薄膜トランジスタの集積回路が形成されたフレキシブルデバイスの製造方法に関する。
プラスチックフィルム上に薄膜トランジスタが集積化されたフレキシブルデバイスは、軽量性や柔軟性という特長を有していることから、フレキシブルディスプレイの駆動回路やウェアラブルセンサー等への応用が検討されている。
フィルム基板上にフレキシブルデバイスを作製する際、該フィルム基板が200μm以下と薄い場合は、特に製造プロセスにおいて扱い難いため、一般的には、支持基板となるガラスや厚い樹脂基板、金属製プレート等の上に、薄いフィルム基板を一旦固定し、デバイス作製後、剥がし取る手法が用いられている。
例えば、ポリイミドワニス等の樹脂を支持基板上に塗布成膜し、該ポリイミドをフィルム基板とすることが提案されている。そして、その上にデバイスを形成した後、支持基板からポリイミドフィルムを剥離することにより、フレキシブルデバイスを作製することができる。
この方法は、耐熱性が300℃以上のポリイミドを用いることにより、高温プロセスにおいても適用することができる。また、支持基板上に、直接ポリイミドが成膜されているため、デバイス形成時の加熱によるフィルム基板の収縮が小さく、ガラス基板上に、直接デバイスを形成した場合と同等の位置決め精度でフレキシブルデバイスを作製することができる。
しかしながら、このようなポリイミドフィルムを用いたフレキシブルデバイスの製造方法は、ポリイミドの硬化温度や加熱プロセス、洗浄プロセス等によって、支持基板とポリイミドフィルムの密着強度が大きく変化するため、デバイス形成後に支持基板からポリイミドフィルムを剥離する際に、デバイス特性や歩留まりが低下するという問題が生じていた。
ポリイミドワニスを用いて樹脂フィルム基板(ポリイミドフィルム)を形成する場合も、支持基板の材質や硬化温度、加熱プロセス等にもよるが、密着強度が大きくなりやすく、ポリイミドフィルムを剥離する工程での歩留まり低下を改善することは難しい。
これに対しては、例えば、特許文献1に、支持基板となるガラス基板をシランカップリング剤で表面処理することにより、支持基板への樹脂フィルムの密着強度を制御することが記載されている。
また、特許文献2には、ガラス基板とポリイミド層との間に、金属膜や酸化膜等の無機膜を形成し、ガラス基板とポリイミドとを剥離しやすくすることが記載されている。
特許第5152104号公報 特許第5231450号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法は、支持基板には、シランカップリング剤が結合するガラス基板にしか適用することができない。
また、上記特許文献2に記載された方法は、前記無機膜の成膜に真空装置が必要であり、製造効率やコストの点で課題を有していた。
したがって、支持基板上に一旦固定した薄い樹脂フィルム基板の上にデバイスを形成した後、該デバイスへのダメージを与えることなく、前記樹脂フィルム基板と前記支持基板とを簡便に歩留まりよく剥離することができる方法が求められている。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、支持基板と樹脂フィルム基板との密着強度を制御することにより、前記樹脂フィルム基板上に形成されたデバイスの特性や歩留まりを低下させることなく、前記支持基板と前記フィルム基板とを簡便に剥離することができるフレキシブルデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るフレキシブルデバイスの製造方法は、支持基板上に熱可塑性フッ素樹脂を塗布成膜した後、該フッ素樹脂膜の表面エネルギーを大きくする物理的表面処理を行う第1工程と、該フッ素樹脂膜の上に絶縁性樹脂を成膜し、前記フッ素樹脂のガラス転移温度以上で加熱し、フッ素樹脂層及び絶縁性樹脂基板を形成する第2工程と、前記絶縁性樹脂基板上に薄膜トランジスタの集積回路を形成した後、前記支持基板から該絶縁性樹脂基板を剥離する又は他の基板に移し取る第3工程とを備えていることを特徴とする。
このような層構成とすることにより、支持基板と絶縁性樹脂基板との密着強度を制御し、デバイスの特性や歩留まりを低下させることなく、デバイス形成後に前記絶縁性樹脂基板を前記支持基板から容易に剥離することが可能となる。
前記物理的表面処理は、酸素プラズマ処理、窒素プラズマ処理、アルゴンプラズマ処理及び反応性イオンエッチングのうちのいずれかであることが好ましい。
上記処理方法は、塗布成膜によって形成されたフッ素樹脂膜の表面エネルギーを大きくし、その上に成膜される絶縁性樹脂との密着性を高める上で好適である。
また、前記支持基板から剥離された絶縁性樹脂基板は、前記フッ素樹脂層を含み、前記絶縁性樹脂基板及び前記フッ素樹脂層の総厚さが200μm以下のフレキシブル基板であることが好ましい。
このようなフレキシブル基板であれば、絶縁性を保持しつつ、十分な強度が得られる。
さらに、前記熱可塑性フッ素樹脂としては、サイトップ(登録商標)又はテフロン(登録商標)が好適に用いられる。
また、前記絶縁性樹脂は、耐熱性や柔軟性等の観点から、ポリイミドであることが好ましい。
本発明によれば、支持基板と絶縁性樹脂基板(樹脂フィルム基板)の密着強度の変化を抑制することができ、前記絶縁性樹脂基板上に形成されたデバイスの特性や歩留まりを低下させることなく、前記支持基板と前記絶縁性樹脂基板とを簡便に剥離することができる。
本発明に係る製造方法は、特に、前記絶縁性樹脂基板が厚さ数μm程度と極薄である場合や、前記支持基板と前記絶縁性樹脂基板の密着強度が大きくなりやすい250℃以上の高温プロセスを経る場合にも有効である。
したがって、本発明に係る製造方法を用いることにより、フレキシブルデバイスを簡便に製造することが可能となる。
実施例における基板サンプルの断面構造の概略図である。 実施例における比較サンプルの断面構造の概略図である。 実施例における基板サンプルと比較サンプルの密着強度と焼成温度(ポリイミド硬化温度)の関係を示したグラフである。 実施例1の有機薄膜トランジスタの断面構造の概略図である。 比較例1の有機薄膜トランジスタの断面構造の概略図である。 実施例1のポリイミド層の剥離前後の電気特性(ドレイン電流−ゲート電圧)を示したグラフである。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係るフレキシブルデバイスの製造方法は、支持基板上に熱可塑性フッ素樹脂を塗布成膜した後、該フッ素樹脂膜の表面エネルギーを大きくする物理的表面処理を行う第1工程と、該フッ素樹脂膜の上に絶縁性樹脂を成膜し、前記フッ素樹脂のガラス転移温度以上で加熱し、フッ素樹脂層及び絶縁性樹脂基板を形成する第2工程と、前記絶縁性樹脂基板上に薄膜トランジスタの集積回路を形成した後、前記支持基板から該絶縁性樹脂基板を剥離する又は他の基板に移し取る第3工程とを経るものである。
このように、本発明においては、支持基板上に形成された絶縁性樹脂基板上に、デバイスを形成する際、前記支持基板と前記絶縁性樹脂基板との間にフッ素樹脂層を挿入しておくことにより、前記支持基板と前記絶縁性樹脂基板との密着強度を制御し、デバイスの特性や歩留まりを低下させることなく、デバイス形成後に前記支持基板から前記絶縁性樹脂基板を簡便に剥離することができる。
まず、第1工程においては、支持基板上にフッ素樹脂膜を形成する。このフッ素樹脂膜は、熱可塑性フッ素樹脂を塗布成膜することにより形成される。
熱可塑性フッ素樹脂は、耐熱性が高く、支持基板への密着性が弱いため、前記支持基板と前記絶縁性樹脂基板との間にフッ素樹脂層を挿入することにより、前記支持基板と前記絶縁性樹脂基板との密着強度をほぼ一定に保つことが可能となり、前記支持基板の材質や加熱プロセスによる前記密着強度の変化も抑制される。このため、前記フッ素樹脂層は、デバイス形成プロセス後、良好な剥離層として機能する。
前記熱可塑性フッ素樹脂としては、具体的には、サイトップ(登録商標;旭ガラス株式会社)、テフロン(登録商標;デュポン株式会社)を好適に用いることができる。
前記フッ素樹脂膜の厚さは、前記支持基板と前記絶縁性樹脂基板との間をあけて密着強度を制御し、かつ、デバイス形成時には、前記支持基板と前記絶縁性樹脂基板とが固定される程度の密着性が必要であることを考慮して、100nm〜2μm程度であることが好ましい。
また、前記支持基板の材質は、その上に前記熱可塑性フッ素樹脂を塗布成膜可能であれば、特に限定されるものではなく、ガラス、金属、耐熱性樹脂等を用いることができる。
前記フッ素樹脂膜形成後の物理的表面処理は、塗布成膜によって形成されたフッ素樹脂膜の表面エネルギーを大きくし、その上に成膜される絶縁性樹脂の成膜性を高めるために施されるものである。具体的な処理方法は、特に限定されるものではないが、酸素プラズマ処理、窒素プラズマ処理、アルゴンプラズマ処理、反応性イオンエッチング等が好適に適用される。
次に、第2工程においては、フッ素樹脂層及び絶縁性樹脂基板を形成する。具体的には、前記物理的表面処理を施したフッ素樹脂膜の上に絶縁性樹脂を成膜し、これに、前記フッ素樹脂のガラス転移温度以上での加熱処理を施すことにより形成される。フッ素樹脂のガラス転移温度以上で加熱処理することにより、フッ素樹脂層と絶縁性樹脂基板との界面が融着し、両者は強固に密着する。
前記絶縁性樹脂としては、基板としての強度が得られるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン(BCB)樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられるが、耐熱性や柔軟性等の観点から、ポリイミドが好適に用いられる。
また、前記絶縁性樹脂の成膜方法も、特に限定されるものではなく、スピンコートやスプレーコート、バーコート等の塗布成膜法や化学的気相成長法(CVD法)等を用いることができる。
そして、第3工程においては、その上にデバイスを形成した絶縁性樹脂基板を前記支持基板から剥離する。具体的には、前記絶縁性樹脂基板上に薄膜トランジスタの集積回路を形成した後、前記支持基板から該絶縁性樹脂基板を剥離する又は他の基板に移し取る。
前記絶縁性樹脂基板は、デバイス形成における加熱プロセスによって絶縁性樹脂の硬化が進行した場合であっても、フッ素樹脂層を介して支持基板上に積層されていることにより、破損することなく、また、デバイス特性を低下させることなく、前記支持基板から容易に剥離することができる。
前記薄膜トランジスタは、無機系でも有機系でもよいが、本発明は、前記絶縁性樹脂基板を250℃以上の高温プロセスを行った後でも歩留まりよく、前記支持基板から剥離することができるため、特に、高温プロセスを要する無機系の薄膜トランジスタの製造プロセスに好適である。
上記のようにして剥離された絶縁性樹脂基板は、該絶縁性樹脂基板と前記フッ素樹脂層とが融着しているため、前記支持基板と前記フッ素樹脂層の界面で剥離が起こり、前記絶縁樹脂基板が必ずフッ素樹脂層を含んでいる構造となる。このような剥離された絶縁性樹脂基板表面は、撥水性の高いフッ素樹脂で、基板外面をコートされた状態となるため、該絶縁性樹脂基板の水分透過性やガス透過性が抑制され、水分やガスの透過によるデバイスの耐久性低下を抑制することができる。
剥離した後、その上にデバイスが形成された絶縁性樹脂基板は、必要に応じて、他の基板上に移し取ってもよい。
このようにして得られたフッ素樹脂層を含む前記絶縁性樹脂基板の総厚さは200μm以下であることが好ましい。前記絶縁性樹脂基板は、フレキシブルデバイスの基板となるものであることから、絶縁性を保持しつつ、フレキシブル基板としての強度を有するものとする観点から、前記厚さは200μm以下であることが好ましく、より好ましくは、50μm以下である。
上記のような本発明に係るフレキシブルデバイスの製造方法によれば、特に、前記絶縁性樹脂基板が厚さ数μm程度と極薄である場合や、絶縁性樹脂の硬化プロセスやデバイス形成プロセス等の加熱プロセスにおいて、前記支持基板と前記絶縁性樹脂基板の密着強度が大きくなりやすい250℃以上に高温加熱されるような場合にも、前記支持基板と前記絶縁性樹脂基板とを簡便に剥離することができ、前記絶縁性樹脂膜の破損やデバイス特性を招くことなく、良好なフレキシブルデバイスを得ることが可能となる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(基板サンプルの作製)
熱可塑性フッ素系樹脂(三井・デュポンフルオロケミカル株式会社 テフロン(登録商標)AF1600)をフッ素系溶剤(住友スリーエム株式会社 フロリナート(登録商標)FC−43)に濃度2.5wt%で溶解させた溶液を、10cm×10cmのガラス基板(コーニングインコーポレイティッド イーグルXG)上にスピンコート成膜した。なお、前記ガラス基板の4辺は、端部から5mm程度カプトンテープで覆った。
テフロン成膜後、カプトンテープを剥がし取り、このガラス基板を、ホットプレート上で150℃で1時間乾燥させた。成膜したテフロン層の膜厚は250nmであった。
次に、前記テフロン層表面に、酸素プラズマ処理を100Wで30秒間施した。
この基板上に、ポリイミドワニス(株式会社IST RC−5019)をスピンコート成膜し、段階的に昇温し、250℃(サンプル1)、275℃(サンプル2)、300℃(サンプル3)、325℃(サンプル4)、350℃(サンプル5)の最終温度で30分焼成してポリイミド層を形成し、5種類の基板サンプルを作製した。
図1に、前記基板サンプルの層構造を示す。ガラス基板1上に、テフロン層2、ポリイミド層3が順次積層されている。成膜したポリイミド層の膜厚は、いずれも、約20μmであった。
(比較サンプルの作製)
上記基板サンプル1〜5において、テフロン層を形成せずに、それ以外は基板サンプル1〜5と同様にして、ガラス基板上にポリイミド層を直接形成した各比較サンプルを作製した。比較サンプル1(焼成温度250℃)、比較サンプル2(同275℃)、比較サンプル3(同300℃)、比較サンプル4(同325℃)、比較サンプル5(同350℃)とした。
図2に、前記比較サンプルの層構造を示す。ガラス基板1上に、ポリイミド層3が積層されている。成膜したポリイミド層の膜厚は、いずれも、約10μmであった。
(密着強度の評価)
上記各基板サンプル及び比較サンプルについて、引っ張り試験機(日本電算シンポ株式会社 FGP−5)を用いて、ポリイミド層とガラス基板との密着強度を測定した。
図3に、これらの密着強度の測定値とポリイミドワニスの硬化温度(焼成温度)との関係をグラフにして示す。
図3から分かるように、テフロン層を導入した基板サンプル1〜5では、硬化温度を350℃まで上昇させても、密着強度の変化は抑制され、0.1N/mm前後の弱い密着強度が保持されることが認められた。
これに対して、テフロン層が形成されていない比較サンプル1〜5は、硬化温度の上昇に伴って密着強度が増加し、特に、使用したポリイミドワニスの硬化温度である275℃以上では、密着強度が急激に大きくなる傾向が見られた。硬化温度350℃では、ポリイミド層をガラス基板から剥離することができなかった。
これらの結果から、ポリイミド層とガラス基板との間にテフロン層を導入することにより、ポリイミドの硬化温度によらず、ポリイミド層とガラス基板との密着強度の変化を抑制することが可能であることが認められた。
[実施例1]
上記において作製した基板サンプル3上に有機薄膜トランジスタを作製した。そのデバイス構造を図4に示す。
ポリイミド層3の上に、メタルマスクを通して真空蒸着により、膜厚50nmのアルミニウムによるゲート電極4を形成した。
その上に、ポリビニルフェノール(PVP)とメラミン樹脂を混合した熱架橋性樹脂をスピンコート成膜した後、ホットプレート上で150℃で1時間焼成し、ゲート絶縁層5を形成した。前記ゲート絶縁層の膜厚は310nmであった。
次に、金電極膜を基板全面に真空蒸着した後、フォトリソグラフィ及びウェットエッチング法により、ソース・ドレイン電極6,7をパターン形成した。
最後に、有機半導体層8としてペンタセンを真空蒸着により成膜した。
[比較例1]
上記において作製した比較サンプル3上に、実施例1と同様の方法で、有機薄膜トランジスタを作製した。
作製した有機薄膜トランジスタのデバイス構造を図5に示す。
(デバイス特性評価)
上記実施例1及び比較例1で作製した有機薄膜トランジスタについて、ガラス基板からポリイミド層を剥離する前後のデバイス特性評価を行った。
図6に、デバイス特性評価として、各有機薄膜トランジスタについてのドレイン電流−ゲート電圧曲線を示す。
実施例1で作製した有機薄膜トランジスタにおいては、ガラス基板からポリイミド層を剥離する際、ポリイミド層を破損したり、デバイスを破壊したりすることなく行うことができた。また、図6に示したように、剥離する前後でのデバイス特性に大きな変化は見られなかった。
一方、比較例1で作製した有機薄膜トランジスタは、ガラス基板とポリイミド層との密着強度が強く、剥離する際にポリイミド層が破損し、デバイス特性を測定することができなかった。
なお、比較例1においては、ソース・ドレイン電極を形成するフォトリソグラフィ後のガラス基板とポリイミド層の密着強度は、フォトリソグラフィ前の密着強度の2倍になっており、デバイス形成工程の進行に伴い、密着強度が大きくなる傾向が見られた。これは、溶媒への浸漬や洗浄、加熱乾燥プロセス等によって、ポリイミド基板の硬化や収縮が進んだためと考えられる。
上記の結果から、ガラス基板とポリイミド層との間にテフロン層が導入されていることにより、ポリイミド層を破損することなく、かつ、デバイスへのダメージが抑制され、高い歩留まりでガラス基板からフィルム基板を剥離することができることが認められた。
可能であると言える。
[実施例2]
基板サンプル3において、使用するガラス基板を青板ガラス基板とし、それ以外は実施例1と同様にして、図4に示すようなデバイス構造の有機薄膜トランジスタを作製した。
[比較例2]
比較サンプル3において、使用するガラス基板を青板ガラス基板とし、それ以外は比較例1と同様にして、図5に示すようなデバイス構造の有機薄膜トランジスタを作製した。
実施例2においては、実施例1の場合と同様に、ガラス基板からポリイミド層を剥離する際、ポリイミド層を破損したり、デバイスを破壊したりすることなく行うことができた。
一方、比較例2においては、ガラス基板とポリイミド層との密着強度が小さく、デバイス形成プロセス中に、ポリイミド層がガラス基板から剥離してしまった。
このことから、ガラス基板とポリイミド層との密着強度は、使用するガラス基板の組成によっても大きく変化するが、両者間にテフロン層を導入することにより、ガラス基板の組成によらずに、ほぼ一定の密着強度とすることができることが認められた。
1 ガラス基板
2 テフロン層
3 ポリイミド層
4 ゲート電極
5 ゲート絶縁層
6 ソース電極
7 ドレイン電極
8 有機半導体層

Claims (5)

  1. 支持基板上に熱可塑性フッ素樹脂を塗布成膜した後、該フッ素樹脂膜の表面エネルギーを大きくする物理的表面処理を行う第1工程と、
    該フッ素樹脂膜の上に絶縁性樹脂を成膜し、前記フッ素樹脂のガラス転移温度以上で加熱し、フッ素樹脂層及び絶縁性樹脂基板を形成する第2工程と、
    前記絶縁性樹脂基板上に薄膜トランジスタの集積回路を形成した後、前記支持基板から該絶縁性樹脂基板を剥離する又は他の基板に移し取る第3工程
    とを備えていることを特徴とするフレキシブルデバイスの製造方法。
  2. 前記物理的表面処理が、酸素プラズマ処理、窒素プラズマ処理、アルゴンプラズマ処理及び反応性イオンエッチングのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルデバイスの製造方法。
  3. 前記支持基板から剥離された絶縁性樹脂基板は、前記フッ素樹脂層を含み、前記絶縁性樹脂基板及び前記フッ素樹脂層の総厚さが200μm以下のフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブルデバイスの製造方法。
  4. 絶縁性樹脂基板上に、薄膜トランジスタの集積回路が形成されたフレキシブルデバイスであって、
    前記絶縁性樹脂基板は、その外面にフッ素樹脂層を含むことを特徴とするフレキシブルデバイス。
  5. 前記フッ素樹脂層を含む絶縁性樹脂基板の総厚さが200μm以下である、請求項に記載のフレキシブルデバイス。
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