JP2017139903A - 電流遮断装置 - Google Patents

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広道 井上
Hiromichi Inoue
広道 井上
上園 浩一
Koichi Uesono
浩一 上園
小島 直哉
Naoya Kojima
直哉 小島
佐藤 幸喜
Koki Sato
幸喜 佐藤
広太 中西
Kota Nakanishi
広太 中西
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Abstract

【課題】部品の誤接続が生じているような場合に確実に回路を遮断すると共に、溶断により回路の復旧が容易にできない状況が頻繁に生じるのを防止する。【解決手段】容量が比較的小さい2つのヒュージブルリンク13、14を並列に接続して遮断回路を構成する。各々のヒュージブルリンクの容量を小さくすることで個体差に起因する特性のばらつきが減り、遮断精度が向上する。第1ヒュージブルリンク13の抵抗値を第2ヒュージブルリンク14の抵抗値よりも小さくして、一方に電流を集中させる。第1ヒュージブルリンク13が溶断した後で、第2ヒュージブルリンク14が溶断する。遮断電流の定格値が互いに異なる2つのヒュージブルリンク13、14を使う。バッテリーが逆極性で接続された時に確実に電流を遮断できる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両等の電源回路で異常な電流を遮断するために利用可能な電流遮断装置に関する。
例えば、様々な車両においては、電源としてオルタネータ(発電機)やバッテリーが搭載されており、これらが供給する電源電力をワイヤハーネスを経由して負荷である様々な電装品にそれぞれ給電できるように構成されている。このような電源回路においては、故障の発生や短絡の発生などの際に、電源から負荷へ向かって異常に大きな電流が流れる可能性がある。また、もしも異常に大きな電流が流れ続けると、例えばワイヤハーネスの異常な発熱により、発煙や火災が生じる可能性も考えられる。そのため、例えば大電流が流れた時に溶断するヒューズを電源回路の途中に挿入するのが一般的である。
また、車両の主要な電源回路に関しては、ワイヤハーネスの一部分にヒュージブルリンク(fusible link)と呼ばれる部品を挿入し、ワイヤハーネスの発煙や火災を未然に防止する場合がある。ヒュージブルリンクは、大電流が流れて異常な発熱が生じる時に、ワイヤハーネスの他の箇所で破損が生じる前に溶断し、問題の発生を最小限に食い止めることができる。すなわち、ヒュージブルリンクを採用することにより、特定の部位以外でワイヤハーネスが異常発熱したり、破損するのを防止できるので、故障時のメンテナンスが容易になる。
電源における過大な電流に対する保護のための従来技術として、例えば特許文献1〜特許文献6が知られている。特許文献1に示されたUSB接続機器の入力保護回路は、抵抗器とヒューズとの直列回路を設けると共に、この直列回路と並列に、半導体スイッチを接続している。この入力保護回路は、突入電流の抑制、および過電流保護を行う機能を有し、電圧降下を減らすことを目的としている。
また、特許文献2に示された限流器は、主回路に半導体スイッチがあり、この主回路から分岐した箇所に1番目のヒューズが接続され、半導体スイッチと1番目のヒューズとが並列に接続されている。また、半導体スイッチがオフした後で、1番目のヒューズが溶断する。1番目のヒューズと並列に、2番目のヒューズと抵抗の回路が接続してある。2番目のヒューズは1番目のヒューズが溶断した後で溶断する。
また、特許文献3に示されたインバータ装置においては、電源ラインに、抵抗器とヒューズとの直列回路と、これに並列に接続された電磁接触器のスイッチがある。そして、故障時にはスイッチを開いてヒューズを溶断させることが開示されている。
また、特許文献4に示された車両用電源装置は、オンオフ可能なバイパス回路をヒューズと直列に接続してある。また、バイパス回路の電流容量をヒューズの電流容量よりも小さくすることが開示されている。
また、特許文献5に示された車両用電源遮断装置は、ヒューズと直列に半導体スイッチを接続している。また、障害発生時に半導体スイッチを制御してヒューズを確実に溶断させることが開示されている。
また、特許文献6に示された直流遮断装置は、直流電源の給電部において、正極側ラインに半導体スイッチを接続すると共に、負極側ラインにヒューズを接続することが開示されている。
特開2011−101512号公報 特開2013−27308号公報 特開2013−192392号公報 特開2014−15133号公報 特開2014−177208号公報 特開2015−11933号公報
ところで、電源回路にヒュージブルリンクが備わっている場合には、過大な電流が流れた場合にワイヤハーネスの異常な発熱を防止して火災の発生を未然に防ぐために、ヒュージブルリンクが確実に溶断する必要がある。しかしながら、ヒュージブルリンクが溶断した場合には、部品の交換を行わない限り車両の機能を元に復旧させることができないので、頻繁にヒュージブルリンクが溶断するような事態は避けなければならない。
そのため、例えば図2に示す例のように、オルタネータ(ALT)と、負荷およびバッテリー(BAT)との間にヒュージブルリンク(FL)が接続されている状況において、オルタネータの定格最大電流が200[A]の場合を想定すると、その2倍の400[A]の程度の電流が流れたときに溶断するように、ヒュージブルリンクの遮断電流の仕様を決定し、ワイヤハーネスにおける過熱の発生を防ぐ必要がある。
例えば、図2に示すような車両上の電源回路構成において、通常はバッテリーの正極側端子103pが正極側電源ライン101と接続され、バッテリーの負極側端子103nがアースライン102と接続される。しかし、誤った接続作業により、図2に示すようにバッテリーの正極側端子103pおよび負極側端子103nが逆極性の状態で接続されてしまう場合がある。
オルタネータは図示しない整流用のダイオードを内蔵しており、直流の電圧を正極側電源ライン101とアースライン102との間に供給する。したがって、図2に示すような誤った接続状態では、共に直流電圧を出力するオルタネータとバッテリーとが直列に接続されて閉回路を形成する。つまり、短絡した状態と同様になるので、正極側電源ライン101およびアースライン102を経由して大電流が流れる。
このような場合は、大電流が流れると、正極側電源ライン101等を含むワイヤハーネス上で異常な発熱や火災が生じる前に、ヒュージブルリンク(FL)が自然に溶断することにより、回路が開き、電流が遮断されることが想定される。
しかしながら、図2のようにバッテリーが逆極性で接続された場合に流れる電流の大きさは、例えば正極側電源ライン101とアースライン102とが直接短絡したような場合と比べると小さくなる傾向がある。そのため、バッテリーが逆極性で接続されていても、ヒュージブルリンク(FL)の溶断が発生せず、電源回路の保護機能が働かない場合がある。
また、ヒュージブルリンクについては、一般的に、流す電流の容量が大きくなると動作精度が低下する。つまり、個体差による遮断電流のばらつきが大きくなる傾向がある。そのため、バッテリーが逆極性で接続された場合に確実にヒュージブルリンクが溶断するよう、遮断電流の定格値が小さいヒュージブルリンクを採用したとすると、バッテリーが逆極性で接続されていない状況であっても、何らかの原因により大電流が流れると簡単にヒュージブルリンクが溶断し、部品の交換が必要になる場合がある。つまり、ヒュージブルリンクの誤作動が生じやすく、メンテナンスのために大きな労力とコストがかかる。
なお、特許文献2の図4に示された回路においては、1番目のパワーヒューズ50と、2番目のパワーヒューズ60と、電流制限抵抗部70とが備えられており、2番目のパワーヒューズ60と電流制限抵抗部70との直列回路と、1番目のパワーヒューズ50とが並列に接続されている。しかし、このような回路を電源回路に用いる場合には、電流制限抵抗部70の抵抗器において大きな電力損失が生じるので、2番目のパワーヒューズ60の経路を定常的に使うことはできない。つまり、1番目のパワーヒューズ50が溶断しない限り、2番目のパワーヒューズ60の経路にはほとんど電流が流れず、1番目のパワーヒューズ50だけが接続されている場合と大きな差異はない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品の誤接続が生じているような場合に確実に回路を遮断すると共に、溶断により回路の復旧が容易にできない状況が頻繁に生じるのを防止することが可能な電流遮断装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る電流遮断装置は、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1) 第1の規定値以上の過電流に対して物理的に回路を遮断する第1の電流遮断器と、
前記第1の規定値とは異なる第2の規定値以上の過電流に対して物理的に回路を遮断する第2の電流遮断器と、
を備え、前記第1の電流遮断器と前記第2の電流遮断器とが並列接続され、電源電流の経路上に配置される、
ことを特徴とする電流遮断装置。
(2) 前記第1の電流遮断器および前記第2の電流遮断器の各々がヒュージブルリンクであり、
前記第1の規定値を、前記第2の規定値よりも小さく、かつ、前記第1の電流遮断器の電気抵抗を、前記第2の電流遮断器の電気抵抗よりも小さく定めてある、
ことを特徴とする上記(1)に記載の電流遮断装置。
(3) 前記第1の規定値および前記第2の規定値は、電源電流の前記通過経路上における全体の電流の所望の遮断値よりも小さい、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の電流遮断装置。
(4) 前記第1の電流遮断器と前記第2の電流遮断器とによって構成された並列回路の一端が車両に搭載された発電機と接続され、前記並列回路の他端が前記車両に搭載されたバッテリーと接続される、
ことを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の電流遮断装置。
上記(1)の構成の電流遮断装置によれば、第1の電流遮断器および第2の電流遮断器が溶断する時に電源電流の通過経路全体に流れる過電流の大きさに比べて、第1の電流遮断器および第2の電流遮断器の容量を小さくすることができる。そのため、第1の電流遮断器および第2の電流遮断器における遮断電流の個体差によるばらつきを減らすことができ、所望の電流値で確実に回路を遮断することが可能になる。また、頻繁に溶断が生じるような事態も避けることができる。
上記(2)の構成の電流遮断装置によれば、溶断が生じる前の状態において、第2の電流遮断器の経路よりも第1の電流遮断器の経路に大きい電流が流れるので、第1の電流遮断器が先に溶断する状態を実現できる。そして、第1の電流遮断器の方が遮断電流の規定値が小さく、特性のばらつきが小さくなるので、ヒュージブルリンクの遮断精度を高めることができる。
上記(3)の構成の電流遮断装置によれば、電源電流の前記通過経路上における全体の電流の所望の遮断値よりも、第1の電流遮断器および第2の電流遮断器の規定値が小さいので、単一の電流遮断器を用いる場合と比べて、各電流遮断器の特性のばらつきが小さくなり、遮断精度を高めることができる。
上記(4)の構成の電流遮断装置によれば、車両上のバッテリーが逆極性で接続されたような場合に、比較的小さい過電流に対しても、確実に回路を遮断することが可能になる。
本発明の電流遮断装置によれば、部品の誤接続が生じているような場合に確実に回路を遮断すると共に、溶断により回路の復旧が容易にできない状況が頻繁に生じるのを防止することが可能である。すなわち、前記第1の電流遮断器および前記第2の電流遮断器を並列に接続することにより、電流の遮断精度を高めることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態にに係る電流遮断装置の構成例を示す電気回路図である。 図2は、一般的なヒュージブルリンクを用いた車両の電源回路の構成例を示す電気回路図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
まず、装置の構成例について説明する。
本発明の実施形態における電流遮断装置10の構成例を図1に示す。図1に示した電気回路は、一般的な車両に搭載される電源の主要箇所に実施形態の電流遮断装置10を接続した状態を表している。
図1に示すように、車両の電源は、主要な構成要素として、オルタネータ21およびバッテリー26を備えている。オルタネータ21は、車両のエンジン等の駆動力により回動し発電する。また、図示しないがオルタネータ21には整流用のダイオードが内蔵されており、直流の電源電力がオルタネータ21から供給されるようになっている。
オルタネータ21の正極端子21aは、ワイヤハーネスの一部分である上流側電線22に接続されている。また、オルタネータ21の負極端子21bは、アース23と接続されている。
上流側電線22は、電流遮断装置10を介して下流側電線24と接続されている。下流側電線24には負荷25およびバッテリー26が接続されている。本来であれば、バッテリー26は正極端子26pが下流側電線24と接続され、負極端子26nがアース23と接続されるが、図1では、作業ミス等に起因して誤って反対の極性でバッテリー26を接続した状態を示している。
図1に示した構成において、電流遮断装置10は、回路のショートなどの異常が発生したときに、上流側電線22を含むワイヤハーネスに流れる過電流により、ワイヤハーネスが過熱するのを防止するための機能を有している。
この機能には、図1に示したようにバッテリー26を逆極性で接続した場合の保護機能も含まれている。つまり、図1に示した状態では、オルタネータ21とバッテリー26とが電気的に直列に接続されているので、回路のショートが生じた場合と同様に、過大な電流が定常的に流れる。この過大な電流を阻止するために電流遮断装置10が回路を遮断する必要がある。
但し、バッテリー26を逆極性で接続した場合に流れる過電流は、回路のショートが生じた場合と比べて小さくなる傾向がある。そのため、例えば図2に示したように一般的な機械的なヒュージブルリンクFLを接続した場合には、バッテリーが逆極性で接続されている場合であっても、ヒュージブルリンクFLが溶断しない場合がある。
特に、容量の大きい(遮断電流の定格値が大きい)ヒュージブルリンクを採用している場合には、ヒュージブルリンクの個体差による遮断電流のばらつきが大きくなるため、バッテリーを逆極性で接続した場合に流れる過電流に対しては溶断しない可能性が考えられる。
これに対し、本発明の実施形態に係る電流遮断装置10は、図1に示すように、第1ヒュージブルリンク13、および第2ヒュージブルリンク14を備えている。第1ヒュージブルリンク13は一端が分流部11と接続され、他端が合流部12と接続されている。同様に、第2ヒュージブルリンク14も一端が分流部11と接続され、他端が合流部12と接続されている。つまり、第1ヒュージブルリンク13と第2ヒュージブルリンク14とが並列に接続されている。
したがって、オルタネータ21から上流側電線22を通って電流遮断装置10に流れる電流i1は、分流部11で分流し、第1ヒュージブルリンク13、および第2ヒュージブルリンク14のそれぞれに流れる。また、第1ヒュージブルリンク13を流れる電流i2と第2ヒュージブルリンク14を流れる電流i3とが合流部12で合流し、電流i4として下流側電線24を経由して負荷25およびバッテリー26側に流れる。
第1ヒュージブルリンク13、および第2ヒュージブルリンク14の各々は、一般的な機械的なヒュージブルリンクと同様の構成を有している。すなわち、ヒュージブルリンクは一般的な電線と同様の導電体で構成されているが、上流側および下流側に比べて非常に径が細い(断面積が小さい)ので、過大な電流が流れると発熱し溶断する。これにより、ヒュージブルリンク以外の箇所でワイヤハーネスが異常に過熱することを防止することができる。
一方、図1に示した電流遮断装置10において、第1ヒュージブルリンク13と、第2ヒュージブルリンク14との間には仕様上の大きな違いがある。すなわち、第1ヒュージブルリンク13の電気抵抗値(R13)は、第2ヒュージブルリンク14の電気抵抗値(R14)よりも小さい。つまり、「R13<R14」の関係を満たすように設計されている。更に、第1ヒュージブルリンク13の遮断電流の定格値(Imax13)と、第2ヒュージブルリンク14の遮断電流の定格値(Imax14)とは互いに異なり、「(Imax13)<(Imax14)」の関係を満たすように設計されている。
遮断電流の定格値を小さくするためにはヒュージブルリンクの箇所の電線径を細くする必要がある。また、径を細くすると電線の電気抵抗値は大きくなる傾向がある。しかし、長さを短くすることで電気抵抗値を小さくすることができる。つまり、相対的な長さを調整することで、「R13<R14」の関係を満たす、第1ヒュージブルリンク13および第2ヒュージブルリンク14を得ることができる。
次に、回路仕様の具体例を説明する。
オルタネータ21における定格最大電流ImaxALTを200[A]とする。但し、短時間であれば更に大きい電流が流れるのを許容する。
バッテリー26が逆極性で接続された場合に上流側電線22等に流れる電流i1の規定値Imax2を350[A]とする。
上記の条件においては、上流側電線22を流れる電流i1が定格最大電流ImaxALT(200[A])を超える時に過電流が流れているとみなすことができる。しかし、ヒュージブルリンクが溶断すると、部品を交換しない限り元の状態に復旧させることができないので、何らかの原因により一時的に大電流が流れたとしても、頻繁に溶断が生じるような事態は避けなければならない。したがって、ワイヤハーネスで過熱が生じるのを確実に防止できる程度の電流、例えば定格最大電流ImaxALT(200[A])の2倍の400[A]で電流遮断装置10が回路を遮断するように設計することが想定される。但し、バッテリー26が逆極性で接続された場合に確実に電流を遮断するためには、前記規定値Imax2(350[A])以下の電流で確実に遮断することが必要になる。また、電流遮断装置10の特性のばらつきが大きい場合には、もう少し余裕を持たせないと確実に電流を遮断することができない。しかし、遮断電流の定格値を小さくすると、バッテリー26が逆極性で接続されていない場合であっても、頻繁にヒュージブルリンクの溶断が生じることになる。
上記の事項を考慮して電流遮断装置10の仕様を決定する。そして、図1に示すように比較的容量の小さい第1ヒュージブルリンク13と第2ヒュージブルリンク14とを並列に接続して電流遮断装置10を構成する。
また、第1ヒュージブルリンク13および第2ヒュージブルリンク14のいずれも溶断していない状態で、第1ヒュージブルリンク13の経路に電流が集中的に流れるように、電気抵抗の比率を定める。つまり、前述の「R13<R14」の関係を満たすように第1ヒュージブルリンク13の特性および第2ヒュージブルリンク14の特性を決定する。
また、前記電気抵抗値R13、R14の比率と、電流遮断装置10が遮断する電流の定格値(例えば300[A])とに基づいて、第1ヒュージブルリンク13の遮断電流の規定値(Imax13)、および第2ヒュージブルリンク14の遮断電流の規定値(Imax14)を決定する。
図1に示した例では、第1ヒュージブルリンク13の遮断電流の規定値(Imax13)が180[A]、第2ヒュージブルリンク14の遮断電流の規定値(Imax14)が220[A]の場合を想定している。
次に、装置の動作を説明する。
図1に示すように、バッテリー26が逆極性で接続されている場合には、上流側電線22に流れる電流i1が、例えば350[A]程度になる。この電流i1は、分流部11で2つの経路の電流i2、i3に分流して、第1ヒュージブルリンク13、および第2ヒュージブルリンク14に流れる。
ここで、「R13<R14」の関係により、「i2>i3」になる。つまり、第1ヒュージブルリンク13側に集中的に電流が流れる。例えば、「(R13×2)=R14」の条件を想定すると、「i2=(i3×2)」の状態になる。
したがって、全体の電流i1が300[A]の時に、「i2=200[A]」になり、第1ヒュージブルリンク13の遮断電流の規定値(Imax13:180[A])を超えているので、第1ヒュージブルリンク13が溶断してこの電流経路を遮断する。また、この時は「i3=100[A]」であり、第2ヒュージブルリンク14は溶断しない。
そして、第1ヒュージブルリンク13が溶断した後は、全体の電流i1が、そのまま電流i3として第2ヒュージブルリンク14に流れるので、電流i3(300[A])が第2ヒュージブルリンク14の遮断電流の規定値(Imax14:220[A])を超え、第2ヒュージブルリンク14が溶断する。これにより電流遮断装置10の全経路が遮断され、全体の電流i1が遮断され回路が保護される。
<電流遮断装置10の利点>
図1に示した電流遮断装置10は、複数のヒュージブルリンク(第1ヒュージブルリンク13、第2ヒュージブルリンク14)を並列に接続してあるので、単一のヒュージブルリンクを用いる場合と比べると、第1ヒュージブルリンク13および第2ヒュージブルリンク14の容量を小さくすることができる。したがって、第1ヒュージブルリンク13および第2ヒュージブルリンク14の個体差に起因する遮断電流のばらつきが小さくなり、高精度の電流遮断制御が可能になる。
したがって、例えば図1に示すようにバッテリー26が逆極性で接続された場合に流れる過電流が比較的小さい(例えば300[A])場合であっても、確実に回路を遮断することが可能になる。また、遮断電流のばらつきが小さいため、何らかの原因により一時的に過電流が流れたとしても、頻繁にヒュージブルリンクが溶断するような事態が生じないように適切な設計を行うことが可能になる。
ここで、上述した本発明に係る電流遮断装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 第1の規定値以上の過電流に対して物理的に回路を遮断する第1の電流遮断器(第1ヒュージブルリンク13)と、
前記第1の規定値とは異なる第2の規定値以上の過電流に対して物理的に回路を遮断する第2の電流遮断器(第2ヒュージブルリンク14)と、
を備え、前記第1の電流遮断器と前記第2の電流遮断器とが並列接続され、電源電流の経路上に配置される、
ことを特徴とする電流遮断装置(10)。
[2] 前記第1の電流遮断器および前記第2の電流遮断器の各々がヒュージブルリンクであり、
前記第1の規定値を、前記第2の規定値よりも小さく、かつ、前記第1の電流遮断器の電気抵抗(電気抵抗値R13)を、前記第2の電流遮断器の電気抵抗(電気抵抗値R14)よりも小さく定めてある、
ことを特徴とする上記[1]に記載の電流遮断装置。
[3] 前記第1の規定値(例えば180[A])および前記第2の規定値(例えば220[A])は、電源電流の前記通過経路上における全体の電流(i1)の所望の遮断値(例えば300[A])よりも小さい、
ことを特徴とする上記[1]または[2]に記載の電流遮断装置。
[4] 前記第1の電流遮断器と前記第2の電流遮断器とによって構成された並列回路の一端が車両に搭載された発電機(オルタネータ21)と接続され、前記並列回路の他端が前記車両に搭載されたバッテリー(26)と接続される、
ことを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の電流遮断装置。
10 電流遮断装置
11 分流部
12 合流部
13 第1ヒュージブルリンク
14 第2ヒュージブルリンク
21 オルタネータ
21a 正極端子
21b 負極端子
22 上流側電線
23 アース
24 下流側電線
25 負荷
26 バッテリー
26p 正極端子
26n 負極端子

Claims (4)

  1. 第1の規定値以上の過電流に対して物理的に回路を遮断する第1の電流遮断器と、
    前記第1の規定値とは異なる第2の規定値以上の過電流に対して物理的に回路を遮断する第2の電流遮断器と、
    を備え、前記第1の電流遮断器と前記第2の電流遮断器とが並列接続され、電源電流の経路上に配置される、
    ことを特徴とする電流遮断装置。
  2. 前記第1の電流遮断器および前記第2の電流遮断器の各々がヒュージブルリンクであり、
    前記第1の規定値を、前記第2の規定値よりも小さく、かつ、前記第1の電流遮断器の電気抵抗を、前記第2の電流遮断器の電気抵抗よりも小さく定めてある、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流遮断装置。
  3. 前記第1の規定値および前記第2の規定値は、電源電流の前記通過経路上における全体の電流の所望の遮断値よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電流遮断装置。
  4. 前記第1の電流遮断器と前記第2の電流遮断器とによって構成された並列回路の一端が車両に搭載された発電機と接続され、前記並列回路の他端が前記車両に搭載されたバッテリーと接続される、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電流遮断装置。
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