JP6352051B2 - 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物及び成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6352051B2 JP6352051B2 JP2014103737A JP2014103737A JP6352051B2 JP 6352051 B2 JP6352051 B2 JP 6352051B2 JP 2014103737 A JP2014103737 A JP 2014103737A JP 2014103737 A JP2014103737 A JP 2014103737A JP 6352051 B2 JP6352051 B2 JP 6352051B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- compound
- group
- mass
- vinyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Description
1.(A)ポリカーボネート樹脂(以下、「成分(A)」ともいう。)、(B)ポリオルガノシロキサン系重合体部と、ビニル系共重合体部とが結合している化合物(以下、「成分(B)」ともいう。)、及び、(C)充填材(以下、「成分(C)」ともいう。)を含有する組成物において、上記成分(B)は、環状構造を有するオルガノシロキサン(i)と、炭素−炭素不飽和結合及びアルコキシシリル基を有するグラフト交叉剤(ii)とを共縮合して得られた変性ポリオルガノシロキサンゴムの存在下、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を含むビニル系単量体を重合して得られたシリコーン系ゴム強化グラフト樹脂であり、成分(C)は、繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)の平均値が1.5〜8.0であり、且つ、該長径の平均値が10〜50μmであるガラス繊維であり、成分(B)の含有量は、成分(A)100質量部に対して1〜25質量部であり、成分(C)の含有量は、成分(A)100質量部に対して1〜160質量部であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
2.上記成分(B)のグラフト率が30〜150%である上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
3.更に、(D)ガラスフレーク、マイカ、グラファイト、タルク、ワラストナイト、炭素繊維、及び、上記成分(C)を除くガラス繊維から選ばれる他の充填剤(以下、「成分(D)」ともいう。)を含有する上記1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
4.上記1乃至3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルを、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートを、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基を、「(共)重合体」は、単独重合体及び共重合体を意味する。
また、ポリカーボネート樹脂を除く高分子の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算値である。
また、上記成分(A)のMFR(温度240℃、荷重10kg)は、好ましくは1〜70g/10分、より好ましくは2.5〜50g/10分、更に好ましくは4〜30g/10分である。
以下、好ましい態様であるシリコーン系ゴム強化グラフト樹脂について、説明する。
〔R1 nSiO〕(4−n)/2 (1)
(式中、R1は置換又は非置換の1価炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。R1が複数ある場合、互いに同一であっても異なってもよい。)
尚、上記オルガノシロキサン(i)は、上記一般式(1)で表される化合物の1種以上を用いて、予め縮合された、例えば、重量平均分子量(Mw)が500〜10,000程度のポリオルガノシロキサンであってもよい。そして、このポリオルガノシロキサンにおいて、その分子鎖末端が、ヒドロキシル基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基等の官能基で封止されたポリオルガノシロキサンであってもよい。
上記オルガノシロキサン(i)が、重合性不飽和結合を含む場合、使用するグラフト交叉剤(ii)は、重合性不飽和結合を有しても有さなくてもよい。
上記変性ポリオルガノシロキサンゴムの製造に際して、耐衝撃性を改良するために、架橋剤を添加することもできる。架橋剤としては、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3官能性架橋剤、テトラエトキシシラン等の4官能性架橋剤等が挙げられる。架橋剤を用いる場合、その使用量の上限は、オルガノシロキサン(i)及びグラフト交叉剤(ii)の合計量を100質量部とした場合に、通常、10質量部、好ましくは5質量部である。
上記変性ポリオルガノシロキサンゴムの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30,000〜1,000,000、より好ましくは50,000〜300,000である。この範囲であると、本発明の組成物における耐衝撃性及び流動性のバランスに優れる。
上記ビニル系単量体(b1)に含まれる芳香族ビニル化合物の割合の下限は、成形加工性及び成形外観性の観点から、好ましくは50質量%、より好ましくは60質量%、更に好ましくは65質量%である。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。これらの化合物は、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
上記カルボキシル基含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸等が挙げられる。これらの化合物は、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
上記オキサゾリン基含有不飽和化合物としては、ビニルオキサゾリン等が挙げられる。
上記重合開始剤を使用する場合、反応系に一括して、又は、連続的に添加することができる。
上記連鎖移動剤を使用する場合、反応系に一括して、又は、連続的に添加することができる。
尚、上記シリコーン系ゴム強化樹脂が、2種以上のシリコーン系ゴム強化樹脂からなるようにする場合には、各ラテックスから樹脂を単離した後、混合してもよいが、他の方法として、各樹脂をそれぞれ含むラテックスの混合物を凝固する等の方法がある。
上記グラフト率は、下記式により求めることができる。
グラフト率(%)={(S−T)/T}×100
上記式中、Sはシリコーン系ゴム強化樹脂1グラムをアセトン20mlに投入し、25℃の温度条件下で、振とう機により2時間振とうした後、5℃の温度条件下で、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Tはシリコーン系ゴム強化樹脂1グラムに含まれるポリオルガノシロキサン系ゴムの質量(g)である。このポリオルガノシロキサン系ゴムの質量は、重合処方及び重合転化率から算出する方法、赤外線吸収スペクトル(IR)により求める方法等により得ることができる。
上記成分(C)としては、例えば、図1〜図4に示される外観を有するガラス繊維や、これらが変形したもの等と用いることができる。変形例は、例えば、図4に示される平板状の成分(C)の断面形状(長方形)が、「>」の字になったもの(図5参照)や、断面形状が曲線を描いて「〜」となったもの(図示せず)、更には、部分的に凸部又は凹部を備えるもの(図示せず)等とすることもできる。
また、繊維断面の長径の平均値は、得られる成形品の収縮率の異方性が少なく、耐衝撃性及び剛性に優れ、反りが抑制されることから、10〜50μmであり、好ましくは15〜40μm、より好ましくは20〜35μmである。
更に、上記成分(C)は、長尺形状を有するガラス繊維であり、図1〜図4に示される長さLの平均値(平均繊維長)は、好ましくは0.1〜2.0mm、より好ましくは0.15〜1.0mm、更に好ましくは0.2〜0.8mmである。また、下記式で表されるアスペクト比は、得られる成形品の収縮率の異方性が少なく、機械的強度に優れることから、好ましくは2〜120、より好ましくは2.5〜70、更に好ましくは3〜50である。尚、長さ方向の形状は、通常、図1〜図4に示すような直線状であるが、波線状、ジグザグ状、曲線状、螺旋状等とすることもできる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物又は成形品から、成分(C)を単離する場合には、例えば、空気中、500℃〜800℃の温度で加熱して、樹脂成分を灰化させた後、成分(C)を回収する方法等を適用すればよい。
上記成分(C)の形態は、特に制限はなく、単繊維であってよいし、長めの単繊維を多数本撚り、ガラス繊維用集束剤によって集束させた後、切断して得られたチョップドストランド、ロービング、ミルドファイバー等の形態であってもよい。また、上記成分(C)の表面には、ガラス繊維用表面処理剤による部分又は層を有していてもよい。
上記表面処理剤としては、反応性カップリング剤;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等が挙げられる。
R2Si(OR3)3 (2)
(式中、R2は、アミノ基、グリシドキシ基、塩素原子、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、メルカプト基、N−アミノエチルアミノ基、イソシアネート基及びウレイド基から選ばれる基若しくは原子、又は、上記基を末端に有するアルキル基であり、R3は炭化水素基である。)
(R4O)Ti(OR5)(OR6)(OR7) (3)
(式中、R4はアルキル基であり、R5、R6及びR7は、互いに同一又は異なって、置換もしくは非置換のアルキル基、アルカノイル基、(メタ)アクリロイル基、ジアルキルパイロホスフェート基、N−アミノエチル−アミノエチル基、アルキルベンゼンスルホニル基、ジアルキルホスフェート基、ジアルキルホスファイト基及びクミルフェニル基から選ばれる基であり、R3及びR4が一緒になっている、2価の、エチレン基、オキサリル基又は−CO−CH2−基である。)
上記アルミネートカップリング剤としては、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート等のアルミニウムアルキルアセトアセテート・ジアルキレート;アルミニウムアルケニルアセトアセテート・ジアルキレート;アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
上記成分(D)をとしては、ガラスフレーク、マイカ、グラファイト、タルク、ワラストナイト、炭素繊維、上記成分(C)を除くガラス繊維等が挙げられる。これらのうち、ガラスフレーク及び炭素繊維が好ましい。
本発明の組成物において、上記成分(D)は、1種単独で含まれてよいし、2種以上の組合せで含まれていてもよい。
他の樹脂としては、上記成分(B)に含まれない樹脂であって、ビニル系単量体に由来する構造単位を含むビニル系(共)重合体(芳香族ビニル系(共)重合体、アクリル系(共)重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂等)や、ゴム強化樹脂(ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレ−ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等)、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物が、他の樹脂を含有する場合、その含有量の上限は、上記成分(A)及び成分(B)の合計100質量部に対して、好ましくは60質量部、より好ましくは45質量部である。
上記ジエン系ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等の単独重合体;スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体等のスチレン・ブタジエン系共重合体ゴム;スチレン・イソプレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・イソプレン共重合体等のスチレン・イソプレン系共重合体ゴム;天然ゴム等が挙げられる。これらの共重合体は、ブロック共重合体でもよいし、ランダム共重合体でもよい。また、これらの共重合体は水素添加(但し、水素添加率は50%未満。)されたものであってもよい。上記ジエン系ゴムは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記水添ジエン系ゴムとしては、下記の構造を有する共役ジエンブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。即ち、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位からなる重合体ブロックA;1,2−ビニル結合含量が25モル%を超える共役ジエン系化合物に由来する構造単位からなる重合体の二重結合部分を95モル%以上水素添加してなる重合体ブロックB;1,2−ビニル結合含量が25モル%以下の共役ジエン系化合物に由来する構造単位からなる重合体の二重結合部分を95モル%以上水素添加してなる重合体ブロックC;並びに、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と共役ジエン系化合物に由来する構造単位とからなる共重合体の二重結合部分を95モル%以上水素添加してなる重合体ブロックDのうち、2種以上を組み合わせたものからなるブロック共重合体である。
上記ブロック共重合体の構造としては、A−(B−A)n、(A−B)n、A−(B−C)n、C−(B−C)n、(B−C)n、A−(D−A)n、(A−D)n、A−(D−C)n、C−(D−C)n、(D−C)n、A−(B−C−D)n、(A−B−C−D)n〔但し、nは1以上の整数である。〕等が挙げられ、好ましくは、A−B−A、A−B−A−B、A−B−C、A−D−C、C−B−Cである。
上記ブロック共重合体を構成する重合体ブロックAの含有割合は、重合体の全体に対して、好ましくは0〜65質量%、より好ましくは10〜40質量%である。
上記重合体ブロックBにおける1,2−ビニル結合含量は、好ましくは25モル%を超え90モル%以下、より好ましくは30〜80モル%である。
また、上記重合体ブロックCにおける1,2−ビニル結合含量は、好ましくは25%モル以下、より好ましくは20モル%以下である。
また、上記重合体ブロックDにおける芳香族ビニル化合物単位量は、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
また、上記単量体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系化合物以外に、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;メタクリル酸変性シリコーン、フッ素含有ビニル化合物等の各種のビニル系単量体を30質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体等が挙げられる。また、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体としては、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・ブテン−1・非共役ジエン共重合体等が挙げられる。
上記非共役ジエンに由来する構造単位の含有量は、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体を構成する構造単位の全量に対して、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%である。非共役ジエン単位の含有割合が多すぎると、成形外観性及び耐侯性が低下する場合がある。
また、上記エチレン・α−オレフィン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃;JIS K6300に準拠)は、好ましくは5〜80、より好ましくは10〜65、更に好ましくは15〜45である。ムーニー粘度が上記範囲にあると、フィルムの可撓性及び耐衝撃性に優れる。
上記ゴム強化樹脂に含まれるグラフト樹脂のグラフト率は、上記成分(B)に含まれるシリコーン系ゴム強化グラフト樹脂の場合と同様にして測定され、耐衝撃性、成形外観性、剛性の観点から、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上、更に好ましくは40〜150%である。
(1)ジエン系ゴムの存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物からなるビニル系単量体(e1)を重合して得られたジエン系ゴム強化樹脂
(2)ジエン系ゴムの存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸エステル化合物からなるビニル系単量体(e1)を重合して得られたジエン系ゴム強化樹脂
(3)ジエン系ゴムの存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及びマレイミド系化合物からなるビニル系単量体(e1)を重合して得られたジエン系ゴム強化樹脂
(4)エチレン・α−オレフィン系ゴムの存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物からなるビニル系単量体(e1)を重合して得られたエチレン・α−オレフィン系ゴム強化樹脂
上記成分(E2)に含まれる構造単位(ex)の含有量は、上記成分(E2)を構成する構造単位の合計を100質量%とすると、好ましくは40〜85質量%、より好ましくは50〜80質量%、更に好ましくは60〜75質量%である。上記構造単位(ex)の含有量が40〜85質量%であると、優れた機械的強度及び成形外観性を得ることができる。
上記成分(E2)に含まれる構造単位(ey)の含有量は、上記成分(E2)を構成する構造単位の合計を100質量%とすると、好ましくは15〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%、更に好ましくは25〜40質量%である。上記構造単位(ey)の含有量が15〜60質量%であると、優れた機械的強度及び成形外観性を得ることができる。
上記成分(E2)が、構造単位(ez)を含む場合、その含有量の上限は、上記成分(E2)を構成する構造単位の合計、即ち、構造単位(ex)、(ey)及び(ez)の合計を100質量%とすると、好ましくは40質量%、より好ましくは25質量%である。
また、上記成分(E2)の固有粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は、耐衝撃性及び成形性の観点から、好ましくは0.2〜0.8dl/g、より好ましくは0.25〜0.7dl/g、更に好ましくは0.3〜0.6dl/gである。
(F1)臭素化ポリエチレン、テトラブロモエタン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ジブロモジメチルヘキサン、2−(ブロモメチル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルアルコール、ペンタエリスリチルテトラブロミド、モノブロモジペンタエリスリトール、ジブロモジペンタエリスリトール、トリブロモジペンタエリスリトール、テトラブロモジペンタエリスリトール、ペンタブロモジペンタエリスリトール、ヘキサブロモジペンタエリスリトール、ヘキサブロモトリペンタエリスリトール、ポリブロム化ペンタエリスリトール等の、臭素化脂肪族化合物若しくはその誘導体、又は、臭素化脂環式化合物若しくはその誘導体;
(F2)テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA−ジアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールA−ジメタリルエーテル、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエーテルのトリブロモフェノール付加物、テトラブロムビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシジエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエーテルのブロム化ビスフェノール付加物エポキシオリゴマー等の、臭素化ビスフェノール類又はその誘導体;
(F3)ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモ無水フタル酸、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、トリブロモフェニルアリルエーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテル、オクタブロモ−1,1,3−トリメチル−1−フェニルインダン、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、エタン−1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ポリジブロモフェニレンオキサイド、1,1−スルホニル[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)]ベンゼン、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリス(トリブロモフェニル)シアヌレート、アタクチック構造の臭素化ポリスチレン、アタクチック構造の臭素化スチレン・プロピレン系共重合体等の、臭素化芳香族化合物又はその誘導体;
(F4)ペンタブロモベンジルアクリレート、アタクチック構造の臭素化スチレン・メチルメタクリレート系共重合体、アタクチック構造の臭素化スチレン・メチルメタクリレート・グリシジルメタクリレート系共重合体、アタクチック構造の臭素化スチレン・グリシジルメタクリレート系共重合体、ポリペンタブロモベンジルアクリレート等の臭素化(メタ)アクリル系化合物;
(F5)エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等の、臭素原子及び窒素原子含有化合物;
(F6)塩素化パラフィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカン、塩素化芳香族化合物、塩素化脂環式化合物等の、塩素原子含有化合物;
(F7)臭化アンモニウム等の臭素化無機化合物
等が挙げられる。
O=P(OR11)s(OMn+ 1/n)3−s (4)
(式中、各R11は、独立して、炭素原子数1〜30の炭化水素基であり、各Mは、独立して、水素原子、又は、周期表の第1A族、第1B族、第2A族及び第2B族から選ばれる金属原子であり、sは1、2又は3であり、nは1又は2である。)
P(OR11)t(OMn+ 1/n)3−t (5)
(式中、各R11は、独立して、炭素原子数1〜30の炭化水素基であり、各Mは、独立して、水素原子、又は、周期表の第1A族、第1B族、第2A族及び第2B族から選ばれる金属原子であり、tは1、2又は3であり、nは1又は2である。)
O=P(R12)(OMn+ 1/n)2 (6)
(式中、R12は、水素原子、又は、炭素原子数1〜30の炭化水素基であり、各Mは、独立して、水素原子、又は、周期表の第1A族、第1B族、第2A族及び第2B族から選ばれる金属原子であり、nは1又は2である。但し、R2及びMのすべてが水素原子である場合を除く。)
更に、s=2の場合、R11同士で環構造を形成している、ナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート等を用いることもできる。
上記無機系含リン化合物は、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン酸水素化合物としては、リン酸一水素化合物、リン酸二水素化合物が挙げられ、特に、これらの塩が好ましい。塩は、金属塩又はアンモニウム塩が好ましい。金属塩を構成する金属原子としては、周期表第1〜3族の元素が好ましく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、銅、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。好ましいリン酸水素化合物の具体例としては、リン酸2水素ナトリウム、リン酸1水素2ナトリウム、リン酸1水素2アンモニウム、リン酸水素亜鉛、リン酸1水素2カリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸1水素2リチウム等が挙げられる。尚、これらの化合物の水和物を用いることもできる。
無機系含リン化合物の使用方法としては、組成物の製造時であって、原料成分の混練前又は混練中等とすることができる。
成形品を製造する場合の成形装置のシリンダー温度は、通常、250℃〜280℃である。また、金型温度は、通常、40℃〜80℃である。
尚、上記のいずれの場合にも、成形品が大型である場合には、一般に、シリンダー温度は、上記温度より高めに設定される。
熱可塑性樹脂組成物の製造に用いた原料(樹脂又は共重合体、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維等)は、以下の通りである。尚、グラフト率、固有粘度[η]等の測定は、上記記載の方法に準じて行った。
1−1.原料〔P〕
成分(A)用の原料〔P〕として、三菱エンジニアリングプラスチックス社製ポリカーボネート「NOVAREX 7022PJ」(商品名)を用いた。粘度平均分子量(Mv)は、22,000であり、MFR(温度240℃、荷重10kg)は、9g/10分である。
成分(B)用の原料〔Q〕として、下記の合成例1により得られたシリコーン系ゴム強化樹脂を用いた。
p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン1.5部及びオクタメチルシクロテトラシロキサン98.5部の混合物を、ドデシルベンゼンスルホン酸2.0部を蒸留水に溶解させた水溶液300部に投入し、ホモミキサーにより3分間攪拌して乳化分散させた。乳化分散液を、コンデンサー、窒素ガス導入口及び攪拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、攪拌下、90℃で6時間加熱して縮合反応させ、5℃で24時間冷却することで反応を完了させた。これにより、縮合率92.8%で変性ポリオルガノシロキサンゴムを含むラテックスを得た。その後、このラテックスに、炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH7に中和した。尚、変性ポリオルガノシロキサンゴムの体積平均粒子径は280nmであった。
次に、攪拌機を備えたガラス製フラスコに、上記変性ポリオルガノシロキサンゴム40部、イオン交換水100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部、tert−ドデシルメルカプタン0.1部、スチレン15部及びアクリロニトリル5部を収容し、攪拌しながら45℃まで昇温した。その後、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.1部、硫酸第1鉄0.003部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート・2水和物0.2部及びイオン交換水15部よりなる活性剤水溶液、並びに、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部を添加し、重合を開始した。そして、1時間後、イオン交換水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、tert−ドデシルメルカプタン0.1部、ジイソプロピルハイドロパーオキサイド0.2部、スチレン30部及びアクリロニトリル10部からなるインクレメンタル重合成分を3時間に渡って連続的に添加し、重合を続けた。添加終了後、更に攪拌を1時間続けた。
その後、2,2−メチレン−ビス(4−エチレン−6−tert−ブチルフェノール)0.2部を添加して重合を停止し、シリコーン系ゴム強化樹脂を含むラテックスを得た。次いで、ラテックスに塩化カルシウム2部を添加して、樹脂成分を凝固し、水洗及び乾燥(75℃、24時間)を行い、白色粉末(シリコーン系ゴム強化樹脂)を回収した。重合転化率は97.2%、グラフト率は90%、アセトン可溶分の固有粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は0.47dl/gであった。
成分(C)用の原料〔R〕として、日東紡績社製扁平断面チョップドガラス繊維「CSG 3PA830」(商品名、カット長3mm、扁平長28μm、扁平短7μm)を用いた。
成分(D)用の原料〔S〕として、下記の3種を用いた。
(1)原料S1(ガラス繊維)
オーウェンスコーニングジャパン社製ガラス繊維(チョップドストランド)「CS03MA FT665」(商品名)を用いた。この製品は、素線径φ13μmの単繊維をエポキシ樹脂組成物からなる集束剤で束ねた後、繊維長3mmに調節されたチョップドストランドである。
(2)原料S2(ガラスフレーク)
日本板硝子社製顆粒状ガラスフレーク「マイクログラスフレカREFG−101」(商品名、平均径600μm、平均厚さ5μm)を用いた。
(3)原料S3(炭素繊維)
日本ポリマー産業社製炭素繊維(チョップドストランド)「CFU」(商品名)を用いた。この製品は、素線径φ7μmの単繊維をポリウレタン系樹脂組成物からなる集束剤で束ねた後、繊維長6mmに調節されたチョップドストランドである。
他の樹脂として、下記の合成例2により得られたスチレン・アクリロニトリル共重合体(原料T2)、合成例3により得られたジエン系ゴム強化樹脂(原料T3)、及び、合成例4により得られたエチレン・α−オレフィン系ゴム強化樹脂(原料T4)を用いた。
リボン翼を備えたジャケット付き重合用反応器を、2基連結した合成装置を用いた。各反応器内に、窒素ガスをパージした後、1基目の反応器に、スチレン75部、アクリロニトリル25部及びトルエン20部からなる混合物と、分子量調節剤であるtert−ドデシルメルカプタン0.4部をトルエン5部に溶解した溶液と、重合開始剤である1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)0.1部をトルエン5部に溶解した溶液とを連続的に供給し、110℃で重合を行った。供給した単量体等の平均滞留時間は2時間であり、2時間後の重合転化率は56%であった。
次いで、得られた重合体溶液を、1基目の反応器の外部に設けられたポンプにより、連続的に取り出して、2基目の反応器に供給した。連続的に取り出す量は、1基目の反応器に供給する量と同じである。尚、2基目の反応器においては、130℃で2時間重合を行い、2時間後の重合転化率は74%であった。
その後、2基目の反応器から、重合体溶液を回収し、これを、2軸3段ベント付き押出機に導入した。そして、直接、未反応単量体及びトルエン(重合用溶媒)を脱揮し、スチレン・アクリロニトリル共重合体を回収した。このスチレン・アクリロニトリル共重合体を、原料T2として用いた。
この原料T2の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は、0.42dl/gであった。
攪拌機を備えたガラス製フラスコに、窒素気流中で、イオン交換水42部、ロジン酸カリウム0.35部、tert−ドデシルメルカプタン0.2部、平均粒子径300nmのポリブタジエンゴム(ゲル含有率80%)32部を含むラテックス80部、平均粒子径600nmのスチレン・ブタジエン共重合体ゴム(スチレン単位量30%)8部を含むラテックス19部、スチレン14部及びアクリロニトリル6部を収容し、攪拌しながら昇温した。内温が40℃に達したところで、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部及びブドウ糖0.3部を、イオン交換水8部に溶解した溶液を加えた。その後、クメンハイドロパーオキサイド0.07部を加えて重合を開始した。
30分間重合させた後、イオン交換水45部、ロジン酸カリウム0.7部、スチレン30部、アクリロニトリル10部、tert−ドデシルメルカプタン0.13部及びクメンハイドロパーオキサイド0.1部を、3時間かけて連続的に添加した。その後、更に1時間重合を継続し、反応系に、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)0.2部を添加して重合を完結させた。
次いで、反応生成物を含むラテックスに、硫酸水溶液を添加して、樹脂成分を凝固し、水洗した。その後、水酸化カリウム水溶液を用いて、洗浄・中和し、更に、水洗した後、乾燥し、ジエン系ゴム強化樹脂を得た。このジエン系ゴム強化樹脂を、原料T3として用いた。この原料T3に含まれるグラフト樹脂におけるグラフト率は55%、未グラフトの(共)重合体(以下、「アセトン可溶分」という。)の含有率は38%であり、このアセトン可溶分の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は、0.45dl/gであった。
リボン型攪拌機翼、助剤連続添加装置、温度計等を装着した容積20リットルのステンレス製オートクレーブに、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(エチレン/プロピレン=78/22(%)、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)=20)25部、スチレン10.95部、アクリロニトリル4.05部、tert−ドデシルメルカプタン0.5部及びトルエン110部を仕込み、昇温した。内温が75℃に達したところで、オートクレーブ内容物を1時間攪拌して均一溶液とした。その後、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.09部を添加し、更に昇温した。内温を100℃に保持しながら、攪拌回転数100rpmとして重合を開始した。1時間重合した後、スチレン43.8部、アクリロニトリル16.2部及びtert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.36部を3時間かけて連続的に添加した。重合を開始して4時間経過した後、内温を120℃に昇温し、この温度を保持しながら更に2時間反応を行って重合を終了した。重合転化率は97%であった。その後、内温を100℃まで冷却し、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート0.2部を添加した。次いで、反応液をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去した。その後、40mmφベント付き押出機(シリンダー温度220℃、真空度760mmHg)を用いて揮発分を実質的に脱気させ、ペレット化し、エチレン・プロピレン共重合体ゴム強化樹脂T4を得た。このエチレン・プロピレン共重合体ゴム強化樹脂を、原料T4として用いた。この原料T4に含まれるグラフト樹脂におけるグラフト率は46%、未グラフトの(共)重合体(アセトン可溶分)の含有率は64%であり、このアセトン可溶分の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は、0.45dl/gであった。
難燃剤として、下記の2種を用いた。
(1)原料U1(難燃剤)
大八化学工業社製1,3−フェニレン−ビス(ジキシレニル)ホスフェート「PX−200」(商品名)を用いた。
(2)原料U2(ドリップ防止剤)
ダイキン工業社製ポリテトラフルオロエチレン「ポリフロンFA500C」(商品名)を用いた。
実施例1〜22及び比較例1〜13
原料〔P〕、〔Q〕、〔R〕、〔S〕、〔T〕及び〔U〕を、表1〜表4に記載の割合で、ヘンシェルミキサーにて混合した後、この混合物を、日本製鋼社製2軸押出機「TEX44αII」(型式名)に供給して溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物を得た。尚、溶融混練の際のシリンダー設定温度は、200℃〜250℃とした。
(1)流動性
成形加工性の指標として、ISO 1133に準じて、メルトマスフローレートを、温度240℃及び荷重98Nの条件で測定した。単位は、「g/10分」である。
(2)耐衝撃性
ISO 179に準じて、シャルピー衝撃強さを、温度23℃で測定した。単位は「kJ/m2」である。
(3)引張特性
ISO 527に準じて、引張強さを、温度23℃で測定した。単位は、「MPa」である。
(4)曲げ特性
ISO 178に準じて、曲げ強さ及び曲げモジュラスを、温度23℃で測定した。単位は、それぞれ、「MPa」及び「MPa」である。
(5)反り
1点ゲート金型を用いた射出成形により、下記条件で平板成形品(150mm×150mm×2mm)を作製し、反りの状態を目視評価し、下記基準で判定した。
<成形条件>
熱可塑性樹脂組成物の溶融温度: 280℃
金型温度 : 50℃
射出・保圧時間 : 10秒
冷却時間 : 40秒
<判定基準>
○:反りがない
△:反りが少しある
×:反りが大きい
(6)燃焼性
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用いて、アンダーライターズラボラトリーズ社(UL)のサブジェクト94に準ずる、所定の形状及びサイズを有する試験片(125mm×13mm×1mm)作製し、垂直燃焼試験に供した。
比較例1及び2は、本発明に係る成分(C)を含有しない例であり、流動性に劣り、また、成形品の反りが確認された。比較例3は、本発明に係る成分(B)の含有割合が少なすぎる場合であり、耐衝撃性に劣っていた。比較例4は、本発明に係る成分(B)の含有割合が多すぎる例であり、曲げモジュラスが十分でなく、剛性が劣っていた。比較例5〜9は、本発明に係る成分(B)の含有割合が少なすぎる場合であり、耐衝撃性に劣っていた。比較例10は、本発明に係る成分(C)の含有割合が少なすぎる例であり、曲げモジュラスが十分でなく、剛性に劣っていた。比較例11は、本発明に係る成分(C)の含有割合が多すぎる例であり、流動性及び耐衝撃性に劣り、成形品の反りが確認された。比較例12は、本発明に係る成分(B)の含有割合が少なすぎる場合であり、耐衝撃性に劣っていた。比較例13は、本発明に係る成分(B)及び(C)の含有割合がいずれも多すぎる例であり、耐衝撃性及び剛性が十分ではなかった。
一方、実施例1〜22によれば、成形品の反りが確認されず、シャルピー衝撃強さ、引張強さ、曲げ強さ及び曲げモジュラスがいずれも高いレベルにあった。
Claims (4)
- (A)ポリカーボネート樹脂、(B)ポリオルガノシロキサン系重合体部と、ビニル系共重合体部とが結合している化合物、及び、(C)充填材を含有する組成物において、
上記成分(B)は、環状構造を有するオルガノシロキサン(i)と、炭素−炭素不飽和結合及びアルコキシシリル基を有するグラフト交叉剤(ii)とを共縮合して得られた変性ポリオルガノシロキサンゴムの存在下、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を含むビニル系単量体を重合して得られたシリコーン系ゴム強化グラフト樹脂であり、
上記成分(C)は、繊維断面の長径と短径との比(長径/短径)の平均値が1.5〜8.0であり、且つ、該長径の平均値が10〜50μmであるガラス繊維であり、
上記成分(B)の含有量は、上記成分(A)100質量部に対して1〜25質量部であり、
上記成分(C)の含有量は、上記成分(A)100質量部に対して1〜160質量部であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - 上記成分(B)のグラフト率が30〜150%である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 更に、(D)ガラスフレーク、マイカ、グラファイト、タルク、ワラストナイト、炭素繊維、及び、上記成分(C)を除くガラス繊維から選ばれる他の充填剤を含有する請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014103737A JP6352051B2 (ja) | 2014-05-19 | 2014-05-19 | 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014103737A JP6352051B2 (ja) | 2014-05-19 | 2014-05-19 | 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015218282A JP2015218282A (ja) | 2015-12-07 |
JP6352051B2 true JP6352051B2 (ja) | 2018-07-04 |
Family
ID=54777938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014103737A Active JP6352051B2 (ja) | 2014-05-19 | 2014-05-19 | 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6352051B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107710454B (zh) | 2015-06-29 | 2020-10-30 | 日本瑞翁株式会社 | 二次电池多孔膜用组合物、二次电池用多孔膜及二次电池 |
WO2021171782A1 (ja) | 2020-02-28 | 2021-09-02 | 日本ゼオン株式会社 | セル間スペーサおよびバッテリーモジュール |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5840802A (en) * | 1991-10-11 | 1998-11-24 | General Electric Company | Dual graft stage and thermally stabilized polyorganosiloxane/polyvinyl-based graft copolymers and thermoplastic compositions containing the same |
JPH0726104A (ja) * | 1993-07-14 | 1995-01-27 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 難燃性樹脂組成物 |
JPH0812846A (ja) * | 1994-04-27 | 1996-01-16 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物 |
JPH08134320A (ja) * | 1994-11-08 | 1996-05-28 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP3330783B2 (ja) * | 1995-07-05 | 2002-09-30 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物 |
JP2008088377A (ja) * | 2006-10-05 | 2008-04-17 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | ブレーカー筐体用ポリアミド樹脂組成物及びブレーカー筐体 |
JP5684548B2 (ja) * | 2010-11-30 | 2015-03-11 | 帝人株式会社 | ガラス繊維強化樹脂組成物 |
JP5750402B2 (ja) * | 2011-06-10 | 2015-07-22 | ユーエムジー・エービーエス株式会社 | 強化熱可塑性樹脂組成物および成形品 |
JP2013189618A (ja) * | 2012-02-08 | 2013-09-26 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物 |
-
2014
- 2014-05-19 JP JP2014103737A patent/JP6352051B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015218282A (ja) | 2015-12-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107286300B (zh) | 含聚有机硅氧烷的接枝共聚物、树脂组合物以及成形体 | |
EP2670804B1 (en) | Non-halogenated flame retardant polycarbonate compositions | |
EP1702006B1 (en) | Polymer compositions, method of manufacture, and articles formed therefrom | |
CN103649141B (zh) | 接枝共聚物、热塑性树脂组合物、成型品以及接枝共聚物的制造方法 | |
CN106795297A (zh) | 聚碳酸酯类树脂组合物及其成型制品 | |
JP2008505220A (ja) | 熱可塑性ポリカーボネート組成物、その製造方法及び使用方法 | |
WO2011087141A1 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
AU2007202478A1 (en) | Thermoplastic polycarbonate compositions | |
JP5371973B2 (ja) | 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6220647B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
KR101851807B1 (ko) | 우수한 기계적 특성을 갖는 방염성의 충격 개질된 내스크래치성 폴리카르보네이트 성형 조성물 | |
JP2012140588A (ja) | 離型性及び外観特性に優れたポリカーボネート系樹脂組成物、並びにこれを用いた成形品 | |
JP2005307180A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP6420061B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 | |
JP7386159B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびこれから形成された成形品 | |
KR20150093747A (ko) | 난연성 폴리카르보네이트 성형 물질 ii | |
KR101614559B1 (ko) | 내충격-개질된 폴리카르보네이트 조성물 | |
JP5204814B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP6352051B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 | |
JP6392432B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 | |
US9765184B2 (en) | Polycarbonate and method of preparing the same | |
TW201137031A (en) | Scratch-resistant, impact-resistant polycarbonate moulding compositions with good mechanical properties | |
JP7426247B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6069150B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 | |
KR102624855B1 (ko) | 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 형성된 성형품 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170411 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180123 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180131 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180323 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180529 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180606 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6352051 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |