JP2015154887A - ステントデリバリーシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】生体内管腔の蛇行部位および狭窄部位を通過しやすいステントデリバリーシステムを提供する。
【解決手段】ステントデリバリーシステム100は、チューブ状のシャフト部51、および、シャフト部51の先端側の外周に配置される拡張自在のバルーン部52を有するバルーンカテーテル50と、バルーン部52の外周にクリンプされ、バルーン部52の拡張により拡張する線状部材からなるステント1と、を備え、バルーン部52は、凸部および凹部が長さ方向に連続して形成される蛇腹状の形態を有し、バルーン部52が蛇腹状の形態を保持しながら長さ方向に拡張した際に、ステント1は、バルーン部52と共に長さ方向に拡張して、線状部材が疎となることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ステントデリバリーシステム100は、チューブ状のシャフト部51、および、シャフト部51の先端側の外周に配置される拡張自在のバルーン部52を有するバルーンカテーテル50と、バルーン部52の外周にクリンプされ、バルーン部52の拡張により拡張する線状部材からなるステント1と、を備え、バルーン部52は、凸部および凹部が長さ方向に連続して形成される蛇腹状の形態を有し、バルーン部52が蛇腹状の形態を保持しながら長さ方向に拡張した際に、ステント1は、バルーン部52と共に長さ方向に拡張して、線状部材が疎となることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、生体内管腔、特に冠状動脈血管に生じた狭窄部位を拡張する血管再建術に使用されるステントデリバリーシステムに関するものである。
ステントは、生体内管腔の狭窄部位で拡張し、その内腔を確保するために留置される医療器具である。そして、ステントデリバリーシテムは、体外から前記したステントを体内の狭窄部に搬送するシステムであって、一般的には、ステントと、ステントを拡張するためのバルーンを先端部に有するバルーンカテーテルとを備える。
例えば、特許文献1には、一端側および他端側に頂点を有する複数の屈曲部を有する環状体が連結部によって軸方向に複数配列された円筒状のステントが記載されている。そして、特許文献1には、ステントデリバリーシステムとして、チューブ状のシャフト部と、前記シャフト部の先端側の外周に配置される拡張自在のバルーン部と、前記バルーン部を被包するように装着され、かつ前記バルーン部の拡張により拡張する前記ステントと、を備える生体器官拡張器具が記載されている。
しかしながら、従来のステントデリバリーシステムにおいては、円筒状のステントの剛性が高く硬いため、ステントが装着されたバルーンが、生体内管腔、特に冠状動脈血管の蛇行部位および狭窄部位を通過しにくいという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題を解決すべく創案されたもので、その課題は生体内管腔の蛇行部位および狭窄部位を通過しやすいステントデリバリーシステムを提供することにある。
そこで、本発明は、このような問題を解決すべく創案されたもので、その課題は生体内管腔の蛇行部位および狭窄部位を通過しやすいステントデリバリーシステムを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明に係るステントデリバリーシステムは、チューブ状のシャフト部、および、前記シャフト部の先端側の外周に配置される拡張自在のバルーン部を有するバルーンカテーテルと、前記バルーン部の外周にクリンプされ、前記バルーン部の拡張により拡張する線状部材からなるステントと、を備えるステントデリバリーシステムであって、前記バルーン部は、凸部および凹部が長さ方向に連続して形成される蛇腹状の形態を有し、前記バルーン部が蛇腹状の形態を保持しながら長さ方向に拡張した際に、前記ステントは、前記バルーン部と共に長さ方向に拡張して、前記線状部材が疎となることを特徴とする。また、前記ステントデリバリーシステムは、前記バルーン部の複数の凸部および凹部のうち、少なくとも一方の周方向の高さが、隣り合う凸部または凹部同士で異なる高さであることが好ましい。
前記構成によれば、前記バルーン部が蛇腹状の形態を有することによって、生体内管腔の蛇行部位への追従性が向上する。また、バルーン部が低圧によって拡張された際に、蛇腹形状を保持しながら長さ方向に拡張するため、バルーン部の外径が小さいものとなり、生体内管腔の蛇行部位および狭窄部位における通過性が向上する。また、前記ステントが、前記バルーン部が低圧で拡張した際に、前記バルーン部の長さ方向で線状部材が疎となるように拡張するため、前記ステントの剛性が低くなる。その結果、前記ステントがクリンプされた前記バルーン部は、生体内管腔の蛇行部位および狭窄部位における通過性が向上する。さらに、前記バルーン部が高圧によって拡張された際には、前記ステントが前記バルーン部の径方向および長さ方向に拡張する。その結果、前記ステントは塑性変形状態となるため、前記バルーン部が減圧によって縮小された際には、前記ステントは、前記バルーン部に追従せずに、前記バルーン部から脱離する。
本発明に係るステントデリバリーシステムは、前記ステントが、前記線状部材により環状に形成され、前記バルーン部の長さ方向に複数配列されるバンド部と、前記線状部材により形成され、隣り合う前記バンド部同士を連結するリンク部と、を備え、前記リンク部が前記バルーン部の前記凸部にクリンプされていることを特徴とする。
前記構成によれば、前記ステントの前記リンク部が前記バルーン部の前記凸部にクリンプされていることによって、前記バルーン部が低圧で蛇腹形状を保持しながら長さ方向に拡張した際に、前記ステントが、前記バルーン部の長さ方向で線状部材が疎となるように拡張するため、前記ステントの剛性が低くなる。その結果、前記ステントがクリンプされた前記バルーン部は、生体内管腔の蛇行部位および狭窄部位における通過性がさらに向上する。
本発明に係るステントデリバリーシステムによれば、生体内管腔の蛇行部位および狭窄部位を通過しやすいものとなる。また、生体内管腔の内腔を確保すべき拡張狭窄部位(目的部位)においては、ステントが塑性変形領域まで拡張して、目的部位に留置される。
本発明に係るステントデリバリーシステムの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1、図2に示すように、ステントデリバリーシステム100は、バルーンカテーテル50と、バルーンカテーテル50にクリンプされたステント1と、を備える。
なお、本発明において、「先端側」とはステントデリバリーシステムの生体内管腔への挿入端部側を意味し、「基端側」とはステントデリバリーシステムの操作端部側を意味する。
図1、図2に示すように、ステントデリバリーシステム100は、バルーンカテーテル50と、バルーンカテーテル50にクリンプされたステント1と、を備える。
なお、本発明において、「先端側」とはステントデリバリーシステムの生体内管腔への挿入端部側を意味し、「基端側」とはステントデリバリーシステムの操作端部側を意味する。
<バルーンカテーテル>
バルーンカテーテル50は、シャフト部51と、バルーン部52と、を備える。また、バルーンカテーテル50は、従来知られているラピッドエクスチャンジタイプ(RXタイプ)およびオーバーザワイヤタイプ(OTWタイプ)のいずれであってもよい。
バルーンカテーテル50は、シャフト部51と、バルーン部52と、を備える。また、バルーンカテーテル50は、従来知られているラピッドエクスチャンジタイプ(RXタイプ)およびオーバーザワイヤタイプ(OTWタイプ)のいずれであってもよい。
(シャフト部)
RXタイプのバルーンカテーテル50のシャフト部51は、バルーン部52が配置される先端部55と、ガイドワイヤーポート56が形成される基端部57と、基端部57に取り付けられたハブ58と、を有する。また、ハブ58は、拡張ポート59、60を有する。
RXタイプのバルーンカテーテル50のシャフト部51は、バルーン部52が配置される先端部55と、ガイドワイヤーポート56が形成される基端部57と、基端部57に取り付けられたハブ58と、を有する。また、ハブ58は、拡張ポート59、60を有する。
シャフト部51は、チュ−ブ形状を有する二重管からなり、外管61と、外管61の内部に配置された内管62と、からなる。そして、シャフト部51において、外管61の先端側にバルーン部52の基端側が液密に接合され、内管62の先端側にバルーン部52の先端側が液密に接合されている。接合方法については、従来公知の熱融着等の接合方法が用いられる。なお、図示しないが、内管62とバルーン部52の接合は、バルーン部52の先端側の外周に環状の先端チップを嵌合させて、熱融着等で接合してもよい。
シャフト部51において、外管61と内管62との間に形成される空間からなる拡張ルーメン63は、バルーン部52および拡張ポート59に連通しており、バルーン部52を拡張するための加圧流体を導入および排出するために使用される。ここで、加圧流体は、例えば、生理食塩水や血管造影剤等の液体である。また、内管62は、その内部にガイドワイヤーW1を挿通するためのガイドワイヤールーメン64を有する。ガイドワイヤールーメン64は、シャフト部51の先端部55の先端面とガイドワイヤーポート56に連通しており、ガイドワイヤーW1を先端部55の先端面から突出自在にしている。
内管62は、バルーン部内に配置される領域の一部に、蛇腹部65を有することが好ましい。内管62が蛇腹部65を有することによって、後記する蛇行部位の通過の際に、バルーン部52が低圧で長さ方向に拡張されても、バルーン部52の拡張に応じて、内管62も長さ方向に拡張する。その結果、バルーン部52の長さ方向への拡張が内管62によって抑制されることがないため、シャフト部51に接合されたバルーン部52の蛇行部位への追従性が向上する。
内管62は、バルーン部内に配置される領域の外周に、X線不透過材料からなるコイル状マーカー66、66を有していることが好ましい。コイル状マーカー66、66は、バルーン部52にクリンプされたステント1の両端と位置合わせして、内管62の外周にかしめ等の従来公知の固定方法で固定されていることが好ましい。コイル状マーカー66、66を有することによって、X線透視下で、コイル状マーカー66、66の鮮明な造影像が得られるため、シャフト部51の先端部55(バルーン部52およびステント1)の位置を容易に視認(確認)することが可能となる。
OTWタイプのバルーンカテーテル50のシャフト部51においては、ガイドワイヤーポート56がないこと以外は、RXタイプのシャフト部51と同様である。なお、内管62に形成されたガイドワイヤールーメン64は、シャフト部51の先端部55の先端面と、シャフト部51の基端部57に取り付けられたハブ58の拡張ポート60に連通しており、ガイドワイヤーW2を先端部55の先端面から突出自在にしている。
外管61および内管62は、ポリオレフィン、ポリアミドエラストマー等の可撓性を有する合成樹脂材料からなり、内管62は、長さ方向に拡張する柔軟性を有することが好ましい。また、ハブ58は、ポリカーボネイト等の合成樹脂材料またはステンレス鋼等の金属材料からなる。コイル状マーカー66は、プラチナ等の金属またはその合金からなる。
(バルーン部)
図1、図2に示すように、バルーン部52は、シャフト部51の先端側の外周に配置(接合)される拡張自在の略円筒体であって、その外周にはステント1がクリンプされる。また、バルーン部52は、凸部53および凹部54が長さ方向(軸方向)に連続して形成された蛇腹状の形態を有する。ここで、蛇腹状の形態には、図示しないが、凸部53および凹部54に加えて、凸部53と凹部54との間に略円筒体の外径が変化しない平坦部が形成されたものも含むものとする。また、バルーン部52は、略円筒体の長さ方向の全体に蛇腹状の形態を有するものに限定されず、略円筒体の長さ方向の一部に蛇腹状の形態を有するものでもよい。なお、バルーン部52が蛇腹状の形態を有することによって、蛇行部位への追従性が向上する。また、複数の凸部53の周方向の高さは、均一であることに限定されず、隣り合う凸部53が異なる高さであってもよい。さらに、複数の凹部54の周方向の高さも、均一であることに限定されず、隣り合う凹部54が異なる高さであってもよい。例えば、複数の凸部53および凹部54のそれぞれの隣り合う同士が異なる高さであることによって、拡張前のバルーン部52の長さL1(図3(a)参照)を小さくできる。
図1、図2に示すように、バルーン部52は、シャフト部51の先端側の外周に配置(接合)される拡張自在の略円筒体であって、その外周にはステント1がクリンプされる。また、バルーン部52は、凸部53および凹部54が長さ方向(軸方向)に連続して形成された蛇腹状の形態を有する。ここで、蛇腹状の形態には、図示しないが、凸部53および凹部54に加えて、凸部53と凹部54との間に略円筒体の外径が変化しない平坦部が形成されたものも含むものとする。また、バルーン部52は、略円筒体の長さ方向の全体に蛇腹状の形態を有するものに限定されず、略円筒体の長さ方向の一部に蛇腹状の形態を有するものでもよい。なお、バルーン部52が蛇腹状の形態を有することによって、蛇行部位への追従性が向上する。また、複数の凸部53の周方向の高さは、均一であることに限定されず、隣り合う凸部53が異なる高さであってもよい。さらに、複数の凹部54の周方向の高さも、均一であることに限定されず、隣り合う凹部54が異なる高さであってもよい。例えば、複数の凸部53および凹部54のそれぞれの隣り合う同士が異なる高さであることによって、拡張前のバルーン部52の長さL1(図3(a)参照)を小さくできる。
図2では、複数の凸部53および凹部54を同一幅で形成している。しかしながら、図示しないが、複数の凸部53および凹部54を異なる幅で形成してもよい。特に、一部の凸部53および凹部54の幅を他の部分に比べて小さくすることによって、拡張前のバルーン部52の長さL1(図3(a)参照)を小さくできる。それによって、高圧(例えば、10〜20気圧)で拡張した際のバルーン部52の径方向および長さ方向の拡張率が大きくなり(図3(c)参照)、治療部位(目的部位)である拡張狭窄部位の拡張による内腔の確保が確実なものとなる。
ステントデリバリーシステム100の使用において、図3(b)に示すように、バルーン部52は、蛇行部位または狭窄部位を通過する際には加圧流体が低圧(例えば、1〜2気圧)で注入されて、蛇腹形状を保持しながら長さ方向に拡張する。その結果、バルーン部52は、長さL2が拡張前の長さL1(図3(a)参照)よりも長く(L2>L1)、外径D2が拡張前の外径D1(図3(a)参照)よりも小さいものとなる(D2<D1)。これにより、バルーン部52は、蛇行部位および狭窄部位を通過しやすくなる。また、バルーン部52は、加圧が解除されると、図3(a)の状態に戻る。
図3(c)に示すように、バルーン部52は、目的部位である拡張狭窄部位を拡張する際には加圧流体が高圧(例えば、10〜20気圧)で注入されて、径方向および長さ方向に拡張して規定の大きさとなる。ここで、規定の大きさとは、長さが拡張前の長さL1と低圧拡張時の長さL2との間の長さL3(L1<L3<L2)、外径が拡張前および低圧拡張時の外径D1、D2よりも大きい外径D3(D3>D1>D2)である。これにより、目的部位である拡張狭窄部位での内腔確保が確実なものとなる。
図5に示すように、バルーン部52は、外層バルーン部52Aと、外層バルーン部52Aの内部に同軸で形成された内層バルーン部52Bとからなる二層構造のバルーン部であってもよい。
外層バルーン部52Aは、蛇腹状の形態を有する略円筒体で構成され、その先端側がシャフト部51の内管62に液密に接合され、その基端側が外管61に液密に接合されている。内層バルーン部52Bは、蛇腹状の形態を有さない略円筒体で構成され、その先端側が内管62に液密に接合され、その基端側が外管61と内管62の間に形成された中管67に接合されている。
外層バルーン部52Aは、外管61と中管67との間に形成される空間からなる拡張ルーメン63に注入される加圧流体によって、バルーン部52の長さ方向(軸方向)に拡張される。このとき、外層バルーン部52Aのみが、図3(b)に示す大きさ(長さL2、外径D2)に拡張し、内層バルーン部52Bは拡張しない。内層バルーン部52Bは、中管67と内管62との間に形成される空間からなる拡張ルーメン68に注入される加圧流体によって、バルーン部52の径方向および長さ方向(軸方向)に拡張される。このとき、内層バルーン部52Bの拡張によって、外層バルーン部52Aが、図3(c)に示す大きさ(長さL3、外径D3)に内層バルーン部52Bと共に拡張する。
バルーン部52は、ポリオレフィン、ポリアミドエラストマー等の可撓性を有する合成樹脂材料からなり、加圧流体によってバルーン部52が拡張自在となる合成樹脂材料からなる。また、バルーン部52は、拡張前に所定の大きさにバルーン部52が折り畳み自在となる合成樹脂材料からなることが好ましい。なお、バルーン部52を二層構造のバルーン部で構成した際には、外層バルーン部52Aと内層バルーン部52Bとを同一の合成樹脂材料で構成してもよいし、異なる合成樹脂材料で構成してもよい。
(ステント)
図3(a)〜(c)に示すように、ステント1は、バルーン部52の外周にクリンプされ(噛み込み)、バルーン部52の拡張により拡張する線状部材からなる。
図3(a)〜(c)に示すように、ステント1は、バルーン部52の外周にクリンプされ(噛み込み)、バルーン部52の拡張により拡張する線状部材からなる。
具体的には、ステント1は、図3(b)に示すように、バルーン部52に加圧流体が低圧(例えば、1〜2気圧)で注入されて、バルーン部52が蛇腹状の形態を保持しながら長さ方向に拡張した際には、バルーン部52と共に長さ方向に拡張して、線状部材が疎となる。ステント1の線状部材が疎となることによって、ステント1の剛性が低くなり、蛇行部位および狭窄部位での通過性が向上する。ここで、線状部材が疎とは、拡張前の隣り合う線状部材同士の間隔が広くなることを意味し、例えば、線状部材2〜30本/バルーン部52の長さ5〜40mm程度をいう。
ステント1は、バルーン部52の加圧が解除された際には(バルーン部52が減圧された際には)、図3(a)に示すバルーン部拡張前の大きさに戻る。さらに、ステント1は、図3(c)に示すように、バルーン部52に加圧流体が高圧(例えば、10〜20気圧)で注入された際には規定の大きさ(長さSL、外径D3)に拡張する。その後、バルーン部52が減圧されると、図示しないがバルーン部52が収縮し、それによって、ステント1はバルーン部52から脱離して、拡張狭窄部位に留置される。すなわち、ステント1は、規定の大きさ以下では弾性変形し、規定の大きさに達すると塑性変形する。これによって、拡張狭窄部位の内腔確保が確実なものとなる。
ステント1は、バルーン部52の拡張に対する追従性を向上させる、すなわち、その大きさをバルーン部52の拡張に応じて変形可能にするために、以下のような構成を備えることが好ましい。
ステント1は、バンド部2と、リンク部3と、を備え、リンク部3がバルーン部52の凸部53にクリンプされている。リンク部3が凸部53をクリンプしていることによって、バルーン部52の拡張に対するステント1の追従性が向上する。また、バンド部2がバルーン部52の凹部54にクリンプしている(噛み込んでいる)ことが好ましいが、凹部54にマウント(載置)されているだけでもよい。
ステント1は、バンド部2と、リンク部3と、を備え、リンク部3がバルーン部52の凸部53にクリンプされている。リンク部3が凸部53をクリンプしていることによって、バルーン部52の拡張に対するステント1の追従性が向上する。また、バンド部2がバルーン部52の凹部54にクリンプしている(噛み込んでいる)ことが好ましいが、凹部54にマウント(載置)されているだけでもよい。
バンド部2は、バルーン部52の長さ方向(軸方向)に複数配列され、線状部材により環状に形成された部分である。なお、図3(a)では、バンド部2は、バルーン部52の各凹部54にクリンプされているが、1つ以上の凹部54ごとにクリンプされていてもよい。図3(a)〜(c)では、ステント1のバンド部2やリンク部3を模式的に単純な線で示したが、図4(a)、(b)に示すように伸縮に適した連続した湾曲線(屈曲線)からなる帯としてもよい。
バンド部2は、図4に示すように、ステント1の長さ方向(軸方向)の一端側(基端側)に屈曲する第1屈曲部4と、ステント1の長さ方向(軸方向)の他端側(先端側)に屈曲する第2屈曲部5を有することが好ましい。これにより、バルーン部52の拡張に対するステント1の追従性がさらに向上する。
バンド部2は、図4においては第1屈曲部4と第2屈曲部5が連続して形成された形態を示したが、このような形態に限定されない。例えば、バンド部2は、図示しないが、第1屈曲部4のみが形成された形態、第2屈曲部5のみが形成された形態、複数の第1屈曲部4ごとに第2屈曲部5が形成された形態、複数の第2屈曲部5ごとに第1屈曲部4が形成された形態等であってもよい。なお、第1屈曲部4および第2屈曲部5の屈曲形状は、図4に示す形状に限定されず、例えば、矩形状の屈曲形状であってもよい。
リンク部3は、線状部材により形成され、隣り合うバンド部2同士を連結する部分である。また、リンク部3は、隣り合うバンド部2の間に複数設けられていてもよい。さらに、リンク部3は、図4(b)に示すように、バンド部2の周方向に屈曲する屈曲部を有してもよい。これにより、バルーン部52の拡張に対するステント1の追従性がさらに向上する。
ステント1は、前記したバンド部2とリンク部3とを備えるものに限定されず、バルーン部52が蛇腹状の形態を保持しながら長さ方向(軸方向)に拡張した際に、バルーン部52と共に長さ方向に拡張して、線状部材が疎となるものであればよい。例えば、ステント1は、図示しないが、螺旋構造を有する螺旋状ステントであってもよい。螺旋状ステントでは、螺旋部の線状部材でバルーン部52の凸部53がクリンプされるため、バルーン部52の長さ方向(軸方向)への拡張に応じて、線状部材が疎となるようにステントが拡張する。
ステント1を構成する線状部材は、SUS(ステンレス鋼)や、コバルト−クロム合金やニッケル−チタン合金等の生体適合性を有する金属材料からなる。また、ステント1は、最終形状に作製された後に、化学研磨等で線状部材の面取りを行うことが好ましい。これにより、バルーン部52の拡張時にステント1によってバルーン部52を傷つける恐れがなくなる。さらに、ステント1は、最終形状に作製された後に、不活性ガス雰囲気下で焼きなましを行うことが好ましい。これにより、屈曲した拡張狭窄部位でステント1を拡張した時に発現する直線状に復帰しようとする力が減少し、屈曲した拡張狭窄部位の再狭窄の要因を減少させることができる。また、ステント1は、金属材料だけでなく、ポリ乳酸などの生分解性材料であってもよい。なお、ステント1は、バルーン部52との段差が限りなく少なくなるようにバルーン部52の外周にクリンプされることが好ましい。これにより、ステント1がクリンプされたバルーン部52のプロファイルが低減し、ステントデリバリーシステム100が生体内管腔内を通過する際に、管腔(例えば、血管)を損傷させるリスクを少なくすることができると共に、細い管腔(例えば、血管)における通過性が向上する。
つぎに、本発明のステントデリバリーシステムの使用方法について、冠状動脈血管に生じた狭窄部位(拡張狭窄部位)を拡張する血管再建術に使用される場合を例にとって説明する。本発明のステントデリバリーシステムは、以下の(1)〜(9)の手順で使用される。なお、ステントデリバリーシステムの各構成は、図面を参照して説明する。また、バルーンカテーテルはRXタイプを使用する。
(1)従来公知の経皮的冠状動脈形成術の手順で、目的部位となる冠状動脈血管の拡張狭窄部位にガイドワイヤーW1をX線透視下で位置決めする。
(2)位置決めされたガイドワイヤーW1に沿って、ステントデリバリーシステム100を図3(a)の状態で冠状動脈血管内に挿入する。
(3)X線透視下でステントデリバリーシステム100の位置を確認し、蛇行部位または狭窄部位に達したことが確認された場合には、インデフレーターを用いて血管造影剤を、拡張ポート59から拡張ルーメン63を通してバルーン部52内に1〜2気圧で注入する。
(2)位置決めされたガイドワイヤーW1に沿って、ステントデリバリーシステム100を図3(a)の状態で冠状動脈血管内に挿入する。
(3)X線透視下でステントデリバリーシステム100の位置を確認し、蛇行部位または狭窄部位に達したことが確認された場合には、インデフレーターを用いて血管造影剤を、拡張ポート59から拡張ルーメン63を通してバルーン部52内に1〜2気圧で注入する。
(4)血管造影剤の注入によって、バルーン部52が長さ方向(軸方向)に拡張して図3(b)の状態であることを確認後、ステントデリバリーシステム100を進めて、蛇行部位または狭窄部位を通過させる。
(5)蛇行部位または狭窄部位を通過したことを確認後、インデフレーターを用いて血管造影剤を拡張ポート59から排出してバルーン部52内を減圧する。そして、ステントデリバリーシステム100を図3(a)の状態に戻す。
(6)ステントデリバリーシステム100を、さらに進めて、目的部位である拡張狭窄部位に位置決めする。
(5)蛇行部位または狭窄部位を通過したことを確認後、インデフレーターを用いて血管造影剤を拡張ポート59から排出してバルーン部52内を減圧する。そして、ステントデリバリーシステム100を図3(a)の状態に戻す。
(6)ステントデリバリーシステム100を、さらに進めて、目的部位である拡張狭窄部位に位置決めする。
(7)位置決めされたことが確認されたら、インデフレーターを用いて血管造影剤を、拡張ポート59から拡張ルーメン63を通してバルーン部52に10〜20気圧で注入する。
(8)血管造影剤の注入によって、バルーン部52が径方向および長さ方向に拡張して図3(c)の状態であることを確認後、インデフレーターを用いて血管造影剤を拡張ポート59から排出してバルーン部52を収縮させる。これによって、塑性変形したステント1が拡張狭窄部位に留置され、拡張狭窄部位での内腔が確保される。
(9)その後、冠状動脈血管内からバルーンカテーテル50およびガイドワイヤーW1を抜き取って、手技を終了する。
(8)血管造影剤の注入によって、バルーン部52が径方向および長さ方向に拡張して図3(c)の状態であることを確認後、インデフレーターを用いて血管造影剤を拡張ポート59から排出してバルーン部52を収縮させる。これによって、塑性変形したステント1が拡張狭窄部位に留置され、拡張狭窄部位での内腔が確保される。
(9)その後、冠状動脈血管内からバルーンカテーテル50およびガイドワイヤーW1を抜き取って、手技を終了する。
1 ステント
2 バンド部
3 リンク部
50 バルーンカテーテル
51 シャフト部
52 バルーン部
53 凸部
54 凹部
100 ステントデリバリーシステム
2 バンド部
3 リンク部
50 バルーンカテーテル
51 シャフト部
52 バルーン部
53 凸部
54 凹部
100 ステントデリバリーシステム
Claims (3)
- チューブ状のシャフト部、および、前記シャフト部の先端側の外周に配置される拡張自在のバルーン部を有するバルーンカテーテルと、前記バルーン部の外周にクリンプされ、前記バルーン部の拡張により拡張する線状部材からなるステントと、を備えるステントデリバリーシステムであって、
前記バルーン部は、凸部および凹部が長さ方向に連続して形成される蛇腹状の形態を有し、
前記バルーン部が蛇腹状の形態を保持しながら長さ方向に拡張した際に、前記ステントは、前記バルーン部と共に長さ方向に拡張して、前記線状部材が疎となることを特徴とするステントデリバリーシステム。 - 前記ステントが、前記線状部材により環状に形成され、前記バルーン部の長さ方向に複数配列されるバンド部と、前記線状部材により形成され、隣り合う前記バンド部同士を連結するリンク部と、を備え、
前記リンク部が前記バルーン部の前記凸部にクリンプされていることを特徴とする請求項1に記載のステントデリバリーシステム。 - 前記バルーン部の複数の凸部および凹部のうち、少なくとも一方の周方向の高さは、隣り合う凸部または凹部同士が異なる高さであることを特徴とする請求項1に記載のステントデリバリーシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014031475A JP2015154887A (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | ステントデリバリーシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014031475A JP2015154887A (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | ステントデリバリーシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015154887A true JP2015154887A (ja) | 2015-08-27 |
Family
ID=54774627
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014031475A Pending JP2015154887A (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | ステントデリバリーシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015154887A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109340250A (zh) * | 2018-12-27 | 2019-02-15 | 江苏美标环保机械有限公司 | 波纹管滑动轴承 |
CN115364343A (zh) * | 2022-08-25 | 2022-11-22 | 中国人民解放军空军军医大学 | 一种烧伤科用导尿装置及监测系统 |
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2014
- 2014-02-21 JP JP2014031475A patent/JP2015154887A/ja active Pending
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CN109340250A (zh) * | 2018-12-27 | 2019-02-15 | 江苏美标环保机械有限公司 | 波纹管滑动轴承 |
CN115364343A (zh) * | 2022-08-25 | 2022-11-22 | 中国人民解放军空军军医大学 | 一种烧伤科用导尿装置及监测系统 |
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