以下では、図1〜7に基づき、本発明によるイージングロールの退避装置の一実施例について説明する。なお、以下の実施例は、本発明におけるイージング機構としてクランク式の積極イージング機構を採用した例である。
本発明が適用される織機は、図1〜3に示すものであって、織幅方向に離間して配置される左右一対の織機フレームF、Fのそれぞれは、フレーム本体Fbと、フレーム本体Fbの送出側に位置する部分の上面に設けられた支持ブラケットFaとで構成されており、イージングロール1、ガイドロールGRは、その両端の軸部2おいて支持ブラケットFaによって織機フレームFに支持されている。なお、本実施例における織機において、左右両側の織機フレームF、Fにおける各構成は同じであるため、以下では、基本的には片側の構成のみについて詳細に説明する。また、以下の説明では、各部材に関し、織幅方向における織機の中央側を内側と称し、その反対の側を外側と称する。また、イージングロール1から織前(図示略)に至る経糸Tの延在方向に沿った方向を前後方向称し、その前後方向におけるイージングロール1側(経糸Tの送出側)を前側(前方)、イージングロール1とは反対の側(反イージングロール側/織前側)を後側(後方)という。
織機フレームFにおける支持ブラケットFaには、第一の支持軸7が、織幅方向と平行に延在するかたちで、支持ブラケットFaの内側の端面から内側へ向けて突出するように設けられている。そして、この第一の支持軸7には、張力検出レバー3が軸受を介して回動可能に支持されている。すなわち、張力検出レバー3は、第一の支持軸7を介し、織機フレームFに対し回動可能に支持されている。
張力検出レバー3は、図示の例では、第一の支持軸7に支持される円筒状の支持部3aと、支持部3aの外周面から突設するようにして一体形成された2つのアーム部3b、3cとを有する。この2つのアーム部3b、3cは、支持部3a(第一の支持軸7)の軸線を挟んで両側に位置するように設けられ、前記軸線と直交して延在するように形成されている。そして、この2つのアーム部3b、3cのうちの下方へ向けて延びるアーム部3bには、その端部にロードセル5が連結されている。このロードセル5は、S字型のロードセル本体5aと、ロードセル本体5aに対し荷重を受ける方向の両側に取り付けられた連結ロッド5b、5bで構成されている。そして、ロードセル5は、一方の連結ロッド5bで球面軸受を介して張力検出レバー3のアーム部3bに連結されると共に、他方の連結ロッド5bで球面軸受を介して支持ブラケットFaに支持されている。従って、織機フレームFに対し回転可能に支持される張力検出レバー3は、そのアーム部3bにおいてロードセル5を介して織機フレームFに連結されており、第一の支持軸7の軸線周りの位相がロードセル5によって固定(維持)されている。
また、張力検出レバー3における2つのアーム部3b、3cのうちの上方へ向けて延びるアーム部3cは、図示の例では、端部が円筒状に形成されており、その円筒状の端部には貫通孔が形成されている。そして、アーム部3cには、前記貫通孔に嵌挿されたニードルベアリング等の軸受を介し、第二の支持軸9が嵌挿されている。すなわち、第二の支持軸9は、張力検出レバー3に対し、アーム部3cにおいて回転可能に支持されている。なお、前記のように、張力検出レバー3は、その第一の支持軸7の軸線周りの位相がロードセル5によって固定(維持)されている。従って、第二の支持軸9の位置も、第一の支持軸7の軸線周りにおいて固定されている。
また、第二の支持軸9は、その内側の端部において張力検出レバー3に支持されると共に、その支持位置から外側へ向けて織幅方向に延在している。そして、第二の支持軸9には、張力検出レバー3による支持位置よりも外側であって張力検出レバー3と支持ブラケットFaとの間にテンションレバー11が固定されている。
テンションレバー11は、両端部に貫通孔を有する部材であり、一方の端部は、端縁から貫通孔に連通するすり割りが形成され、ボルト11aを締め付けることにより貫通孔が縮径される割締め構造を有している。そして、テンションレバー11は、その割締め構造を有する一方の端部において、第二の支持軸9に対し、張力検出レバー3のアーム部3cと所定の角度(図示の例では、略90°)を為して固定支持されている。
また、テンションレバー11の他方の端部には、その貫通孔に嵌装された軸受を介し、テンションローラ1の軸部1aが嵌挿されている。従って、テンションローラ1は、その両端部の軸部1aが、テンションレバー11を介して第二の支持軸9に支持されている。なお、左右一対の織機フレームF、Fのそれぞれに設けられる張力検出レバー3、3は、それぞれのアーム部3cにおける貫通孔の位置が側方から見て互いにほぼ一致するように、ロードセル5によって第一の支持軸7の軸線周りの位相が固定されている。従って、両織機フレームF、Fのそれぞれに設けられる第2の支持軸9、9の軸心位置も、側方から見てほぼ一致したものとなっている。しかも、両織機フレームF、Fのそれぞれの側において、張力検出レバー3とテンションレバ−11とが同じ角度を為すように、テンションレバー11が第2の支持軸9に固定されている。それにより、イージングロール1は、第1の支持軸7及び第2の支持軸9と平行に延在する状態でテンションレバー11に支持されている。
そして、イージングロール1には、経糸ビームWBからシート状に引き出されてガイドロールGRによって案内された多数本の経糸Tが巻き掛けられている。従って、以上の構成により、経糸Tの張力によってイージングロール1に作用する荷重が、テンションレバー11、第二の支持軸9及び張力検出レバー3を介してロードセル5に作用し、ロードセル5がその荷重を検知することにより、経糸Tの張力が測定される。このように本実施例においては、イージングロール1は、製織中における織機1サイクル毎の経糸Tの張力変動を吸収するイージング装置の一部として機能することに加え、経糸Tの張力を検出するための張力検出装置における張力検出ロールとしても機能する。
また、本実施例におけるイージングロール1を支持する第二の支持軸9は、張力検出レバー3による支持位置から外側へ向けて延在しており、織機フレームFの外側まで延在している。そして、第二の支持軸9における外側の端部には、イージングロール1に対し前後方向の揺動運動(イージング運動)を与えるイージング機構が連結されている。なお、本実施例では、第二の支持軸9は、張力検出レバー3による支持に加え、テンションレバー11よりも外側において織機フレームFおける支持ブラケットFaにも支持されている。詳しくは、織機フレームFおける支持ブラケットFaには、張力検出レバー3におけるアーム部3cに形成された貫通孔3c1と中心軸線を略一致させる位置に貫通孔が形成されており、その貫通孔に嵌装された軸受を介し、支持ブラケットFaにより支持されている。すなわち、第二の支持軸9は、織機フレームF(支持ブラケットFa)よりも内側に突出する部分の端部が張力検出レバー3によって回転可能に支持されると共に、織機フレームF(支持ブラケットFa)に対しても回転可能に支持されている。
本実施例において、イージング機構E1は、クランク式の積極イージング機構であって、駆動装置としての偏心駆動機構20と、偏心駆動機構20の運動を第二の支持軸9に伝達するリンク機構30とを含む。また、リンク機構30は、図1等に示すように、偏心駆動機構20に連結されるイージングロッド31と、第二の支持軸9とイージングロッド31とを連結するイージングレバー32とを含む。
リンク機構30におけるイージングレバー32は、両端部に割締め構造を有しており、一端部において第二の支持軸9に対し割締め固定されると共に、第二の支持軸9との連結位置から下方へ向けて延びるように設けられている。また、イージングレバー32の他端部には、連結シャフト32aが割締め固定されている。一方、イージングロッド31は、後側の一端部(以下、「後端部」とも言う。)において偏心駆動機構20に連結されるコンロッド31aと、コンロッド31aの前側の他端部に取り付けられた連結部材31bとで構成されており、その連結部材31bの前側の端部に形成された貫通孔には、球面軸受(図示略)が嵌装されている。
そして、イージングレバー32とイージングロッド31とは、イージングレバー32の他端部に固定された連結シャフト32aがイージングロッド31の連結部材31bに嵌装された球面軸受の内輪に嵌挿固定されることにより、互いに回動可能に連結されている。従って、このリンク機構30においては、イージングロッド31が偏心駆動機構20によって前後方向に往復駆動されることにより、イージングレバー32が第二の支持軸9の軸心を中心に往復揺動される。その結果、第二の支持軸9がイージングレバー32の揺動量に応じた角度範囲で往復回動され、それに伴い、テンションレバー11を介して第二の支持軸9に支持されたイージングロール1が、第二の支持軸9の軸心を中心とした揺動運動(イージング運動)を行う。
また、偏心駆動機構20は、基本的には先願としての特開2008−180289号公報に開示されたクランク式駆動装置と同様の構成であり、図4、5に詳細を示すように、駆動部材としてのクランクハブ21と、クランクハブ21に固定されるホルダ22と、ホルダ22に対し相対回転可能に支持された伝達部材23とを含む。なお、図5は、図4における構成のクランクハブ21、ホルダ22及び駆動軸13のみを抜き出して示したものである。以下では、この偏心駆動機構20の構成について、より詳しく説明する。但し、この偏心駆動機構20は、織機フレームFの側面から外側へ向けて突出する駆動軸13に支持された状態で設けられるものであるため、以下の説明では、各部材における駆動軸13の先端側(反織機フレームF側)を外側と称し、織機フレームF側を内側と称する。
クランクハブ21は、織機フレームFから外側へ向けて突出する駆動軸13の先端部に固定されている。すなわち、本実施例では、駆動部材であるクランクハブ21が駆動軸13によって支持されており、駆動軸13と支持軸とが共通の軸となっている。そして、この駆動軸13は、織機フレームFのフレーム本体Fbに対し回転可能に支持されると共に織機の主軸(図示略)と連結されており、織機の主軸の回転に同期して、主軸1回転毎に1回転の割合で回転する。
また、クランクハブ21は、駆動軸13と略同径の貫通孔21dが形成された軸部21aと、軸部21aと一体的に形成されたフランジ部21bとを有する。さらに、クランクハブ21の軸部21aは、貫通孔21dに連通するように形成されたすり割りを含む割締め構造を有している。そして、クランクハブ21は、貫通孔21dに駆動軸13が嵌挿された状態で、軸部21aに形成された割締め構造により、駆動軸13に対し割締め固定されている。
ホルダ22は、クランクハブ21におけるフランジ部21bに固定される平板状の取付部22aと、この取付部22aの内側の端面から突出するようにして取付部22aと一体的に形成された回動軸としての軸部22bとを有している。また、軸部22bには、軸部22bを貫通して取付部22aの外側の端面に開口する貫通孔22cが形成されている。
そして、ホルダ22は、駆動軸13が貫通孔22cを挿通する状態で配置され、取付部22aの外側の端面をクランクハブ21におけるフランジ部21bの内側の端面に当接させた状態で、クランクハブ21側から螺挿される複数(図示の例では3つ)のネジ部材により、クランクハブ21に対し組み付けられている。従って、ホルダ22における軸部22bは、ホルダ22が駆動軸13に固定されるクランクハブ21に対し組み付けられることにより、駆動部材としてのクランクハブ21に対し、取付部22aを介して支持された状態となっている。
また、ホルダ22は、軸部22bの軸心22b1が駆動軸13の軸心13aに対し偏心した配置となるように、クランクハブ21に対し組み付けられている。そのため、図示の構成では、軸部22bの駆動軸13に対する偏心を許容するために、駆動軸13が挿通される貫通孔22cは、少なくとも偏心方向において駆動軸13の直径よりも大きく形成されている。
なお、前記偏心方向に関し、図示の構成では、図5で詳細に示すように、ホルダ22は、位置決め用に設けられた一対の規制部22d、22dであって、貫通孔22cに駆動軸13が挿通された状態で駆動軸13を挟むように配置されると共に、ホルダ22における取付部22aの外側の端面から突出するように形成された一対の規制部22d、22dを有する。また、各規制部22dは、直線的に延在する平面上の規制面22d1を有しており、両規制部22d、22dの規制面22d1、22d1は、互いに対向すると共に平行に延在するように形成されている。
また、クランクハブ21には、フランジ部21bの内側の端面から突出するように形成された円筒状のガイド部21cが設けられており、一方で、クランクハブ21に組み付けられるホルダ22には、クランクハブ21のガイド部21cが嵌め込まれるガイド溝22eが形成されている。なお、ホルダ22のガイド溝22eは、その幅方向を規制部22dの規制面22d1の延在方向に一致させて形成されており、幅方向の寸法がクランクハブ21のガイド部21cの直径とほぼ一致した大きさに形成されると共に、長手方向(幅方向と直交する方向)の寸法がガイド部21cの直径よりも大きく形成されている。
これにより、ネジ部材による固定が為されていない状態において、ガイド部21cがガイド溝22eに嵌め込まれてホルダ22がクランクハブ21と組み合わされた状態では、ホルダ22は、駆動軸13に固定されたクランクハブ21に対し、ガイド溝22eの長手方向において変位可能となっている。そして、クランクハブ21に対するホルダ22の位置決めは、クランクハブ21の側面に形成されて互いに平行に延在する一対の端面21e、21eの一方に対し、ホルダ22における規制部22dの規制面22d1を当接させることにより行われる。なお、クランクハブ21に形成されたネジ部材が挿通される孔は、クランクハブ21の一対の端面21e、21eのいずれにホルダ22が当接した状態でもクランクハブ21とホルダ22との固定が可能なように、端面21eと直交する方向に長い長孔となっている。
そして、クランクハブ21及びホルダ22は、クランクハブ21の端面21eとホルダ22の規制部22dの規制面22d1とを当接させた状態において、ホルダ22の軸部22bの軸心22b1が、駆動軸13に軸心13aに対し偏心した状態となるように、クランクハブ21においては貫通孔21dから端面21eまでの寸法、及びホルダ22においては軸部22bの軸心22b1から規制面22d1までの寸法が設定されている。
従って、クランクハブ21に対しホルダ22が位置決めされた状態において、ホルダ22における軸部22bの軸心22b1は、駆動軸13の軸心13aに対し、ホルダ22におけるガイド溝22eの長手方向の平行な方向に偏心しており、このガイド溝22eの長手方向、すなわち、ホルダ22における規制部22dの規制面22d1と直交する方向が偏心方向となっている。因みに、図4、5に記載の構成では、図5(b)における図面左側の規制部22dとホルダ21の端面21eとを当接させた状態(図示の状態)、及び図面右側の規制部22dとホルダ21の端面21eとを当接させた状態のいずれにおいても、ホルダ22の軸部22bの軸心22b1は、駆動軸13の軸心13aに対し前記偏心方向の同じ側であって、図面における右側に偏心した状態となる。但し、その2つの状態における軸部22bの軸心22b1の駆動軸13の軸心13aに対する偏心量は異なるものとなっている。すなわち、本実施例の偏心駆動機構20では、イージングロール1に対しイージング運動を与えるための2種類の異なる偏心量が設定可能となっている。
ホルダ22における回動軸としての軸部22bには、軸受24を介して伝達部材23が支持されている。詳しくは、伝達部材23は、略円盤状の基部23aを主体としており、この基部23aには、ホルダ22の軸部22bよりも大径の貫通孔23bが形成されている。そして、伝達部材23は、内輪がホルダ22の軸部22bに固定された軸受24の外輪が貫通孔23b嵌合固定されることにより、貫通孔23bの内周面においてホルダ22の軸部22bを囲繞するかたちで、ホルダ22に対し相対回転可能に支持されている。
また、伝達部材23は、イージングロッド31を連結するための第一及び第二の接続部23c、23dを有する。この第一の接続部23cと第二の接続部23dとは、貫通孔23bを挟むかたちで基部23aの側面から突出するように設けられている。そして、第一の接続部23cには、イージングロッド31におけるコンロッド31aの後端部が、連結軸としての連結ピン25によって連結されている。
詳しくは、伝達部材23の第一の接続部23cには、連結ピン25が嵌挿される貫通孔23c1が形成されており、一方で、イージングロッド31におけるコンロッド31aの後端部にも、連結ピン25が嵌挿される挿入孔31a1が形成されている。また、連結ピン25は、抜け止めのための大径の頭部を有している。そして、伝達部材23とコンロッド31aとは、伝達部材23の貫通孔23c1に対し内側から挿入された連結ピン25がコンロッド31aの挿入孔31a1に嵌挿されることによって組み合わされ、連結ピン25の頭部が伝達部材23の第一の接続部23cに当接した状態で、コンロッド31aの後端部における側面から螺挿される押しネジ(図示略)によって連結ピン25がコンロッド31に固定されることにより、両者は連結される。なお、伝達部材23に対しては連結ピン25は嵌挿されて頭部により抜け止めしているだけであり、両者は相対的に回動可能である。従って、コンロッド31a(イージングロッド31)は、自身に固定された連結ピン25を介して伝達部材23に対し回動可能な状態で連結されている。
伝達部材23の第一の接続部23cに連結されたイージングロッド31におけるコンロッド31aは、製織中にイージングロール1に対しイージング運動を与える状態としては、伝達部材23における第一の接続部23cから第二の接続部23dへ向けて延在するかたちで伝達部材23に対し連結される。そのため、コンロッド31aは、伝達部材23の貫通孔23bから突出するかたちで存在する駆動軸13、クランクハブ21等を迂回すべく、伝達部材23の存在領域において図示のような台形状に屈曲する形状を有している。そして、コンロッド31aは、伝達部材23における第二の接続部23dの外側の端面(当接面)に当接し、その当接位置から駆動軸13の軸線と直交する方向へ延びる形状を有している。
また、コンロッド31aは、伝達部材23の第二の接続部23dと当接する位置に、他の部分よりも幅方向(延在方向と直交する方向)の寸法が大きい係止部31a1を有している。また、この係止部31a1には、幅方向における中心を挟んだ両側に貫通孔が形成されている。一方、伝達部材23の第二の接続部23dには、コンロッド31aの係止部31a1に対応させて2つの雌ネジ孔が形成されている。そして、コンロッド31aにおける係止部31a1の貫通孔に対し外側から挿入されたネジ部材26、26が伝達部材23における第二の接続部23dに形成された雌ネジ孔に螺挿されることにより、コンロッド31aは、この当接位置において伝達部材23に固定される。従って、コンロッド31は、その後端部において伝達部材23の第一の接続部23cに対し連結ピン(連結軸)25を介して回動可能に連結されているが、製織中の状態としては、伝達部材23の第二の接続部23dとの当接位置において第二の接続部23dに固定(係止)されており、連結ピン25での回動が阻止された状態で伝達部材23と一体化されている。
以上のイージング機構E1の構成によれば、駆動軸13の回転に伴って駆動部材としてのクランクハブ21が回転することにより、クランクハブ21に支持されたホルダ22の軸部22bは、その軸心22b1が駆動軸13の軸心13aを中心として軸部22bの軸心22b1の偏心量を半径とする円周上を回転するように、駆動軸13に対し偏心回転運動を行う。それに伴い、軸受24を介してホルダ22の軸部22bに支持された伝達部材23及び伝達部材23に固定されたイージングロッド31のコンロッド31aが駆動軸13の軸心13aを中心とする回転を伴わない偏心運動を行い、その偏心運動に伴う前後方向の変位により、イージングロッド31が前後方向に往復駆動される。その結果、イージングロッド31に連結されたイージングレバー32が第二の支持軸9の軸心を中心とした往復揺動運動を行い、その往復揺動運動に伴う第二の支持軸9の往復回動により、イージングロール1のイージング運動が行われる。
また、本実施例の構成においては、偏心駆動機構20における前記偏心方向がイージングロッド31の延在方向と一致した状態が、イージングレバー32における往復揺動運動の揺動限(イージング機構E1の死点)となる。そして、イージングレバー32は、偏心駆動機構20における前記偏心量に応じた揺動量で往復揺動駆動され、イージングロール1のイージング運動における揺動量は、そのイージングレバー32の揺動量に応じたものとなる。因みに、製織中における織機1サイクル毎の経糸Tの張力変動を緩和するためのイージングロール1のイージング運動は、一般的には、2〜3°程度の角度範囲の揺動運動であり、大きくても10°未満の角度範囲での揺動運動である。従って、従来のイージング機構における偏心駆動機構においては、その程度の角度範囲によるイージング運動が実現可能な前記偏心量のみが設定可能に構成されている。
なお、前述のように、本実施例の偏心駆動機構20においては、2種類の前記偏心量が設定可能であるが、製織に際しては、そのいずれか一方に設定されてイージングロール1の駆動が行われるものである。従って、その選択的に設定可能な2種類の偏心量は、いずれも本発明で言う第一の偏心量に相当する。また、本実施例の構成において、製織中の状態である図4等に示す状態では、回動軸としてのホルダ22の軸部22bが駆動軸13に対し偏心回転運動を行うことにより、イージングロッド31が前後方向に往復駆動されるものであり、その状態においては、ホルダ22bの軸部22bが本発明における偏心軸に相当する。さらに、上記図4等に示す状態では、イージングロッド31におけるコンロッド31aは、伝達部材23と一体化されており、伝達部材23を介して偏心軸としてのホルダ22の軸部22bに連結されている。従って、その状態においては、伝達部材23はイージングロッド31の一部として機能し、伝達部材23が本発明における連結部となっている。
そして、本発明に基づく構成として、以上で説明したイージング機構E1における偏心駆動機構20は、駆動軸13の軸心13aに対し偏心して設けられると共に、その偏心量に応じた動作をイージングロール1に与える偏心軸を、製織時とイージングロール1の退避時とで切り換え可能に構成されている。詳しくは、以下の通りである。
前述のように、リンク機構30におけるイージングロッド31は、その中間部に位置するコンロッド31aの係止部31a1において、伝達部材23に対しネジ部材26により係止(固定)されている。言い換えれば、イージングロッド31(コンロッド31a)は、ネジ部材26による係止を解除することにより、伝達部材23に対し連結ピン25において回動可能となる構成を有している。
また、偏心駆動機構20において、伝達部材23には、基部23aに対し、基部23aにおける外側の端面に開口すると共にネジ部材26が螺挿可能な2つの雌ネジ孔23e、23eが、貫通孔23cを挟むような配置であって第一及び第二の接続部23c、23dとは異なる位置に形成されている。さらに、ホルダ22には、ホルダ22の前記偏心方向と伝達部材23に対し係止部31a1で固定された状態のコンロッド31aの延在方向とが一致する状態で、伝達部材23の雌ネジ孔23e、23eが外側に露出するように、切欠き22f、22fが形成されている。
なお、ネジ部材26は、操作部である頭部と、頭部から延びる雄ネジが形成されていない軸部と、軸部よりも先端側の雄ネジが形成された雄ネジ部とを有する段付ボルトである。そして、ホルダ22における各切欠き22fは、伝達部材23の各雌ネジ孔23eにネジ部材26が螺挿される際にネジ部材26の軸部と干渉せず、且つ雌ネジ孔23eにネジ部材26が螺挿された状態においてネジ部材26の軸部と切欠き22fの位置におけるホルダ22の側面の間の隙間が僅かなものとなる大きさに形成されている。また、クランクハブ21には、ネジ部材26の頭部と干渉しないように、切欠き21f、21fが形成されている。
このような偏心駆動機構20の構成によれば、伝達部材23において、第二の接続部23dに螺挿されてイージングロッド31のコンロッド31aと伝達部材23とを連結しているネジ部材26を、第二の接続部23dから取り外して雌ネジ孔23eに螺挿することにより、ネジ部材26の軸部の周面がホルダ22の切欠き22fの位置における側面と対向した状態となり、ホルダ22と伝達部材23との相対回転が、ネジ部材26の軸部の周面とホルダ22の上記側面との当接により阻止される状態となる。なお、ホルダ22は、駆動軸13に固定されたクランクハブ21に固定されている。従って、雌ネジ孔23eにネジ部材26が螺挿された状態では、伝達部材23は、駆動軸13に対し相対回転不能な状態となる。
以上の構成において、イージングロール1の退避位置への移行は、次のようにして行われる。
まず、イージング機構E1の偏心駆動機構20における前記偏心方向とイージングロッド31の延在方向とが一致した状態(図4の状態)となるような織機の主軸の回転角度で織機を停止した状態とする。そして、停止状態において、ネジ部材26を伝達部材23における第二の接続部23dからネジ部材26、26を取り外して雌ネジ孔23e、23eのそれぞれに螺挿することにより、イージングロッド31が自身に固定された連結軸としての連結ピン25において伝達部材23(偏心駆動機構20)に対し回動可能な状態になると共に、伝達部材23がクランクハブ21及びホルダ22と共に駆動軸13に対し相対回転不能な状態となる。
そして、その状態において駆動軸13が180°回転するように、織機を寸動運転しての主軸を回転させると、その回転による駆動軸13、クランクハブ21及びホルダ22の回転に伴って伝達部材23が回転し、駆動軸13の軸心13aから偏心した位置に軸心25aを有する連結ピン25が、駆動軸13の軸心周りを180°公転し、図6に示す状態となる。従って、連結ピン25は、図7に示すように、駆動軸13の軸心13aに対する自身の軸心25aの偏心量d2分だけ駆動軸13の軸心13aから前方へ変位した位置へ移行し、結果として、連結ピン25は、駆動軸13の上記回転に伴い、上記回転前の位置からd2の2倍の距離だけ前方へ変位した状態となる。よって、それに伴い、イージングロッド31が上記距離だけ前方へ移動し、その移動量に応じた揺動量でイージングレバー32が揺動することにより、イージングロール1が大きく揺動し、退避位置へもたらされることとなる。
なお、前記のようにイージングロール1を退避位置へもたらす(移行させる)操作時においては、回動軸としての連結ピン25が本発明における偏心軸として機能し、連結ピン25が嵌挿固定されるイージングロッド31(コンロッド31a)の後端部が、本発明における連結部に相当するものとなる。また、駆動軸13の軸心13aに対する連結ピン25の軸心25aの偏心量d2が、本発明における第二の偏心量となる。そして、本実施例では、ネジ部材26が、伝達部材23とホルダ22における軸部22b(回動軸)との相対回転を阻止する係合部材となる。
因みに、図7におけるd1は、製織時におけるイージング運動の基となるホルダ22における軸部22bの軸心22b1の駆動軸13の軸心13aに対する偏心量であり、図示の例では、イージングロール1を退避位置へもたらすための揺動の基となる偏心量d2は、偏心量d1の16倍程度となっている。但し、この偏心量d2、すなわち、駆動軸13の軸心13aに対する連結軸(連結ピン25)の位置は、イージングロール1の下端がワープビームWBの上端よりも上方の位置となるようにイージングロール1が上方へ揺動変位させることができるように設定される。そして、図示の例では、退避時におけるイージングロール1の揺動量は、製織時におけるイージング運動の揺動量が前述のように2〜3°程度の角度範囲であるのに対し、図6に示すように45°を超える角度(図示の状態は約48°)となっている。
このように、本実施例の構成によるイージングロール1の退避装置によれば、リンク機構30における連結状態を維持したまま、積極イージング機構による駆動を利用してイージングロール1を退避位置へ移行させることができるため、製織時におけるワープラインを低く設定すべくイージングロール1の高さ位置を低く設定した場合であっても、ワープビームWBの交換作業を容易に行うことができる。
また、2つのネジ部材26、26を用いてイージングロッド31を伝達部材23に対し係止すると共に、そのネジ部材26、26を係合部材としても兼用している。このように、係合部材として機能するネジ部材26に製織時の用途も持たせて兼用することにより、係合部材を用いる必要の無い製織時において係合部材の置き場所をどうするかや紛失防止等の管理が不要となるという効果がある。しかも、本実施例のように2つのネジ部材26、26を用いてイージングロッド31を伝達部材23に対し係止する構成とすれば、前記のように兼用しつつも、イージングロール1の退避時における作業の容易さを維持できるという効果も得られる。具体的には、次の通りである。
ネジ部材26を前記のように兼用する場合において、そのネジ部材26を係合部材として使用する場合には、イージングロッド31を伝達部材23に係止するために伝達部材23(第二の接続部23d)に螺挿されているネジ部材26を、伝達部材26から取り外さなければならない。仮に、ネジ部材26が1つしか用いられていないとすると、そのネジ部材26によるイージングロッド31の係止を解除すると、イージング機構E1においては、伝達部材23がホルダ22(軸部22b)に対し相対回転が可能な状態のまま、イージングロッド31が連結ピン25において伝達部材23に対し回動可能な状態となる。
一方、イージング機構E1におけるリンク機構30には、イージングロール1の自重により、図1の状態におけるイージングレバー32に対し、イージングレバー32を図1の時計回り方向へ回動させようとする力が作用しており、それを偏心駆動機構20で支持した状態となっている。しかし、上記のように伝達部材23が回転可能な状態のままでイージングロッド31の中間部での係止を解除すると、イージングロール1の自重による回動方向の力がリンク機構30を介して伝達部材23に作用することにより、伝達部材23が織機停止時の状態から回転してしまう場合がある。その場合、ホルダ22に形成された切欠き22fの位置と伝達部材23に形成された雌ネジ孔23eの位置との間にズレが生じるため、ネジ部材26を伝達部材23の雌ネジ孔23eへ挿入できない状態となる。そのため、伝達部材23が上記のように回転してしまった場合は、伝達部材23を元の位置にまで回転させる作業が必要となるが、その作業は、イージングロール1の自重に逆らって伝達部材23を回転させるものとなるため、大きな労力を必要とする。
これに対し、本実施例の構成によれば、2つのネジ部材26、26を用いて伝達部材23に対するイージングロッド31の係止を行っているため、1つのネジ部材26を伝達部材23から取り外しても、伝達部材23に対するイージングロッド31の係止は解除されない。そこで、その取り外したネジ部材26を伝達部材23の雌ネジ孔23eに螺挿することにより、伝達部材23がホルダ22に対し相対回転不能な状態となるため、その状態でもう一つのネジ部材26を伝達部材23から取り外して伝達部材23に対するイージングロッド31の係止を解除しても、前記のように伝達部材23がイージングロール1の自重によって回転することは無い。従って、前記のようなホルダ22の切欠き22fと伝達部材23の雌ネジ孔23eとの位置合わせの作業が生じることは無く、イージングロール1を退避位置へ移行させる状態とするためにイージング機構E1に対し行われる作業が容易に行える。
但し、係合止部材として専用の部材を用いる場合には、イージングロッド31を伝達部材23に対し係止するための部材(ネジ部材26)は、1つであってもよい。また、その場合、係合部材についてお、本実施例のように2つ設けるものに限らず、1つであってもよい。
また、本実施例では、係合部材により伝達部材23とホルダ22(軸部22b)との相対回転を阻止する構成として、ホルダ22に切欠き22fを形成し、切欠き22fの位置におけるホルダ22の側面を、段付ボルトであるネジ部材26の軸部の周面に当接させるものとしたが、これに代えて、例えば、ホルダ22に貫通孔を形成し、その貫通孔を通してネジ部材26が伝達部材23の雌ネジ孔23eに螺挿可能な構成としてもよい。この場合、ネジ部材26の軸部が上記貫通孔の内周面に当接することにより、伝達部材23とホルダ22との相対回転が阻止される。また、係合部材として専用の部材を用いる場合には、例えば、係合部材を、逆U字形の形状を有するフック状の部材とし、一端を伝達部材23に嵌挿すると共に、他端をホルダ22に嵌挿するものとしてもよい。
なお、本実施例における図示の構成では、ホルダ22fに形成される切欠き22fは、ホルダ22fの外周方向において、ネジ部材26の軸部の径よりも若干大きく形成されている。これは、製織状態から織機を停止させたときの主軸の回転角度(停止角度)が、常に所定の回転角度、すなわち、偏心駆動機構20における前記偏心方向がイージングロッド31の延在方向と完全に一致する回転角度であれば関係は無いが、実際の織機においては、主軸の停止角度が常に一定になるとは限らず、上記所定の回転角度に対し若干のズレを生じて停止する場合がある。そこで、ホルダ22における切欠き22fの形成範囲を上記のように大きくすることにより、そのような主軸の停止角度のズレに対応可能としている。
従って、前記のように、ホルダ22にネジ部材26が挿入される貫通孔を形成する場合においても、その貫通孔は、駆動軸13の軸心13aを中心とする円周上に長い長孔とするのが好ましい。因みに、図示の構成では、上記所定の回転角度に対し前後に3°程度の回転角度のズレを許容するように、切欠き22fが形成されている。但し、織機の停止制御により、常に一定の停止角度で主軸を停止させることができる場合には、ホルダ22に形成される切欠き22fや前記貫通孔は、ネジ部材26の軸部の外周面にほぼ一致させたものとしてもよい。
また、本実施例では、イージングロール1が張力検出ロールとして機能する例としてが、本発明はこれに限らず、経糸Tの張力検出は別のロール等によって行われるものとし、イージングロール1が専らイージング運動のために機能するものであってもよい。また、本実施例では、イージング機構E1が織機の両側(左右の織機フレームFのそれぞれ)に設けられて第二の支持軸9の両端部のそれぞれに連結され、イージングロール1が両端部において積極的に駆動される両側駆動としたが、これに代えて、イージング機構E1が第二の支持軸9の一端にのみ連結される片側駆動であってもよい。
以上で説明した実施例では、本発明による織機におけるイージングロールの退避装置について、イージング機構としてクランク式の積極イージング機構を採用した実施形態を説明したが、本発明によるイージングロールの退避装置は、以下のような実施形態(変形例)での実施も可能である。
(1)本発明によるイージングロールの退避装置におけるイージング機構としてクランク式の積極イージング機構を採用する場合において、前記実施例に代えて、図8、9に示すような構成のイージング機構E2を採用してもよい。なお、このイージング機構E2では、リンク機構30については、基本的には前記実施例の構成と同じであるため、図8、9では、その同じ構成について前記実施例と同じ符号を付すと共に、以下での詳細な説明は省略する。そして、このイージング機構E2は、駆動装置として前記実施例とは異なる偏心駆動機構40を有している。
この偏心駆動機構40は、駆動軸13に対し相対回転不能に支持された駆動部材としてのクランク円盤41と、クランク円盤41に支持される偏心軸43であって駆動軸13の軸心13aに対し軸心43aを偏心させた位置に配置される偏心軸43と、クランク円盤41に対し相対回転不能に設けられる位置調整機構45であって偏心軸43を支持すると共にクランク円盤41の半径方向(以下、単に「半径方向」という。)における偏心軸43の位置を調整するための位置調整機構45とを備える。従って、偏心軸43は、位置調整機構45を介してクランク円盤41に支持されている。そして、この偏心軸43に対し、リンク機構30におけるイージングロッド31が、その後端の連結部において、軸受メタル等の軸受部材を介して相対回転可能に連結されている。なお、駆動軸13は、前記実施例と同じく、織機の主軸と同期して主軸1回転毎に1回転の割合で駆動されるものであり、従って、クランク円盤41も、主軸1回転毎に1回転の割合で回転駆動される。
位置調整機構45は、半径方向に延在するようにしてクランク円盤41に支持されるボールネジ45aと、偏心軸45aを支持する被動ナット45bとを含む。詳しくは、ボールネジ45aは、クランク円盤41の前面(反駆動軸13側の端面)に固定された一対のブラケット45c、45cにより、クランク円盤の中心を跨ぐかたちで、該中心の近傍からクランク円盤41の外周縁近傍まで延びるかたちで支持されている。また、ボールネジ45aは、両端の軸部45a1、45a1においてブラケット45c、45cに対し回転可能な状態で支持されると共に、クランク円盤41の外周縁側の軸部45a1がブラケット45cから突出しており、この突出する部分に連結される操作具(図示略)により回転操作される。また、ボールネジ45aの軸部45a1は、図示しない係止具によって係止可能となっており、その係止により、ボールネジ45aがブラケット45cに対し回転不能な状態となる。
また、被動ナット45bは、直方体形状の本体を有し、その長手方向に貫通する貫通孔45b2を有すると共に、その貫通孔45b2の内周面にボールネジ45aと螺合する雌ネジが形成されている。さらに、被動ナット45bは、貫通孔45b2の軸線とと平行な4つの側面のうちの2つの側面の一方に、その一方の側面から突出するように形成されて該側面よりも小さい幅寸法のガイド片45b1を有している。一方、クランク円盤41には、正面から見てボールネジ45aと同じ位置に、半径方向に延びると共に被動ナット45bのガイド片45b1が嵌合可能なガイド溝41aが形成されている。そして、被動ナット45bは、貫通孔45b2にボールネジ45aが螺挿されることによってボールネジ45aに支持されると共に、そのボールネジ45aに支持された状態において、ガイド片45a1がクランク円盤41のガイド溝41aに嵌り込むように設けられている。従って、被動ナット45bは、ガイド片45b1とガイド溝41aとの係合により、クランク円盤41に対し回転不能であると共に、ガイド溝41aの長手方向(半径方向であってボールネジ45aの延在方向)に変位可能となっている。
この偏心駆動機構40の構成によれば、ボールネジ45aを回転させることにより、被動ナット45bがボールネジ45a上で半径方向に変位する。従って、被動ナット45bに支持された偏心軸43は、ボールネジ45aを回転させることにより、クランク円盤41上の半径方向の位置が変更され、これにより、駆動軸13の軸心13aに対する偏心軸43の軸心43aの偏心量が変更される。
図示の構成では、ボールネジ45aは、クランク円盤41の外周縁付近からクランク円盤41の中心(駆動軸13の軸心13aの位置)に向かって延び、該中心を超えた位置まで延在している。従って、クランク円盤41の中心側における被動ナット45bの位置は、偏心軸43の軸心43aが半径方向において駆動軸13の軸心13aに近接した位置となるような位置に設定可能となっている。
そして、製織中においては、被動ナット45bの位置は、例えば図8(c)において実線で示すような、偏心軸43の軸心43aが半径方向において駆動軸13の軸心13aに接近した位置(偏心量d3)に設定され、図9(a)において実線と二点鎖線とで示される範囲において、イージングロール1のイージング運動が行われる。なお、このときの偏心量d3が、本発明で言う第一の偏心量に相当する。但し、偏心駆動機構40においては、ボールネジ45a上の被動ナット45bの位置、すなわち、半径方向における駆動軸13の軸心13aに対する偏心軸43の軸心43aの位置(=偏心量)を、ボールネジ45aの存在範囲において任意に調整可能となっている。従って、製織中の被動ナット45b(偏心軸43)の位置は製織条件等に応じて任意に設定可能であるが、前記実施例でも述べたように、製織中のイージング運動によるイージングロール1の揺動量は僅かなものであるため、イージング運動のために設定され得る被動ナット45b(偏心軸43)の位置は、いずれも半径方向において駆動軸13の軸心13aに接近した範囲内に設定される。また、そのイージング運動のために設定し得る偏心軸43の軸心43aの位置の範囲内における駆動軸13の軸心13aに対する偏心軸43の軸心43aの偏心量は、全て第一の偏心量となる。
さらに、イージング機構40においては、製織中のイージング運動のために設定し得る範囲を超えた位置にまでボールネジ45a上における被動ナット45b(偏心軸43)の位置を変更可能なものとなっており、イージングロール1を退避位置へもたらすことが可能なように、その変更量の最大量(最大変更量)が設定されている。なお、この最大変更量は、製織中のイージングロール1の位置とワープビームWBの上端との上下方向に関する位置関係に基づき、イージングロール1の下端がワープビームWBの上端よりも上方となる位置へイージングロール1を移行させることが可能なものに設定されるものであり、クランク円盤41の径及びボールネジ45aの長さは、その最大変更量を実現可能なものとされる。
そして、イージングロール1の退避時においては、ボールネジ45aを回転させ、被動ナット45bを、イージング運動のために設定し得る範囲を超えた最大変更量の位置(図8(c)の破線の位置)へ変位させる。これにより、駆動軸13の軸心13aに対する偏心軸43の軸心43aの偏心量d4は、イージング運動のための第一の偏心量d3と比べて相当大きなものとなる。因みに、図示の例では、偏心量d4は、偏心量d3の10倍を超えるものとなっており、これが本発明における第二の偏心量に相当する。そして、その状態において、織機を寸動運転し、イージング機構E2の死点であってイージングロール1が最前進位置となる位相まで駆動軸13を回転させることにより、イージングロール1が図9(b)の実線で示す退避位置へ移行される。因みに、図9(b)において二点鎖線で示す状態は、製織中のイージング運動においてイージングロール1が最後退位置へもたらされた状態である。
なお、クランク式の積極イージング機構における駆動軸の軸心に対する偏心軸の軸心の偏心量の調整機構としては、以上の構成に限らず、例えば、特開平7−133545号公報に開示されているような、クランク円盤に渦巻状の溝を形成し、その溝に沿って偏心軸の位置が調整されるものとしてもよい。但し、この例の場合でも、クランク円盤に形成される渦巻状の溝は、製織中のイージング運動のための偏心軸の調整範囲を超えた位置に偏心軸の位置を設定可能なように形成される。
(2)以上の例では、本発明のイージングロールの退避装置におけるイージング機構として、クランク式の積極イージング機構を採用したものとしたが、本発明はこれに限らず、イージング機構は、例えば、図10、11に示すカム駆動式の積極イージング機構であってもよい。
図10、11に示すのは、駆動装置としてカム駆動機構50を有するイージング機構E3である。なお、このイージング機構E3においても、リンク機構30については、基本的には前記実施例の構成と同じであるため、図10、11では、その同じ構成について前記実施例と同じ符号を付すと共に、以下での詳細な説明は省略する。
このイージング機構E3におけるカム駆動機構50は、駆動軸13によって回転駆動されるカム51と、カムボール(カムフォロア)52dを介してカム51に当接すると共にリンク機構30におけるイージングロッド31に連結されるカムレバー52とを含む。なお、駆動軸13は、前記実施例と同じく、織機の主軸と同期して主軸1回転毎に1回転の割合で駆動されるものであり、従って、クランク円盤41も、主軸1回転毎に1回転の割合で回転駆動される。
カムレバー52は、支持軸54を介して織機フレームFに対し回転可能に支持されるボス部52aと、ボス部52aを挟んで両側に延びるかたちでボス部52aと一体的に形成された2つのレバー部52b、52cとを有する。この2つのレバー部52b、52cのうちのレバー部52bは、図示の例では、ボス部52aから下方へ向けて延在するように形成されており、その先端部(反ボス部52a側の端部)には軸52b1が固定されると共に、軸52b1に対しカムボール52dが回転自在に支持されている。なお、カムレバー52は、レバー部52bに支持されたカムボール52dが織幅方向においてカム51と一致するように配置されており、レバー部52bにおいてスプリング等の付勢手段(図示略)によってカム51側へ付勢されて、カムボール52dのカム51との当接状態を維持するように設けられている。
また、カムレバー52のレバー部52cは、ボス部52aから上方へ向けて延在するように形成されている。なお、レバー部52cは、イージングロール1が最後退位置にある状態(カム51の下死点にカムボール52dが当接する状態)において、イージングロッド31とイージングレバー32とを連結する連結軸を中心とした円弧に沿って延びるように形成されている。そして、このレバー部52cには、イージングロッド31の後端部が連結される連結部材53が取り付けられている。
この連結部材53は、カムレバー52のレバー部52cに取り付けられる本体部53aと、本体部53aから突出するように設けられると共にイージングロッド31が連結される軸部53bとを有している。詳しくは、略直方体形状を有する本体部53aは、カムレバー52のレバー部52cが嵌挿可能な貫通孔53a1を有しており、その貫通孔53a1においてレバー部52cに嵌装されると共に、側面から貫通孔53a1に連通する雌ネジ孔に係止ボルト53cが螺挿されることにより、レバー部52c上の位置が固定されてカムレバー52に対し取り付けられている。そして、この本体部53aには、幅方向(カムレバー52の支持軸54の軸線方向)における両側面のうちのカム51から遠い側の側面53a2に対し、上記幅方向に突出するかたちで軸部53bが設けられている。
また、本体部53aは、カムレバー52に対し取り付けられた状態において、軸部軸53bが設けられる側面53a2がカムレバー52のボス部52aよりもカム51に対し離間した位置(外側)となるように、ボス部52aよりも大きい幅寸法を有すると共に、貫通孔52a1が側面53a2とは反対側の側面寄りに形成されている。従って、本体部53aは、カムレバー52に対し取り付けられた状態で、正面から見てカムレバー52のボス部52aよりも外側へ突出している。さらに、本体部53aは、その下面におけるカムレバー52のボス部52aに対向する部分がボス部52aの外周面に沿ったかたちで円弧状に切り欠かれていると共に、側面53a2を含む外側端部に支持軸54の軸心54a側へ突出する突出部を有している。従って、この本体部53aの構成によれば、側面53a2に設けられる軸部53bを、その軸心53b1がカムレバー52の支持軸54の軸心54aに近接した位置となるように配置できる。
また、連結部材53の軸部53bは、本体部53aに対し回転不能に固定されており、この軸部53bには、イージングロッド31が、その後端の連結部において、軸受メタル等の軸受部材を介して相対回転可能に連結されている。そして、連結部材53は、カムレバー52のレバー部52c上において、軸部53bの軸心53b1が支持軸54の軸心54aに対し偏心位置(偏心量d5)となるようにレバー部52cに固定される。
このような構成のカム駆動機構50を含むイージング機構E3によれば、駆動軸13によってカム51が回転駆動されると、カムボール52dを介してアーム部52bでカム51に当接するカムレバー52が、支持軸54の軸心54aを中心に往復揺動駆動される。従って、この実施形態では、カムレバー52が、駆動軸13によって回転駆動される本発明における駆動部材に相当する。但し、この実施形態の場合、駆動軸13による駆動部材(カムレバー52)の回転駆動は、前記実施例等のような一方向の連続回転ではなく、往復回転(回動)駆動である。さらに、この実施形態では、このカムレバー52(駆動部材)に支持される連結部材53の軸部53bであって、カムレバー52を支持する支持軸54の軸心54aに対し軸心53b1を偏心させて配置された軸部53bが、本発明における偏心軸に相当する。
そして、前記カムレバー52の往復揺動運動に伴い、支持軸54の軸心54aから軸心53b1を偏心させた位置に配置される連結部材53の軸部53bが、その偏心量に応じた量で前後方向に往復運動し、軸部53bに連結されたイージングロッド31が前後方向に往復駆動される。その結果、イージングロール1は、上記偏心量に応じた揺動量だけ揺動するものとなっている。
その上で、製織中においては、図10に示すように、カムレバー52のアーム部52c上における連結部材53の位置がカムレバー52のボス部52aに近接した位置に設定され、支持軸54の軸心54aに対する連結部材53における軸部53bの軸心53b1の偏心量は、図10(b)に示すような小さい偏心量d5とされる。従って、製織中におけるイージングロール1は、上記偏心量d5に応じた揺動量でイージング運動を行う。そして、このときの偏心量d5が、本発明における第一の偏心量に相当する。なお、図10(a)では、イージングロール1が後退限に位置する状態(カム51の下死点にカムボール52dが当接する状態)を実線で示しており、イージングロール1が前進限(カム51の上死点にカムボール52dが当接する状態)が二点鎖線で示されている。
また、図示の構成では、カムレバー52のアーム部52cは、連結部材53における軸部53bの軸心53b1の前記偏心量を、製織中のイージング運動のために設定し得る偏心量を超えたものまで設定可能なように、上方へ向けて長く延びるように形成されおり、連結部材53がアーム部52cの先端側に位置する状態では、連結部材53における軸部53bの軸心53b1の前記偏心量d6(図11(b))は、前記した製織時の偏心量d5と比べて相当に大きなものとなっており、図示の例では6倍を超えるものとなっている。
そこで、イージングロール1の退避時においては、先ず、カムレバー52に対する連結部材53の位置を固定している係止ボルト53cを緩め、連結部材53をアーム部52c上で移動可能とした上で、連結部材53をアーム部52cの先端側へ移動させ、アーム部52cの先端近傍で係止ボルト53cにより再び固定する。それにより、連結部材53における軸部53bの軸心53b1は、図10(b)に示すように、支持軸54の軸心54aに対し偏心量d6で大きく偏心した状態となる。そして、このときの偏心量d6が、本発明における第二の偏心量に相当する。なお、上記連結部材53の移動は、イージングロール1が後退限に位置する状態で行われるものとする。
そして、その状態において、駆動軸13が180°回転するように、織機を寸動運転しての主軸を回転させると、その回転に伴うカム51の回転によってカムレバー52が前方へ向けて揺動する。このとき、連結部材53における軸部53bは前記した大きい偏心量d6で支持軸54から偏心しているため、軸部53bは、偏心量d6に相当する半径の円弧分の距離だけ前方へ変位する。その結果、イージングロッド31を介して連結部材53の軸部53bに連結されたイージングレバー32が大きく揺動揺動し、イージングロール1が図11(a)の実線で示す退避位置へ移行される。因みに、図11(a)において二点鎖線で示す状態は、製織中のイージング運動においてイージングロール1が最後退位置へもたらされた状態である。
なお、図8〜11を用いて説明した実施形態においては、製織時とイージングロール1の退避時とで偏心軸が共通しており、その共通の偏心軸を、製織時の偏心位置(軸心が第一の偏心量で支持軸(駆動軸)の軸心から偏心する位置)とイージングロール1の退避時の偏心位置(軸心が第二の偏心量で支持軸(駆動軸)の軸心から偏心する位置)とに切り換えるものとしている。但し、これらの構成の場合、偏心軸を支持する駆動部材は、その2種類の偏心位置を設定可能な大きさのものならざるを得ず、実現は可能であるものの、装置が大型化するという難点を有する。一方で、前記実施例の場合では、前述のように、製織時とイージングロール1の退避時とで偏心軸が切り換えられるため、装置がコンパクト化できるという利点を有する。
また、以上で説明した例において、駆動軸13は、織機の主軸に連結されて織機の主軸によって回転駆動される、すなわち、織機主軸を駆動源とするものとしたが、本発明はこれに限らず、駆動軸13が、織機主軸(原動モータ)とは独立した専用の駆動モータを駆動源とし、その専用の駆動モータによって織機の主軸と同期して回転駆動されるものとしてもよい。
(3)以上で説明した実施形態では、本発明によるイージングロールの退避装置におけるイージング機構が積極イージング機構である例としたが、本発明はこれに限らず、駆動装置を備えずにスプリング等の付勢力で製織中における経糸Tの張力変動を吸収する消極イージング機構でも実現可能である。
図12に示すのはその一例であって、本発明におけるイージング機構として、イージングスプリング37により製織中における経糸Tの張力変動を吸収する消極イージング機構E4を用いた例である。このイージング機構E4においては、イージングレバー32とイージングロッド31との間に圧縮スプリングであるイージングスプリング37が介装されており、このイージングスプリング37がイージングレバー32に作用させる付勢力により、経糸Tに対し張力を付与すると共に、製織中における経糸Tの張力変動を吸収するものとなっている。また、消極イージング機構E4では、イージングロッド35は、イージングレバー32と連結される側とは反対側の端部(後端部)において、その端部に取り付けられた球面軸受等の軸受部材を介して織機フレームに支持されている。
そして、図示の構成では、イージングロッド35の実質的なロッド長(織機フレームによる支持位置からイージングレバー32との連結位置までの長さ寸法)が変更可能に構成されている。具体的には、イージングロッド35は、イージングレバー32に連結される第一のロッド部材35aと、織機フレームに支持される第二のロッド部材35bとの2つの部材を含み、この第一、第二のロッド部材35a、35bがロッド長調整装置60で連結される構成となっている。
このロッド長調整装置60は、第一のロッド部材35aの後端部に回転不能に固定される第一の連結部材61と、第二のロッド部材35bのイージングレバー32側の端部(前端部)に回転不能に、且つイージングロッド35に関し第一の連結部材61と同じ位相で固定される第二の連結部材62と、第一の連結部材61と第二の連結部材62とを連結するボールネジ63とを有している。このボールネジ63は、前端部に形成された軸部63aにおいて第一の連結部材61に支持されると共に、後端部に形成された軸部63bにおいて支持部材64により支持されている。この支持部材64は、貫通孔64aにおいて第二のロッド部材35bに嵌挿されており、第二のロッド部材35bに対し、その軸線方向にスライド可能に設けられている。そして、ボールネジ63は、両端の軸部63a、63bにおいて、第一の連結部材61及び支持部材64のそれぞれに対し、回転可能であって軸線方向に移動不能に支持されている。
また、第二の連結部材62は、第一の連結部材61に支持されたボールネジ63と交差する位置に貫通孔62aを有しており、その貫通孔62aの内周面には、ボールネジ63に形成された雄ネジと螺合可能な雌ネジが形成されている。そして、第二の連結部材62は、第一の連結部材61と支持部材64との間で、貫通孔62aにおいてボールネジ63に螺合されている。
従って、ロッド長調整装置60におけるこれらの構成によれば、ボールネジ63を回転させることにより、ボールネジ63上における第二の連結部材62の位置が変更され、それに伴い、イージングロッド31の軸線方向における第一の連結部材61と第二の連結部材62との間(第一のロッド部材35aと第二のロッド部材35bとの間)の距離が変更され、その結果としてイージングロッド35の実質的なロッド長が変更される。なお、ボールネジ63の回転は、ボールネジ63の軸部63bにおける支持部材64から突出する部分に操作具(図示略)等を連結して行うものとすればよい。
そこで、このような消極イージング機構E4による本発明のイージングロール1の退避装置においては、製織中には、ボールネジ63上の第二の連結部材62の位置は、第一のロッド部材35aと第二のロッド部材35bとの向かい合う端部が接触しない程度に接近した状態となるような位置に設定される。また、イージングロール1の退避時には、ボールネジ63を、第一の連結部材61と第二の連結部材62との間の距離が広がる方向へ回転させる。但し、第二の連結部材62が固定される第二のロッド部材35bは後端部において織機フレームに支持されて位置が固定されているため、第二の連結部材62の位置はイージングロッド35の軸線方向において変化しないものとなっている。従って、ボールネジ63の前記回転に伴い、第一の連結部材61が、イージングロッド35の軸線方向において第二の連結部材62から離間する方向へ変位する。その結果、第一の連結部材61が固定された第一のロッド部材35aがイージングレバー32側へ変位し、それに伴ってイージングレバー32が揺動してイージングロール1が上方位置へ向けて変位する。
なお、ボールネジ63の前記回転に伴い、支持部材64が第二のロッド部材35b上を第二の連結部材62側へ向けてスライドし、支持部材64が第二の連結部材62に当接するまで、前記ボールネジ63の前記回転、すなわち、イージングレバー35の軸線方向における第二の連結部材62(第二のロッド部材35b)に対する第一の連結部材61(第一のロッド部材35a)の変位が可能となっている。そして、この変位量は、製織時における第二の連結部材62と支持部材64との間の距離(ボールネジ63の長さ寸法)によって設定されるものであり、その距離は、その第一のロッド部材35aの変位に伴うイージングレバー32の揺動によってイージングロール1が退避位置へもたらされるようなものに設定される。従って、支持部材64が第二の連結部材62に当接するまでボールネジ63を回転させることにより、イージングロール1が退避位置へ移行される。
因みに、この消極イージング機構E4による作用を、図8で説明した積極イージング機構E2に適用することもできる。前述の積極イージング機構E2の説明では、被動ナット45bの位置を、駆動軸13の軸心13aに対する偏心軸43の軸心が第二の偏心量となる位置へ変位させた後、駆動軸13を回転させてイージングロール1を退避位置へ移行させるものとしたが、これに代えて、まず、織機の停止状態において製織中のイージング運動におけるイージングロール1の最前進位置に対応する角度まで主軸(駆動軸13)を回転させた後、ボールネジ45を回転させ、偏心軸43の軸心43aの偏心量が前記第二の偏心量となる位置にまで被動ナット45bを変位させるものとしてもよい。この場合は、被動ナット45bの変位に伴ってイージングロール1が上方へ向けて変位し、偏心軸43の軸心43aの偏心量が前記第二の偏心量となった状態でイージングロール1が退避位置へ移行した状態となる。
また、図8の積極イージング機構E2及び図12の消極イージング機構E4において、ボールネジ45、63の回転を、前記した操作具を用いて手動で行うものに代えて、専用に設けられたアクチュエータ等により電気的に行うものとしてもよい。
さらに、本発明は、以上で説明したいずれの実施形態にも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々に変更することが可能である。