JPH0963741A - 避雷器の劣化監視方法および劣化監視装置 - Google Patents

避雷器の劣化監視方法および劣化監視装置

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JPH0963741A
JPH0963741A JP21706495A JP21706495A JPH0963741A JP H0963741 A JPH0963741 A JP H0963741A JP 21706495 A JP21706495 A JP 21706495A JP 21706495 A JP21706495 A JP 21706495A JP H0963741 A JPH0963741 A JP H0963741A
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discharge
lightning arrester
deterioration
current
leakage current
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JP21706495A
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Hideto Oki
秀人 大木
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Nissin Electric Co Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 避雷器の放電動作による誤った劣化判定信号
の出力を防止しつつ定常時に漏れ電流が劣化判定しきい
値を超えたときに即座に劣化判定信号を出力し、かつノ
イズ等による誤った劣化判定信号の出力を防止する。 【解決手段】 変流器3,4,電気/光変換器5,6,
光ファイバ7,8,光/電気変換器9,10,増幅器1
1,12,放電検出回路13,A/D変換器14,割込
コントロール回路15およびCPU16により、運転中
の避雷器2の漏れ電流を常時周期的(例えば1秒程度の
サンプリング周期)に計測するとともに、避雷器2の放
電動作時に避雷器2の放電電流を計測し、漏れ電流の計
測値と予め設定した漏れ電流の劣化判定しきい値とを比
較し漏れ電流の計測値が劣化判定しきい値を超えたとき
に劣化判定信号を出力し、避雷器2の放電動作時に放電
電流の計測値に応じた時間だけ劣化判定を停止する等し
て、その間劣化判定信号の出力を禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、受変電設備用酸
化亜鉛型避雷器等の避雷器の劣化判定を行うための避雷
器の劣化監視方法および劣化監視装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、避雷器が劣化すると漏れ電流
が増加し、発熱と放熱のバランスが崩れ、熱暴走に至
る。避雷器の一般的な劣化判定は、運転中の漏れ電流を
変流器および絶縁アンプ等を用いて常時計測して、漏れ
電流の計測値と劣化判定しきい値とを比較することによ
り行っている。
【0003】図6に従来のこの種の避雷器の劣化監視装
置のブロック図を示す。図6において、51は電力系
統、52は電力系統51に接続した受変電設備用酸化亜
鉛型避雷器等の避雷器、53は避雷器52の接地線に挿
入した漏れ電流測定用の変流器、54は変流器53の2
次巻線に一端を接続したメタルケーブル、55は変流器
53の2次出力がメタルケーブル54の他端から供給さ
れる絶縁アンプ、56は絶縁アンプ55の出力を増幅す
る増幅器、57は増幅器56の出力(アナログ信号)を
デジタル信号に変換するA/D変換器、58はA/D変
換器57の出力信号を処理するCPU、59はバス、6
0は例えば表示や計測データのプリントアウト等を行う
ためのインターフェース回路(I/F)である。
【0004】上記のCPU58は、漏れ電流の計測値に
対応するA/D変換器57の出力信号をバス59を通し
て周期的に取り込み、バス59を通してインターフェー
ス回路(I/F)60へ送り、取得データをプリントア
ウトし、また、これを予め設定した漏れ電流の劣化判定
しきい値と比較し、A/D変換器57の出力信号が劣化
判定しきい値を超えたときに、劣化判定信号を出力し、
バス59を通してインターフェース回路(I/F)60
へ送り、インターフェース回路(I/F)60に接続さ
れる表示器等に避雷器52が寿命になっていることを表
示させる。
【0005】ここで、避雷器52は、雷サージおよび開
閉サージ等によって放電動作した後においても、エネル
ギー吸収→温度上昇→漏れ電流増加の現象が現れ、一時
的に漏れ電流値(A/D変換器57の出力)がその避雷
器52における劣化判定しきい値を超えてしまう。ただ
し、そのほとんどの場合はやがて定常状態の漏れ電流値
に復帰すると考えられる。
【0006】上記のような避雷器52の放電動作に伴う
一時的な漏れ電流の計測値の増加に対して、第1の従来
例では、このような場合でもそのまま劣化判定信号を出
力するようにしている。また、第2の従来例では、一時
的な漏れ電流の計測値の増加には劣化判定信号を出力せ
ず定常状態で漏れ電流の計測値が劣化判定しきい値を超
えたときのみに劣化判定信号を出力するために、一定時
間以上継続して漏れ電流の計測値が劣化判定しきい値を
超えたときに初めて劣化判定信号を出力する構成として
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の避雷器
の劣化監視装置において、一時的な漏れ電流の増加を考
慮していないものでは、避雷器52の放電動作やノイズ
等による一時的な漏れ電流の増加でも劣化判定信号を出
力してしまうという誤動作が生じ、避雷器52が寿命に
なったと誤解させるおそれがある。また、ノイズによっ
ても劣化判定信号を出力してしまうという誤動作が生じ
る。
【0008】一方、一定時間以上の継続を待って劣化判
定信号を出力するものでは、避雷器52の動作時に避雷
器52に吸収される放電電流値(エネルギー量)の大き
さによって、漏れ電流が定常状態に至るまでの時間が異
なると考えられるため、その時間の設定値は考えられる
放電の最大電流値を基準に決定しなければならず、放電
をトリガとしない通常の劣化が急激に進行した場合に、
劣化判定の出力を行う前に、避雷器52が熱暴走に至る
可能性があった。
【0009】また、両者とも変流器53の2次出力信号
をメタルケーブル54で引き回して絶縁アンプ55へ供
給しているため、雷サージや開閉サージ等により、絶縁
アンプ55等の素子の不良を招くおそれがきわめて高か
った。なお、避雷器52が寿命となったときに、それを
検出して劣化判定信号を出力して交換を促すだけでな
く、避雷器52の寿命の予測を行うことができれば、交
換用の避雷器を準備しておくことが可能で、避雷器52
の寿命に即座に対応できて一層便利である。
【0010】この発明の目的は、避雷器の放電動作によ
る誤った劣化判定信号の出力を防止しつつ定常時に漏れ
電流が劣化判定しきい値を超えたときに即座に劣化判定
信号を出力することができる避雷器の劣化監視方法およ
び劣化監視装置を提供することである。この発明の他の
目的は、ノイズ等による誤った劣化判定信号の出力を防
止することができる避雷器の劣化監視方法および劣化監
視装置を提供することである。
【0011】この発明のさらに他の目的は、避雷器の寿
命を予測することができる避雷器の劣化監視方法および
劣化監視装置を提供することである。この発明のさらに
他の目的は、漏れ電流計測手段および放電電流計測手段
の入力部と出力部の間の高絶縁を確保することができる
避雷器の劣化監視装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の避雷器の
劣化監視方法は、運転中の避雷器の漏れ電流を常時周期
的(例えば1秒程度のサンプリング周期)に計測し、漏
れ電流の計測値と予め設定した漏れ電流の劣化判定しき
い値とを比較し漏れ電流の計測値が劣化判定しきい値を
超えたときに劣化判定信号を出力し、避雷器の放電動作
時に一時的に劣化判定を停止する等して、その間劣化判
定信号の出力を禁止する。
【0013】この際、劣化判定信号の出力を禁止する時
間は、予測される最大の放電電流値が避雷器に流れたと
きに避雷器の漏れ電流が一時的に増大する期間より長く
設定すると、避雷器の放電動作に伴う漏れ電流の一時的
な増大による誤った劣化判定信号の出力をなくすことが
できるが、そのように大きな放電電流値の発生頻度はき
わめて少ないと考えられるから、上記の予測される最大
の放電電流値に対応した時間より長い時間に設定する必
要はない。
【0014】このように構成すると、雷サージ等による
放電動作で一時的に避雷器の漏れ電流が増加し、漏れ電
流の計測値が一時的に劣化判定しきい値を超えたときに
は、劣化判定が行われず、したがって劣化判定信号が出
力されない。一方、定常時においては、劣化判定信号の
出力は禁止されないので、漏れ電流が劣化判定しきい値
を超えたときには即座に劣化判定信号を出力することに
なる。
【0015】請求項2記載の避雷器の劣化監視方法は、
請求項1記載の避雷器の劣化監視方法において、避雷器
の放電動作時に避雷器の放電電流を計測し、避雷器の放
電動作時に劣化判定信号の出力を禁止する時間を放電電
流の計測値に従い放電電流の計測値が大きいほど長く設
定する。雷サージ等による放電動作で避雷器の漏れ電流
が一時的に増加する期間は、避雷器に与えられるエネル
ギー量、つまり、放電電流値に依存し、放電電流値が大
きいほど長くなる。
【0016】したがって、上記のように、劣化判定信号
の出力を禁止する時間を放電電流の計測値に従い放電電
流の計測値が小さいときは短く設定し、大きいときは長
く設定することにより、劣化判定信号の出力を禁止する
時間が不必要に長い時間になることはなくなり、放電動
作に伴い漏れ電流が一時的に増加する期間の長さに応じ
て変化するので、定常時において漏れ電流が増加したと
きの劣化判定信号の出力が劣化判定信号の出力の禁止期
間の不必要な継続によって遅れることがなくなる。
【0017】請求項3記載の避雷器の劣化監視方法は、
請求項1または請求項2記載の避雷器の劣化監視方法に
おいて、複数個(例えば数十個)の漏れ電流の計測値の
移動平均値を求め、漏れ電流の計測値に代えて漏れ電流
の移動平均値を劣化判定しきい値と比較する。このよう
に構成すると、突発的な系統電圧変動やノイズ等によっ
て漏れ電流の計測値が一時的に劣化判定しきい値を超え
るようなことがあっても、漏れ電流の移動平均値につい
ては、漏れ電流の計測値が継続的に劣化判定しきい値を
超えないと、劣化判定しきい値を超えることはなく、突
発的な系統電圧変動やノイズ等によって誤って劣化判定
信号が出力されることはない。
【0018】一方、避雷器が放電動作ではなく寿命に近
づくことにより漏れ電流が増加した場合には、漏れ電流
の計測値が継続的に劣化判定しきい値を超えることにな
り、したがって漏れ電流の移動平均値が劣化判定しきい
値を超えることになって劣化判定信号が出力される。な
お、漏れ電流の計測値が継続的に劣化判定しきい値を超
えることになった後、漏れ電流の移動平均値が劣化判定
しきい値を超えるまでの遅れ時間は、避雷器の放電動作
に伴って劣化判定信号の出力が禁止される時間にくらべ
て十分に短い時間に設定される。
【0019】請求項4記載の避雷器の劣化監視方法は、
請求項1,請求項2または請求項3記載の避雷器の劣化
監視方法において、避雷器の使用開始時からの累積放電
動作回数を取得するとともに、避雷器の毎回の放電動作
に伴う放電電流の計測値を取得する。このように構成す
ると、避雷器の使用開始時からの累積放電動作回数と避
雷器の毎回の放電動作に伴う放電電流の計測値を管理す
ることで、避雷器の寿命予測が可能となる。例えば、避
雷器の寿命は、避雷器に流れる放電電流の累積値、つま
り避雷器に加わる累積エネルギーが多くなるほど、避雷
器の残寿命が少なくなると考えられるので、避雷器に流
れる放電電流の累積値を監視することで、寿命を予測す
ることが可能である。
【0020】請求項5記載の避雷器の劣化監視装置は、
運転中の避雷器の漏れ電流を常時周期的(例えば1秒程
度のサンプリング周期)に計測する漏れ電流計測手段
と、この漏れ電流計測手段による複数個(例えば数十
個)の漏れ電流の計測値の移動平均値を算出する移動平
均手段と、避雷器の放電動作を検出する放電検出手段
と、この放電検出手段による放電検出に応答して避雷器
の放電電流を計測する放電電流計測手段と、移動平均手
段による漏れ電流の移動平均値と予め設定した漏れ電流
の劣化判定しきい値とを比較し漏れ電流の移動平均値が
劣化判定しきい値を超えたときに劣化判定信号を出力す
る劣化判定手段と、放電検出手段による放電検出に応答
して放電電流計測手段による放電電流の計測値に従い放
電電流の計測値が大きいほど長い時間劣化判定手段によ
る劣化判定信号の出力を禁止する劣化判定信号出力禁止
手段とを備えている。
【0021】このように構成すると、雷サージ等による
放電動作で一時的に避雷器の漏れ電流が増加し、漏れ電
流の移動平均値が一時的に劣化判定しきい値を超えたと
きには、劣化判定が行われず、したがって劣化判定信号
が出力されない。一方、定常時においては、劣化判定信
号の出力は禁止されないので、漏れ電流の移動平均値が
劣化判定しきい値を超えたときには即座に劣化判定信号
を出力することになる。
【0022】また、突発的な系統電圧変動やノイズ等に
よって漏れ電流の計測値が一時的に劣化判定しきい値を
超えるようなことがあっても、漏れ電流の移動平均値に
ついては、漏れ電流の計測値が継続的に劣化判定しきい
値を超えないと、劣化判定しきい値を超えることがな
く、突発的な系統電圧変動やノイズ等によって誤って劣
化判定信号が出力されることはない。一方、避雷器が放
電動作ではなく寿命に近づくことにより漏れ電流が増加
した場合には、漏れ電流の計測値が継続的に劣化判定し
きい値を超えることになり、したがって漏れ電流の移動
平均値が劣化判定しきい値を超えることになって劣化判
定信号が出力される。なお、漏れ電流の計測値が継続的
に劣化判定しきい値を超えることになった後、漏れ電流
の移動平均値が劣化判定しきい値を超えるまでの遅れ時
間は、避雷器の放電動作に伴って劣化判定信号の出力が
禁止される時間にくらべて十分に短い時間に設定され
る。
【0023】請求項6記載の避雷器の劣化監視装置は、
請求項5記載の避雷器の劣化監視装置において、避雷器
の使用開始時からの累積放電動作回数と避雷器の毎回の
放電動作に伴う放電電流の計測値を取得する取得手段を
付加している。このように構成すると、避雷器の使用開
始時からの累積放電動作回数と避雷器の毎回の放電動作
に伴う放電電流の計測値を管理することで、避雷器の寿
命予測が可能となる。例えば、避雷器の寿命は、避雷器
に流れる放電電流の累積値、つまり避雷器に加わる累積
エネルギーが多くなるほど、避雷器の残寿命が少なくな
ると考えられるので、避雷器に流れる放電電流の累積値
を監視することで、寿命を予測することが可能である。
【0024】請求項7記載の避雷器の劣化監視装置は、
請求項5または請求項6記載の避雷器の劣化監視装置に
おいて、避雷器の接地線に挿入した漏れ電流計測用の第
1の変流器と、第1の変流器の2次出力を光信号に変換
する第1の電気/光変換器と、第1の電気/光変換器に
一端を結合した第1の光ファイバと、第1の光ファイバ
の他端に結合した第1の光/電気変換器とで漏れ電流計
測手段を構成し、避雷器の接地線に挿入した第2の変流
器と、第2の変流器の2次出力を光信号に変換する第2
の電気/光変換器と、第2の電気/光変換器に一端を結
合した第2の光ファイバと、第2の光ファイバの他端に
結合した第2の光/電気変換器とで放電電流計測手段を
構成している。
【0025】このように構成することで、漏れ電流計測
手段の入力部と出力部および放電電流計測手段の入力部
と出力部が第1の光ファイバおよび第2の光ファイバに
よりそれぞれ電気的に高く絶縁されることになり、雷サ
ージや開閉サージの発生時に漏れ電流計測手段および放
電電流計測手段より後段の回路の構成素子の不良の発生
が確実に防止される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明における実施の形
態について図面を参照しながら説明する。図1にこの発
明の避雷器の劣化監視装置の実施の形態のブロック図を
示す。図1において、1は電力系統、2は電力系統1に
接続した受変電設備用酸化亜鉛型避雷器等の避雷器、3
は避雷器2の接地線に挿入した漏れ電流計測用の第1の
変流器、4は避雷器2の接地線に挿入した放電電流計測
用の第2の変流器、5は第1の変流器3の2次出力(電
圧信号)を光信号に変換する第1の電気/光変換器、6
は第2の変流器4の2次出力を光信号に変換する第2の
電気/光変換器、7は第1の電気/光変換器5に一端を
結合した第1の光ファイバ、8は第2の電気/光変換器
6に一端を結合した第2の光ファイバ、9は第1の光フ
ァイバ7の他端に結合して光信号を電圧信号に変換する
第1の光/電気変換器、10は第2の光ファイバ8の他
端に結合して光信号を電圧信号に変換する第2の光/電
気変換器、11は第1の光/電気変換器9の出力信号を
増幅する第1の増幅器、12は第2の光/電気変換器1
0の出力信号を増幅する第2の増幅器、13は第2の増
幅器12の出力信号のレベルから避雷器2の放電動作の
発生を検出する放電検出手段として機能する放電検出回
路、14は第1の増幅器11および第2の増幅器12の
出力信号(アナログ電圧)をそれぞれデジタル信号に変
換するA/D変換器、15は放電検出回路13の出力に
基づいて割込信号を発生する割込コントロール回路、1
6はA/D変換器14の出力信号を処理するCPU、1
7はバス、18は例えば表示等を行うためのインターフ
ェース回路(I/F)である。
【0027】上記構成において、第1の変流器3と、第
1の電気/光変換器5と、第1の光ファイバ7と、第1
の光/電気変換器9と、第1の増幅器11と、A/D変
換器14と、CPU16の内部ソフトウェアとで、運転
中の避雷器2の漏れ電流を常時周期的(例えば1秒程度
のサンプリング周期)に計測する漏れ電流計測手段を構
成している。なお、放電電流は数十kHzないし数MH
z程度の高周波であるのに対して、漏れ電流は150H
zまたは180Hz(商用周波の第3調波)であるの
で、放電電流を除去して漏れ電流のみを検出するため
に、第1の電気/光変換器5の電気回路部分にコイル
(図示せず)を挿入し、第1の光/電気変換器9の電気
回路部分にローパスフィルタ(図示せず)を挿入して平
均値計算によって漏れ電流の成分のみが増幅器11から
後段へ伝達されるようにしている。
【0028】また、第2の変流器4と、第2の電気/光
変換器6と、第2の光ファイバ8と、第2の光/電気変
換器10と、第2の増幅器12と、A/D変換器14
と、CPU16の内部ソフトウェアとで、放電検出手段
による放電検出に応答して避雷器の放電電流を計測する
放電電流計測手段を構成している。なお、放電電流は、
漏れ電流に比べて極めて大きいので、放電電流の測定に
際しては漏れ電流を無視できるものであり、ハイパスフ
ィルタ等を挿入して漏れ電流を除去する必要はない。
【0029】また、CPU16は、その内部ソフトウェ
アにより、漏れ電流計測手段による漏れ電流の計測値の
移動移動平均値と予め設定した漏れ電流の劣化判定しき
い値とを比較し漏れ電流の計測値の移動平均値が劣化判
定しきい値を超えたときに劣化判定信号を出力する劣化
判定手段と、放電検出手段による放電検出に応答して放
電電流計測手段による放電電流の計測値に従い放電電流
の計測値が大きいほど長い時間劣化判定手段による劣化
判定を禁止する等してその劣化判定信号の出力を禁止す
る劣化判定信号出力禁止手段と、避雷器の使用開始時か
らの累積放電動作回数と避雷器の毎回の放電動作に伴う
放電電流の計測値を取得する取得手段とを構成してお
り、その具体的なアルゴリズムについては後述する。
【0030】そして、以上のような構成の避雷器の劣化
監視装置を用いて、以下に示す避雷器の劣化監視方法を
実施することになる。この避雷器の劣化監視方法は、運
転中の避雷器2の漏れ電流を常時周期的(例えば1秒程
度のサンプリング周期)に計測するとともに、避雷器2
の放電動作時に避雷器2の放電電流を計測し、複数個
(例えば数十個)の漏れ電流の計測値の移動平均値を求
め、この漏れ電流の移動平均値と予め設定した漏れ電流
の劣化判定しきい値とを比較し漏れ電流の計測値が劣化
判定しきい値を超えたときに劣化判定信号を出力し、避
雷器2の放電動作時に放電電流の計測値に従い放電電流
の計測値が大きいほど長い時間劣化判定手段による劣化
判定を禁止する等して、その間劣化判定信号の出力を禁
止し、合わせて避雷器の使用開始時からの累積放電動作
回数を取得するとともに、避雷器の毎回の放電動作に伴
う放電電流の計測値を取得する。
【0031】この実施の形態によると、雷サージ等によ
る放電動作で一時的に避雷器2の漏れ電流が増加し、漏
れ電流の計測値が一時的に劣化判定しきい値を超えたと
きには、劣化判定が行われず、したがって劣化判定信号
が出力されない。一方、定常時においては、劣化判定信
号の出力は禁止されないので、漏れ電流が劣化判定しき
い値を超えたときには即座に劣化判定信号を出力するこ
とになる。
【0032】また、劣化判定信号の出力を禁止する時間
を放電電流の計測値に従い放電電流の計測値が小さいと
きは短く設定し、大きいときは長く設定することによ
り、劣化判定信号の出力を禁止する時間が不必要に長い
時間になることはなくなり、放電動作に伴い漏れ電流が
一時的に増加する期間の長さに応じて変化するので、定
常時において漏れ電流が増加したときの劣化判定信号の
出力が劣化判定信号の出力の禁止期間の不必要な継続に
よって遅れることがなくなる。
【0033】また、突発的な系統電圧変動やノイズ等に
よって漏れ電流の計測値が一時的に劣化判定しきい値を
超えるようなことがあっても、漏れ電流の移動平均値に
ついては、漏れ電流の計測値が継続的に劣化判定しきい
値を超えないと、劣化判定しきい値を超えることがな
く、突発的な系統電圧変動やノイズ等によって誤って劣
化判定信号が出力されることはない。一方、避雷器2が
放電動作ではなく寿命に近づくことにより漏れ電流が増
加した場合には、漏れ電流の計測値が継続的に劣化判定
しきい値を超えることになり、したがって漏れ電流の移
動平均値が劣化判定しきい値を超えることになって劣化
判定信号が出力される。なお、漏れ電流の計測値が継続
的に劣化判定しきい値を超えることになった後、漏れ電
流の移動平均値が劣化判定しきい値を超えるまでの遅れ
時間は、避雷器2の放電動作に伴って劣化判定信号の出
力が禁止される時間にくらべて十分に短い時間に設定さ
れる。
【0034】また、避雷器2の使用開始時からの累積放
電動作回数と避雷器2の毎回の放電動作に伴う放電電流
の計測値を管理することで、避雷器2の寿命予測が可能
となる。例えば、避雷器2の寿命は、避雷器2に流れる
放電電流の累積値、つまり避雷器2に加わる累積エネル
ギーが多くなるほど、避雷器2の残寿命が少なくなると
考えられるので、避雷器2に流れる放電電流の累積値を
監視することで、寿命を予測することが可能である。
【0035】また、漏れ電流計測手段の入力部(第1の
変流器3および第1の電気/光変換器5)と出力部(第
1の光/電気変換器9以降の回路部)および放電電流計
測手段の入力部(第2の変流器4および第2の電気/光
変換器6)と出力部(第2の光/電気変換器10以降の
回路部)が第1の光ファイバ7および第2の光ファイバ
8によりそれぞれ電気的に高く絶縁されることになり、
第1の光/電気変換器9以降の回路部ならびに第2の光
/電気変換器10以降の回路部については、サージ耐圧
を考慮しなくても、雷サージや開閉サージの発生時の構
成素子の不良の発生が確実に防止される。
【0036】以下、この避雷器の劣化監視装置について
詳しく説明する。この避雷器の劣化監視装置は、避雷器
2の接地線に流れる漏れ電流を第1の変流器3で検出
し、第1の変流器3の2次出力を第1の電気/光変換器
5で光信号に変換した後、第1の光ファイバ7を通して
第1の光/電気変換器9へ伝送し、第1の光/電気変換
器9にて電圧信号に戻して第1の増幅器11で増幅して
A/D変換器14へ送ることにより、A/D変換器14
の出力として漏れ電流の大きさに応じたデジタル信号が
得られる。このデジタル信号が漏れ電流の計測値とな
り、この値はCPU16の働きで例えば1秒のサンプリ
ング周期で常時得られる。
【0037】同様にして、避雷器2の接地線に流れる放
電電流を第2の変流器4で検出し、第2の変流器4の2
次出力を第2の電気/光変換器6で光信号に変換した
後、第2の光ファイバ8を通して第2の光/電気変換器
10へ伝送し、第2の光/電気変換器10にて電圧信号
に戻して第2の増幅器12で増幅してA/D変換器14
へ送ることにより、A/D変換器14の出力として放電
電流の大きさに応じたデジタル信号が得られる。このデ
ジタル信号が放電電流の計測値となり、この値は放電検
出回路13,割込コントロール回路15およびCPU1
6の働きで放電動作が発生したときのみ得られる。
【0038】また、第2の増幅器12の出力は、放電検
出回路13へも入力されており、第2の増幅器12の出
力が所定のレベルを超えたときに、放電検出回路13が
放電検出信号を発生して割込コントロール回路15へ与
える。この結果、上記第2の増幅器12の出力がA/D
変換器14にてサンプリングされてデジタル信号に変換
されることになる。
【0039】CPU16は、避雷器2の漏れ電流の計測
値に対応するA/D変換器14の出力信号をバス19を
通して周期的に取り込み、移動平均値を計算し、この移
動平均値をバス17を通してインターフェース回路(I
/F)18へ送り、インターフェース回路(I/F)1
8に接続される表示器やプリンタ等に出力し、また、こ
れを予め設定した漏れ電流の劣化判定しきい値と比較
し、A/D変換器14の出力信号が劣化判定しきい値を
超えたときに、劣化判定信号を出力し、バス17を通し
てインターフェース回路(I/F)18へ送り、インタ
ーフェース回路(I/F)18に接続される表示器等に
避雷器2が寿命になっていることを表示させる。また、
避雷器2の放電動作の発生が放電検出回路13で検出さ
れたときに割込コントロール回路15から割込信号が与
えられ、これによる割込動作でもって第2の増幅器12
の出力信号をデジタル信号に変換したものをA/D変換
器14からバス17を通して取り込むことで避雷器2の
放電電流を計測し、この放電電流の大きさに応じた時間
だけ、劣化判定を禁止する等して、劣化判定信号の出力
を禁止するような動作をする。
【0040】上記の第1の変流器3および第1の電気/
光変換器5等の漏れ電流計測手段の入力部は、電圧サー
ジによる衝撃、耐環境性等を考慮して、それらに弱いと
される能動素子を使用しないで光伝送する構成としてい
る。同様に、第2の変流器4および第2の電気/光変換
器6等の放電電流計測手段の入力部も、電圧サージによ
る衝撃、耐環境性等を考慮して、それらに弱いとされる
能動素子を使用しないで光伝送する構成としている。
【0041】また、第1の電気/光変換器5や第2の電
気/光変換器6から伝送される光信号には、光量減衰時
の補正に使用する直流信号が重畳されており、第1の増
幅器11および第2の増幅器12は、上記直流信号に基
づいて光信号の補正演算を行い、光量の減衰の影響を排
除している。ここで、上記のCPU16における避雷器
の劣化検出の処理について、図2のフローチャートを参
照しながら説明する。
【0042】最初に、避雷器2に放電動作が発生してい
ない通常時の処理の流れについて説明する。CPU16
は、第1の増幅器11の出力をA/D変換器14でデジ
タル信号に変換させることにより、漏れ電流の計測値を
決められたサンプリング時間(例えば、1秒間隔)で取
得し(ステップS1)、ついで漏れ電流の計測値の数十
個分の移動平均計算を行い、移動平均値を求める(ステ
ップS2)。移動平均については、後述する。
【0043】そして、求めた漏れ電流の移動平均値をイ
ンターフェース回路18に出力して移動平均値等のデー
タのプリントアウト等を行わせ(ステップS3)、タイ
マフラグがセットされているかどうかを判定する(ステ
ップS4)。通常時は、タイマフラグがセットされてい
ないので、つづいて放電フラグがセットされているかど
うかを判定する(ステップS5)。通常時は、放電フラ
グがセットされていないので、つづいて移動平均値が劣
化判定しきい値より大きいかどうかを判定する(ステッ
プS6)。移動平均値が劣化判定しきい値より大きいと
きは、劣化出力をONとし(ステップS7)、小さい場
合は劣化出力をOFFとする(ステップS8)。劣化出
力のON/OFFはインターフェース回路18へ送ら
れ、表示器を点灯させたり、警報器を鳴動させ、避雷器
の交換を促す。
【0044】その後、上記したサンプリング時間が経過
すると、再びステップS1からの処理を繰り返す。つぎ
に、雷サージ等により避雷器2の放電動作が発生して避
雷器2に放電電流が流れた場合の処理の流れを説明す
る。避雷器2に放電動作が発生すると、放電検出回路1
3が放電を検出し、したがっで割込コントロール回路1
5がCPU16に対して割込をかけて、放電フラグをセ
ットする。この結果、ステップS1〜S4まで処理をし
た後、放電フラグがセットされているかどうかを判定す
る(ステップS5)ことになるが、このとき放電フラグ
がセットされているので、放電回数を累積する放電カウ
ンタを1だけカウントアップする(ステップS9)。な
お、この放電カウンタのカウント値は避雷器2を交換し
たときに0にリセットする。
【0045】そして、第2の増幅器12の出力をA/D
変換器14でデジタル信号に変換させることにより、ピ
ークホールドされている放電電流の計測値をA/D変換
器14を通して取得しメモリに格納する(ステップS1
0)。ついで、放電電流の計測値の大きさに応じた長さ
にタイマの時間設定を行うとともにタイマフラグをセッ
トし(ステップS11)、タイマがタイムオーバしてい
ないかどうかを判定する(ステップS12)。
【0046】タイムオーバしていないときには、上記し
たサンプリング時間が経過すると、再びステップS1に
戻り、以下ステップS2,S3を実行し、ステップS4
で、タイマフラグがセットされているどうかを判断する
(ステップS4)。このときは、タイマフラグがセット
されているので、タイマの時間を1サンプリング周期分
進め(ステップS11)、タイマがタイムオーバしてい
ないかどうかを判定する(ステップS12)。タイムオ
ーバしていないときには、上記したサンプリング時間が
経過すると、再びステップS1,S2,S3,S11,
S12を繰り返すことになり、この処理は放電電流の計
測値の大きさに応じた設定時間が経過してタイマがタイ
ムオーバするまで継続し、この期間中は漏れ電流の移動
平均値と劣化判定しきい値の比較判定処理ならびに放電
電流データの取得は行わない。
【0047】そして、タイマがタイムオーバしていない
かどうかの判定(ステップS12)の結果、設定時間が
経過してタイムオーバすれば、放電フラグをリセットす
るとともにタイマフラグをリセットする(ステップS1
3)。その後、上記したサンプリング時間が経過する
と、再びステップS1から処理を繰り返す。このとき
は、タイマフラグも放電フラグもセットされていないの
で、最初に説明したように、漏れ電流の移動平均値と劣
化判定しきい値の比較判定処理や劣化出力のONもしく
OFFの動作を行う。
【0048】図3は移動平均値の計算についての説明図
である。図3において、d1 ,d2,d3 ,d4 ,…,
K ,dK+1 ,dK+2 ,dK+3 ,…が例えば1秒毎のサ
ンプリングによって得られる漏れ電流の計測値であると
すると、最初の移動平均値Aは、
【0049】
【数1】 で求まり、2番目の移動平均値Bは、
【0050】
【数2】 で求まり、3番目の移動平均値Cは、
【0051】
【数3】 で求まることになる。つまり、移動平均値を求めるとい
うのは、漏れ電流の計測値を1個ずつずらしながら一定
数の漏れ電流の計測値の平均値を求めることである。な
お、図3において、Zはノイズまたは検出不能な小さな
放電による生じたピークである。
【0052】図4は避雷器2の放電電流の計測値の大き
さと劣化判定出力禁止時間の関係を示す図であり、放電
電流の増加に伴って劣化判定出力禁止時間が増加してい
ることがわかる。なお、放電電流がごく小さい部分は放
電検出不可領域であり、この領域で劣化判定出力禁止時
間は0となっている。ここで、図4の曲線の求め方につ
いて説明する。放電発生後避雷器の漏れ電流が定常状態
に戻るまでの時間は、一般的には、避雷器に加えられる
交流電圧の課電率と流入エネルギー量によって変化する
とされている。そこで、交流課電中に、ワンショットの
インパルスを避雷器に与えた後、漏れ電流値が定常漏れ
電流値の+10%に低下するまでの時間を測定する。こ
の場合、測定ポイントは、電流値が1kAから20kA
までの範囲において、1kAステップとしている。ま
た、上記のインパルスの電流値の違いによる時間の変化
の測定を、交流課電率をパラメータとして(1.0,
0.95,0.9)、各課電率について行った。この測
定結果をグラフに示すと、図4に示したものと同様の曲
線が得られることになり、上記の計測により得られた曲
線は課電率が高い場合ほど時間が長くなっていた。実際
には、上記の実測により得られた値をそのまま使用する
のではなく、安全率を考慮して、上記の実測による時間
の長さの3倍を、電流値に対する劣化判定出力禁止時間
としている。
【0053】なお、交流課電率は、検出した漏れ電流の
1サイクル分の波形を周波数解析(高速フーリエ変換)
して、基本波成分の大きさから求める。また、劣化判定
に用いる漏れ電流は商用周波数の第3調波であり、その
算出は、高速フーリエ変換により求めるか、または漏れ
電流の検出出力をハイパスフィルタに通すことで第3調
波成分を抽出し、それを全波整流して直流化して求め
る。
【0054】図5は劣化判定の様子を示す概略図であ
る。図5において、T1 は放電動作に伴う劣化判定出力
禁止時間である。T2 は移動平均値を求めるのに要する
時間である。T3 は移動平均値計算に伴う劣化判定の遅
れ時間である。図5において、時刻t1 で放電動作が発
生し、漏れ電流の計測値Pが避雷器劣化判定漏れ電流レ
ベルQを超えているが、時刻t1 〜t2 の劣化判定出力
禁止時間T1 の間は、劣化判定が行われない。また、時
刻t3 〜t4 間で、ノイズ等に起因して漏れ電流の計測
値Pが避雷器劣化判定漏れ電流レベルQを超えている
が、この期間は移動平均時間T2 に比べて十分に短く、
移動平均値は避雷器劣化判定漏れ電流レベルQを超えな
いので、この期間は劣化判定の結果正常であることを示
す劣化判定信号は出力されない。また、時刻t5 以降
は、避雷器2が劣化して電流の計測値Pが劣化判定しき
い値Qを継続的に超えることになり、その値に徐々に増
加していくが、このときは、移動平均時間T2 より短い
時間T3 の遅れの後、避雷器2が寿命に達していること
を示す信号が出力され、劣化判定の出力をほぼリアルタ
イムで行うことができる。
【0055】なお、上記の実施の形態においては、ノイ
ズ等による誤動作を防止するため、漏れ電流の計測値の
移動平均値を劣化判定しきい値と比較する構成であった
が、避雷器の放電動作直後の誤動作を防止する目的だけ
から見れば、漏れ電流の計測値そのものを劣化判定しき
い値と比較する構成であってもよい。また、上記の実施
の形態においては、劣化判定信号の出力を禁止する時間
を放電電流の計測値が小さいときは短くし、放電電流の
計測値が大きいときは長くしたが、一定であってもよ
い。また、寿命予測は特に必要なものではない。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の避雷器の劣化監視方法に
よれば、避雷器の放電動作時に一時的に劣化判定信号の
出力を禁止するので、雷サージ等による放電動作で一時
的に避雷器の漏れ電流が増加し、漏れ電流の計測値が一
時的に劣化判定しきい値を超えたときには、劣化判定が
行われず、したがって劣化判定信号が出力されず、また
定常時においては、劣化判定信号の出力は禁止されない
ので、漏れ電流が劣化判定しきい値を超えたときには即
座に劣化判定信号を出力することができる。
【0057】請求項2記載の避雷器の劣化監視方法によ
れば、避雷器の放電動作時に避雷器の放電電流を計測
し、避雷器の放電動作時に放電電流の計測値に従い放電
電流の計測値が大きいほど長い時間劣化判定信号の出力
を禁止するので、劣化判定信号の出力を禁止する時間が
不必要に長い時間になることはなくなり、放電動作に伴
い漏れ電流が一時的に増加する期間の長さに応じて変化
するので、定常時において漏れ電流が増加したときの劣
化判定信号の出力が劣化判定信号の出力の禁止期間の不
必要な継続によって遅れることがなくなる。
【0058】請求項3記載の避雷器の劣化監視方法によ
れば、漏れ電流の移動平均値を劣化判定しきい値と比較
するので、突発的な系統電圧変動やノイズ等によって漏
れ電流の計測値が一時的に劣化判定しきい値を超えるよ
うなことがあっても、漏れ電流の移動平均値について
は、漏れ電流の計測値が継続的に劣化判定しきい値を超
えないと、劣化判定しきい値を超えることがなく、突発
的な系統電圧変動やノイズ等によって劣化判定信号が誤
って出力されることはない。
【0059】請求項4記載の避雷器の劣化監視方法によ
れば、避雷器の使用開始時からの累積放電動作回数を取
得するとともに、避雷器の毎回の放電動作に伴う放電電
流の計測値を取得するので、避雷器の使用開始時からの
累積放電動作回数と避雷器の毎回の放電動作に伴う放電
電流の計測値を管理することで、避雷器の寿命予測が可
能となる。請求項5記載の避雷器の劣化監視装置によれ
ば、放電検出手段により避雷器の放電動作を検出し、放
電検出に応答して避雷器の放電電流を放電電流計測手段
により計測し、放電検出に応答して放電電流の測定値に
従い放電電流の測定値が大きいほど長い時間劣化判定手
段による劣化判定信号の出力を劣化判定信号出力禁止手
段によって禁止する構成としたので、雷サージ等による
放電動作で一時的に避雷器の漏れ電流が増加し、漏れ電
流の計測値が一時的に劣化判定しきい値を超えたときに
は、劣化判定が行われず、したがって劣化判定信号が出
力されず、また定常時においては、劣化判定信号の出力
は禁止されないので、漏れ電流が劣化判定しきい値を超
えたときには即座に劣化判定信号を出力することができ
る。また、突発的な系統電圧変動やノイズ等によって漏
れ電流の計測値が一時的に劣化判定しきい値を超えるよ
うなことがあっても、漏れ電流の移動平均値について
は、漏れ電流の計測値が継続的に劣化判定しきい値を超
えないと、劣化判定しきい値を超えることがなく、突発
的な系統電圧変動やノイズ等によって劣化判定信号が誤
って出力されることはない。
【0060】請求項6記載の避雷器の劣化監視装置によ
れば、避雷器の使用開始時からの放電動作回数と避雷器
の毎回の放電動作に伴う放電電流の計測値を取得する取
得手段を付加しているので、放電動作回数と放電電流の
計測値を管理することで、避雷器の寿命予測が可能とな
る。請求項7記載の避雷器の劣化監視装置によれば、漏
れ電流計測手段の入力部と出力部および放電電流計測手
段の入力部と出力部が第1の光ファイバおよび第2の光
ファイバによりそれぞれ電気的に高く絶縁されることに
なり、雷サージや開閉サージの発生時に第1の光/電気
変換器および第2の光/電気変換器以降の回路部を構成
する素子の不良の発生を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の避雷器の劣化監視装置における実施
の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の避雷器の劣化監視装置のCPUの処理を
示すフローチャートである。
【図3】移動平均計算を説明するための図である。
【図4】放電電流と劣化判定出力禁止時間の関係を示す
図である。
【図5】避雷器の劣化判定の流れを示すタイムチャート
である。
【図6】避雷器の劣化監視装置の従来例の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 電力系統 2 避雷器 3 第1の変流器 4 第2の変流器 5 第1の電気/光変換器 6 第2の電気/光変換器 7 第1の光ファイバ 8 第2の光ファイバ 9 第1の光/電気変換器 10 第2の光/電気変換器 11 第1の増幅器 12 第2の増幅器 13 放電検出回路 14 A/D変換器 15 割込コントロール回路 16 CPU 17 バス 18 インターフェース回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転中の避雷器の漏れ電流を常時周期的
    に計測し、前記漏れ電流の計測値と予め設定した漏れ電
    流の劣化判定しきい値とを比較し前記漏れ電流の計測値
    が劣化判定しきい値を超えたときに劣化判定信号を出力
    し、前記避雷器の放電動作時に一時的に前記劣化判定信
    号の出力を禁止することを特徴とする避雷器の劣化監視
    方法。
  2. 【請求項2】 避雷器の放電動作時に前記避雷器の放電
    電流を計測し、前記避雷器の放電動作時に劣化判定信号
    の出力を禁止する時間を前記放電電流の計測値に従い前
    記放電電流の計測値が大きいほど長く設定することを特
    徴とする請求項1記載の避雷器の劣化監視方法。
  3. 【請求項3】 複数個の漏れ電流の計測値の移動平均値
    を求め、漏れ電流の計測値に代えて前記漏れ電流の移動
    平均値を劣化判定しきい値と比較することを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の避雷器の劣化監視方法。
  4. 【請求項4】 避雷器の使用開始時からの累積放電動作
    回数を取得するとともに、前記避雷器の毎回の放電動作
    に伴う放電電流の計測値を取得することを特徴とする請
    求項1,請求項2または請求項3記載の避雷器の劣化監
    視方法。
  5. 【請求項5】 運転中の避雷器の漏れ電流を常時周期的
    に計測する漏れ電流計測手段と、この漏れ電流計測手段
    による複数個の漏れ電流の計測値の移動平均値を算出す
    る移動平均手段と、前記避雷器の放電動作を検出する放
    電検出手段と、この放電検出手段による放電検出に応答
    して前記避雷器の放電電流を計測する放電電流計測手段
    と、前記移動平均手段による漏れ電流の移動平均値と予
    め設定した漏れ電流の劣化判定しきい値とを比較し前記
    漏れ電流の移動平均値が前記劣化判定しきい値を超えた
    ときに劣化判定信号を出力する劣化判定手段と、前記放
    電検出手段による放電検出に応答して前記放電電流計測
    手段による放電電流の計測値に従い前記放電電流の計測
    値が大きいほど長い時間前記劣化判定手段による劣化判
    定信号の出力を禁止する劣化判定信号出力禁止手段とを
    備えた避雷器の劣化監視装置。
  6. 【請求項6】 避雷器の使用開始時からの累積放電動作
    回数と前記避雷器の毎回の放電動作に伴う放電電流の計
    測値を取得する取得手段を付加した請求項5記載の避雷
    器の劣化監視装置。
  7. 【請求項7】 避雷器の接地線に挿入した漏れ電流計測
    用の第1の変流器と、前記第1の変流器の2次出力を光
    信号に変換する第1の電気/光変換器と、前記第1の電
    気/光変換器に一端を結合した第1の光ファイバと、前
    記第1の光ファイバの他端に結合した第1の光/電気変
    換器とで漏れ電流計測手段を構成し、前記避雷器の接地
    線に挿入した放電電流計測用の第2の変流器と、前記第
    2の変流器の2次出力を光信号に変換する第2の電気/
    光変換器と、前記第2の電気/光変換器に一端を結合し
    た第2の光ファイバと、前記第2の光ファイバの他端に
    結合した第2の光/電気変換器とで放電電流計測手段を
    構成したことを特徴とする請求項5または請求項6記載
    の避雷器の劣化監視装置。
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