JP6354212B2 - 電気推進装置の給電回路の保護方式 - Google Patents

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Description

この発明は、電気自動車や電気推進船舶などの電池を電源とする電気推進装置における給電回路を短絡電流等の過電流から保護するための保護方式に関する。
電池を電源とする電気推進装置における給電回路の保護装置としては、特許文献1に示すものが知られており、その構成を図11に示す。
図11の電気推進装置の給電回路は、電池Bpから推進電動機Mへの給電路および発電機Gから電池への充電路となる主給電回路MLと、電池Bpまたは発電機Gから電気推進装置に必要な多数の補機装置Sに給電するための補機給電回路ALで構成される。
主給電回路MLには、保護装置として、主給電回路開閉器DSM、ヒューズ等の限流遮断を行う主給電回路過電流保護装置UFM、配線用遮断器CBMが、発電機Gからの給電回路には、配線用遮断器CBGとヒューズ等の限流遮断の可能な過電流保護装置UFGが設けられている。
また、各種の複数の補機装置S1〜Snへ安定して電力を供給することは、電気推進装置の安全運行には不可欠な重要要素である。このために、補機給電回路ALには、共通の補機給電回路開閉器DSAと、ヒューズ等の限流遮断の可能な上流側過電流保護装置UFAが設けられている。そしてこの補機給電回路ALから分岐して複数の個別の補機装置S1〜Snに給電を行う個別補機給電回路ALS1〜ALSnにはそれぞれ配線用遮断器CBS1〜CBSnが設けられている。これらの保護装置は、短絡事故等が発生して回路電流が過大となったとき、これらの電流を遮断して回路および推進電動機M、補機装置S等の負荷装置を過大電流から保護する。
このような給電回路の電池で構成された電源Bpから個別補機給電回路の末端(Pi点)までの電路には、図11に示す等価回路のように、電路インダクタンスLBp、L1、LSiおよび電路抵抗RBp、R1、RSiが分布する。電路インダクタンスLBp、L1、LSiの総和を給電路全体の総電路インダクタンスLΣp0とよび、電路抵抗RBp、R1、RSiの総和を総電路抵抗RΣp0とよぶ。
従来の給電回路では、電池電源Bpが内部インダクタンスLBpおよび内部抵抗RBpの大きい特性を有する鉛電池で構成されるため、個別補機給電回路の末端までの総電路インダクタンスLΣp0および総電路抵抗RΣp0は大きくなる。この結果、補機装置Siの接続された補機給電回路の末端で短絡事故が生じた場合、短絡電流は比較的小さく抑えられ、総回路時定数TΣp0(=LΣp0÷RΣp0)も比較的大きいので短絡電流の上昇率が小さく抑えられる。
ここでは、個別補機給電回路ALiの配線用遮断器CBSiの遮断電流設定値Isを300Aに設定し、補機給電回路ALの上流側過電流保護装置UFAの遮断電流設定値IAsを3000Aにしている。このような補機給電回路ALにおいて、末端のPi点で短絡事故が発生すると、短絡電流は図8に特性線Aで示すように比較的ゆっくり上昇する。個別補機給電回路Siの配線用遮断器CBSiは、この短絡電流が遮断電流設定値Is(=300A)に達するA0点でこれを検出し、遮断動作を開始し、機械的な動作遅れ時間(13ms)後のA1点で開閉接点を開極して事故電流を限流(遮断)し、電流が完全に零となるA2点で遮断を完了する。
このとき、配線用遮断器CBSiの遮断開始点A1の電流(1800A)は、補機給電回路ALの上流側過電流保護装置UFAの遮断電流設定値AU(3000A)には達していないから、この上流側過電流保護装置UFAは動作しない。すなわち、上流側の保護装置と、下流側保護装置の保護協調が確保されているから、給電回路ALの下流側に短絡事故が生じたときは、短絡事故の生じている個別補機給電回路の配線用遮断器CBSiのみが短絡事故電流の遮断動作をし、上流側保護装置UFAは遮断動作をしないので、健全な残りの個別補機給電回路への給電は、停止することなく継続することができる。
しかし、近年、船舶など、電池を電源とする電気推進装置では、推進容量の増大に伴い、従来の鉛電池に代わって、リチウムイオン電池が採用させるようになってきた。
リチウムイオン電池を用いた電源は、性能が高く、大容量とすることができるが、電池の内部抵抗および電路インダクタンスが極めて小さいことから、短絡事故が発生したとき、短絡電流を制限することができず、これが膨大となる。このため、リチウムイオン電池を電源とする給電回路においては、短絡事故が生じると、従来から用いられている過電流保護装置、例えば配線用遮断器、ヒューズ等では、遮断能力が不足し、事故電流を安全、確実に遮断することができないという問題が発生することが懸念される。
また、短絡事故電流は、膨大となるだけでなく、電流の上昇速度も速いことから、補機給電回路の末端で短絡事故が発生したとき、下流側の保護装置、すなわち個別補機給電回路に挿入された配線用遮断器CBSiの遮断動作が完了する前に、上流側の共通の補機給電回路に挿入された過電流保護装置UFAが動作して、補機給電回路全体の給電が遮断されて全部の補機装置の運転を不能にし、電気推進装置の安全運転に重大な支障を与えることになる。
特開2005‐086891号公報
このように従来の電気推進装置におけるリチウムイオン電池で構成された電源から給電が行われる給電回路では、短絡電流の上昇が速いため、個別補機給電回路の上流に設けた上流側過電流保護装置と各個別補機給電回路に設けた配線用遮断器等の下流側過電流保護装置との保護協調がとれず、補機給電回路の末端で短絡事故が発生したときに下流側過電流保護装置が遮断動作する前に、上流側保護装置が遮断動作して補機給電回路全体の給電が停止される問題がある。
この発明は、このような問題を解決するため、電気推進装置における補機給電回路の上流側過電流保護装置と下流側過電流保護装置の保護協調がとれるようにして、短絡事故が補機給電回路の末端で発生したときに、短絡事故の発生した個別補機給電回路のみを遮断し、上流側過電流保護装置は動作させないようにして補機給電回路全体が給電停止になることを回避することのできる給電回路の保護方式を提供することを課題とする。
この発明は、前記の課題を解決するため、リチウムイオン電池で構成された電源のように内部抵抗および電路インダクタンスの小さい、電池で構成された電源から推進電動機に給電を行う主給電回路と、前記電源から複数の補機装置へ給電を行うために補機装置ごとに分岐された個別補機給電回路を有する補機給電回路とを備えた電気推進装置の給電回路において、前記補機給電回路の個別補機給電回路の上流側の源流路に、前記補機給電回路を過電流から保護する上流側過電流保護装置を、また、下流側の各個別補機給電回路に、個別補機給電回路を過電流から保護する下流側過電流保護装置を設け、前記個別補機給電回路の下流側過電流保護装置にそれぞれ高速限流装置を直列に接続し、前記個別補機給電回路で短絡事故が発生したとき、短絡電流を、前記高速限流装置により前記上流側過電流保護装置の遮断電流設定値以下の電流に限流して前記上流側過電流保護装置より早く当該短絡事故の発生している個別補機給電回路の下流側過電流保護装置により遮断し、事故回路の切り離しを行うことを特徴とするものである。
この発明において、前記高速限流装置は、限流抵抗と、通常電流では閉路し、過電流になると高速で開路する高速スイッチ手段とを並列接続して構成することができる。高速スイッチ手段としては、高速ヒューズまたは半導体スイッチ装置を用いることができる。
また、この発明においては、前記補機給電回路、または前記個別補機給電回路のそれぞれに直列に電流制限用リアクトルを挿入することもできる。
この発明によれば、電気推進装置の補機給電回路に上流側過電流保護装置を設け、個別補機給電回路に下流側過電流保護装置を設けるとともに、これに直列に高速限流装置を接続しているので、個別補機給電回路の末端で短絡事故が発生したとき、短絡電流を限流装置により上流側過電流保護装置の遮断設定電流値以下の電流に限流させて上流側過電流保護装置より早く下流側過電流保護装置により遮断を行うことにより、短絡事故を生じた個別補機給電回路のみを切離すことができるので、補機給電回路の上流側過電流保護装置が動作せず、補機給電回路の全停電が防止されることにより、電気推進装置の安全性、信頼性を向上することができる。
この発明の第1の実施例を示す電気推進装置の給電回路の構成図である。 この発明の第1の実施例の電気推進装置の個別補機給電回路の等価回路図である。 この発明の第2の実施例を示す電気推進装置の給電回路の構成図である。 この発明の第2の実施例の電気推進装置の個別補機給電回路の等価回路図である。 この発明の第2の実施例における限流装置の構成図である。 この発明の第3の実施例を示す電気推進装置の給電回路の構成図である。 この発明の第3の実施例の電気推進装置の個別補機給電回路の等価回路図である。 この発明の動作説明に用いる電流遮断特性図である。 この発明の第4の実施例を示す電気推進装置の給電回路の構成図である。 この発明の第4の実施例の電気推進装置の個別補機給電回路の等価回路図である。 従来の電気推進装置の給電回路の構成図である。 従来の電気推進装置の個別補機給電回路の等価回路図である。
この発明の実施の形態を図に示す実施例について説明する。
図1に、この発明の第1の実施例の給電回路を示す。
この図1の実施例1の給電回路において、電源Brは、例えば、リチウムイオン電池で構成された電源のように、従来の鉛電池に比べて内部抵抗RBrが著しく小さく、また、電路インダクタンスLBrも小さい特性を有する電池で構成された電源である。
この電源Brには、推進電動機Mへ給電する主給電回路MLと、複数の補機装置S1〜Snに給電する個別補機給電回路ALS1〜ALSnを有する補機給電回路ALとが接続される。主給電回路MLには、この回路を開閉する開閉器DSM、過電流保護装置としての高速ヒューズUFM、配線用遮断器CBMが直列に挿入され、これらにより主給電回路MLを過電流から保護する。主給電回路MLには電源Brの電池を充電するために配線用遮断器CBGおよび高速ヒューズUFGを介して発電機Gも接続される。
また、複数の補機装置S1〜Snに給電するための補機給電回路ALには、補機開閉器DSA、および上流側過電流保護装置としての高速ヒューズUFAが直列に挿入される。この補機給電回路ALから、分岐して設けられた複数の補機装置S1〜Snの個々に給電する個別補機給電回路ALS1〜ALSnには、それぞれ配線用遮断器CBS1〜CBSnおよび限流装置CL1〜CLnを直列接続して構成した下流側過電流保護装置が挿入される。
限流装置CL1〜CLnは、限流抵抗RE1〜REnにそれぞれ並列に高速ヒューズFE1〜FEnを接続して構成されている。限流装置CL1〜CLnでは、個別補機給電回路ALS1〜ALSnに通常の負荷電流が流れている状態では、高速ヒューズFE1〜FEnが接続(閉路)状態にあるので、限流抵抗FE1〜FEnが高速ヒューズFE1〜FEnによって短絡され、限流抵抗RE1〜REnには負荷電流は流れない。このため、個別補機給電回路ALS1〜ALSnに通常の電流が供給されているときには、限流抵抗による通電損失は発生しない。
この実施例1において、補機給電回路ALの上流側過電流保護装置UFAと下流側回路遮断器CBSiの遮断電流設定値IAsおよびIsは、ここでは、前記の従来装置と同様に、それぞれ3000Aおよび300Aに設定している。
個別補機給電回路ALS1〜ALSnに短絡電流のような過大電流が流れると、限流装置CL1〜CLnの高速ヒューズFE1〜FEnがおよそ2000Aで溶断するように設定されている。短絡電流により高速ヒューズFE1〜FEnが溶断し、開路すると、短絡電流が限流抵抗RE1〜REnに転流して限流され、上流側過電流保護装置としての高速ヒューズUFAの遮断設定電流値以下で、しかも個別補機給電回路の配線用遮断器CBSiの遮断可能な電流に抑制される。
例えば、図1の給電回路の個別補機給電回路ALS1の末端となる補機装置S1の入力点P1で短絡事故が発生したとすると、この回路に短絡事故電流が流れるので、この回路ALS1の限流装置CL1の高速ヒューズUF1が真っ先に溶断し、開路するので、限流抵抗RE1に短絡電流が転流して限流され、この限流された短絡電流を配線用遮断器CB1が安全に遮断する。
図1の実施例1の給電回路における1つの個別補機給電回路ALSiの等価回路を図2に示す。
図2にRBrおよびLBrで示される電源Brの内部抵抗および電路インダクタンスは、電源Brがリチウムイオン電池等の内部抵抗が小さく、電路インダクタンスの小さい電池で構成されているため、図12に示す従来の鉛電池で構成された電源Bpの内部抵抗RBpおよび電路インダクタンスLBpより著しく小さくなる。上流側過電流保護装置UFAを含む補機給電回路ALおよび配線用遮断器CBSiを含む個別補機給電回路ALSiにはそれぞれ、従来の給電回路と同等の電路抵抗RA、電路インダクタンスLA、および電路抵抗RSi、電路インダクタンスLSiが含まれる。そして、個別補機給電回路ALSiに設けられた限流装置CLiは、等価的には、図示するように常閉接点Fei、内部抵抗RFiおよび内部インダクタンスLFiの直列回路からなる高速ヒューズFEiと、内部抵抗Reiを有する限流抵抗REiとの並列回路で示される。
このため、この等価回路における電源Brから1つの個別補機給電回路ALSiの出力端Aiまでの通常状態(限流装置の高速ヒューズが溶断してない状態)での総電路抵抗RΣa1は、RΣa1=RBr+RA+RFiとなり、また、総電路インダクタンスLΣa1は、LΣa1=LRr+LA+LFiとなる。しかし、もともと電源Brの内部抵抗RBr、電路インダクタンスLBrが著しく小さいため、従来の給電回路におけるそれよりも著しく小さくなる。
また、個別補機給電回路ALSiの限流装置CLiの内部抵抗RFiは、短絡事故によって高速ヒューズFEiが溶断すると限流抵抗REiの抵抗値Reiとなるので、このときは、電源Brの内部抵抗RBrの小さい分を補うことができ、従来の給電回路の総電路抵抗RΣp0と同等またはそれより大きくすることができるが、総電路インダクタンスLΣp1は、従来の給電回路の総電路インダクタンスLΣp0より小さいままである。
この結果、個別補機給電回路ALSiの末端のPi点で短絡事故が発生したときは、図8に特性線Bで示すように、特性線Aで示す従来の短絡電流よりも速い速度で上昇する短絡電流が流れる。個別補機給電回路ALSiの配線用遮断器CBSiは図8の特性線B上のB0点で短絡電流の遮断電流設定値Is(=300A)に達し、これを検出し遮断動作を開始するが、機械的な動作遅れのために直ちには、遮断動作は開始されない。
一方、限流装置CLiの高速ヒューズFEiは、遮断電流設定値(2000A)を超えたB1点で遮断動作(溶断)を開始し、短絡電流を限流しながら遮断する。そして、B2点で完全に遮断動作(溶断)が完了し、短絡電流が限流抵抗REiに転流すると、短絡電流は、この限流抵抗REiの抵抗値Reiで決まる電流(1500A)に限流される。B0点から配線用遮断器CBSi動作遅れ時間(13ms)に相当する時間の経過したB3点で配線用遮断器CBSiが開閉接点を開極して事故電流の遮断を開始してB4点で遮断を完了する。
このように実施例1においては、個別補機給電回路ALSiの末端で短絡事故が生じた場合、限流装置CLiによって短絡電流が、上流側過電流保護装置としての高速ヒューズUFAの遮断電流設定値(3000A)以下の、個別過電流保護装置としての配線用遮断器CBSiの遮断可能な電流値(1500A)に限流されるので、高速ヒューズUFAが遮断する前にこの配線用遮断器CBiにより短絡電流を安全、確実に遮断することができる。このため、個別補機給電回路の末端で短絡事故が生じたとしても、短絡事故の発生した個別補機給電回路だけを切り離すだけで、補機給電回路全体が給電停止されることがないので、残りの健全な個別補機給電回路は、停止することなく運転を継続することができる。
図3にこの発明の第2の実施例の給電回路を示す。
この実施例2の給電回路は、実施例1の給電回路における限流回路における限流抵抗REに並列接続した高速ヒューズFEを半導体スイッチQに置き換えたものである。その他の構成は、実施例1と同じである。
図4に、図3の実施例2の1つの個別補機給電回路ALSiの等価回路を示す。
図3に示す個別補機給電回路の末端のPi点までの総電路インダクタンスLΣp2は、LΣp2=LB+LA+LQi+LSi、総電路抵抗RΣp2はRΣp2=RBr+RA+RQi+RSiとなる。半導体スイッチQiの内部インダクタンスLQiが、実施例1における高速ヒューズFEiの内部インダクタンスLFiよりはるかに小さいため、この総電路インダクタンスLΣp2は、実施例1の総電路インダクタンスLΣp1よりもさらに小さくなる。
このため、この実施例2では総回路時定数TΣp2(TΣp2=LΣp2÷RΣp2)が小さくなり、短絡電流が大きくなるとともに、短絡電流の上昇率が図8に特性線Cで示すように、実施例1の特性線Bよりもさらに大きくなる。この結果、給電回路末端Pi点で短絡事故が発生すると、特性線Cに従って短絡電流が速い速度で上昇する。配線用遮断器CBSiはこの電流が遮断電流設定値Isに達するC0点で過電流を検出し、遮断動作を開始するが、配線用遮断器CBiの実際の遮断動作(接点開極)は遅れる。
一方、半導体スイッチQiと限流抵抗FEiを用いた限流装置CLiは、半導体スイッチQiを回路電流Iに応じて開閉制御するために、図5に示すようにスイッチング制御装置SCを備える。
この半導体スイッチQiのスイッチング制御装置SCは、電子回路で構成された制御部CTR、個別補機給電回路ALSiの電路電流を検出する電流検出器IDi、半導体スイッチQiの遮断電流値を設定する電流設定器VRiを有する。制御部CTRは、電流検出器IDiで検出された電流Iと電流設定器VRiに設定された遮断電流設定値ICsとを比較してI<ICsとなる通常の電流範囲では、半導体スイッチQiにオン信号を送り、半導体スイッチQiをオンにする。これにより、限流装置CLiの限流抵抗REiは短絡され、これに負荷電流は流れない。
I>ICsとなる過電流状態になると、制御部CTRから直ちに半導体スイッチQiにオフ信号を送り、半導体スイッチQiをほとんど時間遅れなしにオフにして、限流抵抗REiの短絡を解放し、負荷電流Iを限流抵抗REiに転流して、負荷電流の限流を行う。
次に、このように構成された実施例2における短絡事故時の遮断動作を、図8を参照して説明する。
実施例2では、前記の半導体スイッチQiの遮断電流設定値ICsは、600Aに設定されている。
限流装置CLiは、限流抵抗REiを両端を開閉する高速スイッチング素子として内部インダクタンスの小さい半導体スイッチQiを用いているため、給電回路の個別補機給電回路ALSiの端末のPi点で短絡事故が発生すると、この個別補機給電回路ALS1に流れる短絡電流は、図8に特性線Cで示すように特性線Bで示す実施例1における短絡電流より大きな電流上昇率で上昇する。この短絡電流が、図8のC0点で配線用遮断器CBSiの遮断電流設定値(300A)に達すると、配線用遮断器CBS1が遮断動作を開始する。さらに短絡電流が上昇してスイッチング制御装置SC(図5)の遮断電流設定値ICs(=600A)に達するC1点になると、スイッチング制御装置SCがこれを検出し、この時点から僅かに遅れたC2点で限流装置CLiの半導体スイッチQiにオフ信号を与える。これにより、半導体スイッチQiは、C2点でオフ動作を開始してC3点でオフする。
半導体スイッチQiがオフすると短絡電流は限流抵抗REiに転流して、限流抵抗REiの抵抗値Reiで決まる電流(ここでは約1500Aとしている)に限流される。配線用遮断器CBSiは所定の時間遅れたC4点から過電流遮断動作によって接点を開極して限流された電流の遮断を始め、C5点で遮断を完了する。
このとき、半導体スイッチQiがオフを開始するC2点では、短絡電流が上流保護装置UFAの遮断電流設定値CU(300A)に達していないからこの上流保護装置UFAは動作しない。
すなわち、上流側保護装置UFAと下流側保護装置CBSiの保護協調がとれているから、短絡電流は上流側保護装置UFAより早く、下流側保護装置CBSiで遮断し、上流側保護装置UFAでは遮断しないので補機給電回路ALの全体の給電停止は発生しない。
半導体スイッチQiは高速スイッチングが可能であるから、急峻に短絡電流が上昇しても、限流動作を短時間に行うことができるため、限流装置CLiが高速に限流動作を開始することによって補機給電回路ALの上流側保護装置UFAと下流側保護装置CBSiとの保護協調を確実にとることができる。この結果、補機給電回路ALの全体の給電停止を防止でき、電気推進装置の安全性、信頼性の向上を図ることができる。
図6にこの発明の第3の実施例を示す。
この実施例3の給電回路は、前記の実施例2の給電回路の各個別補機給電回路ALSi(ALS1〜ALSn)にそれぞれ設けられた限流装置CLi(CL1〜CLn)の半導体スイッチQi(Q1〜Qn)の内部インダクタンスが小さいため、各個別補機給電回路ALSi(ALS1〜ALSn)にリアクトルLi(L1〜Ln)を直列に接続してこれを補うようにしたものである。
これにより、図7に等価回路を示すように、各個別補機給電回路ALSiの末端Piまでの総電路インダクタンスLΣp3は、LΣp3=LB+LA+Li+LSiとなり、実施例2の総電路インダクタンスLΣp2に、追加したリアクトルLiのインダクタンスLiが加わり、これより大きくなる。リアクトルLiのインダクタンスLiを実施例1の限流装置の高速ヒューズFEiの内部インダクタンスLFi相当の値にすると、総電路インダクタンスLΣp3を実施例1における総電路インダクタンスLΣp1相当の値とすることができる。
このようにすれば、個別補機給電回路ALSiの末端Piで短絡事故が発生した場合、短絡電流の上昇速度を、図8の特性線Bで示す実施例1の短絡電流と同じ上昇速度に抑えることができる。
この実施例3の給電回路においては、短絡事故が発生し、特性線図8で示す短絡電流上のB0点で、個別補機給電回路ALSiの配線用遮断器CBSiが遮断電流設定値Is(300A)を検出し、遮断動作を開始する。短絡電流がさらに上昇し、流限流装置CLiの遮断設定電流ICs(600A)に達したB1´点で、スイッチング制御装置SC(図5)の制御部CTRがこれを検出して半導体スイッチQiにオフ信号を送り、これをオフにする。これにより、短絡電流がほぼB1´点で限流抵抗REiに転流するので、ここから短絡電流は、特性線B´で示すようにさらにゆっくり上昇し、限流抵抗REiの抵抗値Reiで決まる電流値Ir(1500A)まで上昇し、実施例1と同様にB3点で、個別補機給電回路ALSiの配線用遮断器CBSiが開閉接点の開極し、短絡電流の遮断を行う。
このとき、短絡電流は、限流抵抗で決まる上流側保護装置UFAの動作電流以下の電流に限流されて個別補機給電回路ALSiの配線用遮断器CBSiにより遮断されるので、上流側の保護装置UFAは動作しない。このため、短絡事故の生じた際は、補機給電回路AF全体の給電が停止されることなく、短絡事故の発生した個別補機給電回路ALSiのみを切り離し、その他の健全な個別補機給電回路はそのまま継続して運転することができる。
図9にこの発明の第4の実施例を示す。
この実施例4の給電回路は、前記の実施例1の給電回路の各個別補機給電回路ALSi(ALS1〜ALSn)にそれぞれ設けられた、各個別補機給電回路ALSi(ALS1〜ALSn)にリアクトルLi(L1〜Ln)を直列に接続して、電路インダクタンスや限流装置のインダクタンスの不足を補うようにしたものである。
これにより、図10に等価回路を示すように、各個別補機給電回路ALSiの末端Piまでの総電路インダクタンスLΣp4は、LΣp4=LBr+LAr+LFi+LSiとなり、実施例1の総電路インダクタンスLΣp1に、追加したリアクトルLiのインダクタンスLiが加わり、これより大きくなる。
したがって、実施例4の給電回路においては、限流装置CLi(CL1〜CLn)に使用された高速ヒューズFEi(FE1〜FEn)の内部インダクタンスが小さかったり、電路インダクタンスLAが小さい場合でも、リアクトルLiを加えることにより総電路インダクタンスLΣp4を実施例1における総電路インダクタンスLΣp1と等しい値またはそれより大きい値にすることができる。
このようにすれば、個別補機給電回路ALSiの末端Piで短絡事故が発生した場合、短絡電流の上昇速度を、少なくとも、図8の特性線Bで示す実施例1の短絡電流と同じ上昇速度に抑えることができる。
このため、実施例4の給電回路においては、短絡事故が発生した場合は、実施例1の回路と同様に、図8の特性線Bで示す短絡電流線上のB0点で、個別補機給電回路ALSiの配線用遮断器CBSiが遮断電流設定値Is(300A)を検出し、遮断動作を開始する。短絡電流がさらに上昇し、遮断電流設定値(2000A)を超えたB1点で限流装置CLiの高速ヒューズFEiが、遮断動作(溶断)を開始し、短絡電流を限流しながら遮断する。そして、B2点で完全に遮断動作(溶断)が完了し、短絡電流が限流抵抗REiに転流すると、短絡電流は、この限流抵抗REiの抵抗値Reiで決まる電流(1500A)に限流される。B0点から配線用遮断器CBSi動作遅れ時間(13ms)に相当する時間の経過したB3点で配線用遮断器CBSiが開閉接点を開極して事故電流の遮断を開始してB4点で遮断を完了する。
このとき、短絡電流は、限流抵抗で決まる上流側保護装置UFAの動作電流以下の電流に限流されて個別補機給電回路ALSiの配線用遮断器CBSiにより遮断されるので、上流側の保護装置UFAは動作しない。このため、短絡事故の生じた際は、補機給電回路AF全体の給電が停止されることなく、短絡事故の発生した個別補機給電回路ALSiのみを切り離し、その他の健全な個別補機給電回路はそのまま継続して運転することができる。
Br:リチウムイオン電池を用いた電池電源
ML:主給電回路
DSM:主給電回路開閉器
UMF:主給電回路保護装置(高速ヒューズ)
CBM:主回路配線用遮断器
M:推進電動機(主回路負荷)
AL:補機給電回路
DSA:補機給電回路開閉器
UFA:補機給電回路上流側保護装置(高速ヒューズ)
ALSi(ALS1〜ALSn):個別補機給電回路
CBSi(CBS1〜CBSn):個別補機給電回路配線用遮断器
CLi(CL1〜CLn):限流装置
FEi(FE1〜FEn):高速ヒューズ
REi(RE1〜REn):限流抵抗
Si(S1〜Sn):補機装置

Claims (4)

  1. リチウムイオン電池で構成された電源のように内部抵抗および電路インダクタンスの小さい、電池で構成された電源から推進電動機に給電を行う主給電回路と、前記電源から複数の補機装置へ給電を行うために補機装置ごとに分岐された個別補機給電回路を有する補機給電回路とを備えた電気推進装置の給電回路において、前記補機給電回路の個別補機給電回路の上流側の源流路に、前記補機給電回路を過電流から保護する上流側過電流保護装置を、また、下流側の各個別補機給電回路に、個別補機給電回路を過電流から保護する下流側過電流保護装置を設け、前記個別補機給電回路の下流側過電流保護装置にそれぞれ高速限流装置を直列に接続し、前記個別補機給電回路で短絡事故が発生したとき、短絡電流を、前記高速限流装置により前記上流側過電流保護装置の遮断電流設定値以下の電流に限流して前記上流側過電流保護装置より早く当該短絡事故の発生している個別補機給電回路の下流側過電流保護装置により遮断し、事故回路の切り離しを行うことを特徴とする電気推進装置の給電回路の保護方式。
  2. 前記高速限流装置は、限流抵抗と、通常電流では閉路し、過電流になると高速で開路する高速スイッチ手段とを並列接続して構成した請求項1に記載の電気推進装置の給電回路の保護方式。
  3. 前記高速スイッチ手段が高速ヒューズまたは半導体スイッチ装置である請求項2に記載の電気推進装置の給電回路の保護方式。
  4. 前記補機給電回路、または前記個別補機給電回路のそれぞれに直列に電流制限用リアクトルを挿入した請求項1ないし3の何れか1項に記載の電気推進装置の給電回路の保護方式。
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