JP6355184B1 - 精製マグネシウム塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
実際は、金属マグネシウムは高価であるため、下記式のようにスポンジチタン製造工程の副産物として得られた無水塩化マグネシウムがチタンメーカーより市販されている
TiCl4+2Mg→Ti+2MgCl2
この製法で製造された塩化マグネシウムは、出発原料の純度が高いので、特段の精製工程を経ることなく、溶解及びろ過後の再結晶だけで医薬品用途の純度を満たすことができる。
最も良く知られている方法であり、海水からイオン交換により食塩を採取する過程の副産物として塩化マグネシウム水和物(にがり(苦汁))を得る。主に豆腐凝固剤等の食品添加物、土壌肥料等の用途で使用されることが多い。純度が高いものは水溶液を煮詰めて塩化マグネシウムよりも溶解度の小さい不純物を先に析出させてこれを除去する方法が知られている。
天然鉱石を除けば、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムは合成される際に、海水由来の不純物の大半を取り込まずに得られる(既に精製工程を経ている)。また、副塩が水又は二酸化炭素ガスとして空気中に離脱するので、この方法では比較的純度の高い塩化マグネシウムが得られる。このため、当然ながら塩化マグネシウムの純度は、出発原料の純度に左右されることになる。類似する方法として、アルカリ金属の塩化物又はアルカリ土類金属の塩化物の溶融塩を原料として用いる方法(特許文献1)等が知られている。
例えば塩化マグネシウム水溶液を原料として塩基性塩化マグネシウムを製造する方法(特許文献2)等が知られている。
MgCl2+Ca(OH)2→Mg(OH)2+CaCl2
によって、水酸化マグネシウムが合成される。炭酸マグネシウムの製造は、この水酸化マグネシウムに二酸化炭素を吹き込むことによって製造される。大規模工場では、石灰石から生石灰への焼成工程で発生する二酸化炭素を有効利用し、コスト削減を図っているが、不純物の傾向は炭酸マグネシウムも水酸化マグネシウムも大きく変わらない。
1. 塩化マグネシウム水溶液を製造する方法であって、
(1)不溶性マグネシウム化合物系原料と塩化水素を反応させるに際し、前記原料中に含まれるMg2+イオン1モルに対して2nモル(但し、nは0.00<n≦0.98を満たす。)の塩化水素を反応させることにより反応生成物を得る反応工程、
(2)反応系中に存在する不溶性マグネシウム化合物を含むスラッジを除去することにより塩化マグネシウム水溶液を得る分離工程
を含むことを特徴とする塩化マグネシウム水溶液の製造方法。
2. 塩化マグネシウム水溶液に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が10ppm以下であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が100ppm以下である、前記項1に記載の製造方法。
3. 前記nが0.50≦n≦0.98である、前記項1に記載の製造方法。
4. 不溶性マグネシウム化合物系原料中に含まれるマグネシウム含有量(Mgとしての含有量)が24〜60重量%(乾燥物換算)である、前記項1に記載の製造方法。
5. 不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が160ppm以上であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が160ppm以上である、前記項1に記載の製造方法。
6. 不溶性マグネシウム化合物系原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、カルシウム重量(Caとして)の割合が含有量2000重量ppm以下、硫酸塩重量(SO4として)の割合が含有量2000重量ppm以下である、前記項5に記載の製造方法。
7. 塩化マグネシウム水溶液の濃度が10重量%以上である、前記項1に記載の製造方法。
8. 反応工程に先立って、不溶性マグネシウム化合物系原料の水洗処理を含む洗浄工程をさらに含む、前記項1に記載の製造方法。
9. 洗浄工程は、
(a)不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液を固液分離する工程を含む第1工程、
(b)第1工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液がpH12〜14となるまでアルカリを添加及び混合し、加熱した後に固液分離して得られた固形分を水で洗浄する工程を含む第2工程
を含む、前記項8に記載の製造方法。
10. 洗浄工程を経た後の不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が2000ppm以下であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が2000ppm以下である、前記項8又は9に記載の製造方法。
11. 洗浄工程を経る前の不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が160ppm以上、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が160ppm以上、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が3000ppm以上であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が10000ppm以上である、前記項8又は9に記載の製造方法。
12. 反応工程において、液相中に塩化アルミニウムを添加する工程をさらに含む、前記項1に記載の製造方法。
13. 高純度塩化マグネシウムを製造する方法であって、
(1)不溶性マグネシウム化合物系原料と塩化水素を反応させるに際し、前記原料中に含まれるMg2+イオン1モルに対して2nモル(但し、nは0.00<n≦0.98を満たす。)の塩化水素を反応させることにより反応生成物を得る反応工程、
(2)反応系中に存在する不溶性マグネシウム化合物を含むスラッジを除去することにより塩化マグネシウム水溶液を得る分離工程、
(3)前記水溶液から塩化マグネシウムを再結晶化させる再結晶化工程
を含むことを特徴とする高純度塩化マグネシウムの製造方法。
14. 再結晶化工程において、塩化マグネシウム水溶液を濃縮し、再結晶化させる、前記項13に記載の製造方法。
15. 塩化マグネシウム水溶液に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が10ppm以下であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が50ppm以下である、前記項13に記載の製造方法。
16. 前記nが0.50≦n≦0.98である、前記項13に記載の製造方法。
17. 不溶性マグネシウム化合物系原料中に含まれるマグネシウム含有量(Mgとしての含有量)が24〜60重量%(乾燥物換算)である、前記項13に記載の製造方法。
18. 不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が160ppm以上であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が160ppm以上である、前記項13に記載の製造方法。
19. 不溶性マグネシウム化合物系原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、カルシウム重量(Caとして)の割合が含有量2000重量ppm以下、硫酸塩重量(SO4として)の割合が含有量2000重量ppm以下である、前記項18に記載の製造方法。
20. 塩化マグネシウム水溶液の濃度が10重量%以上である、前記項13に記載の製造方法。
21. 反応工程に先立って、不溶性マグネシウム化合物系原料の水洗処理を含む洗浄工程をさらに含む、前記項13に記載の製造方法。
22. 洗浄工程は、
(a)不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液を固液分離する工程を含む第1工程、
(b)第1工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液がpH12〜14となるまでアルカリを添加及び混合し、加熱した後に固液分離して得られた固形分を水で洗浄する工程を含む第2工程
を含む、前記項21に記載の製造方法。
23. 洗浄工程を経た後の不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が2000ppm以下であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が2000ppm以下である、前記項21又は22に記載の製造方法。
24. 洗浄工程を経る前の不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が160ppm以上であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が160ppm以上であり、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が3000ppm以上であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が10000ppm以上である、前記項21又は22に記載の製造方法。
25. 反応工程において、液相中に塩化アルミニウムを添加する工程をさらに含む、前記項13に記載の製造方法。
26. 高純度塩化マグネシウムを製造する方法であって、
(A)マグネシウム含有量(Mgとしての含有量)が24〜60重量%(乾燥物換算)であり、マグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が160ppm以上であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が160ppm以上であり、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が3000ppm以上であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が10000ppm以上である不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液を固液分離する工程を含む水洗工程、
(B)水洗工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液がpH12〜14となるまでアルカリを添加及び混合し、加熱した後に固液分離する工程を含むアルカリ洗浄工程
(C)マグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が2000ppm以下であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が2000ppm以下であるアルカリ洗浄工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料と塩化水素を反応させるに際し、前記原料中に含まれるMg2+イオン1モルに対して2nモル(但し、nは0.00<n≦0.98を満たす。)の塩化水素を反応させることにより反応生成物を得る反応工程、
(D)反応系中に存在する不溶性マグネシウム化合物を含むスラッジを除去することによりマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が10ppm以下であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が100ppm以下である塩化マグネシウム水溶液を得る分離工程、
(E)前記水溶液から塩化マグネシウムを再結晶化させる工程
を含むことを特徴とする高純度塩化マグネシウムの製造方法。
本発明の塩化マグネシウム水溶液の製造方法(第1方法)は、
(1)不溶性マグネシウム化合物系原料と塩化水素を反応させるに際し、前記原料中に含まれるMg2+イオン1モルに対して2nモル(但し、nは0.00<n≦0.98を満たす。)の塩化水素を反応させることにより反応生成物を得る反応工程、
(2)反応系中に存在する不溶性マグネシウム化合物を含むスラッジを除去することにより塩化マグネシウム水溶液を得る分離工程
を含むことを特徴とする。
第1方法で用いる不溶性マグネシウム化合物系原料自体は、特に限定されず、公知又は市販のものを使用することもできる。また、公知の製造方法で得られたものを使用することもできる。
本発明では、不溶性マグネシウム化合物系原料を反応工程に供するが、反応工程に先立って予め不溶性マグネシウム化合物系原料に対して洗浄工程を実施することが好ましい。洗浄工程によって、不溶性マグネシウム化合物系原料中に含まれる不純物(特にカルシウム、硫酸塩等)の一部又は全部を除去することができるので、より高純度の水溶液、ひいては高純度塩化マグネシウムをより確実に提供することが可能となる。
(a)不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液を固液分離する工程を含む第1工程、
(b)第1工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液がpH12〜14となるまでアルカリを添加及び混合し、加熱した後に固液分離して得られた固形分を水で洗浄する工程を含む第2工程
を含む洗浄工程を行うことが好ましい。
第1工程は、不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液を固液分離する工程を含む。第1工程では、主として水可溶性の不純物(例えばカルシウムイオン、硫酸イオン等)を除去することができる。
第2工程は、前記の第1工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液がpH12〜14となるまでアルカリを添加及び混合し、加熱した後に固液分離して得られた固形分を水で洗浄する工程を含む。
反応工程では、不溶性マグネシウム化合物系原料と塩化水素を反応させるに際し、前記原料中に含まれるMg2+イオン1モルに対して2nモル(但し、nは0.00<n≦0.98を満たす。)の塩化水素を反応させることにより反応生成物を得る。
MgOR+2n(HCl)→ nMgCl2+(1−n)MgOR+副生成物
[式中、MgORは、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、塩基性炭酸マグネシウム(aMgCO3・Mg(OH)2・nH2O(aは3〜5))及びマグネサイト(MgCO3)のいずれか1つを示し、nは0.00<n≦0.98を満たし、副生成物は、水(H2O)及び/又は二酸化炭素(CO2)である。]
分離工程では、反応系中に存在する不溶性マグネシウム化合物を含むスラッジを除去することにより塩化マグネシウム水溶液を得る。
本発明の高純度塩化マグネシウムの製造方法(第2方法)は、
(1)不溶性マグネシウム化合物系原料と塩化水素を反応させるに際し、前記原料中に含まれるMg2+イオン1モルに対して2nモル(但し、nは0.00<n≦0.98を満たす。)の塩化水素を反応させることにより反応生成物を得る反応工程、
(2)反応系中に存在する不溶性マグネシウム化合物を含むスラッジを除去することにより塩化マグネシウム水溶液を得る分離工程、
(3)前記水溶液から塩化マグネシウムを再結晶化させる再結晶化工程
を含むことを特徴とする。
第2方法で用いる不溶性マグネシウム化合物系原料自体は、特に限定されず、公知又は市販のものを使用することもできる。また、公知の製造方法で得られたものを使用することもできる。
本発明では、不溶性マグネシウム化合物系原料を反応工程に供するが、反応工程に先立って予め不溶性マグネシウム化合物系原料に対して洗浄工程を実施することが好ましい。洗浄工程によって、不溶性マグネシウム化合物系原料中に含まれる不純物(特にカルシウム、硫酸塩等)の一部又は全部を除去することができるので、より高純度の水溶液、ひいては高純度塩化マグネシウムをより確実に提供することが可能となる。
(a)不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液を固液分離する工程を含む第1工程、
(b)第1工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液がpH12〜14となるまでアルカリを添加及び混合し、加熱した後に固液分離して得られた固形分を水で洗浄する工程を含む第2工程
を含む洗浄工程を行うことが好ましい。
第1工程は、不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液を固液分離する工程を含む。第1工程では、主として水可溶性の不純物(例えばカルシウムイオン、硫酸イオン等)を除去することができる。
第2工程は、前記の第1工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液がpH12〜14となるまでアルカリを添加及び混合し、加熱した後に固形分を水で洗浄する工程を含む。
反応工程では、不溶性マグネシウム化合物系原料と塩化水素を反応させるに際し、前記原料中に含まれるMg2+イオン1モルに対して2nモル(但し、nは0.00<n≦0.98を満たす。)の塩化水素を反応させることにより反応生成物を得る。
MgOR+2n(HCl)→ nMgCl2+(1−n)MgOR+副生成物
[式中、MgORは、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、塩基性炭酸マグネシウム(aMgCO3・Mg(OH)2・nH2O(aは3〜5))及びマグネサイト(MgCO3)のいずれか1つを示し、nは0<n≦0.98を満たし、副生成物は、水(H2O)及び/又は二酸化炭素(CO2)である。]
分離工程では、反応系中に存在する不溶性マグネシウム化合物を含むスラッジを除去することにより塩化マグネシウム水溶液を得る。
再結晶化工程では、前記水溶液から塩化マグネシウムを再結晶化させる。特に、塩化マグネシウムを食品添加物、医薬用途等に使用する場合、その性状を結晶水と結合した固形物(通常は6水和物相当)として製品化する必要がある。
本発明の製造方法で得られる塩化マグネシウムは、通常は塩化マグネシウム水和物の結晶粒子からなる粒状の形態を有する。粒状である場合、その平均粒径は通常200〜800μm程度とすることができるが、これに限定されない。
(1)カルシウム試験方法
原子吸光;検量線法で測定した。カルシウム標準液は0mg/L、0.5mg/L、1.0mg/Lを調製し、同範囲になるよう試料濃度を調整して行なった。なお、不溶性試料は、当量の塩酸に溶解した。
表1に示した公定書収載の試験方法は限度内試験であり、数値の比較評価がわかりにくい。このため、本実施例及び比較例においては、標準液の希釈系列を作り、濁度を分光光度計波長610nmとして測定した。その数値より検量線を作成し、これを用いて測定値を数値結果として表した。
<調製試薬>
a)硫酸水溶液:濃硫酸50mgを水1Lで希釈した(調製方法EPに準じる)
b)塩化バリウム二水和物溶解液:塩化バリウム二水和物250gを水に溶かして1Lとした。
c)酢酸試液:酢酸30gを水で希釈し全量を100mLとした。
<試料液調製>
(サンプル液)
目盛付試験管に塩化マグネシウム中の硫酸イオン濃度に応じた液量(基準液の範囲)と上記c)液0.5mLとを混合して全量を10mLとした。
(基準液)
目盛付試験管3本にそれぞれ上記a)液を0mL(空)、1mL及び2mLと上記c)液0.5mLとを混合して全量を10mLとした。
<測定>
試料液及び基準液に上記a)液及び上記b)液の混合液(体積比1:3)を2mLそれぞれ加え振り混ぜた。15〜20分後、吸光度(白濁)を分光光度計波長610nmで測定した。測定吸光度数値は、エクセルで検量線数式により換算し、数値を求めた
局外規塩化マグネシウム水和物試験方法に準じて行うが、硫酸塩と同様に限度内試験であり、数値を比較評価させるため、標準液の希釈系列を作成し、分光光度計OD490の吸光度を測定後、検量線を作成し、これを用いて測定値を数値結果として示した。
USP「Magnesium Chloride」Aluminiumの試験方法に準じて行うが、試料量は、不純物数値に応じて調整する(フレームレス原子吸光検量線法)。
局外規塩化マグネシウム水和物試験方法に準じて実施した。
不溶性マグネシウム化合物が酸化マグネシウムの場合は、USP「Magnesium Oxide」の含量試験方法に準じて行うが、前処理の強熱処理を行わずに試験を行い、有姿としての含量を求めた。
また、水酸化マグネシウムの場合は、USP「Magnesium Hydroxide」の含量試験方法に準じて行うが、前処理の乾燥処理を行わずに試験を行い、有姿としての含量を求めた。前記有姿としての含量を算出した後、下記の式に従ってマグネシウム含有量(乾燥物換算)を求めた。
マグネシウム含有量(乾燥物換算)(%)=有姿としての含量(%)÷(100−乾燥減量(試料1g、105℃・2時間後の減少量)(%))×100
富田製薬(株)製USP重質酸化マグネシウム粉末100g(マグネシウム含量58.4%)の1L水懸濁液をブフナー漏斗で吸引ろ過(ろ紙No.131,アドバンテック社製,直径150mm)を行い、ろ紙上のケーキを1Lの水で4回洗浄した(合計4L)。4回目の洗浄液は、100mLサンプリングし、8mol/L水酸化カリウム水溶液5mLを添加した後、NN指示薬を加えた。その結果、洗浄液は青色を呈していたことから、カルシウムイオンの溶出洗浄が終了していることを確認した。
富田製薬(株)製USP重質酸化マグネシウム粉末(マグネシウム含量乾燥物として59%)及び富田製薬(株)製USP重質水酸化マグネシウム粉末(マグネシウム含量乾燥物として40.4%)を配合、あるいは単独粉末として計量し、それぞれがマグネシウムとして60gに相当する重量分を粉末試料とした。
実施例12で使用したものと同じ富田製薬(株)製USP重質酸化マグネシウム粉末500gを計量し、これを水5Lに懸濁した。次に、得られた水懸濁液をブフナー漏斗で吸引ろ過(ろ紙No.131,アドバンテック社製,直径300mm)を行い、ろ紙上のケーキを5Lの水で4回洗浄(合計20L)した。4回目の洗浄液は100mLサンプリングし、8mol/L水酸化カリウム水溶液5mLを添加した後、NN指示薬を加えたところ、洗浄液は青色を呈していた。このことから、カルシウムイオンの溶出洗浄が終了していることを確認した。
実施例13で使用したものと同じ原料、同じ配合比で富田製薬(株)製USP重質酸化マグネシウム粉末415g及び富田製薬(株)製USP重質水酸化マグネシウム粉末135gを計量し、これを水5Lに懸濁した。次に、得られた水懸濁液をブフナー漏斗で吸引ろ過(ろ紙No.131,アドバンテック社製,直径300mm)を行い、ろ紙上のケーキを5Lの水で4回洗浄(合計20L)した。4回目の洗浄液は100mLサンプリングし、8mol/L水酸化カリウム水溶液5mLを添加した後、NN指示薬を加えたところ、洗浄液は青色に変化した。このことから、カルシウムイオンの溶出洗浄が終了していることを確認した。
富田製薬(株)製USP重質酸化マグネシウム粉末を550g計量し、これを水5Lに懸濁した。次に、懸濁液をブフナー漏斗で吸引ろ過(ろ紙No.131,アドバンテック社製,直径300mm)を行い、ろ紙上のケーキを5Lの水で4回洗浄(合計20L)した。4回目の洗浄液は100mLサンプリングし、8mol/L水酸化カリウム水溶液5mLを添加した後、NN指示薬を加えたところ、洗浄液は青色を呈していた。このことより、カルシウムイオンの溶出洗浄が終了していることを確認した。ろ紙上のケーキを全量水で洗いこんで、懸濁し、送液量2600gの懸濁液を得た。
実施例20で別途回収した懸濁液1544g(Mgとして152.7g;6.281mol)を3Lホーロー容器に移し、ポリプロピレン製シートで容器上面を覆い、撹拌しながら合成塩酸1257g(東亜合成(株)製 含量;HClとして35.70%、448.7g)を計量し、1時間かけて滴下投入し、反応懸濁液2664gを得た。なお、本反応に使用した塩酸使用量はn=0.98に相当するものであった。
富田製薬社製USP重質酸化マグネシウム粉末300gを3Lホーロー容器に入れ、水で懸濁し、全量を1870g(Mgとして176.0g;7.240mol)とした。ポリプロピレンシートで容器上面を覆い、撹拌しながら合成塩酸1483g(東亜合成(株)製,HCl含量として35.70%、529.4g、14.52mol)を1時間かけて加え溶解させた。なお、本反応に使用した塩酸使用量はn=1.0に相当するものであった。
Claims (26)
- 塩化マグネシウム水溶液を製造する方法であって、
(1)不溶性マグネシウム化合物系原料と塩化水素を反応させるに際し、前記原料中に含まれるMg2+イオン1モルに対して2nモル(但し、nは0.00<n≦0.98を満たす。)の塩化水素を反応させることにより反応生成物を得る反応工程、
(2)反応系中に存在する不溶性マグネシウム化合物を含むスラッジを除去することにより塩化マグネシウム水溶液を得る分離工程
を含むことを特徴とする塩化マグネシウム水溶液の製造方法。 - 塩化マグネシウム水溶液に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が10ppm以下であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が100ppm以下である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記nが0.50≦n≦0.98である、請求項1に記載の製造方法。
- 不溶性マグネシウム化合物系原料中に含まれるマグネシウム含有量(Mgとしての含有量)が24〜60重量%(乾燥物換算)である、請求項1に記載の製造方法。
- 不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が160ppm以上であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が160ppm以上である、請求項1に記載の製造方法。
- 不溶性マグネシウム化合物系原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、カルシウム重量(Caとして)の割合が含有量2000重量ppm以下、硫酸塩重量(SO4として)の割合が含有量2000重量ppm以下である、請求項5に記載の製造方法。
- 塩化マグネシウム水溶液の濃度が10重量%以上である、請求項1に記載の製造方法。
- 反応工程に先立って、不溶性マグネシウム化合物系原料の水洗処理を含む洗浄工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
- 洗浄工程は、
(a)不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液を固液分離する工程を含む第1工程、
(b)第1工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液がpH12〜14となるまでアルカリを添加及び混合し、加熱した後に固液分離して得られた固形分を水で洗浄する工程を含む第2工程
を含む、請求項8に記載の製造方法。 - 洗浄工程を経た後の不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が2000ppm以下であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が2000ppm以下である、請求項8又は9に記載の製造方法。
- 洗浄工程を経る前の不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が160ppm以上、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が160ppm以上、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が3000ppm以上であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が10000ppm以上である、請求項8又は9に記載の製造方法。
- 反応工程において、液相中に塩化アルミニウムを添加する工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
- 高純度塩化マグネシウムを製造する方法であって、
(1)不溶性マグネシウム化合物系原料と塩化水素を反応させるに際し、前記原料中に含まれるMg2+イオン1モルに対して2nモル(但し、nは0.00<n≦0.98を満たす。)の塩化水素を反応させることにより反応生成物を得る反応工程、
(2)反応系中に存在する不溶性マグネシウム化合物を含むスラッジを除去することにより塩化マグネシウム水溶液を得る分離工程、
(3)前記水溶液から塩化マグネシウムを再結晶化させる再結晶化工程
を含むことを特徴とする高純度塩化マグネシウムの製造方法。 - 再結晶化工程において、塩化マグネシウム水溶液を濃縮し、再結晶化させる、請求項13に記載の製造方法。
- 塩化マグネシウム水溶液に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が10ppm以下であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が100ppm以下である、請求項13に記載の製造方法。
- 前記nが0.50≦n≦0.98である、請求項13に記載の製造方法。
- 不溶性マグネシウム化合物系原料中に含まれるマグネシウム含有量(Mgとしての含有量)が24〜60重量%(乾燥物換算)である、請求項13に記載の製造方法。
- 不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が160ppm以上であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が160ppm以上である、請求項13に記載の製造方法。
- 不溶性マグネシウム化合物系原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、カルシウム重量(Caとして)の割合が含有量2000重量ppm以下、硫酸塩重量(SO4として)の割合が含有量2000重量ppm以下である、請求項18に記載の製造方法。
- 塩化マグネシウム水溶液の濃度が10重量%以上である、請求項13に記載の製造方法。
- 反応工程に先立って、不溶性マグネシウム化合物系原料の水洗処理を含む洗浄工程をさらに含む、請求項13に記載の製造方法。
- 洗浄工程は、
(a)不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液を固液分離する工程を含む第1工程、
(b)第1工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液がpH12〜14となるまでアルカリを添加及び混合し、加熱した後に固液分離して得られた固形分を水で洗浄する工程を含む第2工程
を含む、請求項21に記載の製造方法。 - 洗浄工程を経た後の不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が2000ppm以下であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が2000ppm以下である、請求項21又は22に記載の製造方法。
- 洗浄工程を経る前の不溶性マグネシウム化合物系原料は、当該原料中に含まれるマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が160ppm以上であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が160ppm以上であり、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が3000ppm以上であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が10000ppm以上である、請求項21又は22に記載の製造方法。
- 反応工程において、液相中に塩化アルミニウムを添加する工程をさらに含む、請求項13に記載の製造方法。
- 高純度塩化マグネシウムを製造する方法であって、
(A)マグネシウム含有量(Mgとしての含有量)が24〜60重量%(乾燥物換算)であり、マグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が160ppm以上であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が160ppm以上であり、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が3000ppm以上であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が10000ppm以上である不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液を固液分離する工程を含む水洗工程、
(B)水洗工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料の水懸濁液を調製し、当該水懸濁液がpH12〜14となるまでアルカリを添加及び混合し、加熱した後に固液分離する工程を含むアルカリ洗浄工程
(C)マグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、カルシウム重量(Caとしての重量)の割合が2000ppm以下であり、硫酸塩重量(SO4としての重量)の割合が2000ppm以下であるアルカリ洗浄工程を経た不溶性マグネシウム化合物系原料と塩化水素を反応させるに際し、前記原料中に含まれるMg2+イオン1モルに対して2nモル(但し、nは0.00<n≦0.98を満たす。)の塩化水素を反応させることにより反応生成物を得る反応工程、
(D)反応系中に存在する不溶性マグネシウム化合物を含むスラッジを除去することによりマグネシウム重量(Mgとしての重量)に対し、鉄重量(Feとしての重量)の割合が10ppm以下であり、アルミニウム重量(Alとしての重量)の割合が100ppm以下である塩化マグネシウム水溶液を得る分離工程、
(E)前記水溶液から塩化マグネシウムを再結晶化させる工程
を含むことを特徴とする高純度塩化マグネシウムの製造方法。
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