JP2012065461A - サージ防護デバイス保護システム及びサージ防護システム - Google Patents

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東平 山本
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康二 米井
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Abstract

【課題】長期間に亘り高い信頼性をもって運用することができ、安価なシステム構成で、多くの設備に共通してサージ防護デバイスを保護する回路を構成することでき、良好に雷サージを含むサージから電気・電子機器を保護することができる技術を提供する。
【解決手段】サージ防護デバイス保護システム10は、商用電力を伝送する電力線5と大地との間に設置されたサージ防護デバイス1と電力線5との間に設置される過電流遮断器2と、電力線5と過電流遮断器2との間に直列接続されるコイル3と、コイル3及び過電流遮断器2の直列回路に対して並列接続される放電ギャップ4とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、配電系統に接続される電気・電子機器を配電系統への直撃雷や近接雷による雷サージを含むサージから保護する技術に関する。
商用電力を伝送する送電線や配電線などの電力線や、電力線に並走して配接されることも多い通信線に対する雷サージや開閉サージの影響を抑制する種々の対策が講じられている。電力線や通信線と、大地との間に配接されるサージ防護デバイス(SPD : surge protective device)などの避雷器は、そのような対策の一例である。避雷器は、雷電流を大地に放流することによって、雷によるインパルス電圧を制限電圧内に制限する。これにより、電力線を介して電力を供給される電気・電子機器や、通信線に接続される電気・電子機器へ供給される電源や信号は、それらの機器に許容される許容電圧内に抑制される。
特開2008−187892号公報(特許文献1)には、そのような避雷器を用いた雷サージ保護技術が開示されている。法的には、電力線と大地との間に接続される避雷器の電力線側において直列に過電流遮断器を設置することが求められる。過電流遮断器としては、MCCB(molded case circuit breaker)や、特許文献1の第3段落にも記載されているようなヒューズが用いられる。図6は、そのような避雷器100の電力線50の側において、直列にヒューズ200が設置される雷サージ防護システムの構成を模式的に示している。このようなヒューズ200の機能に対しては、
(1)雷サージによる雷電流では溶断しないこと、
(2)雷サージ終息後の低周波数の商用電源側からの続流に対しては直ちに溶断して、電源やSPDの損傷を最小限に抑えること、が求められる。尚、続流とは、SPDが雷サージに対して動作した後、雷サージが終息後もSPDが通電状態を保持し、商用電源と大地とがほぼ短絡状態となって、商用電源側から大地へ流れる電流のことである。
一般的に、ヒューズの定格は、SPDを製造し提供する製造者により推奨値が示され、その推奨値に応じて送配電設備の管理者・設計者などが実装する。但し、商用電源の設備容量や配電設備の構成などにより続流の大きさも異なるので、この推奨値は明確な根拠を有するものではない。このため、選定されたヒューズの定格値は、その設備における続流に対して、過大であったり過小であったりする場合がある。ヒューズの定格値が過大な場合には、続流によるヒューズの溶断時間が長い、あるいは溶断しないことにより、SPDを劣化・損傷させる可能性がある。一方、ヒューズの定格値が過小な場合には、雷サージが終息するまでにヒューズが溶断してしまい、雷電流がSPDを介して大地へ放流されず、雷サージが充分に抑制されないまま電気・電子機器に到達する可能性がある。MCCBの容量が過小であったり、過大であったりした場合も同様である。
また、ヒューズは、高温環境下や、雷電流の頻繁な通電など、実際の設置環境によって劣化することがあり、雷サージの発生時に本来の機能を発揮できない可能性がある。特に、既に劣化による破断や溶断を生じている状況下で雷サージが発生すると、SPDにより雷サージを抑制することができなくなる。このため、定期的にヒューズの機能を確認し、必要に応じて交換する保守点検が必要となる。しかし、このような保守点検は、基本的には巡回点検であるから、迅速な対応ができず、雷の発生時に部品交換が完了していない可能性もある。また、近年は、気候変動の影響もあるのか雷の発生回数は増加し、一方で、小型化・集積回路化する電気・電子機器の対雷能力(絶縁耐力)は低下している。このため、雷により、電気・電子機器が故障する雷被害は増加傾向にある。保守点検回数を増やすなどの対策は、保守費用の増大、送配電コストの増大を招き、個人や企業はもとより社会全体においても経済的損失が大きい。
特開2008−187892号公報
上記背景に鑑みて、長期間に亘り高い信頼性をもって運用することができ、安価なシステム構成で、多くの設備に共通してサージ防護デバイスを保護する回路を構成することができ、雷サージを含むサージから良好に電気・電子機器を保護することができる技術の提供が望まれる。
上記課題に鑑みた本発明に係るサージ防護デバイス保護システムの特徴構成は、商用電力を伝送する電力線と大地との間に設置されたサージ防護デバイスと前記電力線との間に設置されて、過電流に応じて前記電力線と前記サージ防護デバイスとの接続を遮断可能な過電流遮断器と、前記電力線と前記過電流遮断器との間に直列接続されるコイルと、前記コイル及び前記過電流遮断器の直列回路に対して並列接続される放電ギャップと、を備える点にある。
この特徴によれば、例えば雷サージのようにインパルス性で周波数の高いサージ電流は、高周波信号に対して高いインピーダンスとなるコイルによって通電が妨げられる。従って、サージ電流の多くは、コイルに直列接続された過電流遮断器には流れ込まない。一方、放電ギャップは、一種のコンデンサであるから、高周波信号に対して低いインピーダンスとなる。このため、高周波数のサージ電流の多くは、放電ギャップを流れ、サージ防護デバイスを介して大地へ放流される。サージ防護デバイスは、雷サージ電流が終息した後も、直ちに遮断されず、大地と電力線とが短絡された状態となるため、いわゆる続流が生じる。この続流の周波数は、電力線を介して供給される商用電力の周波数であるから、低周波数である。低周波数に対しては、コイルは低インピーダンスとなり、放電ギャップは高インピーダンスとなるから、続流のほとんどが、コイルを介して過電流遮断器を通って流れることとなる。続流に対して、過電流遮断器としてのヒューズが溶断したり、過電流遮断器としてのブレーカがトリップ(電極の切断)動作したりすることにより、大地と電力線との短絡状態が解消される。また、過電流遮断器にはサージ電流がほとんど流れないので、過電流遮断器としてのヒューズやブレーカの定格は雷サージの大きさを考慮することなく、多くの設備に共通して同様の過電流遮断器を利用でき、あるいは少ない種類の過電流遮断器により対応することができる。その結果、本構成によれば、安価なシステム構成で良好に雷サージなどのサージから電気・電子機器を保護することができる。
上述したように、過電流遮断器には、サージ電流がほとんど流れないため、大きなサージ電流を流すことができ、さらにサージ電流に対して絶縁耐力を有した大容量の過電流遮断器は必要ではない。従って、前記過電流遮断器は、前記電力線から電力を供給される負荷機器と前記電力線との間に配接される主幹配線用遮断器の容量以下の容量を有するものであると好適である。つまり、過電流遮断器は、配電系統と電気・電子機器との間に配接される主幹配線用遮断器と同程度、あるいはそれ以下の小容量の遮断器でよい。従って、安価で小型なシステム構成により、サージ防護デバイスを保護できると共に、雷サージを含むサージから電気・電子機器を保護することができる。
ここで、前記過電流遮断器が、開閉器を備えた配線用遮断器であると好適である。配線用遮断器は、ヒューズと異なり溶断したり、破断したりするものではなく、温度変化などにも強い。従って、長期間に亘り高い信頼性をもって運用することができる。また、配線用遮断器は、ヒューズのように過電流によって溶断するものではないので、続流によるトリップ動作後に交換を要するようなメンテナンス上の負担もなく、部品コストも低減できる。さらに、配線用遮断器には、トリップ動作後に自動復帰するものもあり、そのような遮断器であればさらにメンテナンス性が向上する。また、続流に対しても、ヒューズのように細かい定格の設定が必要なく、多くの設備に共通してサージ防護デバイスを保護する配線用遮断器を設置することができる。
また、前記電力線が、多相交流を伝送する複数の電力線であるとき、本発明に係るサージ防護デバイス保護システムは、前記過電流遮断器と前記コイルと前記放電ギャップとが、多相交流の各相に対応する各電力線に対してそれぞれ備えられ、各過電流遮断器が、それぞれ他の過電流遮断器と所定の離隔距離をおいて設置されると好適である。送配電効率を考慮して、交流電力は、3相交流などの多相交流で送電されることが多い。この場合、本発明のサージ防護デバイス保護システムも3相の電力線にそれぞれ備えられると好ましい。この際、3相分のサージ防護デバイス保護システムが1つの筐体内に設置されるなど、小型に構成されると好ましい。しかし、各相のシステムの絶縁が不充分であると、相間短絡を生じる可能性がある。過電流遮断器が所定の離隔距離をおいて備えられることにより、相間短絡を生じる可能性を抑制することができる。尚、本発明に係るサージ防護デバイス保護システムにおいては、過電流遮断器にはサージ電流の多くは流入しない。従って、例えば雷サージを考慮した高い絶縁耐力を備えた離隔距離を設ける必要はない。このため、サージ防護デバイス保護システムを小型に構成することができる。例えば、送配電容量にあまり関係せず、2〜3種類の小型配線用遮断器(MCCB)を用いて当該システムを構築することも可能である。
また、上述したサージ防護デバイス保護システムと、前記サージ防護デバイスとを備えて、本発明に係るサージ防護システムが構成されると好適である。長期間に亘り高い信頼性をもって運用することができ、安価なシステム構成で、多くの設備に共通して良好に雷サージを含むサージから電気・電子機器を保護することができる。
サージ防護システムの構成を模試的に示す図 サージ防護システムの等価回路 サージ電流の時間的な変化を模式的に示す図 サージ印加時にサージ防護デバイスを流れる電流の試験結果を示す波形図 サージ印加時に放電ギャップを流れる電流の試験結果を示す波形図 ヒューズを用いたSPD保護回路の一例を示す図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、3相交流の商用電源の配電系統に本発明のサージ防護システム20が適用された例を示している。ここでは、商用電源の配電系統は、100V〜600Vの低圧配電系統である(日本国においては、100V、200V及び400Vが多い。)。図1に示すように、3相交流の電力線5は、主幹配線用遮断器(主幹MCCB:molded case circuit breaker)7を介して、電気・電子機器などの負荷機器9へ電力を供給する。主幹MCCB7は、配電設備容量及び負荷容量により、その大きさが決まり、2、3相一体型が一般的である。
図1に示すように、主幹MCCB7よりも配電元側において、3相各相の電力線5(5a,5b,5c)と大地との間にサージ防護デバイス(SPD)1(1a,1b,1c)が備えられる。換言すれば、大地に対して設置されたサージ防護デバイス(SPD)1(1a,1b,1c)が、各相の電力線5(5a,5b,5c)に接続される。各SPD1と各電力線5との間には、本発明の過電流遮断器に相当する配線用遮断器(MCCB)2(2a,2b,2c)が設置される。各電力線5と各MCCB2との間には、それぞれコイル3(3a,3b,3c)が直列接続される。また、各コイル3及び各MCCB2により構成される各直列回路に対して、それぞれ放電ギャップ4(4a,4b,4c)が並列接続される。詳細は、後述するが、MCCB2、コイル3、放電ギャップ4により、本発明のサージ防護デバイス保護システム(SPD保護システム)10が構成される。また、SPD1とSPD保護システム10とにより、本発明のサージ防護システム20が構成される。SPD1には、酸化亜鉛素子型、放電管式、酸化亜鉛素子型と放電管式とを組み合わせた方式など、種々の方式のものがある。
本実施形態においては、MCCB2は、単極配線用遮断器である。また、MCCB2は、本実施形態では、主幹MCCB7と同等以下の容量の遮断器である。多相の配線用遮断器が一体化された、例えば3相一体型遮断器は、サージ防護システム20の全体を小規模に構成する上では好ましいが、相間の絶縁破壊が発生し易い。従って、本実施形態においては、単極配線用遮断器を用いて、各MCCB2が適切に絶縁された状態でサージ防護システム20を構成する。MCCB2は、所定の離隔距離dを確保して3相各相に配接される。離隔距離dが短すぎると、相間短絡が生じる可能性があり、離間距離dが長すぎると、サージ防護システム20の規模が大きくなる。単純に、SPD1に対して直列にMCCB2が接続される場合、この離隔距離dは、SPD1の絶縁電圧以上の絶縁耐力が確保できる長さとされる。しかし、本実施形態においては、後述するように、SPD1に比べてMCCB2には雷サージなどによるサージ電流が流れる量が少ない。従って、離隔距離dは、最大でもSPD1の絶縁電圧における絶縁耐力が確保できる長さで充分である。逆に、SPD1の絶縁電圧に準じた絶縁耐力を有する一般的な離隔距離dが確保された場合には、相関短絡を生じる可能性を非常に低下させることができ、信頼性の高いシステムが構築される。
以下、SPD保護システム10を含むサージ防護システム20の動作について説明する。図1のA点に、雷サージ(直撃雷)が侵入したものとする。インパルス性の雷サージは、発生の初期には数100kHz〜数10kHzの高い周波数成分を有している。このため、高周波数に対して高インピーダンスとなるコイル(インダクタ)3により、サージ電流(雷サージ電流)がMCCB2へ流入することが妨害される。一方、放電ギャップ4は、一種のコンデンサ(キャパシタ)であるから、高周波数に対しては低インピーダンスとなり、サージ電流は放電ギャップ4の側へ流れこむ。放電ギャップ4を経由したサージ電流は、SPD1に印加される。サージ電流が上昇すると、SPD1が作動して、SPD1の入出力間が短絡状態となる。そして、サージ電流によって放電状態となった放電ギャップ4、及びSPD1を介して、サージ電流の大部分が大地へ放流される。一方、上述したように、MCCB2に対しては、高インピーダンスとなるコイル3によってサージ電流はほとんど流入しない。従って、MCCB2は、トリップ(過電流による遮断動作)することなく、通常の動作状態が維持される。
図2の等価回路に示すように、コイル3及びMCCB2の直列回路のインピーダンスをZ2、放電ギャップ4を含んでこの直列回路に並列接続される回路のインピーダンスをZ1とし、それぞれZ1及びZ2を流れる電流をI1及びI2とする。サージ電流Iは、
I1 = Z2 × (I/(Z1 + Z2))
I2 = Z1 × (I/(Z1 + Z2))
の関係により、それぞれの回路のインピーダンスZ1,Z2に逆比例して分流する。インピーダンスZ2の大部分はコイル3のリアクタンスである。従って、MCCB2に流れるサージ電流I2が、MCCB2の遮断電流以下に抑制されるようにコイル3のリアクタンスを決定すると、サージ電流Iが継続している間、MCCB2を実質的に切り離し、不動作とすることができる。
図3に示すように、時刻t0で発生した直撃雷サージによるサージ電流Iは短時間でほぼ終息し、SPD1通電後は、商用電源から供給される続流が流れ始めることになる。この続流は、数100kHz〜数10kHzの雷サージの周波数成分に対して、50Hz又は60Hzと低周波数であるから、コイル3のインピーダンスは低くなり、概ね、サージ電流I発生時の1/1000以下となる。従って、コイル3を経由してMCCB2に大きな続流が流れることとなる。一方、放電ギャップ4は、商用電源の交流電圧がゼロ電圧となる時点で放電を停止する。続流は、低周波数に対して高インピーダンスとなる容量性負荷の放電ギャップ4により遮断され、続流のほぼ全量がMCCB2を経由してSPD1へ流れることとなる。MCCB2は、続流に対してトリップ(過電流による遮断動作)し、SPD1及び配電設備を保護する。
以下、SPD保護システム10を含むサージ防護システム20の回路構成部品について、具体的な数値例を用いた試算例を示す。直撃雷サージは、図3に示すように、ピークまでの立ち上がり時間(フロント時間)10μs、サージ波形の半値までの時間350μs、サージ電流のピーク値25kA(以下、「10/350μs,25kA」と示す。)の標準試験値とした。この標準試験値は、IEC62305−1:2006 AnnexBに示される理論雷電流式に基づき、実際に発明者らが試験を実施した試験機で採用した値であり、JISC5381−1に基づくピーク値25kAを採用したものである。サージ電流の主要周波数は、約14〜15kHzとなる。サージ終息後の周波数は、商用電源の周波数である50Hz又は60Hzである。また、SPD保護システム10の直並列回路の分岐点Bから放電ギャップ4を介して分岐点(合流点)Cに至る電線距離を0.2m以内として、インピーダンスZ1に含まれるリアクタンスL1を0.2μHとする。上記分岐点Bからコイル3及びMCCB2を介して分岐点Cに至る経路のインピーダンスZ2に含まれるリアクタンスL2は、17μH以下とする。MCCB2のリアクタンスは約0.2μHであり、配線のリアクタンスを考慮しても、リアクタンスL2は、ほぼコイル3のインダクタンスで決定される。
図2の等価回路を用いて上述したように、
I1 = Z2 × (I/(Z1 + Z2))
I2 = Z1 × (I/(Z1 + Z2))
であり、
Z1 ≦ 2π×15×103×0.2×10-6≒1.88×10-2[Ω]
Z2 ≦ 2π×15×103×17×10-6≒44.27×10-2[Ω]
であるから、
I1 ≒ 24.7[kA]
I2 ≒ 0.3[kA]
となる。
MCCB2において、電流を遮断するために電極を開放する動作を引き外しと称する。本実施形態のMCCB2では、瞬時引き外し電流が定格電流(50A)の10〜15倍であり、500〜750Aであるとする。また、瞬時引き外し電流は、周波数が上昇すると大きくなることが知られている。MCCBのサプライヤーによると、周波数が60Hzから400Hzに上昇すると、瞬時引き外し電流が約2倍に上昇することが教示されている。上述したように、I2は、0.3kA=300Aであり、周波数特性を考慮するまでもなく、引き外し電流未満の値である。さらに、周波数特性を考慮して、例えば引き外し電流が2〜4倍に上昇するとすれば、確実に引き外し電流未満の値である。従って、サージ電流が継続している間には、MCCB2は、トリップ(過電流による遮断動作)することはない。
図4及び図5は、上述した回路のパラメータを用いて、サージ試験を行った結果を示している。上述したインパルス電流(10/350μS,250kA)を、低圧配電系の商用電源(200V,60Hz)のピーク時に印加した。図4は、SPD1を流れる電流を示しており、図5は、放電ギャップ4を流れる電流を示している。図4に示すように、SPD1には、25kAのインパルス電流(サージ電流)が流れた後、500Aの商用周波数の続流電流が観測された。一方、図5に示すように、放電ギャップ4には、22.5kAのインパルス電流(サージ電流)が流れるが、印加されたサージが終息した後には、商用周波数の続流電流は観測されない。
図5に示された22.5kAの電流は、上述したI1に相当し、ほぼ期待通りの結果が得られた。つまり、サージ電流25kAの90%は、放電ギャップ4を介してSPD1に導かれ、MCCB2には残りの10%の2.5kAの電流が流れることになる。この2.5kAの電流は、上述したI2に相当する。周波数の上昇により瞬時引き外し電流が上昇することを考慮して、例えば2〜4倍に上昇するとすれば、引き外し電流は2〜3kA程度となるから、引き外し電流未満の値となる。当然ながら、コイル3のインダクタンスを大きくすれば、MCCB2に流れるサージ電流I2はさらに削減可能である。一方、商用周波数の続流電流は、放電ギャップ4では全く観測されず、全てがMCCB2を経由してSPD1に流れている。本試験では、商用電源のピーク時にサージを印加しているので、サージ印加後、商用周波数の1/4周期で商用電源の交流電圧がゼロとなり、放電ギャップ4がアーク放電を終了する(消弧する)。従って、MCCB2の単体の機能により、必要に応じてトリップ(過電流による遮断動作)することによって、SPD1に流入する続流を遮断することができる。
尚、上記実施形態においては、図1に例示したように3相の配電システムを例として説明したが、当然ながら、単相の配電システムにおいても、本発明を適用することが可能である。また、上記実施形態においては、本発明の過電流遮断器として、配線用遮断器(MCCB)を例として説明した。しかし、過電流遮断器としてヒューズを利用してもよい。ヒューズは、電流が流れることによって劣化していくが、上述したように、過電流遮断器にはサージ電流がほとんど流れないから、ヒューズの劣化は大幅に抑制される。その結果、ヒューズの点検や交換などの保守コストも大幅に削減される。ヒューズは、配線用遮断器(MCCB)に比べて安価であるから、高い信頼性を有し、保守コストが低減された安価なシステムを構築することが可能となる。尚、サージ防護デバイスには、避雷器、アレスタも含まれる。
本発明は、配電設備において、雷サージを含むサージを防護するサージ防護システムに適用することができる。また、雷サージに関しては、誘導雷サージに留まらず、直撃雷サージに対しても良好に防護することができるサージ防護システム(雷サージ防護システム)に適用することができる。
1,1a,1b,1c:サージ防護デバイス
2,2a,2b,2c:配線用遮断器(過電流遮断器)
3,3a,3b,3c:コイル
4,4a,4b,4c:放電ギャップ
5,5a,5b,5c:電力線
10:サージ防護デバイス保護システム
20:サージ防護システム
d:離隔距離

Claims (5)

  1. 商用電力を伝送する電力線と大地との間に設置されたサージ防護デバイスと前記電力線との間に設置されて、過電流に応じて前記電力線と前記サージ防護デバイスとの接続を遮断可能な過電流遮断器と、
    前記電力線と前記過電流遮断器との間に直列接続されるコイルと、
    前記コイル及び前記過電流遮断器の直列回路に対して並列接続される放電ギャップと、を備えるサージ防護デバイス保護システム。
  2. 前記過電流遮断器は、前記電力線から電力を供給される負荷機器と前記電力線との間に配接される主幹配線用遮断器の容量以下の容量を有する請求項1に記載のサージ防護デバイス保護システム。
  3. 前記過電流遮断器は、開閉器を備えた配線用遮断器である請求項1又は2に記載のサージ防護デバイス保護システム。
  4. 前記電力線は、多相交流を伝送する複数の電力線であり、前記過電流遮断器と前記コイルと前記放電ギャップとは、多相交流の各相に対応する各電力線にそれぞれ備えられ、各過電流遮断器は、それぞれ他の過電流遮断器と所定の離隔距離をおいて設置される請求項1〜3の何れか一項に記載のサージ防護デバイス保護システム。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のサージ防護デバイス保護システムと、前記サージ防護デバイスとを備えたサージ防護システム。
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