JP5189892B2 - サージ防護装置 - Google Patents
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Description
SPDを構成する非直線素子は、素子にかかる両端電圧で抵抗値が変化し、素子両端電圧が低い場合は抵抗が高く、殆ど導通しないが、素子両端の電圧が高くなると抵抗値が小さくなる特性を持っている。そのため雷サージが給電線へ侵入するとサージ電流が接地へ分流し、保護対象装置を防護できる。
また、図11は、接地線をもつ三線式給電方式(TN式)における従来のサージ防護装置の構成図である。
さらに、本発明は、SPD劣化時の短絡電流を低減できるため、SPD故障時にSPD分離器動作時に発生する跳ね上り電圧(開閉サージ電圧)を低減させることを目的のひとつとする。
保護対象装置側で保護対象装置に電気を供給する非接地の第1の給電線と、
電源側で接地され、保護対象装置側へ供給される接地線と、
電源側の非接地の第2の給電線と、
非接地の前記第1の給電線と前記第2の給電線との間に設けられ、前記第1の給電線と前記第2の給電線とを接続又は切離す入力ブレーカと、
保護対象装置側の前記第1の給電線と前記接地線間に直列に設けられた、第1の分離器、及び、第1のサージ防護デバイス、及び、第1のスイッチング型サージ防護デバイスと第1の抵抗との第1の並列回路と、
を備え、
前記第1のサージ防護デバイスが故障時に前記第1のサージ防護装置を通る短絡電流を、前記第1の給電線から、前記第1の分離器、前記第1のサージ防護デバイス、前記第1の抵抗を介して、前記接地線へ電流値を抑制して流すことで、前記第1の分離器が前記入力ブレーカより先に切断されるようにしたサージ防護装置が提供される。
保護対象装置側で保護対象装置に電気を供給する非接地の第1の給電線と、
電源側で接地され、保護対象装置側へ供給される接地線と、
電源側の非接地の第2の給電線と、
非接地の前記第1の給電線と前記第2の給電線との間に設けられ、前記第1の給電線と前記第2の給電線とを接続又は切離す入力ブレーカと、
保護対象装置側で保護対象装置に電気を供給する非接地の第3の給電線と、
前記入力ブレーカにより前記第3の給電線と接続又は切離される、電源側の非接地の第4の給電線と、
保護対象装置側で保護対象装置に電気を供給する非接地の第5の給電線と、
前記入力ブレーカにより前記第5の給電線と接続又は切離される、電源側の非接地の第6の給電線と、
保護対象装置側の前記第1の給電線と前記第3の給電線間に設けられた、第1の分離器、及び、第1のサージ防護デバイス、及び、第1のスイッチング型サージ防護デバイスと第1の抵抗との第1の並列回路と、
保護対象装置側の前記第3の給電線と前記第5の給電線間に設けられた、第2の分離器、及び、第2のサージ防護デバイス、及び、第2のスイッチング型サージ防護デバイスと第2の抵抗との第2の並列回路と、
保護対象装置側の前記第5の給電線と前記第1の給電線間に設けられた、第3の分離器、及び、第3のサージ防護デバイス、及び、第3のスイッチング型サージ防護デバイスと第3の抵抗との第3の並列回路と、
を備え、
前記第1又は第2又は第3のサージ防護デバイスが故障時に、前記第1又は第2又は第3のサージ防護装置を通る短絡電流を、それぞれ、前記第1又は第3又は第5の給電線から、前記第1又は第2又は第3の分離器、前記第1又は第2又は第3のサージ防護デバイス、前記第1又は第2又は第3の抵抗を介して、前記接地線へ電流値を抑制して流すことで、前記第1又は第2又は第3の分離器が前記入力ブレーカより先に切断されるようにしたサージ防護装置が提供される。
本発明によると、SPD劣化時の短絡電流を低減できるため、SPD故障時にSPD分離器動作時に発生する跳ね上り電圧(開閉サージ電圧)の低減が可能になる。
図1は、第1の実施の形態によるサージ防護装置の構成図である。
第1の実施の形態は、接地線をもつ三線式給電方式(TN式)に適用した例である。なお、TN式とは、配電用トランスの高低圧部分に高圧がかかることを防止する系統接地と低圧電路に接続される負荷装置を保護する機器接地が接地線で等電位化されている給電方式である。つまり、系統接地が接地線で負荷装置まで引き伸ばされ機器接地としても使用される方式である。なお、本発明はこれらに限らず、二線式や、系統接地と機器接地が接地線で等電位化されている他の給電方式でも適宜適用することができる。
・SPD1−1又は1−2又は1−3の正常時は、雷サージ電流がながれても切れない。
・SPD1−1又は1−2又は1−3の故障時は電流ヒューズ(SPD分離器2−1又は2−2又は2−3)が既に遮断されている。そのためSPDが故障した系統については、雷サージ電流は流れない。電流ヒューズ(SPD分離器2−1又は2−2又は2−3)が切れる場合は、SPD1−1又は1−2又は1−3が劣化して、SPD1−1又は1−2又は1−3の絶縁が低下してSPD1−1又は1−2又は1−3から漏れ電流が流れた場合である。
図2にSPD分離器2−1又は2−2又は2−3に使用される電流ヒューズと、その定格容量にほぼ等しい入力ブレーカ3の遮断特性(遮断時間と遮断電流の関係)の一例を示す。ブレーカの遮断動作は機械的動作なので、最も速い遮断時間が0.01(s)程度のため、電流ヒューズが0.01(s)で遮断できるI(TH)より短絡電流が大きい場合では電流ヒューズが先に遮断動作すると考えられ、また、短絡電流がI(TL)以下の場合についても保護対象装置10への給電を妨げることなく異常SPD1−1又は1−2又は1−3の分離が可能である。しかし、短絡電流の大きさがI(TH) 〜I(TL)の場合、入力ブレーカ3が電流ヒューズより先に動作してしまい、
SPD1−1又は1−2又は1−3の故障により保護対象装置10への給電が停止する場合があった。なお、通常は、ブレーカの遮断特性についてはメーカによらず同様の特性を示す傾向がある。
図3に、第1の実施の形態のサージ防護装置において、通常時に雷サージが侵入した場合の雷サージ電流の流れについての説明図を示す。
この図では、一例として、SPD1−1が故障した場合のSPD1−1を通る短絡電流を矢印で示す。故障時に壊れたSPD1−1にかかる電圧は商用電源電圧程度のため、スイッチング型SPD(ガス入り放電管型SPD等)6−1、6−2及び6−3と他の2つの正常なSPD1−2及び1−3は絶縁状態である。そのためSPD1−1の短絡電流は接地線4−1へ追加抵抗7−1を通って流れる。このため、SPD故障時の短絡電流が抑制される(I(TL)以下に)ので、入力ブレーカ3より先に、SPD分離器2−1が遮断される。よって、SPD1−1の劣化状況(劣化時の抵抗値)に関わらず、故障したSPD1−1を保護対象装置10への影響なしに給電系から分離することが可能になった。なお、SPD1−2又は1−3が故障した場合も同様である。
この図では、一例としてSPD1−1が故障時に雷サージが給電線に侵入した場合に流れる電流(雷サージ電流)を、矢印で示す。このとき既に、SPD分離器2−1が遮断の状態であり、SPD1−1には雷サージ電流は流れない。雷サージ電流は、給電線4−3においては、SPD分離器2−2を経てSPD1−2を通り、さらにスイッチング型SPD6−2を通って(追加抵抗7−2へはほとんど流れない)、接地線4−1へ流れるため、雷サージ電流を正常に大地へ逃がすことができる。また、同様に、雷サージ電流は、給電線4−2においては、SPD分離器2−3を経てSPD1−3を通り、さらにスイッチング型SPD6−3を通って(追加抵抗7−3へはほとんど流れない)、接地線4−1へ流れるため、雷サージ電流を正常に大地へ逃がすことができる。
図6は、接地線をもつ三線式給電方式(TN式)における第2の実施の形態の関連技術によるサージ防護装置の構成図である。
本発明の第2の実施の形態の関連技術によるサージ防護装置は、例えば図示のように、第1の実施の形態の図11の構成に加えて、給電線4−2と4−3の間にSPD8−1とSPD分離器9−1を備える。また同様に、給電線4−3と4−4の間にSPD8−2とSPD分離器9−2を、給電線4−4と4−2の間にSPD8−3とSPD分離器9−3をそれぞれ備える。なお、SPD8−1、8−2及び8−3、SPD分離器9−1、9−2及び9−3の素子については、第1の実施の形態と同様である。
図7は、第2の実施の形態によるサージ防護装置の構成図である。
第2の実施の形態によるサージ防護装置は、例えば、第1の実施の形態で示したような図1の構成に加えて、給電線4−2と4−3の間にSPD8−1と、SPD分離器9−1と、スイッチング型SPD11−1と、抵抗12−1とを備える。また同様に、給電線4−3と4−4の間にSPD8−2と、SPD分離器9−2とスイッチング型SPD11−2と、抵抗12−2とを、給電線4−4と4−2の間にSPD8−3と、SPD分離器9−3と、スイッチング型SPD11−3と、抵抗12−3とをそれぞれ備える。なお、SPD1−1、1−2及び1−3と、SPD分離器2−1、2−2及び2−3と、スイッチング型SPD6−1、6−2及び6−3と、抵抗7−1、7−2及び7−3等の他の回路構成については、第1の実施の形態と同様である。また、SPD8−1、8−2及び8−3、SPD分離器9−1、9−2及び9−3、スイッチング型SPD11−1、11−2及び11−3、及び抵抗12−1、12−2及び12−3の構成については、第1の実施の形態において説明したデバイスの構成と同様である。
図8に、第2の実施の形態のサージ防護装置において、通常時に雷サージが侵入した場合の雷サージ電流の流れについての説明図を示す。
この図では、一例として、SPD8−3が故障した場合のSPD8−3を通る短絡電流を矢印で示す。給電線4−2及び4−4間に接続したSPD8−3が故障した場合、給電線4−2及び4−4間の電圧で低インピーダンスの短絡が起こり、大電流が流れる。故障時に壊れたSPD8−3にかかる電圧は商用電源電圧程度のため、他の2つの正常なSPD8−1及び8−2と、スイッチング型SPD11−1及び11−2及び11−3は絶縁状態である。そのためSPD8−3の短絡電流はSPD分離器9−3及び追加抵抗12−3を通って流れる。このため、SPD故障時の短絡電流が抑制される(I(TL)以下に)ので、入力ブレーカ3より先に、SPD分離器9−3が遮断される。よって、SPD8−3の劣化状況(劣化時の抵抗値)に関わらず、故障したSPD8−3を保護対象装置10への影響なしに給電系から分離することが可能になった。なお、SPD8−1又は8−2が故障した場合も同様である。
また、SPD1−1又は1−2又は1−3が故障した場合については、上述した第1の実施例の場合と同様である。
この図では、一例としてSPD8−3が故障時に、雷サージが給電線に侵入した場合に流れる電流(雷サージ電流)を矢印で示す。例えば、給電線4−2又は4−3又は4−4に雷サージが侵入した場合、給電線間の各SPD8−1及び8−2及びスイッチング型SPD11−1及び11−2のうち複数が導通する。例えば、雷サージ電流は、給電線4−2においては、まずスイッチング型SPD11−1を経て(追加抵抗12−2へはほとんど流れない)SPD8−1を通り、さらにSPD分離器9−1を通って給電線4−3へ分流する。また、さらに、給電線4−3からSPD分離器9−2、SPD8−2、スイッチング型SPD11−2を経て、給電線4−4に分流する。このとき既に、SPD分離器9−3が遮断の状態であり、SPD8−3には雷サージ電流は流れない。なお、他の給電線4−3及び4−4において雷サージ電流が流れた場合も同様に、故障しているSPD8−3以外のルートを経て、各給電線に雷サージ電流が分流する。このため、3つの給電線4−2、4−3及び4−4と接地線4−1間の電位差が等電位化できるので、接地線4−1に接続されるSPD1−1、1−2及び1−3にバランスよくサージ電流を流すことができる。
2−1、2−2、2−3、9−1、9−2、9−3 SPD分離器
3 入力ブレーカ
4−1 接地線
4−2、4−3、4−4 給電線
6−1、6−2、6−3、11−1、11−2、11−3 スイッチング型SPD
7−1、7−2、7−3、12−1、12−2、12−3 抵抗
10 保護対象装置
Claims (14)
- 保護対象装置側で保護対象装置に電気を供給する非接地の第1の給電線と、
電源側で接地され、保護対象装置側へ供給される接地線と、
電源側の非接地の第2の給電線と、
非接地の前記第1の給電線と前記第2の給電線との間に設けられ、前記第1の給電線と前記第2の給電線とを接続又は切離す入力ブレーカと、
保護対象装置側の前記第1の給電線と前記接地線間に直列に設けられた、第1の分離器、及び、第1のサージ防護デバイス、及び、第1のスイッチング型サージ防護デバイスと第1の抵抗との第1の並列回路と、
を備え、
前記第1のサージ防護デバイスが故障時に前記第1のサージ防護装置を通る短絡電流を、前記第1の給電線から、前記第1の分離器、前記第1のサージ防護デバイス、前記第1の抵抗を介して、前記接地線へ電流値を抑制して流すことで、前記第1の分離器が前記入力ブレーカより先に切断されるようにしたサージ防護装置。 - 前記第1の給電線からの雷サージを、前記第1の分離器、前記第1のサージ防護デバイス、及び、前記第1のスイッチング型サージ防護デバイスを介して、前記接地線へ流すようにしたことを特徴とする請求項1に記載のサージ防護装置。
- 前記第1のサージ防護デバイスは、電圧制限型サージ保護デバイスであり、前記第1のスイッチング型サージ防護デバイスは、ガス入り放電管であることを特徴とする請求項1又は2に記載のサージ防護装置。
- 前記第1の分離器は、電流ヒューズであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサージ防護装置。
- 前記第1の分離器は、温度ヒューズであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサージ防護装置。
- 前記温度ヒューズは、前記第1のサージ防護デバイスの漏れ電流による発熱で、前記第1のサージ防護デバイスを回路から切離すように構成されることを特徴とする請求項5に記載のサージ防護装置。
- 少なくとも、前記第1の分離器、前記第1のサージ防護デバイス、前記第1の並列回路を、1つのユニットへまとめて一体化させた構造を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のサージ防護装置。
- 前記第1の抵抗の抵抗値は、
前記第1のサージ防護デバイスが故障して低抵抗値になった場合の短絡電流が、前記第1の分離器の遮断時間が前記入力ブレーカの遮断時間より小さくなるような電流値又は電流範囲とするような抵抗値に定められることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のサージ防護装置。 - 保護対象装置側の非接地の第3の給電線と、
前記入力ブレーカにより前記第3の給電線と接続又は切離される、電源側の非接地の第4の給電線と、
保護対象装置側の前記第3の給電線と前記接地線間に設けられた、第2の分離器、及び、第2のサージ防護デバイス、及び、第2のスイッチング型サージ防護デバイスと第2の抵抗との第2の並列回路と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のサージ防護装置。 - 一点接地系のTN系統の給電系統に用いられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のサージ防護装置。
- 保護対象装置側の前記第1の給電線と前記第3の給電線間に設けられた、第3の分離器、及び、第3のサージ防護デバイス、及び、第3のスイッチング型サージ防護デバイスと第3の抵抗との第3の並列回路と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項9又は10に記載のサージ防護装置。 - 保護対象装置側で保護対象装置に電気を供給する非接地の第1の給電線と、
電源側で接地され、保護対象装置側へ供給される接地線と、
電源側の非接地の第2の給電線と、
非接地の前記第1の給電線と前記第2の給電線との間に設けられ、前記第1の給電線と前記第2の給電線とを接続又は切離す入力ブレーカと、
保護対象装置側で保護対象装置に電気を供給する非接地の第3の給電線と、
前記入力ブレーカにより前記第3の給電線と接続又は切離される、電源側の非接地の第4の給電線と、
保護対象装置側で保護対象装置に電気を供給する非接地の第5の給電線と、
前記入力ブレーカにより前記第5の給電線と接続又は切離される、電源側の非接地の第6の給電線と、
保護対象装置側の前記第1の給電線と前記第3の給電線間に設けられた、第1の分離器、及び、第1のサージ防護デバイス、及び、第1のスイッチング型サージ防護デバイスと第1の抵抗との第1の並列回路と、
保護対象装置側の前記第3の給電線と前記第5の給電線間に設けられた、第2の分離器、及び、第2のサージ防護デバイス、及び、第2のスイッチング型サージ防護デバイスと第2の抵抗との第2の並列回路と、
保護対象装置側の前記第5の給電線と前記第1の給電線間に設けられた、第3の分離器、及び、第3のサージ防護デバイス、及び、第3のスイッチング型サージ防護デバイスと第3の抵抗との第3の並列回路と、
を備え、
前記第1又は第2又は第3のサージ防護デバイスが故障時に、前記第1又は第2又は第3のサージ防護装置を通る短絡電流を、それぞれ、前記第1又は第3又は第5の給電線から、前記第1又は第2又は第3の分離器、前記第1又は第2又は第3のサージ防護デバイス、前記第1又は第2又は第3の抵抗を介して、前記接地線へ電流値を抑制して流すことで、前記第1又は第2又は第3の分離器が前記入力ブレーカより先に切断されるようにしたサージ防護装置。 - 前記第1及び第2及び第3の分離器は、電流ヒューズ又は温度ヒューズであることを特徴とする請求項12に記載のサージ防護装置。
- 前記第1又は第2又は第3の抵抗の抵抗値は、それぞれ、前記第1又は第2又は第3のサージ防護デバイスが故障して低抵抗値になった場合の短絡電流が、前記第1又は第2又は第3の分離器の遮断時間が前記入力ブレーカの遮断時間より小さくなるような電流値又は電流範囲とするような抵抗値に定められることを特徴とする請求項12又は13に記載のサージ防護装置。
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