JP6350457B2 - 車両のニュートラル制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のニュートラル制御装置に関する。
自動車等の車両において、エンジンの出力軸に連結されたトルクコンバータと、トルクコンバータの出力側に連結されるとともにクラッチ及びブレーキ等の複数の摩擦締結要素を備えた変速機構とを有し、複数の摩擦締結要素を選択的に締結して減速比の異なる複数の変速段を達成する自動変速機を搭載したものが一般に知られている。
自動変速機が搭載された車両では、前進走行レンジ(Dレンジ)が選択された状態でアクセルペダルの踏込み解除操作が行われてからブレーキペダルの踏込み操作が行われ、前進走行レンジで停車する場合、通常はエンジンがアイドリング状態で回転したまま停車する。
エンジンが回転したまま停車すると、変速機構の入力軸に連結されたトルクコンバータの出力側が停止した状態で、エンジンの出力軸に連結されたトルクコンバータの入力側が回転することとなるので、トルクコンバータ内ですべり状態が生じ、トルクコンバータ内に充満する流体の粘性抵抗によってエンジンに負荷がかかり燃費が悪化することとなる。
これに対し、前進走行レンジで停車する時に、変速機構に備えられた発進時に1速の変速段で締結される少なくとも1つの摩擦締結要素をスリップ状態又は解放状態にして自動的に変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御を行うことで、エンジンにかかる負荷を軽減して燃費を向上させることが知られている。
前進走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両では、ブレーキペダルの踏込み解除操作が行われてからアクセルペダルの踏込み操作が行われて発進する際、ブレーキペダルの踏込み解除操作と同時にニュートラル制御を終了して停車時にスリップ状態又は解放状態にされた摩擦締結要素の締結制御を開始すれば、アクセルペダルの踏込み操作が行われるまでに摩擦締結要素の締結を完了させることができるので、アクセルペダルの踏込み操作と同時に発進することができ、良好な発進応答性が得られる。
一方、停車後にブレーキペダルの非踏込み状態で車両のブレーキ力を保持するブレーキホールド制御機能を備えた車両が知られている。このブレーキホールド制御では、アクセルペダルの踏込み操作が行われたときなどに車両のブレーキ力の保持を解除することが行われる。
そして、前進走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行うようにしたものも知られており、例えば特許文献1には、ニュートラル制御とブレーキホールド制御とを並行して行う車両が開示されている。
前記特許文献1に記載された車両では、停車時にニュートラル制御とブレーキホールド制御とが行われている状況で、アクセルペダルの踏込み操作が行われてニュートラル制御とブレーキホールド制御とを終了して発進する際に、アクセルペダルの踏込み操作量に関係なくスロットル弁を緩やかに開いてエンジンの出力トルクを緩やかに増加させることで、ニュートラル制御の終了時における摩擦締結要素の締結によるショックを抑制するようになっている。
特開2008−126933号公報
このように走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行う場合、ニュートラル制御のみを行う場合のようにブレーキペダルの踏込み解除操作をもってニュートラル制御を終了すると、ブレーキホールド制御によって停車している間はニュートラル制御による燃費向上効果が得られないこととなる。
一方、ブレーキペダルの踏込み解除操作後もニュートラル制御を継続し、アクセルペダルの踏込み操作が行われたときにブレーキホールド制御を終了すると共に、ニュートラル制御を終了してスリップ状態にされた発進時に締結される所定摩擦締結要素の締結制御を開始すると、所定摩擦締結要素が締結されるまで発進することができずに発進性の悪化を引き起こすこととなる。
図6に示すように、走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行う場合、時刻t1で車速がゼロとなって走行レンジで停車する時に、その停車時及び発進時に締結される変速機構の所定摩擦締結要素に供給されている油圧を低下させて締結状態からスリップ状態にするニュートラル制御が行われる。そして、時刻t2でブレーキペダルの踏込み解除操作が行われて非踏込み状態にされるとブレーキホールド制御が行われる。
その後に、時刻t3でアクセルペダルの踏込み操作が行われて発進する際に、ブレーキホールド制御を終了すると共に、ニュートラル制御を終了してスリップ状態にされた発進時に締結される所定摩擦締結要素の締結制御を開始すると、所定摩擦締結要素に供給される油圧は徐々に上昇して油圧の供給が完了するまでに応答遅れT1が生じ、時刻t4で所定摩擦締結要素への油圧の供給が完了して所定摩擦締結要素が締結されると発進することとなる。
このように、アクセルペダルの踏込み操作が行われて発進する際に、ニュートラル制御によってスリップ状態にされた所定摩擦締結要素が締結されるまで発進することができないので、アクセルペダルの踏込み操作が行われてから発進するまでに時間がかかり、発進性の悪化を引き起こすこととなる。すなわち、ニュートラル制御とブレーキホールド制御とを行う車両の場合、停車時にニュートラル制御を発進直前まで行って燃費性能を向上させようとすると、発進性が悪化することとなる。
これに対して、自車両の発進を予測する手段を備えて発進することが予測されたときにニュートラル制御を終了することが考えられる。例えば信号機が赤信号で停車しているときに青信号に変化したことや先行車両の後方に停車しているときに先行車両が発進したことなどから自車両の発進を予測してニュートラル制御を終了することが考えられる。
これによれば、発進直前までニュートラル制御を実行して燃費向上効果を実現しながら、アクセルペダルの踏込み操作が行われる発進操作の開始前にニュートラル制御を終了して摩擦締結要素を締結させることが可能となって摩擦締結要素の締結遅れによる発進性の悪化が回避されるが、自車両の発進を予測するためには信号機の情報や先行車両の情報などを検出するカメラやレーダーなどの検出装置が必要であることからコストアップすることとなる。
そこで、本発明は、走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行う場合に、コストアップさせることなく、ニュートラル制御による燃費向上の効果を極力維持しつつ、発進性の悪化を抑制することができる車両のニュートラル制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項に記載の発明は、走行レンジでの停車時及び発進時に締結される所定摩擦締結要素を備えた変速機構を有する自動変速機と、前記走行レンジでの停車時に前記所定摩擦締結要素を所定締結度合い以下にして前記変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御手段と、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ力を保持するブレーキホールド制御手段とを備えた車両のニュートラル制御装置であって、前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合、前記操作速度が所定速度未満である場合に比べて、前記ニュートラル制御手段によって前記所定締結度合い以下にされた前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させる復帰促進制御手段、及び、前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合にブレーキペダルの踏込み解除操作がされてからアクセルペダルの踏込み操作がされるまでの期間が所定期間以上であるときは、次回以降の前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合に、前記復帰促進制御手段による前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰促進を抑制する復帰抑制制御手段を備えていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、前記請求項に記載の車両のニュートラル制御装置において、前記復帰抑制制御手段は、前記復帰促進制御手段による前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰の開始を遅延させることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、前記請求項に記載の車両のニュートラル制御装置において、前記復帰抑制制御手段は、前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合にブレーキペダルの踏込み解除操作がされてからアクセルペダルの踏込み操作がされるまでの期間が所定期間以上であるときは、前記ブレーキペダルの踏込み解除操作がされてからアクセルペダルの踏込み操作がされるまでの期間に応じて、前記復帰促進制御手段による前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間を変更することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、走行レンジでの停車時及び発進時に締結される所定摩擦締結要素を備えた変速機構を有する自動変速機と、前記走行レンジでの停車時に前記所定摩擦締結要素を所定締結度合い以下にして前記変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御手段と、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ力を保持するブレーキホールド制御手段とを備えた車両のニュートラル制御装置であって、前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合、前記操作速度が所定速度未満である場合に比べて、前記ニュートラル制御手段によって前記所定締結度合い以下にされた前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させる復帰促進制御手段を備え、前記復帰促進制御手段は、前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度未満である場合、次回の前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上であるときは、前記操作速度が所定速度未満である場合に比べて、前記ニュートラル制御手段によって前記所定締結度合い以下にされた前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させ、前記ブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときに前記ニュートラル制御手段によって前記所定締結度合い以下にされた前記所定摩擦締結要素を締結状態へ復帰させ、前記ブレーキペダルの踏込み解除操作と同時に前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を開始させることを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、走行レンジでの停車時に、その停車時及び発進時に締結される所定摩擦締結要素を所定締結度合い以下にして変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御を行うと共に、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ力を保持するブレーキホールド制御を行う。
そして、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合、前記操作速度が所定速度未満である場合に比べて、ニュートラル制御によって所定締結度合い以下にされた所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させる復帰促進制御を行う。
これにより、即発進の意図がある運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きいと考えられることから、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上の場合にニュートラル制御によって所定締結度合い以下にされた発進時に締結される所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させることで、即発進の意図がある運転者によってブレーキペダルの踏込み解除操作後にアクセルペダルの踏込み操作が行われたときに良好な発進応答性を得ることができる。
ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度から発進操作を予測して発進時に締結される所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させることで、走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行う場合に、コストアップさせることなく、ニュートラル制御による燃費向上の効果を極力維持しつつ、発進性の悪化を抑制することができる。
また、走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合にアクセルペダルの踏込み操作までの期間が所定期間以上であるときは、次回以降の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合に、復帰促進制御による所定摩擦締結要素の締結状態への復帰促進を抑制する復帰抑制制御を行う。
これにより、即発進の意図がないがブレーキホールド制御に慣れている運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きく、その直後に発進操作を行わないと考えられることから、次回以降のブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合に、復帰促進制御による所定摩擦締結要素の締結状態への復帰促進を抑制することで、即発進の意図がないがブレーキホールド制御に慣れている運転者によってブレーキペダルの踏込み解除操作後にアクセルペダルの踏込み操作が行われたときに燃費の悪化を抑制しつつ発進性の悪化を抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
また、請求項に記載の発明によれば、復帰抑制制御は、復帰促進制御による所定摩擦締結要素の締結状態への復帰の開始を遅延させることにより、前記効果を具体的に実現することができる。
また、請求項に記載の発明によれば、復帰抑制制御は、ブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間に応じて、復帰促進制御による所定摩擦締結要素の締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間を変更することにより、ブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間から発進操作を予測して所定摩擦締結要素の締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間を調整することができ、燃費の悪化と発進性の悪化とをより有効に抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
また、請求項に記載の発明によれば、請求項1に係る発明と同様、走行レンジでの停車時に、その停車時及び発進時に締結される所定摩擦締結要素を所定締結度合い以下にして変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御を行うと共に、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ力を保持するブレーキホールド制御を行う。
そして、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合、前記操作速度が所定速度未満である場合に比べて、ニュートラル制御によって所定締結度合い以下にされた所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させる復帰促進制御を行う。
これにより、即発進の意図がある運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きいと考えられることから、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上の場合にニュートラル制御によって所定締結度合い以下にされた発進時に締結される所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させることで、即発進の意図がある運転者によってブレーキペダルの踏込み解除操作後にアクセルペダルの踏込み操作が行われたときに良好な発進応答性を得ることができる。
ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度から発進操作を予測して発進時に締結される所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させることで、走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行う場合に、コストアップさせることなく、ニュートラル制御による燃費向上の効果を極力維持しつつ、発進性の悪化を抑制することができる。
また、復帰促進制御は、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度未満である場合、次回のブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上であるときは、前記操作速度が所定速度未満である場合に比べて、ニュートラル制御によって所定締結度合い以下にされた所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させ、ブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときにニュートラル制御によって所定締結度合い以下にされた所定摩擦締結要素を締結状態へ復帰させ、ブレーキペダルの踏込み解除操作と同時に所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を開始させる
これにより、ブレーキホールド制御に慣れていない運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が小さく、即発進の意図がある運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きいと考えられることから、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度未満である場合に次回のブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上であるときは直ぐに所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させることで、ブレーキホールド制御に慣れていないが即発進の意図がある運転者によってブレーキペダルの踏込み解除操作後にアクセルペダルの踏込み操作が行われたときに良好な発進応答性を得ることができ、前記効果を有効に得ることができる。
本発明の実施形態に係る車両のニュートラル制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る車両の停車時における第1の制御を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態に係る車両の停車時における第2の制御を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態に係る車両の停車時における第3の制御を説明するためのタイムチャートである。 ブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間とLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間との関係を示すグラフである。 従来の車両の停車時における制御を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本願発明者等は、走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行う場合に、コストアップさせることなく、ニュートラル制御による燃費向上の効果を極力維持しつつ、発進性の悪化を抑制するために、ブレーキペダルの踏込み解除速度が、その直後における発進操作の有無やブレーキホールド制御機能の習熟度に関連することに着目した。
具体的には、停車後に車両のブレーキ力を保持するブレーキホールド制御機能を備えた車両において、即発進の意図がある運転者はブレーキホールド制御に慣れている場合でもブレーキホールド制御に慣れていない場合でもブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きく、即発進の意図がないがブレーキホールド制御に慣れている運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きく、即発進の意図がなくブレーキホールド制御に慣れていない運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が小さいと考えられることに着目した。
そこで、ブレーキペダルの踏込み解除速度と、その直後における発進操作の有無やブレーキホールド制御機能の習熟度との関連に着目することで、走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行う場合に、コストアップさせることなく、ニュートラル制御による燃費向上の効果を極力維持しつつ、発進性の悪化を抑制することができると考えられる。
図1は、本発明の実施形態に係る車両のニュートラル制御装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る車両のニュートラル制御装置1は、エンジン11と、エンジン11の出力軸に連結されたトルクコンバータと該トルクコンバータの出力軸に連結されてトルクコンバータからの動力が入力される変速機構とを有する自動変速機12と、ブレーキペダルの踏込み操作に応じて車両のブレーキ力を発生させるブレーキ装置13とを備えている。
自動変速機12の変速機構は、トルクコンバータの出力軸に連結される入力軸と、該入力軸の軸線上に配設された複数のプラネタリギヤセットとクラッチやブレーキなどの複数の摩擦締結要素とを有すると共に、該変速機構からの動力を駆動輪(図示せず)側へ出力する出力ギヤを有している。
自動変速機12は、これに限定されるものではないが、複数のプラネタリギヤセットとして3つのプラネタリギヤセットを有し、複数の摩擦締結要素としてロークラッチ、ハイクラッチ、LRブレーキ、26ブレーキ及びR35ブレーキを有し、ロークラッチは、1速、2速、3速及び4速で締結され、ハイクラッチは、4速、5速及び6速で締結され、LRブレーキは、1速及び後退速で締結され、26ブレーキは、2速及び6速で締結され、R35ブレーキは、3速、5速及び後退速で締結されるようになっている。
自動変速機12の摩擦締結要素はそれぞれ、該摩擦締結要素に供給される油圧に応じて解放状態から締結状態まで締結度合いが制御されるようになっている。後述するニュートラル制御では、走行レンジでの停車時及び発進時に締結される1つの摩擦締結要素が所定締結度合い以下に制御され、具体的にはトルクを伝達しない第1締結度合いであるスリップ状態に制御される。
ブレーキ装置13は、ブレーキペダルの踏込み操作に応じて所定のブレーキ圧が供給されて車両のブレーキ力を発生させるようになっている。ブレーキ装置13はまた、後述するブレーキホールド制御によって停車時にブレーキペダルの非踏込み状態で車両のブレーキ力を保持するようになっている。
車両のニュートラル制御装置1はまた、運転者の操作により選択されたシフトレバーのレンジを検出するレンジセンサ21、運転者によるアクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルペダルセンサ22、運転者によるブレーキペダルの踏込み量を検出するブレーキペダルセンサ23、車両の速度を検出する車速センサ24などを備えている。
車両のニュートラル制御装置1はまた、エンジン11、自動変速機12及びブレーキ装置13などを制御するコントロールユニット30を備えており、コントロールユニット30には、レンジセンサ21、アクセルペダルセンサ22、ブレーキペダルセンサ23及び車速センサ24などからの信号が入力されるようになっている。
そして、コントロールユニット30は、これらの信号に基づいて、エンジン11の制御、具体的にはスロットル弁及び燃料噴射弁などの制御、自動変速機12の制御、具体的には摩擦締結要素に供給する油圧などの制御、ブレーキ装置13の制御、具体的にはブレーキ圧などの制御などを行うようになっている。なお、コントロールユニット30は、マイクロコンピュータを主要部として構成されている。
コントロールユニット30は、アクセルペダルセンサ22によって検出されるアクセルペダルの踏込み量に基づいてアクセルペダルの踏込み操作や踏込み解除操作の操作速度を算出すると共に、ブレーキペダルセンサ23によって検出されるブレーキペダルの踏込み量に基づいてブレーキペダルの踏込み操作や踏込み解除操作の操作速度を算出するようになっている。
本実施形態では、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合をブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きい場合とし、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合をブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が小さい場合として制御する。
コントロールユニット30は、前進走行レンジでの停車時に、具体的には前進走行レンジにおける1速の変速段での停車時に、1速の変速段で締結されるLRブレーキ及びロークラッチのうちロークラッチを締結状態に維持したままLRブレーキに供給する油圧を低下させて所定締結度合い以下の第1締結度合いであるスリップ状態にして自動変速機12の変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御を行う。
コントロールユニット30はまた、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ装置13に供給するブレーキ圧を保持して車両のブレーキ力を保持するブレーキホールド制御を行う。コントロールユニット30はまた、アクセルペダルの踏込み操作が行われたときにブレーキホールド制御を終了してブレーキ装置13による車両のブレーキ力を解放するように制御する。
コントロールユニット30はまた、走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合、ブレーキペダルの踏込み解除操作が行われたときにニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキに供給される油圧を維持し、アクセルペダルの踏込み操作が行われたときに、ブレーキホールド制御を終了してブレーキ装置による車両のブレーキ力を解放するように制御すると共に、ニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキに供給される油圧を高めてLRブレーキを締結状態へ復帰させるように制御する。
一方、コントロールユニット30は、走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合、前記操作速度が所定速度α未満である場合に比べて、ブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときにニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキを締結状態に復帰させることによりニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキの締結状態への復帰を促進させる復帰促進制御を行う。
コントロールユニット30はまた、走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合にブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間が所定期間以上であるときは、次回の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合に、復帰促進制御によるLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させることにより復帰促進制御によるLRブレーキの締結状態への復帰促進を抑制する復帰抑制制御を行う。
コントロールユニット30はまた、復帰抑制制御を行うときに、ブレーキペダルの踏込み解除操作がされてからアクセルペダルの踏込み操作までの期間が所定期間以上であるときは、ブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間に応じて、復帰促進制御によるLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間を変更する。
コントロールユニット30はまた、走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合、次回の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上であるときは、ブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときにニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキを締結状態へ復帰させる復帰促進制御を行う。
図2は、本発明の実施形態に係る車両の停車時における第1の制御を説明するためのタイムチャートである。図2では、LRブレーキを発進締結所定摩擦締結要素として示し、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合についてブレーキペダルの踏込み状態(ON状態)から非踏込み状態(OFF状態)への移行を模式的に傾斜させて示している。
図2に示すように、コントロールユニット30は、前進走行レンジにおける走行中にアクセルペダルの非踏込み状態でブレーキペダルの踏込み操作がされ、時刻t11で車速がゼロとなって前進走行レンジで停車する時に、LRブレーキに供給する油圧を低下させて締結状態からスリップ状態にして自動変速機12の変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御を行う。
次に、時刻t12でブレーキペダルの踏込み解除操作がされると、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ装置13に供給するブレーキ圧を保持して車両のブレーキ力を保持するブレーキホールド制御を行う。
また、時刻t12でブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときに、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合、ニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキに供給される油圧を維持するように制御する。
その後に、時刻t13でアクセルペダルの踏込み操作が行われて発進する場合、ブレーキホールド制御を終了してブレーキ装置13に供給するブレーキ圧を排出してブレーキ装置13によるブレーキ力を解放するように制御すると共に、ニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキに供給される油圧を高めてLRブレーキを締結状態へ復帰させるように制御する。そして、時刻t14で、LRブレーキへの油圧の供給が完了してLRブレーキが締結されると発進することとなる。
前記第1の制御では、走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満でブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が小さいことから、運転者は即発進の意図がなくブレーキホールド制御に慣れていないものとして制御する。
図3は、本発明の実施形態に係る車両の停車時における第2の制御を説明するためのタイムチャートである。図3及び後述する図4では、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合について示している。
図3に示すように、コントロールユニット30は、前記第1の制御と同様に、時刻t21で、前進走行レンジで停車する時に、LRブレーキに供給する油圧を低下させて締結状態からスリップ状態にして自動変速機12の変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御を行う。
次に、時刻t22でブレーキペダルの踏込み解除操作がされると、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ装置13に供給するブレーキ圧を保持して車両のブレーキ力を保持するブレーキホールド制御を行う。
また、時刻t22でブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときにブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合に比べて、ニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキの締結状態への復帰を促進させる復帰促進制御を行う。コントロールユニット30は、ブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときにニュートラル制御を終了して、ニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキに供給される油圧を高めてLRブレーキを締結状態へ復帰させるように制御する。
その後に、時刻t23でアクセルペダルの踏込み操作が行われて発進する場合、ブレーキホールド制御を終了してブレーキ装置13によるブレーキ力を解放するように制御する。このとき、ニュートラル制御によってスリップ状態にしたLRブレーキを締結状態へ復帰させていることから、アクセルペダルの踏込み操作が行われたときに応答性良く発進させることができる。
前記第2の制御では、走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上でブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きいことから、運転者は即発進の意図があるものとして制御する。
前記第2の制御では、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度から発進操作を予測して発進時に締結されるLRブレーキの締結状態への復帰を促進させることで、走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行う場合に、コストアップさせることなく、ニュートラル制御による燃費向上の効果を極力維持しつつ、発進性の悪化を抑制することができる。
図4は、本発明の実施形態に係る車両の停車時における第3の制御を説明するためのタイムチャートである。コントロールユニット30は、前記第2の制御を行ったときにブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間T2が所定期間以上であるときは、図4に示すように、次回の前進走行レンジで停車する時に、時刻t31で、LRブレーキに供給する油圧を低下させて締結状態からスリップ状態にして自動変速機12の変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御を行う。
次に、時刻t32でブレーキペダルの踏込み解除操作がされると、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ装置13に供給するブレーキ圧を保持して車両のブレーキ力を保持するブレーキホールド制御を行う。
また、時刻t32でブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときにブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合に比べて、ニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキの締結状態への復帰を促進させる復帰促進制御を行う。
コントロールユニット30はまた、前記第2の制御を行ったときにブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間T2が所定期間以上であるときは、次回の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合、復帰促進制御によるLRブレーキの締結状態への復帰促進を抑制する復帰抑制制御を行う。
コントロールユニット30は、ニュートラル制御を終了してニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキに供給される油圧を高めてLRブレーキを締結状態へ復帰させる復帰の開始を遅延させ、ブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間T2に応じて、復帰促進制御によるLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間T3を変更する。
図5は、ブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間とLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間との関係を示すグラフである。コントロールユニット30には、図5に示すブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間T2とLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間T3との関係が予め設定されて記憶されている。
LRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間T3は、所定期間Tsまではゼロとなるように設定され、所定期間Ts以上であるときはブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間T2が長くなるにつれて長くなるように設定されている。前記所定期間Tsとしては、例えば30秒などの所定期間が設定される。
そして、ブレーキペダルの踏込み解除操作がされた時刻t32からLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間T3が経過した時刻t33に、ニュートラル制御を終了して、ニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキに供給される油圧を高めてLRブレーキを締結状態へ復帰させるように制御する。
その後に、時刻t34でアクセルペダルの踏込み操作が行われて発進する場合、ブレーキホールド制御を終了してブレーキ装置13によるブレーキ力を解放するように制御する。このとき、ニュートラル制御によってスリップ状態にしたLRブレーキを締結状態へ復帰させていることから、アクセルペダルの踏込み操作が行われたときに応答性良く発進させることができる。
なお、前記第3の制御では、ブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときにニュートラル制御を終了する場合についてブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間T2が所定期間Ts以上であるときは次回の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合に復帰抑制制御を行っているが、復帰抑制制御を行っている場合についても同様にブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間が所定期間Ts以上であるときは次回の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合には復帰抑制制御を行う。
前記第3の制御では、走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上であると共にアクセルペダルの踏込み操作がされるまでの期間が所定期間Ts以上であり、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きく且つその直後に発進操作がないことから、運転者は即発進の意図がないがブレーキホールド制御に慣れているものとして制御する。
前記第3の制御では、即発進の意図がないがブレーキホールド制御に慣れている運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きく、その直後に発進操作を行わないと考えられることから、次回以降のブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合に、復帰促進制御によるLRブレーキの締結状態への復帰促進を抑制することで、即発進の意図がないがブレーキホールド制御に慣れている運転者によってブレーキペダルの踏込み解除操作後にアクセルペダルの踏込み操作が行われたときに燃費の悪化を抑制しつつ発進性の悪化を抑制することができる。
また、復帰抑制制御は、ブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間に応じて、復帰促進制御によるLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間を変更することにより、ブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間から発進操作を予測してLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間を調整することができ、燃費の悪化と発進性の悪化とをより有効に抑制することができる。
本実施形態では、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合にアクセルペダルの踏込み操作までの期間T2が所定期間Ts以上であるときは、次回の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合に復帰促進制御によるLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させているが、次々回の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合に復帰促進制御によるLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させるなど、次回以降における走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合に復帰促進制御によるLRブレーキの締結状態への復帰の開始を遅延させることが可能である。
次に、本発明の実施形態に係る車両の停車時における第4の制御について説明する。コントロールユニット30は、図2に示すように走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合に前記第1の制御を行ったときに、次回の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み操作の操作速度が所定速度α以上であるときは、図3に示すようにブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときにニュートラル制御によってスリップ状態にされたLRブレーキを締結状態へ復帰させる復帰促進制御を行う。
前記第4の制御では、走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合に次回の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み操作の操作速度が所定速度α以上であることから、ブレーキホールド制御に慣れていない運転者が即発進の意図がある場合であるとして制御する。
本実施形態では、走行レンジでの停車時及び発進時に締結される所定摩擦締結要素としてのLRブレーキをスリップ状態にしてニュートラル制御を行っているが、ロークラッチをスリップ状態にしてニュートラル制御を行うようにしてもよい。また、スリップ状態に代えて、トルクを伝達しない所定締結度合い以下の解放状態にしてニュートラル制御を行うようにすることも可能である。
このように、本実施形態に係る車両のニュートラル制御装置では、走行レンジでの停車時に、その停車時及び発進時に締結される所定摩擦締結要素を所定締結度合い以下にして変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御を行うと共に、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ力を保持するブレーキホールド制御を行う。
そして、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合、前記操作速度が所定速度α未満である場合に比べて、ニュートラル制御によって所定締結度合い以下にされた所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させる復帰促進制御を行う。
これにより、即発進の意図がある運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きいと考えられることから、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上の場合にニュートラル制御によって所定締結度合い以下にされた発進時に締結される所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させることで、即発進の意図がある運転者によってブレーキペダルの踏込み解除操作後にアクセルペダルの踏込み操作が行われたときに良好な発進応答性を得ることができる。
ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度から発進操作を予測して発進時に締結される所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させることで、走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行う場合に、コストアップさせることなく、ニュートラル制御による燃費向上の効果を極力維持しつつ、発進性の悪化を抑制することができる。
また、走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合にアクセルペダルの踏込み操作までの期間が所定期間以上であるときは、次回以降の走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合に、復帰促進制御による所定摩擦締結要素の締結状態への復帰促進を抑制する復帰抑制制御を行う。
これにより、即発進の意図がないがブレーキホールド制御に慣れている運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きく、その直後に発進操作を行わないと考えられることから、次回以降のブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上である場合に、復帰促進制御による所定摩擦締結要素の締結状態への復帰促進を抑制することで、即発進の意図がないがブレーキホールド制御に慣れている運転者によってブレーキペダルの踏込み解除操作後にアクセルペダルの踏込み操作が行われたときに燃費の悪化を抑制しつつ発進性の悪化を抑制することができる。
また、復帰抑制制御は、ブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間に応じて、復帰促進制御による所定摩擦締結要素の締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間を変更することにより、ブレーキペダルの踏込み解除操作からアクセルペダルの踏込み操作までの期間から発進操作を予測して所定摩擦締結要素の締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間を調整することができ、燃費の悪化と発進性の悪化とをより有効に抑制することができる。
また、復帰促進制御は、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合、次回のブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上であるときは、ブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときにニュートラル制御によって所定締結度合い以下にされた所定摩擦締結要素を締結状態へ復帰させる。
これにより、ブレーキホールド制御に慣れていない運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が小さく、即発進の意図がある運転者はブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が大きいと考えられることから、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α未満である場合に次回のブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度α以上であるときは直ぐに所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させることで、ブレーキホールド制御に慣れていないが即発進の意図がある運転者によってブレーキペダルの踏込み解除操作後にアクセルペダルの踏込み操作が行われたときに良好な発進応答性を得ることができる。
本実施形態では、ブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が予め設定された一定の所定速度α以上であるか否かに基づいて制御を行っているが、車両停車からブレーキペダルの踏込み解除操作までの期間が長くなるにつれてブレーキペダルの踏込み解除操作が行われた後に直ぐに発進操作が行われると考えられることから、車両停車からブレーキペダルの踏込み解除操作までの期間が、例えば30秒などの所定期間を超える場合に、予め設定された前記所定速度αを小さく補正するようにすることも可能である。
また、本実施形態では、車両のニュートラル制御装置に備えられた自動変速機は、トルクコンバータと変速機構とを有しているが、トルクコンバータを備えていない自動変速機を用いる場合についても適用することができ、また自動変速機に代えて無段変速機やデュアルクラッチトランスミッション(DCT)を用いる場合についても適用することができる。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
以上のように、本発明によれば、走行レンジでの停車時にニュートラル制御を行う車両においてブレーキホールド制御も行う場合に、コストアップさせることなく、ニュートラル制御による燃費向上の効果を極力維持しつつ、発進性の悪化を抑制することが可能となるから、この種の車両の製造産業分野において、好適に利用される可能性がある。
1 車両のニュートラル制御装置
11 エンジン
12 自動変速機
13 ブレーキ装置
21 レンジセンサ
22 アクセルペダルセンサ
23 ブレーキペダルセンサ
24 車速センサ
30 コントロールユニット

Claims (4)

  1. 走行レンジでの停車時及び発進時に締結される所定摩擦締結要素を備えた変速機構を有する自動変速機と、前記走行レンジでの停車時に前記所定摩擦締結要素を所定締結度合い以下にして前記変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御手段と、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ力を保持するブレーキホールド制御手段とを備えた車両のニュートラル制御装置であって、
    前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合、前記操作速度が所定速度未満である場合に比べて、前記ニュートラル制御手段によって前記所定締結度合い以下にされた前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させる復帰促進制御手段、及び、
    前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合にブレーキペダルの踏込み解除操作がされてからアクセルペダルの踏込み操作がされるまでの期間が所定期間以上であるときは、次回以降の前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合に、前記復帰促進制御手段による前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰促進を抑制する復帰抑制制御手段を備えている、
    ことを特徴とする車両のニュートラル制御装置。
  2. 前記復帰抑制制御手段は、前記復帰促進制御手段による前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰の開始を遅延させる、
    ことを特徴とする請求項に記載の車両のニュートラル制御装置。
  3. 前記復帰抑制制御手段は、前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合にブレーキペダルの踏込み解除操作がされてからアクセルペダルの踏込み操作がされるまでの期間が所定期間以上であるときは、前記ブレーキペダルの踏込み解除操作がされてからアクセルペダルの踏込み操作がされるまでの期間に応じて、前記復帰促進制御手段による前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰の開始を遅延させる遅延期間を変更する、
    ことを特徴とする請求項に記載の車両のニュートラル制御装置。
  4. 走行レンジでの停車時及び発進時に締結される所定摩擦締結要素を備えた変速機構を有する自動変速機と、前記走行レンジでの停車時に前記所定摩擦締結要素を所定締結度合い以下にして前記変速機構をニュートラル状態にするニュートラル制御手段と、停車時にブレーキペダルの非踏込み状態でブレーキ力を保持するブレーキホールド制御手段とを備えた車両のニュートラル制御装置であって、
    前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上である場合、前記操作速度が所定速度未満である場合に比べて、前記ニュートラル制御手段によって前記所定締結度合い以下にされた前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させる復帰促進制御手段を備え、
    前記復帰促進制御手段は、前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度未満である場合、次回の前記走行レンジでの停車後にブレーキペダルの踏込み解除操作の操作速度が所定速度以上であるときは、前記操作速度が所定速度未満である場合に比べて、前記ニュートラル制御手段によって前記所定締結度合い以下にされた前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を促進させ、前記ブレーキペダルの踏込み解除操作がされたときに前記ニュートラル制御手段によって前記所定締結度合い以下にされた前記所定摩擦締結要素を締結状態へ復帰させ、前記ブレーキペダルの踏込み解除操作と同時に前記所定摩擦締結要素の締結状態への復帰を開始させる、
    ことを特徴とする車両のニュートラル制御装置。
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