JP6348838B2 - ガラス容器のワンプレス製造方法およびガラス容器 - Google Patents
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Description
特に、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を、安定的に製造することができるガラス容器のワンプレス製造方法およびそれにより得られるガラス容器に関する。
また、かかるガラス容器を工業的に連続的に製造する方法としては、ブローアンドブロー成形法やプレスアンドブロー成形法が知られている。
例えば、ブローアンドブロー成形法は、ゴブと称される溶融ガラスの塊を粗型内に充填するとともに、この粗型内にブローエアーを吹き込むことによりパリソンを成形する。
次いで、得られたパリソンを仕上げ型に移送してリヒートした後、パリソン内部に対してブローエアーを吹き込むことにより膨らませ、仕上げ型の形に成形する製造方法である。
一方、プレスアンドブロー成形法は、ゴブを粗型内に充填するとともに、この粗型内にプランジャを挿入してパリソンを成形する。
次いで、得られたパリソンを仕上げ型に移送してリヒートした後、パリソン内部に対してブローエアーを吹き込むことにより膨らませ、仕上げ型の形に成形する製造方法である。
そのため、例えば、化粧品等のクリーム状の物を内部に収容して使用した場合に、ガラス容器の本体部における口部に近い箇所に付着した内容物が取り出しにくくなる場合がある。
また、これらの成形法においては、ブローエアーを吹き込んで仕上げ型の内面にパリソンを圧接させて成形することから、得られるガラス容器の表面に、仕上げ型の内面における表面凹凸や、仕上げ型内の残留エアーの跡が残ってしまい、品質が低下してしまうおそれもある。
また、ガラス容器の表面に凹凸がついてしまうという問題に対しては、ガラス容器を成形する際に、仕上げ形状のガラス容器の表面と仕上げ型とが接触しないようにすることにより防ぐことが可能である。
より具体的には、ゴブを充填した仕上げ型内に、プランジャを挿入して仕上げ形状のガラス容器を成形するプレス工程と、この仕上げ形状のガラス容器を冷却用金型に移動して、冷却用金型の内部に送風される冷却エアー、および仕上げ形状のガラス容器の内部に送風される冷却エアーで、仕上げ形状のガラス容器の外周面および内周面をそれぞれ強制的に冷却する冷却工程と、からなるワンプレス製瓶方法である。
すなわち、図25に示すように、仕上げ形状のガラス容器510の内部に送風される冷却エアー512と、冷却用金型500の内部に送風される冷却エアー514とを併用して、仕上げ形状のガラス容器510の内周面および外周面をそれぞれ強制的に冷却するワンプレス製瓶方法の態様である。
すなわち、従来のワンプレス製造方法であっても、成形面部分の平面形状が円形状のプランジャを用いて内周の平面形状が円形状であるガラス容器を製造する場合であれば、プランジャが軸を中心に回転したとしても、成形型の開口部に対して問題無くプランジャを挿入することができ、ガラス容器を安定的に製造することができた。
例えば、プランジャの成形面部分の平面形状が四角形の場合、成形型の開口部の平面形状もこれに合わせて四角形となるが、仮にプランジャが軸を中心に45°回転したとすると、プランジャと成形型の開口部とがぶつかり合ってしまい、プランジャを成形型内に挿入することが困難になる。
また、仮にプランジャが軸を中心に1°回転したとすると、プランジャを成形型内に挿入することはできる可能性が高いが、挿入に伴ってプランジャが成形型の内面に接触しながら−1°回転し、最初の1°の回転を正常の位置に戻すことになる。
したがって、プランジャや成形型の内面が傷つきやすくなり、ひいては得られるガラス容器の内周および外周にその傷が転写されやすくなる。
しかしながら、実際には、ピストンロッドおよびこれに固定されたプランジャが軸を中心に回転可能であることが、本発明者らにより確認された。
このため、プランジャの軸を中心とした回転について何ら考慮しない従来のワンプレス製造方法では、プランジャと成形型の開口部が直接的にぶつかることにより、成形型に対してプランジャを挿入することが完全に阻害されたり、挿入できた場合であっても、プランジャと成形型の内面が不規則に接触しながらプランジャが回転することから、得られるガラス容器の品質が低下したりする問題が見られた。
すなわち、本発明は、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を、安定的に製造することができるガラス容器のワンプレス製造方法およびそれにより得られるガラス容器を提供することにある。
(A)それぞれ二分割する成形型基部および口型と、口型の内部に当該口型の開閉時に口型との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリングと、を含む成形型に対してゴブを投入する工程
(B)スリーブ内に収容された成形面部分の平面形状が非円形状であるプランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、スリーブの内壁にプランジャの移動方向に沿って設けられた第1の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(C)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、口型の内壁にプランジャの移動方向に沿って第1の溝部と連続するように設けられた第2の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(D)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部を、ガイドリングの内壁にプランジャの移動方向に沿って第2の溝部と連続するように設けられた突起収容溝に収容させるとともに、プランジャにおける第1の突起部が設けられた側とは反対側の側方にプランジャの移動方向に沿って設けられた第3の溝部と、ガイドリングにおける突起収容溝が設けられた側とは反対側の内壁に設けられた第2の突起部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させ、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入し、仕上げ形状のガラス容器を成形する工程
(E)プランジャを、仕上げ形状のガラス容器から引き抜く工程
(F)仕上げ形状のガラス容器を、冷却用金型に移送し、冷却する工程
すなわち、本発明のガラス容器のワンプレス製造方法によれば、プランジャ、スリーブ、口型およびガイドリングに対して所定の突起部または溝部を設けていることから、プランジャの軸を中心とした回転を効果的に抑制することができる。
したがって、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャと、成形型との位置関係を安定的に制御することができ、ひいては、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を安定的に製造することができる。
このように実施することにより、工程(C)から工程(D)への移行を、より安定的に行うことができる。
このように実施することにより、口型に対するガイドリングの回転を効果的に抑制することができることから、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャと、成形型の一部であるガイドリングとの位置関係をより安定的に制御することができる。
このように実施することにより、レール部材と、ガイドリングにおける2つの直線部分の端面との接触面積を小さくし、ゴブからの熱に起因する熱膨張によりガイドリングのスライド性が低下することを抑制し、口型を安定的に開閉することができる。
このように実施することにより、口型を二分割して開いた際に、ガイドリングを安定的にセンタリングすることができる。
このように実施することにより、(D)工程で得られた仕上げ形状のガラス容器を、安定的に冷却用金型に移送することができる。
(A)それぞれ二分割する成形型基部および口型と、口型の内部に当該口型の開閉時に口型との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリングと、を含む成形型に対してゴブを投入する工程
(B)スリーブ内に収容された成形面部分の平面形状が非円形状であるプランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、スリーブの内壁にプランジャの移動方向に沿って設けられた第1の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(C)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、口型の内壁にプランジャの移動方向に沿って第1の溝部と連続するように設けられた第2の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(D)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部を、ガイドリングの内壁にプランジャの移動方向に沿って第2の溝部と連続するように設けられた突起収容溝に収容させるとともに、プランジャにおける第1の突起部が設けられた側とは反対側の側方にプランジャの移動方向に沿って設けられた第3の溝部と、ガイドリングにおける突起収容溝が設けられた側とは反対側の内壁に設けられた第2の突起部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させ、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入し、仕上げ形状のガラス容器を成形する工程
(E)プランジャを、仕上げ形状のガラス容器から引き抜く工程
(F)仕上げ形状のガラス容器を、冷却用金型に移送し、冷却する工程
すなわち、本発明のガラス容器であれば、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器であることから、ガラス容器の内周面によるデザイン効果を著しく向上させることができる。
また、所定の製造方法により得られることから、優れたデザイン効果を高品質で実現することができる。
このように構成することにより、ガラス容器の内周面によるデザイン効果をより向上させることができる。
このように構成することにより、ガラス容器の内周面によるデザイン効果と、外周面によるデザイン効果とが相俟って、ガラス容器の総合的なデザイン性を向上させることができる。
(A)それぞれ二分割する成形型基部および口型と、口型の内部に当該口型の開閉時に口型との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリングと、を含む成形型に対してゴブを投入する工程
(B)スリーブ内に収容された成形面部分の平面形状が非円形状であるプランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、スリーブの内壁にプランジャの移動方向に沿って設けられた第1の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(C)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、口型の内壁にプランジャの移動方向に沿って第1の溝部と連続するように設けられた第2の溝部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させる工程
(D)プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部を、ガイドリングの内壁にプランジャの移動方向に沿って第2の溝部と連続するように設けられた突起収容溝に収容させるとともに、プランジャにおける第1の突起部が設けられた側とは反対側の側方にプランジャの移動方向に沿って設けられた第3の溝部と、ガイドリングにおける突起収容溝が設けられた側とは反対側の内壁に設けられた第2の突起部と、を係合させながら、成形型の内部に向かって移動させ、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入し、仕上げ形状のガラス容器を成形する工程
(E)プランジャを、仕上げ形状のガラス容器から引き抜く工程
(F)仕上げ形状のガラス容器を、冷却用金型に移送し、冷却する工程
また、本発明の別の実施形態は、上述したガラス容器のワンプレス製造方法によって得られてなるガラス容器である。
以下、これらの実施形態を、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
(1)形状
この理由は、ガラス容器の内周の平面形状を非円形状とすることにより、ガラス容器の内周面によるデザイン効果を著しく向上させることができるためである。
すなわち、ガラス容器を構成するガラスとして無色透明ガラス等を用いた場合、特にガラス容器内に有色の内容物を収容した際に、ガラス容器の内部形状が外部から視認可能となる。
このとき、ガラス容器の内周の平面形状が非円形状であれば、内周の平面形状が円形状の通常のものと比較して多様なデザイン効果を発揮することが可能となる。
また、ガラス容器の内周面に対して、プランジャを引き抜く際の障害とならないような立体的な模様を付した場合も、内周の平面形状が非円形状であるものに含まれる。
この場合、ガラス容器の外周面に対する印刷処理には何らの悪影響を及ぼすことが無い一方、ガラス容器の外周面に対して立体的な模様を付した場合には、その凹凸によりガラス容器の外周面に対して安定的に印刷処理を行うことが困難になる。
したがって、本発明のガラス容器であれば、印刷品質を保持しつつ、安定的に立体的な模様を付すことが可能となる。
なお、図1(a)は、ガラス容器200の斜視図であり、図1(b)は、ガラス容器200の平面図であり、図1(c)は、ガラス容器200を図1(b)に示す点線A−Aに沿って垂直に切断して、切断面を矢印に沿った方向から眺めた場合の断面図である。
この理由は、所定のプランジャを用いてガラス容器の内周の平面形状を多角形状とすることにより、ガラス容器の内周面によるデザイン効果をより向上させることができるためである。
すなわち、ガラス容器の内部形状が、見る角度によって大きく変化することから、ガラス容器の内周面によるデザイン効果をより向上させることができる。
なお、図1(a)〜(c)に示すガラス容器200の内周面の平面形状P1は、四角形状である。
このように、本発明においては、角の部分や直線部分が丸みを帯びている場合も、「多角形状」に含めるものとする。
この理由は、ガラス容器の外周の平面形状を多角形状とすることにより、ガラス容器の内周面によるデザイン効果と、外周面によるデザイン効果とが相俟って、ガラス容器の総合的なデザイン性を向上させることができるためである。
すなわち、ガラス容器の外部形状が、見る角度によって大きく変化することから、ガラス容器の内周面によるデザイン効果と相俟って、ガラス容器の総合的なデザイン性を向上させることができる。
なお、図1(a)〜(c)に示すガラス容器200の内周面の平面形状P2は、四角形状である。
また、ガラス容器を構成するガラスの種類についても特に制限されるものではなく、ソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸ガラス、鉛ガラス、リン酸塩ガラス、アルミノ珪酸塩ガラス等が挙げられる。
また、ガラス容器を構成するガラスとして、無色透明ガラスを用いることも好ましいが、着色透明ガラスや着色半透明ガラスを用いることも好ましい。
無色透明ガラスを用いた場合には、ガラス容器内に収容する内容物の色を外部から十分に認識させることができるとともに、光の内部反射を利用して、内容物の色をより鮮やかに認識させることができる。
一方、着色透明ガラスや着色半透明ガラスを用いた場合には、光の内部反射を利用して、内容物の色味とガラスの色味との相乗効果により、デザイン性により優れたガラス容器を得ることができる。
本発明のガラス容器のワンプレス製造方法は、所定の工程(A)〜(F)を含むことを特徴とする。
したがって、まず、それぞれの工程の概要を、図2〜図13を用いて説明した後、ガラス容器のワンプレス製造装置、並びに、当該ガラス容器のワンプレス製造装置を構成するプランジャ、スリーブ、成形型、ブローヘッドおよび冷却金型等について、具体的に説明する。
工程(A)は、図2に示すように、それぞれ二分割する成形型基部10および口型20と、口型20の内部に当該口型20の開閉時に口型20との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリング30と、を含む成形型100に対してゴブ70を投入する工程である。
より具体的には、図2に示すように、成形型100を設置し、当該成形型100の中にファンネル72を介してゴブ70を投入する。
なお、図2は、成形型100やファンネル72等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図であり、線Dは、成形型100を二分割して開く際の分割線である。
工程(B)は、図3〜図4に示すように、スリーブ40の内部に収容された図5(a)〜(b)に示すような成形面部分56の平面形状P3が非円形状であるプランジャ50を、当該プランジャ50の側方に設けられた第1の突起部52と、スリーブ40の内壁にプランジャ50の移動方向Mに沿って設けられた第1の溝部42と、を係合させながら、成形型100の内部に向かって移動させる工程である。
かかる工程(B)では、プランジャ50における第1の突起部52と、スリーブ40における第1の溝部42とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させることから、プランジャ50の軸を中心とした回転が、ワンプレス製造装置に対して固定されているスリーブ40により効果的に抑制されることになる。
より具体的には、図3〜図4に示すように、成形型100からファンネル72を取り外して、代わりに仕上げ形状のガラス容器の底面を形成することになるバッフル74を設置した後、プランジャ50を移動方向Mに沿って移動させる。
なお、図3は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
また、図4は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、図3における矢印Aに沿った方向から眺めた場合の外観図である。
また、図5(a)は、プランジャ50の斜視図であり、図5(b)は、プランジャ50の平面図である。
工程(C)は、図6〜図7に示すように、プランジャ50を、当該プランジャ50の側方に設けられた第1の突起部52と、口型20の内壁にプランジャ50の移動方向Mに沿って第1の溝部42と連続するように設けられた第2の溝部22と、を係合させながら、成形型100の内部に向かって移動させる工程である。
かかる工程(C)では、プランジャ50における第1の突起部52と、口型20における第2の溝部22とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させることから、プランジャ50の軸を中心とした回転が、ワンプレス製造装置に対して固定されている口型20により効果的に抑制されることになる。
なお、図6は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
また、図7は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、図6における矢印Aに沿った方向から眺めた場合の外観図である。
工程(D)は、図8〜図9に示すように、プランジャ50を、当該プランジャ50の側方に設けられた第1の突起部52を、ガイドリング30の内壁にプランジャ50の移動方向Mに沿って第2の溝部22と連続するように設けられた突起収容溝32に収容させるとともに、プランジャ50における第1の突起部52が設けられた側とは反対側の側方にプランジャ50の移動方向Mに沿って設けられた第3の溝部54と、ガイドリング30における突起収容溝32が設けられた側とは反対側の内壁に設けられた第2の突起部34と、を係合させながら、成形型100の内部に向かって移動させ、プランジャ50の成形面部分56をゴブ70に対して完全に挿入し、仕上げ形状のガラス容器200´を成形する工程である。
したがって、プランジャ50の軸を中心とした回転が、口型20を介してワンプレス製造装置に対して間接的に固定されているガイドリング30により効果的に抑制されることになる。
しかも、工程(D)では、プランジャ50とガイドリング30との係合の精度を、プランジャ50とスリーブ40との係合の精度、および、プランジャ50と口型20との係合の精度よりも高く設定することにより、プランジャ50の軸を中心とした回転が、工程(B)および工程(C)よりもさらに確実に抑制される。
これは、工程(D)が仕上げ形状のガラス容器200´を成形するための最終工程に当たり、プランジャ50の軸を中心とした回転をより高い精度で抑制する必要があるためである。
したがって、工程(D)においてプランジャ50が軸を中心として回転した場合、即、得られるガラス容器200の品質低下に繋がるためである。
なお、図8は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
また、図9は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、図8における矢印Aに沿った方向から眺めた場合の外観図である。
この理由は、このように実施することにより、プランジャ50が、口型20によって回転を防止された状態を維持しつつ、ガイドリング30へと移動することになるため、工程(C)から工程(D)への移行を、より安定的に行うことができるためである。
なお、図10は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
また、図11は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、図10における矢印Aに沿った方向から眺めた場合の外観図である。
工程(E)は、図12に示すように、プランジャ50を、仕上げ形状のガラス容器200´から引き抜く工程である。
すなわち、上述した工程(B)〜(D)におけるプランジャ50を上方へ移動させる工程を逆に辿って、プランジャ50を下方へ移動させ、プランジャ50を仕上げ形状のガラス容器200´から引き抜く工程である。
したがって、プランジャ50の軸を中心とした回転は、プランジャ50を引き抜く過程においても効果的に抑制される。
なお、図12は、成形型100やバッフル74等を含む全体を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
工程(F)は、図13(a)〜(c)に示すように、仕上げ形状のガラス容器200´を、冷却用金型80に移送し、冷却する工程である。
より具体的には、バッフル74が取り外された後、成形型基部10が二分割されて取り外される。
この時点で、仕上げ形状のガラス容器200´は、上下が逆さまの状態で、アーム(図示せず)に接続された口型20によって口部を挟持されている。
次いで、アームを、支点を中心に180°回転させ、仕上げ形状のガラス容器200´の上下を反転させるとともに、図13(a)に示すように冷却用金型80の一部である底型82の真上に移動させる。
次いで、図13(b)に示すように口型20を2分割して開くことにより、仕上げ形状のガラス容器200´を自重により落下させ、底型82の上に載置する。
次いで、底型82の下方から冷却エアーを供給し、仕上げ形状のガラス容器200´の外周面と、仕上げ型84の内周面との間の間隙に下方から上方に向かって冷却エアーを通過させる。
それと同時に、仕上げ形状のガラス容器200´の上方に配置されたブローヘッド86により、仕上げ形状のガラス容器200´の内周面に対しても冷却エアーが吹き付けられる。
したがって、仕上げ形状のガラス容器200´は外周面および内周面を同時に冷却されて、最終的なガラス容器200となる。
なお、図13(a)〜(c)は、口型20や仕上げ形状のガラス容器200´等を含む全体を、口型20を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
本発明のガラス容器のワンプレス製造方法を実施するガラス容器のワンプレス製造装置としては、基本的に、図14に示すように、インディビジュアルセクションマシーン(ISマシーン)300を使用することができる。
かかるISマシーンは、所定の成形型100を使用するとともに、当該成形型100で成形した仕上げ形状のガラス容器を冷却用金型80に移送した後、ブローヘッド86から吹き付けられる第1の冷却エアーと、仕上げ型84の内周面に沿って吹き付けられる第2の冷却エアーと、を用いて、冷却するように構成されている。
すなわち、一回のプレスで仕上げ形状のガラス容器を成形した後、当該仕上げ形状のガラス容器を、冷却用金型の中で冷却するだけで、所定のガラス容器を製造することができる。
したがって、かかるISマシーンであれば、例えば、図1(a)〜(c)に示すような、口部と本体部との内径が等しいような、肉厚で装飾性に富んだ特定形状のガラス容器200を、容易かつ連続的に製造することができる。
なお、図14は、ISマシーン300の斜視図である。
図5(a)〜(b)および図15(a)〜(c)に示すように、本発明におけるプランジャ50は、その成形面部分56の平面形状P3が非円形状であることを特徴とする。
この理由は、プランジャの平面形状を非円形状とすることにより、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を製造することができるためである。
また、図5(a)〜(b)および図15(a)〜(c)に示すように、本発明におけるプランジャ50は、その成形面部分56の平面形状P3が多角形状であることが好ましい。
この理由は、プランジャの成形面部分の平面形状を多角形状とすることにより、内周の平面形状が多角形状であるガラス容器を製造することができるためである。
また、プランジャのサイズに関しては、製造するガラス容器のサイズによって様々であるため、特に制限されるものではないが、通常、プランジャの最大径を10〜50mmの範囲内の値とすることが好ましく、プランジャの成形面部分の長さを10〜50mmの範囲内の値とすることが好ましい。
なお、図15(a)は、プランジャ50の側面図であり、図15(b)はプランジャ50を図15(a)における矢印Aに沿った方向から眺めた場合の正面図であり、図15(c)はプランジャ50を図15(a)における矢印Bに沿った方向から眺めた場合の裏面図である。
この理由は、図3〜図4に示すように、工程(B)において、プランジャ50における第1の突起部52と、スリーブ40における第1の溝部42とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させるためである。
また、工程(B)の終了後、図6〜図7に示すように、次の工程(C)において、プランジャ50における第1の突起部52と、口型20における第2の溝部22とを係合させながらプランジャ50をより上方に移動させるためである。
さらに、工程(C)の終了後、図8〜図9に示すように、次の工程(D)において、プランジャ50における第1の突起部52を、ガイドリング30における突起収容溝32に収容させながらプランジャ50をより上方に移動させるためである。
この理由は、図2に示すように、台座部分58であれば、通常、第1の溝部42が設けられたスリーブ40、第2の溝部22が設けられた口型20および突起収容溝32が設けられたガイドリング30の内径に近い外径を有していることから、第1の突起部52と、第1の溝部42、第2の溝部22および突起収容溝32とを安定的に係合させることができるためである。
また、第1の突起部のプランジャの側面からの高さについても、第1〜第2の溝部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、3〜20mmの範囲内の値とすることが好ましく、4〜10mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、第1の突起部の幅(直径)についても、第1〜第2の溝部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、3〜10mmの範囲内の値とすることが好ましく、4〜8mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、図8に示すように、工程(D)において、プランジャ50における第3の溝部54と、ガイドリング30における第2の突起部34とを係合させながらプランジャを上方に移動させるためである。
したがって、図5(a)〜(b)や図15(c)に示すように、台座部分58の側方であって、第1の突起部52の配設位置の真反対の位置に配設することが好ましい。
この理由は、図10〜図11に示すように、台座部分58であれば、通常、第2の突起部34が設けられたガイドリング30の内径に近い外径を有していることから、第3の溝部54と、第2の突起部34とを安定的に係合させることができるためである。
また、第3の溝部54の配設位置を第1の突起部52の配設位置の真反対の位置に採ることにより、プランジャ50が口型20およびガイドリング30により両側から固定され、プランジャ50の軸を中心とした回転を力学的に最も効率よく抑制することができるためである。
但し、「反対側の側方」とは、上述した真反対の位置のみを意味するものではなく、真反対の位置の近傍であってもよい。
また、断面形状については、第2の突起部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、四角形等とすることが好ましい。
また、第3の溝部の深さについても、第2の突起部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、第2の突起部の高さよりも1mm以上大きな値とすることが好ましい。
また、第3の溝部の幅についても、第2の突起部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、第2の突起部の幅よりも0〜0.05mmの範囲で大きい値とすることが好ましい。
さらに、第3の溝部の長さについては、ガイドリングのサイズ等により決まるものであるが、通常、20〜35mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、プランジャの内部には、多数の吹出し孔を有するステンレス製の円筒部材からなるクーラーを、プランジャの内周面との間に冷却エアーの通過路としての間隙を形成するように収容することも好ましい。
プランジャの内部にこのようなクーラーを収容することにより、プランジャの成形面部分に接触したゴブの表面を効果的に冷却し、効率的に仕上げ形状のガラス容器を得ることができる。
図16に示すように、本発明におけるスリーブ40は、筒状の部材であり、ワンプレス装置に対して固定されて、ピストンロッドにより上下動するプランジャの動きをガイドする役割を果たす部材である。
かかるスリーブの形状としては、通常、円筒状とすることが好ましい。
また、スリーブのサイズに関しては、使用するプランジャのサイズやプランジャの上下動距離によって様々であるため、特に制限されるものではないが、通常、スリーブの内径をプランジャの直径よりも2〜5mmの範囲で大きい値とすることが好ましい。
なお、図16は、スリーブ40の斜視図である。
この理由は、図3〜図4に示すように、工程(B)において、プランジャ50における第1の突起部52と、スリーブ40における第1の溝部42とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させるためである。
また、図3〜図4に示すように、第1の溝部42は口型20が位置する側のスリーブ40の端面まで形成される必要がある。
この理由は、図3に示すように第1の溝部42は、口型20に設けられた第2の溝部22に対して、連続している必要があるためである。
したがって、プランジャ50をどこまで下げるかにもよるが、第1の溝部42は口型20が位置する側とは反対側においては、スリーブ40の端面まで形成される必要は無い。
なお、図16に示すように、第1の溝部42は、スリーブ40の外壁にまで貫通していてもよい。
また、第1の溝部の幅は、第1の突起部の幅(直径)以上の値であれば特に制限されるものではなく、通常、第1の突起部の幅よりも0.1〜0.2mmの範囲で大きな値とすることが好ましい。
図17(a)〜(c)に示すように、本発明における成形型100は、それぞれ二分割する成形型基部10および口型20と、口型20の内部に当該口型20の開閉時に口型20との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリング30と、を含むことを特徴とする。
なお、図17(a)は、成形型100を、成形型100を二分割して開くための二分割断面と直交する面で切断して、切断面を正面から眺めた場合の断面図である。
また、図17(b)は、図17(a)に示す成形型100を二分割して開いた状態を示す断面図である。
また、図17(c)は、図17(b)に示す二分割して開いた状態の成形型100の平面図である。
以下、成形型基部10、口型20およびガイドリング30について、それぞれ具体的に説明する。
図17(a)〜(c)に示すように、本発明における成形型基部10は、ガラス容器の胴部の外周形状を成形するための型部材である。
かかる成形型基部10は、二分割して開くための分割線Dを有するとともに、ガラス容器の胴部の外周形状を成形するための内周面からなる成形部12を有している。
また、成形部12の上方には、ゴブを投入するための開口部を有しており、また、かかる開口部には、ファンネルやバッフルを取り付けるための凹部が設けられている。
また、成形部12の下方にも、口型の上部を両側から挟み込んで一体化するための開口部を有しており、上方の開口部と、成形部12と、下方の開口部とは、連通している。
なお、成形型基部のサイズや形状は、製造するガラス容器のサイズや形状に対応させて、適宜選択すればよい。
図17(a)〜(c)に示すように、本発明における口型20は、ガラス容器の口部および胴部と口部とを繋ぐ肩部の外周形状を成形するための型部材である。
かかる口型20は、二分割して開くための分割線Dを有するとともに、上面の開口部の内壁に、ガラス容器の口部および肩部の外周形状を成形するための成形部24を有している。
また、上面の開口部の下方には、ガイドリング30を口型20の開閉時に口型20との接触面に対してスライド可能に収容するためのガイドリング収容部26を有している。
また、ガイドリング収容部26の下方にも、プランジャを挿入する際の入り口となる開口部を有しており、上面の開口部(成形部24)と、ガイドリング収容部26と、下方の開口部とは、連通している。
また、口型20の外周面における上部には、成形型基部10によって両側から挟み込まれて嵌合し、一体化するための凸部が設けられている。
この理由は、図6〜図7に示すように、工程(C)において、プランジャ50における第1の突起部52と、口型20における第2の溝部22とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させるためである。
なお、図18(a)は、二分割した口型20のうち、第2の溝部22を有する方の口型20を内周面側から眺めた斜視図であり、図18(b)は、図18(a)に示す口型20の下面図である。
この理由は、図6〜図7に示すように第2の溝部22は、スリーブ40に設けられた第1の溝部42、およびガイドリング30に設けられた突起収容溝32に対して、それぞれ連続している必要があるためである。
また、第2の溝部の幅は、第1の突起部の幅(直径)以上の値であれば特に制限されるものではなく、通常、第1の突起部の幅よりも0.05〜0.1mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、口型20に対するガイドリング30の回転を効果的に抑制することができることから、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャと、成形型の一部であるガイドリング30との位置関係をより安定的に制御することができるためである。
なお、図18(c)は、二分割した口型20の一方のガイドリング収容部26に対し、ガイドリング30を収容した状態を示す斜視図である。
この理由は、このように構成することにより、レール部材28と、ガイドリング30における2つの直線状部分38の端面との接触面積を小さくし、ゴブからの熱に起因する熱膨張によりガイドリング30のスライド性が低下することを抑制し、口型20を安定的に開閉することができるためである。
また、口型20に対して切削のみによりレール部材28を設けるには、加工が非常に困難になるが、このように構成することにより容易にレール部材28を設けることが出来る。
また、円柱状物の長さについても、特に制限されるものではなく、通常、10〜40mmの範囲内の値とすることが好ましく、15〜30mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、円柱状物の構成材料としては、耐摩耗性、焼入性、加工性等の観点から、炭素工具鋼を用いることが好ましく、特に炭素工具鋼SK4を用いることが好ましい。
図17(a)〜(c)に示すように、本発明におけるガイドリング30は、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入する段階で、プランジャの移動を精度よくガイドするための部材である。
また、ガラス容器の口部における端面部分を成形するための型部材でもある。
かかるガイドリング30は、図19(a)〜(c)に示すように、上面33に開口部を有しており、かかる開口部の平面形状は、プランジャの成形面部分の根本における平面形状と一致している。
したがって、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入する段階で、プランジャの移動を精度よくガイドすることができる。
また、上面33の開口部の内壁の上部に、ガラス容器の口部における端面部分を形成するための成形部36を有している。
また、上面33の開口部の下方には、プランジャの成形面部分をゴブに対して完全に挿入する段階で、プランジャの台座部分が収まるための台座収容部35が設けられている。
なお、図19(a)は、ガイドリング30の斜視図であり、図19(b)は、ガイドリング30を下面側から見た斜視図であり、図19(c)は、ガイドリング30の下面図である。
この理由は、図8〜図9に示すように、工程(D)において、プランジャ50における第1の突起部52を、ガイドリング30における突起収容溝32に収容させながらプランジャ50を上方に移動させるためである。
この理由は、図8〜図9に示すように、工程(D)においてプランジャ50を上方に移動させるにあたり、突起収容溝32は、口型20に設けられた第2の溝部22に対して、連続している必要があるためである。
また、突起収容溝の幅は、第1の突起部の幅(直径)以上の値であれば特に制限されるものではなく、通常、第1の突起部の幅よりも1〜3mmの範囲で大きな値とすることが好ましい。
この理由は、図10〜図11に示すように、工程(C)から工程(D)へと移行する際に、プランジャ50における第1の突起部52を、口型20における突起収容溝32に収容させるとともに、プランジャ50における第3の溝部54と、ガイドリング30における第2の突起部34とを係合させながらプランジャ50を上方に移動させるためである。
この理由は、第2の突起部34の配置位置を突起収容溝32の配置位置の真反対の位置に採ることにより、プランジャ50が口型20およびガイドリング30により両側から固定され、プランジャの軸を中心とした回転を力学的に最も効率よく抑制することができるためである。
但し、「反対側の内壁」とは、上述した真反対の位置のみを意味するものではなく、真反対の位置の近傍であってもよい。
また、第2の突起部のガイドリングの内壁からの高さについても、第3の溝部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、3〜20mmの範囲内の値とすることが好ましく、4〜10mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、第2の突起部の幅(直径)についても、第3の溝部と安定的に係合可能であれば特に制限されるものではなく、通常、3〜10mmの範囲内の値とすることが好ましく、4〜8mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
より具体的には、ガイドリング30の上面33、並びに、ガイドリング30の外周面における下部に両側に張り出すように設けられた翼部37の上面および下面が、それぞれ口型20におけるガイドリング収容部26の内壁の対応する接触面に対してスライド可能に収容される。
この理由は、このように構成することにより、口型20に対するガイドリング30の回転を効果的に抑制することができることから、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャと、成形型の一部であるガイドリング30との位置関係をより安定的に制御することができるためである。
より具体的には、2つの直線状部分38は、上述した翼部37の内、口型の開く方向に平行な対向する2つの部分を垂直に切断することにより形成することができる。
これにより、図18(c)に示すように、2つの直線状部分38の端面と、口型20に設けられた2つのレール部材28とがそれぞれ平行に接触することから、口型20に対するガイドリング30の回転を効果的に抑制することができる。
したがって、ガイドリングにおける2つの直線状部分および口型における2つのレール部材は、成形面部分の平面形状が非円形状のプランジャを用いることを前提とした場合に求められる構成である。
また、図13(b)に示すように、工程(F)において、口型20を2分割して開くとともに、ガイドリング30によって仕上げ形状のガラス容器200´の落下位置をセンタリングしながら、仕上げ形状のガラス容器200´を自重により落下させ、冷却用金型80の底型82の上に載置することが好ましい。
この理由は、工程(D)で得られた仕上げ形状のガラス容器200´を、安定的に冷却用金型80に移送することができるためである。
ここで、図19(a)に示すように、ガイドリング30における上面33の開口部の内壁の上部(冷却用金型80に移送する際には、アームにより口型20ごと180°回転されて「下面の開口部の内壁の下部」となる)には、ガラス容器の口部における端面部分を成形するための成形部36が設けられていることから、僅かではあるがガイドリング30と仕上げ形状のガラス容器200´とは嵌合している。
したがって、バネ部材25によりガイドリング30がセンタリングされることにより、同時に仕上げ形状のガラス容器200´もセンタリングされることになる。
なお、図20(a)は、2分割して開いた状態の口型20およびガイドリング30を垂直方向に切断した場合の断面図であり、図20(b)は、バネ部材25を有する口型20の平面図である。
また、図21に示すブローヘッド86は、図13(c)に示すように、後述する冷却用金型80の内部の所定位置に収容された仕上げ形状のガラス容器200´の内部に対して、第1の冷却エアー96を効率的に送風するための部材である。
かかるブローヘッド86は、図21に示すように、第1の冷却エアー96を送風する送風孔86aと、仕上げ形状のガラス容器200´の内部に対して当該第1の冷却エアー96を吹出させるための吹出口(第1吹出口)86bと、を備え、図13(c)に示すように、仕上げ形状のガラス容器200´の口部から離間して配置される。
これによって、送風孔86aの内部を送風されてくる第1の冷却エアー96を、第1吹出口86bを介して、仕上げ形状のガラス容器200´の内部に供給するとともに、吹出された第1の冷却エアー96を、ブローヘッド86と、仕上げ形状のガラス容器200´の口部との間に設けられた間隙から効率的に排出することができる。
したがって、ブローアンドブロー成形やプレスアンドブロー成形のように、ブローエアーによって膨らませることなく、仕上げ形状のガラス容器200´の内面側から、効率的に冷却することができる。
また、このように配置されるブローヘッド86であれば、ブローヘッド86の内部に、第1の冷却エアー96の排出孔を設ける必要がなくなるために、内部加工を簡素化することができる。
また、かかるブローヘッド86についても、上述した成形型等と同様に、鉄合金や真鍮、銅−ニッケル合金等を用いて構成することができる。
なお、図21は、ブローヘッド86の斜視図である。
また、図22に示す冷却用金型80は、仕上げ形状のガラス容器200´を内部に保持して、冷却するために使用される金型である。
かかる冷却用金型80は、図22に示すように、仕上げ形状のガラス容器200´の口部を支持する支持部81を有する仕上げ型84と、仕上げ形状のガラス容器200´の底部が載置される底型82と、を備えている。
この冷却用金型80については、成形型100と異なり、仕上げ形状のガラス容器200´を冷却するだけであって、かつ、仕上げ形状のガラス容器200´と側方では直接接触しないことから、通常、鋳物、鉄合金、真鍮等からなり、その形状についても、製造するガラス容器の外形形状に応じて、適宜変更することができる。
なお、図22は、冷却用金型80を垂直方向に切断した場合の断面図である。
かかる支持部81を備えた仕上げ型84は、図23(a)〜(b)に示すように、例えば二分割された二つの構成要素からなり、仕上げ形状のガラス容器200´を挟み込むような構成とされる。
また、支持部81によって、仕上げ形状のガラス容器200´の口部を支持するとともに、仕上げ形状のガラス容器200´の外周面と、仕上げ型84とが接しないように、仕上げ形状のガラス容器200´の外周面と、仕上げ型84との間に間隙が設けられるように配置される。
これによって、仕上げ形状のガラス容器200´の口部以外に仕上げ型84が接触することがないため、冷却温度にばらつきが生じることを有効に防ぐことができる。
なお、図23(a)〜(b)は、仕上げ型84の平面図である。
この理由は、下方側から吹出された第2の冷却エアー98を、仕上げ形状のガラス容器200´の外周面と、仕上げ型84の間隙における、底部から口部に至るすべての間隙を挿通させることができ、仕上げ形状のガラス容器200´の全体を均一に冷却させることができるためである。
したがって、第2の冷却エアー98が、仕上げ形状のガラス容器200´に直接的に吹き付けられずに、良好な冷却効果を発揮できるため、製造されたガラス容器200の品質を著しく向上させることができる。
かかる底型82は、図24(a)〜(b)に示すように、第2の冷却エアー98を送風する送風孔82aと、第2の冷却エアー98を、仕上げ形状のガラス容器200´の外周面と仕上げ型との間に設けた間隙に対して挿通させるべく、仕上げ形状のガラス容器200´の下方側から吹出させるための第2吹出口82bとを備えている。
なお、図24(a)は、底型82の平面図であり、図24(b)は、図24(a)に示す底型82を、点線A−Aに沿って垂直方向に切断して、切断面を矢印に沿った方向から眺めた場合の断面図である。
したがって、第2の冷却エアー98の風圧等によって、仕上げ形状のガラス容器200´が変形することを有効に防ぐことができる。
また、第2吹出口82bから吹出された第2の冷却エアー98を、仕上げ形状のガラス容器200´と、仕上げ型84と、の間隙に挿通させることにより、第1の冷却エアー96と相まって、仕上げ形状のガラス容器200´の内周面および外周面から、効率よくかつ均一に冷却させることができる。
さらに、仕上げ型84の内周面の表面状態や温度状態にかかわらず、得られるガラス容器200の表面に不要な凹凸等が形成されることがなくなるため、得られるガラス容器200の品質を向上させることができる。
したがって、ワンプレス製造方法であるにもかかわらず、内周の平面形状が非円形状であるガラス容器を、安定的に製造することができるようになった。
Claims (6)
- 内周の平面形状が非円形状であるガラス容器のワンプレス製造方法であって、
下記工程(A)〜(F)を含むことを特徴とするガラス容器のワンプレス製造方法。
(A)それぞれ二分割する成形型基部および口型と、前記口型の内部に当該口型の開閉時に口型との接触面に対してスライド可能に収容されたガイドリングと、を含む成形型に対してゴブを投入する工程
(B)スリーブ内に収容された成形面部分の平面形状が非円形状であるプランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部と、前記スリーブの内壁に前記プランジャの移動方向に沿って設けられた第1の溝部と、を係合させながら、前記成形型の内部に向かって移動させる工程
(C)前記プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた前記第1の突起部と、前記口型の内壁に前記プランジャの移動方向に沿って前記第1の溝部と連続するように設けられた第2の溝部と、を係合させながら、前記成形型の内部に向かって移動させる工程
(D)前記プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた第1の突起部を、前記ガイドリングの内壁に前記プランジャの移動方向に沿って前記第2の溝部と連続するように設けられた突起収容溝に収容させるとともに、前記プランジャにおける前記第1の突起部が設けられた側とは反対側の側方に前記プランジャの移動方向に沿って設けられた第3の溝部と、前記ガイドリングにおける前記突起収容溝が設けられた側とは反対側の内壁に設けられた第2の突起部と、を係合させながら、前記成形型の内部に向かって移動させ、前記プランジャの成形面部分を前記ゴブに対して完全に挿入し、仕上げ形状のガラス容器を形成する工程
(E)前記プランジャを、前記仕上げ形状のガラス容器から引き抜く工程
(F)前記仕上げ形状のガラス容器を、冷却用金型に移送し、冷却する工程 - 前記工程(C)から前記工程(D)へと移行する際に、前記プランジャを、当該プランジャの側方に設けられた前記第1の突起部と、前記口型の内壁に設けられた前記第2の溝部と、を係合させ、かつ、前記プランジャにおける前記第3の溝部と、前記ガイドリングに設けられた前記第2の突起部と、を係合させた状態を経ることを特徴とする請求項1に記載のガラス容器のワンプレス製造方法。
- 前記ガイドリングの平面形状が、前記口型の開く方向に平行な対向する2つの直線状部分を有するとともに、前記口型の内壁が、前記ガイドリングにおける2つの直線状部分の端面と接触し、前記ガイドリングのスライドをガイドするための2つのレール部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載のガラス容器のワンプレス製造方法。
- 前記レール部材が、前記口型に対して当該口型の開く方向と平行に圧入されてなる円柱状物の側面からなることを特徴とする請求項3に記載のガラス容器のワンプレス製造方法。
- 前記ガイドリングが、バネ部材により付勢された状態で、前記口型の内部に収容してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス容器のワンプレス製造方法。
- 前記(F)工程において、前記口型を2分割して開くとともに、前記ガイドリングにより前記仕上げ形状のガラス容器の落下位置をセンタリングしながら、前記仕上げ形状のガラス容器を自重により落下させ、前記冷却用金型の底型上に載置することを特徴とする請求項5に記載のガラス容器のワンプレス製造方法。
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