JP6354351B2 - 十字軸式自在継手用軸受カップ及びその製造方法、並びに、十字軸式自在継手 - Google Patents

十字軸式自在継手用軸受カップ及びその製造方法、並びに、十字軸式自在継手 Download PDF

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Description

この発明は、例えば自動車用ステアリング装置を構成する回転軸同士をトルク伝達可能に接続する為の十字軸式自在継手(カルダンジョイント)を構成する軸受カップ及び十字軸式自在継手の改良に関する。
自動車のステアリング装置は、図6に示す様に構成している。運転者が操作するステアリングホイール1の動きは、ステアリングシャフト2、自在継手3a、中間シャフト4、別の自在継手3bを介して、ステアリングギヤユニット5の入力軸6に伝達される。そして、このステアリングギヤユニット5に内蔵したラックアンドピニオン機構により左右1対のタイロッド7、7を押し引きし、左右1対の操舵輪に、前記ステアリングホイール1の操作量に応じた、適切な舵角を付与する様に構成している。
図7は、上述の様なステアリング装置に組み込む中間シャフト4の構造の1例を示している。図示の例の場合、この中間シャフト4を、衝突事故の際に前記ステアリングホイール1が運転者側に突き上げられる事を防止する為に、伸縮式としている。前記中間シャフト4は、先端部(図7の左端部)外周面に雄スプライン部8を設けたインナシャフト9と、内周面にこの雄スプライン部8を挿入可能な雌スプライン部10を形成した円管状のアウタチューブ11とから成る。そして、これら雄スプライン部8と雌スプライン部10とをスプライン係合する事で、前記インナシャフト9と前記アウタチューブ11とを、伸縮自在に組み合わせている。又、これらインナシャフト9とアウタチューブ11との基端部に、それぞれ自在継手3a、3bを構成する一方のヨーク12、12の基端部を溶接固定している。
図8〜9は、前記両自在継手3a、3bとして使用可能な、従来から知られている自在継手の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。尚、図8〜9に示した構造は、振動の伝達を防止する、所謂防振継手であるが、本発明の対象となる自在継手は、必ずしも防振構造を具備する必要はない。そこで、以下の説明は防振構造を省略して、自在継手3の本体部分の構造に就いて説明する。
この自在継手3は、十分な剛性を有する金属材によりそれぞれが二又状に形成された1対のヨーク12a、12bを、軸受鋼の如き合金鋼等の硬質金属により造られた十字軸13を介して、トルク伝達自在に結合して成る。前記両ヨーク12a、12bはそれぞれ、基部14、14と、これら両ヨーク12a、12b毎に1対ずつの結合腕部15、15とを備える。これら両基部14、14は、回転軸である、インナシャフト9若しくはアウタチューブ11の基端部(或いは、ステアリングシャフト2の前端部若しくは入力軸6の後端部、図6参照)をトルクの伝達を自在に支持固定する。又、前記各結合腕部15、15の先端にそれぞれ円孔16、16を、前記両ヨーク12a、12b毎に互いに同心に形成している。そして、これら各円孔16、16に、やはり軸受鋼、肌焼鋼等の硬質金属製の板材により有底円筒状に造られた軸受カップ17、17を、互いの開口を対向させた状態で、締り嵌めにより内嵌固定している。又、前記十字軸13は、1対の柱部の中間部同士を互いに直交させた如き形状を有し、それぞれが円柱状である、4箇所の軸部18、18を有する。即ち、中心部に設けた結合基部19の円周方向等間隔4箇所位置に(隣り合う軸部18、18の中心軸同士が互いに直交する状態で)、それぞれこれら各軸部18、18の基端部を結合固定している。これら各軸部18、18の中心軸は、同一平面上に存在する。
この様な軸部18、18の軸方向中間部乃至先端部は、前記各軸受カップ17、17内に挿入している(押し込んでいる)。そして、これら各軸受カップ17、17の内周面と前記各軸部18、18の先半部外周面との間に、それぞれが転動体である複数個のニードル20、20を配置してラジアル軸受21、21を構成し、前記十字軸13に対して前記両ヨーク12a、12bが、軽い力で揺動変位する様にしている。この様に構成する為、これら両ヨーク12a、12bの中心軸同士が一致しない状態でも、これら両ヨーク12a、12bの間での回転力の伝達を、伝達ロスを抑えた状態で行える。
図10は、自在継手の従来構造の第2例を示している。この従来構造の第2例の場合には、各軸受カップ17aを構成する底板部22の内面中央部に、十字軸13を構成する各軸部18の先端面に向けて突出する、円すい台形状の凸部23を設けている。そして、自在継手を組み立てた状態で、これら各凸部23の先端面を前記各軸部18の先端面中央部に当接させている(突き当てている)。但し、この様な従来構造の第2例の場合、十字軸13に対する1対のヨーク12のがたつきを抑えつつ、自在継手3の耐久性の確保、及び、この十字軸13を構成する各軸部18に対する前記両ヨーク12の回転抵抗(揺動抵抗)の増大防止を図る面からは、改良の余地がある。
即ち、前記各軸部18の前記各軸受カップ17a内への挿入量(押し込み量)が十分でない場合には、前記十字軸13と前記両ヨーク12との間でがたつきが生じる。これに対し、前記各軸部18の前記各軸受カップ17a内への挿入量を大きくして、これら各軸部18の先端面に対する前記各凸部23の締め代を大きくすれば、前記十字軸13に対する前記両ヨーク12のがたつきを抑える事ができる。しかしながら、単に前記各締め代を大きくすると、前記各軸部18に対する前記両ヨーク12の回転抵抗が増大すると共に、前記各底板部22に大きな引っ張り応力が発生する可能性がある。この様な大きな引っ張り応力が繰り返し加わると、前記各軸受カップ17aに亀裂等の損傷が発生する等して、これら各軸受カップ17a、延いては、前記自在継手3の耐久性が損なわれる可能性がある。従って、前記がたつきを抑えつつ、この自在継手3の耐久性の確保及び前記両ヨーク12の回転抵抗の増大防止を図る為には、前記各凸部23を精度よく形成すると共に、前記十字軸13と前記両ヨーク12との組み付け精度(軸部18の軸受カップ17a内への挿入位置精度)を高くする必要があり、前記自在継手3の製造コストが増大する。
図11は、特許文献2に記載された、従来構造の第3例を示している。この従来構造の第3例の場合には、各軸受カップ17bを構成する円筒部24の軸方向一端(円孔16内への組み付け状態で結合腕部15の外側面側の端)を塞ぐ底板部22aのうち、十字軸13を構成する各軸部18の先端面に対向する部分(外周縁部を除いた部分)を、これら各軸部18の先端面に向けて押し込む事により、当該部分にカップ側凸部25を設けている。更に、これら各カップ側凸部25の内面中央部に、前記各軸部18の先端面に向けて更に突出する円環状凸部26を形成している。そして、自在継手を組み立てた状態で、前記各軸部18の先端面中央部に設けた軸部側凸部27と、前記各円環状凸部26とを係合させている。この様な構造により、自在継手の組立作業時に、前記各軸受カップ17b内に前記各軸部18を強く押し込み過ぎた場合には、図11の(B)に示す様に、前記各カップ側凸部25の内面外径寄り部分と前記各軸部18の先端面外径寄り部分を当接させる事で、これら各底板部22aの弾性変形量を制限して、これら各底板部22aに大きな引っ張り応力が発生しない様にしている。
上述の様な従来構造の第3例の場合、前記各底板部22aの弾性変形量を制限する事により、これら各底板部22aに大きな引っ張り応力が発生し難くする事はできる。但し、前記各軸受カップ17bの押し込み量が過大になった場合に、前記各軸部18の先端面に対して、前記各カップ側凸部25の内面外径寄り部分を当接させる為、前記各底板部22aの内面と前記各軸部18の先端面との摺接部の摩擦モーメントが大きくなり、自在継手のトルク損失が大きくなり易い。
一方、前述の図10に示した従来構造の第2例に於いて、軸受カップを構成する板材の板厚を薄くし、底板部を撓み易くする事で、十字軸の軸部をこの軸受カップ内に過大に押し込み過ぎた場合でも、前記底板部の凸部の先端面とこの軸部の先端面との面圧を適切な大きさに調整できる様にする事も考えられる。但し、この様に、前記板材の板厚を薄くした場合、前記軸受カップを、この板材にプレス加工を施して造る際に形状が崩れたり、転動体が転がり接触する円筒部や、この円筒部と前記底板部との連続部である隅部の強度及び剛性を十分に確保する事が難しくなったりする可能性がある。
特開2010−181016号公報 特開2001−146924号公報 特開2006−250197号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、十字軸に対する1対のヨークのがたつきを抑えつつ、自在継手の耐久性の確保、及び、この十字軸を構成する各軸部に対する前記両ヨークの回転抵抗の増大防止を図れる、十字軸式自在継手用軸受カップ、及び、この十字軸式自在継手用軸受カップを組み込んだ十字軸式自在継手の構造を実現すべく発明したものである。
本発明の十字軸式自在継手用軸受カップ及び十字軸式自在継手のうち、十字軸式自在継手用軸受カップは、円筒部と、この円筒部の軸方向一端を塞ぎ、内面中央部に軸方向他方に突出した凸部が設けられた底板部とを備える。そして、前記円筒部をヨークに形成した円孔に内嵌固定し、前記凸部の先端面に、十字軸を構成する軸部の先端面を突き当てる(当接させる)と共に、前記軸部の端部を前記円筒部の内側に回転可能に支持した状態で使用する。
特に、本発明の十字軸式自在継手用軸受カップに於いては、前記底板部の内面を、前記凸部が設けられた部分を除き、前記円筒部の中心軸に直交する平坦面とし、前記底板部の外面中央部に、軸方向他方に凹んだ凹み部が形成されており、この底板部の外面のうち、この凹み部を囲む部分であって、前記軸部の先端面と軸方向に重畳する径方向中間部に軸方向他方に凹んだ環状の凹溝である凹部を設け、前記底板部の板厚を、この凹部を設けた部分で残りの部分よりも薄くしている。これにより、この底板部のうち、この凹部を設けた部分の剛性を低くして、この底板部を撓み易くしている(軸方向に弾性変形し易くしている)。
上述の様な本発明の十字軸式自在継手用軸受カップを実施する場合には、前記凹部を、円環状や矩形環状等の環状の1乃至複数(同心上の)凹溝とする
又、本発明の十字軸式自在継手は、1対のヨークと、十字軸と、4個の軸受カップとを備える。
このうちのヨークは、回転軸の端部を結合固定する基部と、この基部の軸方向一端縁のうちで、この回転軸の直径方向反対側2箇所位置から軸方向に延出した1対の結合腕部と、これら両結合腕部の先端部に互いに同心に形成された1対の円孔とを備える。
又、前記十字軸は、結合基部の外周面に4本の軸部を放射状に固設して成る。
又、前記各ラジアル軸受は、前記各円孔の内側に内嵌固定された軸受カップを有し、内側に前記各軸部を回転可能に支持する。この様なラジアル軸受として、例えば、各軸受カップの内周面と各軸部の外周面との間に、ニードル等の複数の転動体を配置したラジアル転がり軸受を使用する事ができる。或いは、各軸受カップの内周面と各軸部の外周面との間に、低摩擦材製で円筒状のスリーブを組み付けたり、これら両周面同士を直接滑り接触させたラジアル滑り軸受を使用する事もできる。
特に、本発明の十字軸式自在継手に於いては、前記各軸受カップを、上述した様な本発明の十字軸式自在継手用軸受カップとする。
上述の様に構成する本発明の十字軸式自在継手用軸受カップ及び十字軸式自在継手によれば、十字軸に対する1対のヨークのがたつきを抑えつつ、自在継手の耐久性の確保、及び、この十字軸を構成する各軸部に対する前記両ヨークの回転抵抗の増大防止を図れる。
即ち、本発明の場合、軸受カップを構成する底板部に凹部を設ける事により、この底板部を撓み易くしている。従って、前記十字軸に対する前記両ヨークのがたつきを抑えるべく、前記各軸部の前記各軸受カップ内への挿入量(押し込み量)を大きくした場合でも、前記底板部の内面中央部に設けた凸部の先端面と、前記各軸部の先端面との当接圧を適切な大きさ(範囲)に調整する事ができる。この為、これら各軸部に対する前記両ヨークの回転抵抗が過度に大きくなる事を防止できる。又、前記各底板部に大きな引っ張り応力が発生するのを防止できる為、前記各軸受カップの損傷を防止できて、自在継手の耐久性を確保できる。
本発明に関連する参考例の第1例を示す、自在継手の部分切断側面図。 軸受カップとニードルとを取り出して示す断面図(a)と、(a)の下方から見た状態を示す端面図(b)。 軸受カップの底板部が弾性変形する状態を説明する為の断面図。 本発明に関連する参考例の第2〜3例を示す、軸受カップとニードルとを取り出して示す断面図(a)と、ニードルを省略して示す(a)のX−X断面図(b)。 本発明の実施の形態の1例を、軸受カップとニードルとを取り出して示す断面図(a)と、(a)の上方から見た状態を示す端面図(b)。 従来から知られているステアリング装置の1例を示す要部斜視図。 中間シャフトを取り出して示す部分切断側面図。 従来から知られている自在継手の第1例を示す、部分切断側面図。 一部を省略して示す、図8の拡大Y−Y断面図。 従来から知られている自在継手の第2例を示す、部分切断側面図。 同第3例に関し、過大荷重が加わらない状態(A)と加わった状態(B)とを示す、部分拡大断面図。
参考例の第1例]
図1〜3は、本発明に関連する参考例の第1例を示している。尚、本参考例を含め、本発明の特徴は、軸受カップ17cを構成する底板部22bを、軸方向に撓み易くした(軸方向に弾性変形し易くした)点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図6〜10に示した構造を含め、従来から知られている構造と同様であるから、重複する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本参考例の特徴部分、及び、先に説明しなかった部分を中心に説明する。
本参考例の自在継手3cは、十字軸13を構成する軸部18、18を、1対のヨーク12を構成する結合腕部15、15の先端部に設けた円孔16、16に、ラジアル軸受21a、21aを介して回転自在に支持している。これら各ラジアル軸受21a、21aはそれぞれ、1個の軸受カップ17cと、それぞれが転動体である複数本のニードル20、20とを備える。このうちの軸受カップ17cは、軸受鋼、肌焼鋼等の硬質金属製の板材に、プレス加工による打ち抜き加工や曲げ加工を施して成るもので、円筒部24aと、底板部22bと、内向鍔部28とを備える。このうちの底板部22bは、円板状で、この円筒部24aの軸方向一端(円孔16内への組み付け状態で結合腕部15の外側面側の端)全体を塞ぐ。本参考例の場合、前記底板部22bの内面中央部に、軸方向他端側(円孔16内への組み付け状態で、結合腕部15の内側面側)に向けて突出する凸部23aを形成している。尚、図示の例の場合、この凸部23aの先端面を平坦面としているが、この先端面を部分球面状とする事もできる。又、この凸部23aの突出量は、後述する様に、前記軸部18の前記軸受カップ17c内への押し込みに伴って前記底板部22bが撓んだ場合にも、この底板部22bの内面外径寄り部分と前記軸部18の先端面外径寄り部分とが当接しない(凸部23aの先端面が常に当接する)範囲で適宜定める。更に、本参考例の場合には、前記底板部22bの内面のうち、前記凸部23aを囲む部分に円環状凹溝29を形成し、前記底板部22bの板厚を、この円環状凹溝29を設けた部分で残りの部分よりも薄くしている(底板部22bの板厚を、円環状凹溝29を設けた部分で残りの部分の1/3〜2/3程度としている)。これにより、前記底板部22bのうち、この円環状凹溝29を設けた部分の剛性を低くして、この底板部22bを撓み易くしている{軸方向(底板部22bの厚さ方向)に弾性変形し易くしている}。尚、図示の例の場合、前記円環状凹溝29の断面形状を半円形としているが、この断面形状を矩形や三角形等にする事もできる。又、前記円環状凹溝29の深さ及び幅は、前記底板部22bに要求される可撓性(撓み易さ)に応じて、この底板部22bの強度及び剛性を確保できる範囲で適切に定める。何れにしても、この様な円環状凹溝29は、前記硬質金属製の板材にプレス加工を施して前記軸受カップ17cを造る際に、このプレス加工に用いる金型に円環状の突条部を設けておき、前記底板部22b(となるべき部分)にこの突条部の形状を転写する事により設けられる。又、前記内向鍔部28は、前記円筒部24aの軸方向他端側から径方向内方に折れ曲がった状態で設けられている。又、前記各ニードル20、20は、前記軸受カップ17cの円筒部24aの内周面と、前記各軸部18、18の先半部外周面との間に、回転自在に配置されている。
上述の様な本参考例の自在継手3cは、次の様にして組み立てる。先ず、前記十字軸13の軸部18、18を、前記両ヨーク12の結合腕部15、15の先端部に設けた円孔16、16の内側に挿入する。次に、前記各軸受カップ17c、17cの円筒部24a、24aの内周面に沿って前記各ニードル20、20を配置する。この状態で、これら各軸受カップ17c、17cを前記各円孔16、16に、前記各結合腕部15、15の外側から圧入する事で、前記各軸受カップ17c、17c内(前記各ニードル20、20の内側)に前記各軸部18、18を挿入する。そして、前記各円筒部24a、24aを前記各円孔16、16に内嵌固定すると共に、前記各底板部22b、22bの凸部23a、23aの先端部を前記各軸部18、18の先端面に当接させる(突き当てる)。尚、前記各軸受カップ17c、17c内に前記各ニードル20、20を配置した後、前記円筒部24a、24aの軸方向他端縁部を径方向内方に折り曲げ、前記各軸受カップ17c、17cの開口部に前記各内向鍔部28、28を形成する事で、前記各ニードル20、20の脱落を防止しておく。そして、前記各軸部18、18と前記各結合腕部15、15との間に、前記各ラジアル軸受21a、21aを設けて、前記自在継手3cを得る。
上述の様な本参考例の自在継手3cによれば、十字軸13に対する1対のヨーク12のがたつきを抑えつつ、この自在継手3cの耐久性の確保、及び、前記十字軸13を構成する各軸部18、18に対する前記両ヨーク12の回転抵抗の増大防止を図れる。
即ち、本参考例の場合、軸受カップ17c、17cを構成する底板部22b、22bの内面のうち、中央部に形成した凸部23a、23aを囲む部分に円環状凹溝29、29を設ける事で、前記各底板部22b、22bを撓み易くしている。従って、前記十字軸13に対する前記両ヨーク12のがたつきを抑えるべく、前記各軸部18、18の前記各軸受カップ17c、17c内への挿入量(押し込み量)を大きくした場合でも、前記各凸部23a、23aの先端面と前記各軸部18、18の先端面との当接圧を適切な大きさ(範囲)に調整する事ができる。この為、これら各軸部18、18に対する前記両ヨーク12の回転抵抗が過度に大きくなる事を防止できると共に、前記各底板部22b、22bに大きな引っ張り応力が発生するのを防止できて、前記各軸受カップ17c、17c、延いては、前記自在継手3cの耐久性を十分に確保する事ができる。更に、本参考例の場合には、長期間の使用に伴い、前記各凸部23a、23aの先端面や前記各軸部18、18の先端面が摩耗したり、前記各軸受カップ17c、17cがクリープ変形して(軸受カップ17c、17cの歪みが増大して)、これら各凸部23a、23aの先端面と各軸部18、18の先端面との当接圧が小さくなる傾向になった場合には、前記各底板部22b、22bが弾性的に復元して、この当接圧が適切な大きさに維持される。この面からも、前記自在継手3cの耐久性確保を図れる。尚、本参考例の場合には、前記各軸受カップ17c、17cを構成する板材のうち、前記各円環状凹溝29、29を設けた部分以外の部分に就いては、板厚を十分に確保する事ができる。従って、前記板材にプレス加工を施して前記各軸受カップ17c、17cを造る際に形状が崩れたり、前記各ニードル20、20が転がり接触する円筒部24aや、これら各円筒部24aと前記各底板部22bとの連続部である隅部の強度及び剛性を十分に確保すると言った問題が生じる事はない。
又、本参考例の場合、前記各底板部22b、22bを撓ませる事で、前記各凸部23a、23aの先端面と前記各軸部18、18の先端面との当接圧を調整できる為、前記十字軸13と前記両ヨーク12との組み付け精度(軸受カップ17c、17c内への軸部18、18の挿入位置精度)を過度に高くする必要がない。この為、前記自在継手3cの製造コストが徒に増大する事を抑えられる。又、前記各円環状凹溝29、29は、硬質金属製の板材にプレス加工を施す事で前記各軸受カップ17c、17cとする際に、金型に設けた円環状の突条部の形状を前記各底板部22b、22b(となるべき部分)に転写する事で、前記各板材を曲げ成形するのと同時に形成する事ができる。この面からも前記自在継手3cの製造コストの増大を抑える事ができる。但し、前記各円環状凹溝29、29は、前記各底板部22b、22b(となるべき部分)に切削加工を施す事で設けても良い。又、前記各円環状凹溝29、29に、固体潤滑剤やグリースを保持させても良い。
参考例の第2〜3例]
図4は、本発明に関連する参考例の第2〜3例を示している。これら両例の自在継手を構成する軸受カップ17d、17eの場合、底板部22c、22dの内面のうち、中央部に設けた凸部23aの周囲の円周方向複数箇所に凹部30a、30bを等間隔に設けている。即ち、図4の(A)に示した第2例の場合には、底板部22cの内面のうち、凸部23aの周囲の円周方向6箇所位置に、円形の凹部30a、30aを設けている。一方、図4の(B)に示した第3例の場合には、底板部22dの内面のうち、凸部23aの周囲の円周方向8箇所位置に、直線状の凹部30b、30bを放射方向に設けている。
その他の部分の構成及び作用は、上述した参考例の第1例と同様である。
[実施の形態の例]
図5は、本発明の実施の形態の例を示している。本例の自在継手を構成する軸受カップ17fの場合、底板部22eの外面のうち、凸部23aを内面中央部に形成する事に伴ってこの底板部22eの外面中央部に形成された凹み部31を囲む部分に、円環状凹溝29aを設けている。
その他の部分の構成及び作用は、前述した参考例の第1例と同様である。
上述した参考例の各例及び実施の形態の例の場合、ヨークの円孔と十字軸の軸部との間に設けるラジアル軸受を、ラジアルニードル軸受としている。但し、このラジアル軸受を、前記軸部の外周面と、前記円孔に内嵌固定した軸受カップの内周面との間に複数個の球を配置して成る、ラジアル玉軸受等の他種のラジアル転がり軸受とする事もできる。又、合成樹脂、含油メタル等の低摩擦材を円筒状に形成したスリーブを前記両周面同士の間に配置したり、これら両周面同士を直接滑り接触させたりする事で、ラジアル滑り軸受としても良い。更には、本発明に係る自在継手を自動車用ステアリング装置に組み込む場合に於いて、この自在継手を車室外に設置する場合には、十字軸の軸部の基端部と、軸受カップの開口縁部との間にシールリングを設ける事もできる。又、十字軸の軸部と、軸受カップの底板部の内面中央部に設けた凸部とは、前述の図8〜9に示した従来構造の第2例の様に、軸部18、18の先端面中央部に設けた挿入孔32、32に挿入したピン33、33を介して突き当てたり、特許文献3に示す様なスラストピースを介して突き当てる事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3、3a〜3c 自在継手
4 中間シャフト
5 ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7 タイロッド
8 雄スプライン部
9 インナシャフト
10 雌スプライン部
11 アウタチューブ
12、12a、12b ヨーク
13 十字軸
14 基部
15 結合腕部
16 円孔
17、17a〜17f 軸受カップ
18 軸部
19 結合基部
20 ニードル
21 ラジアル軸受
22、22a〜22e 底板部
23、23a 凸部
24、24a 円筒部
25 カップ側凸部
26 円環状凸部
27 軸部側凸部
28 内向鍔部
29、29a 円環状凹溝
30a、30b 凹部
31 凹み部
32 挿入孔
33 ピン

Claims (3)

  1. 円筒部と、
    この円筒部の軸方向一端を塞ぎ、内面中央部に軸方向他方に突出した凸部が設けられた底板部とを備え、
    前記円筒部をヨークに形成した円孔に内嵌固定し、前記凸部の先端面に、十字軸を構成する軸部の先端面を突き当てると共に、この軸部の端部を前記円筒部の内側に回転可能に支持した状態で使用する十字軸式自在継手用軸受カップに於いて、
    前記底板部の内面は、前記凸部が設けられた部分を除き、前記円筒部の中心軸に直交する平坦面であり、前記底板部の外面中央部に、軸方向他方に凹んだ凹み部が形成されており、この底板部の外面のうち、この凹み部を囲む部分であって、前記軸部の先端面と軸方向に重畳する径方向中間部に軸方向他方に凹んだ環状の凹溝である凹部を設け、前記底板部の板厚を、この凹部を設けた部分で残りの部分よりも薄くしている事を特徴とする十字軸式自在継手用軸受カップ。
  2. 回転軸の端部を結合固定する基部と、この基部の軸方向一端縁のうちで、この回転軸の直径方向反対側2箇所位置から軸方向に延出した1対の結合腕部と、これら両結合腕部の先端部に互いに同心に形成された1対の円孔とを有する1対のヨークと、
    結合基部の外周面に4本の軸部を放射状に固設して成る十字軸と、
    前記各円孔の内側に内嵌固定された軸受カップを有し、内側に前記各軸部を回転可能に支持する4個のラジアル軸受と
    を備える十字軸式自在継手に於いて、
    前記各軸受カップが、請求項1に記載した十字軸式自在継手用軸受カップである事を特徴とする十字軸式自在継手。
  3. 請求項1に記載した十字軸式自在継手用軸受カップの製造方法であって、
    前記凹溝をプレス加工により形成する事を特徴とする十字軸式自在継手用軸受カップの製造方法。
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