JP5564770B2 - 電気推進システムの保護方法 - Google Patents

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Description

この発明は、蓄電池(以下、単に電池とも言う)と、この電池を充電する発電機とからなるハイブリッド電源を複数系統備えるとともに、各ハイブリッド電源から給電する複数系統の給電電路を備えて、例えば船舶のプロペラを回転させる推進電動機および補機類を運転する電気推進システム、特にその保護方法の改良に関する。
上記のような電気推進システムの例として、例えば特許文献1に開示された図9に示すものがある。なお、図9のB1,B2は蓄電池、CB1CB6は保護装置(遮断器)、RE1,RE2は整流器、G1,G2は発電機、DE1,DE2は原動機、S1, S2は給電電路、SW1, SW2はスイッチ、INV1,INV2は電力変換器(インバータ)、M1,M2は推進電動機である。
図9において、蓄電池B1と発電機G1とから第1系統のハイブリッド電源が構成されているとともに、蓄電池B2と発電機G2とから第2系統のハイブリッド電源が構成されている。
給電電路S1,S2は、それぞれ第1,第2系統のハイブリッド電源から推進電動機(M1,M2)に給電する電路である。給電電路S1,S2には、それぞれ保護装置CB1,CB2が設けられており、保護装置CB1,CB2の電池B1,B2側には補機への分岐母線が保護装置CB5,CB6を介して接続されているとともに、推進電動機(M1,M2)側には発電機G1,G2への分岐母線が保護装置CB3,CB4を介して接続されている。
このような電気推進システムの運転では、発電機を運転して得た発電機電力を電池に充電電力として供給しながら推進電動機および複数系統の補機類へ電力供給する発電機運転モードと、発電機を停止し電池から全ての負荷に電力を供給する電池運転モードとがある。
〔発電機運転モード〕
発電機運転モードは、発電機電力(PGとする)を図9の点線で示す経路で、各負荷への供給電力(PLとする)として給電する運転モードである。この運転モードでは、負荷電力PLが発電機の出力容量PGLよりも小さく、PGL>PLの状態で運転されるので、2系統の給電電路に配置した遮断器等の保護装置CB1またはCB2の何れかが、機器の誤作動など何らかの要因でトリップ(開路)するか、または誤操作によりトリップ(開路)させたとき、例えばCB2がトリップの場合には電池充電電流(+IB2)および補機への給電(電流IAX2)が断たれるが、発電機G1,G2の負荷が減少するのみで、推進電動機への電力供給は何ら変わらないため、船舶の運転に支障をきたすようなことは無い。
〔電池運転モード〕
電池運転モードは、電池放電電力(PB)を図9の実線で示す経路で各負荷への供給電力(PL)として給電する運転モードである。この運転モードでは、電池放電電力PBは負荷電力PLと等しくなるように(PB=PL)運転されるので、2系統の給電電路に配置した保護装置CB1またはCB2の何れか、例えばCB2が何らかの要因でトリップすると、推進電動機M1,M2に供給される電流IMB2が断たれ、電池B1から健全給電電路(この場合は給電電路S1)を介して推進電動機M1,M2に電力が供給されるため、保護装置CB1を流れる電流は(IMB1+IMB2)の大きさの電流となり、正常運転時の2倍の電流(IMFB1)になる。このため、保護装置CB1の過電流検出機能が作動してCB1トリップとなるため、推進電動機M1,M2への電力供給が断たれて船舶の推進が停止し、操船不能になる。
図4(b)は図9の動作を説明するための波形図である。
いま、2系統の給電電路S1,S2における一方の保護装置CB2がトリップするまで回転速度100%で運転中であった場合、時刻t1でCB2がトリップしたとすると、給電電路S2の電流IMB2が即流れなくなるから、健全給電電路S1の電流IMB1は2倍(200%)のIMFB1に増加する。このとき、保護装置CBの保護特性が図10に実線で示すような特性であれば、電流IMFB1(200%)により、例えば図10の時刻tp2 でトリップする。すなわち、図4(b)の時刻t2でCB1がトリップして推進電動機M1,M2への給電が断たれ、ブラックアウトすることになる。例えば船舶の危険回避のための運転中にこのようなブラックアウトが発生すれば、危険が回避されないため重大な状態を招く。
なお、図9に示されるような、それぞれ電池と発電機とよりなる複数系統のハイブリッド電源から推進電動機に給電する電気推進システムの給電電路(直流給電回路)を保護するものであって、システム全体を停電させることなく、給電電路の短絡事故時の保護を図ることができるようにした保護システムが特許文献2〜3に示されている。図9の給電電路(S1,S2)における保護装置CB1、CB2間の直流給電回路で短絡事故が発生した場合、2台の電池B1、B2から短絡点に短絡電流が流れ、給電電路S1,S2の保護装置CB1、CB2が2台ともトリップ(開路)することが考えられるが、特許文献2あるいは特許文献3に記載の保護システムの構成を適用することにより、1台の保護装置はトリップするも、2台ともトリップすることを防ぐことができる。
また、特許文献2〜3に記載の保護システムに適用可能な高速の電流遮断装置の構成が特許文献4に示されている。
特開2007−062407号 特開2005−86891号 特開2005−323444号 特公昭49−19065号
この発明は、上記のような点に鑑みてなされたもので、その解決すべき課題は、電池運転モードのときに、少なくとも1つの給電電路の保護装置が開路した場合でも、健全側給電電路が過負荷にならないようにすることにある。
上記課題を解決するため、請求項1の発明では、電池と、この電池を充電する発電機とからなるハイブリッド電源をp(pは2以上の整数)系統備えるとともに、各ハイブリッド電源から推進電動機に給電するp系統の給電電路を備え、各給電電路にそれぞれ保護装置を設けてなる電気推進システムにおいて、
前記各給電電路にそれぞれ推進電動機へ供給する電力を変換制御して船舶の推進器を可変速制御する電力変換器を設け、
電池のみで推進電動機および補機類へ電力を供給して運転する電池運転モード時においては、保護装置が閉路している健全側給電電路の系統数q(qは1以上、かつ、p以下の整数)が1ないし(p−1)である各場合について、それぞれ、健全側給電電路が過負荷にならないようにするための推進電動機回転速度の制限値を予め定めておき、少なくとも1系統の給電電路の保護装置が開路したとき、開路前の推進電動機回転速度が開路後における健全側給電電路の系統数に対応する制限値を超える回転速度であった場合には、前記電力変換器を停止させ、電力変換器が停止した遊転状態で推進電動機の回転速度が低下して、このときの健全側給電電路の系統数に対応する制限値以下の回転速度値になったときに、電力変換器の運転を再開させるとともに、推進電動機の回転速度上限値を、このときの健全側給電電路の系統数に対応する制限値に制限して運転を行うことを特徴とする。
この請求項の発明においては、請求項のように、前記電気推進システムが、前記ハイブリッド電源を2系統備えるとともに各ハイブリッド電源から推進電動機に給電する2系統の給電路を備え、各ハイブリッド電源から推進電動機に供給される電力を変換制御して船舶の推進機を可変速制御する電力変換器を備えてなる電気推進船舶用の電気推進システムであり、電池のみで推進電動機および補機類へ電力を供給して運転する電池運転モード時であって75%を超える推進電動機回転速度で運転中に1系統の給電電路の保護装置が開路したときは、前記電力変換器を停止させ、電力変換器が停止した遊転状態で推進電動機の回転速度が低下して75%以下の回転速度値になったときに、電力変換器の運転を再開させるとともに、推進電動機の回転速度上限値を75%に制限した運転を行うようにするとよい。
また、請求項またはの発明においては、請求項のように、給電電路の保護装置が開路してから電力変換器に停止指令を与えて電力変換器が停止するまでの間は、過大電流が流れている健全側給電電路の保護装置がトリップしないように、保護装置の電流−時間特性を設定しておくようにするとよい。
この発明によれば、電池と、この電池を充電する発電機とからなるハイブリッド電源を複数系統備えるとともに、各ハイブリッド電源から推進電動機に給電する複数系統の給電電路を備え、各給電電路にそれぞれ保護装置を設けてなる電気推進システムを電池運転モードで運転するに当たり、少なくとも1つの給電電路の保護装置が開路した場合でも、保護装置が閉路している健全側給電電路が過負荷とならないようにしたので、推進電動機の運転が停止されることもなく、危険等を安全に回避することが可能となる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
従来と同一の構成要素については、同一の符号を付け、重複する説明は省略する。なお、この発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
[第1の実施形態]
図1は、この発明の第1の実施形態を示す概要図である。図1における主回路構成は、図9と同様であり、B1,B2は蓄電池、CB1~CB6は保護装置(遮断器)、S1, S2は給電電路、SW1, SW2はスイッチ、INV1,INV2は電力変換器(インバータ)、M1,M2は推進電動機である。給電電路S1,S2から保護装置CB3,CB4を介して分岐された発電機への分岐母線には、図示されていないが、図9と同様に、整流器RE1,RE2を介して、原動機DE1,DE2により駆動される発電機G1,G2が接続されている。給電電路(S1,S2)にスイッチSW1, SW2を介して接続された電力変換器(インバータ)INV1,INV2は、蓄電池B1,B2と発電機G1,G2とよりなる各ハイブリッド電源から推進電動機M1,M2に供給される電力を変換制御して、推進電動機M1,M2により駆動される電気推進船舶の推進機(プロペラ)を可変速制御する。
図1では、図示のように、図9に示す従来例に対し、推進電動機制御装置SCを設け、ここに保護装置CB1またはCB2がトリップ(開路)したことをトリップ信号(信号a1,a2)として取り込むとともに、速度検出器TDから速度検出値n、速度設定器VRNから速度設定値Nをそれぞれ入力するようにしている。
図1で保護装置CB1またはCB2の一方がトリップ(開路)すると、トリップ信号(信号a1またはa2)を受けた推進電動機制御装置SCは停止指令(信号c1,c2)を出力し、電力変換器(インバータ)INV1,INV2を一旦停止させる。電力変換器INV1,INV2を停止させると推進力がなくなるので(トルク=0)、推進電動機の回転速度は図2に示すロビンソンカーブのうち「電力変換器を停止させた後の航行曲線」により、Frなる遊転回転速度で回転することになる。これは、船舶の惰性によるプロペラ回転によるもので、図2のように力行時回転速度Fnの60〜70%程度の速度とされる。ここでは、この遊転回転が生じることが分かれば十分であり、図2における他の曲線については特に必要が無いので説明は省略する。
ところで、推進電動機の回転速度nと推進電力Pとの間には、例えば図3に実線で示す関係、すなわちP∝n3(推進電力Pは回転速度nの3乗に比例)のような関係がある。また、2系統の給電電路における一方の保護装置がトリップしたとき、保護装置が閉路している健全側給電電路が過負荷になって健全側給電電路の保護装置がトリップしないようにするには、推進電動機電力を1/2に低下させれば良い。なお、図3において、実線の特性曲線は、2系統とも健全な状態における1系統(例えばS1)分の供給電力,電流と回転速度との関係を示しているとともに、点線の特性曲線は、1系統(例えばS2)の保護装置がトリップした後に健全な1系統(例えばS1)から供給することが必要となる電力,電流と回転速度との関係を示しており、「P1/IM」点の電力,電流(100%)に対して「P1/IMFB1」点の電力,電流が「200%」となっている。
推進電力Pを1/2にするための回転速度nxは、nx=3√(1/2)≒0.794として求められる。つまり、2系統の給電電路における一方の保護装置がトリップするまで回転速度100%で運転中であった場合、回転速度を79.4%以下、余裕を持たせて75%程度に低下させるようにすれば、健全側給電電路の電流は100%を超える過負荷状態とならずに、船舶は航行を継続できることになる。
図4(a)に、図1の動作波形を示す。
いま、時刻t1で保護装置CB2がトリップしたとすると、CB1側給電電路S1の電流IMB1は2倍(200%)に増加する。一方、CB2トリップ信号により、推進電動機制御装置SCから停止指令(c1,c2信号)を発信して電力変換器INV1, INV2を停止させる。その結果、プロペラ回転速度=推進電動機回転速度は図2にFrで示す遊転回転速度に低下する。
このとき、保護装置CB2がトリップして電力変換器INV1, INV2が停止するまでの遅れ時間(t1〜t2)中の健全側給電電路S1の電流は200%(IMFB1)であるが、この間に保護装置CB1がトリップしないように、保護装置CB1に例えば図10に示すような動作遅れ時間tp2を設定しておき、このtp2より早く電力変換器INV1, INV2を停止させれば保護装置CB1のトリップ動作は発生しないことになる。
そして、電力変換器INV1, INV2を一旦停止させると、図4(a)の時刻t3において、図2のロビンソンカーブに示す遊転回転速度Frは100%回転速度の6070%速度になるが、この回転速度は上述のように推進電動機電力が1/2となる回転速度79.4%以下である。そこで、余裕を見て、回転速度が例えば75%以下になったことを検出し(図1のn参照)、推進電動機制御装置SCから電力変換器INV1, INV2 へ運転指令(c1,c2信号)を与えれば、健全側給電電路S1が過負荷にならない状態で図4(a)のt3以降の運転が再開されることになる。なお、通常の電気推進船舶用の電気推進システムでは、電力変換器を停止して数秒後に回転速度が75%になるが、その時点で75%速度指令を与えることにより、ショックレスで運転を再開することができる。
また、保護装置(CB1あるいはCB2)のトリップにより2系統の給電電路S1, S2の一方が断路される時点(時刻t1)まで速度設定器VRNの設定値Nとして75%を超える速度値(75100%)を設定した状態で運転していた場合、電力変換器INV1, INV2の運転再開後(時刻t3以降)の回転速度指令操作として、速度検出器TDからの速度検出値nをフィードバック量とした回転速度フィードバック制御に対する回転速度指令NSCが75%になるように推進電動機制御装置SCで制限すれば、速度設定器VRNの設定値Nが75%を超える値のままであっても回転速度が75%を超えることは無く、推進電動機の回転速度上限値を75%に制限した運転を行うことができる。また、2系統の給電電路S1,S2の一方が断路される時点(時刻t1)まで速度設定器VRNの回転速度設定値Nを75%以下とした状態で運転していた場合には、電力変換器INV1, INV2の運転再開後(時刻t3以降)も、上記設定値Nのままの運転を継続すれば、給電電路の一方が断路されても健全側給電電路が過負荷になることは無く、船舶の運転を継続できることになる。
このように、この発明によれば、2系統の給電電路(S1,S2)を備えた電気推進システムにおける電池運転モード時の動作として、75%を超える推進電動機回転速度で運転中に、1系統の給電電路(例えばS2)の保護装置(例えばCB2)が開路したときは、電力変換器(INV1, INV2)を停止させ、電力変換器(INV1, INV2)が停止した遊転状態で推進電動機(M1,M2)の回転速度が低下して75%以下の回転速度値になったときに、電力変換器(INV1, INV2)の運転を再開させるとともに、推進電動機(M1,M2)の回転速度上限値を75%に制限した運転を行い、保護装置(例えばCB1)が閉路している健全側給電電路(S1)が過負荷とならないようにすることができる。
そして、上記構成において、一方の給電電路(例えはS2)の保護装置(例えばCB2)が開路(トリップ)してから電力変換器(INV1, INV2)に停止指令を与えて電力変換器(INV1, INV2)が停止するまでの間は、過大電流(例えば200%の電流)が流れている健全側給電電路(例えばS1)の保護装置(例えばCB1)がトリップしないように、保護装置(CB1,CB2)の電流−時間特性を設定しておくことにより、健全側給電電路の保護装置のトリップを確実に防止することができるようになる。
なお、健全側給電電路が過負荷にならないようにするための推進電動機回転速度の制限値(上限値)として、上述の75%速度は余裕を見た回転速度値であって好適であるが、上記の制限値(上限値)は、75%速度に限定されるものではなく、健全側給電電路が過負荷にならないようにするため、推進電動機電力が1/2となる回転速度79.4%以下の回転速度値であればよい。
以上では、2系統の給電電路S1, S2の一方が断路した場合の運転方法を説明したが、図1における一方の系統の推進電動機(M1あるいはM2)または電力変換器(インバータ)(INV1あるいは, INV2)が故障した場合も、健全側の推進電動機や電力変換器には2倍の負荷が掛かるので、上記と全く同様に、回転速度指令値NSCが75%を超える速度値(75100%)であれば、健全側の推進電動機や電力変換器には過負荷が掛かることになる。
この場合も、1つの系統の推進電動機,電力変換器 が過負荷にならないよう、予め1/2出力を上限として制限するとともに、1つの系統の故障を検出したら、回転速度指令値NSCを75%に制限し、また、回転速度指令値NSCが75%以下で運転されている場合には、回転速度指令値NSCを変更することなく、そのまま運転を続行させれば良い。
なお、保護装置のトリップには、次のような1)〜3)の場合が考えられる。
1)給電電路で短絡事故が発生した場合
図1の給電電路(S1,S2)における保護装置CB1、CB2間の直流給電回路で短絡事故が発生した場合、2台の電池B1、B2から短絡点に短絡電流が流れ、2系統の給電電路の保護装置CB1、CB2がトリップ(開路)することが考えられるが、保護装置CB1、CB2が両方ともトリップすると、この第1の実施形態の構成では対応できない。しかしながら、上述の特許文献2あるいは特許文献3に記載の保護システムの構成を適用することにより、1台の保護装置はトリップするも、2台ともトリップすることを防ぐことができ、この発明による動作で対応できるようになる。特許文献2あるいは特許文献3に記載の保護システムの構成を適用した構成例については第3の実施形態として後述する。
2)保護装置を誤操作した場合
保護装置CB1,CB2のうち、一方の保護装置を誤操作によりトリップさせた場合は、この発明による動作が有効である。
3)保護装置の開閉信号回路の断線または接触不良による誤信号が発生した場合
上記2)項の場合と同様この発明による動作が有効である。この場合は、保護装置の開閉信号回路の断線または接触不良であって給電の停止ではないから、この発明による動作が行われた後に通常運転に復帰させれば良い。
以上では、給電電路の系統が2系統の場合について説明したが、この発明は3以上の複数系統の場合についても、上記と全く同様に実施することができる。その場合、推進電力Pを1/mにするための回転速度nmは、nm=3√(1/m)として求められることから、健全側給電電路が過負荷とならないようにするための推進電動機の回転速度制限値(上限値)を、全系統数と健全系統数に応じて定められるのは勿論である。すなわち、給電電路の全系統数がp(pは2以上の整数)である電気推進システムにおいて、保護装置が閉路している健全側給電電路の系統数、すなわち健全系統数q(qは1以上、かつ、p以下の整数)が(p−1)以下となった場合、上記の式 nm=3√(1/m)において、1/m=q/pとすることにより、回転速度nmを求め、この回転速度nmに基づき、健全側給電電路が過負荷とならないようにするための推進電動機の回転速度制限値(上限値)NLを求めることができる。
そして、給電電路の全系統数がpである電気推進システムにおける電池運転モード時の動作として、上記のように、健全系統数qが1ないし(p−1)である各場合について、それぞれ、健全側給電電路が過負荷にならないようにするための推進電動機回転速度の制限値NL(1)ないしNL(p−1)を予め定めておき、少なくとも1系統の給電電路の保護装置が開路したとき、開路前の推進電動機回転速度が開路後における健全系統数(例えばp−1)に対応する制限値(例えばNL(p−1))を超える回転速度であった場合には、電力変換器を停止させ、電力変換器が停止した遊転状態で推進電動機の回転速度が低下して、このときの健全系統数(例えばp−1)に対応する制限値(例えばNL(p−1))以下の回転速度値になったときに、電力変換器の運転を再開させるとともに、推進電動機の回転速度上限値を上記制限値(例えばNL(p−1))に制限した運転を行うことにより、健全側給電電路が過負荷とならないようにすることができる。なお、上記の構成において、少なくとも1系統の給電電路の保護装置が開路してから電力変換器に停止指令を与えて電力変換器が停止するまでの間は、過大電流が流れている健全側給電電路の保護装置がトリップしないように、保護装置の電流−時間特性を設定しておくことにより、健全側給電電路の保護装置のトリップを確実に防止することができるようになることは、上述の2系統の場合と同様である。また、式:nm=3√(1/m)から求められた回転速度nmに基いて、健全側給電電路が過負荷とならないようにするための推進電動機の回転速度制限値(上限値)NLを設定するときに、余裕を見た回転速度値とすることが好適であることも、上述の2系統の場合と同様である。
[第2の実施形態]
図5は、この発明の第2の実施形態による電気推進システムの保護方法の動作を説明するための波形図である。第2の実施形態では、第1の実施形態と同じ図1の回路構成において、第1の実施形態による図4(a)の動作とは異なる図5(a)の動作を行う。なお、図5(b)の動作パターンは、対比用として従来方式の動作を示すものであり、図4(b)と同じものである。
図5(a)の動作は、電池のみで推進電動機および補機類へ電力を供給して運転する電池運転モード時であって75%を超える推進電動機回転速度で運転中に、1系統の給電電路の保護装置が開路したときは、推進電動機の回転速度上限値を75%に制限し、保護装置が閉路している健全側給電電路が過負荷とならないようにする点では、図4(a)の動作と同様であるが、次の点で図4(a)とは異なるものである。
すなわち、図5(a)では、75%を超える回転速度(例えば100%回転速度)で運転中に一方の給電電路の保護装置CB2がトリップしたとき(時刻t1)に、電力変換器(INV1,INV2)は停止させないで回転速度指令値を75%速度にステップ的に低下させるとともにその後も電力変換器(INV1,INV2)の運転を継続させる制御動作を行う。この制御動作に対応して、図1の回路における推進電動機(M1,M2)→電力変換器(INV1,INV2)→健全側給電電路S1(および保護装置CB1)→電池B1の経路で回生電流が流れる。そして、この回生電流が流れることにより、健全側給電電路の保護装置CB1を流れる電流は、電流値IMFB1まで急激に変動した後、図示のようなパターンで変化し、回転数フィードバック制御により回転速度が75%速度に到達する時刻t2で、CB2トリップ前の電流値IMB1(例えば100%電流値)とほぼ同レベルの健全側給電電路S1が過負荷とならない電流値に復帰する。
第2の実施形態による図5(a)の動作では、上述の回生電流が流れることによるブレーキ作用(回生ブレーキ作用)がもたらされるので、一方の給電電路の保護装置CB2がトリップした後、回転速度を速やかに75%速度に到達させることができ、健全側給電電路の保護装置CB1を流れる電流を、CB2トリップ前の電流値IMB1(例えば100%電流値)とほぼ同レベルの健全側給電電路S1が過負荷とならない電流値に速やかに復帰させることができる。
また、第2の実施形態による図5(a)の動作では、上述の回生電流により、健全側給電電路(例えばS1)の系統の電池(例えばB1)を充電することができる。
なお、一方の給電電路(例えはS2)の保護装置(例えばCB2)が時刻t1で開路(トリップ)した後、図5(a)に示されるような回生電流による過渡的な電流によって他方の給電電路(例えばS1)の保護装置(例えばCB1)がトリップしないように、保護装置(CB1,CB2)の電流−時間特性を設定しておくことにより、健全側給電電路の保護装置のトリップを確実に防止することができる。
また、図5(a)において、一方の給電電路の保護装置CB2がトリップしたとき(時刻t1)に回転速度指令値NSCを75%速度にステップ的に低下させた後、時刻t2以降も回転速度フィードバック制御に対する回転速度指令値NSCが75%速度あるいはそれ以下の速度値に維持されるように推進電動機制御装置SCで制限することにより、速度設定器VRNの設定値Nが75%を超える値のままであっても回転速度が75%を超えることは無く、推進電動機の回転速度上限値を75%に制限した運転を行うことができる。
また、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、健全側給電電路が過負荷にならないようにするための推進電動機回転速度の制限値(上限値)として、上述の75%速度は余裕を見た回転速度値であって好適であるが、上記の制限値(上限値)は、75%速度に限定されるものではなく、健全側給電電路が過負荷にならないようにするため、推進電動機電力が1/2となる回転速度79.4%以下の回転速度値であればよい。
以上では、第2の実施形態を、給電電路の系統が2系統の場合について説明したが、3以上の複数系統の場合についても、健全側給電電路が過負荷とならないようにするための推進電動機の回転速度制限値(上限値)を全系統数と健全系統数に応じて定めるようにすることにより、上記と全く同様に実施することができる。
[第3の実施形態]
次に、図6はこの発明の第3の実施形態を示す回路構成図である。第3の実施形態は、図6に示すように、給電電路S1と給電電路,S2との結合点の近傍における給電電路S1側および給電電路,S2側にそれぞれ保護装置(遮断器)CB7およびCB8を設けている点で、第1の実施形態(図1)とは回路構成が異なっているが、2系統の給電電路(S1,S2)の保護装置(CB1,CB2)のいずれか一方がトリップ(開路)した場合における保護装置(例えばCB1)が閉路している方の健全側給電電路(例えばS1)が過負荷とならないようにするための保護動作としては、第1の実施形態(図4(a))あるいは第2の実施形態(図5(a))と同様な動作を行う。
一方、図6の回路構成においても、給電電路(S1,S2)における保護装置CB1、CB2間の直流給電回路で短絡事故が発生した場合、2台の電池B1、B2から短絡点に短絡電流が流れるが、上記のように給電電路S1,S2の結合点の近傍に遮断器CB7,CB8を設けていることにより、保護装置CB7、CB8間での短絡事故でなければ、保護装置CB1、CB2が2台ともトリップして給電電路S1,S2が2系統とも開路することを防ぐことができるので、健全側給電電路(例えばS1)が過負荷とならないようにするための図4(a)あるいは図5(a)に示す保護動作を行うことができる。
図6において例えば給電電路S2における発電機G2への分岐母線の接続点であるr2点で短絡事故が発生した場合について説明する。なお、図6では直流給電回路を単線表示しているが、上記の短絡事故は、直流給電回路における正極側給電線のr2P点と、図示されない負極側給電線のr2N点との間で発生したものとする。このr2点の短絡事故が発生したときに、2台の電池B1、B2から短絡点r2に短絡電流が流れようとするが、各保護装置相互間での協調動作により、2系統の給電電路(S1,S2)における保護装置CB1,CB2,CB7,CB8のうち、短絡点r2の近傍の保護装置CB2,CB8だけを選択的に遮断動作させることにより、給電電路S1側の保護装置CB1,CB7は遮断動作しないようにすることができる。これにより、r2点での短絡事故の発生時に、給電電路S2は開路するが、給電電路S1の開路は防ぐことができるので、電池B1から給電電路S1を介しての推進電動機への給電を維持することができるとともに、健全側給電電路S1が過負荷とならないようにするための図4(a)あるいは図5(a)に示す保護動作を行うことができるようになる。
なお、電気推進船舶などの電気推進システムでは、通常、給電電路の電路長が短く、電路インピーダンスが小さい場合が多い。したがって、電気推進システムの直流給電回路では、給電電路の電路インピーダンスが小さいため、短絡事故時において瞬時に大短絡電流に到達してしまうとともに、各保護装置(遮断器)の遮断動作の遅れもあることにより、各保護装置の定格及び設定値にかかわらず、全ての保護装置がほぼ同時に動作してしまうことになり、保護装置相互間の協調動作による選択的な遮断動作をさせることが難しい場合が多い。しかしながら、上記特許文献2〜3に示されている保護システムの構成を適用することにより、電路インピーダンスの小さい直流給電回路であっても、短絡事故時における保護装置相互間の協調動作による選択的な遮断動作が可能となる。
図7は、上記特許文献2〜3に示されている遮断部の構成例を示す回路図である。図7(a)の構成例1は、気中遮断器などからなる遮断器21と、超限流遮断器22とが直列に設けられてなる遮断部の構成である。また、図7(b)の構成例2は、超限流遮断器22だけからなる遮断部の構成である。超限流遮断器22は、超限流遮断器22を通る電流を検出する電流検出器(変流器CT)22aと、電流検出器22aの検出信号が入力される制御部22bと、制御部22bからの遮断動作指令により遮断動作(限流動作)する電流遮断装置22cとを備えている。また、制御部22bには、図示されない選択遮断制御装置からのロック指令信号と遮断指令信号とが入力される。電流検出器22aが設定値を超えた過電流を検出すると、制御部22bが電流遮断装置22cを遮断動作させるようになっている。この制御部22bは、ロック指令信号が入力された場合、電流検出器22aの検出動作をロックする。これにより、電流遮断装置22cは遮断動作をしないようになる、すなわち遮断動作がロックされる。また、制御部22bに遮断指令信号が入力された場合、電流遮断装置22cは強制的に遮断動作を行う。
次に、電流遮断装置22cの構成例を図8に示す。図8において、電流遮断装置22cは、電路30に挿入された電路遮断器22c1に並列に限流ヒューズ22c2を接続して構成される。電路遮断器22c1は、上記特許文献4に示すような、電路の開放を火薬類の爆発エネルギーによって行うように構成され、電路遮断器22c1の図示しない電気点火装置に外部からの遮断動作指令(点火信号)を与えることにより、内蔵された火薬類を爆発させて、その爆発エネルギーにより内部通電路aを破断して電路を開放することにより、電流を遮断するものである。このため、電路遮断器22c1の電流遮断動作は、極めて高速で、短絡事故時に電流検出器22aが過電流を検出して制御部22bから遮断動作指令(点火信号)が与えられると電路遮断器22c1はほぼ瞬時に電路30を開放し、電路30の短絡電流Iを遮断する。なお、このような電路遮断器22c1は、電流遮断を高速で行うことができるが、構造上、遮断容量が制限され、これをあまり大きくすることができないので、電流容量の大きな電気回路で使用する場合は、図示するように並列に限流ヒューズ22c2を接続して使用する。
1)第3の実施形態における短絡保護方式1:
図6の直流給電回路における各保護装置として図7に示す構成の遮断部を用いる。具体的には、保護装置CB1〜CB6として、遮断器21(気中遮断器など)と超限流遮断器22とが直列に設けられてなる遮断部(図7(a))を設けるとともに、保護装置CB7〜CB8としては、超限流遮断器22だけからなる遮断部(図7(b))を設ける。
そして、図6の直流給電回路における例えばr2点など各位置に図示されない電圧検出器を設けるとともに、電圧検出器の検出結果に基づいて直流給電回路における電圧低下から短絡点を検出し、その検出した短絡点に基づいて各保護装置の遮断動作を制御し、前記電圧低下に基づいて短絡点近傍の保護装置を遮断動作させ、それ以外の保護装置の遮断動作を禁止する選択遮断制御装置を設けておく。この構成では、短絡発生時の短絡点の電圧が短絡発生から極めて短時間に極めて小さい値に急下降することに基づき、短絡発生から短時間に保護装置を速やかに遮断動作させることができる。また、各保護装置とも高速な電流遮断が可能な超限流遮断器22を備えているので、各保護装置の遮断動作の遅れは小さい。したがって、電気推進船舶用の電気推進システムにおけるような電路インピーダンスの小さい直流給電回路であっても、短絡事故が発生したときに、2系統の給電電路(S1,S2)における保護装置CB1,CB2,CB7,CB8のうち、短絡点(例えばr2点)近傍の必要最小限の保護装置(例えばCB2,CB8)だけを選択的に遮断動作させることができるようになる。
2)第3の実施形態における短絡保護方式2:
短絡保護方式1と同様に、図6の直流給電回路における各保護装置として図7に示す構成の遮断部を用いる。具体的には、保護装置CB1〜CB6として、遮断器21(気中遮断器など)と超限流遮断器22とが直列に設けられてなる遮断部(図7(a))を設けるとともに、保護装置CB7〜CB8としては、超限流遮断器22だけからなる遮断部(図7(b))を設ける。
そして、図6の直流給電回路における各保護装置が過電流を検出して遮断動作するための遮断動作電流値の大きさを、正常動作運転状態で直流給電回路を流れる定格電流、充電電流または回生電流では各保護装置が遮断動作しないように、当該保護装置内を流れる正方向電流及び逆方向電流毎に設定しておく。この構成では、直流給電回路で短絡事故が発生したときの正方向又は逆方向の短絡電流を保護装置が的確に検出し、保護装置が速やかに遮断動作することができる。また、各保護装置とも高速な電流遮断が可能な超限流遮断器22を備えているので、各保護装置の遮断動作の遅れは小さい。したがって、電気推進船舶用の電気推進システムにおけるような電路インピーダンスの小さい直流給電回路であっても、短絡事故が発生したときに、2系統の給電電路(S1,S2)における保護装置CB1,CB2,CB7,CB8のうち、短絡点(例えばr2点)近傍の必要最小限の保護装置(例えばCB2,CB8)だけを選択的に遮断動作させることができるようになる。なお、上述のような正方向電流及び逆方向電流毎での遮断動作電流値の設定は、各保護装置が備える超限流遮断器22における制御部22bで行うことができる。
なお、上述の短絡保護方式1および2において、短絡事故時の保護装置CB1あるいは保護装置CB2の遮断動作では、図7(a)の遮断部構成のうち、超限流遮断器22の方を遮断動作させることになる。このため、超限流遮断器22に遮断表示接点出力機能を持たせておき、遮断器21(気中遮断器など)のトリップ信号と超限流遮断器22の遮断表示信号とのOR条件の信号を保護装置(CB1,CB2)のトリップ信号(信号a1,a2)として推進電動機制御装置SCに入力するようにしておけば、このトリップ信号(信号a1,a2)に基づき、短絡事故の場合でも、健全側給電電路が過負荷とならないようにするための図4(a)あるいは図5(a)に示す保護動作を行うことができるようになる。
また、上述の図7〜8により、図6の直流給電回路における各保護装置に適用する遮断部の構成例を示したが、適用可能な遮断部の構成は、これに限定されるものではない。
以上では、第3の実施形態を、給電電路の系統が2系統の場合について説明したが、3以上の複数系統の場合についても、健全側給電電路が過負荷とならないようにするための推進電動機の回転速度制限値(上限値)を全系統数と健全系統数に応じて定めるようにすることにより、上記と全く同様に実施することができる。
この発明の第1の実施形態を示す回路構成図 ロビンソンカーブの一例を示す特性図 推進電動機の回転速度と推進電力との関係を示す特性図 図1の回路構成での動作と従来システムでの動作とを比較説明するための波形図 この発明の第2の実施形態による動作を説明するための波形図 この発明の第3の実施形態を示す回路構成図 遮断部の構成例を示す回路図 電流遮断装置の構成例を示す回路図 従来例を示す構成図 保護装置の特性図
符号の説明
B1,B2…蓄電池、CB1~CB8…保護装置(遮断器)、S1, S2…給電電路、SW1, SW2…スイッチ、INV1,INV2…電力変換器(インバータ)、TD…速度検出器、M1,M2…推進電動機、SC…推進電動機制御装置、RE1,RE2…整流器、G1,G2…発電機、DE1,DE2…原動機。

Claims (3)

  1. 電池と、この電池を充電する発電機とからなるハイブリッド電源をp(pは2以上の整数)系統備えるとともに、各ハイブリッド電源から推進電動機に給電するp系統の給電電路を備え、各給電電路にそれぞれ保護装置を設けてなる電気推進システムにおいて、
    前記各給電電路にそれぞれ推進電動機へ供給する電力を変換制御して船舶の推進器を可変速制御する電力変換器を設け、
    電池のみで推進電動機および補機類へ電力を供給して運転する電池運転モード時においては、保護装置が閉路している健全側給電電路の系統数q(qは1以上、かつ、p以下の整数)が1ないし(p−1)である各場合について、それぞれ、健全側給電電路が過負荷にならないようにするための推進電動機回転速度の制限値を予め定めておき、少なくとも1系統の給電電路の保護装置が開路したとき、開路前の推進電動機回転速度が開路後における健全側給電電路の系統数に対応する制限値を超える回転速度であった場合には、前記電力変換器を停止させ、電力変換器が停止した遊転状態で推進電動機の回転速度が低下して、このときの健全側給電電路の系統数に対応する制限値以下の回転速度値になったときに、電力変換器の運転を再開させるとともに、推進電動機の回転速度上限値をこのときの健全側給電電路の系統数に対応する制限値に制限して運転を行うことを特徴とする電気推進システムの保護方法。
  2. 前記電気推進システムが、前記ハイブリッド電源を2系統備えるとともに各ハイブリッド電源から推進電動機に給電する2系統の給電路を備え、各ハイブリッド電源から推進電動機に供給される電力を変換制御して船舶の推進機を可変速制御する電力変換器を備えてなる電気推進船舶用の電気推進システムであり、
    電池のみで推進電動機および補機類へ電力を供給して運転する電池運転モード時であって75%を超える推進電動機回転速度で運転中に1系統の給電電路の保護装置が開路したときは、前記電力変換器を停止させ、電力変換器が停止した遊転状態で推進電動機の回転速度が低下して75%以下の回転速度値になったときに、電力変換器の運転を再開させるとともに、推進電動機の回転速度上限値を75%に制限して運転を行うことを特徴とする請求項1に記載の電気推進システムの保護方法。
  3. 給電電路の保護装置が開路してから電力変換器に停止指令を与えて電力変換器が停止するまでの間は、過大電流が流れている健全側給電電路の保護装置がトリップしないように、保護装置の電流−時間特性を設定しておくことを特徴とする請求項1または2に記載の電気推進システムの保護方法。
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