JP3846926B2 - 芳香族カーボネートの連続的製造方法 - Google Patents

芳香族カーボネートの連続的製造方法 Download PDF

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C68/00Preparation of esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C68/06Preparation of esters of carbonic or haloformic acids from organic carbonates

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、芳香族カーボネートの連続的製造方法に関し、さらに詳しくはジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とから芳香族カーボネートを連続的に効率よく製造することができるような芳香族カーボネートの連続的製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ジフェニルカーボネート(DPC)は、ポリカーボネート製造用原料などとして工業的に有用な化合物であり、ジフェニルカーボネートを生産性よく製造することは工業的価値がある。
【0003】
従来よりこのようなジフェニルカーボネートは、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させることにより得られることが知られている。
たとえばジメチルカーボネートとフェノールとを反応させると、下記のようにメチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、またはこれらの混合物が得られる。
【0004】
【化1】
Figure 0003846926
【0005】
しかしながら上記のような反応は、いずれも平衡反応であって、この反応が原系に偏っており、しかも反応速度が遅いという問題点があった。
このような問題点を解決するものとして、たとえば反応速度を高めうる触媒が種々提案されている。
【0006】
また反応により副生されるメチルアルコールなどのアルコール類を、原料、生成物または溶媒から分離留去して反応を生成系側に進行させる試みもなされており、蒸留塔が付設された反応器を用いることも知られている。
【0007】
さらに特開平3−291257号公報には、連続多段蒸留塔を用い、反応により副生されるアルコール類などを蒸留によって連続的に抜き出して反応を生成系側に進行させながら反応生成物を連続的に抜き出して芳香族カーボネートを連続的に製造する方法が提案されている。
【0008】
ところで上記のような芳香族カーボネートの連続的製造方法では、反応生成物、副生アルコール以外にも、未反応原料(反応により副生されるジアルキルカーボネートも含む)、触媒、溶媒なども反応装置から回収されるので、これら特に未反応原料を再び反応系に循環させれば芳香族カーボネートの連続的製造方法を効率よく実施することができる。
【0009】
本発明者は、このような芳香族カーボネートの連続的製造方法について研究したところ、回収された未反応原料を反応系に循環させながら連続運転を行なうと、芳香族カーボネートの生産効率が低下してしまうことを見出した。本発明者は、この原因についてさらに検討したところジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物との反応では、低選択率ではあるがアニソールなどのアルキル芳香族エーテルが副生され、このアルキル芳香族エーテルが、未反応原料を反応系に循環させて連続運転を行なうことによって反応器内に蓄積されてしまい反応器の有効容積を低下させてしまうことに原因があることを見出した。そしてこのような知見に基づいて反応装置から抜き出された未反応原料からアルキル芳香族エーテルを分離除去した後、未反応原料を反応系に循環させることによって芳香族カーボネートの連続製造方法を効率よく行なうことができることを見出して本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記のような研究に基づいてなされたものであり、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、芳香族カーボネートを効率よく連続的に製造しうる方法を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明に係る芳香族カーボネートの連続的製造方法は、
反応装置内において、触媒の存在下にジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させ、
反応装置から、反応により生成される芳香族カーボネート、副生されるアルコール類、ジアルキルカーボネートおよび芳香族ヒドロキシ化合物を連続的に抜き出すとともにジア
ルキルカーボネートおよび芳香族ヒドロキシ化合物を回収して反応系に循環させて芳香族カーボネートを連続的に製造するに際して、
[I]反応装置上部から抜き出された副生アルコール類、ジアルキルカーボネートおよび反応装置で副生されるアルキル芳香族エーテルを含む反応混合物から第1の蒸留装置により副生アルコール類を分離する工程、および副生アルコール類が除去された反応混合物から第2の蒸留装置によりアルキル芳香族エーテルを除去し、得られたジアルキルカーボネートを反応系に循環させる工程を含む精製循環工程、
および
[II]反応装置下部から抜き出された芳香族カーボネート、ジアルキルカーボネート、芳香族ヒドロキシ化合物および反応装置で副生されるアルキル芳香族エーテルを含む反応混合物を蒸留して芳香族カーボネートを蒸留塔底部から分離するとともに、蒸留塔上部から得られた反応混合物からアルキル芳香族エーテルを分離除去し、得られたジアルキルカーボネートおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物を反応系に循環させる精製循環工程、
のうち少なくとも1つの精製循環工程を行うことを特徴としている。
【0012】
本発明では、芳香族カーボネートは、アルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート、またはこれらの混合物である。
ジアルキルカーボネートは、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートであることが好ましい。
【0013】
芳香族ヒドロキシ化合物は、フェノール、m-および/またはp-クレゾールであることが好ましい。
アルキル芳香族エーテルの代表例は、アニソールである。
【0014】
本発明では、上記のような芳香族カーボネートの連続的製造方法において、
反応装置を2基用い、
第1の反応装置において、触媒の存在下にジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて芳香族カーボネートとしてアルキルアリールカーボネートを生成させ、
次いで第2の反応装置において、第1の反応装置で得られたアルキルアリールカーボネートを反応させるか、アルキルアリールカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて芳香族カーボネートとしてジアリールカーボネートを生成させることが好ましい。
【0015】
【発明の具体的説明】
本発明に係る芳香族カーボネートの連続的製造方法は、
反応装置内において、触媒の存在下にジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させ、
反応装置から、反応により生成される芳香族カーボネート、副生されるアルコール類、ジアルキルカーボネートおよび芳香族ヒドロキシ化合物を連続的に抜き出すとともにジアルキルカーボネートおよび芳香族ヒドロキシ化合物を回収して反応系に循環させて芳香族カーボネートを連続的に製造するに際して、
[I]反応装置上部から抜き出された副生アルコール類、ジアルキルカーボネートおよび反応装置で副生されるアルキル芳香族エーテルを含む反応混合物から第1の蒸留装置により副生アルコール類を分離する工程、および副生アルコール類が除去された反応混合物から第2の蒸留装置によりアルキル芳香族エーテルを除去し、得られたジアルキルカーボネートを反応系に循環させる工程を含む精製循環工程、および
[II]反応装置下部から抜き出された芳香族カーボネート、ジアルキルカーボネート、芳香族ヒドロキシ化合物および反応装置で副生されるアルキル芳香族エーテルを含む反応混合物を蒸留して芳香族カーボネートを蒸留塔底部から分離するとともに、蒸留塔上部から得られた反応混合物からアルキル芳香族エーテルを分離除去し、得られたジアルキルカーボネートおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物を反応系に循環させる精製循環工程、
のうち少なくとも1つの精製循環工程を行っている。
【0016】
まず本発明において芳香族カーボネートを製造する際に用いられるジアルキルカーボネート、芳香族ヒドロキシ化合物、および触媒について説明する。
本発明では、下記一般式(i) で示されるジアルキルカーボネートが用いられる。
【0017】
【化2】
Figure 0003846926
【0018】
(R1 、R2 はアルキル基、アルケニル基、脂環族基、アラールキル基であり、R1 とR2 とはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R1 とR2 とで環を構成していてもよい。)
1 、R2 としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などのアルキル基、
アリル基、ブテニル基などのアルケニル基、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの脂環族基、
シクロヘキシルメチル基などの脂環族基含有アルキル基、
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、メチルベンジル基などのアラールキル基などが挙げられる。
【0019】
さらにこれらの基は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよく、不飽和結合を有していてもよい。
このような式(i) で示されるジアルキルカーボネートとしては、たとえば
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジアリルカーボネート、ジブテニルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジペンチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、ジオクチルカーボネート、ジノニルカーボネート、ジデシルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジ(メトキシメチル)カーボネート、ジ(メトキシエチル)カーボネート、ジ(クロロエチル)カーボネート、ジ(シアノエチル)カーボネート、
ジシクロペンチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジシクロヘプチルカーボネート、
ジベンジルカーボネート、ジフェネチルカーボネート、ジ(フェニルプロピル)カーボネート、ジ(フェニルブチル)カーボネート、ジ(クロロベンジル)カーボネート、ジ(メトキシベンジル)カーボネートなどが挙げられる。
【0020】
これらを2種以上組み合わせて用いることもできる。
これらのうちでも、R1 、R2 がそれぞれ炭素数4以下のアルキル基からなるジアルキルカーボネートが好ましく、さらにジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートが好ましく、特にジメチルカーボネートが好ましい。
【0021】
芳香族カーボネートを製造する際に用いられる芳香族ヒドロキシ化合物は、下記一般式(ii)で示される。
Ar1OH … (ii)
Ar1 は一価の芳香族基であり、芳香族基は置換基を有していてもよい。
【0022】
このような芳香族モノヒドロキシ化合物としては、たとえばフェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、テトラメチルフェノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ジエチルフェノール、メチルエチルフェノール、メチルプロピルフェノール、ジプロピルフェノール、メチルブチルフェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、シクロヘキシルフェノールなどのアルキルフェノール類、
メトキシフェノール、エトキシフェノールなどのアルコキシフェノール類、
ナフトール類、置換ナフトール類、
【0023】
【化3】
Figure 0003846926
【0024】
(ここでR4 、R5 、R6 、R7 はそれぞれ水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、これらはハロゲン原子、アルコキシ基で置換されていてもよい。またkは3〜11の整数であって、水素原子は低級アルキル基、アリール基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。)
また芳香環は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基などの置換基によって置換されていてもよい。〕
ヒドロキシピリジン、ヒドロキシクマリン、ヒドロキシキノリンなどのヘテロ芳香族ヒドロキシ化合物類などが挙げられる。
【0025】
さらに芳香族ジヒドロキシ化合物を用いることもでき、たとえばハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラセン、およびこれのアルキル置換体、下記式で示される芳香族ジヒドロキシ化合物類を用いることができる。
【0026】
【化4】
Figure 0003846926
【0027】
(Aは、上記Aと同様であり、芳香環は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基などの置換基によって置換されていてもよい。)
本発明では、これらのうちでも、上記式(ii)中のAr1 が炭素数6〜10の芳香族基からなる芳香族モノヒドロキシ化合物が好ましく、フェノール、m-および/またはp-クレゾールが好ましく、特にフェノールが好ましい。また芳香族ヒドロキシ化合物を2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0028】
本発明では、上記のような芳香族ヒドロキシ化合物は、ジアルキルカーボネート/芳香族ヒドロキシ化合物のモル比が10〜1、好ましくは5〜1.5の量で反応系に供給されることが望ましい。
【0029】
上記のようなジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とからは、下記のような反応により、アルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネートが生成される。なお以下には、ジアルキルカーボネートとして式(i) 中のR1 とR2 とが同一であるジアルキルカーボネートを用いる場合について示す。
【0030】
【化5】
Figure 0003846926
【0031】
上記のような反応式(1)で得られるアルキルアリールカーボネートとしては、具体的に、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、プロピルフェニルカーボネート、アリルフェニルカーボネート、ブチルフェニルカーボネート、ペンチルフェニルカーボネート、ヘキシルフェニルカーボネート、ヘプチルフェニルカーボネート、オクチルトリルカーボネート、ノニル(エチルフェニル)カーボネート、デシル(ブチルフェニル)カーボネート、メチルトリルカーボネート、エチルトリルカーボネート、プロピルトリルカーボネート、ブチルトリルカーボネート、アリルトリルカーボネート、エチルキシリルカーボネート、メチル(トリメチルフェニル)カーボネート、メチル(クロロフェニル)カーボネート、メチル(ニトロフェニル)カーボネート、メチル(メトキシフェニル)カーボネート、メチルクミルカーボネート、メチル(ナフチル)カーボネート、メチル(ピリジル)カーボネート、エチルクミルカーボネート、メチル(ベンゾイルフェニル)カーボネート、エチルキシリルカーボネート、ベンジルキシリルカーボネート、メチル(ヒドロキフェニル)カーボネート、エチル(ヒドロキフェニル)カーボネート、メトキシカルボニルオキシビフェニル、メチル(ヒドロキシビフェニル)カーボネート、メチル2-(ヒドロキシフェニル)プロピルフェニルカーボネート、エチル2-(ヒドロキシフェニル)プロピルフェニルカーボネートなどが挙げられる。
【0032】
また反応式(2)または(3)で得られるジアリールカーボネートとしては、具体的に、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、フェニルトリルカーボネート、ジ(エチルフェニル)カーボネート、フェニル(エチルフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ジ(ヒドロキシフェニル)カーボネート、ジ〔2-(ヒドロキシフェニルプロピル)フェニル〕カーボネートなどが挙げられる。
【0033】
なお上記例示には、芳香族ヒドロキシ化合物として芳香族ジヒドロキシ化合物が用いられた場合も含まれている。
本発明で製造される芳香族カーボネートは、上記のようなアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート、またはこれらの混合物である。
【0034】
本発明では、上記反応において、反応生成物である芳香族カーボネートよりも低沸点を有するアルコール類を副生させて、反応装置下部から芳香族カーボネートを抜き出し、かつ反応装置上部から副生アルコール類を抜き出すことができるような原料を用いることが好ましい。具体的に、上記反応では、アルキルアリールカーボネートがメチルフェニルカーボネートであり、ジアリールカーボネートがジフェニルカーボネートであることが好ましい。
【0035】
また芳香族カーボネートとして、最終的にジアリールカーボネートを製造することが好ましい。
上記のようなジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物との反応は、触媒の存在下に、通常液状状態で行われる。
【0036】
本発明では、この触媒として、芳香族カーボネート類を製造しうる触媒であれば公知の触媒を特に限定することなく広く用いることができる。
本発明で用いられる触媒は、反応条件において反応液に溶解しうるものであってもよく(均一系)、反応液に溶解しえないものであってもよい(不均一系)。
【0037】
触媒としては、たとえばルイス酸類、スズ化合物、鉛化合物、銅族金属化合物、アルカリ金属錯体、亜鉛錯体、鉄族金属化合物、ジルコニウム錯体、固体触媒などが挙げられる。より具体的には、
ルイス酸類としては、AlX3 、TiX3 、TiX4 、VOX3 、VX5 、ZnX2 、FeX3 、SnX4 (ここで、Xはハロゲン原子、アセトキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基)などのルイス酸およびルイス酸を発生する遷移金属化合物が挙げられる。より具体的には、四塩化チタン、テトラフェノキシチタン(Ti(OPh)4 )、テトラクレゾキシチタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラドデシロキシチタン、テトライソオクチロキシスズ、トリイソプロポキシアルミニウムなどが挙げられる。
【0038】
スズ化合物としては、有機スズ化合物が挙げられ、たとえばトリメチルスズアセテート、トリエチルスズアセテート、トリブチルスズアセテート、トリフェニルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズアジピネート、ジブチルジメトキシスズ、ジブチルジフェノキシスズ、〔(Bu2Sn(OPh)〕2O、ジメチルスズグリコラート、ジブチルジエトキシスズ、水酸化トリエチルスズ、ヘキサエチルスタノキサン、ヘキサブチルスタノキサン、ジブチルスズオキサイド(Bu2SnO)、ジオクチルスズオキサイド、ブチルスズトリイソオクチラート、オクチルスズトリイソオクチラート、ブチルスタノニックアシッド、オクチルスタノニックアシッド、さらにポリ〔オキシ(ジブチルスタニレン)〕などのポリマー状スズ化合物、ポリ(エチルヒドロキシスタノキサン)などのポリマー状ヒドロキシスタノキサンなどが挙げられる。またスズ化合物として、酸化スズを用いることもできる。
【0039】
鉛化合物としては、PbO、PbO2 、Pb34 などの酸化鉛類、PbS、Pb2Sなどの硫化鉛類、Pb(OH)2 、Pb22(OH)2 などの水酸化鉛類、Na2PbO2 、K2PbO2 、NaHPbO2 、KHPbO2 などの亜ナマリ酸塩類、Na2PbO3 、Na22PbO4 、K2PbO3 、K2〔Pb(OH)6 〕、K4PbO4 、Ca2PbO4 、CaPbO3 などの鉛酸塩類、PbCO3 、2PbCO3・Pb(OH)2 などの鉛炭酸塩およびその塩基性塩類、Pb(OCOCH32 、Pb(OCOCH34 、Pb(OCOCH32 ・PbO・3H2Oなどの有機酸の鉛塩および鉛炭酸塩およびその塩基性塩類、R4Pb、R3PbCl 、R3PbBr 、R3PbまたはR6Pb2 、R3PbOH、R3PbO(ここでRはC49などのアルキル基またはフェニルなどのアリール基)などの有機鉛化合物類、Pb(OCH32 、(CH3O)Pb(OPh)、Pb(OPh)2 などのアルコキシ鉛類、アリールオキシ鉛類、Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−Sbなどの鉛合金類、ホウエン鉱、センアエン鉱などの鉛鉱物類、およびこれら鉛化合物の水和物などが挙げられる。
【0040】
銅族金属化合物としては、CuCl 、CuCl2、CuBr 、CuBr2、CuI、CuI2 、Cu(OAc)2 、Cu(acac)2 、オレフィン酸銅、Bu2Cu、(CH3O)2Cu、AgNO3 、AgBr 、ピクリン酸銀、AgC66ClO4Ag(ブルバレン)3NO3 、〔AuC≡C−C(CH33n〔Cu(C78)Cl〕4 などの銅族金属の塩および錯体(ここでacacはアセチルアセトンキレート配位子)などが挙げられる。
【0041】
アルカリ金属錯体としては、Li(acac)、LiN(C492 などが挙げられる。
亜鉛錯体としては、Zn(acac)2 などが挙げられる。
【0042】
カドミウム錯体としては、Cd(acac)2 などが挙げられる。
鉄族金属化合物としては、Fe(C108)(CO)5 、Fe(CO)5 、CoC56)(CO)7 、Ni−C55NO、フェロセンなどが挙げられる。
【0043】
ジルコニウム錯体としては、Zr(acac)4 、ジルコノセンなどが挙げられる。
固体触媒としては、シリカ、アルミナ、チタニア、シリカチタニア、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、ゼオライト、希土類酸化物などが挙げられる。
【0044】
これらのうちでも、均一系触媒が好ましく、特にテトラフェノキシチタン、テトラメトキシチタンなどのルイス酸、Bu2SnO、〔(Bu2Sn(OPh)〕2Oなどの有機スズ化合物、Pb(OPh)2 などのアルコキシ鉛などが好ましく用いられる。
【0045】
これらの触媒は、反応に不活性な化合物あるいは担体と混合して用いることもでき、担体に担持させて用いることもできる。さらに触媒は、反応系中に存在する反応原料、反応生成物と反応しうるものであってもよく、予め反応原料、反応生成物とともに加熱処理されていてもよい。
【0046】
本発明では、触媒として均一系触媒を用いる場合には、たとえば触媒を連続的に反応装置内に供給することにより反応系に存在させることができ、また不均一系触媒を用いる場合には、反応装置内に配置することにより反応系に存在させることができる。
【0047】
均一系触媒を反応装置内に連続的に供給する際には、反応原料のジアルキルカーボネートおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物と混合して供給してもよく、あるいは別々に供給してもよい。
【0048】
上記のような触媒は、その種類、反応条件などによっても異なるが、均一系触媒を反応装置内に連続的に供給する場合には、通常反応原料である芳香族ヒドロキシ化合物に対して、0.001〜10モル%、好ましくは0.01〜5モル%の量で用いられる。また不均一系触媒は、通常反応装置の空塔容積に対して0.01〜75体積%の量で配置される。
【0049】
上記のような触媒の存在下に行なわれるジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物との反応は、反応装置内で行なわれる。
反応装置としては、反応蒸留塔、蒸留塔付連続反応装置などを用いることができるが、反応蒸留塔を用いることが好ましい。
【0050】
反応蒸留塔としては、前記反応が生成系側に移行しやすいように気液界面積の大きい装置を用いることが好ましい。具体的には、2段以上の蒸留段数を有する多段蒸留反応塔を用いることができ、棚段塔式、充填塔式、棚段塔式と充填塔式とを組み合わせたものなど公知の多段蒸留反応塔を用いることができる。このような多段蒸留反応塔では、触媒は全ての段に触媒を存在させておくことが好ましい。また充填塔式において固体触媒を用いる場合には、この固体触媒を充填物の一部または全部とすることもできる。
【0051】
上記の反応は、必要に応じて溶媒の共存下に行うこともできる。この溶媒としては、反応不活性な溶媒を用いることができ、たとえばエーテル類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類などを用いることができる。
【0052】
また窒素、ヘリウム、アルゴンなどの反応不活性なガスの共存下に反応を行うこともできる。
反応条件は、用いられる反応装置の種類、構造、反応原料などによっても異なるが、通常50〜350℃、好ましくは100〜280℃、特に好ましくは150〜280℃の反応温度(塔内温度)で行われる。また減圧、常圧、加圧下のいずれであってもよいが、通常2600Pa〜5.4MPaの圧力下で行われる。反応装置内での平均滞留時間は、通常、0.001〜50時間、好ましくは0.01〜10時間、より好ましくは0.05〜5時間程度である。
【0053】
本発明では、1基の反応装置を用いて、前記反応(1)〜(3)を行ない芳香族カーボネートを製造することもでき、また2基以上の反応装置を用いて芳香族カーボネートを製造することもできる。本発明では、反応装置を2基用いて、第1の反応装置において前記反応(1)を行なって主にアルキルアリールカーボネートを生成させ、第2の反応装置において反応(2)および(3)を行ってジアリールカーボネートを生成させることが好ましい。
【0054】
上記のように反応装置内で生成された芳香族カーボネートは、反応装置から連続的に抜き出されるが、この芳香族カーボネートは、通常反応装置下部から液状で抜き出される。反応装置から抜き出された芳香族カーボネートは、次いで精製塔に導いて精製することもできる。
【0055】
一方、副生アルコール類は、通常反応装置上部から抜き出される。
また未反応原料である芳香族ヒドロキシ化合物およびジアルキルカーボネートは、反応装置から連続的に抜き出した後分離回収して反応系に循環させている。なおこのジアルキルカーボネートは、未反応原料だけではなく反応で副生されるものも含んでいる。以下、反応装置から回収されるジアルキルカーボネートを未反応原料ということもある。
【0056】
本発明では、このように未反応原料を回収して反応系に循環させる際には、未反応原料と、反応装置(反応装置を2基用いたときには特に第1の反応装置)内で副生されるアルキル芳香族エーテルとを分離した後、未反応原料を反応系に循環させている。
【0057】
このアルキル芳香族エーテルは、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物Ar1OHとを反応させたときに低選択率ではあるが副生され、Ar1OR1 またはAr1OR2 で示されるが、たとえばジメチルカーボネートとフェノールとを反応させたときには、下記のようなアニソールが副生される。
【0058】
【化6】
Figure 0003846926
【0059】
上記のような反応生成物(芳香族カーボネート)、副生アルコール類、未反応原料(ジアルキルカーボネートおよび芳香族ヒドロキシ化合物)および副生アルキル芳香族エーテルは、反応装置上部および下部から反応混合物として抜き出されるが、本発明では、精製循環工程においてこの反応混合物から各成分を分離した後、得られた未反応原料を反応系に循環させている。具体的には、
[I]反応装置上部から抜き出された副生アルコール類、ジアルキルカーボネートおよび反応装置で副生されるアルキル芳香族エーテルを含む反応混合物からアルコール類およびアルキル芳香族エーテルを分離除去し、得られたジアルキルカーボネートを反応系に循環させる精製循環工程、および
[II]反応装置下部から抜き出された芳香族カーボネート、ジアルキルカーボネート、芳香族ヒドロキシ化合物および反応装置で副生されるアルキル芳香族エーテルを含む反応混合物を蒸留して芳香族カーボネートを蒸留塔底部から分離するとともに、蒸留塔上部から得られた反応混合物からアルキル芳香族エーテルを分離除去し、得られたジアルキルカーボネートおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物を反応系に循環させる精製循環工程、
のうち少なくとも1つの精製循環工程を行っており、精製循環工程[I]あるいは精製循環工程[II]を単独で行なうか、あるいは精製循環工程[I]および精製循環工程[II]の両方を行なうことが好ましい。
【0060】
各精製循環工程において、芳香族カーボネート、アルコール類、ジアルキルカーボネート、芳香族ヒドロキシ化合物およびアルキル芳香族エーテルは、通常蒸留によって分離することができる。また反応装置から抜き出された反応混合物は、1つの蒸留装置で各成分を分離してもよく、2以上の蒸留装置を用いて各成分を順次分離してもよい。たとえば反応装置上部から抜き出された反応混合物から、アルコール類およびアルキル芳香族エーテルを分離除去する際には、反応装置上部から抜き出された反応混合物から、一旦アルコール類を分離した後、次いでアルコール類の除去された反応混合物からアルキル芳香族エーテルを除去して、得られたジアルキルカーボネートを反応系に循環させることができる。
【0061】
以下、本発明に係る芳香族カーボネートの連続的製造方法の具体例を、反応装置を2基用いて、ジメチルカーボネートとフェノールとから芳香族カーボネートを製造する場合について、図1を参照しながら具体的に説明する。
【0062】
図1において、反応装置1に下方ライン11からジメチルカーボネートを連続的に導入し、ライン12からフェノールおよび均一系触媒を連続的に導入し、反応装置1内においてジメチルカーボネートとフェノールとを反応させる。なお原料は、同一ラインから導入してもよい。
【0063】
反応装置1の上部13(好ましくは塔頂部)から抜き出された反応混合物(以下反応混合物Aという)は、未反応および副生ジメチルカーボネート、副生メチルアルコール、およびアニソールなどを含んでいる。
【0064】
この反応混合物Aは、一旦蒸留塔2に導入され、副生メチルアルコールがライン21から除去される。なおこの蒸留では、メチルアルコールとジメチルカーボネートとの共沸(7:3)により、ジメチルカーボネートの一部も留去される。
【0065】
蒸留残留物中にはジメチルカーボネート、アニソール(アルキル芳香族エーテル)などが濃縮されているので、この蒸留残留物を再び蒸留することにより、アニソールを除去することができ、高純度のジメチルカーボネートを得ることができる(第1の精製循環工程[I-1])。
【0066】
具体的には、蒸留残留物を蒸留塔2の下部からライン22を介して蒸留塔3に供給し、ジメチルカーボネートとアニソールとを分離する。ライン32からアニソールを除去し、ライン31から高純度のジメチルカーボネートを反応装置1に循環させることができる。
【0067】
この精製循環工程[I-1]において、たとえばジメチルカーボネート(沸点90〜91℃)とアニソール(155.5℃)とは、沸点差が大きいので容易に分離することができる。精製循環工程[I-1]で精製されたジメチルカーボネートは、反応系に循環させて再利用することができる。
【0068】
一方反応装置1の塔下部好ましくは塔底部からライン14を介して抜き出された反応混合物(反応混合物B)は、通常メチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、フェノール、副生アニソール、触媒などを含んでいる。
【0069】
この反応液は一旦蒸留塔4で蒸留され、蒸留塔4の上部からライン41を介して、通常、ジメチルカーボネート、フェノール、アニソールを含んだ留出物を留去し、この留出物は精製循環工程[II]に導かれる。なおこの蒸留塔4で蒸留する際には、アニソールは、塔底留出物中にも少量含まれている。
【0070】
精製循環工程[II]においては、蒸留塔4から得られた上部留出物から、ジメチルカーボネートと、フェノールと、アニソールを蒸留分離する。より具体的にには、蒸留塔5においてまずジメチルカーボネートとをそれぞれ蒸留塔5の上部から留去して分離し、ライン51を介して反応装置1に再循環させることができる。一方蒸留塔5の下部から留去された留出物は、次いで蒸留塔6に供給され、この蒸留塔6でアニソールとフェノールとを蒸留分離し、蒸留塔6の上部からアニソールを分離除去するとともに、該蒸留塔6の下部からフェノールを留去し、得られたフェノールはライン62を介して反応装置1に循環させることができる。
【0071】
一方蒸留塔4の塔底部からライン42を介して留去される反応液は、メチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、さらにジメチルカーボネート、フェノール、アニソールなどを含んでおり、第2の反応装置7に導入される。
【0072】
第2の反応装置7では、主にメチルフェニルカーボネートとライン73からフェノールを供給されたフェノールとを反応させてジフェニルカーボネートを生成させる。この第2の反応装置7では、メチルフェニルカーボネートどうしの反応によるジフェニルカーボネートの生成反応も行なわれる。
【0073】
また第2の反応装置7の上部71からは、ジメチルカーボネート、フェノールとともにアニソールも留去されるが、この留出物を精製循環工程[I-2]に導いて、精製循環工程[II]と同様にアニソールを除去し、高純度のジメチルカーボネート、フェノールを回収することができる。具体的には、反応装置頂部71から留去された留出物を、蒸留塔8において蒸留し、蒸留塔上部81からジメチルカーボネートを反応装置1のライン11に循環させることができる。また蒸留塔の下部82から、フェノールおよびアニソールを蒸留塔9に導いて蒸留分離し、分離されたフェノールを蒸留塔下部92から反応装置1のライン12に循環させることができる。アニソールは蒸留塔上部91から除去される。
【0074】
一方反応装置7で得られた芳香族カーボネートは、次いで精製塔(図示せず)で精製することができる。
また上記の精製循環工程[II]および[I-2]においては、図2に示すようにたとえば多段蒸留塔10でジメチルカーボネート、フェノール、アニソールとフェノールとの混合物に分離して、アニソールを分離除去してもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明では、芳香族カーボネートの連続的製造方法において、回収された未反応原料から特定の副生物(アルキル芳香族エーテル)を除去して反応系に循環させており、芳香族カーボネートを効率よく連続製造することができる。
【0076】
【実施例】
以下本発明を実施例について具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0077】
【実施例1】
図1に示すような2基の反応装置を用いるプロセスにより、芳香族カーボネートを製造した。
【0078】
メチルフェニルカーボネート(PMC)の生成装置(反応装置)として、段数40段のシ−ブトレイを装着した塔高3m、塔径2インチの棚段式蒸留塔を有する500mlのオートクレーブを用いた。
【0079】
反応液はオートクレーブ塔底に設けられた抜き出し管から連続的に抜き出した。副生アルコールを含む低沸点成分は蒸留塔頂部から抜き出した後、冷却器で液化させ一部を抜き出し、残りを蒸留塔に還流させた(還流比=1)。オートクレーブと蒸留塔とを電気炉で加熱して、蒸留塔塔底の温度が206℃になるように制御した。さらに原料を供給するラインもヒーターで加熱した。
【0080】
初期は、フェノール(PhOH)と触媒としてのTi(OPh)4 とを293g/時間(内フェノール280g、触媒13g)の量で、蒸留塔の20段目に連続的に供給し、これより上部20段を蒸留塔として用いた。
【0081】
ジメチルカーボネート(DMC)は1220g/時間の量でオートクレーブに連続的に供給した。塔頂にフェノールが留出せず、塔底のDMC/PhOHモル比が約1となるように運転を行った結果、蒸留塔の塔頂からは973g/時間、蒸留塔塔底からは540g/時間の割合で生成物が得られた。塔底液の中のメチルフェニルカーボネートの生成量は95g/時間であり、アニソールの生成量は約0.3g/時間であった。
【0082】
反応開始時期の塔頂には、DMCとメタノール(MeOH)が主成分であり、アニソールは約0.1g/時間含まれていた。
さらに蒸留塔塔頂からの留出物は常圧で蒸留し、MeOHとDMCとの共沸混合物を分離した後、さらに蒸留して純粋なDMC成分とした後、これをメチルフェニルカーボネート生成装置にリサイクルした。
【0083】
一方メチルフェニルカーボネート生成装置の塔底液は、単蒸留により約700g/時間に濃縮した。低沸点成分(約270g/時間)はDMCが主成分であったので、回収DMCとしてメチルフェニルカーボネート生成装置に戻し、濃縮成分はジフェニルカーボネート生成装置に供給した。
【0084】
ジフェニルカーボネート(DPC)の生成工程では、反応装置として、内径2インチの理論段数25段の充填式蒸留塔を有する500m1のオートクレーブを使用し、濃縮液を蒸留塔中段から供給し、塔頂圧110torr、塔底温度200℃、滞留時間1.5時間還流比=1の条件で反応させた。塔頂からの留出量は約500g/時間であり、塔底からの留出量は約200g/時間であった。
【0085】
塔頂からの留出成分はフェノールが主成分であったので、リサイクルフェノールとしてメチルフェニルカーボネート生成工程に戻した。
その結果、アニソールの蓄積速度は遅くなり、さらにメチルフェニルカーボネート生成装置塔底のアニソール濃度は0.5%以下に落ちついた(表1)。
【0086】
【表1】
Figure 0003846926
【0087】
【比較例1】
実施例1において、PMC反応塔塔頂からの留出物は常圧で蒸留し、MeOHとDMCとの共沸混合物を分離した後、残りをそのまま、DMCとしてメチルフェニルカーボネートの生成装置に戻した。
上記の条件で、連続運転を行ったところ、アニソールの蓄積によりメチルフェニルカーボネートの濃度が時間とともに低下することが分かった(表2)。
【0088】
【表2】
Figure 0003846926

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る芳香族カーボネートの製造方法の態様例を示すプロセスフロー図である。
【図2】 精製循環工程[II]または[I-2]における蒸留プロセスの他例を示す。

Claims (6)

  1. 反応装置内において、触媒の存在下にジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させ、
    反応装置から、反応により生成される芳香族カーボネート、副生されるアルコール類、ジアルキルカーボネートおよび芳香族ヒドロキシ化合物を連続的に抜き出すとともにジアルキルカーボネートおよび芳香族ヒドロキシ化合物を回収して反応系に循環させて芳香族カーボネートを連続的に製造するに際して、
    [I]反応装置上部から抜き出された副生アルコール類、ジアルキルカーボネートおよび反応装置で副生されるアルキル芳香族エーテルを含む反応混合物から第1の蒸留装置により副生アルコール類を分離する工程、および副生アルコール類が除去された反応混合物から第2の蒸留装置によりアルキル芳香族エーテルを除去し、得られたジアルキルカーボネートを反応系に循環させる工程を含む精製循環工程、
    および
    [II]反応装置下部から抜き出された芳香族カーボネート、ジアルキルカーボネート、芳香族ヒドロキシ化合物および反応装置で副生されるアルキル芳香族エーテルを含む反応混合物を蒸留し、芳香族カーボネートを蒸留塔底部から分離するとともに、蒸留塔上部から得られた反応混合物からアルキル芳香族エーテルを分離除去し、得られたジアルキルカーボネートおよび/または芳香族ヒドロキシ化合物を反応系に循環させる精製循環工程、
    のうち少なくとも1つの精製循環工程を行うことを特徴とする芳香族カーボネートの連続的製造方法。
  2. 芳香族カーボネートが、アルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族カーボネートの連続的製造方法。
  3. ジアルキルカーボネートが、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートであることを特徴とする請求項1に記載の芳香族カーボネートの連続的製造方法。
  4. 芳香族ヒドロキシ化合物が、フェノール、m-および/またはp-クレゾールであることを特徴とする請求項1に記載の芳香族カーボネートの連続的製造方法。
  5. アルキル芳香族エーテルが、アニソール、フェネトール、メチルトリルエーテルあるいはエチルトリルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の芳香族カーボネートの連続的製造方法。
  6. 請求項1において、反応装置を2基用い、
    第1の反応装置において、触媒の存在下にジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて芳香族カーボネートとしてアルキルアリールカーボネートを生成させ、
    次いで第2に反応装置において、第1の反応装置で得られたアルキルアリールカーボネートを反応させるか、アルキルアリールカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて芳香族カーボネートとしてジアリールカーボネートを生成させることを特徴とする、
    請求項1に記載の芳香族カーボネートの連続的製造方法。
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