JP6348838B2 - ガラス容器のワンプレス製造方法およびガラス容器 - Google Patents

ガラス容器のワンプレス製造方法およびガラス容器 Download PDF

Info

Publication number
JP6348838B2
JP6348838B2 JP2014259830A JP2014259830A JP6348838B2 JP 6348838 B2 JP6348838 B2 JP 6348838B2 JP 2014259830 A JP2014259830 A JP 2014259830A JP 2014259830 A JP2014259830 A JP 2014259830A JP 6348838 B2 JP6348838 B2 JP 6348838B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plunger
mold
glass container
guide ring
protrusion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014259830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016117631A (ja
Inventor
高橋 正弘
正弘 高橋
大介 伊達
大介 伊達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koa Glass Co Ltd
Original Assignee
Koa Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koa Glass Co Ltd filed Critical Koa Glass Co Ltd
Priority to JP2014259830A priority Critical patent/JP6348838B2/ja
Publication of JP2016117631A publication Critical patent/JP2016117631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6348838B2 publication Critical patent/JP6348838B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Description

本発明は、一回のプレスで仕上げ形状のガラス容器を成形した後、それを冷却することによってガラス容器を製造するガラス容器のワンプレス製造方法およびガラス容器に関する。
特に、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を、安定的に製造することができるガラス容器のワンプレス製造方法およびそれにより得られるガラス容器に関する。
従来、ガラスは化学的に安定で、透明性に優れていることから、容器の構成材料として多用されており、一般に成形金型を用いて製造されている。
また、かかるガラス容器を工業的に連続的に製造する方法としては、ブローアンドブロー成形法やプレスアンドブロー成形法が知られている。
例えば、ブローアンドブロー成形法は、ゴブと称される溶融ガラスの塊を粗型内に充填するとともに、この粗型内にブローエアーを吹き込むことによりパリソンを成形する。
次いで、得られたパリソンを仕上げ型に移送してリヒートした後、パリソン内部に対してブローエアーを吹き込むことにより膨らませ、仕上げ型の形に成形する製造方法である。
一方、プレスアンドブロー成形法は、ゴブを粗型内に充填するとともに、この粗型内にプランジャを挿入してパリソンを成形する。
次いで、得られたパリソンを仕上げ型に移送してリヒートした後、パリソン内部に対してブローエアーを吹き込むことにより膨らませ、仕上げ型の形に成形する製造方法である。
しかしながら、かかるブローアンドブロー成形法やプレスアンドブロー成形法においては、成形工程において、パリソン内部にブローエアーを吹き込んで成形することから、製造されるガラス容器は、口部の内径よりも本体部の内径が大きくなるという特性がある。
そのため、例えば、化粧品等のクリーム状の物を内部に収容して使用した場合に、ガラス容器の本体部における口部に近い箇所に付着した内容物が取り出しにくくなる場合がある。
また、これらの成形法においては、ブローエアーを吹き込んで仕上げ型の内面にパリソンを圧接させて成形することから、得られるガラス容器の表面に、仕上げ型の内面における表面凹凸や、仕上げ型内の残留エアーの跡が残ってしまい、品質が低下してしまうおそれもある。
この点、内容物が取り出しにくいという問題に対しては、ガラス容器の肉厚を厚くして、口部と、本体部との内径が実質的に等しいガラス容器とすることにより、内部の収容物を取り出しやすくすることが可能である。
また、ガラス容器の表面に凹凸がついてしまうという問題に対しては、ガラス容器を成形する際に、仕上げ形状のガラス容器の表面と仕上げ型とが接触しないようにすることにより防ぐことが可能である。
そこで、このような形状の肉厚のガラス容器を効率的に製造可能なワンプレス製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
より具体的には、ゴブを充填した仕上げ型内に、プランジャを挿入して仕上げ形状のガラス容器を成形するプレス工程と、この仕上げ形状のガラス容器を冷却用金型に移動して、冷却用金型の内部に送風される冷却エアー、および仕上げ形状のガラス容器の内部に送風される冷却エアーで、仕上げ形状のガラス容器の外周面および内周面をそれぞれ強制的に冷却する冷却工程と、からなるワンプレス製瓶方法である。
すなわち、図25に示すように、仕上げ形状のガラス容器510の内部に送風される冷却エアー512と、冷却用金型500の内部に送風される冷却エアー514とを併用して、仕上げ形状のガラス容器510の内周面および外周面をそれぞれ強制的に冷却するワンプレス製瓶方法の態様である。
特開2000−211930号(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1に記載の従来のワンプレス製造方法では、内周の平面形状が円形状であるガラス容器を製造することはできるものの、内周の平面形状が非円形状のガラス容器については、安定的に製造することが困難になるという問題が見られた。
すなわち、従来のワンプレス製造方法であっても、成形面部分の平面形状が円形状のプランジャを用いて内周の平面形状が円形状であるガラス容器を製造する場合であれば、プランジャが軸を中心に回転したとしても、成形型の開口部に対して問題無くプランジャを挿入することができ、ガラス容器を安定的に製造することができた。
ところが、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャを用いて内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を製造する場合には、プランジャが軸を中心に回転することにより、成形型の開口部に対してプランジャを安定的に挿入することが困難になるという問題が見られた。
例えば、プランジャの成形面部分の平面形状が四角形の場合、成形型の開口部の平面形状もこれに合わせて四角形となるが、仮にプランジャが軸を中心に45°回転したとすると、プランジャと成形型の開口部とがぶつかり合ってしまい、プランジャを成形型内に挿入することが困難になる。
また、仮にプランジャが軸を中心に1°回転したとすると、プランジャを成形型内に挿入することはできる可能性が高いが、挿入に伴ってプランジャが成形型の内面に接触しながら−1°回転し、最初の1°の回転を正常の位置に戻すことになる。
したがって、プランジャや成形型の内面が傷つきやすくなり、ひいては得られるガラス容器の内周および外周にその傷が転写されやすくなる。
この点、ガラス容器を大量生産する際に通常用いられるインディビジュアルセクションマシーン(ISマシーン)において、スリーブ内に収容されたプランジャは、ピストンロッドにより上下動するように構成されており、平面方向における動きの変化は特に考慮されていない。
しかしながら、実際には、ピストンロッドおよびこれに固定されたプランジャが軸を中心に回転可能であることが、本発明者らにより確認された。
このため、プランジャの軸を中心とした回転について何ら考慮しない従来のワンプレス製造方法では、プランジャと成形型の開口部が直接的にぶつかることにより、成形型に対してプランジャを挿入することが完全に阻害されたり、挿入できた場合であっても、プランジャと成形型の内面が不規則に接触しながらプランジャが回転することから、得られるガラス容器の品質が低下したりする問題が見られた。
そこで、本発明の発明者らは、上記の問題に鑑み鋭意検討したところ、プランジャ、スリーブ、口型およびガイドリングに対して所定の突起部または溝部を設けることにより、プランジャの軸を中心とした回転を効果的に抑制し、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャを用いた場合であっても、プランジャと、成形型との位置関係を、安定的に制御できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を、安定的に製造することができるガラス容器のワンプレス製造方法およびそれにより得られるガラス容器を提供することにある。
本発明のガラス容器のワンプレス製造方法によれば、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器のワンプレス製造方法であって、下記工程(A)〜(F)を含むことを特徴とするガラス容器のワンプレス製造方法が提供され、上述した問題を解決することができる。
(A)それぞれ二分割する成形型基部および口型と、口型の内部に当該口型の開閉時に口型との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリングと、を含む成形型に対してゴブを投入する工程
(B)スリーブ内に収容された成形面部分の平面形状が非円形状であるプランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、スリーブの内壁にプランジャの移動方向に沿って設けられた第1の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(C)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、口型の内壁にプランジャの移動方向に沿って第1の溝部と連続するように設けられた第2の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(D)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部を、ガイドリングの内壁にプランジャの移動方向に沿って第2の溝部と連続するように設けられた突起収容溝に収容させるとともに、プランジャにおける第1の突起部が設けられた側とは反対側の側方にプランジャの移動方向に沿って設けられた第3の溝部と、ガイドリングにおける突起収容溝が設けられた側とは反対側の内壁に設けられた第2の突起部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させ、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入し、仕上げ形状のガラス容器を成形する工程
(E)プランジャを、仕上げ形状のガラス容器から引き抜く工程
(F)仕上げ形状のガラス容器を、冷却用金型に移送し、冷却する工程
すなわち、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法によれば、プランジャ、スリーブ、口型およびガイドリングに対して所定の突起部または溝部を設けていることから、プランジャの軸を中心とした回転を効果的に抑制することができる。
したがって、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャと、成形型との位置関係を安定的に制御することができ、ひいては、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を安定的に製造することができる。
また、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法を実施するにあたり、工程(C)から工程(D)へと移行する際に、プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、口型の内壁に設けられた第2の溝部と、を係合させ、かつ、プランジャにおける第3の溝部と、ガイドリングに設けられた第2の突起部と、を係合させた状態を経ることが好ましい。
このように実施することにより、工程(C)から工程(D)への移行を、より安定的に行うことができる。
また、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法を実施するにあたり、ガイドリングの平面形状が、口型の開く方向に平行な対向する2つの直線状部分を有するとともに、口型の内壁が、ガイドリングにおける2つの直線状部分の端面と接触し、ガイドリングのスライドをガイドするための2つのレール部材を有することが好ましい。
このように実施することにより、口型に対するガイドリングの回転を効果的に抑制することができることから、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャと、成形型の一部であるガイドリングとの位置関係をより安定的に制御することができる。
また、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法を実施するにあたり、レール部材が、口型に対して当該口型の開く方向と平行に圧入されてなる円柱状物の側面からなることが好ましい。
このように実施することにより、レール部材と、ガイドリングにおける2つの直線部分の端面との接触面積を小さくし、ゴブからの熱に起因する熱膨張によりガイドリングのスライド性が低下することを抑制し、口型を安定的に開閉することができる。
また、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法を実施するにあたり、ガイドリングが、バネ部材により付勢された状態で、口型の内部に収容してあることが好ましい。
このように実施することにより、口型を二分割して開いた際に、ガイドリングを安定的にセンタリングすることができる。
また、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法を実施するにあたり、(F)工程において、口型を二分割して開くとともに、ガイドリングによって仕上げ形状のガラス容器の落下位置をセンタリングしながら、仕上げ形状のガラス容器を自重により落下させ、冷却用金型の底型上に載置することが好ましい。
このように実施することにより、(D)工程で得られた仕上げ形状のガラス容器を、安定的に冷却用金型に移送することができる。
また、本発明の別の態様は、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器であって、下記工程(A)〜(F)を含むガラス容器のワンプレス製造方法によって得られてなるガラス容器である。
(A)それぞれ二分割する成形型基部および口型と、口型の内部に当該口型の開閉時に口型との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリングと、を含む成形型に対してゴブを投入する工程
(B)スリーブ内に収容された成形面部分の平面形状が非円形状であるプランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、スリーブの内壁にプランジャの移動方向に沿って設けられた第1の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(C)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、口型の内壁にプランジャの移動方向に沿って第1の溝部と連続するように設けられた第2の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(D)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部を、ガイドリングの内壁にプランジャの移動方向に沿って第2の溝部と連続するように設けられた突起収容溝に収容させるとともに、プランジャにおける第1の突起部が設けられた側とは反対側の側方にプランジャの移動方向に沿って設けられた第3の溝部と、ガイドリングにおける突起収容溝が設けられた側とは反対側の内壁に設けられた第2の突起部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させ、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入し、仕上げ形状のガラス容器を成形する工程
(E)プランジャを、仕上げ形状のガラス容器から引き抜く工程
(F)仕上げ形状のガラス容器を、冷却用金型に移送し、冷却する工程
すなわち、本発明のガラス容器であれば、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器であることから、ガラス容器の内周面によるデザイン効果を著しく向上させることができる。
また、所定の製造方法により得られることから、優れたデザイン効果を高品質で実現することができる。
また、本発明のガラス容器を構成するにあたり、ガラス容器の内周の平面形状が多角形状であるとともに、プランジャの成形面部分の平面形状が多角形状であることが好ましい。
このように構成することにより、ガラス容器の内周面によるデザイン効果をより向上させることができる。
また、本発明のガラス容器を構成するにあたり、ガラス容器の外周の平面形状が多角形状であることが好ましい。
このように構成することにより、ガラス容器の内周面によるデザイン効果と、外周面によるデザイン効果とが相俟って、ガラス容器の総合的なデザイン性を向上させることができる。
図1(a)〜(c)は、本発明のガラス容器を説明するために供する図である。 図2は、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法における工程(A)の概要を説明するために供する図である。 図3は、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法における工程(B)の概要を説明するために供する図である。 図4は、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法における工程(B)の概要を説明するために供する別の図である。 図5(a)〜(b)は、プランジャを説明するために供する図である。 図6は、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法における工程(C)の概要を説明するために供する図である。 図7は、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法における工程(C)の概要を説明するために供する別の図である。 図8は、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法における工程(D)の概要を説明するために供する図である。 図9は、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法における工程(D)の概要を説明するために供する別の図である。 図10は、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法における工程(C)から工程(D)への移行の態様を説明するために供する図である。 図11は、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法における工程(C)から工程(D)への移行の態様を説明するために供する図である。 図12は、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法における工程(E)の概要を説明するために供する図である。 図13(a)〜(c)は、本発明のワンプレス製造方法における工程(F)の概要を説明するために供する図である。 図14は、ガラス容器のワンプレス製造装置を説明するために供する図である。 図15(a)〜(c)は、プランジャを説明するために供する別の図である。 図16は、スリーブを説明するために供する図である。 図17(a)〜(c)は、成形型を説明するために供する図である。 図18(a)〜(c)は、口型を説明するために供する図である。 図19(a)〜(c)は、ガイドリングを説明するために供する図である。 図20(a)〜(b)は、口型に対するガイドリングの収容形態を説明するために供する図である。 図21は、ブローヘッドについて説明するために供する図である。 図22は、冷却用金型について説明するために供する図である。 図23(a)〜(b)は、冷却用金型を構成する支持部および仕上げ型について説明するために供する図である。 図24(a)〜(b)は、冷却用金型を構成する載置部としての底型について説明するために供する図である。 図25は、従来のワンプレス製造方法を示すために供する図である。
本発明の実施形態は、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器のワンプレス製造方法であって、下記工程(A)〜(F)を含むことを特徴とするガラス容器のワンプレス製造方法である。
(A)それぞれ二分割する成形型基部および口型と、口型の内部に当該口型の開閉時に口型との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリングと、を含む成形型に対してゴブを投入する工程
(B)スリーブ内に収容された成形面部分の平面形状が非円形状であるプランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、スリーブの内壁にプランジャの移動方向に沿って設けられた第1の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(C)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、口型の内壁にプランジャの移動方向に沿って第1の溝部と連続するように設けられた第2の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(D)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部を、ガイドリングの内壁にプランジャの移動方向に沿って第2の溝部と連続するように設けられた突起収容溝に収容させるとともに、プランジャにおける第1の突起部が設けられた側とは反対側の側方にプランジャの移動方向に沿って設けられた第3の溝部と、ガイドリングにおける突起収容溝が設けられた側とは反対側の内壁に設けられた第2の突起部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させ、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入し、仕上げ形状のガラス容器を成形する工程
(E)プランジャを、仕上げ形状のガラス容器から引き抜く工程
(F)仕上げ形状のガラス容器を、冷却用金型に移送し、冷却する工程
また、本発明の別の実施形態は、上述したガラス容器のワンプレス製造方法によって得られてなるガラス容器である。
以下、これらの実施形態を、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
1.ガラス容器
(1)形状
図1(a)〜(c)に示すように、本発明のガラス容器200は、内周の平面形状P1が非円形状であることを特徴とする。
この理由は、ガラス容器の内周の平面形状を非円形状とすることにより、ガラス容器の内周面によるデザイン効果を著しく向上させることができるためである。
すなわち、ガラス容器を構成するガラスとして無色透明ガラス等を用いた場合、特にガラス容器内に有色の内容物を収容した際に、ガラス容器の内部形状が外部から視認可能となる。
このとき、ガラス容器の内周の平面形状が非円形状であれば、内周の平面形状が円形状の通常のものと比較して多様なデザイン効果を発揮することが可能となる。
また、ガラス容器の内周面に対して、プランジャを引き抜く際の障害とならないような立体的な模様を付した場合も、内周の平面形状が非円形状であるものに含まれる。
この場合、ガラス容器の外周面に対する印刷処理には何らの悪影響を及ぼすことが無い一方、ガラス容器の外周面に対して立体的な模様を付した場合には、その凹凸によりガラス容器の外周面に対して安定的に印刷処理を行うことが困難になる。
したがって、本発明のガラス容器であれば、印刷品質を保持しつつ、安定的に立体的な模様を付すことが可能となる。
なお、図1(a)は、ガラス容器200の斜視図であり、図1(b)は、ガラス容器200の平面図であり、図1(c)は、ガラス容器200を図1(b)に示す点線A−Aに沿って垂直に切断して、切断面を矢印に沿った方向から眺めた場合の断面図である。
また、図1(a)〜(c)に示すように、ガラス容器200の内周の平面形状P1が多角形状であることが好ましい。
この理由は、所定のプランジャを用いてガラス容器の内周の平面形状を多角形状とすることにより、ガラス容器の内周面によるデザイン効果をより向上させることができるためである。
すなわち、ガラス容器の内部形状が、見る角度によって大きく変化することから、ガラス容器の内周面によるデザイン効果をより向上させることができる。
なお、図1(a)〜(c)に示すガラス容器200の内周面の平面形状P1は、四角形状である。
このように、本発明においては、角の部分や直線部分が丸みを帯びている場合も、「多角形状」に含めるものとする。
また、本発明のガラス容器の外部形状は特に制限されるものではなく、用途に応じて、例えば、ボトルネック型のガラスビン、円筒状のガラスビン、矩形のガラス箱等とすることができるが、図1(a)〜(c)に示すように、ガラス容器200の外周の平面形状P2が多角形状であることが好ましい。
この理由は、ガラス容器の外周の平面形状を多角形状とすることにより、ガラス容器の内周面によるデザイン効果と、外周面によるデザイン効果とが相俟って、ガラス容器の総合的なデザイン性を向上させることができるためである。
すなわち、ガラス容器の外部形状が、見る角度によって大きく変化することから、ガラス容器の内周面によるデザイン効果と相俟って、ガラス容器の総合的なデザイン性を向上させることができる。
なお、図1(a)〜(c)に示すガラス容器200の内周面の平面形状P2は、四角形状である。
(2)材質
また、ガラス容器を構成するガラスの種類についても特に制限されるものではなく、ソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸ガラス、鉛ガラス、リン酸塩ガラス、アルミノ珪酸塩ガラス等が挙げられる。
また、ガラス容器を構成するガラスとして、無色透明ガラスを用いることも好ましいが、着色透明ガラスや着色半透明ガラスを用いることも好ましい。
無色透明ガラスを用いた場合には、ガラス容器内に収容する内容物の色を外部から十分に認識させることができるとともに、光の内部反射を利用して、内容物の色をより鮮やかに認識させることができる。
一方、着色透明ガラスや着色半透明ガラスを用いた場合には、光の内部反射を利用して、内容物の色味とガラスの色味との相乗効果により、デザイン性により優れたガラス容器を得ることができる。
2.ワンプレス製造方法の概要
本発明のガラス容器のワンプレス製造方法は、所定の工程(A)〜(F)を含むことを特徴とする。
したがって、まず、それぞれの工程の概要を、図2〜図13を用いて説明した後、ガラス容器のワンプレス製造装置、並びに、当該ガラス容器のワンプレス製造装置を構成するプランジャ、スリーブ、成形型、ブローヘッドおよび冷却金型等について、具体的に説明する。
(1)工程(A)
工程(A)は、図2に示すように、それぞれ二分割する成形型基部10および口型20と、口型20の内部に当該口型20の開閉時に口型20との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリング30と、を含む成形型100に対してゴブ70を投入する工程である。
より具体的には、図2に示すように、成形型100を設置し、当該成形型100の中にファンネル72を介してゴブ70を投入する。
なお、図2は、成形型100やファンネル72等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図であり、線Dは、成形型100を二分割して開く際の分割線である。
(2)工程(B)
工程(B)は、図3〜図4に示すように、スリーブ40の内部に収容された図5(a)〜(b)に示すような成形面部分56の平面形状P3が非円形状であるプランジャ50を、当該プランジャ50の側方に設けられた第1の突起部52と、スリーブ40の内壁にプランジャ50の移動方向Mに沿って設けられた第1の溝部42と、を係合させながら、成形型100の内部に向かって移動させる工程である。
かかる工程(B)では、プランジャ50における第1の突起部52と、スリーブ40における第1の溝部42とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させることから、プランジャ50の軸を中心とした回転が、ワンプレス製造装置に対して固定されているスリーブ40により効果的に抑制されることになる。
より具体的には、図3〜図4に示すように、成形型100からファンネル72を取り外して、代わりに仕上げ形状のガラス容器の底面を形成することになるバッフル74を設置した後、プランジャ50を移動方向Mに沿って移動させる。
なお、図3は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
また、図4は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、図3における矢印Aに沿った方向から眺めた場合の外観図である。
また、図5(a)は、プランジャ50の斜視図であり、図5(b)は、プランジャ50の平面図である。
(3)工程(C)
工程(C)は、図6〜図7に示すように、プランジャ50を、当該プランジャ50の側方に設けられた第1の突起部52と、口型20の内壁にプランジャ50の移動方向Mに沿って第1の溝部42と連続するように設けられた第2の溝部22と、を係合させながら、成形型100の内部に向かって移動させる工程である。
かかる工程(C)では、プランジャ50における第1の突起部52と、口型20における第2の溝部22とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させることから、プランジャ50の軸を中心とした回転が、ワンプレス製造装置に対して固定されている口型20により効果的に抑制されることになる。
なお、図6は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
また、図7は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、図6における矢印Aに沿った方向から眺めた場合の外観図である。
(4)工程(D)
工程(D)は、図8〜図9に示すように、プランジャ50を、当該プランジャ50の側方に設けられた第1の突起部52を、ガイドリング30の内壁にプランジャ50の移動方向Mに沿って第2の溝部22と連続するように設けられた突起収容溝32に収容させるとともに、プランジャ50における第1の突起部52が設けられた側とは反対側の側方にプランジャ50の移動方向Mに沿って設けられた第3の溝部54と、ガイドリング30における突起収容溝32が設けられた側とは反対側の内壁に設けられた第2の突起部34と、を係合させながら、成形型100の内部に向かって移動させ、プランジャ50の成形面部分56をゴブ70に対して完全に挿入し、仕上げ形状のガラス容器200´を成形する工程である。
かかる工程(D)では、プランジャ50における第1の突起部52と、ガイドリング30における突起収容溝32とを係合させるとともに、プランジャ50における第3の溝部54と、ガイドリング30における第2の突起部34とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させる。
したがって、プランジャ50の軸を中心とした回転が、口型20を介してワンプレス製造装置に対して間接的に固定されているガイドリング30により効果的に抑制されることになる。
しかも、工程(D)では、プランジャ50とガイドリング30との係合の精度を、プランジャ50とスリーブ40との係合の精度、および、プランジャ50と口型20との係合の精度よりも高く設定することにより、プランジャ50の軸を中心とした回転が、工程(B)および工程(C)よりもさらに確実に抑制される。
これは、工程(D)が仕上げ形状のガラス容器200´を成形するための最終工程に当たり、プランジャ50の軸を中心とした回転をより高い精度で抑制する必要があるためである。
すなわち、プランジャ50の成形面部分56をゴブ70に対して完全に挿入した後は、ゴブ70の表面が一定形状を保持する程度に冷却されるまで、そのままの状態を維持し、仕上げ型のガラス容器200´を成形することになる。
したがって、工程(D)においてプランジャ50が軸を中心として回転した場合、即、得られるガラス容器200の品質低下に繋がるためである。
なお、図8は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
また、図9は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、図8における矢印Aに沿った方向から眺めた場合の外観図である。
また、工程(C)から工程(D)へと移行する際に、図10〜図11に示すように、プランジャ50を、当該プランジャ50の側方に設けられた第1の突起部52と、口型20の内壁に設けられた第2の溝部22と、を係合させ、かつ、プランジャ50における第3の溝部54と、ガイドリング30に設けられた第2の突起部34と、を係合させた状態を経ることが好ましい。
この理由は、このように実施することにより、プランジャ50が、口型20によって回転を防止された状態を維持しつつ、ガイドリング30へと移動することになるため、工程(C)から工程(D)への移行を、より安定的に行うことができるためである。
なお、図10は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
また、図11は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、図10における矢印Aに沿った方向から眺めた場合の外観図である。
(5)工程(E)
工程(E)は、図12に示すように、プランジャ50を、仕上げ形状のガラス容器200´から引き抜く工程である。
すなわち、上述した工程(B)〜(D)におけるプランジャ50を上方へ移動させる工程を逆に辿って、プランジャ50を下方へ移動させ、プランジャ50を仕上げ形状のガラス容器200´から引き抜く工程である。
したがって、プランジャ50の軸を中心とした回転は、プランジャ50を引き抜く過程においても効果的に抑制される。
なお、図12は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
(6)工程(F)
工程(F)は、図13(a)〜(c)に示すように、仕上げ形状のガラス容器200´を、冷却用金型80に移送し、冷却する工程である。
より具体的には、バッフル74が取り外された後、成形型基部10が二分割されて取り外される。
この時点で、仕上げ形状のガラス容器200´は、上下が逆さまの状態で、アーム(図示せず)に接続された口型20によって口部を挟持されている。
次いで、アームを、支点を中心に180°回転させ、仕上げ形状のガラス容器200´の上下を反転させるとともに、図13(a)に示すように冷却用金型80の一部である底型82の真上に移動させる。
次いで、図13(b)に示すように口型20を2分割して開くことにより、仕上げ形状のガラス容器200´を自重により落下させ、底型82の上に載置する。
次いで、図13(c)に示すように冷却用金型80の一部である二分割された仕上げ型84を両側方から接近させて、仕上げ形状のガラス容器200´を冷却用金型80の内部に収容する。
次いで、底型82の下方から冷却エアーを供給し、仕上げ形状のガラス容器200´の外周面と、仕上げ型84の内周面との間の間隙に下方から上方に向かって冷却エアーを通過させる。
それと同時に、仕上げ形状のガラス容器200´の上方に配置されたブローヘッド86により、仕上げ形状のガラス容器200´の内周面に対しても冷却エアーが吹き付けられる。
したがって、仕上げ形状のガラス容器200´は外周面および内周面を同時に冷却されて、最終的なガラス容器200となる。
なお、図13(a)〜(c)は、口型20や仕上げ形状のガラス容器200´等を含む全体を、口型20を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
3.ガラス容器の製造装置
本発明のガラス容器のワンプレス製造方法を実施するガラス容器のワンプレス製造装置としては、基本的に、図14に示すように、インディビジュアルセクションマシーン(ISマシーン)300を使用することができる。
かかるISマシーンは、所定の成形型100を使用するとともに、当該成形型100で成形した仕上げ形状のガラス容器を冷却用金型80に移送した後、ブローヘッド86から吹き付けられる第1の冷却エアーと、仕上げ型84の内周面に沿って吹き付けられる第2の冷却エアーと、を用いて、冷却するように構成されている。
すなわち、一回のプレスで仕上げ形状のガラス容器を成形した後、当該仕上げ形状のガラス容器を、冷却用金型の中で冷却するだけで、所定のガラス容器を製造することができる。
したがって、かかるISマシーンであれば、例えば、図1(a)〜(c)に示すような、口部と本体部との内径が等しいような、肉厚で装飾性に富んだ特定形状のガラス容器200を、容易かつ連続的に製造することができる。
なお、図14は、ISマシーン300の斜視図である。
(1)プランジャ
図5(a)〜(b)および図15(a)〜(c)に示すように、本発明におけるプランジャ50は、その成形面部分56の平面形状P3が非円形状であることを特徴とする。
この理由は、プランジャの平面形状を非円形状とすることにより、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を製造することができるためである。
また、図5(a)〜(b)および図15(a)〜(c)に示すように、本発明におけるプランジャ50は、その成形面部分56の平面形状P3が多角形状であることが好ましい。
この理由は、プランジャの成形面部分の平面形状を多角形状とすることにより、内周の平面形状が多角形状であるガラス容器を製造することができるためである。
また、プランジャのサイズに関しては、製造するガラス容器のサイズによって様々であるため、特に制限されるものではないが、通常、プランジャの最大径を10〜50mmの範囲内の値とすることが好ましく、プランジャの成形面部分の長さを10〜50mmの範囲内の値とすることが好ましい。
なお、図15(a)は、プランジャ50の側面図であり、図15(b)はプランジャ50を図15(a)における矢印Aに沿った方向から眺めた場合の正面図であり、図15(c)はプランジャ50を図15(a)における矢印Bに沿った方向から眺めた場合の裏面図である。
また、図5(b)や図15(a)〜(b)に示すように、本発明におけるプランジャ50は、その側方に第1の突起部52を有することを特徴とする。
この理由は、図3〜図4に示すように、工程(B)において、プランジャ50における第1の突起部52と、スリーブ40における第1の溝部42とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させるためである。
また、工程(B)の終了後、図6〜図7に示すように、次の工程(C)において、プランジャ50における第1の突起部52と、口型20における第2の溝部22とを係合させながらプランジャ50をより上方に移動させるためである。
さらに、工程(C)の終了後、図8〜図9に示すように、次の工程(D)において、プランジャ50における第1の突起部52を、ガイドリング30における突起収容溝32に収容させながらプランジャ50をより上方に移動させるためである。
また、第1の突起部の配設位置としては、図5(b)や図15(a)〜(b)に示すように、ガラス容器の内周面を直接的に成形する部分である成形面部分56の土台となる台座部分58の側方とすることが好ましい。
この理由は、図2に示すように、台座部分58であれば、通常、第1の溝部42が設けられたスリーブ40、第2の溝部22が設けられた口型20および突起収容溝32が設けられたガイドリング30の内径に近い外径を有していることから、第1の突起部52と、第1の溝部42、第2の溝部22および突起収容溝32とを安定的に係合させることができるためである。
また、第1の突起部の形状については、第1〜第2の溝部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、円柱状等とすることが好ましい。
また、第1の突起部のプランジャの側面からの高さについても、第1〜第2の溝部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、3〜20mmの範囲内の値とすることが好ましく、4〜10mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、第1の突起部の幅(直径)についても、第1〜第2の溝部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、3〜10mmの範囲内の値とすることが好ましく、4〜8mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、図5(a)〜(b)や図15(c)に示すように、本発明におけるプランジャ50は、第1の突起部52が設けられた側とは反対側の側方にプランジャ50の移動方向に沿って設けられた第3の溝部54を有することを特徴とする。
この理由は、図8に示すように、工程(D)において、プランジャ50における第3の溝部54と、ガイドリング30における第2の突起部34とを係合させながらプランジャを上方に移動させるためである。
また、第3の溝部の配設位置は、第1の突起部52が設けられた側とは反対側の側方になる。
したがって、図5(a)〜(b)や図15(c)に示すように、台座部分58の側方であって、第1の突起部52の配設位置の真反対の位置に配設することが好ましい。
この理由は、図10〜図11に示すように、台座部分58であれば、通常、第2の突起部34が設けられたガイドリング30の内径に近い外径を有していることから、第3の溝部54と、第2の突起部34とを安定的に係合させることができるためである。
また、第3の溝部54の配設位置を第1の突起部52の配設位置の真反対の位置に採ることにより、プランジャ50が口型20およびガイドリング30により両側から固定され、プランジャ50の軸を中心とした回転を力学的に最も効率よく抑制することができるためである。
但し、「反対側の側方」とは、上述した真反対の位置のみを意味するものではなく、真反対の位置の近傍であってもよい。
また、第3の溝部は、プランジャの移動方向に沿って設けられることから、その平面形状は直線状となる。
また、断面形状については、第2の突起部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、四角形等とすることが好ましい。
また、第3の溝部の深さについても、第2の突起部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、第2の突起部の高さよりも1mm以上大きな値とすることが好ましい。
また、第3の溝部の幅についても、第2の突起部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、第2の突起部の幅よりも0〜0.05mmの範囲で大きい値とすることが好ましい。
さらに、第3の溝部の長さについては、ガイドリングのサイズ等により決まるものであるが、通常、20〜35mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、プランジャの構成材料としては、従来公知の材料を使用すればよく、特に制限されるものではないが、例えば、鉄や鉄合金、真鍮、銅−ニッケル合金等を挙げることができる。
また、プランジャの内部には、多数の吹出し孔を有するステンレス製の円筒部材からなるクーラーを、プランジャの内周面との間に冷却エアーの通過路としての間隙を形成するように収容することも好ましい。
プランジャの内部にこのようなクーラーを収容することにより、プランジャの成形面部分に接触したゴブの表面を効果的に冷却し、効率的に仕上げ形状のガラス容器を得ることができる。
(2)スリーブ
図16に示すように、本発明におけるスリーブ40は、筒状の部材であり、ワンプレス装置に対して固定されて、ピストンロッドにより上下動するプランジャの動きをガイドする役割を果たす部材である。
かかるスリーブの形状としては、通常、円筒状とすることが好ましい。
また、スリーブのサイズに関しては、使用するプランジャのサイズやプランジャの上下動距離によって様々であるため、特に制限されるものではないが、通常、スリーブの内径をプランジャの直径よりも2〜5mmの範囲で大きい値とすることが好ましい。
なお、図16は、スリーブ40の斜視図である。
また、図16に示すように、本発明におけるスリーブ40は、その内壁にプランジャの移動方向に沿って設けられた第1の溝部42を有することを特徴とする。
この理由は、図3〜図4に示すように、工程(B)において、プランジャ50における第1の突起部52と、スリーブ40における第1の溝部42とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させるためである。
また、図16に示すように、第1の溝部42は、スリーブ40の内壁に対して、スリーブ40の軸方向に沿って、直線状に1本形成されていればよい。
また、図3〜図4に示すように、第1の溝部42は口型20が位置する側のスリーブ40の端面まで形成される必要がある。
この理由は、図3に示すように第1の溝部42は、口型20に設けられた第2の溝部22に対して、連続している必要があるためである。
したがって、プランジャ50をどこまで下げるかにもよるが、第1の溝部42は口型20が位置する側とは反対側においては、スリーブ40の端面まで形成される必要は無い。
また、第1の溝部の深さは、第1の突起部の高さ以上の値であれば特に制限されるものではなく、通常、第1の突起部の高さよりも1mm以上大きな値とすることが好ましい。
なお、図16に示すように、第1の溝部42は、スリーブ40の外壁にまで貫通していてもよい。
また、第1の溝部の幅は、第1の突起部の幅(直径)以上の値であれば特に制限されるものではなく、通常、第1の突起部の幅よりも0.1〜0.2mmの範囲で大きな値とすることが好ましい。
また、スリーブの構成材料としては、従来公知の材料を使用すればよく、特に制限されるものではないが、例えば、焼き入れをした炭素鋼S45C等を挙げることができる。
(3)成形型
図17(a)〜(c)に示すように、本発明における成形型100は、それぞれ二分割する成形型基部10および口型20と、口型20の内部に当該口型20の開閉時に口型20との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリング30と、を含むことを特徴とする。
なお、図17(a)は、成形型100を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
また、図17(b)は、図17(a)に示す成形型100を二分割して開いた状態を示す断面図である。
また、図17(c)は、図17(b)に示す二分割して開いた状態の成形型100の平面図である。
以下、成形型基部10、口型20およびガイドリング30について、それぞれ具体的に説明する。
(3)−1 成形型基部
図17(a)〜(c)に示すように、本発明における成形型基部10は、ガラス容器の胴部の外周形状を成形するための型部材である。
かかる成形型基部10は、二分割して開くための分割線Dを有するとともに、ガラス容器の胴部の外周形状を成形するための内周面からなる成形部12を有している。
また、成形部12の上方には、ゴブを投入するための開口部を有しており、また、かかる開口部には、ファンネルやバッフルを取り付けるための凹部が設けられている。
また、成形部12の下方にも、口型の上部を両側から挟み込んで一体化するための開口部を有しており、上方の開口部と、成形部12と、下方の開口部とは、連通している。
なお、成形型基部のサイズや形状は、製造するガラス容器のサイズや形状に対応させて、適宜選択すればよい。
また、成形型基部の構成材料としては、従来公知の材料を使用すればよく、特に制限されるものではないが、例えば、プランジャの構成材料と同様に、鉄や鉄合金、真鍮、銅−ニッケル合金等を挙げることができる。
(3)−2 口型
図17(a)〜(c)に示すように、本発明における口型20は、ガラス容器の口部および胴部と口部とを繋ぐ肩部の外周形状を成形するための型部材である。
かかる口型20は、二分割して開くための分割線Dを有するとともに、上面の開口部の内壁に、ガラス容器の口部および肩部の外周形状を成形するための成形部24を有している。
また、上面の開口部の下方には、ガイドリング30を口型20の開閉時に口型20との接触面に対してスライド可能に収容するためのガイドリング収容部26を有している。
また、ガイドリング収容部26の下方にも、プランジャを挿入する際の入り口となる開口部を有しており、上面の開口部(成形部24)と、ガイドリング収容部26と、下方の開口部とは、連通している。
また、口型20の外周面における上部には、成形型基部10によって両側から挟み込まれて嵌合し、一体化するための凸部が設けられている。
また、図18(a)〜(b)に示すように、本発明における口型20は、その内壁にプランジャの移動方向に沿って第1の溝部と連続するように設けられた第2の溝部22を有することを特徴とする。
この理由は、図6〜図7に示すように、工程(C)において、プランジャ50における第1の突起部52と、口型20における第2の溝部22とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させるためである。
なお、図18(a)は、二分割した口型20のうち、第2の溝部22を有する方の口型20を内周面側から眺めた斜視図であり、図18(b)は、図18(a)に示す口型20の下面図である。
また、図18(a)〜(b)に示すように、第2の溝部22は、二分割した口型20のうちの片方の内壁に対して、下方の開口部の下端からガイドリング収容部26の下端まで、直線状に1本形成される必要がある。
この理由は、図6〜図7に示すように第2の溝部22は、スリーブ40に設けられた第1の溝部42、およびガイドリング30に設けられた突起収容溝32に対して、それぞれ連続している必要があるためである。
また、第2の溝部の深さは、第1の突起部の高さ以上の値であれば特に制限されるものではなく、通常、第1の突起部の高さよりも1mm以上大きな値とすることが好ましい。
また、第2の溝部の幅は、第1の突起部の幅(直径)以上の値であれば特に制限されるものではなく、通常、第1の突起部の幅よりも0.05〜0.1mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、口型の構成材料としては、従来公知の材料を使用すればよく、特に制限されるものではないが、例えば、プランジャの構成材料と同様に、鉄や鉄合金、真鍮、銅−ニッケル合金等を挙げることができる。
図18(a)および(c)に示すように、本発明における口型20は、後述するガイドリング30における2つの直線状部分38の端面と接触し、ガイドリング30のスライドをガイドするための2つのレール部材28を有することが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、口型20に対するガイドリング30の回転を効果的に抑制することができることから、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャと、成形型の一部であるガイドリング30との位置関係をより安定的に制御することができるためである。
なお、図18(c)は、二分割した口型20の一方のガイドリング収容部26に対し、ガイドリング30を収容した状態を示す斜視図である。
また、図18(a)および(c)に示すように、レール部材28が、口型20に対して当該口型20の開く方向と平行に圧入されてなる円柱状物の側面からなることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、レール部材28と、ガイドリング30における2つの直線状部分38の端面との接触面積を小さくし、ゴブからの熱に起因する熱膨張によりガイドリング30のスライド性が低下することを抑制し、口型20を安定的に開閉することができるためである。
また、口型20に対して切削のみによりレール部材28を設けるには、加工が非常に困難になるが、このように構成することにより容易にレール部材28を設けることが出来る。
また、円柱状物の直径は、特に制限されるものではなく、通常、5〜20mmの範囲内の値とすることが好ましく、8〜15mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、円柱状物の長さについても、特に制限されるものではなく、通常、10〜40mmの範囲内の値とすることが好ましく、15〜30mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、円柱状物の構成材料としては、耐摩耗性、焼入性、加工性等の観点から、炭素工具鋼を用いることが好ましく、特に炭素工具鋼SK4を用いることが好ましい。
(3)−3 ガイドリング
図17(a)〜(c)に示すように、本発明におけるガイドリング30は、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入する段階で、プランジャの移動を精度よくガイドするための部材である。
また、ガラス容器の口部における端面部分を成形するための型部材でもある。
かかるガイドリング30は、図19(a)〜(c)に示すように、上面33に開口部を有しており、かかる開口部の平面形状は、プランジャの成形面部分の根本における平面形状と一致している。
したがって、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入する段階で、プランジャの移動を精度よくガイドすることができる。
また、上面33の開口部の内壁の上部に、ガラス容器の口部における端面部分を形成するための成形部36を有している。
また、上面33の開口部の下方には、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入する段階で、プランジャの台座部分が収まるための台座収容部35が設けられている。
なお、図19(a)は、ガイドリング30の斜視図であり、図19(b)は、ガイドリング30を下面側から見た斜視図であり、図19(c)は、ガイドリング30の下面図である。
また、図19(b)〜(c)に示すように、本発明におけるガイドリング30は、その内壁にプランジャの移動方向に沿って第2の溝部と連続するように設けられた突起収容溝32を有することを特徴とする。
この理由は、図8〜図9に示すように、工程(D)において、プランジャ50における第1の突起部52を、ガイドリング30における突起収容溝32に収容させながらプランジャ50を上方に移動させるためである。
また、図19(b)〜(c)に示すように、突起収容溝32は、台座収容部35の内壁に対して、台座収容部35の下端から上方に向かって直線状に1本形成される必要がある。
この理由は、図8〜図9に示すように、工程(D)においてプランジャ50を上方に移動させるにあたり、突起収容溝32は、口型20に設けられた第2の溝部22に対して、連続している必要があるためである。
また、突起収容溝の深さは、第1の突起部の高さ以上の値であれば特に制限されるものではなく、通常、第1の突起部の高さよりも1mm以上大きな値とすることが好ましい。
また、突起収容溝の幅は、第1の突起部の幅(直径)以上の値であれば特に制限されるものではなく、通常、第1の突起部の幅よりも1〜3mmの範囲で大きな値とすることが好ましい。
また、図19(b)〜(c)に示すように、本発明のガイドリング30は、突起収容溝32が設けられた側とは反対側の内壁に第2の突起部34を有することを特徴とする。
この理由は、図10〜図11に示すように、工程(C)から工程(D)へと移行する際に、プランジャ50における第1の突起部52を、口型20における突起収容溝32に収容させるとともに、プランジャ50における第3の溝部54と、ガイドリング30における第2の突起部34とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させるためである。
また、第2の突起部34の配置位置は、突起収容溝32が設けられた側とは反対側の内壁になる。
この理由は、第2の突起部34の配置位置を突起収容溝32の配置位置の真反対の位置に採ることにより、プランジャ50が口型20およびガイドリング30により両側から固定され、プランジャの軸を中心とした回転を力学的に最も効率よく抑制することができるためである。
但し、「反対側の内壁」とは、上述した真反対の位置のみを意味するものではなく、真反対の位置の近傍であってもよい。
また、第2の突起部の形状については、第3の溝部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、円柱状等とすることが好ましい。
また、第2の突起部のガイドリングの内壁からの高さについても、第3の溝部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、3〜20mmの範囲内の値とすることが好ましく、4〜10mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、第2の突起部の幅(直径)についても、第3の溝部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、3〜10mmの範囲内の値とすることが好ましく、4〜8mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、図18(c)に示すように、ガイドリング30は、口型20の内部に当該口型20の開閉時に口型20との接触面に対してスライド可能に収容される。
より具体的には、ガイドリング30の上面33、並びに、ガイドリング30の外周面における下部に両側に張り出すように設けられた翼部37の上面および下面が、それぞれ口型20におけるガイドリング収容部26の内壁の対応する接触面に対してスライド可能に収容される。
また、図19(a)〜(c)に示すように、ガイドリング30の平面形状が、口型の開く方向に平行な対向する2つの直線状部分38を有することが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、口型20に対するガイドリング30の回転を効果的に抑制することができることから、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャと、成形型の一部であるガイドリング30との位置関係をより安定的に制御することができるためである。
より具体的には、2つの直線状部分38は、上述した翼部37の内、口型の開く方向に平行な対向する2つの部分を垂直に切断することにより形成することができる。
これにより、図18(c)に示すように、2つの直線状部分38の端面と、口型20に設けられた2つのレール部材28とがそれぞれ平行に接触することから、口型20に対するガイドリング30の回転を効果的に抑制することができる。
なお、成形面部分の平面形状が円形状のプランジャを用いる場合であれば、口型に対するガイドリングの回転は問題にならない。
したがって、ガイドリングにおける2つの直線状部分および口型における2つのレール部材は、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャを用いることを前提とした場合に求められる構成である。
また、図20(a)〜(b)に示すように、ガイドリング30が、バネ部材25により付勢された状態で、口型20の内部に収容してあることが好ましい。
また、図13(b)に示すように、工程(F)において、口型20を2分割して開くとともに、ガイドリング30によって仕上げ形状のガラス容器200´の落下位置をセンタリングしながら、仕上げ形状のガラス容器200´を自重により落下させ、冷却用金型80の底型82の上に載置することが好ましい。
この理由は、工程(D)で得られた仕上げ形状のガラス容器200´を、安定的に冷却用金型80に移送することができるためである。
ここで、図19(a)に示すように、ガイドリング30における上面33の開口部の内壁の上部(冷却用金型80に移送する際には、アームにより口型20ごと180°回転されて「下面の開口部の内壁の下部」となる)には、ガラス容器の口部における端面部分を成形するための成形部36が設けられていることから、僅かではあるがガイドリング30と仕上げ形状のガラス容器200´とは嵌合している。
したがって、バネ部材25によりガイドリング30がセンタリングされることにより、同時に仕上げ形状のガラス容器200´もセンタリングされることになる。
なお、図20(a)は、2分割して開いた状態の口型20およびガイドリング30を垂直方向に切断した場合の断面図であり、図20(b)は、バネ部材25を有する口型20の平面図である。
(4)ブローヘッド
また、図21に示すブローヘッド86は、図13(c)に示すように、後述する冷却用金型80の内部の所定位置に収容された仕上げ形状のガラス容器200´の内部に対して、第1の冷却エアー96を効率的に送風するための部材である。
かかるブローヘッド86は、図21に示すように、第1の冷却エアー96を送風する送風孔86aと、仕上げ形状のガラス容器200´の内部に対して当該第1の冷却エアー96を吹出させるための吹出口(第1吹出口)86bと、を備え、図13(c)に示すように、仕上げ形状のガラス容器200´の口部から離間して配置される。
これによって、送風孔86aの内部を送風されてくる第1の冷却エアー96を、第1吹出口86bを介して、仕上げ形状のガラス容器200´の内部に供給するとともに、吹出された第1の冷却エアー96を、ブローヘッド86と、仕上げ形状のガラス容器200´の口部との間に設けられた間隙から効率的に排出することができる。
したがって、ブローアンドブロー成形やプレスアンドブロー成形のように、ブローエアーによって膨らませることなく、仕上げ形状のガラス容器200´の内面側から、効率的に冷却することができる。
また、このように配置されるブローヘッド86であれば、ブローヘッド86の内部に、第1の冷却エアー96の排出孔を設ける必要がなくなるために、内部加工を簡素化することができる。
また、かかるブローヘッド86についても、上述した成形型等と同様に、鉄合金や真鍮、銅−ニッケル合金等を用いて構成することができる。
なお、図21は、ブローヘッド86の斜視図である。
(5)冷却用金型
また、図22に示す冷却用金型80は、仕上げ形状のガラス容器200´を内部に保持して、冷却するために使用される金型である。
かかる冷却用金型80は、図22に示すように、仕上げ形状のガラス容器200´の口部を支持する支持部81を有する仕上げ型84と、仕上げ形状のガラス容器200´の底部が載置される底型82と、を備えている。
この冷却用金型80については、成形型100と異なり、仕上げ形状のガラス容器200´を冷却するだけであって、かつ、仕上げ形状のガラス容器200´と側方では直接接触しないことから、通常、鋳物、鉄合金、真鍮等からなり、その形状についても、製造するガラス容器の外形形状に応じて、適宜変更することができる。
なお、図22は、冷却用金型80を垂直方向に切断した場合の断面図である。
また、支持部81は、仕上げ形状のガラス容器200´の口部を支持して、冷却用金型80の内部に保持するための部材である。
かかる支持部81を備えた仕上げ型84は、図23(a)〜(b)に示すように、例えば二分割された二つの構成要素からなり、仕上げ形状のガラス容器200´を挟み込むような構成とされる。
また、支持部81によって、仕上げ形状のガラス容器200´の口部を支持するとともに、仕上げ形状のガラス容器200´の外周面と、仕上げ型84とが接しないように、仕上げ形状のガラス容器200´の外周面と、仕上げ型84との間に間隙が設けられるように配置される。
これによって、仕上げ形状のガラス容器200´の口部以外に仕上げ型84が接触することがないため、冷却温度にばらつきが生じることを有効に防ぐことができる。
なお、図23(a)〜(b)は、仕上げ型84の平面図である。
また、図23(a)〜(b)に示すように、支持部81に、第2の冷却エアー98の排出孔81aを備えることが好ましい。
この理由は、下方側から吹出された第2の冷却エアー98を、仕上げ形状のガラス容器200´の外周面と、仕上げ型84の間隙における、底部から口部に至るすべての間隙を挿通させることができ、仕上げ形状のガラス容器200´の全体を均一に冷却させることができるためである。
したがって、第2の冷却エアー98が、仕上げ形状のガラス容器200´に直接的に吹き付けられずに、良好な冷却効果を発揮できるため、製造されたガラス容器200の品質を著しく向上させることができる。
また、底型82は、仕上げ形状のガラス容器200´の底部が載置される部材である。
かかる底型82は、図24(a)〜(b)に示すように、第2の冷却エアー98を送風する送風孔82aと、第2の冷却エアー98を、仕上げ形状のガラス容器200´の外周面と仕上げ型との間に設けた間隙に対して挿通させるべく、仕上げ形状のガラス容器200´の下方側から吹出させるための第2吹出口82bとを備えている。
なお、図24(a)は、底型82の平面図であり、図24(b)は、図24(a)に示す底型82を、点線A−Aに沿って垂直方向に切断して、切断面を矢印に沿った方向から眺めた場合の断面図である。
このような支持部81を有する仕上げ型84および底型82を含む冷却用金型80であれば、第2の冷却エアー98を、仕上げ形状のガラス容器200´の下方側の第2吹出口82bから所定方向(垂直方向)に吹出させることができるために、仕上げ形状のガラス容器200´に対して直接吹き付けられることがなくなる。
したがって、第2の冷却エアー98の風圧等によって、仕上げ形状のガラス容器200´が変形することを有効に防ぐことができる。
また、第2吹出口82bから吹出された第2の冷却エアー98を、仕上げ形状のガラス容器200´と、仕上げ型84と、の間隙に挿通させることにより、第1の冷却エアー96と相まって、仕上げ形状のガラス容器200´の内周面および外周面から、効率よくかつ均一に冷却させることができる。
さらに、仕上げ型84の内周面の表面状態や温度状態にかかわらず、得られるガラス容器200の表面に不要な凹凸等が形成されることがなくなるため、得られるガラス容器200の品質を向上させることができる。
本発明のガラス容器のワンプレス製造方法によれば、プランジャ、スリーブ、口型およびガイドリングに対して所定の突起部または溝部を設けることにより、プランジャの回転を効果的に抑制し、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャを用いた場合であっても、プランジャと、成形型との位置関係を、安定的に制御できるようになった。
したがって、ワンプレス製造方法であるにもかかわらず、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を、安定的に製造することができるようになった。
10:成形型基部、12:成形型基部の成形部、20:口型、22:第2の溝部、24:口型の成形部、25:バネ部材、26:ガイドリング収容部、28:レール部材、30:ガイドリング、32:突起収容溝、33:ガイドリングの上面、34:第2の突起部、35:台座収容部、36:ガイドリングの成形部、37:ガイドリングの翼部、38:直線状部分、40:スリーブ、42:第1の溝部、50:プランジャ、52:第1の突起部、54:第3の溝部、56:成形面部分、58:台座部分、70:ゴブ、72:ファンネル、74:バッフル、80:冷却用金型、81:支持部、82:底型、82a:底型送風孔、82b:第2吹出口、84:仕上げ型、86:ブローヘッド、86a:ブローヘッド送風孔、86b:吹出口(第1吹出口)、96:第1の冷却エアー、98:第2の冷却エアー、100:成形型、200:ガラス容器、200´:仕上げ形状のガラス容器、300:インディビジュアルセクションマシーン(ISマシーン)

Claims (6)

  1. 内周の平面形状が非円形状であるガラス容器のワンプレス製造方法であって、
    下記工程(A)〜(F)を含むことを特徴とするガラス容器のワンプレス製造方法。
    (A)それぞれ二分割する成形型基部および口型と、前記口型の内部に当該口型の開閉時に口型との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリングと、を含む成形型に対してゴブを投入する工程
    (B)スリーブ内に収容された成形面部分の平面形状が非円形状であるプランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、前記スリーブの内壁に前記プランジャの移動方向に沿って設けられた第1の溝部と、を係合させながら、前記成形型の内部に向かって移動させる工程
    (C)前記プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた前記第1の突起部と、前記口型の内壁に前記プランジャの移動方向に沿って前記第1の溝部と連続するように設けられた第2の溝部と、を係合させながら、前記成形型の内部に向かって移動させる工程
    (D)前記プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部を、前記ガイドリングの内壁に前記プランジャの移動方向に沿って前記第2の溝部と連続するように設けられた突起収容溝に収容させるとともに、前記プランジャにおける前記第1の突起部が設けられた側とは反対側の側方に前記プランジャの移動方向に沿って設けられた第3の溝部と、前記ガイドリングにおける前記突起収容溝が設けられた側とは反対側の内壁に設けられた第2の突起部と、を係合させながら、前記成形型の内部に向かって移動させ、前記プランジャの成形面部分を前記ゴブに対して完全に挿入し、仕上げ形状のガラス容器を形成する工程
    (E)前記プランジャを、前記仕上げ形状のガラス容器から引き抜く工程
    (F)前記仕上げ形状のガラス容器を、冷却用金型に移送し、冷却する工程
  2. 前記工程(C)から前記工程(D)へと移行する際に、前記プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた前記第1の突起部と、前記口型の内壁に設けられた前記第2の溝部と、を係合させ、かつ、前記プランジャにおける前記第3の溝部と、前記ガイドリングに設けられた前記第2の突起部と、を係合させた状態を経ることを特徴とする請求項1に記載のガラス容器のワンプレス製造方法。
  3. 前記ガイドリングの平面形状が、前記口型の開く方向に平行な対向する2つの直線状部分を有するとともに、前記口型の内壁が、前記ガイドリングにおける2つの直線状部分の端面と接触し、前記ガイドリングのスライドをガイドするための2つのレール部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載のガラス容器のワンプレス製造方法。
  4. 前記レール部材が、前記口型に対して当該口型の開く方向と平行に圧入されてなる円柱状物の側面からなることを特徴とする請求項3に記載のガラス容器のワンプレス製造方法。
  5. 前記ガイドリングが、バネ部材により付勢された状態で、前記口型の内部に収容してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス容器のワンプレス製造方法。
  6. 前記(F)工程において、前記口型を2分割して開くとともに、前記ガイドリングにより前記仕上げ形状のガラス容器の落下位置をセンタリングしながら、前記仕上げ形状のガラス容器を自重により落下させ、前記冷却用金型の底型上に載置することを特徴とする請求項5に記載のガラス容器のワンプレス製造方法。
JP2014259830A 2014-12-24 2014-12-24 ガラス容器のワンプレス製造方法およびガラス容器 Expired - Fee Related JP6348838B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014259830A JP6348838B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 ガラス容器のワンプレス製造方法およびガラス容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014259830A JP6348838B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 ガラス容器のワンプレス製造方法およびガラス容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016117631A JP2016117631A (ja) 2016-06-30
JP6348838B2 true JP6348838B2 (ja) 2018-06-27

Family

ID=56242424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014259830A Expired - Fee Related JP6348838B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 ガラス容器のワンプレス製造方法およびガラス容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6348838B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT202200003137A1 (it) 2022-02-21 2023-08-21 Vetreria Di Borgonovo S P A Procedimento per lo stampaggio e la produzione di vetro cavo, in particolare di un tappo di vetro con una protuberanza sagomata, e corrispondente apparecchiatura di stampaggio
KR102537334B1 (ko) * 2023-02-28 2023-05-26 최봉재 유리용기 각인장치

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5926932A (ja) * 1982-08-06 1984-02-13 Ishizuka Glass Ltd 口部,首部,胴部のすべてが四角形状であるガラス容器の製造方法
JP3588811B2 (ja) * 1994-01-24 2004-11-17 旭硝子株式会社 プランジャー位置合わせ機構
JP3809630B2 (ja) * 1999-01-20 2006-08-16 興亜硝子株式会社 製瓶方法及び製瓶装置
US7353667B2 (en) * 2005-01-03 2008-04-08 Owens-Brockway Glass Container Inc. Neck ring guide for glassware making machine
EP2184266B1 (en) * 2008-08-07 2016-11-16 Koa Glass Co., Ltd. Glass container one press manufacturing method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016117631A (ja) 2016-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5666059B1 (ja) ガラス容器のワンプレス製造方法およびガラス容器
JP6317860B2 (ja) ガラス容器の製造方法
JP6348838B2 (ja) ガラス容器のワンプレス製造方法およびガラス容器
CN101827795A (zh) 玻璃容器的一次压制制造方法
CN103524021B (zh) 一种玻璃精密模压的非球面镜片的制造方法
WO2016098229A1 (ja) ガラス容器およびガラス容器のワンプレス製造方法
US10640409B2 (en) Method of manufacturing glass container
EP2945792B1 (en) Holder for a fluid product and method for producing such a holder
US11174187B2 (en) Glass container and one-press method for producing glass container
JP2007297267A (ja) I.s.ガラス成形マシーンのためのブランク型
JP4558603B2 (ja) ガラス容器の製造装置及びガラス容器の製造方法
JP2020090399A (ja) ガラス容器の製造方法及びガラス容器
JP4126028B2 (ja) 口型
CN203419838U (zh) 制造玻璃容器用的模具
CN103351097A (zh) 制造玻璃容器用的模具
JP6200125B1 (ja) ガラス容器の製造方法
JP4026699B2 (ja) 粗型及び仕上型
JP2008120021A (ja) 発泡体成形用金型
CN207028078U (zh) 一种ar光学面罩镜片模具
JP3933845B2 (ja) 口型
JP2004352611A (ja) 底型
JP2004210569A (ja) ガラス製品の成形装置及びその成形方法並びにそれらに用いられるバッフル及びバッフルホルダー装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6348838

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees