JP2016163523A - 分離器、及び分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】避雷器が故障したことを検出して電源線から切り離す。【解決手段】本発明の分離器は、電源側から流入するサージ電圧を大地に逃がして、当該サージ電圧が負荷側に流入することを制限するように避雷器が設けられており、当該避雷器に流れる電流を遮断する分離器であって、避雷器に対して直列に設けられ、制御されることにより当該避雷器に流れる電流を遮断する第1遮断部と、前記避雷器に流れる電流を検出する電流検出部と、前記検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超え、かつ、定められている時間幅を超えて少なくとも1つの前記避雷器に流れていると判定した場合、前記第1遮断部を制御して、前記避雷器に流れる電流を遮断させる制御部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、サージ防護デバイスであるSPD(Surge Protective Dvice)の分離器、及び分離方法に関する。
電源用SPD(避雷器)は、落雷による雷サージ電流から、電気・電子機器を保護する装置である。このSPDは、エネルギー耐量を超えるサージ電流の影響や、経年劣化により故障し、低インピーダンスになる場合がある。SPDが故障して低インピーダンスになると、SPDが設置される給電系統の回路インピーダンスが小さいため、この給電系統には、SPDを介して大きな電流が流れる。このため、給電系統の配線用遮断器が遮断動作して、負荷装置への給電が停止する可能性がある。このSPDが故障した場合の配線用遮断器の遮断動作を回避するために、SPDには、直列に分離器が接続されている。
なお、関連するサージ防護デバイス保護システムがある(特許文献1を参照)。この特許文献1に記載のサージ防護デバイス保護システムは、各SPDと電力ケーブルとの間にコイル及び過電流遮断の直列回路が挿入され、このコイル及び過電流遮断の直列回路に対して放電ギャップが並列に接続されている。
また、関連するSPD切り離し装置がある(特許文献2を参照)。この特許文献2に記載のSPD切り離し装置は、サージ専用ヒューズによってサージ電流からSPDを遮断し、交流漏洩電流等を検出した場合には接点機構によって遮断する。そして、サージ専用ヒューズの遮断特性と接点機構の遮断特性とを協調させている。
特開2012−65461号公報 特開2009−232588号公報
従来の分離器には、低圧ヒューズや配線用遮断器(MCCB)が流用されている場合が多い。しかし、サージ耐量の大きなSPD、例えば直撃雷用のクラス1のSPDを使用する場合、分離器には、サージ電流により不要な遮断動作をしないように容量の大きな配線用遮断器(MCCB)が選定されることがある。このように、容量の大きな配線用遮断器を選定すると、分離器は、サージ電流による不要な遮断動作をしなくなる反面、SPDが故障した場合に流れる電流の検出が遅くなり、給電系統の配線用遮断器が不要に遮断することがある。
特許文献1に記載のサージ防護デバイス保護システムでは、SPDが故障した場合などに流れる電流を過電流遮断器により検出して遮断する。しかしながら、この方法では、SPDが故障した場合に、SPDを電源線からの切り離す動作が遅れる可能性がある。
また、特許文献2に記載のSPD切り離し装置では、サージ専用ヒューズの遮断特性と、交流漏洩電流等を検出した場合に遮断する接点機構の遮断特性とを協調させている。しかしながら、この方法では、SPDが故障した場合に、SPDを電源線から切り離す動作が遅れる可能性がある。
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたものであり、SPD(避雷器)が故障したことを検出して電源線から切り離すことができる、分離器、及び分離方法を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明の分離器は、電源側から流入するサージ電圧を大地に逃がして、当該サージ電圧が負荷側に流入することを制限するように避雷器が設けられており、当該避雷器に流れる電流を遮断する分離器であって、避雷器に対して直列に設けられ、制御されることにより当該避雷器に流れる電流を遮断する第1遮断部と、前記避雷器に流れる電流を検出する電流検出部と、前記検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超え、かつ、定められている時間幅を超えて少なくとも1つの前記避雷器に流れていると判定した場合、前記第1遮断部を制御して、前記避雷器に流れる電流を遮断させる制御部と、を備えることを特徴とする。
また、上記分離器において、前記避雷器に対して直列に設けられ、前記閾値電流値より大きな制限電流値を超える電流を遮断する第2遮断部を備えることを特徴とする。
また、上記分離器において、前記制御部は、前記避雷器に流れる電流を、雷サージ電流の流れる時の時間幅よりも長い周期の時系列情報として取得することを特徴とする。
また、上記分離器において、前記制御部は、予め定められた時間幅における前記検出した電流値の実効値に基づいて、前記検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超えているかを判定することを特徴とする。
また、上記分離器において、前記避雷器は、前記電源の相毎に設けられており、前記電流検出部は、前記相毎に設けられた避雷器に流れる電流をそれぞれ検出し、前記制御部は、各相の避雷器にサージ電流が流れている期間では、前記避雷器に電流を流すように制御することを特徴とする。
また、上記分離器において、前記制御部は、前記検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超えない場合、又は、定められている時間幅を超えて電流を流している前記避雷器が無いと判定した場合、前記避雷器に流れる電流を遮断させないように制御することを特徴とする。
また、本発明の分離方法は、電源側から流入するサージ電圧を大地に逃がして、当該サージ電圧が負荷側に流入することを制限するように避雷器が設けられ、第1遮断部が前記避雷器に対して直列に設けられ、電流検出部が前記避雷器に流れる電流を検出するように設けられており、当該避雷器に流れる電流を遮断する分離方法であって、前記検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超え、かつ、定められている時間幅を超えて少なくとも1つの前記避雷器に流れていると判定した場合、前記避雷器に流れる電流を遮断させるように前記第1遮断部を制御するステップと、前記避雷器に流れる電流を前記第1遮断部が遮断するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、避雷器が故障したことを検出して電源線から切り離すことができる。
SPDを備える低圧給電系統の例を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係わる分離器100の構成例を示す構成図である。 SPD10に流れる電流のサンプリング動作を説明する説明図である。 分離器100の遮断特性を説明する説明図である。 SPD10の故障時に流れる電流の第1の例を示す説明図である。 SPD10の故障時に流れる電流の第2の例を示す説明図である。 分離器100の制御部130における処理の流れを示す示すフローチャートである。 分離器100の変形例を示す示す構成図である。 本発明の第2実施形態に係わる分離器100Bの設置例を示す説明図である。 第2実施形態の分離器100Bの構成例を示す構成図である。 本発明の第3実施形態に係わる分離器100Cの設置例を示す説明図である。 第3実施形態の分離器100Cの構成例を示す構成図である。
以下、図を用いて本発明の実施形態の分離器の説明を行う。
[第1実施形態]
図1は、SPDを備える低圧給電系統の例を示す説明図である。
この図1に示す給電系統の例において、低圧母線1−1、1−2、1−3は、低圧交流(例えば、3相200V)を供給する。この低圧母線1−1、1−2、1−3は、配線用遮断器(MCCB)2を介して、低圧給電線3−1、3−2、3−3に電力を供給する。この低圧給電系統は、TT方式の三線式給電方式の例である。
なお、TT方式とは、配電用トランスの低圧部分に高圧がかかることを防止する系統接地と低圧電路に接続される負荷装置を保護する機器接地とがそれぞれ別の場所で取られていて、接地が等電位化されていない給電方式である。
そして、図1に示す低圧給電系統が低圧の3相交流(例えば、3相200V)を供給する給電系統である場合、低圧給電線3−1が、R相の電源線になり、低圧給電線3−2が、S相の電源線になり、低圧給電線3−3が、T相の電源線になる。また、3相交流を供給する配電トランスの2次側(低圧側)がΔ結線である場合、通常はS相が系統接地されている。
配線用遮断器2に接続される低圧給電線3−1、3−2、3−3は、それぞれブスバー等を用いた端子台3−1a、3−2a、3−3aに接続されている。また、接地用端子台3Eは、接地線GLにより大地アースに接地されている。そして、例えば、負荷装置4は、端子台3−1aと端子台3−3aとを介して、低圧給電線3−1と低圧給電線3−3から電力の供給を受ける。また、負荷装置4は、筐体等が接地用端子台3Eに接続されている。なお、端子台3−1a、3−2a、3−3aには、負荷装置4だけでなく、不図示の他の負荷装置が接続されている場合がある。
SPD10−1、10−2、10−3は、落雷による雷サージから、電気・電子機器を保護する装置である。SPD10−1の一端は、分離器100−1を介して、低圧給電線3−1に接続され、SPD10−1の他端は、大地アースに接地されている。SPD10−2の一端は、分離器100−2を介して、低圧給電線3−2に接続され、SPD10−2の他端は、大地アースに接地されている。SPD10−3の一端は、分離器100−3を介して、低圧給電線3−3に接続され、SPD10−3の他端は、大地アースに接地されている。
なお、SPD10−1、10−2、10−3は、同じ構成を有しており、以下の説明において、SPD10−1、10−2、10−3の何れか1つ或いは全てを示す際に「SPD10」と記載することがある。また、分離器100−1、100−2、100−3は、同じ構成を有しており、以下の説明において、分離器100−1、100−2、100−3の何れか1つ或いは全てを示す際に、「分離器100」と記載することがある。また、電源側の低圧母線1−1、1−2、1−3の何れか1つ或いは全てを示す際に、「低圧母線1」と記載することがあり、低圧給電線3−1、3−2、3−3の何れか1つ或いは全てを示す際に、「低圧給電線3」と記載することがある。
上記SPD10は、例えば、酸化亜鉛などを素材とするバリスタ型の電圧制限型SPDである。この電圧制限型SPDは、SPDの両端に高電圧が印加されない時は高インピーダンスであり、サージ電圧などの高電圧が印加されるとインピーダンスが低くなる特性を有する。サージ電圧などの高電圧が印加されてインピーダンスが低くなっている期間は、SPD10を流れる電流が増大する。
そして、例えば、低圧母線1に雷撃があり、低圧母線1と接地極との間にサージ電圧Sv1が発生した場合、SPD10−1、10−2、10−3のそれぞれは、所定値以上のサージ電圧で導通して、サージ電流Si1、Si2、Si3を流す。そして、これらのサージ電流Si1、Si2、Si3は、サージ電流Sicとして、接地側に流れる。これにより、低圧給電線3−1、3−2、3−3に印加されるサージ電圧は、ピーク値が制限されたサージ電圧Sv2となり、負荷装置4を雷撃によるサージ電圧から保護することができる。
また、分離器100は、SPD10が故障した場合に、当該故障したSPD10を低圧給電線3から切り離すように動作する。つまり、SPD10は、エネルギー耐量を超えるサージ電流の影響や、経年劣化により故障し、低インピーダンスになる場合がある。そして、SPD10が故障すると、低圧給電線3の系統は回路インピーダンスが小さいため、SPD10の短絡による大電流が低圧給電線3に流れる。このため、上位の配線用遮断器2が遮断動作して、低圧給電線3に停電が発生することがある。これを回避するために、SPD10には、直列に分離器100が接続されている。この分離器100は、SPD10が故障した場合に、SPD10に流れる電流を検出して、SPD10を低圧給電線3から切り離す。
そして、上述のように、従来の分離器には、電力配線保護用の過電流遮断器である、低電圧ヒューズや配線用遮断器が流用されている。そして、サージ耐量の大きなSPD、例えば直撃雷用のクラス1のSPDに分離器を使用する場合、サージ電流により不要に溶断しない低電圧ヒューズや、不要に遮断動作をしない配線用遮断器が選定されることがある。
このように、分離器として、サージ電流により不要に溶断しない低電圧ヒューズや、不要に遮断動作をしない配線用遮断器を選定すると、いずれも定格電流が大きくなってしまい、上位系統側の配線用遮断器2よりも分離器の定格電流が大きくなることがあった。このため、SPD10が故障した場合、分離器内の低電圧ヒューズの溶断や配線用遮断器の遮断が行われる前に、上位系統側の配線用遮断器2が不要な遮断動作を行い、低圧給電線3の系統に波及停電が生じる恐れがあった。
例えば、サージ電流耐量の大きなクラス1用のSPD分離器には、定格電流200A以上の配線用遮断器や、低電圧ヒューズが用いられている。一方、低圧受電の設備では設備容量が50kW以下のため、引込用ブレーカの定格電流は140A以下である。このため、SPD10が故障して短絡電流が流れる場合、分離器が開放する前に、先に上位系統の配線用遮断器(定格140Aの遮断器)2が開放するという問題があった。つまり、分離器内の配線用遮断器(定格200Aの遮断器)や低電圧ヒューズと、上位系統の配線用遮断器2との間で動作協調が取れていないという問題があった。
上記問題を解決するために、本実施形態の分離器100−1、100−2、100−3では、サージ電流による不要な遮断動作を回避するように大きな定格電流を設定できるとともに、SPD10が故障した場合に、上位系統の配線用遮断器2に影響を及ぼすことなく、速やかにSPD10を低圧給電線3から分離できるようにしている。
本実施形態の分離器100の機能を実現するために、分離器100は、雷サージ電流の以下の2つの大きな特徴に着目して制御を行っている。
1つ目として、低圧給電線3に流れるサージ電流は、ピーク電流値が大きい(数10kA)が、数10〜数100μsec(マイクロ秒)程度の短時間しか流れない点である。
2つ目として、雷により低圧給電線3に流れるサージ電流の特徴は、通常の負荷電流と異なり、2線または、3線の低圧給電線3を同一方向に、かつ、大地アースへ抜ける方向に流れる点である。
上記特徴に基づいて、本実施形態の分離器100では、以下の機能を持つ第1遮断部と第2遮断部とを備える。
つまり、第1遮断部は、SPD10に低インピーダンスになる故障が発生した場合、当該SPD10に所定の時間幅を超えて流れる低い電流(閾値電流値を超える電流)を検出して、電源側の低圧給電線3とSPD10との間を遮断する。そして、第1遮断部は、SPD10に低い電流が所定の時間幅を超えて流れる場合に低圧給電線3とSPD10との間を遮断するが、短時間だけ流れるサージ電流では遮断しないようする。
一方、第2遮断部は、SPD10の保護のために、瞬時に流れる大きなサージ電流を検出して、低圧給電線3とSPD10との間を瞬時に遮断する。第2遮断部120は、例えば、1500A超の瞬時過電流(制限電流値を超える電流)が流れたことを検出した場合、低圧給電線3とSPD10との間を遮断する。
これにより、本実施形態の分離器100では、SPD10が故障した場合に、この故障したSPD10を低圧給電線3から速やかに切り離し、上位系統側の配線用遮断器2に影響を及ぼさないようにできる。
なお、図1に示す例では、TT方式の三線式給電方式の例を示したが、これに限らず、例えば、単相二線式や、TN方式の三線式給電方式であってもよい。
以下、本実施形態の分離器100の構成と動作について詳細に説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係わる分離器100の構成例を示す構成図である。この図2では、低圧給電線3−1に接続される分離器100−1の例を示しているが、分離器100−2、100−3についても同じ構成である。このため、図2では、分離器100−1を代表例として示している。
図2に示すように、本実施形態の分離器100−1は、開閉機構部101と、引外しコイル102と、電流検出器(CT)103と、電流検出部104と、設定部105と、第1遮断部110と、第2遮断部120と、制御部130と、を有して構成されている。
開閉機構部101は、引外しコイル102によりトリップ(遮断)される開閉部(接点機構)101Aと、不図示の操作レバーとを有して構成されている。この操作レバーは、開閉部101AのON、OFF(接続、開放)を手動操作で行うことを可能にするとともに、開閉部101Aのトリップ時の復帰操作を行う際に使用される。
引外しコイル102は、第1遮断部110により駆動され、開閉部101Aをトリップさせる。設定部105は、設定スイッチや、設定ダイヤル等を含み、分離器100におけるトリップ条件を設定する。例えば、設定部105は、分離器100における「SPD故障引外し特性」、「限時引外し特性」等を設定する。「SPD故障引外し特性」、「限時引外し特性」等の詳細については、後述する。
電流検出器(CT)103(以下、単に「CT103」と記載)は、SPD10に流れる電流Ispdを検出する。このCT103は、SPD10に流れる電流Ispdに比例した2次電流が2次側に流れる。電流検出部104は、例えば、CT103の2次電流をシャント抵抗等を用いて電圧信号に変換する。電流検出部104は、電流Ispdに比例した電流検出信号(アナログ電圧信号)Idを制御部130と第2遮断部120に出力する。
なお、CT103は、ホール素子を用いた電流センサであってもよく、この場合、電流センサの出力は、電流Ispdに比例した電圧信号(アナログ信号)になる。
第1遮断部110は、制御部130により制御されて、引外しコイル102を駆動することにより、開閉機構部101の開閉部101Aをトリップさせる。つまり、この第1遮断部110は、制御部130により制御されて、開閉機構部101を遮断制御する電子式遮断機構である。
一方、第2遮断部120は、分離器100に流れる電流Ispdの電磁力を利用して、開閉機構部101を直接的に遮断制御する電磁式遮断機構である。この第2遮断部120は、電磁コイル120Aに流れる電流Ispdにより電磁力を発生させ、電流Ispdの電流値が所定の制限電流値(例えば、1500A)を超える場合、電磁コイル120Aに発生する電磁力により開閉部101Aをトリップさせる。
また、制御部130は、サンプリング部131と、実効値演算部132と、SPD故障検出部133と、限時引外し部134と、記憶部135と、を含んで構成されている。
この制御部130は、例えば、MCU(Micro Control Unit)等のマイクロコントローラを含んで構成することができる。そして、例えば、制御部130は、その一部の機能又は全部の機能をマイクロコントローラを用いて実現することができる。このマイクロコントローラは、CPU、ROM、RAM、A/D変換器、タイマ、I/Oポート(何れも不図示)等を含んで構成されている。そして、マイクロコントローラは、ROM等の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することにより、制御部130の機能を実現する。なお、制御部130内の各処理部の機能は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。
制御部130のサンプリング部131は、電流検出部104から出力される電流検出信号Idを、例えば、1msecごとにサンプリングする。サンプリング部131は、電流検出信号IdをA/D変換器によりデジタル値の信号に変換し、電流検出信号Idをデジタル値として取り込む。また、サンプリング部131は、サンプリングした電流検出信号Idのデジタル値を、記憶部(例えば、RAM等)135に記憶する。
このサンプリング部131による電流検出信号Idのサンプリングは、例えば、1msecタイマを用いて行われる。1msecタイマは、1msecの時間の計測を繰り返して実行する。サンプリング部131は、1msecタイマにおける1msecの時間の計測が完了する毎に、電流検出信号Idのサンプリング動作を行う。なお、サンプリング周期は、上述の1msecに限定されず、例えば、数100μsecから数msecなど、所望の周期とすることができる。
実効値演算部132は、デジタル値に変換された電流検出信号Idの計測データに基づいて、SPD10に流れる電流Ispdの実効値を算出する。この実効値演算部132による電流Ispdの実効値の算出は、例えば、10msecタイマの計測動作に基づいて行われる。なお、10msecの時間は、電源周波数50Hzの半周期の時間に相当する。
10msecタイマは、10msecの時間の計測を繰り返して実行する。実効値演算部132は、10msecタイマにおける10msecの時間の計測が完了する毎に、実効値の算出を行う。つまり、実効値演算部132は、記憶部135に記憶された直前の10msec間の電流Ispdの計測データに基づいて、電流Ispdの実効値を算出する。なお、実効値の算出を行う周期は、上述の10msecに限定されず、例えば、数10msecなど、所望の周期とすることができる。
SPD故障検出部133は、実効値演算部132により算出された電流Ispdの実効値に基づいて、SPD10が故障しているか否かを判定する。この場合、SPD故障検出部133は、例えば、200msecタイマにより、電流Ispdの実効値が所定の閾値電流値(例えば、1A)を超える状態が継続する時間幅を計測する。そして、電流Ispdの実効値が所定の閾値電流値を超える時間幅が200msecを超える場合に、SPD故障検出部133は、SPD10に故障が発生していると判定する。
SPD故障検出部133は、SPD10が故障していると判定した場合、第1遮断部110を制御し、この第1遮断部110により引外しコイル102を駆動させ、開閉部101Aをトリップさせる。なお、SPD故障検出部133が故障判定を行う時間幅は、上述の200msecに限定されず、例えば、数100msecから数secなど、所望の時間幅とすることができる。
限時引外し部134は、所定の電流値(例えば、定格電流値200A)以上の電流Ispdが流れる場合に、電流Ispdの大きさが大きくなるに従って早い時間で開閉部101Aを開放するように反限時特性をもって、開閉部101Aをトリップする。
また、図3は、SPD10に流れる電流のサンプリング動作を説明する説明図である。
上記構成の分離器100において、制御部130は、図3(A)に示すように、SPD10に流れる電流Ispdの電流値を取得するサンプリング間隔を、雷サージ電流Isergの流れる時の時間オーダー(例えば、数100μsec)よりも長い時間間隔で行う。例えば、制御部130は、1msec(図では、1msと記載)でサンプリングを行う。これにより、分離器100では、雷サージ電流Isergが流れても、サンプリング部131により雷サージ電流Iserg検出できない確率が高くなるため、開閉部101Aの不要なトリップを抑止できる。
また、たまたま、雷サージ電流Isergの大電流が瞬間的にサンプリング部131により検出された場合においても、図3(B)に示すように、制御部130は、或るまとまったデータ数の単位、例えば、AC50Hzの半周期である10msecの単位で、SPD10に流れる電流Ispdの実効値の算出処理を行う。これにより、制御部130は、開閉部101Aに不要なトリップが発生する確率をさらに低減できる。
このように、分離器100では、SPD10に流れる電流が短時間流れるサージ電流だけであり、通常は電流が全く流れないと言う特徴を利用して、開閉部101Aの遮断制御を行っている。これにより、分離器100では、クラス1用の分離器に必要な、サージ電流が流れても不要に開閉部101Aを遮断させない性能と、小さな電流によりSPD10の故障を検出して遮断させる性能と、を両立させて実現できる。
なお、SPD10に流れる電流の検出は、低圧給電線3の2線からそれぞれのSPD10に流れる電流、又は、低圧給電線3の3線からそれぞれのSPD10に流れる電流ついて、同一時間(より正確には、例えば、数msec以内等の短い時間の範囲内)で測定を行うようにしてもよい。例えば、電流検出部104により、3つのSPD10に過渡的に電流が流れたことを検出した場合、分離器100は、サージ電流が流れたと判定し、このサージ電流を遮断制御の対象から除外することにより、開閉部101Aの不要なトリップを抑止することができる。
2つ又は3つのSPD10に過渡的に電流が流れたことを検出する例については、後述する。
また、図4は、本実施形態の分離器100の遮断特性を説明する説明図である。
図4は、横軸に、SPD10に流れる電流(A)を示し、縦軸に、分離器100の動作時間(sec)を示している。この図において、SPD故障引外し特性Aは、SPD10の故障検出時に開閉部101Aを「SPD故障引外し」する場合の特性を示し、限時引外し特性Bは、開閉部101Aを「限時引外し」する場合の特性を示している。また、瞬時引外し特性Cは、開閉部101Aを「瞬時引外し」する場合の特性を示している。
また、電流Inは、分離器100の定格電流(例えば、200A)を示し、Iaは、瞬時引外しを行う制限電流値である瞬時過電流の設定値(例えば、1500A)を示している。また、Itは、SPD故障引外し特性Aと限時引外し特性Bとの交点における電流値を示している。
図に示すように、SPD10に流れる電流Ispdが電流It以下の領域において、分離器100は、SPD故障引外し特性Aに基づいて、SPD10における故障の発生を検出する。つまり、制御部130のSPD故障検出部133は、例えば、1A以上の電流が、例えば、200msecの時間幅を超えて流れる場合、SPD10に故障が発生していると判定し、開閉部101Aをトリップさせる。
また、電流Ispdが電流ItからIaの領域において、分離器100は、限時引外し特性Bに基づいて、開閉部101Aをトリップさせる。つまり、第1遮断部110の限時引外し部134は、電流ItからIaの領域において、電流Ispdの大きさが大きくなるに従って早い時間で開閉部101Aを開放する。
そして、電流IspdがIa以上の領域において、分離器100は、瞬時引外し特性Cに基づいて、開閉部101Aをトリップさせる。つまり、第2遮断部120は、電流IspdがIa以上の場合に、瞬時(例えば、数十msec)で開閉部101Aをトリップさせる。
このように、本実施形態の分離器100では、負荷電流のようにSPD10に低圧給電線3から電流が継続して流れること自体が異常であることに着目している。このため、分離器100では、SPD10に負荷電流のような電流が流れる場合をSPD10の故障として捉え、検出した電流Ispdが閾値電流値を超える場合に、電流Ispdの大きさに関わらず、一定の時間経過後、開閉部101Aを直ぐに遮断する。
例えば、図5は、SPD10の故障時に流れる電流の第1の例を示す説明図である。
この図に示すように、SPD10−1が故障して低インピーダンスの状態になった場合、分離器100−1及びSPD10−1には、低圧給電線3−1と低圧母線1−2との間の電圧により、電流Igが負荷電流のように流れる。そして、分離器100−1は、SPD10に流れる電流Igを検出し、この電流Igが所定の時間幅を超えて流れる場合に、開閉部101Aをトリップさせる。
また、図6は、SPD10の故障時に流れる電流の第2の例を示す説明図である。
この図に示すように、SPD10−1とSPD10−2とが故障してそれぞれが低インピーダンスの状態になった場合、分離器100−1及びSPD10−1には、低圧給電線3−1と低圧母線1−2との間の電圧により、電流Igが負荷電流のように流れる。また、分離器100−1と、SPD10−1と、SPD10−2と、分離器100−2とには、低圧給電線3−1と低圧給電線3−2との間の電圧により、電流Irsが負荷電流のように流れる。そして、分離器100−1は、SPD10−1に流れる電流Igと電流Irsとを検出して開閉部101Aをトリップさせる。また、分離器100−2は、SPD10−2に流れる電流Irsを検出して、開閉部101Aをトリップさせる。
また、図7は、分離器100の制御部130における処理の流れを示すフローチャートである。以下、図7を参照して、制御部130における処理の流れについて説明する。なお、制御部130の処理は、マイクロコントローラがROM等の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することにより行われるものとする。なお、図では、1msecを1msと記載し、10msecを10msと記載し、200msecを200msと記載している。
この制御部130において処理が開始されると、ステップS100からステップS170に示すメインルーチンの実行が開始される。そして、このメインルーチンの実行中に、1msecタイマによるタイマ割込みが1msec毎に発生する。このタイマ割込みより、メインルーチンの実行が一時中断され、サンプリング部131がSPD10に流れる電流Ispdのサンプリングを行う。
最初に、タイマ割込みルーチンについて説明する。
制御部130において、サンプリング部131は、1msecタイマにより常に時間を計測している。そして、この1msecタイマは、1msecごとにタイマ割込みを発生させる(ステップS10)。
そして、タイマ割込みが発生すると、サンプリング部131は、電流Ispdの電流検出信号Idを読み取り(ステップS20)、読み込んだ電流値をデジタル値に変換して記憶部135に記憶する(ステップS30)。
このステップS30の処理を実行した後に、制御部130は、割込み復帰命令(IRET)を実行し、タイマ割込みルーチンを終了して、メインルーチンに復帰する。
次に、メインルーチンについて説明する。
制御部130における処理が開始されると、制御部130は、最初に、1msecタイマと、10msecタイマと、200msecタイマとの計測値をリセットする(ステップS100)。
続いて、実効値演算部132は、実効値の算出タイミングを制御する10msecタイマの計測を開始する(ステップS105)。続いて、実効値演算部132は、10msecタイマの計測を継続し(ステップS110)、続いて、10msecタイマの計測が完了したか否かを判定する(ステップS115)。
そして、ステップS115において、10msecタイマの計測が完了していないと判定された場合(ステップS115:No)、実効値演算部132は、ステップS110の処理に戻り、10msecタイマの計測を継続する。
一方、ステップS115において、10msecタイマの計測が完了していると判定された場合(ステップS115:Yes)、実効値演算部132は、記憶部135に記憶された直前の10msec間の電流Ispdの計測データを読み出す(ステップS120)。続いて、実効値演算部132は、10msec間の電流Ispdの計測データに基づいて、電流Ispdの実効値を算出し、算出した実効値の値を記憶部135に記憶する(ステップS125)。
続いて、SPD故障検出部133は、ステップS125において算出した実効値が所定の閾値電流値(例えば、1A)を超えているか否かを判定する(ステップS130)。そして、ステップS130において算出した実効値が所定の閾値電流値を超えていないと判定された場合(ステップS130:No)、制御部130は、10msecタイマの計測値をリセットし(ステップS135)、続いて、200msecタイマの計測値をリセットし(ステップS140)、その後、ステップS105の処理に戻り、上記処理を再び開始する。
一方、ステップS130において算出した実効値が所定の閾値電流値を超えていると判定された場合(ステップS130:Yes)、続いて、SPD故障検出部133は、200msecタイマが計測中であるか否かを判定する(ステップS145)。
そして、ステップS145において、200msecタイマが計測中でないと判定された場合(ステップS145:No)、SPD故障検出部133は、200msecタイマの計測を開始する(ステップS150)。続いて、SPD故障検出部133は、200msecタイマの計測を継続し(ステップS155)、その後、ステップS160の処理に移行する。
一方、ステップS145において、200msecタイマが計測中であると判定された場合(ステップS145:Yes)、SPD故障検出部133は、200msecタイマの計測を継続し(ステップS155)、その後、ステップS160の処理に移行する。
続いて、SPD故障検出部133は、200msecタイマの計測が完了したか否かを判定する(ステップS160)。そして、ステップS160において200msecタイマの計測が完了していないと判定された場合(ステップS160:No)、制御部130は、10msecタイマをリセットし(ステップS165)、続いて、ステップS105の処理に戻り、上記処理を再び開始する。
一方、ステップS160において200msecタイマの計測が完了していると判定された場合(ステップS160:Yes)、SPD故障検出部133は、開閉部101Aをトリップさせる(ステップS170)。そして、開閉部101Aがトリップされた場合、制御部130は、処理を終了する。
その後、分離器100のトリップ状態が操作レバーにより復帰されると、制御部130は、再び、上記メインルーチンの処理をステップS100から開始する。
このように、制御部130では、電流検出信号Idのサンプリングをタイマ割込みルーチンにより行い、SPD10の故障判定をメインルーチンで行うことにより、制御の流れを簡易化することができる。
(図2に示す分離器100の変形例)
図2に示す分離器100では、第1遮断部110により開閉部101Aをトリップさせる遮断制御を、制御部130による電子式遮断機構で行い、第2遮断部120により開閉部101Aのトリップさせる遮断制御を、電磁式遮断機構で行う例を示した。これに限らず、分離器100では、第2遮断部120を、電子回路を用いて構成することもできる。
図8は、図2に示す分離器100の変形例を示す説明図である。この図8に示す分離器100A−1は、図2に示す分離器100と比較すると、図2に示す第2遮断部120を省略し、代わりに第2遮断部121を設けた点が異なる。他の構成は、図2に示す分離器100−1と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この第2遮断部121は、電子回路で構成されており、電流検出部104から入力する電流検出信号Idを検出して、引外しコイル102を駆動する。
例えば、第2遮断部121は、電流検出信号Idのピーク値検出回路(不図示)を有しており、電流検出信号Idのピーク値が所定の制限電流値以上(瞬時引外し電流に相当する値以上)の場合、引外しコイル102を駆動して、開閉部101Aをトリップさせる。また、第2遮断部121に電子回路を用いる場合、電流検出信号Idのピーク値の判定値である制限電流値を、設定部105により容易に設定することができる。
これにより、図8に示す分離器100A−1は、第2遮断部121を電子回路で構成することができる。また、分離器100A−1は、第2遮断部121の瞬時引外しを行う制限電流値を、設定部105により容易に設定することができる。
[第2実施形態]
図9は、本発明の第2実施形態に係わる分離器100B−1、100B−2、100B−3の設置例を示す説明図である。この図に示す例では、各離器100B−1、100B−2、100B−3のそれぞれにおいて検出された電流検出信号Id1、Id2、Id3を、電流信号線IDLを介して、相互に通知し合う例である。なお、以下の説明において、分離器100B−1、100B−2、100B−3の何れか1つ或いは全てを示す際に、「分離器100B」と記載することがある。
この図9に示す分離器100Bの例では、低圧給電線3の2線、又は、3線のそれぞれから対応するSPD10に流れる電流ついて、同一時間で測定を行う。なお、より正確には、各分離器100Bの制御部130において、電流検出信号Id1、1d2、Id3を取り込むタイミングや処理時間に時間差があるため、この時間差を認めた上での同一時間である。例えば、同一時間とは、数msec以内等の短い時間の範囲内の時間である。
そして、分離器100Bのそれぞれは、電流検出部104により、2つのSPD10、又は3つのSPD10に過渡的に同一時間に電流が流れたことを検出した場合、各分離器100Bは、サージ電流が流れたと判定し、このサージ電流を遮断制御の対象から除外する。これにより、分離器100Bでは、サージ電流による開閉部101Aの不要な遮断動作を抑止することができる。
図10は、本発明の第2実施形態に係わる分離器100B−3の構成例を示す構成図である。この図10では、低圧給電線3−3に接続される分離器100B−3の例を示しているが、分離器100B−1、100B−2についても同じ構成である。このため、図10では、分離器100B−3を代表例として示している。
この図10に示す分離器100B−3は、図2に示す分離器100−1と比較すると、電流検出部104Bの動作が、図2の電流検出部104の動作と一部異なる。つまり、電流検出部104Bは、SPD10−3に流れる電流の電流検出信号Id3を制御部130に出力するとともに、他の分離器100B−1、100B−2から入力した電流検出信号Id1、Id2を制御部130に出力する。他の構成と動作は、図2に示す分離器100−1と同じである。このため、重複する説明は省略する。
この図に示すように、分離器100B−1の電流検出部104Bと、分離器100B−2の電流検出部104Bと、分離器100B−3の電流検出部104Bとは、電流信号線IDLにより相互に接続されている。そして、分離器100B−3の電流検出部104Bは、対応するSPD10−3に流れる電流の電流検出信号Id3を、電流信号線IDLを介して他の分離器100B−1、100B−2の電流検出部104Bに出力する。
同様にして、分離器100B−1の電流検出部104Bは、対応するSPD10−1に流れる電流の電流検出信号Id1を、電流信号線IDLを介して他の分離器100B−2、100B−3の電流検出部104Bに出力する。
また、同様にして、分離器100B−2の電流検出部104Bは、対応するSPD10−2に流れる電流の電流検出信号Id2を、電流信号線IDLを介して他の分離器100B−1、100B−3の電流検出部104Bに出力する。
そして、分離器100B−3の電流検出部104Bは、電流検出信号Id3を制御部130に出力するとともに、他の分離器100B−1、100B−2から入力した電流検出信号Id1、Id2を制御部130に出力する。
制御部130は、低圧給電線3の2線からそれぞれのSPD10に流れる電流、又は、低圧給電線3の3線からそれぞれのSPD10に流れる電流について、同一時間で測定を行う。
そして、制御部130では、2つのSPD10、又は3つのSPD10に過渡的に同一時間に電流が流れたことを検出した場合、過渡的なサージ電流が流れたと判定し、このサージ電流を遮断制御の対象から除外する。これにより、分離器100Bでは、開閉部101Aの不要なトリップを抑止することができる。
他の分離器100B−1、100B−2の制御部130についても同様である。
これにより、分離器100Bでは、2つのSPD10、又は3つのSPD10に過渡的に同一時間に電流が流れたことを検出した場合、SPD10にサージ電流が流れたと判定し、このサージ電流を遮断制御の対象から除外することができる。
[第3実施形態]
図2に示した第1実施形態の分離器100では、分離器100−1、100−2、100−3のそれぞれがSPDに流れる電流を検出するCT103を内蔵しているが、これに限定されず、外部に設けた1つのCTを共用する構成とすることもできる。
図11は、本発明の第3実施形態に係わる分離器100C−1、100C−2、100C−3の設置例を示す説明図である。この図に示す例では、各SPD10−1、10−2、10−3の接地端子側に接続される共通接地線GL1に電流検出用のCT103Aを設置している。そして、CT103Aで検出された電流信号Ictは、電流信号線CTL1を介して、各離器100C−1、100C−2、100C−3のそれぞれに出力される。
図12は、本発明の第3実施形態に係わる分離器100C−3の構成例を示す構成図である。この図12では、低圧給電線3−3に接続される分離器100C−3の例を示しているが、分離器100C−1、100C−2についても同じ構成である。このため、図12では、分離器100C−3を代表例として示している。なお、以下の説明において、分離器100C−1、100C−2、100C−3の何れか1つ或いは全てを示す際に、「分離器100C」と記載することがある。
この図12に示す分離器100C−3は、図2に示す分離器100−1と比較すると、図2に示すCT103を省略し、電流検出部104が、外部のCT103Aから電流信号Ictを入力する点が異なる。他の構成と動作は、図2に示す分離器100−1と同じである。このため、重複する説明は省略する。
この図に示すように、共通接地線GL1に流れるSPD10の電流は、CT103Aで検出される。CT103Aは、電流信号Ictを、各分離器100C−1、100C−2、100C−3の電流検出部104に出力する。これにより、分離器100C−1、100C−2、100C−3のそれぞれは、共通接地線GL1に流れる電流を検出することができる。
上記構成の分離器100C−3において、例えば、SPD10−1が故障(低インピーダンスになる故障)すると、低圧給電線3−1と低圧母線1−2(不図示)との間の電圧により、共通接地線GL1には、分離器100C−1及びSPD10−1を介して電流Igが流れる。この場合、分離器100C−3の電流検出部104は、電流信号線CTL1を介して、CT103Aから電流信号Ictを入力し、共通接地線GL1に流れる電流Igの電流検出信号Idを制御部130に出力する。
制御部130は、共通接地線GL1に流れる電流Igの電流検出信号Idを入力した場合、電流の大きさが閾値電流値以上(例えば、1A以上)であり、かつ、一定の時間幅(例えば、200msec)を超えて流れる場合に、開閉部101Aをトリップさせる。他の分離器100C−1、100C−2についても同様である。
このように、第3実施形態の分離器100Cでは、共通接地線GL1に流れる電流を検出するCT103Aを共用する構成とすることができる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係わる分離器100は、電源側から流入するサージ電圧を大地に逃がして、当該サージ電圧が負荷側に流入することを制限するようにSPD10(避雷器)が設けられており、当該SPD10に流れる電流を遮断する分離器100であって、SPD10に対して直列に設けられ、制御されることにより当該SPD10に流れる電流を遮断する第1遮断部110と、SPD10に流れる電流を検出するCT103及び電流検出部104(電流検出部)と、検出された電流値が予め定められた閾値電流値(例えば、1A)を超え、かつ、定められている時間幅(例えば、200msec)を超えて少なくとも1つのSPD10に流れていると判定した場合、第1遮断部110を制御して、SPD10に流れる電流を遮断させる制御部130と、を備える。
このような構成の分離器であれば、第1遮断部110は、SPD10(避雷器)が故障(低インピーダンスになる故障)した場合に、制御部130により制御されて、電源側の低圧給電線3とSPD10との間を遮断する。制御部130は、低圧給電線3に流れる雷サージ電流は、ピーク電流値が大きい(例えば、数10kA)が、数10〜数100μsec程度の短時間しか流れないという点に注目して、サージ電流と、SPD10の故障電流とを区別する。すなわち、制御部130は、SPD10に故障が発生した場合に、当該SPD10に閾値電流値(例えば、1A)を超えて連続して流れる電流を検出して、第1遮断部110により低圧給電線3とSPD10との間を遮断する。また、制御部130は、サージ電流が短時間だけ流れる場合、低圧給電線3とSPD10との間を遮断しないようする。
これにより、本実施形態の分離器100では、SPD10(避雷器)が故障したことを検出して、SPD10を低圧給電線3(電源線)から切り離すことができる。また、分離器100は、SPD10にサージ電流が短時間だけ流れる場合、低圧給電線3とSPD10との間を遮断しないようにできる。
また、上記実施形態において、SPD10(避雷器)に対して直列に設けられ、瞬時過電流(閾値電流値より大きな制限電流値を超える電流)を遮断する第2遮断部120を備える。
このような構成の分離器100であれば、第2遮断部120は、瞬時過電流検出の設定値(閾値電流値より大きな制限電流値)を超える電流を検出した場合に、低圧給電線3とSPD10との間を遮断する。
これにより、過大な雷サージ電流がSPD10(避雷器)に流れる場合に、低圧給電線3とSPD10との間を遮断することにより、SPD10を保護することができる。
また、上記実施形態において、制御部130は、SPD10(避雷器)に流れる電流を、雷サージ電流の流れる時の時間幅よりも長い周期の時系列情報として取得する。
これにより、分離器100は、閾値電流値を超える電流が所定の時間幅を超えてSPD10に流れる場合、低圧給電線3とSPD10との間を遮断するが、短時間だけ流れるサージ電流の場合、低圧給電線3とSPD10との間を遮断しないようにできる。
また、上記実施形態において、制御部130は、予め定められた時間幅における検出した電流値の実効値に基づいて、検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超えているかを判定する。
このように、分離器100では、例えば、10msec(予め定められた時間幅)における実効値を算出する。そして、制御部130は、算出した実効値に基づいて、SPD10(避雷器)に流れる電流の電流値が、閾値電流値(例えば、1A)を超えているか否かを判定する。
これにより、分離器100は、SPD10にサージ電流が短時間だけ流れる場合、低圧給電線3とSPD10との間を遮断しないようにできる。
また、上記実施形態において、SPD10(避雷器)は、電源の相毎に設けられており、電流検出部104は、相毎に設けられたSPD10に流れる電流をそれぞれ検出し、制御部130は、各相のSPD10にサージ電流が流れている期間では、SPD10に電流を流すように制御する。
例えば、図10に示す分離器100Bにおいて、制御部130は、2つのSPD(避雷器)10、又は3つのSPD10に過渡的に同一時間に電流が流れたことを検出した場合、過渡的なサージ電流が流れたと判定し、この過渡的なサージ電流を遮断制御の対象から除外する。
これにより、分離器100Bでは、SPD10に流れる電流がサージ電流であることを判定し、サージ電流が流れている場合は開閉部101Aを遮断させないようにできる。このため、分離器100Bは、サージ電流をSPD10を介して大地アースに流すことができる。
また、上記実施形態において、制御部130は、検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超えない場合、又は、定められている時間幅を超えて電流を流しているSPD10(避雷器)が無いと判定した場合、SPD10に流れる電流を遮断させないように制御する。
これにより、分離器100は、SPD10(避雷器)にサージ電流が短時間だけ流れる場合、低圧給電線とSPD10との間を遮断しないようにできる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の分離器は、上述の図示例にのみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1−1,1−2,1−3・・・低圧母線、2・・・配線用遮断器、
3−1,3−2,3−3・・・低圧給電線、4・・・負荷装置、
10−1,10−2,10−3・・・SPD(避雷器)、
100A−1,100−1,100−2,100−3・・・分離器、
100B−1,100B−2,100B−3・・・分離器、
100C−1,100C−2,100C−3・・・分離器、
101・・・開閉機構部、101A・・・開閉部、
102・・・引外しコイル、103,103A・・・電流検出器(CT)、
104,104B・・・電流検出部、105・・・設定部、
110・・・第1遮断部、120,121・・・第2遮断部、
120A・・・電磁コイル、130・・・制御部、131・・・サンプリング部、
132・・・実効値演算部、133・・・SPD故障検出部、
134・・・限時引外し部、135・・・記憶部

Claims (7)

  1. 電源側から流入するサージ電圧を大地に逃がして、当該サージ電圧が負荷側に流入することを制限するように避雷器が設けられており、当該避雷器に流れる電流を遮断する分離器であって、
    避雷器に対して直列に設けられ、制御されることにより当該避雷器に流れる電流を遮断する第1遮断部と、
    前記避雷器に流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超え、かつ、定められている時間幅を超えて少なくとも1つの前記避雷器に流れていると判定した場合、前記第1遮断部を制御して、前記避雷器に流れる電流を遮断させる制御部と、
    を備えることを特徴とする分離器。
  2. 前記避雷器に対して直列に設けられ、前記閾値電流値より大きな制限電流値を超える電流を遮断する第2遮断部
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の分離器。
  3. 前記制御部は、
    前記避雷器に流れる電流を、雷サージ電流の流れる時の時間幅よりも長い周期の時系列情報として取得する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の分離器。
  4. 前記制御部は、
    予め定められた時間幅における前記検出した電流値の実効値に基づいて、前記検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超えているかを判定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の分離器。
  5. 前記避雷器は、前記電源の相毎に設けられており、
    前記電流検出部は、前記相毎に設けられた避雷器に流れる電流をそれぞれ検出し、
    前記制御部は、
    各相の避雷器にサージ電流が流れている期間では、前記避雷器に電流を流すように制御する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の分離器。
  6. 前記制御部は、
    前記検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超えない場合、又は、定められている時間幅を超えて電流を流している前記避雷器が無いと判定した場合、前記避雷器に流れる電流を遮断させないように制御する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の分離器。
  7. 電源側から流入するサージ電圧を大地に逃がして、当該サージ電圧が負荷側に流入することを制限するように避雷器が設けられ、第1遮断部が前記避雷器に対して直列に設けられ、電流検出部が前記避雷器に流れる電流を検出するように設けられており、当該避雷器に流れる電流を遮断する分離方法であって、
    前記検出された電流値が予め定められた閾値電流値を超え、かつ、定められている時間幅を超えて少なくとも1つの前記避雷器に流れていると判定した場合、前記避雷器に流れる電流を遮断させるように前記第1遮断部を制御するステップと、
    前記避雷器に流れる電流を前記第1遮断部が遮断するステップと、
    を含むことを特徴とする分離方法。
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