JPH1045674A - 炭酸ジアリールを製造するための方法 - Google Patents

炭酸ジアリールを製造するための方法

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JPH1045674A
JPH1045674A JP9135803A JP13580397A JPH1045674A JP H1045674 A JPH1045674 A JP H1045674A JP 9135803 A JP9135803 A JP 9135803A JP 13580397 A JP13580397 A JP 13580397A JP H1045674 A JPH1045674 A JP H1045674A
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C68/00Preparation of esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C68/01Preparation of esters of carbonic or haloformic acids from carbon monoxide and oxygen

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短い反応時間内に得られる反応混合物中での
高い炭酸ジアリール含量を可能にし、その結果炭酸ジア
リールの下流での単離を最小のエネルギー消費によって
実施することができる方法を提供することである。 【解決手段】 触媒、共触媒、第四級塩及び塩基の存在
下での芳香族ヒドロキシ化合物(例えばフェノール)と
一酸化炭素及び酸素との反応によって炭酸ジアリールを
製造するための方法であって、この反応を炭酸ジアリー
ルと、炭酸エステルの基になるヒドロキシ化合物とを含
んで成る溶融液中で実施し、そして更に後処理前に炭酸
ジアリールをこの反応混合物に必要に応じて添加するこ
とを特徴とする方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、芳香族ヒドロキシ化合物(例え
ば、フェノール)と一酸化炭素及び酸素との、触媒、共
触媒、第四級塩及び塩基の存在下での反応によって炭酸
ジアリールを製造するための方法であって、前記反応
を、炭酸ジアリールと、この炭酸エステルの基になるヒ
ドロキシ化合物とを含んで成る溶融液中で実施し、そし
て更に後処理前にこの反応混合物に必要に応じて炭酸ジ
アリールを更に添加することを特徴とする方法に関す
る。
【0002】貴金属触媒の存在下での芳香族ヒドロキシ
化合物と一酸化炭素との酸化反応によって有機炭酸エス
テルを製造することができることは知られている(DE
−A27 38 437)。好ましくはパラジウムが貴
金属として使用される。加えて、共触媒(例えばマンガ
ン又はコバルト塩)、塩基、第四級塩、種々のキノン又
はヒドロキノン及び乾燥剤を使用することができる。こ
の反応はまた溶媒中で実施することもできる。この目的
のためには好ましくは塩化メチレンが使用される。
【0003】この方法によって達成される空時収量は非
常に低く、そして工業的応用のためには受け入れられな
い。更にまた、高い希釈、モレキュラーシーブ及び大量
の触媒の使用は後処理にかなりの困難さを加え、そして
加えてこの方法を不経済にする。
【0004】反応溶液中の比較的高い炭酸ジアリール含
量は、高い温度及び圧力を用いる場合においてさえ、数
時間の反応時間の後で、やっと得られるに過ぎない(J
P−01 165 551、WO 93/03000、
EP−A 583 935、EP−A 583 937
及びEP−A 583 938)。長い反応時間は大き
な反応容積をもたらし、そしてこの方法を魅力的ではな
くする。更にまた、生成された炭酸ジアリールの分解を
防止しそして触媒の失活を防止するために、モレキュラ
ーシーブの添加が水の分離のために提案されている。モ
レキュラーシーブの使用は、この方法の工業的利用を魅
力的ではなくする。何故ならば、液相からの水の効果的
分離のためには大量のモレキュラーシーブが必要とされ
(乾燥容量及び予期される水の量に関して100〜50
0%の過剰が要求される)、そして高い製造コストで再
生されなければならないからである。前に述べた特許出
願中で使用されるような、十分な量のモレキュラーシー
ブの存在下では、反応溶液中の水含量を数ppmに限定
することができる。それにも拘わらず炭酸ジアリールの
分解が観察されるという事実は、痕跡の水さえも炭酸ジ
アリールの急速な分解をもたらすことを示唆する。結果
として、反応混合物中の炭酸ジアリールの高い濃度はま
た、それ故、加水分解反応を抑制するために、同時に回
避される。何故ならば、特に、反応混合物中の炭酸ジフ
ェニルの濃度を増すにつれてかなり一層ゆっくりとしか
反応が進行しないことがEP−A 583 935中に
開示されているからである。
【0005】JP−04 257 546は、貴金属触
媒及び第四級塩の存在下での芳香族ヒドロキシ化合物と
一酸化炭素との酸化反応によって、150〜205℃及
び30〜50barで蒸留塔中に反応混合物を連続的に
供給することによって、有機炭酸エステルが得られる方
法を述べている。反応水は、この手順の過程において連
続的に留去される。
【0006】この方法の欠点は、反応水を除去するため
に蒸留塔を用いなければならず、これがその構造のため
に短いドエル(滞留)時間を可能にするに過ぎないこと
である。従って、この方法によって達成することができ
る空時収量は非常に低く、即ち僅かに17.8g/リッ
トル−時間である。蒸留塔中で反応を実施することは、
高い温度(150〜205℃)での大量のハロゲン化物
の使用を伴う。これは、かなりの腐食の問題をもたら
し、そしてこれは、加えて高い装置コストの原因とな
る。当業者はまた、与えられた反応条件下では、好まし
く使用されるヨウ化物は安定ではなく、そしてかなりの
程度までヨウ素に酸化されることを知っている。これ
は、第四級塩のかなりの損失と、選択性そしてかくして
この方法の経済性を顕著に損なう副生成物の生成とをも
たらす。更にまた、必要な高い温度及び圧力において
は、ハロゲンの損失に起因しそしてパラジウムの粒子成
長に起因する均一系触媒系の急速な失活を勘定に入れな
ければならず、その結果この方法を経済的に利用するこ
とは可能ではない。更にまた、この方法は、非常に低い
炭酸ジアリール濃度を与えるに過ぎず、そしてかくして
上で議論した方法と比較して、炭酸ジアリールの単離に
関しても何ら利点を持たない。高い炭酸ジアリール含量
はまた、加水分解に起因する損失を減らすために、この
方法においてもまた勿論回避される。
【0007】40〜120℃及び2〜50barでの過
剰の反応ガスによるストリッピングによる水の除去のた
めの方法は、EP−A 667 336中に述べられて
いる。
【0008】この方法の欠点はまた、20重量%よりも
高い炭酸ジアリール含量は、数時間の反応時間の後で得
ることができるに過ぎないことである。更にまた、この
方法は、勿論、高い炭酸ジアリール濃度のためには不適
切である。何故ならば、過剰の反応ガスによるストリッ
ピングによる水の除去は、モレキュラーシーブの乾燥効
果を持たず、そしてこの理由のためにかなり増進された
加水分解反応を予期しなければならないからである。
【0009】生成される炭酸ジアリールの反応混合物か
らの単離は、大量の溶媒又は芳香族ヒドロキシ化合物を
分離しなければならないので、低い含量の炭酸ジアリー
ルにおいてはかなりのエネルギー消費を必要にする。
【0010】それ故、短い反応時間内に得られるべき反
応混合物中での高い炭酸ジアリール含量を可能にし、そ
の結果炭酸ジアリールの下流での単離を最小のエネルギ
ー消費によって実施することができる方法に対するニー
ズが存在していた。
【0011】驚くべきことに、上で述べた先行技術の欠
点は、炭酸ジアリール及び対応するヒドロキシ化合物を
含んで成る溶融液中で反応を実施する場合には、そして
それによって反応の開始における反応系中に高い炭酸ジ
アリール含量が既に存在する場合には、克服することが
できることがここに見い出された。溶融液中の炭酸ジア
リールの高い含量においてさえ、反応はなお高い空時収
量にて進行する。予期に反して、高い炭酸ジアリール含
量においてさえ、加水分解反応又は二次反応は殆ど起き
ない。例えば、炭酸ジアリールの加水分解を防止するた
めには、過剰の反応ガスによるストリッピングによっ
て、反応中に生成された水を除去することで十分であ
る。反応が完了した後での更なる炭酸ジアリールの添加
は、引き続く後処理のために有利である可能性がある。
【0012】従って、本発明は、式 R−O−CO−O−R (I) [式中、Rは、置換された又は置換されていないC6
12−アリール、好ましくは置換された又は置換されて
いないフェニル、最も好ましくは置換されていないフェ
ニルを表す]の有機炭酸エステルを、式 R−O−H (II) [式中、Rは上で与えられた意味を有する]の芳香族ヒ
ドロキシ化合物と一酸化炭素及び酸素との、白金族金属
触媒、共触媒、第四級塩及び塩基の存在下での30〜2
00℃、好ましくは30〜150℃、最も好ましくは4
0〜120℃の温度での、そして1〜200bar、好
ましくは2〜150bar、最も好ましくは5〜75b
arの圧力での反応によって製造するための方法であっ
て、前記反応を、反応の開始時に既に少なくとも20重
量%、好ましくは少なくとも30重量%、そして最も好
ましくは少なくとも40重量%の炭酸ジアリールの含量
を有する、炭酸ジアリール及び芳香族ヒドロキシ化合物
を含んで成る溶融液中で実施し、そして原理的には知ら
れている方法によって溶融液から炭酸ジアリールを単離
する方法に関する。
【0013】本発明による方法においては、20〜95
重量%の炭酸ジアリール、更に好ましくは30〜75重
量%の炭酸ジアリール、最も好ましくは40〜60重量
%の炭酸ジアリールを含む、炭酸ジアリールと芳香族ヒ
ドロキシ化合物の溶融液が好ましくは使用される。
【0014】この手順の過程においては、炭酸ジアリー
ルは、合成反応器の出発物質流れに新たに添加すること
もできるし、又は炭酸ジアリール単離段階からの還流と
してリサイクルされる物質流れに中に既に含まれていて
も良い。炭酸ジアリール単離段階からの還流の場合に
は、芳香族ヒドロキシ化合物を添加した後で、必要な場
合には炭酸ジアリールを添加することによって炭酸ジア
リールの所望の含量をなお設定しなければならない。本
発明による方法においては、炭酸ジアリールの単離の間
に反応混合物から炭酸ジアリールの全部を除去すること
は必要ではない。反応によって生成された炭酸ジアリー
ルを除去する(取り出す)ことで十分である。
【0015】別の実施態様においては、炭酸ジアリール
の単離の直前まで一部の炭酸ジアリールを添加しないこ
とが有利である可能性がある。溶融液が少なくとも40
重量%、好ましくは少なくとも45重量%、最も好まし
くは50重量%よりも多い炭酸ジアリールを、後処理ス
テップの前に含むならばそれが有利であることがここに
見い出された。原理的には知られているその他の方法に
よって製造された反応混合物においてさえ、後処理段階
は溶融液への炭酸ジアリールの添加によって有利に影響
される。それ故、本発明はまた、炭酸ジアリール及び芳
香族ヒドロキシ化合物を含む反応混合物から炭酸ジアリ
ールを単離する方法であって、その割合が反応混合物の
少なくとも40重量%に達するような量の炭酸ジアリー
ルを混合物に添加し、そして引き続いて原理的には知ら
れているやり方で反応混合物から炭酸ジアリールを単離
する方法に関する。
【0016】本発明による方法においては、反応の間に
生成された水の除去は、モレキュラーシーブによって、
循環流れからの蒸留によるその除去によって、又は過剰
の反応ガスによるストリッピングによって実施すること
ができる。水は、好ましくは過剰の反応ガスによるスト
リッピングによって除去される。
【0017】蒸留による除去の間には、反応混合物の一
部を除去し、減圧し、そして次に水の蒸発によって減少
した圧力下で実質的に等温で脱水し、そして引き続いて
再び反応器中に供給する。本発明による方法において
は、1時間あたりに除去される反応混合物の部分的な流
れは、反応器容量の0.01〜30倍、好ましくは0.
05〜20倍、最も好ましくは0.1〜10倍に達して
良い。
【0018】もう一つの実施態様においては、水は減少
した圧力への減圧の間の自発的蒸発によって除去するこ
とができる。この手順の過程においては、除去される部
分的流れを冷却し、そしてリサイクルする前に反応温度
まで再加熱しなければならない。
【0019】別の実施態様においては、JP−04 2
57 546中で述べられているように、水の除去のた
めに蒸留塔を用いることができる。
【0020】反応において生成された水は、好ましく
は、過剰の反応ガスによるストリッピングによって除去
される。これに関して使用される反応ガスの量は、1リ
ットルの反応混合物あたり1〜100,000Nl、好
ましくは1リットルの反応混合物あたり5〜50,00
0Nl、最も好ましくは1リットルの反応混合物あたり
10〜10,000Nlである。
【0021】本発明による方法における反応ガスは、一
酸化炭素、酸素、そして随時不活性ガスから成る。
【0022】反応ガス中の一酸化炭素と酸素の比率は広
い濃度限界内で変わり得るが、(COを標準とした)C
O:O2のモル比を、1:0.001〜1:0.5、好
ましくは1:0.01〜1:0.4、そして最も好まし
くは1:0.02〜1:0.3に設定することを勧め
る。これらのモル比においては、酸素分圧は、高い空時
収量を達成することができるほど十分に高い。反応ガス
は、何ら特別な純度要件を受けない。かくして、合成ガ
スをCOソースとして用いることができ、そして空気を
2キャリヤーとして用いることができる。しかしなが
ら、触媒毒例えば硫黄又はその化合物を導入しないこと
を確実にしなければならない。本発明による方法の好ま
しい実施態様においては、純粋なCO及び純粋な酸素を
使用する。
【0023】本発明による方法における反応ガスの不活
性成分は、窒素、二酸化炭素又は貴ガスで良く、そして
また反応条件下で安定でありそして必要に応じて水と共
沸混合物を形成する有機化合物でも良い。反応ガス中の
不活性ガスの濃度は、0〜60容量%、好ましくは0〜
20容量%、最も好ましくは0〜5容量%である。
【0024】本発明に従って反応させることができる芳
香族ヒドロキシ化合物の例は、フェノール、o−、m−
又はp−クレゾール、o−、m−又はp−クロロフェノ
ール、o−、m−又はp−エチルフェノール、o−、m
−又はp−プロピルフェノール、o−、m−又はp−メ
トキシフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,
4−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノー
ル、1−ナフトール、2−ナフトール及びビスフェノー
ルAを含み、フェノールが好ましい。本発明に従って使
用することができる芳香族ヒドロキシ化合物は、C1
4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、フッ素、塩素
又は臭素によって一重に又は二重に置換されていて良
い。
【0025】本発明による方法においては、有機及び無
機の両方の塩基又はこれらの混合物を使用することがで
きる。無機塩基の例は、アルカリ金属水酸化物及び炭酸
塩、並びにアルカリ金属カルボキシレート又は弱酸のそ
の他の塩、並びに式(II)の芳香族ヒドロキシ化合物の
アルカリ塩、例えばアルカリ金属フェノラートを含む。
本発明による方法においてはまた、アルカリ金属フェノ
ラートの水和物を使用することができる。このような水
和物の例として、ナトリウムフェノラート三水和物を挙
げることができる。しかしながら、添加される水の量
は、好ましくは、1モルの塩基あたり最大で5モルの水
が使用されるように計算される。一般に、水の濃度が高
ければ高いほど、それだけ乏しい転化率を、そして生成
された炭酸エステルの分解をもたらす。有機塩基の例
は、有機の基としてC6〜C10−アリール基、C7〜C12
−アラルキル基及び/又はC1〜C20−アルキル基を含
んで良い第三級アミン、ピリジン塩基及び水素化ピリジ
ン塩基を含む。以下のものを例として挙げることができ
る:トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、トリオクチルアミン、ベンジルジメチルアミ
ン、ジオクチルベンジルアミン、ジメチルフェネチルア
ミン、1−ジメチルアミノ−2−フェニルプロパン、ピ
リジン、N−メチルピリジン、1,2,2,6,6−ペ
ンタメチルピペリジン、又は窒素塩基例えばアミジン、
例えばDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデク−7−エン)及びDBN(1,5−ジアザビシ
クロ[4.3.0]ノン−5−エン)、又はグアニジン
例えばTBD(1,5,7−トリアザビシクロ[4.
4.0]デク−5−エン)。好ましくは、芳香族ヒドロ
キシ化合物のアルカリ塩を塩基として使用し、最も好ま
しくは、反応させてまた有機炭酸エステルを生成させる
べき芳香族ヒドロキシ化合物のアルカリ塩を使用する。
これらのアルカリ塩は、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム又はセシウム塩で良い。リチウム、ナト
リウム及びカリウムフェノラートが好ましく、ナトリウ
ムフェノラートが特に好ましい。
【0026】使用される塩基の量は、反応混合物の重量
に関して0.01〜20重量%である。この量は、好ま
しくは0.05〜15重量%、最も好ましくは0.1〜
5重量%である。
【0027】塩基は、固体の形の純粋な化合物として又
は溶融液として反応混合物に添加することができる。本
発明の別の実施態様においては、0.1〜80重量%、
好ましくは0.5〜65重量%、最も好ましくは1〜5
0重量%の塩基を含む溶液として、塩基を反応混合物に
添加する。アルコール及びフェノールの両方、例えば反
応させるべきフェノール、及び不活性溶媒を、ここで溶
媒として使用することができる。適切な溶媒の例は、ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジオキサ
ン、t−ブタノール、クミルアルコール、イソアミルア
ルコール、テトラメチル尿素、ジエチレングリコール、
ハロゲン化炭化水素(例えばクロロベンゼン又はジクロ
ロベンゼン)及びエーテルを含む。これらの溶媒は、そ
れ自体で又はお互いに任意に組み合わせて使用すること
ができる。かくして、本発明による方法の一つの実施態
様は、溶媒によって希釈された塩基をフェノール溶融液
中に溶かすことから成る。塩基は、好ましくは芳香族ヒ
ドロキシ化合物の溶融液中に、更に好ましくは反応させ
て有機炭酸エステルを生成させるべき芳香族ヒドロキシ
化合物の溶融液中に溶かす。塩基は、最も好ましくはフ
ェノール中に溶かして添加する。
【0028】塩基対白金族金属、例えばパラジウムの比
は、1モルの白金族金属あたり0.1〜500、好まし
くは0.3〜200、最も好ましくは0.9〜130当
量の塩基が使用されるように好ましくは選ばれる。
【0029】本発明による方法は好ましくは溶媒無しで
実施される。しかしながら、また不活性溶媒を使用する
こともできる。適切な例は、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン、ジオキサン、t−ブタノール、ク
ミルアルコール、イソアミルアルコール、テトラメチル
尿素、ジエチレングリコール、ハロゲン化炭化水素(例
えばクロロベンゼン又はジクロロベンゼン)及びエーテ
ルを含む。
【0030】本発明による方法のために適切である白金
族金属触媒は、VIII族の少なくとも一種の金属、好
ましくはパラジウムから成る。触媒は、本発明による方
法中に種々の形で添加することができる。パラジウム
は、金属の形で又は酸化状態0及び+2のパラジウム化
合物の形で、例えばパラジウム(II)アセチルアセトネ
ートとして、ハロゲン化物(halides)として、
2〜C6−カルボン酸のカルボキシレートとして、硝酸
塩として、酸化物として、又は例えば一酸化炭素、オレ
フィン、アミン、ホスフィン及びハロゲン化物を含んで
良い錯化合物の形で使用することができる。臭化パラジ
ウム及びパラジウムアセチルアセトネートが特に好まし
い。
【0031】本発明による方法中で使用される白金族金
属触媒の量は限定されない。使用される触媒の量は、好
ましくは、反応バッチ中の金属の濃度が1〜3000p
pm、最も好ましくは5〜500ppmであるようなも
のである。
【0032】IIIB、IVB、VB、VIB、VII
B、VIIIB、IB又はIIB族(CAS命名法)の
金属は、本発明による方法のための共触媒として使用さ
れるが、ここで金属は種々の酸化状態で使用することが
できる。適切な例は、マンガン(II)、マンガン(II
I)、銅(I)、銅(II)、コバルト(II)、コバルト
(III)、バナジウム(III)及びバナジウム(I
V)を含む。金属は、ハロゲン化物として、酸化物とし
て、C2〜C6−カルボン酸のカルボキシレートとして、
ジケトナートとして若しくは硝酸塩として、例えば、又
は一酸化炭素、オレフィン、アミン、ホスフィン及びハ
ロゲン化物を例えば含んで良い錯化合物として使用する
ことができる。本発明による方法においては、好ましく
はマンガン化合物、更に好ましくはマンガン(II)及び
マンガン(III)の錯体、最も好ましくはマンガン
(II)アセチルアセトネート及びマンガン(III)ア
セチルアセトネートが使用される。
【0033】共触媒は、反応混合物中のその割合が0.
0001〜20重量%、好ましくは0.005〜5重量
%、最も好ましくは0.01〜2重量%であるような量
で使用される。
【0034】本発明に従って使用される第四級塩の例
は、有機の基によって置換されているアンモニウム、ホ
スホニウム又はスルホニウム塩を含む。有機の基として
6〜C10−アリール基、C7〜C12−アラルキル基及び
/又はC1〜C20−アルキル基を含みそしてアニオンと
してハロゲンイオン(ハロゲン化物)、テトラフルオロ
ボレート又はヘキサフルオロホスフェートを含む、アン
モニウム、ホスホニウム及びスルホニウム塩が適切であ
る。有機の基としてC6〜C10−アリール、C7〜C12
アラルキル基及び/又はC1〜C20−アルキル基を含み
そしてアニオンとしてハロゲンイオンを含む、アンモニ
ウム塩が好ましくは使用される。臭化テトラブチルアン
モニウムが特に好ましい。このような第四級塩の量は、
反応混合物の0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜
15重量%、最も好ましくは1〜5重量%である。
【0035】白金族金属触媒は、本発明による方法にお
ける使用の前に活性化される。この目的のためには、本
発明による方法においては限定されないが好ましくは活
性化バッチ中の白金族金属の濃度が0.0001〜30
重量%、最も好ましくは0.001〜10重量%である
ように計算される量の白金族金属化合物を、不活性溶媒
中に、又は有機ヒドロキシ化合物若しくはこれらの混合
物の溶融液中に直接に溶かす。上で述べた化合物から成
る群からの第四級塩を、この溶液に添加する。この溶液
を、引き続いて、15〜200℃で、好ましくは20〜
150℃で、最も好ましくは40〜100℃で一酸化炭
素によって処理する。これは、使用される1グラムの白
金族金属あたり0.1〜250l/時間、好ましくは
0.5〜200l/時間、最も好ましくは1〜100l
/時間の量で常圧で一酸化炭素中に通すことによって実
施することができるか、又は1〜300bar、好まし
くは1〜200bar、最も好ましくは1〜150ba
rの圧力下でオートクレーブ中で溶液を一酸化炭素によ
って処理することによって実施することもできる。活性
化の時間は、使用される白金族金属触媒に、そして必要
に応じて使用される不活性溶媒に依存する。一般に、そ
れは数分〜数時間の範囲である。白金族金属触媒は反応
の直前に活性化させることができるが、また例えば蒸留
によって溶媒又は有機ヒドロキシ化合物を分離した後で
単離しそして貯蔵することもできる。
【0036】別の好ましい実施態様においては、白金族
金属及び必要に応じた共触媒もまた支持体の上に堆積さ
れている不均一系触媒が、均一系触媒系の代わりに、粉
末として又は成形された物体として使用される。触媒系
の残りの成分は、反応混合物中に均一に溶かされる。不
均一系触媒の総重量に対する白金族金属の量は、白金族
金属として計算して、0.01〜15重量%、好ましく
は0.05〜10重量%である。
【0037】元素の周規表のIIIB、IVB、VB、
VIB、VIIB、VIIIB、IB又はIIB族(C
AS命名法)の、又は希土類元素(原子番号58〜7
1)の少なくとも一種の金属化合物が、触媒支持体上の
共触媒として使用される。好ましくはMn、Cu、C
o、V、Zn、Ce及びMoの化合物が使用される。最
も好ましくはMn、Co、Cu、Mo及びCeの化合物
が使用される。
【0038】反応のために準備ができた状態における共
触媒を含む化合物の量は、金属としてそして不均一系触
媒の総重量に関して計算して0.01〜15重量%、好
ましくは0.05〜10重量%である。
【0039】適切な触媒支持体は、V、Mn、Ti、C
u、Zr、La及び希土類金属(原子番号58〜71)
から成る群からの一種以上の金属酸化物を、化学的に均
一な純粋な物質の意味と混合物の両方で含み、そしてま
た鉄及びコバルト酸化物、並びにニッケル、アルミニウ
ム、ケイ素及びマグネシウム酸化物、ゼオライト及び活
性炭も含む。支持された触媒を粉末として使用する場合
には、反応成分を混合するために使用されるされるべき
撹拌容器は、この目的のために使用することができる撹
拌機を装備しているか、又は気泡塔(bubble c
olumn)反応器として形作られている。
【0040】撹拌容器又は気泡塔中の懸濁液として支持
された触媒粉末を用いる時には、0.001〜50重量
%、好ましくは0.01〜20重量%、最も好ましくは
0.1〜10重量%の量の支持された触媒粉末が、使用
される反応混合物の量に関して使用される。
【0041】特に好ましい実施態様においては、不均一
系の支持された触媒は、撹拌容器中で、気泡塔中で、散
水(trickling)相反応器中で、又はこれらの
反応器のカスケード中で固定された触媒として使用され
る。すると、支持された触媒の分離は完全に省略され
る。
【0042】撹拌容器、オートクレーブ、蒸留塔及び気
泡塔が、均一系又は不均一系触媒による本発明による方
法のための反応器として適切であり、そして固定された
不均一系触媒を用いる時には、散水相反応器もまた適切
であり、そして単一の反応器として又はカスケードとし
て使用することができる。
【0043】2〜15、好ましくは2〜10、最も好ま
しくは2〜5個の反応器を、カスケードにおいて直列に
接続することができる。
【0044】反応ガスは、単一の反応器中で又はカスケ
ード反応器中で液体流れに対して向流又は並流(co−
current)で供給することができる。CO及び酸
素はお互いに一緒に又は別々に計量して入れることがで
き、そしてガスの量及び組成はまた、カスケードの個々
の反応器に関して異っても良い。単一の反応器における
又はカスケードの反応器におけるCO、酸素のそして必
要に応じた不活性ガスの供給点の空間的な分離を行うこ
とは多分、有利であろう。
【0045】撹拌容器中の反応成分を混合するために
は、容器には、この目的のために適切である撹拌機が備
えられている。このような撹拌機は当業者には知られて
いる。適切な例は、ディスク、インペラー、プロペラ、
翼、MIG及びIntermig撹拌機、チューブ撹拌
機及び種々のタイプの中空撹拌機を含む。好ましい撹拌
機は、ガス(気体)及び液体の効果的な混合を可能にす
るもの、例えば中空チューブ散布撹拌機、プロペラ撹拌
機などである。
【0046】本発明による方法においては、以下のタイ
プの気泡塔を使用することができる:単純な気泡塔、組
み込み部品を有する気泡塔、例えば平行な室を有する気
泡塔、篩底又は穴を開けられた底を有する気泡塔カスケ
ード、充填剤を有する、静的ミキサーを有する気泡塔、
脈動篩底気泡塔、ループタイプの気泡塔反応器例えばエ
アリフトループタイプの気泡塔反応器、下流(down
flow)ループタイプの気泡塔反応器、ジェット及び
ループタイプの気泡塔反応器、オープンジェット反応
器、ジェットノズル反応器、液体ホールドアップジェッ
トを有する気泡塔、下流−上流(upflow)気泡
塔、及び当業者には知られたその他の気泡塔反応器(C
hem.Ing.Tech.61(1979)208;
W.−D.Decker;Reaktionstech
nik in Blasensaeulen,Otto
Salle Verlag 1985)。
【0047】一つの好ましい実施態様においては、ガス
及び液体の効果的混合を可能にする気泡塔反応器及び気
泡塔カスケード、例えばカスケード気泡塔及びループタ
イプ気泡塔反応器が使用される。
【0048】液体及び反応ガスの良好で完全な混合を維
持するために、分配及び再分散構成要素(elemen
ts)を、気泡塔反応器の縦軸に沿って備えることがで
きる。単一穴のプレート、穴を開けられたプレート、篩
底及び当業者には知られたその他の組み込み部品が、固
定された再分散構成要素として使用される。
【0049】慣用の装置例えば多孔性焼結プレート、穴
を開けられたプレート、篩底、挿入チューブ、ノズル、
散布リング及び当業者には知られたその他の分散装置
を、ガスの計量された添加の間に液相中の反応ガスの一
次分散のために使用することができる。
【0050】本発明による方法は、種々の設計変形例で
実施することができる。一つの可能性は、それをバッチ
式で実施することから成る。この手順においては、CO
及び酸素を、撹拌容器の場合には散布撹拌機を通して、
又はその他の既知のガス分配構成要素を経由してのどち
らかで反応混合物中に通す。最適な転化率が達成された
後で、反応混合物を反応器から除去する(取り出す)
か、又は必要に応じて反応器中で後処理する。
【0051】粉末の形の支持された触媒は、例えば濾
過、沈降又は遠心分離によって反応混合物から分離する
ことができる。
【0052】バッチ操作において使用される支持された
触媒は、同じ出発物質を使用する時には精製無しで随時
再使用することができる。連続的な操作の態様において
は、使用される支持された触媒は、長い時間の間、反応
器中に留まることができ、そして必要に応じて再生する
ことができる。
【0053】本発明による方法の好ましい実施態様にお
いては、単一の反応器中で又は反応器のカスケード中
で、連続的な操作の態様が用いられる。不均一系の固定
触媒を使用する時には、それらは長い時間の間、反応器
中に留まることができ、そして必要に応じてそこでまた
再生することができる。本発明による方法のこの変形例
においては、供給流れに対応する反応混合物の一部を連
続的に除去し、その結果反応器中のレベルを一定に維持
し、反応器中で生成された炭酸ジアリールを、原理的に
は知られているやり方で、例えば溶融液の分別結晶化
(EP−A 687666)によって、又は抽出方法に
よって反応混合物のこの一部から単離し、そして炭酸ジ
アリールが減少した混合物を引き続いて本発明の方法に
リサイクルする。除去される反応混合物の一部は、炭酸
ジアリールの単離の前に炭酸ジアリールによる添加で必
要に応じて処理され、その結果混合物は少なくとも40
重量%の炭酸ジアリールを含む。それによって後処理は
もっと容易になる。
【0054】以下の実施例は、本発明をそれらに限定す
ること無く本発明による方法を例示する。
【0055】
【実施例】実施例1: (21.4%のDPC添加) 散布撹拌機、防壁(bulwark)、ガスの連続的な
導入のための手段、圧力維持装置、コンデンサー及び下
流の冷たいトラップを備えたオートクレーブ(1リット
ル)中の150gのDPC及び500gのフェノール中
に、0.12gの臭化パラジウム及び11.64gの臭
化テトラブチルアンモニウムを60℃で溶かした。触媒
を活性化させるために、一酸化炭素(25l/時間)を
1時間、この溶液を通して流した。次に、50gのフェ
ノール中に溶かした1.078gのマンガン(III)
アセチルアセトネート及び2.12gのナトリウムフェ
ノラートを添加し、そして圧力を10barに調節し、
そして一酸化炭素及び酸素のガス混合物(96.5:
3.5容量%)を中に通しながら反応器温度を80℃に
上げた。一酸化炭素及び酸素から成るガス混合物の量
を、280Nl/時間に調節した。1時間毎に反応混合
物からサンプルを取り、そしてガスクロマトグラフィー
によって分析した。この分析は、反応混合物が1時間後
に30.1重量%の炭酸ジフェニル、2時間後に38.
5重量%の炭酸ジフェニル、そして3時間後に46.0
重量%の炭酸ジフェニルを含むことを示した。16.7
gのフェノール/水混合物が冷たいトラップ中に凝縮し
た。
【0056】フェノール選択率は高くそして>99%で
一定であった。DPC二次反応からの副生成物は観察さ
れず、そしてDPCの加水分解から生成するもっと大量
のCO2も観察されなかった。
【0057】実施例2:(35.7%のDPC添加) 散布撹拌機、防壁、ガスの連続的な導入のための手段、
圧力維持装置、コンデンサー及び下流の冷たいトラップ
を備えたオートクレーブ(1リットル)中の250gの
DPC及び400gのフェノール中に、0.12gの臭
化パラジウム及び11.64gの臭化テトラブチルアン
モニウムを60℃で溶かした。触媒を活性化させるため
に、一酸化炭素(25l/時間)を1時間、この溶液を
通して流した。次に、50gのフェノール中に溶かした
1.078gのマンガン(III)アセチルアセトネー
ト及び2.71gのカリウムフェノラートを添加し、そ
して圧力を9barに調節し、そして一酸化炭素及び酸
素のガス混合物(96.5:3.5容量%)を中に通し
ながら反応器温度を85℃に上げた。一酸化炭素及び酸
素から成るガス混合物の量を、320Nl/時間に調節
した。1時間毎に反応混合物からサンプルを取り、そし
てガスクロマトグラフィーによって分析した。この分析
は、反応混合物が1時間後に43.9重量%の炭酸ジフ
ェニル、2時間後に51.9重量%の炭酸ジフェニル、
そして3時間後に59.8重量%の炭酸ジフェニルを含
むことを示した。17.8gのフェノール/水混合物が
冷たいトラップ中に凝縮した。
【0058】フェノール選択率は高くそして>99%で
一定であった。DPC二次反応からの副生成物は観察さ
れず、そしてDPCの加水分解から生成するもっと大量
のCO2も観察されなかった。
【0059】実施例3:(50%のDPC添加) 散布撹拌機、防壁、ガスの連続的な導入のための手段、
圧力維持装置、コンデンサー及び下流の冷たいトラップ
を備えたオートクレーブ(1リットル)中の350gの
DPC及び300gのフェノール中に、0.16gの臭
化パラジウム及び11.64gの臭化テトラブチルアン
モニウムを60℃で溶かした。触媒を活性化させるため
に、一酸化炭素(25l/時間)を1時間、この溶液を
通して流した。次に、50gのフェノール中に溶かした
1.078gのマンガン(III)アセチルアセトネー
ト及び2.115gのナトリウムフェノラートを添加
し、そして圧力を12barに調節し、そして一酸化炭
素及び酸素のガス混合物(96.5:3.5容量%)を
中に通しながら反応器温度を90℃に上げた。一酸化炭
素及び酸素から成るガス混合物の量を、400Nl/時
間に調節した。1時間毎に反応混合物からサンプルを取
り、そしてガスクロマトグラフィーによって分析した。
この分析は、反応混合物が1時間後に58.1重量%の
炭酸ジフェニル、2時間後に66.0重量%の炭酸ジフ
ェニル、そして3時間後に73.8重量%の炭酸ジフェ
ニルを含むことを示した。10.4gのフェノール/水
混合物が冷たいトラップ中に凝縮した。
【0060】実施例4: 粉末化された二酸化チタンをパラジウム及びマンガンに
よってコートすること: 水の中の40.5g(0.16
モル)の硝酸マンガン(II)四水和物の300mlの溶
液を、1500mlの水の中の283.5gの二酸化チ
タン粉末(製造業者:Norton)のスラリーに室温
で添加した。次に、この混合物を薄い水酸化ナトリウム
溶液によってアルカリ性にした。懸濁液を吸引下で濾別
し、水で洗浄し、100℃で乾燥し、そして300℃で
3時間焼成した。マンガンをドープされた支持体を15
00mlの水の中にスラリー化し、そして15重量%の
パラジウムを含む50gのナトリウムテトラクロロパラ
ダート(II)溶液を含む300mlの溶液によって処理
した。次に、混合物を薄い水酸化ナトリウム溶液によっ
てアルカリ性にした。懸濁液を吸引下で濾別し、洗浄
し、そして100℃で乾燥した。
【0061】触媒は、各々の場合において金属として計
算して、2.5重量%のPd及び3重量%のMnを含ん
でいた。
【0062】炭酸ジフェニルの製造のための支持された
触媒の使用:0.12gの臭化パラジウムの代わりに、
2gの上のようにして製造された不均一系触媒を懸濁液
中で使用し、そして8barの圧力を用いた以外は、実
施例1を繰り返した。
【0063】分析は、反応混合物が1時間後に28.3
重量%の炭酸ジフェニル、2時間後に35.1重量%の
炭酸ジフェニル、そして3時間後に41.8重量%の炭
酸ジフェニルを含むことを示した。21.3gのフェノ
ール/水混合物が冷たいトラップ中に凝縮した。
【0064】実施例5:1リットルのオートクレーブ
(A)、ガス及び出発物質の連続的計量添加のための手
段、並びにガス(気体)及び液体の連続的外向き移動の
ための手段から成る図1中に略式に図式的に示す装置を
使用して連続的試験を実施した。圧力を抜いた(減圧し
た)後で、反応ガスを三つの冷たいトラップ(B)を通
して流すと、それらの中で追い出された水及びフェノー
ルが凝縮した。
【0065】ポンプが、活性化触媒溶液(1時間あた
り、100gのDPC及び350gのフェノールから成
る溶融液中の0.10gの臭化パラジウム、8.31g
の臭化テトラブチルアンモニウム及び1.07gのマン
ガン(III)アセチルアセトネート)をライン1を経
由して反応器中に運んだ。もう一つのポンプが、1時間
あたり50gのフェノール中に溶かされた1.511g
のナトリウムフェノラートをライン2を経由して反応器
中に同時に計量して入れた。
【0066】反応溶液の温度は80℃であった。一酸化
炭素及び酸素から成る(96.5:3.5容量%)1時
間あたり300Nlのガス混合物をライン3を経由して
反応器中に通した。反応器圧力は10barであり、そ
して内部温度は80℃で制御された。過剰の反応ガスは
ライン4を経由して反応器を去った。反応器の内部圧力
を、ライン4中の圧力変換器及び制御弁によって一定に
保持した。
【0067】1時間あたり約500gの反応混合物を、
ポンプ手段によってライン5を経由して反応器から除去
し、そして炭酸ジフェニル単離段階に供給した。外に移
された反応混合物から1時間ごとにサンプルを取り、そ
してガスクロマトグラフィーによって分析した。約5時
間後には、装置は平衡状態にあった。分析は、反応混合
物が28.2重量%の炭酸ジフェニルを含むことを示し
た。フェノール選択率は高くそして>99%で一定であ
った。
【0068】DPC二次反応からの副生成物は観察され
ず、またDPCの加水分解から生成されるもっと大量の
CO2も観察されなかった。
【0069】実施例6:1時間あたり、250gのDP
C及び200gのフェノールから成る混合物中の0.1
0gの臭化パラジウム、8.31gの臭化テトラブチル
アンモニウム及び1.07gのマンガン(III)アセ
チルアセトネートを反応器中に供給したこと以外は、手
順は実施例5におけるようであった。
【0070】外に移された反応混合物から1時間ごとに
サンプルを取り、そしてガスクロマトグラフィーによっ
て分析した。約5時間後には、装置は平衡状態にあっ
た。分析は、反応混合物が58.7重量%の炭酸ジフェ
ニルを含むことを示した。フェノール選択率は高くそし
て>99%で一定であった。
【0071】DPC二次反応からの副生成物は観察され
ず、またDPCの加水分解から生成されるもっと大量の
CO2も観察されなかった。
【0072】それがDPC単離段階に入る前に、引き続
く225gのDPCの添加によって反応混合物のDPC
含量を約71重量%のDPCまで増加させた。
【0073】DPCを、EP−A 687 666に従
って管状結晶缶中で溶融液の分別結晶化によって単離し
た。
【0074】反応混合物を、高さ100cm及び約3c
m内径の垂直ジャケット付き管の中に導入し、そして7
5℃から2℃/時間で冷却した。68℃で、溶融液を炭
酸ジフェニルの二三の結晶によって種付けした。溶融液
が55℃に到達した時に、それを外に排出せしめた。引
き続いて加熱媒体を再び2℃/時間で加熱した。69℃
に到達した後で、管の中に留まっていた結晶性物体を溶
融して外に出し、そして別途、捕獲した。それは92重
量%のDPCを含んでいた。以前に分離された全体とし
て437gの溶融液は、57.2重量%の炭酸ジフェニ
ルから成っていた。結晶性物質は、引き続いて蒸留によ
って残留フェノールを無くした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために使用することができる
装置を図式的に示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨハン・レヒナー ドイツ47906ケンペン・フリードリヒ−ク ラマー−シユトラーセ2

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 R−O−CO−O−R (I) [式中、 Rは、置換された又は置換されていないC6〜C12−ア
    リール、好ましくは置換された又は置換されていないフ
    ェニル、最も好ましくは置換されていないフェニルを表
    す]の有機炭酸エステルを、式 R−O−H (II) [式中、 Rは上で与えられた意味を有する]の芳香族ヒドロキシ
    化合物と一酸化炭素及び酸素との、白金族金属触媒、共
    触媒、第四級塩及び塩基の存在下での30〜200℃の
    温度でのそして1〜200barの圧力での反応によっ
    て製造するための方法であって、前記反応を、反応の開
    始時に既に少なくとも20重量%の炭酸ジアリールの含
    量を有する、炭酸ジアリール及び芳香族ヒドロキシ化合
    物を含んで成る溶融液中で実施し、そして溶融液から炭
    酸ジアリールを単離する方法。
  2. 【請求項2】 炭酸ジアリールを単離する前に付加的な
    炭酸ジアリールを溶融液に添加する、請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 反応混合物の一部を連続的に除去し、こ
    の一部から炭酸ジアリールを単離し、そしてこの一部を
    引き続いて前記方法にリサイクルする、請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 炭酸ジアリールの単離の前に、除去され
    た反応混合物の一部を炭酸ジアリールと共に処理する、
    請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 芳香族ヒドロキシ化合物と、それから製
    造することができる炭酸ジアリールとを含む反応混合物
    から炭酸ジアリールを単離する方法であって、その割合
    が反応混合物の少なくとも40重量%に達するような量
    の炭酸ジアリールを混合物に添加し、そして引き続いて
    反応混合物から炭酸ジアリールを単離する方法。
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