JP6350868B2 - ステント - Google Patents

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本発明は、管腔の狭窄部位を拡径した状態で維持するためのステントに係り、特に生体吸収性を有しているステントに関するものである。
従来から、血管等の管腔に狭窄や閉塞などの異常が発生した場合に、ステントを管腔内の病変部へデリバリして、管腔を広げた状態に保持するステント治療が行われている。かかるステントは一般的に金属等で形成される他、体内への残留を考慮して、生体吸収性を有している場合がある。このような生体吸収性を有するステントは、体内に残留してしまう金属製のステントとは異なり、所定期間管腔内に留置されることによって、次第に分解されるようになっている。
そして、特開2011−224357号(特許文献1)には、生体吸収性を有していると共に、内部に造影性を有する造影部が設けられているステントが示されている。これにより、ステント留置後の経過観察などに際してのX線照射等による造影時には、ステントに設けられた造影部が撮影されることにより、管腔内におけるステントの位置が非侵襲的に確認できるようになっている。
ところで、上記特許文献1に記載されたステントは、生体吸収性を有する円管状の造影剤含有層と造影剤非含有層とが周方向で交互に積層された構造とされており、体内への留置によりステントの外周側から次第に分解されるようになっている。これにより、管腔への留置時間に応じて、造影剤含有層が次第に遊離することから、ステントが次第に薄く造影されるようになっている。
ところが、特許文献1に記載のステントでは、1度の造影でステントの分解具合を明確に判定できるものではなく、所定期間を隔てて撮影した複数の画像を比較してステントの肉厚の変化、即ちステントの分解具合を観察するものであることから、手間のかかる作業を必要とするものであった。
特開2011−224357号
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、1度の造影によりステントの分解具合を容易に把握することのできる、新規な構造のステントを提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明の第1の態様は、骨格が生体吸収性を有していると共に、該骨格に造影性を有する造影部が設けられているステントにおいて、前記造影部が消失するまでの時間を軸方向の部位間で異ならせたことを特徴とするものである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、ステントが体内管腔に留置されて所定時間が経過することにより、造影時には、造影部が消失されずに残留している部位のみが撮影される。即ち、例えばステントの留置直後に造影される場合ではステントに設けられた造影部の全てが撮影されるが、ステントの骨格が徐々に分解されて当該骨格に設けられた造影部が管腔内に遊離等して消失することにより、撮影される部位が次第に減少する。特に、軸方向の部位で造影部が消失するまでの時間が異ならされていることから、撮影される軸方向の部位とステントの分解具合とを対応付けることができて、1度の造影により、残留している部位に応じてステントの分解具合が容易に把握され得る。
なお、生体吸収性を有するとは、その材質が厳密な意味で生体に吸収される必要はなく、体内管腔に留置されることにより分解等して消失されるものであればよい。また、造影部は、分解される必要はなく、例えば骨格の消失に伴って体内に分散等するものでも良い。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係るステントであって、前記骨格の横断面において、骨格表面から前記造影部を越えるまでの最短通過距離が軸方向の部位間で異ならされているものである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、骨格表面から造影部までの最短通過距離を軸方向の部位間で異ならせることにより、造影部が消失するまでの時間を軸方向の部位間で異ならせている。これにより、造影時に撮影される軸方向の部位とステントの分解程度とを容易に、即ち距離の大きさに応じて設定することが可能になる。なお、骨格表面から造影部を越えるまでの最短通過距離とは、骨格の横断面において、骨格表面から造影部における当該骨格表面とは反対側の端縁部までの最短距離を示すものである。
本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様に係るステントにおいて、前記造影部が消失するまでの時間が、軸方向中央部分の部位よりも軸方向外方に位置する部位の方が長くされているものである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、留置初期に軸方向中央部分における造影部が最も早く管腔内に遊離して消失する一方、軸方向両側部分における造影部は管腔内の所定位置に最も遅くまで残留することとなる。これにより、造影時にはステントの軸方向両側部分が安定して撮影されて、ステントの確認が一層容易となる。
本発明の第4の態様は、前記第1〜第3の何れかの態様に係るステントであって、前記骨格の横断面において、骨格表面から前記造影部を越えるまでの最短通過距離が軸方向中央部分の部位よりも軸方向外方に位置する部位の方が大きくされているものである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、骨格表面から造影部を越えるまでの最短通過距離が軸方向中央部分の部位よりも軸方向外方に位置する部位の方が大きくされていることから、軸方向中央部分における造影部が最も早く管腔内に遊離して消失する一方、軸方向両側部分における造影部が管腔内の所定位置に最も遅くまで残留する。それ故、前記第3の態様と同様の効果が発揮され得る。
本発明の第5の態様は、前記第1〜第4の何れかの態様に係るステントにおいて、前記骨格の全体に亘って前記造影部が形成されているものである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、骨格の全体に亘って造影部が形成されていることから、ステントの長さ方向の全体を造影部によって確認することができる。なお、前記第3又は第4の態様と併せて第5の態様を採用して、例えば造影部の消失までの時間をステント軸方向で中央から両側端部に向かって次第に長くなるように変化させることで、ステントの生体吸収の進行程度をより正確に把握することが可能になる。加えて、ステントの軸方向両端部分の造影部が最も遅くまで残留して造影把握可能とされることから、造影によりステントの軸方向両端部分を明確に把握できて管腔内におけるステントの位置もより正しく把握することが可能になる。その際、造影部の消失までの時間や骨格表面から造影部を越えるまでの最短通過距離の大きさは、軸方向中央から両側端部に向かって次第に連続的に変化していても良いし、段階的に変化していても良い。
本発明に従う構造とされたステントによれば、軸方向の部位で造影部が消失するまでの時間が異ならされていることから、造影時に撮影される軸方向の部位とステントの分解具合とが対応付けられている。それ故、例えばステントを管腔内に留置してから所定期間後に、1度の造影によってステントの残留部位を確認することで、ステントの分解具合を判定することも可能になる。
本発明の1実施形態としてのステントの全体を示す正面図。 図1に示されるステントにおける骨格の横断面図であって、(a)がステントの軸方向中央部分におけるある地点、(b)がステントの軸方向中央部分と軸方向端部分との中間部分におけるある地点、(c)がステントの軸方向端部分におけるある地点を示す。 図1に示されるステントにおける骨格の横断面図と造影時の見え方を示す図であって、(a)が留置初期、(b)が留置中期、(c)が留置後期を示す。 本発明の別の態様におけるステントの骨格の横断面図であって、(a)がステントの軸方向中央部分におけるある地点、(b)がステントの軸方向中央部分と軸方向端部分との中間部分におけるある地点、(c)がステントの軸方向端部分におけるある地点を示す。 本発明のステントに採用され得る造影部における断面形状の別の具体例を説明するための説明図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1には、本発明の1実施形態としてのステント10が収縮や拡張される前の成形状態で示されている。このステント10は、血管等の管腔における狭窄部位にデリバリされて拡張状態で留置されることにより、管腔の狭窄部位が拡張されて維持されるようになっている。なお、以下の説明において、軸方向とはステント10の延びる図1中の上下方向を言う。
具体的には、本実施形態のステント10は、全体的に直線状に延びる筒形状とされており、軸方向に折り返しながら波状に湾曲又は屈曲を繰り返して周方向に連続して延びる環状部12が、軸方向で互いに所定距離を隔てて複数設けられている。かかる複数の環状部12により、ステント10を構成するストラット14が形成されている。そして、軸方向で隣り合う環状部12,12が、略軸方向に延びるリンク部16でそれぞれ連結されることによって、所定長さの筒形状とされている。即ち、本実施形態では、ストラット14とリンク部16を含んでステント10の骨格が構成されている。
このステント10の骨格は生体吸収性を有する材質により形成されている。生体吸収性を有する材質としては、生体内で分解される材質であれば何等限定されるものではないが、本実施形態では、ストラット14およびリンク部16がポリ−L−乳酸によって形成されている。
ここで、図2(a)〜(c)には、ストラット14の横断面が示されており、本実施形態では、ストラット14の横断面が角丸の矩形状とされている。また、リンク部16の横断面は、ストラット14と略同形状とされてもよいし、ストラット14よりも幅寸法や厚さ寸法が小さくされてもよい。なお、図2(a)がステント10の軸方向中央部分におけるある地点、図2(b)がステント10の軸方向中央部分と軸方向端部分との中間部分におけるある地点、図2(c)がステント10の軸方向端部分におけるある地点のストラット14の横断面を示している。
そして、図2(a)〜(c)に示されるように、かかるステント10の骨格には、造影性を有する造影部18が設けられている。この造影部18の材質は、造影画像の撮影方法により適宜選択され得るが、例えばレントゲン撮影やコンピュータ断層撮影(CT)の場合には、硫酸バリウムやヨード造影剤が好適に採用され、本実施形態では、ヨード造影剤により構成されている。
また、本実施形態では、図2(a)〜(c)に示されるように、造影部18の断面が略円形状とされている。特に、本実施形態では、造影部18が、ステント10の骨格の略全体に亘って形成されており、即ちストラット14およびリンク部16の軸方向および周方向の略全長において内部に造影部18が埋設されている。
かかる構造とされたステント10は、ステントデリバリカテーテル等により管腔の狭窄部位までデリバリされる。そして、骨格が生体吸収性を有する材質で形成されていることから、管腔内に留置されて所定の期間が経過することにより、骨格が分解されて、内部に埋設された造影部18が管腔内に遊離して消失するようになっている。このように造影部18が消失することにより、所定期間経過後の造影画像では、造影部18が消失した箇所が撮影されないようになっている。
ここにおいて、ステント10では、軸方向の部位間で造影部18が消失するまでの時間が異ならされている。本実施形態では、図2(a)〜(c)に示されているように、ストラット14の横断面において、ストラット14の表面20から造影部18を越えるまでの最短通過距離が軸方向の部位間で異ならされていることにより、造影部18が消失するまでの時間が異ならされている。なお、ストラット14の表面20から造影部18までの最短通過距離とは、ストラット14の表面20から、造影部18における当該表面20と反対側の端縁部までの最短距離のことを言う。
具体的には、図2(a)に示される地点におけるストラット14の表面20から造影部18を越えるまでの最短通過距離をD1 、図2(b)に示される地点におけるストラット14の表面20から造影部18を越えるまでの最短通過距離をD2 、図2(c)に示される地点におけるストラット14の表面20から造影部18を越えるまでの最短通過距離をD3 とすると、各最短通過距離D1 ,D2 ,D3 が、D1 <D2 <D3 となるように、造影部18の位置が次第に異ならされている。
すなわち、ステント10の軸方向端部分では、図2(c)に示されているように、造影部18がストラット14の横断面の略中央にある一方、ステント10の軸方向中央部分では、図2(a)に示されているように、造影部18がストラット14の横断面の外周縁部に位置している。そして、これら軸方向端部分と中央部分との中間部分では、図2(b)に示されているように、造影部18がストラット14の横断面の中央と外周縁部との中間部分に位置しており、ステントの軸方向端部分から中央部分に向かうにつれて、ストラット14の横断面において、造影部18が中央から次第に外周側に移動するように連続して繋がっている。
ここで、管腔内に留置されるステント10の骨格が外周側から分解されていくことから、本実施形態では、ストラット14の横断面において最も外周側にあるステント10の軸方向中央部分の造影部18が最も早く管腔内に遊離して消失する。そして、軸方向中央部分から軸方向外側になるにつれて、造影部18が順次管腔内に遊離するようになっており、軸方向端部分における造影部18が管腔内の所定位置に最も遅くまで残留するようになっている。即ち、本実施形態では、造影部18が消失するまでの時間が、軸方向中央部分から軸方向外方になるにつれて、次第に長くなるようにされている。
かかる構造とされたステント10は、例えばコンピュータ上の3次元データを基にした造形方法により製造され得る。即ち、かかる造形方法としては、例えば、液状の紫外線硬化樹脂を紫外線レーザーを使用して硬化および積層する光造形法、素材粉末をレーザーや接着剤を用いて1層ずつ焼結したり固めたりする粉末法、熱可塑性樹脂を高温で溶かし1層ずつ積層させる熱溶解積層法(FDM法)、紙や樹脂、金属などのシート状の材料を切断しながら積層させるシート積層法、液化した材料を噴射して積層させるインクジェット法等の積層造形法が好適に採用され得て、何れの方法においても骨格の材料に生体吸収性を有する材質を採用すると共に、造影部18として造影性のある材質を採用することにより、ステント10が形成され得る。この積層造形法による製造は、例えば3次元データを基にして立体物を造形する、いわゆる3Dプリンターにより実施され得て、かかる3Dプリンターとしては株式会社オープンキューブ社の「SCOOVO X9」等が挙げられる。
上記の如き構造とされた本実施形態のステント10は、例えばステントデリバリカテーテルに装着されて、管腔の狭窄部位までデリバリされる。そして、ステント10がバルーン拡張型のステントとされる場合には、デリバリカテーテルに設けられたバルーンを拡張させることによりステント10が拡径されて、管腔内に留置される。なお、ステント10は自己拡張型のステントとされてもよく、デリバリカテーテルからリリースされると患者の体温等によりステント10が自動的に拡径することで、管腔内に留置されてもよい。
そして、図3(a)〜(c)には、上記のように留置された本実施形態のステント10の、管腔内への留置初期(a)、留置中期(b)、留置後期(c)のそれぞれの時期における、ストラット14の横断面図(図3(a)〜(c)中の各左側)と、造影時の見え方(図3(a)〜(c)中の各右側)が示されている。なお、図3(a)〜(c)の各左側に示された横断面図において、最も上と最も下が、ステント10の軸方向端部分におけるある地点の横断面図、即ち図2(c)に示すものである。また、上から2番目と下から2番目が、ステント10の軸方向中央部分と軸方向端部分との中間部分におけるある地点の横断面図、即ち図2(b)に示すものである。更に、真ん中が、ステント10の軸方向中央部分におけるある地点の横断面図、即ち図2(a)に示すものである。
図3(a)に示されるステント10の留置初期では、ステント10の骨格はほとんど分解されておらず、図3(a)の左側に示されているように、ストラット14の横断面の大きさは初期形状と略同じである。即ち、造影部18は、軸方向の全長に亘って管腔内に遊離することなく、ストラット14内に埋設状態で位置している。従って、かかる時期に造影撮影を行った場合、図3(a)の右側に示されているように、ステント10の全長に亘る造影画像が撮影されることとなる。換言すれば、ステント10の全長に亘る造影画像が撮影される場合には、ステント10の骨格はほとんど分解されていないということが示される。
また、図3(a)に示される留置初期から所定期間経過後の留置中期では、図3(b)に示されるように、ステント10の骨格の外周側がある程度分解される。これにより、図3(b)の左側に示されているように、ストラット14の横断面の大きさが、図3(a)の留置初期に比べて一回り小さくなっている。そして、このように骨格の外周側がある程度分解されることにより、ストラット14の横断面において最も外周側に位置する軸方向中央部分の造影部18が管腔内に遊離する。従って、かかる時期に造影を行った場合、図3(b)の右側に示されているように、ステント10の軸方向中央部分が消失した造影画像が撮影されることとなる。換言すれば、ステント10の軸方向中央部分が消失した造影画像が撮影される場合には、ステント10の骨格がある程度分解されているということが示される。なお、図3(b)の右側において、破線で示す部分が撮影画像において消失して見えない部分である。また、かかる分解により、図3(b)の左側の上から2番目と下から2番目に示されているように、軸方向中央部分と軸方向端部分との中間部分における造影部18が、ストラット14の横断面において外周縁部に位置することとなる。
さらに、図3(b)に示される留置中期から所定期間経過後の留置後期では、図3(c)に示されるように、ステント10の骨格が更に内周側まで分解される。これにより、図3(c)の左側に示されているように、ストラット14の横断面の大きさが、図3(b)の留置中期に比べて一回り小さくされている。そして、このように骨格のかなり内周側まで分解されることにより、ストラット14の横断面において中央に位置する軸方向両端部分の造影部18を除く造影部が管腔内に遊離する。従って、かかる時期に造影を行った場合、図3(c)の右側に示されているように、ステント10の軸方向両端部分以外が消失した造影画像が撮影されることとなる。要するに、ステント10において、軸方向両端部分における造影部18は、ストラット14の横断面において中央に位置していることから、留置後期においても管腔内に遊離せず、かかる残留部位のみが撮影されることとなる。換言すれば、ステント10の軸方向両端部分のみが造影画像として撮影される場合には、ステント10の骨格の大部分が分解されているということが示される。
すなわち、本実施形態のステント10では、軸方向の部位間で造影部18が消失するまでの時間が異ならされており、これにより、造影時に撮影される位置に応じてステント10の分解具合が対応付けられている。それ故、1度の造影撮影における画像において、撮影されたステント10の軸方向の部位を確認することで、容易にステント10の分解具合が把握され得る。
特に、本実施形態では、ステント10の軸方向両端部が最も遅くまで分解されずに残留することから、造影撮影の結果、管腔内のステント10の位置をより確実に把握することができて、医師が中長期的な治療計画を立てることも高い信頼度で実現され得る。
また、本実施形態では、ステント10の骨格の全体に亘って造影部18が形成されていることから、ステント10が安定して撮影されると共に、撮影される軸方向の部位とステントの分解具合との対応付けが一層高精度に達成され得る。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明は上述の解決手段や実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜に修正,改良などを加えた態様で実施され得る。
例えば、前記実施形態では、ストラット14の横断面において、ステント10の軸方向の部位によって造影部18の位置が異ならされており、これによりストラット14の表面20から造影部18までの最短通過距離D1 ,D2 ,D3 が軸方向の部位間で異ならされていたが、かかる態様に限定されるものではない。即ち、図4(a)〜(c)には、本発明の別の態様のステントにおけるストラット22の横断面が示されており、(a)が軸方向中央部分、(b)が軸方向中央部分と軸方向端部分との中間部分、(c)が軸方向端部分を示している。本態様では、例えば、造影部18の位置をステントの軸方向で一定とする(図4(a)〜(c)中ではストラット22の横断面における中央)一方、ストラット22の外径寸法を軸方向で次第に異ならせることにより、ストラット22の表面20から造影部18までの最短通過距離D1 ’,D2 ’,D3 ’(図4(a)〜(c)参照)を軸方向の部位間で次第に異ならせている。
具体的には、軸方向中央部分におけるストラット22の外径寸法を最も小さくすることで、ストラット22の表面20から造影部18までの最短通過距離D1 ’を最も小さくする一方、軸方向端部分におけるストラット22の外径寸法を最も大きくすることで、ストラット22の表面20から造影部18までの最短通過距離D3 ’を最も大きくすることができる。このように、ストラット22の表面20から造影部18までの最短通過距離D1 ’,D2 ’,D3 ’を軸方向の部位間で異ならせることにより、造影部18が管腔内に遊離して消失するまでの時間を軸方向で異ならせることができる。
尤も、ステントの軸方向の部位で造影部が消失するまでの時間を異ならせる手段は、上記の如きストラットの表面から造影部までの最短通過距離を軸方向の部位で異ならせる態様に限定されるものではなく、軸方向中央部分のストラットの材質として分解速度の速い生体吸収性を有する材質を採用する一方、軸方向端部分のストラットの材質として分解速度の遅い生体吸収性を有する材質を採用する等、ステントの軸方向で材質を変更することにより造影部が消失するまでの時間を異ならせてもよい。なお、その際、ストラットの横断面中における造影部の位置は、ステントの軸方向で異ならせてもよいし、異ならせなくてもよい。
また、ストラットの横断面形状は、何等限定されるものではなく、図2等に示されるような角丸矩形状や図4に示されるような円形の他、多角形状等であってもよい。
さらに、ストラットの横断面中における造影部18の断面形状は円形に限定されるものではない。即ち、図5(a),(b)に示されるように、造影部18の断面形状は略矩形状や円弧状等であってもよい。また、図5(c)に示されているように、枠状であってもよい。なお、図5(a)〜(c)は、ステントの軸方向中央部分のある地点におけるストラット14の横断面を示しており、図5(c)のように造影部18の断面が枠状とされる場合には、ステントの軸方向中央部分から軸方向端部分になるにつれて枠の外形寸法が次第に小さくなるようにしてもよい。
更にまた、造影部は、前記実施形態の如く、軸方向両端部分が最も遅くまで残留する態様が好ましいが、例えば軸方向一方の端部から他方の端部に向かって次第に管腔内に遊離して消失する態様や、軸方向中央部分が最も遅くまで残留する態様等、造影部が消失する態様は何等限定されるものではない。なお、如何なる態様であっても、造影部は軸方向で次第に消失する態様だけでなく、軸方向で段階的に消失する態様であってもよい。即ち、例えばステントの軸方向中央部分、軸方向中央部分と端部分との中間部分、軸方向端部分のそれぞれの部位において、それぞれの部位における造影部が異なった所定の位置で連続するように設けられてもよい。
また、ステントの構造は何等限定されるものではなく、前記実施形態の如く、複数の環状部12がリンク部16により軸方向に接続された構造だけでなく、1本の線状体が周方向に螺旋状に延びる構造でもよいし、メッシュ状等であってもよい。
なお、ステントの骨格は、全長に亘って生体吸収性を有する材質で形成される必要はなく、軸方向における複数の位置のそれぞれにおいて一部が生体吸収性を有する材質で形成されて、当該生体吸収性を有する材質で形成される部分に造影部が設けられていればよい。即ち、前記実施形態のように、ステントの全体が3Dプリンターで形成されてもよいが、例えば上記の如き造影部を備え、且つ生体吸収性を有する材質で形成される部分のみが3Dプリンター等で形成されて、レーザーカットや電鋳、エッチング等の従来公知の方法で形成された別体のストラット本体に対して後固着されてもよい。なお、かかるストラット本体は生体吸収性を有する必要はなく、金属や生体吸収性を有さない合成樹脂等により形成されてもよい。尤も、造影部を備え、且つ生体吸収性を有する材質で形成される部分は、ステントの全長、或いは部分的であるに拘らず、3Dプリンターによる製造に限定されるものではない。
また、前記実施形態において、初期状態では、造影部18はストラット14の内部に埋設されていたが、少なくとも一部がストラット表面20に露出していてもよい。
さらに、前記実施形態では、ストラット14の外周部分が全周に亘って均等に分解されている例を示したが、例えばステントの内周側と外周側で分解のされ易さが異なる場合には、造影部が消失するまでの時間、即ちストラット中における造影部の位置等は、上記分解のされ易さを考慮して適宜設定されてもよい。
10:ステント、14,22:ストラット、18:造影部、20:表面

Claims (5)

  1. 骨格が生体吸収性を有していると共に、該骨格に造影性を有する造影部が設けられているステントにおいて、
    前記造影部が消失するまでの時間を軸方向の部位間で異ならせたことを特徴とするステント。
  2. 前記骨格の横断面において、骨格表面から前記造影部を越えるまでの最短通過距離が軸方向の部位間で異ならされている請求項1に記載のステント。
  3. 前記造影部が消失するまでの時間が、軸方向中央部分の部位よりも軸方向外方に位置する部位の方が長くされている請求項1又は2に記載のステント。
  4. 前記骨格の横断面において、骨格表面から前記造影部を越えるまでの最短通過距離が軸方向中央部分の部位よりも軸方向外方に位置する部位の方が大きくされている請求項1〜3の何れか1項に記載のステント。
  5. 前記骨格の全体に亘って前記造影部が形成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のステント。
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