JP2016059168A - 母線電圧安定化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高電圧の電力系統母線に受電用変圧器を介して接続された主母線と、この主母線に接続された自家用発電設備と、前記主母線に介装されて電力供給系を複数組に区分する系統解列用遮断器とを備えた母線電圧安定化装置において、前記電力系統母線の瞬低・停電に起因する前記主母線の電圧低下を効率的に抑制する。【解決手段】前記電力系統母線の事故時に遮断動作する高電圧高速遮断器を前記主母線と前記受電用変圧器との間に介装すると共に、前記高電圧高速遮断器の遮断動作時に前記主母線から前記電力系統母線への電流流出を抑制する限流リアクトルを前記主母線と前記受電用変圧器との間に介装する。【選択図】 図1
Description
本発明は、電力系統母線を介して外部から給電される高電圧電力を受電用変圧器を介して工業プラント等の主母線に取り込み、前記主母線を介して各種の誘導機負荷を含む複数の負荷装置に電力を供給するに好適な母線電圧安定化装置に関する。
石油精製プラントやセメント製造工場等の大規模工業プラントにおける電源設備としての母線電圧安定化装置1は、例えば図7に示すように発電プラント等の電力供給源2から電力系統母線3を介して外部から給電される高電圧供給電力を所定の高電圧電力に変換して該工業プラントの主母線4に取り込む受電用変圧器5を備える。ちなみに送電線からなる前記電力系統母線3を介して給電される電力は、例えば66kV以上の高電圧電力である。また前記受電用変圧器5は、例えば前記高電圧電力を3.3kV〜22kVの二次高電圧電力に変換して前記工業プラントの主母線4に取り込むもので、数十MVAの電力容量を有する。そして前記母線電圧安定化装置1は、前記主母線4を介して複数の負荷機器に対してそれぞれ電力供給して工業プラントを稼働する役割を担う。
ここで前記主母線4に接続されて前記電力供給源2からの電力を受けて駆動される前記負荷機器は、例えば誘導電動機(IM)等の誘導機負荷6,7や、いわゆる定インピーダンスの通常負荷8,9等からなる。また前記受電用変圧器5と前記主母線4との間には、一般的には事故発生時に前記電力系統母線3と前記主母線4とを切り離す為の、負荷遮断用の遮断器10が設けられる。この遮断器10は、一般的には[52B遮断器]と称されるものである。
また前記主母線4には、前記電力系統母線3における瞬時電圧低下(瞬低)や停電発生時に前記主母線4を複数の電力供給系に区分する系統解列用の遮断器11が設けられる。この遮断器11もまた、一般的には[52B遮断器]と称されるものである。ちなみに前記遮断器11により区分される複数組の電力系統は、例えば前記工業プラントの稼働を継続する上において重要な前記誘導電動機6等を含む複数の負荷機器に電力を供給する電力系統と、それ以外の負荷機器、例えば定インピーダンスの通常負荷8,9等に電力を供給する電力系統とからなる。
一方、前記母線電圧安定化装置1には、前記電力系統母線3の事故に起因する該主母線4の電圧低下を抑制して前記工業プラントの稼働を維持する上で重要な前記誘導電動機6等に電力を供給する自家用発電設備(STG)12が設けられることも多い。この自家用発電設備12は、例えば蒸気タービン13から得られる回転力を利用して所定の電力を生成して前記主母線4に給電するタービン発電機14を主体として構成される。またこのタービン発電機14には、通常、励磁装置15が設けられる。この励磁装置15は、前記タービン発電機14に対する励磁電流を増減することで、該タービン発電機14から得られる無効電力を調整する役割を担う。尚、図中16は、前記誘導電動機等の誘導機負荷6に対する力率改善用の電力コンデンサ(SC)である。
ところでこの種の母線電圧安定化装置1には、例えば前記電力系統母線3における前記瞬低や停電に伴う短絡電流を抑制して該母線電圧安定化装置1を保護する為の限流ヒューズ等の高速遮断器や限流リアクトルを組み込むことがある。ちなみに前記限流ヒューズは、例えば特許文献1に紹介されるように短絡故障や地絡故障に起因する短絡電流により溶断して前記電力系統母線3と前記主母線4とを瞬時に切り離すものである。また前記限流リアクトルは、例えば特許文献2に紹介されるように、負荷設備に前記自家用発電設備12を設けた場合でも、該限流リアクトルのインダクタンスによって前記電力系統母線3の事故に起因する前記主母線4の瞬時電圧低下を抑制するものである。尚、図中Xsは、前記電力系統母線3の背後インピーダンス量を示している。
上述した如く構成された母線電圧安定化装置1においては、前記電力系統母線3を含む系統電源側で瞬低や停電等の事故が発生した場合、これに起因して該母線電圧安定化装置1における前記主母線4の電圧が低下することが否めない。特に前記母線電圧安定化装置1から電力供給を受けて稼動する前記工業プラントが数多くの前記誘導電動機(IM)等の誘導機負荷6,7を備えている場合、前記主母線4の電圧低下に伴って前記誘導電動機の回転数が低下する。
すると前記主母線4の電圧低下を抑制するべく、常時は低負荷状態で運転されている前記自家用発電設備(STG)12が電力供給モードに立ち上げられ、前記主母線4への所定の電力供給を開始する。その後、前記電力系統母線3の事故からの回復により、或いは前記系統解列用の遮断器11の動作による前記主母線4の系統解列により前記誘導電動機等を含む複数の負荷機器に電力を供給する重要な電力系統側の電圧が次第に回復する。
しかしこの際、前記誘導機負荷6が前記事故前の回転数に戻ろうとして一斉に加速するので前記誘導機負荷6から定格の数倍以上の無効電力が発生する。すると前記誘導機負荷6が発生する無効電力を受けて前記主母線4の電圧が低下する。この結果、前記自家用発電設備12における前記励磁装置15による進相無効電力の供給を受けても前記主母線4の電圧が回復しない状態が継続し、前記工業プラントの全体が大きなダメージを受けるおそれが生じる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、前記電力系統母線の瞬低や停電に対して主母線の系統解列が行われ、自家用発電設備が立ち上げられた場合でも誘導機負荷の加速に起因する前記主母線の電圧低下を効率的に抑制することのできる簡易な構成の母線電圧安定化装置を提供することにある。
本発明に係る母線電圧安定化装置は、大規模工業プラントの電源設備として好適なものであって、基本的には、高電圧の電力系統母線に受電用変圧器を介して接続され、誘導電動機等の誘導機負荷を含む複数の負荷装置に前記受電用変圧器を介して電圧変換された高電圧電力を供給する主母線と、
この主母線に接続されて前記電力系統母線の事故に起因する該主母線の電圧低下を抑制する、例えば励磁装置を備えたタービン発電機等の自家用発電設備と、
前記主母線に介装されて前記複数の負荷装置に対する電力供給系を複数組に区分する系統解列用遮断器を備える。
この主母線に接続されて前記電力系統母線の事故に起因する該主母線の電圧低下を抑制する、例えば励磁装置を備えたタービン発電機等の自家用発電設備と、
前記主母線に介装されて前記複数の負荷装置に対する電力供給系を複数組に区分する系統解列用遮断器を備える。
特に上述した目的を達成するべく本発明に係る母線電圧安定化装置は、前記主母線と前記受電用変圧器との間に介装されて前記電力系統母線の事故に起因する短絡電流により遮断動作する高電圧高速遮断器と、
当該高電圧高速遮断器に対して並列的に設けられ、該高電圧高速遮断器の遮断動作時に前記主母線と前記受電用変圧器との間に介装されて前記主母線から前記電力系統母線への電流流出を抑制する限流リアクトルと
を具備したことを特徴としている。
当該高電圧高速遮断器に対して並列的に設けられ、該高電圧高速遮断器の遮断動作時に前記主母線と前記受電用変圧器との間に介装されて前記主母線から前記電力系統母線への電流流出を抑制する限流リアクトルと
を具備したことを特徴としている。
ちなみに前記電力系統母線は、例えば66kV以上の高電圧電力を伝送するものであって、前記受電用変圧器は前記高電圧電力を、例えば3.3kV〜22kVの高電圧電力に変換するものである。また前記自家用発電設備は、前記系統解列用遮断器を介して区分された複数の電力供給系の内、重要度の高い負荷装置に電力を供給する電力供給系に接続される。
また前記高電圧高速遮断器は、前記電力系統母線の事故に伴う短絡電流が所定値を超えたとき、電力位相の1サイクル以内に電流通電路を遮断するものであって、例えば限流ヒューズやGTO等の自己消弧型半導体を用いた高速限流遮断器等からなる。好ましくは前記高電圧高速遮断器および前記限流リアクトルは並列に設けられて、負荷遮断器を介して前記主母線に接続される。
ここで前記母線電圧安定化装置は、更に前記主母線に接続され、該主母線の電圧変動に応じて無効電力量を補償する自励式無効電力補償装置(STATCOM)を備えることが望ましい。この自励式無効電力補償装置については、前記主母線の前記自家用発電設備が接続された電力供給系側に接続し、前記自家用発電設備に無効電力を供給することで系統解列後の前記主母線の電圧安定性を高めることが望ましい。
上述した如く構成された母線電圧安定化装置によれば、従来、短絡電流の抑制に用いられていただけの限流ヒューズ等の高電圧高速遮断器および限流リアクトルを有効に活用して前記電力系統母線の事故発生後における前記主母線の電圧低下を効果的に抑制することができる。この結果、事故発生後における前記主母線の電圧補償を行って該主母線の電圧の安定化を図ることが可能となる。
特に前記事故発生後の系統解列等により前記主母線の電圧が回復し始め、これに伴って前記誘導機負荷の回転数が事故前の回転数に戻るべく一斉に加速した場合であっても、該誘導機負荷から発生する定格以上の無効電力を効果的に抑えて前記自家用発電設備を有効に機能させることが可能となる。故に前記主母線の電圧回復を早めて工業プラント全体が受けるダメージを少なくすることが可能となる。
また従来、前記主母線の電圧補償にのみ用いられていた前記自励式無効電力補償装置を有効に活用して前記自家用発電設備の負担を大幅に軽減することが可能となる。これ故、前記自家用発電設備の電力容量を徒に大きくすることなく、該自家用発電設備による前記主母線の電圧回復を早くすることができる等の効果が奏せられる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る母線電圧安定化装置について説明する。
図1は本発明に係る母線電圧安定化装置をモデル化して示す系統概略構成図であり、図7に示した従来の母線電圧安定化装置1と同一部分には同一符号を付して示してある。本発明に係る母線電圧安定化装置20は、基本的には前記主母線4に接続されて前記電力系統母線3の事故に起因する該主母線4の電圧低下を抑制する自家用発電設備12と、前記主母線4に介装されて前記複数の負荷装置6,7,8,9に対する電力供給系を複数組に区分する系統解列用遮断器11を備えて構成される。
さて本発明に係る前記母線電圧安定化装置20は、前述した従来の母線電圧安定化装置1の基本構成に加えて、前記主母線4と前記受電用変圧器5の二次側との間に介装されて前記電力系統母線3の事故時に起因する短絡電流により遮断(開路)動作する高電圧高速遮断器21と、この高電圧高速遮断器21の遮断動作時に前記主母線4と前記受電用変圧器5との間に介装されて前記主母線4から前記電力系統母線3への電流流出を抑制する限流リアクトル22とを備えたことを特徴とする。
具体的には前記限流リアクトル22は、前記高電圧高速遮断器21に対して並列的に設けられて前記主母線4と前記受電用変圧器5との間に介装される。ここで前記高電圧高速遮断器21は、例えば短絡電流によって溶断する限流ヒューズからなる。しかし前記高電圧高速遮断器21として、GTO等の自己消弧型半導体を用いた高速限流遮断器を用いることも勿論可能である。
具体的には前記限流リアクトル22は、前記高電圧高速遮断器21に対して並列的に設けられて前記主母線4と前記受電用変圧器5との間に介装される。ここで前記高電圧高速遮断器21は、例えば短絡電流によって溶断する限流ヒューズからなる。しかし前記高電圧高速遮断器21として、GTO等の自己消弧型半導体を用いた高速限流遮断器を用いることも勿論可能である。
ちなみに前記限流リアクトル22は、遮断器23を介して前記主母線4と前記受電用変圧器5の二次側との間に介装されて前記高電圧高速遮断器21に対して並列に設けられる。特に前記遮断器23は、前記高電圧高速遮断器21の遮断動作に連動して閉路を形成し、前記限流リアクトル22を前記主母線4と前記受電用変圧器5との間に介装する。尚、前記高電圧高速遮断器21に対して並列に設けられた遮断器24は、常時は開放状態に保たれ、前記電力系統母線3の事故回復後に閉路制御されて前記電源設備20の正常化復帰に用いられるものである。
このように前記高電圧高速遮断器21と前記限流リアクトル22とを備えて構成される母線電圧安定化装置20においては、常時は図1に矢印Aで示すように前記電力系統母線3から前記受電用変圧器5を介して給電される高電圧電力の電流は、前記高電圧高速遮断器21を介して前記主母線4に流れる。そして前記電力系統母線3の事故による瞬低や停電が生じたとき、これに起因する短絡電流が前記高電圧高速遮断器21に流れることで該高電圧高速遮断器21が高速に遮断動作し、前記主母線4が前記受電用変圧器5から速やかに切り離される。
すると前記高電圧高速遮断器21の遮断動作に伴って前記限流リアクトル22が前記主母線4と前記受電用変圧器5との間に介装される。そして前記高電圧高速遮断器21が遮断動作した後には、図1に矢印Bで示すように前記主母線4から前記受電用変圧器5を介して前記電力系統母線3に向けて電流が流れ出る。この際、前記主母線4から前記電力系統母線3に流れる電流は、前記限流リアクトル22のインダクタンスと前記電力系統母線3における背後インピーダンスXsとにより定まる回路時定数の影響を受けて位相制御される。この結果、前記主母線4の電圧低下が前記限流リアクトル22の作用により抑制される。
またこの際、前記高電圧高速遮断器21の遮断動作に伴う前記系統解列用遮断器11の遮断動作に伴って前記主母線4が重要度を異にする負荷にそれぞれ個別に電力供給する複数の電力系統に区分され、前記主母線4の系統解列が実行される。すると常時は低負荷状態で運転され、前記高電圧高速遮断器21の遮断動作に伴って急速に立ち上げられる前記自家用発電設備12は、前記主母線4の系統解列により分離された電力系統に対してだけ効率的に電力供給を開始する。この結果、前記主母線4の当該工業プラントにおいて重要な役割を果たす前記誘導機負荷6等に対して電力を供給する電力系統の電圧が前記電力系統母線3の事故前の電圧に立ち上げられて、その動作が保証される。
また前記主母線4に前記自励式無効電力補償装置(STATCOM)25が設けられている場合には、該自励式無効電力補償装置25は前記系統分離された前記主母線4の前記自家用発電設備12が接続された電源系統に対して無効電力を供給し、該主母線4の電圧を効果的に補償する。この結果、前記励磁装置15の作用を受けて前記自家用発電設備12から供給される進相無効電力によって前記誘導機負荷6等に生じる無効電力を効果的に補うことが可能となる。故に、前記自家用発電設備12の機能を十分に発揮させて前記主母線4の電圧を回復させることが可能となる。換言すれば前記自励式無効電力補償装置25を前記主母線4に接続することにより系統解列後における前記主母線4に発生する無効電力に余裕を与え、該主母線4の電圧回復を速めてその電圧安定性を高めることが可能となる。
図2〜図6は上述した如く構成された母線電圧安定化装置20の性能を評価する為の各種条件下でのシミュレーション結果をそれぞれ示している。これらの各図において、(a)は前記電力系統母線3において三相短絡事故が生じた際の該電力系統母線3の事故点における相電圧、(b)は前記事故の発生に伴って系統解列された前記自家用発電設備12が接続された側の前記主母線4の相電圧、そして(c)は前記事故の発生に伴う前記自家用発電設備12の界磁電圧の動揺を示している。
また図2〜図6における(d)は前記タービン発電機14の有効電力(実線)と無効電力(一点鎖線)を、(e)は前記誘導機負荷6である誘導電動機の有効電力(実線)と無効電力(一点鎖線)を示している。更に(f)は前記自励式無効電力補償装置25が発生する有効電力(実線)と無効電力(一点鎖線)を、そして(g)は前記誘導電動機のスリップの動揺をそれぞれ示している。
ちなみに上記シミュレーションは、前記電力系統母線3の系統事故後に前記高電圧高速遮断器(限流ヒューズ)21により前記電力系統母線3から切り離され、前記系統解列用遮断器11の開放による系統解列までの時間が0.15秒であるとした。またこのときの負荷遮断量については前記自家用発電設備12の定格出力を100%とし、前記主母線4に対するインピーダンス負荷を28.4%、前記誘導電動機のモデル負荷を19.1%、そして前記遮断器11による前記主母線4の系統解列の負荷遮断率を47.5%として求めた。
尚、ここでは前記受電用変圧器5の電力容量当たりの前記限流リアクトル22の漏れインピーダンスを1PUとすると共に、例えば10MVAの前記受電用変圧器5の電力容量を1PUとした。そして前記系統事故の発生時における前記電力系統母線3の事故点残留電圧が0.3PUであり、また前記自励式無効電力補償装置25の電力容量が0.85PUまたは0.55PUであると仮定して系統事故後における前記主母線4の自立系統の電圧回復のシミュレーションを行った。
ここで図2は、前記受電用変圧器5の二次側と前記主母線4との間に前記高電圧高速遮断器21だけを設け、前記限流リアクトル22を設けていない第1の条件下でのシミュレーション結果を示している。これに対して図3は、前記高電圧高速遮断器21に加えて前記受電用変圧器5の二次側と前記主母線4との間に限流リアクトル22を設けた第2の条件、即ち、本発明に係る構成の母線電圧安定化装置20でのシミュレーション結果を示している。但し、これらのシミュレーション結果は、前記自励式無効電力補償装置(STATCOM)25を備えていない場合である。
これらの図2および図3を対比して明らかなように、前記高電圧高速遮断器21に対して並列に前記限流リアクトル22を備えることにより、該限流リアクトル22の作用により系統解列後における前記主母線4の電圧を事故前の電圧に速やかに回復させることができる。特に前記限流リアクトル22を備えていない場合、前記界磁電圧の上限リミッタ値継続時間が20秒以上と長く継続する。しかし前記限流リアクトル22を設けることで前記界磁電圧の上限リミッタ値継続時間を13.5秒と短く抑えることができる。従って前記自家用発電設備12側の界磁電圧の発生を抑えることで無効電力の徒な出力を抑制することができる。
また図4は前記受電用変圧器5の二次側と前記主母線4との間に前記高電圧高速遮断器21だけを設け、更に前記主母線4に電力容量が0.85PUの自励式無効電力補償装置(STATCOM)25を設けた第3の条件下でのシミュレーション結果を示している。換言すれば前記限流リアクトル22を備えていない場合のシミュレーション結果を示している。
これに対して図5は、前記高電圧高速遮断器21に加えて前記受電用変圧器5の二次側と前記主母線4との間に限流リアクトル22を設けると共に、電力容量が0.55PUの前記自励式無効電力補償装置25を備えた第4の条件でのシミュレーション結果を示している。更に図6は、前記自励式無効電力補償装置25の電力容量を0.85PUと大きくした第5の条件でのシミュレーション結果を示している。
これらの図4〜図6にそれぞれ示すシミュレーション結果から明らかなように前記自励式無効電力補償装置25を備えることで、前記自家用発電設備12での界磁電圧の発生を抑えて該自家用発電設備12を有効に機能させ、前記主母線4の電圧回復時間を大幅に短縮することができる。しかも前記自励式無効電力補償装置25の電力容量が高い場合、前記自家用発電設備12の負担を軽減しながら前記主母線4の電圧回復時間を1.0秒程度と効果的に短縮することができる。また同時に前記誘導電動機におけるスリップを大幅に減らすことができ、その運転効率を高めることができる。
即ち、図2および図3にそれぞれ示すシミュレーション結果から、前記高電圧高速遮断器21と前記限流リアクトル22とを併用した本発明に係る母線電圧安定化装置20によれば前記誘導機負荷6に加わる界磁電圧の上限リミッタ値の継続時間を大幅に改善し、前記主母線4の電圧の安定性を高めることが分かる。この結果、前記自家用発電設備12等の電力容量の低減を図ることができ、負荷選択遮断容量を低廉化することが可能となる。
また図4〜図6にそれぞれ示すシミュレーション結果から、前記自励式無効電力補償装置25を備えるだけでも前記自家用発電設備12による前記主母線4の電圧安定化に大きく寄与し得るが、特に前記高電圧高速遮断器21と前記限流リアクトル22とを併用することで前記主母線4の電圧をより効果的に安定化し得ることが分かる。従ってこのような構成を採用することで前記自家用発電設備12等の電力容量の低減を図ることができ、設備コストのより一層の低廉化することが可能となる。
故に前記高電圧高速遮断器21と前記限流リアクトル22とを併用した本発明に係る母線電圧安定化装置20によれば、系統事故に起因する前記主母線4の電圧低下を簡易にして効果的に抑制することができる。更には前記主母線4の系統解列後における自立運転時において、誘導機負荷の力率の低い再起動電流に対して前記自励式無効電力補償装置25の機能を効果的に活かすことが可能となる。従って前記主母線4における無効電力に余裕を与えることで該主母線4の電圧回復を早め、その電圧安定性を高めることができる。その上で設備コストに大きく影響する前記自励式無効電力補償装置25の容量を低減させることが可能となる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。ここでは母線電圧安定化装置20をモデル化して示したが、前記誘導機負荷6,7を構成する誘導電動機等の数は工業プラントの規模に応じて決定されるものである。また前記主母線4を系統解列して設定する複数の電力系統の数は2つに特定されるものではなく、また前記誘導機負荷6,7が接続される電力系統を適宜切り替えるようにしても良いことは言うまでもない。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 母線電圧安定化装置(電源設備)
2 電力供給源
3 電力系統母線(66kV以上)
4 主母線(3.3kV〜22kV)
5 受電用変圧器
6,7 誘導機負荷(誘導電動機;IM)
8,9 通常負荷(定Z負荷)
10 遮断器(負荷遮断用)
11 遮断器(系統解列用)
12 自家用発電設備(STG)
13 蒸気タービン
14 タービン発電機
15 励磁装置
16 電力コンデンサ(力率改善用)
20 母線電圧安定化装置(電源設備)
21 高電圧高速遮断器(限流ヒューズ)
22 限流リアクトル
23 遮断器(限流リアクトル用)
24 遮断器(再閉路用)
25 自励式無効電力補償装置(STATCOM)
2 電力供給源
3 電力系統母線(66kV以上)
4 主母線(3.3kV〜22kV)
5 受電用変圧器
6,7 誘導機負荷(誘導電動機;IM)
8,9 通常負荷(定Z負荷)
10 遮断器(負荷遮断用)
11 遮断器(系統解列用)
12 自家用発電設備(STG)
13 蒸気タービン
14 タービン発電機
15 励磁装置
16 電力コンデンサ(力率改善用)
20 母線電圧安定化装置(電源設備)
21 高電圧高速遮断器(限流ヒューズ)
22 限流リアクトル
23 遮断器(限流リアクトル用)
24 遮断器(再閉路用)
25 自励式無効電力補償装置(STATCOM)
Claims (9)
- 高電圧の電力系統母線に受電用変圧器を介して接続されて誘導機負荷を含む複数の負荷装置に電力を供給する主母線と、
この主母線に接続されて前記電力系統母線の事故に起因する該主母線の電圧低下を抑制する自家用発電設備と、
前記主母線に介装されて前記複数の負荷装置に対する電力供給系を複数組に区分する系統解列用遮断器と、
前記主母線と前記受電用変圧器との間に介装されて前記電力系統母線の事故時に起因する短絡電流により遮断動作する高電圧高速遮断器と、
当該高電圧高速遮断器に対して並列的に設けられ、該高電圧高速遮断器の遮断動作時に前記主母線と前記受電用変圧器との間に介装されて前記主母線から前記電力系統母線への電流流出を抑制する限流リアクトルと
を具備したことを特徴とする母線電圧安定化装置。 - 前記自家用発電設備は、前記系統解列用遮断器を介して区分された複数の電力供給系の内、重要度の高い負荷装置に電力を供給する電力供給系に接続されるものである請求項1に記載の母線電圧安定化装置。
- 前記高電圧高速遮断器は、前記電力系統母線の事故に伴う短絡電流が所定値を超えたとき、電流位相の1サイクル以内に電流通電路を遮断するものである請求項1に記載の母線電圧安定化装置。
- 前記高電圧高速遮断器は、限流ヒューズまたは自己消弧型半導体を用いた高速限流遮断器である請求項3に記載の母線電圧安定化装置。
- 前記自家用発電設備は、励磁装置を備えたタービン発電機である請求項1に記載の母線電圧安定化装置。
- 前記受電用変圧器は、前記電力系統母線を介して給電される66kV以上の高電圧電力を3.3〜22kVの高電圧電力に変換して工業プラントにおける前記主母線に取り込むものである請求項1に記載の母線電圧安定化装置。
- 前記高電圧高速遮断器および前記限流リアクトルは、負荷遮断器を介して前記主母線に接続されるものである請求項1に記載の母線電圧安定化装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の母線電圧安定化装置において、
更に前記主母線に接続され、該主母線の電圧変動に応じて無効電力量を補償する自励式無効電力補償装置を備えることを特徴とする母線電圧安定化装置。 - 前記自励式無効電力補償装置は、前記主母線の前記自家用発電設備が接続された電力供給系側に接続されるものである請求項8に記載の母線電圧安定化装置。
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