JP6111599B2 - 十字軸式自在継手、ステアリング装置及び自動車 - Google Patents

十字軸式自在継手、ステアリング装置及び自動車 Download PDF

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Description

この発明は、例えばステアリングシャフトの動きをステアリングギヤに伝達する為、自動車のステアリング装置に組み込んだ状態で使用する十字軸式自在継手の改良に関する。具体的には、部品点数を抑えつつトルク損失を小さく抑えられる構造で、且つ、十字軸式自在継手を構成する1対のヨーク同士の間に過大な荷重が加わった場合にも、構成部品に亀裂等の損傷を発生し難くできる構造を実現するものである。
自動車のステアリング装置は、例えば特許文献1の図8に記載されている如く、図4に示す様に構成している。運転者が操作するステアリングホイール1の動きは、ステアリングシャフト2、自在継手3a、中間シャフト4、別の自在継手3bを介して、ステアリングギヤユニット5の入力軸6に伝達される。そして、このステアリングギヤユニット5に内蔵したラック&ピニオン機構により左右1対のタイロッド7、7を押し引きし、左右1対の操舵輪(一般的には前輪)に、前記ステアリングホイール1の操作量に応じて、適切な舵角を付与する様に構成している。
この様なステアリング装置に組み込む自在継手として一般的には、カルダン継手と呼ばれる十字軸継手が、広く使用されている。図5〜6は、前記特許文献1の図9〜10に記載される等により、従来から広く知られている自在継手の第1例を示している。尚、図5〜6に示した構造は、振動の伝達を防止する、所謂防振継手であるが、本発明の対象となる自在継手は、必ずしも防振構造を具備する必要はない。そこで、以下の説明は、防振構造に就いては省略して、自在継手3の本体部分の構造に就いて行う。
この自在継手3は、十分な剛性を有する金属材によりそれぞれが二又状に形成された1対のヨーク8a、8bと、軸受鋼の如き合金鋼等の硬質金属により造られた十字軸9とから構成される。これら両ヨーク8a、8bの両端部には、互いに同心の円孔10、10を形成している。そしてこれら各円孔10、10に、やはり軸受鋼、肌焼鋼等の硬質金属製の板材により有底円筒状に造られた軸受カップ11、11を、互いの開口を対向させた状態で内嵌固定している。又、前記十字軸9は、1対の柱部の中間部同士を互いに直交させた如き形状を有し、それぞれが円柱状である、4箇所の軸部12、12を有する。即ち、中心部に設けた結合基部13の円周方向等間隔4箇所位置に、それぞれ前記各軸部12、12の基端部を結合固定している。これら各軸部12、12の中心軸は、同一平面上に存在する。
この様な各軸部12、12の軸方向中間部乃至先端部は、前記各軸受カップ11、11内に挿入している。そして、これら各軸受カップ11、11の内周面と前記各軸部12、12の先半部24の外周面との間に、それぞれ複数本のニードル14、14を組み込んでラジアルニードル軸受を構成し、前記十字軸9に対して前記両ヨーク8a、8bが、軽い力で揺動変位する様にしている。この様に構成する為、これら両ヨーク8a、8bの中心軸同士が一致しない状態でも、これら両ヨーク8a、8bの間で回転力の伝達を、伝達ロスを僅少に抑えた状態で行える。又、図5〜6に示した従来構造の第1例は、前記各軸受カップ11、11の底板部15の内面と前記各軸部12、12の先端部に形成した挿入孔16、16との間に合成樹脂製のピン17、17を、軸方向に弾性的に圧縮した状態で設けている。そして、前記両ヨーク8a、8bと前記十字軸9との間のがたつきを防止している。
又、前記特許文献1の図5及び特許文献2には、軸受カップ自身の弾性を利用する事により、上述の様なピン17、17を省略して、ヨークと十字軸との間のがたつきを抑える構造が記載されている。図7は、前記特許文献1の図5に記載された、従来構造の第2例を示している。この従来構造の第2例の場合には、各軸受カップ11aの底板部15aの内面中央部に、十字軸9を構成する各軸部12の先端面に向けて突出する、部分球面状の突部18を形成している。そして、自在継手を組み立てた状態で、これら各突部18の先端部を前記各軸部12の先端面に当接させている。この様な従来構造の第2例の場合には、上述した従来構造の第1例の様なピン17、17、及びこれら各ピン17、17を収納する為の挿入孔16、16を設ける必要がない分、低コスト化を図れる。
但し、上述の様な従来構造の第2例の場合も、前記各軸受カップ11aの損傷を防止して、自在継手の信頼性及び耐久性をより一層向上させる面からは、改良の余地がある。即ち、前記各軸受カップ11aを組み込んだ自在継手に加わる荷重が、通常運転時にステアリングホイール1からステアリングギヤユニット5の入力軸6に伝達するトルクに基づく程度の大きさであれば、特に問題を生じる事はない。これに対して、車両が極端な悪路を高速で走行したり、或いは、前輪を縁石に乗り上げる等により、ステアリングギヤユニット5や前記中間シャフト4を介して十字軸式自在継手に大きな衝撃荷重が加わると、前記各軸部12の先端面が前記突部18を強く押圧し、この突部18が押し潰される傾向になる。この結果、この突部18部分に大きな引っ張り応力が発生する。この様にして大きな引っ張り応力が繰り返し加わると、前記突部18を中心として、前記軸受カップ11aの底板部15aに、亀裂等の損傷が発生する可能性がある。
特許文献3には、合成樹脂製のピンを備えない構造で、自在継手の組立時に軸受カップに亀裂が発生するのを防止する構造が記載されている。図8は、前記特許文献3の図1に記載された、従来構造の第3例を示している。この従来構造の第3例の場合には、各軸受カップ11bの底板部15bの内面に、十字軸9を構成する各軸部12の先端面に向けて突出する円環状凸部19を形成している。そして、自在継手の組立作業時に、前記軸受カップ11b内に前記各軸部12を強く押し込み過ぎた場合には、図8の(B)に示す様に、底板部15bの内面外径寄り部分と前記各軸部12の先端面外径寄り部分を当接させる事により、前記底板部15bの弾性変形量を制限して、この底板部15bに亀裂が発生しない様にしている。
上述の様な従来構造の第3例の場合、前記底板部15bの弾性変形量を制限する事により、この底板部15bに亀裂が発生し難くはできる。但し、前記円環状凸部19の直径が或る程度大きい分、この底板部15bの内面と前記各軸部12の先端面との摺接部の摩擦モーメントが大きくなり、自在継手のトルク損失が大きくなり易い。
特開2010−181016号公報 特開2009−191976号公報 特開2001−146924号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、部品点数を抑えつつトルク損失を小さく抑えられる構造で、且つ、1対のヨーク同士の間に過大な荷重が加わった場合にも、各軸受カップに亀裂等の損傷を発生し難くできる十字軸式自在継手を実現すべく発明したものである。
本発明の十字軸式自在継手は、1対のヨークと、4個の円孔と、4個の軸受カップと、十字軸とを備える。
このうちの1対のヨークは、それぞれを二股状に形成している。
又、前記各円孔は、これら両ヨークの両端部に、互いに同心に形成している。
又、前記各軸受カップは、それぞれが円筒部の軸方向一端部を底板部により塞いで成る有底円筒状であり、互いの開口を対向させた状態で、前記各円孔の内側に内嵌固定している。
又、前記十字軸は、結合基部の外周面に4本の軸部を放射状に固設して成る。そして、これら各軸部を前記各軸受カップ内に挿入した状態で、前記両ヨークと組み合わせている。
更に、前記各軸部の先半部外周面と前記各軸受カップの内周面との間に、それぞれ複数本ずつのニードルを直接組み込んで、ラジアルニードル軸受を構成している。
特に、本発明の十字軸式自在継手に於いては、前記十字軸を構成する前記各軸部の平坦面状である先端面の中央部に凹部を直接設けている。
又、前記各軸受カップの底板部の内面中央部に、これら各軸部の先端面に向けて突出する突部を形成している。この突部として好ましくは、前記各軸受カップの中心軸上に曲率中心を有する、部分球状の突部とする。
更に、前記各円孔に対する前記各軸受カップの内嵌固定位置を規制する事により、前記各突部の先端部を前記各凹部の底面に弾性的に当接させると共に、前記各底板部の内面の外径寄り部分と前記各軸部の先端面の外径寄り部分との間に隙間を存在させている。
そして、これら各軸部の軸方向に関する、この隙間の厚さを、通常運転時に前記両ヨーク同士の間に加わる荷重によっては前記各底板部の内面及び前記各軸部の先端面の外径寄り部分同士を接触させず、通常運転時に加わる荷重を超えた大きさの荷重が前記両ヨーク同士の間に加わった場合に、前記両面の外径寄り部分同士を接触させる寸法としている。
又、本発明のステアリング装置は、運転者が操作するステアリングホイールの動きを操舵輪に伝達するもので、上述した様な構成を有する本発明の十字軸式自在継手を備えている。
更に、本発明の自動車は、上述した様な構成を有する本発明の十字軸式自在継手を備えている。
上述の様に構成する本発明によれば、部品点数を抑えつつトルク損失を小さく抑えられる構造で、且つ、1対のヨーク同士の間に過大な荷重が加わった場合にも、各軸受カップに亀裂等の損傷を発生し難くできる十字軸式自在継手を実現できる。
先ず、部品点数を抑えつつトルク損失を小さく抑える事は、各軸受カップの底板部の内面中央部に直接形成した各突部の先端を、各軸部の先端面中央部に弾性的に当接させる事により図れる。即ち、前述の図5〜6に示した従来構造の第1例の様なピン及び挿入孔が不要になる分、部品点数及び加工工数の低減を図れる。又、前記各突部の先端と前記各軸部の先端面との擦れ合い部の直径を小さくする事で、これら各軸部と前記各軸受カップとの相対変位に対する抵抗となる、摩擦モーメントを低く抑え、十字軸式自在継手の伝達効率を高くできる。
更に、前記各軸受カップの損傷防止は、前記各底板部の内面の外径寄り部分と前記各軸部の先端面の外径寄り部分との間に、適正寸法を有する隙間を介在させる事により図れる。即ち、十字軸式自在継手に大きな衝撃荷重が加わった場合には、前記各底板部の内面の外径寄り部分と前記各軸部の先端面の外径寄り部分とが接触し、この部分で、前記衝撃荷重の一部を支承する。この為、前記各突部に生じる引っ張り応力を低く抑えて、この突部を中心として亀裂等の損傷が発生し難くできる。
本発明の実施の形態の1例を示す、図6の上部に相当する部分を、ヨークを省略した状態で示す断面図。 本発明の作用・効果を説明する為、本発明構造(A)と従来構造(B)とを示す、図1の左上部に相当する断面図。 底板部の内面の外径寄り部分と軸部の先端面の外径寄り部分との間に存在する隙間の厚さと、この底板部の中央部に発生する応力の大きさとの関係を示す線図。 本発明の対象となる十字軸式自在継手を組み込んだステアリング装置の1例を示す斜視図。 従来から知られている自在継手の第1例を示す、部分切断側面図。 一部を省略して示す、図5の拡大X−X断面図。 従来から知られている自在継手の第2例を示す、図6のY−Y断面に相当する図。 同第3例を、過大荷重が加わらない状態(A)と加わった状態(B)とで示す、図1と同様の断面図。
図1は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、十字軸を構成する各軸部、及び、ラジアルニードル軸受を構成する各軸受カップの形状と、これら各軸部と各軸受カップとの位置関係を適切に規制して、過大荷重の作用に拘らず、これら各軸受カップの損傷を抑える点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述した従来から知られている十字軸式自在継手と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の十字軸式自在継手の場合には、十字軸9aを構成する各軸部12aの先端面20の中央部に凹部21を設けている。この凹部21は、これら各軸部12aの中心軸をその中心とする逆円すい台状で(開口部から底部に向けて内径が小さくなる形状を有し)、深さがhである。
又、各軸受カップ11cを構成する底板部15cの内面中央部に、前記各軸部12aの先端面20に向けて突出する、突部18aを形成している。この突部18aは、前記各軸受カップ11cの中心軸上に曲率中心を有する部分球状で、前記底板部15cの内面からの突出量である高さが、前記突部18aの自由状態で、Hである。この突部18aの自由状態での高さHは、前記凹部21の深さhよりも大きく(H>h)、又、この突部18aの外径Dは、前記凹部21の内径Rよりも小さい(D<R)。
前記各軸受カップ11cと前記各軸部12aとは、これら各軸部12aをこれら各軸受カップ11cに、複数本ずつのニードル14、14を介して挿入した状態で組み合わせる。この組み合わせ作業は、前記各軸受カップ11cを、各ヨーク8a、8bの円孔10、10(図5〜6参照)に、これら各ヨーク8a、8bの外側面から圧入しつつ行う。そして、組み合わせ完了後の状態で、前記各軸受カップ11c側の突部18aの先端部を、前記各軸部12aの先端面20に形成した、前記凹部21の底面中央部に、弾性的に当接させる(組み付け部に圧を付与する)。この状態で、前記突部18aは、高さをHまで弾性的に縮められた状態となる。この組み付け後(弾性圧縮後)の高さHに関しても、前記凹部21の深さhよりも大きい(H>h)。従って、前記各軸受カップ11cの底板部15cの内面23の外径寄り部分と、前記各軸部12aの先端面20の外径寄り部分との間に、これら各軸部12aの軸方向に関する厚さがδ(=H−h)である、隙間22が存在する状態となる。
この隙間22の厚さδは、通常運転時に前記両ヨーク8a、8b同士の間に加わる荷重によっては、前記両面20、23の外径寄り部分同士を接触させず、通常運転時に加わる荷重を超えた大きさの荷重が前記両ヨーク8a、8b同士の間に加わった場合に、前記両面20、23の外径寄り部分同士を接触させる寸法としている。そして、接触させた状態でも、前記突部18a部分に、亀裂に結び付く程に大きな応力が発生しない様にしている。例えば、一般的な乗用車用の操舵装置に組み込む十字軸式自在継手で、軸受カップ11cを焼き入れ鋼製とする事を考慮すれば、隙間22の厚さδを、0.05mm以下に抑える事が好ましい。この厚さδの下限値は特に定める必要はない。正の値である(0若しくは弾性的に当接している状態でない)限り、例えば0.01mm程度の値でも良い。但し、0.01mmよりも小さくする事は、量産時に前記厚さδを正の値に保つ事が難しくなるので、現実的ではない。
上述の様に構成する本例の構造によれば、部品点数を抑えつつトルク損失を小さく抑えられる構造で、且つ、前記両ヨーク8a、8b同士の間に過大な荷重が加わった場合にも、前記各軸受カップ11cに亀裂等の損傷を発生し難くできる十字軸式自在継手を実現できる。
先ず、部品点数を抑えつつトルク損失を小さく抑える事は、前記各軸受カップ11cを構成する底板部15cの内面23の中央部に直接形成した前記各突部18aの先端を、前記各軸部12aの先端面20に形成した、前記凹部21の底面の中央部に弾性的に当接させる事により図れる。即ち、ステアリング装置に組み込む十字軸式自在継手の場合、ステアリングホイール1(図4参照)を操作する運転者に違和感(がたつき感)を与えない様にすべく、前記各軸部12aの先端面20を弾性的に抑え付ける必要がある。本例の構造の場合には、前記各突部18aの先端をこの先端面20に弾性的に当接させる事により、前記がたつき感の発生を抑えているので、前述の図5〜6に示した従来構造の第1例の様なピン17、17及び挿入孔16、16(図6参照)が不要になる分、部品点数及び加工工数の低減を図れる。又、前記各突部18aの先端は、前記各軸部12aの先端面20の中央部に当接しており、十字軸式自在継手の運転時にこれら各軸部12aは、それぞれの中心軸周りに揺動変位する。従って、前記各突部18aの先端と前記各軸部12aの先端面20との擦れ合い部の直径は、極く小さく抑えられる。この為、これら各軸部12aと前記各軸受カップ11cとの相対変位に対する抵抗となる、摩擦モーメントを低く抑え、十字軸式自在継手の伝達効率を高くできる。
更に、前記各軸受カップ11cの損傷防止は、前記各底板部15cの内面23の外径寄り部分と前記各軸部12aの先端面20の外径寄り部分との間に、適正寸法を有する前記各隙間22を介在させる事により図れる。この点に就いて、図1に加えて図2を参照しつつ説明する。前記各突部18aの自由状態で高さH及び組み付け後の高さHは、上述した、がたつき感の発生を抑える為に、或る程度(例えば0.05〜0.2mm程度)必要である。前述の図7に示した従来構造の第2例の如く、図2の(B)に示す様に、各軸部12の先端面20aの中央部に凹部を設けず(この先端面20a全体を単なる平坦面のままとし)、各突部18の高さH、Hが、そのまま隙間22aの厚さになった場合、前述した様な悪路走行や縁石乗り上げにより、各軸部12と各軸受カップ11aとの間に、衝撃的に大きなスラスト荷重が加わった場合でも、前記隙間22aが残り、これら各軸受カップ11aを構成する底板部15aの内面23aの外径寄り部分と前記各軸部12の先端面20aの外径寄り部分とが当接する事はない。この状態では、前記スラスト荷重の殆どを、前記各突部18が支承する。この結果、これら各突部18部分に大きな応力が発生し、これら各突部18を中心に、前記軸受カップ11aの底板部15aに、亀裂等の損傷が発生する可能性を生じる。
これに対して本例の構造の場合には、前記各軸部12aの先端面20の中央部に前記各凹部21を形成している分、前記各突部18aの高さH、Hを確保しても、前記各先端面20の外径寄り部分と前記各底板部15cの内面23の外径寄り部分との間の隙間22の厚さδを小さくできる。この為、前記各軸部12aと前記各軸受カップ11cとの間に、前述した様な理由により、衝撃的に大きなスラスト荷重が加わると、図2の(A)に示す様に、前記隙間22の一部(外径寄り部分)が消滅し、前記各底板部15cの内面23の外径寄り部分と前記各軸部12aの先端面20の外径寄り部分とが当接する。そして、これら両面20、23の外径寄り部分同士の当接部で、前記スラスト荷重の一部を支承し、その分、前記各突部18aが支承する荷重を低く抑える。この為、これら各突部18aに生じる引っ張り応力を低く抑えて、この突部18aを中心として亀裂等の損傷が発生し難くできる。
図3は、前記隙間22、22aの大きさδが、前記各突部18、18aの外側表面の中心部に生じる応力の値に及ぼす影響を知る為に行ったシミュレーションの結果を示している。図3の横軸は各軸部12、12aと各軸受カップ11a、11cとの間に加わる荷重の大きさを、縦軸はこの荷重に基づいて前記各突部18、18aの中央部に生じる応力の大きさを、それぞれ表している。又、前記シミュレーションの前提として、軸受カップ11a、11cを構成する金属板を、JIG G 4051に規定された機械構造用炭素鋼で、軸受カップを造る為に一般的に使用する焼き入れ鋼であるS10Cとし、軸受カップ11a、11cの外径を16mmとし、突部18、18aの高さH、Hを、それぞれH=0.15mm、H=0.14mmとし、同じく外径Dを3.5mmとした。又、前記図3の実線aは、前記図2の(B)に示した様に、各軸部12の先端面20aの中央部に凹部21を設けない構造の場合を、破線bは、同図の(A)に示す様に、前記各軸部12aの先端面20の中央部に凹部21を設けて、外部から荷重が入力されない中立時に於ける隙間22の厚さδが0.1mmである場合を、鎖線cは同じく0.05mmである場合を、鎖線dは同じく0.02mmである場合を、それぞれ示している。本発明の構造によれば、前記各底板部15cの内面23の外径寄り部分と前記各軸部12aの先端面20の外径寄り部分とが当接するまでは、前記各突部18aに入力荷重に比例した応力が発生するが、これら両部分が当接した後の状態では、前記底板部15cの湾曲等の影響により、前記各突部18a部分に生じる応力は漸減する傾向になる。
上述の様なシミュレーションの結果から明らかな通り、本発明の様に、前記各軸部12aの先端面20の中央部に前記各凹部21を設けて前記隙間22の厚さδを小さく抑える事により、前記各突部18aの中央部に生じる応力の大きさを低く抑えられる。尚、前記S10Cに浸炭窒化処理を施したものの引っ張り強度は2000MPa程度であるから、前述の条件で本発明を実施する場合には、前記各突部18a部分から亀裂が発生するのを防止する効果を十分に確保する為に、前記隙間22の厚さδを、0.05mm以下に抑える事が好ましい。
本発明の十字軸式自在継手は、自動車のステアリング装置用以外の用途で実施する事も可能である。この場合には、用途に応じた材料、寸法で実施する。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3、3a、3b 自在継手
4 中間シャフト
5 ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7 タイロッド
8a、8b ヨーク
9、9a 十字軸
10 円孔
11、11a、11b、11c 軸受カップ
12、12a 軸部
13 結合基部
14 ニードル
15、15a、15b、15c 底板部
16 挿入孔
17 ピン
18、18a 突部
19 円環状凸部
20、20a 先端面
21 凹部
22、22a 隙間
23 内面
24 先半部

Claims (3)

  1. それぞれが二股状に形成された1対のヨークと、
    これら両ヨークの両端部に互いに同心に形成された4個の円孔と、
    互いの開口を対向させた状態でこれら各円孔の内側に内嵌固定された、それぞれが円筒部の軸方向一端部を底板部により塞いで成る有底円筒状の4個の軸受カップと、
    結合基部の外周面に4本の軸部を放射状に固設して成り、これら各軸部をこれら各軸受カップ内に挿入した状態で前記両ヨークと組み合わされた十字軸と、
    前記各軸部の先半部外周面と前記各軸受カップの内周面との間にそれぞれ直接組み込まれた複数本ずつのニードルを有する4組のラジアルニードル軸受と
    を備えた十字軸式自在継手に於いて、
    記各軸部の平坦面状である先端面の中央部に凹部を直接形成すると共に、前記各軸受カップの底板部の内面中央部に、前記各軸部の先端面に向けて突出する部分球状の突部を形成し、前記各円孔に対する前記各軸受カップの内嵌固定位置を規制する事により、これら各突部の先端部を前記各凹部の底面に弾性的に当接させると共に、前記各底板部の内面の外径寄り部分と前記各軸部の先端面の外径寄り部分との間に存在する隙間の、これら各軸部の軸方向に関する厚さを、通常運転時に前記両ヨーク同士の間に加わる荷重によっては前記各底板部の内面及び前記各軸部の先端面の外径寄り部分同士を接触させず、通常運転時に加わる荷重を超えた大きさの荷重が前記両ヨーク同士の間に加わった場合に、前記両面の外径寄り部分同士を接触させる寸法とした
    事を特徴とする十字軸式自在継手。
  2. 請求項1に記載した十字軸式自在継手を備えたステアリング装置。
  3. 請求項1に記載した十字軸式自在継手を備えた自動車。
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