JP6347859B1 - ジアリールカーボネートの製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒の劣化を招く水を、特別な装置を使用しなくても除去できるジアリールカーボネートの製造方法の提供。【解決手段】触媒の存在下、芳香族モノヒドロキシ化合物と、少量の脂肪族アセタール又はケタール化合物を含むジアルキルカーボネートとからジアリールカーボネートを製造する、ジアリールカーボネートの製造方法であって、前記ジアルキルカーボネートが、前記脂肪族アセタール又はケタール化合物を、原料であるジアルキルカーボネートにおいて0.01〜1000質量ppm含む、ジアリールカーボネートの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ジアリールカーボネートの工業的製造方法に関する。さらに詳しくは、ジアリールカーボネート製造工程内に存在する水を効率的に除去する方法に関する。
ジアリールカーボネートは、ジアルキルカーボネート又はホスゲンと、芳香族モノヒドロキシ化合物との反応によって製造されることが知られている。
原料であるジアルキルカーボネートを製造する方法には種々の方法がある。代表的なジアルキルカーボネートであるジメチルカーボネートの製法としては、例えば、二酸化炭素とエチレンオキサイドとメタノールからジメチルカーボネートを製造する方法(以下、「EO法」という。)、二酸化炭素とプロピレンオキサイドとメタノールからジメチルカーボネートを製造する方法(以下、「PO法」という。)、その他にも一酸化炭素と酸素とメタノールからジメチルカーボネートを製造する方法(以下、「CO法」という。)などがある。
また、近年では一酸化窒素と酸素とメタノールから製造したメチルナイトライトを一酸化炭素と反応させることでジメチルカーボネートを製造する方法(以下、「MN法」という。)や、尿素とメタノールからジメチルカーボネートを製造する方法(以下、「直接尿素法」、以下、「間接尿素法」という。)も開発されている。
ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを反応させてジアリールカーボネートを製造する方法は、代表的なジアリールカーボネートの製造方法である。ところで、ジアリールカーボネート製造工程内に水が存在すると、触媒の劣化を招くという問題がある。ジアリールカーボネート製造工程内に水が存在する理由は、芳香族モノヒドロキシ化合物の生成反応途中で水が副生され、この副生した水が原料である芳香族モノヒドロキシ化合物に含有されたまま、ジアリールカーボネート製造工程内に供給されてしまうからである。
ジアリールカーボネート製造工程内の水の存在は、ジアリールカーボネート製造工程内で使用する触媒の劣化を招くため、反応効率、つまりは製品であるジアリールカーボネートの生成量低下を招くことが知られている。そのため、ジアリールカーボネート製造工程内に存在する水を除去する方法が検討されている。例えば、特許文献1には水を反応器の前段で蒸留除去する方法が記載されており、特許文献2にはストリッピング剤を入れたストリッピングカラムを使用して水を除去する方法が記載されている。
特開2002−322130号公報 特表2002−525346号公報
しかしながら、特許文献1または特許文献2の方法によって、ジアリールカーボネート製造工程内に存在する水を除去できるものの、いずれの方法も特別な装置が必要であった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、ジアリールカーボネート製造工程内に存在する水を、前段での蒸留除去やストリッピングカラムなどの特別な装置を使用せずに、容易に除去する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、前述の課題を解決するために鋭意検討した結果、原料であるジアルキルカーボネート中に下記一般式(1)で表される化合物を0.01〜1,000質量ppm存在させることによって、特別な装置を使用しなくても、ジアリールカーボネート製造工程内の水を効率的に除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記のとおりである。
[1]
触媒の存在下、芳香族モノヒドロキシ化合物と、下記式(1)
(式(1)中、R1、R2、R4は、各々独立して、炭素数1〜6の、鎖状のアルキル基 、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R3は、水素原子、又は、炭素数1〜6の、鎖 状のアルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基を表す。)
で表される化合物を含むジアルキルカーボネートとからジアリールカーボネートを製造する、ジアリールカーボネートの製造方法であって、
前記ジアルキルカーボネートが、前記式(1)で表される化合物(ただし、1,1−ジ メトキシエタンを除く)を、原料であるジアルキルカーボネートにおいて〜1000質量ppm含
第1連続多段蒸留塔に、式(1)で表される化合物1〜1000質量ppmを含むジア ルキルカーボネートを供給し、連続的に蒸留して、前記ジアルキルカーボネートと式(1 )で表される化合物を含む混合物を抜出する工程と、
前記工程により得られる混合物と芳香族モノヒドロキシ化合物とを、触媒が存在する第 2連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、前記ジアルキルカーボネートと前記芳香族モノヒ ドロキシ化合物とを前記第2連続多段蒸留塔内で反応させる工程とを含み、かつ、
前記触媒が、鉛化合物、銅族金属の化合物、鉄族金属の化合物、ルイス酸類化合物、有 機スズ化合物からなる群より選択される1種以上であり、
前記鉛化合物が、Bu 4 Pb、Ph 4 Pb、Bu 3 PbCl、Ph 3 PbBr、Ph 3 b(又はPh 6 Pb 2 )、Bu 3 PbOH、Ph 3 PbOであり(Buはブチル基、Phはフ ェニル基を示す。)、
前記銅族金属の化合物が、Bu 2 Cu、(CH 3 O) 2 Cu、AgC 6 6 ClO 4 、[A uC≡C−C(CH 3 3 ]n、[Cu(C 7 8 )Cl] 4 であり、
前記鉄族金属の化合物が、Fe(C 10 8 )(CO) 5 、Fe(CO) 5 、Fe(C 4 6 )(CO) 3 、Co(メシチレン) 2 (PEt 2 Ph) 2 、CoC 5 5 (CO) 7 、Ni−π −C 5 5 NO、フェロセンである、
ジアリールカーボネートの製造方法。
[2]
前記式(1)で表される化合物が、ジアルコキシアルカンである、[1]に記載のジアリールカーボネートの製造方法。
[3]
前記ジアルコキシアルカンが、ジメトキシプロパンである、[2]に記載のジアリールカーボネートの製造方法。
[4]
前記ジアルキルカーボネートが、ジメチルカーボネートである、[1]〜[3]のいずれかに記載のジアリールカーボネートの製造方法。
[5]
さらに、アルキルアリールカーボネート類を含む第2塔高沸点反応混合物を前記第2連 続多段蒸留塔下部より液状で連続的抜出し、
前記第2塔高沸点反応混合物を、前記第2連続多段蒸留塔と連結した、触媒が存在する 第3連続多段蒸留塔内に連続的に供給するとともに、ジアルキルカーボネート類及びジア リールカーボネート類が生成するように、前記第3連続多段蒸留塔内で反応させる工程を 含み、
前記触媒が、鉛化合物、銅族金属の化合物、鉄族金属の化合物、ルイス酸類化合物、有 機スズ化合物からなる群より選択される1種以上であり、
前記鉛化合物が、Bu 4 Pb、Ph 4 Pb、Bu 3 PbCl、Ph 3 PbBr、Ph 3 b(又はPh 6 Pb 2 )、Bu 3 PbOH、Ph 3 PbOであり(Buはブチル基、Phはフ ェニル基を示す。)、
前記銅族金属の化合物が、Bu 2 Cu、(CH 3 O) 2 Cu、AgC 6 6 ClO 4 、[A uC≡C−C(CH 3 3 ]n、[Cu(C 7 8 )Cl] 4 であり、
前記鉄族金属の化合物が、Fe(C 10 8 )(CO) 5 、Fe(CO) 5 、Fe(C 4 6 )(CO) 3 、Co(メシチレン) 2 (PEt 2 Ph) 2 、CoC 5 5 (CO) 7 、Ni−π −C 5 5 NO、フェロセンである、
[1]〜[4]のいずれかに記載のジアリールカーボネートの製造方法。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の方法で得られるジアリールカーボネートと、芳香族 ジヒドロキシ化合物とを反応させる工程を含む、芳香族ポリカーボネートの製造方法。
[7]
前記芳香族モノヒドロキシ化合物が、前記ジアリールカーボネートと前記芳香族ジヒド ロキシ化合物との反応により得られる副生成物を含む、[6]に記載の芳香族ポリカーボ ネートの製造方法。
本発明は、ジアリールカーボネート製造工程の触媒の劣化を起こす水を効率的に除去でき、触媒の劣化によるジアリールカーボネートの生成量低下を防止することができる。
本実施形態のジアリールカーボネートの製造方法に用いられる製造装置の一例を示すフロー図である。
以下、本願発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
本実施形態は、触媒の存在下、芳香族モノヒドロキシ化合物と、式(1)で表される化合物を含むジアルキルカーボネートとからジアリールカーボネートを製造する、ジアリールカーボネートの製造方法であって、上記ジアルキルカーボネートが、前記式(1)で表される化合物を、原料であるジアルキルカーボネートにおいて0.01〜1000質量ppm含む、ジアリールカーボネートの製造方法を提供する。
(式(1)中、R1、R2、R4は、各々独立して、炭素数1〜20の脂肪族基を表し、R3は水素又は炭素数1〜20の脂肪族基を表す。)
炭素数1〜20の脂肪族基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル 基等を挙げることができる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル(各異性体を含む)、ブチル(各異性体を含む)、ペンチル(各異性体を含む)、ヘキシル(各異性体を含む)、ヘプチル(各異性体を含む)、オクチル(各異性体を含む)、ノニル(各異性体を含む)、デシル(各異性体を含む)、シクロヘキシルメチル等の鎖状のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の環状のアルキル基;等を挙げることができる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(各異性体を含む)、ブテニル基(各異性体を含む)、ペンテニル基(各異性体を含む)、ヘキセニル基(各異性体を含む)等を挙げることができる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基(各異性体を含む)、ブチニル基(各異性体を含む)、ペンチニル基(各異性体を含む)、ヘキシニル基(各異性体を含む)等を挙げることができる
(1)で表される化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭素数1〜20の脂肪族基の中でも、好ましくは、炭素数1〜6の、鎖状のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜3の鎖状のアルキル基である。
前記式(1)で表される化合物としては、例えば、R1,R2,R3,R4が全て炭素数1の脂肪族基である2,2−ジメトキシプロパン、R1,R4が炭素数1の脂肪族基、R2が炭素数2の脂肪族基、R4が水素である1,1−ジメトキシプロパン等のジアルコキシアルカンが好適に挙げられる。ジアルコキシアルカンの中でも、好ましくはジメトキシプロパンである。
2,2−ジメトキシプロパン
1,1−ジメトキシプロパン
本実施形態におけるジアルキルカーボネートは、2,2−ジメトキシプロパン及び1,1−ジメトキシプロパンを、原料であるジアルキルカーボネートにおいて0.01〜1000質量ppm含むことが好ましい。2,2−ジメトキシプロパン及び1,1−ジメトキシプロパンの質量比は、特に制限されないが、好ましくは20:1〜1:20、より好ましくは10:5〜10:1である。
前記式(1)で表される化合物がジアリールカーボネート製造工程内に存在する水を除去するメカニズムは、以下と考えられる。なお、以下では1,1−ジメトキシプロパン、及び2,2−ジメトキシプロパンを例にして説明するが、本実施形態はこれらのジアルコキシアルカンに限定されるものではない。
1,1−ジメチルプロパンは、以下の反応式で、水と反応し、ヘミアセタールを生成する。
2,2−ジメチルプロパンは、以下の反応式で、水分と反応し、ヘミアセタールを生成する。
さらに、生成したヘミアセタールは、以下の反応式で、脱メタノールして、アルデヒド類及びケトン類になる。
前記反応で生成したアルデヒド類及びケトン類は、ジアリールカーボネート製造工程内に設置されているジアリールカーボネート等を精製するための蒸留塔等から除去される。したがって、前記式(1)で表される化合物のR1,R2,R3,R4の炭素数が少ないほど、水と前記式(1)で表される化合物との反応生成物の沸点が低くなるため、蒸留塔等で分離しやすくなる。
前記式(1)で表される化合物は、ジアリールカーボネートの原料であるジアルキルカーボネート中に添加してもよいし、ジアルキルカーボネートを製造する工程中で、例えば、以下の反応で副生した前記式(1)で表される化合物を、蒸留分離効率や負荷を下げて、原料のジメチルカーボネート内に残存させてもよい。
ジアルキルカーボネートに含まれる前記式(1)で表される化合物の濃度は、0.01〜1000質量ppmであり、好ましくは1〜200質量ppmである。前記式(1)で表される化合物の濃度が0.01重量ppm未満では、ジアリールカーボネート製造工程中に水が残存して、本発明の効果を十分に得られない可能性がある。前記式(1)で表される化合物の濃度が1000質量ppmを超えると、前記式(1)で表される化合物が芳香族モノヒドロキシ化合物等と副反応し、その反応生成物がジアリールカーボネート中に不純物として混入してジアリールカーボネートの純度を低下させることに加え、ジアリールカーボネートを原料にして製造される芳香族ポリカーボネートの色調等に悪影響を与える可能性がある。
原料であるジアルキルカーボネートは、二酸化炭素とエチレンオキサイドとメタノールからジメチルカーボネートを製造する方法(EO法)、二酸化炭素とプロピレンオキサイドとメタノールからジメチルカーボネートを製造する方法(PO法)、一酸化炭素と酸素とメタノールとからジメチルカーボネートを製造する方法(CO法)、一酸化窒素と酸素とメタノールとから製造したメチルナイトライトを一酸化炭素と反応させることでジメチルカーボネートを製造する方法(MN法)、尿素とメタノールとからジメチルカーボネートを製造する方法(直接尿素法、間接尿素法)のいずれによって製造されたものでもよく、式(2)で表される。
aOCOORa (2)
ここで、Raは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10の脂環族基、炭素数6〜10のアラールキル基を表す。このようなRaとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル(各異性体を含む)、アリル、ブチル(各異性体を含む)、ブテニル(各異性体を含む)、ペンチル(各異性体を含む)、ヘキシル(各異性体を含む)、ヘプチル(各異性体を含む)、オクチル(各異性体を含む)、ノニル(各異性体を含む)、デシル(各異性体を含む)、シクロヘキシルメチル等のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の脂環族基;ベンジル、フェネチル(各異性体を含む)、フェニルプロピル(各異性体を含む)、フェニルブチル(各異性体を含む)、メチルベンジル(各異性体を含む)等のアラールキル基が挙げられる。なお、これらのアルキル基、脂環族基、アラールキル基において、他の置換基、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン等で置換されていてもよいし、不飽和結合を有していてもよい。
このようなRaを有するジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート(各異性体を含む)、ジアリルカーボネート、ジブテニルカーボネート(各異性体を含む)、ジブチルカーボネート(各異性体を含む)、ジペンチルカーボネート(各異性体を含む)、ジヘキシルカーボネート(各異性体を含む)、ジヘプチルカーボネート(各異性体を含む)、ジオクチルカーボネート(各異性体を含む)、ジノニルカーボネート(各異性体を含む)、ジデシルカーボネート(各異性体を含む)、ジシクロペンチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジシクロヘプチルカーボネート、ジベンジルカーボネート、ジフェネチルカーボネート(各異性体を含む)、ジ(フェニルプロピル)カーボネート(各異性体を含む)、ジ(フェニルブチル)カーボネート(各異性体を含む)ジ(クロロベンジル)カーボネート(各異性体を含む)、ジ(メトキシベンジル)カーボネート(各異性体を含む)、ジ(メトキシメチル)カーボネート、ジ(メトキシエチル)カーボネート(各異性体を含む)、ジ(クロロエチル)カーボネート(各異性体を含む)、ジ(シアノエチル)カーボネート(各異性体を含む)等が挙げられる。
これらの中で、本実施形態において好ましくは、Raがハロゲンを含まない炭素数4以下のアルキル基からなるジアルキルカーボネートであり、より好ましくは、ジメチルカーボネートである。また、さらに好ましいジアルキルカーボネートは、ハロゲンを実質的に含まない状態で製造されたジアルキルカーボネートであって、例えば、ハロゲンを実質的に含まないアルキレンカーボネートとハロゲンを実質的に含まないアルコールから製造されたものである。
また、ジアルキルカーボネートには、エーテル類、エステル類、アルコール類、カーボネート類、アルカン類等の不純物が含まれていてもよい。前記ジアルキルカーボネート中の不純物としては、特に制限されないが、例えば、以下の不純物が挙げられる。
ジメチルエーテル 0.01〜50質量ppm
2−メトキシプロペン 0.01〜50質量ppm
1,1−ジメトキシエタン 0.01〜50質量ppm
メタノール 0.01〜50,000質量ppm
メチルプロピオネート 0.01〜50質量ppm
3,3−ジメトキシ−1−プロペン 0.01〜50質量ppm
1,4−ジオキサン 0.01〜50質量ppm
メチルエチルカーボネート 0.01〜500質量ppm
ビス(2−メトキシエチル)カーボネート 0.01〜500質量ppm
トルエン 0.01〜50質量ppm
メチル−3−ブタノエート 0.01〜50質量ppm
2−エチル−4−メチル−1,3−ジオキソレン 0.01〜50質量ppm
シクロヘプタトリエン 0.01〜50質量ppm
1−メトキシ−2−プロパノール 0.01〜50質量ppm
ジエチレングリコールジエチルエーテル 0.01〜50質量ppm
ドデカン 0.01〜50質量ppm
テトラデカン 0.01〜50質量ppm
ヘキサデカン 0.01〜50質量ppm
オクタデカン 0.01〜50質量ppm
アイコサン 0.01〜50質量ppm
本実施形態における原料である芳香族モノヒドロキシ化合物は、芳香族基に直接ヒドロキシル基が結合している化合物であれば特に制限されず、例えば、下記式(3)で表される化合物が好適に挙げられる。
Ar3OH (3)
(式(3)中、Ar3は炭素数5〜30の芳香族基を表す。)
式(3)で表される化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール(各異性体を含む)、キシレノール(各異性体を含む)、トリメチルフェノール(各異性体を含む)、テトラメチルフェノール(各異性体を含む)、エチルフェノール(各異性体を含む)、プロピルフェノール(各異性体を含む)、ブチルフェノール(各異性体を含む)、ジエチルフェノール(各異性体を含む)、メチルエチルフェノール(各異性体を含む)、メチルプロピルフェノール(各異性体を含む)、ジプロピルフェノール(各異性体を含む)、メチルブチルフェノール(各異性体を含む)、ペンチルフェノール(各異性体を含む)、ヘキシルフェノール(各異性体を含む)、シクロヘキシルフェノール(各異性体を含む)等の各種アルキルフェノール類;メトキシフェノール(各異性体を含む)、エトキシフェノール(各異性体を含む)等の各種アルコキシフェノール類;フェニルプロピルフェノール(各異性体を含む)等のアリールアルキルフェノール類;ナフトール(各異性体を含む)及び各種置換ナフトール類;ヒドロキシピリジン(各異性体を含む)、ヒドロキシクマリン(各異性体を含む)、ヒドロキシキノリン(各異性体を含む)等のヘテロ芳香族モノヒドロキシ化合物類等が用いられる。
これらの芳香族モノヒドロキシ化合物は、1種又はそれ以上の混合物として用いることができる。これらの芳香族モノヒドロキシ化合物の中で、本実施形態において好ましくは、Ar3が炭素数6から10の芳香族基からなる芳香族モノヒドロキシ化合物であり、より好ましくはフェノールである。また、これらの芳香族モノヒドロキシ化合物の中で、本実施形態において好ましくは、ハロゲンを実質的に含まない芳香族モノヒドロキシ化合物である。
また、芳香族モノヒドロキシ化合物には、通常0〜500質量ppmの範囲で水が含有されているが、本発明の効果を阻害するものではない。
本実施形態によって製造されるジアリールカーボネートは、一般的には下記式(4)で表される化合物である。
Ar4-OCOO-Ar5 (4)
(式中、Ar4、Ar5は、各々独立して、1価の芳香族基を表す。)
Ar4及びAr5における1価の芳香族基は、1価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表すが、このAr4、Ar5において、1つ以上の水素原子が、本実施形態のジアリールカーボネートを製造する方法における反応に影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されたものであってもよい。Ar4、Ar5は同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。1価の芳香族基Ar4及びAr5の代表例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基を挙げことができる。これらは、上述の1種以上の置換基で置換されたものでもよい。好ましいAr4及びAr5としては、例えば、それぞれ下記式(5)に示されるもの等が挙げられる。
好ましいジアリールカーボネートとしては、下記式(6)で示される置換又は非置換のジフェニルカーボネートである。
(式中、R9及びR10は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜10を有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜5の整数で、pが2以上の場合には、各R9はそれぞれ異なるものであってもよいし、qが2以上の場合には、各R10は、それぞれ異なるものであってもよい。)
このジアリールカーボネートの中でも、好ましくは非置換のジフェニルカーボネートや、ジトリルカーボネート、ジ−t−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキル置換ジフェニルカーボネート等の対称型ジアリールカーボネートであり、より好ましくは、非置換のジフェニルカーボネートである。これらのジアリールカーボネート類は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の原料として用いられるジアルキルカーボネートの芳香族モノヒドロキシ化合物に対する量比はモル比で、好ましくは0.1〜10である。この範囲外では、目的とするジアリールカーボネートの所定生産量に対して、残存する未反応の原料が多くなり、効率的ではなく、またそれらを回収するために多くのエネルギーを要する。この意味で、ジアルキルカーボネートの芳香族モノヒドロキシ化合物に対するモル比は、より好ましくは0.5〜5であり、さらに好ましくは0.8〜3であり、よりさらに好ましくは1〜2である。
本実施形態のジアリールカーボネートの製造方法としては、具体的には、(i)第1連続多段蒸留塔に、式(1)で表される化合物0.01〜1000質量ppmを含むジアルキルカーボネートを供給し、連続的に蒸留して、前記式(1)で表される化合物と水との反応により生成するアルデヒド類及び/又はケトン類を塔頂から抜出し、前記ジアルキルカーボネートと式(1)で表される化合物を含む混合物を抜出する工程と、(ii)前記工程(i)により得られる混合物と芳香族モノヒドロキシ化合物とを、触媒が存在する第2連続多段蒸留塔内に連続的に供給する工程と、(iii)アルコール類及びアルキルアリールカーボネート類が生成するように、前記ジアルキルカーボネートと前記芳香族モノヒドロキシ化合物とを前記第2連続多段蒸留塔内で反応させる工程と、(iv)生成するアルコール類を含む第2低沸点反応混合物を前記第2連続多段蒸留塔上部より連続的に抜出するとともに、生成するアルキルアリールカーボネート類を含む第2塔高沸点反応混合物を前記第2連続多段蒸留塔下部より液状で連続的抜出する工程と、(v)前記第2塔高沸点反応混合物を、前記第2連続多段蒸留塔と連結した、触媒が存在する第3連続多段蒸留塔内に連続的に供給するするとともに、ジアルキルカーボネート類及びジアリールカーボネート類が生成するように、前記第3連続多段蒸留塔内で反応させる工程と、(vi)生成したジアルキルカーボネート類を含む第3塔低沸点反応混合物を前記第3連続多段蒸留塔上部より連続的に抜出するとともに、生成したジアリールカーボネート類を含む第3塔高沸点反応混合物を前記第3連続多段蒸留塔下部より液状で連続的に抜出す工程と、を含むジアリールカーボネートの製造方法であることが好ましい。
上記のジアリールカーボネートの製造方法は、第1連続多段蒸留塔、第2連続多段蒸留塔、及び第3連続多段蒸留塔において、式(1)で表される化合物と水との反応により生成する、アルデヒド類及び/又はケトン類を、ガス状で塔頂から抜出することが好ましい。
第2低沸点反応混合物は、第1連続多段蒸留塔に供給することが好ましく、第3塔低沸点反応混合物は、第2連続多段蒸留塔に供給することが好ましい。第2低沸点反応混合物及び第3塔低沸点反応混合には、例えば、アルコール類、ジアルキルカーボネート、芳香族モノヒドロキシ化合物、式(1)で表される化合物、及び、水等からなる群より選択される1種以上が含まれていてもよい。
本実施形態で使用される触媒としては、例えば、以下の鉛化合物、銅族金属の化合物、アルカリ金属の錯体、亜鉛の錯体、カドミウムの錯体、鉄族金属の化合物、ジルコニウム錯体、ルイス酸類化合物、有機スズ化合物等からなる群より選択される1種以上が挙げられる。
<鉛化合物>
鉛化合物としては、例えば、
PbO、PbO2、Pb34等の酸化鉛類;
PbS、Pb2S等の硫化鉛類;
Pb(OH)2、Pb22(OH)2等の水酸化鉛類;
Na2PbO2、K2PbO2、NaHPbO2、KHPbO2等の亜ナマリ酸塩類;
Na2PbO3、Na22PbO4、K2PbO3、K2[Pb(OH)6]、K4PbO4、Ca2PbO4、CaPbO3等の鉛酸塩類;
PbCO3、2PbCO3・Pb(OH)2等の鉛の炭酸塩及びその塩基性塩類;
Pb(OCOCH32、Pb(OCOCH34、Pb(OCOCH32・PbO・3H2O等の有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;
Bu4Pb、Ph4Pb、Bu3PbCl、Ph3PbBr、Ph3Pb(又はPh6Pb2)、Bu3PbOH、Ph3PbO等の有機鉛化合物類(Buはブチル基、Phはフェニル基を示す。);
Pb(OCH32、(CH3O)Pb(OPh)、Pb(OPh)2等のアルコキシ鉛類、アリールオキシ鉛類;
Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−Sb等の鉛の合金類;
ホウエン鉱、センアエン鉱等の鉛鉱物類、及びこれらの鉛化合物の水和物;等が挙げられる。
<銅族金属の化合物>
銅族金属の化合物としては、例えば、
CuCl、CuCl2、CuBr、CuBr2、CuI、CuI2、Cu(OAc)2、Cu(acac)2、オレイン酸銅、Bu2Cu、(CH3O)2Cu、AgNO3、AgBr、ピクリン酸銀、AgC66ClO4、[AuC≡C−C(CH33]n、[Cu(C78)Cl]4等の銅族金属の塩及び錯体(acacはアセチルアセトンキレート配位子を表す。);等が挙げられる。
<アルカリ金属の錯体>
アルカリ金属の錯体としては、例えば、
Li(acac)、LiN(C492等のアルカリ金属の錯体;等が挙げられる。
<亜鉛の錯体>
亜鉛の錯体としては、例えば、
Zn(acac)2等の亜鉛の錯体;等が挙げられる。
<カドミウムの錯体>
カドミウムの錯体としては、例えば、
Cd(acac)2等のカドミウムの錯体;等が挙げられる。
<鉄族金属の化合物>
鉄族金属の化合物としては、例えば、
Fe(C108)(CO)5、Fe(CO)5、Fe(C46)(CO)3、Co(メシチレン)2(PEt2Ph)2、CoC55(CO)7、Ni−π−C55NO、フェロセン等の鉄族金属の錯体;等が挙げられる。
<ジルコニウム錯体>
ジルコニウム錯体としては、例えば、
Zr(acac)4,ジルコノセン等のジルコニウムの錯体;等が挙げられる。
<ルイス酸類化合物>
ルイス酸類化合物としては、例えば、
AlX3、TiX3,TiX4、VOX3、VX5、ZnX2、FeX3、SnX4 (ここでXはハロゲン、アセトキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。)等のルイス酸及びルイス酸を発生する遷移金属化合物;等が挙げられる。
<有機スズ化合物>
有機スズ化合物としては、例えば、
(CH33SnOCOCH3、(C253SnOCOC65、Bu3SnOCOCH3、Ph3SnOCOCH3、Bu2Sn(OCOCH32、Bu2Sn(OCOC11232、Ph3SnOCH3、(C253SnOPh、Bu2Sn(OCH32、Bu2Sn(OC252、Bu2Sn(OPh)2、Ph2Sn(OCH32、(C253SnOH、Ph3SnOH、Bu2SnO、(C8172SnO、Bu2SnCl2、BuSnO(OH)等の有機スズ化合物;等が挙げられる。
上記の金属含有化合物が触媒として用いられる。これらの触媒は多段蒸留塔内に固定された固体触媒であってもよく、反応系に溶解する可溶性触媒であってもよい。
また、これらの触媒成分が、反応系中に存在する有機化合物、例えば、脂肪族アルコール類、芳香族モノヒドロキシ化合物類、アルキルアリールカーボネート類、ジアリールカーボネート類、ジアルキルカーボネート類等と反応したものであってもよく、反応に先立って原料や生成物で加熱処理されたものであってもよい。
ジアリールカーボネート製造工程を反応系に溶解する可溶性触媒で実施する場合は、これらの触媒は、反応条件において反応液への溶解度が高いものであることが好ましい。反応液への溶解性の観点から、好ましい触媒としては、例えば、PbO、Pb(OH)2、Pb(OPh)2;TiCl4、Ti(OMe)4、(MeO)Ti(OPh)3、(MeO)2Ti(OPh)2、(MeO)3Ti(OPh)、Ti(OPh)4;SnCl4、Sn(OPh)4、Bu2SnO、Bu2Sn(OPh)2;FeCl3、Fe(OH)3、Fe(OPh)3等、又はこれらをフェノール又は反応液等で処理したもの等が挙げられる。
第2連続多段蒸留塔で用いる触媒と第3連続多段蒸留塔で用いる触媒は、同じ種類であってもよく、異なる種類であってもよく、好ましくは、同じ種類の触媒である。上記触媒は、より好ましくは、同じ種類であって、両方の反応液に溶解することができる触媒である。上記触媒が同じ種類であり、両方の反応液に溶解することができることは、通常、触媒が、第2連続多段蒸留塔の高沸点反応混合物中に溶解した状態で、アルキルアリールカーボネート等とともに前記第2蒸留塔の下部から抜き出され、そのまま前記第3連続多段蒸留塔に供給されるため、好ましい実施態様である。なお、必要に応じて前記第3連続多段蒸留塔に新たに触媒を追加することも可能である。
第1連続多段蒸留塔、第2連続多段蒸留塔及び第3連続多段蒸留塔は、インターナルとしてトレイ及び/又は充填物を有する蒸留塔であることが好ましい。インターナルとは、蒸留塔において実際に気液の接触を行わせる部分のことを意味する。トレイとしては、例えば、泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ、スーパーフラックトレイ、マックスフラックトレイ等が好ましい。充填物としては、例えば、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック等の不規則充填物やメラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッド等の規則充填物が好ましい。第1連続多段蒸留塔、第2連続多段蒸留塔及び第3連続多段蒸留塔としては、トレイ部と充填物の充填された部分とを合わせもつ多段蒸留塔も用いることができる。
なお、以下、「インターナルの段数」とは、トレイの場合はトレイの数を意味し、充填物の場合は、理論段数を意味する。したがって、トレイ部と充填物の充填された部分とを合わせてもつ多段蒸留塔の場合、トレイの数と理論段数の合計である。
ジアリールカーボネート製造工程で行われるエステル交換反応の反応時間は、第2連続多段蒸留塔内及び第3連続多段蒸留塔内でのそれぞれの反応液の平均滞留時間に相当すると考えられ、これはそれぞれの前記蒸留塔のインターナルの形状や段数、原料供給量、触媒の種類や量、反応条件等によって異なるが、第2連続多段蒸留塔内及び第3連続多段蒸留塔内のそれぞれにおいて、通常0.01〜10時間、好ましくは0.05〜5時間、より好ましくは0.1〜3時間である。
第2連続多段蒸留塔の反応温度は、用いる原料の種類や触媒の種類や量によって調整することができ、通常、100〜350℃の範囲である。反応速度を高める観点から、反応温度を高くすることが好ましいが、反応温度が高いと副反応も起こりやすくなり、例えば、アルキルアリールエーテル等の副生成物が増えるので好ましくない。反応速度を高めながら、副反応も抑える観点から、第2連続多段蒸留塔での反応温度は、好ましくは130〜280℃、より好ましくは150〜260℃、さらに好ましくは180〜250℃の範囲である。
第3連続多段蒸留塔の反応温度は、用いる原料の種類や触媒の種類や量によって調整することができ、通常、100〜350℃の範囲である。反応速度を高める観点から、反応温度を高くすることが好ましいが、反応温度が高いと副反応も起こりやすくなり、例えば、アルキルアリールエーテルや、原料や生成物であるアルキルアリールカーボネートやジアリールカーボネートのフリース転移反応生成物やその誘導体等の副生成物が増えるので好ましくない。反応速度を高めながら、副反応も抑える観点から、第3連続多段蒸留塔での反応温度は、好ましくは130〜280℃、より好ましくは150〜260℃、さらに好ましくは180〜250℃の範囲である。
第1連続多段蒸留塔の圧力は、用いる原料化合物の種類や組成、反応温度等により調整することができ、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常塔頂圧力が、好ましくは0.1〜2×107Pa、より好ましくは105〜107Pa、さらに好ましくは2×105〜5×106Paの範囲である。
第1連続多段蒸留塔の温度は、式(1)で表される化合物と水との反応により生成するアルデヒド類及び/又はケトン類を蒸留して除去できる温度であれば特に制限されない。
第2連続多段蒸留塔の反応圧力は、用いる原料化合物の種類や組成、反応温度等により調整することができ、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常塔頂圧力が、好ましくは0.1〜2×107Pa、より好ましくは105〜107Pa、さらに好ましくは2×105〜5×106Paの範囲である。
第3連続多段蒸留塔の反応圧力は、用いる原料化合物の種類や組成、反応温度等により調整することができ、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常塔頂圧力が、好ましくは0.1〜2×107Pa、より好ましくは103〜106Pa、さらに好ましくは5×103〜105Paの範囲である。
なお、ジアリールカーボネート製造工程における第2連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることもできる。この場合、2基以上の蒸留塔を直列に連結することも、並列に連結することも、さらに直列と並列を組み合わせて連結することも可能である。
ジアリールカーボネート製造工程で用いられる、第1連続多段蒸留塔、第2連続多段蒸留塔及び第3連続多段蒸留塔を構成する材料は、主に炭素鋼、ステンレススチール等の金属材料であるが、製造するジアリールカーボネートの品質の面からは、ステンレススチールが好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と本実施形態によって製造されたジアリールカーボネートとを原料にして芳香族ポリカーボネートを製造することもできる。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとを反応させて芳香族ポリカーボネートの溶融状態のプレポリマー(以下、「溶融プレポリマー」という。)を製造し、溶融プレポリマーをガイドの表面に沿って流下させながら重合を行わせるガイド接触流下式重合器、撹拌翼の回転軸が水平方向である横型重合槽等の横型重合器等を用いて芳香族ポリカーボネートを製造する方法が挙げられる。
以下、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとを反応させて製造した溶融プレポリマーを、ガイド接触流下式重合器を用いて重合し、芳香族ポリカーボネートを製造する方法について具体的に説明するが、本実施形態は以下で説明される方法に限定されるものではない。
芳香族ポリカーボネートの製造に用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物とは、式(7)で示される化合物である。
HO−Ar−OH (7)
(式中、Arは2価の芳香族基を表す。)
2価の芳香族基Arは、好ましくは、例えば、式(8)式で示されるものである。
−Ar1−Y−Ar2− (8)
(式中、Ar1及びAr2は、各々独立して、炭素数5〜70を有する2価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルカン基を表す。)
2価の芳香族基Ar1、Ar2は、1つ以上の水素原子が、反応に影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されていてもよい。複素環式芳香族基の好ましい具体例としては、1ないし複数の環形成窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する芳香族基を挙げることができる。2価の芳香族基Ar1、Ar2は、例えば、置換又は非置換のフェニレン、置換又は非置換のビフェニレン、置換又は非置換のピリジレン等の基を表す。ここでの置換基は前述のとおりである。
2価のアルカン基Yは、例えば、下記式で示される有機基である。
(式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素数6〜10の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜11の整数を表し、R5及びR6は、各Xについて個々に選択され、お互いに独立に、水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素を表す。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6は、1つ以上の水素原子が反応に影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されていてもよい。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記式で示されるものが挙げられる。
(式中、R7、R8は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基又はフェニル基であって、m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R7は、それぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4の場合にはR8は、それぞれ同一でも異なるものであってもよい。)
さらに、2価の芳香族基Arは、次式で示されるものであってもよい。
−Ar1−Z−Ar2
(式中、Ar1及びAr2は前述のとおりであり、Zは、単結合、又は、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−SO−、−COO−、−CON(R1)−等の2価の基を表す。R1は前述のとおりである。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記式に示されるものが挙げられる。
(式中、R7、R8、m及びnは、前述のとおりである。)
さらに、2価の芳香族基Arの具体例としては、置換又は非置換のフェニレン、置換又は非置換のナフチレン、置換又は非置換のピリジレン等が挙げられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物は、単一種類でも2種類以上でもよい。芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的な例としては、ビスフェノールA、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。また、芳香族ジヒドロキシ化合物としては、分岐構造を導入するための3価の芳香族トリヒドロキシ化合物を併用してもよい。
芳香族ポリカーボネートを製造する工程における芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとの使用割合(仕込み比率)は、用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの種類や、重合温度その他の重合条件によって調整することができ、ジアリールカーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常0.9〜2.5モル、好ましくは0.95〜2.0モル、より好ましくは0.98〜1.5モルの割合で用いられる。
芳香族ポリカーボネート製造工程における溶融プレポリマーとは、目的とする重合度を有する芳香族ポリカーボネートより重合度の低い重合途中の溶融物を意味しており、オリゴマーであってもよい。なお、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとの混合物は加熱溶融するだけで反応が進むのでこれらの混合物は実質的に溶融プレポリマーである。芳香族ポリカーボネート製造工程で用いられる溶融プレポリマーの数平均分子量は、重合温度で溶融している限り特に制限されず、また、その化学構造によっても異なる。溶融プレポリマーの数平均分子量は、好ましくは500〜100,000であり、より好ましくは500〜10,000であり、さらに好ましくは1,000〜8,000である。
また、芳香族ポリカーボネート製造工程に係る重合器、及びその他の反応器の材質に特に制限はなく、重合器又は反応器の少なくとも内壁面を構成する材質として、ステンレススチールやニッケル、ガラス等から選ばれる材質であってもよい。
芳香族ポリカーボネート製造工程で用いられる溶融プレポリマーは、公知のいかなる方法によって得られたものでよい。たとえば、所定量の芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとからなる溶融混合物を1基又はそれ以上の縦型撹拌槽を用いて、約120℃〜約280℃の温度範囲で、常圧及び/又は減圧下に撹拌しながら、反応によって副生する芳香族モノヒドロキシ化合物を除去することによって、製造することができる。直列に連結された2基以上の縦型撹拌槽を用いて、順に重合度を上げていく必要な重合度を有する溶融プレポリマーを連続的に製造する方法が特に好ましい。
芳香族ポリカーボネート製造工程では、この溶融プレポリマーが、ガイド接触流下式重合器に連続的に供給され、目的の重合度を有する芳香族ポリカーボネートを連続的に製造することが好ましい。このガイド接触流下式重合器とは、垂直ワイヤーからなるガイドに沿ってプレポリマーを溶融流下せしめて重合をさせる重合器であって、例えば、国際公開第2005/121210号、国際公開第2005/121211号、国際公開第2012/056903号、国際公開第2015/141501号等に開示されている重合器である。
芳香族ポリカーボネート製造工程において、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとから得られる溶融プレポリマーをガイド接触流下式重合器で重合させて芳香族ポリカーボネートを製造する反応の温度は、好ましくは80〜350℃であり、より好ましくは100〜290℃であり、さらに好ましくは150〜270℃である。
芳香族ポリカーボネート製造工程の重合器内の好ましい反応圧力は、製造する芳香族ポリカーボネートの種類や分子量、重合温度等によって調整することができ、例えば、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートからの溶融プレポリマーから芳香族ポリカーボネートを製造する場合、数平均分子量が5,000以下の範囲での反応圧力は、好ましくは400〜3,000Paであり、数平均分子量が5,000〜10,000の場合、好ましくは50〜500Paである。数平均分子量が10,000以上の場合、反応圧力は好ましくは300Pa以下であり、より好ましくは20〜250Paである。
芳香族ポリカーボネート製造工程では、重合反応の進行にともなって、芳香族モノヒドロキシ化合物が生成してくるが、これを反応系外へ除去することによって反応速度が高められる。したがって、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素や低級炭化水素ガス等反応に影響を及ぼさない不活性なガスを重合器に導入して、生成してくる芳香族モノヒドロキシ化合物をこれらのガスに同伴させて除去する方法や、減圧下に反応を行う方法等が好ましく用いられる。あるいはこれらを併用した方法も好ましく用いられるが、これらの場合も重合器に大量の不活性ガスを導入する必要はなく、内部を不活性ガス雰囲気に保持する程度でもよい。
なお、溶融プレポリマーをガイド接触流下式重合器に供給するに先立って、前記不活性ガスを吸収させ、次いで該不活性ガス吸収溶融プレポリマーを重合させることも好ましい方法である。
芳香族ポリカーボネート製造工程を実施するにあたり、ガイド接触流下式重合器1基だけで、目的とする重合度を有する芳香族ポリカーボネートを製造することも可能であり、原料とする溶融プレポリマーの重合度や芳香族ポリカーボネートの生産量等に応じて、2基以上の複数のガイド接触流下式重合器を連結して、順に重合度を上げていく方式も好ましい。この場合、それぞれの重合器において、製造すべきプレポリマー又は芳香族ポリカーボネートの重合度に適したガイドや反応条件を別々に採用することができるので、好ましい方式である。
芳香族ポリカーボネート製造工程における芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートから芳香族ポリカーボネートを製造する反応は、触媒を加えずに実施してもよく、重合速度を高めるため、必要に応じて触媒の存在下で行ってもよい。
芳香族ポリカーボネートを製造する反応に使用する触媒としては、この分野で用いられているものであれば特に制限はないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム等のホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化合物類;リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カルシウムメトキシド等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属のアルコキシド類;リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウムフェノキシド、LiO−Ar7−OLi、NaO−Ar7−ONa(Ar7はアリール基)等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属のアリーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシド等の亜鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、(R1234)NB(R1234)又は(R1234)PB(R1234)で表されるアンモニウムボレート類又はホスホニウムボレート類(R1、R2、R3、R4は前記の説明通りである。)等のホウ素の化合物類;酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリールケイ素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素等のケイ素の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノキシド等のゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズカルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリブトキシド等のアルコキシ基又はアリーロキシ基と結合したスズ化合物、有機スズ化合物等のスズの化合物類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸塩、鉛及び有機鉛のアルコキシド又はアリーロキシド等の鉛の化合物;第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩等のオニウム化合物類;酸化アンチモン、酢酸アンチモン等のアンチモンの化合物類;酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガン等のマンガンの化合物類;酸化チタン、チタンのアルコキシド又はアリーロキシド等のチタンの化合物類;酢酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムのアルコキシド又はアリーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトン等のジルコニウムの化合物類等の触媒を挙げることができる。
触媒を用いる場合、これらの触媒は1種だけで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの触媒の使用量は、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、好ましくは10-10〜1質量%、より好ましくは10-9〜10-1質量%、さらに好ましくは10-8〜10-2質量%の範囲で選ばれる。溶融エステル交換法の場合、使用した重合触媒は、製品の芳香族ポリカーボネート中に残存しているが、これらの重合触媒は通常ポリマー物性に影響を及ぼすものが多い。したがって、触媒の使用量はできるだけ、抑えることが好ましい。
芳香族ポリカーボネート製造工程の溶融プレポリマー製造時と、ガイド接触流下式重合器等での重合時、反応によって副生する大量の芳香族モノヒドロキシ化合物は通常、ガス状で連続的に抜き出され、液状に凝縮されて回収されることが好ましい。芳香族ポリカーボネート製造工程で副生する芳香族モノヒドロキシ化合物をジアリールカーボネート製造工程に循環する芳香族モノヒドロキシ化合物のリサイクル工程を行うことが好ましい。工業的製造方法においては、副生する芳香族モノヒドロキシ化合物を全量、又はできるだけロスを少なくして回収し、これを循環・再使用することが重要である。
芳香族ポリカーボネート製造工程で副生し、回収された副生芳香族モノヒドロキシ化合物には、ジアリールカーボネートが一部含まれていてもよく、純度が高いのでそのままで、ジアリールカーボネート製造工程に循環、再使用することも可能である。なお、回収された前記芳香族モノヒドロキシ化合物中に少量の芳香族ジヒドロキシ化合物や、微量のオリゴマーが混在する場合には、さらに蒸留を行ってこれらの高沸点物質を除去した後に、ジアリールカーボネート製造工程に循環、再使用することが好ましい。
芳香族ポリカーボネート製造工程によって製造される芳香族ポリカーボネートは、下記式(9)で示される繰り返し単位を有する。
(Arは前述と同じ定義である。)
芳香族ポリカーボネートとしては、好ましくは、全繰り返し単位中、下記式(10)で示される繰り返し単位が85モル%以上含まれる芳香族ポリカーボネートである。
また、芳香族ポリカーボネートの末端基は、通常、ヒドロキシ基又は下記式(11)で示されるアリールカーボネート基からなっている。
(Ar6は、前述のAr3、Ar4と同じ定義である。)
ヒドロキシ基とアリールカーボネート基の比率に特に制限はないが、通常95:5〜5:95の範囲であり、好ましくは90:10〜10:90の範囲であり、より好ましくは80:20〜20:80の範囲である。芳香族ポリカーボネートとしては、さらに好ましくは、末端基中のフェニルカーボネート基の占める割合が60モル%以上の芳香族ポリカーボネートである。
上記で製造される芳香族ポリカーボネートは、主鎖に対してエステル結合やエーテル結合等の異種結合を介して部分的に分岐したものであってもよい。前記異種結合の量はカーボネート結合に対して、通常0.005〜2モル%であり、好ましくは0.01〜1モル%であり、より好ましくは0.05〜0.5モル%である。このような量の異種結合は、他のポリマー物性を悪化させることなく、溶融成形時の流れ特性を向上させるので、精密成形に適しているし、比較的低温でも成形でき、性能の優れた成形物を製造することができる。成形サイクルを短縮することもでき成形時の省エネルギーにも貢献できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1のフロー図に示されるような、第1連続多段蒸留塔101と第2連続多段蒸留塔102と第3連続多段蒸留塔103が接続された装置を用いて反応蒸留を行い、ジフェニルカーボネートを製造した。
[第1連続多段蒸留塔101]
長さ17m、内径1.8mで、内部に16段のインターナルを有する回収部と、長さ25m、内径1mで、内部に55段のインターナルを有する濃縮部からなる連続多段蒸留塔を用いた。インターナルは、回収部、濃縮部ともに、孔1個あたりの断面積約1.3cm2、孔数約550個/m2の多孔板トレイを用いた。
[第2連続多段蒸留塔102]
長さ33m、内径5m、で、内部に80段のインターナルを有する連続多段蒸留塔を用いた。インターナルは、孔1個あたりの断面積約1.5cm2、孔数約250個/m2の多孔板トレイを用いた。
[第3連続多段蒸留塔103]
長さ31m、内径5mで、内部に30段のインターナルを有する連続多段蒸留塔を用いた。インターナルとして、上部に規則性充填物であるメラパック2基(合計理論段数11段)を設置し、下部に孔1個あたりの断面積約1.3cm2、孔数約250個/m2の多孔板トレイを設置した。
第1連続多段蒸留塔101に、ライン1より1,1−ジメトキシプロパンを12質量ppmと2,2−ジメトキシプロパンを80質量ppmとを添加したジメチルカーボネート(100質量%)を2.5トン/hrでフィードし、塔頂部の圧力は10×105Pa、還流比は2.9の条件で連続的に蒸留運転を行った。
第1連続多段蒸留塔101の塔頂5からメタノール(100質量%)とともに1,1−ジメトキシプロパンや2,2−ジメトキシプロパンと水との反応で生成したアルデヒド類及びケトン類を7質量ppm含む低沸点反応混合物を1.8トン/hrで抜出した。
第1連続多段蒸留塔101の塔底2からはジメチルカーボネート(71質量%)、フェノール(29質量%)、未反応1,1−ジメトキシプロパン(2質量ppm)、2,2−ジメトキシプロパン(14質量ppm)を含む高沸点反応混合物を35トン/hrで抜出し、第2蒸留塔102にフィードした。
第2連続多段蒸留塔102では、第2連続多段蒸留塔102の塔底の反応液中のTi濃度が約150質量ppmとなるように、触媒Ti(OPh)4を導入し、塔底の温度は226℃、塔頂部の圧力は7×105Pa、還流比は0の条件で連続的に反応蒸留を行った。
第2連続多段蒸留塔102の塔頂4から1,1−ジメトキシプロパンや2,2−ジメトキシプロパンと水との反応で生成したアルデヒド類及びケトン類はガスでベント除去され、メタノール(5質量%)、ジメチルカーボネート(65質量%)、フェノール(30質量%)と1,1−ジメトキシプロパン(2質量ppm)や2,2−ジメトキシプロパン(9質量ppm)と水(1質量ppm)を含む低沸点反応混合物は34トン/時間の流量で抜出し、第1連続多段蒸留塔101にフィードした。
第2連続多段蒸留塔102の塔底3からは、ジメチルカーボネート(29質量%)、フェノール、(59質量%)、メチルフェニルカーボネート(12質量%)、1,1−ジメトキシプロパン(1質量ppm)、2,2−ジメトキシプロパン(6質量ppm)を含む高沸点反応混合物を66トン/hrの流量で抜出し、第3連続多段蒸留塔103にフィードした。ライン8からは原料フェノール(100質量%)を5.2トン/hrでフィードした。原料フェノール中には水が10質量ppm含まれていた。
第3連続多段蒸留塔103では、第3連続多段蒸留塔103の塔底の反応液中のTi濃度が約1600質量ppmとなるように、触媒Ti(OPh)4を第3蒸留塔103に導入し、塔底の温度が205℃、塔頂部の圧力は3×104Pa、還流比が0.25の条件で連続的に反応蒸留を行った。
第3連続多段蒸留塔103の塔頂7から1,1−ジメトキシプロパンや2,2−ジメトキシプロパンと水との反応で生成したアルデヒド類及びケトン類はガスでベント除去され、ジメチルカーボネート(33質量%)、フェノール(67質量%)を1,1−ジメトキシプロパン(1質量ppm)や2,2−ジメトキシプロパン(5質量ppm)と水(1質量ppm)含む低沸点反応混合物を65トン/hrの流量で抜出し、第2連続多段蒸留塔102にフィードした。第2連続多段蒸留塔102への低沸点反応混合物のフィードは、塔頂7のライン7を通じて低沸点反応混合物を抜出し、原料フェノールをフィードするライン8と、該ライン7とを合流させ、ライン9を介してフィードすることにより行った。
第3連続多段蒸留塔103の塔底6からはメチルフェニルカーボネート(44質量%)、ジフェニルカーボネート(56質量%)を含む高沸点反応混合物を6.6トン/hrで連続的に抜出した。メチルフェニルカーボネートをジフェニルカーボネートに換算したジフェニルカーボネートの生産量は5.7トン/hrとなった。この条件で、安定的に5,000時間の連続運転を行うことができた。
[実施例2]
ライン1よりフィードするジメチルカーボネート中の1,1−ジメトキシプロパン及び2,2−ジメトキシプロパンの含有量を替えたこと以外は、実施例1と、装置、運転条件とも全く同じ条件によりジフェニルカーボネートの生産を行った。
ライン1よりフィードするジメチルカーボネートは、PO法で製造したジメチルカーボネートを使用した。このとき上記PO法では、1,1−ジメトキシプロパンと2,2−ジメトキシプロパンがより多く生成する条件によりジメチルカーボネートの合成を行った。具体的には、PO法におけるジメチルカーボネート合成反応器内の触媒濃度を通常の2倍濃度とした条件により、ジメチルカーボネートの合成反応を行った。この結果、副生物である1,1−ジメトキシプロパンと2,2−ジメトキシプロパンが通常よりも多く生成し、ジメチルカーボネート中には、1,1−ジメトキシプロパンが20質量ppm、2,2−ジメトキシプロパンが90質量ppm含まれていた。
ジフェニルカーボネートの生産量は、実施例1と変わらず5.7トン/時間であった。この条件で、安定的に1,000時間の連続運転を行うことができた。
[比較例1]
第1連続多段蒸留塔101のライン1よりフィードするジメチルカーボネート中に1,1−ジメトキシプロパン、2,2−ジメトキシプロパンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同じ条件で運転を行ったところ、ジフェニルカーボネートの生産量が4.5トン/時間に低下した。これは、ジアリールカーボネート製造工程内から除去されなかった水によって、触媒の活性が低下したためと考えられる。この条件での、安定的に連続運転を行うことができた時間は、1,000時間であった。
[比較例2]
実施例1と同じ装置を用いて、第1連続多段蒸留塔101のライン1よりフィードするジメチルカーボネート中に1,1−ジメトキシプロパンを1質量%、及び、2,2−ジメトキシプロパンを1質量%添加したこと以外は、実施例1と同じ条件で運転を行った。ジフェニルカーボネートの生産量は5.7トン/時間であり、実施例1及び2と比較して低下しなかったが、ジフェニルカーボネート中に、1,1−ジメトキシプロパンや2,2−ジメトキシプロパンとフェノールとの反応で生成した9,9−ジメチルキサンテン等の不純物が100質量ppm混入した。
[参考例1]
ビスフェノールAと実施例1で得られたジフェニルカーボネートとを原料にして溶融プレポリマーを製造し、ガイド接触流下式重合器を用いて芳香族ポリカーボネートを製造した。前記ガイド接触流下式重合器のケーシングは、内径が1.5m、長さが10mであり、前記ガイド接触流下式重合器の内部には、直径が3mm、長さが9mの垂直ワイヤーが180本設置されていた。
ビスフェノールAと実施例1で得られたジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAのモル比で1.08)とから製造され、265℃に保たれた数平均分子量が5,000の溶融プレポリマーを前記ガイド接触流下式重合器に連続的に供給し、温度が265℃、圧力が50Paの条件で重合を行った。連続的に供給した溶融プレポリマーは、垂直ワイヤーに沿って流下し、それに伴い重合反応が進行して数平均分子量が13,000の芳香族ポリカーボネートが製造された。
得られた芳香族ポリカーボネートをバレル温度が300℃、金型温度が90℃で、厚さが3.2mmの平板に射出成形し、コニカミノルタ社製 CR−400を用い、白色校正板の上に載せて反射法(測定径8mm)で測定し、白色校正板とのb*値の差(平板のb*値=平板を白色校正板に載せての測定値−白色校正板の測定値)によって色相(Δb*)を求めて色調を判定(色相の値が小さい程、色調が良好)した。色相は0.1であった。
[参考例2]
ジフェニルカーボネートを実施例2で得られたジフェニルカーボネートにしたこと以外は、参考例1と同様にして芳香族ポリカーボネートを製造した。
ビスフェノールAと実施例2で得られたジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAのモル比で1.08)とから製造された数平均分子量が5,000の溶融プレポリマーを前記ガイド接触流下式重合器に連続的に供給し、数平均分子量が13,000の芳香族ポリカーボネートを製造した。
得られた芳香族ポリカーボネートの色相を求めたところ0.1であり、参考例1の芳香族ポリカーボネートと同等の色調であった。
[比較参考例3]
ジフェニルカーボネートを比較例2で得られたジフェニルカーボネートにしたこと以外は、参考例1と同様にして芳香族ポリカーボネートを製造した。
ビスフェノールAと比較例2で得られたジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAのモル比で1.08)とから製造された数平均分子量が5,000の溶融プレポリマーを前記ガイド接触流下式重合器に連続的に供給し、数平均分子量が13,000の芳香族ポリカーボネートを製造した。
得られた芳香族ポリカーボネートの色相を求めたところ0.7であり、参考例1の芳香族ポリカーボネートより色調が劣った。
本発明によれば、ジアリールカーボネート製造工程内に存在する、触媒の劣化を招く水を、特別な装置を使用せずに、容易に除去できるので、ジアリールカーボネートを製造する際に、産業上の利用可能性がある。
1:第1連続多段蒸留塔101へのジアルキルカーボネートの供給ライン
2:第1連続多段蒸留塔101の塔底成分抜出しライン
3:第2連続多段蒸留塔102の塔底成分抜出しライン
4:第2連続多段蒸留塔102の塔頂成分抜出しライン
5:第1連続多段蒸留塔101の塔頂成分抜出しライン
6:第3連続多段蒸留塔103の塔底成分抜出しライン
7:第3連続多段蒸留塔103の塔頂成分抜出しライン
8:第2連続多段蒸留塔102への芳香族モノヒドロキシ化合物の供給ライン
9:第2連続多段蒸留塔102への液供給ライン
101:第1連続多段蒸留塔
102:第2連続多段蒸留塔
103:第3連続多段蒸留塔

Claims (7)

  1. 触媒の存在下、芳香族モノヒドロキシ化合物と、下記式(1)
    (式(1)中、R1、R2、R4は、各々独立して、炭素数1〜6の、鎖状のアルキル基 、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R3は、水素原子、又は、炭素数1〜6の、鎖 状のアルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基を表す。)
    で表される化合物を含むジアルキルカーボネートとからジアリールカーボネートを製造する、ジアリールカーボネートの製造方法であって、
    前記ジアルキルカーボネートが、前記式(1)で表される化合物(ただし、1,1−ジ メトキシエタンを除く)を、原料であるジアルキルカーボネートにおいて〜1000質量ppm含
    第1連続多段蒸留塔に、式(1)で表される化合物1〜1000質量ppmを含むジア ルキルカーボネートを供給し、連続的に蒸留して、前記ジアルキルカーボネートと式(1 )で表される化合物を含む混合物を抜出する工程と、
    前記工程により得られる混合物と芳香族モノヒドロキシ化合物とを、触媒が存在する第 2連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、前記ジアルキルカーボネートと前記芳香族モノヒ ドロキシ化合物とを前記第2連続多段蒸留塔内で反応させる工程とを含み、かつ、
    前記触媒が、鉛化合物、銅族金属の化合物、鉄族金属の化合物、ルイス酸類化合物、有 機スズ化合物からなる群より選択される1種以上であり、
    前記鉛化合物が、Bu 4 Pb、Ph 4 Pb、Bu 3 PbCl、Ph 3 PbBr、Ph 3 b(又はPh 6 Pb 2 )、Bu 3 PbOH、Ph 3 PbOであり(Buはブチル基、Phはフ ェニル基を示す。)、
    前記銅族金属の化合物が、Bu 2 Cu、(CH 3 O) 2 Cu、AgC 6 6 ClO 4 、[A uC≡C−C(CH 3 3 ]n、[Cu(C 7 8 )Cl] 4 であり、
    前記鉄族金属の化合物が、Fe(C 10 8 )(CO) 5 、Fe(CO) 5 、Fe(C 4 6 )(CO) 3 、Co(メシチレン) 2 (PEt 2 Ph) 2 、CoC 5 5 (CO) 7 、Ni−π −C 5 5 NO、フェロセンである、
    ジアリールカーボネートの製造方法
  2. 前記式(1)で表される化合物が、ジアルコキシアルカンである、請求項1に記載のジアリールカーボネートの製造方法。
  3. 前記ジアルコキシアルカンが、ジメトキシプロパンである、請求項2に記載のジアリールカーボネートの製造方法。
  4. 前記ジアルキルカーボネートが、ジメチルカーボネートである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のジアリールカーボネートの製造方法。
  5. さらに、アルキルアリールカーボネート類を含む第2塔高沸点反応混合物を前記第2連 続多段蒸留塔下部より液状で連続的抜出し、
    前記第2塔高沸点反応混合物を、前記第2連続多段蒸留塔と連結した、触媒が存在する 第3連続多段蒸留塔内に連続的に供給するとともに、ジアルキルカーボネート類及びジア リールカーボネート類が生成するように、前記第3連続多段蒸留塔内で反応させる工程を 含み、
    前記触媒が、鉛化合物、銅族金属の化合物、鉄族金属の化合物、ルイス酸類化合物、有 機スズ化合物からなる群より選択される1種以上であり、
    前記鉛化合物が、Bu 4 Pb、Ph 4 Pb、Bu 3 PbCl、Ph 3 PbBr、Ph 3 b(又はPh 6 Pb 2 )、Bu 3 PbOH、Ph 3 PbOであり(Buはブチル基、Phはフ ェニル基を示す。)、
    前記銅族金属の化合物が、Bu 2 Cu、(CH 3 O) 2 Cu、AgC 6 6 ClO 4 、[A uC≡C−C(CH 3 3 ]n、[Cu(C 7 8 )Cl] 4 であり、
    前記鉄族金属の化合物が、Fe(C 10 8 )(CO) 5 、Fe(CO) 5 、Fe(C 4 6 )(CO) 3 、Co(メシチレン) 2 (PEt 2 Ph) 2 、CoC 5 5 (CO) 7 、Ni−π −C 5 5 NO、フェロセンである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のジアリールカーボネートの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法で得られるジアリールカーボネートと、芳香 族ジヒドロキシ化合物とを反応させる工程を含む、芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  7. 前記芳香族モノヒドロキシ化合物が、前記ジアリールカーボネートと前記芳香族ジヒド ロキシ化合物との反応により得られる副生成物を含む、請求項6に記載の芳香族ポリカー ボネートの製造方法。
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